(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】バッテリーモジュールおよびこれを含むエネルギー貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20250210BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20250210BHJP
H01M 50/251 20210101ALI20250210BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20250210BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02M3/28 U
H01M50/251
H01M50/284
(21)【出願番号】P 2023172008
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015420
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】奥井 芳明
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/026965(WO,A1)
【文献】特開2018-170930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02M 3/28
H01M 50/251
H01M 50/284
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に連結された多数のバッテリーセルと、
前記多数のバッテリーセルそれぞれに電気的に連結された多数の絶縁DC/DCコンバータと、
前記多数の絶縁DC/DCコンバータの充電および放電モードを制御する制御器とで構成されるバッテリーモジュールを含み、
前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、それぞれ、一端が1つのバッテリーセルに連結され、他端が隣接する他のバッテリーセルに連結され、2つのバッテリーセルの間のセル電圧を均等化
し、
前記多数のバッテリーセルおよび前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、その個数が同一である、エネルギー貯蔵装置。
【請求項2】
前記多数のバッテリーセルは、第1バッテリーセル、第2バッテリーセル~第Xバッテリーセルが順次に直列に連結され、前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、第1絶縁DC/DCコンバータ、第2絶縁DC/DCコンバータ~第X絶縁DC/DCコンバータを含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項3】
前記第1絶縁DC/DCコンバータは、一端が前記第1バッテリーセルに電気的に連結され、他端が前記第2バッテリーセルに電気的に連結され、
前記第X絶縁DC/DCコンバータは、一端が前記第Xバッテリーセルに電気的に連結され、他端が前記第1バッテリーセルに電気的に連結された、請求項2に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項4】
前記制御器は、多数のバッテリーセルの平均電圧と、前記多数の絶縁DC/DCコンバータの一端に電気的に連結されたバッテリーセルの電圧とを比較し、前記絶縁DC/DCコンバータを介して一端に電気的に連結されたバッテリーセルの充電または放電を制御する、請求項2に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項5】
前記バッテリーモジュールが多数個備えられており、互いに電気的に連結されたバッテリーラックを含み、
前記多数のバッテリーモジュールにそれぞれ含まれたモジュールBMSが、多数の絶縁DC/DCコンバータと、制御器と、を含み、
それぞれのモジュールBMSに含まれた制御器は、他のモジュールBMSと通信する、請求項4に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項6】
前記平均電圧は、前記バッテリーラック内に含まれたすべてのバッテリーセルの平均電圧であり、前記バッテリーラック内に含まれたバッテリー制御装置でこれを算出し、通信を介して前記バッテリーラック内に含まれた多数のモジュールBMSに伝達する、請求項5に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項7】
前記絶縁DC/DCコンバータは、
一端と他端との間に電気的に連結された変圧器と、
前記変圧器の一次巻線に並列に連結された第1キャパシタと、
前記変圧器の二次巻線に並列に連結された第2キャパシタと、
前記第1キャパシタと前記変圧器の一次巻線との間に電気的に連結された第1スイッチング素子と、
前記第2キャパシタと前記変圧器の二次巻線との間に電気的に連結された第2スイッチング素子と、を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項8】
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、前記制御器の制御によってオンまたはオフになる、請求項7に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項9】
前記第1スイッチング素子は、第1電極が前記変圧器の一次巻線の第2電極に電気的に連結され、第2電極が前記第1キャパシタの第2電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、
前記第2スイッチング素子は、第1電極が前記変圧器の二次巻線の第2電極に電気的に連結され、第2電極が前記第2キャパシタの第2電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタである、請求項7に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項10】
前記絶縁DC/DCコンバータは、
一端と他端との間に電気的に連結された変圧器と、
