(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-25
(45)【発行日】2025-03-05
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 5/54 20060101AFI20250226BHJP
B65D 5/462 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
B65D5/54 Z
B65D5/462 100
(21)【出願番号】P 2021055033
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2020107101
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】末廣真也
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】スイス国特許発明第00589538(CH,A5)
【文献】特開2016-196309(JP,A)
【文献】特開2016-074477(JP,A)
【文献】実開昭47-017927(JP,U)
【文献】米国特許第02661142(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
B65D 5/462
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体を収容する収容空間を構成する構造体に、切断線により形成されて前記構造体から起立可能な分離形成構造としての持ち手構造部を備える包装体において、
前記切断線は切れ込み部と繋ぎ部とからなり、
前記持ち手構造部の対称軸である中央基準線に対して、所定の前記切れ込み部の切断終端側端部と前記繋ぎ部の切断開始側端部との境界点を起点とする切り込み線が設けられ、
前記切り込み線は、前記境界点から前記持ち手構造部の起立方向と平行ないし鋭角に伸びる基部と、該基部から変向して前記繋ぎ部の末端部ないし末端部近傍に向かう先端部とを有するとともに、
前記切り込み線が、前記持ち手構造部の起立方向と平行な繋ぎ部中央線よりも前記境界点側の範囲に収まるように設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記切り込み線は、屈曲する直線、または、切り込み線の中点と切り込み線開始点である前記境界点とを結ぶ基準方向線が前記持ち手構造部の起立方向と平行ないし鋭角となる曲線で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
被包装体を収容する収容空間を構成する構造体
の所定の面に、切断線により形成されて前記構造体から起立可能な分離形成構造としての持ち手構造部を備える包装体において、
前記切断線は切れ込み部と繋ぎ部とからなり、
前記所定の面において前記持ち手構造部の領域外であって前記繋ぎ部の近傍に起点を有する切り込み線が設けられ、
前記切り込み線は、前記起点から延びる前記切り込み線の先端が前記持ち手構造部を向く少なくとも2辺を有するように設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項4】
切り起こし方向先端側の辺と前記切り込み線をもって切り起こす部分の起立方向との角度βが平行ないし鋭角となることを特徴とする、請求項3に記載の包装体。
【請求項5】
前記鋭角が1~40度の範囲であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項6】
前記持ち手構造部の外形形状が半円状又はU字状であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項7】
前記持ち手構造部の外形形状がコの字状又は台形形状であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項8】
前記切り込み線がくの字形状またはU字形状であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の包装体。
【請求項9】
前記切断線に前記切り込み線が2つ以上設けられていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項10】
前記切り込み線が設けられる前記繋ぎ部の末端側に、前記切り込み線に向かう末端側切り込み線が設けられ、
該末端側切り込み線は、前記繋ぎ部中央線よりも前記末端側の範囲に収まるように設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項11】
切れ込み部と繋ぎ部からなる押し込み部を、前記持ち手構造部の近傍に設けたことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項12】
前記押し込み部は、前記繋ぎ部を介して前記切断線に連絡されることを特徴とする、請求項11に記載の包装体。
【請求項13】
