IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7647143画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート
<>
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図1
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図2
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図3
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図4
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図5
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図6
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図7
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図8
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図9
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図10
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図11
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図12
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図13
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図14
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図15
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図16
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図17
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図18
  • 特許-画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャート
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/407 20060101AFI20250311BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20250311BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
H04N1/407 780
G03G15/00 303
B41J29/393 103
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021021358
(22)【出願日】2021-02-13
(65)【公開番号】P2022123899
(43)【公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】貝間 信謙
(72)【発明者】
【氏名】石井 達也
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-148298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/40- 1/409
B41J 2/00- 2/525
B41J 29/38-29/393
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像の画像情報から濃度情報を取得し、
前記取得した濃度情報から画像形成する階調パッチのシート材搬送方向の幅を決定し、 シート材の余白領域に、前記シート材搬送方向の幅が異なる前記階調パッチを形成する制御をする手段を備え、
前記形成される前記階調パッチは、優先する階調の前記階調パッチの幅が前記優先する階調以外の階調の前記階調パッチの幅よりも広い
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
優先する色の前記階調パッチの階調差が前記優先する色以外の色の前記階調パッチの階調差よりも小さく、かつ、
前記優先する色の前記階調パッチの数が前記優先する色以外の前記階調パッチの数よりも多い
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
優先する色以外の色の前記階調パッチは形成しない
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記優先する階調は、印刷画像及び前記余白領域の幅から決定する
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷画像及び前記余白領域の幅は、一定枚数毎に印刷するデータである
