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特許7634528変圧器および/または変圧器結合コンバイナを含む無線周波数分配回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-13
(45)【発行日】2025-02-21
(54)【発明の名称】変圧器および/または変圧器結合コンバイナを含む無線周波数分配回路
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/28 20060101AFI20250214BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20250214BHJP
   H01F 30/08 20060101ALI20250214BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20250214BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20250214BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20250214BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
H01F27/28 123
C23C16/509
H01F30/08
H01F30/10 C
H01F30/10 L
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022520163
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 US2020053014
(87)【国際公開番号】W WO2021067160
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】62/908,846
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カプール・サニル
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-052062(JP,A)
【文献】特開2017-143057(JP,A)
【文献】特開2018-022685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/28
H01F 30/08
H01F 30/10
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 16/509
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器であって、
一次コイルであって、
第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、
第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、
前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタと
を備える一次コイルと、
二次コイルであって、
前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、
前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、
前記第1のコアを前記第2のコアに接続する直接ループを構成する一対の導電線と
を備える二次コイルと
を備え、
前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記変圧器によって送信される無線周波数信号の波長の1/n倍(nは正の整数)に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である、変圧器。
【請求項2】
請求項1に記載の変圧器であって、
前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている、変圧器。
【請求項3】
請求項1に記載の変圧器であって、
前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、(i)前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの倍数に等しい長さか、(ii)前記倍数に基づいて決定された長さである、変圧器。
【請求項4】
無線周波数分配回路であって、
無線周波数における周波数成分を含む第1の無線周波数信号を生成するための無線周波数発生器と、
請求項1の前記変圧器と
を備え、前記変圧器は、前記第1の無線周波数信号を第2の無線周波数信号に変換するためのものであり、前記第2の無線周波数信号は、前記無線周波数における周波数成分を含む、無線周波数分配回路。
【請求項5】
基板処理システムであって、
請求項4の前記無線周波数分配回路と、
プロセスチャンバと、
電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装されるシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される基板支持体と
を備え、
前記変圧器は、前記第2の無線周波数信号を前記電極に供給するためのものである、基板処理システム。
【請求項6】
無線周波数分配回路であって、
少なくとも1つの無線周波数発生器から第1の無線周波数信号および第2の無線周波数信号を受信し、前記第1の無線周波数信号をフィルタで遮断するための第1のフィルタであって、前記第1の無線周波数信号が、第1の周波数にあり、前記第2の無線周波数信号が、第2の周波数にあり、かつ前記第2の周波数が、前記第1の周波数よりも小さい第1のフィルタと、
前記少なくとも1つの無線周波数発生器から前記第1の無線周波数信号および前記第2の無線周波数信号を受信し、前記第1の無線周波数信号をフィルタで遮断するための第2のフィルタと、
前記少なくとも1つの無線周波数発生器の出力を前記第1のフィルタの入力に整合させるための第1の整合ネットワークと、
前記少なくとも1つの無線周波数発生器の出力を前記第2のフィルタの入力に整合させるための第2の整合ネットワークと、
前記第1の無線周波数信号を第3の無線周波数信号に変換し、前記第2の無線周波数信号を第4の無線周波数信号に変換し、かつ前記第1の無線周波数信号を前記第2の無線周波数信号と結合するか、あるいは前記第3の無線周波数信号を前記第4の無線周波数信号と結合するかのいずれかのための変圧器結合コンバイナであって、前記第3の無線周波数信号が、前記第1の周波数における周波数成分を含み、かつ前記第4の無線周波数信号が、前記第2の周波数における周波数成分を含む変圧器結合コンバイナと
を備え、
前記変圧器結合コンバイナは、
前記第1のフィルタの出力を受信するための第1の変圧器と、
前記第2のフィルタの出力を受信するための第2の変圧器と
を備え、
前記第1の変圧器は、
前記第1のフィルタに接続された一次コイルと、
二次コイルと
を備え、かつ
前記第2の変圧器は、
前記第2のフィルタおよび前記第1の変圧器の前記一次コイルに接続された一次コイルと、
前記第1の変圧器の前記二次コイルに接続された二次コイルと
を備え、
前記第1の変圧器は、
前記一次コイルであって、
第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、
第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、
前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタと
を備える前記一次コイルと、
前記二次コイルであって、
前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、
前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、
前記第1のコアを前記第2のコアに接続する直接ループを構成する一対の導電線と
を備える前記二次コイルと
を備える、無線周波数分配回路。
【請求項7】
請求項6に記載の無線周波数分配回路であって、
前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている、無線周波数分配回路。
【請求項8】
請求項6に記載の無線周波数分配回路であって、
前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、(i)前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの倍数に等しい長さか、(ii)前記倍数に基づいて決定された長さである、無線周波数分配回路。
【請求項9】
請求項6に記載の無線周波数分配回路であって、
前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記第1の無線周波数信号の波長の分数倍に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である、無線周波数分配回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月1日に出願された、米国仮出願第62/908,846号の利益を主張する。上記関連出願は、参照によりその全体の開示が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体および固体デバイスの製造および処理のための装置に関し、より詳細には、基板処理システムの無線周波数(RF)分配回路に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。ここに名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術の欄で説明される範囲内において、出願時に先行技術としてみなされ得ない説明の態様と同様に、明示的にも黙示的にも本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するために使用されてもよい。基板処理の例としては、エッチング、堆積などが挙げられる。処理中に、基板は静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置され、1つまたは複数のプロセスガスは処理チャンバ内に導入されてもよい。
【0005】
