(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】フラット光学装置製造用のフォトレジストローディングソリューション
(51)【国際特許分類】
G02B 1/00 20060101AFI20250210BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
G02B1/00
G02B5/18
(21)【出願番号】P 2021572417
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2020034054
(87)【国際公開番号】W WO2020247184
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-22
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドシェイ, セイジ トコ ギャレット
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジエン アン
(72)【発明者】
【氏名】シャー, ピンケシュ ロヒト
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0348548(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/00 - 1/02
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に配置された又は基板の表面と一体化したナノ構造である装置構造の1つ以上のアレイを有する少なくとも1つの光学装置であって、前記装置構造の各々が、
前記装置構造の幅によって画定される、1000ナノメートル(nm)未満の装置限界寸法;及び
隣接する装置構造間の距離として画定される装置間隙
を有する、少なくとも1つの光学装置、並びに
各光学装置の周囲に配置された中間領域によって画定される補助領域であって、該補助領域が、前記基板の前記表面に配置された又は前記基板の前記表面と一体化した補助構造の1つ以上のアレイを有し、前記補助構造の各々が、
前記補助構造の幅によって画定される補助限界寸法;及び
隣接する補助構造間の距離として画定される補助間隙
を有する、補助領域
を含み、
前記装置構造及び前記補助構造は、前記基板の同一平面上に配置され、
前記装置構造及び前記補助構造は、同じ高さを有し、
前記装置限界寸法は、前記補助限界寸法より小さい
、光学的な装置。
【請求項2】
前記装置構造又は前記補助構造のうちの少なくとも1つが、二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO
2)、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープされた酸化スズ(FTO)、スズ酸カドミウム(酸化スズ)(CTO)、スズ酸亜鉛(酸化スズ)(SnZnO
3)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化ニオブ(Nb
2O
5)、又はケイ素含有材料のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置構造及び前記補助構造が、
同じ材料からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
基板の表面に配置された又は基板の表面と一体化したナノ構造である装置構造の1つ以上のアレイを有する少なくとも1つの光学装置であって、前記装置構造の各々が、
前記装置構造の幅によって画定される、1000ナノメートル(nm)未満の装置限界寸法;及び
隣接する装置構造間の距離として画定される装置間隙
を有する、少なくとも1つの光学装置、並びに
各光学装置を取り囲む中間領域であって、該中間領域が、前記基板の補助領域と各光学装置との間の露出距離に対応する前記基板の前記表面を露出
させ、前記補助領域が、前記基板の前記表面に配置された又は前記基板の前記表面と一体化した暗視野マスクを有し、前記補助領域は、前記基板の前記表面に配置された
補助構造
を有する、中間領域
を含み、
前記装置構造及び前記補助構造は、前記基板の同一平面上に配置され、
前記装置構造及び前記補助構造は、同じ高さを有し、
前記装置限界寸法は、前記補助構造
の限界寸法より小さい
、光学的な装置。
【請求項5】
前記暗視野マスクが、前記基板の前記表面に配置された
前記補助構造の上に配置されたフォトレジスト又はハードマスクのうちの少なくとも1つである、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハードマスクが、クロム(Cr)、銀(Ag)、窒化ケイ素(Si
3N
4)
、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化チタン(TiN)、又は炭素(C)含有材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置構造及び前記補助構造が
同じ材料からなる、請求項
5に記載の装置。
【請求項8】
前記基板の前記補助領域と各光学装置との間の露出距離が一定である、請求項
4に記載の装置。
【請求項9】
前記基板の前記補助領域と各光学装置との間の露出距離が変化する、請求項
4に記載の装置。
【請求項10】
前記装置構造が、二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO
