(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】試験測定装置及び被試験デバイスの性能測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/34 20200101AFI20250303BHJP
【FI】
G01R31/34 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020117778
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】201921027221
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユー・エヌ・ヴァスデフ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ・エヌ・エイチ・スリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェムパティ・エル・バルガヴィ
(72)【発明者】
【氏名】オマー・シェイフ
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0102425(US,A1)
【文献】国際公開第2018/020545(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/082277(WO,A1)
【文献】特開平06-273496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/327-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスが有する固定子に対して回転子が回転している動作状態のときに上記被試験デバイスから
時間で変化するアナログ三相信号を取り込むように構成されたインターフェースと、
表示部と、
プロセッサと
を具え、
上記プロセッサに、
取り込まれた上記アナログ三相信号
のサンプル・ポイント毎にDQ0変換を実行させて
上記アナログ三相信号に基づくDQ0信号を生成させ、
上記DQ0信号に基づいて、上記被試験デバイスの性能を測定させ
、
上記DQ0信号を用いて位相ベクトル図を生成させて、上記表示部上で上記位相ベクトル図を表示させ、
上記アナログ三相信号が取り込まれるときに、取り込まれた上記アナログ三相信号のサンプル・ポイント毎に、上記表示部上の上記位相ベクトル図を時間経過とともに更新させる
命令を実行するよう上記プロセッサがプログラムされた試験測定装置。
【請求項2】
上記DQ0信号に基づく上記被試験デバイスの性能の測定には、リップル、ピーク・ピーク振幅、DQ0成分のDC平均値、DQ0成分の高速フーリエ変換プロット、D及びQの大きさ、高調波測定値、ジッタ分析及びDQ0の総電力の中の少なくとも1つの測定が含まれる請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
上記プロセッサに、
上記DQ0信号に基づいて、逆DQ0変換を実行させ、再現された三相信号を生成させ
、
上記再現された三相信号の波形プロットを上記表示部上で表示させる
命令を実行するよう上記プロセッサがプログラムされた請求項1又は2の試験測定装置。
【請求項4】
被試験デバイスが有する固定子に対して回転子が回転している動作状態のときに上記被試験デバイスから
時間で変化するアナログ三相信号を取り込む処理と、
取り込まれた上記
アナログ三相信号
のサンプル・ポイント毎にDQ0変換を実行し、
上記アナログ三相信号に基づくDQ0信号を生成する処理と、
上記DQ0信号を使用して、上記被試験デバイスの性能を測定する処理と
、
上記DQ0信号を用いて位相ベクトル図を生成し、表示部で上記位相ベクトル図を表示する処理と、
上記アナログ三相信号が取り込まれるときに、取り込まれた上記アナログ三相信号のサンプル・ポイント毎に、上記表示部上の上記位相ベクトル図を時間経過とともに更新する処理と
を具える被試験デバイスの性能を測定する方法。
【請求項5】
上記DQ0信号について逆DQ0変換を実行し、再現された三相信号を生成する処理
と、
上記再現された三相信号の波形プロットを上記表示部上で表示する処理と
を更に具える請求項
4の被試験デバイスの性能を測定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、試験測定装置及び被試験デバイスの性能を測定する方法に関し、特に、モータ及び同期機の性能を測定するための試験測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
三相同期機(three-phase synchronous machines)の振る舞いは、通常、以下の回転電圧方程式(1)~(3)のような回転電圧/電流方程式によって記述され、このとき、R、S、Tは、三相AC信号、Vgは対応する利得である。
