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特許7642913輪郭抽出方法、輪郭抽出システム、及び輪郭抽出プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】輪郭抽出方法、輪郭抽出システム、及び輪郭抽出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/13 20170101AFI20250303BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20250303BHJP
【FI】
G06T7/13
G06T7/60 150Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024171439
(22)【出願日】2024-09-30
【審査請求日】2024-10-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591021305
【氏名又は名称】太陽ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】本島 康平
(72)【発明者】
【氏名】杉山 颯
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 萌子
(72)【発明者】
【氏名】植田 千穂
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/166748(WO,A1)
【文献】特開2004-277688(JP,A)
【文献】特開昭62-280604(JP,A)
【文献】特開2006-029891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
基材上に形成されたパターンの断面の第1画像を取得し、
前記第1画像、又は、平坦化された前記第1画像に対して、前記基材及び前記パターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成し、
前記第2画像における複数の二値境界点のy座標についてヒストグラムを作成し、
前記第2画像及び前記ヒストグラムに基づいて、前記断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出する、
ことを含む輪郭抽出方法。
【請求項2】
前記基材が、樹脂製又はガラス製である、請求項1記載の輪郭抽出方法。
【請求項3】
前記パターンは、樹脂組成物からなる樹脂組成物パターンである、請求項1記載の輪郭抽出方法。
【請求項4】
コンピュータが、前記抽出された輪郭における側壁に対応する部位において、前記基材の表面から所定の第1高さにある第1座標、及び、前記基材の表面から所定の第2高さにある第2座標に基づいて、前記側壁の角度を測定することを更に含む、請求項1記載の輪郭抽出方法。
【請求項5】
コンピュータが、
前記抽出された輪郭内の領域を、前記基材の表面に平行な方向に沿う線で、所定の間隔毎に複数のサブ領域に分割し、
前記サブ領域のそれぞれに対応する複数の矩形を設定し、
前記矩形のそれぞれについて、前記基材の表面に平行な方向の幅を測定する、
ことを更に含む、請求項1記載の輪郭抽出方法。
【請求項6】
基材上に形成されたパターンの断面の第1画像を取得する取得部と、
前記第1画像、又は、平坦化された前記第1画像に対して、前記基材及び前記パターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成する二値化処理部と、
前記第2画像における複数の二値境界点のy座標についてヒストグラムを作成するヒストグラム処理部と、
前記第2画像及び前記ヒストグラムに基づいて、前記断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出する輪郭抽出部と、
を備える輪郭抽出システム。
【請求項7】
コンピュータに、
基材上に形成されたパターンの断面の第1画像を取得する取得部と、
前記第1画像、又は、平坦化された前記第1画像に対して、前記基材及び前記パターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成する二値化処理部と、
前記第2画像における複数の二値境界点のy座標についてヒストグラムを作成するヒストグラム処理部と、
前記第2画像及び前記ヒストグラムに基づいて、前記断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出する輪郭抽出部と、
