(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-06
(45)【発行日】2025-03-14
(54)【発明の名称】回路チェック装置、回路チェック方法、および回路チェックプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/18 20200101AFI20250307BHJP
G06F 30/15 20200101ALI20250307BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20250307BHJP
G06F 113/16 20200101ALN20250307BHJP
【FI】
G06F30/18
G06F30/15
H02G1/06
G06F113:16
(21)【出願番号】P 2021157206
(22)【出願日】2021-09-27
【審査請求日】2024-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 剛茂
(72)【発明者】
【氏名】宮田 智
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-128996(JP,A)
【文献】特開2020-160580(JP,A)
【文献】特開2006-268862(JP,A)
【文献】特開2001-208789(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110363112(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/398
H02G 1/06
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含む仕様データに基づいて、ワイヤハーネスの接続に関して設計された製造データの正誤を判定する制御部を備えた回路チェック装置であって、
前記制御部は、
前記製造データに含まれる互いに接続された複数の端子の間の接続を接続グループに設定して、記憶部に格納し、
前記仕様データに含まれる互いに接続された2端の第1端子および第2端子を抽出し、
前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける接続グループの正誤を判定する
ことを特徴とする回路チェック装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記所定の装置における前記ワイヤハーネスを配設する空間が区分けされた複数の分割領域が設定され、
前記分割領域ごとに前記接続グループを設定し、
複数の前記分割領域の間における電線の接続に関する情報に基づいて、それぞれの分割領域ごとに設定された接続グループを包括してグループ化した包括接続グループを設定して前記記憶部に格納し、
前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の前記包括接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける包括接続グループの正誤を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の回路チェック装置。
【請求項3】
前記制御部は、
所定の変換用データを用いて、前記製造データの様式を前記仕様データの様式に変換する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回路チェック装置。
【請求項4】
前記所定の装置が車両である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の回路チェック装置。
【請求項5】
所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含む仕様データに基づいて、ワイヤハーネスの接続に関して設計された製造データの正誤を判定する制御部が実行する回路チェック方法であって、
前記製造データに含まれる互いに接続された複数の端子の間の接続を接続グループに設定して、記憶部に格納し、
前記仕様データに含まれる互いに接続された2端の第1端子および第2端子を抽出し、
前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける接続グループの正誤を判定する
ことを特徴とする回路チェック方法。
【請求項6】
所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含む仕様データに基づいて、ワイヤハーネスの接続に関して設計された製造データの正誤を判定する制御部に、
前記製造データに含まれる互いに接続された複数の端子の間の接続を接続グループに設定して、記憶部に格納し、
前記仕様データに含まれる互いに接続された2端の第1端子および第2端子を抽出し、
前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける接続グループの正誤を判定する
ことを実行させることを特徴とする回路チェックプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路チェック装置、回路チェック方法、および回路チェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用のワイヤハーネスの製品における設計データが、要求された仕様に沿った回路構成であるか否かを検査するシステムが知られている。このシステムは、情報処理装置に回路に関するデータを読み込ませて自動的にチェックするように構成されている。
