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特許7646843スタックボンドを組み込むデバイス及びそれをボンディングする方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】スタックボンドを組み込むデバイス及びそれをボンディングする方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20250310BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
H01L21/60 301A
H01L21/60 301D
H01L23/12 301L
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2023539239
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 US2022011261
(87)【国際公開番号】W WO2022150348
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】17/145,794
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オレジョラ、アーウィン
(72)【発明者】
【氏名】コンディ、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ、ウルフ
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-546197(JP,A)
【文献】特開平10-125710(JP,A)
【文献】特開2001-237263(JP,A)
【文献】特開2011-100828(JP,A)
【文献】特表2011-520276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0215993(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0040252(US,A1)
【文献】特開2007-150144(JP,A)
【文献】特開2015-146393(JP,A)
【文献】特開2005-167472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/447-21/449
H01L 21/60 -21/607
H01L 23/12 -23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部及び第2の端部を有する第1のボンドワイヤと、
第1の端部及び第2の端部を有する第2のボンドワイヤと、を備え、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部が、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の表面にボンディングされており、
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の垂直方向における厚さが、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部の前記垂直方向における厚さよりも小さく、
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の水平方向における幅が、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部の前記水平方向における幅よりも大きく、
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部と前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部とは、同じタイプのボンドを有する、
パッケージ半導体デバイス。
【請求項2】
前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部の表面にボンディングされている、請求項1に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項3】
前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部が、パッドの接触面にボンディングされている、請求項1に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記パッドの前記接触面にボンディングされており、
前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部から分離されている、請求項3に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項5】
前記第2のボンドワイヤが、大部分が円形の断面を有する丸線ワイヤを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1のボンドワイヤが、
大部分が円形の断面を有する丸線ワイヤ
を備える、請求項5に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項7】
前記第2のボンドワイヤの外周の25%超が、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の前記表面に接触するか、又は前記第1のボンドワイヤの外周の25%超が、前記第2のボンドワイヤの表面に接触する、請求項1から6のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項8】
第1の端部及び第2の端部を有する第3のボンドワイヤをさらに備え、
前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部にボンディングされており、
前記第3のボンドワイヤの前記第1の端部は、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部及び前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部から分離されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項9】
前記パッケージ半導体デバイスの動作周波数が、500MHz~75GHzである、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項10】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)又はトランジスタ増幅器集積回路をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項11】
第1のボンドパッドと、
第2のボンドパッドと、
前記第1のボンドパッドにボンディングされた第1の端部及び前記第2のボンドパッドにボンディングされた第2の端部を有する第1のボンドワイヤと、
前記第1のボンドパッドに電気的に接続された第1の端部及び前記第2のボンドパッドに電気的に接続された第2の端部を有する第2のボンドワイヤであって、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部が、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部にボンディングされている、第2のボンドワイヤと、
前記第1のボンドパッドに電気的に接続された第1の端部及び前記第2のボンドパッドに電気的に接続された第2の端部を有する第3のボンドワイヤと、を備え、
前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部にボンディングされており、
前記第2のボンドワイヤは、前記第1のボンドワイヤ又は前記第3のボンドワイヤのうちの少なくとも1つとは異なる直径を有する、
パッケージ半導体デバイス。
【請求項12】
前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部が、
前記第2のボンドパッド
にボンディングされている、請求項11に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項13】
前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部から分離されている、請求項12に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項14】
前記第2のボンドワイヤが、大部分が円形の断面を有する丸線ワイヤを備える、請求項11から13のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項15】
前記第1のボンドワイヤ及び前記第2のボンドワイヤが各々、大部分が長方形の断面を有するワイヤリボンを備える、請求項11から13のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項16】
前記第1のボンドワイヤが、前記第1のボンドパッドにボンディングされた第1のボンディング部分を備え、
前記第2のボンドワイヤが、前記第1のボンドワイヤの前記第1のボンディング部分にボンディングされた第2のボンディング部分を備える、請求項11から15のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス
【請求項17】
前記第1のボンドワイヤの前記第1のボンディング部分の垂直方向における厚さが、前記第2のボンドワイヤの前記第2のボンディング部分の前記垂直方向における厚さよりも小さい、請求項16に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項18】
前記第1のボンドワイヤの前記第1のボンディング部分の水平方向における幅が、前記第2のボンドワイヤの前記第2のボンディング部分の前記水平方向における幅よりも大きい、請求項16又は17に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項19】
前記パッケージ半導体デバイスの動作周波数が、500MHz~75GHzである、請求項11から18のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項20】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)、又は、トランジスタ増幅器集積回路をさらに備える、請求項11から19のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項21】
入力リードをさらに備え、
前記第1のボンドパッドが、前記第1のボンドワイヤと前記入力リードとの間に電気的に結合されている、
請求項11から20のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項22】
出力リードをさらに備え、
前記第1のボンドパッドが、前記第1のボンドワイヤと前記出力リードとの間に電気的に結合されている、
請求項11から20のいずれか一項に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項23】
ボンドワイヤをボンディングする方法であって、
第1のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドパッドの接触面にボンディングすることと、
第2のボンドワイヤの第1の端部を前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の表面にボンディングすることと、
を含み、
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の垂直方向における厚さが、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部の前記垂直方向における厚さよりも小さい、又は、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の水平方向における幅が、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部の前記水平方向における幅よりも大きく、
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部と前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部とは、同じタイプのボンドを有する、方法。
【請求項24】
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部を前記第1のボンドパッドの前記接触面にボンディングすることが、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部を前記接触面上に配置することと、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部に第1の圧力を印加することと、を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部を前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の前記表面にボンディングすることが、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部を前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部の前記表面上に配置することと、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部に第2の圧力を印加することと、を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の圧力が、前記第1の圧力未満である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のボンドワイヤの第2の端部を第2のボンドパッドの接触面にボンディングすること
をさらに含む、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部が、前記第1のボンドワイヤの第2の端部から分離された点でボンディングされる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のボンドワイヤ及び前記第2のボンドワイヤのうちの少なくとも一方が、
大部分が円形の断面を有する丸線ワイヤ、又は、
大部分が長方形の断面を有するワイヤリボン