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記濃度情報は後行のシート材に形成する印刷画像の画像情報から取得し、
先行のシート材に前記階調パッチを形成する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記後行のシート材に形成する前記印刷画像がないときには、前記先行のシート材に前記階調パッチを形成しない
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記シート材の前記階調パッチを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段の読み取り結果から色補正値を算出する手段と、を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する工程と、
前記取得した濃度情報から画像形成する階調パッチのシート材搬送方向の幅を決定する工程と、
シート材の余白領域に、前記シート材搬送方向の幅が異なる前記階調パッチを形成する工程と、を行い、
前記形成される前記階調パッチは、優先する階調の前記階調パッチの幅が前記優先する階調以外の階調の前記階調パッチの幅よりも広い
ことを特徴とする階調パッチの形成方法。
【請求項10】
画像形成装置によってシート材上に形成される、画像形成装置の評価チャートであって、
画像領域に形成された印刷画像と、
前記画像領域の外側に形成された階調パッチと、を有し、
前記階調パッチは、前記シート材の搬送方向の幅が異なり、優先する階調の前記階調パッチの幅が前記優先する階調以外の階調の前記階調パッチの幅よりも広い
ことを特徴とする画像形成装置の評価チャート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置、階調パッチの形成方法、画像形成装置の評価チャートに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、シート材に濃度補正用の階調パッチを形成し、階調パッチ画像を読み取り手段(インラインセンサ)で読み取り、読み取り結果に基づいて補正を行うようにしたものがある。
【0003】
従来、用紙の画像形成領域に形成される印刷画像の用紙に対する配置を解析する印刷画像解析部と、該印刷画像解析部の解析結果に基づき、用紙の画像形成領域外に形成する画像補正用のパッチ画像の位置を決定するパッチ画像位置決定部とを備えるものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-005173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、読み取り手段(インラインセンサ)による読み取り対象(濃度検知領域)と読み取り対象外の階調パッチとの距離が近いと、階調パッチを正確に読み取れない「フレア」と呼ばれる現象が発生する。また、読み取り対象の濃度差が大きいと、フレアの影響も大きくなる。
【0006】
ここで、階調パッチを単純に大きく(広く)してフレアの影響を抑制しようとすると、余白領域が限定されるために、複数のシート材に跨って必要な階調パッチを形成しなければならなくなるなど、リアルタイム性が損なわれるという課題が生じる。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、リアルタイム性を損なわないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
印刷画像の画像情報から濃度情報を取得し、
前記取得した濃度情報から画像形成する階調パッチのシート材搬送方向の幅を決定し、 シート材の余白領域に、前記シート材搬送方向の幅が異なる前記階調パッチを形成する制御をする手段を備え
前記形成される前記階調パッチは、優先する階調の前記階調パッチの幅が前記優先する階調以外の階調の前記階調パッチの幅よりも広い
構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リアルタイム性を損なわないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例の側面説明図である。
図2】同装置の説明に供するブロック説明図である。
図3】本発明の第1実施形態における画像形成装置の評価チャートの説明に供する説明図である。
図4】階調パッチパターン(階調パッチ)の配置の異なる例の説明に供する平面説明図である。
図5】第1実施形態における制御部による階調パッチ画像(階調パッチパターン)の印刷処理(形成処理)の説明に供するフロー図である。
図6図5の印刷データ(印刷画像)解析処理の説明に供するフロー図である。
図7】同じく濃度情報取得処理の説明に供する説明図である。
図8図5のパッチ形状を決定するパッチ処理の説明に供するフロー図である。
図9】同じく優先階調決定処理の説明に供する説明図である。
図10】検査ユニットの動作の説明に供するフロー図である。
図11】本発明の第2実施形態における階調パッチの説明に供する説明図である。
図12】同じく優先階調決定処理の説明に供する説明図である。
図13】本発明の第3実施形態における階調パッチの説明に供する説明図である。
図14】本発明の第4実施形態の説明に供する説明図である。
図15】本発明の第5実施形態に係る画像形成装置の説明図である。
図16】同じく作用説明に供する説明図である。
