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特許7635158低k値の材料、銅、コバルト、および/またはタングステンの層が存在する状態で、ハードマスクおよび/またはエッチング停止層を選択的にエッチングするための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】低k値の材料、銅、コバルト、および/またはタングステンの層が存在する状態で、ハードマスクおよび/またはエッチング停止層を選択的にエッチングするための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250217BHJP
   H01L 21/308 20060101ALI20250217BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20250217BHJP
   C11D 7/34 20060101ALI20250217BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20250217BHJP
   C11D 7/18 20060101ALI20250217BHJP
   C11D 7/36 20060101ALI20250217BHJP
【FI】
H01L21/304 647Z
H01L21/304 647A
H01L21/304 647B
H01L21/308 G
C11D7/32
C11D7/34
C11D7/26
C11D7/18
C11D7/36
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021569492
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2020064144
(87)【国際公開番号】W WO2020234395
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】19176290.5
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ホークボーム,ヨアネス テオドルス ヴァレンティヌス
(72)【発明者】
【氏名】クリップ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】コー,チー チョン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チョー ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ティン,チヤ チン
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-512194(JP,A)
【文献】特表2016-527707(JP,A)
【文献】特表2016-535819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0204764(US,A1)
【文献】特表2015-506583(JP,A)
【文献】特表2010-515246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/308
C11D 7/32
C11D 7/34
C11D 7/26
C11D 7/18
C11D 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄組成物を使用する方法であって、少なくとも下記の成分:
(A)溶解剤としての式Iの1種以上の化合物:
【化1】
[式中、Rは、炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐または非分岐アルキルからなる群から選択される]
であって、洗浄組成物の総質量に対して1質量%~15質量%の範囲の溶解剤
(B)非置換、または炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐もしくは非分岐アルキル、アルキルが分岐または非分岐であり、炭素数が1個、2個、3個、または4個であるアミノアルキル、フェニル、チオフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、および/またはチオールによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の腐食防止剤
であって、洗浄組成物の総質量に対して0.1質量%~6質量%の範囲の腐食防止剤
(C)1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒であって、
極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、
- 式IVのアルキルスルホン化合物
【化2】
[式中、
は、炭素数が1~5個の分岐または非分岐アルキル基である、
は、炭素数が1~5個の分岐または非分岐アルキル基である、
または
およびRは、炭素数が3~5個の分岐または非分岐アルキレン基を共に構成し、アルキレン基の1個または2個の炭素原子は、-O-Rによって独立して置換可能であり、Rは、炭素数1~4個の分岐または非分岐アルキル基である];
よび
- これらの混合物
からなる群から選択さ
洗浄組成物の総質量に対して30質量%~36質量%の範囲である、
極性の非プロトン性有機溶媒;
および
(D)1種以上の酸化剤と組み合わせた水であって、
1種以上の酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキシ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキシ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびこれらの混合物からなる群から選択され
Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステンならびに窒化タングステンからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングするまたは部分的にエッチングするための、水
を含み、
層もしくはマスクをエッチングするまたは部分的にエッチングすることは、
-低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層をエッチングすること、
および/または
-半導体基板から、低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層を除去すること、
および/または
-半導体基板の表面から、低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層を除去すること
を含む、
洗浄組成物を使用する方法。
【請求項2】
極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、請求項1に記載の式IVのアルキルスルホン化合物であり、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソプロピルイソブチルスルホン、スルホラン、3-メトキシスルホラン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
洗浄組成物が:
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲に緩衝するのに適切な緩衝系;
および/または
(G)洗浄組成物の総質量に対して総量で0.01質量%~3質量%の範囲の、1種以上のキレート剤;
および/または
(H)1種以上の界面活性剤
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
洗浄組成物において、
- 溶解剤(A)の1種または少なくとも1種は、4-メチルモルホリン-4-オキシドであるか、またはそれを含む、
および/または
- 腐食防止剤(B)の1種または少なくとも1種は、非置換、または炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐もしくは非分岐アルキル、および/または塩素と臭素からなる群から選択されるハロゲンによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾールおよびこれらの混合物からなる群から選択さる;
および/または
フッ化物アニオンを含むエッチング液の総量は、洗浄組成物の総質量に対して<0.001質量%である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
洗浄組成物において
- 1種以上の溶解剤(A)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して2質量%~12質量%の範囲である、
および/または
種以上の腐食防止剤(B)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して0.2質量%~6質量%の範囲である、
よび/または
- 洗浄組成物は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、および(H)を含む;
および/または
- 水(D)は、洗浄組成物の残りを埋めて100質量%となる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
方法は、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去することを含み
- 半導体基板は、銅、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、
および/または
- 方法は、銅、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板を洗浄することを含む;
および/または
- 方法は、銅、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態でポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去することを含み、
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、
- フッ素を含む、または含まない1種以上の有機高分子、
- 金属有機錯体、および
タン、および/またはチタンの酸化物、および/またはチタンの窒化物を含む金属材料
を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む;
および/または
- 方法は、残渣および汚染物質を、銅、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板の表面から除去することを含
求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
方法は、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むまたはからなる材料から選択される層もしくはマスクをエッチングする、または部分的にエッチングすることを含み、層またはマスク、をエッチングするまたは部分的にエッチングすることは
、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から選択される、および/または炭化タングステンハードマスクならびに窒化タングステンハードマスクからなる群から選択される金属を含むハードマスクを除去するまたは部分的に除去すること、
および/または
- 半導体基板の表面に、銅、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、エッチングする、または部分的にエッチングすること;
含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
- 洗浄組成物は、以下を取り除くワンステッププロセスで1種以上の酸化剤と組み合わせて使用される
(i)Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から選択される、および/または、炭化タングステンードマスクならびに窒化タングステンハードマスクからなる群から選択される金属を含むハードマスク
および
(ii)銅を含む層上に、および/またはコバルトを含む層上に堆積されたアルミニウム化合物のエッチング停止層;
および/または
- 洗浄組成物は、別の工程または同じ工程で同時に1種以上の酸化剤と組み合わせて使用される;
および/または
- 1種以上の酸化剤は、洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~25質量%の範囲である;
および/または
-前記酸化剤は過酸化水素であり、前記酸化剤は、洗浄組成物の総質量に対して総量で7.5質量%~20質量%の範囲で使用され、
および/または
- 1種以上の安定剤は、1種以上の酸化剤と組み合わせて、および/または洗浄組成物と組み合わせて使用され、アミン-N-オキシド;クエン酸;1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸;グリコール酸;乳酸;ヒドロキシ酪酸;グリセリン酸;リンゴ酸;酒石酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;マレイン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
請求項に記載の洗浄組成物であって、
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲に緩衝するのに適切な緩衝系を含み、
フッ化物アニオンを含むエッチング液の総量は、洗浄組成物の総質量に対して<0.001質量%であ、洗浄組成物。
【請求項11】
請求項1および/または6に記載の、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するための、請求項9または10に記載の洗浄組成物を使用する方法。
【請求項12】
(W1)請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄組成物
および
(W2)過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、およびオゾンからなる群から選択される1種以上の酸化剤;
を含む、ウェットエッチング組成物。
【請求項13】
洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~25質量%の範囲の、成分(W2)1種以上の酸化剤を含む、請求項12に記載のウェットエッチング組成物。
【請求項14】
- 低k値の材料の層、および/または銅ならびに/もしくはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層をエッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、半導体基板からアルミニウム化合物を含む層を除去する;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅ならびに/もしくはコバルトを含む層が存在する状態で、半導体基板の表面からアルミニウム化合物を含む層を除去する;
および/または
、コバルト、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するため、請求項12または13に記載のウェットエッチング組成物を使用する方法であって、
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、
- フッ素を含むまたは含まない1種以上の有機高分子、
- 金属有機錯体、および
タンおよび/またはチタンの酸化物および/またはチタンの窒化物を含む金属材料
を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む、方法。
【請求項15】
下記工程:
P1)請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄組成物を、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の酸化剤と混合してウェットエッチング組成物を製造する、
または
請求項12または13に記載のウェットエッチング組成物を準備する工程、
および
P2)工程P1)において受け取られたまたは準備されたウェットエッチング組成物と、
もしくはマスクをエッチングするように
および/または
- 半導体基板の表面から1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層を除去するように、
および/または
スト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するように、
- 半導体基板の表面上の、Ti層またはマスク、TiN層またはマスク、Ta層またはマスク、TaN層またはマスク、Al層またはマスク、およびHfO層またはマスクからなる群から選択される、および/または炭化タングステンハードマスクならびに窒化タングステンハードマスクからなる群から選択される層もしくはハードマスク、
および/または
- 半導体基板の表面上の、銅を含む層上に、および/またはコバルトを含む層上に堆積された1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層を少なくとも1回接触させる工程、
を含む、半導体デバイスを半導体基板から製造する方法。
【請求項16】
低k値の材料の層、および/または半導体基板の表面上で銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層をエッチングするためのキットであって、
個別の成分として:
(K1)請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄組成物;
および
(K2)過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の酸化
を備える、キット。
【請求項17】
別の成分として、さらに、成分(K1)および/または成分(K2)を含む、または組み合わせる:
(K3)アミン-N-オキシド;クエン酸;1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸;グリコール酸;乳酸;ヒドロキシ酪酸;グリセリン酸;リンゴ酸;酒石酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;マレイン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の安定剤を備える、請求項16に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストエッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するための、および/またはTiN、Ta、TaN、Al、ならびにHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスクの酸化エッチングまたは部分的酸化エッチングのための、および/またはアルミニウム化合物を含む層を半導体基板の表面から除去するための1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用に関連する。本発明は、さらに、洗浄組成物、およびポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するための洗浄組成物を使用する方法に関連する。さらなる態様の下では、本発明は、洗浄組成物および1種以上の酸化剤を含むウェットエッチング組成物、およびウェットエッチング組成物を使用する方法にも関連する。本発明は、また、半導体基板からの半導体デバイスの製造のための方法、および洗浄組成物ならびに1種以上の酸化剤を含むキットにも関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを製造するための方法は、フォトリソグラフィおよび化学処理工程が連続する複数の工程であり、これらの工程の間に、電子回路は、基板、代表的には純粋な半導体材料からなるウェーハ(「半導体基板」、具体的には「半導体ウェーハ」)上に徐々に作られる。好ましくは、シリコンが半導体材料として使用される。代表的な半導体基板(ウェーハ)は、いわゆる「チョクラルスキー法」を使用して直径が最大300mmである単結晶の円柱状インゴット(ブール)に成長させる非常に純粋なシリコンで作られている。これらのインゴットは、その後、約0.75mmの厚さのウェーハにスライスされ、非常に規則的で平坦な表面を得るために研磨される。