前記変圧器の一次巻線に並列に連結された第1キャパシタと、
前記変圧器の二次巻線の第1電極に電気的に連結された第2キャパシタと、
前記第2キャパシタと直列に連結された第1インダクタと、
前記変圧器の二次巻線に並列に連結された第3キャパシタと、
前記第1キャパシタと前記変圧器の一次巻線との間に電気的に連結された第1スイッチング素子と、
前記第2キャパシタと第1インダクタとの間に第1電極が電気的に連結され、前記変圧器の二次巻線と第3キャパシタとの間に第2電極が電気的に連結された第2スイッチング素子と、を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項11】
前記第1スイッチング素子は、第1電極が前記第1キャパシタの第1電極に電気的に連結され、第2電極が前記変圧器の一次巻線の第1電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、
前記第2スイッチング素子は、第1電極が前記第2キャパシタと第1インダクタとの間に電気的に連結され、前記第2電極が前記変圧器の二次巻線の第2電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタである、請求項10に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項12】
直列に連結された多数のバッテリーセルと、
前記多数のバッテリーセルそれぞれに電気的に連結された多数の絶縁DC/DCコンバータと、
前記多数の絶縁DC/DCコンバータの充電および放電モードを制御する制御器とで構成されるバッテリーモジュールであって、
前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、それぞれ、一端が1つのバッテリーセルに連結され、他端が隣接する他のバッテリーセルに連結され、2つのバッテリーセルの間のセル電圧を均等化
し、
前記多数のバッテリーセルおよび前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、その個数が同一である、バッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な実施形態は、バッテリーモジュールおよびこれを含むエネルギー貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、エネルギー貯蔵装置(ESS:Energy Storage System)は、余剰生産された電気を貯蔵したり新再生エネルギーを通じて生産されたエネルギーを貯蔵装置(例えば、バッテリー)に貯蔵し、必要な時間帯に電気を供給して、電力使用効率を向上させる装置を意味する。
【0003】
エネルギー貯蔵装置は、バッテリー、バッテリーの状態監視およびバッテリーの制御と運営のためのシステムBMS(Battery Management System)と、バッテリーの充放電のための電力変換装置(Power Conversion System,PCS)および、BMSとPCSと通信してエネルギー貯蔵装置を診断し、当該バッテリーラックの連結および遮断を制御および監視するためのバッテリー制御装置(battery control unit,BCU)などから構成される。
【0004】
エネルギー貯蔵装置は、複数のセルの集合体であるバッテリーモジュールが垂直方向である縦方向に配列収納されたバッテリーラックが多数個横方向に配列および連結されて用いられている。もちろん、エネルギー貯蔵装置は、バッテリーモジュールが水平方向である横方向に配列および収納されたバッテリーラックを含んでもよいし、バッテリーモジュールとバッテリーラックの配列および収納方法は、多様に変更可能である。
【0005】
それぞれのバッテリーモジュールは、上下に積層されて連結される方法を取り、垂直方向である縦方向に相互間電気的に連結され、このように電気的に連結されたバッテリーモジュールが集まって1つのラックを構成するところ、このようなラックは、相互間に電気的にさらに連結されることによって、1つの大型バッテリー貯蔵装置を構成する。
【0006】
なお、バッテリー管理装置(BMS)は、複数のバッテリーセルを制御するモジュールBMS、複数のモジュールBMSを制御するためのラックBMS、複数のラックBMSを制御するためのシステムBMS、およびシステムBMSを上位制御器とインターフェースするハブなどを含み、それぞれバッテリーの状態を監視し、その状態に上位システムに伝達したり、問題が発生した場合、充放電遮断およびセルバランスを均等に合わせることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、直列に連結された多数のバッテリーセルにおいて隣接する2つのバッテリーセルの間の電圧をそれぞれ絶縁DC/DCコンバータを介して均等化することができるので、セル電圧均等化の効率を向上させると同時に、サイズおよび製作費用を節減できるバッテリーモジュールおよびこれを含むエネルギー貯蔵装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によるエネルギー貯蔵装置は、直列に連結された多数のバッテリーセルと、前記多数のバッテリーセルそれぞれに電気的に連結された多数の絶縁DC/DCコンバータと、前記多数の絶縁DC/DCコンバータの充電および放電モードを制御する制御器とで構成されるバッテリーモジュールを含み、前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、それぞれ、一端が1つのバッテリーセルに連結され、他端が隣接する他のバッテリーセルに連結され、2つのバッテリーセルの間のセル電圧を均等化することができる。
【0009】
前記多数のバッテリーセルおよび前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、その個数が同一であり、前記多数のバッテリーセルは、第1バッテリーセル、第2バッテリーセル~第Xバッテリーセルが順次に直列に連結され、前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、第1絶縁DC/DCコンバータ、第2絶縁DC/DCコンバータ~第X絶縁DC/DCコンバータを含んでもよい。
【0010】