【0003】
特許文献1,2には、自動車の仕様によっては車両の1台分のワイヤハーネスの回路が何万パターンにもなることから、全ての回路をチェック(検査)すると膨大な時間がかかる点を考慮して、チェック時間を短縮することを目的として、チェックする回路のパターンの数を絞り込むことによって、チェックの精度および時間を最適化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-170454号公報
【文献】特開2011-250635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術においては、要求された仕様(要求仕様)において1回路ごとのチェックに時間を要する。これは、1つの回路ごとに検査の対象となるデータ(チェック対象データ)の回路を検索したり、回路ごとに検索情報をリセットしたり、1つの回路に対して、分割領域ごとや分岐がある場合には接続先も全てチェックするなど、複数回のチェックを行う場合があることなどに起因する。また、全ての回路のパターンをチェックしていないことから、チェック漏れが生じる可能性が生じる。具体的に、特許文献1においては、2つの分割領域の間のパターンでチェックしているため、3つ以上を考慮したパターンのチェックが漏れる可能性がある。特許文献2においては、優先度が高い回路のパターンをチェックするようにしているため、優先度の低い回路のパターンのチェックが漏れるという問題がある。そのため、ワイヤハーネスの複数の回路のパターンにおけるチェックに要する時間を短縮できるとともに、チェック漏れを低減できる技術の開発が求められていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、回路のワイヤハーネスの複数の回路のパターンにおけるチェックに要する時間を短縮できるとともに、チェック漏れを低減できる回路チェック装置、回路チェック方法、および回路チェックプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る回路チェック装置は、所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含む仕様データに基づいて、ワイヤハーネスの接続に関して設計された製造データの正誤を判定する制御部を備えた回路チェック装置であって、前記制御部は、前記製造データに含まれる互いに接続された複数の端子の間の接続を接続グループに設定して、記憶部に格納し、前記仕様データに含まれる互いに接続された2端の第1端子および第2端子を抽出し、前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける接続グループの正誤を判定することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る回路チェック装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記所定の装置における前記ワイヤハーネスを配設する空間が区分けされた複数の分割領域が設定され、前記分割領域ごとに前記接続グループを設定し、複数の前記分割領域の間における電線の接続に関する情報に基づいて、それぞれの分割領域ごとに設定された接続グループを包括してグループ化した包括接続グループを設定して前記記憶部に格納し、前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の前記包括接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける包括接続グループの正誤を判定することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る回路チェック装置は、上記の発明において、前記制御部は、所定の変換用データを用いて、前記製造データの様式を前記仕様データの様式に変換することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る回路チェック装置は、上記の発明において、前記所定の装置が車両であることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る回路チェック方法は、所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含む仕様データに基づいて、ワイヤハーネスの接続に関して設計された製造データの正誤を判定する制御部が実行する回路チェック方法であって、前記製造データに含まれる互いに接続された複数の端子の間の接続を接続グループに設定して、記憶部に格納し、前記仕様データに含まれる互いに接続された2端の第1端子および第2端子を抽出し、前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける接続グループの正誤を判定することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る回路チェックプログラムは、所