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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】プラズマチャンバを洗浄するための装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20250304BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20250304BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20250304BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20250304BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/205
H01L21/302 101H
H01L21/304 645C
H01L21/304 645Z
C23C16/44 J
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021554599
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 US2020021385
(87)【国際公開番号】W WO2020185557
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】62/816,820
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラボア・エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル・プルキット
(72)【発明者】
【氏名】パスクァーレ・フランク・ローレン
(72)【発明者】
【氏名】クマール・プルショッタム
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-050041(JP,A)
【文献】特開2014-012891(JP,A)
【文献】特開2010-059522(JP,A)
【文献】特開2015-178644(JP,A)
【文献】特表2017-533599(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0073137(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0344245(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0097119(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0270119(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
H01L 21/3065
H01L 21/304
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバを洗浄するためのシステムであって、
前記処理チャンバ内の台座の上に配置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、
前記処理チャンバのトッププレートに接続され、前記台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取るステム部、および
前記基板の前記処理中に前記プロセスガスを分散させる複数の通孔を含むヘッド部
を含むシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドの前記ステム部を囲み、空洞を画定し、前記空洞から外側に延びて前記基板の前記処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含むカラーと、
洗浄ガスを供給するガス源と、
前記処理チャンバの外部にあり、前記ガス源から前記洗浄ガスを受け取り、プラズマを生成するプラズマ発生器と、
コントローラであって、
前記基板が前記処理チャンバで処理されていないことに応じて、前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーへの前記プロセスガスおよび前記パージガスのそれぞれの供給を停止し、
前記プラズマを前記カラーに、かつ前記スロットを通して前記処理チャンバ内に供給し、前記シャワーヘッドの周囲および前記処理チャンバ内の領域を洗浄する、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記洗浄中に供給される前記洗浄ガスは、前記基板の前記処理中に供給される前記パージガスとは異なる、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、ハロゲン種を含む、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記プラズマを所定の期間供給するように構成される、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記処理チャンバの前記洗浄の前後に、前記コントローラは、
前記カラーへの前記プラズマの供給を停止し、
前記プロセスガスおよび前記パージガスをそれぞれ前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーに供給して前記基板を処理する
ように構成される、システム。
【請求項7】
処理チャンバを洗浄するためのシステムであって、
前記処理チャンバ内の台座の上に配置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、
前記処理チャンバのトッププレートに接続され、前記台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取るステム部、および
前記基板の前記処理中に前記プロセスガスを分散させる複数の通孔を含むヘッド部
を含むシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドの前記ステム部を囲み、空洞を画定し、前記空洞から外側に延びて前記基板の前記処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含むカラーと、
洗浄ガスを供給するガス源と、
RF電力を供給するRF発生器と、
コントローラであって、
前記基板が前記処理チャンバで処理されていないことに応じて、前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーへの前記プロセスガスおよび前記パージガスのそれぞれの供給を停止し、
前記洗浄ガスを前記カラーに、かつ前記カラーの前記スロットを通して前記処理チャンバ内に供給し、
前記RF電力を前記シャワーヘッドに供給して前記処理チャンバ内でプラズマを生成し、前記シャワーヘッドの周囲および前記処理チャンバ内の領域を洗浄する、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記洗浄中に供給される前記洗浄ガスは、前記基板の前記処理中に供給される前記パージガスとは異なる、システム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、ハロゲン種を含む、システム。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む、システム。
【請求項11】
請求項7に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記RF電力を所定の期間前記シャワーヘッドに供給するように構成される、システム。
【請求項12】
請求項7に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記処理チャンバの前記トッププレート、前記処理チャンバの側壁、および前記台座を順次接地するように構成される、システム。
【請求項13】
請求項7に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記処理チャンバの前記トッププレート、前記処理チャンバの側壁、および前記台座を接地するように構成される、システム。
【請求項14】
請求項7に記載のシステムであって、
前記処理チャンバの前記洗浄の前後に、前記コントローラは、
