(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】プロセスキットの中心合わせ測定のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20250227BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/66 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023085019
(22)【出願日】2023-05-24
(62)【分割の表示】P 2021503140の分割
【原出願日】2019-07-31
【審査請求日】2023-06-19
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ポッター, チャールズ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】モー, イーライ
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-003557(JP,A)
【文献】特開2004-279081(JP,A)
【文献】特開2017-228754(JP,A)
【文献】特開2015-099839(JP,A)
【文献】特開2006-173607(JP,A)
【文献】特表2013-516602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面、前記第1の表面の反対側の第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間の端面を含む、基板と、
前記端面に沿って
第1の間隔で配置された複数のセンサであって、各センサが
自己参照容量センサであ
り、各センサは、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔を置いて互いに隣接する第1のプローブと第2のプローブとを備え、前記第1のプローブの出力位相が、前記第2のプローブの出力位相から180度オフセットされている、複数のセンサと
を備える、センサウエハ。
【請求項2】
前記複数のセンサは、少なくとも3つのセンサを含む、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項3】
各センサに近接する前記基板の前記第1の表面の中に凹部を更に備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項4】
前記凹部は、前記端面から少なくとも1.0mm後方に延在する、請求項
3に記載のセンサウエハ。
【請求項5】
前記基板の前記第2の表面に複数の第2のセンサを更に備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項6】
前記第2のセンサは、前記第2の表面から凹んでいる、請求項
5に記載のセンサウエハ。
【請求項7】
前記複数のセンサのそれぞれの下方に電界ガードを更に備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項8】
前記複数のセンサに通信可能に結合された計算モジュールを更に備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項9】
前記計算モジュールが、電源、プロセッサ、メモリ及び無線通信モジュールのうちの、1以上を備える、請求項
8に記載のセンサウエハ。
【請求項10】
前記基板が300mmの直径を有する、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項11】
チャンバ内のプロセスキットの位置を特定する方法であって、
プロセスキットをチャンバの中で支持面の周りに配置すること、
センサウエハを前記支持面上に配置することであって、前記センサウエハは基板を備え、前記基板は、第1の表面、前記第1の表面の反対側の第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間の端面を含み、前記センサウエハは、前記端面に沿って
第1の間隔で配置された複数のセンサを更に備え、各センサは
自己参照容量センサであ
り、前記自己参照容量センサは、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔を置いて互いに隣接する第1のプローブと第2のプローブとを備え、前記第1のプローブの出力位相が、前記第2のプローブの出力位相から180度オフセットされている、センサウエハを前記支持面上に配置することと、
前記複数のセンサのそれぞれと前記プロセスキットの表面との間の間隙距離を特定することと、