1つまたは複数のプロセスガスは、ガス供給システムによって処理チャンバに供給されてもよい。いくつかのシステムでは、ガス供給システムは、処理チャンバ内に位置するシャワーヘッドに接続されたマニホールドを含む。一例として、エッチングプロセス中、基板は基板処理システムのESC上に配置されてもよく、基板上の薄膜がエッチングされる。別の例として、薄膜は、原子層堆積(ALD)を用いて基板上に堆積される。基板の処理中に、1つまたは複数のRF信号をシャワーヘッドの電極に供給して、プラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調整してもよい。
【発明の概要】
【0006】
変圧器が提供され、一次コイルと二次コイルとを含む。前記一次コイルは、第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタとを含む。前記二次コイルは、前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、前記第1のコアを前記第2のコアに接続する一対の導電線とを含む。
【0007】
他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている。他の特徴では、前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの倍数に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である。他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記変圧器によって送信される無線周波数信号の波長の分数倍に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である。
【0008】
他の特徴では、無線周波数分配回路が提供され、無線周波数発生器と前記変圧器とを含む。前記無線周波数発生器は、無線周波数における周波数成分を含む第1の無線周波数信号を生成するためのものである。前記変圧器は、前記第1の無線周波数信号を第2の無線周波数信号に変換するためのものであり、前記第2の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数における周波数成分を含む。
【0009】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、前記無線周波数分配回路と、プロセスチャンバと、シャワーヘッドと、基板支持体とを含む。前記シャワーヘッドは、電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装される。前記基板支持体は、前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される。前記変圧器は、前記第2の無線周波数信号を前記電極に供給するためのものである。
【0010】
他の特徴では、無線周波数分配回路が提供され、第1のフィルタと、第2のフィルタと、第1の整合ネットワークと、第2の整合ネットワークと、変圧器結合コンバイナとを含む。前記第1のフィルタは、少なくとも1つの無線周波数発生器から第1の無線周波数信号および第2の無線周波数信号を受信し、前記第1の無線周波数信号をフィルタで遮断するためのものであり、前記第1の無線周波数信号は、第1の周波数にあり、前記第2の無線周波数信号は、第2の周波数にあり、かつ前記第2の周波数は、前記第1の周波数よりも小さい。前記第2のフィルタは、少なくとも1つの無線周波数発生器から前記第1の無線周波数信号および前記第2の無線周波数信号を受信し、前記第1の無線周波数信号をフィルタで遮断するためのものである。前記第1の整合ネットワークは、少なくとも1つの無線周波数発生器の出力を前記第1のフィルタの入力に整合させるためのものである。前記第2の整合ネットワークは、少なくとも1つの無線周波数発生器の出力を前記第2のフィルタの入力に整合させるためのものである。前記変圧器結合コンバイナは、前記第1の無線周波数信号を第3の無線周波数信号に変換し、前記第2の無線周波数信号を第4の無線周波数信号に変換し、かつ前記第1の無線周波数信号を前記第2の無線周波数信号と結合するか、あるいは前記第3の無線周波数信号を前記第4の無線周波数信号と結合するかのいずれかのためのものである。前記第3の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数における周波数成分を含む。前記第4の無線周波数信号は、前記第2の無線周波数における周波数成分を含む。
【0011】
他の特徴では、前記変圧器結合コンバイナは、前記第1のフィルタの出力を受信するための第1の変圧器と、前記第2のフィルタの出力を受信するための第2の変圧器とを含む。
【0012】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、一次コイルと二次コイルとを含む。前記一次コイルは、前記第1のフィルタに接続されている。前記第2の変圧器は、一次コイルと二次コイルとを含む。前記一次コイルは、前記第2のフィルタおよび前記第1の変圧器の前記一次コイルに接続されている。前記二次コイルは、前記第1の変圧器の前記二次コイルに接続されている。
【0013】
他の特徴では、前記第1の変圧器の前記一次コイルおよび前記二次コイルは、接地基準に接続されている。前記第2の変圧器の前記一次コイルおよび前記二次コイルは、前記接地基準に接続されている。
【0014】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、一次コイルと二次コイルとを含む。前記一次コイルは、第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタとを含む。前記二次コイルは、前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、前記第1のコアを前記第2のコアに接続する一対の導電線とを含む。
【0015】
他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている。他の特徴では、前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの倍数に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である。他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記第1の無線周波数信号の波長の分数倍に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である。
【0016】
他の特徴では、前記変圧器結合コンバイナは、第1の変圧器を含む。前記第1の変圧器は、前記第1のフィルタに接続された第1の一次コイルと、前記第2のフィルタに接続された第2の一次コイルと、前記第3の無線周波数信号を受信するために接続された第1の二次コイルと、前記第4の無線周波数信号を受信するために接続された第2の二次コイルとを含む。
【0017】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、第3の二次コイルを含む。前記第3の二次コイルは、第5の無線周波数信号を受信するためのものである。前記第5の無線周波数信号は、前記第1の周波数における周波数成分と前記第2の周波数における周波数成分とを含む。
【0018】
他の特徴では、前記変圧器結合コンバイナは、第1の一次コイルと、第2の一次コイルと、第1の二次コイルと、第2の二次コイルとを含む。前記第1の一次コイルは、前記第1のフィルタに接続されている。前記第2の一次コイルは、前記第2のフィルタに接続されている。前記第1の二次コイルは、前記第3の無線周波数信号を出力する。前記第3の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む。前記第2の二次コイルは、前記第4の無線周波数信号を出力する。前記第4の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む。
【0019】
他の特徴では、前記変圧器結合コンバイナは、第3の二次コイルと第4の二次コイルとを含む。前記第3の二次コイルは、第5の無線周波数信号を出力する。前記第5の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む。前記第4の二次コイルは、第6の無線周波数信号を出力する。前記第6の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む。
【0020】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、前記無線周波数分配回路と、プロセスチャンバと、シャワーヘッドと、基板支持体とを含む。前記シャワーヘッドは、前記電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装される。前記基板支持体は、前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される。
【0021】
また、基板処理システムでは、RF電力を電極に供給するためのRF分配回路が提供され、第1のRF発生器と、第1のフィルタと、第1の整合ネットワークと、第1の変圧器とを含む。前記第1のRF発生器は、第1のRFにおける周波数成分を含む第1のRF信号を生成する。前記第1のフィルタは、前記第1のRF信号以外の、前記基板処理システムにおいて生成された1つまたは複数のRF信号をフィルタで遮断する。前記第1の整合ネットワークは、前記第1のRF発生器の出力を前記第1のフィルタの入力に整合させる。前記第1の変圧器は、前記第1のRF信号を第2のRF信号に変換し(ここで、前記第2のRF信号は、前記第1のRFにおける周波数成分を含む)、かつ前記第2のRF信号を前記電極に供給して、前記基板処理システムのプロセスチャンバ内でプラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調節する。
【0022】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、前記RF分配回路と、前記プロセスチャンバと、シャワーヘッドと、基板支持体とを含む。前記シャワーヘッドは、前記電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装される。前記基板支持体は、前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される。
