(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】前部開口部および後部開口部を有する半導体基板搬送容器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20250310BHJP
【FI】
H01L21/68 T
(21)【出願番号】P 2023555293
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 US2022019454
(87)【国際公開番号】W WO2022192335
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-22
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キング, ジェフリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フラー, マシュー エイ.
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-080056(JP,A)
【文献】特開平10-070185(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066039(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1804721(KR,B1)
【文献】特開2016-119354(JP,A)
【文献】特開平11-204629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板搬送容器であって、
複数の壁、前部、および後部を有する
前部開口一体化ポッドであって、前記複数の壁が、内部に複数の半導体基板を受け入れることができる大きさの内部空間を画定する、
前部開口一体化ポッドと、
前記
前部開口一体化ポッドの前記前部にあり、半導体基板を前記内部空間から取り出すこと、および前記内部空間に挿入することができる前部開口部と、
前記
前部開口一体化ポッドの前記後部にあり、半導体基板を前記内部空間から取り出すこと、および前記内部空間に挿入することができる後部開口部と、
前記前部開口一体化ポッドに関連付けられたカバーであって、前記カバーは、前記カバーが前記前部開口一体化ポッドに取り付けられ、かつ前記後部開口部を覆う第1の位置と、前記カバーが前記後部開口部を覆わない第2の位置と、を有する、カバーと、を含
み、
前記カバーが前記第2の位置にあるときに、半導体基板を、前記後部開口部を通して前記内部空間から取り出し、かつ前記内部空間に挿入することができる、半導体基板搬送容器。
【請求項2】
前記半導体基板搬送容器が、第1の数の半導体基板が前記前部開口部を介して前記内部空間から取り出されること、および前記内部空間に挿入されることを可能にするように構成され、かつ第2の数の半導体基板が前記後部開口部を介して前記内部空間から取り出されること、および前記内部空間に挿入されることを可能にするように構成され、前記第1の数の半導体基板は前記第2の数の半導体基板よりも多い、請求項1に記載の半導体基板搬送容器。
【請求項3】
前部開口一体化ポッドであって、
前部開口部および内部空間を有するシェルと、
前記前部開口部とは反対側の前記シェルの後部にあって、半導体基板を前記内部空間から取り出すこと、および前記内部空間に挿入することができる後部開口部と、
前記内部空間内にあり、前記シェルの側壁に取り付けられた複数の対の対向する支持レッジであって、各対の対向する支持レッジが、前記内部空間内で半導体基板を支持するように構成される、複数の対の対向する支持レッジと、
前記シェルに関連付けられたカバーであって、前記カバーは、前記カバーが前記シェルに取り付けられ、かつ前記後部開口部を覆う第1の位置と、前記カバーが前記後部開口部を覆わない第2の位置と、を有する、カバーと、を含
み、
前記カバーが前記第2の位置にあるときに、半導体基板を、前記後部開口部を通して前記内部空間から取り出し、かつ前記内部空間に挿入することができる、前部開口一体化ポッド。
【請求項4】
各支持レッジが、前部部分および後部部分を含み、各対の前記対向する支持レッジの前記後部部分のうちの少なくとも1つが、前記半導体基板の前記内部空間への挿入を制限するために前記半導体基板と係合可能なストッパを含む、請求項
3に記載の前部開口一体化ポッド。
【請求項5】
前部開口一体化ポッドの前部開口部に対向して位置する前記
前部開口一体化ポッドの後部の後部開口部を通して、前記
前部開口一体化ポッドの内部空間から半導体基板を取り出すこと、または前記