【0003】
半導体ウェーハを製造するための特定の方法は、例えば、いわゆる「フロントエンドオブライン(「FEOL」)」および「バックエンドオブライン(「BEOL」)」の処理段階を含む、いくつかの段階で構成されている。
【0004】
FEOL処理段階は、半導体ウェーハの材料(通常、シリコン)に直接トランジスタを形成することを意味する。RAW半導体ウェーハは、エピタキシーによる超高純度で事実上欠陥のないシリコン層の成長によって設計されている。フロントエンドの表面設計の後に、ゲート絶縁体(例えば、二酸化シリコン)の成長、そのゲートのパターン化、ソース領域およびドレイン領域のパターン化、および、その後の半導体材料へのドーパントの注入または拡散が続き、所望の補完的な電気的特性が得られる。
【0005】
各種デバイス(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリDRAM;スタティックランダムアクセスメモリSRAM;電気的にプログラム可能な読出し専用メモリEPROM;または相補型メタルオンシリコンCMOS)は、一旦FEOL処理で作られると、それらは相互接続されて所望の電気回路を形成しなければならない。これがBEOLと総称される一連のウェーハ処理工程で行われる。BEOL処理段階は、低誘電率の材料、例えば、誘電率κ<3.9の材料(「低k値の材料」としても知られている)からなる層によって分離された半導体ウェーハの表面上に金属相互接続ワイヤを作ることを含む。アルミニウムの代わりに導電性材料としての銅(Cu)および近年ではコバルト(Co)も導入して、半導体基板上に集積回路(IC)相互接続を形成するための最新式複合工程製造方法が発展してきており、例えば、化学蒸着(CVD)、電気めっき、フォトリソグラフィ、ウェットエッチング、またはドライエッチング技術、化学機械研磨(CMP)、およびいくつかの洗浄工程を使用して、導電性および絶縁性(誘電性)材料の連続層を選択的に作り除去するための様々な方法を含んで、例えば、前術の材料除去工程の残渣を加工された半導体基板の表面から除去する。
【0006】
そのような1つの複合工程製造方法は、TFVL(「トレンチファーストビアラスト」)デュアルダマシンプロセス、VFTL(「ビアファーストトレンチラスト」)デュアルダマシンプロセス、自己整合デュアルダマシンプロセス、または金属を含むハードマスクを用いたデュアルダマシンパターン化プロセスなどのデュアルダマシンプロセスのようなその変形例を用いたダマシン製造方法として知られている(後者については、例えば、米国特許第6,696,222号明細書参照)。
【0007】
ダマシン加工技術では、下層の層間誘電体(「ILD」)材料に構造の形状をエッチングすることによって、所望のIC相互接続構造がパターン化される。パターン化後に、代表的に、薄いバリア層(例えば、Ta/TaN、TiN、CoWP、NiMoP、またはNiMoBからなる)は、銅拡散バリアとしてエッチング構造の上部に堆積される。そのバリア層の上部に、下層の材料上への銅のより良好な接着を支持し、メッキプロセス中に同様に触媒材料として働くシード層が堆積されることが多い。これらのシード層の代表的な材料は、Pd、Co、または他の材料、例えば、ポリマーおよび有機材料を含む化合物である。元の堆積プロセス(ダマシンプロセス)は、各層を独立して加工するように設計されていた。したがって、いわゆる「縦相互接続アクセス」(「vias」)およびメタライズレベルは、異なるプロセス工程を有しており、各層の一連の洗浄、材料堆積、CMP、および別の洗浄工程を要求する。この一連をそのメタライズレベルおよびそのILDならびにインタービア誘電体(「IVD」)に使用する銅技術は、「シングルダマシンプロセス」と呼ばれることが多い。代表的には、シングルダマシンプロセスでは、各レベルは、それ自体のキャップ層またはエッチング停止層、個別のILD層を必要とし、頂部では、相互接続金属銅と一緒に研磨することができる材料、例えば、SiOの必要性がある。あるいは、デュアルダマシン加工技術は、ある同様のプロセス工程を1つのシングルプロセス工程に組み合わせ、それによって、BEOL積層体を構築するのに必要なプロセス工程数および時間、ならびにコストを低減する。したがって、デュアルダマシンプロセスは、IVDおよびメタライズ層を一度に製造する。
【0008】
ダマシン製造プロセスまたはその変形例では、導電性マスク(すなわち、「ハードマスク」)があるエッチング工程の間に、低k値の材料のような1つ以上の下位にある層、例えば、誘電材料の下位にある層を保護するために使用されることが多い。そのような導電性(「金属」)マスク(すなわち「ハードマスク」)は、通常、例えば、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、またはHfO(つまり、酸化ハフニウム)を含む層の形態、および/または例えば、炭化タングステン(WC)もしくは窒化タングステン(WN)を含む層の形態で堆積される。例えば、金属を含むハードマスクを用いたデュアルダマシンパターン化プロセスでは、誘電性(低k値の)材料上に堆積された金属層は、第2のエッチング工程のためのハードマスクとしての機能を果たす。
【0009】
半導体基板上、特に半導体ウェーハ上の構造をさらに最小化する要求が進行する中、メーカーは、新しい課題に直面している:例えば、半導体ウェーハ上に、10nmの構造または10nmより下の構造を製造するための、または7nmの構造または7nmより下の構造を製造するための集積スキームのような、半導体ウェーハ上のさらに最小化した構造のための集積スキームでは、好ましくは、ビア形成は金属を含むハードマスク、多くの場合、TiNハードマスク、およびその後の乾燥エッチング工程を使用することによってなされて、金属を含むハードマスク(例えば、TiNハードマスクのようなTiを含むハードマスク)の真下に位置し、付加層、例えば、金属を含んでいないハードマスクによって、または接続層によって金属を含む/TiNハードマスクから任意に分離される低k値の材料を除去する。下層の銅および/またはコバルトおよび/またはタングステンを、形成されるビアの底で保護するために、薄いエッチング停止層は、通常、銅および/またはコバルトおよび/またはタングステン上(つまり、銅および/またはコバルトおよび/またはタングステン金属の表面上)に堆積される。この薄いエッチング停止層は、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなることが多く、膜厚は、30nm以下、特に20nm以下、より特には10nm以下またはさらに5nm以下とすることができる。そのようなエッチング停止層は、「ESL」(乾燥エッチング処理のための「エッチング停止層」)と称されることが多い。
【0010】
製造プロセスを進めるために、次の材料を除去しなければならない:1)金属を含むハードマスク(例えば、TiNハードマスク)、2)ビアになお残る任意のポリマー残渣;および3)エッチング停止層。この3種類の材料の除去は、ワンステッププロセスまたはツーステッププロセスのいずれかによって達成することができる。3種類の除去プロセスの両方の代替では、さらに半導体基板上にも存在する他のある材料が、それらが最も高い可能な程度に保護されるように、最小の可能な程度までエッチング、損傷、もしくは除去されない、またはされるだけであることは重要である。3種類の除去プロセスで保護されるそのような他の材料は、低k値の材料、銅、コバルト、さらにタングステンも含み、(上記に説明するように)低k値の材料の層の下に、および/または1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなるエッチング停止層の下に存在してもよい。
【0011】
ワンステッププロセスでは、3種類の除去プロセスはすべて、1種以上の酸化剤、例えば、過酸化水素を通常含む適切な組成物を適用することによって同時に行われる。
【0012】
ツーステッププロセスでは、第1の工程で、金属を含むハードマスク(例えば、TiNハードマスク)は、過酸化水素のような酸化剤を通常含む組成物を適用することによって、前の製造工程の残渣、例えば、ポリマー残渣と一緒に通常除去される。組成物は、低k値の材料の層またはエッチング停止層、具体的にはアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層を損傷すべきでない。第2の工程では、エッチング停止層は、適切な組成物を適用することによって除去される。代表的には、この第2の工程では、ビアになお存在するポリマー残渣も除去される(上記参照)。
【0013】
上記に説明するようなワンステッププロセスにおいて使用される組成物は、低k値の材料の任意の存在する層、任意の存在する銅および/または任意の存在するコバルト、ならびに好ましくは任意の存在するタングステンを損傷しないまま、または最小の可能な程度だけ損傷しながら、TiNを代表的に含むまたはからなる金属を含むハードマスク、エッチング停止層、具体的には、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層、およびビアになお存在する任意のポリマー残渣を選択的に除去すべきである。
【0014】
この目的のために、ワンステッププロセスにおいて使用される組成物は、さらに存在し得る低k値の材料、銅金属、および/またはコバルト金属の層を損なわずに、とりわけ、アルミニウム化合物を含むまたはからなる層、さらにアルミニウム化合物を含むまたはからなる薄層または超薄層の非常に制御された特定のエッチングを可能にする特性を有する必要がある。
【0015】
半導体基板上での、7nmより下の構造のための、特に、5nmの構造のための製造プロセスで起こる特定のさらなる要求は、低k値の材料の層の下、および/または1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層の下に存在する場合でさえ、存在する任意のタングステン金属またはタングステン材料が、3種類の除去プロセスにおいてエッチング、損傷、除去されるべきでないということである。タングステン金属またはタングステン材料が低k値の材料の層の下、および/または1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層の下に存在した(だけの)場合でさえ、特に(上記に説明するような)ワンステッププロセスにおいて3種類の除去プロセスを行うために以前に使用される組成物が、3種類の除去プロセスで任意のタングステン金属またはタングステン材料を十分に保護するためには適していないことが分かっている。ワンステッププロセスで3種類の除去プロセスを行うために以前に使用される組成物が、タングステン金属またはタングステン材料、つまり、低k値の材料の層、および(通常さらに)1種以上のアルミニウム化合物を含むエッチング停止層を覆う層内に存在する気孔または毛細管を通って浸透または拡散する可能性があることがこの文脈で仮定されている。
【0016】
本文に定義するように本発明による組成物は、ワンステップ(3種類の除去)プロセス、具体的には、10nmの構造、好ましくは10nmより下の構造(本明細書で用語「10nmより下の構造」は、本文全体にわたって10nm未満、例えば、7nmの構造、および/または5nmの構造を称するならびに含む)、より好ましくは7nmの構造のための製造プロセスにおける適用に特に適している。本文に定義するように本発明による好ましい組成物は、半導体基板上の、ワンステップ(3種類の除去)プロセス、具体的には7nmより下の構造、特に5nmの構造のための製造プロセスでの適用にさえ適している。
【0017】
酸化アルミニウムの誘電性フィルムは、一般に酸性および塩基性媒体でのウェットエッチングによって除去することができる(例えば、B.Zhou et al.,J.Electrochem.Soc.Vol.143(2)619-623(1996)、またはJ.Oh et al.J.Electrochem.Soc.Vol.156(4)D217-D222(2011)参照)が、アルミニウム化合物、例えば、酸化アルミニウムを含むまたはからなる薄いもしくは超薄のエッチング停止層をエッチングするのに要求されるエッチング速度の精度および信頼度を有さないことが知られている。
【0018】
米国特許出願公開第2018/0148669(A1)号明細書は、ポスト-エッチングの残渣を除去するための洗浄組成物に取り組む。
【0019】
米国特許第9,546,321(B2)号明細書は、窒化チタンを選択的にエッチングするための組成物および方法について記載する。
【0020】
国際公開第2008/080097(A2)号パンフレットは、ポスト-エッチングの残渣の除去のための液体洗浄剤について検討する。
【0021】
国際公開第2019/110690(A2)号パンフレット(本特許出願の最先の出願日後に公開された文献)は、低k値の材料、銅および/またはコバルトの層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層を選択的にエッチングするための組成物および方法に取り組む。
【0022】
国際公開第03/035797(A1)号パンフレットは、半導体基板上の無機残渣を洗浄するための銅特異的腐食防止剤を含む水性洗浄組成物に関する。
【0023】
国際公開第2004/030038(A2)号パンフレットは、エッチング残渣を除去するための組成物基板およびこれを使用する方法に関する。
【0024】
国際公開第2009/064336(A1)号パンフレットは、半導体基板からの金属を含むハードマスクエッチング残渣の除去のための組成物を教示する。
【0025】
国際公開第2012/009639(A2)号パンフレットは、ポスト-エッチングの残渣の除去のための水性洗浄剤に関する。
【0026】
国際公開第2014/197808(A1)号パンフレットは、窒化チタンを選択的にエッチングするための組成物および方法について記載する。
【0027】
米国特許出願公開第2004/061092号明細書は、アルミナの選択除去のためのウェットエッチングに関する。
【0028】
米国特許出願公開第2010/0075478号明細書は、パターンレジスト除去のための方法に関する。
【0029】
米国特許出願公開第2012/0052686号明細書は、洗浄液およびそれを使用するダマシン処理に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【文献】米国特許第6,696,222号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0148669(A1)号明細書
【文献】米国特許第9,546,321(B2)号明細書
【文献】国際公開第2008/080097(A2)号パンフレット
【文献】国際公開第2019/110690(A2)号パンフレット
【文献】国際公開第03/035797(A1)号パンフレット
【文献】国際公開第2004/030038(A2)号パンフレット
【文献】国際公開第2009/064336(A1)号パンフレット
【文献】国際公開第2012/009639(A2)号パンフレット
【文献】国際公開第2014/197808(A1)号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2004/061092号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0075478号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0052686号明細書
【非特許文献】
【0031】
【文献】B.Zhou et al.,J.Electrochem.Soc.Vol.143(2)619-623(1996)
【文献】J.Oh et al.J.Electrochem.Soc.Vol.156(4)D217-D222(2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
このように、本発明の主な目的は、ポストエッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するのに役立つ組成物を提供するとともに、半導体基板の表面上に、低k値の材料、および銅、コバルト、ならびにタングステンからなる群から選択される1つ以上の材料が存在する状態で、層もしくはハードマスク、および/または1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなる層を選択的にエッチングするまたは部分的にエッチングするのに役立つ組成物を提供する。組成物は、低k値の材料、および存在もする銅、コバルト、ならびにタングステンからなる群から選択される1つ以上の材料を同時に損なうべきではなく、または有意に損なうべきではない。この組成物は、特に、半導体基板上に7nmの構造および/または7nmより下の構造(理想的には5nmの構造を含む)を作るための製造プロセスでの使用に適しているべきである。
【0033】
本発明の別の目的は、半導体デバイスを製造するためのプロセスを提供し、ポストエッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、半導体基板の表面から除去される、および/または層もしくはハードマスクは、半導体基板の表面上で選択的にエッチングされる、および/または1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなる層は、低k値の材料、および銅、コバルト、ならびにタングステンからなる群から選択される1つ以上の材料が存在する状態で、半導体基板の表面上で選択的にエッチングされる。
【0034】
本発明のさらなる目的が本明細書および添付の特許請求の範囲に開示され、または本明細書および添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0035】
少なくとも下記成分を含む(つまり、1種以上のさらなる物質が存在してもよい)洗浄組成物の使用によって、本発明の主な目的および他の目的が達成されることが見出された:
(A)溶解剤としての式Iの1種以上の化合物:
【0036】
【化1】
【0037】
[式中、Rは、炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐または非分岐(好ましくは非分岐)アルキルからなる群から選択される];
(B)非置換、または炭素数が1個、2個、3個、もしくは4個の分岐または非分岐アルキル、アルキルが分岐または非分岐であり、炭素数が1個、2個、3個、もしくは4個であるアミノアルキル、フェニル、チオフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、および/またはチオールによって独立して1回または2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の腐食防止剤;
(C)1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒であって、
