(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-19
(45)【発行日】2025-02-28
(54)【発明の名称】基板処理装置及び研磨部材のドレッシング制御方法
(51)【国際特許分類】
B24B 53/00 20060101AFI20250220BHJP
B24B 53/017 20120101ALI20250220BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20250220BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20250220BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20250220BHJP
B24B 37/005 20120101ALI20250220BHJP
B24B 37/10 20120101ALI20250220BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
B24B53/00 A
B24B53/017 A
B24B53/12 Z
B24B49/10
B24B49/12
B24B37/005 Z
B24B37/10
H01L21/304 622M
(21)【出願番号】P 2020135750
(22)【出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】廣尾 康正
(72)【発明者】
【氏名】八木 圭太
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-104196(JP,A)
【文献】特開2020-028955(JP,A)
【文献】特開2003-068688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 3/00-3/60,21/00-57/04;
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨部材上で基板を摺接させて当該基板を研磨する基板処理装置であって、
前記研磨部材上で揺動することで当該研磨部材をドレッシングするドレッサであって、径方向に沿って前記研磨部材上に設定された複数のスキャンエリアにおいて揺動速度を調整可能とされるドレッサと、
前記ドレッサの高さを測定する高さセンサと、
前記高さセンサにより測定された前記ドレッサ高さに基づき、前記ドレッサと接触する前記研磨部材の表面高さを前記研磨部材の径方向に
沿って測定することでパッドプロファイルを生成する
パッド高さ検出部と、
前記ドレッサが前記研磨部材に付与するドレッサ荷重を設定するドレッサ荷重設定部と、
前記ドレッサ荷重の基準荷重からの変動量に応じた前記研磨部材の表面高さの補正量を前記径方向に
沿った複数の点にわたって算出し、
前記研磨部材の径方向に沿った複数の点において表面高さの測定値を前記補正量で補正することで、前記パッドプロファイルを補正するパッド高さ補正部と、
補正後の前記パッドプロファイルに基づいてドレッサの各スキャンエリアにおける揺動速度の調整を行う移動速度算出部と、を備え、
前記補正量は前記研磨部材の径方向において同一ではない、基板処理装置。
【請求項2】
前記研磨部材の前記径方向に沿った複数のパッド高さ参照データを、複数の参照ドレッサ荷重に対応して記憶する補正データ記憶部を備え、
前記パッド高さ補正部は、設定された前記ドレッサ荷重に近接する前記参照ドレッサ荷重に対応する前記パッド高さ参照データと、前記基準荷重に近接する前記参照ドレッサ荷重に対応する前記パッド高さ参照データより、前記表面高さの前記補正量を補間して算出することを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記パッド高さ参照データは、前記研磨部材の種類及び/又は前記ドレッサの種類ごとに設けられることを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記パッド高さ補正部は、前記研磨部材の使用時間または前記ドレッサのドレッシング回数に応じた補正係数により、前記表面高さの前記補正量を修正することを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記高さ検出部は、前記研磨部材の径方向に沿って予め設定された複数のモニタエリアにおいて前記研磨部材の表面高さを測定することを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
複数のモニタエリア、スキャンエリア及びドレスモデルから定義されるドレスモデル行列を作成するドレスモデル行列作成部と、
前記ドレスモデルと各スキャンエリアにおける揺動速度もしくは滞在時間を用いて高さプロファイル予測値を計算し、前記研磨部材の高さプロファイルの目標値からの差分に基づき評価指標を設定する評価指標作成部とを備え、
前記移動速度算出部は、当該評価指標に基づいて前記ドレッサの各スキャンエリアにおける揺動速度を算出する、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板の研磨装置に使用される研磨部材上でドレッサを揺動させて該研磨部材をドレッシングする方法であって、前記ドレッサは揺動方向に沿って前記研磨部材上に設定された複数のスキャンエリアにおいて揺動速度を調整可能とされており、
高さセンサによって前記ドレッサの高さを測定するドレッサ高さ測定ステップと、
前記高さセンサにより測定された前記ドレッサ高さに基づき、前記ドレッサと接触する前記研磨部材の表面高さを前記研磨部材の径方向に
沿って測定することでパッドプロファイルを生成する
パッド高さ測定ステップと、
前記ドレッサが前記研磨部材に付与するドレッサ荷重を設定するドレッサ荷重設定ステップと、
前記ドレッサ荷重の基準荷重からの変動量に応じた前記研磨部材の表面高さの補正量を前記径方向に
沿った複数の点にわたって算出し、
前記研磨部材の径方向に沿った複数の点において表面高さの測定値を前記補正量で補正することで、前記パッドプロファイルを補正するパッド高さ補正ステップと、
補正後の前記パッドプロファイルに基づいてドレッサの各スキャンエリアにおける揺動速度の調整を行う移動速度算出ステップと、を備え、
前記補正量は前記研磨部材の径方向において同一ではない、研磨部材のドレッシング方法。
【請求項8】
基板を研磨するための研磨部材上でドレッサを揺動させて該研磨部材をドレッシングする研磨装置を制御するコンピュータで用いられる制御プログラムであって、前記ドレッサは揺動方向に沿って前記研磨部材上に設定された複数のスキャンエリアにおいて揺動速度を調整可能とされており、前記コンピュータに対し、
高さセンサによって前記ドレッサの高さを測定するドレッサ高さ測定ステップと、
前記高さセンサにより測定された前記ドレッサ高さに基づき、前記ドレッサと接触する前記研磨部材の表面高さを前記研磨部材の径方向に
沿って測定することでパッドプロファイルを生成する
パッド高さ測定ステップと、
