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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】3次元情報の決定
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20250311BHJP
   G01N 23/2251 20180101ALI20250311BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N23/2251
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021043156
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2021166284
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】16/821,831
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504144253
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アンナ レヴァント
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ビストリッツァー
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-027461(JP,A)
【文献】特開2010-283004(JP,A)
【文献】国際公開第2019/198143(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/02
G01N 23/2251
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の構造要素の3次元(3D)情報を予測するための方法であって、前記方法が、
基板の複数の異なるクラスの構造要素の3D情報を予測するために使用することができる複数の異なるモデルを記憶することであり、前記複数の異なるモデルにおける各モデルは、複数の異なる訓練基板が訓練基板のプロセスパラメータに関する情報に基づいて基板の異なるクラスに分類される訓練プロセス中に機械学習によって生成され、前記複数の異なるモデルにおける各モデルは、前記複数の異なるモデルにおける他のモデルが予測することができるクラスとは異なる基板のクラスに属する基板に関する3D情報を第1の事前定義された精度で予測することができる、複数の異なるモデルを記憶することと、
前記基板の前記構造要素の1つまたは複数の属性の第1のセットを生成するかまたは受け取ることであり、前記1つまたは複数の属性が、前記構造要素の走査型電子顕微鏡(SEM)画像に基づいて決定される、前記生成するかまたは受け取ることと、
1つまたは複数の属性の前記第1のセットと異なり得る1つまたは複数の属性の第2のセットに基づいて、少なくとも第2の事前定義された精度で基板の前記構造要素の前記3D情報を予測すると見込まれる関連モデル前記複数の異なるモデルから探索することと、
前記探索が関連モデルを特定する場合に、特定された関連モデル及び前記構造要素の1つまたは複数の属性の前記第1のセットを使用して、基板の前記構造要素の前記3D情報を予測することと、
前記探索が前記関連モデルを特定しない場合に、関連モデルを発見できなかったことに応答することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記発見できなかったことに前記応答することが、前記基板に基づいて新しいモデルを計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
異なるモデルが、訓練基板の異なるクラスを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
分類プロセスを適用することによって前記異なる訓練基板を分類することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記分類することが、前記異なる訓練基板に関連する製造情報に少なくとも部分的に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