前記間隙距離から、前記センサウエハの中心点に対する前記プロセスキットの中心点の第1の中心点オフセットを特定することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記支持面の中心点に対する前記センサウエハの前記中心点のオフセットである、第2の中心点オフセットを特定することを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記センサウエハの前記第1の表面にある第2のセンサを使用して、前記第2の中心点オフセットを特定する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の中心点オフセットに前記第1の中心点オフセットを加算することによって、総オフセットを特定することを更に含む、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月4日に出願された米国非仮出願第16/121,183号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、半導体製造の分野に関し、特に、プロセスキットの中心合わせ(centering)測定のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウエハのような基板の処理では、基板が、処理チャンバ内の支持面(例えば、静電チャック(ESC))上に配置される。典型的には、基板処理中に所望の処理特性を提供するために、支持面の周りにプロセスキットが配置される。支持面やプロセスキットが、プロセスキットの設置又は取り外し中に損傷を受けないように、プロセスキットは、支持面の周囲に緩く(間隙を有する状態で)適合する。所望の均一性を提供するために、プロセスキットは、基板及び支持面に対して正確に中心合わせされる必要がある。
【0004】
現在、プロセスキットは手動で設置されている。したがって、プロセスキットの中心合わせは、現在、人為的な誤差の影響を受け易い。手動で設置した後に、エッチング速度試験又は粒子試験などの様々な試験を実施して、プロセスキットが適切に中心合わせされていることを確認してもよい。しかし、このような試験は費用がかかり、完了するのに何時間もかかることがある。更に、プロセスキットが中心外れ(off-center)していることが判明した場合、ポンプダウンの直後に中心合わせを確認できる場合に比べて、回復の時間が著しく長くなる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示される実施形態は、センサウエハを含む。一実施形態では、センサウエハが、基板を備え、基板は、第1の表面、第1の表面の反対側の第2の表面、及び第1の表面と第2の表面との間の端面を含む。一実施形態では、センサウエハが、端面に沿って形成された複数のセンサ領域を更に備え、各センサ領域は、自己参照容量センサ(self-referencing capacitive sensor)を備える。
【0006】
本明細書で開示される実施形態はまた、チャンバ内のプロセスキットの位置を特定する方法も含み得る。一実施形態では、該方法が、プロセスキットをチャンバの中で支持面の周りに配置することを含む。一実施形態では、該方法が、センサウエハを支持面上に配置することを更に含んでよく、センサウエハは、支持面によって支持される第1の表面、第1の表面の反対側の第2の表面、及び第1の表面を第2の表面に接続する端面を含み、複数のセンサ領域が端面に形成されている。一実施形態では、該方法が、複数のセンサ領域のそれぞれとプロセスキットの表面との間の間隙距離を特定することを更に含み得る。一実施形態では、該方法が、間隙距離から、センサウエハの中心点に対するプロセスキットの中心点の中心点オフセットを特定することを更に含み得る。
【0007】
本明細書で開示される実施形態はまた、チャンバ内のプロセスキットの位置を特定する方法を含んでもよい。一実施形態では、該方法が、プロセスキットをチャンバの中で支持面の周りに配置することを含む。一実施形態では、該方法は、センサウエハを支持面上に配置することを更に含み、センサウエハは、支持面によって支持される第1の表面、第1の表面の反対側の第2の表面、及び第1の表面を第2の表面に接続する端面を含み、第1の複数のセンサ領域が端面に形成され、第2の複数のセンサ領域が第1の表面に形成されている。一実施形態では、該方法が、複数の第1のセンサ領域のそれぞれとプロセスキットの表面との間の間隙距離を特定することを更に含む。一実施形態では、該方法が、間隙距離から第1の中心点オフセットを特定することを更に含み、第1の中心点オフセットは、センサウエハの中心点に対するプロセスキットの中心点のオフセットである。一実施形態では、該方法が、複数の第2のセンサ領域を用いて、支持面の複数の縁部位置を特定することを更に含む。一実施形態では、該方法が、複数の縁部位置を用いて、第2の中心点オフセットを特定することを更に含み、第2の中心点オフセットは、センサウエハの中心点に対する支持面の中心点のオフセットである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、プロセスキットのオフセットを測定するためのセンサウエハを有する処理ツールの断面概略図である。
【
図2】一実施形態による、縁部センサを有するセンサウエハの平面図である。
【
図3】一実施形態による、縁部センサを有するセンサウエハの斜視図である。
【
図4A】一実施形態による、縁部センサを有するセンサウエハの部分断面図である。
【
図4B】一実施形態による、縁部センサ及び電界ガードを有するセンサウエハの部分断面図である。
【
図4C】一実施形態による、縁部センサ及び上面凹部を有するセンサウエハの部分断面図である。
【
図5】一実施形態による、支持面の中心に対するプロセスキットのオフセットを測定するためのセンサウエハを有する処理ツールの断面概略図である。
【