前記ドレッサが前記研磨部材に付与するドレッサ荷重を設定するドレッサ荷重設定ステップと、
前記ドレッサ荷重の基準荷重からの変動量に応じた前記研磨部材の表面高さの補正量を前記径方向に
沿った複数の点にわたって算出し、
前記研磨部材の径方向に沿った複数の点において表面高さの測定値を前記補正量で補正することで、前記パッドプロファイルを補正するパッド高さ補正ステップと、
補正後の前記パッドプロファイルに基づいてドレッサの各スキャンエリアにおける揺動速度の調整を行う移動速度算出ステップと、を実行させ
、
前記補正量は前記研磨部材の径方向において同一ではない、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を研磨する研磨部材のドレッシングを制御する方法及び基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス形成用の基板の表面を平坦化する方法の一つとして、化学機械研磨(CMP)装置による研磨がある。化学機械研磨装置は、研磨部材(研磨布、研磨パッド等)と、基板等の研磨対象物を保持する保持部(トップリング、研磨ヘッド、チャック等)とを有している。そして、研磨対象物の表面(被研磨面)を研磨部材の表面に押し当て、研磨部材と研磨対象物との間に研磨液(砥液、薬液、スラリー、純水等)を供給しつつ、研磨部材と研磨対象物とを相対運動させることにより、研磨対象物の表面を平坦に研磨するようにしている。
【0003】
研磨部材の材料としては、一般に発泡樹脂や不織布が用いられている。研磨部材の表面には微細な凹凸が形成されており、この微細な凹凸は、目詰まり防止や研磨抵抗の低減に効果的なチップポケットとして作用する。しかし、研磨部材で研磨対象物の研磨を続けると、研磨部材表面の微細な凹凸が潰れてしまい、研磨レートの低下を引き起こす。このため、定期的に、ダイヤモンド粒子などの多数の砥粒を電着させたドレッサを用いて研磨部材表面のドレッシング(目立て)を行い、研磨部材表面に微細な凹凸を再形成する。
【0004】
研磨部材のドレッシング方法としては、例えば回転するドレッサを移動(円弧状や直線状に往復運動、揺動)させながら、ドレッシング面を回転している研磨部材に押し付けてドレッシングする。研磨部材のドレッシングの際に、微量ではあるが研磨部材の表面が削り取られる。したがって、適切にドレッシングが行われないと研磨部材の表面に不適切なうねりが発生し、被研磨面内で研磨レートのばらつきが生じ得る。研磨レートのばらつきは研磨不良の原因となるため、研磨部材の表面に不適切なうねりを生じさせないように、ドレッシングを適切に行う必要がある。研磨部材の回転速度、ドレッサの回転速度、ドレッサの移動速度といった条件(ドレッシング条件)を調整することで、研磨レートのばらつきを抑制することができる。
【0005】
例えば、特許文献1に記載の研磨装置では、ドレッサの揺動方向に沿って複数の揺動区間を設定するとともに、各揺動区間における研磨部材の表面高さの測定値から得られた現在の研磨パッドのプロファイルと、目標となる研磨パッドのプロファイルとの差分を計算し、その差分がなくなるように各揺動区間でのドレッサの移動速度を補正している。
【0006】
また、特許文献2に記載の研磨装置では、ドレッシング時に研磨パッドに加えられる荷重(ドレッシング荷重)を変化させた場合に、基準ドレッシング荷重からの変化量に応じたドレッサ高さの補正量を算出して、ドレッサ高さ(研磨パッド高さ)の測定値を補正するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-161944号公報
【文献】特開2020-28955号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ドレッシング荷重を変化させた場合(例えばドレッシング荷重を増やした場合)には、その分だけ研磨パッドが押しつけられることから、研磨パッド高さの測定値は小さくなる。しかしながら、研磨パッド高さの変化量は、研磨パッドの全面にわたって一定ではなく、例えば研磨パッドの中心と外周とでは、高さの変化量が異なりうる。このため、ドレッシング荷重を変化させた場合において、研磨部材の径方向にわたって、意図した高さプロファイルが得られないことがあった。
【0009】
本発明は、ドレッシング荷重を変化させた場合において、目標とする研磨部材のプロファイルを実現することができる研磨部材のドレッシング制御方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなドレッシング制御方法を実行することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、研磨部材上で基板を摺接させて当該基板を研磨する基板処理装置であり、前記研磨部材上で揺動することで当該研磨部材をドレッシングするドレッサであって、径方向に沿って前記研磨部材上に設定された複数のスキャンエリアにおいて揺動速度を調整可能とされるドレッサと、前記研磨部材の径方向に沿って前記研磨部材の表面高さを測定することでパッドプロファイルを生成する高さ検出部と、前記ドレッサが前記研磨部材に付与するドレッサ荷重を設定するドレッサ荷重設定部と、 前記ドレッサ荷重の基準荷重からの変動量に応じた前記研磨部材の表面高さの補正量を前記径方向にわたって算出し、前記表面高さの測定値を前記補正量で補正することで、前記パッドプロファイルを補正するパッド高さ補正部と、補正後の前記パッドプロファイルに基づいてドレッサの各スキャンエリアにおける揺動速度の調整を行う移動速度算出部とを備える。
【0011】
本発明の一態様は、基板の研磨装置に使用される研磨部材上でドレッサを揺動させて該研磨部材をドレッシングする方法であって、前記ドレッサは揺動方向に沿って前記研磨部材上に設定された複数のスキャンエリアにおいて揺動速度を調整可能とされており、前記研磨部材の径方向に沿って前記研磨部材の表面高さを測定することでパッドプロファイルを生成する測定ステップと、前記ドレッサが前記研磨部材に付与するドレッサ荷重を設定するドレッサ荷重設定ステップと、前記ドレッサ荷重の基準荷重からの変動量に応じた前記研磨部材の表面高さの補正量を前記径方向にわたって算出し、前記表面高さの測定値を前記補正量で補正することで、前記パッドプロファイルを補正するパッド高さ補正ステップと、補正後の前記パッドプロファイルに基づいてドレッサの各スキャンエリアにおける揺動速度の調整を行う移動速度算出ステップを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドレッサの荷重を変化させた場合であっても、研磨部材の径方向にわたり目標とする高さプロファイルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を概略的に示す平面図である。
【
図2】基板を研磨する研磨装置を示す模式図である。
【
図3】ドレッサおよび研磨パッドを模式的に示す平面図である。
【
図4】研磨パッド上に設定されたスキャンエリアの一例を示す図である。
【
図5】研磨パッドのスキャンエリアとモニタエリアの関係を示す説明図である。
【