【0023】
他の特徴では、前記変圧器は、一次コイルと二次コイルとを含む。前記一次コイルは、第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタとを含む。前記二次コイルは、前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、前記第1のコアを前記第2のコアに接続する一対の導電線とを含む。他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている。
【0024】
他の特徴では、前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの4倍に等しい。他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記第1のRF信号の波長の4分の1に等しい。
【0025】
他の特徴では、前記RF分配回路は、第2のRFにおける周波数成分を含む第3のRF信号を生成するための第2のRF発生器と(ここで、前記第2のRFは、前記第1のRFよりも小さい)、前記第1のRF信号をフィルタで遮断するための第2のフィルタと(ここで、前記第1のフィルタは、前記第3のRF信号をフィルタで遮断する)、前記第2のRF発生器の出力を前記第2のフィルタの入力に整合させるための第2の整合ネットワークとをさらに含む。
【0026】
他の特徴では、前記RF分配回路は、前記第2のフィルタの出力を受信し、前記第3のRF信号を第4のRF信号に変換し、かつ前記第4のRF信号を前記電極に供給するための第2の変圧器をさらに含む。
【0027】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、前記RF分配回路と、前記プロセスチャンバと、前記電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装されるシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される基板支持体とを含む。
【0028】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、前記第1のフィルタに接続された一次コイルと前記電極に接続された二次コイルとを含む。前記第2の変圧器は、前記第2のフィルタおよび前記第1の変圧器の前記一次コイルに接続された一次コイルと、前記第1の変圧器の前記二次コイルおよび前記電極に接続された二次コイルとを含む。
【0029】
他の特徴では、前記第1の変圧器の前記一次コイルおよび前記二次コイルは、接地基準に接続されている。前記第2の変圧器の前記一次コイルおよび前記二次コイルは、前記接地基準に接続されている。
【0030】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、一次コイルと二次コイルとを含む。前記一次コイルは、第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタとを含む。前記二次コイルは、前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、前記第1のコアを前記第2のコアに接続する一対の導電線とを含む。他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている。他の特徴では、前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの4倍に等しい。他の特徴では、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記第1のRF信号の波長の4分の1に等しい。
【0031】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、前記第1のフィルタに接続された第1の一次コイルと、前記第2のフィルタに接続された第2の一次コイルと、前記電極に接続された、前記第1のRF信号および前記第3のRF信号を受信するための第1の二次コイルとを含む。他の特徴では、前記電極は、第1の電極である。前記第1の変圧器は、第2の電極に接続された、前記第2のRF信号および前記第4のRF信号を受信するための第2の二次コイルを含む。
【0032】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、前記RF分配回路と、前記プロセスチャンバと、シャワーヘッドと、基板支持体とを含む。前記シャワーヘッドは、前記電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装される。前記基板支持体は、前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される。
【0033】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、第3のシャワーヘッドに接続された、前記第2のRF信号および前記第4のRF信号を受信するための第3の二次コイルを含む。他の特徴では、前記第1の変圧器は、前記第1のフィルタに接続された第1の一次コイルと、前記第2のフィルタに接続された第2の一次コイルと、前記電極に接続された、前記第2のRF信号を出力する第1の二次コイルと(ここで、前記第2のRF信号は、前記第2のRFにおける周波数成分を含み、かつ前記電極は、第1の電極である)、第2の電極に接続された、第4のRF信号を出力する第2の二次コイルとを含む。前記第4のRF信号は、前記第1のRFおよび前記第2のRFにおける周波数成分をそれぞれ含む。
【0034】
他の特徴では、前記第1の変圧器は、第5のRF信号を第3の電極に出力する第3の二次コイルと、前記第1のRFおよび前記第2のRFにおける周波数成分をそれぞれ含む前記第5のRF信号と、第6のRF信号を第4の電極に出力する第4の二次コイルと、前記第1のRFおよび前記第2のRFにおける周波数成分をそれぞれ含む前記第6のRF信号とを含む。
【0035】
他の特徴では、基板処理システムにおいて、RF電力を電極に供給するためのRF分配回路が提供され、RF発生器と、変圧器と、整合ネットワークとを含む。前記RF発生器は、第1のRF信号を生成するためのものである。前記変圧器は、前記第1のRF信号を第2のRF信号に変換し、前記第2のRF信号を前記電極に供給して、前記基板処理システムのプロセスチャンバ内でプラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調整するためのものである。前記整合ネットワークは、前記RF発生器の出力を前記変圧器の入力に整合させるためのものである。他の特徴では、基板処理システムが提供され、前記RF分配回路と、前記プロセスチャンバと、シャワーヘッドと、基板支持体とを含む。前記シャワーヘッドは、前記電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装される。前記基板支持体は、前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される。
【0036】
本開示を適用可能なさらなる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0038】
図1A図1Aは、第1の負荷インピーダンスに対する非変圧器ベースのRF分配回路の例示的な入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【0039】
図1B図1Bは、第2の負荷インピーダンスに対するRF分配回路の別の例示的な入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【0040】
図1C図1Cは、第3の負荷インピーダンスに対するRF分配回路の別の例示的な入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【0041】
図2図2は、本開示の一実施形態に従った変圧器を含むRF分配回路を組み込んだ基板処理システムの一例の機能ブロック図である。
【0042】
図3図3は、本開示の一実施形態に従った変圧器を含むRF分配回路の一例の機能ブロック図である。
【0043】
図4A図4Aは、第1の負荷インピーダンスに対する図3のRF分配回路の入力インピーダンスの一例を示すスミスチャートである。
【0044】
図4B図4Bは、第2の負荷インピーダンスに対する図3のRF分配回路の別の例示的な入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【0045】
図5図5は、本開示の一実施形態に従った変圧器結合コンバイナを含むデュアルRF分配回路の一例の機能ブロック図である。
【0046】
図6図6は、図5のデュアルRF分配回路の低周波(LF)および高周波(HF)経路の負荷インピーダンスを提供する短絡、開回路、および50Ωの入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【0047】
図7図7は、本開示の一実施形態に従った変圧器結合コンバイナを含むクワッドRF分配回路の一例の機能ブロック図である。
【0048】
図8図8は、本開示の一実施形態に従ったRF分配回路における高周波RF信号用の例示的な変圧器の側面図である。
【0049】
図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0050】
半導体処理システムでは、2つの異なるRF周波数を供給して、プラズマ電離密度およびイオン化エネルギーの独立した制御を提供することが一般的である。基板処理システムは、特定の数のステーション(例えば、4つのステーション)を有する処理チャンバを含んでもよい。ステーションの各々は、それぞれ基板支持体とシャワーヘッドとを含んでもよい。シャワーヘッドは、それぞれRFコンバイナおよび分配回路からRF電力を受け取る。RFコンバイナおよび分配回路の各々は、LFおよびHF経路を含んでもよい。LF経路は、HF経路によって生成されたRF信号よりも低い周波数を有するRF信号を生成する。一例として、LF経路は400キロヘルツ(kHz)のRF信号を生成し、HF経路は13.56メガヘルツ(MHz)のRF信号を生成してもよい。LF発生器は、LF信号を生成し、このLF信号は第1の整合ネットワークに提供され、第1の整合ネットワークがRFコンバイナおよび分配回路のLF経路の各々に供給する。第1の整合ネットワークは、LF発生器の出力のインピーダンスをLF経路の入力インピーダンスに一括して整合させる。HF発生器は、HF信号を生成し、このHF信号は第2の整合ネットワークに提供され、第2の整合ネットワークがRFコンバイナおよび分配回路のHF経路の各々に供給する。第2の整合ネットワークは、HF発生器の出力のインピーダンスをHF経路の入力インピーダンスに一括して整合させる。