を実現させるための輪郭抽出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、輪郭抽出方法、輪郭抽出システム、及び輪郭抽出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体レジストの断面画像に対する画像処理技術として、例えば、特許文献1には、走査型電子顕微鏡で得られるパターン断面を撮像した画像(SEM画像)から、パターン断面の側壁角度を計測するパターン画像測定方法が記載されている。この方法は、SEM画像を画像処理してパターン断面の輪郭線座標データを抽出する工程と、輪郭線座標データからパターン上部及び下部の座標値を抽出して両者からパターンの高さを算出する工程と、側壁角度を計測する範囲2点の座標値に相当する輝度分布信号を生成する工程と、輝度分布信号の一部の信号成分を除去する工程と、除去後の2つの信号に対して相互相関法を適用し、2つの信号のピーク間距離を算出する工程と、計測範囲の高さと信号ピーク間距離とから、側壁角度を算出する工程とを含むことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-68138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば、基材上に形成されたパターンの断面画像において、基材自体が樹脂製であったり、或いは、ガラス製であったりする場合、パターンと基材が通常の二値化処理では分離して識別することが困難な程度に同様に映りこんでしまい、上記従来の画像処理技術では両者を弁別することができない傾向にある。その結果、基材上に形成されたパターンにおけるビア(VIA)やダム(DAM)といったパターン形状の輪郭を正確に抽出することができず、その幅や高さ等の形状パラメータを正確に測定することができないといった問題が生じ得る。
【0005】
そこで、本開示は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、基材上に形成されたパターンの断面画像において、パターンと基材が通常の二値化処理では分離して識別することが困難な場合(例えば、パターンと基材が同じ材料又は類似する材料からなる場合や基材が樹脂製又はガラス製である場合)であっても、そのパターンにおけるビアやダム等を含むパターン形状の輪郭を正確に抽出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕上記目的を達成するために、本開示による輪郭抽出方法は、コンピュータが、基材上に形成されたパターンの断面の第1画像を取得し、第1画像、又は、平坦化された第1画像に対して、基材及びパターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成し、第2画像における複数の二値境界点のy座標についてヒストグラム(頻度分布)を作成し、第2画像及びヒストグラムに基づいて、上記断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出することを含む。また、本開示による輪郭抽出システム及び輪郭抽出プログラムも、これらに対応する実質的に同等の構成を有する。
【0007】
尚、本開示における「座標」とは、2次元(x,y)座標を意味し、この場合のx軸とは、基材の表面に平行な方向に沿う軸であり、y軸とは、x軸に直交する軸、すなわち、基材の表面に垂直な方向に沿う軸である。よって、この2次元(x,y)座標におけるx座標(x成分)は、基材の表面に平行な方向の位置座標を示し、そのy座標(y成分)は、基材の表面に垂直な方向の位置座標を示す。また、「関心領域」とは、第1画像においてユーザが指定した、或いは、後述する輪郭抽出システムにより設定又は指定された任意の領域であり、例えば、ビアやダム等のパターン形状を含む領域が挙げられる。
【0008】
このような構成では、第1画像に対して、基材及びパターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行うことにより、生成された第2画像において、基材及びパターンがともに例えば白色で表される一方、背景が例えば黒色で表される。それから、その第2画像について、複数の二値境界点(白色と黒色の境界)におけるy座標のヒストグラムが作成される。そして、そのヒストグラムに出現する2つのピーク位置を、関心領域に含まれるパターンの表面レベルと基材の表面レベルとして特定し、且つ、それらのパターンの表面レベルと基材の表面レベルの間の輪郭点を、パターン形状(ビアやダム等)の側壁と特定することができる。
【0009】
〔2〕基材としては、特に制限されないものの、当該方法は、例えば、金属製、樹脂製、及びガラス製の基材上に形成されたパターンに対して有用であり、なかでも、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹脂)といった樹脂製及びガラス製の基材上に形成されたパターンに対して特に有用である。
【0010】
〔3〕また、パターンも、特に制限されないものの、当該方法は、例えば、基材上に形成された樹脂組成物パターン(例えば、アルカリ溶解性樹脂、光重合開始剤、エポキシ樹脂、無機フィラー等を配合した樹脂組成物であるソルダーレジスト)に対して特に有用である。
【0011】
〔4〕また、上記構成において、コンピュータが、抽出された輪郭における側壁に対応する部位において、基材の表面から所定の第1高さにある第1座標、及び、基材の表面から所定の第2高さにある第2座標に基づいて、側壁の角度を測定することを更に含んでもよい。このようにすれば、抽出された輪郭における側壁の直線部分に基づいて、側壁の傾斜角度を好適に測定することができる。
【0012】