【0003】
VR=Vg*cos(win*t) (1)
【0004】
VS=Vg*cos(win*t-2*pi/3) (2)
【0005】
VT=Vg*cos(win*t-4*pi/3) (3)
【0006】
ここで、winは、入力R、S、T三相信号の2*pi*fである。「f」は、公称周波数(nominal frequency)である。ユーザは、重要な値である「f」を、商用電源(ライン)周波数(line frequency)又はモーターの任意のカスタム周波数として設定できる。
【0007】
ACインターフェースにおいて、これら電圧(Voltages:V)とこれら電流(Currents:I)は、通常、ばらばらであり、典型的には、120度位相がずれている。これらV及びI成分は、時間で変動し、これは、定常状態動作点を表さないことを意味する。
【0008】
DQ0(Direct-quadrature-zero)変換は、通常、AC波形の基準系を回転させて、AC波形をDC信号に変換する。これにより、実際の三相ACの結果を取り出す(recover)ために逆変換を行う前に、DC信号の簡単な計算で良くなる。また、DQ0変換によって、同期機の性能の分析も簡単になる。
【0009】
大まかに言えば、AC信号は、現実の信号であるが、これをDCに変換することで、DQ(Direct Quadrature)変換の抽象的な表現を得るのに役立つ。DQ0は、コントローラが何を見ているのかをユーザが知るのに有益である。この情報は、コントローラが何をしているかをユーザがより良く把握するのに役立ち、ユーザがコントローラの構成を、より適切に調整可能にする。
【0010】
一般的に、DQ0系は同期機(synchronous machines)に好まれ、αβゼロ(alpha-beta zero)変換は誘導機(induction machines)に好まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【非特許文献】
【0012】
【文献】「Direct-quadrature-zero transformation」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2020年7月7日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Direct-quadrature-zero_transformation>
【文献】「Alpha-beta transformation」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2020年7月7日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Alpha-beta_transformation>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
現在の解決手法(ソリューション)では、ユーザは、センサのデータを処理してDQ0情報を取得し、次いで、複数の反復処理によって、その制御情報をチェックするのに、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)ベースのハードウェアに依存している。この解決手法には、複雑でカスタムなプロセスが含まれる。ユーザは、実際的な方法では不可能なD-Q-0信号をプローブ又は測定しようと試みる必要がある。代わりに、典型的な解決手法では、コントローラの入力信号をシミュレートする外部からの刺激信号をコントローラに供給して、このアナログ・デジタル・コントローラ(ADC)がDQ0信号として出力する。
【0014】
開示された装置及び方法の実施形態は、従来技術における欠点に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示技術の説明のための実施例を以下に示す。本技術の実施形態は、後述する実施例の1つ以上の任意の組み合わせがあり得る。
【0016】
実施例1は、試験測定装置であり、被試験デバイスからアナログ三相信号を取り込むように構成されたインターフェースと、プロセッサとを具え、プロセッサに、アナログ三相信号に基づいて、DQ0(direct-quadrature-zero)変換を実行させてDQ0信号を生成させ、DQ0信号に基づいて、被試験デバイスの性能を測定させる命令を実行するようプロセッサがプログラムされる。
【0017】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であり、このとき、DQ0信号に基づく被試験デバイスの性能の測定には、リップル、ピーク・ピーク振幅、DQ0成分のDC平均値、DQ0成分の高速フーリエ変換プロット、D及びQの大きさ(マグニチュード)、高調波測定値、ジッタ分析、及びDQ0の総電力の中の少なくとも1つの測定が含まれる。