特定のモデルが、互いに予測可能である訓練基板の特定のクラスを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記訓練基板が前記訓練基板の前記特定のクラスに含まれていることを検証することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記探索することが、(a)前記基板の前記構造要素の前記1つまたは複数の属性と、(b)前記多数のモデルの少なくとも一部の各モデルに関連づけられた1つまたは複数の属性との間の関係に基づいて、前記多数のモデルの前記少なくとも一部の予測の精度を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記探索することが、前記モデルの各々に関連する予測の信頼性レベルを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板の前記構造要素の前記1つまたは複数の属性が、前記基板の前記構造要素の異なるサイトのSEM画像の取得における差を補償することによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の前記構造要素の属性が、前記基板の構造要素のグループに関する情報を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板の構造要素の前記グループが、前記基板の単一のダイに属する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の属性が、前記基板の製造プロセスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
基板の構造要素の3次元(3D)情報を予測するための非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記非一時的コンピュータ可読媒体が、
基板の複数の異なるクラスの構造要素の3D情報を予測するために使用することができる複数の異なるモデルを記憶することであり、前記複数の異なるモデルにおける各モデルは、複数の異なる訓練基板が訓練基板のプロセスパラメータに関する情報に基づいて基板の異なるクラスに分類される訓練プロセス中に機械学習によって生成され、前記複数の異なるモデルにおける各モデルは、前記複数の異なるモデルにおける他のモデルが予測することができるクラスとは異なる基板のクラスに属する基板に関する3D情報を第1の事前定義された精度で予測することができる、複数の異なるモデルを記憶することと、
前記基板の前記構造要素の1つまたは複数の属性の第1のセットを生成するかまたは受け取ることであり、前記1つまたは複数の属性が、前記構造要素の走査型電子顕微鏡(SEM)画像に基づいて決定される、生成するかまたは受け取ることと、
1つまたは複数の属性の前記第1のセットと異なり得る1つまたは複数の属性の第2のセットに基づいて、少なくとも第2の事前定義された精度で基板の前記構造要素の前記3D情報を予測すると見込まれる関連モデル前記複数の異なるモデルから探索することと、
前記探索が関連モデルを特定する場合に、特定された関連モデル及び前記構造要素の1つまたは複数の属性の前記第1のセットを使用して、基板の前記構造要素の前記3D情報を予測することと、
前記探索が前記関連モデルを特定しない場合に、関連モデルを発見できなかったことに応答することと
を行うための命令を格納する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
基板の構造要素の3次元(3D)情報を予測するためのシステムであって、前記システムがプロセッサを含み、
前記プロセッサが、
基板の複数の異なるクラスの構造要素の3D情報を予測するために使用することができる複数の異なるモデルを記憶することであり、前記複数の異なるモデルにおける各モデルは、複数の異なる訓練基板が訓練基板のプロセスパラメータに関する情報に基づいて基板の異なるクラスに分類される訓練プロセス中に機械学習によって生成され、前記複数の異なるモデルにおける各モデルは、前記複数の異なるモデルにおける他のモデルが予測することができるクラスとは異なる基板のクラスに属する基板に関する3D情報を第1の事前定義された精度で予測することができる、複数の異なるモデルを記憶することと、
前記基板の前記構造要素の1つまたは複数の属性の第1のセットを生成するかまたは受け取ることであり、前記1つまたは複数の属性が、前記構造要素の走査型電子顕微鏡(SEM)画像に基づいて決定される、生成するかまたは受け取ることと、
1つまたは複数の属性の前記第1のセットと異なり得る1つまたは複数の属性の第2のセットに基づいて、少なくとも第2の事前定義された精度で基板の前記構造要素の前記3D情報を予測すると見込まれる関連モデル前記複数の異なるモデルから探索することと、
前記探索が関連モデルを特定する場合に、特定された関連モデル及び前記構造要素の1つまたは複数の属性の前記第1のセットを使用して、基板の前記構造要素の前記3D情報を予測することと、
前記探索が前記関連モデルを特定しない場合に、関連モデルを発見できなかったことに応答することと
を行うように構成される、システム。
【請求項16】
前記システムが、前記SEM画像を取得するように構成されたイメージャを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