前記第1絶縁DC/DCコンバータは、一端が前記第1バッテリーセルに電気的に連結され、他端が前記第2バッテリーセルに電気的に連結され、前記第X絶縁DC/DCコンバータは、一端が前記第Xバッテリーセルに電気的に連結され、他端が前記第1バッテリーセルに電気的に連結されてもよい。
【0011】
前記制御器は、多数のバッテリーセルの平均電圧と、前記多数の絶縁DC/DCコンバータの一端に電気的に連結されたバッテリーセルの電圧とを比較し、前記絶縁DC/DCコンバータを介して一端に電気的に連結されたバッテリーセルの充電または放電を制御することができる。
【0012】
前記バッテリーモジュールが多数個備えられており、互いに電気的に連結されたバッテリーラックを含み、前記多数のバッテリーモジュールにそれぞれ含まれたモジュールBMSが多数の絶縁DC/DCコンバータと、制御器と、を含み、それぞれのモジュールBMSに含まれた制御器は、他のモジュールBMSと通信することができる。
【0013】
前記平均電圧は、前記バッテリーラック内に含まれたすべてのバッテリーセルの平均電圧であり、前記バッテリーラック内に含まれたバッテリー制御装置でこれを算出し、通信を介して前記バッテリーラック内に含まれた多数のモジュールBMSに伝達することができる。
【0014】
前記絶縁DC/DCコンバータは、一端と他端との間に電気的に連結された変圧器と、前記変圧器の1次巻線に並列に連結された第1キャパシタと、前記変圧器の二次巻線に並列に連結された第2キャパシタと、前記第1キャパシタと前記変圧器の一次巻線との間に電気的に連結された第1スイッチング素子と、前記第2キャパシタと前記変圧器の二次巻線の間に電気的に連結された第2スイッチング素子と、を含んでもよい。
【0015】
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、前記制御器の制御によってオンまたはオフになってもよい。
【0016】
前記第1スイッチング素子は、第1電極が前記変圧器の一次巻線の第2電極に電気的に連結され、第2電極が前記第1キャパシタの第2電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、前記第2スイッチング素子は、第1電極が前記変圧器の二次巻線の第2電極に電気的に連結され、第2電極が前記第2キャパシタの第2電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がコレクタ電極であり、制御電極を有するトランジスタであってもよい。
【0017】
前記絶縁DC/DCコンバータは、一端と他端との間に電気的に連結された変圧器と、前記変圧器の一次巻線に並列に連結された第1キャパシタと、前記変圧器の二次巻線の第1電極に電気的に連結された第2キャパシタと、前記第2キャパシタと直列に連結された第1インダクタと、前記変圧器の二次巻線に並列に連結された第3キャパシタと、前記第1キャパシタと前記変圧器の一次巻線との間に電気的に連結された第1スイッチング素子と、前記第2キャパシタと第1インダクタとの間に第1電極が電気的に連結され、前記変圧器の二次巻線と第3キャパシタとの間に第2電極が電気的に連結され、前記変圧器の二次巻線の間に電気的に連結された第2スイッチング素子と、を含んでもよい。
【0018】
前記第1スイッチング素子は、第1電極が前記第1キャパシタの第1電極に電気的に連結され、第2電極が前記変圧器の一次巻線の第1電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、前記第2スイッチング素子は、第1電極が前記第2キャパシタと第1インダクタとの間に電気的に連結され、前記第2電極が前記変圧器の二次巻線の第2電極に電気的に連結され、制御電極が前記制御器に電気的に連結され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタであってもよい。
【0019】
本発明の実施形態によるバッテリーモジュールは、前記多数のバッテリーセルそれぞれに電気的に連結された多数の絶縁DC/DCコンバータと、前記多数の絶縁DC/DCコンバータの充電および放電モードを制御する制御器とで構成されたバッテリーモジュールに関し、前記多数の絶縁DC/DCコンバータは、それぞれ一端が1つのバッテリーセルに連結され、他端が隣接する他のバッテリーセルに連結され、2つのバッテリーセルの間のセル電圧を均等化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールおよびこれをエネルギー貯蔵装置は、直列に連結された多数のバッテリーセルにおいて隣接する2つのバッテリーセルの間の電圧をそれぞれ絶縁DC/DCコンバータを介して均等化することができるので、セル電圧均等化の効率を向上させると同時に、サイズおよび製作費用を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のエネルギー貯蔵システムを示す概念図である。
【
図2a】
図1に示されたエネルギー貯蔵システムのうち、バッテリーラックの分解斜視図である。
【
図2b】
図1に示されたエネルギー貯蔵システムのうち、バッテリーラックの正面図である。
【
図3】本発明の様々な実施形態によるエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置の構成を示す構造図である。
【
図4】
図3のエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置において絶縁コンバータの回路図の一例である。
【
図5】
図3のエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置において絶縁コンバータの回路図の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0023】
本発明の実施形態は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記実施形態は、様々な他の形態で変形することができ、本発明の範囲が下記実施形態に限定されるものではない。かえって、これらの実施形態は、本開示をさらに忠実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0024】