前記カラーへの前記洗浄ガスの供給を停止し、
前記プロセスガスおよび前記パージガスをそれぞれ前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーに供給して前記基板を処理する
ように構成される、システム。
【請求項15】
処理チャンバを洗浄するためのシステムであって、
前記処理チャンバ内の台座の上に配置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、
前記処理チャンバのトッププレートに接続され、前記台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取るステム部、および
前記基板の前記処理中に前記プロセスガスを分散させる複数の通孔を含むヘッド部
を含むシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドの前記ステム部を囲み、空洞を画定し、前記空洞から外側に延びて前記基板の前記処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含むカラーと、
洗浄ガスおよび不活性ガスを供給するガス源と、
前記処理チャンバの外部にあり、前記洗浄ガスを受け取り、第1のプラズマを生成するプラズマ発生器と、
RF電力を供給するRF発生器と、
コントローラであって、
前記基板が前記処理チャンバで処理されていないことに応じて、前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーへの前記プロセスガスおよび前記パージガスのそれぞれの供給を停止し、
前記第1のプラズマを前記シャワーヘッドの前記ステム部に、かつ前記シャワーヘッドの前記ヘッド部にある前記複数の通孔を通して前記処理チャンバ内に供給し、
前記不活性ガスを前記カラーに、かつ前記カラーの前記スロットを通して前記処理チャンバ内に供給し、
前記RF電力を前記シャワーヘッドに供給して前記処理チャンバ内で第2のプラズマを生成し、前記シャワーヘッドの周囲および前記処理チャンバ内の領域を洗浄する、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記洗浄中に供給される前記洗浄ガスおよび前記不活性ガスは、前記基板の前記処理中に供給される前記プロセスガスおよび前記パージガスとはそれぞれ異なる、システム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、ハロゲン種を含む、システム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む、システム。
【請求項19】
請求項15に記載のシステムであって、
前記不活性ガスは、アルゴン(Ar)、分子窒素(N2)、およびヘリウム(He)からなる群から選択される、システム。
【請求項20】
請求項15に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記第1のプラズマおよび前記不活性ガスをそれぞれ所定の期間前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーに供給するように構成される、システム。
【請求項21】
請求項15に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記処理チャンバの前記トッププレート、前記処理チャンバの側壁、および前記台座を順次接地するように構成される、システム。
【請求項22】
請求項15に記載のシステムであって、
前記コントローラは、前記処理チャンバの前記トッププレート、前記処理チャンバの側壁、および前記台座を接地するように構成される、システム。
【請求項23】
請求項15に記載のシステムであって、
前記処理チャンバの前記洗浄の前後に、前記コントローラは、
前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーへの前記第1のプラズマおよび前記不活性ガスのそれぞれの供給を停止し、
前記プロセスガスおよび前記パージガスをそれぞれ前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーに供給して前記基板を処理する
ように構成される、システム。
【請求項24】
処理チャンバを洗浄するためのシステムであって、
前記処理チャンバ内の台座の上に配置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、
前記処理チャンバのトッププレートに接続され、前記台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取るステム部、および
前記基板の前記処理中に前記プロセスガスを分散させる複数の通孔を含むヘッド部
を含むシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドの前記ステム部を囲み、空洞を画定し、前記空洞から外側に延びて前記基板の前記処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含むカラーと、
ガス供給システムであって、
前記基板の前記処理中に前記プロセスガスおよび前記パージガスをそれぞれ前記シャワーヘッドの前記ステム部および前記カラーに供給し、
前記処理チャンバの洗浄中に洗浄ガスを供給する、ガス供給システムと、
前記処理チャンバの外部にあるプラズマ発生器であって、
前記ガス供給システムから前記洗浄ガスを受け取り、
プラズマを生成し、
前記プラズマを前記カラーに、かつ前記スロットを通して前記処理チャンバ内に供給し、前記シャワーヘッドの周囲および前記処理チャンバ内の領域を洗浄する、プラズマ発生器と、
を備える、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、
前記洗浄中に供給される前記洗浄ガスは、前記基板の前記処理中に供給される前記パージガスとは異なる、システム。
【請求項26】
請求項24に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、ハロゲン種を含む、システム。
【請求項27】
請求項24に記載のシステムであって、
前記洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む、システム。
【請求項28】
請求項24に記載のシステムであって、
前記プラズマ発生器は、前記プラズマを所定の期間供給するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2019年3月11日に出願された米国特許出願第62/816,820号のPCT国際出願である。上記で参照された出願の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理システムに関し、より詳細には、シャワーヘッドの上の二次パージカラーを介して洗浄ガスを導入することによるプラズマチャンバの洗浄に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムを使用して、半導体ウエハなどの基板上に膜を堆積またはエッチングするなどの基板処理を実施することができる。基板処理システムは、典型的には、内部に配置された基板支持体(台座、プレートなど)を備えた処理チャンバを含む。基板は、処理中に基板支持体上に配置される。シャワーヘッドなどのガス拡散デバイスを処理チャンバ内に配置し、必要に応じてプロセスガスを送給および分配してガスをパージすることができる。
【発明の概要】
【0005】
処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス源と、プラズマ発生器と、コントローラとを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス源は、洗浄ガスを供給する。プラズマ発生器は、処理チャンバの外部にあり、ガス源から洗浄ガスを受け取り、プラズマを生成する。コントローラは、処理チャンバで処理されていない基板に応じて、シャワーヘッドのステム部およびカラーへのプロセスガスおよびパージガスのそれぞれの供給を停止する。コントローラは、プラズマをカラーに、かつスロットを通して処理チャンバ内に供給し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0006】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスは、基板の処理中に供給されるパージガスとは異なる。