1つまたは複数の属性の前記第1のセットは、前記基板の前記構造要素の属性に限定される一方、1つまたは複数の属性の前記第2のセットは、基板全体に関連する1つまたは複数の属性を含むことができる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数の属性の前記第1のセットは、前記基板の前記構造要素の属性に限定される一方、前記1つまたは複数の属性の前記第2のセットは、基板全体に関連する1つまたは複数の属性を含むことができる、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
1つまたは複数の属性の前記第1のセットは、前記基板の前記構造要素の属性に限定される一方、1つまたは複数の属性の前記第2のセットは、基板全体に関連する1つまたは複数の属性を含むことができる、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月17日に出願された米国特許出願第16/821,831号の優先権を主張する。この開示は、その全体が、すべての目的のために参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
3次元(3D)計測学は、半導体産業における新しい分野である。平面デバイスの縮小は、物理的限界に達しており、先進ノードは、デバイスの特徴密度を増加させるために3D設計に向かっている。これらの3D構造の信頼性の高い測定は、開発プロセスにとって非常に重要である。
【0003】
現在、光学限界寸法(OCD)が、3D非破壊測定の大部分を占めている。しかしながら、OCDは、特別に設計された周辺ターゲットでの測定に限定され、ダイ内測定を行うことができない。その上、OCDは、空間分解能が低く(約50μm)、周期構造しか測定できず、下層の影響を受けやすく、複雑で時間のかかる方策のセットアップを必要とする。
【0004】
基板の構造的特徴の3D情報を決定するための正確な方法を提供する必要性が増大している。
【発明の概要】
【0005】
3D情報を決定するための方法、非一時的コンピュータ可読媒体、およびシステムを提供することができる。
【0006】
本開示の実施形態とみなされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され明確に主張される。しかしながら、本開示の実施形態は、その目的、特徴、および利点とともに、構成と動作方法の両方に関して、添付の図面とともに読むとき、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】方法の一例を示す図である。
図2】方法の一例を示す図である。
図3】方法の一例を示す図である。
図4】方法および様々な走査型電子顕微鏡(SEM)画像ならびにデータ構造の一例を示す図である。
図5】ウエハ、ダイ、およびSEM画像の一例を示す図である。
図6】ウエハおよびシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明において、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。
【0009】
しかしながら、本開示の本実施形態がこれらの特定の詳細なしに実践され得ることが当業者には理解されるであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、構成要素は、本開示の本実施形態を曖昧にしないために詳細には説明されない。
【0010】
本開示の実施形態とみなされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され明確に主張される。しかしながら、本開示の実施形態は、その目的、特徴、および利点とともに、構成と動作方法の両方に関して、添付の図面とともに読むとき、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【0011】
例示を簡単および明瞭にするために、図に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解されよう。例えば、要素のうちのいくつかの寸法は、明瞭にするために他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合、対応するまたは類似する要素を示すために、図の間で、参照番号が繰り返される場合がある。
【0012】
本発明の例示の実施形態は、大部分、当業者に知られている電子構成要素および回路を使用して実現することができるので、本開示の本実施形態の基礎となる概念の理解および評価のためにならびに本開示の本実施形態の教示を不明瞭にしないためにまたは当該教示から逸らさないために、詳細は上述のように必要と考えられる範囲を超えては説明されないであろう。
【0013】
本明細書における方法へのいかなる言及も、方法を実行することができるシステムに、必要な変更を加えて、適用されるべきであり、非一時的であり、方法を実行するための命令を格納するコンピュータ可読媒体に、必要な変更を加えて、適用されるべきである。
【0014】