前記押し込み部の外形形状が、半円形、又はU字形状、あるいは四角形状であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の包装体。
【請求項14】
前記持ち手構造部が、被包装体を収める多重包装の内装箱の外側長手フラップ面に備えられることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項15】
前記持ち手構造部の外形を構成する前記切断線の末端部が、前記構造体における持ち手構造部配置面と隣接面との境界線に交わらないように前記境界線から離して設けられていることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項16】
前記持ち手構造部は、切り起こした際に前記フラップ面の外形線近傍に位置するように設けられることを特徴とする、請求項14に記載の包装体。
【請求項17】
前記持ち手構造部が、箱体として構成される前記構造体の面上に備えられることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項18】
前記構造体がシート状形成部材で構成されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項19】
前記シート状形成部材が段ボールであることを特徴とする、請求項18に記載の包装体。
【請求項20】
前記段ボールが、両面段ボール又は複両面段ボールであることを特徴とする、請求項19に記載の包装体。
【請求項21】
画像形成装置用作像系ユニットまたは画像形成装置を被包装体として包装することを特徴とする、請求項1~20のいずれか1項に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
精密機械等の製品を包装する仕様のうち、下記2つの条件に該当する場合は、製品保護品質を確保するため、
図20に示すように、被包装体である製品を製品固定用の段ボール製箱等の中箱2に入れ、これをさらに外箱3に入れて包装する“多重包装仕様”が採用される。
【0003】
<条件1>
図21に示すように、製品構造変形を防止するために剛性補助材5と中箱2により製品の剛性を補助することが必要。
<条件2>
図22に示すように、製品1の外形にピンやギア等の突起形状がある場合、固定・緩衝用に用いられる包装材4の形状や性質からして、製品外形と包装材とが点と面の局所接触になり、物流下において受ける振動や衝撃に煽られて負荷が掛かった際、包装材に穴が開いたり、または製品突起部に破損が生じたりするため、製品と固定・緩衝用包装材を直接嵌合することができない。
【0004】
一方で、多重包装仕様の課題として、客先での製品取り出し時、内側の製品入り中箱を取り出すにあたり、
図20に示すように、中箱2と外装箱(外箱3)間のクリアランス:Cは、物流費低減・包装材料資源削減の目的から、最小限に設けられているため、手指を差し入れるスペースが無く、取り出し難い点が有った。
【0005】
その対策として、持ち手部(把持部)を分離形成する為の分離形成部を中箱に設け、客先納品時に適時中箱から把持部を分離形成可能とする技術が既に考えられ、知られている。
【0006】
特許文献1(実開平02-102329号公報)には、厚紙、段ボール等からなる箱体の上面片に、非切断部として半円形ないしコの字形のミシン目等で形成された切断線を一重又は二重に設けた包装ケースが開示されている。
【0007】
この包装ケースによれば、切断線を切り離すことによって把手に相当する把持片が形成されるため、この把持片を持って引き上げることにより、容易に外箱から中箱を取り出すことができる、というものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこの構成では、切り起こし作業などにより包装体に大きな力が掛かった場合、切断による応力の限界を超えたとたんに勢いよく切断が生じてしまい、分離形成後の機能を損なう恐れがあるという問題があった。
【0009】
本発明は、従来の包装体における上記の問題を解決し、持ち手構造部が分断することなく、確実に持ち手構造部を起立させることのできる包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するため、本発明は、被包装体を収容する収容空間を構成する構造体に、切断線により形成されて前記構造体から起立可能な分離形成構造としての持ち手構造部を備える包装体において、前記切断線は切れ込み部と繋ぎ部とからなり、前記持ち手構造部の対称軸である中央基準線に対して、所定の前記切れ込み部の切断終端側端部と前記繋ぎ部の切断開始側端部との境界点を起点とする切り込み線が設けられ、前記切り込み線は、前記境界点から前記持ち手構造部の起立方向と平行ないし鋭角に伸びる基部と、該基部から変向して前記繋ぎ部の末端部ないし末端部近傍に向かう先端部とを有するとともに、前記切り込み線が、前記持ち手構造部の起立方向と平行な繋ぎ部中央線よりも前記境界点側の範囲に収まるように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の包装体においては、持ち手構造部が分断することなく、確実に持ち手構造部を起立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態にかかる包装体の一部分を模式的に示す平面図である。
