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特許7641972プラズマ処理システムのためのRF信号フィルタ構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】プラズマ処理システムのためのRF信号フィルタ構成
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20250228BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20250228BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20250228BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/68 R
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2022547223
(86)(22)【出願日】2021-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2021015956
(87)【国際公開番号】W WO2021158451
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2024-01-23
(31)【優先権主張番号】62/970,168
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マラクタノフ・アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】コザケヴィッチ・フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ビング
(72)【発明者】
【氏名】ボウミック・ラナディープ
(72)【発明者】
【氏名】ホランド・ジョン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228526(JP,A)
【文献】特開2014-082449(JP,A)
【文献】特開2011-135052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/683
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変エッジシースシステムであって、
プラズマ処理チャンバ内のウェハ支持領域を囲むエッジリングの底面に結合するように構成された結合リングと、
前記結合リング内に埋め込まれた環状形状を有する電極と、
前記結合リング内に埋め込まれた前記電極に結合し、それぞれが、前記結合リングの底面を通って形成された対応する孔を通って延びる複数のRF信号供給ピンと、
それぞれが前記複数のRF信号供給ピンに接続され、前記プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するために使用される対応するRF信号に対して高インピーダンスを供給するように構成されている複数のRF信号フィルタと、
リング状RF信号供給導線であって、前記複数のRF信号フィルタの各々は、前記複数のRF信号供給ピンのうちのそれぞれ1つと、前記リング状RF信号供給導線と、の間に電気的に接続されている、リング状RF信号供給導線と、
を含む可変エッジシースシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記プラズマ処理チャンバ内で前記プラズマを生成するために使用される前記対応するRF信号は、約1メガヘルツから約100メガヘルツの範囲内の1つ又は複数の周波数を有する、可変エッジシースシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号供給ピンのそれぞれは、前記複数のRF信号フィルタうちの対応するものに独占的に接続されている、可変エッジシースシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、
インピーダンス整合システムを介して電気的に接続され、前記結合リング内に埋め込まれた前記電極に、前記複数のRF信号フィルタと前記複数のRF信号供給ピンを介して、RF信号を供給するRF信号発生器をさらに含む、可変エッジシースシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記複数のRF信号フィルタのそれぞれが電気的に接続されたRF信号供給導線をさらに含む、可変エッジシースシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記複数のRF信号フィルタの前記RF信号供給導線への接続位置は、前記RF信号供給導線内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、可変エッジシースシステム。
【請求項7】
請求項5に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号フィルタと前記RF信号供給導線が、前記プラズマ処理チャンバ内の前記プラズマから分離された大気環境内に配置されている、可変エッジシースシステム。
【請求項8】
請求項5に記載の可変エッジシースシステムであって、
ンピーダンス整合システムのRF信号出力と前記RF信号供給導線との間に電気的に接続されたRF信号供給線をさらに含む、可変エッジシースシステム。
【請求項9】
請求項8に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記RF信号供給導線と前記RF信号供給線の両方に電気的に接続された第1の端子と、基準接地電位に電気的に接続された第2の端子とを有するコンデンサをさらに含む、可変エッジシースシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、導電性コイルとして形成されている、可変エッジシースシステム。
【請求項11】
請求項10に記載の可変エッジシースシステムであって、前記導電性コイルは、アルミニウム又は銅で形成されている、可変エッジシースシステム。
【請求項12】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、実質的に同じ構成を有する、可変エッジシースシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号供給ピンの前記結合リング内の前記電極への接続位置は、前記結合リング内の前記電極内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、可変エッジシースシステム。
【請求項14】
請求項1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号供給ピンの数は3つであり、前記複数のRF信号フィルタの数は3つである、可変エッジシースシステム。
【請求項15】
プラズマ処理システムであって、
頂面、底面及び外側面によって画定される実質的上円筒形状を有する1次電極と、
半導体ウェハを受け、かつ支持するように構成され、前記1次電極の前記頂面に配置されたセラミック層と、
インピーダンス整合システムを介して前記1次電極に電気的に接続され、RF信号を生成して前記1次電極に供給するように構成されたRF信号発生器と、
導電性材料で形成され、前記セラミック層を包囲するように構成され、また前記セラミック層に対して半径方向に隣接して配置されたエッジリングと、
前記エッジリングの底面に結合され、電気絶縁性材料で形成され、埋め込み電極を含む結合リングと、
前記埋め込み電極に電気的かつ物理的に接続し、それぞれが、前記結合リングの底面を通って形成された対応する孔を通って延びる複数のRF信号供給ピンと;
それぞれが前記複数のRF信号供給ピンに接続され、前記RF信号発生器によって前記1次電極に供給される前記RF信号に対して高インピーダンスを供給するように構成されている、複数のRF信号フィルタと、
リング状RF信号供給導線であって、前記複数のRF信号フィルタの各々は、前記複数のRF信号供給ピンのうちのそれぞれ1つと、前記リング状RF信号供給導線と、の間に電気的に接続されている、リング状RF信号供給導線と、
を含むプラズマ処理システム。
【請求項16】
請求項15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号供給ピンのそれぞれは、前記複数のRF信号フィルタうちの対応するものに独占的に接続されている、プラズマ処理システム。
【請求項17】
請求項15に記載のプラズマ処理システムであって、前記RF信号発生器は第1のRF信号発生器であり、前記インピーダンス整合システムは第1のインピーダンス整合システムであり、前記プラズマ処理システムは、第2のインピーダンス整合システムを介して電気的に接続され、前記複数のRF信号フィルタ及び前記複数のRF信号供給ピンを介して、RF信号を前記埋め込み電極に供給する第2のRF信号発生器を含む、プラズマ処理システム。
【請求項18】
請求項17に記載のプラズマ処理システムであって、
前記複数のRF信号フィルタのそれぞれが電気的に接続されたRF信号供給導線をさらに含む、プラズマ処理システム。
【請求項19】
請求項18に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタの前記RF信号供給導線への接続位置は、前記RF信号供給導線内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、プラズマ処理システム。
【請求項20】
請求項18に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタと前記RF信号供給導線が、前記セラミック層を覆うプラズマ処理領域から分離された大気環境内に配置されている、プラズマ処理システム。
【請求項21】
請求項18に記載のプラズマ処理システムであって、
前記第2のインピーダンス整合システムのRF信号出力と前記RF信号供給導線との間に電気的に接続されたRF信号供給線をさらに含む、プラズマ処理システム。
【請求項22】
請求項21に記載のプラズマ処理システムであって、
前記RF信号供給導線と前記RF信号供給線の両方に電気的に接続された第1の端子と、基準接地電位に電気的に接続された第2の端子と、を有するコンデンサをさらに含む、プラズマ処理システム。
【請求項23】
請求項15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、導電性コイルとして形成されている、プラズマ処理システム。
【請求項24】
請求項23に記載のプラズマ処理システムであって、前記導電性コイルは、アルミニウム又は銅で形成されている、プラズマ処理システム。
【請求項25】
請求項15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、実質的に同じ構成を有する、プラズマ処理システム。
【請求項26】
請求項15に記載のプラズマ処理システムであって、前記埋め込み電極は実質的に環状形状を有し、前記複数のRF信号供給ピンの前記埋め込み電極への接続位置は、前記埋め込み電極内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、プラズマ処理システム。
【請求項27】
請求項15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号供給ピンの数は3つであり、前記複数のRF信号フィルタの数は3つである、プラズマ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.開示の分野
【0002】
本開示は、半導体デバイスの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
【0004】
プラズマエッチングプロセスは、半導体ウェハ上の半導体デバイスの製造にしばしば使用される。プラズマエッチングプロセスでは、製造中の半導体デバイスを含む半導体ウェハが、プラズマ処理領域内で生成されたプラズマに曝露される。プラズマは、半導体ウェハ上の材料と相互作用して、半導体ウェハから材料を除去するか、及び/又は材料を改質してその後半導体ウェハから除去できるようにする。プラズマは、特定の反応ガスを使用して生成でき、これにより、プラズマの成分が、他のウェハ上の除去/改質されない材料と顕著な相互作用を起こすことなく、半導体ウェハから除去されるか或いは改質される材料と相互作用し得る。プラズマは、特定の反応ガスを励起するためのRF(Radiofrequency)信号を使用して生成される。これらのRF信号は、反応ガスを含むプラズマ処理領域内を伝送され、プラズマ処理領域には半導体ウェハが曝露可能に所持される。プラズマ処理領域を通るRF信号の伝送経路は、プラズマ処理領域内でプラズマがどのように生成されるかに影響し得る。例えば、より大量のRF信号電力が伝送されるプラズマ処理領域の範囲では、反応ガスがより大きく励起され得るため、プラズマ処理領域全体にわたってプラズマ特性の空間的不均一性をもたらす。プラズマ特性の空間的不均一性は、他のプラズマ特性の中でも、イオン密度、イオンエネルギー、及び/又は反応成分密度の空間的不均一性として現れ得る。プラズマ特性の空間的不均一性に対応して、半導体ウェハ上のプラズマ処理結果にも空間的不均一性が生じ得る。つまり、半導体ウェハ上のプラズマ処理結果の均一性は、RF信号がプラズマ処理領域を通ってどのように伝送されるかに影響され得る。本開示は、このような文脈において説明される。
【発明の概要】
【0005】
例示的一実施形態では、可変エッジシースシステムを開示する。可変エッジシースシステムは、プラズマ処理チャンバ内のウェハ支持領域を囲むエッジリングの底面に結合するように構成された結合リングを含む。また、可変エッジシースシステムは、結合リング内に埋め込まれた電極を含む。電極は、環状形状を有する。また、可変エッジシースシステムは、結合リング内に埋め込まれた電極に結合された複数のRF信号供給ピンを含む。複数のRF信号供給ピンは、結合リングの底面を通って形成された対応する孔をそれぞれ通って延びる。また、可変エッジシースシステムは、複数のRF信号供給ピンにそれぞれに接続された複数のRF信号フィルタを含む。複数のRF信号フィルタのそれぞれは、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するために用いられる対応するRF信号に対して高インピーダンスを供給するように構成されている。
例示的一実施形態では、プラズマ処理システムを開示する。プラズマ処理システムは、頂面、底面及び外側面によって画定される実質的上円筒形状を有する1次電極を含む。また、プラズマ処理システムは、1次電極の頂面に配置されたセラミック層を含む。セラミック層は、半導体ウェハを受け、かつ支持するように構成されている。また、プラズマ処理システムは、インピーダンス整合システムを介して1次電極に電気的に接続されたRF信号発生器を含む。RF信号発生器は、RF信号を発生して1次電極に供給するように構成されている。また、プラズマ処理システムは、導電性材料で形成され、セラミック層を包囲するように構成されたエッジリングを含む。エッジリングは、セラミック層に対して半径方向に隣接して配置される。また、プラズマ処理システムは、エッジリングの底面に結合された結合リングを含む。結合リングは、電気絶縁性材料で形成されている。結合リングは、埋め込み電極を含む。また、プラズマ処理システムは、埋め込み電極と電気的かつ物理的に接続された複数のRF信号供給ピンを含む。複数のRF信号供給ピンは、結合リングの底面を通って形成された対応する孔をそれぞれ通って延びる。また、プラズマ処理システムは、複数のRF信号供給ピンにそれぞれ接続された複数のRF信号フィルタを含む。複数のRF信号フィルタのそれぞれは、RF信号発生器によって1次電極に供給されるRF信号に対して高インピーダンスを供給するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態に係る、半導体チップ製造に用いるプラズマ処理システムの垂直断面図を示す。