図6A】一実施形態による、支持面の中心に対するセンサウエハの位置を測定するためのセンサ領域と、プロセスキットの位置を測定するための縁部センサ領域とを有する、センサウエハの下面の平面図の例示である。
【
図6B】一実施形態による、下部センサ領域を有するセンサウエハの部分断面図である。
【
図7】一実施形態による、プロセスツール、及び支持面の中心に対するプロセスキットのオフセットを特定するための配置コントローラの概略図である。
【
図8】一実施形態による、センサウエハに対するプロセスキットのオフセットを特定するためのプロセスのフロー図である。
【
図9】一実施形態による、支持面の中心に対するプロセスキットのオフセットを特定するためのプロセスのフロー図である。
【
図10】一実施形態による、支持面の中心に対するプロセスキットのオフセットを特定することを含むプロセスと併せて使用され得る、例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
縁部センサを有するセンサウエハを含むシステム、及び、そのようなセンサウエハを使用して、プロセスキットの中心合わせ測定を行う方法が、様々な実施形態に従って説明される。以下の説明では、実施形態の網羅的な理解を提供するために多数の具体的な詳細事項が明記される。実施形態は、これらの具体的な詳細がなくとも実践可能であることが、当業者には明らかになろう。他の事例では、実施形態が不必要に不明瞭にならないように、周知の態様については詳細に説明していない。更に、添付の図に示す様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれていないことを理解されたい。
【0010】
上述されたように、プロセスキットは、現在、手動で処理ツール内に設置及び中心合わせされる。プロセスキットが基板に対して適切に中心合わせされていることを確認するために、複数の基板が処理ツール内で処理されて、エッチング速度をモニタし及び/又は粒子試験を実行する。多くの基板が処理された後にのみ、プロセスキットが適切に中心合わせされていることを確認できる。このプロセスでは、処理ツールのための休止時間(down time)が何時間もかかり、費用も高い。
【0011】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、プロセスキットのオフセットを直接的に測定することができるセンサウエハを含む。したがって、プロセスキットが所望の許容範囲内に中心合わせされていることを確認するために、単一の試験手順が、処理ツールのポンプダウン後に実施されてもよい。プロセスキットの位置が所望の許容範囲外であることが判明した場合、広範な試験を必要とせずにプロセスキットを調整することができる。したがって、本明細書で開示される実施形態は、プロセスキットの中心合わせの精度が改善され得るので、処理ツールの休止時間の低減をもたらし、処理ツールによって実施されるプロセスの均一性を改善する。
【0012】
次に、
図1を参照すると、一実施形態による、処理ツール100の概略断面図が示されている。一実施形態では、処理ツール100が、処理ツール100内で処理される基板を支持するための支持面105を備え得る。支持面105は、静電チャック(ESC)などの任意の適切な支持面105であってよい。一実施形態では、プロセスキット125を支持面105の周囲に配置することができる。例えば、プロセスキット125は、支持面125を完全に取り囲むリングであってもよい。
【0013】
プロセスキット125は、支持面105の周囲に緩く(間隙を有する状態で)適合し得る。図示されているように、プロセスキット125の最内面123は、支持面105の最外面103の直径よりも大きい直径を有し得る。表面103と表面123は互いに直接接触していないので、プロセスキット125が支持面105から中心外れする余地がある。
【0014】
図1で示されているように、センサウエハ110を使用して、プロセスキット125が中心外れしているかどうかを測定することができる。一実施形態では、センサウエハ110が、製造ウエハと実質的に同じ寸法を有してよい。例えば、センサウエハ110は、標準ウエハ直径(例えば300mmなど)である直径を有してよい。
図1では、センサウエハ110が、プロセスキット125に対して不均一に離間する縁部を有する。例えば、
図1の左側の間隙G
1は、
図1の右側の間隙G
2よりも小さい。不均一な間隙G
1及びG
2は、プロセスキット125の中心線120がセンサウエハ110の中心線115から距離Dだけオフセットされていることをもたらす。
図1では、センサウエハの中心線115が、支持面105の中心に位置合わせされているが、実施形態は、このような構成に限定されない。後述する
図5は、センサウエハの中心線115が支持面105の中心と位置合わせされていない状況を説明する。
【0015】
一実施形態では、オフセット距離Dが、センサウエハ110の縁部とプロセスキット125の表面との間の間隙Gを、複数の箇所で測定することによって特定されてよい。特定の実施形態では、間隙Gが、センサウエハ110の縁部に形成された複数のセンサ領域で測定される。
図2~
図4Cは、様々な実施形態による、縁部センサ領域を有するセンサウエハ110の例示的な図を提供する。
【0016】
次に
図2を参照すると、一実施形態による、複数の縁部センサ領域235
1~235