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含む仕様データに基づいて、ワイヤハーネスの接続に関して設計された製造データの正誤を判定する制御部に、前記製造データに含まれる互いに接続された複数の端子の間の接続を接続グループに設定して、記憶部に格納し、前記仕様データに含まれる互いに接続された2端の第1端子および第2端子を抽出し、前記第1端子と前記第2端子とが、前記記憶部に格納された同一の接続グループに含まれているか否かによって、前記製造データにおける接続グループの正誤を判定することを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る回路チェック装置、回路チェック方法、および回路チェックプログラムによれば、回路のワイヤハーネスの複数の回路のパターンにおけるチェックに要する時間を短縮できるとともに、チェック漏れを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による回路チェック装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による回路チェック方法を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による要求仕様データの第1例を示す回路図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による要求仕様データの第2例を示す回路図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態によるチェック対象データの例を示す回路図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施形態による
図3に対応するチェック対象データにおけるグループ化を説明するための例を示す回路図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施形態による
図4に対応するチェック対象データにおけるグループ化を説明するための例を示す回路図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による要求仕様データの第1例においてチェックを行う対象を説明するための回路図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による要求仕様データの第2例においてチェックを行う対象を説明するための回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明および本開示は、以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
【0016】
近年、自動車などの車両に用いられるワイヤハーネスに対する回路のチェック処理が必要となっている。回路のチェック処理においては、ワイヤハーネス製品の製造データが要求された仕様に沿っている否かを情報処理装置によって自動的にチェックするシステムが用いられる。ここで、自動車の仕様によっては、1台分の車両に使用するワイヤハーネスの組み合わせが何万パターンにもなり、全てのパターンの回路をチェックすると膨大な時間を要するという問題がある。そこで、本発明者は鋭意検討を行い、チェックする回路をグルーピングすることにより、チェック時間を短縮しつつ、回路のパターン数を絞り込むことなく、全てのパターンの回路をチェックすることで、チェック漏れが低減、好適にはチェック漏れがない回路のチェック処理を案出した。以下に説明する一実施形態は、以上の案出に基づいたものである。
【0017】
図1は、回路チェック装置10の構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理装置としての回路チェック装置10は、一般的なコンピュータの構成を有する。なお、ネットワーク(図示せず)などを介して外部と通信可能なコンピュータを用いても良い。回路チェック装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、および入出力部14を備える。
【0018】
回路チェック装置10は、例えば自動車用のワイヤハーネスの回路をチェック可能であるが、必ずしも自動車用に限定されずワイヤハーネスが使用可能なその他の用途に用いられるワイヤハーネスの回路をチェック可能である。なお、本明細書においてワイヤハーネスは、サブワイヤハーネス(サブハーネス)を含むものである。
【0019】
ハードウェアを有するプロセッサとしての制御部11は、具体的に、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ、およびRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの主記憶部を備える。
【0020】
記憶部12は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、または、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、またはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体が挙げられる。記憶部12には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどを格納することができる。