【0007】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態に係る、図1Aのシステムにおいてカンチレバーアームアセンブリを下方に移動させ、ドアを介したウェハの移動を可能にする様子を示す。
【0008】
図2図2は、いくつかの実施形態に係る、セラミック層及び電極の上面図を示す。
【0009】
図3A図3Aは、いくつかの実施形態に係る、インピーダンス整合システムの電気的概略図を示す。
【0010】
図3B図3Bは、いくつかの実施形態に係る、TESインピーダンス整合システムの電気的概略図例を示す。
【0011】
図4図4は、いくつかの実施形態に係る、固定外側支持フランジの垂直断面の拡大図を示す。
【0012】
図5図5は、いくつかの実施形態に係る、連結外側支持フランジと固定外側支持フランジの上面図を示し、連結外側支持フランジと固定外側支持フランジとの間に接続された多数の導電性ストラップを示す。
【0013】
図6図6は、いくつかの実施形態に係る、連結外側支持フランジと固定外側支持フランジの頂部の斜視図を示し、連結外側支持フランジと固定外側支持フランジとの間に接続された多数の導電性ストラップを示す。
【0014】
図7図7は、いくつかの実施形態に係る、導電性ストラップの等角図を示す。
【0015】
図8A図8Aは、いくつかの実施形態に係る、上部電極の垂直断面図を示す。
【0016】
図8B図8Bは、いくつかの実施形態に係る、上部電極の上面図を示す。
【0017】
図9A図9Aは、いくつかの実施形態に係る、結合リングとエッジリング間の接続の垂直断面拡大図を示す。
【0018】
図9B図9Bは、いくつかの実施形態に係る、結合リングに接続されたホールドダウンロッドの垂直断面拡大図を示す。
【0019】
図9C図9Cは、いくつかの実施形態に係る、結合リングの上面斜視図を示す。
【0020】
図10A図10Aは、いくつかの実施形態に係る、カンチレバーアームアセンブリの内部に配置されるTESシステムの一部の底面斜視図を示す。
【0021】
図10B図10Bは、いくつかの実施形態に係る、それぞれが導電性コイルとして構成されたTES RF信号フィルタを有する、図10Aに示されるようなTESシステムの底面斜視図を示す。
【0022】
図11図11は、いくつかの実施形態に係る、すべてのTES RF信号供給ピンに対して単一のTES RF信号フィルタを使用する代替TESシステムの底面斜視図を示す。
【0023】
図12A図12Aは、いくつかの実施形態に係る、図11のTESシステムを用いて得られたウェハ全体にわたるプラズマ処理結果のウェハマップを示す。
【0024】
図12B図12Bは、いくつかの実施形態に係る、図1A図1B図3B図9A図9B図9C図10A、及び図10BのTESシステムを用いて得られた、ウェハ全体にわたるプラズマ処理結果のウェハマップを示す。
【0025】
図12C図12Cは、いくつかの実施形態に係る、TES RF信号供給ピンがそれぞれ対応するTES RF信号フィルタから切り離された状態で得られた、ウェハ全体にわたるプラズマ処理結果のウェハマップを示す。
【0026】
図13A図13Aは、いくつかの実施形態に係る、エッジリングの斜視図を示す。
【0027】
図13B図13Bは、いくつかの実施形態に係る、エッジリングの上面図を示す。
【0028】
図13C図13Cは、いくつかの実施形態に係る、図13Bの(切断線)A-Aにおける図として示されるエッジリングの垂直断面図を示す。
【0029】
図14図14は、いくつかの実施形態に係る、図1Aの制御システムの例示的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明では、本開示の実施形態の理解のために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示の実施形態が、これらの具体的な詳細の一部又はすべてを除いても実施可能であることは、当業者には明らかである。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるため、周知の処理操作については、詳細な説明を省略する。
【0031】
半導体ウェハ製造用のプラズマエッチングシステムにおいて、半導体ウェハ全体にわたるエッチング結果の空間変動は、半径方向エッチング均一性及び方位角エッチング均一性によって特徴付けられる。半径方向エッチング均一性は、半導体ウェハ上の所与の方位角位置において半導体ウェハの中心から半導体ウェハのエッジまで外向きに延びる半導体ウェハ上の半径方向位置の関数としてのエッチングレートの変動によって特徴付けることができる。また、方位角エッチング均一性は、半導体ウェハ上の所与の半径方向位置において、半導体ウェハの中央を中心とした半導体ウェハ上の方位角位置の関数としてのエッチングレートの変動によって特徴付けることができる。本明細書に記載されるシステムのようないくつかのプラズマ処理システムにおいて、半導体ウェハは電極上に配置され、そこからRF信号が放出されて、半導体ウェハを覆うプラズマ生成領域内でプラズマが生成される。プラズマは、半導体ウェハ上に所定のエッチングプロセスを生じさせるように制御された特性を有する。
【0032】
図1Aは、いくつかの実施形態に係る、半導体チップ製造に用いるプラズマ処理システム100の垂直断面図を示す。システム100は、壁101A、上部部材101B、及び底部部材101Cによって形成されたチャンバ101を含む。壁101A、上部部材101B、及び底部部材101Cは、集合的に、チャンバ101内の内部領域103を形成する。底部部材101Cは、プラズマ処理動作の排気ガスが導かれる排気ポート105を含む。いくつかの実施形態では、動作中に、ターボポンプ又は他の真空装置などによって、吸引力が排気ポート105に加えられて、チャンバ101の内部領域103からプロセス排気ガスを引き出す。いくつかの実施形態では、チャンバ101はアルミニウムで形成されている。しかし、様々な実施形態では、チャンバ101は、本質的に、十分な機械的強度と許容範囲の熱性能を有し、またチャンバ101内のプラズマ処理動作中に接触しかつ曝露対象となる他の材料と化学的適合性を持つ、例えばステンレス鋼などの任意の材料で形成できる。チャンバ101の少なくとも1つの壁101Aは、半導体ウェハWがチャンバ101の内外に移送される際に通るドア107を含む。いくつかの実施形態では、ドア107は、スリットバルブドアとして構成される。
【0033】
いくつかの実施形態において、半導体ウェハWは、製造工程における半導体ウェハである。説明を容易にするために、半導体ウェハWを以下、ウェハWと称する。なお、しかしながら、様々な実施形態において、ウェハWは、プラズマベースの製造プロセスに供される、本質的に任意の種類の基板であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書で言及されるウェハWは、シリコン、サファイア、GaN、GaAs又はSiC、或いは他の基板材料から形成された基板であり得ると共に、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマー材料などを含み得る。また、様々な実施形態において、本明細書で言及されるウェハWは、形態、形状、及び/又はサイズが変化し得る。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書で言及されるウェハWは、その上に集積回路デバイスが製造される円形の半導体ウェハであり得る。様々な実施形態において、円形のウェハWは、200mm(ミリメートル)、300mm、450mm、又は他のサイズの直径を有し得る。また、いくつかの実施形態において、本明細書で言及されるウェハWは、例えば、フラットパネルディスプレイ用の矩形基板などの非円形基板であり得る。
【0034】
プラズマ処理システム100は、ファシリティプレート111上に配置された電極109を含む。いくつかの実施形態では、電極109及びファシリティプレート111はアルミニウムで形成されている。しかし、他の実施形態では、電極109及びファシリティプレート111は、十分な機械的強度を有し、熱的及び化学的性能特性として適合性のある他の導電性材料でも形成可能である。セラミック層110は、電極109の頂面に形成されている。いくつかの実施形態では、セラミック層は、電極109の頂面に対して垂直に測定した場合、約1.25ミリメートル(mm)の垂直厚さを有する。しかし、他の実施形態では、セラミック層110は、1.25mmよりも大きいか又は1.25mmよりも小さい垂直厚さを有し得る。セラミック層110は、ウェハW上でプラズマ処理動作が実行される間、ウェハWを受け、かつ支持するように構成されている。いくつかの実施形態では、セラミック層110の半径方向外側に位置する電極190の頂面及び電極109の周囲側面は、セラミックのスプレーコートで覆われる。
【0035】
セラミック層110は、ウェハWをセラミック層110の頂面に保持する静電力を生成するための1つ又は複数のクランプ電極112の構成を含む。いくつかの実施形態では、セラミック層110は、ウェハWにクランプ力を供給するためにバイポーラ方式で動作する2つのクランプ電極112の構成を含む。クランプ電極112は、セラミック層110の頂面にウェハWを保持するための制御されたクランプ電圧を生成する直流(DC)電源117に接続されている。電気ワイヤ119A、119Bは、DC電源117とファシリティプレート111との間に接続される。電気ワイヤ/導体は、ファシリティプレート111及び電極109を介して配線され、ワイヤ119A、119Bをクランプ電極112に電気的に接続する。DC電源117は、1つ又は複数の信号導線121を介して制御システム120に接続される。
【0036】
電極109はまた、温度制御流体チャネル123の構成を含み、このチャネルを通して温度制御流体が流れ、電極109の温度を制御し、さらにウェハWの温度を制御する。温度制御流体チャネル123は、ファシリティプレート111上のポートに配管(流体的に接続)されている。温度制御流体供給ライン及び帰還ラインは、矢印126で示すように、ファシリティプレート111上のこれらのポート及び温度制御流体循環システム125に接続されている。温度制御流体循環システム125は、温度制御流体供給源、温度制御流体ポンプ、及び熱交換器やその他のデバイスを含み、所定のウェハW温度に設定し維持するために、電極109を通る温度制御流体の流れを制御する。温度制御流体循環システム125は、1つ又は複数の信号導線127を介して制御システム120に接続されている。様々な実施形態では、水又は冷媒液/ガスなどの様々な種類の温度制御流体を使用できる。また、いくつかの実施形態では、温度制御流体チャネル123は、例えばウェハW全体の2次元(x及びy)において、ウェハWの温度を空間的に変化させる制御を可能にするように構成されている。
【0037】
セラミック層110はまた、電極109内の対応する背面ガス供給チャネルに流体的に接続された背面ガス供給ポート108(図2参照)の構成を含む。電極109内の背面ガス供給チャネルは、電極109を介して、電極109とファシリティプレート111の間のインターフェースに配線されている。1つ又は複数の背面ガス供給ラインは、矢印130で示すように、ファシリティプレート111上のポート及び背面ガス供給システム129に接続される。ファシリティプレート111は、1つ又は複数の背面ガス供給ラインから、電極109内の背面ガス供給チャネルに背面ガスを供給するように構成されている。背面ガス供給システム129は、背面ガス供給源、マスフローコントローラ、フロー制御バルブや他の装置を含み、セラミック層110内の背面ガス供給ポート108の構成を介して、制御された背面ガス流を供給する。いくつかの実施形態では、背面ガス供給システム129は、背面ガスの温度を制御するための1つ又は複数の構成要素も含む。いくつかの実施形態では、背面ガスはヘリウムである。またいくつかの実施形態では、背面ガス供給システム129は、セラミック層110内の背面ガス供給ポート108の構成に対して、クリーンドライエア(CDA)を供給するために使用できる。背面ガス供給システム129は、1つ又は複数の信号導線131を介して制御システム120に接続されている。
【0038】
3つのリフトピン132は、ファシリティプレート111、電極109、及びセラミック層110を通って延び、セラミック層110の頂面に対するウェハWの垂直移動を可能にする。いくつかの実施形態では、リフトピン132の垂直移動は、ファシリティプレート111に接続された、対応するそれぞれの電気機械式及び/又は空気式リフト装置133によって制御される。3つのリフト装置133は、1つ又は複数の信号導線134を介して制御システム120に接続されている。いくつかの実施形態では、3つのリフトピン132は、セラミック層110の頂面に垂直に延びる電極109/セラミック層110の垂直中心線に対して実質的に等しい方位角間隔を有するように配置される。なお、リフトピン132は、上昇することで、チャンバ101内にウェハWを受け入れ、またチャンバ101からウェハWを取り出す(図1B参照)。また、リフトピン132は、下降することで、ウェハWの処理中に、ウェハWをセラミック層110の頂面に載置する。
【0039】
図2は、いくつかの実施形態に係る、セラミック層110及び電極109の上面図を示す。セラミック層110内に、クランプ電極112の例示的な配置が示されている。なお、クランプ電極112は、セラミック層110の垂直方向の厚さ内に配置されるため、セラミック層110の一部がクランプ電極112の上方に存在している。図2はまた、背面ガス供給ポート108の例示的な配置を示す。なお、背面ガス供給ポート108の数及び空間的配置は、異なる実施形態においては変化し得る。いくつかの実施形態において、背面ガス供給ポート108は、背面ガス供給ポート108を通る背面ガス流を可能にし、同時に背面ガス供給ポート108の箇所に固体表面を供給する多孔質セラミック材料で充填される。図2はまた、3つのリフトピン132の例示的な配置を示す。
【0040】
また、様々な実施形態において、電極109、ファシリティプレート111、セラミック層110、クランプ電極112、リフトピン132、また本質的にはそれらに関連する他の任意の構成要素の1つ又は複数は、1つ又は複数のセンサ、例えば、温度測定、電圧測定、及び電流測定のためのセンサなどを含み得る。電極109、ファシリティプレート111、セラミック層110、クランプ電極112、リフトピン132、また本質的にはそれらに関連する他の任意の構成要素に配置された任意のセンサは、電気ワイヤ、光ファイバ、又は無線接続を介して制御システム120に接続される。
【0041】
ファシリティプレート111は、セラミック支持体113の開口内にセットされ、セラミック支持体113によって支持される。セラミック支持体113は、カンチレバーアームアセンブリ115の支持表面114上に配置される。いくつかの実施形態では、セラミック支持体113は、実質的に環状の形状を有し、そのためセラミック支持体113はファシリティプレート111の半径方向外周を実質的に包囲し、同時に、ファシリティプレート111の底外周面が載置される支持表面116も提供する。カンチレバーアームアセンブリ115は、チャンバ101の壁101Aを通って延びる。いくつかの実施形態では、封止機構135が、チャンバ101の内部領域103を封止するために、カンチレバーアームアセンブリ115が配置されるチャンバ101の壁101A内に設けられ、同時にカンチレバーアームアセンブリ115が、制御された方法でz方向に上下に移動することを可能にしている。
【0042】