2)、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープされた酸化スズ(FTO)、スズ酸カドミウム(酸化スズ)(CTO)、スズ酸亜鉛(酸化スズ)(SnZnO
3)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化ニオブ(Nb
2O
5)、又はケイ素含有材料のうちの1つ以上を含む、請求項
4に記載の装置。
【請求項11】
光学的な装置を作製するための方法であって、
基板の表面に構造材料層を配置すること;
前記構造材料層の上にパターン化されたフォトレジストを配置することであって、前記パターン化されたフォトレジストが、
少なくとも1つの装置部分、及び
少なくとも1つの補助部分
を有し、各装置部分及び各補助部分が前記構造材料層のマスキングされていない部分を露出させ、
前記補助部分の前記マスキングされていない部分の幅が、前記少なくとも1つの装置部分の前記マスキングされていない部分の幅よりも大きく、前記補助
部分の
寸法が、前記装置
部分の
寸法よりも大きい、
パターン化されたフォトレジストを配置すること;並びに
各装置部分及び各補助部分に対応する前記構造材料層の前記マスキングされていない部分をエッチングすることであって、前記マスキングされていない部分をエッチングすることにより、
前記装置
部分を有する少なくとも1つの光学装置、及び
前記補助
部分を有する少なくとも1つの補助領域
が形成される、エッチングすること
を含
み、
前記装置部分及び前記補助部分は、同じ高さを有する、方法。
【請求項12】
前記構造材料層が、二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO
2)、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープされた酸化スズ(FTO)、スズ酸カドミウム(酸化スズ)(CTO)、スズ酸亜鉛(酸化スズ)(SnZnO
3)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、及び
アモルファスシリコン(a-Si
)含有材料のうちの1つ以上を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記マスキングされていない部分をエッチングすることが、イオン注入、イオンエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、指向性RIE、プラズマエッチング、及び湿式エッチングのうちの1つ以上を含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、光学装置に関する。より詳細には、本明細書に記載される実施形態は、1つ以上の光学装置の製造を提供する。
【背景技術】
【0002】
光学装置を使用して、光の伝播を操作することができる。光学装置の一例は、フラット光学装置である。可視及び近赤外スペクトルでのフラット光学装置は、その上に配置されたナノ構造などの構造を有する透明な基板を必要としうる。しかしながら、透明な基板を処理して光学装置を形成することは、新しい技術として複雑であり、困難である。例えば、光学装置が基板の表面によってのみ取り囲まれるように、構造材料の大きい領域を、隣接する光学装置間の領域、及び光学装置と基板の周囲との間の領域でエッチング除去することができる。光学装置を基板の表面によってのみ取り囲むと、結果的にエッチングプロセスの終点を決定することができなくなり、構造の望ましくない限界寸法をもたらす可能性がある。
【0003】
したがって、光学装置を製造する改善された方法が、当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、方法が提供される。該方法は、基板の表面に構造材料層を配置すること、及び構造材料層の上にパターン化されたフォトレジストを配置することを含む。パターン化されたフォトレジストは、少なくとも1つの装置部分と少なくとも1つの補助部分とを有する。各装置部分及び各補助部分は、構造材料層のマスキングされていない部分を露出する。各装置部分及び各補助部分に対応する構造材料層のマスキングされていない部分がエッチングされる。マスキングされていない部分をエッチングすると、少なくとも1つの装置部分のマスキングされていない部分に対応する装置構造を有する少なくとも1つの光学装置と、少なくとも1つの補助部分のマスキングされていない部分に対応する補助構造を有する少なくとも1つの補助領域とが形成される。
【0005】
別の実施形態では、方法が提供される。該方法は、基板の表面に構造材料層を配置すること、及び構造材料層の上にパターン化されたフォトレジストを配置することを含む。パターン化されたフォトレジストは、構造材料層のマスキングされていない装置部分を露出する少なくとも1つの装置部分、基板の少なくとも1つの補助領域をマスキングする少なくとも1つの補助部分、形成される中間領域と基板の周囲とによって画定される補助領域、及び各装置部分と各補助部分との間の構造材料層のマスキングされていない中間部分を露出する少なくとも1つの中間部分を有する。各装置部分及び各中間部分に対応する構造材料層のマスキングされていない装置部分及びマスキングされていない中間部分がエッチングされる。マスキングされていない装置部分及びマスキングされていない中間部分をエッチングすると、少なくとも1つの装置部分のマスキングされていない部分に対応する装置構造を有する少なくとも1つの光学装置と、基板の表面を露出する各光学装置と各補助領域との間の少なくとも1つの中間領域とが形成される。補助領域は各補助部分によってマスキングされる。