【0007】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0008】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0009】
別の特徴において、コントローラは、プラズマを所定の期間供給するように構成される。
【0010】
他の特徴において、処理チャンバの洗浄の前後に、コントローラは、カラーへのプラズマの供給を停止し、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給して基板を処理するように構成される。
【0011】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス源と、RF発生器と、コントローラとを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス源は、洗浄ガスを供給する。RF発生器は、RF電力を供給する。コントローラは、処理チャンバで処理されていない基板に応じて、シャワーヘッドのステム部およびカラーへのプロセスガスおよびパージガスのそれぞれの供給を停止する。コントローラは、洗浄ガスをカラーに、かつカラーのスロットを通して処理チャンバ内に供給する。コントローラは、RF電力をシャワーヘッドに供給して処理チャンバ内でプラズマを生成し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0012】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスは、基板の処理中に供給されるパージガスとは異なる。
【0013】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0014】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0015】
別の特徴において、コントローラは、RF電力を所定の期間シャワーヘッドに供給するように構成される。
【0016】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、および台座を順次接地するように構成される。
【0017】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、および台座を接地するように構成される。
【0018】
他の特徴において、処理チャンバの洗浄の前後に、コントローラは、カラーへの洗浄ガスの供給を停止し、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給して基板を処理するように構成される。
【0019】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス源と、プラズマ発生器と、RF発生器と、コントローラとを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス源は、洗浄ガスおよび不活性ガスを供給する。プラズマ発生器は、処理チャンバの外部にあり、洗浄ガスを受け取り、第1のプラズマを生成する。RF発生器は、RF電力を供給する。コントローラは、処理チャンバで処理されていない基板に応じて、シャワーヘッドのステム部およびカラーへのプロセスガスおよびパージガスのそれぞれの供給を停止する。コントローラは、第1のプラズマをシャワーヘッドのステム部に、かつシャワーヘッドのヘッド部にある複数の通孔を通して処理チャンバ内に供給する。コントローラは、不活性ガスをカラーに、かつカラーのスロットを通して処理チャンバ内に供給する。コントローラは、RF電力をシャワーヘッドに供給して処理チャンバ内で第2のプラズマを生成し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0020】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスおよび不活性ガスは、基板の処理中に供給されるプロセスガスおよびパージガスとはそれぞれ異なる。
【0021】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0022】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0023】
別の特徴において、不活性ガスは、アルゴン(Ar)、分子窒素(N2)、およびヘリウム(He)からなる群から選択される。
【0024】
別の特徴において、コントローラは、第1のプラズマおよび不活性ガスをそれぞれ所定の期間シャワーヘッドのステム部およびカラーに供給するように構成される。
【0025】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、および台座を順次接地するように構成される。
【0026】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、および台座を接地するように構成される。
【0027】
他の特徴において、処理チャンバの洗浄の前後に、コントローラは、シャワーヘッドのステム部およびカラーへの第1のプラズマおよび不活性ガスのそれぞれの供給を停止し、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給して基板を処理するように構成される。
【0028】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス源と、RF発生器と、コントローラとを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス源は、洗浄ガスを供給する。RF発生器は、RF電力を供給する。コントローラは、処理チャンバで処理されていない基板に応じて、シャワーヘッドのステム部およびカラーへのプロセスガスおよびパージガスのそれぞれの供給を停止する。コントローラは、洗浄ガスをカラーに、かつカラーのスロットを通して処理チャンバ内に供給する。コントローラは、RF電力を台座に供給して処理チャンバ内でプラズマを生成し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0029】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスは、基板の処理中に供給されるパージガスとは異なる。
【0030】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0031】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0032】
別の特徴において、コントローラは、RF電力を所定の期間台座に供給するように構成される。
【0033】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、およびシャワーヘッドを順次接地するように構成される。
【0034】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、およびシャワーヘッドを接地するように構成される。
【0035】
他の特徴において、処理チャンバの洗浄の前後に、コントローラは、カラーへの洗浄ガスの供給を停止し、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給して基板を処理するように構成される。
【0036】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス源と、プラズマ発生器と、RF発生器と、コントローラとを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス源は、洗浄ガスおよび不活性ガスを供給する。プラズマ発生器は、処理チャンバの外部にあり、洗浄ガスを受け取り、第1のプラズマを生成する。RF発生器は、RF電力を供給する。コントローラは、処理チャンバで処理されていない基板に応じて、シャワーヘッドのステム部およびカラーへのプロセスガスおよびパージガスのそれぞれの供給を停止する。コントローラは、第1のプラズマをシャワーヘッドのステム部に、かつシャワーヘッドのヘッド部にある複数の通孔を通して処理チャンバ内に供給する。コントローラは、不活性ガスをカラーに、かつカラーのスロットを通して処理チャンバ内に供給する。コントローラは、RF電力を台座に供給して処理チャンバ内で第2のプラズマを生成し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0037】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスおよび不活性ガスは、基板の処理中に供給されるプロセスガスおよびパージガスとはそれぞれ異なる。