前部開口一体化ポッドの前記内部空間に半導体基板を挿入することを含
み、
前記前部開口一体化ポッドは、前記前部開口一体化ポッドに関連付けられたカバーであって、前記カバーは、前記カバーが前記前部開口一体化ポッドに取り付けられ、かつ前記後部開口部を覆う第1の位置と、前記カバーが前記後部開口部を覆わない第2の位置と、を有する、カバーをさらに含み、
前記カバーが前記第2の位置にあるときに、半導体基板を、前記後部開口部を通して前記内部空間から取り出し、かつ前記内部空間に挿入することができる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術開示は、例えば半導体製造に使用される前部開口一体化ポッド(FOUP)などの半導体基板搬送容器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板搬送容器は、半導体製造中に基板を搬送するために使用される。基板搬送容器は、例えば、FOUPを含む。FOUPは、典型的には、基板を保持するための内部空間を提供するシェルと、例えばFOUPを処理設備の周りで移動させることができるように、様々なコンベヤおよび他の装置とインターフェースするために使用されるプレートとを含む。FOUPは、典型的には、基板を取り出してFOUPに挿入することができる前部開口部を含む。
【発明の概要】
【0003】
FOUPなどの半導体基板搬送容器が本明細書に記載されており、半導体基板は、やはり取り出しおよび挿入を可能にする前部開口部の反対側に位置する後部開口部を介して、容器の内部空間にアクセスし、そこから取り出し、またはそこに挿入することができる。後部開口部を介した取り出しおよび挿入は、限定はしないが、ロボットアームなどの自動化機構を使用すること、または手動で行うことを含む任意の適切な方法で達成することができる。
【0004】
半導体基板は、半導体製造に使用される任意の基板とすることができる。本明細書に記載の容器内に配置することができる半導体基板の例は、ウエハおよびパネル(フラットパネルなど)、ならびにそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0005】
半導体基板は、後部開口部を通して容器から取り出されてもよく、半導体基板は、後部開口部を通して容器に挿入されてもよく、または半導体基板は、後部開口部を通して容器から取り出され、その後に、同じ半導体基板が後部開口部を通して容器に再び挿入されてもよい。一実施形態では、半導体基板は、後部開口部を通して容器から取り出されてもよく、その同じ半導体基板は、その後に、前部開口部を通して容器に再び挿入されてもよい。別の実施形態では、半導体基板は、前部開口部を通して容器から取り出されてもよく、その同じ半導体基板は、その後に、後部開口部を通して容器に再び挿入されてもよい。別の実施形態では、半導体は、後部開口部を通して容器から取り出され、決して容器に挿入されなくてもよい。別の実施形態では、半導体基板は、後部開口部を通して容器に初めて挿入され、その後に、処理が完了するまで容器から取り出されなくてもよい。
【0006】
一実施形態では、本明細書に記載の半導体基板搬送容器は、複数の壁、前部、および後部を有する容器シェルを含むことができ、複数の壁は、内部に複数の半導体基板を受け入れることができる大きさの内部空間を画定する。前部開口部は、容器シェルの前面に配置され、内部空間から半導体基板を取り出し、内部空間に挿入することができる。さらに、後部開口部が、容器シェルの後部に配置され、半導体基板を内部空間から取り出し、内部空間に挿入することができる。
【0007】
別の実施形態では、本明細書に記載のFOUPは、前部開口部および内部空間を有するシェルを含むことができる。後部開口部は、前部開口部とは反対側のシェルの後部に配置され、半導体基板を内部空間から取り出して内部空間に挿入することができる。さらに、複数の対の対向する支持レッジが内部空間内に配置され、シェルの側壁に取り付けられる。対向する支持レッジの各対は、内部空間内で半導体基板を支持するように構成される。
【0008】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載の方法は、半導体基板搬送容器の前部開口部に対向して位置する半導体基板搬送容器の後部の後部開口部を通して、半導体基板搬送容器の内部空間から半導体基板を取り出すこと、または半導体基板搬送容器の内部空間に半導体基板を挿入することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】後部開口部を有する半導体基板搬送容器の後部斜視図である。
【