カンチレバーアームアセンブリ115は、システム100の動作をサポートするために、様々なデバイス、ワイヤ、ケーブル、及びチューブが配線される開放領域118を有する。カンチレバーアームアセンブリ内の開放領域118は、チャンバ101の外部の大気条件、例えば、空気組成、温度、圧力、及び相対湿度に曝される。また、カンチレバーアームアセンブリ115の内部には、RF信号供給ロッド137が配置されている。より詳細には、RF信号供給ロッド137は、導電性チューブ139の内部に配置されており、RF信号供給ロッド137は、チューブ139の内壁から離間している。RF信号供給ロッド137とチューブ139のサイズは変更可能である。チューブ139の内部におけるチューブ139の内壁とRF信号供給ロッド137との間の領域は、チューブ139の全長に沿って空気によって占有される。いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137の外径(Drod)と、チューブ139の内径(Dtube)は、ln(Dtube/Drod)>=e1の関係を満たすように設定される。
【0043】
いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137は、チューブ139内で実質的に中心に配置され、実質的に均一な半径方向の厚さの空気が、RF信号供給ロッド137とチューブ139の内壁との間に、チューブ139の長さに沿って存在している。しかしながら、いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137は、チューブ139内の中心には配置されない。それでも、チューブ139内では、RF信号供給ロッド137とチューブ139の内壁の間のすべての位置に、チューブ139の長さに沿った空隙が存在している。RF信号供給ロッド137の送出端は、RF信号供給シャフト141の下端に電気的及び物理的に接続されている。いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137の送出端は、RF信号供給シャフト141の下端にボルト固定されている。RF信号供給シャフト141の上端は、ファシリティプレート111の底部に電気的及び物理的に接続されている。いくつかの実施形態では、RF信号供給シャフト141の上端は、ファシリティプレート111の底部にボルト固定されている。いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137とRF信号供給シャフト141は、どちらも銅で形成されている。いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137は、銅、アルミニウム、又は陽極酸化アルミニウムで形成されている。いくつかの実施形態では、RF信号供給シャフト141は、銅、アルミニウム、又は陽極酸化アルミニウムで形成されている。他の実施形態では、RF信号供給ロッド137及び/又はRF信号供給シャフト141は、RF電気信号の伝送を可能にする別の導電性材料で形成されている。いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137及び/又はRF信号供給シャフト141は、RF電気信号の伝送を可能にする導電性材料(銀又は他の導電性材料など)でコーティングされている。また、いくつかの実施形態では、RF信号供給ロッド137は中実ロッドである。しかし、他の実施形態では、RF信号供給ロッド137はチューブである。なお、RF信号供給ロッド137とRF信号供給シャフト141の間の接続部を囲む領域140は、空気に占有されている。
【0044】
RF信号供給ロッド137の供給端は、電気的及び物理的にインピーダンス整合システム143に接続されている。インピーダンス整合システム143は、第1のRF信号発生器147及び第2のRF信号発生器149に接続されている。インピーダンス整合システム143は、1つ又は複数の信号導線144を介して制御システム120にも接続されている。第1のRF信号発生器147も、1つ又は複数の信号導線148を介して制御システム120に接続されている。第2のRF信号発生器149も、1つ又は複数の信号導線150を介して制御システム120に接続されている。インピーダンス整合システム143は、インピーダンス整合を可能にするようなサイズかつ接続を有するインダクタ及びコンデンサの構成を含み、これにより、RF電力が、RF信号供給ロッド137及びRF信号供給シャフト141に沿って、ファシリティプレート111及び電極109を介して、セラミック層110上方のプラズマ処理領域182に伝送され得る。いくつかの実施形態では、第1のRF信号発生器147は高周波のRF信号発生器であり、第2のRF信号発生器149は低周波のRF信号発生器である。いくつかの実施形態では、第1のRF信号発生器147は、約50メガヘルツ(MHz)~約70MHzの範囲内、又は約54MHz~約63MHzの範囲内、又は約60MHzで、RF信号を発生する。いくつかの実施形態では、第1のRF信号発生器147は、約5キロワット(kW)~約25kWの範囲内、又は約10kW~約20kWの範囲内、又は約15kWから約20kWの範囲内、又は約10kW或いは約16kWでRF電力を供給する。いくつかの実施形態では、第2のRF信号発生器149は、約50キロヘルツ(kHz)から約500kHzの範囲内、又は約330kHzから約440kHzの範囲内、又は約400kHzでRF信号を発生する。いくつかの実施形態では、第2のRF信号発生器149は、約15kWから約100kWの範囲内、又は約30kWから約50kWの範囲内、又は約34kW或いは約50kWでRF電力を供給する。例示的一実施形態では、第1のRF信号発生器147は、約60MHzの周波数のRF信号を発生するように設定され、第2のRF信号発生器149は、約400kHzの周波数のRF信号を発生するように設定される。
【0045】
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、インピーダンス整合システム143の電気的概略図を示す。インピーダンス整合システム143は、第1の分岐302A(高周波分岐)及び第2の分岐302B(低周波分岐)を含む。第1の分岐302Aは、インダクタL4、コンデンサC2、コンデンサC7、及びコンデンサC3などの回路部品を含む。第2の分岐302Bは、インダクタL1、インダクタL2、コンデンサC1、コンデンサC4、コンデンサC5、コンデンサC6、及びインダクタL3などの回路部品を含む。いくつかの実施形態では、コンデンサC1、C2、及びC3は可変コンデンサである。コンデンサC1及びC2は主コンデンサであり、コンデンサC3は予備コンデンサである。インダクタL1、L2、L3、及びL4はそれぞれ、導電性材料、例えば銅製のコイルとして形成されている。第1の分岐302Aは、第1のRF信号発生器147の出力に接続された入力I1を有する。第2の分岐302Bは、第2のRF信号発生器149の出力に接続された入力I2を有する。入力I2は、インダクタL1に接続されている。
【0046】
一例として、本明細書で参照されるRFストラップは、銅などの導電性材料からなる平らで細長い金属片である。したがって、RFストラップは、長さ、幅、及び厚さを有する。RFストラップの長さは、RFストラップの幅よりも大きい。さらに、RFストラップの幅は、RFストラップの厚さよりも大きい。いくつかの実施形態では、RFストラップは、自身の湾曲又は再形成を可能にするため、可撓性を有する。
【0047】
第1の分岐302Aは、RFストラップ部304A(インダクタLAとして表される)、RFストラップ部304B(インダクタLBとして表される)、RFストラップ304C(インダクタLCとして表される)、RFストラップ304D(インダクタLDとして表される)、及びRFストラップ304E(インダクタLEとして表される)を含む。いくつかの実施形態において、RFストラップ部304A及び304Bは、1つのRFストラップのそれぞれ別の部分であり、つまりインダクタLA及びLBは、1つのRFストラップの別個の部分を表す。しかし、いくつかの実施形態においては、2つのRFストラップ部304A及び304Bを含む1つのRFストラップの代わりに、2つの別個のRFストラップが、それぞれ、RFストラップ部304A及び304Bとして使用される。例えば、RFストラップ部304Aのインダクタンスを有する第1のRFストラップは、導電性コネクタを介して、RFストラップ部304Bのインダクタンスを有する第2のRFストラップに接続されている。
【0048】
コンデンサC3は、RFストラップ304Cを介して、RFストラップ部304A及び304Bの両方を含むRFストラップ上の所定位置P1に結合されている。このように、RFストラップ304Cが、RFストラップ部304A及び304Bの両方を含むRFストラップに接続される所定位置P1が、RFストラップ部304A及び304Bのそれぞれの長さを決定する。また、コンデンサC7は、RFストラップ部304Aの、所定位置P1とは反対側の端部に結合されている。所定位置P1は、RFストラップ部304Bを介して、RF信号供給ロッド137に結合されている。RFストラップ304D及び304Eは、所定位置P2において互いに結合されている。コンデンサC2の端子も所定位置P2に接続されている。RFストラップ304Dは、インダクタL4及びインピーダンス整合システム143の入力I1に結合されている。各RFストラップ部304A及び304B、ならびに各RFストラップ304C、304D及び304Eは、それぞれインダクタンスを有する。例えば、RFストラップ部304AはインダクタンスLAを有し、RFストラップ部304Bは別のインダクタンスLBを有し、RFストラップ304Cは別のインダクタンスLCを有し、RFストラップ304DはインダクタンスLDを有し、RFストラップ304EはインダクタンスLEを有する。なお、本明細書に記載されるRFストラップ304A~304EのようなRFストラップのいずれも、コイルに巻かれてインダクタを形成するのではなく、平らな細長い金属片としてなる。
【0049】
様々な実施形態において、図3Aに示される任意のコンデンサ及び/又は非ストラップインダクタは、固定又は可変であり得る。例えば、様々な実施形態において、コンデンサC4~C7のいずれか1つ又は複数は、固定コンデンサであり、つまり、そのインダクタンスの変化や調整は可能ではないことを意味する。また、いくつかの実施形態において、コンデンサC4~C7のいずれか1つ又は複数は、可変コンデンサであり、つまり、そのキャパシタンスの変化/調整は可能であることを意味する。様々な実施形態において、インダクタL1~L4のいずれか1つ又は複数は、固定インダクタであり、つまり、そのインダクタンスの変化や調整は可能ではないことを意味する。また、様々な実施形態において、インダクタL1~L4のいずれか1つ又は複数は、可変インダクタであり、つまり、そのインダクタンスの変化や調整は可能であることを意味する。
【0050】
再び図1Aを参照すると、結合リング161は、電極109の半径方向外周の周囲に延びるように構成され、かつ位置決めされる。いくつかの実施形態では、結合リング161はセラミック材料で形成されている。石英リング163は、結合リング161及びセラミック支持体113の両方の半径方向外周の周囲に延びるように構成され、かつ位置決めされる。いくつかの実施形態において、結合リング161及び石英リング163は、石英リング163が結合リング161及びセラミック支持体113の両方の周囲に配置されたときに、実質的に整列した頂面を有するように構成される。また、いくつかの実施形態において、結合リング161及び石英リング163の実質的に整列した頂面は、セラミック層110の半径方向の周囲の外側に存在する電極109の頂面と実質的に整列している。また、いくつかの実施形態において、カバーリング165は、石英リング163の頂面の半径方向外周の周囲に延びるように構成され、かつ位置決めされる。いくつかの実施形態では、カバーリング165は石英で形成されている。また、いくつかの実施形態において、カバーリング165は、石英リング163の頂面の上方に垂直に延びるように構成される。このように、カバーリング165は、エッジリング167が配置される外周境界となる。
【0051】
エッジリング167は、プラズマシースをウェハWの周縁部を越えて半径方向外側に伸長させるのを容易にし、ウェハWの周縁近傍の処理結果を向上させるように構成されている。様々な実施形態において、エッジリング167は、導電性材料、例えば、結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)、ホウ素ドープ単結晶シリコン、酸化アルミニウム、石英、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウム層の上の炭化ケイ素層、又はシリコンの合金、又はこれらの組合せなどやその他の材料から形成されている。なお、エッジリング167は、環状構造、例えばリング構造として形成されている。エッジリング167は、プラズマ処理領域182内に形成されたプラズマ180のイオンによる損傷を防ぐために、エッジリング167の下にある構成要素を遮蔽することなど、多くの機能を実行できる。また、エッジリング167は、ウェハWの外周縁領域の、及び外周縁領域に沿ったプラズマ180の均一性を高める。
【0052】
固定外側支持フランジ169が、カンチレバーアームアセンブリ115に取り付けられる。図4は、いくつかの実施形態に係る、固定外側支持フランジ169の垂直断面の拡大図を示す。固定外側支持フランジ169は、セラミック支持体113の外側垂直側面113Aの周囲、石英リング163の外側垂直側面163Aの周囲、及びカバーリング165の下側外側垂直側面165Aの周囲に延びるように構成される。固定外側支持フランジ169は、セラミック支持体113、石英リング163、及びカバーリング165のアセンブリを包囲する環状形状を有する。固定外側支持フランジ169は、垂直部169A及び水平部169Bを含むL字型の垂直断面を有する。固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aは、セラミック支持体113の外側垂直側面113A、石英リング163の外側垂直側面163A、及びカバーリング165の下側外側垂直側面165Aに対して配置された内側垂直表面169Cを有する。いくつかの実施形態において、固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aは、セラミック支持体113の外側垂直側面113Aの全体、石英リング163の外側垂直側面163Aの全体、及びカバーリング165の下側外側垂直側面165Aに全体にわたって延びている。いくつかの実施形態では、カバーリング165は、固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aの頂面169Eの上方に半径方向外側に延びている。いくつかの実施形態では、カバーリング165の上側外側垂直側面165B(固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aの頂面169Eの上方に位置する)は、固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aの外側垂直表面169Dと実質的に垂直に整列している。固定外側支持フランジ169のL字型断面の水平部169Bは、カンチレバーアームアセンブリ115の支持表面114上に配置され、固定されている。固定外側支持フランジ169は、導電性材料で形成されている。いくつかの実施形態では、固定外側支持フランジ169は、アルミニウム又は陽極酸化アルミニウムで形成されている。しかしながら、他の実施形態において、固定外側支持フランジ169は、銅又はステンレス鋼などの他の導電性材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、固定外側支持フランジ169のL字型断面の水平部169Bは、カンチレバーアームアセンブリ115の支持表面114にボルト固定されている。
【0053】