【0038】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0039】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0040】
別の特徴において、不活性ガスは、アルゴン(Ar)、分子窒素(N2)、およびヘリウム(He)からなる群から選択される。
【0041】
別の特徴において、コントローラは、第1のプラズマおよび不活性ガスをそれぞれ所定の期間シャワーヘッドのステム部およびカラーに供給するように構成される。
【0042】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、およびシャワーヘッドを順次接地するように構成される。
【0043】
別の特徴において、コントローラは、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁、およびシャワーヘッドを接地するように構成される。
【0044】
他の特徴において、処理チャンバの洗浄の前後に、コントローラは、シャワーヘッドのステム部およびカラーへの第1のプラズマおよび不活性ガスのそれぞれの供給を停止し、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給して基板を処理するように構成される。
【0045】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス供給システムと、プラズマ発生器とを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス供給システムは、基板の処理中にプロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給する。ガス供給システムは、処理チャンバの洗浄中に洗浄ガスを供給する。プラズマ発生器は、処理チャンバの外部にあり、ガス供給システムから洗浄ガスを受け取り、プラズマを生成し、プラズマをカラーに、かつスロットを通して処理チャンバ内に供給し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0046】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスは、基板の処理中に供給されるパージガスとは異なる。
【0047】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0048】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0049】
別の特徴において、プラズマ発生器は、プラズマを所定の期間供給するように構成される。
【0050】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス供給システムと、RF発生器とを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス供給システムは、基板の処理中にプロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給する。ガス供給システムは、処理チャンバの洗浄中に洗浄ガスをカラーに、かつカラーのスロットを通して処理チャンバ内に供給する。RF発生器は、RF電力をシャワーヘッドまたは台座に供給して処理チャンバ内でプラズマを生成し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0051】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスは、基板の処理中に供給されるパージガスとは異なる。
【0052】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0053】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0054】
別の特徴において、RF発生器は、RF電力を所定の期間シャワーヘッドまたは台座に供給するように構成される。
【0055】
さらに他の特徴において、処理チャンバを洗浄するためのシステムは、シャワーヘッドと、カラーと、ガス供給システムと、プラズマ発生器と、RF発生器とを備える。シャワーヘッドは、処理チャンバ内の台座の上に配置される。シャワーヘッドは、ステム部、およびヘッド部を含む。ステム部は、処理チャンバのトッププレートに接続され、台座に装着された基板の処理中にプロセスガスを受け取る。ヘッド部は、基板の処理中にプロセスガスを分散させる複数の通孔を含む。カラーは、シャワーヘッドのステム部を囲み、空洞を画定し、空洞から外側に延びて基板の処理中にパージガスを分散させる複数のスロットを含む。ガス供給システムは、基板の処理中にプロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッドのステム部およびカラーに供給する。ガス供給システムは、処理チャンバの洗浄中に不活性ガスをカラーに、かつカラーのスロットを通して処理チャンバ内に供給する。ガス供給システムは、処理チャンバの洗浄中に洗浄ガスを供給する。プラズマ発生器は、処理チャンバの外部にあり、ガス供給システムから洗浄ガスを受け取り、第1のプラズマを生成し、第1のプラズマをシャワーヘッドのステム部に、かつシャワーヘッドのヘッド部にある複数の通孔を通して処理チャンバ内に供給する。RF発生器は、RF電力をシャワーヘッドまたは台座に供給して処理チャンバ内で第2のプラズマを生成し、シャワーヘッドの周囲および処理チャンバ内の領域を洗浄する。
【0056】
別の特徴において、洗浄中に供給される洗浄ガスおよび不活性ガスは、基板の処理中に供給されるプロセスガスおよびパージガスとはそれぞれ異なる。
【0057】
別の特徴において、洗浄ガスは、ハロゲン種を含む。
【0058】
別の特徴において、洗浄ガスは、三フッ化窒素(NF3)またはテトラフルオロエチレン(C24)を含む。
【0059】
別の特徴において、不活性ガスは、アルゴン(Ar)、分子窒素(N2)、およびヘリウム(He)からなる群から選択される。
【0060】
他の特徴において、ガス供給システムからのガスは、不活性ガスを所定の期間カラーに供給するように構成される。プラズマ発生器は、第1のプラズマを所定の期間シャワーヘッドのステム部に供給するように構成される。RF発生器は、RF電力を所定の期間シャワーヘッドまたは台座に供給するように構成される。
【0061】
本開示を適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0063】
図1図1は、処理チャンバを備える基板処理システムの一例の機能ブロック図である。
【0064】
図2図2は、図1の処理チャンバ内のシャワーヘッドの周囲で使用されるカラーの一例を示す図である。
【0065】
図3図3は、図1の基板処理システムで使用され、処理チャンバ内の基板の処理中および処理チャンバの洗浄中にガスを供給する弁の配置を示す図である。
【0066】
図4図4は、図2のカラーおよび図3の弁配置を使用して、図1の基板処理システム内の処理チャンバを洗浄する様々な方法を示す図である。
図5図5は、図2のカラーおよび図3の弁配置を使用して、図1の基板処理システム内の処理チャンバを洗浄する様々な方法を示す図である。
図6図6は、図2のカラーおよび図3の弁配置を使用して、図1の基板処理システム内の処理チャンバを洗浄する様々な方法を示す図である。
【0067】
図7図7は、処理チャンバの洗浄中に使用することができる異なる接地方法を示す図である。
図8図8は、処理チャンバの洗浄中に使用することができる異なる接地方法を示す図である。
【0068】
図9図9は、処理チャンバの流れモデルを示す図である。
【0069】
図10図10は、接地されたシャワーヘッドおよび動力付き(powered)台座を備えた図3の代替の構成を示す図である。
【0070】
これらの図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0071】
