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特許7644462ノロウイルス不活化用医薬組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-04
(45)【発行日】2025-03-12
(54)【発明の名称】ノロウイルス不活化用医薬組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/47 20060101AFI20250305BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20250305BHJP
   C12N 9/36 20060101ALN20250305BHJP
【FI】
A61K38/47 ZNA
A61P31/14
C12N9/36
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019199821
(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公開番号】P2021070669
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年11月2日に発行された、第114回公益社団法人日本食品衛生学会学術講演会講演要旨集にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年11月15日広島国際会議場で開催された、第114回公益社団法人日本食品衛生学会学術講演会にて発表
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504196300
【氏名又は名称】国立大学法人東京海洋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194973
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 祐朗
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 肇
(72)【発明者】
【氏名】高橋 迪子
【審査官】池上 文緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-141659(JP,A)
【文献】国際公開第2016/017784(WO,A1)
【文献】Sci. Rep.,2015年,vol.5,11819, p.1-9
【文献】日本食品科学工学会誌,2016年,vol.63, no.8,p.358-362
【文献】Food Hyg. Saf. Sci.,2018年,vol.59, no.2,p.89-92
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/47
A61P 31/14
C12N 9/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は
(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列との同一性が90%以上のアミノ酸配列を含み、且つノロウイルス不活化活性を有するポリペプチド、
を有効成分として含み、pH7.5~pH9.0である、ノロウイルス不活化用医薬組成物であって、
前記ポリペプチドが70~140℃で加熱変性されたものである、ノロウイルス不活化用医薬組成物
【請求項2】
前記ポリペプチドが、配列番号1で表されるアミノ酸配列における1~39番のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸からなるポリペプチド、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項1に記載のノロウイルス不活化用医薬組成物。
【請求項3】
前記ポリペプチドが、pH7.5~pH9.0の溶液中での加熱変性ポリペプチドである、請求項1又は2に記載のノロウイルス不活化用医薬組成物。
【請求項4】
配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを有効成分として含む、ノロウイルス不活化用医薬組成物であって、前記ポリペプチドが70~140℃で加熱変性されたものである、ノロウイルス不活化用医薬組成物
【請求項5】
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は
(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列との同一性が90%以上のアミノ酸配列を含み、且つノロウイルス不活化活性を有するポリペプチドを、
pH7.5~pH9.0の溶液中で、70~140℃で加熱変性する工程を含む、ノロウイルス不活用医薬組成物の製造方法。
【請求項6】
前記ポリペプチドが、配列番号1で表されるアミノ酸配列における1~39番のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸からなるポリペプチド、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項5に記載のノロウイルス不活用医薬組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノロウイルス不活化用医薬組成物及びその製造方法に関する。本発明によれば、効率的にノロウイルスを不活化することができる。
【背景技術】
【0002】