【0051】
LF経路はそれぞれ、LFバラスト装置と、HF信号がLF発生器で受信されないようにすべくHF信号をフィルタで遮断するためのLFフィルタとを含む。HF経路はそれぞれ、HFバラスト装置と、LF信号がHF発生器で受信されないようにすべくLF信号をフィルタで遮断するためのHFフィルタとを含む。LFおよびHFバラスト装置は、インダクタおよび/またはキャパシタを含んでもよく、(i)ステーションの各々を他のステーションから絶縁し、かつ(ii)コンバイナおよびRF分配回路の入力を負荷変動から絶縁する。
【0052】
RFコンバイナおよび分配回路の各々は、ダミー負荷と、LFおよびHF経路とを切り替えるためのスイッチを含む。ダミー負荷は、対応するステーションが使用されていないときに、使用される。これにより、ステーション全体にわたって凡そ等しい負荷が維持される。例えば、ステーションのうちの1つまたは複数が使用されていないとき、使用されているステーションのスイッチが切り替えられて、LFおよびHF信号がRF発生器からステーションの電極のうちの対応する1つに給電する同軸ケーブルまで通過できるようにする。使用されていない1つまたは複数のステーションのスイッチは、ダミー負荷に切り替えられ、LFおよびHF信号が同軸ケーブルを介して1つまたは複数のステーションの対応する電極まで通過できないようにする。
【0053】
RFコンバイナおよび分配回路は、高周波で共振するように設計されている。これにより、電極全体にわたって高電圧が発生しやすくなり、高速かつ円滑な点火を提供するのに役立つ。この電極は、シャワーヘッドおよびステーションの基板支持体における電極(または接地された導電性要素)を参照してもよい。
【0054】
RFコンバイナおよび分配回路は、負荷インピーダンスの小さな変化の結果として、大きな入力インピーダンス変動を受ける。一例として、図1A~1Cに、3つの異なる負荷インピーダンスに対する3つの異なる入力インピーダンスを示す。図1A~1Cは、可能性のある入力インピーダンス値の対数表現である、スミスチャート100、104、108を含む。一例として、負荷インピーダンス(またはシャワーヘッドにおけるインピーダンス)は、132ピコファラッド(pF)であってもよく、これにより、図1Aにおいてドット102で示される入力インピーダンスが生じる。負荷インピーダンスは、230pFに変化してもよく、これにより、図1Bにおいてドット106で示されるように、入力インピーダンスに変化が生じる場合がある。負荷インピーダンスは、再び240pFに変化してもよく、これにより、図1Cにおいてドット110で示されるように、入力インピーダンスに変化が生じる場合がある。これらのプロットによって示されるように、負荷インピーダンスの小さな変化により、ドット102、106、110のスミスチャート100、104、108において大きな位置変化が生じ、これは入力インピーダンスにおける大きな変動に相当する。複数のステーションを含む処理チャンバでは、1つのステーションの負荷インピーダンスの変化は、他のステーションにおける性能にも悪影響を及ぼす可能性がある。
【0055】
RFコンバイナおよび分配回路が負荷インピーダンスの小さな変化の結果として、入力インピーダンスに大きな変化を示すため、整合ネットワークを調整するための自動整合回路が使用される。また、同じ基板処理ツールを用いて異なる種類の基板処理を実行するために、調整範囲の大きい自動整合回路が使用される。さらに、RFコンバイナおよび分配回路は、絶縁のために高インピーダンスバラスト装置を必要とする。高インピーダンスバラスト装置は、対応するステーションへの電流の流れを減少させる。また、整合ネットワーク構成要素、バラスト装置、およびフィルタ構成要素のサイズは、電力が増加するにつれて増大する。RFコンバイナおよび分配回路のトポロジーは、本質的に不均衡である。
【0056】
プロセスチャンバのすべてのステーションを利用しないプロセスが実行される場合、自動整合回路の必要な調整範囲は、実質的に増加する。マルチステーションツールは、単一のステーションツールとは異なり、各々が、生成されたRF信号を受信する複数のシャワーヘッドを含む。ステーションのうちの1つまたは複数が利用されない場合、そのステーションの負荷インピーダンスは、他のステーションの負荷インピーダンスとは実質的に異なる。これにより、ステーションに対する自動整合回路がこのステーションの負荷の不均衡を補償するために、より広い調整範囲を有する必要がある。
【0057】
本明細書に記載された例は、上述の欠点を克服し、1つまたは複数の変圧器および/または変圧器結合コンバイナを含むRF分配回路を含む基板処理システムを提供する。変圧器および/または変圧器結合コンバイナは、負荷インピーダンスの変化の結果としての入力インピーダンス変動を最小限にする。開示されたRF分配回路のいくつかは、効率的なコンバイナ回路を含む。本明細書で使用されるように、「コンバイナ回路」は、2つ以上のRF信号を単一のRF信号に結合する。
【0058】
RF分配回路は、ステーションから負荷、ステーション間、および入力から出力への絶縁を提供して、別のステーションにおける負荷インピーダンスの変動による特定のステーションへの影響を最小限にする。RF分配回路は、負荷インピーダンス変動に対して減少した感度を示し、広範囲の対応する負荷インピーダンスを有する基板処理に対して広範囲にわたるレシピを可能にし、処理チャンバへの基板の搬入および搬出による最小限の入力インピーダンス変動を受け、かつプラズマ生成に関連した高速かつ円滑な点火のために、各脚(または各ステーションへのRF信号経路)が共振または近共振することを可能にする自己持続システムを提供する。特定の実施形態では、RFコンバイナおよび分配回路は、2つ以上のRF周波数信号を結合し、2つ以上の周波数を有する信号を1つまたは複数のステーションに供給する。RF分配回路により、LF信号とHF信号の両方に対するインピーダンス整合が可能となる。本明細書に記載されるRF分配回路の他の利点および態様は、以下でさらに説明される。
【0059】
図2は、変圧器202を含むRF分配回路201を組み込んだ基板処理システム200の一例の機能ブロック図である。RF分配回路201は、本明細書に開示されるRF分配回路のいずれかと同一または類似して構成されてもよい。変圧器202は、本明細書に開示される任意の変圧器および/または変圧器結合コンバイナとして構成されてもよい。図2は容量結合プラズマ(CCP)システムを示しているが、本明細書に開示される実施形態は、他のプラズマ処理システムに適用可能である。実施形態は、堆積、エッチング、および他の基板処理プロセスに適用可能である。他の基板処理プロセスは、プラズマ励起原子層堆積(PEALD)およびプラズマ励起化学気相堆積(PECVD)プロセスを含む。
【0060】
基板処理システム200は、1つまたは複数のステーションを含み、それらのステーションの各々は静電チャック(ESC)204などの基板支持体を有する。1つまたは複数のステーションは、処理チャンバ205内に配置される。ESC204は、トッププレート206とベースプレート207とを含んでもよい。上部電極208などの他の構成要素は、処理チャンバ205内に配置されてもよい。動作中、基板209は、ESC204のトッププレート206上に配置され、静電的にクランプされ、RFプラズマが処理チャンバ205内に生成される。
【0061】
一例として、上部電極208は、ガスを導入し分配するシャワーヘッド210を含んでもよい。シャワーヘッド210は、処理チャンバ205の上面に接続された一端を含むステム部分211を含んでもよい。シャワーヘッド210は一般に、円筒形であり、処理チャンバ205の上面から離間した位置におけるステム部分211の対向する端部から外側に半径方向に延びている。シャワーヘッド210の基板対向面は、プロセスガスまたはパージガスが流通する孔を含む。あるいは、上部電極208は導電性プレートを含んでもよく、ガスは別の方法で導入されてもよい。プレート206、207のうちの一方または両方は、下部電極として機能してもよい。
【0062】
プレート206、207うちの一方または両方は、温度制御要素(TCEs)を含んでもよい。中間層214は、プレート206とプレート207との間に配置される。中間層214は、トッププレート206をベースプレート207に結合してもよい。ベースプレート207は、基板209の裏側に裏面ガスを流し、ベースプレート207を通る冷媒を流すための1つまたは複数のガスチャネルおよび/または1つまたは複数の冷媒チャネルを含んでもよい。
【0063】
RF発生システム220は、RF電圧を生成し、上部電極208に出力する。RF発生システム220は、RF電圧を生成し、ESC204に出力してもよい。上部電極208およびESC204のうちの一方は、DC接地、AC接地、または浮遊電位であってもよい。一例として、RF発生システム220は、RF電圧を生成する1つまたは複数のRF発生器223(例えば、容量結合プラズマRF電力発生器および/または他のRF電力発生器)を含んでもよく、このRF電圧は、1つまたは複数の整合ネットワーク227およびRF分配回路201によって上部電極208に供給される。RF発生器223は、例えば、6~10キロワット(kW)以上の電力を生成する高出力RF発生器であってもよい。RF発生器223は、それぞれのRF周波数における周波数成分を有するそれぞれのRF信号を生成してもよい。
【0064】
ガス供給システム230は、1つまたは複数のガス源232-1、232-2、...、および232-N(総称してガス源232)を含む。ここで、Nは、0よりも大きい整数である。ガス源232は、1つまたは複数の前駆体およびそれらのガス混合物を供給する。また、ガス源232は、エッチングガス、キャリアガスおよび/またはパージガスを供給してもよい。また、気化した前駆体が使用されてもよい。ガス源232は、バルブ234-1、234-2、...、および234-N(総称してバルブ234)とマスフローコントローラ236-1、236-2、...、および236-N(総称してマスフローコントローラ236)とによってマニホールド240に接続されている。マニホールド240の出力は、処理チャンバ204に供給される。一例として、マニホールド240の出力は、シャワーヘッド210に供給される。
【0065】