いくつかの用途では、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)を使用して、膜を基板上に堆積させることができる。PEALD中、基板上に膜を堆積するために1つまたは複数のサイクルが実施される。各PEALDサイクルには、典型的には、一連の前駆体投入、ドーズパージ、RFプラズマ投入、およびRFパージステップが含まれる。堆積中、シャワーヘッドを使用して、プロセスガスを処理チャンバに送給することができる。RFプラズマ投入中、RF電力がシャワーヘッドに供給され、基板支持体が接地される(またはこれらは逆の場合もある)。
【0072】
各PEALDサイクルでは、不活性ガス(例えば、アルゴン(Ar)または分子窒素(N2))が、ドーズパージおよびRFパージステップでシャワーヘッドを通って流れる一次バーストパージガスとして使用される。加えて、酸素(O2)または分子窒素(N2)が、各PEALDサイクルのすべてのステップにおいて二次パージガスとしてシャワーヘッドの裏側を通して連続的に供給される。二次パージは、シャワーヘッドの裏側、処理チャンバのトッププレート、処理チャンバの側壁などの遠隔領域における望ましくない堆積を防止する。
【0073】
処理チャンバは、典型的には、上面および下面と、側壁とを備える。シャワーヘッドは、ガスプレナムを画定する円筒形ベース部分を含む。フェースプレートがガスプレナムの片側に配置され、複数の間隔を置いて配置された通孔を含む。シャワーヘッドは、一端が処理チャンバの上面に接続され、反対端が円筒形ベース部分の中心に接続された中空ステム部をさらに含む。シャワーヘッドのステム部は、プロセスガスを円筒形ベース内のガスプレナムに送給する。プロセスガスは、フェースプレートの間隔を置いて配置された通孔を通って流れ、シャワーヘッドの下に位置する基板支持体上に配置された基板に対して均一に分散される。
【0074】
ステム部の周囲に配置されたカラーを使用して、ステム部を処理チャンバの上面に接続することができる。カラーは、処理中にシャワーヘッドの円筒形ベース部分と処理チャンバの上面との間で処理チャンバ内に二次パージガスを送給および分散させる1つまたは複数のガススリットを含み得る。ギャップが、シャワーヘッドの円筒形ベース部分の半径方向外縁と処理チャンバの側壁との間に画定される。二次パージガスは、カラー上のスリット、およびギャップを通って流れ、その後排気ポートを介して排出される。したがって、カラーは、二次パージカラーと呼ばれることもある。
【0075】
典型的には、酸素は、寄生プラズマがシャワーヘッドの上および裏側で発生するのを抑制するため、基板の処理中にカラーを通して送給される。それにもかかわらず、寄生プラズマは、シャワーヘッドのバックプレートおよび側面上に残留物の蓄積を引き起こす。シャワーヘッドのバックプレートおよび側面の洗浄は、困難な場合がある。
【0076】
本開示は、洗浄ガスまたは不活性ガスを、カラーを介して洗浄が困難な処理チャンバの領域(例えば、シャワーヘッドの裏面および側面)に送給するためのシステムおよび方法を開示する。システムおよび方法は、基板処理中に酸素(O2)または分子窒素(N2)を送給するために使用されるカラーを活用する。チャンバの洗浄プロセス中、シャワーヘッドおよびカラーへのガス供給が切り替えられ、カラーは、反応性洗浄ガス(例えば、NF3、C24など)または不活性ガス(例えば、Ar、N2、またはHe)をシャワーヘッドの上方(above and over)(すなわち、洗浄が困難な領域)に送給するために使用される。
【0077】
実際には、上記のようにガス供給を切り替えてガスを供給すると、洗浄が困難な領域に対する反応性洗浄ガス種の分圧が増加し、処理チャンバを洗浄するための全体的な時間が短縮される。さらに、二次パージカラーを通して不活性ガスを送給すると、希釈によってフッ素種間の衝突距離が長くなるため、フッ素ラジカル(シャワーヘッドフェースプレートから送給される)の寿命を延ばすことができる。
【0078】
洗浄ガスまたは不活性ガスは、異なる方法で供給することができる。一例では、洗浄ガスは、遠隔プラズマ発生器で事前に活性化され得、次いで事前に活性化された洗浄ガスは、カラー内に送給される。別の例では、洗浄ガスはカラーを介して送給され、台座が接地された状態でRF電力をシャワーヘッドに適用することによってin-situで活性化される。さらに別の例では、事前に活性化された洗浄ガスがシャワーヘッドを通して送給され、不活性ガスは、シャワーヘッドから送給されるフッ素ラジカルの平均自由行程を増加させるためにカラーを通して供給され、シャワーヘッドの後上方のフッ素ラジカルの分圧を増加させる。本開示のこれらおよび他の特徴は、以下に詳細に説明される。
【0079】
本開示は、以下のように構成される。原子層堆積(ALD)処理チャンバの一例が、図1を参照して示され説明される。カラーの一例が、図2を参照して詳細に示され説明される。基板処理およびチャンバ洗浄動作中に様々なガスを供給するための弁の配置が、図3を参照して示され説明される。処理チャンバを洗浄する様々な方法が、図3図6を参照して示され説明される。処理チャンバの洗浄中に使用することができる異なる接地方法が、図7および図8に示されている。処理チャンバの流れモデルが、図9を参照して示され説明される。図10は、接地されたシャワーヘッドおよび動力付き台座を備えた代替の構成を示す。
【0080】
図1は、処理チャンバ108を含む基板処理システム100の一例を示す。基板支持体(例えば、台座)104が、処理チャンバ108内に配置される。基板112が、処理中に基板支持体104上に配置される。シャワーヘッド140などのガス分配デバイスは、基板支持体104の上の処理チャンバ108内に配置される。
【0081】
ガス送給システム120が、弁124-1、124-2、…、および124-N(総称して弁124)に接続されたガス源122-1、122-2、…、および122-N(総称してガス源122)と、マスフローコントローラ126-1、126-2、…、および126-N(総称してMFC126)とを含む。MFC126は、ガス源122からガスが混合するマニホールド128へのガスの流れを制御する。マニホールド128の出力は、シャワーヘッド140に供給される。シャワーヘッド140は、内部プレナムと、ガス通孔とを含む。シャワーヘッド140は、ガス通孔を介してプロセスガスを処理チャンバ108内に導入および分配する。
【0082】
RF生成システム130が、RF電圧を生成し、シャワーヘッド140または基板支持体104(他方は、DC接地されるか、AC接地されるか、または浮動である)に出力する。単なる一例として、RF生成システム130は、整合ネットワーク134によってシャワーヘッド140または基板支持体104に供給されるRF電圧を生成するRF電圧発生器132を含み得る。プラズマは、プロセスガスおよびRF電力がシャワーヘッド140に供給されるときに生成される。
【0083】
いくつかの例では、基板112を処理する間の各ALDサイクル中、アルゴン(Ar)または分子窒素(N2)などの不活性ガスを、ドーズパージおよびRFパージステップでシャワーヘッド140を通って流れる一次パージガスとして使用することができる。加えて、分子酸素(O2)または分子窒素(N2)が、すべてのALDステップにおいて二次パージとしてシャワーヘッド140の裏側を通って連続的に流れ、シャワーヘッド140の裏側、ならびに処理チャンバ108の壁およびトッププレートなどの遠隔領域における望ましくない堆積を防止または最小化することができる。
【0084】
コントローラ150が、プロセスガスの流れを制御し、温度、圧力、電力などのプロセスパラメータを監視し、プラズマの衝突および消失、反応物の除去などを制御する。コントローラ150は、ガス送給システム120からのガス送給を制御し、プロセス中に所定の間隔でプロセスガスおよび/またはパージガスを供給する。コントローラ150は、弁160およびポンプ162を使用して処理チャンバ108内の圧力および/または反応物の排出を制御する。コントローラ150は、基板支持体104内のセンサ(図示せず)および/または冷却剤温度を測定するセンサ(図示せず)からの温度フィードバックに基づいて、基板支持体104および基板112の温度を制御する。パージガス源170および対応する弁(図3に示す)は、図2を参照して以下に説明するように、二次パージガスをカラー142に選択的に供給するためにコントローラ150によって使用され得る。
【0085】
加えて、基板処理システム100は、洗浄ガス源180と、遠隔プラズマ発生器182とを含む。例えば、遠隔プラズマ発生器182は、洗浄ガス源180が洗浄ガスを供給するときにプラズマを生成する誘導結合プラズマ(ICP)チャンバを含み得る。したがって、遠隔プラズマ発生器182は、遠隔プラズマ洗浄(RPC-ICP)発生器と呼ばれ得る。本開示を通して、遠隔プラズマ発生器182によって生成されたプラズマは、事前に活性化された洗浄ガスと呼ばれる。事前に活性化された洗浄ガスは、リモートプラズマ洗浄(RPC)ガスとも呼ばれ得る。