ノロウイルスは、ヒトに対する感染性が高く、食中毒又はウイルス性急性胃腸炎を引き起こすことが知られている。現在、ノロウイルスに対する有効な抗ウイルス剤が開発されていないため、有効な予防法及び治療法が確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/125961号
【文献】国際公開第2016/017784号
【文献】特開2016-141659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、リゾチームを加熱変性することによって、ノロウイルスを不活化できることを見出した(特許文献1及び2)。更に、リゾチームの一部のアミノ酸配列を含むポリペプチドが、ノロウイルスを不活化できることを見出した(特許文献3)。
しかしながら、ノロウイルスに対する、より有効な抗ウイルス剤の開発が期待されていた。
従って、本発明の目的は、ノロウイルスに対する有効な抗ウイルス剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、ノロウイルスに対する有効な抗ウイルス剤について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、従来よりも医薬組成物のpHを高く調整することによって、抗ウイルス効果が向上することを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](1)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における、5~35番のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列、又は前記5~35番のアミノ酸配列との同一性が80%以上のアミノ酸配列を含み、且つノロウイルス不活化活性を有するポリペプチド、を有効成分として含み、pH6.2~pH9.0である、ノロウイルス不活化用医薬組成物、
[2]前記ポリペプチドが、配列番号1で表されるアミノ酸配列における1~39番のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸からなるポリペプチド、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである、[1]に記載のノロウイルス不活化用医薬組成物、
[3]pHが、pH7.0~pH9.0である、[1]又は[2]に記載のノロウイルス不活化用医薬組成物、
[4]前記ポリペプチドが、pH6.2~pH9.0の溶液中での加熱変性ポリペプチドである、[1]~[3]のいずれかに記載のノロウイルス不活化用医薬組成物、
[5](1)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における、5~35番のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列、又は前記5~35番のアミノ酸配列との同一性が80%以上のアミノ酸配列を含み、且つノロウイルス不活化活性を有するポリペプチドを、pH6.2~pH9.0の溶液中で加熱変性する工程を含む、ノロウイルス不活用医薬組成物の製造方法、
[6]前記ポリペプチドが、配列番号1で表されるアミノ酸配列における1~39番のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸からなるポリペプチド、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである、[4]に記載のノロウイルス不活用医薬組成物の製造方法、及び
[7]前記pHが、pH7.0~pH9.0である、[5]又は[6]に記載のノロウイルス不活用医薬組成物の製造方法、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物によれば、少量の組成物でノロウイルスを短時間で、効率的に不活化することができる。また、本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物の製造方法によれば、優れた効果のノロウイルス不活化用医薬組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1~3及び比較例1~3で得られたペプチドを1重量%の濃度で使用した場合のノロウイルスの感染価の減少を示したグラフである。
図2】実施例1~3及び比較例1~3で得られたペプチドを0.5重量%又は0.1重量%の濃度で使用した場合のノロウイルスの感染価の減少を示したグラフである。
図3】ポリペプチド1-129、ポリペプチド5-39、ポリペプチド1-35、ポリペプチド5-39R3、ポリペプチド88-125によるノロウイルスの不活性化を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1]ノロウイルス不活化用医薬組成物
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物は、(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における、5~35番のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列、又は前記5~35番のアミノ酸配列との同一性が80%以上のアミノ酸配列を含み、且つノロウイルス不活化活性を有するポリペプチド、を含み、pH6.2~pH9.0である。
【0009】
《有効成分》