図6】ドレッサ制御部の機能ブロック構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】各スキャンエリアにおける研磨パッド高さのプロファイル推移の一例を示す説明図である。
【
図8】各スキャンエリアにおけるドレッサ移動速度と基準値の一例を示す説明図である。
【
図9】ドレッサ荷重を変化させた場合の、研磨パッド半径位置に対するパッド高さの関係の一例を示すグラフである。
【
図10】ドレッサ荷重の設定値(測定荷重)を基準荷重から変化させた場合における、研磨パッド半径位置に対するパッド高さの関係の一例を示すグラフである。
【
図11】研磨パッド半径位置に対する、パッド高さ補正量の一例を示すグラフである。
【
図12】1研磨パッドに対する基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】基板処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図14】基準荷重パッド高さ計算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】ドレッサ荷重を変化させた場合の、研磨パッド半径位置に対するパッド高さの関係の一例を示すグラフであり、(a)はパッド高さ補正が行われない場合、(b)はパッド高さ補正を行った場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、基板処理装置の全体構成を示す平面図である。基板処理装置10は、ロード/アンロード部12、研磨部13と、洗浄部14とに区画されており、これらはハウジング11の内部に設けられている。また、基板処理装置10は、基板搬送、研磨、洗浄等の処理の動作制御を行う装置制御部15を備えている。
【0015】
ロード/アンロード部12は、多数の基板Wをストックする基板カセットが載置されたフロントロード部20と、走行機構21と、搬送ロボット22を備えている。搬送ロボット22は、上下に2つのハンドを備えており、走行機構21上を移動することで、フロントロード部20に置かれた基板カセット内の基板Wを取り出して研磨部13へ送るとともに、洗浄部14から送られる処理済みの基板を基板カセットに戻す動作を行う。なお、基板Wは典型的には円形のウエハでもよい。
【0016】
研磨部13は、基板の研磨(平坦化処理)を行う複数の研磨装置13A~13Dが設けられ、これら研磨装置は、基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。研磨部13と洗浄部14との間には、基板Wを搬送する搬送機構としての第1,第2リニアトランスポータ16,17が設けられている。第1リニアトランスポータ16は、ロード/アンロード部12から基板Wを受け取る第1位置、研磨ユニット13A,13Bとの間で基板Wの受け渡しを行う第2,第3位置、第2リニアトランスポータ17へ基板Wを受け渡すための第4位置との間で移動自在とされている。
【0017】
第2リニアトランスポータ17は、第1リニアトランスポータ16から基板Wを受け取るための第5位置、研磨ユニット13C,13Dとの間で基板Wの受け渡しを行う第6,第7位置との間で移動自在とされている。これらトランスポータ16,17の間には、基板Wを第4位置や第5位置から洗浄部14へ、及び第4位置から第5位置へ送るためのスイングトランスポータ23が備えられている。
【0018】
洗浄部14は、第1基板洗浄装置30、第2基板洗浄装置31、基板乾燥装置32と、これら装置間で基板の受け渡しを行うための搬送ロボット33,34を備えている。研磨装置で研磨処理が施された基板Wは、第1基板洗浄装置30で洗浄(一次洗浄)され、次いで第2基板洗浄装置31で更に洗浄(仕上げ洗浄)される。洗浄後の基板は、第2基板洗浄装置31から基板乾燥装置32に搬入されてスピン乾燥が施される。乾燥後の基板Wは、搬送ロボット22にて取り出され、フロントロード部20に載置された基板カセットに戻される。
【0019】
図2に示すように、研磨部13に設けられた個々の研磨装置13A~13Dは、基板Wの研磨を行う研磨ユニット40と、基板Wの研磨に使用される研磨パッド43をコンディショニング(ドレッシング)するドレッシングユニット41とを備えている。研磨ユニット40およびドレッシングユニット41は、ベース42上に設置されている。
【0020】
研磨ユニット40は、研磨パッド(研磨部材)43と、研磨パッド43を保持する研磨テーブル44と、トップリングシャフト46の下端に連結されたトップリング(基板保持部)45と、研磨パッド43上に研磨液を供給する研磨液供給ノズル47を備えている。
【0021】
トップリング45は、その下面に基板Wを真空吸着により保持するように構成されている。トップリングシャフト46は、図示しないモータの駆動により回転し、これによりトップリング45および基板Wが回転する。トップリングシャフト46は、回動可能なトップリングアーム48に接続されており、図示しないモータ駆動によりトップリングアーム48が回動することで、基板Wの研磨を行う研磨位置と、基板Wの着脱を行う着脱位置との間でトップリング45が移動する。また、トップリング45は、図示しない上下動機構(例えば、サーボモータおよびボールねじなどから構成される上下動機構)により研磨パッド43に対して上下動するようになっている。
【0022】
研磨テーブル44は、その下方に配置される図示しないモータにより、その軸心まわりに回転される。研磨テーブル44の上面には研磨パッド43が貼付されており、研磨パッド43の上面が基板Wを研磨する研磨面43aを構成している。研磨パッド43は、例えば発泡樹脂や不織布が用いられており、その表面(研磨面43a)には微細な凹凸が形成されており、目詰まり防止や研磨抵抗の低減に効果的なチップポケットとして作用する。
【0023】
研磨パッド43による基板Wの研磨は次のようにして行われる。トップリング45および研磨テーブル44をそれぞれ回転させ、研磨液供給ノズル47より研磨パッド43上に研磨液を供給する。この状態で、基板Wを保持したトップリング45を下降させ、さらにトップリング45内に設置されたエアバッグからなる加圧機構(図示せず)により基板Wを研磨パッド43の研磨面43aに押し付ける。基板Wと研磨パッド43とは研磨液の存在下で互いに摺接され、これにより基板Wの表面が研磨され、平坦化される。
【0024】
研磨テーブル44の内部には、基板Wの膜厚を測定する膜厚センサ(膜厚測定機)49が配置されている。膜厚センサ49は、渦電流センサ、光学式センサなどの非接触タイプのセンサを用いることができ、その検出面がトップリング45に保持された基板Wの表面を向いて配置されている。膜厚センサ49は、研磨テーブル44の回転に伴って基板Wの表面を横切って移動しながら、基板Wの膜厚を測定する。膜厚の測定値は、図示しない研磨制御部に送られて基板Wの膜厚プロファイル(基板Wの半径方向に沿った膜厚分布)が生成され、所定の膜厚値に達した時点で基板Wの研磨処理を終了させる。
【0025】