基板処理システム200は、温度コントローラ242を含む冷却システム241をさらに含み、この温度コントローラ242はTCEsに接続されていてもよい。システムコントローラ260とは別々に示されているが、温度コントローラ242は、システムコントローラ260の一部として実装されてもよい。プレート206、207のうちの1つまたは複数は、複数の温度制御ゾーン(例えば、4つのゾーンであって、ここで、ゾーンの各々が、4つの温度センサを含む)を含んでもよい。
【0066】
温度コントローラ242は、プレート206、207および基板(例えば、基板209)の温度を制御するために、TCEsの動作、ひいては温度を制御してもよい。温度コントローラ242および/またはシステムコントローラ260は、ガス源232のうちの1つまたは複数からガスチャネルへの流れを制御することによって、基板を冷却するためのESC204内のガスチャネルへの裏面ガス(例えば、ヘリウム)の流量を制御してもよい。また、温度コントローラ242は、ESC204内のチャネルを通る第1の冷媒の流れ(冷却流体の圧力および流量)を制御するために、冷媒アセンブリ246と通信してもよい。第1の冷媒アセンブリ246は、リザーバ(図示せず)から冷却流体を受け取ってもよい。例えば、冷媒アセンブリ246は、冷媒ポンプとリザーバとを含んでもよい。温度コントローラ242は、冷媒アセンブリ246を動作して、チャネル216を通して冷媒を流し、ベースプレート207を冷却する。温度コントローラ242は、冷媒が流れる速度および冷媒の温度を制御してもよい。温度コントローラ242は、処理チャンバ205内のセンサ243から検出されたパラメータに基づいて、TCEsに供給される電流と、チャネルに供給されるガスおよび/または冷媒の圧力および流量とを制御する。温度センサ243は、抵抗温度デバイス、熱電対、デジタル温度センサ、および/または他の適切な温度センサを含んでもよい。エッチングプロセス中、基板209は、高出力プラズマの存在下において所定の温度(例えば、摂氏120度(℃))で加熱される場合がある。チャネルを通るガスおよび/または冷媒の流れは、ベースプレート207の温度を下げ、これにより基板209の温度を下げる(例えば、120℃から80℃までの冷却)。
【0067】
バルブ256およびポンプ258は、処理チャンバ205から反応物質を排出するために使用されてもよい。システムコントローラ260は、供給されるRF電力レベル、供給されるガスの圧力および流量、RF整合などを制御することを含む基板処理システム200の構成要素を制御してもよい。システムコントローラ260は、バルブ256およびポンプ258の状態を制御する。ロボット270は、ESC204上に基板を供給し、ESC204から基板を除去するために使用されてもよい。例えば、ロボット270は、ESC204とロードロック272との間で基板を搬送してもよい。ロボット270は、システムコントローラ260によって制御されてもよい。システムコントローラ260は、ロードロック272の動作を制御してもよい。
【0068】
電力源280は、基板209をトッププレート206に静電的にクランプするために、ESC204内の電極に高電圧を含む電力を提供してもよい。電力源280は、システムコントローラ260によって制御されてもよい。
【0069】
バルブ、ガスおよび/または冷媒ポンプ、電力源、RF発生器などは、アクチュエータと呼ばれてもよい。TCEs、ガスチャネル、冷媒チャネルなどは、温度調整要素と呼ばれてもよい。
【0070】
次に、図2および図3を参照すると、RF分配回路300が示されており、RF分配回路300は、RF発生器302と、整合ネットワーク304と、フィルタ306と、変圧器308と、負荷310とを含んでもよい。一実施形態では、フィルタ306は、含まれない。負荷310は、キャパシタとして示され、例えば、シャワーヘッド210と接地基準316との間のインピーダンスを表してもよい。RF発生器302は、RF発生器223のうちの1つであってもよく、RF信号を生成する。整合ネットワーク304は、整合ネットワーク227のうちの1つであってもよく、(i)RF発生器302の出力と、(ii)フィルタ306および/または変圧器308の入力とのインピーダンスを整合させる。整合ネットワーク304は、RF発生器302の出力と、フィルタ306および/または変圧器308の入力とをインピーダンス整合させるために、1つまたは複数の構成要素を調整することを含む自動整合動作を実行してもよい。これは、例えば、整合ネットワーク304のキャパシタを調整することを含んでもよい。
【0071】
フィルタ306は、含まれる場合、RF発生器302以外の1つまたは複数の他のRF発生器によって生成された1つまたは複数のRF信号をフィルタで遮断してもよい。フィルタ306は、RF発生器によって生成されたRF信号が、変圧器308まで通過できるようにする。
【0072】
変圧器308は、一次コイル312と二次コイル314とを含み、これらは対応する巻線および/または電圧変換比を有する。いくつかの例として、比率は、3:4または1:2であってもよい。変圧器308は、整合ネットワーク304またはフィルタ306から受信した周波数における第1の無線周波数信号を同じ周波数における第2の無線周波数信号に変換してもよい。次いで、変圧器308は、第2の無線周波数信号を、例えば、電極および/またはシャワーヘッドに提供して、プロセスチャンバ内のプラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調整してもよい。
【0073】
変圧器308は、変圧器308の一次側と二次側との間でバラストおよび絶縁を提供することと、ひいては(i)RF発生器302および整合ネットワーク304と、(ii)負荷310との間の絶縁を提供することを含む複数の機能を提供する。一実施形態では、バラスト装置は、(i)RF発生器302と整合ネットワーク304との間、(ii)整合ネットワーク304とフィルタ306との間、(iii)フィルタ306と変圧器308との間、および/または(iv)整合ネットワーク304と変圧器308との間に接続されない。説明された絶縁は、対応する入力回路(またはRF発生器302および整合ネットワーク304)上の負荷インピーダンス変化の影響を低減する。負荷310のインピーダンスは、基板の処理中に変化し得る。変動の量は、レシピおよび実行されるプロセスに基づく。適切な変圧比を選択することによって、入力インピーダンス変動も制御される。入力インピーダンスとは、整合ネットワーク304から分かるフィルタ306の入力のインピーダンスを指す。また、変圧器308は、入力インピーダンスに関連する変化が負荷インピーダンスの変化に相対して低減されるため、より速く整合ネットワーク304の構成要素を調整できる。また、変圧器308は、RF発生器302で受け取られた反射電力の量を最小限にし、負荷310に高電力(例えば、10KW)を供給することを可能にする。
【0074】
図3には、単一のRF分配回路300が示されているが、図3に示された種類の複数のRF分配回路は、RF電力をプロセスチャンバのそれぞれのステーションに供給するために使用されてもよい。変圧器の二次巻線は、図7にて同様に示されるように、それぞれの同軸ケーブルを介して電力をステーションに供給してもよい。また、図7に示されるように、スイッチおよび対応するダミー負荷が、ステーションの各々に含まれてもよい。スイッチは、図2のコントローラ242、260のうちの1つによって制御されてもよい。
【0075】
図4Aおよび4Bは、第1の負荷インピーダンスおよび第2の負荷インピーダンスに対する図3のRF分配回路300の例示的な入力インピーダンスを示すスミスチャート400、402を示す。入力インピーダンスは、ドット404、406によって表される。示された例では、第1の負荷インピーダンスは130ピコファラッド(pF)であり、第2の負荷インピーダンスは3,000,000pFである。スミスチャート400、402から分かるように、ドット404、406間の距離、ひいては、入力インピーダンスの差は、負荷インピーダンスの差と比較して、最小である。
【0076】
図5は、第1の(または高)RF経路502と第2の(または低)RF経路504とを含むデュアルRF分配回路500を示す。第1のRF経路502は、第1のRF発生器506と、第1の整合ネットワーク508と、第1のフィルタ510と、第1の変圧比を有する第1の変圧器512とを含む。第2のRF経路504は、第2のRF発生器520と、第2の整合ネットワーク522と、第2のフィルタ524と、第2の変圧比を有する第2の変圧器526とを含む。第1の変圧器512は、第2の変圧器526に接続される。変圧器512、526は、変圧器結合コンバイナを提供し、この変圧器結合コンバイナはRF経路502、504によって生成された2つのRF信号を結合して、単一のRF信号を負荷530に提供する。単一のRF信号は、2つのRF信号の周波数成分を有する。変圧器512、526は、2つのRF信号を単一のRF信号に変換する。これは、例えば、2つのRF信号の振幅を変更して、2つのRF信号とは異なる振幅を有する単一のRF信号を提供することを含んでもよい。負荷530は、例えば、図2のシャワーヘッド210と接地基準540との間の負荷インピーダンスを表すキャパシタとして示されている。負荷530は、1つまたは複数の処理チャンバ内の1つまたは複数の処理ステーションの1つまたは複数の電極であってもよく、ここで、各ステーションは1つまたは複数の電極を含んでもよく、各処理チャンバは1つまたは複数のステーションを含んでもよい。
【0077】
RF発生器506、520は、それぞれRF信号を生成する。一例として、第1のRF発生器506は13.56MHzのRF信号を生成してもよく、第2のRF発生器520は400kHzの信号を生成してもよい。第1の整合ネットワーク508は、第1のRF発生器506の出力インピーダンスを第1のフィルタ510の入力インピーダンスに整合させてもよい。第2の整合ネットワーク522は、第2のRF発生器520の出力インピーダンスを第2のフィルタ524の入力インピーダンスに整合させてもよい。
【0078】
第1のフィルタ510は、ハイパスフィルタとして機能し、(i)第1のRF発生器506によって生成された第1のRF信号の経路が、第1の変圧器512まで通過できるようにし、かつ(ii)第2のRF発生器520によって生成されたRF信号が、第1のRF発生器506で受信されることを防止する。第2のフィルタ524は、ローパスフィルタとして機能し、(i)第2のRF発生器520によって生成された第2のRF信号の経路が、第2の変圧器526まで通過できるようにし、かつ(ii)第1のRF発生器506によって生成されたRF信号が、第2のRF発生器520で受信されることを防止する。RF発生器506、520の両方は、示されるように、RF経路502、504に別々の一次コイルを含み、一次コイルの各々の適切な数の一次巻線を選択し、整合ネットワーク508、522に適切な整合回路を含むことによって適切に整合されてもよい。