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物の有効成分は、リゾチームのN末端側のアミノ酸配列を含む特定のポリペプチドである限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば卵白リゾチーム又はヒトリゾチームなどのニワトリ型リゾチームのN末側のアミノ酸配列を含む特定のポリペプチドが好ましい。具体的には、例えば卵白リゾチームの5~35番のアミノ酸配列からなるポリペプチド、又はヒトリゾチームの5~35番のアミノ酸配列からなるポリペプチドが有効成分として挙げられる。卵白リゾチームの場合、有効成分としては、前記5~35番のアミノ酸配列からなるポリペプチド(RCELAAAMKR HGLDNYRGYS LGNWVCAAKFE:配列番号3)に加えて、1~35番のアミノ酸配列からなるポリペプチド(KVFGRCELAA AMKRHGLDNY RGYSLGNWVC AAKFE:配列番号4)、及び5~39番のアミノ酸配列からなるポリペプチド(RCELAAAMKR HGLDNYRGYS LGNWVCAAKFE SNFN:配列番号5)が挙げられる。
【0010】
前記有効成分のポリペプチド(以下、「有効成分ポリペプチド」と称することがある)は、ノロウイルス不活化活性を有する限りにおいて、前記有効成分ポリペプチドのアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列、又は前記有効成分ポリペプチドのアミノ酸配列との同一性が80%以上のアミノ酸配列からなる改変体ポリペプチドでもよい。例えば、改変体ポリペプチドとしては、卵白リゾチーム又はヒトリゾチーム以外のリゾチームのN末側のポリペプチド、部位特異的突然変異誘発法等の方法により置換等が導入されたポリペプチド、又は天然に生じ得る程度の数個の数のアミノ酸の置換等が導入されたポリペプチドが挙げられる。アミノ酸の改変の個数は、好ましくは1~5個、より好ましくは1~4個、更に好ましくは1~3個、更により好ましくは1~2個、最も好ましくは1個である。また、有効成分ポリペプチドのアミノ酸配列との同一性は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、更に好ましくは95%以上である。具体的な改変体ポリペプチドとしては、実施例7に記載の3つのアミノ酸の置換が導入されたポリペプチド5-39R3(RCNLAAAMKR HGLNNYRGYS LGNWVCAAKFN SNFN:配列番号2)が挙げられる。
なお、ポリペプチド(タンパク質)の技術分野において、1つのアミノ酸の置換によって、ポリペプチドが機能を失うことが知られている。すなわち、そのポリペプチドを構成するアミノ酸配列において重要なアミノ酸が存在することは技術常識である。しかし、1又は複数個のアミノ酸が、置換、欠失、又は付加されたポリペプチドが機能を維持することも知られている。すなわち、そのポリペプチドの構成するアミノ酸において、ポリペプチドに機能の発現には影響の少ないアミノ酸が存在することも技術常識である。例えば、多くの生物のリゾチームは、異なるアミノ酸配列からなるリゾチームである。しかし、それらのリゾチームは、多糖類を加水分解するという同一の機能を有しており、ポリペプチドには、その機能を発現するために重要なアミノ酸と、機能の発現には影響の少ないアミノ酸とが存在するものである。
【0011】
本発明の改変ポリペプチドの改変アミノ酸配列の例としては、そのアミノ酸配列が1、2、3、4、又は5個の保存的置換を有するアミノ酸配列であってもよい。本明細書において「保存的置換」とは、本発明の改変ポリペプチドが、ノロウイルス不活化活性を有した状態で、一部のアミノ酸が置換されることを意味する。例えば、1若しくは数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基等で置き換えることを意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことでできる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。非極性(疎水性)アミノ酸としては、例えば、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、例えば、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。また、化学的に類似していない場合でも、アミノ酸の構造が類似したアミノ酸残基で置き換えてもよい。例えばアスパラギン酸(D)からアラニン(A)への置換、アスパラギン(E)からアラニン(A)への置換、チロシン(Y)からフェニルアラニン(F)への置換などを挙げることができる。
【0012】
本明細書において「ノロウイルス不活化活性」とは、ノロウイルスを抑制できる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば後述の実施例で示すように、ポリペプチドと、ノロウイルスとを接触させた後に、ノロウイルスのプラク形成数を減少させる活性が挙げられる。プラク形成数の減少率は、限定されるものではないが、例えば80%以下であり、好ましくは50%以下であり、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは10%以下である。
【0013】
《ポリペプチド》