好ましくは、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、以下からなる群から選択される
- 式IVのアルキルスルホン化合物:
【化2】
[式中、
は、炭素数が1~5個、好ましくは炭素数が1~4個の分岐(構造的に可能である)または非分岐アルキル基である、
は、炭素数が1~5個、好ましくは炭素数が1~4個の分岐(構造的に可能である)または非分岐アルキル基である、
または
およびRは、炭素数が3~5個、好ましくは炭素数が3~4個の分岐(構造的に可能である)または非分岐アルキレン基を共に構成し、アルキレン基の1個または2個の炭素原子は、-O-R(つまり、任意の-O-R基は、アルキレン基の炭素原子に各場合に結合され、そうでなければ存在する水素原子を置換する)によって独立して置換可能であり、Rは、炭素数が1~4個、好ましくは炭素数が1~2個の分岐(構造的に可能である)または非分岐アルキル基である];
- ジメチルホルムアミド、
- ジメチルスルホキシド、
- ジメチルアセトアミド、
- N-メチルピロリドン、
- プロピレンカーボネート、
- テトラヒドロフラン、
- 炭素数が1~4個、好ましくは炭素数が1~2個の分岐(構造的に可能である)または非分岐アルキル基によって1回または2回置換されている2-イミダゾリジノン;好ましくは1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
および
- これらの混合物
より好ましくは、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物;ジメチルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート;炭素数が1~4個、好ましくは炭素数が1~2個の分岐または非分岐アルキル基によって1回もしくは2回置換されている2-イミダゾリジノン、好ましくは1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン;およびこれらの混合物からなる群から選択される;
さらにより好ましくは、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物;ジメチルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;N-メチルピロリドン;およびこれらの混合物からなる群から選択される
1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒
および
(D)1種以上の酸化剤と組み合わせた水であって、
好ましくは、1種以上の酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキシ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキシ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
- ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するための
および/または
- Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、好ましくはハードバスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングするための、好ましくは材料は、TiNを含む、またはTiNである
好ましくは半導体基板の表面上の、水。
【0038】
1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物は、任意の存在する低k値の材料、任意の存在する銅、および/または任意の存在するコバルトの層に影響を損なわず、または有意に損なわないと同時に、半導体基板上での使用に適しており、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはハードマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはハードマスクの非常に制御された特定のエッチング、および1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層、さらにアルミニウム化合物を含むまたはからなる薄層もしくは超薄層の非常に制御された特定のエッチングを可能にすることは特に驚くべきことであった。
【0039】
したがって、上記に定義するように1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物は、半導体基板上にワンステップで、ハードマスク、エッチング停止層、およびポリマー残渣(上記に説明するように)の3種類からなる除去を含めた、10nmの構造または10nmより下の構造(上記に定義するように)、特に7nmの構造を作るための製造プロセスでの使用に特に適している。
【0040】
上記に定義するように、本文では、1種以上の酸化剤と組み合わせた好ましい洗浄組成物は、半導体基板上に、ワンステップで、ハードマスク、エッチング停止層、およびポリマー残渣(上記に説明するように)の3種類からなる除去を含めて、7nmより下の構造、特に5nmの構造のための製造プロセスにおける適用にさえ適している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明、ならびに好ましい実施形態、およびパラメータ、特性、ならびにこれらの元素の好ましい組合せは、添付の特許請求の範囲に定義される。本発明の好ましい態様、詳細、変更、および利点も、以下の説明および以下に述べる実施例において定義、説明される。
【0042】
本発明の文脈では、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層の「1種以上のアルミニウム化合物」は、酸化アルミニウム(「AlO」、「AlO」、式中、指数「x」、「y」、および「z」は、それぞれの化学元素の化学量論量または非化学量論量を示す数を表す)、窒化アルミニウム、アルミニウム酸窒化物(「AlON」)、および酸化炭化窒化アルミニウム(「AlCNO」)からなる群から選択される1種以上の化合物を含む。好ましくは、アルミニウム化合物は、さらにフッ素も含む。本明細書において定義するように、アルミニウム化合物の正確な組成、および1種以上のアルミニウム化合物のうちの1種のアルミニウム化合物に存在する元素アルミニウム、酸素、窒素、炭素、および/またはフッ素の正確な含有量もしくは割合は、例えば、アルミニウム化合物を含む半導体基板の前処理の種類に応じて変化し得る。
【0043】
本文において称する「エッチング停止層」は、本分野におけるその通常の意味と一致し、半導体基板(例えば、マイクロ電子デバイス)、特に、半導体ウェーハの表面を構造化するための通常のエッチングプロセスで適用される条件下でエッチングされない材料の層であり、エッチングプロセスに潜在的に敏感な、下位にある材料、例えば、銅(例えば、銅インターコネクト中)または他の金属を被覆して、適用されるエッチング剤の望ましくない攻撃から保護する。エッチングプロセス後、エッチング停止層は、除去(必要なら)が、さらに、下位にある材料に悪影響も与えないエッチング停止層の材料に特有の条件下で除去することができる。
【0044】
本発明の文脈では、「低k値の材料」は、好ましくは誘電率κ<3.9を備えた材料であり
および/または(好ましくは「および」)
(i)SiO、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、ホウ素をドープしたホスホシリケートガラス(BPSG)、フッ素をドープした二酸化ケイ素(フルオロシリケートガラスFSG)、炭素をドープした二酸化ケイ素、オルガノシリケートガラス(OSG)、炭素をドープした酸化物(CDO)、多孔質二酸化ケイ素、多孔質炭素をドープした二酸化ケイ素、およびスピンオンシリコン高分子材料、好ましくは水素シルセスキオキサン(HSQ)およびメチルシルセスキオキサン(MSQ);好ましくは有機シロキサン(つまり、炭素-ケイ素結合を含むシロキサン);および好ましくは有機シラン(つまり、炭素-ケイ結合を含むシラン)からなる群から好ましくは選択されるケイ素含有材料、および(ii)好ましくはポリイミド(PI);ポリノルボルネン;ベンゾシクロブテン、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むスピンオン有機高分子誘電体からなる群から好ましくは選択される高分子材料、からなる群から選択される。
【0045】
上記に定義するように本発明による使用のための洗浄組成物において、1種以上の溶解剤(A)、1種以上の腐食防止剤(B)、および1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)は、一般に、各場合に、単独で(1つの単一化合物として)使用することができ、または同じ種類の他の化合物(それぞれ、溶解剤、腐食防止剤、極性非プロトン性有機溶媒を適用できる場合)と組み合わせて使用することができる。
【0046】
本発明の文脈では、好ましくは、「非プロトン」溶媒は、好ましくは水(pH7の)に対してプロトン供与体として働くことができない溶媒を意味する。
【0047】
上記に定義するように本発明による使用のための洗浄組成物では、成分(A)の1種以上の溶解剤における化学式Iの化合物中のRは、具体的には、メチル、エチル、および分岐ならびに非分岐プロピルおよびブチルを含む。好ましくは、Rはメチルである。4-メチルモルホリン-4-オキシド(本文中で「4-MM-4-O」または「NMMO」とも称し、N-メチルモルホリン-N-オキシド、CAS RN 7529-22-8としても知られている)は、上記に定義するように洗浄組成物での使用のための化学式Iの特に好ましい化合物である。化学式Iの化合物の本定義は、水和物、具体的には、4-メチルモルホリン-4-オキシド(CAS RN 70187-32-5)の一水和物、および化学式Iの化合物の異性体および互変異性体を含む。
【0048】
上記に定義するように本発明による使用のための洗浄組成物では、成分(B)が(上記に定義するように)非置換または置換されているベンゾトリアゾールからなる群から選択される1種以上の腐食防止剤を含む場合、この定義は、1種のそのようなベンゾトリアゾール、および上記に定義するように独立して非置換または置換されることができる複数のそのようなベンゾトリアゾールを含み、そのようなベンゾトリアゾールの混合物を含む。
【0049】
成分(B)が、炭素数が1個、2個、3個、もしくは4個の分岐または非分岐アルキルによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾールを含む場合、この定義は、具体的には、メチル、エチル、および分岐ならびに非分岐プロピルとブチルを含む。メチルは、本発明の目的のために好ましい。本定義によって含まれる特定のベンゾトリアゾールは、5-メチルベンゾトリアゾールおよび6-メチルベンゾトリアゾールである(適用可能な命名法については、以下を参照)。成分(B)が、アミノアルキルによって置換され、アルキルが分岐または非分岐であり、、1個、2個、3個、または4個の炭素数を有するベンゾトリアゾールを含む場合、2-(5-アミノ-ペンチル)が本発明の目的のために好ましい。
【0050】
成分(B)がハロゲンによって1回または2回独立して置換されているベンゾトリアゾールを含む場合、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から、好ましくは塩素および臭素から選択される。塩素によって置換されている、好ましくは塩素によって1回置換されているベンゾトリアゾールは、ハロゲンによって独立して1回または2回置換されているベンゾトリアゾールとして好ましい。
【0051】
本技術分野において知られているように、ベンゾトリアゾールにおいて、位置(つまり、環窒素素原子)1ならびに2間の結合、および位置(つまり、環窒素素原子)2ならびに3間の結合は、同じ結合特性を有することが分かっている。ベンゾトリアゾール構造の窒素含有環において1つの窒素原子に結合したプロトンは、存在する3つの環窒素素原子のいずれにも堅く結合しないが、むしろ位置1および3の間を急速に移動して互変異性体を作る。したがって、本発明の目的のために、上記で使用されるように名前「5-メチル-2H-ベンゾトリアゾール」は、この化合物およびその互変異性体すべて、具体的には、「5-メチル-ベンゾトリアゾール」として知られている化合物、「6-メチル-ベンゾトリアゾール」(CAS RN 49636-02-4)、「6-メチル-1H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-メチル-1H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、および「5-メチル-2H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」を含む。逆もまた同様に、本文において、「5-メチル-2H-ベンゾトリアゾール」、「5-メチル-ベンゾトリアゾール」、「6-メチル-ベンゾトリアゾール」、「6-メチル-1H-べンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-メチル-1H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-メチル-2H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-Me-BTA」、または「6-Me-BTA」と称される化合物は、各場合に、化合物「5-メチル-2H-ベンゾトリアゾールおよびその互変異性体のすべて」と同じ意味を有する。
【0052】
相応して、本発明の目的のために、本文において使用される名前「5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール」は、この化合物およびその互変異性体すべて、具体的には、「5-クロロ-ベンゾトリアゾール」(CAS RN 94-97-3)、「6-クロロ-ベンゾトリアゾール」、「6-クロロ-1H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-クロロ-1H-ベンゾ[d][1.2.3]-トリアゾール」また「5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」として知られている化合物を含む。逆もまた同様に、本文において、「5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール」、「5-クロロ-ベンゾトリアゾール」、「6-クロロ-ベンゾトリアゾール」、「6-クロロ-1H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-クロロ-1H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1.2.3]トリアゾール」、「5-Cl-BTA」、または「6-Cl-BTA」と称される化合物は、各場合に、化合物「5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾールおよびその互変異性体のすべて」と同じ意味を有する。この定義は、本文において定義または言及されるように、他のベンゾトリアゾール、特に置換されているベンゾトリアゾールに準用する。
【0053】
非置換、または炭素数が1個、2個、3個、もしくは4個の分岐または非分岐アルキルによって、好ましくはメチルおよび/または(好ましくは「または」)ハロゲンによって1回もしくは2回、好ましくは1回独立して置換されているベンゾトリアゾール、またはこれらの混合物は、成分(B)として好ましい。本発明の特に好ましい変形例では、成分(B)は、非置換ベンゾトリアゾール(BTA)、5-メチル-2H-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0054】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)が好ましく、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべてが上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)である。
【0055】
本発明の文脈では、式IVのアルキルスルホン化合物は、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソプロピルイソブチルスルホン、スルホラン、3-メトキシスルホラン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、式IVのアルキルスルホン化合物は、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の特に好ましい変形例では、式IVのアルキルスルホン化合物はスルホランを含む、またはスルホランである。
【0056】
本発明の文脈では、「アルキレン基」は、好ましくは炭素原子の二価の鎖状基を意味する。本明細書で使用される「アルキレン基」についての例としては、「メチレン」(R-CH-R)、「エチレン」(R-CH-CH-R)、「トリメチレン」(R-CH-CH-CH)、および「プロピレン」(HC-C(R)H-CH-)が挙げられる。
【0057】
上記に定義するように本発明による洗浄組成物、特に、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、または(本発明のこの態様の特に好ましい変形例において)すべては、式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして本明細書に記載する式IVのアルキルスルホン化合物)である洗浄組成物は、本明細書に定義する本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて)使用する場合、次の有益な効果を示すことが自験で分かった:
- 半導体基板の表面上に、特に、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むもしくはからなる、特にTiNを含むまたはからなる層もしくはマスクのエッチングする(特に、酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、特に、部分的に酸化エッチングする)ことについて高い選択性;
および
- 1種以上の酸化剤に対する、特に過酸化物を含む酸化剤に対する、より特に過酸化水素に対する洗浄組成物の高い安定性を示す。1種以上の酸化剤への高い安定性は、1種以上の酸化剤(上記に規定するように)と組み合わせて使用する場合、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むもしくはからなる、特に、洗浄組成物のTiN(上記に規定するように)を含むまたはからなる層もしくはマスクのエッチングの長期に渡る高い(選択的な)活性をもたらす。例えば、洗浄組成物は、1種以上の酸化剤と(特に、過酸化水素と)と組み合わせて使用する場合、24時間以上の長期間、TiNを含むまたはからなる層もしくはマスクのエッチングのその高い、選択的な活性を維持することができる。
【0058】
ある場合には、本明細書に定義する本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)も好ましく、洗浄組成物は、さらなる成分として:
(E)1種以上のアルキルグリコールエーテル、を含む。
【0059】