図2】
図1と同様であるが、後部開口部を覆う容器上の定位置にある任意選択の取り外し可能なカバーを示す後部斜視図である。
【
図3】カバーを取り外した状態の容器の背面図である。
【
図5】容器の内部および内部空間に収容された半導体基板の上面図である。
【
図7】容器の内部空間内の基板支持レッジの拡大側面図である。
【
図8】容器から取り外された
図2の取り外し可能なカバーの上面図である。
【
図9】取り外し可能なカバーの内側の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~
図2を参照すると、半導体基板搬送容器10の一例が示されている。一実施形態では、容器10は、FOUPと呼ばれてもよい。容器10は、第1の側壁14と、第1の側壁14に対向する第2の側壁16と、頂壁18と、頂壁18に対向する底壁20とを含む複数の壁を有する容器シェル12を含む。壁は、内部に複数の半導体基板24(便宜上、半導体基板24は、
図1の位置2および位置13においてのみ見える)を受け入れることができる大きさの内部空間22を画定する。一実施形態では、容器10は、24個の基板24を受け入れて保持するように構成することができるが、容器10は、より多数または少数の基板24を保持するように構成することができる。容器10は、半導体基板24の各々を内部空間22から取り出して内部空間に挿入することができる前部開口部28(
図5に見える)を有する前部26と、半導体基板24の各々を内部空間22から取り出して内部空間に挿入することができる後部開口部32を有する後部30とをさらに含む。さらに、機械接触面プレート34がシェル12の底壁20に固定されている。
【0011】
半導体基板24は、半導体製造に用いられる任意の基板とすることができる。本明細書に記載の容器10内に配置することができる半導体基板24の例は、ウエハおよびパネル(フラットパネルなど)、ならびにそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
図1の実施形態は、基板24をウエハとして示している。
【0012】
基板容器10は、これらに限られるわけではないが射出成形可能なポリマー材料を含む1つまたは複数のポリマー材料から形成することができる。ポリマー材料は、1つまたは複数のポリオレフィン、1つまたは複数のポリカーボネート、1つまたは複数の熱可塑性ポリマーなどを含むことができるが、これらに限定されない。一実施形態では、基板容器10の一部または全部を射出成形することができる。1つまたは複数のポリマー材料は、炭素充填材を含むマトリックスを形成することができる。一実施形態では、1つまたは複数のポリマー材料は、基板容器10の取り扱いおよび使用中の粒子脱落を最小限に抑えるように選択することができる。
【0013】
図2を参照すると、任意選択の取り外し可能なカバー40を容器シェル12に取り外し可能に固定して、後部開口部32(
図1を参照)を選択的に覆うこと、および覆いを取ることができる。いくつかの実施形態では、カバー40は使用されず、後部開口部32(
図1を参照)は覆われないままであり得る。カバー40のさらなる詳細は、
図8および
図9に関して以下でさらに説明される。
【0014】
図3~
図7(
図1と共に)を参照すると、内部空間22内に半導体基板24を支持するための支持構造体が設けられている。支持構造体は、半導体基板24を支持するのに十分であり、本明細書で説明するように、後部開口部32を通る半導体基板24の取り出しおよび挿入を可能にする任意の構成を有することができる。図示する例では、支持構造体は、基板24が互いに垂直に離間され、各基板24が頂壁18および底壁20に実質的に平行に水平に配向される垂直に積み重ねられた配置で半導体基板24を支持する。
【0015】
図1および
図3~
図7に示す例では、支持構造体は、内部空間22内に、容器シェル12の対向する側壁14、16に取り付けられた複数対の対向する支持レッジ(一般に42を使用して参照される)を含む。
図5のように容器12を上から見る場合、対向する支持レッジ42の各対は、右支持レッジ42aおよび左支持レッジ42bを有すると呼ばれ得る。一対の支持レッジを形成する左右の支持レッジ42a,42bは、内部空間22内の半導体基板24のそれぞれ1つを支持するように構成されている。
【0016】
図5および
図6を参照すると、左右の支持レッジ42a、42bの各々は、シェル12の前部26に向かって配置された前部部分44と、シェル12の後部30に向かって配置された後部部分46とを含む。支持レッジ42a、42bは、基板24をXY平面内で位置決めして支持する。支持レッジ42a、42bの後部部分46の少なくとも一方、好ましくは支持レッジ42a、42bの後部部分46の両方は、半導体基板24と係合可能であり、半導体基板24が前部開口部28を通って内部空間22にY方向に挿入されることを制限するストッパ48を含む。