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物に含まれるポリペプチドは、前記有効成分ポリペプチドを含む限りにおいて、特に限定されるものではない。前記有効成分ポリペプチドからなるポリペプチドでもよく、有効成分ポリペプチドを含むポリペプチドでもよい。すなわち、有効成分ポリペプチドを含むポリペプチドは、前記有効成分ポリペプチドのN末側及び/又はC末側に任意のペプチド(アミノ酸配列)が付加されたポリペプチド(以下、付加ポリペプチドと称することがある)が含まれる。具体的には、付加ポリペプチドとして、配列番号1で表される129アミノ酸からなる全長の卵白リゾチームが挙げられる。しかしながら、有効成分ポリペプチドのN末側及び/又はC末側に結合する任意のポリペプチドは、卵白リゾチームの有効成分ポリペプチド以外のペプチドに限定されるものではなく、任意のポリペプチドを用いることができる。
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物はpH6.2~pH9.0である。前記全長の卵白リゾチームは、SS結合を多数有し、そして疎水性アミノ酸を多数有する強固な構造のポリペプチド(タンパク質)である。しかし、pH6.2~pH9.0であることにより、SS結合が切断され、そして強固な構造が緩み、有効成分ポリペプチド領域が、表面上に露出するために、優れたノロウイルス不活化活性を示す。従って、任意のペプチドを、有効成分ポリペプチドのN末側及び/又はC末側に結合した付加ポリペプチドであっても、pH6.2~pH9.0であることにより、有効成分ポリペプチドが表面に露出し、優れたノロウイルス不活化活性を示すことができる。
例えば、有効成分ポリペプチドをコードするヌクレオチドをベクターに組み込み、大腸菌、酵母などで発現させたポリペプチドを用いる場合、大量に、容易に発現させるために、GST又はTrpEなどとのタンパク質と結合させて、融合タンパク質として発現させてもよい。これらの融合タンパク質も、pH6.2~pH9.0であることにより、有効成分ポリペプチドが表面に露出し、優れたノロウイルス不活化活性を示すことができる。
【0014】
前記付加ポリペプチドは、有効成分ポリペプチド以外の任意のポリペプチド領域の部分に、アミノ酸の置換、欠失、又は付加を有していてもよい。例えば、有効成分ポリペプチドC末側に付加されるポリペプチドが、配列番号1の36~129番のアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号1の40~129番のアミノ酸配列からなるポリペプチドである場合、それらのアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列でもよく、又は前記アミノ酸配列との同一性が80%以上のアミノ酸配列でもよい。アミノ酸の改変の個数は、好ましくは1~10個、より好ましくは1~8個、更に好ましくは1~6個、更により好ましくは1~4個、最も好ましくは1~2個である。また、有効成分ポリペプチドのアミノ酸配列との同一性は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
【0015】
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物に含まれるポリペプチドは、塩の形態で前記組成物に含まれてもよい。具体的には、塩酸、炭酸、リン酸、ホウ酸、へキサメタリン酸、硝酸、硫酸などの無機酸の塩、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、グルコン酸などの有機酸の塩があげられる。
【0016】
《pH》
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物のpHは、pH6.2~pH9.0であり、より好ましくはpH7.0~9.0であり、更に好ましくはpH7.5~pH9.0であり、最も好ましくはpH8.0~pH9.0である。pHが前記範囲であることにより、効率的にノロウイルスを不活化することができる。
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物に用いる緩衝液は、pH6.2~pH9.0に調整できる限りにおいて、特に限定されないが、例えばリン酸緩衝、重炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、乳酸緩衝液、酢酸緩衝液、アジピン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、フマル酸緩衝液、リンゴ酸緩衝液、Tris緩衝液、又はHEPES緩衝液などを挙げることできる。
【0017】
《医薬組成物》
本発明の医薬組成物は、生体外又は生体内でノロウイルスを不活化することができる。生体外で使用する場合、例えば、噴霧可能な粘度の液剤とし、トリガースプレーヤー、スクイズ容器、エアゾル容器等のスプレー容器に充填することにより、手指、食品、調理器具、住居環境、嘔吐物、排泄物等へ該ノロウイルス不活化剤を含む液滴を噴霧することにより、ノロウイルスの不活化を手軽に行うことができる。ノロウイルス不活化剤を含む液剤に、不活化の対象物(例えば、手指、食品、医療機器、医療器具、調理器具、住居環境)を浸すことにより、ノロウイルスの不活化を手軽に行うこともできる。また、ノロウイルス不活化剤を含む液剤を湿潤させたシートとして使用することができる。さらに、ローション、クリーム等とすることにより皮膚外用剤として使用することができ、これにより、ノロウイルスが手指に付着してもその場で不活化し、ノロウイルスが経口感染することを防止する感染予防薬として使用することができる。
【0018】
生体内で使用する場合、医薬組成物の投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム、若しくは点眼剤などの非経口剤を挙げることができるが、経口剤が好ましい。