を備える、請求項23から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
第3のボンドワイヤの第2の端部を前記第2のボンドワイヤの第2の端部の表面にボンディングすることをさらに含み、
前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部及び前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部は、第2のボンドパッドに電気的に接続され、
前記第3のボンドワイヤの第1の端部は、前記第1のボンドパッドに電気的に接続され、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部及び前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部から分離されている、請求項23から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
第1の端部及び第2の端部を有する第3のボンドワイヤをさらに備え、
前記第3のボンドワイヤの前記第1の端部は、前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部及び前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部にスタックされており、
前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部は、前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部及び前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部に隣り合い且つ離れており、
前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部と前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部との間の第1の距離は、前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部と前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部との間の第2の距離とは異なる、請求項1に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項32】
前記第1のボンドワイヤは、前記第2のボンドワイヤとは異なる直径を有する、請求項1に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項33】
前記第1のボンドワイヤの第1の直径は、前記第2のボンドワイヤの第2の直径より長い、請求項32に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項34】
前記第3のボンドワイヤの前記第1の端部は、前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部及び前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部から分離されている、請求項11に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項35】
前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部は、前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部から分離されている、請求項34に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項36】
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部と前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部との両方は、ボールボンド又はウェッジボンド含む、請求項1に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項37】
第1の端部及び第2の端部を有する第3のボンドワイヤと、
第1の端部及び第2の端部を有する第4のボンドワイヤと、をさらに備え、
前記第4のボンドワイヤの前記第1の端部は、前記第3のボンドワイヤの前記第1の端部の表面にボンディングされており、
前記第1のボンドワイヤの前記第2の端部、前記第2のボンドワイヤの前記第2の端部、前記第3のボンドワイヤの前記第2の端部及び前記第4のボンドワイヤの前記第2の端部は、互いから離れている、請求項1に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項38】
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部及び前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部は、前記第3のボンドワイヤの前記第1の端部及び前記第4のボンドワイヤの前記第1の端部から離れている、請求項37に記載のパッケージ半導体デバイス。
【請求項39】
前記第1のボンドワイヤの前記第1の端部と前記第2のボンドワイヤの前記第1の端部とは、同じタイプのボンドを有する、請求項11に記載のパッケージ半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路デバイスに関し、より詳細には、集積回路デバイスパッケージングのための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセルラー方式通信周波数帯域(0.5~2.7GHz)、S帯(3GHz)、X帯(10GHz)、Ku帯(12~18GHz)、K帯(18~27GHz)、Ka帯(27~40GHz)、及びV帯(40~75GHz)などの高周波で動作しながら大電力取扱い能力を必要とする電気回路が、ますます普及してきている。特に現在、例えば、500MHz以上の周波数(マイクロ波周波数を含む)のRF信号を増幅するために使用されるRFトランジスタ増幅器が大いに求められている。これらのRFトランジスタ増幅器は、多くの場合、高い信頼性及び良好な線形性を示しかつ高い出力電力レベルを取り扱う必要がある。
【0003】
RFトランジスタ増幅器は、炭化ケイ素(「SiC」)及びIII族窒化物材料などの、シリコン又はワイドバンドギャップ半導体材料で実現され得る。本明細書において、「ワイドバンドギャップ」という用語は、1.40eVよりも大きいバンドギャップを有する半導体材料を指す。本明細書で使用される場合、「III族窒化物」という用語は、窒素と周期表のIII族元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)との間で形成される半導体化合物を指す。この用語は、AlGaN及びAlInGaNなどの三元及び四元化合物も指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計1モルのIII族元素と結合した実験式を有する。
【0004】
シリコンベースのRFトランジスタ増幅器は、典型的には、横方向拡散金属酸化膜半導体(「LDMOS」)トランジスタを使用して実現される。シリコンLDMOS RFトランジスタ増幅器は、高レベルの線形性を示すことができ、比較的安価に製造され得る。III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器は、典型的には、高電子移動度トランジスタ(「HEMT」)として実現され、LDMOS RFトランジスタ増幅器が固有の性能制限を有し得る大電力及び/又は高周波動作を必要とする用途において主に使用される。
【0005】
パッケージRFトランジスタ増幅器はまた、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)として実装され得る。MMICは、特定の機能のための回路の全てが単一の半導体チップに集積された、無線及び/又はマイクロ波周波数信号で動作する集積回路を指す。例示的なMMICデバイスは、全て共通の基板上に実装された、関連付けられた整合回路及び給電ネットワークなどを含む、トランジスタ増幅器である。MMIC RFトランジスタ増幅器は、典型的には、並列に接続された複数のユニットセルトランジスタを含む。MMICはまた、表面実装型デバイス、一体型サブコンポーネント、及び接地構造を含み得る。デバイスは、様々な技法を使用して電気的に相互接続されてもよい。
【0006】
マイクロストリップ及びコプレーナ伝送線路は、MMICでよく使用される平面伝送線路の例である。マイクロストリップ伝送線路では、伝送線路の特性インピーダンスを得るために、選択された誘電材料の厚さだけ中心導体が接地平面から分離されている。50オームは、MMICでよく使用される特性インピーダンスの一例である。コプレーナ伝送線路では、特性インピーダンスを得るために、接地平面が中心導体の各辺に沿って延在する。どちらの場合も、隣接する伝送線路の中心導体は、典型的には、一種のワイヤボンディングを用いて互いに接続されている。
【0007】
ワイヤボンディングは、マイクロ電子製造産業において広く用いられており、費用効果が高くかつ柔軟な相互接続技術を提供する。ボンドワイヤは、アルミニウム、銅、銀、及び/又は金を含み得る。ワイヤボンド取付け技法は、ボールボンディング、ウェッジボンディング、及び/又はコンプライアントボンディングを含み得る。ボールボンディング及びウェッジボンディングでは、ワイヤは、熱、圧力、及び超音波エネルギーの何らかの組合せを用いて両端が取り付けられて溶接される。コンプライアントボンディングでは、熱及び圧力は、コンプライアント又はインデント可能な(indentable)アルミニウムテープを介して伝達される。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、パッケージ半導体デバイスは、第1の端部及び第2の端部を備える第1のボンドワイヤと、第1の端部及び第2の端部を備える第2のボンドワイヤと、を含む。第2のボンドワイヤの第1の端部は、第1のボンドワイヤの第1の端部の表面にボンディングされている。
【0009】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの第2の端部は、第1のボンドワイヤの第2の端部の表面にボンディングされている。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの第2の端部は、パッドの接触面にボンディングされている。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第2の端部は、パッドの接触面にボンディングされており、第1のボンドワイヤの第2の端部は、第2のボンドワイヤの第2の端部から分離されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤは、大部分が円形の断面を備える丸線ワイヤを備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤは、大部分が円形の断面を備える丸線ワイヤを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤは、大部分が長方形の断面を備えるワイヤリボンを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤは、パッドの接触面にボンディングされた第1のボンディング部分を備え、第2のボンドワイヤは、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分にボンディングされた第2のボンディング部分を備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分の垂直方向における厚さは、第2のボンドワイヤの第2のボンディング部分の垂直方向における厚さよりも小さい。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分の水平方向における幅は、第2のボンドワイヤの第2のボンディング部分の水平方向における厚さよりも小さい。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの外周の25%超が、第1のボンドワイヤの第1の端部の表面に接触するか、又は第1のボンドワイヤの外周の25%超が、第2のボンドワイヤの表面に接触する。
【0019】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、第1の端部及び第2の端部を備える第3のボンドワイヤをさらに含み、第3のボンドワイヤの第2の端部は、第2のボンドワイヤの第2の端部にボンディングされている。
【0020】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスの動作周波数は、500MHz~75GHzである。
【0021】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)をさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、トランジスタ増幅器集積回路をさらに含む。
【0023】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、パッケージ半導体デバイスは、第1のボンドパッドと、第2のボンドパッドと、第1のボンドパッドにボンディングされた第1の端部及び第2のボンドパッドにボンディングされた第2の端部を備える第1のボンドワイヤと、第1のボンドパッドに電気的に接続された第1の端部及び第2のボンドパッドに電気的に接続された第2の端部を備える第2のボンドワイヤと、を含む。第2のボンドワイヤの第1の端部は、第1のボンドワイヤの第1の端部にボンディングされている。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの第2の端部は、第1のボンドワイヤの第2の端部の表面にボンディングされている。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの第2の端部は、第2のボンドパッドにボンディングされている。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第2の端部は、第2のボンドワイヤの第2の端部から分離されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤは、大部分が円形の断面を備える丸線ワイヤを備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤは、大部分が円形の断面を備える丸線ワイヤを備える。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤは、大部分が長方形の断面を備えるワイヤリボンを備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ及び第2のボンドワイヤは各々、大部分が長方形の断面を備えるワイヤリボンを備える。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤは、第1のボンドパッドにボンディングされた第1のボンディング部分を備え、第2のボンドワイヤは、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分にボンディングされた第2のボンディング部分を備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分の垂直方向における厚さは、第2のボンドワイヤの第2のボンディング部分の垂直方向における厚さよりも小さい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分の水平方向における幅は、第2のボンドワイヤの第2のボンディング部分の水平方向における厚さよりも小さい。