【0079】
第1の変圧器512は、一次コイル532と二次コイル534とを含む。第2の変圧器526は、一次コイル536と二次コイル538とを含む。一次コイル532、536の第1の端部は、フィルタ510、524に接続されている。一実施形態では、フィルタ510、524は含まれず、一次コイル532、536が整合ネットワーク508、522に接続されている。一次コイル532、536の第2の端部は、接地基準540に接続されている。二次コイル534、538の第1の端部は、接地基準540に接続されている。二次コイル534、538の第2の端部は、負荷530に接続されている。第1の変圧器512は、第1のフィルタ510から受信した第1の周波数における第1の無線周波数信号を第1の周波数における第2の無線周波数信号に変換してもよい。第2の変圧器526は、第2のフィルタ524から受信した第2の周波数における第3の無線周波数信号を第2の周波数における第4の無線周波数信号に変換してもよい。次いで、変圧器512、526は、第2の無線周波数信号および第4の無線周波数信号を、例えば、電極および/またはシャワーヘッドに提供して、プロセスチャンバ内のプラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調整してもよい。
【0080】
LFおよびHF経路の入力インピーダンスの例は、図6のスミスチャート600によって示されている。スミスチャート600は、図5のLFおよびHF経路502、504の負荷インピーダンスを提供する短絡、開回路、および50Ωの入力インピーダンスを示す。図6では、円形のドットが示され、HF経路に対応しており、ならびに四角形のドットが示され、LF経路に対応している。スミスチャート600は、可能性のある入力インピーダンス値の対数表現である。入力インピーダンスが変化すると、対応するドットは、スミスチャート上の異なる位置に移動する。
【0081】
ドット602、604、606は、HF経路502の負荷インピーダンスを提供する短絡、開回路、および50Ωの入力インピーダンスをそれぞれ表す。負荷インピーダンスを提供する50Ωとは、50Ωの入力インピーダンスを提供する負荷インピーダンスを指す。ドット610、612、614は、LF経路504の負荷インピーダンスを提供する短絡、開回路、および50Ωの入力インピーダンスを表す。短絡とは、シャワーヘッド210と接地基準540との間の直接的または間接的な導電接続(または経路)を指す。短絡とは、負荷インピーダンスが0Ωである場合を指す。開回路とは、シャワーヘッド210と接地基準540との間に導電経路がないことを指す。この開回路は、負荷インピーダンスが無限に近づいている場合を指す。スミスチャートから分かるように、ドット(または点)602、604、606間の距離およびドット(または点)610、612、614間の距離は最小であり、スミスチャート全体にわたって配置されず、むしろスミスチャートの小さな部分に位置する。したがって、対応する入力インピーダンスの差も最小である。
【0082】
変圧器512、526は、図3の変圧器308と同様に、変圧器512、526の一次側と二次側との間でバラストおよび絶縁を提供することを含む複数の機能を提供する。一実施形態では、バラスト装置は、(i)RF発生器506、520と整合ネットワーク508、522との間、(ii)整合ネットワーク508、522とフィルタ510、524との間、(iii)フィルタ510、524と変圧器512、526との間、および/または(iv)整合ネットワーク508、522と変圧器512、526との間に接続されない。
【0083】
単一のRF分配回路500が図5に示されているが、図5に示される種類の複数のRF分配回路は、RF電力をプロセスチャンバのそれぞれのステーションに供給するために使用されてもよい。変圧器の二次巻線は、図7に同様に示されるように、対応する同軸ケーブルを介して電力をステーションに供給してもよい。また、図7に示されるように、スイッチおよび対応するダミー負荷が、ステーションの各々のために含まれてもよい。一例として、スイッチは、端子550から下流に接続されており、(i)電極および/またはシャワーヘッドに接続されたそれぞれの同軸ケーブルと、(ii)ダミー負荷とを切り替えてもよい。スイッチは、図2のコントローラ242、260のうちの1つによって制御されてもよい。
【0084】
図7は、クワッドRF分配回路700が第1(または高)RF経路702と第2(または低)RF経路704とを含むことを示す。第1のRF経路702は、第1のRF発生器706と、第1の整合ネットワーク708と、第1のフィルタ710とを含む。第2のRF経路704は、第2のRF発生器720と、第2の整合ネットワーク722と、第2のフィルタ724とを含む。クワッドRF分配回路700は、2つの入力と、4つの出力と、この4つの出力によって共有される変圧比とを有する変圧器712とを含む。この4つの出力は、処理チャンバの4つのステーションの4つの負荷(またはシャワーヘッド)750、752、754、756に接続されている4つのチャネルに給電する。
【0085】
RF発生器706、720は、それぞれRF信号を生成する。一例として、第1のRF発生器706は13.56MHzのRF信号を生成してもよく、第2のRF発生器720は400KHzの信号を生成してもよい。第1の整合ネットワーク708は、第1のRF発生器706の出力インピーダンスを第1のフィルタ710の入力インピーダンスに整合させてもよい。第2の整合ネットワーク722は、第2のRF発生器720の出力インピーダンスを第2のフィルタ724の入力インピーダンスに整合させてもよい。第1のフィルタ710は、ハイパスフィルタとして機能し、(i)第1のRF発生器706によって生成された第1のRF信号の経路が、第1の変圧器712まで通過できるようにし、かつ(ii)第2のRF発生器720によって生成されたRF信号が、第1のRF発生器706で受信されることを防止する。第2のフィルタ724は、ローパスフィルタとして機能し、(i)第2のRF発生器720によって生成された第2のRF信号の経路が、変圧器712まで通過できるようにし、かつ(ii)第1のRF発生器706によって生成されたRF信号が、第2のRF発生器720で受信されることを防止する。RF発生器706、720の両方は、示されるように、RF経路702、704に対して別々の一次コイル(または一次巻線)を含み、一次コイルの各々の適切な数の一次巻線を選択し、整合ネットワーク708、722に適切な整合回路を含むことによって適切に整合されてもよい。
【0086】
変圧器712は、変圧器結合コンバイナであり、この変圧器結合コンバイナはRF経路702、704によって生成された2つのRF信号を結合して、4つのRF信号を提供し、この4つのRF信号を負荷750、752、754、756に提供する。負荷750、752、754、756は、キャパシタとして示されており、このキャパシタは、例えば、シャワーヘッドと接地基準760との間の負荷インピーダンスを表す。変圧器712が2つの入力と4つの出力とを有するものとして示されているが、変圧器712は、2つ以上の入力と1つ以上の出力とを有してもよい。
【0087】
変圧器712は、第1の一次コイル730と、第2の一次コイル732と、第1の二次コイル734と、第2の二次コイル736と、第3の二次コイル738と、第4の二次コイル740とを含む。一実施形態では、一次コイル730、732は、同じ数の巻線を有し、二次コイル734、736、738、740は、同じ数の巻線を有する。一次コイル730、732の第1の端部は、フィルタ710、724に接続されている。一実施形態では、フィルタ710、724は含まれず、一次コイル730、732の第1の端部は、整合ネットワーク708、722に接続されている。一次コイル730、732の第2の端部は、接地基準760に接続されている。二次コイル734、736、738、740の第1の端部は、負荷750、752、754、756にそれぞれ接続されている。二次コイル734、736、738、740の第2の端部は、接地基準760に接続されている。変圧器は、経路702、704からRF信号を受信し、信号を結合し、二次コイル734、736、738、740を介して、結合されたRF信号を負荷750、752、754、756の各々に提供する。
【0088】
変圧器712は、第1のフィルタ710から受信した第1の周波数における第1の無線周波数信号と、第2のフィルタ724から受信した第2の周波数における第2の無線周波数信号とを第3の無線周波数信号に変換し、結合してもよい。第3の無線周波数信号は、第1の無線周波数と第2の無線周波数の両方を含む。その後、変圧器712は、第3の無線周波数信号を、例えば、電極および/またはシャワーヘッドに供給して、プロセスチャンバ内のプラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調整してもよい。
【0089】
変圧器712は、図3の変圧器308と同様に、変圧器712の一次側と二次側との間にバラストおよび絶縁を提供することを含む複数の機能を提供する。一実施形態では、バラスト装置は、(i)RF発生器506、520と整合ネットワーク508、522との間、(ii)整合ネットワーク508、522とフィルタ510、524との間、(iii)フィルタ510、524と変圧器512、526との間、および/または(iv)整合ネットワーク508、522と変圧器512、526との間に接続されない。
【0090】
一実施形態では、二次コイル734、736、738、740は、負荷750、752、754、756と、ダミー負荷770、772、774、776とを切替可能なスイッチ762、764、766、768に接続されていてもよい。別の実施形態では、スイッチ762、764、766、768およびダミー負荷770、772、774、776は、含まれない。二次コイル734、736、738、740またはスイッチ762、764、766、768は、同軸ケーブル780、782、784、786を介して、負荷750、752、754、756に接続されていてもよい。スイッチ762、764、766、768は、図2のコントローラ242、260のうちの1つによって制御されてもよい。ダミー負荷770、772、774、776のうちの1つまたは複数は、例えば、上述のように、基板が対応するステーションのうちの1つまたは複数で処理されていないとき、接続されてもよい。
【0091】
図7に示されるものなど、本明細書に開示されるRFコンバイナ回路のいくつかは、結合されたRF信号をn個の等しいチャネルに分割する平衡分配システムを提供する。ここで、nは、2以上の整数である。n個のチャネルの出力は、1つのチャネルの変化が他のチャネルの変化に影響を与えないか、あるいは影響が最小限になるように、互いに絶縁される。チャネルの入力は、変圧器712の入力から絶縁される。RFコンバイナ回路は、プラズマ生成のための高速かつ円滑な点火を提供する。