【0021】
記憶部12には、各種のデータが検索可能に格納された、少なくとも1つのデータベースが格納されている。記憶部12には、チェック回路データベース121が格納されている。チェック回路データベース121は、例えばリレーショナルデータベース(RDB)を採用できる。なお、本実施形態においてデータベース(DB)は、プロセッサによって実行されるデータベース管理システム(Database Management System:DBMS)のプログラムが、記憶部12に記憶されるデータを管理することによって構築することができる。
【0022】
チェック回路データベース121には、要求された仕様のデータ(以下、要求仕様データ121a)、チェック対象となるデータ(以下、チェック対象データ121b)、および変換用データ121cが更新、削除、および検索可能に格納されている。要求仕様データ121aは、所定の装置に搭載される補機間の回路の接続の仕様に関する情報を含み、例えば、該当する車両が満たす仕様データである。チェック対象データ121bは例えば、ワイヤハーネスの製造データである。変換用データ121cは、チェック対象データ121bを要求仕様データ121aの様式に合致させるためのデータである。
【0023】
チェック回路データベース121にはさらに、組み合わせパターンデータ121d、W/W接続データ121e、および回路チェック結果データ121fが更新、削除、および検索可能に格納されている。組み合わせパターンデータ121dは、例えば自動車などの車両のワイヤーハーネス(W/H)の品番の組み合わせ表のデータである。W/W接続データ121eは、ワイヤツウワイヤ(WtoW、W/W)の接続情報のデータである。回路チェック結果データ121fは、回路チェック装置10の回路チェック部111による回路チェック処理によって得られる回路チェック結果のデータ(回路チェック結果データ121f)が格納されている。
【0024】
制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて、回路チェック部111およびグループ設定部112の機能を実現できる。具体的に、制御部11は、記憶部12に格納された回路チェックプログラム122を主記憶部の作業領域にロードして実行することにより、回路チェック部111の機能を実現できる。なお、回路チェック部111においてプログラムとしての学習モデルを用いる場合、学習モデルは、所定の入力パラメータと出力パラメータとの入出力データセットを教師データとする。学習モデルは、例えばニューラルネットワークを用いた深層学習(ディープラーニング)などの機械学習により生成できる。なお、グループ設定部112についても同様である。この場合、制御部11は、学習モデルによって、回路チェック部111およびグループ設定部112の機能を実現できる。
【0025】
通信部13は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボードや無線通信回路は、公衆通信網であるインターネットなどのネットワーク(図示せず)に接続することができる。通信部13は、ネットワークに接続して、外部の各種情報処理装置との間で通信が可能である。なお、外部との通信が不要である場合には、通信部13を設けない構成を採用しても良い。
【0026】
入出力部14は、例えばタッチパネルディスプレイやスピーカマイクロホンなどから構成しても良い。出力部としての入出力部14は、制御部11による制御に従って、所定の情報を外部に通知するように構成される。入出力部14は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはプラズマディスプレイなどのディスプレイの画面上に、文字や図形などを表示したり、スピーカから音声を出力したりできる。入出力部14は、印刷用紙などに所定の情報を印刷することによって出力するプリンタを含む。記憶部12に格納された各種情報は、例えば所定の事務所などに設置された入出力部14のディスプレイなどで確認することができる。入力部としての入出力部14は、例えば、キーボードや入出力部14の内部に組み込まれて表示パネルのタッチ操作を検出するタッチパネル式キーボード、または外部との間の通話を可能とする音声入力デバイスなどから構成される。回路チェック装置10の入出力部14から所定の情報を入力したり、情報が出力されたりすることによって、回路チェック装置10による回路チェック処理を管理できる。
【0027】
(回路チェック方法)
次に、以上のように構成された回路チェック装置10による、一実施形態による回路チェック方法について図面を参照しつつ説明する。本実施形態による回路チェック方法においては、回路チェック装置10によって自動的にチェック可能である。本実施形態による回路チェック方法は、所定の物体に搭載されている補器に接続される電線およびコネクタに関する要求仕様データ121a、例えば車両のグレードごとおよびオプション機能の有無ごとに応じて作成された要求仕様データ121aに含まれる回路線の始点と終点との接続と、分割領域ごとに設計されたワイヤハーネス(W/H)を構成するコネクタ情報、および分割領域ごとに設計されたワイヤハーネス(W/H)を構成する配線情報を含むチェック対象データ121bに含まれる接続とを比較して、チェック対象データ121bに含まれる電線の接続をチェックする。なお、ワイヤハーネスを配設する対象となる空間をそれぞれ機能別に分割した領域を分割領域と称する。具体的に例えば、車両においては、エンジンルーム、車室内壁、インパネ、およびトランクルームなどの、ワイヤハーネスを配索可能な分割された領域を分割領域と称する。また、分割領域どうしの電線の接続に関する情報は、ワイヤツウワイヤ(W/W)接続データ121eに含まれる。