経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリデン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、常法に従って製造することができる。
【0019】
(その他の成分)
本発明の医薬組成物は、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、例えば、食用油脂、水、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、又は化工澱粉等の増粘安定剤、食塩、又は塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、又はグルコン酸等の酸味料、糖類又は糖アルコール類、ステビア、又はアスパルテーム等の甘味料、ベータカロチン、カラメル、又は紅麹色素等の着色料、トコフェロール、又は茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、pH調整剤、食品保存料、又は日持ち向上剤等の食品素材や食品添加物を挙げることができる。また、各種ビタミンやコエンザイムQ、植物ステロール、又は乳脂坊球皮膜等の機能素材を含有させることも可能である。
【0020】
《含有量》
医薬組成物における、ポリペプチドの含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば生体外で使用する場合は、1~100重量%程度含む医薬組成物を、適宜希釈して使用すればよい。
生体内投与する場合は、成人の場合、有効成分ポリペプチドとして1日当たり10mg~4g、より好ましくは20mg~2g摂取できる量有効成分ポリペプチドを医薬組成物中に含有できればよい。具体的には、有効成分ポリペプチドは医薬組成物中、0.1~100質量%であることが好ましく、0.5~99質量%であることが好ましく、1~80質量%であることが最も好ましい。
【0021】
本願発明の医薬組成物の投与対象は、特に限定されるものではないが、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、及びリス等のペット;牛及び豚等の家畜;マウス、ラット等の実験動物;並びに魚類などが挙げられる。
【0022】
《加熱変性》
本発明の医薬組成物に含まれるポリペプチドは、限定されるものではないが、pH6.2~pH9.0で加熱変性されたポリペプチドが好ましい。pH6.2~pH9.0で加熱変性されることにより、前記有効成分ポリペプチドが、優れたノロウイルス不活化活性を示す構造となると考えられるからである。加熱変性の条件については、後述のノロウイルス不活化用医薬組成物の製造方法の「加熱変性工程」に記載の条件を用いることができる。
【0023】
[2]ノロウイルス不活化用医薬組成物の製造方法
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物の製造方法は、(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列における5~35番のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における、5~35番のアミノ酸配列において、1~5のアミノ酸が置換、欠失、若しくは挿入されたアミノ酸配列、又は前記5~35番のアミノ酸配列との同一性が80%以上のアミノ酸配列を含み、且つノロウイルス不活化活性を有するポリペプチドを、pH6.2~pH9.0の溶液中で加熱変性する工程を含む。
【0024】
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物の製造方法において、使用されるポリペプチドは、前記「[1]ノロウイルス不活化用医薬組成物」の項に記載のポリペプチドを用いることができる。従って、「有効成分」、「ポリペプチド」、「有効成分ポリペプチド」、及び「付加ポリペプチド」等の用語は、前記「[1]ノロウイルス不活化用医薬組成物」の項に記載の用語と同様である。
【0025】
《加熱変性工程》
本発明の製造方法は、有効成分ポリペプチドを含むポリペプチドをpH6.2~pH9.0の溶液中で加熱変性する工程を含む。
加熱変性のpHは、pH6.2~pH9.0であり、好ましくはpH7.0~9.0であり、より好ましくはpH7.5~pH9.0であり、最も好ましくはpH8.0~pH9.0である。pHが前記範囲であることにより、効率的にノロウイルスを不活化することが可能な医薬組成物を製造することができる。
加熱変性において、ポリペプチドを溶解する溶液は、pH6.2~pH9.0に調整できる限りにおいて、特に限定されないが、例えばリン酸緩衝、重炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、乳酸緩衝液、酢酸緩衝液、アジピン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、フマル酸緩衝液、リンゴ酸緩衝液、Tris緩衝液、又はHEPES緩衝液になどに前記ポリペプチドを溶解して用いることができる。
【0026】
加熱変性の温度も、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば下限は70℃以上であり、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは90℃以上であり、最も好ましくは95℃以上である。加熱変性温度の上限は、例えば140℃以下であり、より好ましくは、130℃以下であり、更に好ましくは120℃以下であり、最も好ましくは110℃以下である。