〔5〕さらに、上記構成において、コンピュータが、抽出された輪郭内の領域を、基材の表面に平行な方向(x軸方向)に沿う線で、所定の間隔毎に複数のサブ領域に分割し、サブ領域のそれぞれに対応する複数の矩形を設定し、矩形のそれぞれについて、基材の表面に平行な方向(x軸方向)の幅を測定することを更に含んでもよい。このようにすれば、ビア等のパターン形状の幅を側壁の形状に対応して詳細且つ精度よく測定することができる。
【0013】
〔6〕また、本開示による輪郭抽出システムは、本開示による輪郭抽出方法を有効に実施するためのシステムであり、基材上に形成されたパターンの断面の第1画像を取得する取得部と、第1画像、又は、平坦化された第1画像に対して、基材及びパターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成する二値化処理部と、第2画像における複数の二値境界点のy座標についてヒストグラムを作成し、第2画像及びヒストグラムに基づいて、上記断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出する輪郭抽出部とを備える。
【0014】
〔7〕また、本開示による輪郭抽出プログラムは、コンピュータに、本開示による輪郭抽出システムを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本開示による輪郭抽出方法、輪郭抽出システム、及び輪郭抽出プログラムによれば、第1画像に対する二値化処理により、基材及びパターンと背景とを弁別し、複数の二値境界点におけるy座標のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムから、パターンの表面レベルと基材の表面レベル、及び、パターン形状(ビアやダム等)の側壁を特定することができる。これにより、パターンと基材が同じ材料又は類似する材料からなる場合や基材が樹脂製又はガラス製であった場合でも、断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を正確に抽出することができ、ビアやダム等の幅や側壁角度等の形状パラメータを正確に測定することができる。その結果、基材やパターンの種類によらない汎用性に優れたパターン形状の輪郭抽出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一実施形態に係る輪郭抽出システム100の概略構成を示すブロック図である。
図2】輪郭抽出システムを用いて有効に実施される輪郭抽出方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3A】取得部が取得する第1画像の一例を示す写真である。
図3B】モルフォロジー処理部により生成された第2画像の一例を示す写真である。
図3C図3Bに示す第2画像における二値境界点のy座標に基づいて作成されたヒストグラムの一例を示すグラフである。
図3D】輪郭抽出部が図3Bの第2画像から抽出した輪郭の表示情報を、ユーザ装置に表示した画像の一例を示す写真である。
図3E図3Dに示す輪郭を表す枠線のうち側壁の一部に相当する線分を、図3Aの第1画像に重ねて表示した画像の一例を示す写真である。
図3F】角度測定部が算出した側壁の傾きを示す直線及び基材の表面を示す直線を、図3Aの第1画像に重ねて表示した画像の一例を示す写真である。
図4A】幅測定部が複数の矩形を設定する処理の一例を模式的に示す平面図である。
図4B】幅測定部が基材の表面と平行な線で輪郭内の領域を複数のサブ領域に分割し、各サブ領域を、図3Aの第1画像に重ねて表示した画像の一例を示す写真である。
図5】輪郭抽出システム100をコンピュータ500により実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して重複する説明を省略する。尚、以下の実施の形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本開示は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本開示の範囲に含まれる。
【0018】
[輪郭抽出システムの構成例]
図1は、本開示の一実施形態に係る輪郭抽出システム100の概略構成を示すブロック図である。輪郭抽出システム100は、基材上に形成されたパターン(例えば樹脂組成物パターンであり、具体的にはビアやダム等を含むソルダーレジストのパターン)の断面画像である第1画像から、その関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出するための情報処理システムであり、コンピュータと特定の輪郭抽出プログラムによって実現される。輪郭抽出システム100は、ユーザ装置200とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。ユーザ装置200は、輪郭抽出システム100のユーザが利用する情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等により実現される。ユーザは、このユーザ装置200を利用して輪郭抽出システム100にアクセスし、第1画像を輪郭抽出システム100に提供し、また、第1画像と対応付けて抽出された輪郭の表示を参照することができる。
【0019】