【0028】
本実施形態による回路チェック方法の概略としては、第1にチェック対象データ121bを要求仕様データ121aの様式に変換し、第2にチェック対象データ121b内の回路のデータに回路グループ番号を付与し、第3に要求仕様データ121a内における回路の一端ともう一端とについて、チェック対象データ121b内におけるグループをチェックし、同一グループであれば接続正(OK)、異なるグループであれば接続誤(NG)と判定する。本実施形態による回路チェック方法は、いわゆる回路グループチェック方法である。これにより、チェック時間を短縮しつつ、回路のパターン数を絞り込むことなく、チェック漏れを低減することが可能となる。以下に本実施形態による回路チェック方法について具体的に説明する。
【0029】
図2は、本実施形態による回路チェック方法を説明するためのフローチャートである。
図3および
図4はそれぞれ、本実施形態による要求仕様データ121aの第1例および第2例を示す回路図である。
図5は、本実施形態によるチェック対象データ121bの例を示す回路図である。
図6Aおよび
図6Bは、本実施形態によるチェック対象データ121bにおけるグループ化を説明するための例を示す回路図である。
図7および
図8はそれぞれ、本実施形態によるチェックを行う対象を示す要求仕様データ121aの第1例および第2例を示す回路図である。
【0030】
図2に示すように、まず、ステップST1において、回路チェック装置10における制御部11は、回路チェックプログラム122を読み出すことによって回路チェック部111およびグループ設定部112を機能させる。グループ設定部112は、記憶部12のチェック回路データベース121から、チェックの対象となる、チェック対象データ121bを読み出す。一方でグループ設定部112は、記憶部12のチェック回路データベース121から、変換用データ121cを読み出す。グループ設定部112は、変換用データ121cを用いて、製造データからなるチェック対象データ121bを他の様式に変換する。なお、製造データは設計データとも称される。ここで、本実施形態においてグループ設定部112は、チェック対象データ121bの様式を、例えば
図3および
図4に示すような要求仕様データ121aの様式に変換する。なお、必要に応じて他の様式に変換することも可能であり、チェック対象データ121bの様式が要求仕様データ121aの様式と一致する場合や近い場合などでは、変換しないことも可能である。また、グループ設定部112によってチェック対象データ121bが変換されると、例えば
図5に示すような、様式が変換された後のチェック対象データ121bが生成される。
【0031】
次に、ステップST2に移行してグループ設定部112は、要求仕様データ121aの様式に変換されたチェック対象データ121bにおいて、品番ごとの回路に対して、同一の回路別にグループ化を行う。グループ設定部112は、
図5の例に示すように、例えば、分割領域であるエンジンルームにおけるメインのワイヤハーネス(メインW/H)に属する回路に対して、接続グループとして、[接続GR1]および[接続GR2]などのようにグループ化する。
【0032】
図5に示す例において、グループ設定部112は、端子やコネクタ(以下、端子と総称)の一端の第1端子としての端子「K01」および他端の第2端子としての端子「K02」を含み、端子「K01」と端子「K02」とを接続する電線を含むグループを接続グループ[接続GR1]などと設定する。同様に、グループ設定部112は、エンジンルームメインW/Hにおいて、第1端子としての一端の端子「K03」と、第2端子としての他端の端子「K07」および他端の端子「K08」とを含み、端子「K03」と端子「K07」とを接続する電線、および端子「K03」と端子「K08」とを接続する電線を含むグループを接続グループ[接続GR2]などと設定する。グループ設定部112は、設定した接続グループ[接続GR1],[接続GR2]などをチェック対象データ121bとして記憶部12に格納する。
【0033】
他の分割領域(
図5に示す例では、インパネやフロア)においても同様に、グループ設定部112は、インパネW/Hにおいて、端子「K01」および他端の端子「K02」と、端子「K01」と端子「K02」とを接続する電線とを含むグループを、接続グループ[接続GR30]などと設定する。同様に、グループ設定部112は、フロアW/Hにおいて、一端の端子「#05」および他端の端子「K07」と、端子「#05」と端子「K07」とを接続する電線とを含むグループを[接続GR40]などと設定する。グループ設定部112は、設定した接続グループ[接続GR30],[接続GR40]などをチェック対象データ121bとして記憶部12に格納する。
【0034】
次に、ステップST3に移行してグループ設定部112は、記憶部12のチェック回路データベース121から組み合わせパターンデータ121dおよびW/W接続データ121eを読み出す。グループ設定部112は、組合せ表のパターンごとに品番別の接続グループを包括グループ化する。換言すると、グループ設定部112は、組み合わせパターンデータ121dに含まれるワイヤハーネスの品番の組合せ表に基づいて、パターンごとに分割領域のワイヤハーネスを1つずつ組み合わせる。グループ設定部112はさらに、W/W接続データ121eに基づいて、ステップST2において設定された品番別の接続グループをグループ化して設定する。以上のグループ化を対象となる全ての接続グループに対して実行する。