【
図2】本発明の別な実施形態にかかる包装体の一部分を模式的に示す平面図である。
【
図3】本発明の別な実施形態にかかる包装体の一部分を模式的に示す平面図である。
【
図4】曲線として構成された切り込み線の例を示す模式図である。
【
図5】把持部の切り起こし作業について説明するための模式図である。
【
図6】切り込み線の配置等について説明するための図である。
【
図8】切り込み線のさらに別例を示す平面図である。
【
図10】繋ぎ部末端側にも切り込み線を設けた構成例を示す部分拡大図である。
【
図11】押し込み部を把持部の近傍に設けた構成例を示す平面図である。
【
図12】把持部を切り起こす際の問題について説明する図である。
【
図13】切断線の末端部を延長して中箱の構造部に連結するようにした構成を示す図である。
【
図14】中箱の外側長手フラップ面に把持部を設けた構成を示す斜視図である。
【
図15】把持部が中箱の側壁上端部付近に位置するように構成した例を示す斜視図である。
【
図16】実施例ではない構成例を示す斜視図である。
【
図17】中箱を構成する段ボール製シートの一例を示す展開図である。
【
図18】把持部を中箱の側面に配置して設けた構成例を示す斜視図である。
【
図19】検証実験に用いた構成を示す平面図である。
【
図20】多重包装仕様について説明するための斜視図である。
【
図21】剛性補助材と中箱により製品の剛性を補助する構成について説明する斜視図である。
【
図22】製品外形と包装材の局所接触について説明するための斜視図である。
【
図23】従来技術の課題について説明するための平面図である。
【
図24】把持部の分離形成時に想定される負荷・力の方向について示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、従来技術の課題の一つである、持ち手構造部(把持部)の切り起こしに大きな力が必要となる点について、
図23を参照して説明する。
図23において、包装体である中箱10の上面部11に、把持部12(持ち手構造部)を切り起こし形成するためのミシン目等の切断線13が、本例の場合は2重に設けられている。切断線13は、切れ込み部13aと、繋ぎ部13bとからなる。図では、外側の切断線13の、ひとつの切れ込み部13aの端部から不具合切断線hsが伸びている様子が示されている。この不具合切断線hsは、把持部12の切り起こし作業時に大きな力が掛かり、勢いよく切断が生じてしまったものである。そのため、把持部本来の機能が損なわれてしまう。
【0014】
さて、上記不具合切断線hsの始点付近を図中に拡大して示してある。その拡大部において、まっすぐ下方に伸びている一点鎖線の矢印が、分離形成部としての把持部12を切り起こす際の起立方向を示す起立方向線ksである。また、切れ込み部13aの接線方向に伸びる一点鎖線の矢印が、切断線の方向、すなわち正しく切断されるべき方向を示す切断方向線ssである。そして、切断方向線ssと起立方向線ksとのなす角度を「α」として示す。
【0015】
上記切断方向線ssと起立方向線ksとが平行ないし角度αが小さい場合は、切り起こしに必要な力は小さくて済み、また、不具合切断も生じずに、正常な切断により適正な把持部12(持ち手構造部)が切り起こし形成される。
【0016】
一方で、上記切断方向線ssと起立方向線ksが平行とならず、特に角度αが45度以上となる場合、切り起こし作業により、繋ぎ部13bと隣り合う切れ込み部13aの境界点である切断開始点に掛かる、起立方向(矢印ks)へ向く力と、切断線13の切断方向(切断方向線ss)へ向く力の、応力集中により切断がし易い方向にずれが生じ、応力集中による切断が進行し難い関係になるため、切断させながら切り起こすにあたり、大きな力を要していた。
【0017】
このことに対し、発明の実施形態においては、包装体に持ち手構造部(把持部)を分離形成するための切断線の繋ぎ部の位置及び点数は従来と同様に確保しつつ、予め繋ぎ部と、隣り合う切れ込み部の境界点を起点として、持ち手構造部(把持部)の起立方向線に対して平行又は鋭角となる(上記の角度αがゼロないし鋭角となる)角度関係の切り込み線を設けている。
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる包装体の一部分を模式的に示す平面図である。なお、以下において、
図23で説明したものと同一ないし同等の部分には同じ符号を付して説明する。
【0019】
図1において、包装体である中箱10の上面部11に、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)を切り起こし形成するためのミシン目等の切断線13が、本例の場合は2重に設けられている。切断線13は、切れ込み部13aと、繋ぎ部13bとからなり、両者が交互に並んで形成される。