【0092】
図3、5、および7の例は、RF分配回路300、500、700の各々が、複数の異なる基板プロセスに使用可能であるように構成される。プロセスは、エッチング、堆積および/または他の基板処理プロセスを含んでもよい。
【0093】
図8は、RF分配回路において高周波RF信号に使用可能な例示的な変圧器800の側面図を示す。一例として、図3および5の変圧器308、512は、各々、変圧器800に置き換えられてもよい。変圧器800は、同軸変圧器であり、一次コイル802と二次コイル804とを含んでもよい。一次コイル802は、(i)2つの同軸ケーブル806、810の導電性シールド822、832と、(ii)導電性インターコネクタ808とを含む。導電性インターコネクタ808は、同軸ケーブル806、810の非導電性シース820、830を通って延びており、導電性シールド822、832に接続されている。導電性インターコネクタは、導電性プレート、または第1の同軸ケーブル806に相対的な第2の同軸ケーブル810の位置を維持する他の適切なインターコネクタであってもよい。
【0094】
同軸ケーブル806、810は、互いに平行して延びており、内部誘電絶縁体824、834によって導電性シールド822、832から絶縁される導電性コア825、835をさらに含む。導電性コア825、835は、導電線826A、826Bによって直列ループで接続されている。導電線826Aは、第1の同軸ケーブル806の第1の端部を第2の同軸ケーブル810の第1の端部に接続している。第2の同軸ケーブル810の第1の端部は、導電性インターコネクタ808における、第1の同軸ケーブル806の第1の端部側と反対側の端部にある。導電線826Bは、第1の同軸ケーブル806の第2の端部を第2の同軸ケーブル810の第2の端部に接続している。第2の同軸ケーブル810の第2の端部は、導電性インターコネクタ808における、第1の同軸ケーブル806の第2の端部側と反対側の端部にある。
【0095】
一例として、導電性シールド822、832、導電性コア825、835、および導電線826A、826Bは、使用中に最小量の加熱を示す銅および/または他の適切な材料から形成されてもよい。非導電性シース820、830は、プラスチックから形成されてもよい。内部誘電絶縁体824、834は、非導電性であり、ポリエチレン(PE)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など、様々な誘電材料から形成されてもよい。一実施形態では、示されるように、シース、シールドおよび/または内部誘電絶縁体は、導電線826A、826B上にない。
【0096】
変圧器を過熱させることなく、例えば、1メガヘルツ(MHz)を超える高周波数に対応できる低周波変圧器を製造することは困難であり得る。変圧器の透磁率(または分布インダクタンス)を低下させることが必要な場合があり、変圧器を特殊な材料から形成することが必要な場合がある。変圧器800は、高周波数、マイクロ波周波数などに使用されてもよい。同軸ケーブル806、810の長さL1は、送信されるRFの波長の分数倍に基づく、かつ/あるいは、等しくてもよい。一例として、分数倍は、例えば、送信されるRFの波長の2分の1(1/2)未満であってよい。一実施形態では、同軸ケーブル806、810の長さL1は、送信されるRFの4分の1(1/4)の波長に等しい。4分の1の波長(またはその倍数)は、変圧器の対応するインピーダンスを、回路に応じて0オーム(Ω)(または短絡)から無限Ω(または開回路)、あるいはその逆に変換するという点で好都合である。導電性コア825、835および導電線826A、826Bによって提供される直列ループの全長は、長さL1の倍数に基づく、かつ/あるいは等しくてもよい。一実施形態では、導電性コア825、835および導電線826A、826Bによって提供される直列ループの全長は、長さL1(または4L1)の4倍に等しい。一例として、変圧器800の変圧比は、一次巻線と二次巻線との間で1:2であってもよく、ここで、一次巻線は、一次コイル802として実装され、変圧器800の入力を含み、かつ二次巻線は、二次コイル804として実装され、変圧器800の出力を提供する。同軸ケーブル806、810はRG58C同軸ケーブルと同様に形成されてもよいが、RG58C同軸ケーブルは、基板処理システムに関連するものなど、高出力用途には適さないであろう。同軸ケーブル806、810のサイズおよび/または材料は、RG58C同軸ケーブルのものとは異なっていてもよい。
【0097】
上記開示されたRF分配回路は、負荷インピーダンスの変化に対して入力インピーダンスの感度が低下するように、入出力間の高絶縁と、改良されたステーション間の絶縁と、LFおよびHF経路のためのインピーダンス整合とを示す。また、上記開示されたRF分配回路は、堅牢であり、従来のRFコンバイナおよび分配回路よりも向上した信頼性を提供する。開示されたRF分配回路は、平衡のとれたステーションを含み、高速調整を示し、RF信号を複数のステーションに供給することを可能にし、LFとHFの両方の発生器に低い反射電力を示し、かつ無条件に安定したシステムを提供する。また、RF分配回路は、高出力(例えば、10キロワット(KW)HFおよび8KWLF)のRF信号を供給できる。
【0098】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その用途、または使用を限定する意図は全くない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実装可能である。したがって、この開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると、他の修正が明白となるので、本開示の真の範囲は、そのような例に限定されるべきでない。方法内の1つまたは複数のステップが、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々が特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明されたこれらの特徴のいずれか1つまたは複数は、他の実施形態において実装可能であり、かつ/あるいは、たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態の順列は互いに本開示の範囲内に留まる。
【0099】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上部に」、「上に」、「下に」、および「配置された」を含む、様々な用語を使用して説明される。上記開示において第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るだけでなく、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素(空間的または機能的のいずれか)が存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用されるように、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)を意味するように解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきではない。
【0100】
いくつかの実施態様では、コントローラは、システムの一部であり、このシステムは上述した例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後に、システム動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。この電子機器は、「コントローラ」と呼ばれる場合があり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールおよび他の搬送ツール、および/または特定のシステムに接続または結合されたロードロックへのウエハの搬入および搬出が挙げられる。
【0101】
広義には、コントローラは、命令を受け取り、命令を発し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上、半導体ウエハ、またはシステムに対する特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義してもよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であって、ウエハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの製造中に1つまたは複数の処理ステップを達成してもよい。
【0102】
いくつかの実施態様では、コントローラは、システムと連動しているか、システムに結合しているか、そうでない場合はシステムにネットワーク接続されているか、またはそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であっても結合していてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよく、あるいはファブホストコンピュータシステムのすべてまたは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能である。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定する、あるいは新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供可能であり、そのようなネットワークはローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、命令をデータの形式で受信し、そのようなデータは1つまたは複数の動作中に実行される処理ステップの各々に対するパラメータを特定する。パラメータが実行されるプロセスの種類およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、互いにネットワーク接続され、本明細書で説明されるプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることなどによって、分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの一例としては、(プラットフォームレベルでまたはリモートコンピュータの一部としてなど)遠隔配置され、チャンバ上のプロセスを制御するように結合する1つまたは複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられるであろう。