また、以下の図面において各層の厚さやサイズは、説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上で、同一の符号は、同一の要素を指す。本明細書において使用されたように、用語「および/または」は、当該列挙された項目のうちいずれか1つおよび1つ以上のすべての組み合わせを含む。また、本明細書において「連結される」という意味は、A部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材との間にC部材が介在され、A部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0025】
本明細書において使用された用語は、特定の実施形態を説明するために使用され、本発明を制限するためのものでない。本明細書において使用されたように、単数の形態は、文脈上、異なる場合を明確に指摘するものではない場合、複数の形態を含んでもよい。また、本明細書において使用される場合、「含む(comprise)」および/または「含んでいる(comprising)」は、言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらグループの存在を特定するものであり、1つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0026】
本明細書において第1、第2などの用語が様々な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使用されるが、これらの部材、部品、領域、層および/または部分は、これらの用語により限定されてはならないことは自明である。これらの用語は、1つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するために使用される。したがって、以下で詳述する第1部材、部品、領域、層または部分は、本発明の思想から外れることなく、第2部材、部品、領域、層または部分を指すことができる。
【0027】
「下部(beneath)」、「下(below)」,「低い(lower)」、「上部(above)」、「上(upper)」のような空間に関連した用語が、図面に示された1つの要素または特徴と他の要素または特徴の容易な理解のために用いられる。このような空間に関連した用語は、本発明の様々な工程状態または使用状態によって本発明の容易な理解のためのものであり、本発明を限定するためのものではない。例えば、図面の要素または特徴がひっくり返されれば、「下部」または「下」と説明された要素は、「上部」または「上」となる。したがって、「下」という「上部」または「下」を包括する概念である。
【0028】
以下では、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるほどに本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
ここで、明細書全体において類似の構成および動作を有する部分については、同じ図面符号を付けた。また、任意の部分が他の部分と電気的に連結(electrically coupled)されているというとき、これは、直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を間に置いて連結されている場合も含む。
【0030】
図1を参照すると、本発明のエネルギー貯蔵システムを示す概念図が示されており、
図2を参照すると、
図1に示されたエネルギー貯蔵システムのうち、バッテリーラックの正面図と分解斜視図が示されている。
【0031】
図3を参照すると、本発明の様々な実施形態によるエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置の構成を示す構造図が示されている。以下では、
図1~
図3を参照して、本発明の様々な実施形態によるエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置を説明する。また、セルバランス装置は、多数のバッテリーセルが適用された他の装置およびシステムにも適用可能である。
【0032】
まず、エネルギー貯蔵装置100は、少なくとも2個以上のバッテリーラック110を含む。ここで、複数のバッテリーラック110a、110b、…、110xは、互いに電気的に連結されてもよい。また、バッテリーラック110a、110b、…、110xは、それぞれ、大電力端子(正極および負極)が外部に露出していてもよく、それぞれのバッテリーラック110a、110b、…、110xの大電力端子の間が電気的に連結されてもよい。また、多数のバッテリーラック110a、110b、…、110xは、それぞれ、バッテリー制御装置(BCU:battery control unit)112a、112b、…、112xを含んでもよい。
【0033】
それぞれのバッテリーラック110a、110b、…、110xは、電気的に連結された多数のバッテリーモジュール113を含んでもよい。それぞれのバッテリーラック110a、110b、…、110xに含まれた多数のバッテリーモジュール113は、直列連結されてもよい。例えば、第1バッテリーラック110aは、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xを収納するためのラックフレーム111を具備し、ラックフレーム111内に多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xが収納された後、直列に電気的に連結されてもよい。ここで、第1バッテリーラック110aは、ラックフレーム111内に多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xが垂直方向に積層された形態を有するように収納されてもよい。また、第1バッテリーラック110aは、ラックフレーム111の最上端に、バッテリー制御装置112が収納されてもよい。
【0034】
もちろん、多数のバッテリーラック110a、110b、…、110xは、それぞれ、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xと、1つのバッテリー制御装置112と、を含んでもよい。また、それぞれのバッテリーラック110a、110b、…、110xのバッテリー制御装置(BCU)は、汎用通信ケーブル(例えば、CAN)を介して連結されてもよい。
