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特許7638682検査装置、チェンジキット、チェンジキットの交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-21
(45)【発行日】2025-03-04
(54)【発明の名称】検査装置、チェンジキット、チェンジキットの交換方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20250225BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20250225BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20250225BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/68 A
H01L21/66 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020197194
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085481
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】保坂 広樹
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 浩
(72)【発明者】
【氏名】加賀美 史
(72)【発明者】
【氏名】帯金 正
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-034368(JP,A)
【文献】特開2020-145323(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188274(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/677
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能なチェンジキットを有する検査装置であって、
前記チェンジキットは、前記検査装置内に交換可能に取り付けられる第1の保持部及び第2の保持部を有し、
前記第1の保持部は、矩形基板を吸着して保持可能に構成され、
前記第2の保持部は、円形基板を吸着して保持可能に構成され、
前記検査装置内には、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を取り付けるための差込穴が設けられており、
前記第1の保持部は、
上面に前記矩形基板を吸着して保持する第1の吸着保持部と、
前記第1の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第1の差込ピンと、
を含み、
前記第2の保持部は、
上面に前記円形基板を吸着して保持する第2の吸着保持部と、
前記第2の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第2の差込ピンと、
を含み、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部は、検査対象の基板に応じて交換される、
検査装置。
【請求項2】
前記第1の保持部は、
前記第1の吸着保持部に保持された前記矩形基板の端部を前記第1の吸着保持部に向けて押下する押下部と、
を含む、請求項に記載の検査装置。
【請求項3】
前記チェンジキットは、前記検査装置内に交換可能に取り付けられる第1の搬送部及び第2の搬送部を更に有し、
前記第1の搬送部は、前記第1の保持部との間で前記矩形基板を受け渡し可能に構成され、
前記第2の搬送部は、前記第2の保持部との間で前記円形基板を受け渡し可能に構成され、
前記第1の搬送部及び前記第2の搬送部は、検査対象の基板に応じて交換される、
請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
検査装置に交換可能に取り付けられるチェンジキットであって、
前記検査装置内に交換可能に取り付けられる第1の保持部及び第2の保持部を有し、
前記第1の保持部は、矩形基板を吸着して保持可能に構成され、
前記第2の保持部は、円形基板を吸着して保持可能に構成され、
前記検査装置内には、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を取り付けるための差込穴が設けられており、
前記第1の保持部は、
上面に前記矩形基板を吸着して保持する第1の吸着保持部と、