【0018】
実施例3は、実施例1及び2のいずれの試験測定装置であり、更に表示部を具え、プロセッサにDQ0信号を表示部に表示させる命令を実行するようにプロセッサがプログラムされる。
【0019】
実施例4は、実施例1から3のいずれかの試験測定装置であり、このとき、プロセッサに、DQ0信号に基づいて、逆DQ0変換を実行させて再現された(reconstructed)三相信号を生成させる命令を実行するようにプロセッサがプログラムされる。
【0020】
実施例5は、実施例4の試験測定装置であり、表示部を更に具え、プロセッサに再現された三相信号を上記表示部上に表示させる命令を実行するようにプロセッサがプログラムされる。
【0021】
実施例6は、実施例4の試験測定装置であり、このとき、プロセッサに、アナログ三相信号、DQ0信号及び再現された三相信号の中の少なくとも1つを使用して、位相ベクトル図を生成させる命令を実行するようプロセッサがプログラムされる。
【0022】
実施例7は、実施例1から6のいずれかの試験測定装置であり、このとき、上記インターフェースは、被試験デバイスのモータ駆動入力部又は駆動出力部からアナログ三相信号を受けるように構成される。
【0023】
実施例8は、実施例1から7のいずれかの試験測定装置であり、このとき、上記インターフェースは、電圧プローブを介してアナログ三相電圧信号を受け、電流プローブを介してアナログ三相電流信号を受けるように構成される。
【0024】
実施例9は、実施例1から8のいずれかの試験測定装置であり、表示部を更に具え、プロセッサにアナログ三相信号及びDQ0信号を用いて位相ベクトル(Phasor:フェーザ)図を生成させ、位相ベクトル図を上記表示部上に表示させる命令を実行するようプロセッサがプログラムされる。
【0025】
実施例10は、実施例1から9のいずれかの試験測定装置であり、このとき、DQ0変換は、3分の2、又は、3分の2の平方根に等しい定数を使用する。
【0026】
実施例11は、被試験デバイスから三相信号を取り込む処理と、上記三相信号についてDQ0(direct-quadrature-zero)変換を実行し、DQ0信号を生成する処理と、上記DQ0信号を使用して上記被試験デバイスの性能(パフォーマンス)を測定する処理とを具える方法である。
【0027】
実施例12は、実施例11の方法であり、DQ0信号のプロットを生成する処理を更に具える。
【0028】
実施例13は、実施例11又は12のいずれかの方法であり、このとき、DQ0信号を使用して上記被試験デバイスの性能を測定する処理が、リップル、ピーク・ピーク振幅、DQ0成分のDC平均値、DQ0成分の高速フーリエ変換プロット、D及びQの大きさ(マグニチュード)、高調波測定値、ジッタ分析及びDQ0の総電力の中の少なくとも1つを測定する処理を有する。
【0029】
実施例14は、実施例11から13のいずれかの方法であり、このとき、被試験デバイスから三相信号を取り込む処理が、被試験デバイスのモータ駆動入力部又は駆動出力部から三相信号を受ける処理を有する。
【0030】
実施例15は、実施例11から14のいずれの方法であり、取り込まれた三相信号及びDQ0信号を用いて位相ベクトル図を生成する処理と、位相ベクトル図を表示する処理とを更に具えている。
【0031】
実施例16は、実施例11から15のいずれの方法であり、このとき、被試験デバイスから三相信号を取り込む処理が、被試験デバイスから三相電圧信号を受ける処理と三相電流信号を受ける処理とを有し、DQ0変換を実行する処理が、三相電圧信号及び三相電流信号について別々にDQ0変換を実行する処理を有する。
【0032】
実施例17は、実施例11から16のいずれの方法であり、DQ0変換が、3分の2、又は、3分の2の平方根に等しい定数を使用する。
【0033】
実施例18は、実施例11から17のいずれの方法であり、DQ0信号に対して逆DQ0変換を行って再現された三相信号を生成する処理を更に具えている。
【0034】
実施例19は、実施例18の方法であり、再現された三相信号のプロットを生成する処理を更に具える。
【0035】
実施例20は、実施例18の方法であり、DQ0信号及び再現された三相信号を用いて位相ベクトル図を生成する処理と、位相ベクトル図を表示する処理とを更に具える。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、回転子及び固定子軸の関係の横断的な機能図を示す。
【
図2】
図2は、被試験デバイスを含むシステムの実施形態の図を示す。
【
図3】
図3は、試験測定装置の実施形態のブロック図を示す。
【
図4】
図4は、三相電圧及び電流信号をグラフィカルな描写を示す。
【
図5】
図5は、2サイクルの三相電圧信号をグラフィカルな描写を示す。
【
図6】
図6は、2サイクルの三相電流信号をグラフィカルな描写を示す。
【