連結外側支持フランジ171は、固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aの外側垂直表面169Dの周囲に延び、かつカバーリング165の上側外側垂直側面165Bの周囲に延びるように構成され位置決めされる。連結外側支持フランジ171は、固定外側支持フランジ169のL字型垂直断面の垂直部169Aと、カバーリング165の上側外側垂直側面165Bとの両方を包囲する環状形状を有する。連結外側支持フランジ171は、垂直部171A及び水平部171Bを含むL字型垂直断面を有する。連結外側支持フランジ171のL字型断面の垂直部171Aは、固定外側支持フランジ169のL字型断面の垂直部169Aの外側垂直側面169Dと、カバーリング165の上側外側垂直側面165Bの両方に近接し、かつ間隔をあけて配置された内側垂直表面171Cを有する。このように、連結外側支持フランジ171は、矢印172で示すように、固定外側支持フランジ169のL字型垂直断面の垂直部169Aとカバーリング165の上側外側垂直側面165Bの両方に沿って、垂直方向(z方向)に移動可能である。連結外側支持フランジ171は、導電性材料で形成されている。いくつかの実施形態では、連結外側支持フランジ171は、アルミニウム又は陽極酸化アルミニウムで形成されている。しかし、他の実施形態では、連結外側支持フランジ171は、銅又はステンレス鋼などの他の導電性材料で形成され得る。
【0054】
多数の導電性ストラップ173が、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169との間で、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169の両方の半径方向外周の周囲において接続されている。図1A図1B図4A図4B図5、及び図6に示す例示的な実施形態において、導電性ストラップ173は、「外向き」の構成を有するように示されており、この構成では、導電性ストラップ173は、固定外側支持フランジ169から離れるように外側に向かって曲がっている。図5は、いくつかの実施形態に係る、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169の上面図を示し、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169との間に接続された多数の導電性ストラップ173を示す。図6は、いくつかの実施形態に係る、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169の頂部の斜視図を示し、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169との間に接続された多数の導電性ストラップ173を示す。いくつかの実施形態では、導電性ストラップ173はステンレス鋼で形成されている。しかしながら、他の実施形態では、導電性ストラップ173は、アルミニウム又は銅などの他の導電性材料で形成され得る。
【0055】
図1A図1B図5、及び図6の例では、48個の導電性ストラップ173が、連結外側支持フランジ171及び固定外側支持フランジ169の半径方向外周の周囲に実質的に等間隔で分散されている。なお、しかしながら、導電性ストラップ173の数は、異なる実施形態においては変更可能である。いくつかの実施形態では、導電性ストラップ173の数は、約24から約80の範囲内、又は約36から約60の範囲内、又は約40から約56の範囲内である。いくつかの実施形態では、導電性ストラップ173の数は24未満である。いくつかの実施形態では、導電性ストラップ173の数は80を超える。導電性ストラップ173の数は、プラズマ処理領域182の周囲付近のRF信号の接地帰還経路に影響を及ぼすため、導電性ストラップ173の数は、ウェハW全体にわたる処理結果の均一性に影響を及ぼし得る。また、導電性ストラップ173のサイズは、異なる実施形態において変化し得る。図7は、いくつかの実施形態に係る、導電性ストラップ173の等角図を示す。導電性ストラップ173は、幅(d1)、長さ(d2)、及び厚さ(d3)によって定義される矩形プリズム形状を有する。
【0056】
また、図5は、連結外側支持フランジ171と固定外側支持フランジ169との間に接続されたときの、隣接する導電性ストラップ173間の方位角間隔(d4)を示す。いくつかの実施形態において、導電性ストラップ173は、連結外側支持フランジ171の外周の周囲に、及び同様に固定外側支持フランジ169の外周の周囲に、実質的に等間隔に配置される。したがって、これらの実施形態において、連結外側支持フランジ171のL字型垂直断面の水平部171Bの外周の周囲の、隣接する導電性ストラップ173間の方位角間隔(d4)は、導電性ストラップ173の数、導電性ストラップ173の幅寸法(d1)、及び連結外側支持フランジ171のL字型垂直断面の水平部171Bの外径に依存する。同様に、固定外側支持フランジ169のL字型垂直断面の水平部169Bの外周の周囲の、隣接する導電性ストラップ173間の方位角間隔(d4)は、導電性ストラップ173の数、導電性ストラップ173の幅寸法(d1)、及び固定外側支持フランジ169のL字型垂直断面の水平部169Bの外径に依存する。
【0057】
いくつかの実施形態では、導電性ストラップ173は、固定外側支持フランジ169のL字形断面の水平部169Bの頂面169Fにクランプリング175を固定することによって加えられるクランプ力によって、固定外側支持フランジ169に接続される。いくつかの実施形態では、クランプリング175は固定外側支持フランジ169にボルト固定されている。いくつかの実施形態では、クランプリング175を固定外側支持フランジ169に固定するボルトは、導電性ストラップ173の間の位置に配置される。しかしながら、いくつかの実施形態では、クランプリング175を固定外側支持フランジ169に固定する1つ又は複数のボルトは、導電性ストラップ173を通って延びるように配置され得る。いくつかの実施形態では、クランプリング175は、固定外側支持フランジ169と同じ材料で形成されている。しかしながら、他の実施形態では、クランプリング175及び固定外側支持フランジ169は、異なる材料で形成され得る。
【0058】
図4Aに示すようないくつかの実施形態では、導電性ストラップ173は、連結外側支持フランジ171のL字型断面の水平部171Bの底面171Dにクランプリング177を固定することによって加えられるクランプ力によって、連結外側支持フランジ171に接続される。或いは、いくつかの実施形態では、複数の導電性ストラップ173のそれぞれの第1の端部は、連結外側支持フランジ171の水平部171Bの上面171Fにクランプリング177によって接続されている。いくつかの実施形態では、クランプリング177は連結外側支持フランジ171にボルト固定されている。いくつかの実施形態では、クランプリング177を連結外側支持フランジ171に固定するボルトは、導電性ストラップ173の間の位置に配置される。しかしながら、いくつかの実施形態では、クランプリング177を連結外側支持フランジ171に固定する1つ又は複数のボルトは、導電性ストラップ173を通って延びるように配置され得る。いくつかの実施形態では、クランプリング177は、連結外側支持フランジ171と同じ材料で形成されている。しかしながら、他の実施形態では、クランプリング177と連結外側支持フランジ171は、異なる材料で形成され得る。
【0059】
一組の支持ロッド201が、カンチレバーアームアセンブリ115の周辺に配置され、固定外側支持フランジ169のL字型断面の水平部169Bを通って垂直に延びる。支持ロッド201の上端は、連結外側支持フランジ171のL字型断面の水平部171Bの底面171Dと係合するように構成されている。いくつかの実施形態では、支持ロッド201のそれぞれの下端は、抵抗機構203と係合している。抵抗機構203は、対応する支持ロッド201に上向きの力を与えるように構成されており、これは、支持ロッド201の下方への移動をある程度は許容するものの、支持ロッド201の下方への移動に抵抗する。いくつかの実施形態では、抵抗機構203は、対応する支持ロッド201に上向きの力を与えるためのバネを含む。いくつかの実施形態では、抵抗機構203は、対応する支持ロッド201に上向きの力を与えるのに十分なバネ定数を有する、例えば、バネ及び/又はゴムなどの材料を含む。なお、連結外側支持フランジ171が下方に移動して一組の支持ロッド201と係合すると、一組の支持ロッド201及び対応する抵抗機構203が、連結外側支持フランジ171に上向きの力をかける。いくつかの実施形態では、一組の支持ロッド201は、3つの支持ロッド201及び対応する抵抗機構203を含む。いくつかの実施形態では、支持ロッド201は、電極109の垂直中心線に対して実質的に等しい方位角間隔を有するように配置される。しかし、他の実施形態では、支持ロッド201は、電極109の垂直中心線に対して不均等な方位角間隔を有するように配置される。また、いくつかの実施形態では、3つより多い支持ロッド201及び対応する抵抗機構203が、連結外側支持フランジ171を支持するために設けられる。
【0060】
再び図1Aを参照すると、プラズマ処理システム100は、さらに、電極109の上方に配置されたC-シュラウド部材185を含む。C-シュラウド部材185は、連結外側支持フランジ171とインターフェース接続するように構成されている。具体的には、連結外側支持フランジ171のL字型断面の水平部171Bの頂面171Eにシール179を配置することで、連結外側支持フランジ171がC-シュラウド部材185に向かって上方に移動したときに、シール179がC-シュラウド部材185によって係合する。いくつかの実施形態では、シール179は導電性であって、C-シュラウド部材185と連結外側支持フランジ171との間に電気伝導を確立し易くする。いくつかの実施形態では、C-シュラウド部材185はポリシリコンで形成されている。しかし、他の実施形態では、C-シュラウド部材185は、プラズマ処理領域182に形成されるプロセスと化学的に適合し、十分な機械的強度を有する別の種類の導電性材料で形成されている。
【0061】
C-シュラウドは、プラズマ処理領域182の周囲に延びるように構成され、C-シュラウド部材185内に画定された領域内へプラズマ処理領域182の範囲を半径方向に延在させる。C-シュラウド部材185は、下壁185A、外側垂直壁185B、及び上壁185Cを含む。いくつかの実施形態では、C-シュラウド部材185の外側垂直壁185B及び上壁185Cは、中実の非穿孔部材であり、C-シュラウド部材185の下壁185Aは、プロセスガスをプラズマ処理領域182内から流す多数のベント186を含む。いくつかの実施形態では、C-シュラウド部材185のベント186の下にスロットル部材196が配置され、ベント186を通じたプロセスガスの流れを制御する。より詳細には、いくつかの実施形態では、スロットル部材196は、C-シュラウド部材185に対してz方向に垂直に上下移動し、ベント186を通じたプロセスガスの流れを制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、スロットル部材196は、ベント186と係合及び/又はベント186に入るように構成されている。
【0062】
C-シュラウド部材185の上壁185Cは、上部電極187A/187Bを支持するように構成されている。いくつかの実施形態において、上部電極187A/187Bは、内側上部電極187A及び外側上部電極187Bを含む。或いは、いくつかの実施形態において、内側上部電極187Aは存在するが、外側上部電極187Bは存在せず、内側上部電極187Aが、外側上部電極187Bが占めるべき場所まで半径方向に延びる。いくつかの実施形態において、内側上部電極187Aは単結晶シリコンで形成され、外側上部電極187Bはポリシリコンで形成されている。しかしながら、他の実施形態では、内側上部電極187A及び外側上部電極187Bは、プラズマ処理領域182内で実施されるプロセスと構造的、化学的、電気的及び機械的に適合する他の材料で形成され得る。内側上部電極187Aは、内側上部電極187Aの垂直方向の厚さ全体を貫通する穴として定義された多数のスルーポート197を含む。スルーポート197は、x-y平面に対して、内側上部電極187A全体に分布し、上部電極187A/187Bの上のプレナム領域188から上部電極187A/187Bの下のプラズマ処理領域182へのプロセスガスの流れを提供する。
【0063】
図8Aは、いくつかの実施形態に係る、上部電極187A/187Bの垂直断面図を示す。いくつかの実施形態では、内側上部電極187Aは、単結晶シリコンなどの半導体材料で形成されたプレート211を含む。いくつかの実施形態では、高導電層213がプレート211の頂面に形成され、プレート211と一体化されている。高導電層213は、プレート211の半導体材料よりも低い電気抵抗を有する。各スルーポート197は、内側上部電極187Aの頂面215から内側上部電極187Aの底面217まで、内側上部電極187Aの厚さ全体を貫通して延びる。前述のように、内側上部電極187Aは、プロセスガスプレナム領域188をプラズマ処理領域182から物理的に分離し、プロセスガスプレナム領域188からプラズマ処理領域182への、スルーポート197の分布を通じたプロセスガスの流れを提供するように構成されている。
【0064】
図8Bは、いくつかの実施形態に係る、上部電極187A/187Bの上面図を示す。図8Bは、内側上部電極187A全体のスルーポート197の例示的な分布を示す。なお、内側上部電極187A全体のスルーポート197の分布は、別の実施形態においては、異なる形式で構成され得る。例えば、内側上部電極187A内のスルーポート197の総数及び/又は内側上部電極187A内のスルーポート197の空間分布は、別の実施形態では、変化し得る。また、スルーポート197の直径も、別の実施形態では、変化し得る。一般に、スルーポート197の直径を、プラズマ処理領域182からスルーポート197へのプラズマ180の侵入を防止するのに十分に小さいサイズに縮小することが重要である。いくつかの実施形態では、スルーポート197の直径が縮小された場合、内側上部電極187A内のスルーポート197の総数を増やして、プロセスガスプレナム領域188から内側上部電極187Aを通じたプラズマ処理領域182へのプロセスガスの所定の総流量を維持する。また、いくつかの実施形態では、上部電極187A/187Bは、基準接地電位に電気的に接続されている。しかし、他の実施形態では、内側上部電極187A及び/又は外側上部電極187Bは、対応するインピーダンス整合回路によって、それぞれの直流(DC)電源又はそれぞれのRF電源のいずれかに電気的に接続されている。
【0065】
再び図1Aを参照すると、プレナム領域188は、上部部材189によって画定される。1つ又は複数のガス供給ポート192が、チャンバ101及び上部部材189を通じて形成され、プレナム領域188と流体連通する。1つ又は複数のガス供給ポート192は、プロセスガス供給システム191に流体的に接続(配管)される。プロセスガス供給システム191は、例えば1つ又は複数のプロセスガス供給源、1つ又は複数のマスフローコントローラ、1つ又は複数のフロー制御バルブや他のデバイスなどを含み、矢印193で示すように、1つ又は複数のガス供給ポート192を通じたプレナム領域188への1つ又は複数のプロセスガスの制御された流れを供給する。いくつかの実施形態では、プロセスガス供給システム191は、プロセスガスの温度を制御するための1つ又は複数の構成要素も含む。プロセスガス供給システム191は、1つ又は複数の信号導線194を介して制御システム120に接続されている。
【0066】