ドレッシングユニット41は、研磨パッド43の研磨面43aに接触するドレッサ51と、自在継ぎ手52を介してドレッサ51に連結されたドレッサ軸53と、ドレッサ軸53の上端に設けられたエアシリンダ54と、ドレッサ軸53を回転自在に支持するドレッサアーム55とを備えている。ドレッサ51の下面にはダイヤモンド粒子などの砥粒が固定されている。ドレッサ51の下面は、研磨パッド43の研磨面43aをドレッシングするドレッシング面を構成する。
【0026】
ドレッシング面の態様としては、円形ドレッシング面(ドレッサ51の下面全体に砥粒が固定されたドレッシング面)、リング状ドレッシング面(ドレッサ51の下面の周縁部に砥粒が固定されたドレッシング面)、あるいは、複数の円形のドレッシング面(ドレッサ51の中心まわりに略等間隔に配列された複数の小径ペレットの表面に砥粒が固定されたドレッシング面)を適用することができる。なお、本実施例におけるドレッサ51には、円形ドレッシング面が設けられている。
【0027】
ドレッサ軸53およびドレッサ51は、ドレッサアーム55に対して上下動可能に設けられている。エアシリンダ54は、研磨パッド43への押圧力(ドレッサ荷重)をドレッサ51に付与する装置であり、後述するドレッサ制御部60によってエアシリンダ54に供給される空気圧を調整することで、ドレッサ荷重を調整することができる。
【0028】
ドレッサアーム55はモータ57により駆動されて、支軸56を中心として揺動するように構成されている。ドレッサ軸53は、ドレッサアーム55内に設置された図示しないモータにより回転し、これによりドレッサ51がその軸心まわりに回転する。エアシリンダ54は、ドレッサ軸53を介して、所定のドレッサ荷重でドレッサ51を研磨面43aに押圧する。自在継ぎ手52は、ドレッサ51の傾動を許容しつつ、ドレッサ軸53の回転をドレッサ51に伝達するように構成されている。これにより、ドレッサ軸53が研磨パッド43の表面に対して少し傾いていても、ドレッサ51の下面(ドレッシング面)を研磨パッド43に適切に当接することができる。
【0029】
研磨面43aのドレッシングは次のようにして行われる。研磨テーブル44および研磨パッド43を回転させ、図示しないドレッシング液供給ノズルからドレッシング液(例えば、純水)を研磨パッド43の研磨面43aに供給する。さらに、ドレッサ51をその軸心まわりに回転させる。ドレッサ51はエアシリンダ54により所定のドレッサ荷重で研磨面43aに押圧され、ドレッサ51のドレッシング面を研磨面43aに接触させる。この状態でドレッサアーム55を旋回させ、研磨パッド43に接触されたドレッサ51を研磨パッド43の略半径方向に揺動させる。これにより研磨パッド43の研磨面43aが回転するドレッサ51により削り取られ、研磨面43aの微細な凹凸が再形成される。
【0030】
ドレッサアーム55には、研磨面43aの高さを測定するパッド高さセンサ(表面高さ測定機)58が固定されている。また、ドレッサ軸53には、パッド高さセンサ58に対向してセンサターゲット59が固定されている。センサターゲット59は、ドレッサ軸53およびドレッサ51と一体に上下動するよう構成されるが、パッド高さセンサ58の上下方向の位置は固定されている。
【0031】
パッド高さセンサ58は例えば変位センサであり、センサターゲット59の変位を測定することで、センサターゲット59と連結されるドレッサ51の高さが検出される。ドレッサ51が研磨パッド43と接触することから、ドレッサ51を測定することにより、間接的に、ドレッシング処理中の研磨パッド43の研磨面43aの高さ(研磨パッド43の厚さ)を測定することができる。パッド高さセンサ58としては、リニアスケール式センサ、レーザ式センサ、超音波センサ、または渦電流式センサなどのあらゆるタイプのセンサを用いることができる。
【0032】
パッド高さセンサ58による研磨面43aの高さの測定は、研磨パッド43の半径方向において区分された複数の所定の領域(
図5の「モニタエリア」)にて行われる。ドレッサ53の下面(ドレッシング面)が接触している領域(所定のモニタエリア)における研磨面43aの高さの平均がパッド高さセンサ58によって測定される。複数のモニタエリアにおいて研磨パッド43の高さを測定することで、研磨パッド43の高さプロファイル(研磨面43aの高さの断面形状)を得ることができる。
【0033】
パッド高さセンサ58は、ドレッサ制御部60に接続されており、パッド高さセンサ58の出力信号(すなわち、研磨面43aの高さの測定値)がドレッサ制御部60に送られるようになっている。ドレッサ制御部60は、研磨面43aの高さの測定値から研磨パッド43のプロファイルを取得し、さらに研磨パッド43のドレッシングが正しく行われているか否かを判定する機能を備えている。
【0034】
研磨ユニット41は、さらに、研磨テーブル44および研磨パッド43の回転角度を測定するテーブルロータリエンコーダ61と、ドレッサ51の旋回角度を測定するドレッサロータリエンコーダ62とを備えている。これらテーブルロータリエンコーダ61およびドレッサロータリエンコーダ62は、角度の絶対値を測定するアブソリュートエンコーダであり、ドレッサ制御部60に接続されている。ドレッサ制御部60はパッド高さセンサ58による研磨面43aの高さ測定時における、研磨テーブル44および研磨パッド43の回転角度、さらにはドレッサ51の旋回角度の情報を取得することができる。
【0035】
研磨パッド43の上方には、研磨パッド43の表面粗さを測定するパッド粗さ測定器63が配置されている。このパッド粗さ測定器63としては、光学式などの公知の非接触型の表面粗さ測定器を使用することができる。パッド粗さ測定器63はドレッサ制御部60に接続されており、研磨パッド43の表面粗さの測定値がドレッサ制御部60に送られるようになっている。
【0036】
ドレッサ制御部60は、装置制御部15に接続されており、装置制御部15からの制御信号を受けて研磨パッドへのドレッサ処理を行うほか、後述の研磨パッドプロファイル制御処理を行う。装置制御部15には、キーボード、マイクやタブレット等の入力部65と、ディスプレイ、スピーカ等の出力部66が接続されている。基板処理装置10の動作を制御するための制御プログラムは、予め装置制御部15を構成するコンピュータにインストールされていても良く、あるいは、CD-ROM、DVD-ROM等の記憶媒体に記憶されていても良く、さらには、インターネットを介して装置制御部15にインストールするようにしても良い。また、装置制御部15は、基板処理装置10に備え付けられていても良く、あるいは、ネットワークを通じて基板処理装置10と接続されるように構成しても良い。
【0037】
次に、
図3を参照して、ドレッサ51の揺動について説明する。ドレッサアーム55(図面の簡略化のため直線で表している)は、点Jを中心として時計回りおよび反時計回りに所定の角度だけ旋回する。この点Jの位置は支軸56(
図2参照)の中心位置に相当する。そして、ドレッサアーム55の旋回により、ドレッサ51の回転中心は、円弧Lで示す範囲で研磨パッド43の半径方向に揺動する。
【0038】
図4は、研磨パッド43の研磨面43aの部分拡大図である。ドレッサ51の揺動範囲(揺動幅L)は、複数の(