図1に示すとおり、輪郭抽出システム100は、記憶部110、取得部115、パラメータ受付部120、二値化処理部125、モルフォロジー処理部130、ヒストグラム処理部135、輪郭抽出部140、角度測定部145、幅測定部150、及び表示出力部155を備える。これらは、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることによって実現される機能部である。
【0020】
記憶部110は、輪郭抽出システム100において処理される各種情報を記憶し、より具体的には、例えば、第1画像や第2画像等の画像の他、後述するパラメータ情報、表示情報、及び測定結果情報等を記憶することができる。
【0021】
取得部115は、基材上に形成されたパターンの断面画像である第1画像をユーザ装置200から取得し、その第1画像を記憶部110に格納する。第1画像としては、特に制限されず、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)や光学顕微鏡で撮影された画像が挙げられる。また、基材としては、特に制限されず、例えば、金属製、BT樹脂等の樹脂製、及びガラス製の基材が挙げられる。このように、輪郭抽出システム100は、基材の材質によらず、その上に形成されたパターンにおけるパターン形状の輪郭抽出に対応することができ、なかでも、パターンと基材が同じ材料からなる場合や樹脂製及びガラス製の基材上に形成された樹脂組成物パターンに対して特に有用である。なお、本開示における樹脂製の基材とは樹脂を主成分の1つとして含む基材を意味し、ガラスエポキシ基材等のように他の成分を含む基材でもよい。
【0022】
上述した機能部のうち、パラメータ受付部120は、ユーザからユーザ装置200を通して指定される後述する各処理(二値化処理、モルフォロジー処理、及びヒストグラム処理)の少なくとも何れかの実行に必要なパラメータに関する情報を受け付けて記憶部110に格納する。
【0023】
二値化処理部125は、取得された第1画像、又は、必要に応じて(例えばノイズの除去が有効である場合に)適宜の手法によって平坦化(平滑化)された第1画像に対して、所定の閾値に応じた二値化処理を行い、二値化された第2画像を生成して記憶部110に格納する。ここでの二値化処理としては、例えば、所定の閾値以上の画素値のピクセルを白色、所定の閾値未満の画素値のピクセルを黒色とする処理や、明度の上限及び下限を指定し、当該上限及び当該下限の範囲内のピクセルを白色、当該上限及び当該下限の範囲外のピクセルを黒色とする処理等が挙げられる。また、その際の所定の閾値としては、基材及びパターンと背景とを弁別するために有効な閾値であればよく、二値化処理によって基材とパターンとを互いに区別する必要はない。
【0024】
モルフォロジー処理部130は、必要に応じて二値化処理部125で生成された第2画像に対して、所定の回数の膨張処理及び所定の回数の収縮処理を含むモルフォロジー処理を行い、二値化された状態の画像を生成して記憶部110に格納する。ここでの膨張処理は、例えば、第2画像において、白画素領域を膨らませる処理であり、収縮処理は、例えば、第2画像において、白画素領域を縮める処理である。これらの膨張処理及び収縮処理は、矩形カーネルや楕円形カーネル、十字形カーネル等を用いて行ってもよい。また、ここでのモルフォロジー処理としては、例えば、収縮処理の後に膨張処理を行うオープニング処理や膨張処理の後に収縮処理を行うクロージング処理等が挙げられる。その際のオープニング処理及びクロージング処理の回数及び順序は、特に制限されない。かかるモルフォロジー処理により、第2画像において、黒く映り欠損として認識されるおそれのある部分を埋め、且つ、白く映りノイズとして認識されるおそれのある部分を削除するといった補完処理を行うことができる。なお、モルフォロジー処理を行った場合には、モルフォロジー処理を行った後の画像を第2画像とみなす。
【0025】
ヒストグラム処理部135は、生成された第2画像における複数の二値境界点(白色ピクセルと黒色ピクセルの境界)のy座標(yi)についてヒストグラムを作成し、その数値データ及びグラフ化した画像を記憶部110に格納する。
【0026】
輪郭抽出部140は、そのヒストグラムに生じた2つのピークのy座標を、関心領域に含まれるパターンの表面レベル(関心領域の最高レベル)と基材の表面レベル(関心領域の最低レベル)として特定する。また、輪郭抽出部140は、それらのパターンの表面レベルと基材の表面レベルの間の輪郭点をビアやダム等の側壁と特定し得る。輪郭抽出部140は、第2画像におけるこのような表面レベルや側壁部分の位置座標から、基材上に形成されたパターンにおけるパターン形状の輪郭を抽出し、その抽出結果を記憶部110に格納する。
【0027】
角度測定部145は、抽出された輪郭における側壁の傾斜角度を測定する。その際、角度測定部145は、その輪郭における側壁に対応する部位のピクセルにおいて、基材の表面から所定の第1高さにある第1座標(x1,y1)、及び、基材の表面から所定の第2高さにある第2座標(x2,y2)に基づいて、側壁の角度を測定することができる。この場合、第1高さ及び第2の高さとしては、パターンの表面から基材の表面までの高さや深さを100%としたときに、それぞれ、基材の表面から5%~20%(例えば10%)の高さ、及び、50%~80%(例えば60%)の高さとすることができる。
【0028】