図7】
図7は、本開示技術の実施形態による三相電圧信号のDQ0変換のグラフィカルな描写を示す。
【
図8】
図8は、本開示技術の実施形態による三相電流信号のDQ0変換のグラフィカルな描写を示す。
【
図9】
図9は、本開示技術の実施形態による再現された三相電圧信号を得るための逆DQ0変換のグラフィカルな描写を示す。
【
図10】
図10は、本開示技術の実施形態による再現された三相電流信号を得るための逆DQ0変換のグラフィカルな描写を示す。
【
図11】
図11は、本開示技術の実施形態による時間t=0における三相電圧RST及びDQ0変換の位相ベクトル図を示す。
【
図12】
図12は、本開示技術の実施形態による三相電圧RST及びDQ0変換の位相ベクトル図を示す。
【
図13】
図13は、本開示技術の実施形態によるDQ0信号を用いて被試験デバイスの性能を測定する方法のフローチャートを示す。
【
図14】
図14は、ユーザから構成の設定を受けるためのユーザ・インターフェースの本開示技術の実施形態による例を示す。
【
図15】
図15は、結果を表示するユーザ・インターフェースの本開示技術の実施形態による例を示す。
【
図16】
図16は、回転するDQ0信号と重なった実際の三相信号の本開示技術の実施形態による位相ベクトル図(Phasor Diagram)の例を示す。
【
図17】
図17は、本開示技術の実施形態による実際の電圧及び電流のDQ0信号に関する個別の位相ベクトル図(Phasor Diagram)の例を示す。
【
図18】
図18は、本開示技術の実施例による時間領域三相正弦波及びPWM波形を有する数学的処理のDQ0の実際の結果及び位相ベクトル・プロットの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
現在の解決手法では、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)ベースのハードウェアを使用してセンサ・データを処理することでDQ0情報を取得し、複数の反復処理によって制御情報をチェックする。この解決手法では、複雑でカスタムなプロセスが含まれる。
【0038】
ユーザは、現実的には不可能なD-Q-0信号をプローブ又は測定しようとする必要がある。ユーザは、モータ制御マイクロプロセッサで受けた信号にアクセスする必要がある。これには、概して、組み込み制御ソフトウェア、センサ、及びフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)が含まれる。代わりに、典型的な解決手法では、コントローラの入力信号をシミュレートするためにモータ・コントローラに外部刺激信号を供給し、アナログ・デジタル・コントローラ(ADC)の出力信号をDQ0信号としてキャプチャ(捕捉)する。
【0039】
本願の実施形態は、コントローラに入ってくる実際の三相信号を受けて、DQ0変換を実行する。プローブ・コネクタを使用して、三相の電圧及び電流信号をプローブし、センサを使わずにDQ0に変換することができる。コントローラは、これら直接の信号を使用する命令を実行する。
【0040】
本願で使用されるコントローラという用語には、コントローラ、マイクロコントローラ、プロセッサ(マイクロプロセッサとも呼ばれる)、デジタル・シグナル・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含む、命令を実行できるあらゆるタイプの処理実行要素が含まれていることに注意されたい。
【0041】
図1は、例えば、モータにおける回転子及び固定子軸の関係に係る横断的な機能図を示す。外側の輪は、固定子2を表す。内側の輪は、回転子4を表す。回転子4の周囲に分布するドットは、回転子のポール(極)6を表す。永久磁石(N-S)は、中心に配置できる。D軸16及びQ軸18からなるDQ基準系は、モータの回転子に固定されている。直流磁界(DC field)方向の界磁巻線の軸は、回転子のダイレクト(direct)軸、又は、d軸と呼ばれる。d軸から90度後の軸は、直角位相(quadrature)軸(q軸)である。軸10、12、14は、R、S、Tなどの三相電圧又は電流信号の軸を表す。この変換では、以下の系の関係式に従って、
図1に示す三相信号を使用する。以下の行列式(4)は、q軸とa軸が時間t=0で一致し、q軸が任意の時間tにおいて、a軸と角度θを形成する場合に当てはまる。
【0042】
【0043】
d軸とa軸が時刻t=0で位置合わせされ、d軸が時間tでa軸と角度θを形成する場合、次の行列式(5)が適用できる。
【0044】
Kの値は、2/3又は√(2/3)とすることができる。
【0045】
Kが2/3の場合、行列式は、3番目の行が1/2になる。従って、「0」は、2/3*1/2*(R+S+T)となる。
【0046】
Kが√(2/3)の場合、行列式は、3番目の行が1/√2になる。従って、「0」は、√(2/3)*1/√2*(R+S+T)となる。