上記に定義するように、1種以上の酸化剤と組み合わせて上記に定義する添加成分(E)を含む洗浄組成物は、半導体基板上に7nmの構造を作るための製造プロセスでの使用に適するだけでなく、半導体基板上に7nmより下の構造、好ましくは5nmの構造を作るための製造プロセスでの使用にさえ適していることが自験で分かった。添加成分(E)(好ましくは本文に定義されるような好ましい成分(E)および/または本文に定義されるような量もしくは好ましい量で)を含む洗浄組成物のこの特に有益な有用性は、1種以上の酸化剤と組み合わせて、3種類からなる除去プロセス(上記に説明するように)で、好ましくはワンステッププロセス(上記に説明するように)として行われる3種類からなる除去プロセスで、低k値の材料の層の下、または低k値の材料の層および1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなるエッチング停止層の下に存在し得るタングステン(好ましくはタングステン金属および/またはタングステン材料)を保護するその能力による。
【0060】
3種類からなる除去プロセス(上記に定義するように成分(E)を含まない)を、特に、ワンステッププロセス(上記に説明するように)で行うために以前に使用される組成物は、3種類からなる除去プロセスで、低k値の材料の層の下、または低k値の材料の層および1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなるエッチング停止層の下に存在する任意のタングステン金属またはタングステン材料を十分に保護するためには適さないことが自験で分かった。さらに、3種類からなる除去プロセスを行うために以前に使用され、成分(E)を含まない組成物は、3種類からなる除去プロセスの間に、低k値の材料の層の下、または低k値の材料の層および1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなるエッチング停止層の下に有意な程度まで存在したタングステン(もしくはタングステン金属および/またはタングステン材料)を故意でなく損傷する、または少なくとも部分的にエッチングする可能性があることが自験で分かった。自験は、また、低k値の材料の層の下、または低k値の材料の層および1種以上のアルミニウム化合物を含むもしくはからなるエッチング停止層の下のタングステンのこの損傷または部分エッチングが起こるという結論に結びつき、上記に定義するように成分(E)を含まない組成物は、下位にあるタングステンを故意でなく損傷または部分的にエッチングするのに十分な量で、低k値の材料の層、またはタングステン(もしくはタングステン金属および/またはタングステン材料)を被覆する低k値の材料の層および1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層を浸透または拡散する可能性があるからである。
【0061】
自験からのさらなる発見は、ある好ましいアルキルグリコールエーテル(下記に定義、説明するように)を洗浄組成物(上記に定義するように)の成分(E)として選択することによって、および/または洗浄組成物中の好ましいアルキルグリコールエーテルを下記に定義、説明するように量または好ましい量で使用することによって、タングステン(タングステン金属として、またはタングステン材料として)を上記説明するプロセスおよび/または方法で損傷、除去、部分的にエッチングされることから保護するために、上記に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて使用する洗浄組成物の有益な特性を最適化することができることを示す。
【0062】
したがって、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)は好ましく、
- 成分(E)は、Hansen極性溶解性パラメータδが≦8(MPa)1/2、好ましくは≦7.6(MPa)1/2であるアルキルグリコールエーテルからなる群から選択される
および/または
- 洗浄組成物は、成分(E)として式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルを含む。
【0063】
【化3】
[式中、
は、炭素数が1~6個、好ましくは炭素数が2~4個の分岐または非分岐(好ましくは、非分岐)アルキレン基である、
は、炭素数が1~8個、好ましくは炭素数が1~6個の分岐または非分岐(好ましくは、非分岐)アルキル基である
および
nは、1~6の範囲、好ましくは2~6の範囲の整数である]
【0064】
上記に定義するようにアルキルグリコールエーテルおよび下記に定義するように好ましいアルキルグリコールエーテルは、1種以上の酸化剤と組み合わせて本発明による使用のための洗浄組成物での使用にそれらを優れて適したものとする特性(例えば、疎水性および/または粘性)を有することが自験で分かった。
【0065】
本発明の目的ために、上記に定義するように成分(E)のアルキルグリコールエーテルについての「Hansen極性溶解性パラメータδ」は、company Dowによってそれぞれの化合物についての製品データシートにおいて決定されるそれぞれのパラメータであることが好ましく、それはインターネット上のアドレスにアクセスすることができる:
https://www.dow.com/en-us/product-search/eseriesglycolethersおよび
https://www.dow.com/en-us/product-search/pseriesglycolethers。
【0066】
上記アドレスで発見されていない化合物についてのHansen極性溶解性パラメータδは、C.Hansen,“Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook”,2nd ed.2007(ISBN 9780849372483)、特に15~16頁に定義された方法によって本発明の目的のために好ましくは決定される。
【0067】
Hansen溶解度パラメータは、Charles M.Hansenによって、1つの材料が別の材料に溶解して溶液を形成するかどうかを予測する方法として1967年に博士論文において開発された。それらは、1つの分子が同様の方法でそれ自体に結合する場合別の分子に「似ている」と定義する、似た物は似た物を溶かすという考えに基づく。具体的には、各分子は、3つのHansenパラメータが与えられ、各々一般に(MPa)1/2で測定される:
- δ:分子間の分散力からのエネルギー
- δ:分子間の二極性分子間力からのエネルギー(本文中で「Hansen極性溶解性パラメータ」と称される)
- δ:分子間の水素結合からのエネルギー
【0068】
これらの3つのパラメータは、Hansen空間として知られている三次元における点についての座標とみなすことができる。2つの分子がこの三次元空間内で近いほど、それらは互いに溶けやすい。
【0069】
上記に定義するように本発明による使用のための洗浄組成物では、1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)は、一般に、各場合に、単独で(1つの単一化合物として)使用することができ、または他のアルキルグリコールエーテル(E)と組み合わせて使用することができる。
【0070】
さらに、上記に定義するように、1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)を含む、および極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべてとして、炭素数が1~4個、好ましくは炭素数が1~2個の分岐または非分岐アルキル基によって1回もしくは2回置換されている2-イミダゾリジノン、特に、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンを含む本発明による洗浄組成物は、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて)使用する場合に特に良好な安定性を示すことが自験で分かった。特に良好な安定性(1種以上の酸化剤に対する、特に過酸化水素に対する)は、1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)を含むが、極性の非プロトン性有機溶媒(C)として2-イミダゾリジノン(上記に定義するように)を含まない同様の洗浄組成物の使用よりも、洗浄組成物の、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される、特に、TiN(上記に規定されるように)を含むまたはからなる層もしくはマスクのエッチングのより長期的でより高い(選択的)活性をもたらす。
【0071】
したがって、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、特に、「本発明の1つの好ましい特定の変形例」として以下に規定されるように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)は好ましく、
洗浄組成物は、以下を含む:
1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)であって、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1つ、またはすべては、炭素数が1~4個の、好ましくは炭素数が1~2個の分岐または非分岐アルキル基によって1回もしくは2回置換されている2-イミダゾリジノン、好ましくは1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンである、1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)
および
(E)1種以上のアルキルグリコールエーテル(本明細書に定義するように、または本明細書に好ましいとして定義するように)。
【0072】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて使用する洗浄組成物(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)であって、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして本明細書に記載する式IVのアルキルスルホン化合物)であり、さらなる成分(E)として、1種以上のアルキルグリコールエーテルを含んでいてもよく、またはそれはそのようなさらなる成分(E)を含まなくてもよい。多くの場合に、本明細書に定義するように、本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせて使用する洗浄組成物(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)であって、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべては、式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして本明細書に記載する式IVのアルキルスルホン化合物)は好ましく、それはさらなる成分(E)として、1種以上のアルキルグリコールエーテル(上記に定義するように)を含まない。
【0073】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)も好ましく、洗浄組成物は、さらに以下を含む:
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲、好ましくは7~8.5の範囲に緩衝するのに適切な緩衝系;
および/または
(G)1,2-シクロヘキシレンジニトリロテトラ酢酸;N,N,N,N-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸);エチレンジアミンテトラ酢酸;2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン;1,1,1-トリフルオロ-2,4-ペンタンジオン;1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオン;1,4ベンゾキノン;テトラクロロ-1,4-ベンゾキノン;8-ヒドロキシキノリン;ヒドロキシキノリンスルホン酸;2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾオキサゾール;2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾチアゾール;ピリジン;2-エチルピリジン;2-メトキシピリジン;3-メトキシピリジン;2-ピコリン;ジメチルピリジン;ピペリジン;ピペラジン;ピロール;イソオキサゾール;ビピリジン;ピリミジン;ピラジン;ピリダジン;キノリン,イソキノリン;インドール;1-メチルイミダゾール;アニリン;サリチリデンアニリン;メチルアミン;ジメチルアミン;エチルアミン;トリエチルアミン;イソブチルアミン;ジイソブチルアミン、tert-ブチルアミン;トリブチルアミン;ジプロピルアミン;ジグリコールアミン;ジイソプロピルアミン;ペンタメチルジエチレントリアミン;モノエタノールアミン;トリエタノールアミン;メチルジエタノールアミン;アセチルアセトネート;アセチルアセトン;2,2’-アザンジイルジ酢酸;カルバミン酸アンモニウム;アンモニウムピロリジンジチオカルバマート;マロン酸ジメチル;アセト酢酸メチル;アセトアセトアミド;N-メチルアセトアセトアミド;テトラメチルアンモニウムチオベンゾアート;テトラメチルチウラムジスルフィド;エチドロン酸;ギ酸;乳酸;乳酸アンモニウム;メタンスルホン酸;プロピオン酸;スルホサリチル酸;サリチル酸;γ-ブチロラクトン;およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上のキレート剤、
好ましくは、1種以上のキレート剤は、好ましくは、洗浄組成物の総質量に対して0.01質量%~3質量%の範囲、より好ましくは0.1質量%~2質量%の範囲、さらにより好ましくは0.15質量%~1.5質量%の範囲で、1,2-シクロヘキシレンジニトリロテトラ酢酸、N,N,N,N-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、およびこれらの混合物からなる群から選択される;
および/または
(H)1種以上のフルオロ界面活性剤を好ましくは含む1種以上の界面活性剤(下記に定義するように)。
【0074】
したがって、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)も好ましく、洗浄組成物のpHは6~9の範囲、好ましくは7~8.5の範囲である。
【0075】
本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用が好ましく、成分(F)の緩衝系は、本分野で知られているような弱酸(例えば、リン酸)と弱酸の塩との組合せである。緩衝系は、キレート剤(G)でもある酸性元素(弱酸)化合物として、特に、1,2-シクロヘキシレンジニトリロテトラ酢酸および/またはN,N,N,N-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)を含んでいてもよい。緩衝系の弱酸の好ましい塩は、式IIIのアンモニウム化合物を含む
[N(R]OH(III)
[式中、Rは、水素、および炭素数が1~6個、好ましくは1~4個の分岐または非分岐アルキル基から独立して選択される。本発明の目的のために、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムは、式IIIの好ましい化合物である]。
【0076】
上記に定義するように本発明による使用のための洗浄組成物において、1種以上のキレート剤(G)は、一般に、各場合に、単独で(1つの単一化合物として)使用することができ、または他のキレート剤(G)と組み合わせて使用することができる。
【0077】
本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用も好ましく、上記に定義するように洗浄組成物の1種以上の界面活性剤(H)(存在するなら)は、以下からなる群から選択される:
(i)ラウリル硫酸ナトリウム、ペルフルオロ化アルキルスルホンアミド塩(好ましくは、ペルフルオロ化N-置換アルキルスルホンアミドアンモニウム塩PNAAS)、ペルフルオロオクタンスルホネート、ペルフルオロブタンスルホネート、ペルフルオロノナノエート、およびペルフルオロオクタノエートからなる群から好ましくは選択されるフルオロ界面活性剤;アルキルアリールエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルホスフェートからなる群から好ましくは選択されるアニオン界面活性剤;
(ii)(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(「CHAPS」)、コクアミドプロピルヒドロキシスルタイン(CAS RN 68139-30-0)、{[3-(ドデカノイルアミノ)プロピル](ジメチル)アンモニオ}アセテート、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリンからなる群から好ましくは選択される両性イオン界面活性剤、および
(iii)グルコシドアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、コカミドエタノールアミン、およびラウリルジメチルアミンオキサイドからなる群から好ましくは選択される非イオンの界面活性剤。
【0078】
本発明の第1の好ましい変形例による組成物中のより好ましい界面活性剤(H)は、ペルフルオロ化N-置換アルキルスルホンアミドアンモニウム塩であり、またはそれを含む。本発明による組成物中の好ましい界面活性剤(H)は、金属または金属イオンを含まない。
【0079】
上記に定義するように本発明による使用のための洗浄組成物では、1種以上の界面活性剤(H)は、一般に、各場合に、単独で(1つの単一化合物として)使用することができ、または他の界面活性剤(H)と組み合わせて使用することができる。
【0080】
本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用も好ましく、上記に定義するように洗浄組成物の1種以上の界面活性剤(H)(存在するなら)は、洗浄組成物の総質量に対して総量で0.01質量%~2質量%の範囲、より好ましくは0.02質量%~1質量%の範囲、さらにより好ましくは0.025質量%~0.5質量%の範囲で存在する。
【0081】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)も好ましく、洗浄組成物において、
- 溶解剤(A)の1種または少なくとも1種は、4-メチルモルホリン-4-オキシドであるか、またはそれを含む
および/または
- 腐食防止剤(B)の1種または少なくとも1種は、炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐または非分岐アルキル、および/または好ましくは塩素ならびに臭素からなる群から選択されるハロゲンによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される;
および/または
- 極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種または少なくとも1種は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、スルホラン(2,3,4,5-テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド)、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、
好ましくは、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種または少なくとも1種は、ジメチルスルホキシドまたはスルホランである、
および/または