nを有するセンサウエハ210の平面図の例示が示されている。一実施形態では、縁部センサ領域235が、センサウエハ210の周囲に分散される。各センサ領域235は、センサウエハ210の縁部とセンサウエハ210を取り囲むプロセスキット(図示せず)との間の間隙を測定するために使用される1以上のセンサを備える。縁部センサ領域235内の1以上のセンサは、容量センサであってよい。特定の実施形態では、縁部センサ領域235が、自己参照容量センサ(self-referencing capacitive sensor)を備えてよい。
【0017】
図示されている実施形態では、3つの縁部センサ領域235が示されている。しかし、3つ以上の縁部センサ領域235を使用して、センサウエハ210の中心に対するプロセスキットの中心のオフセットを測定してもよいことが理解されるべきである。より多くの縁部センサ領域235を提供することが、より正確な測定を提供するであろうことを、当業者は認識するであろう。
【0018】
一実施形態では、縁部センサ領域235のそれぞれが、トレース237を用いてセンサウエハ210の計算モジュール238と通信可能に結合されてよい。一実施形態では、計算モジュール238が、電源232(例えばバッテリ)、プロセッサ/メモリ234(例えば、縁部センサ領域235を用いて行われる測定を実施及び/又は記憶するための回路、メモリなど)、並びに無線通信モジュール233(例えば、Bluetooth、WiFiなど)のうちの1以上を備えてよい。一実施形態では、計算モジュール238が、センサウエハ210内に嵌め込まれてよい。加えて、計算モジュール238は、センサウエハ210の中央に示されているが、センサウエハ210内の任意の好都合な箇所に位置付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0019】
次に
図3を参照すると、一実施形態による、例示的な縁部センサ領域335の詳細を強調したセンサウエハ310の斜視図の例示が示されている。一実施形態では、センサウエハ310が、第1の表面311(例えば上面)、第2の表面313(例えば下面)、及び第1の表面311を第2の表面313に接続する端面312を含んでよい。一実施形態では、縁部センサ領域335が、端面312に沿って形成されてよい。
【0020】
特定の一実施形態では、縁部センサ領域335が、プローブ341を備えてよい。プローブ341(すなわち、各縁部センサ領域内のプローブ)は、自己参照容量プローブ(self-referencing capacitive probe)であってよい。すなわち、第1の縁部センサ領域335内の第1のプローブ341に供給される電流の出力位相は、隣の第2の縁部センサ領域335内の第2のプローブ341に供給される電流の出力位相から180度オフセットされてよい。したがって、端面312からプロセスキット(図示せず)の表面までの距離の測定を、プロセスキットが接地されることを必要とせずに行える。図示されている実施形態では、縁部センサ領域335が、単一のプローブを有するように示されている。しかし、幾つかの実施形態では、各縁部センサ領域335が、2つ以上のプローブ341を備えてよい。本明細書では、特に自己参照容量センサに言及するが、本明細書で開示される実施形態は、任意の適切なセンサ技術(例えば、レーザーセンサ、光センサなど)を含むことが理解されるべきである。
【0021】
次に
図4A~
図4Cを参照すると、様々な実施形態による、センサウエハ410の例示的な部分断面図が示されている。
図4Aでは、部分断面図が、縁部表面412と実質的に同一平面にあるセンサ領域435を描いている。一実施形態では、センサ領域435が、端面412から電界449を放出し、その結果、センサは、端面412とプロセスキットの表面との間の間隙を測定し得る。
【0022】
次に
図4Bを参照すると、一実施形態による、電界ガード447を有するセンサウエハ410の部分断面図が示されている。一実施形態では、電界ガード447が、センサウエハ410の下面413と縁部センサ領域435との間に形成された導電層であってもよい。縁部センサ領域435の電界449は、電界ガード447によって修正されてもよい。特に、電界ガード447は、縁部センサ領域435の電界449を修正して、電界449が、端面412からプロセスキットに向けて側方に延びるようにしてもよい。したがって、電界ガード447は、縁部センサ領域435内のセンサが、誤った読み取り値を提供し得るセンサウエハ410の下方の物体を検出するのを防止する。
【0023】
次に
図4Cを参照すると、一実施形態による、上面凹部448を有するセンサウエハ410の部分断面図が示されている。一実施形態では、上面凹部448を、センサ領域435に直接的に隣接した第1の表面411の中に形成することができる。上面凹部448は、センサ領域435のセンサが、上面411を検知し、誤った読み取り値を提供するのを防止するように作製されてよい。一実施形態では、上面凹部448が、距離Rだけ後方に延在してもよい。例えば、距離Rは、縁部検知領域435の最大検知距離と近似的に等しくてもよい。例えば、距離Rは、2.0mm以下であってもよい。
【0024】
次に、
図5を参照すると、一実施形態による、処理ツール500の断面概略図が示されている。処理ツール500は、センサウエハ510が、支持面505の中心点555に対するプロセスキット525の中心点520のオフセットを特定する機能を提供することを除いて、