【0020】
また、本例の場合、把持部12が切り起こされた場合にその形状がほぼ半円形となるように、2本の(2重の)切断線13,13が設けられている。この2重の切断線13,13は、共に、中央基準線Jを基準として左右がほぼ対称となるように設けられる。すなわち、中央基準線Jは、把持部12の対称軸である。
図1において、中心基準線Jは、上面部11と隣接面18の境界線(図の点線部)における把持部12の外側端部H1及び外側端部H2の間の距離の中間地点を通っている。
【0021】
切断線13の一つの繋ぎ部付近(所定の繋ぎ部付近)を図中に拡大して示してある。その拡大部に示すように、切断線の切れ込み部13aの切断終端側端部と繋ぎ部13bの切断開始側端部との境界点Pを起点として、図中に矢印khで示す起立方向(把持部12を起立させるための方向)と平行な方向に伸びる切り込み線14が設けられている。
【0022】
すなわち、所定の切れ込み部13aと繋ぎ部13bとの境界点Pを起点とする切り込み線14が設けられる。この切り込み線14は、前記境界点Pから持ち手構造部である把持部12の起立方向と平行ないし鋭角に伸びる基部14aと、その基部14aから変向して繋ぎ部の末端部13btないし末端部近傍に向かう先端部14cとを有している。さらに、この切り込み線14は繋ぎ部13bの中央よりも前記境界点P側の範囲に収まるように設けられている。
【0023】
図1では、外側及び内側の切り込み線14はそれぞれ、中央基準線Jに最も近い切断線13の切れ込み部13aに形成され、中央基準線Jの両側に計4箇所形成されている。図示のように、外側の切り込み線14と内側の切り込み線14はペアで形成されている。
図1では、基部14aが起立方向khに平行な例を示してあるが、切り込み線14としては、上記したように、基部14aが起立方向kh(起立方向線ks)に対して鋭角となる角度関係であってもよい。
【0024】
図2は、本発明の別な実施形態にかかる包装体の一部分を模式的に示す平面図である。
図2では、外側の切り込み線14は、中央基準線Jに対して2番目の切断線13の切れ込み部13aに2箇所形成されているのに対し、内側の切り込み線14は、中央基準線Jに最も近い切断線13の切れ込み部13aに2箇所形成されている。他の部分は
図1のものと同様であるため、説明を省略する。
【0025】
図3は、本発明の別な実施形態にかかる包装体の一部分を模式的に示す平面図である。
図3では、外側の切り込み線14は、中央基準線Jに最も近い切断線13の切れ込み部13aに、1箇所形成されている。また、内側の切り込み線14は、中央基準線Jに最も近い切断線13の切れ込み部13aに1箇所形成されている。図示のように、切り込み線14の位置は、中央基準線Jに対して対称でなくてもよく、また外側の切り込み線14と内側の切り込み線14がペアで形成されなくてもよい。他の部分は
図1のものと同様であるため、説明を省略する。
【0026】
なお、
図1乃至
図3に示す切り込み線14は、屈曲する直線として設けられた例であるが、切り込み線としては曲線でもよい。
図4に曲線として構成された切り込み線の例を示す。
図4(a)は、切り込み線14を有する切断線13を示す模式図であり、
図4(b)は、
図4(a)において丸で囲まれた部分の拡大図である。
【0027】
図4において、切り込み線14は、切り込み線の中点CPと切り込み線開始点である前記境界点Pとを結ぶ基準方向線kjが起立方向線ksと成す角度αが鋭角となる曲線で構成される。上記角度αが零度の場合は基準方向線kjが境界点Pを通る起立方向線ksと一致し、基準方向線kjが把持部起立方向khと平行な曲線となる。
【0028】
図1乃至
図4に示すような切り込み線14を設けたことにより、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)を起立させていく初期段階で、抵抗力をほとんど受けずに把持部12を起立させることができる。これにより、分離形成構造である把持部12が早期にベース構造部(中箱10の構造体)から離れることで、ベース構造部の干渉による抵抗力を除き、また切り起こし作業の作用力の方向性として、分解される力が一部起立方向と平行になるため、繋ぎ部13bの切断を促すことができ、より省力的に把持部12の切り起こし作業が可能となる。
【0029】
図5は、把持部12の切り起こし作業について説明するための模式図である。この図では、把持部12が設けられる中箱の上面部11(ベース構造部)を厚み方向から見た状態で示してある。図において、起立当初の分離力(把持部12を上面部11から分離させる力)はほぼ真上方向(垂直方向)に作用する。起立当初は、切断線13の両側にある上面部11と把持部12の間で干渉が生じるが、切り込み線14を設けたことにより、切り起こしが始まってすぐに上面部11から離れることで上面部11の干渉による抵抗力を除くことができる。また同様に分離力が斜め方向に作用する状態となる。そのため、分離力は垂直方向成分と起立方向成分とを有することになり、この起立方向成分によって把持部の分離が促される。これらのことから、より省力的に把持部12の切り起こし作業が可能となる。