【0035】
具体的には、グループ設定部112は、ステップST2において設定した接続グループ、および読み出したW/W接続データ121eに基づいて、端子間の接続を確定させる。グループ設定部112は、組み合わせパターンデータ121dに基づいて、複数の補機間、ここでは2つの補機間の接続を確定させることにより、複数の接続グループをグループ化する包括グループ化を行う。
【0036】
図6Aに示す例において回路チェック部111は、W/W接続データ121eに基づいて、接続グループ[接続GR1]と接続グループ[接続GR30]とがW/W接続されていると判定する。グループ設定部112は、接続グループ[接続GR1],[接続GR30]をグループ化して、包括接続グループ[包括接続GR1]を設定する。これにより、一方の補機側の端子「K01」と他方の補機側の端子「K02」(コネクタのうちの1端子)とを含む包括接続グループ[包括接続GR1]が設定される。グループ設定部112は、設定した包括接続グループ[包括接続GR1]などをチェック対象データ121bとして記憶部12に格納する。すなわち、グループ設定部112は、組合せ表のパターンごとの包括接続グループの情報を記憶部12に格納する。
【0037】
同様に、
図6Bに示す例において回路チェック部111は、W/W接続データ121eに基づいて、接続グループ[接続GR2]と接続グループ[接続GR40]とがW/W接続されていると判定する。グループ設定部112は、接続グループ[接続GR2],[接続GR40]をグループ化して、包括接続グループ[包括接続GR2]を設定する。これにより、一方の補機側の端子「K03」,「K08」と他方の補機側の端子「K07」とを含む包括接続グループ[包括接続GR2]が設定される。グループ設定部112は、設定した包括接続グループ[包括接続GR2]などをチェック対象データ121bとして記憶部12に格納する。
【0038】
次に、ステップST4に移行して回路チェック部111は、チェック回路データベース121を検索して、チェックされていない要求仕様データ121a、例えば
図3に示す要求仕様データ121aの第1例と、チェック対象データ121bとを読み出す。回路チェック部111は、要求仕様データ121aに含まれる互いに接続された2端を選択する。回路チェック部111は、チェック対象データ121bに含まれる包括接続グループを検索して、要求仕様データ121aに含まれる回路の第1例において選択した2端のうちの一端(端子「K01」)と他端(端子「K02」)とが、同一の包括接続グループである否かをチェックする。すなわち、回路チェック部111は、要求仕様データ121aに含まれる互いに接続された端子「K01」と端子「K02」とが、チェック対象データ121bにおいて同一の接続グループ(ここでは、[包括接続GR1])に含まれているか否かを判定する。回路チェック部111が、端子「K01」と端子「K02」とが同一の接続グループに含まれていると判定した場合、チェック対象データ121bにおける包括接続GR1は接続正(OK)であると判定される。一方、回路チェック部111が、端子「K01」と端子「K02」とが異なる接続グループに含まれていると判定した場合、チェック対象データ121bにおける包括接続グループ[包括接続GR1]は、接続誤(NG)であると判定される。
【0039】
次に、ステップST5に移行して、回路チェック部111は、チェック対象となる端子の情報(端子「K01」,「K02」)と、チェック結果(接続正、接続誤)とを、回路チェック結果データ121fとして記憶部12に格納する。その後、ステップST6に移行する。
【0040】
ステップST6において回路チェック部111は、要求仕様データ121aに含まれる、チェックの対象となる全ての接続パターンに対してチェックが終了したか否かを判定する。ここでは、
図4に示す要求仕様データ121aの第2例のチェックが完了していないため、回路チェック部111は、要求仕様データ121aにおける全てのパターンをチェックしていない(ステップST6:No)と判定して、ステップST4に復帰する。
【0041】
ステップST4に復帰して回路チェック部111は、チェック回路データベース121を検索して、チェックされていない要求仕様データ121a、例えば
図4に示す要求仕様データ121aの第2例と、チェック対象データ121bとを読み出す。
【0042】
続いて回路チェック部111は、読み出した要求仕様データ121aに含まれる互いに接続された2端を選択する。具体的に例えば、回路チェック部111は、