【0034】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの下面の50%超が、第1のボンドワイヤの上面に接触するか、又は第1のボンドワイヤの上面の50%超が、第2のボンドワイヤの下面に接触する。
【0035】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、第1のボンドパッドに電気的に接続された第1の端部と、第2のボンドパッドに電気的に接続された第2の端部と、を備える第3のボンドワイヤをさらに含み、第3のボンドワイヤの第2の端部は、第2のボンドワイヤの第2の端部にボンディングされている。
【0036】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスの動作周波数は、500MHz~75GHzである。
【0037】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)をさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、トランジスタ増幅器集積回路をさらに含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、入力リードをさらに含み、第1のボンドパッドは、第1のボンドワイヤと入力リードとの間に電気的に結合されている。
【0040】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、入力リードをさらに含み、第2のボンドパッドは、第1のボンドワイヤと入力リードとの間に電気的に結合されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、出力リードを備えることをさらに含み、第1のボンドパッドは、第1のボンドワイヤと出力リードとの間に電気的に結合されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、パッケージ半導体デバイスは、出力リードをさらに含み、第2のボンドパッドは、第1のボンドワイヤと出力リードとの間に電気的に結合されている。
【0043】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、ボンドワイヤをボンディングする方法は、第1のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドパッドの接触面にボンディングすることと、第2のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドワイヤの第1の端部の表面にボンディングすることと、を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドパッドの接触面にボンディングすることは、第1のボンドワイヤの第1の端部を接触面上に配置することと、第1のボンドワイヤの第1の端部に第1の圧力を印加することと、を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドワイヤの第1の端部の表面にボンディングすることは、第2のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドワイヤの第1の端部の表面上に配置することと、第2のボンドワイヤの第1の端部に第2の圧力を印加することと、を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、第2の圧力は、第1の圧力未満である。
【0047】
いくつかの実施形態では、方法は、第2のボンドワイヤの第2の端部を第1のボンドワイヤの第2の端部の表面にボンディングすることをさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、方法は、第2のボンドワイヤの第2の端部を第2のボンドパッドの接触面にボンディングすることをさらに含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤの第2の端部は、第1のボンドワイヤの第2の端部から分離された点でボンディングされる。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ及び第2のボンドワイヤのうちの少なくとも一方は、大部分が円形の断面を備える丸線ワイヤを備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ及び第2のボンドワイヤのうちの少なくとも一方は、大部分が長方形の断面を備えるワイヤリボンを備える。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法は、第3のボンドワイヤを第2のボンドワイヤの第2の端部の表面にボンディングすることをさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態による他のデバイス、装置、及び/又は方法が、以下の図面及び詳細な説明を検討することによって当業者にとって明らかになるであろう。上記の実施形態のありとあらゆる組合せに加えて、全てのそのようなさらなる実施形態がこの説明に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されるように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1A】従来のMMICパッケージの一部分の概略平面図である。
図1B図1Aの部分Aの概略平面図である。
図1C図1Aの部分Aの概略平面図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態によるMMICパッケージの一部分の概略平面図である。
図2B図2Aの部分Bの概略平面図である。
図2C図2Bの方向2Cから全体的に見た斜視図である。
図2D図2Bの線2D-2Dに概ね沿って見た断面図である。
図2E】本開示の例示的な実施形態の図である。
図3】本発明の例示的な実施形態の性能と従来のデバイスとの比較を示すグラフである。
図4A】本開示のさらなる実施形態の概略平面図である。
図4B】本開示のさらなる実施形態の概略斜視図である。
図5A】本開示のさらなる実施形態の概略平面図である。
図5B】本開示のさらなる実施形態の概略斜視図である。
図5C】ボンドワイヤの両側がスタック構成でボンディングされた、本開示の実施形態によるスタックボンド構成を示す図である。
図5D】本開示のさらなる実施形態を示す概略平面図である。
図6A】本開示のさらなる実施形態を示す断面図である。
図6B】本開示のさらなる実施形態を示す断面図である。
図6C】本開示のさらなる実施形態を示す断面図である。
図6D】本開示のさらなる実施形態を示す断面図である。
図7A】本開示のいくつかの実施形態のパッケージデバイスを示す。
図7B】本開示のいくつかの実施形態のパッケージデバイスを示す。
図8A】本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化されたFETベースの電力増幅器の概略平面図である。
図8B】本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化されたFETベースの電力増幅器の概略平面図である。
図8C】本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化されたFETベースの電力増幅器の概略平面図である。
図8D】本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化されたFETベースの電力増幅器の概略平面図である。
図8E】本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化されたFETベースの電力増幅器の概略平面図である。
図9A】本開示のいくつかの実施形態のパッケージデバイスを概略的に示す。
図9B】本開示のいくつかの実施形態のパッケージデバイスを概略的に示す。
図10】本発明のいくつかの実施形態によるボンドワイヤをボンディングする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示のいくつかの実施形態は、接触パッドのサイズの減少及び/又は通電能力の増加が、スタックボンドの使用に起因し得るという認識から生じ得る。スタックボンドは、複数のボンディングワイヤの隣接するボンディングワイヤ間のボンディング面の連続した重なり合いを伴い得る。第2のワイヤのボンディング部分は、例えば、第1のワイヤのボンディング部分の頂面にボンディングされ得る。ボンドをスタックすることにより、接触パッドの面積が減少し得る。接触パッドの面積の減少により、結果として生じるデバイスの寄生成分の減少、及び全体サイズの減少がさらにもたらされ得、デバイスの性能が改善され得る。いくつかの実施形態では、スタックボンドの使用により、結果として同じ接触パッドサイズになり得るが、通電能力が増大する。したがって、スタックボンドを使用することによって、デバイス出力が維持又は改善されながら、デバイスの信頼性及び性能が維持又は改善され得る。
【0056】
図1Aは、従来のMMICパッケージ100の一部分の概略平面図である。図1B及び図1Cは、図1Aの部分Aの概略平面図である。図1A図1Cは、例示のみを目的として誇張された図であり、実際のデバイスの真のスケール及び構造を表すことを意図していない。
【0057】
MMICパッケージ100は、MMICデバイス110を含み得る。MMICデバイス110は、いくつかのトランジスタ、回路部品、関連付けられた整合回路、及び給電ネットワークなどを含み得る。MMICデバイス110は、入力パッド120及び出力パッド125を含み得る。入力パッド120は、MMICデバイス110の入力給電ネットワークに結合され得、出力パッド125は、MMICデバイス110の出力給電ネットワークに結合され得る。一例として、入力パッド120及び/又は出力125は、例えば、MMICデバイス110の入力及び出力整合回路によって、50オームの特性インピーダンスに整合され得る。
【0058】
MMICパッケージ100は、入力リード150及び出力リード160をさらに含み得る。入力リード150は、(例えば、図示されていない外部入力リードによって)MMICパッケージ100に提供される入力信号をMMICデバイス110の入力パッド120に送信するように構成され得る。同様に、出力リード160は、MMICデバイス110の出力パッド125によって提供される出力信号を、(例えば、図示されていない外部出力リードによって)MMICパッケージ100の出力に送信するように構成され得る。
【0059】
入力リード150は入力リードパッド155を有し得、出力リード160は出力リードパッド165を有し得る。入力リード150及び出力リード160は、MMICデバイス110がその上に配置される外部サブマウントの一部であり得る。配置されると、入力リードパッド155と入力パッド120との間の接続、及び出力リードパッド165と出力パッド125との間の接続が行われ得る。例えば、ボンドワイヤが、様々なパッド間に設けられ得る。複数のボンドワイヤ180Aが、入力リードパッド155の接触面と接触面入力パッド120との間に接続され得、複数のボンドワイヤ180Bが、出力リードパッド165の接触面と出力パッド125の接触面との間に接続され得る。
【0060】
図1Bを参照すると、複数のボンドワイヤ180Bの各々の対向する端部が、出力リードパッド165の接触面と出力パッド125の接触面との間にそれぞれ接続され得る。複数のボンドワイヤ180Bの対向する端部は、ボール及び/又はウェッジボンディングによって出力リードパッド165及び/又は出力パッド125にそれぞれ接続され得る。
【0061】
ボールボンディングは、熱圧着及び超音波熱接合法で利用され得る。熱圧着法は、圧力及び温度(例えば、約150℃から)を利用して金属間ボンドを生成し得る。超音波熱法は、超音波エネルギーをさらに含み得る。両方の方法において、ボンディングが行われる前に、ボンディングデバイスの下のスパークによってボールが生成され得る。次いで、このボールは、ボンディングデバイスがボンドパッドの表面に触れ、力及び/又は超音波エネルギーを加えてボールを変形させたときに変形され得る。
【0062】
ウェッジボンディングは、超音波エネルギー及び圧力を利用してワイヤとボンドパッドとの間にボンドを生成し得る。この接続プロセスは、ワイヤを、例えばウェッジの平坦な細長い形状に変形させる。ボールボンディングとは異なり、ワイヤとウェッジボンド用のボンドパッドとの間の初期ボンドは、ボールを有さない。
【0063】
ボンドワイヤ180A及び180Bのタイプは様々であり得る。例えば、複数のボンドワイヤ180A及び/又は180Bは、丸線ワイヤであってもよいし、ワイヤリボンであってもよい。本明細書で使用される場合、「ボンドワイヤ」は、丸線ワイヤ及びワイヤリボンの両方を指し得る。図1Cは、複数のボンドワイヤ180B’がワイヤリボンとして実装されている一例を示している。ワイヤリボンは、ワイヤリボンがより長方形の断面を有し得るという点で、主に円形の断面を有するワイヤとは異なり得る。ワイヤリボンは、導体内の自由電子が導体の表面(「表皮」)に沿って移動する傾向を引き起こす、いわゆる「表皮効果」を活用するためにボンディングに使用され得る。ワイヤリボンは、断面積に比例して表面積が比較的大きいため、丸線ワイヤよりも有利であり得る。
【0064】