【0017】
引き続き
図5および
図6を参照すると、各支持レッジ42a、42bは、水平レッジ部分50と、水平レッジ部分50から上方に延在する垂直レッジ部分52とをさらに含む。複数の半導体基板位置決めパッド54(または位置決めパッド54のみ)が水平レッジ部分50上に配置される。位置決めパッド54は、基板24が載置され、基板24をX-Y平面内に位置決めする水平レッジ部分50上の突起である。任意の数の位置決めパッド54を設けることができる。図示する例では、支持レッジ42a、42bの各々は、前部位置決めパッド54および後部位置決めパッド54を含む。
【0018】
さらに
図5を参照すると、後部開口部32は、基板24の各々を内部空間22から取り出し、基板24の各々を内部空間に挿入することを可能にする大きさである。図示する例では、基板24は最大幅Wsを有するものとして示されている。後部開口部32は、内部空間22への挿入時または内部空間からの取り出し時に基板24が後部開口部32を通過することを可能にするために、幅Wsよりも大きい幅WOを有するものとして示されている。一実施形態では、基板24は、基板24が挿入または取り出し中に後部開口部32を通過するとき、実質的にX-Y平面内に留まることができる。
【0019】
図3、
図4、および
図7を参照すると、一実施形態では、支持レッジ42a、42bは、基板24の取り出し中に、基板24が後部開口部32を通して取り出される前に、基板24が垂直に上方に持ち上げられるように構成されてもよい。同様に、基板24を後部開口部32に挿入する間に、基板24を後部開口部32に挿入し、次いで支持レッジ42a、42bによって支持するために支持レッジ42a、42b上に垂直に下降させることができる。しかしながら、挿入または取り出し中に基板24のいかなる垂直移動も必要としない他の取り出しおよび挿入シーケンスを利用することができる。
【0020】
引き続き
図3および
図4を参照すると、各支持レッジ42a、42bの後部部分46において、ギャップまたは空間64を画定するために、支持レッジの頂部縁部60とその真上に位置する支持レッジの底部縁部62との間に距離Dがある。さらに、
図3および
図4に最もよく示されているように、支持レッジ42a、42bは、基板24が支持レッジ42a、42b上に支持されるとき、基板が支持レッジ42a、42bの頂部縁部60の下方に配置されるように構成される。
図3は、3つの基板24を示し、その各々は、シェル12の基板位置2、13、および24と呼ぶことができるところで、対応する対の支持レッジ42a、42bによって支持されている。
【0021】
ここで、
図3および
図4を参照して、例示的な取り出しシーケンスを説明する。一方の基板24を取り出す場合には、取り出し対象の基板24をZ軸方向に垂直に持ち上げる。例えば、基板24は、手動で、または支持レッジ42a、42bの間の位置で基板24を把持するロボットアームの把持機構を介して持ち上げることができる。持ち上げ中、基板24は実質的にX-Y平面内に留まることができる。基板24は、基板24を支持する支持レッジ42a、42bの頂部縁部60の上方であるが、上方に位置する支持レッジ42a、42bの底部縁部62の下方の位置まで持ち上げられる。基板24が関連する支持レッジ42a、42bの頂部縁部60の上方に持ち上げられると、基板24は、その後に、後部開口部32を通して、例えばY軸方向に引き抜かれてもよい。一方の基板24の挿入はちょうど反対に機能し、挿入される基板24は、Y軸方向に後部開口部32を通して隣接する対の支持レッジ42a、42bの間の位置に移動され、次いで基板24は、関連する対の支持レッジ42a、42b上に垂直下方に下降される。
【0022】
図2に戻ると、カバー40の使用は任意選択である。カバー40が使用される場合、カバー40は、カバー40がシェル12に取り付けられ、後部開口部32(
図1を参照)を覆う第1の位置(
図2および
図5に示す)と、カバー40が後部開口部32を覆わず、それによって後部開口部32を通る基板24の1つまたは複数の取り出しおよび挿入を可能にする第2の位置とを有するように構成することができる。カバー40は、第2の位置でシェル12に取り付けられたままであってもよく、カバー40は、第2の位置でシェル12から取り外されてもよい。
図2、
図5、および
図8~