図17】本発明の第6実施形態の説明に供する説明図である。
図18】同第5実施形態における制御部による階調パッチの印刷処理の一例の説明に供するフロー図である。
図19】本発明の第7実施形態における階調パッチパターンの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について図1を参照して説明する。図1は同画像形成装置の側面説明図である。
【0012】
画像形成装置200は、装置本体201に、スキャナ部202と、操作部203と、排出ユニット204が接続されている。
【0013】
装置本体201内には、画像形成部210と、シート材搬送部220と、定着部230と、検査ユニット240と、制御部300と、を備えている。制御部300は、画像形成装置200の全体動作を制御し、シート材Sに対する階調パッチの形成を制御する手段を兼ねている。
【0014】
画像形成部210は、各色の画像に対応する潜像を形成するため、感光体ユニット214(214y、2145m、214c、214k)と、画像形成ユニット215(215y、215m、215c、215k)とを備えている。画像形成ユニット215には、帯電部、LD書込みユニット、現像ユニットを含む。
【0015】
感光体ユニット214は、無端状の中間転写ベルト216に沿って配置されている。中間転写ベルト216は、少なくとも一つの駆動ローラと複数の従動ローラに掛け回されていて、感光体ユニット214で現像された画像(トナー画像)が転写される一次転写位置と、シート材Sへ画像(トナー画像)が転写される二次転写位置の間を移動する。
【0016】
二次転写位置には、転写ローラ217aと、これに対向して配置される対向ローラ217bとを含んで構成される転写部217が配置されている。転写部217において、シート材Sに対して中間転写ベルト216からトナー像が転写されることで、シート材Sの所定の位置にカラー画像が形成される。
【0017】
シート材搬送部220は、画像形成用のシート材Sを収容する供給トレイ221(221A、221B)を備えている。シート材搬送部220は、シート材Sが搬送される経路が複数のローラ対の配置で構成される搬送経路222と、搬送経路切替部224と、反転パス225を有する。
【0018】
画像形成プロセスの実行時において、制御部300による所定の制御処理の制御の下、画像形成ユニット215によって、各色の感光体ユニット214を帯電させると共に、原稿画像に合わせて露光し、感光体ユニット214に静電潜像を形成する。
【0019】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々に対応する感光体ユニット214の静電潜像に対し、画像形成ユニット215の現像部を用いてトナーを付着させ、各色のトナー画像を形成する。
【0020】
次いで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光体ユニット214に形成されたトナー画像を、回転駆動する中間転写ベルト216の表面に、順次、1次転写する。
【0021】
一方、供給トレイ221に収容されているシート材Sがピックアップローラなどによって分離されて搬送経路222に沿って搬送され、転写部217に至る。
【0022】
そして、転写部217にシート材Sが至ると転写プロセスが行なわれる。すなわち、シート材Sは、転写ローラ217aによって対向ローラ217b側に付勢される中間転写ベルト216の表面と対向ローラ217bとの間に挟持されながら、所定の搬送方向に搬送される。シート材Sが中間転写ベルト216と対向ローラ217の間を通過するときに、中間転写ベルト216上に1次転写された各色のトナー画像がシート材Sに2次転写され、カラー画像が形成される。この転写プロセスによって、シート材Sの一方の面(第一面)に画像が形成される。
【0023】
画像形成部210で第一面にカラー画像が形成されたシート材Sはさらに搬送され、定着部230に送られる。定着部230は、カラーのトナー画像が形成されたシート材Sに対して定着処理を行う。定着部230は、搬送されたシート材Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー画像をシート材Sに定着させる。
【0024】
片面印刷のときには、定着部230により定着処理が行われたシート材Sは、検査ユニット240に搬送される。
【0025】
両面印刷のときには、搬送経路切替部224に搬送される。その後、シート材Sは進行方向を逆転し、反転パス225に搬送される。そして、シート材Sは、中間転写ベルト216上に形成された画像がシート材Sの第二面に転写されるような状態で転写部217に再度搬送される。
【0026】
第二面に画像が形成されたシート材Sはさらに搬送され、定着部230にて第二面の画像が定着された後、検査ユニット240に搬送される。
【0027】
検査ユニット240の上流側には、シート材Sの通過を検知するため通過センサ260が配置されている。
【0028】
検査ユニット240には、シート材Sの搬送路を挟んで、画像読み取り装置としての2つ(上下)のインラインセンサ241,241を備えており、シート材Sに形成された画像を読み取る。両面印刷のときには、2つのインラインセンサ241、241でシート材Sの表裏面を一気に読み取る。
【0029】
検査ユニット240は、読み取り画像の画像解析を行い、色補正データを後述のプリンタ部307へ送信する。インラインセンサ241は、複数の光電変換素子をシート材Sの幅方向(搬送方向と直交する方向:主走査方向)の全域にわたって直線状に配列したラインセンサが使用される。検査ユニット240によって階調パッチの画像も読み取っている。