- フッ化物アニオンを含むエッチング液の総量は、洗浄組成物の総質量に対して<0.001質量%であり、好ましくは、洗浄組成物は、フッ化物アニオンを含むエッチング液を含まない;
および/または
- 成分(E)は、式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルを含み、式IIの1つ以上のアルキルグリコールエーテルにおいて、
- Rは、炭素数が3~4個の分岐または非分岐アルキレン基である;
および/または
- Rは、炭素数が1個、2個、3個、5個、または6個の分岐または非分岐アルキル基である;
および/または
- nは、2~4の範囲の整数である;
および/または
- 特定の化合物のブチルジグリコール(「ジエチレングリコールブチルエーテル」としても知られている)は含まれない。
【0082】
総量が洗浄組成物の総質量に対して<0.001質量%(上記に定義するように)であるフッ化物アニオンを含むエッチング液は、好ましくは、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化トリエタノールアンモニウム、フッ化ジグリコールアンモニウム、フッ化メチルジエタノールアンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミントリヒドロフルオリド、フッ化水素、フルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸、アンモニウムテトラフルオロホウ酸、フルオロ酢酸、アンモニウムフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フルオロケイ酸、フルオロケイ酸アンモニウム、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0083】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)は、さらに好ましく、洗浄組成物において、
- 1種以上の溶解剤(A)、好ましくは4-メチルモルホリン-4-オキシドの総量は、洗浄組成物の総質量に対して1質量%~15質量%の範囲、好ましくは2質量%~12質量%の範囲、より好ましくは3質量%~10質量%の範囲である;
および/または
- 極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべて(好ましくは1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)のすべて)は、上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物)であり、1種以上の溶解剤(A)、好ましくは4-メチルモルホリン-4-オキシドの総量は、洗浄組成物の総質量に対して1質量%~15質量%の範囲、好ましくは5質量%~15質量%の範囲、より好ましくは7質量%~12質量%の範囲である;
および/または
- 非置換、または炭素数が1個、2個、3個、もしくは4個の分岐または非分岐アルキル、および/またはハロゲンによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の腐食防止剤(B)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して0.1質量%~6質量%の範囲、好ましくは0.2質量%~6質量%の範囲、好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲である;
および/または
- ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、スルホラン、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して1質量%~50質量%の範囲、好ましくは3質量%~45質量%の範囲、より好ましくは5質量%~40質量%の範囲である;
および/または
- 極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、またはすべて(好ましくは、1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)のすべては、上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物)であり、1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して10質量%~50質量%の範囲、好ましくは15質量%~45質量%の範囲、より好ましくは>30質量%~45質量%の範囲である;
および/または
- 1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)、好ましくは式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルの総量は、洗浄組成物の総質量に対して5質量%~50質量%の範囲、好ましくは10質量%~40質量%の範囲、より好ましくは15質量%~35質量%の範囲である;
および/または
- 洗浄組成物は、少なくとも成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、および(F)を含み、好ましくは、洗浄組成物は、少なくとも成分(A)、(B)、(C)、(D)、および(F)を含み、より好ましくは、洗浄組成物は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、および(H)を含む;
および/または
- 水(D)は、洗浄組成物の残りを埋めて100質量%となる。
【0084】
第1の好ましい代替では、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)は好ましく、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、スルホラン、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して5質量%~15質量%の範囲である。
【0085】
第2の好ましい代替では、本明細書で定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)は好ましく、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、スルホラン、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して30質量%~40質量%の範囲である。
【0086】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)については、酸化剤は、本発明によるウェットエッチング組成物について(またはその変形例もしくは好ましい変形例について)、下記に説明、定義するように洗浄組成物に対する量で好ましくは適用される。
【0087】
本発明の1つの好ましい特定の変形例は、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または、好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)に関し、洗浄組成物は、以下の成分を含むまたはからなる:
(A)洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~12質量%の範囲、より好ましくは3質量%~10質量%の範囲の、溶解剤としての4-メチルモルホリン-4-オキシド;
(B)洗浄組成物の総質量に対して総量で0.2質量%~6質量%の範囲、好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲の、非置換、または炭素数が1個、2個、3個、または4個の非分岐アルキルによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の腐食防止剤;
(C)洗浄組成物の総質量に対して総量で3質量%~45質量%の範囲、好ましくは5質量%~15質量%の範囲の、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒;
(D)洗浄組成物の残りを埋めて100質量%となる水、
(E)洗浄組成物の総質量に対して総量で10質量%~40質量%の範囲、好ましくは15質量%~35質量%の範囲の、式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテル
【化4】
[式中、
は、炭素数が2~4個の非分岐アルキレン基である、
は、炭素数が1~6個の分岐または非分岐アルキル基である
および
nは、2~6の範囲の整数である]、
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲、好ましくは7~8.5の範囲に緩衝するのに適切である緩衝系、
および
(G)洗浄組成物の総質量に対して総量で0.1質量%~2質量%の範囲、好ましくは0.15質量%~1.5質量%の範囲の、1,2-シクロヘキシレンジニトリロテトラ酢酸;N,N,N,N-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のキレート剤。
【0088】
本発明の別の好ましい特定の変形例は、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)に関し、洗浄組成物は、以下の成分を含むまたはからなる:
(A)洗浄組成物の総質量に対して総量で1質量%~15質量%の範囲、より好ましくは8質量%~15質量%の範囲の、溶解剤としての4-メチルモルホリン-4-オキシド;
(B)洗浄組成物の総質量に対して総量で0.2質量%~6質量%の範囲、好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲の、非置換、または炭素数が1個、2個、3個、または4個の非分岐アルキルによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の腐食防止剤;
(C)洗浄組成物の総質量に対して総量で10質量%~50質量%の範囲、好ましくは15質量%~45質量%の範囲、より好ましくは>30質量%~45質量%の範囲の、1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒であり、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種以上のすべては、式IV(上記に定義するように)のアルキルスルホン化合物である、
好ましくは、式IVのアルキルスルホン化合物は、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソプロピルイソブチルスルホン、スルホラン、3-メトキシスルホラン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、式IVのアルキルスルホン化合物は、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、式IVの複数のアルキルスルホン化合物(アルキルスルホン化合物)はスルホランである;
(D)好ましくは洗浄組成物の残りを埋めて100質量%となる水、
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲、好ましくは7~8.5の範囲に緩衝するのに適切な緩衝系、
(G)洗浄組成物の総質量に対して総量で0.1質量%~2質量%の範囲、好ましくは0.15質量%~1.5質量%の範囲の、1,2-シクロヘキシレンジニトリロテトラ酢酸;上記に定義するように(または好ましいとして上記に定義するように)式IIIのアンモニウム化合物、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上のキレート剤
および
(H)(存在するなら)洗浄組成物の総質量に対して総量で0.01質量%~2質量%、好ましくは、0.02質量%~1質量%の範囲の、1種以上のフルオロ界面活性剤を好ましくは含む、好ましくは1種以上の界面活性剤。
【0089】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)もさらに好ましく、使用は、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去することを含み、
- 半導体基板は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、
および/または、
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板を洗浄することを含む:
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去することを含む、
ポストエッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、以下を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む
- フッ素を含むまたは含まない1種以上の有機化合物、好ましくは有機高分子、
- 金属有機錯体、および
- 金属材料、好ましくはチタンおよび/またはチタンの酸化物および/またはチタンの窒化物;
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板の表面から残渣および汚染物質を除去することを含む、
- 好ましくは、残渣および汚染物質は、フッ素を含むまたは含まない有機化合物、好ましくは有機高分子を含むまたはからなる。
【0090】
本文において使用するように用語「下位にあるタングステン」は、上記に定義するように、タングステン(タングステン金属またはタングステン材料として)が、低k値の材料の少なくとも1つの層、好ましくはさらに、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる少なくとも1つのエッチング停止層(存在すれば、通常、低k値の材料の少なくとも1つの層とタングステンとの間に位置し、低k値の材料の少なくとも1つの層の全面をタングステンの表面から分離する)の下に存在する(完全に被覆されている)ことを意味する。したがって、好ましくは、下位にあるタングステンは、洗浄組成物(1種以上の酸化剤と組み合わせて)またはウェットエッチング組成物が、低k値の材料の少なくとも1つの層、さらに(適用可能なら)1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる少なくとも1つのエッチング停止層を浸透または拡散する場合に、半導体デバイス(好ましくは本文に定義するように)の製造のためのプロセスの間に、洗浄組成物に(1種以上の酸化剤と組み合わせて)またはウェットエッチング組成物(いずれも本文に定義するように)に直接暴露されないが、洗浄組成物(1種以上の酸化剤と組み合わせて)および/またはウェットエッチング組成物に接触することができる。
【0091】
本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)も好ましく、使用は、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、好ましくはハードバスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、好ましくはハードマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングすることを含み、層またはマスク、好ましくはハードマスクを(酸化)エッチングするまたは部分的に(酸化)エッチングすることは以下を含む
- 好ましくは銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から好ましくは選択される、および/または炭化タングステン(WC)ハードマスクならびに窒化タングステン(WN)ハードマスクからなる群から選択される金属を含むハードマスク;より好ましくはTiNハードマスクを除去、または部分的に除去すること、
および/または
- 半導体基板の表面上に銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、エッチングする、好ましくは酸化エッチングするまたは部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングすること;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステンを含む層;および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層をエッチングする、好ましくは選択的にエッチングすること;
および/または
- 半導体基板から、低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステンを含む層、より好ましくは下位にあるタングステン、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去すること、
および/または
- 半導体基板の表面から、低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステンを含む層、より好ましくは下位にあるタングステン、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層を除去、好ましくは選択的に除去すること。
【0092】
本発明の特に好ましい変形例では、本明細書に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記または下記のように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用)は好ましく、
- 洗浄組成物は、以下を除去するワンステッププロセスで1種以上の酸化剤と組み合わせて使用される
(i)Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から好ましくは選択される、および/または炭化タングステン(WC)ハードマスクならびに窒化タングステン(WN)ハードマスク、より好ましくはTiNハードマスクからなる群から選択される金属を含むハードマスク、
および
(ii)好ましくは、低k値の材料の少なくとも1つの層によって、(および好ましくはさらにタングステンと低k値の材料の少なくとも1つの層との間に位置する1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる少なくとも1つのエッチング停止層によって)完全に被覆されるタングステンが存在する状態で、銅を含む層、好ましくは銅層上に、および/またはコバルトを含む層、好ましくはコバルト層上に堆積されたアルミニウム化合物のエッチング停止層;
および/または
- 洗浄組成物は、別の工程または同じ工程で同時に、好ましくは同じ工程で同時に1種以上の酸化剤と組み合わせて使用される;
および/または
- 1種以上の酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびこれらの混合物からなる群から選択される;好ましくは1種以上の酸化剤の1つは過酸化水素である;
および/または
- 1種以上の酸化剤、好ましくは過酸化水素は、洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~25質量%の範囲、好ましくは5質量%~20質量%の範囲、より好ましくは7.5質量%~20質量%の範囲、さらにより好ましくは10質量%~17.5質量%の範囲で使用される;
および/または