複数のボンドワイヤ180Bのそれぞれのボンドワイヤは、互いに離間した接続点180Pを有し得る。接続点180Pを収容するために、出力パッド125は幅W1を有し得る。出力パッド125の幅W1は、設計上のトレードオフを生み出す。デバイスの通電容量を増加させる1つの方法には、ボンドワイヤ180Bの数を増加させることが含まれる。しかしながら、ボンドワイヤ180Bの数を増加させることにより、ボンドワイヤ180Bの接続点180Pを収容するのに必要な出力パッド125のサイズが比例して増加する。しかしながら、出力パッド125のサイズは、デバイスの動作に影響を及ぼし得る寄生成分に寄与し得る。これらの寄生成分は、より高い周波数において影響が増大し得る。
【0065】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態によるMMICパッケージ200の一部分の概略平面図である。図2Bは、図2Aの部分Bの概略平面図である。図2Cは、図2Bの方向2Cから全体的に見た斜視図である。図2Dは、図2Bの線2D-2Dに概ね沿って見た断面図である。図2Eは、本開示の例示的な実施形態の図である。図2A図2Dは、例示のみを目的として誇張された図であり、実際のデバイスの真のスケール及び構造を表すことを意図していない。図2A図2Eは、図1A図1Cを参照して説明したMMICパッケージ100の要素と同じ又は同様のMMICパッケージ200の要素を含むため、それらの重複する説明は簡潔にするために省略する。代わりに、図2A図2Eの論述は、主に実装態様間の違いに焦点を当てる。
【0066】
MMICパッケージ200は、MMICデバイス210を含み得る。MMICデバイス210は、いくつかのトランジスタ、回路部品、関連付けられた整合回路、及び給電ネットワークなどを含み得る。例えば、MMICデバイス210は、第1の段205A、第2の段205B、及び/又は第3の段205Cなどの複数の段を含み得る。段205A、205B、205Cの各々は、例えば、1つ以上のトランジスタを包有し得る。段205A、205B、205Cの数及び構成は、例として図2Aに示されているにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。MMICデバイス210はまた、様々な整合回路を含み得る。例えば、MMICデバイス210は、入力段整合回路206、1つ以上の段間整合回路207A、207B、及び/又は出力段整合回路208を含み得る。MMICデバイス210はまた、1つ以上のバイアス回路209を含み得る。
【0067】
MMICデバイス210は、入力パッド220及び出力パッド225を含み得る。入力パッド220は、MMICデバイス210の入力給電ネットワークに結合され得、出力パッド225は、MMICデバイス210の出力給電ネットワークに結合され得る。一例として、入力パッド220及び/又は出力パッド225は、例えば、MMICデバイス210の入力及び出力整合回路によって、50オームの特性インピーダンスに整合され得る。
【0068】
MMICパッケージ200は、入力リード150及び出力リード160をさらに含み得る。入力リード150は、(例えば、図示されていない外部入力リードによって)MMICパッケージ200に提供される入力信号をMMICデバイス210の入力パッド220に送信するように構成され得る。同様に、出力リード160は、MMICデバイス210の出力パッド225によって提供される出力信号を、(例えば、図示されていない外部出力リードによって)MMICパッケージ200の出力に送信するように構成され得る。
【0069】
MMICパッケージ200は、入力リード150の入力リードパッド155と入力パッド220との間の接続、及び出力リードパッド165の出力リードパッド165と出力パッド225との間の接続を含み得る。複数のボンドワイヤ280Aが、入力リードパッド155と入力パッド220との間に接続され得、複数のボンドワイヤ280Bが、出力リードパッド165と出力パッド225との間に接続され得る。
【0070】
図2B図2Dを参照すると、複数のボンドワイヤ280A及び/又は280Bは、互いにスタックされた2つ以上のボンドワイヤ280のグループを含み得る。例えば、第1のボンドワイヤ280_1は、出力パッド225の接触面に直接接続され得る(例えば、ボンディングされ得る)。第2のボンドワイヤ280_2の底面は、第1のボンドワイヤ280_1の頂面に接続され得る(例えば、ボンディングされ得る)。したがって、界面280Iが、第1のボンドワイヤ280_1と第2のボンドワイヤ280_2との間に形成され得る。
【0071】
図2B及び図2Cを参照すると、複数のボンドワイヤ280Bの各々は、第1の端部281及び第2の端部282を含む対向する端部を有し得る。いくつかの実施形態では、複数のボンドワイヤ280Bのうちのあるボンドワイヤの第1の端部281は、複数のボンドワイヤ280Bのうちの他のボンドワイヤの第1の端部281上にスタックされ得る。複数のボンドワイヤ280Bのそれぞれのボンドワイヤの第2の端部282は、複数のボンドワイヤ280Bの他の第2の端部282から離間され得る。すなわち、複数のボンドワイヤ280Bの各々は、ボンドワイヤの一方の側ではスタックされ得るが、ボンドワイヤの他方の側では互いに別々にボンディングされ得る。いくつかの実施形態では、複数のボンドワイヤ280Bの隣接する第2の端部282は、距離Dだけ互いに離間し得る。距離Dを調整することにより、複数のボンドワイヤ280Bのそれぞれのボンドワイヤ間の相互インダクタンスに影響が与えられ得る。したがって、「ファンアウトする」(例えば、複数のボンドワイヤ280Bのそれぞれのボンドワイヤ間の距離Dを増加させる)ことによって、複数のボンドワイヤ280B間の相互インダクタンスが低減され得、これによりMMICパッケージ200の性能に有利に影響を与えることができる。
【0072】
図2A図2Eは、出力パッド225上の複数のボンドワイヤ280Bの第1の端部281(例えば、「スタックされた」端部)、及び出力リードパッド165上の複数のボンドワイヤ280Bの第2の端部282(例えば、「ファンアウトされた」端部)を示しているが、本発明の概念はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、複数のボンドワイヤ280Bの第1の端部281(例えば、「スタックされた」端部)は、出力リードパッド165にボンディングされ得、複数のボンドワイヤ280Bの第2の端部282(例えば、「ファンアウトされた」端部)は、出力パッド225上にボンディングされ得る。
【0073】
図2Dを参照すると、いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1と第2のボンドワイヤ280_2との間の界面280Iは、第2のボンドワイヤ280_2と入力パッド220との間の物理的かつ/又は電気的接続を提供し得る。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1と第2のボンドワイヤ280_2との間の界面280Iは、第1のボンドワイヤ280_1の外周及び/又は第2のボンドワイヤ280_2の外周の25%にわたって延在し得る。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1と第2のボンドワイヤ280_2との間の界面280Iは、第1のボンドワイヤ280_1の上側外周及び/又は第2のボンドワイヤ280_2の下側外周の50%にわたって延在し得る。別の言い方をすれば、第1のボンドワイヤ280_1及び/又は第2のボンドワイヤ280_2の外周は、第1のボンドワイヤ280_1及び/又は第2のボンドワイヤ280_2を通る水平線に従って、上側半分280U及び下側半分280Lに分けられ得る。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1の外周の上側半分280Uの50%超及び第2のボンドワイヤ280_2の外周の下側半分280Lの50%超が、互いに接触し得る。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1の外周の上側半分280Uの75%超及び第2のボンドワイヤ280_2の外周の下側半分280Lの75%超が、互いに接触し得る。これらの接触率は単なる例であり、本開示の実施形態はこれらの例のみに限定されない。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1を出力パッド225に取り付けるプロセスは、下向きの圧力の使用を含み得、出力パッド225に接触する第1のボンドワイヤ280_1の部分の(例えば、垂直方向の)厚さT1を減少させ得る。加えて、第2のボンドワイヤ280_2を第1のボンドワイヤ280_1に取り付けるプロセスは、第1のボンドワイヤ280_1に接触する第2のボンドワイヤ280_2の部分、及び出力パッド225に接触する第1のボンドワイヤ280_1の部分の(例えば、垂直方向の)厚さT2を減少させ得る。換言すれば、出力パッド225に接触する第1のボンドワイヤ280_1の部分は、1回目の第1のボンドワイヤ280_1が出力パッド225にボンディングされるとき、及び2回目の第2のボンドワイヤ280_2が第1のボンドワイヤ280_1にボンディングされるときの少なくとも2回、下向きの圧力を受け得る。その結果、出力パッド225に接触する第1のボンドワイヤ280_1の部分の厚さT1は、第1のボンドワイヤ280_1に接触する第2のボンドワイヤ280_2の部分の厚さT2よりも小さくなり得る。
【0075】
図2Eは、第2のボンドワイヤ280_2とスタックされた構成でボンディングされた第1のボンドワイヤ280_1を示す図である。図2Eでは、2つのボンドワイヤがウェッジボンディングされているが、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0076】
図2B及び図2Cに戻って参照すると、スタックボンドの使用により、出力パッド225上の接続点280Pの数が減少し得る。例えば、複数のボンドワイヤ280がn本のボンドワイヤを含み、かつ複数のボンドワイヤ280Aの各々が対でスタックされる場合、接続点280Pの数はn/2である。これは、従来のデバイスに存在する接続点の半分である。接続点280Pの減少は、出力パッド225の幅W2を減少させる能力をもたらし得る。同様に、仮にボンドワイヤ280Bの向きが出力リードパッド165上のスタックボンドとして反転された場合、出力リードパッド165の幅が減少し得る。出力パッド225の幅W2の減少により、MMICデバイス210の寄生成分の減少及び全体サイズの減少の両方がもたらされ得る。いくつかの実施形態では、接続点280Pの数は同じままであり得るが、導体の数は増加し得る。例えば、ボンドワイヤを対でスタックすることによって、提供され得るボンドワイヤの数は、同じ数の接続点280P及び/又は出力パッド225の同じ幅W2に対して2倍になり得る。
【0077】
図2B図2Eは出力パッド225における実装態様に焦点を当てているが、入力パッド220と入力リードパッド155との間に同様の構成が存在し得ることが理解されよう。同様に、明示的に記載されていないMMICデバイス210の他のボンディングエリアもまた、図2A図2Eに示すものと同様の方法でスタックワイヤボンドを用いて接続され得るワイヤボンディングを(例えば、バイアスをかけるために)使用し得る。
【0078】
例えば、図2Aを参照すると、MMICデバイス200はパッケージバイアスパッド175を含み得る。パッケージバイアスパッド275は、MMICデバイス200上のデバイスバイアスパッド275に結合されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、パッケージバイアスパッド275は、さらなる複数のボンドワイヤ280Cを介してデバイスバイアスパッド275に結合されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、パッケージバイアスパッド275及びデバイスバイアスパッド275は、DC信号などのバイアス信号をMMICデバイス200に提供するように構成され得る。本明細書に記載の複数のボンドワイヤ280A及び280Bのように、パッケージバイアスパッド275とデバイスバイアスパッド275との間の複数のボンドワイヤ280Cは、スタックボンディングを組み込み得る。スタックボンドの使用により、より大きなボンドパッドを必要とせずに、通電能力(例えば、DC通電能力)の増大が可能になり得る。図2Aに示すスタックボンドワイヤ280Cの構成は単なる一例であり、ボンドワイヤ280Cは、本明細書に記載のスタックボンド構成のうちのいずれかで構成され得る。当業者によって理解され得るように、ワイヤボンドをスタックする恩恵は、ワイヤボンドを使用する任意の構成で実現され得る。
【0079】
図3は、本発明の例示的な実施形態の性能と従来のデバイスとの比較を示すグラフである。図3は、2つの従来の2ミルのボンドワイヤ(線310)、2つの3×1ミルのリボンボンドワイヤ(線320)、及び対でスタックされた4つの2ミルのスタックボンドワイヤ(線330)を使用する例示的な実施態様のS22性能のグラフである。図3から分かるように、例のS22性能は、全ての動作の周波数にわたって改善を示している。図3は、ボンドワイヤに関連する寄生成分が減少したときに達成され得る性能改善の一例である。本明細書に記載のスタックボンドワイヤ構成で達成され得るボンドワイヤに関連する寄生成分の減少は、従来のボンディングと比較して改善されたS22及びS11性能をもたらし得る。これは、ボンドワイヤに関連する寄生不整合を補償するために必要な調整がはるかに少ないため、スタックボンドを組み込むデバイスのより広い動作帯域幅を可能にし得る。
【0080】
図2A図2Eは、複数のボンドワイヤ280Bをスタック対にグループ化した実施形態を示しているが、本開示の実施形態はこのような構成に限定されない。いくつかの実施形態では、スタックボンドワイヤの数は、3つ以上であり得る。
【0081】
例えば、図4A及び図4Bは、一例として、5つのボンドワイヤがスタックされた本開示のさらなる実施形態を示している。図4Aは、図2Bに示されたMMICデバイス210の同様のエリアの本開示のさらなる実施形態の概略平面図である。図4Bは、図4Aの方向4Bから全体的に見た斜視図である。前述した要素と同じ又は同様の図4A及び図4Bの要素の説明については、簡潔にするために説明を省略する。
【0082】
図4Aに示すように、いくつかの実施形態では、複数のボンドワイヤ280Bの各々の第1の端部281は、互いにスタックされて単一の接続点280Pを形成し得る。図4A及び図4Bでは、5つのボンドワイヤが互いにスタックされて示されているが、本開示の実施形態はこのような構成に限定されない。複数のボンドワイヤ280Bの第2の端部282の各々は、距離Dだけ互いに分離され得る。いくつかの実施形態では、距離Dは、複数のボンドワイヤ280Bの第2の端部282のそれぞれのもの間において同一ではない。例えば、いくつかの実施形態では、隣接するボンドワイヤ280の第1の対の第2の端部282間の第1の距離は、隣接するボンドワイヤ280の第2の対の第2の端部282間の第2の距離とは異なり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、複数のボンドワイヤ280A、280Bの全てがスタックされなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤのうちのいくつかは互いにスタックされ得、一方、ボンドワイヤのうちの他のものはスタックされない。したがって、本明細書に記載の実施形態から逸脱することなく、スタックボンドワイヤ及び非スタックボンドワイヤの様々な組合せが組み合わせられ得る。