図4の例では7つの)スキャンエリア(揺動区間)S1~S7に分割されている。これらのスキャンエリアS1~S7は、研磨面43a上に予め設定された仮想的な区間であり、ドレッサ51の揺動方向(すなわち研磨パッド43の半径方向)に沿って並んでいる。ドレッサ51は、その中心がこれらスキャンエリアS1~S7を横切るように移動しながら、研磨パッド43をドレッシングする。これらスキャンエリアS1~S7の長さは、互いに同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0039】
図5は、研磨パッド43のスキャンエリアS1~S7とモニタエリアM1~M10の位置関係を示す説明図であり、図の横軸は研磨パッド43の中心からの距離を表している。本実施形態では、7個のスキャンエリアと10個のモニタエリアが設定された場合を例にしているが、これらの数は適宜変更することができる。また、スキャンエリアの両端からドレッサ51の半径に相当する幅の領域においては、パッドプロファイルの制御が困難であることから、内側(パッド中心からR1~R3の領域)と外側(パッド中心からR4~R2の領域)にモニタ除外幅を設けているが、必ずしも除外幅を設ける必要はない。
【0040】
研磨パッド43上を揺動しているときのドレッサ51の移動速度は、スキャンエリアS1~S7ごとに予め設定されており、また適宜調整することができる。ドレッサ51の移動速度分布は、それぞれのスキャンエリアS1~S7でのドレッサ51の移動速度を表している。
【0041】
ドレッサ51の移動速度は、研磨パッド43のパッド高さプロファイルの決定要素のうちの1つである。研磨パッド43のカットレートは、単位時間あたりにドレッサ51によって削り取られる研磨パッド43の量(厚さ)を表す。等速でドレッサを移動させた場合、通常、各スキャンエリアにおいて削り取られる研磨パッド43の厚さはそれぞれ異なるため、カットレートの数値もスキャンエリアごとに異なる。しかし、パッドプロファイルは、通常、初期形状を維持することが好ましいため、スキャンエリア毎の削れ量の差が小さくなるように移動速度を調整する。
【0042】
ここで、ドレッサ51の移動速度を上げるということは、ドレッサ51の研磨パッド43上での滞在時間を短くすること、すなわち研磨パッド43の削れ量を下げることを意味する。一方、ドレッサ51の移動速度を下げるということは、ドレッサ51の研磨パッド43上での滞在時間を長くすること、すなわち研磨パッド43の削り量を上げることを意味する。したがって、あるスキャンエリアでのドレッサ51の移動速度を上げることにより、そのスキャンエリアでの削れ量を下げることができ、あるスキャンエリアでのドレッサ51の移動速度を下げることにより、そのスキャンエリアでの削れ量を上げることができる。これにより、研磨パッド全体のパッド高さプロファイルを調節することができる。
【0043】
ドレッサ制御部60は、研磨パッド43へのドレッシング処理及び後述する研磨パッドプロファイルの制御処理を行う制御プログラムがインストールされた汎用または専用のコンピュータ装置である。当該制御プログラムは、予めドレッサ制御部60を構成するコンピュータにインストールされていても良く、あるいは、CD-ROM、DVD-ROM等の記憶媒体に記憶されていても良く、さらには、インターネットを介して装置制御部15にインストールするようにしても良い。また、ドレッサ制御部60は、基板処理装置10に備え付けられていても良く、あるいは、ネットワークを通じて基板処理装置10と接続されるように構成しても良い。
【0044】
図6に示すように、ドレッサ制御部60は、ドレスモデル設定部71、ベースプロファイル算出部72、カットレート算出部73、評価指標作成部74、移動速度算出部75、パッド高さ検出部76、ドレッサ荷重設定部77、パッド高さ補正部78、補正データ記憶部79及び設定入力部80を備えており、研磨パッド43のプロファイルを取得するとともに、所定のタイミングで、スキャンエリアにおけるドレッサ51の移動速度が最適になるように設定する。
【0045】
ドレスモデル設定部71は、スキャンエリアでの研磨パッド43の摩耗量を算出するためのドレスモデルSを設定する。ドレスモデルSは、モニタエリアの分割数をm(本実施例では10)、スキャンエリアの分割数をn(本実施例では7)としたときのm行n列の実数行列であり、後述する各種パラメータによって決定される。
【0046】
研磨パッド43で設定された各スキャンエリアにおけるドレッサのスキャン速度をV=[v1、v2、…、vn]、各スキャンエリアの幅をW=[w1、w2、…、wn]としたとき、各スキャンエリアでのドレッサ(の中心)の滞在時間は、
T=W/V=[w1/v1、w2/v2、…、wn/vn]
で表される。このとき、各モニタエリアにおけるパッド摩耗量をU=[u1、u2、…、um]としたとき、前述のドレスモデルSと各スキャンエリアでの滞在時間Tとを用いて、
U=ST
の行列演算を行うことで、パッド摩耗量Uが算出される。
【0047】
ドレスモデル行例Sの導出においては、例えば、1)カットレートモデル、2)ドレッサ径、3)スキャン速度制御の各要素を考慮し、適宜組み合わせることができる。カットレートモデルに関しては、ドレスモデル行列Sの各要素が、モニタエリアでの滞在時間に比例する、あるいは、引っ掻き距離(移動距離)に比例することを前提として設定する。
【0048】
また、ドレッサ径に関しては、ドレッサ51の径を考慮(ドレッサの有効エリア全体にわたって同一のカットレートに従い研磨パッドが摩耗する)、あるいは考慮しない(ドレッサ51の中心位置のみでのカットレートに従う)ことを前提に、ドレスモデル行列Sの各要素を設定する。ドレッサ径を考慮することで、例えばダイヤモンド粒子がリング状に塗布されたドレッサに対しても適切なドレスモデルを定義することができる。スキャン速度制御に関しては、ドレッサの移動速度の変化がステップ状か、スロープ状のいずれかに応じて、ドレスモデル行列Sの各要素を設定する。これらのパラメータを適宜組み合わせることにより、ドレスモデルSからより実態に合致したカット量を算出して、正しいプロファイル予想値を求めることができる。
【0049】
パッド高さ検出部76は、パッド高さセンサ58によって連続的に測定された研磨パッド43の高さデータと、当該研磨パッド上の測定座標データとを対応づけて、各モニタエリアにおけるパッド高さを検出する。ドレッサ荷重に応じたパッド高さのプロファイル(パッド高さプロファイル)の補正については、後述する。
【0050】
ベースプロファイル算出部72は、所定のタイミング又は所定条件が成立した時点(T1)において、収束時におけるパッド高さの目標プロファイル(ベースプロファイルH
tg(j))を算出する(
図7参照)。ベースプロファイルは、後述する移動速度算出部75で使用する目標カット量の計算に用いられる。ベースプロファイルは、パッド初期状態における研磨パッドの高さ分布(Diff(j))と測定されたパッド高さに基づき計算しても良いし、あるいは、設定値として与えても良い。また、ベースプロファイルを設定しない場合には、研磨パッド43の形状がフラットになる目標カット量を計算しても良い。
【0051】
目標カット量のベースは、現時点(T2)でのモニタエリア毎のパッド高さを示すパッド高さプロファイルHp(j)[j=1, 2…m]と、別途設定された収束時目標減摩量Atgを用いて、次式にて算出される。