【0035】
第1バッテリーラック110aは、フューズおよびスイッチを介して大電力端子と連結されてもよい。また、第1バッテリーラック110aに含まれたバッテリー制御装置112は、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xで測定された物理量によってフューズおよびスイッチの駆動を制御し、第1バッテリーラック110a内に含まれた多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xの電圧が大電力端子を介して外部に入出力されることを制御することができる。
【0036】
多数のバッテリーラック110a、110b、…、110xは、それぞれ、第1バッテリーラック110aと構造的に似ていてもよい。以下では、説明の便宜のために、多数のバッテリーラック110a、110b、…、110xのうち、第1バッテリーラック110aを中心に説明する。
【0037】
また、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xは、それぞれ、多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xを含み、それぞれのバッテリーモジュール113a、113b、…、113x内に含まれた多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xは、直列に電気的に連結されてもよい。例えば、第1バッテリーモジュール113aは、モジュールBMS113amをさらに含んでもよい。モジュールBMS113amは、バッテリーモジュール113内に含まれた多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xの物理量(電圧など)を測定および/または制御し、異常の場合、当該結果データをバッテリー制御装置(BCU)に伝達することができる。
【0038】
多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xは、それぞれ、第1バッテリーモジュール113aと構造的に似ていてもよい。以下では、説明の便宜のために、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xのうち、第1バッテリーモジュール113aを中心に説明する。
【0039】
第1バッテリーモジュール113a内にそれぞれ含まれたモジュールBMS113amは、第1バッテリーモジュール113a内に含まれた多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xのセル電圧を均等化することができる。
図3では、モジュールBMS113amは、セル電圧均等化装置のみを示し、さらに、モジュールBMS113amは、バッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xの物理量を測定および/または制御する構成をさらに含んでもよい。以下では、説明の便宜のために、モジュールBMS113amは、セル電圧均等化装置と説明する。
【0040】
セル電圧均等化装置113amの構成および動作は、以下で詳しく説明する。
【0041】
第1バッテリーモジュール113aのモジュールBMS113amは、汎用通信ケーブルを介して、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113x内に含まれたモジュールBMSと互いに連結されてもよい。また、第1バッテリーモジュール113aのモジュールBMS113amは、汎用通信ケーブルを介して第1バッテリーラック110aのバッテリー制御装置112aと連結されてもよい。バッテリー制御装置112は、第1バッテリーラック110a内に含まれた多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xのモジュールBMSを管理および制御することができる。
【0042】
さらに、エネルギー貯蔵装置100は、多数のバッテリーラック110a、110b、…、110x内に含まれたバッテリー制御装置112がシステムBMS120に汎用通信ケーブルを介して全部連結されてもよい。システムBMS120は、多数のバッテリーラック110a、110b、…、110x内に含まれたバッテリー制御装置112aを管理および制御することができる。このようなシステムBMS120は、マスターBMSであってもよいが、本発明においてこれを限定するものではない。
【0043】
セル電圧均等化装置113amは、バッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xの個数と同じ絶縁DC/DCコンバータIC1、IC2、…、ICxを含んでもよい。また、多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xは、それぞれ、多数の絶縁DC/DCコンバータIC1、IC2、…、ICxと電気的に連結されてもよい。
【0044】
例えば、第1バッテリーセルCell_1と電気的に連結された第1絶縁DC/DCコンバータIC1と、第2バッテリーセルCell_2に電気的に連結された第2絶縁DC/DCコンバータIC2と、第XバッテリーセルCell_xに電気的に連結された第X絶縁DC/DCコンバータICxと、を含んでもよい。
【0045】
ここで、多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xは、順次に直列に連結されてもよい。一例として、第1バッテリーセルCell_1の負極に第2バッテリーセルCell_2の正極が電気的に連結され、第2バッテリーセルCell_2の負極に第3バッテリーセルCell_3の正極が電気的に連結され、第X-1バッテリーセルCell_x-1の負極に第XバッテリーセルCell_xの正極が電気的に連結されてもよい。一例として、直列に連結された多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xが12個である場合、第XバッテリーセルCell_xは、第12バッテリーセルCell_12であってもよい。また、直列に連結された多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xは、3個以上であってもよい。