【0030】
ところで、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)を分離形成する際に、把持部12を切り起こし初期段階でわずかに起立させるという目的においては、切り込み線14の上記角度αは、起立方向khに平行である場合が最も効果を発揮する。その一方、切り込み線14の上記角度αが鋭角になるように設ける場合(
図4(b)参照)は、設けた切り込み線の長さのうち、起立方向に分解される長さが有効な長さとなることから、極力角度αが0度に近い鋭角とするのが望ましい。
【0031】
また、切り込み線14は、既存の繋ぎ部の長さを減少させないように、極力長さを短く設ける必要が有り、角度αを大きくした場合には有効な長さが確保できない。検証として、長さ5mmの切り込み線を角度αが45度に設定した場合、把持部12の初期段階の起立現象効果はほとんど生じず、特に45度以上とした場合は分離に大きな力を要し、また分離形成構造が分断してしまう問題が生じた。一方で40度以下の鋭角となる場合は、効果を得られると確認したため、上記角度αの範囲は40度以下とする。
従来技術について前述したように、分離形成構造である把持部(持ち手構造部)は、本来は作業者により人為的に適時に分離形成されるべき役割を持つ。そのため、把持部(持ち手構造部)を備えた箱が組み立てられる際、また包装貨物として輸送される際の振動・衝撃に煽られる負荷によって、把持部(持ち手構造部)が不適切に分離形成する事があってはならない。
【0032】
このため、把持部(持ち手構造部)には予め多方向の引張り負荷に耐え得るべく、ベース構造部との繋ぎ部を、広範囲の中で複数箇所、且つ十分な長さで設けておく必要がある。
図24に、把持部の分離形成時に想定される、切断線13の繋ぎ部13bに掛かる負荷・力の方向について示す。繋ぎ部13bの場所によって、想定される負荷・力の方向が異なることが分かる。
【0033】
また、従来技術では
図23で説明したように、把持部12を切断させながら切り起こすにあたり、切断に対する応力の限界を迎えた途端に勢いよく一気に切断が生じ、力の作用方向に把持部が分断(不具合切断)してしまい、分離形成後の機能を損なう問題があった。
そこで、
図1に示す実施形態において、切り込み線14は、把持部12を起立させるための起立方向khに伸びる基部14aと、屈曲点14bで変向して(方向が変えられて)伸びる先端部14cとを有している。この先端部14cの方向は、繋ぎ部13bの末端部13btないし末端部13bt近傍に向く方向となるように設けられる。
【0034】
図1乃至
図3の切り込み線14における基部14a及び先端部14cは共に直線として設けられ、屈曲点14bで方向が変えられているが、基部14aと先端部14cの間を曲線により連絡してもよい。また、
図4に示すように、切り込み線14を曲線として設けてもよい。その場合も、曲線状の切り込み線14の先端が繋ぎ部13bの末端部13btないし末端部13bt近傍に向く方向となるように設けられる。
なお、
図1乃至
図4の例いずれにおいても、切断線13が2重にある場合は、2重の切断線13それぞれに切り込み線14を設ける。また、切り込み線14を設ける位置(どの繋ぎ部13bに設けるか)は適宜設定できるが、把持部12の対称軸(中心)を示す中央基準線Jに比較的近い位置に設けるのが良い。
図6のように、複数個所の繋ぎ部13bに切り込み線14を設けることも可能である。
図6では、半径の大きい側の切断線13に複数個所の切り込み線14(中央基準線Jの片側で2つ、両側では計4つ)を設けた例を示してある。
【0035】
図7に、切り込み線の別例を示す。
図7に示す切り込み線34は、切断線13における繋ぎ部13bと切れ込み部13aとの境界点を起点とせず、繋ぎ部13b近傍に切り込み線34の起点kpを定めている。また、起点kpから延びる切り込み線34の先端が分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)へ向くように少なくとも2辺が設けられる。さらに、切り込み線34をもって切り起こす部分の起立方向をkkとするとき、切り起こし方向先端側の辺44eが起立方向線kkに対する角度βがゼロ(起立方向線kkに平行)又は鋭角となるように設けられる。
図の例では、切り込み線34は2つの辺34d,34eを有して「く」の字形をしており、各辺34d,34eが交わる切り込み線34の起点kpは繋ぎ部13b近傍に位置している。切り起こし方向先端側の辺44eの起立方向線kkに対する角度αは鋭角となるように設定されている。
【0036】
このような構成においては、切り込み線34の各辺で囲われる範囲を人為的に図面奥側へ押し込むことで、把持部12に向けた切り込み線34の先端から必然的に把持部12に向けて切断が進み、その切断部が切断線13に合流することから、省力的に、且つ把持部12が切断してしまう不具合なく分離形成構造部(把持部12)を分離形成させることができる。複数個所の繋ぎ部13bに切り込み線34を設けても良い。
【0037】
図8は、切り込み線のさらに別例を示すものである。