【0084】
図2A図4Bの実施形態では、ボンドワイヤは、ボンドワイヤの一方の側ではスタックされているが、ボンドワイヤの他方の側ではスタックされていないものとして示されている。しかしながら、本開示の実施形態は、このような構成に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤの両側がスタック構成であり得る。
【0085】
図5A及び図5Bは、一例として、一対のボンドワイヤの両側がスタックされた本開示のさらなる実施形態を示している。図5Aは、図2Bに示されたMMICデバイス210の同様のエリアの本開示のさらなる実施形態の概略平面図である。図5Bは、図5Aの方向5Bから全体的に見た斜視図である。前述した要素と同じ又は同様の図5A及び図5Bの要素の説明については、簡潔にするために説明を省略する。
【0086】
図5A及び図5Bを参照すると、複数のボンドワイヤ280Bは、ボンドワイヤの両端にスタックボンドを含み得る。例えば、複数のボンドワイヤ280Bの第2のボンドワイヤ280_2は、複数のボンドワイヤ280Bの第1のボンドワイヤ280_1の第1の端部281上にスタックされた第1の端部281を有し得る。加えて、第2のボンドワイヤ280_2の第2の端部282はまた、第1のボンドワイヤ280_1の第2の端部282上にスタックされ得る。したがって、ボンドワイヤの両方の対向する端部281、282は、複数のボンドワイヤ280Bのうちの別のボンドワイヤとのスタックボンドを有し得る。
【0087】
ボンドワイヤの両端をスタックすることにより、スタック接続点280Pは、出力リードパッド165’及び出力パッド225の両方の上に形成され得る。その結果、両パッドの幅が減少され得る。例えば、出力パッド225は、従来のデバイスの出力パッドよりも小さい(例えば、より狭い)第2の幅W2を有し得る。同様に、出力リードパッド165’は、従来デバイスの出力リードパッドよりも小さい(例えば、より狭い)第3の幅W3を有し得る。図5Cは、第1のボンドワイヤ280_1が第2のボンドワイヤ280_2と両側で、スタック構成でボンディングされた本開示による一実施形態の図である。図5Cでは、2つのボンドワイヤがウェッジボンディングされているが、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0088】
図5A図5Cは、ボンドワイヤが対でスタックされた実施形態を示しているが、本開示はこのような構成に限定されない。いくつかの実施形態では、スタックボンドワイヤの数は、3つ以上であり得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、所与のボンドワイヤが、第1のボンドワイヤとスタックボンドを共有する一端と、第2のボンドワイヤとスタックボンドを共有する第2の端部と、を有し得る。図5Dは、そのような本開示のさらなる実施形態を示す概略平面図である。
【0090】
図5Dを参照すると、複数のボンドワイヤ280Bの第1のボンドワイヤ280_1は、複数のボンドワイヤ280Bの第2のボンドワイヤ280_2とスタックボンドを共有し得る。例えば、第2のボンドワイヤ280_2の第1の端部281は、第1のボンドワイヤ280_1の第1の端部281上にスタックされており、第1のボンドワイヤ280_1の第1の端部281にボンディングされている。第2のボンドワイヤ280_2は、複数のボンドワイヤ280Bの第3のボンドワイヤ280_3とスタックボンドを共有し得る。例えば、第3のボンドワイヤ280_3の第2の端部282は、第2のボンドワイヤ280_2の第2の端部282に上にスタックされており、第2のボンドワイヤ280_2の第2の端部282にボンディングされている。したがって、いくつかの実施形態では、所与のボンドワイヤの反対側の端部が、複数のボンドワイヤ280Bの異なるボンドワイヤの端部上にスタックされ得る。
【0091】
図5Dに示すような構成とすることにより、ボンドワイヤの両端がボンディングされる装着エリアの減少が可能になり得る。例えば、複数のボンドワイヤ280Bの第1の端部281は、出力パッド225にボンディングされ得、複数のボンドワイヤ280Bの第2の端部282は、出力リードパッド165’にボンディングされ得る。いくつかの実施形態では、出力パッド225は、従来のデバイスの出力パッドよりも小さい(例えば、より狭い)第2の幅W2を有し得る。同様に、出力リードパッド165’は、従来デバイスの出力リードパッドよりも小さい(例えば、より狭い)第3の幅W3を有し得る。
【0092】
図6A図6Dは、本開示のさらなる実施形態を示す断面図である。図6A図6Dは、前述の実施形態に対する変形例を示している。したがって、上記で論じた実施形態の各々は、図6A図6Dに関して論述及び図示されるように修正され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、スタックボンドを安定化することが有益であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、スタックボンドの高さによって、スタックボンドワイヤのうちの1つがボンドワイヤのうちの別のものからわずかにオフセットされ得る。安定性を改善し、さらなる接触エリアを提供するために、下部ボンドワイヤのワイヤ幅は、(例えば、上方の垂直方向の)下部ボンドワイヤ上にあるボンドワイヤのワイヤ幅よりも大きくあり得る。
【0094】
例えば、図6Aを参照すると、複数のボンドワイヤ280Bの第1のボンドワイヤ280_1は、複数のボンドワイヤ280Bの第2のボンドワイヤ280_2とスタックボンドを共有し得る。第2のボンドワイヤ280_2の底面は、第1のボンドワイヤ280_1の頂面にボンディングされ得る。前述したように、第1のボンドワイヤ280_1の(例えば、垂直方向における)第1の厚さT1は、第2のボンドワイヤ280_2の第2の厚さT2よりも小さくあり得る。
【0095】
加えて、第1のボンドワイヤ280_1の(例えば、垂直方向に対して垂直な水平方向における)第1のワイヤ幅WW1は、第2のボンドワイヤ280_2の第2のワイヤ幅WW2よりも大きくあり得る。ワイヤ幅(例えば、第1のワイヤ幅WW1)は、ボンドワイヤのボンディング部分の水平方向における断面の最大寸法であり得る。より小さい第2のワイヤ幅WW2を有する第2のボンドワイヤ280_2を第1のボンドワイヤ280_1上に配置することによって、第1のボンドワイヤ280_1と第2のボンドワイヤ280_2との間のスタックボンドに対して、増加した位置合わせマージンが利用可能になり得る。加えて、より大きなボンドワイヤ上により小さなボンドワイヤを有することによって、スタックボンドワイヤの安定性が改善され得る。
【0096】
より大きな第1のワイヤ幅WW1は、複数の方法で達成され得る。例えば、第1のボンドワイヤ280_1は、ボンディング前にはほぼ円形であり得る。ボンディングプロセス中に圧力を印加することによって、第1のボンドワイヤ280_1は、水平方向における第1のワイヤ幅WW1が増加し、同時に垂直方向における第1の厚さT1が減少するように圧縮され得る。したがって、第1のボンドワイヤ280_1は、ボンディング前に所与の半径を有するほぼ円形であり得るが、ボンディング動作は、水平方向におけるワイヤ幅を第1のボンドワイヤ280_1の非ボンディング部分の半径を超える値まで増加させ得る。
【0097】
第2のボンドワイヤ280_2が第1のボンドワイヤ280_1にボンディングされるとき、ボンディングプロセス中に印加される圧力は、第1のボンドワイヤ280_1と同様に第2のボンドワイヤ280_2を圧縮し得る。加えて、第2のボンドワイヤ280_2のボンディング中の圧力の印加も第1のボンドワイヤ280_1に影響を及ぼし得るため、第1のボンドワイヤ280_1はさらに圧縮され得る。したがって、第2のボンドワイヤ280_2を第1のボンドワイヤ280_1にボンディングすることにより、第1のボンドワイヤ280_1の第1のワイヤ幅WW1が第2のボンドワイヤ280_2よりもさらに増加し得る。
【0098】
ボンディングプロセスによるワイヤ幅の増加に加えて、ボンドワイヤのワイヤ幅はまた、異なる直径のボンドワイヤを使用して達成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、パッドにボンディングされた第1のボンドワイヤ280_1の第1の直径は、第1のボンドワイヤ280_1の頂面にボンディングされた第2のボンドワイヤ280_2の第2の直径よりも大きくあり得る。異なる直径を有するボンドワイヤの使用はまた、スタックボンドにおける様々なボンドワイヤに対して異なるワイヤ幅を提供し得る。
【0099】
ボンドスタックに異なるワイヤ幅を利用することは、3つ以上のボンドワイヤを有するボンドスタックにおいても有用であり得る。例えば、図6Bは、3つのボンドワイヤを利用するスタックボンドの一実施形態を示している。図6Bに示すように、第1のボンドワイヤ280_1は、パッドの接触面にボンディングされ得る。第2のボンドワイヤ280_2は、第1のボンドワイヤ280_1の頂面にボンディングされ得る。第3のボンドワイヤ280_3は、第2のボンドワイヤ280_2の頂面にボンディングされ得る。第1のボンドワイヤ280_1の第1のワイヤ幅WW1は、第2のボンドワイヤ280_2の第2のワイヤ幅WW2よりも大きくあり得る。第2のボンドワイヤ280_2の第2のワイヤ幅WW2は、第3のボンドワイヤ280_3の第3のワイヤ幅WW3よりも大きくあり得る。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1のボンディング部分の厚さT1は、第2のボンドワイヤ280_2のボンディング部分の第2の厚さT2よりも小さくあり得、第2のボンドワイヤ280_2のボンディング部分の第2の厚さT2は、第3のボンドワイヤ280_3のボンディング部分の第3の厚さT3よりも小さくあり得るが、本開示はこれに限定されない。第1のボンドワイヤ280_1が第2のボンドワイヤ280_2及び/又は第3のボンドワイヤ280_3よりも大きな直径を有する実施形態では、第1のボンドワイヤ280_1のボンディング部分の厚さT1は、第2及び第3のボンドワイヤ280_2、280_3の厚さT2、T3に等しいか又はそれを超え得る。
【0100】
本明細書に記載された実施形態の多くはボンドワイヤの利用を論じたが、スタックボンドワイヤに関する本明細書に記載された実施形態のいずれもスタックワイヤリボンに等しく適用されることが理解されよう。図6Cは、本開示のいくつかの実施形態によるスタックワイヤリボンの一例を示している。
【0101】
ワイヤリボンを利用する実施形態は、ボンドワイヤを利用する本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかの代わりに利用され得る。例えば、図6Cを参照すると、複数のボンドワイヤ280B’が、ワイヤリボンを含み得る。第1のワイヤリボン280_1’が、パッドの接触面にボンディングされ得る。複数のボンドワイヤ280B’の第1のワイヤリボン280_1’は、複数のボンドワイヤ280Bの第2のワイヤリボン280_2’とスタックボンドを共有し得る。第2のワイヤリボン280_2’の底面は、第1のワイヤリボン280_1’の頂面にボンディングされ得る。第1のワイヤリボン280_1’の(例えば、垂直方向における)第1の厚さT1は、第2のワイヤリボン280_2’の第2の厚さT2よりも小さくあり得る。
【0102】
丸線ボンドワイヤと同様に、第1のワイヤリボン280_1’と第2のワイヤリボン280_2’との間の界面280I’は、第2のワイヤリボン280_2’と第1のワイヤリボン280_1’がボンディングされた接触面との間の物理的かつ/又は電気的接続を提供し得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’の頂面は実質的に水平であり得、第2のワイヤリボン280_2’の底面は実質的に水平であり得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’と第2のワイヤリボン280_2’との間の界面280I’は、第1のワイヤリボン280_1’の周長及び/又は第2のワイヤリボン280_2’の周長の25%にわたって延在し得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’と第2のワイヤリボン280_2’との間の界面280I’は、第1のワイヤリボン280_1’の頂面及び/又は第2のワイヤリボン280_2’の底面の50%にわたって延在し得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’と第2のワイヤリボン280_2’との間の界面280I’は、第1のワイヤリボン280_1’の頂面及び/又は第2のワイヤリボン280_2’の底面の75%にわたって延在し得る。これらの接触率は単なる例であり、本開示の実施形態はこれらの例のみに限定されない。
【0103】
いくつかの実施形態では、丸線ボンドワイヤ及びワイヤリボンの使用を混合してもよい。図6Dは、複数のボンドワイヤ280B’’が第1のワイヤリボン280_1’及び第2のボンドワイヤ280_2を含むスタックボンドを含む例を示している。第1のワイヤリボン280_1’は、接触面(例えば、パッド)にボンディングされ得、第2のボンドワイヤ280_2とスタックボンドを共有し得る。第2のボンドワイヤ280_2の底面は、第1のワイヤリボン280_1’の頂面にボンディングされ得る。第1のワイヤリボン280_1’の(例えば、垂直方向における)第1の厚さT1は、第2のボンドワイヤ280_2の第2の厚さT2よりも小さくあり得るが、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0104】
いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’と第2のボンドワイヤ280_2との間の界面280I’’は、第2のボンドワイヤ280_2と第1のワイヤリボン280_1’がボンディングされた接触面との間の物理的かつ/又は電気的接続を提供し得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’と第2のボンドワイヤ280_2との間の界面280I’’は、第1のワイヤリボン280_1’の周長の25%及び/又は第2のボンドワイヤ280_2の外周の25%にわたって延在し得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’と第2のボンドワイヤ280_2との間の界面280I’’は、第1のワイヤリボン280_1’の頂面及び/又は第2のボンドワイヤ280_2の下側外周280Lの50%にわたって延在し得る。別の言い方をすれば、第2のボンドワイヤ280_2の外周は、第2のボンドワイヤ280_2を通る水平線に従って上側半分280U及び下側半分280Lに分けられ得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’の頂面の50%超及び第2のボンドワイヤ280_2の外周の下側半分280Lの50%超が、互いに接触し得る。いくつかの実施形態では、第1のワイヤリボン280_1’の頂面の75%超及び第2のボンドワイヤ280_2の外周の下側半分280Lの75%超が、互いに接触し得る。これらの接触率は単なる例であり、本開示の実施形態はこれらの例のみに限定されない。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のスタックボンドを利用してパッケージデバイスを提供し得る。図7A及び図7Bは、本開示のいくつかの実施形態のパッケージデバイスを概略的に示している。図7A及び図7Bは、識別及び説明のための構造を表すことを意図した非常に単純化された図であり、構造を物理的スケールで表すことを意図していないことが理解されよう。図7Aに示すように、MMICパッケージ200は、本明細書ではパッケージMMICデバイスとも呼ばれるパッケージ770内に装着されたMMICデバイス210を含む。いくつかの実施形態では、MMICパッケージ200は、RF範囲内の入力信号で動作するように構成され得るが、本開示の実施形態はこれに限定されない。パッケージ770は、その上に1つ以上の導電性パッケージリード、例えば、1つ以上の入力(例えば、ゲート)リード150及び1つ以上の出力(例えば、ドレイン)リード160を含む、サブマウント(本明細書ではベース又はフランジとも呼ばれる)776を含む。MMICデバイス210は、熱伝導性及び/又は導電性のダイアタッチ層774などによって、サブマウント776の上面上に装着されている。
【0106】
サブマウント776は、導電性取付面、例えば、熱伝導性ヒートシンクとして作用する金属基板(又は「スラグ」)であり得るか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、サブマウント776は、追加的又は代替的に、半導体処理技法を用いて製造された導電層を含む再配線層(RDL)積層構造、金属トレースを有するプリント回路基板、並びに/又は導電ビア及び/若しくはパッドを含むセラミック基板を含み得る。いくつかの実施形態では、金属リードフレームが形成され、次いで処理されて、金属サブマウント776及び/又はパッケージリード(例えば、ゲートリード及びドレインリード)150及び160を提供し得る。MMICパッケージ200はまた、MMICデバイス210、パッケージリード150、160、及び金属サブマウント776を少なくとも部分的に取り囲む、ハウジング778(例えば、プラスチックオーバーモールド)を含む。
【0107】
MMICデバイス210は、入力リード150及び出力リード160に結合され得る。例えば、入力リード150は、第1の複数のボンドワイヤ280Aによって入力パッド220に接続され得、出力リード160は、第2の複数のボンドワイヤ280Bによって出力パッド225に接続され得る。第1の複数のボンドワイヤ280A及び/又は第2の複数のボンドワイヤ280Bは、本明細書に記載の任意の実施形態、又は実施形態の組合せによるスタックボンドを使用して実装され得る。
【0108】
図7Aは、プラスチックオーバーモールド778を組み込んだパッケージ770を示しているが、本開示の実施形態はこのようなパッケージ構成に限定されない。図7Bは、図7Aを参照して上述したMMICパッケージ200と同様のMMICパッケージ200’の別の例の概略側面図である。MMICパッケージ200’は、異なるパッケージ770’を含むという点で、図7AのMMICパッケージ200とは異なる。パッケージ770’は、金属サブマウント776(金属ヒートシンクとして作用し、金属スラグとして実装され得る)、並びに入力リード及び出力リード150、160を含む。いくつかの実施形態では、金属リードフレームが形成され得、金属リードフレームはその後、金属サブマウント776並びに/又は入力リード及び出力リード150、160を提供するように処理される。MMICパッケージ200’はまた、MMICデバイス210、リード150、160、及び金属サブマウント776を少なくとも部分的に取り囲む、ハウジング778’を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング778’はセラミックハウジングを備え得、入力リード150及び出力リード160は、ハウジング778’を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング778’は、プラスチック及び/又はプリント回路基板を備え得る。ハウジング778’は、側壁の下部を形成しかつ入力リード及び出力リード150、160を支持するフレーム、並びにフレームの頂部に配置された蓋などの、複数の部品を備え得る。デバイスの内部は、空気で満たされた空洞を備え得る。図7Bのハウジング778’の側壁及び蓋は、図7Aに示すMMICパッケージ200に含まれるプラスチックオーバーモールド778に取って代わる。
【0109】
前述の実施形態は、MMICデバイスに適用されるスタックワイヤボンドに焦点を当てているが、本明細書に記載のスタックボンディング技法は、MMICデバイスに限定されず、他のデバイスに容易に適用することができることが理解されよう。図8A図8Eは、本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化されたFETベースの電力増幅器の概略平面図である。
【0110】
例えば、図8Aは、本開示のいくつかの実施形態によるパッケージ化された内部整合型FET電力増幅器300の概略平面図(すなわち、デバイスを上方から見下ろしている図)である。FET電力増幅器300は、1つ以上の集積回路チップを含み得、例えば、プリント回路基板又はセラミック回路基板などの他の電子回路基板も含み得る。FET電力増幅器300は、入力リードパッド155に電気的に接続された入力リード150と、出力リードパッド165に電気的に接続された出力リード160と、を含む。
【0111】
図8Aに示すように、FET電力増幅器300はまた、集積型受動デバイス(IPD)回路(例えば、入力IPD回路840及び出力IPD回路845を含む)及びトランジスタ回路850を含む。入力パッド220は、入力IPD回路840に結合され得る。入力IPD回路840は、入力パッド220とトランジスタ回路850との間に結合され得る。入力IPD回路840は、インピーダンス整合を提供するように構成されたコンデンサ及び/又は他の回路素子を含み得る。入力IPD回路840はまた、高調波終端処理を実行するように構成された素子を含み得る。入力リードパッド155を入力パッド220に相互接続する第1の複数のボンドワイヤ280Aが設けられている。
【0112】
同様に、出力パッド225は出力IPD回路845に結合され得る。出力IPD回路845は、出力パッド225とトランジスタ回路850との間に結合され得る。出力IPD回路845は、インピーダンス整合を提供するように構成されたコンデンサ及び/又は他の回路素子を含み得る。出力IPD回路845はまた、高調波終端処理を実行するように構成された素子を含み得る。出力リードパッド165を出力パッド225に相互接続する第2の複数のボンドワイヤ280Bが設けられている。
【0113】
FET電力増幅器300は、RF伝送線路334と、ボンドパッド344などの様々なボンディングパッドと、を含み得る。RF伝送線路334は、入力/出力パッド220/225をトランジスタ回路850内に含まれるユニットセルトランジスタのゲートフィンガに接続する給電ネットワークを形成し得る。
【0114】
入力信号を増幅するユニットセルトランジスタは、トランジスタ回路850上に実装されている。好適な集積回路の例は、例えば、米国特許出願公開第2017/0271497号明細書に開示されており、その全内容は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0115】
トランジスタ回路850のインピーダンスは、入力リード150又は出力リード160に見られるインピーダンス(各々、例えば、50オームであり得る)に常に良好に整合されなくてもよい。したがって、内部整合型FET電力増幅器300は、内部整合型FET電力増幅器300の動作周波数帯域にわたってトランジスタ回路850と入力リード150及び出力リード160との間のインピーダンス整合及び/又は高調波終端処理を改善する、入力IPD回路及び出力IPD回路840、845をさらに含む。各IPD回路840、845は、伝送線路と、コンデンサ及び/又は誘導素子などの無効分と、を含み得る。
【0116】
IPD回路840、845は各々、例えば、セラミック基板(例えば、アルミナ基板)などの基板、又はコンデンサ、インダクタ、及び/若しくは抵抗器がその上に形成された、プリント回路基板を備え得る。場合によっては、給電ネットワーク334とIPD回路840、845との間、及び/又はIPD回路840、845とトランジスタ回路850との間に延在するボンドワイヤ880は、インダクタとして作用し得、コンデンサは、IPD回路840、845の一部として形成され得、その結果、例えば、インダクタ-コンデンサ-インダクタ(LCL)無効回路がトランジスタ回路850の入力及び出力に形成される。
【0117】
いくつかの実施形態では、入力リードパッド155と入力パッド220との間の第1の複数のボンドワイヤ280A及び/又は出力リードパッド165と出力パッド225との間の第2の複数のボンドワイヤ280Bは、本明細書に記載のスタックボンドのための実施形態のうちのいずれかを使用したスタックボンド構成で実装され得る。例えば、第1の複数のボンドワイヤ280A及び第2の複数のボンドワイヤ280Bは、ボンドワイヤのそれぞれの対の一方の側にスタックボンドを組み込むものとして示されている。しかしながら、本明細書に記載の実施形態は、この構成に限定されない。本明細書に記載のスタックボンドの実施形態の各々、又は本明細書に記載のスタックボンドの実施形態の組合せを使用して、いずれかのボンド接続が提供され得る。
【0118】
さらに、給電ネットワーク334と入力IPD回路840との間、及び/又は出力IPD回路845間のボンドワイヤは、本明細書に記載のいくつかの実施形態によるスタックボンドを利用し得る。例えば、給電ネットワーク334は、給電パッド344を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤ880_1が、給電パッド344と入力IPD回路840との間に設けられ得る。いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤ880_2が、入力IPD回路840とトランジスタ回路850との間に設けられ得る。いくつかの実施形態では、第3のボンドワイヤ880_3が、トランジスタ回路850と出力IPD回路845との間に設けられ得る。いくつかの実施形態では、第4のボンドワイヤ880_4が、出力IPD回路845とさらなる給電パッド344との間に設けられ得る。
【0119】
ボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4のうちの1つ以上が、本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるスタックボンドを組み込んで設けられ得る。図8Aでは、ボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4の各々は、共有スタックボンドを有するボンドワイヤの対を使用して示されている。しかしながら、本明細書に記載のスタックボンドの他の実施形態が、本開示から逸脱することなく利用され得る。さらに、ボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4の各々に対するスタックボンドの使用は、潜在的な構成の一例にすぎない。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4のうちの1つ以上は、従来の非スタックボンドワイヤ実装態様を利用し得る。すなわち、ボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4は、ボンドワイヤのうちのいくつかがスタックボンドを組み込み、ボンドワイヤのうちの他のものは組み込まない混合構成を組み込み得る。
【0120】
同様に、第1の複数のボンドワイヤ280A、第2の複数のボンドワイヤ280B、並びにボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4は、ボンド接続の特定の側(例えば、トランジスタ回路850に最も近い側)にスタックボンドを有するものとして示されている。しかしながら、これは単なる例であり、スタックボンディング構成は、接続の反対側(例えば、トランジスタ回路850から最も遠い側)にスタックボンドを有するように反転され得る。
【0121】
図8Bは、本開示のいくつかの実施形態による、トランジスタ、IPD回路、及び給電ネットワークの異なる構成を示すFET電力増幅器300’のさらなる例である。図8Bを参照すると、FET電力増幅器300’は、入力パッド220に結合された入力リードパッド155と、出力パッド225に結合された出力リードパッド165と、を含む。FET電力増幅器300’は、2つのトランジスタ回路850A及び850Bを有する。トランジスタ回路850A、850Bの各々は、入力IPD回路840A、840B、及び出力IPD回路845A、845Bにそれぞれ結合されている。入力IPD回路840A、840Bは、RF伝送線路334及びボンドパッド344を組み込む給電ネットワークによって入力パッド220とトランジスタ回路850A、850Bとの間にそれぞれ結合され得る。出力IPD回路845A、845Bは、給電ネットワークの部分によってトランジスタ回路850A、850Bと出力パッド225との間にそれぞれ結合され得る。
【0122】
入力リードパッド155を入力パッド220に相互接続する第1の複数のボンドワイヤ280Aが設けられている。出力リードパッド165を出力パッド225に相互接続する第2の複数のボンドワイヤ280Bが設けられている。いくつかの実施形態では、入力リードパッド155と入力パッド220との間の第1の複数のボンドワイヤ280A及び/又は出力リードパッド165と出力パッド225との間の第2の複数のボンドワイヤ280Bは、本明細書に記載のスタックボンドのための実施形態のうちのいずれかを使用したスタックボンド構成で実装され得る。例えば、第1の複数のボンドワイヤ280A及び第2の複数のボンドワイヤ280Bは、ボンドワイヤのそれぞれの対の一方の側にスタックボンドを組み込むものとして示されている。しかしながら、本明細書に記載の実施形態は、この構成に限定されない。本明細書に記載のスタックボンドの実施形態の各々、又は本明細書に記載のスタックボンドの実施形態の組合せを使用して、いずれかのボンド接続が提供され得る。