min[Hp(j)] -Atg
また、各モニタエリアの目標カット量は、前述したベースプロファイルを考慮して、次式にて算出することができる。
min[Hp(j)] -Atg+Diff(j)
【0052】
カットレート算出部73は、各モニタエリアにおけるドレッサのカットレートを算出する。例えば、各モニタエリアにおけるパッド高さの変化量の傾きからカットレートを算出しても良い。
【0053】
評価指標作成部74は、後述する評価指標を用いて、スキャンエリアでの最適な滞在時間(揺動時間)を算出して補正することで、各スキャンエリアでのドレッサの移動速度を最適化するものである。この評価指標は、1)目標カット量からの偏差、2)基準レシピでの滞在時間からの偏差、及び、3)隣接するスキャンエリア間での速度差に基づく指標であり、各スキャンエリアでの滞在時間T=[w1/v1、w2/v2、…、wn/vn]の関数となる。そして、当該評価指標が最小となるように各スキャンエリアでの滞在時間Tを定めることで、ドレッサの移動速度が最適化される。
【0054】
1)目標カット量からの偏差
ドレッサの目標カット量をU0=[U01、U02、…、U0m]としたとき、前述した各モニタエリアでのパッド摩耗量U(=ST)との差の二乗値(|U-U0|2)を求めることで、目標カット量からの偏差を算出する。なお、目標カット量を決めるためのターゲットプロファイルは、研磨パッドの使用開始後の任意のタイミングで決定することができ、あるいは手動で設定された値に基づいて決定するようにしても良い。
【0055】
2)基準レシピでの滞在時間からの偏差
図8に示すように、各スキャンエリアで設定された基準レシピに基づくドレッサの移動速度(基準速度(基準滞在時間T
0))と、各スキャンエリアにおけるドレッサの移動速度(ドレッサの滞在時間T)との差(ΔT)の二乗値(ΔT
2=|T-T
0|
2)を求めることで、基準レシピでの滞在時間からの偏差を算出することができる。ここで、基準速度とは、各スキャンエリアにおいてフラットのカットレートが得られると見込まれる移動速度であり、予め実験やシミュレーションによって得られた値である。基準速度をシミュレーションによって求める場合は、例えば、ドレッサの引っ掻き距離(滞在時間)と研磨パッドのカット量が比例するとして、求めることができる。なお、基準速度は、同一の研磨パッドの使用中に、実際のカットレートに応じて適宜更新するようにしても良い。
【0056】
3)隣接するスキャンエリア間での速度差
本実施形態に係る研磨装置では、さらに、隣接するスキャンエリアでの速度差を抑えることで、移動速度の急激な変化に伴う研磨装置への影響を抑制している。すなわち、隣接するスキャンエリアでの速度の差の二乗値(|ΔV
inv|
2)を求めることで、隣接するスキャンエリア間での速度差の指標を算出することができる。ここで、
図8に示すように、スキャンエリア間の速度差としては、基準速度の差(Δ
inv)又はドレッサの移動速度(Δ
v)のいずれかを適用することができる。なお、スキャンエリアの幅は固定値であるため、速度差の指標は、各スキャンエリアでのドレッサの滞在時間に依存する。
【0057】
評価指標作成部74は、これら3つの指標に基づき、次式で示される評価指標Jを定義する。
J=γ|U-U0|2+λ|T-T0|2+η|ΔVinv|2
ここで、評価指標Jの右辺の第1項、第2項及び第3項は、それぞれ、目標カット量からの偏差、基準レシピでの滞在時間からの偏差、隣接するスキャンエリア間での速度差に起因する指標であり、いずれも各スキャンエリアでのドレッサの滞在時間Tに依存する。
【0058】
そして、移動速度算出部75では、評価指標Jの値が最小値をとるような最適化演算を行って、各スキャンエリアでのドレッサの滞在時間Tを求め、ドレッサの移動速度を補正する。最適化演算の手法としては、二次計画法を用いることができるが、シミュレーションによる収束演算やPID制御を用いてもよい。
【0059】
上記の評価指標Jにおいて、γ、λ及びηは所定の重み付け値であり、同一の研磨パッドの使用中に適宜変更することができる。これら重み付け値を変更することで、研磨パッドやドレッサの特性や装置の稼働状況に応じて、重視すべき指標を適宜調整することができる。
【0060】
なお、ドレッサの移動速度を求める際に、合計ドレス時間が所定値以内になるようにすることが好ましい。ここで、合計ドレス時間とは、ドレッサによる全揺動区間(本実施例ではスキャンエリアS1~S7)の移動時間である。合計ドレス時間(ドレッシングに要する時間)が長くなると、基板の研磨行程や搬送行程等の他の行程に影響を与える可能性があるため、この値が所定値を超えないように、各スキャンエリアでの移動速度を適宜補正することが好ましい。また、装置の機構上の制約があるため、ドレッサの最大(及び最小)移動速度、並びに、初期速度に対する最大速度(最小速度)の割合についても、設定値以内になるように、ドレッサの移動速度を設定することが好ましい。
【0061】
なお、移動速度算出部75は、新しいドレッサと研磨パッドの組み合わせで適切なドレス条件が不明な場合や、ドレッサや研磨パッドの交換直後のようにドレッサの基準速度(基準滞在時間T0)が決まっていない場合には、目標カット量からの偏差の条件のみを用いて評価指標J(下記)を定め、各スキャンエリアでのドレッサの移動速度を最適化(初期設定)するようにしても良い。
J=|U-U0|2
【0062】
ドレッサ荷重設定部77は、ドレッサ51から研磨パッド43の研磨面43aに加えられる荷重(ドレッサ荷重)を設定し、エアシリンダ54の位置を変化させて研磨パッド43へのドレッサ荷重を調節する。ドレッサ荷重を基準値(基準ドレッサ荷重)から変化させると、ドレッサ51による研磨パッド43への押し込み量が変化する。例えば、ドレッサ荷重が大きくなると研磨パッド43はさらに押しつけられるため、パッド高さは低くなる。逆に、ドレッサ荷重が小さくなると研磨パッド43のパッド高さは高くなる。この結果、研磨面43aの位置が変動することから、研磨パッド43の高さ(減耗量)を算出することができない。
【0063】
パッド高さ補正部78は、ドレッサ荷重の変化に起因するパッド高さの変化をキャンセルするために、ドレッサ荷重の変化量に対応したパッド高さの補正値を算出する。パッド高さの変化量は、研磨パッド43の径方向の位置に応じて異なりうるため、研磨パッド43の径方向の位置に応じて、複数のパッド高さの補正値を算出するように構成されている。
【0064】
図9は、ドレッサ荷重を変化させた場合の研磨パッド高さの分布の一例を示すグラフであり、横軸は研磨パッドの半径方向の位置であり、縦軸と交わる点は半径位置がゼロ(研磨パッドの中心)を示している。また、パッド高さは、予め定められた基準値からの相対的な高さを示しており、値が大きいほど研磨パッド43の研磨面43が高いことを示す。
図9のグラフでは、ドレッサ荷重が大きくなるにつれてパッド高さが低くなっており、また、半径位置が大きい(研磨パッド43の外周に近づく)ほどパッド高さが低くなっていることが示されている。これらパッド高さのデータは、ドレッサ荷重ごとに、複数の半径位置(