図8の切り込み線44が
図5の物と異なっているのは、「く」の字形ではなく、「U」字形をしていることである。「U」字の頂点が起点kpであり、その起点kpは繋ぎ部13b近傍に位置している。本例では、切り起こし方向先端側の辺44eは起立方向線kkに平行に設けられている。
【0038】
なお、
図7,8に示す例において、切り起こし方向先端側の辺44eの起立方向線ksに対する角度αを0(ゼロ)~40度に設定する根拠は、前述のように、分離形成構造部(把持部12)がほとんど抵抗力を受けることなくベース構造(この場合は上面11)の干渉を除き、また分離形成構造部(把持部12)の切り起こしの作業力を、切断方向に分解できる点に加え、起立方向線と自然に応力集中により切断する方向が合うことから、小さな力で切断が進行可能な効果が生じる為の角度限定である。
【0039】
図9は、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)の形状が異なる3例を示す図である。
図9(a)の半円形の把持部12は、
図1~8等で上記説明してきたものであり、切り込み線14が設けられている。
図9(b)の把持部12は、四角形(正方形、長方形)形状をした把持部の例であり、
図7にも示した「く」の字形の切り込み線34が設けられている。
図9(c)の把持部12は、台形形状をした把持部の例であり、
図8にも示した「U」字形の切り込み線44が設けられている。いずれの形状の把持部12においても、切断線13に上記説明した切り込み線14,34又は44を設けることで、把持部12の切り起こしを小さな力で容易に切り起こし可能とし、かつ、把持部12が分断することなく、確実に持ち把持部を起立させることが可能となる。
【0040】
図10は、切断線13の繋ぎ部13bの末端側(繋ぎ部切断方向の末端側)にも切り込み線を設けた構成例を示す部分拡大図である。
図10には、切断線13における一つの繋ぎ部13bとその両側の切れ込み部13aを拡大して示してある。この繋ぎ部13bは始点側端部st(繋ぎ部切断の始点側)に切り込み線14が設けられたものである。その先端側の切り込み線14に加えて、末端側端部mt(繋ぎ部切断方向の末端側)にも切り込み線15が設けてある。
【0041】
上記切り込み線(末端側切り込み線)15は、繋ぎ部13bの末端側端部を起点として先端側(始点側)の切り込み線14の終端に向かう方向に設けられている。末端側切り込み線15の長さは、繋ぎ部13bの中央よりも末端側の範囲内(図における繋ぎ部中央線tsよりも左側の範囲内)に収まるものとする。
【0042】
このように、切断線13の繋ぎ部13bにおいて、先端側(始点側)の切り込み線14に加えて末端側にも切り込み線15を設けたことにより、繋ぎ部13bの始点側端部stから始まる切断の進行が、確実に繋ぎ部13bの末端側端部mtに到着することを促し、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)の崩れを抑制できる。特に切断のし難い破れ強度の高い材料を用いる場合に有効である。
【0043】
図11は、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)の切り起こし作業において、作業開始時に押し込んで切り起こしを容易にするための、押し込み部を把持部12の近傍に設けた構成例である。
図11(a)に示すのは、「U」字形の押し込み部16を備えるものである。
図11(b)に示すのは、「コ」の字形(又は四角形)の押し込み部16を備えるものである。押し込み部16を押し込んで開口する穴に指を掛け、把持部12を切り起こすことで、分離形成構造の起立を容易に行うことが可能となる。押し込み部16は、切れ込み部16aと繋ぎ部16bからなり、繋ぎ部16bを介して内側の切断線に連絡されることで、把持部12の近傍に設けられる。
【0044】
ところで、分離形成構造である把持部12(持ち手構造部)を切り起こす際に、
図12に示すように、本来起立させる必要のない部分(図にクロスハッチングを付して示す部分)であって、中箱10の上面部11の一部11aが把持部12と一緒になって起立してしまうことが考えられる。そうなると、切り起こした把持部12の指を掛けるための半円形又はコの字形の穴部分(図では半円形)が中箱10の上面部11の一部11aによって塞がれてしまうことになる。
【0045】
そこで
図13に示すように、切断線13の末端部13cが中箱10のベース構造部の折れ線m(または後述するフラップ外形線fg:
図14)と交わらないように離して設ける。すなわち、把持部12(持ち手構造部)の外形を構成する切断線末端部が、中箱10(構造体)における上面部11(持ち手構造部配置面)と隣接面18との境界線(m又はfg)に交わらないように前記境界線から離して設けられている。これにより、把持部12の指を掛けるための半円形又はコの字形の穴部分(図では半円形)が、把持部12と一緒に起立しなくなり、把持部の穴が塞がってしまうことを防止できる。
【0046】
また、