【0030】
検査ユニット240を通過したシート材Sは排出ユニット204に排出される。
【0031】
次に、制御部について図2のブロック説明図を参照して説明する。
【0032】
制御部300は、メイン制御を行うCPU301と、CPU301が処理のために使用する処理空間を提供するRAM302と、CPU301のプログラム等が格納されているROM303を備えている。
【0033】
制御部300は、イメージストレージ304と、I/O制御部305と、操作部306と、プリンタ部307と、スキャナ部308と、検査部309とを備えている。
【0034】
スキャナ部308は、スキャナ202の制御を司る。プリンタ部307は、入力画像データを画像処理し、画像形成ユニット215のLD(レーザーダイオード)を制御して感光体ユニット214へ露光する。また、プリンタ部307は、検査部309での解析結果に基づき、色補正の実施、色補正用の階調パッチの生成も行う。
【0035】
操作部306は、ユーザからの指示を受け付け、コピー、ファクシミリ、スキャナ、イメージストレージなどの処理を実行させる。
【0036】
イメージストレージ304は、ハードディスク装置、SDカード、USBメモリなどの固定または着脱自在のメモリ装置として構成され、画像形成装置200が取得した画像データを、格納して、ユーザによる各種処理のために利用可能としている。
【0037】
I/O制御部305は、各種モータ駆動、各センサによる検出、定着ユニット制御、感光体や中間転写ユニットの制御を行っている。
【0038】
検査部309では、検査ユニット240のインラインセンサ241の制御、読み取った画像データの解析を行う。
【0039】
次に、本発明の第1実施形態における階調パッチについて図3を参照して説明する。図3は同説明に供する画像形成装置の評価チャートの説明図であり、(a)は同実施形態に係るフレア対応の階調パッチを含む評価チャートの例の説明図、(b)は比較例に係るフレア未対応の階調パッチを含む評価チャートの例の説明図である。
【0040】
本実施形態において、階調パッチの形成を制御する手段としての制御部300は、印刷画像の画像情報から濃度情報を取得し、取得した濃度情報から階調パッチPのシート材搬送方向の幅を決定する。
【0041】
そして、制御部300は、図3(a)に示すように、シート材搬送方向の幅が異なる画像補正用(例えば色補正用)の複数の階調パッチP(P1~P8)で構成される階調パッチパターン400(400K、400C、400M、400Y)を形成する制御をする。
【0042】
階調パッチパターン400は、シート材搬送方向と直交する方向(主走査方向)において、シート材Sの画像領域SAを除く領域としての余白領域SBに、シート材搬送方向に沿って階調パッチPを並べて形成している。
【0043】
ここで、階調パッチPは、シート材搬送方向の幅(以下、「副走査幅」という。)が広い(太い)階調パッチPaと、副走査幅が狭い(細い)パッチPbを含む。図3(a)のKの階調パッチパターン400Kの例では、階調パッチP1~P5が副走査幅の細い階調パッチPbであり、階調パッチP6~P8が副走査幅の太い階調パッチPaである。
【0044】
具体的には、高い階調を優先する階調として、優先する高い階調の階調パッチPは副走査幅を太くしたパッチPaとし、優先する階調以外の階調である低い階調の階調パッチPは副走査幅を細くした階調パッチPbとしている。つまり、優先する階調の階調パッチPの副走査幅が優先する階調以外の階調の階調パッチPの副走査幅よりも広い構成とする。なお、優先する階調は、印刷情報及び余白領域の幅情報に基づいて定めている。
【0045】
このように、本実施形態における画像形成装置の評価チャートは、画像形成装置によってシート材上に形成される、画像形成装置の評価チャートであって、画像領域SAに形成された印刷画像と、画像領域SAの外側の余白領域SBに形成された階調パッチPと、を有し、諧調パッチPは、シート材搬送方向の幅が異なるチャートである。
【0046】
これにより、優先する高い階調の階調パッチPaの面積が広くなってフレアの影響を受けなくなる。
【0047】
ここで、階調パッチが複数のシート材に跨って形成されると、濃度補正値の算出に時間がかかり、印刷情報で画像形成するときの色補正が遅れる(リアルタイム性が損なわれる)。しかし、すべて色の階調パッチパターン400(400K、400C、400M、400Y)の全体のシート材搬送方向の幅(長さ)は、図3(b)に示すフレア未対応の階調パッチパターン400と同じになるように、各階調パッチP(Pa、Pb)の幅を決定している。
【0048】
これにより、階調パッチのシート材搬送方向の幅(副走査幅)を異ならせた場合でも、リアルタイム性を確保する。
【0049】
さらに、階調パッチ400は、隣り合う色間では、例えば、シート材搬送方向において、奇数番目の色(K、M)は濃度の薄い側から濃度の濃い側に形成し、偶数番目の色(C、Y)は濃度の濃い側から濃度の薄い側に形成している。これにより、隣り合うパッチの濃度差を少なくしている。
【0050】
次に、階調パッチパターン(階調パッチ)の配置の異なる例について図4を参照して説明する。図4は同説明に供する平面説明図である。なお、ここでは、一般的な階調パッチ(副走査幅、主走査幅が同じ階調パッチ)で説明している。
【0051】