本明細書におけるシステムへのいかなる言及も、システムで実行することができる方法に、必要な変更を加えて、適用されるべきであり、非一時的であり、システムで実行可能な命令を格納するコンピュータ可読媒体に、必要な変更を加えて、適用されるべきである。
【0015】
非一時的であるコンピュータ可読媒体への本明細書におけるいかなる言及も、コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行するときに適用することができる方法に、必要な変更を加えて、適用されるべきであり、コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行するように構成されたシステムに、必要な変更を加えて、適用されるべきである。
【0016】
「および/または」という用語は、追加としてまたは代替としてを意味する。
【0017】
構造要素は、限定はしないがトランジスタ、トランジスタの一部、メモリセル、メモリセルの一部、導体の配置、絶縁体の配置などのナノメートルスケールの構造要素を意味する。
【0018】
基板の構造要素の3次元(3D)情報を決定するためのシステム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体を提供することができる。
【0019】
システム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体は、基板の構造要素に関連する3D情報以外の情報を決定するために、必要な変更を加えて、適用することができることに留意されたい。3D情報以外の情報は、SEM画像から直接正確に決定することができない情報である可能性がある。
【0020】
基板は、ウエハ、MEMS基板、ソーラーパネルなどとすることができる。
【0021】
様々な例において、説明を簡単にするために、基板はウエハであると想定される。
【0022】
図1は、基板の構造要素の3D情報を決定するための方法100を示す。
【0023】
方法100は、多数のモデルを生成するかまたは受け取るステップ105によって開始することができる。多数のモデルが、訓練プロセス中に生成される。モデルは、構造要素の1つまたは複数のSEM画像と、構造要素に関する3D情報との間の関係を表すことができる。
【0024】
ステップ105は、以下の中から少なくとも1つを含むことができる。
・ 分類プロセスを適用することによって異なる訓練基板を分類し、クラスごとにモデルを生成する。
・ 異なるモデルの推定される予測の精度に基づいて異なる訓練基板を分類する。
・ 異なるウエハのプロセスパラメータに関する情報に基づいて異なる訓練基板を分類する。
【0025】
ステップ105は、その後に、基板の構造要素の1つまたは複数の属性を生成するかまたは受け取るステップ110に続くことができる。
【0026】
1つまたは複数の属性は、構造要素のSEM画像に基づいて決定される。
【0027】
したがって、ステップ110は、構造要素の1つまたは複数の属性を生成することを含むことができる。追加としてまたは代替として、ステップ110は、構造要素の1つまたは複数の属性を受け取ることを含むことができる。
【0028】
ステップ110は、SEM画像取得プロセス限界を補償することを含むことができる。例えば、単一のSEM画像の比較的低い信号対雑音比を補償すること。
【0029】
基板の構造要素の属性は、基板の構造要素のグループに関する情報を表すことができる。例えば、属性は、ダイごとに計算することができる。
【0030】
構造要素のグループは、基板の単一のダイの構造要素のすべてまたは一部のみを含むことができる。1つまたは複数の属性は、モデルに基づいて、および/または機械学習技法に基づいて生成することができる。
【0031】
構造要素のグループは、基板の構造要素のすべてまたは一部のみを含むことができる。
【0032】
構造要素のグループは、同じ3D情報単位で表されるすべての構造要素を含むことができる。
【0033】
構造要素のグループは、同じ構造要素の多数のインスタンスとすることができる。
【0034】
ステップ110は、その後に、多数のモデルの中から、少なくとも事前定義された精度で基板の構造要素の3D情報を予測すると見込まれる関連モデルを探索するステップ120に続くことができる。
【0035】
事前定義された精度は、基板の製造業者によって、計測学システムのオペレータによって、および/または任意の方法で決定することができる。
【0036】
モデルは、機械学習を適用することによって生成することができる。
【0037】
モデルの少なくとも一部は、訓練プロセス中に生成することができる。訓練プロセスは、訓練基板の構造要素の1つまたは複数の属性を受け取るかまたは生成することと、さらに、訓練基板の構造要素の少なくとも一部に関する3D情報を受け取るかまたは生成することとを含むことができる。
【0038】
3D情報は、様々な方法で、例えば、ダイをミリングし、ミリングされたダイの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を得ることによって、提供することができる。