【0047】
【0048】
ユーザは、モータ・コントローラの構造に基づいて、どの方法を使用するかを設定できる。ある実施形態では、システムにおける測定の構成として、q軸に沿った式を使用するか又はd軸に沿った式を使用するかをユーザが選択できる。
【0049】
行列中のθと、R、S、Tのθとは、シータ関数の計算に使用する方法に基づいて、異なるものとしても良い。
【0050】
角度θは、回転するd-q基準系とa軸との間の角度で、このとき、a軸は固定子の系に固定され、位相aの巻線の位置によって定められる。時間tにおける角度θは、式(6)で計算できる。
【0051】
θ=(0からTまで)∫w(t)dt+θ(0) (6)
ここでωは、d-q座標軸の回転速度であり、本願の実施形態では、同期速度(synchronous speed)として使用される。この変換により、ユーザは、固定子回路の電圧方程式を操作し、q-d-0座標に変換できる。
【0052】
行列式中の時間tにおけるθは、いくつかの異なる方法を使用して計算できる。最初のアプローチは、三相PLL法と呼ばれる。PLLは、一般に、三相モータのコントローラ回路に埋め込まれている。この方法は、ソフトウェアPLLを使用してコントローラ回路のハードウェアPLLをエミュレートし、フィルタによって導入される位相シフトと遅延を調整する。位相が調整されたθは、三相位相ロック・ループ(phase locked loop)を実装することにより得られる。PLLがモータ・コントローラ回路のハードウェアに既に実装されている場合に得られる三相信号には、この効果がある。ユーザは、ソフトウェアPLLの適用を選択することもでき、測定フローにおいて実行して、ハードウェアPLLを模倣できる。
【0053】
PLLは、変換された「d(t)」又は「q(t)」の値のいずれかを入力に受ける。これは測定において、設定変更可能である。PLLの出力信号は、「d」又は「q」軸に対して補正されたθを与える。この軸は、測定において、情報入力源(source input)として設定変更可能である。
【0054】
調整されたθ(PLL出力)は、行列式に戻して使用され、これは三相RST信号のθinとは異なるものとなろう。この調整プロセスは、RST信号の全てのサンプルが処理されるまで続き、PLLへの基準入力として与えられた設定された「d」又は「q」のいずれかを制御する。
【0055】
もう1つのアプローチは、標準的な方法(Standard method)と呼ばれる。θの典型的な選択肢は、ωtであり、このとき、ωは2*pi*fである。これは、同期機の固定された回転子の角度を表す。これは、フリーホイーリング・シータ(freewheeling(惰性で滑走する) theta)法と呼ばれる。この方法では、行列のθと、三相RST信号のθinとは、同じである。これは、θがPLL又は何らかのフィードバック方法によって調整されないので、より理想的な条件である。
【0056】
この方法には、ユーザが設定変更可能なθ(t)がある。ユーザは、測定に対して追加の限定を加える情報源(qualifier source)として、外部クロック又は明示的なクロックのような時間の機能(関数)をθに与えることができる。測定では、これを利用して、行列に関するθ値を抽出しても良い。この方法では、行列のθは、ユーザによって設定され、これは三相RST信号のθinとは異なる。
【0057】
第3の方法では、ユーザは、設定変更可能なθ(t)関数と見なされるものをθ関数として提供することができ、これは測定に追加の限定を加える情報源(qualifier source)であって、行列式で使用できる。このシータ波形は、PLL出力信号と等価であり、三相RST信号と同期する必要がある。ユーザは、次いで、このシータの値を使用し、全てのサンプル・ポイントでのDQ0を計算できる。
【0058】
先のこれら方法では、「f」は、三相信号の基本周波数を表す。ただし、ユーザは、「f」を、商用電源周波数、又は、関心のある任意のカスタムな周波数の値に設定できる。
【0059】
角度θ(t)は、入力される三相RST波形に基づいて形成され、行列で使用されるθ(t)は、2πラジアン毎にゼロにリセットされ、ランプ(ramp:傾斜)出力信号のようになる。PLL法では、上記のフリーホイーリング・シータ法とは異なり、d軸又はq軸をゼロに制御できる。三相PLL法は、三相RSTとDQ0信号の間の周波数の同期を向上させる。標準的な方法は、同期に関してハードウェアの実装によっているため、全ての中で最もシンプルである。
【0060】
更に、バランスの取れた条件下では、Z軸に沿った値がゼロであり、このために磁束がまったく生成されない。これによれば、d-q変換を式(7)に単純化できる。
【0061】
【0062】
DQ0又は順方向方程式(forward equation:フォワード方程式)とも呼ばれる式(7)において、Kは定数である。Kの値の典型的な選択肢は、2/3と√(2/3)である。これにより、d-qの量の大きさが、三相の量の大きさと等しくなる。