【0006】
さらに別の実施形態では、方法が提供される。該方法は、基板の表面に構造材料層を配置すること、及び構造材料層の上にパターン化されたフォトレジストを配置することを含む。パターン化されたフォトレジストは、構造材料層のマスキングされていない装置部分を露出する少なくとも1つの装置部分と、基板の少なくとも1つの補助領域をマスキングする少なくとも1つの補助部分とを有する。補助領域は、形成される中間領域と基板の周囲とによって画定され、少なくとも1つの中間部分は、各装置部分と各補助部分との間にある構造材料層のマスキングされていない中間部分を露出する。各装置部分と各補助部分との間の非マスキング距離は、変化する。各装置部分及び各中間部分に対応する、構造材料層のマスキングされていない装置部分及びマスキングされていない中間部分が、エッチングされる。マスキングされていない装置部分及びマスキングされていない中間部分をエッチングすると、少なくとも1つの装置部分のマスキングされていない部分に対応する装置構造を有する少なくとも1つの光学装置と、基板の表面を露出する各光学装置と各補助領域との間の少なくとも1つの中間領域とが形成される。補助領域は各補助部分によってマスキングされ、各中間領域と各補助部分との間の露出距離は変化する。
【0007】
本開示の上記特徴部を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しているのであり、したがって、本開示は他の同等に有効な実施形態も許容しうることから、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態による、1つ以上の光学装置を製造する方法の動作を示すフロー図
【
図2A-C】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な上面図
【
図2D-F】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な断面図
【
図3A-C】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な上面図
【
図3D-F】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な断面図
【
図4】実施形態による、1つ以上の光学装置を製造する方法の動作を示すフロー図
【
図5A-C】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な上面図
【
図5D-F】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な断面図
【
図6A-C】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な上面図
【
図6D-F】一実施形態による光学装置を製造する方法中の基板の概略的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、光学装置を製造する方法に関する。該方法の一実施形態は、基板の表面に構造材料層を配置すること、及び構造材料層の上にパターン化されたフォトレジストを配置することを含む。パターン化されたフォトレジストは、少なくとも1つの装置部分と少なくとも1つの補助部分とを有する。各装置部分及び各補助部分は、構造材料層のマスキングされていない部分を露出する。各装置部分及び各補助部分に対応する構造材料層のマスキングされていない部分がエッチングされる。マスキングされていない部分をエッチングすると、少なくとも1つの装置部分のマスキングされていない部分に対応する装置構造を有する少なくとも1つの光学装置と、少なくとも1つの補助部分のマスキングされていない部分に対応する補助構造を有する少なくとも1つの補助領域とが形成される。
【0010】
図1は、1つ以上の光学装置200、300を製造する方法100の動作を示すフロー図である。
図2A-2Cは、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態による光学装置200を製造する方法100中の基板201の概略的な上面図であり、
図2D-2Fは、基板201の概略的な断面図である。
図3A-3Cは、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態による光学装置300を製造する方法100中の基板201の概略的な上面図であり、
図3D~3Fは、基板201の概略的な断面図である。
【0011】
動作101では、
図2A及び2D並びに
図3A及び3Dに示されるように、フォトレジスト材料が構造材料層202の上に配置される。構造材料層202は、基板201の表面203の上に配置される。フォトレジスト材料は現像されて、パターン化されたフォトレジスト206、306を形成する。フォトレジスト材料は、スピンオンコーティングプロセスを使用して構造材料層202上に配置することができる。パターン化されたフォトレジスト206、306は、感光性ポリマー含有材料を含みうるが、これに限定されない。フォトレジスト材料を現像することは、フォトリソグラフィ及びデジタルリソグラフィなどのリソグラフィプロセスを実行することを含みうる。
【0012】