【0123】
加えて、スタックボンドは、FET電力増幅器300’の様々な回路素子間で利用され得る。例えば、第1のボンドワイヤ880_1は、給電パッド344と入力IPD回路840A、840Bのそれぞれのもの間に設けられ得る。いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤ880_2は、入力IPD回路840A、840Bとトランジスタ回路850A、850Bとの間にそれぞれ設けられ得る。いくつかの実施形態では、第3のボンドワイヤ880_3は、トランジスタ回路850A、850Bと出力IPD回路845A、845Bとの間にそれぞれ設けられ得る。いくつかの実施形態では、第4のボンドワイヤ880_4は、出力IPD回路845A、845Bのそれぞれのものとさらなる給電パッド344との間に設けられ得る。
【0124】
ボンドワイヤ880_1、880_2、880_3、及び/又は880_4のうちの1つ以上が、本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるスタックボンドを組み込んで設けられ得る。例えば、図8Bを参照すると、第1の複数のボンドワイヤ280A、第2の複数のボンドワイヤ280B、第1のボンドワイヤ880_1、及び第4のボンドワイヤ880_4は、接続の一方の側にスタックボンドを含み得、ボンドワイヤの端部は、接続の反対側で分離されている(例えば、図2Bに示すものと同様のV字形接続)。共有ボンドは、ボンド接続のいずれの側にも位置付けされ得、異なる数のボンドワイヤが使用され得ることが理解されよう。加えて、第2のボンドワイヤ880_2及び第3のボンドワイヤ880_3は、ボンド接続の両側にスタックボンドを含み得る(例えば、図5Aに示すものと同様である)。これらの構成は単なる例であり、非スタックボンドワイヤの使用を含むボンドワイヤの他の構成が、図示された組合せに代えて、又はそれに加えて使用され得る。図8Bは、FET増幅器300’などの単一のパッケージ内で異なるタイプのスタックボンドを使用できることを示している。ボンドワイヤの数及びボンドの配置は、説明を助けるために含まれており、本開示を限定することを意図するものではない。パッケージの要件に応じて、より多くの若しくはより少ないボンド及び/又はボンドワイヤが使用され得る。異なる数のボンドワイヤ及び/又は共有ボンドの異なる配置を含む、本明細書に記載のスタックボンドの他の実施形態が、本開示から逸脱することなく利用され得ることが理解されよう。
【0125】
図8Cは、本開示のいくつかの実施形態によるFET増幅器300’’のさらなる例の平面図である。FET増幅器300’’は、入力リード150及び出力リード160を含む。FET増幅器300’’はまた、入力IPD回路840及びトランジスタ回路850を含む。
【0126】
FET増幅器300’’は、スタックボンドと非スタックボンドとの混合を含む。例えば、第1の複数のボンドワイヤ280Aは、入力リード150から入力IPD回路840まで延在し得る。第1の複数のボンドワイヤ280Aは、スタックボンドを組み込み得る。例えば、第1の複数のボンドワイヤ280Aは、接続の一方の側にスタックボンドを有し得、ボンドワイヤの端部は、接続の反対側で分離されている(例えば、図2Bに示すものと同様のV字形接続)。共有ボンドは、ボンド接続のいずれの側にも位置付けされ得、異なる数のボンドワイヤが使用され得ることが理解されよう。
【0127】
第2の複数のボンドワイヤ280Bは、トランジスタ回路850と出力リード150との間に延在し得る。第2の複数のボンドワイヤ280Bは、スタックボンドを組み込み得る。例えば、第2の複数のボンドワイヤ280Bは、ボンド接続の両側にスタックボンドを有し得る(例えば、図5Aに示すものと同様である)。
【0128】
ボンドワイヤ881は、入力IPD回路840とトランジスタ回路850との間に延在し得る。図8Cを参照すると、ボンドワイヤ881は、スタックボンドを組み込まない場合があるが、本開示はこれに限定されない。図8Cは、異なるタイプのスタックボンドが単一のパッケージ内で使用され得、非スタックボンド接続と混合され得ることを示している。ボンドワイヤの数及びボンドの配置は、説明を助けるために含まれており、本開示を限定することを意図するものではない。パッケージの要件に応じて、より多くの又はより少ないボンドが使用され得る。本明細書に記載の異なる数のボンドワイヤ及び/又は異なる配置の共有ボンドを含むスタックボンドの他の実施形態が、本開示から逸脱することなく利用され得ることが理解されよう。
【0129】
図8Dは、ワイヤボンド及び回路のより複雑な配列を示すFET電力増幅器300’’’のさらなる例の平面図である。FET電力増幅器300’’’は、各々が入力リード150及び出力リード160に結合された2つの増幅器経路を含む。簡潔にするために、この説明は、図8Dにおいて破線のボックスで囲まれたトランジスタ経路のうちの1つに焦点を当てる。
【0130】
図8Dを参照すると、FET電力増幅器300’’’は、入力リード150と、出力リード160と、2つのトランジスタ回路850A及び850Bと、を含む。トランジスタ回路850A、850Bの各々は、入力IPD回路840A、840Bにそれぞれ結合されている。入力IPD回路840A、840Bは、第1の複数のボンドワイヤ280Aによって入力リード150に、かつ第2のボンドワイヤ880_2によってトランジスタ回路850A、850Bに結合され得る。第1の複数のボンドワイヤ280A及び第2のボンドワイヤ880_2は、スタックボンドを組み込み得る。例えば、第1の複数のボンドワイヤ280A及び第2のボンドワイヤ880_2は、接続の一方の側にスタックボンドを有し得、ボンドワイヤの端部は、接続の反対側で分離されている(例えば、図2Bに示すものと同様のV字形接続)。共有ボンドは、ボンド接続のいずれの側にも位置付けされ得、異なる数のボンドワイヤが使用され得ることが理解されよう。
【0131】
トランジスタ回路850A、850Bの各々はまた、出力IPD回路845A、845Bにそれぞれ結合され得る。出力IPD回路845A、845Bは、第2の複数のボンドワイヤ280Bによって出力リード160に、かつ第3のボンドワイヤ880_3によってトランジスタ回路850A、850Bに結合され得る。第2の複数のボンドワイヤ280B及び第3のボンドワイヤ880_3は、スタックボンドを組み込み得る。例えば、第2の複数のボンドワイヤ280B及び第3のボンドワイヤ880_3は、ボンド接続の両側にスタックボンドを有し得る(例えば、図5Aに示すものと同様である)。
【0132】
FET電力増幅器300’’’はまた、電源回路847A、847Bを組み込む。電源回路847A、847Bは、トランジスタ回路850A、850Bに電源バイアス及び/又は電源調整を提供するように構成された回路素子を含み得る。電源回路847A、847Bは、ボンドワイヤ891_1によってトランジスタ回路850A、850Bに接続され得る。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ891_1は、単一のボンドワイヤ(例えば、非スタック)であり得るが、本開示はこれに限定されない。FET電力増幅器300’’’は、高電流DC信号を電源回路847A、847Bに提供するように構成されたDC給電パッド890を含み得る。電源回路847A、847Bは、ボンドワイヤ891_2によってDC給電パッド890に接続され得る。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ891_2は、スタックボンドを組み込み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ891_2は、ボンド接続の両側にスタックボンドを有し得る(例えば、図5Aに示すものと同様である)。これは、図8Dの上半分のボンドワイヤ891_2のセットに示されている。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ891_2は、接続の一方の側にスタックボンドを有し得、ボンドワイヤの端部は、接続の反対側で分離されている(例えば、図2Bに示すものと同様のV字形接続)。これは、図8Dの下半分のボンドワイヤ891_2のセットに示されている。したがって、特定のパッケージで使用されるスタックボンドのタイプは1つのタイプに限定される必要はなく、いくつかの実施形態では、スタックボンドのタイプが所与のパッケージ内で混合され得る。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ891_2の上部及び下部セットの両方が、同じタイプのスタックボンド構成であり得る。
【0133】
図8Dにおいて、ボンドワイヤの数及びボンドの配置は、説明を助けるために含まれており、本開示を限定することを意図するものではない。パッケージの要件に応じて、より多くの又はより少ないボンドが使用され得る。本明細書に記載のスタックボンドの他の実施形態が、本開示から逸脱することなく利用され得ることが理解されよう。例えば、図8Dにスタックされて示されているボンドワイヤは、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のスタックボンドの任意の構成に配列され得るか、又はスタックボンドを組み込まなくてもよい。同様に、図示された非スタックボンドの実施形態はまた、本明細書に記載のスタックボンドの任意の構成で具現化され得る。
【0134】
図8Eは、本開示のいくつかの実施形態による、トランジスタ、IPD回路、及び給電ネットワークの異なる構成を示すFET電力増幅器300’’’’のさらなる例である。図8Eは、スタックボンドワイヤがトランジスタパッケージの非対称構成において使用され得ることを示している。例えば、図8Eは、ドハティ増幅器で使用され得るものと同様のトランジスタ経路のメイン構成及びピーク構成を示している。
【0135】
図8Eを参照すると、FET電力増幅器300’’’’は、第1の入力リード150_1、第2の入力リード150_2、第1の出力リード160_1、及び第2の出力リード160_2を含む。第1の入力IPD回路840A、第1のトランジスタ回路850A、及び第1の出力IPD回路845Aが、第1の入力リード150_1と第1の出力リード160_1との間に結合されている。第2の入力IPD回路840B、第2のトランジスタ回路850B、及び第2の出力IPD回路845B_1、845B_2が、第2の入力リード150_2と第2の出力リード160_2との間に結合されている。
【0136】
図8Eに示すように、FET電力増幅器300’’’’では、スタックボンドの様々な構成が利用され得る。例えば、スタックボンドは、第1の入力リード150_1と第1の入力IPD回路840Aとの間、及び第2の入力リード150_2と第2の入力IPD回路840Bとの間に使用され得る。図8Eでは、第1の入力リード150_1と第1の入力IPD回路840Aとの間、及び第2の入力リード150_2と第2の入力IPD回路840Bとの間のスタックボンドは全て、接続の一方の側にスタックボンドを有するものとして示されており、ボンドワイヤの端部は、接続の反対側で分離されているが(例えば、図2Bに示すものと同様のV字形接続)、本開示はこれに限定されない。図8Eは、第1の入力リード150_1と第1の入力IPD回路840Aとの間のスタックボンドの数(3つのボンドワイヤの非限定的な例で示されている)が、第2の入力リード150_2と第2の入力IPD回路840Bとの間のスタックボンドの数(2つのボンドワイヤの非限定的な例で示されている)と異なり得ることを示している。共有ボンドは、ボンド接続のいずれの側にも位置付けされ得、異なる数のボンドワイヤが使用され得ることが理解されよう。
【0137】
いくつかの実施形態では、第1の入力IPD回路840Aと第1のトランジスタ回路850Aとの間、及び第2の入力IPD回路840Bと第2のトランジスタ回路850Bとの間に非スタックボンドが使用され得るが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによるスタックボンドが代わりに使用され得る。
【0138】
第1のトランジスタ回路850Aを参照すると、非スタックボンドワイヤが第1のトランジスタ回路850Aと第1の出力IPD回路845Aとの間に設けられ得、スタックボンドワイヤが第1のトランジスタ回路850Aと第1の出力リード160_1との間に設けられ得る。この構成は単なる一例であり、いくつかの実施形態では、スタックボンドはまた、第1のトランジスタ回路850Aと第1の出力IPD回路845Aとの間、及び/又は第1のトランジスタ回路850Aと第1の出力リード160_1との間に設けられ得る。
【0139】
第2のトランジスタ回路850Bを参照すると、第2の出力IPD回路845B_1、845B_2は、複数の接続構成を利用する複数のチップ及び/又は集積回路を含み得、非スタックボンドワイヤが、第2のトランジスタ回路850Bと第2の出力IPD回路845B_1との間に設けられ得る。この構成は単なる一例であり、いくつかの実施形態では、スタックボンドはまた、第2のトランジスタ回路850Bと第2の出力IPD回路845B_1との間に設けられ得る。スタックボンドワイヤは、第2のトランジスタ回路850Bと第2の出力IPD回路845B_2との間、及び/又は第2の出力IPD回路845B_2と第2の出力リード160_2との間に設けられ得る。図8Eに示すように、第2の出力IPD回路845B_1、845B_2の構成は、第1の出力ID回路845Aの構成と異なり得る。
【0140】
図8Eのボンドワイヤの構成は単なる例であり、非スタックボンドワイヤの使用を含むボンドワイヤの他の構成が、図示の組合せに代えて、又はそれに加えて使用され得る。図8Eは、異なるタイプのスタックボンドがFET増幅器300’’’’などの単一のパッケージ内で使用され得ることを示している。ボンドワイヤの数及びボンドの配置は、説明を助けるために含まれており、本開示を限定することを意図するものではない。パッケージの要件に応じて、より多くの又はより少ないボンドが使用され得る。本明細書に記載のスタックボンドの他の実施形態が、本開示から逸脱することなく利用され得ることが理解されよう。
【0141】
図9A及び図9Bは、本開示のいくつかの実施形態のパッケージデバイスを概略的に示している。図9A及び図9Bは、識別及び説明のための構造を表すことを意図した非常に単純化された図であり、構造を物理的スケールで表すことを意図していないことが理解されよう。
【0142】