図1に関して上述された処理ツール100と実質的に同様であってよい。
【0025】
そのような一実施形態では、センサウエハ510を使用して、第1のオフセットD1及び第2のオフセットD2を測定することができる。第1のオフセットD1は、プロセスキット525の中心線520に対するセンサウエハ510の中心線515のオフセットである。第1のオフセットD1は、センサウエハ510の縁部とプロセスキット525の表面との間の間隙(例えば、G1/G2)を、縁部センサで測定することによって特定されてもよい。第2のオフセットD2は、支持面505の中心線555に対するセンサウエハ510の中心線515のオフセットである。第2のオフセットD2は、下部対向センサを用いて、支持面505の端面503の縁部位置501を検出することによって特定されてもよい。一実施形態では、オフセットD1及びD2が、支持面505の中心線に対するプロセスキット525の中心線の総オフセットD3を計算するために共に加算されてもよい。
【0026】
次に
図6Aを参照すると、一実施形態による、縁部センサ領域635
1~635
n及び下部センサ領域665
1~665
nを有するセンサウエハ610の下面の平面図の例示が示されている。センサウエハ210と同様に、センサウエハ610は、電源632、プロセッサ/メモリ638、及び無線通信モジュール633のうちの1以上を収容する計算モジュール638を備えてよい。計算モジュール638は、導電性トレース637によって、縁部センサ領域635及び下部センサ領域665と通信可能に結合されてもよい。
【0027】
一実施形態では、縁部センサ領域6351~635nが、上述の縁部センサ領域235と実質的に同様であってよい。一実施形態では、下部センサ領域6651~665nが、それぞれ、支持面の縁部を検出するように構成された複数のセンサ(例えば容量センサ)を含んでもよい。センサウエハ610に対して複数の箇所(例えば3つ以上の箇所)で支持面の縁部を位置特定することによって、センサウエハ610の中心点に対する支持面の中心点を特定することができる。
【0028】
次に
図6Bを参照すると、一実施形態による、センサウエハ610の部分断面図、及び支持面605の一部分が示されている。図示されているように、下部センサ領域665は、支持面605に対向する第2の面613の凹部に形成されてもよい。一実施形態では、下部センサ領域665が、支持面605とセンサ領域665との間の間隔を特定するセンサ(例えば位置センサ)のアレイを備えてもよい。したがって、位置601において、下部センサ領域665内のセンサのアレイは、センサ領域665によって検出可能な下にある表面が存在しないので、支持面の縁部603が存在することを示すだろう。位置601の位置は、センサウエハ610の中心に対して知られる。そのようにして、3つ以上の位置601が特定されると、センサウエハ610の中心点に対する支持面605の中心点が計算され得る。
【0029】
次に
図7を参照すると、一実施形態による、プロセスキット725の位置を測定するプロセスを実施するための配置コントローラ770を有する処理ツール790の概略ブロック図が示されている。一実施形態では、プロセスキット725が、処理ツール790内で支持面705の周りに配置されてよい。例えば、プロセスキット725は、処理ツール790の内側に手動で設置されてよい。
【0030】
一実施形態では、配置コントローラ770が、処理ツール790の支持面705上にセンサウエハ710を配置するように、位置決めロボット776に指示命令を提供し得る。センサウエハ710は、上述したセンサウエハと同様なセンサウエハであってよい。例えば、センサウエハ710は、センサウエハ710の縁部とプロセスキット725の縁部との間の間隙G1~Gnを測定するための複数の縁部センサ領域を備えてよい。また、センサウエハ710は、支持面705の縁部位置7031~703nを特定するための複数の下部センサ領域も備えてよい。
【0031】
一実施形態では、センサウエハ710からのセンサ情報が、配置コントローラ770のセンサインターフェース771によって取得され得る。例えば、センサインターフェース771は、センサウエハ710から(例えば、無線通信モジュールを用いて無線で)センサ情報を受信することができる。配置コントローラ790は、ウエハ中心点モジュール772内のセンサ情報(例えば、縁部位置7031~703n)を利用して、支持面705の中心点に対するセンサウエハ710の中心点を特定することができる。配置コントローラ790は、プロセスキット中心点モジュール773内のセンサ情報(例えば、間隙G1~Gn)を利用して、プロセスキット725の中心点に対するセンサウエハ710の中心点を特定することができる。配置コントローラ770は、ウエハ中心点モジュール772及びプロセスキット中心点モジュール773からの結果を使用して、データベース775に供給されるオフセット値774を生成することができる。オフセット値774は、支持面705に対するプロセスキット725の総オフセットであってもよい。一実施形態では、総オフセット値774が所定の閾値を超えると、プロセスキット725の位置を再調整する必要があることを示す警告が生成されてよい。例えば、所定の閾値は、200ミクロン以上、又は100ミクロン以上であってもよい。
【0032】
次に