前記第1の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第1の差込ピンと、
を含み、
前記第2の保持部は、
上面に前記円形基板を吸着して保持する第2の吸着保持部と、
前記第2の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第2の差込ピンと、
を含み、
前記第1の保持部及び前記第2の保持部は、検査対象の基板に応じて交換される、
チェンジキット。
【請求項5】
検査装置に交換可能に取り付けられるチェンジキットを交換する方法であって、
前記チェンジキットは、
前記検査装置内に交換可能に取り付けられる第1の保持部及び第2の保持部を有し、
前記第1の保持部は、矩形基板を吸着して保持可能に構成され、
前記第2の保持部は、円形基板を吸着して保持可能に構成され、
前記検査装置内には、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を取り付けるための差込穴が設けられており、
前記第1の保持部は、
上面に前記矩形基板を吸着して保持する第1の吸着保持部と、
前記第1の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第1の差込ピンと、
を含み、
前記第2の保持部は、
上面に前記円形基板を吸着して保持する第2の吸着保持部と、
前記第2の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第2の差込ピンと、
を含み、
検査対象の基板に応じて前記第1の保持部及び前記第2の保持部を交換する、
チェンジキットの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査装置、チェンジキット、チェンジキットの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の下面を吸着して保持する基板保持面を有し、該基板保持面に基板を吸着するための複数の領域に区分された吸引溝を設けたステージが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、複数の領域の少なくとも一つの領域において基板の一部分を吸着された後、該領域に隣接する領域に基板の別の部分を吸着させることを繰り返すことによって、基板の全体をステージに吸着して保持させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-197707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、矩形基板と円形基板の両方の基板を検査できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による検査装置は、交換可能なチェンジキットを有する検査装置であって、前記チェンジキットは、前記検査装置内に交換可能に取り付けられる第1の保持部及び第2の保持部を有し、前記第1の保持部は、矩形基板を吸着して保持可能に構成され、前記第2の保持部は、円形基板を吸着して保持可能に構成され、前記検査装置内には、前記第1の保持部及び前記第2の保持部を取り付けるための差込穴が設けられており、前記第1の保持部は、上面に前記矩形基板を吸着して保持する第1の吸着保持部と、前記第1の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第1の差込ピンと、を含み、前記第2の保持部は、上面に前記円形基板を吸着して保持する第2の吸着保持部と、前記第2の吸着保持部の下面の中心から下方に延び、前記差込穴に差し込み可能な第2の差込ピンと、を含み、前記第1の保持部及び前記第2の保持部は、検査対象の基板に応じて交換される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、矩形基板と円形基板の両方の基板を検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の検査装置の一例を示す図
図2図1の検査装置の平面図
図3】矩形基板保持機構の一例を示す概略平面図
図4】矩形基板保持機構の一例を示す概略断面図
図5】矩形基板保持機構の取っ手の一例を示す図
図6】矩形基板保持機構のシャフトの一例を示す図
図7】シャフトの位置決めを説明するための図
図8】矩形基板保持機構のコネクタの一例を示すブロック図
図9】円形基板保持機構の一例を示す概略平面図
図10】円形基板保持機構のコネクタの一例を示すブロック図
図11】矩形基板用ピックが取り付けられた搬送機構の一例を示す図