【0063】
例えば、Kの解釈は、異なる場合がある。Kが2/3の場合には、正弦波信号が、バランスがしていることを意味し、√(2/3)では、電力不変系(power invariant system)であることを意味する。本願の実施形態では、DQ0変換は、モータ駆動回路入力部からの三相(R-S-T)時間領域電圧及び電流を入力信号として取る。
【0064】
逆DQ0変換を行っても良く、これは、RST又は逆方向(backward:バックワード)方程式(8)とも呼ばれる。この逆変換では、次に示すように、モータ・コントローラが計算したDQ0信号を入力信号として使用して、R-S-T値を得る。
【0065】
【0066】
図2は、システムの実施形態を示し、このとき、被試験デバイスは、組込コントローラ26によって制御されているモータ及び駆動系(drive train:動力伝達装置)24である。モータは、主AC電源から、駆動回路入力部20で電源の入力を受ける。駆動回路及び駆動出力回路(drive and drive output)22において、これらの信号は、AC/DC変換、並びにDCフィルタ処理及びバッファ処理が行われる。これらフィルタ処理及びバッファ信号は、次に再度ACに変換され、モータ及び駆動系24に到達する。
【0067】
典型的なシステムにおいて、設計者は、モータ・コントローラ26に到達するエンコーダ、スピード(速度)及びトルク信号31、又は、モータ・コントローラ26へのアナログ入力信号33を、理論的にはサンプリングしようと試みることもできる。しかし、このアプローチは、プローブを使用して、これら信号のアクセス・ポイントに物理的に到達するのが非常に困難であるため、実用的ではない。従って、これら信号のアクセス・ポイントに到達しようとするのではなく、典型的なアプローチには、コントローラに外部刺激信号を与え、コントローラの入力信号を測定し、コントローラ内のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)32の出力信号をキャプチャ(捕捉)することが含まれる。しかし、上述のように、この典型的なアプローチには、デジタル回路/センサ・ブロック36中の、刺激信号を生成するFPGA、データをキャプチャ(捕捉)するセンサなどの使用も含まれる。更に、受けた信号は、回路が動作している間の回路内の実際の信号ではなく、「刺激」信号を含むだけである。
【0068】
これに対して、本願の実施形態は、回路内の実際の信号をキャプチャし、コントローラが、これらの信号からDQ0変換信号を生成することを可能にする。これら実施形態は、コントローラを回路内の信号で動作させることによって、より正確な信号測定と、はるかに単純な解決手法とを提供する。システムは、28に示すように、駆動回路入力部(drive input)における接続か、又は、30に示すように、駆動回路及び駆動出力回路22の出力における接続かのいずれを利用して、これら信号を捕捉する。いずれの場合も、これらの信号は、アナログ三相信号(R,S,T)を含む。電圧及び電流のいずれか又は両方の三相信号を、例えば、それぞれ適切な電圧プローブ及び電流プローブを用いて捕捉できる。コントローラ26は、アナログ三相信号33を受ける。次いで、コントローラは、順方向方程式(forward equation)を使用して、先に説明したDQ0変換を計算する命令を実行する。電圧と電流の三相信号に変換式を別々に適用し、電圧に関するDQ0と電流に関するDQ0とを取得できる。DQ0信号35は、フィードバックとして被試験デバイスに送り返すことができる。30における三相アナログ信号には、このフィードバックが含まれる。当業者であればわかるように、コントローラ26には、PWM回路34もあってよく、図示するように、駆動回路及び駆動出力回路22にゲート駆動(gate drive)信号を提供する。
【0069】
図3は、試験測定装置40のブロック図を示し、これは、図示するように、プローブ・インターフェースなどのインターフェース42を通してアナログ三相信号を入力として受けて、取り込む。通常、プローブ・インターフェースは、ケーブルへの1つ又は複数のコネクタであってもよい。インターフェース42には、三相信号を取得するための適切な回路(図示せず)があり、これには、当業者であればわかるように、信号調節回路、アナログ・デジタル・コンバータ、メモリ等が含まれていても良い。プロセッサ/コントローラ/処理要素44は、取得した三相信号に基づいて、DQ0変換を行い、DQ0信号を生成する。プロセッサ44は、DQ0信号に基づいて、被試験デバイスの性能を測定する。プロセッサ44は、また、逆DQ0変換を行い、DQ0信号に基づいて再現(reconstructed:再構築)された三相信号を生成してもよい。また、装置には、これら変換を装置に行わせるために、プロセッサによって実行される命令の両方を記憶すると共に、データを記憶するためのメモリ46があってもよい。また、装置には、以下で説明するように、装置がデータを表示できるように表示部48があってもよい。また、装置には、ユーザから構成の設定(configuration settings)を受けるためのユーザ・インターフェース49があってもよい。例えば、装置は、ユーザから、上述したような行列式で時間tにおける角度θの計算に使用される方法の選択について、ユーザ・インターフェース49を介して受けても良い。