幅測定部150は、抽出された輪郭内の領域を、基材の表面に平行な方向(x軸方向)に沿う線で、所定の間隔毎に複数のサブ領域に分割し、それらのサブ領域のそれぞれに対応する複数の矩形を設定し、その矩形のそれぞれについて、基材の表面に平行な方向(x軸方向)の幅(ビアやダム等の幅)を測定する。この場合、サブ領域の分割数は、特に限定されず、例えば、実際の数マイクロメートルに相当する画素数ごとに、サブ領域に分割してもよい。
【0029】
表示出力部155は、抽出された輪郭を、断面画像と対応付けて表示するための表示情報を生成し、例えばユーザ装置200に、その表示情報を出力する。このとき、表示出力部155は、記憶部110に記憶されるヒストグラムや輪郭抽出結果情報に基づいて、表示情報を生成することができ、また、角度測定部145や幅測定部150による測定結果を表示情報に含めて生成し、出力することもできる。
【0030】
[輪郭抽出方法の処理手順例]
図2は、輪郭抽出システム100を用いて有効に実施される輪郭抽出方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、まず、ステップS21において、取得部115が、基材上に形成されたパターンの断面画像である第1画像をユーザ装置200から取得し、記憶部110に格納する。
【0031】
ここで、図3Aは、取得部115が取得する第1画像の一例を示す写真である。第1画像31は、基材の一部を示す領域301、その基材上に形成された樹脂組成物パターン(本開示における「パターン」の一例に相当)の一部を示す領域302、その樹脂組成物パターンに穿設されたビア(ホール)VHを含む背景の領域303、及び、側長用のスケールSCを含むキャプションが表示された領域304から構成されている。
【0032】
次に、ステップS22において、パラメータ受付部120が、二値化処理、モルフォロジー処理、及びヒストグラム処理の実行に必要なパラメータ情報をユーザ装置200から受け付け、記憶部110に格納する。
【0033】
それから、ステップS23において、二値化処理部125が、第1画像31、又は、必要に応じて平坦化された第1画像31に対して、基材及び樹脂組成物パターンと背景とを弁別するために有効な所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成し、記憶部110に格納する。続いて、必要に応じてステップS24において、モルフォロジー処理部130が、第2画像に対して、所定の回数の膨張処理及び所定の回数の収縮処理を含むモルフォロジー処理を行って画像(第2画像)を生成し、記憶部110に格納する。
【0034】
ここで、図3Bは、二値化処理部125による二値化処理を経て、モルフォロジー処理部130により生成された第2画像の一例を示す写真である。第2画像32は、二値化処理及びモルフォロジー処理により、図3Aに示す第1画像31における基材の領域301に対応するピクセル、及び、樹脂組成物パターンの領域302に対応するピクセルが白色とされ、ビアVHを含む背景の領域303に対応するピクセル、及び、スケールSCを含む領域304に対応するピクセルが黒色とされた結果を示す。尚、モルフォロジー処理としては、例えば、5画素×5画素の十字形カーネルを用いて、3度のオープニング処理を行い、続いて、3度のクロージング処理を行う(但し、オープニング処理の回数、及び、クロージング処理の回数は、これらに限定されない)。
【0035】
次に、ステップS25において、ヒストグラム処理部135が、生成された第2画像における複数の二値境界点(白色ピクセルと黒色ピクセルの境界:図3Bにおける閉曲線BDで囲われた領域内)のy座標(yi)についてヒストグラムを作成する。例えば、所定のy座標(yi)について、x軸に沿って隣接するピクセルの値を比較し、隣接するピクセル間で値が異なる場合を二値境界点として検出し、二値境界点の数(頻度)を記録する。それぞれのy座標について同様の処理を行い、ヒストグラムを作成する。先述したとおり、本開示では、基材の表面に平行な方向をx軸方向とし、基材の表面に垂直な方向をy軸方向とし、また、図3Bに示すとおり、図示右向き及び図示下向きを、それぞれx軸及びy軸の正の向きとする。ここで、図3Cは、図3Bに示す第2画像32における二値境界点のy座標に基づいて作成されたヒストグラムの一例を示すグラフであり、横軸がy座標を示し、縦軸が頻度(度数)を示す。
【0036】
さらに、ステップS26では、輪郭抽出部140が、まず、図3Cに示すヒストグラムに生じた2つのピークP1,P2のy座標(yP1、yP2図3BにおいてはyP1<yP2)のうち、ピークP1のy座標(yP1)を樹脂組成物パターンの表面レベルとして特定し、ピークP2のy座標(yP2)を、基材の表面レベルとして特定する。次に、輪郭抽出部140は、それらの樹脂組成物パターンの表面レベルと基材の表面レベルの間の輪郭点をビアやダム等の側壁と特定することができる。そして、輪郭抽出部140は、第2画像32におけるこのような座標位置レベルの情報から、樹脂組成物パターンにおけるパターン形状(ここではビアVH)の輪郭を抽出し、その抽出結果を記憶部110に格納するとともに、表示出力部155によりユーザ装置200に表示する(ステップS29)。
【0037】