図14に示すように、把持部12は、中箱10の外側長手フラップ面(開閉される面)19に設ける。この場合はフラップ面19が記持ち手構造部配置面となり、フラップ外形線fgが隣接面18との境界線となる。これにより、中箱10を外箱内に収納した多重包装において、中箱10を容易に外箱から取り出すことができる。また、把持部12は、切り起こした際にフラップ外形線fgの近傍に位置するように設けられる。これにより、
図15に示すように、把持部12が中箱10の側壁(図に斜線を付した部分)の上端部付近に位置するようになるため、内部に収められた被包装体質量を持ち上げる力の作用点が中箱10の側壁上端部付近となり、箱持ち上げ時に外側長手フラップ面19を開放させる力が働かず、フラップを固定する粘着テープに力が掛かり難くなることから、粘着テープが剥がれてしまって瞬間的に落下し不安定状態に陥ることを防止できる。
【0047】
図16は、実施例ではない構成例を示すもので、把持部32を中箱30の上面中央寄りに配置した例である。この場合、内容品荷重と把持部を持ち上げる力が中央部寄りに掛かるため、フラップ開放力が生じてしまい、フラップ32を固定する粘着テープNTに力が掛かって剥がれる恐れがある。
【0048】
なお、実施形態において、中箱10としては両面段ボールもしくは複両面段ボールを用いることができる。重量物の被包装体を入れる場合は複両面段ボールを用いることが好適である。
【0049】
図17は、中箱10を構成する段ボール製シートの一例を示す展開図である。この図に示す中箱10は、両側に4枚のフラップ19を配置し、そのフラップ19と折り線20を介して接する胴枠部21で構成される。4枚のフラップ19は図で上側のフラップ19A及び19Bが天フラップとなり、図で下側のフラップ19C及び19Dが底フラップとなる。分離形成構造である把持部12(
図22には示していない)は天フラップ19Aと19Bとに設けられる。
【0050】
図18は、分離形成構造である把持部12を中箱10の側面18に配置して設けた構成例である。図では隠れている反対側の側面にも把持部12が設けられる。本例では、中箱側面に設けた把持部12を切り起こした穴22を利用して、追加同梱品を中箱10内に投入可能である。
最後に、本発明の特徴的な構成である切り込み線14を備えていないものと、備えたものとを用いて、分離形成構造である把持部12を切り起こす際の力について検証した実験について説明する。
【0051】
<検証1>
図19において、左側が切り込み線14を備えていない包装体、右側が切り込み線14を備える本実施形態の包装体である。いずれの構成においても、把持部12を切り起こす分離形成構造部の押し込み部16の中央部に穴Hを設け、この穴Hを起点に、把持部12を切り起こす際に必要な引き込み力を、プッシュプルゲージを用いて測定した。検証実験での引き起こし方向は、図中に矢印で示す方向である。3回行った実験での最大引き開け力と平均値を次の表1に示す。
【0052】
【0053】
A型すなわち切り込み線14を備えていない構成では平均値が8133.3gfであるのに対し、切り込み線14を備えた実施形態の構成では、平均値が2073.3gfとなっている。よって、切り込み線14を備えた実施形態の構成が、より小さな力で把持部12を切り起こし可能であることが実証された。
【0054】
なお、包装体を構成する材料としてのシート状形成部材は段ボールシートに限定されるものではなく、任意の形成部材を使用可能である。現状では衝撃緩衝性や環境性能、重量、価格、入手性、資源回収性及びリサイクル性等、多くの点で段ボールシートは優れており、実施形態でも材料として段ボールシートを使用している。将来的に有利な材料が開発・実現された場合には、そのような素材を用いて本発明を実施可能である。
【0055】
本発明による包装体においては、持ち手構造部を起立させていく初期段階で、抵抗力をほとんど受けずに起立させることができるので、構造体の干渉による抵抗力を除き、また、繋ぎ部の切断を促すことができることから、より省力的に持ち手構造部の切り起こし作業が可能となる。また、持ち手構造部が分断することなく、確実に持ち手構造部を起立させることができる。
【0056】
また、切り込み線は、屈曲する直線、または、切り込み線の中点と切り込み線開始点である前記境界点とを結ぶ基準方向線が前記持ち手構造部の起立方向と平行ないし鋭角となる曲線で構成されることにより、曲線状の切り込み線によっても、省力的に持ち手構造部の切り起こし作業が可能となる。また、持ち手構造部が分断することなく、確実に持ち手構造部を起立させることができる。
【0057】
また、切り込み線が、繋ぎ部の近傍を起点とし、先端が持ち手構造部を向く少なくとも2辺を有するように設けられ、切り起こし方向先端側の辺と切り込み線をもって切り起こす部分の起立方向との角度βが平行ないし鋭角となることでも、省力的に持ち手構造部の切り起こし作業が可能となる。
【0058】
また、前記鋭角が1~40度の範囲であることで、起立方向との角度が平行な場合と同様の効果を奏することができる。
【0059】
また、前記持ち手構造部の外形形状が半円状又はU字状であることで、持ち手構造部をスムーズに切り起こすことができる。
【0060】