【0070】
この測定では、位相Aとd軸又は位相Aとq軸の初期位置合わせ(アライメント)に関する設定が可能である。ユーザは、この設定に基づいて、出力結果における変化と、位相ベクトル(Phasor:フェーザ)プロットを確認できる。
【0071】
図4~12は、
図3の試験測定装置40のような、オシロスコープや他の試験測定装置によって捕捉された信号のグラフィカルな描写を示す。
図4は、ブラシレスDCモータの被試験デバイスから取り込まれた三相RST電圧及び電流信号のスナップショットを示す。ブラシレスDCモータのこれらの例は、単に、入力信号と、結果として得られる信号の例を提供するだけで、特定の被試験デバイスに限定するものではないことに注意されたい。
【0072】
別々の三相電圧RST信号を
図5に示し、三相電流RST信号を
図6に示す。
【0073】
順方向DQ0変換を適用すると、
図7に示す電圧波形と、
図8に示す電流波形が得られる。
【0074】
逆方向の逆DQ0変換を適用すると、
図9及び
図10に示す三相波形が得られる。
図9は
図5と比較でき、
図10は
図6と比較できて、変換の精度をチェックできる。ただし、通常は、ユーザは、コントローラ26の性能をモニタするために、逆変換を確認したいと考えるであろう。
【0075】
上述したように、三相信号は時間で変化し、これは、定常状態の動作ポイントが存在しないことを意味する。
図1を再度参照すると、これは、3つの回転子軸10、12、14を示し、それぞれ位相aは10、位相bは12、位相cは14である。誘導機では、d軸はt=0でa軸に位置合わせされ、同期速度(w)で回転すると仮定される。DQ0変換により、
図11に示すように、三相の電圧及び電流信号における時間変化インダクタンスが全て除去される。
【0076】
図11は、回転している基準系を示し、時間t=0において、三相のRST成分及びDQ0成分のベクトルが重なっている。a軸とd軸は、50の0軸で重なっている。b軸は、45に示されている。c軸は47にあり、q軸は43にある。
【0077】
図12では、回転系のベクトルが、各サンプル時間に対して変化するd軸とq軸を示している。ゼロ軸は62に固定され、このとき、a軸とd軸は60で重なっている。q軸は64にあり、b軸は66にあり、c軸は68にある。サンプル・レートが、回転する要素を示すためにシミュレートされているが、実際のプロットでは、このレートがはるかに遅くなることがある。これは、回転ベクトルを示す例である。
【0078】
図16と
図17は、実際のDQ0位相ベクトル(Phasor)プロットの実際の回転系を示す。プロットの更新レートは、三相RST信号の周波数と、アクイジション(データ取得)におけるそうしたサイクル数との積に等しい。
【0079】
図18は、数学的処理のDQ0の実際の結果と位相ベクトル・プロットと、加えて、QがDCで、Dが最初は位相Aと一致(アライメント)していて、Dがゼロに向かいつつありのときの時間領域の三相正弦波とPWM波形の例を示す。もし位相Aが最初はQと一致していると、DはDCとなり、Qはゼロへと向かっていくであろう。
【0080】
図13は、順方向変換及び逆方向変換を適用する方法の一実施形態のフローチャートを示す。この方法は、順方向変換に関する70で始まり、このとき、システムは、アナログ三相信号を取り込む。システムは、電圧及び電流のいずれか又は両方のアナログ三相信号を取り込んでも良い。71では、取り込んだアナログ三相信号を使用して、DQ0変換が計算される。システムは、71において、電圧と電流で別々にDQ0変換を計算できる。
【0081】
72から始まる三相PLLエミュレーションは、上述した3つの異なる方法を示す。三相PLLエミュレーションが適用される場合、出力されるθは、d又はq軸に対して調整され、73で行列式に適用される。72での応答が「NO」の場合、74において、θは、ユーザの入力の通りに使用されるか、又は、使用されない(not)かのどちらかである。もし使用されない(not)場合、処理は、75のフリーホイーリング(freewheeling:惰性で滑走する)方法へと続き、この場合には、入力のθは、入力信号と同じである。もしθを、ユーザの入力の通りに使用する場合、76において、追加の限定を加える情報源(qualifier source)に従って更に調整される。77では、上述した3つの方法のいずれかが出力に選択される。これらは、78に戻される。
【0082】