- 1種以上の安定剤は、1種以上の酸化剤と組み合わせて、および/または、好ましくはアミン-N-オキシド;クエン酸;1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸;グリコール酸;乳酸;ヒドロキシ酪酸;グリセリン酸;リンゴ酸;酒石酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;マレイン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される洗浄組成物と組み合わせて使用される。
【0093】
本発明は、また、特に上記に定義するように本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(その変形例および好ましい変形のすべてを含む)の文脈で上記に定義するように洗浄組成物(または好ましいとして上記に定義するように洗浄組成物)に関連する。
【0094】
一般に、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用の文脈において本明細書で検討する本発明のすべての態様は、本明細書で上記および下記に定義するように本発明による洗浄組成物に準用する。同様に、本明細書で検討する本発明による洗浄組成物のすべての態様は、本発明の1種以上の酸化剤(上記に定義するように)と組み合わせた洗浄組成物の使用に準用する。
【0095】
本明細書に定義するように本発明による洗浄組成物(または好ましいとして上記または下記のように本発明による洗浄組成物)は好ましく
- フッ化物アニオンを含むエッチング液の総量は、洗浄組成物の総質量に対して<0.001質量%であり、好ましくは、洗浄組成物は、フッ化物アニオンを含むエッチング液を含まない;
および/または
- 洗浄組成物は、
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲に緩衝するのに適切な緩衝系を含む、
および/または
- 洗浄組成物は、成分(E)として式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルを含み、式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルにおいて、
- Rは、炭素数3~4個の分岐または非分岐アルキレン基である;
および/または
- Rは、炭素数が1個、2個、3個、5個、または6個の分岐または非分岐アルキル基である;
および/または
- nは、2~4の範囲の整数である;
および/または
- 特定の化合物ブチルジグリコールは含まれない。
【0096】
本発明は、また、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するための、上記に定義するように洗浄組成物の使用(または好ましいとして上記に定義するように洗浄組成物の使用)に関連する。
【0097】
一般に、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用および/または本発明の洗浄組成物の文脈で本明細書で検討する本発明のすべての態様は、本明細書に上記および下記に定義するように本発明による半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用に準用する。同様に、本明細書に検討するように本発明による半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用のすべての態様は、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用および/または本発明の洗浄組成物(両方は上記に定義するように)に準用する。
【0098】
上記に定義するように本発明による洗浄組成物、特に、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、または(本発明のこの態様の特に好ましい変形例において)すべては、式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして本明細書に記載する式IVのアルキルスルホン化合物)である洗浄組成物は、特に以下に適切であることが自験で分かった
(a)半導体基板の表面上に存在し得る、または定着し得るナノメータ規模の粒子(例えば、環境からの)の数を低減する(または、例えば、半導体基板の表面上の環境からそのようなナノメータ規模の粒子の導入または吸着を回避する):そのようなナノメータ規模の粒子(例えば、SiO、SiC、SiOC、またはTiイオンの粒子)が、サブマイクロメータ規模またはマイクロメータ規模に徐々に凝集する傾向にあり、半導体基板の表面に導入、または吸着された(および本発明による洗浄組成物の適用によって除去されていない)場合、半導体基板から製造される半導体製品の欠陥を引き起こす可能性がある;
および/または
(b)粒子、特にポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣の粒子を半導体基板の表面から除去する。
【0099】
これらの上記2つの効果は、1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)としての式IVの1つ以上のアルキルスルホン化合物のみを含む本発明による洗浄組成物(しかし、アルキルグリコールエーテル(E)を含まない、例えば、洗浄組成物CCI1またはCCI14)について、(i)1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)を含むが極性の非プロトン性有機溶媒(C)を含まない同様の洗浄組成物(例えば、ブチルジグリコールを含む、例えば、洗浄組成物CCI13参照)、または(ii)1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)および1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)を含むが、式IVのアルキルスルホン化合物(例えば、ブチルジグリコールおよびジメチルスルホキシドを含む、例えば、洗浄組成物CCI12参照)でない同様の洗浄組成物についてよりもより顕著であることも分かった。
【0100】
上記に定義するように本発明による洗浄組成物、特に、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、または(本発明のこの態様の特に好ましい変形例において)すべてが、式IVのアルキルスルホン化合物(複数アルキルスルホン化合物)(または好ましいとして本明細書に記載する式IVのアルキルスルホン化合物)である洗浄組成物は、曇りについて特に低い傾向を有することがさらに自験で分かった。
【0101】
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するために、上記に定義するように洗浄組成物(または好ましいとして上記に定義するように洗浄組成物の)の使用が好ましい
- 半導体基板は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板を洗浄することを含む;
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去することを含む、
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、以下を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む
- フッ素を含むまたは含まない1種以上の有機化合物、好ましくは有機高分子、
- 金属有機錯体、および
- 金属材料、好ましくはチタンおよび/またはチタンの酸化物および/またはチタンの窒化物;
および/または
- 使用は、残渣および汚染物質を銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板の表面から除去することを含む、
好ましくは、残渣および汚染物質は、フッ素を含むまたは含まない有機化合物、好ましくは有機高分子を含むまたはからなる。
【0102】
本発明は、また、以下を含むウェットエッチング組成物に関連する
(W1)上記に定義するように、本発明による1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用(その変形例および好ましい変形例のすべてを含む)の文脈において特に上記に定義するように本発明による洗浄組成物(または好ましいとして上記に定義するように本発明による洗浄組成物)
および
(W2)洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~25質量%の範囲、好ましくは5質量%~20質量%の範囲、より好ましくは7.5質量%~20質量%の範囲、さらに好ましくは10質量%~17.5質量%の範囲の、好ましくは過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、およびオゾンからなる群から選択される1種以上の酸化剤。
【0103】
一般に、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物使用、本発明の洗浄組成物、および/または本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用の文脈で本明細書で検討する本発明のすべての態様は、本明細書で上記および下記に定義するように本発明によるウェットエッチング組成物に準用する。同様に、本明細書で検討するように本発明によるウェットエッチング組成物のすべての態様は、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、および/または本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用に準用する。
【0104】
本明細書に定義するように本発明によるウェットエッチング組成物(または好ましいとして上記または下記のように本発明によるウェットエッチング組成物)のpHは、6~9の範囲、好ましくは6.5~8.0の範囲であることが好ましい。
【0105】
本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用の文脈において上記したものに類似して、上記に定義するように本発明によるウェットエッチング組成物(特に、好ましいとして本明細書に記載した本発明によるウェットエッチング組成物)、特に、極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種、または少なくとも1種、または(本発明のこの態様の特に好ましい変形例において)すべてが、式IVのアルキルスルホン化合物(複数のアルキルスルホン化合物)(または好ましいとして本明細書に記載する式IVのアルキルスルホン化合物)であるウェットエッチング組成物は、次の有益な効果を示すことが自験で分かった:
- 半導体基板の表面上に、特に、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むまたはからなる、特にTiNを含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングする、特に、酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、特に、部分的に酸化エッチングすることについて高い選択性;
および
- 長期間にわたる高いエッチング速度安定性。高いエッチング速度安定性は、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される;特に、TiN(上記に規定された)を含むまたはからなる材料を含むまたはからなる層もしくはマスクについて行われる長期にわたる高い(選択的)エッチング速度をもたらす。例えば、ウェットエッチング組成物は、24時間以上の長期間、TiNを含むまたはからなる層もしくはマスクについて行われる高い選択性エッチング速度を保護し得る(実施例の項も参照)。
【0106】
さらに、本発明は、また、以下のための、上記に定義するようにウェットエッチング組成物の使用に(または好ましいとして上記に定義するようにウェットエッチング組成物の使用に)関連する
- 好ましくは銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、好ましくは、Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から選択される、および/または、炭化タングステン(WC)ハードマスクならびに窒化タングステン(WN)ハードマスクからなる群から選択される金属を含むハードマスク;より好ましくはTiNハードマスクを除去、または部分的に除去する
および/または
- 好ましくは、半導体基板の表面上に、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン;および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される;好ましくはTiNを含むまたはからなる材料を含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層、および/または好ましくはタングステンを含む層、より好ましくは下位にあるタングステンを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層をエッチングする、好ましくは選択的にエッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層、および/または好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステンを含む層が存在する状態で、半導体基板からアルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去する;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層、および/または好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステンを含む層が存在する状態で、半導体基板の表面からアルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去する;
および/または
- 好ましくは、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去する、
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、好ましくは、以下を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む:
- フッ素を含むまたは含まない1種以上の有機化合物、好ましくは有機高分子、
- 金属有機錯体、および
- 金属材料、好ましくはチタンおよび/またはチタンの酸化物および/またはチタンの窒化物。
【0107】
一般に、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用、および/または本発明のウェットエッチング組成物の文脈で本明細書で検討する本発明のすべての態様は、本明細書で上記および下記に定義するように本発明によるウェットエッチング組成物の使用に準用する。同様に、本明細書で検討するように本発明によるウェットエッチング組成物のすべての態様は、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用、および/または本発明のウェットエッチング組成物に準用する。
【0108】
さらなる態様では、本発明は、また、以下の工程を含む半導体基板からの半導体デバイスの製造のプロセスに関連する
P1)1種以上の酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、上記に定義するように本発明による洗浄組成物(または好ましいとして上記に定義するように本発明による洗浄組成物)を混合することによって、ウェットエッチング組成物を製造する、
または
上記に定義するように本発明によるウェットエッチング組成物(または好ましいとして上記に定義するように本発明によるウェットエッチング組成物)をもたらす、
および
P2)好ましくは、銅、コバルト、好ましくはタングステン、より好ましくは下位にあるタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、工程P1)において受け取ったまたはもたらされたウェットエッチング組成物と以下を少なくとも1回接触する、
- 半導体基板の表面上の、Ti層またはマスク、TiN層またはマスク、Ta層またはマスク、TaN層またはマスク、Al層またはマスク、およびHfO層またはマスクからなる群から好ましくは選択される、および/または窒化タングステン(WN)層もしくはマスクならびに炭化タングステン(WC)層もしくはマスクからなる群から選択される層またはマスク;より好ましくはTiN層またはマスク、
および/または
- 半導体基板の表面上の、銅を含む層、好ましくは銅層上、および/または、コバルトを含む層、好ましくはコバルト層上に堆積された1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層、
好ましくは以下のように、
- 層またはマスクをエッチングする、好ましくは選択的に酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは選択的に部分的に酸化エッチングする
および/または
- 半導体基板の表面からアルミニウム化合物を含むエッチング停止層を除去する、好ましくは選択的に除去する、
および/または
- 好ましくはワンステッププロセスで、半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去する。
【0109】
一般に、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用、本発明のウェットエッチング組成物、および/または本発明のウェットエッチング組成物の使用の文脈で本明細書で検討する本発明のすべての態様は、本明細書で上記および下記に定義する本発明による半導体デバイスの製造のプロセスに準用する。同様に、本明細書で検討するように本発明による半導体デバイスの製造のプロセスのすべての態様は、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用、本発明の本発明のウェットエッチング組成物、および/またはウェットエッチング組成物の使用に準用する。
【0110】
さらなる態様では、本発明は、また、半導体基板の表面上で、好ましくは半導体基板の表面からのポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣の除去のための、および/またはTi、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、および/または炭化タングステン(WC)ならびに窒化タングステン(WN)からなる群から選択される材料を含むもしくはからなる、好ましくはTiNを含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは、部分的に酸化エッチングする、および/または半導体基板の表面上に低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステンを含む層、より好ましくは下位にあるタングステン、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層をエッチングする、好ましくは、選択的にエッチングするためのキットに関連し、
個別の成分として:
(K1)上記に定義するように本発明による洗浄組成物(または好ましいとして上記に定義するように本発明による洗浄組成物)
および
(K2)過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の酸化剤;より好ましくは1種以上の酸化剤の内の1つは過酸化水素である;