図7に示すように、要求仕様データ121aに含まれる回路の第2例の一端(端子「K03」)ともう一端(端子「K07」)とを選択する。次に、回路チェック部111は、チェック対象データ121bに含まれる包括接続グループを検索して、要求仕様データ121aに含まれる回路の第2例の一端(端子「K03」)ともう一端(端子「K07」)とが、同一の包括接続グループである否かをチェックする。すなわち、回路チェック部111は、要求仕様データ121aに含まれる互いに接続された端子「K03」と端子「K07」とが、チェック対象データ121bにおいて同一の接続グループ(ここでは、[包括接続GR2])に含まれているか否かを判定する。回路チェック部111が、端子「K03」と端子「K07」とが同一の接続グループに含まれていると判定した場合、チェック対象データ121bにおける包括接続グループ[包括接続GR2]は接続正(OK)であると判定される。一方、回路チェック部111が、端子「K03」と端子「K07」とが異なる接続グループに含まれていると判定した場合、チェック対象データ121bにおける包括接続グループ[包括接続GR2]は、接続誤(NG)であると判定される。
【0043】
次に、ステップST5に移行して、回路チェック部111は、チェック対象となる端子の情報(端子「K03」,「K07」)と、チェック結果(接続正、接続誤)とを、回路チェック結果データ121fとして記憶部12に格納する。その後、ステップST6に移行する。
【0044】
図4に示す要求仕様データ121aの第2例のうちの例えば
図8に示すパターンのチェックが完了していないため、ステップST6において回路チェック部111は、要求仕様データ121aにおける全てのパターンをチェックしていない(ステップST6:No)と判定して、ステップST4に復帰する。
【0045】
ステップST4に復帰して回路チェック部111は、読み出した要求仕様データ121aに含まれる互いに接続された端子のうちから、まだ選択していない互いに接続された2端を選択する。具体的に例えば、回路チェック部111は、
図8に示すように、要求仕様データ121aに含まれる回路の第2例の一端(端子「K03」)ともう一端(端子「K08」)とを選択する。次に、回路チェック部111は、チェック対象データ121bに含まれる包括接続グループを検索して、一端(端子「K03」)ともう一端(端子「K08」)とが、チェック対象データ121bにおいて同一の包括接続グループである否かをチェックする。すなわち、回路チェック部111は、要求仕様データ121aに含まれる互いに接続された端子「K03」と端子「K08」とが、チェック対象データ121bにおいて同一の接続グループ(ここでは、[包括接続GR2])に含まれているか否かを判定する。回路チェック部111が、端子「K03」と端子「K08」とが同一の接続グループに含まれていると判定した場合、チェック対象データ121bにおける包括接続グループ[包括接続GR2]は接続正(OK)であると判定される。一方、回路チェック部111が、端子「K03」と端子「K08」とが異なる接続グループに含まれていると判定した場合、チェック対象データ121bにおける包括接続グループ[包括接続GR2]は、接続誤(NG)であると判定される。なお、複数の回路のパターンを含む包括接続グループにおいては、1つでも接続誤であると判定された場合、接続誤であると判定され、それ以外の場合に接続正と判定される。
【0046】
次に、ステップST5に移行して、回路チェック部111は、チェック対象となる端子の情報(端子「K03」,「K08」)と、チェック結果(接続正、接続誤)とを、回路チェック結果データ121fとして記憶部12に格納する。その後、ステップST6に移行する。
【0047】
図3および
図4に示す要求仕様データ121aの全てのパターンに関してチェックが完了しているため、ステップST6において回路チェック部111は、要求仕様データ121aにおける全てのパターンをチェックした(ステップST6:Yes)と判定する。なお、回路チェック方法を要求仕様データ121aに含まれる全ての回路のパターンに対して実行せずに、一部のパターンについてのみ実行する場合においては、ステップST6における判定は、チェックの対象となる全てのパターンをチェックしたか否かによって行われる。以上により、一実施形態による回路チェック処理が終了する。
【0048】
特許文献1,2に記載された従来技術においては、自動車用のワイヤハーネスの製品における製造データが要求仕様通りの回路構成になっているかコンピュータにデータを読み込ませ自動的にチェックするシステムであった。従来技術においては、回路チェック装置が読み込むデータは、該当する車両が満たす仕様データである要求仕様データ(補機毎配線情報)、およびワイヤハーネスの製造データであるチェック対象データ(部位毎コネクタ・配線情報)である。その上で、従来技術においては、回路チェック方法として次の3ステップを実行している。
【0049】
すなわち、第1ステップとして、要求仕様データ内の回路の一端をチェック対象データ内の回路から特定する。第2ステップとして第1ステップにおいて特定した回路の他端が一致するか否かをチェックする。第3ステップとして、第2ステップにおいて不一致であった場合、例えばジョイントボックス(JB)、ジョイントコネクタ(JC)、またはワイヤツウワイヤ(W/W)などといった、その先の接続を検索して、第2ステップのチェックを繰り返す。第2および第3ステップを行って最終的に一致する回路が見つかった場合に良(OK)と判定し、一致する回路が見つからない場合に不良(NG)と判定する。
【0050】
従来技術においては、チェックする組み合わせパターンとして、車両の分割領域ごとに配策可能なワイヤハーネスの候補が複数存在する場合がある。具体的に、車両空間が例えば3つの分割領域によって区分けされる場合において、それぞれの分割領域において候補がそれぞれ2パターンずつ存在すると、(23=)8パターンの組み合わせが存在する。この場合、チェックする必要があるパターンの数は8パターンになるが、分割領域および候補の数が増加するのに伴って、組み合わせパターンの数は乗数的に増えることになり、車両によってはワイヤハーネスの組み合わせのパターンが数万パターンにもなる場合がある。