処理ギャップ(g1)は、セラミック層110の頂面と内側上部電極187Aの底面との間で測定される垂直(z方向)距離として定義される。処理ギャップ(g1)のサイズは、カンチレバーアームアセンブリ115を垂直方向(z方向)に移動させることによって調整できる。カンチレバーアームアセンブリ115が上方に移動すると、連結外側支持フランジ171は、最終的にC-シュラウド部材185の下壁185Aに係合し、その時、カンチレバーアームアセンブリ115が一式の支持ロッド201が連結外側支持フランジ171に係合するまで上方に移動し続けるのに従って、連結外側支持フランジ171は固定外側支持フランジ169に沿って移動し、所定の処理ギャップ(g1)のサイズが実現される。次に、この逆の移動を行ってチャンバからウェハWを取り外すために、カンチレバーアームアセンブリ115は、連結外側支持フランジ171がC-シュラウド部材185の下壁185Aから離れるまで下方に移動する。図1Bは、いくつかの実施形態に係る、図1Aのシステム100においてカンチレバーアームアセンブリ115を下方に移動させ、ドア107を介したウェハWの移動を可能にする様子を示す。様々な実施形態において、ウェハWのプラズマ処理中の処理ギャップ(g1)のサイズは、約10センチメートルまでの範囲、約8センチメートルまでの範囲、又は約5センチメートルまでの範囲で制御される。また、図1Bでは、ウェハWは、リフトピン133によって持ち上げられた位置に示されている。なお、図1Aは、プラズマ処理のためセラミック層110上にウェハWが位置する閉じた構成のシステム100を示している。
【0067】
プラズマ処理システム100内のプラズマ処理動作中、1つ又は複数の処理ガスが、プロセスガス供給システム191、プレナム領域188、及び内側上部電極187A内のスルーポート197を介して、プラズマ処理領域182に供給される。また、RF信号は、第1及び第2のRF信号発生器147、149、インピーダンス整合システム143、RF信号供給ロッド137、RF信号供給シャフト141、ファシリティプレート111、電極109によって、またセラミック層110を通じて、プラズマ処理領域182内に伝送される。RF信号は、プラズマ処理領域182内でプロセスガスをプラズマ180に変換する。プラズマのイオン及び/又は反応性成分は、ウェハW上の1つ又は複数の材料と相互作用して、ウェハW上に存在する特定の材料の組成及び/又は形状を変化させる。プラズマ処理領域182からの排気ガスは、矢印195で示すように、排気ポート105に加えられた吸引力の影響を受け、C-シュラウド部材185内のベント186及びチャンバ101内の内部領域103を通って、排気ポート105に流れる。
【0068】
様々な実施形態において、電極109は異なる直径を有するように構成され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、エッジリング167が載置される電極109の表面を大きくするために、電極109の直径は延長される。いくつかの実施形態において、導電性ゲル226は、エッジリング167の底部と電極109の頂部との間及び/又はエッジリング167の底部と結合リング161の頂部との間に配置される。これらの実施形態において、電極109の直径が延長されることで、エッジリング167と電極109との間に配置される導電性ゲルの表面積が大きくなる。
【0069】
なお、連結外側支持フランジ171、導電性ストラップ173、及び固定外側支持フランジ169の組み合わせは、電気的に基準接地電位にあり、これらは集合的に、電極109からセラミック層110を通じてプラズマ処理領域182に送信されるRF信号のための接地帰還経路を形成する。電極109の外周の周囲のこの接地帰還経路の方位角の均一性は、ウェハW上の処理結果の均一性に影響を及ぼし得る。例えば、いくつかの実施形態において、ウェハW全体のエッチングレートの均一性は、電極109の外周の周囲の接地帰還経路の方位角の均一性に影響され得る。なお、そのため、電極109の外周の周囲の導電性ストラップ173の数、構成、及び配置が、ウェハW全体にわたる処理結果の均一性に影響し得る。
【0070】
再び図1Aを参照すると、可変エッジシース(TES)システムは、結合リング161内に配置された(埋め込まれた)TES電極415を含んで実装される。また、TESシステムは、TES電極415と物理的かつ電気的に接続された多数のTES RF信号供給ピン413を含む。TES RF信号供給ピン413のそれぞれは、TES RF信号供給ピン413を周囲の構造、例えばセラミック支持体113及びカンチレバーアームアセンブリ115構造から電気的に分離するように構成された、対応する絶縁体フィードスルー部材421を通って延びている。いくつかの実施形態では、Oリング417及び419は、絶縁体フィードスルー部材421の内部の領域がプラズマ処理領域182内に存在するいかなる材料/ガスにも曝露されないように配置される。いくつかの実施形態では、TES RF信号供給ピン413は、例えば、銅、アルミニウム、陽極酸化アルミニウムなどで形成されている。
【0071】
TES RF信号供給ピン413は、カンチレバーアームアセンブリ115の内部の開放領域118に延びており、TES RF信号供給ピン413のそれぞれは、対応するTES RF信号フィルタ411を介してTES RF信号供給導線409に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、3つのTES RF信号供給ピン413が、電極109の中心線に対して実質的に等間隔な方位角位置で、TES電極415と物理的かつ電気的に接続するように配置されている。なお、しかしながら、他の実施形態では、TES電極415と物理的かつ電気的に接続された3つより多いTES RF信号供給ピン413を有し得る。また、いくつかの実施形態では、TES電極415と物理的かつ電気的に接続された、1つ又は2つのTES RF信号供給ピン413を有し得る。TES RF信号供給ピン413のそれぞれは、対応するTES RF信号フィルタ411に電気的に接続されており、TES RF信号フィルタ411のそれぞれは、TES RF信号供給導線409に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、各TES RF信号フィルタ411は、インダクタとして構成される。例えば、いくつかの実施形態では、各TES RF信号フィルタ411は、誘電体コア構造の周りに巻き付けられた金属コイルなどのコイル状導体として構成される。様々な実施形態において、金属コイルは、例えば、中実銅ロッド、銅管、アルミニウムロッド、又はアルミニウム管などで形成され得る。また、いくつかの実施形態では、各TES RF信号フィルタ411は、誘導性構造と容量性構造の組み合わせとして構成できる。プラズマ処理結果の均一性をウェハW全体において向上させるという観点から、TES RF信号フィルタ411のそれぞれは、実質的に同じ構成を有している。
【0072】
いくつかの実施形態では、TES RF信号供給導線409は、カンチレバーアームアセンブリ115の内部の開放領域118付近まで延びるように、リング状(環状)構造で形成され、方位角的に分布するTES RF信号フィルタ411とTES RF信号供給導線409の物理的かつ電気的接続を可能にする。いくつかの実施形態では、TES RF信号供給導線409は、中実(非管状)構造で形成されている。あるいは、いくつかの実施形態では、TES RF信号供給導線409は、管状構造で形成されている。いくつかの実施形態では、TES RF信号供給導線409は、例えば、銅、アルミニウム、陽極酸化アルミニウムなどで形成されている。
【0073】
TES RF信号供給導線409は、TES RF供給ケーブル407に電気的に接続されている。また、TES RF信号供給導線409と基準接地電位の間にはコンデンサ408が接続されており、例えばカンチレバーアームアセンブリ115の構造のようになっている。より具体的には、コンデンサ408は、TES RF供給ケーブル407とTES RF信号供給導線409の両方に電気的に接続される第1の端子を有し、コンデンサ408は、基準接地電位に電気的に接続される第2の端子を有する。いくつかの実施形態では、コンデンサ408は、可変コンデンサである。いくつかの実施形態では、コンデンサ408は、固定コンデンサである。いくつかの実施形態では、コンデンサ408は、約10ピコファラドから約100ピコファラドまでの範囲内の静電容量を有するように設定されている。TES RF供給ケーブル407は、TESインピーダンス整合システム401に接続されている。TESインピーダンス整合システム401は、TES RF信号発生器403に接続されている。TES RF信号発生器403で発生したRF信号は、TESインピーダンス整合システム401を介してTES RF供給ケーブル407へ、続いてTES RF信号供給導線409へ、さらにTES RF信号フィルタ411を介してそれぞれのTES RF信号供給ピン413へ、さらに結合リング161内のTES電極415へ送信される。いくつかの実施形態では、TES RF信号発生器403は、約50キロヘルツから約27MHzまでの周波数範囲内でRF信号を生成するように構成され、動作する。いくつかの実施形態において、TES RF信号発生器403は、約50ワットから約10キロワットまでの範囲内でRF電力を供給する。TES RF信号発生器403も、1つ又は複数の信号導線405を介して制御システム120に接続されている。
【0074】
TESインピーダンス整合システム401は、インピーダンス整合を可能にするようなサイズかつ接続を有するインダクタ及びコンデンサの構成を含み、これにより、RF電力を、RF信号発生器403から、TES RF供給ケーブル407、TES RF信号供給導線409に沿って、TES RF信号フィルタ411、各TES RF信号供給ピン413を介して、結合リング161内のTES電極415と、エッジリング167の上方のプラズマ処理領域182内へ送信できる。図3Bは、いくつかの実施形態に係る、TESインピーダンス整合システム401の電気的概略図例を示す。TESインピーダンス整合システム401は、TES RF信号発生器403と電気的に接続された入力ライン321を含む。TES入力ライン321は、第1インダクタ322の入力端子と電気的に接続されている。第1インダクタ322の出力端子は、内部ノード328に電気的に接続されている。第2のインダクタ324は、内部ノード328に電気的に接続された入力端子を有する。第2インダクタ324の出力端子は、第2内部ノード329に電気的に接続されている。第1のコンデンサ326は、第2の内部ノード329に電気的に接続された入力端子を有する。第1のコンデンサ326の出力端子は、第3のインダクタ327の入力端子と電気的に接続されている。第3のインダクタ327の出力端子は、TES RF供給ケーブル407に電気的に接続されている。また、第2のコンデンサ323の入力端子は、第1の内部ノード328に電気的に接続されている。第2のコンデンサ323の出力端子は、基準接地電位と電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサ323は、可変コンデンサである。また、第3のコンデンサ325の入力端子は、第2の内部ノード329に電気的に接続されている。第3のコンデンサ325の出力端子は、基準接地電位と電気的に接続されている。なお、図3Bに示されるようなTESインピーダンス整合システム401の電気的構成は、例示として示される。他の実施形態では、TESインピーダンス整合システム401は、図3Bに示す例とは異なるインダクタ及び/又はコンデンサの構成を有し得る。TESインピーダンス整合システム401は、1つ又は複数の信号導線404を介して制御システム120にも接続されている。
【0075】
結合リング161内に配置された(埋め込まれた)TES電極415を介してRF信号/電力を送信することによって、TESシステムは、ウェハWの周縁部付近のプラズマ180の特性を制御できる。例えば、いくつかの実施形態では、TESシステムは、プラズマ180シースの形状を制御及び/又はサイズ(シース厚さの増加又は減少のいずれか)を制御するなどによってエッジリング167付近のプラズマ180シース特性を制御するように動作する。また、いくつかの実施形態では、エッジリング167付近のプラズマ180シースの形状を制御することによって、ウェハW上のバルクプラズマ180の様々な特性を制御することが可能である。また、いくつかの実施形態では、TESシステムは、エッジリング167付近のプラズマ180の密度を制御するように動作する。例えば、いくつかの実施形態では、TESシステムは、エッジリング167付近のプラズマ180の密度を増加又は減少させるように動作する。また、いくつかの実施形態では、TESシステムは、エッジリング167上に存在するバイアス電圧を制御するように動作し、これにより、エッジリング167の近くのプラズマ180内のイオン及び他の荷電構成要素の動きを制御するか影響を与える。例えば、いくつかの実施形態では、TESシステムは、ウェハWのエッジに向かってプラズマ180からより多くのイオンを引き寄せるためにエッジリング167上に存在するバイアス電圧を制御するように動作する。さらに、いくつかの実施形態では、TESシステムは、プラズマ180からのイオンを反発させてウェハWのエッジから離れるようにするためにエッジリング167上に存在するバイアス電圧を制御するように動作する。なお、TESシステムは、特に上記のような様々な異なる機能を、別々に又は組み合わせて行うように動作可能である。
【0076】
図9Aは、いくつかの実施形態に係る、結合リング161とエッジリング167間の接続の垂直断面拡大図を示す。いくつかの実施形態では、結合リング161は、例えば、石英、セラミック、アルミナ(Al23)、又はポリマーなどの誘電体材料で形成されている。
【0077】
エッジリング167の底面には、熱的導電性ゲル903の層を介して結合リング161の上面と結合し、結合リング161をエッジリング167に熱的に沈めるための部分P1がある。また、エッジリング167の下面には、熱的導電性ゲル905の層を介して電極109の上面と結合された別の部分P2がある。熱的導電性ゲル903、905の例としては、ポリイミド、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、フルオロエチレンプロピレンコポリマー、セルロース、トリアセテート、シリコーン等が挙げられる。いくつかの実施形態では、熱的導電性ゲル903、905は、両面テープとして形成される。いくつかの実施形態では、エッジリング167は、セラミック層110の外径に近接するような大きさの内径を有する。
【0078】
エッジリング167は、エッジリング167内の周囲にわたり方位角方向に分布する多数のファスナー901によって結合リング161に固定されている。いくつかの実施形態では、各ファスナー901を受け入れるためのネジ穴が、エッジリング167内に形成されている。いくつかの実施形態では、各ファスナー901を受け入れるためのネジ付きインサートが、エッジリング167内に配置されている。例えば、ネジ付きインサートは、ファスナー901のネジを受けるためのネジ付き内壁表面を有する管状スリーブとして構成されていてもよく、ネジ付きインサートの管状スリーブは、エッジリング167内に形成された対応する孔に(機械的に及び/又は化学的に)固定された外壁面を有する。また、結合リング161には、ファスナー901を挿入するための孔が形成されている。いくつかの実施形態では、ファスナー901は、例えば、鋼、アルミニウム、鋼の合金、又はアルミニウムの合金などの金属で形成されている。或いは、いくつかの実施形態において、ファスナー901は、プラスチックで形成されている。いくつかの実施形態では、ファスナー901が配置される、結合リング161内に形成された孔は、ファスナー901のサイズに正確に対応するように形成されている。いくつかの実施形態では、ファスナー901を受けるためにエッジリング167内に形成された孔は、ファスナー901が孔内に完全に着座したときに、ファスナー901の端部とエッジリング167の上にある部分との間に垂直空間907(z方向に測定)が存在できるような深さに穿設される。垂直空間907は、空間907内でのアーク放電を防止できるようなサイズを有する。また、いくつかの実施形態では、ファスナー901の頭部は、結合リング161内において皿穴状となっている。
【0079】
様々な実施形態において、TES電極415は、例えば、白金、鋼、アルミニウム、又は銅などの導電性材料で形成されている。動作中、TES電極415とエッジリング167との間に容量結合が生じ、その結果エッジリング167が給電されてウェハWの外周付近でのウェハWの処理に影響を与える。
【0080】