基板201はまた、約100から約3000ナノメートルの1つ以上の波長など、所望の波長又は波長範囲の適量の光を透過するように選択することができる。限定はしないが、幾つかの実施形態では、基板201は、該基板201が光スペクトルのIRからUV領域の約50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上を透過するように構成される。基板201は、該基板201が、所望の波長又は波長範囲の光を適切に透過することができ、光学装置の適切な支持体として機能可能であることを条件として、任意の適切な材料から形成することができる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、基板201の材料は、構造材料層202の屈折率と比較して比較的低い屈折率を有する。基板の選択は、アモルファス誘電体、非アモルファス誘電体、結晶性誘電体、酸化ケイ素、ポリマー、及びそれらの組合せを含むがこれらに限定されない任意の適切な材料の基板を含みうる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、基板201は透明な材料を含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板201は透明であり、吸収係数は0.001より小さい。適切な例には、酸化物、硫化物、リン化物、テルル化物、又はそれらの組合せが含まれうる。一例では、基板201は、ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO2)、サファイヤ、及び高屈折率の透明材料含有材料を含む。
【0013】
構造材料層202は、液体材料注入鋳造プロセス、スピンオンコーティングプロセス、液体噴霧コーティングプロセス、乾燥粉末コーティングプロセス、スクリーン印刷プロセス、ドクターブレードプロセス、物理的気相堆積(PVD)プロセス、化学気相堆積(CVD)プロセス、プラズマ(PECVD)プロセス、流動性CVD(FCVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、蒸発プロセス、又はスパッタリングプロセスを使用して、基板201の表面203の上に配置することができる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、構造材料層202は、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO2)、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープされた酸化スズ(FTO)、スズ酸カドミウム(酸化スズ)(CTO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、及びスズ酸亜鉛(酸化スズ)(SnZnO3)含有材料に限定されない、金属含有誘電体材料を含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、構造材料は、誘電体材料などの非導電性非結晶性材料を含む。誘電体材料は、アモルファス誘電体、非アモルファス誘電体、及び結晶性誘電体を含みうる。誘電体材料の例には、Si含有材料、例えば、窒化ケイ素(Si3N4)、及びアモルファスシリコン(a-Si)が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、動作101では、パターン化されたフォトレジスト206、306は、構造材料層202の上に配置された、ハードマスク又はエッチング停止層などの1つ以上のエッチング層204の上に配置される。ハードマスクは、液体材料注入鋳造プロセス、スピンオンコーティングプロセス、液体噴霧コーティングプロセス、乾燥粉末コーティングプロセス、スクリーン印刷プロセス、ドクターブレードプロセス、PVDプロセス、CVDプロセス、PECVDプロセス、FCVDプロセス、ALDプロセス、蒸発プロセス、又はスパッタリングプロセスを使用して、構造材料層202の上に配置することができる。一実施形態では、ハードマスクは、1つ以上の光学装置200が形成された後に除去される不透明なハードマスクである。別の実施形態では、ハードマスクは透明なハードマスクである。ハードマスクの例には、クロム(Cr)、銀(Ag)、Si3N4、SiO2、TiN、及び炭素(C)含有材料が含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、パターン化されたフォトレジスト206、306は、少なくとも1つの装置部分208、308と、少なくとも1つの補助部分212、312とを含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、パターン化されたフォトレジスト206、306は、少なくとも1つの装置部分208、308、少なくとも1つの中間部分210、310、及び少なくとも1つの補助部分212、312を含む。各中間部分210、310は、装置部分208、308と補助部分212、312との間にある。少なくとも1つの装置部分208、308、少なくとも1つの中間部分210、310、及び少なくとも1つの補助部分212、312の各々は、構造材料層202のマスキングされていない部分205、305を露出する。
図2C及び2F並びに