【0046】
また、第1絶縁DC/DCコンバータIC1は、一端A1、A1’が第1バッテリーセルCell_1の正極および負極にそれぞれ電気的に連結され、他端B1、B1’が第1バッテリーセルCell_1の負極に正極が連結された第2バッテリーセルCell_2の正極および負極にそれぞれ電気的に連結されてもよい。すなわち、第1絶縁DC/DCコンバータIC1は、第1バッテリーセルCell_1と第2バッテリーセルCell_2の間の電圧を調整することによって、第1バッテリーセルCell_1と第2バッテリーセルCell_2の間のセル電圧を均等化することができる。
【0047】
第2絶縁DC/DCコンバータIC2は、一端A2、A2’が第2バッテリーセルCell_2の正極および負極にそれぞれ電気的に連結され、他端B2、B2’が第2バッテリーセルCell_2の負極に正極が連結された第3バッテリーセルCell_3の正極および負極にそれぞれ電気的に連結されてもよい。すなわち、第2絶縁DC/DCコンバータIC2は、第2バッテリーセルCell_2と第3バッテリーセルCell_3の間の電圧を調整することによって、第2バッテリーセルCell_2と第3バッテリーセルCell_3の間のセル電圧を均等化することができる。
【0048】
また、第X絶縁DC/DCコンバータICxは、一端AX、AX’が第XバッテリーセルCell_xの正極および負極にそれぞれ電気的に連結され、他端BX、BX’が第1バッテリーセルCell_1の正極および負極にそれぞれ電気的に連結されてもよい。ここで、第X絶縁DC/DCコンバータICxは、直列に連結された多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xのうち最後のバッテリーセルであり、他端BX、BX’が最初のセルである第1バッテリーセルCell_1の正極および負極にそれぞれ電気的に連結されてもよい。すなわち、第X絶縁DC/DCコンバータICxは、第X-1バッテリーセルCell_x-1と第XバッテリーセルCell_xの間の電圧を調整することによって、第X-1バッテリーセルCell_x-1と第XバッテリーセルCell_xの間のセル電圧を均等化することができる。
【0049】
多数の絶縁DC/DCコンバータIC1、IC2、…、ICxは、多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xのうち隣接する2つのバッテリーセルの間のセル電圧を均等化することができる。
【0050】
第1絶縁DC/DCコンバータIC1は、一端A1、A1’に電気的に連結された第1バッテリーセルCell_1を放電させたり、充電させるように制御器Coが制御することができる。もちろん、前記制御器Coは、多数の絶縁DC/DCコンバータIC1、IC2、…、ICxと電気的に連結され、多数の絶縁DC/DCコンバータIC1、IC2、…、ICxの充電または放電を制御することができる。また、第1絶縁DC/DCコンバータIC1で第1バッテリーセルCell_1を放電させる場合、第1バッテリーセルCell_1の放電電圧は、第1絶縁DC/DCコンバータIC1を介して第2バッテリーセルCell_2を充電させることができる。
【0051】
制御器Coは、多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xの平均電圧Vaと、第1絶縁DC/DCコンバータIC1の一端A1、A1’に電気的に連結された第1バッテリーセルCell_1の電圧とを比較し、平均電圧Vaより第1バッテリーセルCell_1の電圧がさらに小さい場合、第1バッテリーセルCell_1を充電し、平均電圧Vaより第1バッテリーセルCell_1の電圧がさらに大きい場合、第1バッテリーセルCell_1を放電することができる。
【0052】
ここで、平均電圧Vaは、第1バッテリーモジュール113aに含まれた多数のバッテリーセルCell_1、Cell_2、…、Cell_xの平均電圧Vaであってもよい。さらに、平均電圧Vaは、第1バッテリーモジュール113aだけでなく、他のバッテリーモジュール113b、…、113xそれぞれの平均電圧の平均である、全体第1バッテリーラック110a内に含まれたすべてのバッテリーセルの平均電圧であってもよい。ここで、第1バッテリーモジュール113aのモジュールBMS113amは、他のバッテリーモジュール113b、…、113xのモジュールBMSと通信を介して平均電圧の伝達を受けたり、バッテリー制御装置(BCU)で第1バッテリーラック110a内に含まれた多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xにそれぞれ含まれたモジュールBMSでそれぞれのバッテリーモジュール113a、113b、…、113x内に含まれたバッテリーセルの平均電圧を伝達を受けて、第1バッテリーラック110a内に含まれたすべてのバッテリーセルの平均電圧を算出することができる。もちろん、バッテリー制御装置(BCU)は、多数のバッテリーモジュール113a、113b、…、113xにそれぞれ含まれたモジュールBMS112と通信を介して、算出された平均電圧を伝達することができる。他の例として、バッテリー制御装置(BCU)は、バッテリーラック110内に含まれた全体バッテリーセルの電圧を計測しているので、平均セル電圧を算出し、バッテリーラック110内に含まれたモジュールBMSに伝達することができる。
【0053】
図4を参照すると、
図3のエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置において絶縁DC/DCコンバータICの回路図の一例が示されている。
図4に示されたように、一端A、A’に並列に連結された第1キャパシタC1と、他端B、B’に並列に連結された第2キャパシタC2と、一端A、A’と他端B、B’との間に介在した変圧器TR1と、変圧器TR1の一次巻線n1と第1キャパシタC1との間に介在した第1スイッチング素子Q1と、変圧器TR1の二次巻線n2と第2キャパシタC2との間に介在した第2スイッチング素子Q2と、を含んでもよい。ここで、一端A、A’と他端B、B’は、バッテリーセルの正極および負極に電気的に連結されてもよい。例えば、絶縁DC/DCコンバータが第1絶縁DC/DCコンバータIC1の場合、一端A、A’が第1バッテリーセルCell_1の正極と負極との間に連結され、他端B、B’が第2バッテリーセルCell_2の正極と負極との間に連結されてもよい。