ここで、図3Dは、輪郭抽出部140が図3Bの第2画像32から抽出した輪郭の表示情報を、ユーザ装置200に表示した画像の一例を示す写真である。この例では、領域301~304が互いに異なる色で表示され、且つ、ビアVHに相当する部位が、更に異なる色で塗りつぶされるとともに、その輪郭が枠線OLを用いて強調表示されている。これにより、ユーザは、第1画像31や第2画像32の関心領域におけるパターン形状の輪郭を簡易に把握することができる。
【0038】
次いで、ステップS27では、角度測定部145が、図3Dに枠線OLで表示された輪郭における側壁の傾斜角度を測定し、その測定結果を記憶部110に格納するとともに、表示出力部155によりユーザ装置200に表示する(ステップS29)。ここで、図3Eは、図3Dに示す輪郭を表す枠線OLのうち側壁の一部に相当する線分を、図3Aの第1画像31に重ねて表示した画像の一例を示す写真である。このとき、角度測定部145は、まず、図示右側側壁の一部として、基材の表面から所定の第1高さにある第1座標R1(xR1,yR1)、及び、基材の表面から所定の第2高さにある第2座標R2(xR2,yR2)を設定する。また、図示左側側壁の一部も同様に、第1座標L1(xL1,yL1)、及び、第2座標L2(xL2,yL2)を設定する。この例では、図3Eに示すとおり、第1座標及び第2座標が、側壁断面において略直線で近似できる部分の両端位置に相当するように、樹脂組成物パターンの表面から基材の表面までの高さや深さを100%としたときに、第1高さを基材の表面から10%の高さ位置、及び、第2高さを同60%の高さ位置とした(図3E参照)。
【0039】
そして、角度測定部145は、図示右側側壁の第1座標R1(xR1,yR1)、第2座標R2(xR2,yR2)、及び第1座標R1と第2座標R2との間にある各輪郭点の近似直線SRを算出し、且つ、図示左側側壁の第1座標L1(xL1,yL1)、第2座標L2(xL2,yL2)、及び第1座標L1と第2座標L2との間にある各輪郭点の近似直線SLを算出する。さらに、角度測定部145は、それらの近似直線SR,SLの基材表面に対する傾きから側壁の傾斜角度を測定するとともに、その測定結果を記憶部110に格納し、且つ、表示出力部155によりユーザ装置200に表示する(ステップS29)。ここで、図3Fは、角度測定部145が算出した側壁の傾きを示す近似直線SR,SL、及び、基材の表面を示す直線SPを、図3Aの第1画像31に重ねて表示した画像の一例を示す写真である。
【0040】
次いで、ステップS28では、幅測定部150が、抽出された輪郭(図3Dにおける枠線OL)内の領域を、x軸方向に沿う線で、所定の間隔毎に複数のサブ領域に分割し、それらのサブ領域のそれぞれに対応する複数の矩形を設定し、その矩形のそれぞれについて、x軸方向の幅(ビアやダム等の幅)を測定し、その測定結果を記憶部110に格納するとともに、表示出力部155によりユーザ装置200に表示する(ステップS29)。
【0041】
ここで、図4Aは、幅測定部150が複数の矩形を設定する処理の一例を模式的に示す平面図である。輪郭線401は、例えば、輪郭抽出部140によって抽出された輪郭(図3Dにおける枠線OLに対応)を示す。また、線402a,402b,402c,402d,402eが、例えば、輪郭内の領域をサブ領域a,b,c,dに分割する線に相当する。それらのサブ領域は、輪郭線401、及び、線402a,402b,402c,402d,402eのうちの上下の2つの線によって囲まれた領域である。具体的には、サブ領域aは、輪郭線401及び線402a,402bによって囲まれた領域であり、他のサブ領域についても同様である。尚、サブ領域が、輪郭の最上部又は最下部である場合には、抽出された輪郭の最頂部又は最底部を通り、基材の表面に平行な線(x軸方向に沿う線)を、それぞれの矩形の上辺又は下辺とする。
【0042】
続いて、幅測定部150は、サブ領域a,b,c,dのそれぞれに対応する矩形の左辺及び右辺として、それぞれのサブ領域に外接する線403a,404a、内接する線403b,404b、又は、それらの線の間に位置する線403c,404cを設定することができる。尚、矩形の左辺及び右辺としては、互いに対応しない位置の線を設定してもよい。すなわち、左辺として線403aを設定する場合、右辺として、線403aとは対応しない線404b又は線404cを設定してもよい。そして、幅測定部150は、サブ領域a,b,c,dを画定する複数の矩形のそれぞれにおける向かい合う辺の辺間距離をビアやダムの幅として測定し、測定結果に関する測定結果情報を記憶部110に格納する。
【0043】
この図4Aに示す幅測定部150による処理を、図3Dに示す抽出された輪郭に適用した一例を図4Bに示す。すなわち、図4Bは、幅測定部150が基材の表面と平行な線で輪郭内の領域を複数のサブ領域に分割し、各サブ領域を、図3Aの第1画像31に重ねて表示した画像の一例を示す写真である。同図においては、幅測定部150が例えば矩形401aを設定し、その矩形401aにおける、基材の表面と直交する左辺402L及び右辺402R間の辺間距離を、その矩形401aの幅として測定する。
【0044】
[コンピュータのハードウェア構成例]