図8を参照すると、一実施形態による、センサウエハを用いて、プロセスキットの中心点を特定するためのプロセス880のフロー図が示されている。
【0033】
一実施形態では、動作880が、複数の縁部センサ領域を有するセンサウエハを支持面上に配置することを含む動作881で開始する。センサウエハは、本明細書で開示される実施形態に従って説明される任意のセンサウエハであってよい。一実施形態では、センサウエハが、
図7に関連して説明した実施形態と同様に、配置コントローラによって制御される位置決めロボットを用いて、支持面上に配置されてよい。
【0034】
一実施形態では、動作880が、複数の縁部センサ領域のそれぞれを用いて、センサウエハの縁部とプロセスキットの表面との間の間隙距離を特定することを含む動作882で継続してよい。例えば、縁部センサ領域は、自己参照容量センサを備えてよい。縁部センサ領域は、容量センサの電界を修正するために、それらの下方に電界ガードを有してもよい。更なる実施形態は、センサウエハの上面の誤った測定を排除するために、縁部センサ領域に近接する上面凹部を含んでもよい。
【0035】
一実施形態では、動作880が、複数の縁部センサ領域からの間隙距離を使用して、センサウエハ中心点に対するプロセスキット中心点の中心点オフセットを特定することを含む動作883で継続してよい。一実施形態では、中心点オフセットが、位置決めコントローラによって特定され、データベース内に記憶されてよい。中心点オフセットが所定の閾値より大きいときに、一実施形態では、プロセスキットが再配置されてよい。
【0036】
次に
図9を参照すると、一実施形態による、センサウエハを用いて、プロセスキットの中心点を特定するためのプロセス980のプロセスフロー図が示されている。
【0037】
一実施形態では、プロセス980が、複数の縁部センサ領域及び複数の下部センサ領域を有するセンサウエハを、支持面上に配置することを含む動作981で開始する。センサウエハは、本明細書で開示される実施形態に従って説明される任意のセンサウエハであってよい。例えば、センサウエハは、
図6Aで示されているセンサウエハ610と同様であってよい。
【0038】
一実施形態では、プロセス980が、複数の下部センサ領域を使用して、支持面の複数の縁部位置測定値を特定することを含む動作982で継続する。
【0039】
一実施形態では、動作980が、複数の縁部位置測定値を使用して、支持面の中心に対するセンサウエハの中心の第1の中心点オフセットを特定することを含む動作983で継続してよい。
【0040】
一実施形態では、プロセス980が、複数の縁部センサ領域のそれぞれを用いて、センサウエハの縁部とプロセスキットの表面との間の間隙距離を特定することを含む動作984で継続してよい。
【0041】
一実施形態では、プロセス980が、複数の縁部センサ領域からの間隙距離を使用して、センサウエハ中心点に対するプロセスキット中心点の第2の中心点オフセットを特定することを含む動作985で継続してよい
【0042】
次に
図10を参照すると、一実施形態による、処理ツールの例示的なコンピュータシステム1060のブロック図が示されている。一実施形態では、コンピュータシステム1060を配置コントローラとして使用することができる。一実施形態では、コンピュータシステム1060が、処理ツールに結合され、処理ツール内の処理を制御する。コンピュータシステム1060は、ネットワーク1061(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット)において、他のマシンに接続され(例えばネットワーク化され)得る。コンピュータシステム1060は、クライアント‐サーバネットワーク環境内でサーバ又はクライアントマシンの役割で、或いは、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内でピアマシンとして動作してよい。コンピュータシステム1060は、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB:set-top box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、そのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)指示命令のセットを実行可能な任意のマシンであり得る。更に、コンピュータシステム1060として単一のマシンのみを示しているが、用語「マシン」は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1以上を実施するために、指示命令のセット(又は複数のセット)を個々に、又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとも解釈すべきである。
【0043】
コンピュータシステム1060は、指示命令が記憶された非一過性のマシン読取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア1022を含んでよく、これらの指示命令は、実施形態に係る処理を実施するコンピュータシステム1060(又は他の電子機器)をプログラムするために使用され得る。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって可読な形態で情報を保存又は伝送するための任意の機構を含む。例えば、マシン読取可能(例えばコンピュータ読取可能)な媒体は、マシン(例えばコンピュータ)読取可能な記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、マシン(例えばコンピュータ)読取可能な伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の形態による伝播信号(例えば赤外線信号、デジタル信号など))などを含む。