【0054】
第1キャパシタC1は、第1電極が一端A、A’の第1電極Aに電気的に連結され、第2電極が一端A、A’の第2電極A’および第1スイッチング素子Q1の第2電極に電気的に連結されてもよい。
【0055】
第1スイッチング素子Q1は、第1電極が変圧器TR1の一次巻線n1の第2電極に電気的に連結され、第2電極が第1キャパシタC1の第2電極および一端A、A’の第2電極A’に電気的に連結されてもよい。第1スイッチング素子Q1は、制御電極が制御器Coに電気的に連結され、制御器Coから印加されるシグナルによってオンまたはオフになってもよい。このような第1スイッチング素子Q1は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタFETであってもよい。
【0056】
第2スイッチング素子Q2は、第1電極が変圧器TR1の二次巻線n2の第2電極に電気的に連結され、第2電極が第2キャパシタC2の第2電極および他端B、B’の第2電極B’に電気的に連結されてもよい。第2スイッチング素子Q2は、制御電極が制御器Coに電気的に連結され、制御器Coから印加される信号によってオンまたはオフになってもよい。このような第2スイッチング素子Q2は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタFETであってもよい。
【0057】
第2キャパシタC2は、第1電極が他端B、B’の第1電極Bおよび変圧器TR1の二次巻線n2の第1電極に電気的に連結され、第2電極が他端B、B’の第2電極B’および第2スイッチング素子Q2の第2電極に電気的に連結されてもよい。
【0058】
このような絶縁DC/DCコンバータICは、第1スイッチング素子Q1がオンになると、一端A、A’に連結されたバッテリーセルが放電する。第1スイッチング素子Q1がオンになると、一端A、A’に連結されたバッテリーセルが電圧源となり、変圧器TR1の一次巻線n1にバッテリーセルの電圧に該当する電圧が印加される。この際、変圧器TR1の電流が増加する。また、変圧器TR1の二次巻線n2に巻き数の比に該当する電圧がかかる。しかしながら、第2スイッチング素子Q2がオフ状態の場合、第2スイッチング素子Q2のダイオードD2に因って電流が流れない。
【0059】
この際、第1スイッチング素子Q1がオフ状態となると、変圧器TR1の一次巻線n1の磁束によって二次巻線n2および第2スイッチング素子Q2のダイオードD2を介して電流が流れる。この際、第2キャパシタC2が充電され、変圧器TR1に流れた電流が次第に減少する。
【0060】
すなわち、絶縁DC/DCコンバータICは、第1スイッチング素子Q1がオンになったとき、変圧器TR1に蓄積したエネルギーが第2キャパシタC2に伝達および貯蔵される。また、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2は、充電および放電時に変圧器TR1を介した電流を平滑させる。
【0061】
ここで、絶縁DC/DCコンバータICは、変圧器TR1の一次巻線n1および二次巻線n2にそれぞれ1つのバッテリーセルが電気的に連結されるので、第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2が1つのバッテリーセルに対応するスイッチ耐圧を有することができる。一般的に、スイッチ素子は、スイッチ耐圧が増加するほど、サイズおよび価格が増加することができるが、第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2は、1つのバッテリーセルに対応するスイッチ耐圧を有すれば良いので、サイズおよび価格の増加を防止することができる。
【0062】
また、絶縁DC/DCコンバータICは、一端A、A’に連結されたバッテリーセルが充電する場合には、他端B、B’に連結されたバッテリーセルが放電する場合と同一なので、第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2の動作が反対に動作することができる。
【0063】
このような絶縁DC/DCコンバータICは、一端A、A’に連結されたバッテリーセルの電圧が平均電圧Vaよりさらに大きい場合、第1スイッチング素子Q1がオンになり、バッテリーセルを放電させることができる。この際、絶縁DC/DCコンバータICの他端B、B’に連結されたバッテリーセルに一端A、A’に連結されたバッテリーセルから放電された電圧が伝達され得る。
【0064】
もちろん、反対に、絶縁DC/DCコンバータICは、一端A、A’に連結されたバッテリーセルの電圧が平均電圧Vaより小さい場合、第2スイッチング素子Q2がオンになり、一端A、A’に連結されたバッテリーセルを充電させることができる。この際、絶縁DC/DCコンバータICは、他端B、B’に連結されたバッテリーセルから放電された電圧を一端A、A’に連結されたバッテリーセルに伝達することができる。
【0065】
すなわち、エネルギー貯蔵装置100は、セル電圧均等化を隣接するセル間の充・放電を通じて進めることによって、セル電圧均等化のために抵抗を介して放電を進めて効率を減少させるのを防止することができる。また、エネルギー貯蔵装置100は、1つのバッテリーセルと隣接する1つのバッテリーセルの間を充放電を通じて均等化することによって、多数の直列連結されたバッテリーセルとダイレクトにセル均等化するときに発生するスイッチ耐圧特性を向上させるためのサイズおよび費用の増加を防止させることができる。
【0066】
また、
図5を参照すると、
図3のエネルギー貯蔵システムのセルバランス装置において絶縁DC/DCコンバータICの回路図の他の例が示されている。
図5に示されたように、一端A、A’に並列に連結された第1キャパシタC1、他端B、B’に並列に連結された第3キャパシタC3、一端A、A’と他端B、B’との間に介在した変圧器TR1、変圧器TR1の一次巻線n1と第1キャパシタC1との間に介在した第1スイッチング素子Q1、および変圧器TR1の二次巻線n2と第3キャパシタC3との間に介在した第2キャパシタC2と第1インダクタL1および変圧器TR1の二次巻線n2と第3キャパシタC3に並列に連結された第2スイッチング素子Q2を含んでもよい。ここで、一端A、A’と他端B、B’は、バッテリーセルの正極および負極に電気的に連結されてもよい。例えば、絶縁DC/DCコンバータが第1絶縁DC/DCコンバータIC1の場合、一端A、A’が、第1バッテリーセルCell_1の正極と負極との間に連結され、他端B、B’が、第2バッテリーセルCell_2の正極と負極との間に連結されてもよい。