図9Aに示すように、FET電力増幅器300は、本明細書ではパッケージトランジスタデバイスとも呼ばれるパッケージ770内に装着されたトランジスタ回路850を含む。いくつかの実施形態では、FET電力増幅器300は、RF範囲内の入力信号で動作するように構成され得るが、本開示の実施形態はこれに限定されない。パッケージ770は、その上に1つ以上の導電性パッケージリード、例えば、1つ以上の入力(例えば、ゲート)リード150及び1つ以上の出力(例えば、ドレイン)リード160を含む、サブマウント(本明細書ではベース又はフランジとも呼ばれる)776を含む。トランジスタ回路850は、サブマウント776の上面上に装着されている。サブマウント776は、導電性取付面、例えば、熱伝導性ヒートシンクとして作用する金属基板(又は「スラグ」)であり得るか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、サブマウント776は、追加的又は代替的に、半導体処理技法を用いて製造された導電層を含む再配線層(RDL)積層構造、金属トレースを有するプリント回路基板、並びに/又は導電ビア及び/若しくはパッドを含むセラミック基板を含み得る。いくつかの実施形態では、金属リードフレームが形成され、次いで処理されて、金属サブマウント776及び/又はパッケージリード(例えば、ゲートリード及びドレインリード)150及び160を提供し得る。FET電力増幅器300はまた、トランジスタ回路850、パッケージリード150、160、及び金属サブマウント776を少なくとも部分的に取り囲む、ハウジング778を含む。
【0143】
トランジスタ回路850は、頂部側912及び底部側914を有する。トランジスタ回路850は、順次スタックされた底部側(「裏」側とも呼ばれる)メタライゼーション構造、半導体層構造930、及び頂部側メタライゼーション構造を含む。裏側メタライゼーション構造は、金属ソース端子926を含む。FET電力増幅器300は、HEMTベースのトランジスタ増幅器であり得、この場合、半導体層構造930は、典型的には基板上に形成される少なくともチャネル層及びバリア層を含み得る。基板は、半導体又は絶縁成長基板(SiC又はサファイア基板など)であり得る。成長基板は、たとえ非半導体材料で形成されていても、半導体層構造930の一部であるとみなされ得る。本明細書では、「半導体層構造」という用語は、1つ以上の半導体層、例えば、半導体基板及び/又は半導体エピタキシャル層を含む構造を指す。頂部側メタライゼーション構造は、とりわけ、金属ゲート端子942及び金属ドレイン端子944を含む。
【0144】
入力IPD回路840及び/又は出力IPD回路845はまた、パッケージ770内に装着され得る。IPD回路840、845は、FET電力増幅器300に入力され、若しくはFET電力増幅器300から出力される信号の基本成分のインピーダンスを、トランジスタ回路850の入力若しくは出力におけるインピーダンスにそれぞれ整合させるインピーダンス整合回路、並びに/又はトランジスタ回路850の入力又は出力に存在し得る基本周波数の高調波、例えば、第二次若しくは第三次高調波を接地に短絡するように構成された高調波終端回路であり得る。図9Aに概略的に示すように、入力IPD回路及び出力IPD回路840、845は、金属サブマウント776上に装着され得る。ゲートリード150が、第1の複数のボンドワイヤ280A及び/又は1つ以上の第1のボンドワイヤ880_1(図8を参照)によって入力IPD回路840に接続され得、入力IPD回路840は、1つ以上の第2のボンドワイヤ880_2によってトランジスタ回路850のゲート端子942に接続され得る。同様に、ドレインリード160は、第2の複数のボンドワイヤ280B及び/又は1つ以上の第4のボンドワイヤ880_4(図8を参照)によって出力IPD回路845に接続され得、出力IPD回路845は、1つ以上の第3のボンドワイヤ880_3によってトランジスタ回路850のドレイン端子944に接続され得る。トランジスタ回路850のソース端子926は、金属サブマウント776上に直接装着され得る。金属サブマウント776は、ソース端子926への電気的接続を提供し得、放熱構造としても機能し得る。ゲートリード150及びドレインリード160は、ハウジング778を通って延在し得る。
【0145】
第1の複数のボンドワイヤ280A、第1のボンドワイヤ880_1(図8を参照)、第2のボンドワイヤ880_2、第3のボンドワイヤ880_3、第4のボンドワイヤ880_4(図8を参照)、及び/又は第2の複数のボンドワイヤ280Bは、本明細書に記載の任意の実施形態、又は実施形態の組合せによるスタックボンドを使用して実装され得る。
【0146】
図9Aは、プラスチックオーバーモールド778を組み込んだパッケージ770を示しているが、本開示の実施形態はそのようなパッケージ構成に限定されない。図9Bは、図9Aを参照して上述したFET電力増幅器300と同様のパッケージFET電力増幅器300’の別の例の概略側面図である。FET電力増幅器300’は、異なるパッケージ770’を含むという点で、図9AのFET電力増幅器300とは異なる。パッケージ770’は、金属サブマウント776(金属ヒートシンクとして作用し、金属スラグとして実装され得る)、並びにゲートリード及びドレインリード150、160を含む。いくつかの実施形態では、金属リードフレームが形成され得、金属リードフレームはその後、金属サブマウント776並びに/又はゲートリード及びドレインリード150、160を提供するように処理される。FET電力増幅器300’はまた、トランジスタ回路850、リード150、160、及び金属サブマウント776を少なくとも部分的に取り囲むハウジング778’を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング778’はセラミックハウジングを備え得、ゲートリード150’及びドレインリード160’は、ハウジング778’を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング778’は、プラスチック及び/又はプリント回路基板を備え得る。ハウジング778’は、側壁の下部を形成しかつゲートリード及びドレインリード150、160を支持するフレーム、並びにフレームの頂部上に配置された蓋などの、複数の部品を備え得る。デバイスの内部は、空気で満たされた空洞を備え得る。図9Bのハウジング778’の側壁及び蓋は、図9Aに示すFET電力増幅器300に含まれるプラスチックオーバーモールド778に取って代わる。
【0147】
図10は、本発明のいくつかの実施形態による、ボンドワイヤをボンディングする方法のフローチャートである。図10に示すように、動作は、第1のボンドワイヤの第1の端部を第1のボンドパッド上に配置することから開始され得る(ブロック600)。例えば、図2A図2Eに示すように、第1のボンドワイヤ280_1の第1の端部281は、出力パッド225などの第1のボンドパッド上に配置され得る。
【0148】
第1のボンドワイヤの第1の端部は、第1のボンドパッドにボンディングされ得る(ブロック610)。いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤを第1のボンドパッドにボンディングすることは、ボンドを形成するための第1の圧力の印加を含み得る。第1のボンドワイヤをボンディングすることにより、いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤの厚さを圧縮し得る。第1の圧力の印加により、第1のボンドパッドと接触する第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分が形成され得る。
【0149】
第1のボンドワイヤの第2の端部は、第2のボンドパッド上に配置され得(ブロック620)、第2のボンドパッドにボンディングされ得る(ブロック630)。例えば、図2A図2Eに示すように、第1のボンドワイヤ280_1の第2の端部282は、出力リードパッド165などの第2のボンドパッド上に配置されてボンディングされ得る。
【0150】
第2のボンドワイヤの第1の端部は、第1のボンドワイヤの第1の端部上に配置され得る(ブロック640)。例えば、図2A図2Eに示すように、第2のボンドワイヤ280_2の第1の端部281は、第1のボンドワイヤ280_1の第1の端部281上に配置され得る。
【0151】
第2のボンドワイヤの第1の端部は、第1のボンドワイヤの第1の端部にボンディングされ得る(ブロック650)。いくつかの実施形態では、第2のボンドワイヤを第1のボンドワイヤの第1の端部にボンディングすることは、ボンドを形成するための第2の圧力の印加を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の圧力は、第1の圧力よりも小さくあり得る。第2のボンドワイヤをボンディングすることにより、いくつかの実施形態では、第2のワイヤ及び第1のボンドワイヤの厚さを圧縮し得る。第2の圧力の印加により、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分に接触する第2のボンドワイヤの第2のボンディング部分が形成され得る。いくつかの実施形態では、第2の圧力の印加により、第1のボンドワイヤの第1のボンディング部分の第1の厚さが、第2のボンドワイヤの第2のボンディング部分の第2の厚さよりも小さくなり得る。
【0152】
第2のワイヤの第2の端部は、第2のボンドパッド上又は第1のボンドワイヤの第2の端部上に配置され得(ブロック660)、第2のボンドパッド上又は第1のボンドワイヤの第2の端部上にボンディングされ得る(ブロック670)。例えば、図2Bに示すように、第2のボンドワイヤ280_2の第2の端部282は、第1のボンドワイヤ280_1の第2の端部から距離Dだけ分離された点で出力リードパッド165などの第2のボンドパッドにボンディングされ得る。別の例として、図5Aに示すように、第2のボンドワイヤ280_2の第2の端部282は、第1のボンドワイヤ280_1の第2の端部282上にボンディングされ得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、第3のボンドワイヤは、第2のボンドワイヤの第2の端部の上面にボンディングされ得る。例えば、図5Dに示すように、第3のボンドワイヤ280_3の第2の端部282は、第2のボンドワイヤ280_2の第2の端部282上にボンディングされ得る。
【0154】
当業者によって理解されるように、図10に示す方法は、本明細書に記載された本開示の実施形態のうちのいずれかを生成するように修正され得る。
【0155】
様々な実施形態が、例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して本明細書で説明されてきた。しかしながら、これらの実施形態は、異なる形態で具現化され得、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、当業者に本発明の概念を十分に伝えるように提供されている。本明細書に記載の例示的な実施形態並びに一般的な原理及び特徴に対する様々な変更が容易に明らかになるであろう。図面では、層及び領域のサイズ及び相対サイズは縮尺通りに示されておらず、場合によっては、明確にするために誇張されていることがある。
【0156】
様々な要素を説明するために「第1の」、「第2の」などの用語が本明細書において使用されている場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用されているにすぎない。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と称され得、同様に、第2の要素は第1の要素と称され得る。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連して列挙される項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組合せを含む。
【0157】
本明細書で使用される術語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数形をも含むことが意図されている。「を備える」、「を備えている」、「を含む」、及び/又は「を含んでいる」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/若しくはこれらのグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0158】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0159】
層、領域、又は基板などの要素が別の要素の「上に」ある、別の要素に「取り付けられている」、又は別の要素の「上に」延在すると言及される場合、それは別の要素の上に直接あってもよく、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に」ある、又は別の要素に「直接取り付けられている」、又は「直接上に」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続されている」又は「結合されている」と言及される場合、それは他の要素に直接接続され得るか若しくは結合され得、又は介在する要素が存在し得ることも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と言及される場合、介在する要素は存在しない。
【0160】
「下方」又は「上方」又は「上部」又は「下部」又は「水平」又は「横方向」又は「垂直」などの相対的な用語は、本明細書では、1つの要素、層、又は領域の、別の要素、層、又は領域に対する関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に描写された向きに加えて、デバイスの別の向きを包含することが意図されていることが理解されよう。
【0161】
本発明の実施形態は、本発明の理想化された実施形態(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明されている。図面の層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。さらに、例えば、製造技法及び/又は公差の結果として図の形状からの変形が予想される。したがって、本発明の実施形態は、本明細書に示す領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状の偏差を含むべきである。点線で示す要素は、図示の実施形態では任意選択であり得る。
【0162】
同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって、同じ又は同様の番号は、たとえ対応する図面で言及又は説明されていない場合であっても、他の図面を参照して説明され得る。また、符号が付されていない要素が他の図面を参照して説明される場合がある。
【0163】
図面及び明細書では、本発明の典型的な実施形態が開示されており、特定の用語が採用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的ではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に記載される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10