図12】矩形基板用ピックを取り付ける前の搬送機構の一例を示す図
図13】円形基板用ピックが取り付けられた搬送機構の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
〔検査装置〕
図1及び図2を参照し、実施形態の検査装置の一例について説明する。
【0010】
検査装置1は、矩形基板と円形基板の両方の基板Wを検査可能な装置である。検査装置1は、ローダ部10、検査部20及び装置コントローラ30を有する。検査装置1は、装置コントローラ30の制御の下、ローダ部10から検査部20へ検査対象の基板Wを搬送し、基板Wに形成された被検査デバイス(DUT:Device Under Test)に電気信号を与えて種々の電気特性を検査する。基板Wは、例えば矩形基板、円形基板であってよい。矩形基板としては、例えばPLP(Panel Level Package)が挙げられる。円形基板としては、例えば半導体ウエハが挙げられる。
【0011】
ローダ部10は、ロードポート11、アライナ12及び基板搬送機構13を有する。ロードポート11は、基板Wを収容したカセットCを載置する。アライナ12は、基板Wの位置合わせを行う。基板搬送機構13は、ロードポート11に載置されたカセットC、アライナ12及び後述する載置台21の間で基板Wを搬送する。ローダ部10では、まず、基板搬送機構13は、カセットCに収容された基板Wをアライナ12に搬送する。続いて、アライナ12は、基板Wの位置合わせを行う。続いて、基板搬送機構13は、位置合わせされた基板Wをアライナ12から検査部20に設けられた載置台21に搬送する。
【0012】
検査部20は、ローダ部10に隣接して配置されている。検査部20は、載置台21、昇降機構22、XYステージ23、プローブカード24及びアライメント機構25を有する。
【0013】
載置台21は、載置面を有する。載置台21は、載置面に基板Wを載置する。載置台21は、例えば真空チャックを含む。
【0014】
昇降機構22は、載置台21の下部に設けられており、載置台21をXYステージ23に対して昇降させる。昇降機構22は、例えばステッピングモータを含む。
【0015】
XYステージ23は、昇降機構22の下部に設けられており、載置台21及び昇降機構22を2軸方向(図中のX方向及びY方向)に移動させる。XYステージ23は、検査部20の底部に固定されている。XYステージ23は、例えばステッピングモータを含む。
【0016】
プローブカード24は、載置台21の上方に配置されている。プローブカード24の載置台21側には、複数のプローブ24aが形成されている。プローブカード24は、ヘッドプレート24bに着脱自在に取り付けられている。プローブカード24には、テストヘッドTを介してテスタ(図示せず)が接続されている。
【0017】
アライメント機構25は、カメラ25a、ガイドレール25b及びアライメントブリッジ25cを有する。カメラ25aは、アライメントブリッジ25cの中央に下向きに取り付けられており、載置台21、基板W等を撮像する。カメラ25aは、例えばCCDカメラやCMOSカメラである。ガイドレール25bは、アライメントブリッジ25cを水平方向(図中のY方向)に移動可能に支持する。アライメントブリッジ25cは、左右一対のガイドレール25bによって支持されており、ガイドレール25bに沿って水平方向(図中のY方向)に移動する。これにより、カメラ25aは、アライメントブリッジ25cを介して、待機位置とプローブカード24の中心の真下(以下「プローブセンタ」という。)との間を移動する。プローブセンタに位置するカメラ25aは、アライメントの際、載置台21がXY方向に移動する間に載置台21上の基板Wの電極パッドを上方から撮像し、画像処理して表示装置40に撮像画像を表示する。
【0018】
係る検査部20では、まず、アライメント機構25は、載置台21上の基板Wに形成された被検査デバイスの電極パッドと、プローブカード24の複数のプローブ24aとの位置合わせを行う。続いて、昇降機構22は、載置台21を上昇させて、プローブカード24の複数のプローブ24aを対応する電極パッドに接触させる。続いて、装置コントローラ30は、テスタからの検査用信号をテストヘッドT及びプローブカード24の複数のプローブ24aを介して基板Wに形成された被検査デバイスに印加することにより、被検査デバイスの電気特性を検査する。
【0019】
装置コントローラ30は、載置台21の下方に設けられ、検査装置1の全体の動作を制御する。装置コントローラ30に設けられたCPUは、ROM、RAM等のメモリに格納された品種パラメータに従って、所望の検査を実行する。なお、品種パラメータは、ハードディスクやROM、RAM以外の半導体メモリに記憶されてもよい。また、品種パラメータは、コンピュータにより読み取り可能な、CD-ROM、DVD等の記録媒体に記録された状態で所定位置に挿入され、読み出されるようにしてもよい。