【0067】
第1キャパシタC1は、第1電極が一端A、A’の第1電極Aおよび第1スイッチング素子Q1の第1電極に電気的に連結され、第2電極が一端A、A’の第2電極A’および変圧器TR1の一次巻線n1の第2電極に電気的に連結されてもよい。
【0068】
第1スイッチング素子Q1は、第1電極が一端A、A’の第1電極Aおよび第1キャパシタC1の第1電極に電気的に連結され、第2電極が変圧器TR1の一次巻線n1の第1電極に電気的に連結されてもよい。第1スイッチング素子Q1は、制御電極が制御器Coに電気的に連結され、制御器Coから印加される信号によってオンまたはオフになってもよい。このような第1スイッチング素子Q1は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタFETであってもよい。
【0069】
第2キャパシタC2は、第1電極が変圧器TR1の二次巻線n2の第1電極に電気的に連結され、第2電極が第2スイッチング素子Q2の第1電極、第1インダクタL1の第1電極に電気的に連結されてもよい。
【0070】
第2スイッチング素子Q2は、第1電極が第2キャパシタC2の第2電極と第1インダクタL1の第1電極に電気的に連結され、第2電極が変圧器TR1の二次巻線n2の第2電極および第3キャパシタC3の第2電極に電気的に連結されてもよい。第2スイッチング素子Q2は、制御電極が制御器Coに電気的に連結され、制御器Coから印加される信号によってオンまたはオフになってもよい。このような第2スイッチング素子Q2は、第1電極がドレーン電極であり、第2電極がソース電極であり、制御電極を有するトランジスタであってもよい。
【0071】
第3キャパシタC3は、第1電極が第1インダクタL1の第2電極と他端B、B’の第1電極に電気的に連結され、第2電極が第2スイッチング素子Q2の第2電極、変圧器TR1の二次巻線n2の第2電極および他端B、B’の第2電極に電気的に連結されてもよい。
【0072】
第1インダクタL1は、第1電極が第2キャパシタC2の第2電極と第2スイッチング素子Q2の第1電極に電気的に連結され、第2電極が第3キャパシタC3の第1電極および他端B、B’の第1電極Bに電気的に連結されてもよい。
【0073】
このような絶縁DC/DCコンバータICは、第1スイッチング素子Q1がオンになると、一端A、A’に連結されたバッテリーセルが放電する。第1スイッチング素子Q1がオンになると、一端A、A’に連結されたバッテリーセルが電圧源となり、変圧器TR1の一次巻線n1にバッテリーセルの電圧に該当する電圧が印加される。また、変圧器TR1の二次巻線n2に巻き数の比に該当する電圧がかかる。また、第1インダクタL1と第3キャパシタC3には、変圧器TR1の二次巻線n2の電圧に第2キャパシタC2の電圧を加算した電圧がかかり、これによる電流が第3キャパシタC3に流れることによって、他端B、B’に電力が移行する。
【0074】
この際、第1スイッチング素子Q1がオフ状態になると、変圧器TR1の励磁電流による磁束によって二次巻線n2および第2スイッチング素子Q2のダイオードD2を介して電流が流れて、第2キャパシタC2を充電する。また、これと同時に、第1インダクタL1に流れた電流が続いて流れるので、第3キャパシタC3を介して第2スイッチング素子Q2のダイオードD2を介して流れた電流が次第に減少する。
【0075】
すなわち、絶縁DC/DCコンバータICは、第1スイッチング素子Q1がオンになったとき、変圧器TR1に蓄積したエネルギーが第3キャパシタC3に伝達および貯蔵される。また、第1キャパシタC1と第3キャパシタC3は、充電および放電時に変圧器TR1を介した電流を平滑させる。
【0076】
このような絶縁DC/DCコンバータICは、一端A、A’に連結されたバッテリーセルの電圧が平均電圧Vaよりさらに大きい場合、第1スイッチング素子Q1がオン/オフしながら、バッテリーセルを放電させる。この際、絶縁DC/DCコンバータICの一端A、A’に連結されたバッテリーセルから放電された電圧が他端B、B’に連結されたバッテリーセルを充電することができる。
【0077】
もちろん、反対に、絶縁DC/DCコンバータICは、一端A、A’に連結されたバッテリーセルの電圧が平均電圧Vaより小さい場合、第2スイッチング素子Q2がオン/オフしながら、一端A、A’に連結されたバッテリーセルを充電させることができる。この際、絶縁DC/DCコンバータICは、他端B、B’に連結されたバッテリーセルから放電された電圧で一端A、A’に連結されたバッテリーセルを充電することができる。
【0078】
すなわち、バッテリーモジュール113およびこれを含むエネルギー貯蔵装置100は、セル電圧均等化を隣接するセルの間の充・放電を通じて進めることによって、セル電圧均等化のために抵抗を介して放電を進めて効率を減少させるのを防止することができる。また、バッテリーモジュール113およびこれを含むエネルギー貯蔵装置100は、1つのバッテリーセルと隣接する1つのバッテリーセルの間を充放電を通じて均等化することによって、多数の直列連結されたバッテリーセルとダイレクトにセル均等化するときに発生するスイッチ耐圧特性を向上させるためのサイズおよび費用の増加を防止させることができる。
【0079】
以上で説明したことは、本発明によるエネルギー貯蔵装置を実施するための1つの実施形態に過ぎないものであり、本発明は、上記した実施形態に限定されず、以下の特許請求範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する分野における通常の知識を有するものであれば、誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があるといえる。
【符号の説明】
【0080】
100 エネルギー貯蔵装置
110 バッテリーラック
110a 第1バッテリーラック
111 ラックフレーム
112 バッテリー制御装置
113 バッテリーモジュール
113a 第1バッテリーモジュール
113am セル電圧均等化装置