また、持ち手構造部の外形形状がコの字状又は台形形状であることで、多様な形状の持ち手構造部を可能とし、その場合でも容易な切り起こし作業が可能となる。
【0061】
また、切り込み線がくの字形状またはU字形状であることでも、不具合切断を防止することができる。
【0062】
また、切断線に前記切り込み線が2つ以上設けられていることで、確実な切断を実現することができる。
【0063】
また、切り込み線が設けられる前記繋ぎ部の末端側に、前記切り込み線に向かう末端側切り込み線が設けられ、その末端側切り込み線は、前記繋ぎ部の中央よりも前記末端側の範囲に収まるように設けられていることで、両方の切り込み線によりさらに確実で容易な切り起こしを行うことができる。
【0064】
また、切れ込み部と繋ぎ部からなる押し込み部を、前記持ち手構造部の近傍に設けたことで、押し込み部を押し込んで穴を開口させ、その穴に指を掛けて持ち手構造部の起立作業を行うことが可能となる。そのため、より容易に持ち手構造部を起立させることができる。
【0065】
また、前記押し込み部は、前記繋ぎ部を介して前記切断線に連絡されることで、押し込み部から切断線へと切断を続けさせることが可能となり、より確実かつ容易に持ち手構造部を起立させることができる。
【0066】
また、前記押し込み部の外形形状が、半円形、又はU字形状、あるいは四角形状であることで、多様な形状の押し込み部による容易な切り起こし作業を行うことができる。
【0067】
また、前記持ち手構造部を、被包装体を収める多重包装の内装箱の外側長手フラップ面に備えられることで、複数の箱体からなる多重包装において、内装箱を外装箱から容易に取り出すための持ち手構造部を形成することができる。
【0068】
また、前記持ち手構造部の外形を構成する前記切断線の末端部が、前記構造体における前記持ち手構造部配置面と隣接面との境界線に交わらないように前記境界線から離して設けられていることで、本来起立させる必要のない部分が持ち手構造部とともに起立してしまうことを防止できる。またこれにより、持ち手構造の開口部分が塞がってしまうことを防ぐことができる。
【0069】
また、前記持ち手構造部は、切り起こした際に前記フラップ面の外形線近傍に位置するように設けられることで、持ち手構造部を内装箱側壁上付近に位置するよう形成できるため、被包装体質量を持ち上げる力の作用点が内装箱側壁上付近に位置することとなり、内装箱の持ち上げ時に外側長手フラップが開口する力が働かず、フラップを固定する粘着テープに力が掛かり難いことから、粘着テープが剥がれる事で瞬間的に内装箱が落下し不安定状態に陥ることを防止できる。
【0070】
また、前記持ち手構造部が、箱体として構成される前記構造体の面上に備えられることで、例えば中箱側面に設けた把持部を切り起こした穴を利用して、追加同梱品を包装体内に投入可能である。
【0071】
また、前記構造体がシート状形成部材で構成されることで、包装体を低コストで構成することができる。
また、前記シート状形成部材が段ボールであることにより、コスト低下を図るとともに、環境性能、重量、価格、入手性、資源回収性及びリサイクル性等を高い水準でバランス良く実現することが可能となる。
【0072】
また、その段ボールが、両面段ボール又は複両面段ボールであることにより、多様な性能要求に対応することができる。被包装体の質量が大きく、包装体にも相応な剛性を必要とする場合には複両面段ボールで適応できる。
【0073】
また、画像形成装置用作像系ユニットや画像形成装置を被包装体として包装することにより、重量の大きな被包装体を収めた中箱を、確実に起立された持ち手構造部を利用して安全に取り出すことができる。そのため、作像系ユニットや画像形成装置の故障や破損を未然に防止することができる。
【0074】
以上、本発明を図示例に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。包装体の形状や大きさ、あるいは持ち手構造部の大きさや形状、位置なども、適宜に設定できるものである。
被包装体としての画像形成装置用作像系ユニットは、作像部本体のユニットに限らず、各種内蔵ユニットであっても良い。また、画像形成装置はプリンタに限らず、複写機やファクシミリあるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【符号の説明】
【0075】
10 中箱(包装体)
11 構造体(ベース構造、持ち手構造部配置面)
12 把持部(分離形成構造、持ち手構造部)
13 切断線
13a 切れ込み部
13b 繋ぎ部
14,34,44 切り込み線
14a 基部
14c 先端部
15 末端側切り込み線
16 押し込み部
17 切断線延長部
18 中箱側面(構造体、隣接面)
19 フラップ面
20 折り線
α 切り込み線と起立方向との角度
β 先端側切り込み線と切り起こす部分の起立方向との角度
J 中央基準線
kh 起立方向
kj 基準方向線
kk 起立方向線
kp 切り込み線の起点
ks 起立方向線
m 境界線
P 境界点
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】