【0020】
〔チェンジキット〕
実施形態の検査装置1に交換可能に取り付けられるチェンジキットの一例について説明する。チェンジキットは、矩形基板を検査する際に用いられる矩形基板保持機構及び矩形基板用ピックと、円形基板を検査する際に用いられる円形基板保持機構及び円形基板用ピックと、を含む。実施形態の検査装置1においては、矩形基板を検査する場合、載置台21として矩形基板保持機構が取り付けられ、基板搬送機構13のピックとして矩形基板用ピックが取り付けられる。また、実施形態の検査装置1においては、円形基板を検査する場合、載置台21として円形基板保持機構が取り付けられ、基板搬送機構13のピックとして円形基板用ピックが取り付けられる。以下、矩形基板保持機構、円形基板保持機構、矩形基板用ピック及び円形基板用ピックの一例について説明する。
【0021】
(矩形基板保持機構)
図3図8を参照し、実施形態の矩形基板保持機構の一例について説明する。図3は、実施形態の矩形基板保持機構の一例を示す概略平面図である。図4は、実施形態の矩形基板保持機構の一例を示す概略断面図であり、図3における一点鎖線IV-IVにおいて切断した断面を示す。なお、図3では矩形基板保持機構が基板を保持していない状態を示し、図4では矩形基板保持機構が基板を保持している状態を示す。
【0022】
矩形基板保持機構100は、矩形基板W1を保持可能に構成される。矩形基板保持機構100は、載置台110、複数の保持部120、突出部130、昇降機構140、水平移動機構150、取っ手160、シャフト170及びコネクタ180を有する。
【0023】
載置台110は、矩形状の載置面111を有する。載置台110は、載置面111に矩形基板W1を載置する。載置台110は、例えば真空チャックを含む。載置台110は、下部に接続される昇降機構22により昇降する。
【0024】
複数の保持部120は、載置面111の4辺に対応して設けられている。複数の保持部120は、保持部120a~120eを含む。保持部120a,120cは、載置面111の対向する2辺のうちの一方に対応して設けられている。保持部120aと保持部120cとは、載置面111を挟んで対向して配置されている。保持部120b,120d,120eは、載置面111の対向する2辺のうちの他方に対応して設けられている。保持部120bと保持部120d,120eとは、載置面111を挟んで対向して配置されている。保持部120a~120eは、長手方向が載置面111の辺と平行である略矩形状を有する。保持部120a~120cは、それぞれ長手方向の長さが載置面111の1辺と略同じ長さを有する。保持部120d,120eは、それぞれ長手方向の長さが載置面111の1辺の1/3程度の長さを有する。保持部120dは載置面111の1辺の一方の端部側に設けられ、保持部120eは載置面111の該1辺の他方の端部側に設けられている。これにより、保持部120dと保持部120eとの間には隙間Dが形成され、該隙間Dを介して搬送アーム(図示せず)が載置台110の上方に挿入される。各保持部120a~120eは、上面121、下面122及び壁部123を含む。上面121は、基板Wの周縁部の下面を保持する。下面122は、載置台110に載置された基板Wの周縁部の上面を押下する。壁部123は、上面121から上方に延び、上面121に保持された基板Wの端面と接触可能に構成される。
【0025】
突出部130は、各保持部120a~120eの下面から突出し、載置台110に載置された基板Wの端面と接触して基板Wの位置を補正する。突出部130は、例えば棒状を有する。突出部130は、各保持部120a~120cの長手方向における中心を挟んで対称に2つ設けられている。また、突出部130は、各保持部120d,120eの長手方向における略中心に設けられている。ただし、突出部130の数は一例であって、これに限定されない。また、突出部130は、例えば各保持部120a~120eの長手方向に沿って延びる板状を有していてもよい。
【0026】
昇降機構140は、載置台110の外周壁に固定されている。昇降機構140は、載置台110に対して複数の保持部120を昇降させる。昇降機構140は、例えばガイド付きシリンダであってよい。
【0027】
水平移動機構150は、昇降機構140に昇降自在に取り付けられている。水平移動機構150は、複数の保持部120を閉位置と開位置との間で水平移動させる。閉位置は、基板Wの周縁部の下面を保持したり、基板Wの周縁部の上面を押下したりする位置であり、複数の保持部120が載置台110に近づいた位置である。開位置は、閉位置よりも載置台110から外方に離間した位置である。水平移動機構150は、例えばロータリーアクチュエータであってよい。