図4(a)は、シート材搬送方向と直交する方向(主走査方向)の両側の余白領域(側端余白領域)SB、SBに色補正用の階調パッチパターン400を形成している。階調パッチパターン400は、画像領域SAの外であって、裁断部位の外側の余白領域SBに配置する。
【0052】
シート材Sの片側について、余白領域SBとして、(シート材サイズ-画像領域)/2の幅がある。この余白領域SB内において、階調パッチ400の主走査方向の印字ズレが生じると、階調パッチパターン400がシート材Sの外にはみ出す。そこで、画像領域SA側に階調パッチパターン400が隣接しないように隙間を開けるため、(シート材サイズ-画像領域)/2より狭い幅が階調パッチパターン400の主走査方向の長さとなる。
【0053】
図4(b)は、シート材搬送方向と直交する方向(主走査方向)の両側の余白領域SB、SBに色補正用の階調パッチパターン400を形成するとともに、シート材Sの先端側の余白領域SC、後端側の余白領域SDにも階調パッチパターン400を形成する。
【0054】
例えば、シート材SがA3サイズ、SRA3サイズなどの場合、副走査方向の長さの方が長いため、主走査方向の両側端の余白領域SB、SBで階調パッチパターン400を形成する面積を確保できる。したがって、余白領域SBに対する階調パッチパターン400の配置を優先する。この場合、階調パッチパターン400の必要面積が余白領域SBだけで足りる場合は余白領域SBだけに配置し、両側側の余白領域SBで足りないときに、先端の余白領域SC、後端の余白領域SDにも階調パッチパターン400を配置する。
【0055】
また、A4サイズ横のシート材Sのように主走査方向の方が長い場合、先端の余白領域SC、後端の余白領域SDに対する階調パッチパターン400の配置を優先する。
【0056】
その他、階調パッチパターン400を配置する領域は、側端の余白領域SBだけ、先端の余白領域SCだけ、後端の余白領域SDだけ、先後端の余白領域SC、SDだけなど、組み合わせはそれぞれ可能である。
【0057】
次に、第1実施形態における制御部による階調パッチ画像(階調パッチパターン)の印刷処理(形成処理)について図5のフロー図を参照して説明する。
【0058】
この処理は、ユーザによる印刷実行で起動され、制御部300は印刷画像の印刷データを受信する(ステップS1、以下、単に「S1」というように表記する。)。そして、制御部300は、印刷データを解析し(S2)、解析結果に基づいて階調パッチパターン400を構成する階調パッチPの形状(パッチ形状)を決定する(S3)。
【0059】
その後、制御部300は、一般的な画像処理と検査ユニット240による階調パッチパターン400の階調パッチPの読み取り結果から算出した色補正を実施する(S4)。
【0060】
そして、シート材Sの画像領域SAに印刷画像を、余白領域SBに階調パッチPで構成される階調パッチパターン400(パッチ画像)を印刷する(S5)。
【0061】
次に、図5の印刷データ(印刷画像)解析処理について図6及び図7も参照して説明する。図6は同の印刷データ解析処理の説明に供するフロー図、図7が同じく濃度情報取得処理の説明に供する説明図である。
【0062】
まず、制御部300は、シート材Sの種類に関する情報(以下、「紙種情報」という。)を取得する(S11)。ここで、紙種情報は、予め操作部203で設定された紙種情報をROM303に格納しているので、ROM303から紙種情報を取得する。
【0063】
次いで、シート材Sの余白情報を取得する(S12)。ここで、余白情報は、前述した主走査方向の両側端における余白領域SB、SBの情報である。なお、先後端の余白領域SC、SDに階調パッチパターン400を配置する場合には、余白領域SC、SDの情報も取得する。余白情報は、ユーザが操作部203で設定した値をCPU301で取得する。
【0064】
その後、印刷画像の印刷データ(画像データ)を面積単位で分割して階調値を測定し、濃度情報を取得する(S13)。
【0065】
例えば、図7に示すように、画像データを主走査方向X、副走査方向Yの画素の面積単位で分割し、各領域のC、M、Y、Kについて画素濃度平均を測定し、それを階調値とする。ここでは、「主走査N×副走査M」の領域に分割している。
【0066】
面積単位で階調値を測定、画素濃度平均を測定するとは、分割領域の対象画素の濃度を換算し、その領域の画素数で割ったものである。
【0067】
次に、図5のパッチ形状を決定するパッチ処理について図8及び図9を参照して説明する。図8は同パッチ処理の説明に供するフロー図、図9は同じく優先階調決定処理の説明に供する説明図である。
【0068】
まず、制御部300は、K、C、M、Yにおける色の優先順位を決定する(S21)。ここでは、分割領域毎にK、C、M、Yの濃度値を測定した結果から、濃度値が「0」より大きい領域数をカウントし、カウント値の多さで優先順位を決定する。領域ごとに濃度を積算し、(濃度×領域数)を累積したもので、優先順位を決定しても良い。
【0069】
次いで、各色(K、C、M、Y)において優先する階調を決定する(S22)。ここでも、分割領域毎にK、C、M、Yの濃度値を測定した結果を用いる。
【0070】
例えば、図9に示すように、0~255の階調値を8つの階調範囲のグループ(No.1~No.8)に分類する。そして、分割領域の各色(KCMY)の濃度値について、8つの分類毎にカウントする。
【0071】