いくつかの実施形態では、結合リング161をセラミック支持体113に固定するために、多数のホールドダウンロッド911が使用される。図9Bは、いくつかの実施形態に係る、結合リング161に接続されたホールドダウンロッド911の垂直断面拡大図を示す。ホールドダウンロッド911は、セラミック支持体113内に形成された孔を通って延び、結合リング161内に形成されたレセプタクル内に固定される。いくつかの実施形態では、ホールドダウンロッド911用に結合リング161内に形成されたレセプタクルは、ホールドダウンロッド911の端部に存在するネジと係合するために形成されたネジ壁を有している。いくつかの実施形態において、ネジ付きインサートは、ホールドダウンロッド911の対応するネジ付き端部を受けるために結合リング161内に配置される。ホールドダウンロッド911は、カンチレバーアームアセンブリ115内の開放領域118の内部にある取付構造915内に配置されたホールドダウン制御機構913に固定されている。取付構造915は、カンチレバーアームアセンブリ115に固定されている。いくつかの実施形態では、カンチレバーアームアセンブリ115内の開放領域118内の大気環境が、プラズマ処理領域182から分離された状態に保たれるように(またその逆も同様)、取付構造915とセラミック支持体113との間にOリング917が配置されている。
【0081】
いくつかの実施形態では、ホールドダウン制御機構913は、結合リング161とセラミック支持体との間、及び/又はエッジリング167と結合リング161との間に配置される任意のシール(Oリング)が完全に係合するように、結合リング161をセラミック支持体113に向かって下向きに引っ張るように構成かつ操作される。いくつかの実施形態では、ホールドダウン制御機構913は、空気圧を使用して、結合リング161をセラミック支持体113に向かって下向きに引っ張る。他の実施形態では、ホールドダウン制御機構913は、電気機械的に生成され印加される力を用いて、結合リング161をセラミック支持体113に向かって下向きに引っ張る。いくつかの実施形態では、3つのホールドダウンロッド911は、結合リング161内の周囲にわたり実質的に等間隔な方位角位置において結合リング161に接続されている。しかし、他の実施形態では、3本より多いホールドダウンロッド911が結合リング161に接続されている。また、様々な実施形態において、結合リング161に接続される複数のホールドダウンロッド911は、結合リング161内の周囲において、実質的に等間隔又は非等間隔な方位角位置に配置される。いくつかの実施形態では、ホールドダウンロッド911は、例えばプラスチックなどの、導電性でない剛性材料で形成されている。
【0082】
図9Cは、いくつかの実施形態に係る、結合リング161の上面斜視図を示す。図9Cの例示的な実施形態では、3つのホールドダウンロッド911A、911B、911Cが、それぞれ位置L1、L2、L3において結合リング161に接続されている。いくつかの実施形態では、位置L1、L2、及びL3は、結合リング161の底面と共平面な正三角形の頂点である。また、図9Cの例示的な実施形態は、それぞれ位置L4、L5、L6で結合リング161に接続される3つのTES RF信号供給ピン413A、413B、413Cを示す。いくつかの実施形態では、位置L4、L5、及びL6は、結合リング161の底面と共平面な正三角形の頂点である。また、図9Cの例示的な実施形態は、結合リング161の底面に接続された温度プローブフィードスルースリーブ919を示す。温度プローブフィードスルースリーブ919は、セラミック支持体113内に形成された孔を通って延び、結合リング161及び/又はエッジリング167の温度を測定するために温度プローブが挿入されるチャネルを提供する。図9Cの例示的な実施形態はまた、結合リング161を貫通して形成された、結合リング161をエッジリング167に固定するためにファスナー901を配置する多数の孔921も示す。
【0083】
図10Aは、いくつかの実施形態に係る、カンチレバーアームアセンブリ115の内部に配置されるTESシステム1000の一部の底面斜視図を示す。TES RF供給ケーブル407は、コンデンサ408に電気的に接続されている。また、TES RF供給ケーブル407は、導電性ストラップ1001によってTES RF信号供給導線409に電気的に接続されている。TES RF信号フィルタ411Aは、TES RF信号供給導線409に電気的に接続されている入力端子を有する。TES RF信号フィルタ411Aは、TES RF信号供給ピン413Aに電気的に接続されている出力端子を有する。また、TES RF信号フィルタ411Bは、導電性ストラップ1001によってTES RF信号供給導線409に電気的に接続されている入力端子を有する。TES RF信号フィルタ411Bは、TES RF信号供給ピン413Bに電気的に接続されている出力端子を有する。TES RF信号フィルタ411Cは、TES RF信号供給導線409に電気的に接続されている入力端子を有する。TES RF信号フィルタ411Cは、TES RF信号供給ピン413Cに電気的に接続されている出力端子を有する。なお、各TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cは、それぞれ対応するTES RF信号フィルタ411A、411B、411Cを介してTES RF信号供給導線409に電気的に接続されている。このように、各TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cは、それぞれ対応するTES RF信号フィルタ411A、411B、411Cを備えることで、TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cを介してTESシステム1000に結合しようとする高周波RF信号、例えば60MHzの信号などをブロックする。
【0084】
図10Bは、いくつかの実施形態に係る、それぞれが導電性コイルとして構成されたTES RF信号フィルタ411A,411B、411Cを有する、図10Aに示されるようなTESシステム1000の底面斜視図を示す。いくつかの実施形態では、TES RF信号フィルタ411A、411B、及び411Cのそれぞれに、実質的に同様に構成された導電性コイルが使用される。いくつかの実施形態では、TES RF信号フィルタ411A、411B、411Cを形成する各導電性コイルは、実質的に同じインダクタンス値を有する。いくつかの実施形態では、TES RF信号フィルタ411A、411B、411Cを形成する各導電性コイルのインダクタンス値は、約1マイクロヘンリーから約5マイクロヘンリーまでの範囲内である。なお、各TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cは、TES RF信号フィルタ411A、411B、411Cのうちの対応する1つに、それぞれ直接電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、各TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cと、それらにそれぞれ対応するTES RF信号フィルタ411A、411B、411Cとの間には、他の電気的構成要素は接続されていない。なお、また、各TES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cは、TES RF供給ケーブル407又はTES RF信号供給導線409のいずれにも直接接続はされておらず、それぞれ対応するTES RF信号フィルタ411A、411B、及び411Cを介して、TES RF供給ケーブル407及び/又はTES RF信号供給導線409に電気接続されている。このようにして、プラズマ処理領域182内からTES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cに到達した高周波RF信号(例えば60MHzの信号)は、TES RF信号フィルタ411A、411B、及び411Cによってそれぞれ実質的にブロックされ、それによってこれらの信号がTES RF供給ケーブル407又はTES RF信号供給導線409のいずれかに達することが防止される。
【0085】
図11は、いくつかの実施形態に係る、すべてのTES RF信号供給ピン413A,413B,及び413Cに対して、単一のTES RF信号フィルタ1108を使用する代替TESシステム1100の底面斜視図を示す。代替TESシステム1100では、TES RF供給ケーブル407がコンデンサ408の第1の端子に電気的に接続されている。また、単一のTES RF信号フィルタ1108の第1端子は、コンデンサ408の第1の端子と電気的に接続されている。また、コンデンサ408の第2の端子は、基準接地電位と電気的に接続されている。単一のTES RF信号フィルタ1108の第2の端子は、位置1110においてTESスパイダー構造1102に電気的に接続されている。TESスパイダー構造1102は、リング部1102Dと、リング部1102DからTES RF信号供給ピン413A、413B、413Cの位置までそれぞれ伸びる3つの脚部1102A、1102B、及び1102Cを含む。TESスパイダー構造1102の3つの脚部1102A、1102B、及び1102Cは、それぞれ、位置1112A、1112B、及び1112Cに示すように、TES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cのうちの対応する1つに電気的に接続されている。TESスパイダー構造1102は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウムの合金、鋼の合金、又は銅などの導電性材料で形成されている。
【0086】
図1A図1B図3B図9A図9B図9C図10A、及び10BのTESシステム1000とは異なり、図11の代替TESシステム1100は、TES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cが、対応するTES RF信号フィルタ411A、411B、及び411Cにそれぞれ直接的かつ独占的に電気的に接続されるのではなく、直接TESスパイダー構造1102に電気的に接続されている。したがって、図11の代替TESシステム1100では、プラズマ処理領域182内からTES RF信号供給ピン413A、413B、413Cに到達する高周波信号(例えば、60MHzの信号)は、単一のTES RF信号フィルタ1108によってブロックされずに、TESスパイダー構造1102内や周囲を循環可能となる。しかし、単一のTES RF信号フィルタ1108は、高周波信号がTES RF供給ケーブル407に到達するのを防ぐのに有効である。いくつかの実施形態では、TES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cに結合してTESスパイダー構造1102内や周囲を循環する高周波信号が、ウェハW全体のプラズマ処理結果の均一性に望ましくない影響を与える可能性がある。
【0087】
図1A図1B図3B図9A図9B図9C図10A、及び図10Bに関して説明したTESシステム1000は、図11に関して説明したTESシステム1100と比較して、ウェハW全体にわたるプラズマ処理結果の方位角的均一性がより良好となる。一例として、図12Aに、いくつかの実施形態に係る、図11のTESシステム1100を用いて得られたウェハW全体にわたるプラズマ処理結果のウェハマップを示す。図12Aのプラズマ処理結果は、その全体にわたってブランク酸化膜を堆積させたテストウェハに対して所定のエッチングプラズマ処理を行うことによって得られた。図12Aのウェハマップは、テストウェハに対しての所定のエッチングプラズマ処理が完了した後、ウェハWから除去された材料(例えば、層、膜など)の厚さを示している。図12Aのウェハマップは、カラースケールやグレースケールを用いて、ウェハW全体にわたる処理結果の均一性特性を図示したものである。
【0088】
一般に、一組のデータ測定点ziは、ウェハWの領域を横切る位置(xi、yi)に存在し、ウェハWの領域は、x2+y2<=R2によって定義され、RはウェハWの半径である。各データ測定点ziは、ウェハW全領域の対応する部分を表す。いくつかの実施形態では、様々な点ziの座標(xi、yi)は、各点ziがウェハW全領域の実質的にほぼ同じ大きさの部分を表すように選択される。なお、しかしながら、様々な点ziにおける測定データ値は、ウェハレベルの測定基準を演算する際に様々な点ziに関連付けられた対応するウェハW領域によって重み付けされ得る。図12Aに示すウェハレベルの均一性基準は、ウェハWを横切る全ての点ziで行った測定に基づく膜厚の平均値と、ウェハWを横切る全ての点ziで行った測定に基づく膜厚の3標準偏差(3σ)値と、ウェハWを横切る全ての点ziで行った測定に基づくウェハW全体にわたる膜厚の変動幅の算出値とを含む。ウェハW全体にわたる膜厚の3標準偏差(3σ)値は、ウェハ内不均一性(WIWNU)基準と呼ばれることもある。
【0089】
図12Aに示すように、プラズマ処理結果における格段に高い非均一性は、結合リング161内でTES RF信号供給ピン413がTES電極415に接続する付近の方位角領域に存在する。図12Aはまた、ウェハWの容積全体にわたるプラズマ処理結果の非均一性が、結合リング161内でTES RF信号供給ピン413がTES電極415に接続する場所に存在するプラズマ処理結果の非均一性が高い周辺方位角領域に有意に相関することを示す。結合リング161内でTES RF信号供給ピン413がTES電極415に接続される付近でのウェハW上のプラズマ処理結果の格段に高い非均一性は、電極109からプラズマ処理領域182に(第1のRF信号発生器147から)、TES電極415とTESスパイダー構造1102との結合を介して送信される高周波RF信号(60MHz)によって引き起こされる。TESシステム1100内の単一のTES RF信号フィルタ1108は、TESシステム1100内のTESスパイダー構造1102への高周波RF信号(60MHz)の結合を防止できない。
【0090】
TESシステム1100とは対照的に、各TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cにそれぞれ直接的かつ独占的に電気的に接続されている別々のTES RF信号フィルタ411A、411B、411Cを有するTESシステム1000は、各TES RF信号供給ピン413において高インピーダンスを提供し、プラズマ処理領域182内にプラズマ180を生成するために用いられる格段に高い高周波RF信号のTESシステム1000への結合をブロックする。プラズマ処理領域182内でプラズマ180を生成するために使用される高周波RF信号は、例えば60メガヘルツなどの、約1メガヘルツから約100メガヘルツまでの範囲内の1つ又は複数の周波数を有する信号である。そのため、TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cに到達した高周波RF信号は、TESシステム1000内のTES RF信号供給導線409内や周辺を循環できない。
【0091】
図12Bは、いくつかの実施形態に係る、図1A図1B図3B図9A図9B図9C図10A、及び図10BのTESシステム1000を用いて得られたウェハW全体にわたるプラズマ処理結果のウェハマップを示す。図12Bのプラズマ処理結果は、TESシステム1100を使用して、その全体にわたってブランク酸化膜を堆積させたテストウェハに対して(図12Aの結果を得るために行われたのと同じ)所定のエッチングプラズマ処理を行うことによって得られた。したがって、図12Bのプラズマ処理結果は、図12Aのプラズマ処理結果と直接比較可能であり、つまりTES装置1000とTES装置1100を直接比較できる。図12Bに示すように、各TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cにそれぞれ直接的かつ独占的に電気的に接続されている別々のTES RF信号フィルタ411A、411B、411Cを有することにより、TES RF信号供給ピン413A、413B、413Cが結合リング161内でTES電極415と電気的及び物理的に接続している位置付近では、プラズマ処理結果における目立った方位角的非均一性は存在しない。