【0028】
取っ手160は、載置台110の対向する2つの側壁112に、それぞれネジ等の締結部材により着脱自在に取り付けられる。作業者は、取っ手160を保持して矩形基板保持機構100の取り付け及び取り外しを行うことができるので、作業性が向上する。取っ手160は、例えば検査装置1において矩形基板W1を検査する際に取り外される。そのため、矩形基板保持機構100からの取っ手160の取り外し忘れを防ぐために、作業者が視認しやすい位置に識別部161を設けることが好ましい。
【0029】
識別部161は、作業者が視認しやすい場所、例えば取っ手160の上面に設けることが好ましい。識別部161は、例えば矩形基板保持機構100とは異なる色の表示や、治具であることを示す文字であってよい。図5の例では、識別部161は、取っ手160の上面に貼り付けられた黄色のラベルと、該ラベルに付された黒色の文字「FIXTURE」とを含む。
【0030】
シャフト170は、載置台110の下面113の中心に取り付けられている。シャフト170は、台座171及び差込ピン172を含む。
【0031】
台座171には、ネジ173の軸部が挿通可能な複数(例えば4つ)の挿通孔171aが形成されている(図7)。各挿通孔171aは、ネジ173の軸部よりも僅かに大きい内径を有する。台座171は、挿通孔171aに挿通されるネジ173により、載置台110の下面113に固定される。
【0032】
差込ピン172は、略棒状を有し、昇降機構22の上面に形成された差込穴(図示せず)に差し込み可能に形成されている。差込ピン172を該差込穴に差し込み、図示しない吸引手段をオンすることで、昇降機構22に矩形基板保持機構100が吸着固定される。
【0033】
シャフト170を載置台110の下面113に取り付ける際、例えば図7に示されるように、中心出し治具190を用いることが好ましい。中心出し治具190は、小径部191、テーパ部192及び大径部193を含む。小径部191は、台座171に形成された挿通孔171aよりも小さく、かつ、載置台110の下面113に形成されたネジ穴114と略同じ外径を有する。テーパ部192は、小径部191と大径部193との間の部位であり、小径部191の外径から大径部193の外径にテーパ状に拡径する外径を有する。大径部193は、台座171の挿通孔171aよりも大きい外径を有する。シャフト170を載置台110の下面113に取り付ける際、差込ピン172を挟んで対向する2つの挿通孔171aのそれぞれに中心出し治具190の小径部191を挿通し、テーパ部192が動かなくなるまで中心出し治具190をねじ込む。そして、中心出し治具190をねじ込んだ状態で、中心出し治具190を挿通していない2つの挿通孔171aにネジ173を挿通し、載置台110の下面113に形成されたネジ穴114に締結する。続いて、中心出し治具190を取り外し、該中心出し治具190が取り外された2つの挿通孔171aにネジ173を挿通し、載置台110の下面113に形成されたネジ穴114に締結する。これにより、載置台110の下面113の中心に精度よくシャフト170が取り付けられる。その結果、円形基板保持機構200から矩形基板保持機構100に交換する際に、矩形基板保持機構100の中心位置のずれを抑制できる。
【0034】
コネクタ180は、矩形基板保持機構100で用いられる各種のチューブ、ケーブル等を集約する(図8)。円形基板保持機構200から矩形基板保持機構100に交換する際、矩形基板保持機構100側のコネクタ180と検査装置1側のコネクタ(図示せず)とを接続することで、各種のチューブ、ケーブル等が互いに接続される。コネクタ180は、例えば真空チューブL11、エアチューブL12、信号ケーブルL13、ファイバケーブルL14、ヒータケーブルL15、温度センサケーブルL16を含む。また、コネクタ180は、検査装置1に矩形基板保持機構100が取り付けられたことを装置コントローラ30に認識させるための認識端子L17を含んでいてもよい。なお、コネクタ180は、1つに集約されている必要はなく、機能別に集約するように構成してもよい。
【0035】
(円形基板保持機構)
図9及び図10を参照し、実施形態の円形基板保持機構の一例について説明する。図9は、実施形態の円形基板保持機構の一例を示す概略平面図である。
【0036】
円形基板保持機構200は、円形基板W2を保持可能に構成される。円形基板保持機構200は、載置台210、シャフト270及びコネクタ280を有する。
【0037】
載置台210は、円形状の載置面211を有する。載置台210は、載置面211に円形基板W2を載置する。載置台210は、例えば真空チャックを含む。載置台210は、下部に接続される昇降機構22により昇降する。