図9に示すカバー40の例は、第2の位置でシェル12から完全に取り外されているカバー40を示す。さらに、カバー40は、カバー40が第1の位置および第2の位置をとることを可能にする任意の適切な方法でシェル12に取り付けることができる。加えて、カバー40は、第1の位置と第2の位置との間で自動的に作動されるように構成されてもよく、またはカバー40は、第1の位置と第2の位置との間で手動で作動されるように構成されてもよい。
【0023】
図2、
図5、および
図8~
図9を参照すると、図示する例では、カバー40は、手動で作動され、シェル12にスナップ嵌合接続するように構成されている。例えば、カバー40は、後部開口部32(
図1を参照)でシェル12の頂壁18の一部74の縁部72を受け入れるスロットを有する上部保持機構70(
図9)と、後部開口部32(
図1を参照)でシェル12の底壁20上のフランジなどの対応する保持機構78の背後にスナップ嵌合接続するように構成された可撓性リップを有する下部保持機構76(
図9)と、それぞれシェル12の側壁16、14のうちの1つの縁部を受け入れるスロット84を有する一対の側部保持機構80、82(
図8および
図9)と、を有することができる。
【0024】
一実施形態では、カバー40は、後部開口部32を形成するために取り外されたシェル12の部分から作製されてもよい。他の実施形態では、カバー40は、別個の材料から作製することができる。保持機構70、76、80、82は、後部開口部32を形成するためにシェル12から部分が取り出されると、後にカバー40に取り付けられる別個の要素とすることができる。
【0025】
図1および
図8~
図9を参照すると、カバー40をシェル12上に第1の位置に設置して後部開口部32を覆うために、上部保持機構70がシェル12の縁部72と係合し、次いで、側部保持機構80、82のスロット84がシェル12の側壁の縁部と係合するまでカバー40が下方に回転する。一般に、側部保持機構80、82が係合するのと同時に、下部保持機構76は保持機構78との係合を開始し、保持機構76は屈曲し、スナップ嵌合接続が保持機構78と接続する。第2の位置へのカバー40の取り外しは逆である。下部保持機構76は、最初に保持機構78から切り離され、次いで、カバー40が上方に揺動して、側部保持機構80、82、次いで上部保持機構70を外す。その後に、後部開口部32を通る挿入または取り出しがもはや必要でなくなるまで、カバー40を脇に置くことができ、その時点でカバー40をシェル12に再取り付けして後部開口部32を覆うことができる。
【0026】
容器10内に後部開口部32を有することは、いくつかの利点を提供する。
図1および
図5を参照すると、1つの利点は、半導体基板24のうちの1つを後部開口部32を介して取り出して、前部開口部28を介して行われる基板の取り出しおよび挿入動作を妨げることなく、取り出された半導体基板に対して少なくとも1つの分析を実行できることである。分析は、基板上の処理動作の品質をチェックすること、例えば、基板がウエハである場合、ウエハに追加された半導体チップの品質をチェックすることができること、または基板の清浄度をチェックすることであってもよい。取り出された基板24は、容器10に再挿入されてもされなくてもよい。取り出された基板24が再挿入される場合には、再挿入は、後部開口部32を介して、または前部開口部28を介して行われてもよい。いくつかの実施形態では、基板24は、その基板24が以前に容器10から取り出されていない後部開口部32を介して容器10に挿入されてもよい(後部開口部32または前部開口部28のいずれかを介して)。例えば、ウエハは、後部開口部32を介して容器に挿入されてもよい。
【0027】
引き続き
図1および
図5を参照すると、一実施形態では、容器10は、第1の数の半導体基板24を前部開口部28を介して内部空間22から取り出して内部空間22に挿入することができ、第2の数の半導体基板24を後部開口部32を介して内部空間から取り出して内部空間に挿入することができ、第1の数の基板は第2の数の基板よりも多いように構成することができる。例えば、容器10が最大24個の基板24を保持するように構成されている非限定的な例では、基板24のうちの24個が前部開口部を介して内部空間22に挿入および取り出し可能であり、基板24のうちの22個のみが後部開口部32を介して内部空間22に挿入および取り出し可能である。しかしながら、容器10の他の設計では、同じ数の基板24が、前部開口部28および後部開口部32を介して挿入および取り出しされてもよい。
【0028】
本出願で開示される例は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内にあるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。