次いで、装置は、78において、DQ0信号の波形プロットを表示できる。これにより、設計者は、コントローラがどのように認識しているかを確認できるため、必要に応じて、被試験デバイスの性能を調整できる。更に、システム設計者が希望するように、システムは、DQ0信号に基づいて、被試験デバイスの性能を測定できる。これらの性能測定には、リップル(rms:二乗平均平方根)、ピーク・ピーク振幅、DQ0成分のDC平均、大きさ(D,Q)、DQ0成分の高速フーリエ変換プロット、DQ0の総電力が含まれる。ユーザは、DQ0変換後に、高調波測定とジッタ分析を実行できる。DQ0は、DC成分を持つと予想されるため、大きさに現れるどのような変動も、より高次の高調波とジッタを与えることになる。79において、全てのサンプルが処理されるまで処理が続けられる。もし処理が完了すれば84に進み、もし処理が完了していなければ70に戻る。
【0083】
図14は、システム設計者が被試験デバイス上で実行したい測定値の構成の設定を選択可能にするユーザ・インターフェース90の例を示す。
図15は、測定結果を表示するユーザ・インターフェース92の例を示す。ここに示す結果は、三相電圧のDQ0信号、ピーク・ピーク振幅、平均値及び大きさ(D,Q)であるが、高調波測定、ジッター分析その他の測定から選択されるような、関心のある任意の測定値であっても良い。例示するユーザ・インターフェース90及び92は、
図3の試験測定装置40のユーザ・インターフェース49の一部分であってもよい。
【0084】
図13に戻ると、逆方向(inverse / reverse / backward)変換処理は、DQ0コントローラ信号が80で取り込まれたときに始まる。システムは、電圧及び電流のいずれか又は両方のDQ0信号を取り込んでも良い。81では、逆DQ0変換が計算され、再現された三相RST信号が、DQ0信号に基づいて生成される。システムは、81において、電圧及び電流で別々に再現(reconstructed)三相RST信号を計算できる。システムは、82において、再現された三相信号の波形プロットを生成できる。これにより、例えば、システム設計者は、逆変換により再現された三相信号を、70で取り込まれたアナログ三相RST信号と比較して、システムの性能を監視(モニタ)できる。84では、順方向(forward)又は逆方向(reverse)のいずれかの変換処理において、システムは、また、1つ以上の信号の位相ベクトル・プロット、又は1つ以上の信号に基づく測定結果を生成して表示できる。典型的には、DQ0信号は、71の出力から取り込まれる(つまり、受ける)として良い。しかし、実施形態によっては、DQ0信号は、
図3の試験測定装置40のインターフェース42を通してなど、外部信号源から取り込まれても良く、この場合には、行う必要があるのは、逆変換のみとしても良い。
【0085】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の1つ以上の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAM(Random Access Memory)などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な態様において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、FPGAなどのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本発明の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0086】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。
【0087】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は排除される。
【0088】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含むことができる。
【0089】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0090】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0091】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0092】
20 駆動回路入力
22 駆動回路及び駆動出力回路
24 モータ及びド駆動系
26 モータ・コントローラ
31 エンコーダ、速度、トルク信号
32 ADC
33 アナログ三相信号
34 PWM回路
35 DQ0信号
36 デジタル回路/センサ・ブロック
40 試験測定装置
42 インターフェース
44 プロセッサ
46 メモリ
48 表示部
49 ユーザ・インターフェース