【0039】
モデルは、訓練プロセス中に、(a)訓練基板の構造要素の1つまたは複数の属性、および(b)訓練基板の構造要素の少なくとも一部に関する3D情報に基づいて生成することができる。
【0040】
異なるモデルは、訓練基板の異なるクラスを表すことができる。クラスは、異なるモデルを使用することによって得られた予測の精度に基づいて決定することができる。
【0041】
モデルは、1つまたは複数の訓練基板のクラスに関連づけることができる。
【0042】
モデルは、少なくとも事前定義された精度で、モデルに関連づけられた訓練基板のクラスに属する基板に関する3D情報を予測する。
【0043】
したがって、特定のクラスに関連づけられたモデルは、少なくとも事前定義された精度で、特定のクラスに関連づけられていない基板に関する3D情報を予測できない可能性がある。
【0044】
特定の基板に関連するモデルの予測精度は、(a)特定の基板の構造要素の1つまたは複数の属性と、(b)モデルに関連づけられた訓練基板の構造要素の1つまたは複数の属性との間の関係に基づいて決定することができる。
【0045】
関連モデルの探索は、(a)特定の基板の構造要素の1つまたは複数の属性と、(b)モデルに関連づけられた訓練基板の構造要素の1つまたは複数の属性との間の関係を検査する照合プロセスとすることができる。
【0046】
この関係は、例えば、1つまたは複数の属性の間の類似性などとすることができる。
【0047】
類似性が事前定義された閾値よりも低い場合、モデルの予測精度は、不十分であるとみなされ得る。
【0048】
差分二乗和探索(SD)、マハラノビス距離の計算、KLダイバージェンス、または他の回帰プロセスなどの様々な照合プロセスを適用することができる。
【0049】
異なるクラスに異なるモデルを使用すると、方法の精度が向上し、モデル重複およびマルチモダリティなどの問題が克服されることが見いだされた。モデル重複は、類似した1つまたは複数の属性の異なる基板が3D情報の異なる値にマッピングされるときに生じる。マルチモダリティは、異なる1つまたは複数の属性の異なる基板が3D情報の同じ値にマッピングされるときに生じる。
【0050】
探索(ステップ120)により、いくつかの結果が得られる可能性がある。
【0051】
第1の結果は、関連モデルを発見することである。多数の関連モデルが発見された場合、発見された関連モデルのうちの1つを選択することができる。
【0052】
第1の結果は、関連モデルを使用して基板の構造要素の3D情報を予測するステップ130につながる。
【0053】
第2の結果は、関連モデルを発見できないことである。この場合、多数の関連モデルのいずれも、基板の構造要素の3D情報を正確に予測する(少なくとも事前定義された精度で予測する)ことができないと想定される。
【0054】
第2の結果は、関連モデルを発見できなかったことに応答するステップ140につながる。
【0055】
ステップ140は、以下の中から少なくとも1つを含むことができる。
・ 基板の構造要素の3D情報を予測できないようにする。
・ 基板の構造要素の3D情報を予測するが、その予測に低い確実性レベルを割り当てる。
・ 基板に基づいて新しいモデルを計算する。これには、基板の3D情報を得ることが必要とされることになる。
・ 基板に基づいて新しいモデルを計算するように要請する。
・ 失敗表示を生成する。
【0056】
図2は、方法200の一例を示す。
【0057】
以下のことが想定されている。
・ 訓練基板は訓練ウエハである。
・ 各訓練ウエハはダイのセットを含む。
・ ウエハごとに、ダイの第1のセットは3D情報を有しており、ダイの第2のセットは3D情報を有していない。
・ ダイの第1のセットの各ダイは、3D情報単位によって表される。
・ 基板の構造要素の属性は、ダイ全体の構造要素を表す。
【0058】
これらの想定の下で、訓練ウエハに関連づけられたモデルは、ダイの第1のセットに関する1つまたは複数の属性および3D情報に基づいて生成される。訓練ステップ中に、属性を決定することができる。属性(少なくとも一部)および分かっている3D情報(基底状態)値、ならびにオプションとして任意のプロセス情報を使用して、多数のモデルが生成される。訓練ステップは、すべての訓練基板(ウエハ)に基づいて、属性自体を決定することと、それらのすべてを使用することとを含む。
【0059】
テストまたは推測ステップ中に、テストされるウエハの属性を使用して、関連モデルが発見される。そのような関連モデルが発見された場合、特定の構造の属性(すべてまたはサブセット)を関連モデルに供給することができる。
【0060】
関連モデルの探索は、ウエハ全体に関連する1つまたは複数の属性に基づくことができる。
【0061】
方法200は、多数のモデルを生成するかまたは受け取るステップ205によって開始することができる。多数のモデルが、訓練プロセス中に生成される。
【0062】
ステップ205は、その後に、特定のウエハの構造要素の1つまたは複数の属性を生成するかまたは受け取るステップ210に続くことができる。
【0063】