図5は、輪郭抽出システム100をコンピュータ500により実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ500は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、メディアコンピュータプラットフォーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ等)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、或いは、他種のコンピュータ、又はコミュニケーションプラットフォームである。図5に示すとおり、コンピュータ500は、例えば、プロセッサ501、メモリ502、記憶装置503、入力I/F(インターフェース)部504、データI/F部505、通信I/F部506、及び表示装置507を備える。
【0045】
プロセッサ501は、メモリ502に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ500において実現される図1に示す各種の機能部における処理を制御する制御部である。メモリ502は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体であり、プロセッサ501によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。記憶装置503は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体であり、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0046】
また、入力I/F部504は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスであり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等で構成される。かかる入力I/F部504は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ500に接続されてもよい。データI/F部505は、コンピュータ500の外部からデータを入力するためのデバイスであり、例えば、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等から構成される。かかるデータI/F部505は、コンピュータ500の外部に設けられてもよく、その場合、データI/F部505は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ500に接続される。通信I/F部506は、コンピュータ500の外部の装置と有線又は無線により、インターネット等のネットワークを介したデータ通信を行うためのデバイスである。かかる通信I/F部506は、コンピュータ500の外部に設けられてもよく、その場合、通信I/F部506は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ500に接続される。
【0047】
表示装置507は、各種情報を表示するためのデバイスであり、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等から構成される。かかる表示装置507は、コンピュータ500の外部に設けられてもよく、その場合、表示装置507は、例えば、ディスプレイケーブル等を介してコンピュータ500に接続される。また、入力I/F部504としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置507は、入力I/F部504と一体化して構成されてもよい。
【0048】
[実施形態による作用効果]
以上のように構成された輪郭抽出システム100、輪郭抽出方法、及び輪郭抽出プログラムによれば、第1画像31に対して、基材及びパターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行った第2画像32では、基材及びパターンがともに例えば白色で表される一方、背景が例えば黒色で表される。それから、その第2画像32について、複数の二値境界点(白色ピクセルと黒色ピクセルの境界)のy座標についてヒストグラムが作成される。
【0049】
そして、そのヒストグラムに出現する2つのピークP1のy座標(yP1)をパターンの表面レベルと特定し,同ピークP2のy座標(yP2)を基材の表面レベルとして特定し、且つ、それらのパターンの表面レベルと基材の表面レベルの間の輪郭点を、パターン形状(ビアやダム等)の側壁と特定することができる。これにより、パターンの表面と基材の表面を正確に抽出することができるため、二値化処理時に基材とパターンを弁別する必要がない。そのため、パターンと基材が通常の二値化処理では分離して識別することが困難な場合、例えば、パターンと基材が同じ材料からなる場合や基材が樹脂製又はガラス製である場合でも、パターンにおけるパターン形状の輪郭を正確に抽出することができ、その結果、ビアやダム等の幅や側壁角度等の形状パラメータを正確に測定することができる。
【0050】
また、角度測定部145が、パターン形状における右側側壁の一部として、基材の表面から所定の第1高さにある第1座標R1(xR1,yR1)、及び、基材の表面から所定の第2高さにある第2座標R2(xR2,yR2)を設定し、それらの座標に基づいて側壁の傾斜角度を測定するので、抽出された輪郭における側壁の直線部分に基づいて、側壁の傾斜角度を好適に測定することができる。さらに、幅測定部150が、抽出された輪郭内の領域を基材の表面と平行な線でサブ領域a,b,c,dに分割し、各サブ領域a,b,c,dの幅を測定するので、ビアVH等のパターン形状の幅を、その側壁の形状に応じて、詳細且つ精度よく測定することができる。