および個別の成分として、さらに、成分(K1)および/または成分(K2)を任意に含む、または組み合わせる:
(K3)好ましくはアミン-N-オキシド;クエン酸;1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸;グリコール酸;乳酸;ヒドロキシ酪酸;グリセリン酸;リンゴ酸;酒石酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;マレイン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の安定剤を備える。
【0111】
一般に、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用、本発明のウェットエッチング組成物、本発明のウェットエッチング組成物の使用、および/または半導体デバイスの製造の本発明のプロセスの文脈で本明細書で検討する本発明のすべての態様は、本明細書で上記および下記に定義する本発明によるキットに準用する。同様に、本明細書で検討するように本発明によるキットのすべての態様は、本発明の1種以上の酸化剤と組み合わせた洗浄組成物の使用、本発明の洗浄組成物、本発明のポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための洗浄組成物の使用、本発明の本発明のウェットエッチング組成物、ウェットエッチング組成物の使用、および/または半導体デバイスの製造の本発明のプロセスに準用する。
【0112】
本発明による洗浄組成物(本明細書で定義するようにその変形例および好ましい変形例のすべてを含む)、本発明によるウェットエッチング組成物(本明細書で定義するようにその変形例および好ましい変形例のすべてを含む)、および/または本発明によるキット(本明細書で定義するようにその変形例および好ましい変形例のすべてを含む)は、半導体デバイスの製造のプロセス(本明細書で定義するようにこのプロセスの変形例および好ましい変形例のすべてを含む)での使用または適用のために設計および意図される。
【0113】
本発明をまとめ、またはその変形例もまとめて、以下の態様A1~A15で定義する:
【0114】
A1.少なくとも下記成分を含む洗浄組成物の使用:
(A)溶解剤としての式Iの1種以上の化合物:
【0115】
【化5】
[式中、Rは、炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐または非分岐アルキルからなる群から選択される;
(B)非置換、または炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐もしくは非分岐アルキル、アルキルが分岐または非分岐であり、炭素数が1個、2個、3個、または4個であるアミノアルキル、フェニル、チオフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、および/またはチオールによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の腐食防止剤;
(C)1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒;
および
(D)1つ以上の酸化剤と組み合わせた水であって、
- ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を半導体基板の表面から除去するための
および/または
- Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングするまたは部分的にエッチングするための、洗浄組成物を使用するための、水。
【0116】
A2.洗浄組成物は、さらなる成分として以下:
(E)1種以上のアルキルグリコールエーテルを含む、態様A1に記載の使用:
【0117】
A3.- 成分(E)は、Hansen極性溶解性パラメータδが≦8(MPa)1/2であるアルキルグリコールエーテルからなる群から選択される
および/または
- 洗浄組成物は、成分(E)として式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルを含む、態様A2に記載の使用:
【化6】
[式中、
は、炭素数が1~6個、好ましくは炭素数が2~4個の分岐または非分岐アルキレン基である、
は、炭素数が1~8個、好ましくは炭素数が1~6個の分岐または非分岐アルキル基である
および
nは、1~6の範囲、好ましくは2~6の範囲の整数である]。
【0118】
A4.洗浄組成物は、さらに以下:
(F)洗浄組成物のpHを6~9の範囲、好ましくは7~8.5の範囲に緩衝するのに適切な緩衝系;
および/または
(G)洗浄組成物の総質量に対して総量で好ましくは0.01質量%~3質量%の範囲、より好ましくは0.1質量%~2質量%の範囲、さらにより好ましくは0.15質量%~1.5質量%の範囲の1種以上のキレート剤;
および/または
(H)好ましくは1種以上のフルオロ界面活性剤を含む1種以上の界面活性剤を含む、A1~A3の態様のうちいずれか一つに記載の使用。
【0119】
A5.洗浄組成物において、
- 溶解剤(A)の1種または少なくとも1種は、4-メチルモルホリン-4-オキシドであるか、またはそれを含む、
および/または
- 腐食防止剤(B)の1種または少なくとも1種は、非置換、または炭素数が1個、2個、3個、または4個の分岐または非分岐アルキル、および/または好ましくは塩素もしくは臭素からなる群から選択されるハロゲンよって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から選択される;
および/または
- 極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種または少なくとも1種は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、スルホラン、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
好ましくは極性の非プロトン性有機溶媒(C)の1種または少なくとも1種は、ジメチルスルホキシドである、
および/または
- フッ化物アニオンを含むエッチング液の総量は、洗浄組成物の総質量に対して<0.001質量%であり、好ましくは、洗浄組成物は、フッ化物アニオンを含むエッチング液を含まない;
および/または
- 式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルにおいて、
- Rは、炭素数が3~4個の分岐または非分岐アルキレン基である;
および/または
- Rは、炭素数が1個、2個、3個、5個、または6個の分岐または非分岐アルキル基である;
および/または
- nは、2~4の範囲の整数である;
および/または
- 特定の化合物ブチルジグリコールは含まれない、A1~A4の態様のうちいずれか一つに記載の使用。
【0120】
A6.洗浄組成物において
- 1種以上の溶解剤(A)、好ましくは4-メチルモルホリン-4-オキシドの総量は、洗浄組成物の総質量に対して1質量%~15質量%の範囲、好ましくは2質量%~12質量%の範囲、より好ましくは3質量%~10質量%の範囲である、
および/または
- 非置換、または炭素数が1個、2個、3個、もしくは4個の分岐または非分岐アルキル、および/またはハロゲンによって独立して1回もしくは2回置換されているベンゾトリアゾール、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の腐食防止剤(B)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して0.1質量%~6質量%の範囲、好ましくは0.2質量%~6質量%の範囲、より好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲である;
および/または
- ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、スルホラン、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の極性の非プロトン性有機溶媒(C)の総量は、洗浄組成物の総質量に対して1質量%~50質量%の範囲、好ましくは3質量%~45質量%の範囲、より好ましくは5質量%~40質量%の範囲である;
および/または
- 1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)、好ましくは式IIの1種以上のアルキルグリコールエーテルの総量は、洗浄組成物の総質量に対して5質量%~50質量%の範囲、好ましくは10質量%~40質量%の範囲、より好ましくは15質量%~35質量%の範囲である;
および/または
- 洗浄組成物は、少なくとも成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、および(F)を含む;
および/または
- 水(D)は、洗浄組成物の残りを埋めて100質量%となる、A1~A5の態様のうちいずれか一つに記載の使用。
【0121】
A7.使用は、半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去することを含み、
- 半導体基板は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板を洗浄することを含む;
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去することを含む、
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、以下を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む
- フッ素を含むまたは含まない1種以上の有機化合物、好ましくは有機高分子、
- 金属有機錯体、および
- 金属材料、好ましくはチタンおよび/またはチタンの酸化物および/またはチタンの窒化物;
および/または
- 使用は、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む半導体基板の表面から残渣および汚染物質を除去することを含む、
- 好ましくは、残渣および汚染物質は、フッ素を含むまたは含まない有機化合物、好ましくは有機高分子を含むまたはからなる、A1~A6の態様のうちいずれか一つに記載の使用。
【0122】
A8.使用は、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる層もしくはマスク、好ましくはハードマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングするまたは部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングすることを含み、層もしくはマスク、好ましくはハードマスクをエッチングするまたは部分的にエッチングすることは、以下を含む
- 好ましくは、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から好ましくは選択される金属を含むハードマスク、より好ましくはTiNハードマスクを除去する、好ましくは部分的に除去すること、
および/または
- 半導体基板の表面上で、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、エッチングする、好ましくは酸化エッチングするまたは部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステンを含む層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層をエッチングする、好ましくは選択的にエッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステンを含む層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、半導体基板からアルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去する、
および/または
- 低k値の材料の層、および/または好ましくはタングステンを含む層、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、半導体基板の表面からアルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去する、A1~A7の態様のうちいずれか一つに記載の使用。
【0123】
A9.- 洗浄組成物は、以下を除去するワンステッププロセスで1種以上の酸化剤と組み合わせて使用される
(i)Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOハードマスクからなる群から好ましくは選択される金属を含むハードマスク、より好ましくはTiNハードマスク
および
(ii)好ましくは低k値の材料の少なくとも1つの層によって完全に被覆されるタングステンが存在する状態で、銅を含む層、好ましくは銅層上に、および/またはコバルトを含む層、好ましくはコバルト層上に堆積されたアルミニウム化合物のエッチング停止層;
および/または
- 洗浄組成物は、別の工程または同じ工程で同時に、好ましくは同じ工程で同時に1種以上の酸化剤と組み合わせて使用される;
および/または
- 1種以上の酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾンおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは1種以上の酸化剤の内の1つは過酸化水素である;
および/または
- 1種以上の酸化剤、好ましくは過酸化水素は、洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~25質量%の範囲、好ましくは5質量%~20質量%の範囲、より好ましくは7.5質量%~20質量%の範囲、さらにより好ましくは10質量%~17.5質量%の範囲で使用される;
および/または
- 1種以上の安定剤は、1種以上の酸化剤と組み合わせて、および/または洗浄組成物と組み合わせて使用され、好ましくはアミン-N-オキシド;クエン酸;1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸;グリコール酸;乳酸;ヒドロキシ酪酸;グリセリン酸;リンゴ酸;酒石酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;マレイン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、A1~A8の態様のうちいずれか一つに記載の使用。
【0124】
A10.態様1~6のうちいずれか一つに定義する洗浄組成物。
【0125】
A11.好ましくは態様1および/または7に定義するように、半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去するための態様10に記載の洗浄組成物の使用。
【0126】
A12.(W1)態様1~6のうちいずれか一つに定義する、好ましくは態様2~6のうちいずれか一つに定義する洗浄組成物
および
(W2)好ましくは、洗浄組成物の総質量に対して総量で2質量%~25質量%の範囲、好ましくは5質量%~20質量%の範囲、より好ましくは7.5質量%~20質量%の範囲、さらにより好ましくは10質量%~17.5質量%の範囲の、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、およびオゾンからなる群から好ましくは選択される1種以上の酸化剤を含む、ウェットエッチング組成物。
【0127】
A13.以下のための態様12に記載のウェットエッチング組成物を使用する方法
- 好ましくは、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Tiハードマスク、TiNハードマスク、Taハードマスク、TaNハードマスク、Alハードマスク、およびHfOのハードマスクからなる群から好ましくは選択される金属を含むハードマスク、より好ましくはTiNのハードマスクを除去する、好ましくは部分的に除去する、
および/または
- 好ましくは、半導体基板の表面上で、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、Ti、TiN、Ta、TaN、Al、およびHfOからなる群から選択される材料を含むまたはからなる、好ましくは、TiNを含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層、および/または好ましくはタングステンを含む層が存在する状態で、アルミニウム化合物を含む層をエッチングする、好ましくは選択的にエッチングする;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層、および/または好ましくはタングステンを含む層が存在する状態で、半導体基板からアルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去する;
および/または
- 低k値の材料の層、および/または銅および/またはコバルトを含む層、および/または好ましくはタングステンを含む層が存在する状態で、半導体基板の表面からアルミニウム化合物を含む層を除去する、好ましくは選択的に除去する;
および/または
- 好ましくは、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去する、
ポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣は、好ましくは、以下を含むまたはからなる群から選択される1つ以上の残渣を含む:
- フッ素を含むまたは含まない1種以上の有機化合物、好ましくは有機高分子、
- 金属有機錯体、および
- 金属材料、好ましくはチタンおよび/またはチタンの酸化物および/またはチタンの窒化物。
【0128】
A14.下記工程を含む、半導体基板からの半導体デバイスを製造する方法であって、
P1)態様1~6のうちのいずれか1つに記載の、好ましくは態様2~6のうちのいずれか1つに記載の洗浄組成物を、過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾンおよびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の酸化剤と混合することによってウェットエッチング組成物を製造する、
または
態様12に記載のウェットエッチング組成物をもたらす、
および
P2)好ましくは、銅、コバルト、好ましくはタングステン、および低k値の材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料が存在する状態で、工程P1)で受け取られた、またはもたらされたウェットエッチング組成物と以下を少なくとも1回接触させる、
- 半導体基板の表面上で、Ti層またはマスク、TiN層またはマスク、Ta層またはマスク、TaN層またはマスク、Al層またはマスク、およびHfO層またはマスクからなる群から好ましくは選択される層もしくはハードマスク、より好ましくはTiN層またはマスク、
および/または
- 半導体基板の表面上に、銅を含む層、好ましくは銅層上、および/またはコバルトを含む層、好ましくはコバルト層上に堆積された1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層、
好ましくは以下のように、
- 層またはマスクをエッチングする、好ましくは選択的に酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは選択的に部分的に酸化エッチングする
および/または