図9の例では、研磨パッド中心から50mmの位置から、50mmずつ350mmまで7点)にて予めテストにより測定され、荷重/半径別パッド高さ参照データとして、補正データ記憶部79に記憶されている。
【0065】
荷重/半径別パッド高さ参照データの測定は、静的に(研磨テーブル44及びドレッサ51を停止した状態で)測定しても良いし、動的に(実際の研磨パッド43のドレッシングに近い状態で、研磨テーブル44及びドレッサ51を回転させ、さらにドレッサ51を揺動させた状態で)測定しても良い。動的に測定する場合は、複数の半径位置でのデータを連続的に取得できるので好ましい。また、荷重及び半径位置については、上記の例に限定されることはなく、実際の使用範囲に近い状況であれば適宜変更しても良いが、荷重及び半径位置はそれぞれ3点以上あることが好ましい。
【0066】
パッド高さ補正部78におけるパッド高さ補正量の演算は、例えば次のようにして行うことができる。ドレッサ荷重設定部77において設定されたドレッサ荷重をDFxとしたとき、補正データ記憶部79に記憶された荷重/半径別パッド高さ参照データの中から、当該DFxに近接した2つのドレッサ荷重(DF1、DF2)と、当該ドレッサ荷重に対応するパッド高さ参照データ(PadH1、PadH2)を読み出し、設定されたドレッサ荷重DFxに対するパッド高さPadHxを、次式により補間して算出する。
【0067】
PadHx=(PadH1-PadH2)/(DF1―DF2)×(DFx-DF2)+PadH2
ただし、DF1<DFx<DF2
【0068】
なお、補間式としては、上式のような線形補間の他にも、例えばスプラインにより補間するようにしても良い。
【0069】
例えば、
図9のように、10N毎のドレッサ荷重について、荷重/半径別パッド高さ参照データが補正データ記憶部79に記憶されており、DF
xを15Nに設定した場合には、DF
1は10N、DF
2は20Nとなる。このため、補正データ記憶部79よりドレッサ荷重10N、20Nに対応するパッド高さ参照データが読み出されて、研磨パッドの半径位置毎にパッド高さH
xが算出される。パッド高さ補正部78は、上式により算出されたパッド高さPadH
xを、所定の基準荷重及び実際のドレッシングに用いられるドレッサ荷重(測定荷重)のそれぞれに対して、研磨パッドの半径位置毎に算出する。算出されたパッド高さPadH
xの値は、補正データ記憶部79に記憶される。
【0070】
図10のグラフは、補間により算出されたパッド高さの値を、研磨パッドの半径位置にそって並べたものであり、基準荷重(例えば25N)におけるパッド高さPadH
bDFと測定荷重(例えば15N)におけるパッド高さPadH
mDFについて示している。ここで、基準荷重は、測定荷重に関わらず一定である場合が多いため、予め算出した上で補正データ記憶部79に記憶するようにしても良い。これにより、パッド高さ補正処理を短縮することができる。
【0071】
パッド高さ補正部78は、測定荷重によるパッド高さPadHmDF(r)を基準荷重PadHbDF(r)に変換するための補正量PadHdelta(r)を、次式により、研磨パッドの半径位置ごとに算出する。
PadHdelta(r)=PadHmDF(r)-PadHbDF(r)
次に、パッド高さ補正部78は、半径位置毎に得られた補正量の値から補間処理を施すことで、研磨パッドの半径位置に対する補正量の関数F(DF、r)を生成する。
【0072】
図11は、補正量の関数F(DF、r)の一例を示すグラフであり、各点は上式により算出された補正量PadH
delta(r)の離散値(例えば、研磨パッド中心から50mmの位置から、50mmずつ350mmまで7点)、曲線は当該離散値に基づきスプライン補間により得られた関数Fの例、直線は隣接する離散値より線形補間により得られた関数Fの例を示す。関数Fを得るに当たり適宜の補間式を用いることができるが、隣接する離散値の差が大きい場合には、線形補間により関数Fを得るようにすることが好ましい。
【0073】
ここで、パッド高さ測定データや補正値の算出式は、ドレッシングに用いられる研磨パッドの種類(硬さ)に応じて作成することが好ましく、また研磨パッドとドレッサとの組み合わせ毎に作成するようにしても良い。さらに、研磨テーブルに固有に、パッド高さ測定データや補正値の算出式を定めるようにしても良い。
【0074】
パッド高さ補正部78は、上記のようにして得られた関数F(DF,r)を用いて、ある半径位置において測定された研磨パッドの高さ(測定高さ)PadHmeasure(r)から、次式によりパッド制御に用いるパッド高さ(基準荷重に引き直したパッド高さ)PadH(r)を算出する。
PadH(r)=PadHmeasure(r)+PadHdelta(r)
【0075】
設定入力部80は、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスであり、ドレスモデル行列Sの各成分の値、制約条件の設定、カットレート更新サイクル、移動速度更新サイクルといった各種パラメータを入力する。また、ドレッサ制御部60に設けられた図示しないメモリには、ドレッサ制御部60を構成する各構成要素を動作するためのプログラムのデータや、ドレスモデル行列Sの各成分の値、ターゲットプロファイル、評価指標Jの重み付け値、ドレッサの移動速度の設定値といった各種データが記憶される。
【0076】
図12は、研磨パッドの交換後に、複数枚の基板Wに対して研磨及び洗浄処理を行いつつドレッサの移動速度を制御する手順を示すフローチャートである。パッド使用時間のリセット処理などにより、装置制御部15において研磨パッド43が交換されたことが検知されると(ステップS10)、ドレスモデル設定部71は、カットレートモデル、ドレッサ径、スキャン速度制御のパラメータを考慮して、ドレスモデル行例Sを導出する(ステップS11)。なお、交換前後の研磨パッド43が同じ種類である場合、同じドレスモデル行列を継続して使用することもできる。
【0077】
次に、ドレッサの基準速度の計算を行うかどうか(例えば、基準速度計算を行う旨の入力が設定入力部80によりなされたかどうか)を判定する(ステップS12)。基準速度の計算を行う場合には、移動速度算出部45において、ドレッサの目標カット量U0と各モニタエリアでのパッド摩耗量Uより、次の評価指標Jが最小値となるように、各スキャンエリアでのドレッサの移動速度(滞在時間T)を設定する(ステップS13)。計算された基準速度を移動速度の初期値として設定してもよい。
J=|U-U0|2
【0078】
その後、基板Wがセットされると、基板Wの研磨及び洗浄処理が行われ(ステップS14)、所定条件を満たした場合にベースプロファイルの計算が行われる。また、別の条件を満たしたときにカットレートの計算又はドレッサ移動速度の更新がなされる(
図13参照)。パッド交換の指示は基板Wの処理枚数により決めても良いし、研磨パッドの高さで自動判別しても良い。
【0079】
図13は、基板Wの処理手順を示すフローチャートであり、装置制御部15において基板処理スタート指令が出されると(ステップS30)、ドレッサ制御部60は、所定条件を満たしたかどうか(