これにより、例えば図9に示すようなKCMYの各カウント結果が得られる。そこで、本実施形態では、カウント値が「20」カウント以上の階調を優先する階調とし、KCMYの全色の分類No.6、No.7、No.8の階調を優先する階調と決定する。
【0072】
次いで、主/副走査方向における階調パッチPのパッチ幅を決定する(S23)。
【0073】
ここでは、余白情報から副走査方向のパッチ幅を決定する。余白が十分にあれば、全色、全階調の階調パッチパターン400を配置しても良い。面積が足りない場合に、優先する色や階調を優先し、余白領域SBに収まるように階調パッチ数や幅を決定する。
【0074】
副走査方向の階調パッチPのパッチ幅は、シート材Sのサイズを基に基準幅を決定する。基準幅は、優先順位がない一律の幅である。色の優先順位、階調値の優先順位から、優先順が低い、つまり、優先する階調以外の階調の階調パッチPは副走査幅を狭くした階調パッチPbとし、優先順が高い、つまり、優先する階調の階調パッチPは副走査幅を広くした階調パッチPaとする。
【0075】
例えば、優先する階調以外の階調の階調パッチP(Pb)の副走査幅は、基準幅の半分にする。優先する階調の階調パッチP(Pa)の副走査幅は、優先する階調以外の階調の階調パッチPbを基準幅の半分にしたことで余った分を分配する。
【0076】
つまり、
優先する階調以外の階調の階調パッチPbの副走査幅=基準幅×0.5
優先する階調の階調パッチPaの副走査幅=基準幅×0.5×優先する階調以外の階調の階調パッチPbの数/優先する階調の階調パッチPaの数+基準幅
とする。
【0077】
本実施形態では、図3(a)に示したように、色での優先順位はなく、階調値が高い階調(図9の分類No.6~No.8)を優先する階調として階調パッチPの副走査幅を太くし、優先する階調以外の階調(図9の分類No.1~No.5)の階調パッチPの副走査幅を細くしている。また、階調パッチPを1色目は濃度の薄い方から濃い側に生成し、2色目は濃い側から生成することで、隣り合う階調パッチPの濃度差を少なくしている。
【0078】
以上のように、本実施形態では、印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する工程と、取得した濃度情報から画像形成する階調パッチのシート材搬送方向の幅を決定する工程と、シート材の余白領域に、シート材搬送方向の幅が異なる前記階調パッチを形成する工程と、を行って階調パッチを形成する。
【0079】
次に、検査ユニットの動作について図10のフロー図を参照して説明する。
【0080】
この処理は、ユーザによる印刷実行で印刷動作開始とともに実行される。まず、検査部309は、パッチ画像形成が有るか否かを判別する(S31)。この判別は、CPU301からのパッチ画像の有無情報をチェックして行う。
【0081】
ここで、パッチ画像有りのときには、パッチ画像をインラインセンサ241で読み取る(S32)。読み取りタイミングは、通過センサ260にてシート材Sを検知して制御する。
【0082】
そして、読み取り結果に基づいて、各パッチの濃度値の平均値を算出する(S33)。各パッチの位置、副走査幅はCPU301より検査部309に情報を入力することで正確に読むことが可能である。
【0083】
その後、目標値と読み取り値の差分から色補正値を算出し(S34)、プリンタ部307に送信する。プリンタ部307は、受信した色補正値に基づいて画像の色味を補正する。
【0084】
次に、本発明の第2実施形態について図11及び図12を参照して説明する。図11は同実施形態における階調パッチの説明に供する説明図、図12は同じく優先階調決定処理の説明に供する説明図である。
【0085】
本実施形態では、優先する色の階調パッチPの数を増やし、優先する色以外の色の階調パッチPの数を減らし、かつ、優先する階調の階調パッチPの副走査幅を太くしている。なお、本実施形態では、優先する色か否か、優先する階調か否かの両方の条件で実施しているが、片方の条件で実施しても良い。
【0086】
これにより、リアルタイム性を向上できる。
【0087】
例えば、図11の例は、図12に示すような各領域の濃度値のカウント値に基づき、各色(K、C、M、Y)のうち、K、M色を優先する色としている。そして、K、M色の高階調を優先する階調とし、優先する階調について階調パッチPの数を増加することで、優先する階調の階調数を増やし、高階調側の副走査幅を太くしている。なお、図12における副走査幅通常は、前記基準幅と同じであることを意味している。
【0088】
一方、優先する色ではない、C、Y色については濃度が存在しないので、C、Y色の階調パッチPの数を減らしている。この場合、優先する色であるK、M色の階調パッチPの階調差は優先する色以外の色であるC,Y色の階調パッチPの階調差よりも小さくなる。
【0089】
これにより、すべての色のすべての階調パッチPの副走査幅を基準幅(副走査幅通常)で形成した階調パッチパターン400と副走査方向の長さが変わらないようにしている。
【0090】
優先する色であるK、Y色の階調パッチPと階調分類したNo.の関係は図12に記載のとおりである。この例では、分類N0.3とN0.4に対応する階調パッチは、図11に示すように、階調値が異なる2つ(複数)の階調パッチPとしている。複数の階調パッチPとすることで、他の階調より検出、補正精度をあげることができる。
【0091】
次に、本発明の第3実施形態について図13を参照して説明する。図13は同実施形態における階調パッチの説明に供する説明図である。
【0092】