加熱変性時間も、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば1~120分であり、好ましくは10~90分であり、より好ましくは20~60分であり、更に好ましくは、30~50分である。
【0027】
更に、前記加熱変性温度及び加熱変性時間の組み合わせは、適宜変更することができる。例えば加熱変性温度が低い場合は、加熱変性時間を長くすることによって、本発明の効果を得ることができる。また、加熱変性時間が短い場合は、加熱変性温度を高くすることによって、本発明の効果を得ることができる。更に、pHを高くすることによって、加熱変性温度を低くし、そして加熱変性時間を短くしても、本発明の効果を得ることができる。
【0028】
本発明の製造方法においては、pH6.2~pH9.0で加熱変性する。前記全長の卵白リゾチームは、SS結合を多数有し、そして疎水性アミノ酸を多数有する強固な構造のポリペプチド(タンパク質)である。しかし、pH6.2~pH9.0で加熱変性することにより、SS結合が切断され、そして強固な構造が緩み、有効成分ポリペプチド領域が、表面上に露出するために、優れたノロウイルス不活化活性を示す。従って、卵白リゾチーム以外の任意のペプチドを、有効成分ポリペプチドのN末側及び/又はC末側に結合したポリペプチドであっても、pH6.2~pH9.0であることにより、有効成分ポリペプチドが表面に露出し、優れたノロウイルス不活化活性を示すことができる。
例えば、有効成分ポリペプチドをコードするヌクレオチドをベクターに組み込み、大腸菌、酵母などで発現させたポリペプチドを用いる場合、大量に、容易に発現させるために、GST又はTrpEなどとのタンパク質と結合させて、融合タンパク質として発現させてもよい。これらの融合タンパク質も、pH6.2~pH9.0で加熱変性することにより、有効成分ポリペプチドが表面に露出し、優れたノロウイルス不活化活性を示すことができる。
【0029】
《作用》
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物が、優れたノロウイルス不活化活性を示すメカニズムは、完全に解明されたわけではないが、以下のように推定することができる。しかしながら、本発明は以下の推定によって限定されるものではない。
本発明のノロウイルス不活化用医薬組成物に含まれる有効成分ポリペプチドは、pH6.2未満の場合、ノロウイルスの不活化に有効な領域が十分に露出されてないと考えられるが、医薬組成物のpHをpH6.2以上にすることによって、ノロウイルスの不活化に有効な領域が十分に露出されるようになると推定される。
更に、付加ポリペプチドの場合は、有効成分ポリペプチド以外のペプチドによって、ノロウイルスの不活化に有効な領域が覆われている場合があるが、pH6.2以上で加熱変性することによって、ノロウイルスの不活化に有効な領域が十分に露出されるようになると推定される。
【実施例
【0030】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0031】
《実施例1》
本実施例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH6.5の医薬組成物を調製した。
卵白リゾチームを蒸留水に、2重量%になるように溶解した。適量のNaOHを添加し、pHを6.5に調整した。得られた溶液を100℃で、40分間加熱し、pH6.5の医薬組成物を得た。
【0032】
《実施例2》
本実施例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH7.5の医薬組成物を調製した。pH6.5に代えて、pH7.5に調整したことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、pH7.5の医薬組成物を得た。
【0033】
《実施例3》
本実施例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH8.5の医薬組成物を調製した。pH6.5に代えて、pH7.5に調整したことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、pH8.5の医薬組成物を得た。
【0034】
《比較例1》
本比較例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH3.7の医薬組成物を調製した。pH調整せずにpH3.7のままで、実施例1の操作を繰り返して、pH3.7の医薬組成物を得た。
【0035】
《比較例2》
本比較例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH4.5の医薬組成物を調製した。pH6.5に代えて、pH4.5に調整したことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、pH4.5の医薬組成物を得た。
【0036】
《比較例3》
本比較例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH5.5の医薬組成物を調製した。pH6.5に代えて、pH5.5に調整したことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、pH5.5の医薬組成物を得た。
【0037】
《解析例1》
前記実施例1~3及び比較例1~3で得られた医薬組成物のノロウイルスに対する不活化活性を測定した。ノロウイルスとして、MNV-1(ワシントン大学(Washington University)のハーバート.W.ヴァージン博士(Dr.Herbert W.Virgin)より供与)を使用し、培地成分を除去したノロウイルス液(MNV-1溶液)を作製した。