図3C及び3Fに示されるように、各装置部分208、308は、基板201の表面203に形成された又は基板201の表面203と一体化した装置構造207のアレイを有する、光学装置200、300のうちの1つに対応する。各中間部分210、310は、光学装置200、300と補助領域216、316との間の中間領域214、314に対応する。各補助部分212、312は、基板201の表面203に形成されるか、又は基板201の表面203と一体化した、本明細書に詳細に説明されるダミー構造としても知られる補助構造209、309のアレイを有する基板201の補助領域216、316に対応する。補助領域216、316は、各中間領域214、314と基板201の周囲とによって画定されるスペースによって画定される。
【0016】
動作102では、
図2B及び2E並びに
図3B及び3Eに示されるように、構造材料層202のマスキングされていない部分205、305がエッチングされる。構造材料層202のマスキングされていない部分205、305をエッチングすることは、イオン注入、イオンエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、指向性RIE、プラズマエッチングのうちの少なくとも1つに限定されない、少なくとも1つの乾式エッチングプロセス、及び湿式エッチングを含む。マスキングされていない部分205、305をエッチングすると、光学装置200、300の装置構造207が形成され、中間領域214、314の基板201の表面203、及び補助領域216、316の補助構造209、309が露出する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、1つ以上のエッチング層204のマスキングされていない部分211は、構造材料層202のマスキングされていない部分205、305の前に、エッチングされる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、エッチング層204のうちの少なくとも1つは、構造材料層202より大きいエッチング選択性を有する。動作103では、
図2C及び2F並びに
図3C及び3Fに示されるように、パターン化されたフォトレジスト206、306が除去される。パターン化されたフォトレジスト206、306を除去することは、本明細書に記載されるリソグラフィプロセス又はエッチングプロセスを含みうる。1つ以上のエッチング層204をともなう実施形態では、1つ以上のエッチング層204が除去される。1つ以上のエッチング層204を除去することは、イオンエッチング、RIE、又は選択的湿式化学エッチングを含みうる。
【0017】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、装置構造207は、高さと幅など、同じ寸法を有しうる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、装置構造207のうちの少なくとも1つは、装置構造207の追加の構造の寸法とは異なる少なくとも1つの寸法、例えば、高さ及び幅のうちの1つなどを有しうる。本明細書に記載される幾つかの実施形態では、装置構造207の各々の幅は、限界寸法213である。本明細書に記載される幾つかの実施形態では、補助構造209、309の各々の幅は、限界寸法221、321である。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、装置構造207は、同じ屈折率を有しうる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、装置構造207のうちの少なくとも1つは、装置構造207の追加の構造の屈折率とは異なる屈折率を有しうる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、光学装置200、300は、ナノスケールの特徴部の形態をしたナノ構造である装置構造207を有するメタ表面である。一例では、ナノ構造は、約1000nm未満、例えば、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、又はさらには約20nm未満の限界寸法213、313を有する。
【0018】
装置構造207は、隣接する装置構造207間の距離として画定される装置間隙218を有する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、装置構造207の各々の装置間隙218は、実質的に同じでありうる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、装置構造207のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの異なる装置間隙218を有しうる。補助構造209、309は、隣接する補助構造307、309間の距離として画定される補助間隙219、319を有する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、補助構造209、309の各々の補助間隙219、319は、実質的に同じでありうる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、補助構造209、309のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの異なる補助間隙219、319を有しうる。
【0019】