【0103】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連または使用される可能性がある任意の他の半導体処理システムを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0104】
上述のように、ツールによって実行される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、あるいは半導体製造工場内のツール場所および/またはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料移送に使用されるツールと通信してもよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
変圧器であって、
一次コイルであって、
第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、
第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、
前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタと
を備える一次コイルと、
二次コイルであって、
前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、
前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、
前記第1のコアを前記第2のコアに接続する一対の導電線と
を備える二次コイルと
を備える、変圧器。
適用例2:
適用例1の変圧器であって、
前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている、変圧器。
適用例3:
適用例1の変圧器であって、
前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの倍数に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である、変圧器。
適用例4:
適用例1の変圧器であって、
前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記変圧器によって送信される無線周波数信号の波長の分数倍に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である、変圧器。
適用例5:
無線周波数分配回路であって、
無線周波数における周波数成分を含む第1の無線周波数信号を生成するための無線周波数発生器と、
適用例1の前記変圧器と
を備え、前記変圧器は、前記第1の無線周波数信号を第2の無線周波数信号に変換するためのものであり、前記第2の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数における周波数成分を含む、無線周波数分配回路。
適用例6:
基板処理システムであって、
適用例5の前記無線周波数分配回路と、
プロセスチャンバと、
電極を含み、前記プロセスチャンバ内に実装されるシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される基板支持体と
を備え、
前記変圧器は、前記第2の無線周波数信号を前記電極に供給するためのものである、基板処理システム。
適用例7:
無線周波数分配回路であって、
少なくとも1つの無線周波数発生器から第1の無線周波数信号および第2の無線周波数信号を受信し、前記第1の無線周波数信号をフィルタで遮断するための第1のフィルタであって、前記第1の無線周波数信号が、第1の周波数にあり、前記第2の無線周波数信号が、第2の周波数にあり、かつ前記第2の周波数が、前記第1の周波数よりも小さい第1のフィルタと、
前記少なくとも1つの無線周波数発生器から前記第1の無線周波数信号および前記第2の無線周波数信号を受信し、前記第1の無線周波数信号をフィルタで遮断するための第2のフィルタと、
前記少なくとも1つの無線周波数発生器の出力を前記第1のフィルタの入力に整合させるための第1の整合ネットワークと、
前記少なくとも1つの無線周波数発生器の出力を前記第2のフィルタの入力に整合させるための第2の整合ネットワークと、
前記第1の無線周波数信号を第3の無線周波数信号に変換し、前記第2の無線周波数信号を第4の無線周波数信号に変換し、かつ前記第1の無線周波数信号を前記第2の無線周波数信号と結合するか、あるいは前記第3の無線周波数信号を前記第4の無線周波数信号と結合するかのいずれかのための変圧器結合コンバイナであって、前記第3の無線周波数信号が、前記第1の無線周波数における周波数成分を含み、かつ前記第4の無線周波数信号が、前記第2の無線周波数における周波数成分を含む変圧器結合コンバイナと
を備える、無線周波数分配回路。
適用例8:
適用例7の無線周波数分配回路であって、
前記変圧器結合コンバイナは、
前記第1のフィルタの出力を受信するための第1の変圧器と、
前記第2のフィルタの出力を受信するための第2の変圧器と
を備える、無線周波数分配回路。
適用例9:
適用例8の無線周波数分配回路であって、
前記第1の変圧器は、
前記第1のフィルタに接続された一次コイルと、
二次コイルと
を備え、かつ
前記第2の変圧器は、
前記第2のフィルタおよび前記第1の変圧器の前記一次コイルに接続された一次コイルと、
前記第1の変圧器の前記二次コイルに接続された二次コイルと
を備える、無線周波数分配回路。
適用例10:
適用例9の無線周波数分配回路であって、
前記第1の変圧器の前記一次コイルおよび前記二次コイルは、接地基準に接続されており、かつ
前記第2の変圧器の前記一次コイルおよび前記二次コイルは、前記接地基準に接続されている、無線周波数分配回路。
適用例11:
適用例9の無線周波数分配回路であって、
前記第1の変圧器は、
一次コイルであって、
第1の同軸ケーブルの第1のシールドと、
第2の同軸ケーブルの第2のシールドと、
前記第1のシールドを前記第2のシールドに接続する導電性インターコネクタと
を備える一次コイルと、
二次コイルであって、
前記第1の同軸ケーブルの第1のコアと、
前記第2の同軸ケーブルの第2のコアと、
前記第1のコアを前記第2のコアに接続する一対の導電線と
を備える二次コイルと
を備える、無線周波数分配回路。
適用例12:
適用例11の無線周波数分配回路であって、
前記第1の同軸ケーブルは、前記第2の同軸ケーブルに平行して延びている、無線周波数分配回路。
適用例13:
適用例11の無線周波数分配回路であって、
前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記一対の導電線の長さの合計は、前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さの倍数に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である、無線周波数分配回路。
適用例14:
適用例11の無線周波数分配回路であって、
前記第1の同軸ケーブルおよび前記第2の同軸ケーブルの各々の長さは、前記第1の無線周波数信号の波長の分数倍に基づくか、あるいは等しいかの少なくとも一方である、無線周波数分配回路。
適用例15:
適用例7の無線周波数分配回路であって、
前記変圧器結合コンバイナは、第1の変圧器を備え、
前記第1の変圧器は、
前記第1のフィルタに接続された第1の一次コイルと、
前記第2のフィルタに接続された第2の一次コイルと、
前記第3の無線周波数信号を受信するために接続された第1の二次コイルと、
前記第4の無線周波数信号を受信するために接続された第2の二次コイルと
を備える、無線周波数分配回路。
適用例16:
適用例15の無線周波数分配回路であって、
前記第1の変圧器は、第3の二次コイルを備え、
前記第3の二次コイルは、第5の無線周波数信号を受信するためのものであり、かつ
前記第5の無線周波数信号は、前記第1の周波数における周波数成分と前記第2の周波数における周波数成分とを含む、無線周波数分配回路。
適用例17:
適用例7の無線周波数分配回路であって、
前記変圧器結合コンバイナは、
前記第1のフィルタに接続された第1の一次コイルと、
前記第2のフィルタに接続された第2の一次コイルと、
前記第3の無線周波数信号を出力する第1の二次コイルであって、前記第3の無線周波数信号が、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む第1の二次コイルと、
前記第4の無線周波数信号を出力する第2の二次コイルであって、前記第4の無線周波数信号が、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む第2の二次コイルと
を備える、無線周波数分配回路。
適用例18:
適用例17の無線周波数分配回路であって、
前記変圧器結合コンバイナは、
第5の無線周波数信号を出力する第3の二次コイルであって、前記第5の無線周波数信号が、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む第3の二次コイルと、
第6の無線周波数信号を出力する第4の二次コイルであって、前記第6の無線周波数信号が、前記第1の無線周波数および前記第2の無線周波数における周波数成分をそれぞれ含む第4の二次コイルと
を備える、無線周波数分配回路。
適用例19:
基板処理システムであって、
適用例7の前記無線周波数分配回路と、
プロセスチャンバと、
電極を備え、前記プロセスチャンバ内に実装されるシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドに隣接して前記プロセスチャンバ内に実装される基板支持体と
を備える、基板処理システム。
適用例20:
基板処理システムにおいて、無線周波数電力を電極に供給するための無線周波数分配回路であって、前記無線周波数分配回路は、
第1の無線周波数信号を生成するための無線周波数発生器と、
前記第1の無線周波数信号を第2の無線周波数信号に変換し、前記第2の無線周波数信号を前記電極に供給して、前記基板処理システムのプロセスチャンバ内でプラズマ電離密度およびイオン化エネルギーを調整するための変圧器と、
前記無線周波数発生器の出力を前記変圧器の入力に整合させるための整合ネットワークと
を備える、無線周波数分配回路。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8