【0051】
以上、具体例を参照しつつ各実施形態について説明したが、それらは、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。つまり、本開示は、これらの具体例に限定されるものではなく、これらの具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備える限り、本開示の技術的範囲に包含される。また、前述した各具体例が備える各要素、配置、材料、条件、形状、寸法サイズ、縮尺等は、特に明示のない限り、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。さらに、前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変更することもできる。
【0052】
例えば、パターン形状がビアVHに代えてダムである場合には、二値化処理が行われると、ダム及び基材の一部が白色とされ、ダムの外部の背景が黒色とされ、その二値境界点のy座標についてのヒストグラムでも、図3Cに示すグラフと同様にピークP1のy座標(yP1)がパターンの表面レベルと特定され、ピークP2のy座標が(yP2)が基材の表面レベルと特定され得る。また、幅測定部150は、図4Bに示すサブ領域のy軸方向に沿う幅を算出し、例えばそれらを合算することにより、ビアVHの深さを測定してもよく、加えて、複数の辺間距離の平均値を算出してもよい。また、幅測定部150は、抽出された輪郭内の領域を、y軸に沿う線で、所定の間隔ごとに複数のサブ領域に分割してもよく、これによりビアVHの幅や深さを測定してもよい。
【0053】
さらに、輪郭抽出システム100は、他のシステムと連動し、全体として複数のシステムによる処理を連続して行うシステムとしてもよい。例えば、顕微鏡画像取得システムと連動することにより、断面画像の撮影から輪郭抽出までを連続して行うシステムとしてもよい。また、例えば、パターンのシミュレーションシステムと連動することにより、シミュレーションしたパターン形状の輪郭と輪郭抽出システム100が抽出した実際のパターン形状の輪郭とを比較してシミュレーション精度を検証するシステムとしてもよい。また、ユーザ装置200は、ユーザ専用の情報処理装置であってもよく、又は、ユーザが所属する組織等(例えば、企業やその各部署)において、複数のユーザ間で共用される情報処理装置であってもよい。さらに、図1には、1つのユーザ装置200がネットワークに接続されているが、複数のユーザ装置200が接続されていてももちろんよい。
【0054】
また、パラメータ受付部120がパラメータ情報を受け付けるタイミングは、特に制限されず、上述した各処理の実行前、実行中、及び実行後の何れにおいても、パラメータ情報を受け付けてよい。例えば、パラメータ受付部120が、上述した各処理の少なくとも何れかの処理の後にパラメータ情報を受け付けでもよく、この場合、ユーザは、例えば、ユーザ装置200に表示される輪郭の抽出結果等を含む表示情報を参照した上で、適切なパラメータ情報を再指定することができる。そして、そのようなパラメータ情報の更新と一連の処理を複数回繰り返して実行することにより、ユーザは、より好適なパラメータ情報を指定して、輪郭抽出の精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0055】
31…第1画像、32…第2画像、100…輪郭抽出システム、110…記憶部、115…取得部、120…パラメータ受付部、125…二値化処理部、130…モルフォロジー処理部、135…ヒストグラム処理部、135…モルフォロジー処理部、140…輪郭抽出部、145…角度測定部、150…幅測定部、155…表示出力部、200…ユーザ装置、301~304…領域、401…輪郭線、401a…矩形、402a~402e…線、402L…左辺,402R…右辺、500…コンピュータ、501…プロセッサ、502…メモリ、503…記憶装置、504…入力I/F部、505…データI/F部、506…通信I/F部、507…表示装置、a,b,c,d…サブ領域、BD…閉曲線、L1,R1…第1座標、L2,R2…第2座標、OL…枠線、P1,P2…ピーク、SC…スケール、SL,SR…近似直線,SP…直線、VH…ビア
【要約】
【課題】基材上に形成されたパターンの断面画像において、パターンと基材が通常の二値化処理では分離して識別することが困難な場合であっても、そのパターンにおけるパターン形状の輪郭を正確に抽出する。
【解決手段】本開示による輪郭抽出方法は、コンピュータが、基材上に形成されたパターンの断面の第1画像を取得し、第1画像、又は、平坦化された第1画像に対して、基材及びパターンと背景とを弁別するための所定の閾値に応じた二値化処理を行って第2画像を生成し、第2画像における複数の二値境界点のy座標についてヒストグラムを作成し、それの第2画像及びヒストグラムに基づいて、上記断面の関心領域におけるパターン形状の輪郭を抽出することを含む。
【選択図】図2
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5