本実施形態は、前記第2実施形態で説明した図12に示すようなカウント結果のように、C、Y色について濃度が存在しない場合、C、Yの階調パッチを形成しないようにしたものである。つまり、優先する色以外の色の階調パッチは形成しない実施形態である。
【0093】
これにより、リアルタイム性を向上できる。
【0094】
次に、本発明の第4実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態の説明に供する説明図である。
【0095】
本実施形態では、後行のシート材に形成する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得し、取得した濃度情報から階調パッチPの副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチPを、先行のシート材の余白領域SBに形成する。
【0096】
例えば、1枚目のシート材S1を先行のシート材とするとき、後行のシート材となる2枚目のシート材S2に対する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する。そして、取得した濃度情報から階調パッチパターン400を構成する階調パッチPの副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチPを先行のシート材S1の余白領域SBに形成する。
【0097】
同様に、2枚目のシート材S2を先行のシート材とするとき、後行のシート材となる3枚目のシート材S3に対する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する。そして、取得した濃度情報から階調パッチパターン400を構成する階調パッチPの副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチPを先行のシート材S2の余白領域SBに形成する。
【0098】
つまり、本実施形態では、連続して搬送される2枚のシート材について、後続のシート材を「後行のシート材」とし、後続のシート材に対する印刷情報から濃度情報を取得して先行のシート材に階調パッチを形成している。
【0099】
そして、1枚目のシート材S1の階調パッチパターン400を検査ユニット240で読取り、読み取り結果に応じて色補正値を算出して、2枚目のシート材S2に対する印刷情報で画像形成するときの色補正を行う。同様に、2枚目のシート材S2の階調パッチパターンPを検査ユニット240で読取り、読み取り結果に応じて色補正値を算出して、3枚目のシート材S3に対する印刷情報で画像形成するときの色補正を行う。
【0100】
これにより、リアルタイム性を向上できる。
【0101】
次に、本発明の第5実施形態について図15及び図16を参照して説明する。図15は同実施形態に係る画像形成装置の説明図、図16は同じく作用説明に供する説明図である。
【0102】
本実施形態の画像形成装置200では、検査ユニット240を通過したシート材Sを搬送経路切替部224を経て反転パス225に搬送する構成としている。また、検査ユニット240は、シート材Sの片面を読み取るインラインセンサ241を備えている。
【0103】
このように構成した画像形成装置200の搬送パスを備えることにより、シート材Sの表裏面に印刷を行う場合でも、前記第4実施形態のパターンを実現できる。つまり、図16に示すように、シート材S1表面を先行のシート材として、後行のシート材となる1枚目のシート材S1裏面に対する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する。そして、取得した濃度情報から階調パッチパターン400を構成する階調パッチPの副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチPを先行のシート材S1表面の余白領域SBに形成する。
【0104】
そして、シート材S1表面に画像形成したらインラインセンサ241でシート材S1表面の階調パッチパターン400を読み取り、シート材S1を搬送経路切替部224及び反転パス225を介して、シート材S1裏面に対する画像形成を行う。
【0105】
このとき、1枚目のシート材S1裏面を先行のシート材とし、2枚目のシート材S2表面を後行のシート材として、同様に、シート材S2表面に対する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する。そして、取得した濃度情報から階調パッチパターン400を構成する階調パッチPの副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチPをシート材S1裏面の余白領域SBに形成する。
【0106】
そして、シート材S1裏面に画像形成したらインラインセンサ241でシート材S1裏面の階調パッチパターン400を読み取り、シート材S1を排出する。
【0107】
このように、両面印刷を行う場合でも、連続する印刷面の先に印刷する面を先行のシート材と、次に印刷する面を後行のシート材として、階調パッチパターの画像形成と補正を行うことができる。
【0108】
次に、本発明の第5実施形態について図17を参照して説明する。図17は同実施形態の説明に供する説明図である。
【0109】
本実施形態では、先行シート材に対して2枚以上離れた後行のシート材に対する印刷情報から濃度情報を取得して階調パッチを形成している。
【0110】