【0086】
コントローラ150は、洗浄ガス源180からの洗浄ガスの供給を制御し、いくつかの例では、図3図6を参照して以下に説明するように、遠隔プラズマ発生器182からの事前に活性化された洗浄ガスの供給を制御して処理チャンバ108を洗浄する。
【0087】
基板処理システム100は、基板処理中にプロセスガスおよびパージガスの送給を可能にし、チャンバ洗浄中に事前に活性化された洗浄ガス、不活性ガス、および洗浄ガスの送給を可能にする複数の弁190をさらに含む。コントローラ150は、図3図6を参照して以下に説明するように、基板112を処理しながら適切なプロセスガスおよびパージガスを処理チャンバ108に供給するように弁190を制御する。コントローラ150は、図3図6を参照して以下に説明するように、処理チャンバ108を洗浄しながら他の適切なガスを処理チャンバ108に供給するように弁190を制御する。要素120、128、170、180、190の組み合わせまたはサブ組み合わせは、総称してガス供給システムと呼ばれ得る。いくつかの実施態様では、ガス供給システムは、要素150および/または要素182を含み得る。
【0088】
図2は、シャワーヘッド140およびカラー142をさらに詳細に示す。シャワーヘッド140は、ステム部200、およびヘッド部202を含む。ヘッド部202は、内部空洞204を画定する。前駆体またはパージガスなどの流体は、ステム部200を通って分散プレート206上に流れ、そして内部空洞204内に流れる。次に、流体は、ヘッド部202の底面にある間隔を置いて配置された孔208を通過し、処理チャンバ108内に入る。
【0089】
シャワーヘッド140のステム部200は、カラー142によって処理チャンバ108の上部壁(すなわち、トッププレート)に接続される。カラー142は、概して「T」字型の断面を有し、ヘッド部210、およびステム部212を含む。カラー142は、円筒形であり、シャワーヘッド140のステム部200を受け入れる内部空洞220を画定する。複数のスロット230が、カラー142のステム部212に形成される。スロット230は、パージガスなどの流体が、内部空洞220からカラー142のステム部212の外面に、シャワーヘッド140の上の領域内に、そして処理チャンバ108内に流れることを可能にする。
【0090】
流体コネクタ240が、カラー142のヘッド部210の縁部に接続され得、基板112を処理している間にパージガスなどの流体を供給するために使用される。流体コネクタ240は、概して242で識別される1つまたは複数の導管および/またはコネクタを含む。カラー142のヘッド部210は、流体の流れをカラー142の内部空洞220に向けるために、概して244で識別される導管および/またはコネクタを含む。
【0091】
プレート250が、シャワーヘッド140のヘッド部202とカラー142との間に配置される。プレート250は、上面252と、センタリング開口部またはボア260と、底面262とを含む。いくつかの例では、プレート250は、セラミックで作製される。プレート250の厚さは、接地または寄生プラズマに対する材料および容量結合を最小化するように選択され得る。プレート250の上面252は、流体がその間を通過することができるように、カラー142の底縁から間隔を置いて配置される。センタリングボア260はまた、流体がその間を通過することができるように、シャワーヘッド140のステム部202から間隔を置いて配置される。プレート250の底面262は、流体がその間を流れることができるように、シャワーヘッド140の上面から間隔を置いて配置される。いくつかの例では、プレート250は省略されてもよく、処理チャンバ108はプレート250なしで動作されてもよい。
【0092】
カラー142を通してパージガスを流すことは、プロセス堆積化学物質が空洞220内の領域に入るのを阻害し、そこでの望ましくない膜堆積を防止する。スロット230および他のギャップの寸法は、内部でのプラズマの点火を防止し、ペクレ条件が満たされて所望のガス流量の逆拡散を防止することを可能にするように選択され得る。
【0093】
コントローラ150は、基板112の処理中とは異なる方法で、以下に説明する洗浄プロセス中にシャワーヘッド140およびカラー142を利用する。コントローラ150は、処理チャンバ108を洗浄しながら、シャワーヘッド140およびカラー142の利用を変更するための弁の配置(図3を参照して以下に示され説明される)を使用する。
【0094】
図3は、チャンバ洗浄動作中に異なるガスをシャワーヘッド140およびカラー142に供給するために使用される様々な弁の配置を示す。弁190は、基板処理およびチャンバ洗浄動作中にプロセスガス、パージガス、事前に活性化された洗浄ガス、不活性ガス、および洗浄ガスなどのガス供給をシャワーヘッド140およびカラー142に切り替える。弁190は、基板処理およびチャンバ洗浄動作中に様々なガスをシャワーヘッド140およびカラー142に送る弁300~312を備える。コントローラ150は、以下のように、基板処理およびチャンバ洗浄動作中に弁300~312を制御する。
【0095】
基板処理中、プロセスガスはシャワーヘッド140に供給され、パージガスはカラー142に供給される。したがって、基板処理中、コントローラ150は、弁300および302をオンにし、弁304~312をオフにする。したがって、基板処理中、プロセスガスは、弁300を介してマニホールド128からシャワーヘッド140に供給され、パージガスは、弁302を介してパージガス源170からカラー142に供給される。
【0096】
洗浄動作中、コントローラ150は、弁300および302をオフにし、シャワーヘッド140およびカラー142へのマニホールド128からのプロセスガスおよびパージガス源170からのパージガスの供給をそれぞれオフにする。コントローラ150は、以下に説明する3つの方法のうちの1つを使用して、処理チャンバ108を洗浄する。各方法の間、弁300および302はオフのままであり、コントローラ150は、以下に説明するように弁304~312をオンにする。3つの方法のいずれかを使用して洗浄動作が完了した後、コントローラ150は、処理チャンバ108内で基板112を処理している間、弁304~312をオフにし、弁300および302をオンにする。
【0097】
第1の洗浄方法では、洗浄ガス源180からの洗浄ガスが遠隔プラズマ発生器182に供給され、事前に活性化された洗浄ガスが生成される。コントローラ150は、弁304をオンにし、洗浄ガスを洗浄ガス源180から遠隔プラズマ発生器182に供給する。次に、コントローラ150は、弁306をオフにし、事前に活性化された洗浄ガスを遠隔プラズマ発生器182からシャワーヘッド140のカラー142に供給する。第1の洗浄方法では、弁300、302、および308~312はオフのままである。
【0098】
事前に活性化された洗浄ガスは、シャワーヘッド140の裏側の上方のカラー142を通って、処理チャンバ108内に分散される。事前に活性化された洗浄ガスは、基板処理中にこれらの領域に堆積した可能性のある残留物と反応する。事前に活性化された洗浄ガスは、これらの領域を洗浄する。事前に活性化された洗浄ガスは、所定の期間カラー142に供給され、その後弁304および306がオフにされる。続いて、コントローラ150は、弁300および302をオンにし、処理チャンバ108内で基板112を処理している間、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給する。
【0099】
第2の洗浄方法では、洗浄ガスは、洗浄ガス源180からシャワーヘッド140のカラー142に直接供給され、RF電力は、処理チャンバ108内の洗浄ガスを活性化するためにシャワーヘッド140に供給される。第2の洗浄方法の間、弁300~306、310、および312はオフのままである。
【0100】
コントローラ150は、弁308をオンにし、洗浄ガスを洗浄ガス源180からシャワーヘッド140のカラー142に供給する。コントローラ150は、RF電力をシャワーヘッド140に供給し、カラー142から処理チャンバ108内に分散する洗浄ガスを活性化する。活性化された洗浄ガスは、基板処理中にシャワーヘッド140の裏側の上方および処理チャンバ108の他の場所に堆積した可能性のある残留物と反応する。活性化された洗浄ガスは、これらの領域を洗浄する。
【0101】
洗浄ガスはカラー142に供給され、RF電力は所定の期間シャワーヘッド140に供給される。所定の期間の後、弁308およびRF電源がオフにされる。続いて、コントローラ150は、弁300および302をオンにし、処理チャンバ108内で基板112を処理している間、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給する。