【0092】
さらなる比較として、図12Cに、いくつかの実施形態に係る、TES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cがそれぞれ対応するTES RF信号フィルタ411A,411B,及び411Cから切り離された状態で得られたウェハW全体にわたるプラズマ処理結果のウェハマップを示す。図12Cのプラズマ処理結果は、その全体にわたってブランク酸化膜を堆積させたテストウェハに対して(図12A図12Bの結果を得るために行われたのと同じ)所定のエッチングプラズマ処理を行うことによって得られた。したがって、図12Cは、本質的に、TESシステム1000又はTESシステム1100のいずれかを接続せずに行った、ウェハW全体にわたるプラズマ処理結果を表す。図12Cに示される結果と図12A及び12Bに示される結果との比較は、別々のTES RF信号フィルタ411A、411B及び411Cをそれぞれ独占的かつ直接的にTES RF信号供給ピン413A、413B及び413Cに接続したTESシステム1000を使用して得られたウェハW全体にわたるプラズマ処理結果の均一性が、TESシステム1000を接続しない場合と同等であることを示している。したがって、別々のTES RF信号フィルタ411A、411B、及び411CをそれぞれTES RF信号供給ピン413A、413B、及び413Cに直接的かつ独占的に接続させることにより、プラズマ180からTESシステム1000への高周波RF信号の結合を効果的にブロックできることがわかる。
【0093】
図13Aは、いくつかの実施形態に係る、エッジリング167の斜視図を示す。エッジリング167は、頂面167Aと底面167Bを有する。図9Aに関して説明したように、複数の孔167Cが底面167Bを貫通して形成され、ファスナー901を受ける。なお、複数の孔167Cは、エッジリング167の頂面167Aには達していない。なお、図13Aの例では3つの孔167Cを示すが、他の実施形態では、ファスナー901を受けるための孔167Cの数は、例えば、6又は9など、3より多くてもよい。いくつかの実施形態では、エッジリング167は消耗的な構成要素であり、そのため、プラズマ処理システム100内で、ある一定数のプラズマ処理動作が行われると、エッジリング167の素材はプラズマ誘導腐食によって失われ、効果的に消耗され得る。したがって、エッジリング167は、プラズマ処理システム100内において取り換え可能な構成要素である。
【0094】
図13Bは、いくつかの実施形態に係る、エッジリング167の上面図を示す。エッジリング167は、内径ID1と外径OD1を有する。内径ID1はエッジリング167の内側の周縁部の直径に相当し、外径OD1はエッジリング167の外側の周縁部の直径である。様々な実施形態において、内径ID1の大きさは、エッジリング167の内側の周縁部がセラミック層110の外側の周縁部に近接するように、セラミック層110の直径によって決定される。
【0095】
図13Cは、いくつかの実施形態に係る、図13Bの(切断線)A-Aにおける図として示されるエッジリング167の垂直断面図を示す。エッジリング167は、エッジリング167の内側の周縁部に存在する内面167Dを有する。また、エッジリング167は、エッジリング167の外側の周縁部に存在する外面167Eを有する。いくつかの実施形態では、エッジリング167がプラズマ処理システム100内に配置された時、エッジリング167の頂面167A及び底面167Bのそれぞれは、水平の向き(x-y平面と実質的に平行の向き)を有し、内面167D及び外面167Eは、それぞれ垂直の向き(z方向と実質的に平行の向き)を有する。なお、また、エッジリング167は環状形状を有しており、この形状は例えば、リング状や皿状とも呼ばれることがある。
【0096】
エッジリング228は、ステップ部1622を有しており、ステップ部1622は、傾斜内面1606と、水平向き内面1608とを有している。傾斜内面1606は、垂直向き内面167Dに対して角度A2を有する。傾斜内面1606は、頂面167Aと連続している。いくつかの実施形態では、傾斜内面1606と頂面167Aとの間のエッジは、半径R3を有するように形成されている。水平向き内面1608は、傾斜内面1606と連続している。いくつかの実施形態では、水平向き内面1608と傾斜内面1606との間のエッジは、半径R4を有するように形成されている。水平向き内面1608と傾斜内面1606との間のエッジは、内径ID1及び外径OD1と同心である中間直径(MD)に従って配置される。内面167Dは、水平向き内面1608と連続している。いくつかの実施態様において、内面167Dと水平向き内面1608との間のエッジは、半径R5を有するように形成されている。
【0097】
内面167Dは、傾斜内面1618と連続している。いくつかの実施形態では、内面167Dと傾斜内面1618との間のエッジは、半径R6を有するように形成されている。傾斜内面1618は、底面167Bと連続している。いくつかの実施形態では、傾斜内面1618と底面167Bとの間のエッジは、半径R7を有するように形成されている。いくつかの実施形態では、半径R7は、半径R6の約2倍の値を有する。
【0098】
外面167Eは、底面167Bと連続している。いくつかの実施形態では、外面167Eと底面167Bとの間のエッジは、半径R2を有するように形成されている。外面167Eは、頂面167Aと連続している。いくつかの実施形態では、外面167Eと頂面167Aとの間のエッジは、半径R1を有するように形成されている。半径R1によるエッジリング167の湾曲は、エッジリング167とカバーリング165との間でのRF電力のアーキングの確率を低減させる。
【0099】
図14は、いくつかの実施形態に係る、図1Aの制御システム120の例示的な概略図を示す。いくつかの実施形態では、制御システム120は、プラズマ処理システム100において実行される半導体製造プロセスを制御するためのプロセスコントローラとして構成されている。様々な実施形態では、制御システム120は、プロセッサ1401、ストレージハードウェアユニット(HU)1403(例えばメモリ)、入力HU1405、出力HU1407、入出力(I/O)インターフェース1409、I/Oインターフェース1411、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)1413、及びデータ通信バス1415を含む。プロセッサ1401、ストレージHU1403、入力HU1405、出力HU1407、I/Oインターフェース1409、I/Oインターフェース1411、及びNIC1413は、データ通信バス1415を介して互いにデータ通信する。入力HU1405は、多数の外部装置からのデータ通信を受信するように構成されている。入力HU1405の例としては、データ取得システム、データ取得カードなどが挙げられる。出力HU1407は、多数の外部装置にデータを送信するように構成されている。出力HU1407の例としては、デバイスコントローラが挙げられる。NIC1413の例としては、ネットワークインターフェースカード、ネットワークアダプタなどが挙げられる。I/Oインターフェース1409及び1411のそれぞれは、I/Oインターフェースに結合された異なるハードウェアユニット間の互換性を提供するように定義される。例えば、I/Oインターフェース1409は、入力HU1405から受信した信号を、データ通信バス1415と互換性のある形式、振幅、及び/又は速度に変換するように定義され得る。また、I/Oインターフェース1407は、データ通信バス1415から受信した信号を、出力HU1407と互換性のある形式、振幅、及び/又は速度に変換するように定義され得る。なお、様々な動作が制御システム120のプロセッサ1401によって実行されるものとして本明細書に記載されているが、いくつかの実施形態では、様々な動作が制御システム120の複数のプロセッサによって、及び/又は制御システム120とデータ通信する複数のコンピューティングシステムの複数のプロセッサによって実行され得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、制御システム120は、感知された値に部分的に基づいて様々なウェハ製造システム内のデバイスを制御するために使用される。例えば、制御システム120は、感知された値及び他の制御パラメータに基づいて、バルブ1417、フィルタヒータ1419、ウェハ支持構造ヒータ1421、ポンプ1423、及び他のデバイス1425のうちの1つ又は複数を制御可能である。バルブ1417は、背面ガス供給システム129、プロセスガス供給システム191、及び温度制御流体循環システム125の制御に関連するバルブを含み得る。制御システム120は、例えば圧力計1427、流量計1429、温度センサ1431、及び/又は例えば電圧センサ、電流センサなどの他のセンサ1433から感知された値を受信する。制御システム120はまた、ウェハW上でプラズマ処理動作を実行する間、プラズマ処理システム100内のプロセス条件を制御するために使用され得る。例えば、制御システム120は、プロセスガス供給システム191からプラズマ処理領域182に供給されるプロセスガスの種類及び量を制御可能である。また、制御システム120は、第1のRF信号発生器147、第2のRF信号発生器149、インピーダンス整合システム143、TES RF信号発生器403、及びTESインピーダンス整合システム401の動作を制御し得る。また、制御システム120は、クランプ電極112のためのDC電源117の動作を制御し得る。制御システム120は、リフトピン132のためのリフト装置133の動作及びドア107の動作も制御し得る。制御システム120は、背面ガス供給システム129及び温度制御流体循環システム125の動作も制御する。制御システム120はまた、カンチレバーアームアセンブリ115の垂直移動を制御する。制御システム120はまた、スロットル部材196の動作、及び排気ポート105での吸引を制御するポンプを制御する。また、制御システム120は、TESシステム1000のホールドダウンロッド911のホールドダウン制御機構913の動作も制御する。また、制御システム120は、TESシステム1000の温度プローブからの入力を受ける。なお、制御システム120は、プラズマ処理システム100内の任意の機能をプログラム的及び/又は手動で制御可能とするように装備されている。
【0101】
いくつかの実施形態では、制御システム120は、プロセスタイミング、プロセスガス送出システム温度、圧力差、バルブ位置、プロセスガスの混合、プロセスガス流量、背面冷却ガス流量、チャンバ圧、チャンバ温度、ウェハ支持構造温度(ウェハ温度)、RF電力レベル、RF周波数、RFパルス、インピーダンス整合システム143の設定、カンチレバーアームアセンブリの位置、バイアス電力、及び特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令セットを含むコンピュータプログラムを実行するように構成されている。いくつかの実施形態では、制御システム120に関連付けられたメモリ装置に格納された他のコンピュータプログラムが使用され得る。いくつかの実施形態では、制御システム120に関連付けられたユーザインターフェースが存在する。ユーザインターフェースとしては、ディスプレイ1435、(例えばディスプレイ画面及び/又は装置のグラフィカルなソフトウェア表示、及び/又はプロセス条件)、並びにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザー入力デバイス1437などが挙げられる。
【0102】
制御システム120の動作を指示するソフトウェアは、多くの異なる方法で設計又は構成され得る。プロセスシーケンスにおいて様々なウェハ製造プロセスを実行するように制御システム120の動作を指示するコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語、例えばアセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなどで記述され得る。コンパイルされたオブジェクトコード又はスクリプトは、プロセッサ1401によって実行され、プログラム内で識別されたタスクを実行する。制御システム120は、プロセス条件に関連する様々なプロセス制御パラメータ、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガス組成及び流量、背面冷却ガス組成及び流量、温度、圧力、RF電力レベル及びRF周波数などのプラズマ条件、バイアス電圧、冷却ガス/流体圧力、チャンバ壁温度などを制御するようにプログラムされ得る。ウェハ製造プロセス中に監視され得るセンサの例としては、マスフローコントロールモジュール、圧力計1427のような圧力センサ、及び温度センサ1431が挙げられるが、これらに限定されない。所望のプロセス条件を維持するための1つ又は複数のプロセス制御パラメータを制御/調整するために、適切にプログラムされたフィードバック及び制御アルゴリズムが、これらのセンサからのデータと共に使用され得る。
【0103】
いくつかの実装形態では、制御システム120は、より広範な製造制御システムの一部である。このような製造制御システムは、ウェハ処理用の処理ツール、チャンバ、及び/又はプラットフォーム、及び/又はウェハ台座、ガスフローシステムなどの特定の処理構成要素を含む半導体処理機器を備え得る。これらの製造制御システムは、ウェハの処理前、処理中、及び処理後に、その動作を制御するための電子機器と統合されていてもよい。制御システム120は、製造制御システムの様々な構成要素又はサブパーツを制御可能である。制御システム120は、ウェハ処理要件に応じて、処理ガスの送出、背面冷却ガスの送出、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置及び動作設定、特定のシステムに接続又はインターフェースされたツール及び他の搬送ツール及び/又はロードロックの内外へのウェハ搬送を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0104】
概して、制御システム120は、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義でき、命令を受信・発令し、動作を制御し、ウェハ処理動作を可能にし、終了点測定を可能にする、等を行う。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ又は複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含み得る。プログラム命令は、様々な個々の設定(又はプログラム・ファイル)の形態で制御システム120に伝達される命令であってもよく、システム100内でウェハWに対して特定のプロセスを実行する操作パラメータを定義する。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、ウェハの1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はダイの製造中に1つ又は複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されたレシピの一部であり得る。
【0105】
いくつかの実装形態においては、制御システム120は、プラズマ処理システム100と統合又は結合されるか、システム100にネットワーク接続されるコンピュータの一部であるか、あるいは結合されていてもよく、またこれらを組み合わせた形態であり得る。例えば、制御システム120は、ウェハ処理への遠隔アクセスを可能にするfabホストコンピュータシステムの全体もしくは一部の「クラウド」内にあってもよい。コンピュータは、システム100への遠隔アクセスを可能にし、製造動作の現在の経過を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向若しくは性能メトリックを調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に追従する処理ステップを設定するか、又は新たなプロセスを開始してよい。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワーク上でプロセスレシピをシステム100に提供でき、ネットワークには、ローカル・ネットワーク又はインターネットを含み得る。