例えば、1枚目のシート材S1を先行のシート材とするとき、後行のシート材となる4枚目(先行のシート材に対して3枚後のシート材)のシート材S4に対する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する。そして、取得した濃度情報から階調パッチPの副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチPを先行のシート材S1の余白領域SBに形成する。
【0111】
同様に、2枚目のシート材S2を先行のシート材とするとき、後行のシート材となる5枚目のシート材S5に対する印刷画像の画像情報から濃度情報を取得する。そして、取得した濃度情報から階調パッチ400の副走査幅を決定し、副走査幅が異なる階調パッチ400を先行のシート材S2の余白領域SBに形成する。
【0112】
このように、この例では、先行のシート材となるシート材Sに対して3枚離れたシート材を後行のシート材として、後行のシート材に対する印刷情報から濃度情報を取得して階調パッチの副走査幅を決定し、先行のシート材の余白領域に階調パッチを形成している。
【0113】
つまり、前記第4実施形態のように、連続して搬送される2枚のシート材を先行のシート材、後行のシート材とすると、検査ユニット240の位置に先行のシート材が到達した後に、後行のシート材に対する補正値を算出することになる。そのため、色補正を次のページで反映するためには、通常のプリント速度を遅く、つまり、連続するシート材Sの間隔(紙間)を広くすることになる。その結果、生産性の低下を生じるおそれがある。
【0114】
そこで、装置としての生産性を落とさない間隔で先行のシート材と後行のシート材を設定する。図17の例では、生産性を落とさないで、1枚目のシート材S1に形成した4枚目のシート材S4用の階調パッチPを読み取ることで、4枚目のシート材S4に補正結果を反映できる例である。
【0115】
なお、本実施形態は、上記の図17の例のように、後行のシート材が(先行のシート材+3)になる場合に限らず、後行のシート材が(先行のシート材+m)(m=2以上の整数)になる場合を含むものである。
【0116】
これにより、生産性を落とさずに補正して、色精度を確保することができる。
【0117】
次に、この第6実施形態における制御部による階調パッチの印刷処理の一例について図18のフロー図を参照して説明する。
【0118】
この処理は、ユーザによる印刷実行で起動され、制御部300は全ページの印刷データを受信し、N=0にする(S41)。そして、制御部300は、(N+3)頁目に印刷データが有るか否かを判別する(S42)。
【0119】
ここで、(N+3)頁目に印刷データが有るときには、制御部300は、(N+3)頁目の印刷データを解析し(S43)、解析結果に基づいて、(N+3)頁目の階調パッチ400の形状(パッチ形状)を決定する(S44)。
【0120】
その後、制御部300は、一般的な画像処理と検査ユニット240の読み取り結果から算出した色補正を実施する(S45)。ただし、N=1、2、3の場合は、デフォルトの色補正を実施する。
【0121】
そして、(N)頁目の印刷画像(印刷データ)と(N+3)頁目の階調パッチ400の画像(パッチ画像)を印刷する(S46)。階調パッチ400は、ステップS44で決定した形状とする。
【0122】
これに対し、ステップS42で(N+3)頁目に印刷データがないときには、制御部300は、パッチOFF設定し(S49)、その後、ステップS45に移行する。
【0123】
この場合には、ステップS45、S46で、一般的な画像処理と検査ユニット240の読み取り結果から算出した色補正を実施し、(N)頁目の印刷画像(印刷データ)を印刷するとき、階調パッチPは形成しない。
【0124】
その後、全頁印刷したか否かを判別し(S47)、全頁印刷していないときにはN=(N+1)とし(S48)、ステップS42に戻り、全頁印刷したときには処理を終了する。
【0125】
次に、本発明の第7実施形態について図19を参照して説明する。図19は同実施形態における階調パッチパターンの一例の説明図である。
【0126】
前記各実施形態では、各諧調パッチパターン400のなかの1つの階調パッチP同士の幅を異ならせる例であるが、本実施形態は、例えば、KCMYの全体の階調パッチパターン400を異ならせている。
【0127】
例えば、図19に示す階調パッチパターンでは、K用の階調パッチパターン400K全体(No.1~9)の幅を、M用の階調パッチパターン400M全体(No.1~9)の幅よりも大きく設定している。なお、この例では、Kの階調を多く、M(C,Y)が少ない、又は、無い場合としている。
【0128】
上述した各実施形態は、すべてのシート材に階調パッチを印刷するものに限られない。例えば、所定印刷枚数ごとに階調パッチを印刷するものであってもよい。5枚毎に階調パッチを印刷するのであれば、5枚目(10枚目、15枚目など)の印刷画像(印刷データ)に基づき階調パッチを、それぞれ先行するシート材に印刷する。また、所定条件を満たす印刷画像(印刷データ)のとき、先行するシート材に印刷するものであってもよい。
【符号の説明】
【0129】
200 画像形成装置
201 装置本体
202 スキャナ部
203 操作部
210 画像形成部
220 シート材搬送部
230 定着部
240 検査ユニット(読み取り手段)
300 制御部(制御をする手段)
S シート材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19