【0051】
そこで、上述した従来技術においては、該当する車両のワイヤハーネスの品番の組合せパターンデータから、所定の絞り込み手法によって、全てのパターンから選択して、一部のパターンに絞り込んでチェックすることでチェック時間の短縮を図っている。しかしながら、従来技術においては、一度チェックした回路の履歴を保持していないため、同じ回路がチェック対象として何度も登場することになり、結果的にチェックに時間を要していた。
【0052】
これに対し、以上説明した本発明の一実施形態によれば、回路の接続パターンをグループ化することによって、グループ化した回路のデータを保持してチェックを行っているため、1回路ごとに回路を検索する必要性が低減する。また、1つの回路に対して、終端のみ必要な回路を1回チェックすれば十分であることから、チェックは1回のみとすることが可能である。なお、分割領域の間の接続に関しては、グループ化した段階で確認ができているため、重ねてチェックする必要がない。そのため、要求仕様データにおける1回路ごとのチェックに長い時間を要しないので、チェック対象データに含まれるワイヤハーネスの回路の組み合わせのパターンを全てチェックしても、回路のチェックに長い時間を要しない上に、チェック漏れを低減、好適にはチェック漏れをなくすことが可能となる。
【0053】
(記録媒体)
本開示の一実施形態において、回路チェック装置10による処理方法を実行可能なプログラムを、コンピュータその他の機械や装置(以下、コンピュータなど、という)が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータなどに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、当該コンピュータなどが回路チェック装置10の制御部として機能する。ここで、コンピュータなどが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラムなどの情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータなどから読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちのコンピュータなどから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disk)、BD、DAT、磁気テープ、フラッシュメモリなどのメモリカードなどがある。また、コンピュータなどに固定された記録媒体としてハードディスク、ROMなどがある。さらに、SSDは、コンピュータなどから取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータなどに固定された記録媒体としても利用可能である。
【0054】
(その他の実施形態)
また、一実施形態に係る回路チェック装置10では、「部」は、「回路」などに読み替えることができる。例えば、通信部は、通信回路に読み替えることができる。
【0055】
また、一実施形態に係る回路チェック装置10に実行させるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0056】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」などの表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0057】
また、1つのサーバを備えたシステムに代えて、情報処理装置と物理的に近い場所にサーバの一部の処理を実行可能な端末を分散して配置し、大量のデータを効率よく通信するとともに演算処理時間を短くすることが可能なエッジコンピューティングの技術を適用しても良い。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値や情報の種類はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値や情報の種類を用いてもよく、上述の一実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。
【0059】
上述の一実施形態においては、回路における全てのパターンについてチェックを行っているが、必要に応じて全てのパターンについてチェックを行わないことも可能である。すなわち、一部の回路のみをチェックするようにしても良く、設計変更が行われた回路のみをチェックするシステムとしてもよい。この場合、他の設計変更がされていない回路はチェックされているため、チェックの精度を低下させることなく、チェック時間のさらなる短縮が可能となる。
【符号の説明】
【0060】
10 回路チェック装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入出力部
111 回路チェック部
112 グループ設定部
121 チェック回路データベース
121a 要求仕様データ
121b チェック対象データ
121c 変換用データ
121d 組み合わせパターンデータ
121e W/W接続データ
121e 接続データ
121f 回路チェック結果データ
122 回路チェックプログラム