【0106】
遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでいてもよく、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、遠隔コンピュータからシステム100に伝達される。いくつかの例では、制御システム120は、データの形態で命令を受信し、命令は、1つ又は複数の動作中に実施すべき処理ステップのそれぞれに対するパラメータを指定する。なお、パラメータは、プラズマ処理システム100内で実施されるプロセスの種類に固有であり得る。従って、上記のように、制御システム120は、例えば、1つ又は複数の離散型コントローラなどを用いて分散してもよく、1つ又は複数の離散型コントローラは、まとめてネットワーク接続され、本明細書で説明する処理及び制御等、共通の目的を持って動作する。このような目的のための分散型コントローラの一例は、(プラットフォーム・レベルで、又は遠隔コンピュータの一部として等)遠隔に位置する1つ又は複数の集積回路と通信するプラズマ処理システム100の1つ又は複数の集積回路であり、プラズマ処理システム100上で実行されるプロセスを制御するように組み合わせられる。
【0107】
限定はしないが、制御システム120がインターフェース可能なシステムの例には、プラズマ・エッチングチャンバ若しくはモジュール、堆積チャンバ若しくはモジュール、スピンリンスチャンバ若しくはモジュール、金属めっきチャンバ若しくはモジュール、クリーンチャンバ若しくはモジュール、斜縁エッチングチャンバ若しくはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバ若しくはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバ若しくはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ若しくはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ若しくはモジュール、イオンインプランテーションチャンバ若しくはモジュール、トラックチャンバ若しくはモジュール、並びに半導体半導体ウェハの作製及び/又は製造に関連し得るか若しくは使用できるあらゆる他の半導体処理システムを含み得る。上記のように、ツールによって実施する1つ又は複数のプロセスステップに応じて、制御システム120は、1つ又は複数の他のツール回路若しくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタ・ツール、他のツール・インターフェース、近接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されるツール、主コンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツール位置及び/又は積載口へ、又はそこからウェハの容器を運ぶ材料輸送において使用されるツールと通信できる。
【0108】
本明細書に記載される実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサ型又はプログラム制御型家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成と共に実施できる。また、本明細書に記載された実施形態は、ネットワークを介して接続される遠隔処理ハードウェアユニットによってタスクを実行する分散コンピューティング環境と共に実施できる。なお、本明細書に記載される実施形態、特に制御システム120に関連する実施形態は、コンピュータシステムに格納されたデータによって様々なコンピュータが実行する操作を使用し得る。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とするものである。実施形態の一部となる本明細書に記載される任意の動作は、有用な機械動作である。また、実施形態は、これらの動作を実行するためのハードウェアユニット又は装置に関する。装置は、特殊な用途のコンピュータのために特別に構成され得る。特殊用途のコンピュータとして定義される場合、その特殊な用途に対する動作を可能としながらも、特殊用途の一部ではない他の処理、プログラムの実行又はルーチンも実行できる。いくつかの実施形態では、動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに格納された、又はネットワークから取得された1つ又は複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動又は構成された汎用コンピュータによって処理され得る。ネットワークからデータを取得した場合、そのデータは、ネットワーク上の他のコンピュータ、例えば、コンピューティングリソースのクラウドによって処理され得る。
【0109】
本明細書に記載される様々な実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとしてインスタンス化されたプロセス制御命令を介して実施され得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを格納し、その後コンピュータシステムによってそのデータを読み取り可能な任意のデータストレージハードウェアユニットである。非一時的なコンピュータによって読み取り可能な媒体の例としては、ハードディスク、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、記録用CD(CD-R)、書き換え可能CD(CD-RW)、磁気テープ、その他の光学及び非光学のデータ格納ハードウェアユニットが挙げられる。非一時的コンピュータ読み取り可能媒体は、ネットワーク結合コンピュータシステム上に分散されたコンピュータ読み取り可能な有形の媒体を含むことができ、コンピュータ読み取り可能なコードの格納と実行を分散方式で行う。
【0110】
前述の開示は、より明確な理解のため、詳細な記載を含むが、添付の特許請求の範囲内で、ある程度の変更及び修正が許容されることは明らかである。なお、例えば、本明細書に開示された任意の実施形態からの1つ又は複数の特徴は、本明細書に開示された任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。従って、本実施形態は、あくまで例示であり、制限的なものではないと認識すべきであり、また、特許請求の範囲は本明細書に記載された詳細に限定されず、記載された実施形態及び均等箇所の範囲内において変更可能である。本開示は、以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
可変エッジシースシステムであって、
プラズマ処理チャンバ内のウェハ支持領域を囲むエッジリングの底面に結合するように構成された結合リングと、
前記結合リング内に埋め込まれた環状形状を有する電極と、
前記結合リング内に埋め込まれた前記電極に結合し、それぞれが、前記結合リングの底面を通って形成された対応する孔を通って延びる複数のRF信号供給ピンと、
それぞれが前記複数のRF供給ピンに接続され、前記プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するために使用される対応するRF信号に対して高インピーダンスを供給するように構成されている複数のRF信号フィルタと、
を含む可変エッジシースシステム。
[形態2]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記プラズマ処理チャンバ内で前記プラズマを生成するために使用される前記対応するRF信号は、約1メガヘルツから約100メガヘルツの範囲内の1つ又は複数の周波数を有する、可変エッジシースシステム。
[形態3]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF供給ピンのそれぞれは、前記複数のRF信号フィルタうちの対応するものに独占的に接続されている、可変エッジシースシステム。
[形態4]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、
インピーダンス整合システムを介して電気的に接続され、前記結合リング内に埋め込まれた前記電極に、前記複数のRF信号フィルタと前記複数のRF供給ピンを介して、RF信号を供給するRF信号発生器をさらに含む、可変エッジシースシステム。
[形態5]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記複数のRF信号フィルタのそれぞれが電気的に接続されたRF信号供給導線をさらに含む、可変エッジシースシステム。
[形態6]
形態5に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記複数のRF信号フィルタの前記RF信号供給導線への接続位置は、前記RF信号供給導線内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、可変エッジシースシステム。
[形態7]
形態5に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号フィルタと前記RF信号供給導線が、前記プラズマ処理チャンバ内の前記プラズマから分離された大気環境内に配置されている、可変エッジシースシステム。
[形態8]
形態5に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記インピーダンス整合システムのRF信号出力と前記RF信号供給導線との間に電気的に接続されたRF信号供給線をさらに含む、可変エッジシースシステム。
[形態9]
形態8に記載の可変エッジシースシステムであって、
前記RF信号供給導線と前記RF信号供給線の両方に電気的に接続された第1の端子と、基準接地電位に電気的に接続された第2の端子とを有するコンデンサをさらに含む、可変エッジシースシステム。
[形態10]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、導電性コイルとして形成されている、可変エッジシースシステム。
[形態11]
形態10に記載の可変エッジシースシステムであって、前記導電性コイルは、アルミニウム又は銅で形成されている、可変エッジシースシステム。
[形態12]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、実質的に同じ構成を有する、可変エッジシースシステム。
[形態13]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号供給ピンの前記結合リング内の前記電極への接続位置は、前記結合リング内の前記電極内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、可変エッジシースシステム。
[形態14]
形態1に記載の可変エッジシースシステムであって、前記複数のRF信号供給ピンの数は3つであり、前記複数のRF信号フィルタの数は3つである、可変エッジシースシステム。
[形態15]
プラズマ処理システムであって、
頂面、底面及び外側面によって画定される実質的上円筒形状を有する1次電極と、
半導体ウェハを受け、かつ支持するように構成され、前記1次電極の前記頂面に配置されたセラミック層と、
インピーダンス整合システムを介して前記1次電極に電気的に接続され、RF信号を生成して前記1次電極に供給するように構成されたRF信号発生器と、
導電性材料で形成され、前記セラミック層を包囲するように構成され、また前記セラミック層に対して半径方向に隣接して配置されたエッジリングと、
前記エッジリングの底面に結合され、電気絶縁性材料で形成され、埋め込み電極を含む結合リングと、
前記埋め込み電極に電気的かつ物理的に接続し、それぞれが、前記結合リングの底面を通って形成された対応する孔を通って延びる複数のRF信号供給ピンと;
それぞれが前記複数のRF供給ピンに接続され、前記RF信号発生器によって前記1次電極に供給される前記RF信号に対して高インピーダンスを供給するように構成されている、複数のRF信号フィルタと、
を含むプラズマ処理システム。
[形態16]
形態15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF供給ピンのそれぞれは、前記複数のRF信号フィルタうちの対応するものに独占的に接続されている、プラズマ処理システム。
[形態17]
形態15に記載のプラズマ処理システムであって、前記RF信号発生器は第1のRF信号発生器であり、前記インピーダンス整合システムは第1のインピーダンス整合システムであり、前記プラズマ処理システムは、第2のインピーダンス整合システムを介して電気的に接続され、前記複数のRF信号フィルタ及び前記複数のRF供給ピンを介して、RF信号を前記埋め込み電極に供給する第2のRF信号発生器を含む、プラズマ処理システム。
[形態18]
形態17に記載のプラズマ処理システムであって、
前記複数のRF信号フィルタのそれぞれが電気的に接続されたRF信号供給導線をさらに含む、プラズマ処理システム。
[形態19]
形態18に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタの前記RF信号供給導線への接続位置は、前記RF信号供給導線内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、プラズマ処理システム。
[形態20]
形態18に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタと前記RF信号供給導線が、前記セラミック層を覆うプラズマ処理領域から分離された大気環境内に配置されている、プラズマ処理システム。
[形態21]
形態18に記載のプラズマ処理システムであって、
前記第2のインピーダンス整合システムのRF信号出力と前記RF信号供給導線との間に電気的に接続されたRF信号供給線をさらに含む、プラズマ処理システム。
[形態22]
形態21に記載のプラズマ処理システムであって、
前記RF信号供給導線と前記RF信号供給線の両方に電気的に接続された第1の端子と、基準接地電位に電気的に接続された第2の端子と、を有するコンデンサをさらに含む、プラズマ処理システム。
[形態23]
形態15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、導電性コイルとして形成されている、プラズマ処理システム。
[形態24]
形態23に記載のプラズマ処理システムであって、前記導電性コイルは、アルミニウム又は銅で形成されている、プラズマ処理システム。
[形態25]
形態15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号フィルタのそれぞれは、実質的に同じ構成を有する、プラズマ処理システム。
[形態26]
形態15に記載のプラズマ処理システムであって、前記埋め込み電極は実質的に環状形状を有し、前記複数のRF信号供給ピンの前記埋め込み電極への接続位置は、前記埋め込み電極内の周囲にわたり実質的に等間隔に配置される、プラズマ処理システム。
[形態27]
形態15に記載のプラズマ処理システムであって、前記複数のRF信号供給ピンの数は3つであり、前記複数のRF信号フィルタの数は3つである、プラズマ処理システム。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14