各医薬組成物とMNV-1溶液とを等量で混和し、1分間曝露した。MNV-1の感染価(PFU/mL)を、プラクアッセイにより測定した。
6ウェルプレートに、マウスマクロファージ株化細胞(RAW264.7細胞)をコンフルエントの60~80%まで培養した。曝露後の各サンプルを希釈し、反応を停止したのち、この培養細胞へ500μL/wellになるよう接種した。各サンプルを接種した細胞は、室温で1時間インキュベートし、ノロウイルスを感染させた。その後、プレート上の接種液を全量除去し、1.5% Sea Plaque Agarose-DMEM(37℃)を2mL/wellで重層し、37℃、5%CO条件下で2日間培養した。培養後、プレートに0.03%ニュートラルレッド溶液を加えることで細胞を染色し、プラク数をカウントした。得られたプラク数と希釈倍率から感染価(PFU/mL)を算出した。滅菌蒸留水と暴露したMNV-1の感染価(10~10PFU/mL程度)から、MNV-1溶液を加えた各サンプルの感染価を引いた値を、感染価の減少量(PFU/mL)とした。結果を図1に示す。
【0038】
図1に示すように、実施例1~3の医薬組成物(pH6.5~8.5)は、4.5log PFU/mL以上のノロウイルスの減少量を示した。一方、比較例1~3の医薬組成物(pH3.7~5.5)は、0.5~1.5log PFU/mL程度のノロウイルスの減少量であり、1000倍以上の差がみられた。
【0039】
《解析例2》
本解析例では、医薬組成物を希釈し、卵白リゾチームを0.1重量%又は0.5重量%として、不活化活性を調べた。
実施例1~3及び比較例1~3で得られた医薬組成物を、卵白リゾチームが0.1重量%又は0.5重量%となるように希釈したこと、及びMNV-1溶液との暴露時間を1分に代えて60分としたことを除いては、解析例1の操作を繰り返した。結果を図2に示す。
【0040】
図2に示すように、卵白リゾチームの含有量を0.1重量%又は0.5重量%にした場合も、ノロウイルスの減少量は、比較例1~3の医薬組成物と比較して、実施例1~3の医薬組成物が優れていた。
【0041】
《実施例4》
本実施例では、全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)を用いて、pH6.5の医薬組成物を調製した。実施例1の操作を繰り返して、医薬組成物を得た。
【0042】
《実施例5》
本実施例では、ポリペプチドとして、5~39番のアミノ酸配列からなるポリペプチド5-39(RCELAAAMKR HGLDNYRGYS LGNWVCAAKFE SNFN:配列番号5)を用いて、pH6.5の医薬組成物を調製した。
全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)に代えて、ポリペプチド5-39を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、医薬組成物を得た。
【0043】
《実施例6》
本実施例では、ポリペプチドとして、1~35番のアミノ酸配列からなるポリペプチド1-35(KVFGRCELAA AMKRHGLDNY RGYSLGNWVC AAKFE:配列番号4)を用いて、pH6.5の医薬組成物を調製した。
全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)に代えて、ポリペプチド1-35を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、医薬組成物を得た。
【0044】
《実施例7》
本実施例では、ポリペプチドとして、1~35番のアミノ酸配列に3つのアミノ酸の置換が導入されたポリペプチド5-39R3(RCNLAAAMKR HGLNNYRGYS LGNWVCAAKFN SNFN:配列番号2)を用いて、pH6.5の医薬組成物を調製した。
全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)に代えて、ポリペプチド5-39R3を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、医薬組成物を得た。
【0045】
《比較例4》
本比較例では、ポリペプチドとして、88-125番のアミノ酸配列からなるポリペプチド88-125(ITASVNCAKKIVSDGNGMNAWVAWRNRCKGTDVQAWIR:配列番号6)を用いて、pH6.5の医薬組成物を調製した。
全長の卵白リゾチーム(129アミノ酸)に代えて、ポリペプチド88-125を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、医薬組成物を得た。
【0046】
《解析例3》
本解析例では、実施例5~7及び比較例4で得られた医薬組成物のノロウイルスに対する不活化活性を測定した。
実施例5~7及び比較例4で得られた医薬組成物を用いたことを除いては、解析例1の操作を繰り返した。結果を図3に示す。
【0047】
図3に示すように、ポリペプチド5-39、ポリペプチド1-35、及びアミノ酸の置換を有するポリペプチド5-39R3を含む医薬組成物は、優れたノロウイルスの減少量を示した。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の医薬組成物は、ノロウイルス感染の抑制に用いることができる。
図1
図2
図3
【配列表】
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