方法100は、基板201の上に、中間領域214によって補助領域216から分離された1つ以上の光学装置200を形成する。光学装置200は、装置構造207の限界寸法213と補助構造209の限界寸法221との間に関係を有する。実質的に同じである、装置間隙218及び補助間隙219を有する光学装置200及び補助領域216の部分では、装置構造207の限界寸法213と補助構造209の限界寸法221とは実質的に同じである。実質的に等しい装置間隙218及び補助間隙219を有する部分の実質的に等しい限界寸法213及び限界寸法221は、構造材料層202のマスキングされていない部分205のエッチング中のローディング依存性の制御を提供する。ローディング依存性は、パターン化されたフォトレジスト206、306のローディング(loading)、すなわち、マスキングされていない部分205の露光面積と、構造材料層202のエッチング速度との関係を示す。
【0020】
装置構造207の限界寸法213と補助構造209の限界寸法221とが実質的に等しいために、マスキングされていない部分205の幅223は、実質的に同じ装置間隙218と補助間隙219とを有する光学装置200及び補助領域216の部分に対応する装置部分208及び補助部分212の両方について実質的に同じである。実質的に等しい幅223のマスキングされていない部分205を有する装置部分208及び補助部分212は、一定のローディングのパターン化されたフォトレジスト206を提供する。一定のローディングは、動作102のエッチング中の終点検出を提供し、約1000nm未満、例えば、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、又はさらには約20nm未満の装置構造207の限界寸法213を提供する。終点検出は、限界寸法213及び装置構造207の側壁プロファイルが維持されるように、装置構造207が形成されるとすぐに動作102のエッチングを終了する能力を提供する。パターン化されたフォトレジスト206、306の一定のローディングの結果として、限界寸法213は、装置構造207及び補助構造209について実質的に同じである。限界寸法213は、補助構造209が、ビームと基板及び光学装置200との光学的相互作用を低減又は妨害するように制御される。
【0021】
方法100は、基板201の上に、中間領域314によって補助領域316から分離された1つ以上の光学装置300を形成する。光学装置300は、装置構造207の限界寸法213と補助構造309の限界寸法321との間に関係を有する。実質的に同じ装置間隙218と補助間隙319とを有する光学装置300及び補助領域316の部分では、装置構造207の限界寸法213は、補助構造309の限界寸法321より小さい。補助構造309の限界寸法321より小さい装置構造207の限界寸法213は、実質的に一定のローディングのパターン化されたフォトレジスト306を提供する。実質的に一定のローディングは、動作102のエッチング中の終点検出を提供し、約1000nm未満、例えば、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、又はさらには約20nm未満の装置構造207の限界寸法213を提供する。パターン化されたフォトレジスト306の実質的に一定のローディングの結果として、装置構造207の限界寸法213は補助構造309の限界寸法315より小さく、装置構造207の側壁プロファイルが維持される。限界寸法315は、補助構造309が、ビームと基板及び光学装置300との光学的相互作用を低減又は妨害するように制御される。
【0022】
図4は、1つ以上の光学装置500、600を製造する方法400の動作を示すフロー図である。
図5A-5Cは、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態による光学装置500を製造する方法400中の基板201の概略的な上面図であり、
図5D-5Fは基板201の概略的な断面図である。
図6A-6Cは、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態による光学装置600を製造する方法400中の基板201の概略的な上面図であり、
図6D-6Fは基板201の概略的な断面図である。
【0023】
動作401では、
図5A及び5D並びに
図6A及び6Dに示されるように、フォトレジスト材料が構造材料層202の上に配置される。構造材料層202は、基板201の表面203の上に配置される。フォトレジスト材料は現像されて、パターン化されたフォトレジスト506、606を形成する。フォトレジスト材料は、スピンオンコーティングプロセスを使用して、構造材料層202上に配置することができる。フォトレジスト材料は、感光性ポリマー含有材料を含みうるが、これに限定されない。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、動作401において、パターン化されたフォトレジスト506、606は、構造材料層202の上に配置された、ハードマスク又はエッチング停止層などの1つ以上のエッチング層204の上に配置される。フォトレジスト材料を現像することは、フォトリソグラフィ及びデジタルリソグラフィなどのリソグラフィプロセスを実行することを含みうる。