【0102】
いくつかの実施態様では、コントローラ150がRF電力をシャワーヘッド140に供給してカラー142から処理チャンバ108内に分散する洗浄ガスを活性化するとき、コントローラ150は、処理チャンバ108の異なる部分を順次接地することができる。例えば、処理チャンバ108のトッププレートおよび側壁は、スイッチ350および352を介して接地に接続され得、台座104は、スイッチ354を介して接地に接続され得る。コントローラ150は、スイッチ350、352、および354を選択的にオンおよびオフにすることによって、処理チャンバ108のトッププレートおよび側壁ならびに台座104を順次接地することができる。順次の接地により、プラズマ洗浄を、接地された処理チャンバ108の特定の領域または区域に集中させることができる。
【0103】
例えば、コントローラ150は、スイッチ350をオンにし、スイッチ352および354をオフにすることによって、シャワーヘッド140の上にある処理チャンバ108のトッププレートのみを最初に接地することができる。続いて、コントローラ150は、スイッチ352をオンにし、スイッチ350および354をオフにすることによって、処理チャンバ108の側壁のみを接地することができる。続いて、コントローラ150は、スイッチ354をオンにし、スイッチ350および352をオフにすることによって、台座104のみを接地することができる。いくつかの例では、異なるシーケンスが続く場合がある。
【0104】
あるいは、コントローラ150は、スイッチ350をオンにし、スイッチ352および354をオフにすることによって、シャワーヘッド140の上にある処理チャンバ108のトッププレートのみを最初に接地することができる。続いて、コントローラ150は、スイッチ350をオンに、かつスイッチ354をオフにしたままスイッチ352をオンにすることによって、処理チャンバ108の側壁のみをさらに接地することができる。続いて、コントローラ150は、スイッチ350および352をオンにしたままスイッチ354をオンにすることによって、台座104をさらに接地することができる。いくつかの例では、異なるシーケンスが続く場合がある。いくつかの実施態様では、処理チャンバ108の本体(すなわち、トッププレートおよび側壁)および台座104は、順番にではなく、共に(すなわち、スイッチ350~354を共にオンにすることによって)接地され得る。
【0105】
第3の洗浄方法では、洗浄ガス源180からの洗浄ガスは、遠隔プラズマ発生器182において最初に事前に活性化される。コントローラ150は、弁304をオンにし、洗浄ガスを洗浄ガス源180から遠隔プラズマ発生器182に供給する。次に、コントローラ150は、弁310をオンにし、事前に活性化された洗浄ガスを遠隔プラズマ発生器182から処理チャンバ108のシャワーヘッド140に供給する。
【0106】
加えて、コントローラ150は、不活性ガスをシャワーヘッド140のカラー142に供給する。不活性ガスは、典型的には、基板処理中にマニホールド128からシャワーヘッド140に供給される。代わりに不活性ガスをマニホールド128からカラー142に供給するために、コントローラ150は、弁312をオンにする。第3の洗浄方法では、弁300~308はオフのままである。
【0107】
コントローラ150は、RF電力をシャワーヘッド140に供給する。RF電力は、シャワーヘッド140の裏側の上方のカラー142から処理チャンバ108内に分散する不活性ガスを活性化する。活性化された不活性ガスは、シャワーヘッド140から処理チャンバ108内に入る事前に活性化された洗浄ガスが、基板処理中にシャワーヘッド140の裏側の上方および処理チャンバ108の他の場所に堆積した可能性のある残留物と反応することを可能にする。事前に活性化された洗浄ガスおよび不活性ガスを使用して生成されたプラズマは、これらの領域を洗浄する。
【0108】
事前に活性化された洗浄ガスおよび不活性ガスは、それぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給され、RF電力は所定の期間シャワーヘッド140に供給される。所定の期間の後、コントローラ150は、弁310および312をオフにし、シャワーヘッド140へのRF電力をオフにする。続いて、コントローラ150は、弁300および302をオンにし、処理チャンバ108内で基板112を処理している間、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給する。いくつかの実施態様では、第3の洗浄方法の間、コントローラ150は、第2の洗浄方法に関して上述した順次の接地を使用することができる。
【0109】
図4は、シャワーヘッド140の裏側の上方、および処理チャンバ108内の領域を洗浄するための第1の方法400を示す。方法400は、コントローラ150によって実施される。402において、方法400は、処理チャンバ108を洗浄するかどうかを決定する。404において、処理チャンバ108が洗浄されるべきである場合、方法400は、最初に、処理チャンバ108内で基板を処理する間に使用されるシャワーヘッド140およびカラー142へのプロセスガスおよびパージガスの供給をそれぞれオフにする。次に、方法400は、遠隔プラズマ発生器182内の洗浄ガスを事前に活性化する。
【0110】
406において、方法400は、事前に活性化された洗浄ガスを遠隔プラズマ発生器182からシャワーヘッド140のカラー142に供給する。この時点で、流体は、シャワーヘッド140に、かつシャワーヘッド140を通して処理チャンバ108内に供給されない。事前に活性化された洗浄ガスは、シャワーヘッド140の裏側の上方の領域のカラー142を通って、処理チャンバ108内に分散される。事前に活性化された洗浄ガスは、基板の処理中にこれらの領域に堆積した可能性のある残留物と反応し、これらの領域を洗浄する。
【0111】
方法400は、洗浄動作が完了する所定の期間、事前に活性化された洗浄ガスを供給する。408において、方法400は、所定の期間が経過したかどうかをチェックし、その後、方法400は、洗浄動作を停止する。この時点で、方法400は、シャワーヘッド140のカラー142への事前に活性化された洗浄ガスの供給を停止する。続いて、基板を処理チャンバ108内で処理することができ、基板を処理している間、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給することができる。
【0112】
図5は、シャワーヘッド140の裏側の上方、および処理チャンバ108内の領域を洗浄するための第2の方法500を示す。方法500は、コントローラ150によって実施される。502において、方法500は、処理チャンバ108を洗浄するかどうかを決定する。504において、処理チャンバ108が洗浄されるべきである場合、方法500は、最初に、処理チャンバ108内で基板を処理する間に使用されるシャワーヘッド140およびカラー142へのプロセスガスおよびパージガスの供給をそれぞれオフにする。次に、方法500は、シャワーヘッド140のカラー142を介して洗浄ガスを処理チャンバ108内に供給する。この時点で、流体は、シャワーヘッド140に、かつシャワーヘッド140を通して処理チャンバ108内に供給されない。
【0113】
506において、方法500は、洗浄ガスをカラー142に供給しながら、RF電力をシャワーヘッド140に供給する。台座および/またはチャンバ本体が、接地される。RF電力は、シャワーヘッド140の裏側の上方のカラー142を通って処理チャンバ108内に分散している洗浄ガスを活性化する。活性化された洗浄ガスは、基板の処理中にこれらの領域に堆積した可能性のある残留物と反応し、これらの領域を洗浄する。
【0114】
方法500は、洗浄ガスをカラー142に供給し、洗浄動作が完了する所定の期間、処理チャンバ108内の洗浄ガスを活性化する。508において、方法500は、所定の期間が経過したかどうかをチェックし、その後、方法500は、洗浄動作を停止する。この時点で、方法500は、カラー142への洗浄ガスの供給を停止し、また、洗浄ガスを活性化するためにシャワーヘッド140へのRF電力の供給を停止する。続いて、基板を処理チャンバ108内で処理することができ、基板を処理している間、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給することができる。
【0115】