【0044】
一実施形態では、コンピュータシステム1060が、バス1030を介して互いに通信し合う、システムプロセッサ1002、メインメモリ1004(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM:synchronous DRAM)又はランバスDRAM(RDRAM:Rambus DRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory))、スタティックメモリ1006(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)など)、及び二次メモリ1018(例えば、データ記憶装置)を含む。
【0045】
システムプロセッサ1002は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理ユニットなどの1以上の汎用処理装置を表す。より詳細には、システムプロセッサは、複合指示命令セット演算(CISC:complex instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC:reduced instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW:very long instruction word)マイクロシステムプロセッサ、他の指示命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は、指示命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサであり得る。システムプロセッサ1002は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP:digital signal system processor)、ネットワークシステムプロセッサといった、1以上の特殊用途処理装置でもあり得る。システムプロセッサ1002は、本明細書に記載の動作を実行するための処理ロジック1026を実施するように構成されている。
【0046】
コンピュータシステム1060は、他の装置又はマシンと通信するためのシステムネットワークインタフェース装置1008を更に含み得る。コンピュータシステム1060は、ビデオディスプレイユニット1010(例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、発光ダイオードディスプレイ(LED:light emitting diode)、又は陰極線管(CRT:cathode ray tube))、英数字入力デバイス1012(例えばキーボード)、カーソル制御デバイス1014(例えばマウス)、及び信号生成デバイス1016(例えばスピーカ)も含み得る。
【0047】
二次メモリ1018は、本明細書で説明される方法又は機能の任意の1以上を具現化する、1以上の指示命令セット(例えばソフトウェア1022)が記憶されたマシンアクセス可能な記憶媒体1031(又はより具体的にはコンピュータ読取可能な記憶媒体)を含み得る。このソフトウェア1022は、コンピュータシステム1060によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ1004及び/又はシステムプロセッサ1002の中にも常駐していてよく、メインメモリ1004及びシステムプロセッサ1002は、マシン可読記憶媒体も構成し得る。このソフトウェア1022は更に、システムネットワークインターフェースデバイス1008を介してネットワーク1061を経由して送信又は受信され得る。
【0048】
例示的な一実施形態では、マシンアクセス可能な記憶媒体1031を単一の媒体として示しているが、「マシン読取可能な記憶媒体(machine-readable storage medium)」という語は、1以上の指示命令セットが記憶された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、及び/又は、関連キャッシュ及びサーバ)を含むと解釈すべきである。用語「マシン可読記憶媒体」はまた、マシンによって実施される指示命令のセットを記憶すること又は符号化することが可能であり、且つ、方法のうちの任意の1以上をマシンに実施させる任意の媒体を含むとも解釈すべきである。従って、「マシン可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むがそれらに限定されないと解釈すべきである。
【0049】
前述の明細書において、特定の例示の実施形態を説明してきた。以下の特許請求の範囲から逸脱しない限り、例示の実施形態に様々な修正を加えることができることが明らかになろう。したがって、本明細書及び図面を限定的と捉えるのではなく、例として見なすべきである。