【0024】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、パターン化されたフォトレジスト506、606は、少なくとも1つの装置部分508、608と、少なくとも1つの補助部分512、612とを含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、パターン化されたフォトレジスト506、606は、少なくとも1つの装置部分508、608、少なくとも1つの中間部分510、610、及び少なくとも1つの補助部分512、612を含む。各中間部分510、610は、装置部分508、608と補助部分512、612との間にある。少なくとも1つの装置部分508、608は、構造材料層202のマスキングされていない装置部分505を露出する。補助部分512、612は、構造材料層202をマスキングする、すなわち、構造材料層202を覆う。少なくとも1つの中間部分510、610は、装置部分508、608と補助部分512、612との間の構造材料層202のマスキングされていない中間部分511、611を露出する。マスキングされていない中間部分511、611の各々は、装置部分508、608から補助部分512、612までの非マスキング距離517、617を有する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、各装置部分508と各補助部分512との間の非マスキング距離517は、一定である。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、各装置部分608と各補助部分612との間の非マスキング距離617は、変化する。
【0025】
動作402では、
図5B及び5E並びに
図6B及び6Eに示されるように、構造材料層202のマスキングされていない装置部分505及びマスキングされていない中間部分511、611がエッチングされる。構造材料層202のマスキングされていない装置部分505及びマスキングされていない中間部分511、611をエッチングすることは、イオン注入、イオンエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、指向性RIE、プラズマエッチングのうちの少なくとも1つに限定されない、少なくとも1つの乾式エッチングプロセス、及び湿式エッチングを含む。マスキングされていない装置部分505及びマスキングされていない中間部分511、611をエッチングすると、光学装置500、600の装置構造207が形成され、中間領域514、614の基板201の表面203を露出する。パターン化されたフォトレジスト506、606の補助部分512、612は、構造材料層202の上に残ったままである。
【0026】
図5C及び5D並びに
図6C及び6Fに示されるように、各装置部分508、608は、基板201の表面203に形成された又は基板201の表面203と一体化した装置構造207のアレイを有する、光学装置500、600のうちの1つに対応する。各中間部分510、610は、光学装置500、600と補助領域516、616との間の中間領域514、614に対応する。各補助部分512、612は、基板201の補助領域516、616に対応する。補助領域516、616は、各中間領域514、614と基板201の周囲とによって画定されるスペースによって画定される。パターン化されたフォトレジスト506、606の補助部分512、612は、補助部分512、612の上の暗視野マスクである。
【0027】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、1つ以上のエッチング層204のマスキングされていない部分211は、マスキングされていない装置部分505、及び構造材料層202のマスキングされていない中間部分511、611の前に、エッチングされる。動作403では、
図5C及び5D並びに
図6C及び6Fに示されるように、パターン化されたフォトレジスト506、506の装置部分508、608が除去される。装置部分508、608を除去することは、本明細書に記載されるリソグラフィプロセス又はエッチングプロセスを含みうる。1つ以上のエッチング層204をともなう実施形態では、1つ以上のエッチング層204が除去される。
【0028】
各装置部分508と各補助部分512との間の一定である非マスキング距離517は、パターン化されたフォトレジスト506のローディングを提供する。ローディングは、動作402のエッチング中の終点検出を提供し、約1000nm未満、例えば、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、又はさらには約20nm未満の装置構造207の限界寸法213を提供する。各装置部分508と各補助部分512との間の非マスキング距離517は、各中間領域514と各補助部分512との間の表面203の一定の露出距離521に対応する。一定の露出距離521は、補助部分512と光学装置500に入射する光との光学的相互作用の制御を提供する。各装置部分608と各補助部分612との間の変化する非マスキング距離617は、パターン化されたフォトレジスト606のローディングを提供する。ローディングは、動作402のエッチング中の終点検出を提供し、約1000nm未満、例えば、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、又はさらには約20nm未満の装置構造207の限界寸法213を提供する。各装置部分608と各補助部分612との間の非マスキング距離617は、各中間領域614と各補助部分612との間の表面203の変化する露出距離621に対応する。変化する露出距離621は、補助部分612と光学装置600に入射する光との光学的相互作用の制御を提供する。補助部分512、612の上にある補助部分512、612の暗視野マスクは、光学装置500、600の外側の基板とのビームの光学的相互作用を防止することによって、ビームによる光学装置500、600の機能及び効率の低下を防止する開孔として機能する。
【0029】
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。