図6は、シャワーヘッド140の裏側の上方、および処理チャンバ108内の領域を洗浄するための第3の方法600を示す。方法600は、コントローラ150によって実施される。602において、方法600は、処理チャンバ108を洗浄するかどうかを決定する。604において、処理チャンバ108が洗浄されるべきである場合、方法600は、最初に、処理チャンバ108内で基板を処理する間に使用されるシャワーヘッド140およびカラー142へのプロセスガスおよびパージガスの供給をそれぞれオフにする。次に、方法600は、遠隔プラズマ発生器182内の洗浄ガスを事前に活性化する。
【0116】
606において、方法600は、事前に活性化された洗浄ガスを遠隔プラズマ発生器182からシャワーヘッド140に、そしてシャワーヘッド140を通して処理チャンバ108内に供給する。608において、方法600は、不活性ガスをシャワーヘッド140のカラー142に、そしてカラー142を介して処理チャンバ108内にさらに供給する。610において、方法600は、不活性ガスをカラー142に供給し、かつ事前に活性化された洗浄ガスをシャワーヘッド140に供給しながらRF電力をシャワーヘッド140に供給する。台座および/またはチャンバ本体が、接地される。
【0117】
RF電力は、シャワーヘッド140の裏側の上方のカラー142を通って処理チャンバ108内に分散している不活性ガスを活性化する。活性化された不活性ガスは、事前に活性化された洗浄ガスが、シャワーヘッド140の裏側の上方および処理チャンバ108の他の場所に堆積した可能性のある残留物と反応し、これらの領域を洗浄することを可能にする。
【0118】
方法600は、事前に活性化された洗浄ガスおよび不活性ガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給し、洗浄動作が完了する所定の期間、不活性ガスを活性化する。612において、方法600は、所定の期間が経過したかどうかをチェックし、その後、方法600は、洗浄動作を停止する。この時点で、方法600は、シャワーヘッド140およびカラー142への事前に活性化された洗浄ガスおよび不活性ガスのそれぞれの供給を停止し、また、不活性ガスを活性化するためにシャワーヘッド140へのRF電力の供給を停止する。続いて、基板を処理チャンバ108内で処理することができ、基板を処理している間、プロセスガスおよびパージガスをそれぞれシャワーヘッド140およびカラー142に供給することができる。
【0119】
図7は、処理チャンバ108の洗浄中に処理チャンバ108の異なる部分を接地するために使用することができる方法700の第1の例を示す。方法700は、方法500および600を実施している間、コントローラ150によって実施される。702において、方法700は、RF電力がシャワーヘッド140に供給されるかどうかを決定する(例えば、図5および図6の要素506および610)。704において、RF電力がシャワーヘッド140に供給される場合、方法700は、スイッチ350をオンにし、スイッチ352および354をオフにすることによって、シャワーヘッド140の上にある処理チャンバ108のトッププレートのみを接地する。706において、方法700は、スイッチ352をオンにし、スイッチ350および354をオフにすることによって、処理チャンバ108の側壁のみを接地する。708において、方法700は、スイッチ354をオンにし、スイッチ350および352をオフにすることによって、台座104のみを接地する。
【0120】
図8は、処理チャンバ108の洗浄中に処理チャンバ108の異なる部分を接地するために使用することができる方法800の第2の例を示す。方法800は、方法500および600を実施している間、コントローラ150によって実施される。802において、方法800は、RF電力がシャワーヘッド140に供給されるかどうかを決定する(例えば、図5および図6の要素506および610)。804において、RF電力がシャワーヘッド140に供給される場合、方法800は、最初に、スイッチ350をオンにし、スイッチ352および354をオフにすることによって、シャワーヘッド140の上にある処理チャンバ108のトッププレートのみを接地する。806において、方法800は、スイッチ350をオンに、かつスイッチ354をオフにしたままスイッチ352をオンにすることによって、処理チャンバ108の側壁のみをさらに接地する。808において、方法800は、スイッチ350および352をオンにしたままスイッチ354をオンにすることによって、台座104をさらに接地する。
【0121】
図9は、処理チャンバ108の流れモデルを示す。流れモデルは、処理チャンバ108内で基板を処理している間、パージガスなどの流体がシャワーヘッドの縁部の近くで再循環することなく流れることを実証している。流れモデルはまた、異なる洗浄方法の間に使用される洗浄ガスおよび不活性ガスなどの流体がシャワーヘッドの縁部の近くで再循環することなく流れることも実証している。
【0122】
図10は、接地されたシャワーヘッドおよび動力付き台座を備えた図3の代替の構成を示す。いくつかの実施態様では、RF電力をシャワーヘッドに供給して台座を接地する代わりに、RF電力を台座に供給してもよく、シャワーヘッドを接地してもよい。図10のすべての要素は、RF生成システム130がRF電力を台座104に供給し、スイッチ354がシャワーヘッド140を接地するように制御されることを除いて、図3と同一である。
【0123】
洗浄中、外部で事前に活性化された洗浄ガスは、上述のようにカラーを通してチャンバ内に注入することができる。あるいは、洗浄ガスがカラーを通してチャンバ内に注入され、RF電力を台座に供給することによってプラズマが発生されてもよい。あるいは、外部で事前に活性化された洗浄ガスがシャワーヘッドを通してチャンバ内に注入され、不活性ガスがカラーを通して注入され、RF電力を台座に供給することによってプラズマが発生されてもよい。さらに、これらの代替案の各々において、シャワーヘッド、ならびにチャンバのトッププレートおよび側壁は、シャワーヘッドが台座の代わりに接地されることを除いて、上述と同様の方式で順次接地することができる。
【0124】
さらに、いずれの構成(接地された台座を備えた動力付きシャワーヘッド、または接地されたシャワーヘッドおよび動力付き台座)において、台座は、静電チャック、真空チャックを含むか、またはチャッキング機能(ウエハを台座と接触させ続ける重力)を含まなくてもよい。さらに、シャワーヘッドまたは台座に供給されるRF電力は、高周波(3~60MHz)および低周波(100~1000KHz)を含み得る。
【0125】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲はそのような例に限定されるべきでない。方法における1つまたは複数の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていないとしても)可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0126】
要素同士(例えば、モジュール同士、回路要素同士、半導体層同士など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性があるが、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0127】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。
【0128】
コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0129】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。
【0130】
プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実施するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0131】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。
【0132】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。
【0133】
したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0134】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0135】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10