図13の例では、カットレート計算サイクル(例えば、所定枚数の基板Wの研磨)に達したか否か)を判定する(ステップS31)。達した場合には、後述する基準荷重パッド高さを計算し(ステップ32)、さらに、カットレート算出部73において、各スキャンエリアにおけるドレッサのカットレートを算出してこれを更新する(ステップS33)。一方、条件を満たさない場合には、カットレートの更新処理はスキップされる。
【0080】
さらに、ドレッサ制御部60は、所定条件を満たしたかどうか(
図13の例では、移動速度更新サイクル(例えば、所定枚数の基板Wの研磨)に達したか否か)を判定する(ステップS34)。達した場合には、基準荷重パッド高さを計算し(ステップ35)、移動速度設定部75において、評価指標Jが最小となるドレッサの滞在時間を算出することで、各スキャンエリアにおけるドレッサ移動速度の最適化を行う(ステップS36)。そして、最適化された移動速度の値が設定され、ドレッサの移動速度(ドレッシングレシピ)が更新される(ステップS37)。
【0081】
図14は、ステップS35(及びステップS32)での基準荷重パッド高さの計算処理を示すフローチャートであり、パッド高さ補正部78は、補正データ記憶部79に記憶されているパッド高さの測定値のデータを読み出す(ステップS50)。次いで、パッド高さ補正部78は、研磨パッドのモニタ領域毎に、対応する半径位置における測定値の平均値を取ることで、各モニタ領域のパッド平均高さを計算し(ステップS51)、パッド高さの測定値PadH
measure(r)とする(ステップS51)。あるいは、各モニタ領域の平均値を算出する代わりに、各半径位置での測定をPadH
measure(r)としても良い。
【0082】
次に、パッド高さ補正部78は、ドレッサ荷重設定部77で設定されたドレッサ荷重(測定荷重)DFxに近接した2つのドレッサ荷重(DF1、DF2)と、当該ドレッサ荷重に対応するパッド高さ参照データ(PadH1、PadH2)を読み出す(ステップS52)。同様に、基準荷重に近接した2つのドレッサ荷重と、これと対応するパッド高さ参照データを読み出す。
【0083】
パッド高さ補正部78は、読み出されたドレッサ荷重及びパッド高さ参照データより、研磨パッドの半径位置毎に、基準荷重と測定荷重に対応するパッド高さを補間により算出する(ステップS53)。そして、補間により得られたパッド高さの情報より、測定荷重に対するパッド高さの補正量の計算式F(DF,r)を生成する(ステップS54)。
【0084】
次いで、パッド高さ補正部78は、得られた計算式F(DF、r)より、パッド高さの測定値PadHmeasure(r)の半径位置に対応する補正量PadHdelta(r)を計算し(ステップS55)、当該補正量より基準荷重パッド高さPadH(r)を算出する(ステップS56)。
【0085】
図13において、基準荷重パッド高さPadH(r)が算出され、計算条件に応じて計算が完了すると、基板研磨ユニットにセットされた基板Wに対して研磨処理が行われる(ステップS38)。基板Wの研磨は、予め設定された膜厚になるまで、あるいは下地層が露出するまで行うようにすることができる。研磨終了した基板Wが基板研磨ユニットから取り出されると、ドレッサ制御部60は、設定されたドレッシングレシピに従いドレッサ51を駆動して、研磨パッド43のドレッシング処理を行う(ステップS39)。研磨パッド43へのドレッシング処理が行われると、パッド高さセンサ58による研磨面43aの高さ(パッド高さ)の測定が行われ(ステップS40)、測定されたデータがドレッサ制御部60内のメモリに保存される(ステップS41)。研磨された基板Wは洗浄部14(第1基板洗浄装置30、第2基板洗浄装置31、基板乾燥装置32)に送られて基板洗浄・乾燥が施され(ステップS42)、基板処理装置10より外部に取り出される。
【0086】
図12において、基板処理14が終了すると、ベースプロファイルの取得条件(例えば、所定枚数の基板Wの研磨)が満たされたか否かを判定し(ステップS15)、条件を満たした場合には、ベースプロファイル算出部72において、収束時におけるパッド高さの目標プロファイル(ベースプロファイル)を算出する(ステップS16)。ベースプロファイルの取得条件が満たされない場合(所定枚数の基板Wが研磨されていない場合)には、ステップS14に戻されて、次の基板Wに対する研磨及び洗浄処理が行われる。
【0087】
ベースプロファイルが設定されると、次の基板Wに対する研磨・洗浄処理が行われる(ステップS17)。当該研磨・洗浄処理は、
図13のフローチャートで説明したものと同様であるから、詳細な説明は省略する。以後は、研磨パッドの削れ量が大きくなり交換基準値を下回るまで(ステップS18)、ステップS17において基板処理が引き続き行われる。そして、研磨パッドの高さが交換基準値を下回った場合(ステップS18で「Y」)には、装置制御部15は、出力部66を介して研磨パッド交換をオペレータに指示する(ステップS19)。
【0088】
図15は、ドレッサ荷重を12Nから24Nに変化させた場合の、研磨パッド半径位置に対するパッド高さの関係の一例を示すグラフである。パッド高さ補正が行われない場合(
図15(a))、ドレッサ荷重が24Nに増加するとパッド高さプロファイルの測定値が(12Nの場合と比べて)低下してしまっていることから、ドレッサの移動速度を適切に計算することができない。これに対し、パッド高さ補正が行われた場合(
図15(b))には、ドレッサ荷重が増加してもパッド高さプロファイルの測定値が(12Nの場合と比べて)殆ど変わらない状態となり、ドレッサの移動速度をより適切に計算することができる。
【0089】
研磨パッド43の厚さの変化は、パッドの厚さ、弾性係数(パッドの堅さ)、断面積によって異なりうるため、基準加重に対する補正データは、研磨パッドの種類毎に設けておくことが好ましい。また、研磨パッド43はドレッシングが行われる毎に僅かながら摩耗することから、ドレッシングの回数が多くなると、交換直後の研磨パッドの厚さに比べて摩耗量の変化が無視できなくなる場合が起こりうる。
【0090】
このため、基準荷重パッド高さPadH(r)の計算(ステップS56)にあたり、パッド使用時間(あるいはパッドの摩耗量)に応じた調整係数f(t)を加味して、パッド高さを算出するようにしても良い。この場合、基準荷重パッド高さPadH(r)は次式で算出することができる。
PadH(r)=PadHmeasure(r)+f(t)×PadHdelta(r)
【0091】
ここで、調整係数f(t)は予めテストにより定めることができ、ここでは研磨パッドの使用時間tに応じた関数としているが、研磨パッドへのドレッサ処理の回数を引数として定めるように構成しても良い。
【0092】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0093】
10 基板処理装置
40 研磨ユニット
43 研磨パッド
51 ドレッサ
58 パッド高さセンサ
60 ドレッサ制御部
71 ドレスモデル設定部
72 ベースプロファイル算出部
73 カットレート算出部
74 評価指標作成部
75 移動速度算出部
76 パッド高さ検出部
77 ドレッサ荷重設定部
78 パッド高さ補正部
79 補正データ記憶部
S1~S7 スキャンエリア
M1~M10 モニタエリア