- 半導体基板の表面から1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層を除去する、好ましくは選択的に除去する、
および/または
- 好ましくはワンステッププロセスで、半導体基板の表面からポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣を除去する、方法。
【0129】
A15.半導体基板の表面上で、好ましくは半導体基板の表面からのポスト-エッチングまたはポスト-アッシングの残渣の除去のための、および/またはTiNを含むまたはからなる層もしくはマスクをエッチングする、好ましくは酸化エッチングする、または部分的にエッチングする、好ましくは部分的に酸化エッチングする、および/または半導体基板の表面上で、低k値の材料の層および/または好ましくはタングステンを含む層、より好ましくは下位にあるタングステン、および/または銅および/またはコバルトを含む層が存在する状態で、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層をエッチングする、好ましくは選択的にエッチングするためのキットであって、
個別の成分として:
(K1)態様1~6のいずれか一つに記載の洗浄組成物;
および
(K2)過酸化水素、過酸化尿素、ペルオキソ二硫酸、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ピロ硫酸、オゾン、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1種以上の酸化剤;より好ましくは1種以上の酸化剤の内の1つは過酸化水素である;
および個別の成分として、さらに、成分(K1)および/または成分(K2)を任意に含む、または組み合わせる:
(K3)好ましくはアミン-N-オキシド;クエン酸;1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸;グリコール酸;乳酸;ヒドロキシ酪酸;グリセリン酸;リンゴ酸;酒石酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;マレイン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の安定剤を備えるキット。
【実施例
【0130】
次の実施例は、本発明についてその範囲を限定することなくさらに説明し例示することを意味する。
【0131】
次の略語を、実施例の項において使用する:
*:緩衝系(F)の弱酸成分としても作用する
5-Me-BTA:5-メチル-ベンゾトリアゾール(上記に定義するように)
b:残り(100質量%まで)
BTA:ベンゾトリアゾール(非置換)
BDG:ブチルジグリコール
BTG:ブチルトリグリコール
CDTA:1,2-シクロヘキシルエンジニトリロテトラ酢酸
DGMHE:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
DGMME:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
DIA:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
DiAHP:リン酸水素二アンモニウム
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDTMP:N,N,N,N-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)
EGMBE:エチレングリコールモノブチルエーテル
EIS:エチルイソプロピルスルホン
NMMO:4-メチルモルホリン-4-オキシド
ST:表面張力(mN/m)
TEAH:テトラエチルアンモニウム水酸化物
TMAH:テトラメチルアンモニウム水酸化物
n.a.:利用可能なデータなし
【0132】
[実施例1]
本発明による洗浄組成物の製造
本発明による次の洗浄組成物(CCI1~CCI7およびCCI8~CCI5)は、各場合に成分(A)~(H)を混合する(適宜に)ことによって製造した。詳細は、表1aおよび1bにおいて以下に示す。成分(A)~(H)の表示は、上記に定義するように成分の表示に相当する。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
[実施例2]
本発明によるウェットエッチング組成物の製造
本発明による次のウェットエッチング組成物(WEI1~WEI7、WEI8~WEI11、およびWEI15)は、以下の表2aおよび2bに示すように、十分な量の過酸化水素(H、水中で31%)が最終濃度または質量比を受け取る各場合に、本発明CCI1~CCI7、またはCCI8~CCI11、またはCCI15のそれぞれの洗浄組成物(実施例1を参照)を混合することによって製造し、各場合での「質量%H」は、あるウェットエッチング組成物を製造するために利用されるそれぞれの洗浄組成物(CCI1~CCI7、CCI8~CCI11、およびCCI15)の総質量に対して示し、各場合での「質量%H」は、それぞれのウェットエッチング組成物の中に存在する純粋な(不希釈)過酸化水素の量または濃度を表す。
【0136】
【表3】
【0137】
【表4】
【0138】
[実施例3]
TiNについてのエッチング損失の測定
実施例2の本発明のウェットエッチング組成物によって引き起こされるTiNの層についてのエッチング損失を、国際公開第2015/173730(A1)号パンフレットに記載された方法に従って、または同様にして決定した。ウェットエッチング組成物を、エッチング速度の実験を行う直前に、それぞれの洗浄組成物を特定量の過酸化水素と混合することによって製造した。
【0139】
TiNの層(TiN層の厚さは、物理蒸着TiN「PVD TiN」として、200~300nmの範囲であった)を備えたSi試験ウェーハを、適切な市販の供給源から選択し、より小さな試片に分割した。次いで、層の厚さおよびエッチング速度を、それ自体公知の方法で蛍光X線分析(XRF)によって測定した。XRFは、薄層の非接触および非破壊厚さの測定、およびそれらの化学組成の決定に適している。この種の測定については、エックス線源および検出器を、試料の同じ側に位置する。基板上の層にX線をかける場合、層がある程度十分に薄ければ、放射線は厚さに応じて層を透過し、順に、下にある基板の材料中に特徴的な蛍光放射線を引き起こす。この蛍光放射線は、検出器に向かう途中で、層で吸収減衰されるであろう。層の厚さは、基板材料の蛍光放射線の強度減衰に基づいて決定することができる。
【0140】
適用可能な材料の初期のフィルムまたは層の厚さを決定するために、XRFレシピを、供給者から報告された層の厚さに基づき、初期のウェーハについて作成し、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面で確認した。
【0141】
次いで、ウェットエッチング組成物を、試験温度(この実施例3の実験については59℃)にし、機械的に撹拌した。ウェーハ試片を機械式ホルダーに固着し、ビーカー中で反応時間(この実施例3の実験については1分)の間ウェットエッチング組成物と接触させた。続いて、試片をウェットエッチング組成物から引き出し、超純水で、またはイソプロピルアルコールで、または超純水とイソプロピルアルコールとの混合物で約1分間洗浄した。その後、試片を窒素ガスで乾燥した。エッチング後のTiN層の残留厚さを上記のようにして再び測定し、エッチング損失を、試験組成物との接触前の同じ層の厚さからウェットエッチング組成物との接触後の層の厚さを引くことによって算出した。この試験の結果(TiN層のエッチング損失)を、下記表3に示す。特記しない限り、実施例3~5において測定したエッチング損失についてのすべての値をÅで示した。
【0142】
[実施例4]
酸化アルミニウム(AlO)、コバルト、および銅についてのエッチング損失の測定
適切な種類の外側層(Co層の厚さは25~200nmの範囲であった;AlO層の厚さは約20nmであった;エッチング損失の実験を行うのに適切なすべての外側層は十分に厚く、エッチング処理後の意味のある測定結果を得ることを可能にする)を備えたSiウェーハまたはウェーハ片(下記では「試験ウェーハ」と総称する)を、市販の供給源から得た。試験ウェーハを、適用可能として前処理した:CuおよびCoを各々20~30秒間シュウ酸溶液に浸漬し、次いで水洗し、乾燥した。AlO被覆面を前処理しなかった。
【0143】
酸化アルミニウム(AlO)被覆面を、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層(上記に定義するように)についての代表的モデルとして使用した。
【0144】
ウェットエッチング組成物(上記実施例2および表2を参照)を製造し、試験ウェーハ(上記を参照)を、AlO表面およびCu表面の場合には、ガラスビーカー中で、59℃の温度、10分の反応時間で、コバルト表面の場合には、5分の反応時間、ウェットエッチング組成物と接触させ、次いでウェットエッチング組成物から引き出し、水またはイソプロパノールで洗い流し、窒素ガスで乾燥した。
【0145】
試験ウェーハ上の銅、コバルト、および酸化アルミニウム層の厚さを、蛍光X線分析(上記実施例3において説明するように)によって試験組成物との接触前後に決定した。再現性を確保するために、少なくとも3回実験を行った。
【0146】
銅、コバルト、またはAlO層のそれぞれの厚さの、ウェットエッチング組成物とのその接触前の測定値と、同じ銅、コバルト、またはAlO層のそれぞれの厚さの、ウェットエッチング組成物とのその接触後の測定値との差を、それぞれの層の得られたエッチング損失(上記実施例3において説明するように)として各場合に決定した。この試験の結果(Cu、Co、またはAlO層のそれぞれのエッチング損失)を、下記表3に示す(表3中の各所与の値は、少なくとも3つの実験の平均を表す)。
【0147】
[実施例5]
下位にあるタングステン層についてのエッチング損失の測定
(i)低k値の材料の層(最上層、層の厚さ:75Å)、(ii)1種以上のアルミニウム化合物からなるエッチング停止層(最上層の下の第1の下位にある層としてのAlO層、層の厚さ:50Å)、および(iii)タングステン(「下位にあるW」)層(第1の下位にある層の下の第2の下位にある層としてのタングステン金属を含む層、層の厚さ:1500Å、Si試験ウェーハの表面上に位置する)の連続層を備えたSi試験ウェーハを製造した。そのように製造し、(所与の順序で)(i)低k値の材料層、(ii)エッチング停止層、(iii)タングステン層、および(iv)Si試験ウェーハの表面を含むSi試験ウェーハ積層体を、積層体の最上層(i)に適用されたウェットエッチング組成物が、(本実験でなされるように)(i)最上層および(ii)エッチング停止層(第1の下位にある層)を通る(透過または拡散する)ことによってのみタングステン層(iii)に接触することができるように、すべての側面において密封した。
【0148】
Si試験ウェーハ積層体を、次いで、上記実施例3に記載するようなエッチングプロセスと等価なエッチングプロセスで、上記実施例2に従って製造したウェットエッチング組成物と接触させることによってエッチングした(この実施例5における適用可能な試験温度:59℃、この実施例5における適用可能な反応時間:1分)。エッチング前後のタングステン層の厚さを、次いで上記実施例3において説明するような方法に従って決定し、実施例3において説明するように、タングステン層のそれぞれのエッチング損失を算出した。この試験の結果を、下記表3に示す。
【0149】
【表5】
【0150】
上記表3に示す結果から、少なくともウェットエッチング組成物WEI1、WEI4、およびWEI5は、TiN(TiNを含むまたはからなるハードマスクを選択的にエッチングするための)およびAlO(1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなるエッチング停止層を選択的に除去するための)、Cu(エッチング工程に存在する任意の銅をできるだけ高い程度まで保護するための)、およびCo(エッチング工程に存在する任意の銅をできるだけ高い程度まで保護するための)についてのエッチング速度選択性が優れていたことが分かる。したがって、すべてのウェットエッチング組成物WEI1~WEI7は、上記するようにプロセスのワンステップの3種類からなる除去工程を含めて、半導体基板上の、10nmの構造または10nmより下の構造、例えば、7nmの構造のための製造プロセスにおける適用に適していると結論付けることができる。
【0151】
上記表3に示す結果から、本発明によるウェットエッチング組成物WEI4、WEI5、WEI6、およびWEI7(すべては、実施例5の試験条件下で<10nmの下位にあるW層についての有益なエッチング損失を示す)は、さらに、上記するようにプロセスのワンステップの3種類からなる除去工程を含めて、半導体基板上の、7nmの構造または7nmより下の構造、例えば5nmの構造のための製造プロセスにおける適用に優れて適していることがさらに分かる。
【0152】
[実施例6]
ウェットエッチング組成物の時間の長さの関数としてのTiNについてのエッチング損失の測定
上記実施例3と同様に、上記実施例2(表2bを参照)の本発明のウェットエッチング組成物WEI8~WEI11およびWEI15によって引き起こされるTiNのエッチング損失を、国際公開第2015/173730(A1)号パンフレットに記載された方法に従って、または同様にして決定した。
【0153】
本実施例6において、TiN(TiN層の厚さ:PVD TiNとして約300nm)の層を備えたSi試験ウェーハ(12インチ)を、下記表4に規定するように100mLのウェットエッチング組成物に充填し、さらに下記表4に規定するような時間間隔で各場合に60℃の温度で保持した。各時間間隔後に、試験ウェーハ上のTiN層の残留厚さを、上記実施例3において説明するように決定し、実験の開始時に同じ試験ウェーハのTiN層の厚さと比較した。所定の時間間隔後にこの実験で試験したウェットエッチング組成物の残存活性を、次いで、当分野で通常に行うようにオングストローム/分(Å/分)でのエッチング速度の形態で与える。この実験の結果を、下記表4に示す(表4に示す図は、適用された方法の測定の精度内にある)。
【0154】
【表6】
【0155】
上記表4に示す結果から、本発明によるウェットエッチング組成物は、特に、極性の非プロトン性有機溶媒(C)として式IVのアルキルスルホン化合物(のみ)を含む場合、より特には、極性の非プロトン性有機溶媒(C)としてスルホランまたはエチルイソプロピルスルホンを含む(が、アルキルグリコールエーテル(E)を含まない)場合、長時間にわたってTiN層に安定したエッチング速度をもたらすことが分かる。本実験では、TiN層上で行われた本発明によるそのようなウェットエッチング組成物(例えば、WEI8およびWEI9を参照)のエッチング速度は安定しており、少なくとも24時間減少しなかった(試験方法の測定精度内で)。
【0156】
上記表4に示す結果から、本明細書に定義するように1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)を含む(が、極性の非プロトン性有機溶媒(C)を含まない)ウェットエッチング組成物は、若干短い時間にわたってTiN層に安定したエッチング速度をもたらしたことが分かる。
【0157】
上記表4に示す結果から、本明細書に定義するように1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)および極性の非プロトン性有機溶媒(C)を含むが上記に定義するように式IVのアルキルスルホン化合物を含まないウェットエッチング組成物は、若干短い時間にわたってTiN層に安定したエッチング速度をもたらしたことがさらに分かる。
【0158】
さらに、上記表4に示す結果から、本明細書に定義するように1種以上のアルキルグリコールエーテル(E)および本明細書に定義するように極性の非プロトン性有機溶媒(C)として1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンを含む(が、本明細書において定義するように式IVのアルキルスルホン化合物を含まない、例えば、WEI15を参照)ウェットエッチング組成物のエッチング速度は、極性の非プロトン性有機溶媒(C)として式IVのアルキルスルホン化合物を含むウェットエッチング組成物のレベルとほぼ同等のレベルでTiN層についてのエッチング速度を少なくとも24時間示したことが分かる。
【0159】
[実施例7]
洗浄組成物中のナノメータからマイクロメータの範囲の粒子数の測定
上記実施例1において説明するように洗浄組成物CCI12、CCI13、およびCCI14(各200mL)を製造し、ろ過した。ろ過後、0.15μm、0.2μm、0.3μm、および0.5μmの粒径の液体粒子の量を、液体微粒子カウンタ(Rion KS 40 AまたはRion KS 19F、Rion社、日本)によって決定した。
【0160】
この実験では、洗浄組成物CCI14は、すべての粒径カテゴリーで最低量の粒子を含んでおり(上記を参照)、洗浄組成物CCI13、そして洗浄組成物CCI12が続くことが分かった。この結果から、洗浄組成物CCI14(極性の非プロトン性有機溶媒(C)として式IVのアルキルスルホン化合物(スルホラン)を含む)は、試験した洗浄組成物の粒子凝集に対する最も有益な阻害効果を有していたと結論付けることができる。
【0161】
[実施例8]
半導体基板の表面上のナノメータからマイクロメータの範囲の粒子数の測定
本発明による洗浄組成物を製造し(上記実施例1を参照)、全300mmの非パターンウェーハの表面(SiO表面)に適用した。ウェーハを、次いで洗い流し、乾燥を含め十分に加工した。続いて、加工したウェーハの表面を、それらの表面上の粒子数について、工業用パターンなしウェーハ表面検査システム(KLA Tencor社(米国):それぞれ、Surfscan(商標)SP3、SP5、またはSP7)で検査した。
【0162】
本実験での洗浄組成物CCI1で処理したウェーハは、処理後のその表面上に特に低い粒子数を示したことが分かった。
【0163】
[実施例9]
ウェットエッチング組成物のpH値の関数としての酸化アルミニウム(AlO)層についてのエッチング損失の測定
上記実施例4と同様に、3つの異なる種類のAlO外側層を備えた試験ウェーハを得た。
【0164】
ウェットエッチング組成物(上記実施例2および表2を参照)を製造し、ウェットエッチング組成物のエッチング速度を上記実施例4において説明するように、または60℃の温度で上記実施例4において説明するような方法と同様に決定した。
【0165】
本発明によるウェットエッチング組成物のエッチング速度は、上記実施例3または実施例4において説明するように、またはこれらの方法と同様に、二組の異なるウェーハ表面上で決定した:プラズマエッチングを行っていない3つの異なる種類のAlO外側層を支持する一組のウェーハ表面上(対照)、およびプラズマエッチングを行った3つの異なる種類のAlO外側層を支持する他の一組のウェーハ表面上。この実験の結果を、下記表5に示す。
【0166】
【表7】
【0167】
ウェットエッチング組成物WEI1およびWEI8を上記のように製造した(実施例1および2を参照)。ウェットエッチング組成物WEI16を、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TEAH)の含有量がウェットエッチング組成物WEI16の製造に使用された洗浄組成物においてより低く、洗浄組成物の総質量に対して0.1~0.4質量%の範囲であることを除いて、CCI1と同一である洗浄組成物のWEI1と同様に製造した。ウェットエッチング組成物WEI16のpHは6.5であった。
【0168】
上記表5の結果から、pH値が6~9の範囲、好ましくは、6.5~8.0の範囲の本発明によるウェットエッチング組成物は、アルミニウム化合物を含む異なる種類の層(異なる種類のAlO外側層)についてのエッチング速度を示し、これは、ウェットエッチング組成物を、1種以上のアルミニウム化合物を含むまたはからなる層の非常に制御された特定のエッチングに優れて適するものとすることが分かる。