【0038】
シャフト270は、載置台210の下面の中心に取り付けられている。シャフト270は、前述の矩形基板保持機構100におけるシャフト170と同じ構成であってよい。
【0039】
コネクタ280は、円形基板保持機構200で用いられる各種のチューブ、ケーブル等を集約する(図10)。矩形基板保持機構100から円形基板保持機構200に交換する際、円形基板保持機構200側のコネクタ280と検査装置1側のコネクタ(図示せず)とを接続することで、各種のチューブ、ケーブル等が互いに接続される。コネクタ280は、例えば真空チューブL21、ヒータケーブルL22、温度センサケーブルL23を含む。また、コネクタ280は、検査装置1に円形基板保持機構200が取り付けられたことを装置コントローラ30に認識させるための認識端子L24を含んでいてもよい。
【0040】
(矩形基板用ピック)
図11及び図12を参照し、矩形基板用ピックの一例について説明する。図11は、矩形基板用ピックが取り付けられた搬送機構の一例を示す図である。図12は、矩形基板用ピックを取り付ける前の搬送機構の一例を示す図である。
【0041】
矩形基板用ピック300は、矩形基板保持機構100との間で矩形基板W1を受け渡し可能に構成される。矩形基板用ピック300は、先端部310及び基端部320を有する。
【0042】
先端部310は、略U字形状を有する。先端部310の上面には、複数(例えば4つ)の真空吸着パッド311が設けられている。真空吸着パッド311は、矩形基板W1を真空吸着して保持する。
【0043】
基端部320は、基板搬送機構13のアーム14に着脱自在に取り付けられる。基端部320は、位置出し部位321を含む。矩形基板用ピック300をアーム14に取り付ける際、基端部320の位置出し部位321をアーム14に対して基準通りに取り付けることで、円形基板用ピック400から矩形基板用ピック300に交換する際の調整作業を簡略化できる。
【0044】
図11及び図12の例では、アーム14は、着座面14a、第1の位置決め面14b及び第2の位置決め面14cを含む。基端部320の位置出し部位321は、載置面321a、押し当て面321b及び位置決め面321cを含む。矩形基板用ピック300をアーム14に取り付ける際、載置面321aを着座面14aに載置し、押し当て面321bを第1の位置決め面14bに押し当てると共に、位置決め面321cが第2の位置決め面14cに対して面一となるようにする。
【0045】
なお、図11の例では、基端部320に1つの先端部310が取り付けられている場合を示したが、これに限定されない。例えば、基端部320に2つ以上の先端部310が多段に取り付けられていてもよい。これにより、複数の矩形基板W1を同時に搬送できる。
【0046】
(円形基板用ピック)
図13を参照し、円形基板用ピックの一例について説明する。図13は、円形基板用ピックが取り付けられた搬送機構の一例を示す図である。
【0047】
円形基板用ピック400は、円形基板保持機構200との間で円形基板W2を受け渡し可能に構成される。円形基板用ピック400は、先端部410及び基端部420を有する。
【0048】
先端部410は、略U字形状を有する。先端部410の上面には、複数(例えば3つ)の真空吸着パッド411が設けられている。真空吸着パッド411は、円形基板W2を真空吸着して保持する。
【0049】
基端部420は、矩形基板用ピック300の基端部320と同じ構成であってよい。
【0050】
なお、図13の例では、基端部420に1つの先端部410が取り付けられている場合を示したが、これに限定されない。例えば、基端部420に2つ以上の先端部410が多段に取り付けられていてもよい。これにより、複数の円形基板W2を同時に搬送できる。
【0051】
上記の実施形態において、矩形基板保持機構100は第1の保持部の一例であり、載置台110は第1の吸着保持部の一例であり、シャフト170は第1の差込ピンの一例である。また、円形基板保持機構200は第2の保持部の一例であり、載置台210は第2の吸着保持部の一例であり、シャフト270は第2の差込ピンの一例である。また、矩形基板用ピック300は第1の搬送部の一例であり、円形基板用ピック400は第2の搬送部の一例である。
【0052】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 検査装置
100 矩形基板保持機構
200 円形基板保持機構
W1 矩形基板
W2 円形基板
図1
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図11
図12
図13