ステップ210は、その後に、多数のモデルの中から、少なくとも事前定義された精度で特定のウエハの構造要素の3D情報を予測すると見込まれる関連モデルを探索するステップ220に続くことができる。
【0064】
ステップ220は、(a)特定のウエハの構造要素の1つまたは複数の属性と、(b)訓練ウエハの異なるクラスに関連づけられたテストウエハの構造要素の1つまたは複数の属性との間の関係を決定することを含むことができる。
【0065】
この関係は、(a)特定のウエハの構造要素の1つまたは複数の属性と、(b)訓練ウエハの異なるクラスに関連づけられたテストウエハの構造要素の1つまたは複数の属性との間の類似性を表すことができる。
【0066】
特定のクラスに関して、類似性が事前定義された類似性閾値よりも高い場合、特定のクラスに関連づけられたモデルは、関連モデルであるとみなすことができる。
【0067】
関連モデルを発見した場合、ステップ220は、その後に、関連モデルを使用して特定のウエハの構造要素の3D情報を予測するステップ230に続く。
【0068】
さもなければ、ステップ220は、発見できなかったことに応答するステップ240に続く。
【0069】
図3は、ダイの構造要素の1つまたは複数の属性を生成するための方法300を示す。
【0070】
方法300は、SEM画像の信号対雑音を向上させ、異なるサイトのSEM画像間のあり得るSEMイメージング由来の変化(サイトを照射する電子ビームの強度、または電子の照射および/または収集中の他の変化など)を補償する様々なステップを示す。他のステップが用意されてもよい。
【0071】
方法300は、ウエハの多数のサイトのSEM画像を受け取るかまたは生成するステップ310によって開始することができる。多数のサイトは、ウエハ全体をカバーしてもよく、またはウエハの1つまたは複数の部分のみをカバーしてもよい。
【0072】
ステップ310は、その後に、注目する構造要素を含むパッチの位置を突き止める、特に、特定の構造要素の多数のインスタンスを含むSEM画像におけるパッチの位置を突き止めるステップ320に続くことができる。パッチは、2次元パッチとすることができる。
【0073】
ステップ320は、その後に、サイトごとのサイト平均パッチを提供するために各サイトのパッチを平均化するステップ330に続くことができる。
【0074】
ステップ330は、その後に、各サイト平均パッチをサイトベクトルに変換するステップ340に続くことができる。これは、例えば、列ごとのサイトベクトル要素を提供するために、サイト平均パッチの各画素列を平均化することによって行うことができる。
【0075】
ステップ340は、その後に、各サイトベクトルを正規化するステップ350に続くことができる。
【0076】
ステップ350は、その後に、ダイごとのダイベクトルを提供するために各ダイのサイトベクトルを平均化するステップ360に続くことができる。
【0077】
ステップ360は、その後に、ダイごとのダイベクトルを表したウエハ属性を生成するステップ370に続くことができる。ウエハ属性はマトリクスであり得る。
【0078】
図4は、方法400、ならびに様々なSEM画像およびデータ構造の一例を示す。
【0079】
訓練ウエハの2つのクラスおよび2つの訓練モジュール、すなわち、第1のモデル405および第2のモデル406があることが想定される(説明の便宜のためにのみ)。訓練ウエハの第1のクラスは、第1の3D情報401および第1の属性403によって表される。訓練ウエハの第2のクラスは、第2の3D情報402および第2の属性404によって表される。2つを超えるクラスがあってもよい。
【0080】
新しいウエハの1つまたは複数の新しいSEM画像410が受け取られる。
【0081】
1つまたは複数のSEM画像は、1つまたは複数の属性412を生成することによって処理される。生成された1つまたは複数の属性は、関連モデルを探索するステップ414に送られる。成功した場合、ステップ414は、その後に、新しいウエハの3D情報を生成するために、関連モデル(第1のモデルまたは第2のモデルとすることができる)を適用するステップ416に続く。さもなければ、ステップ414は、その後に、1つまたは複数のSEM画像および3D情報に基づいて新しいモデルを生成するように要請するステップ418に続く。
【0082】
図5は、ウエハ514、ダイ512、およびダイのサイトのうちの1つのSEM画像510の一例を示す。
【0083】
図6は、ウエハ514と、イメージャ710およびプロセッサ720を含むシステム500とを示す。
【0084】
プロセッサは、マイクロプロセッサ、グラフィック処理ユニット、ハードウェアアクセラレータ、中央処理装置、ニューラルネットワークプロセッサ、画像プロセッサなどのような1つまたは複数の処理回路を含むことができる。プロセッサは、本明細書に示される方法のうちのいずれかの任意のステップを実行するためにプログラムする(または別の方法で構築および用意または構成する)ことができる。
【0085】
システムは、情報、および/または命令および/またはモデルおよび/または1つまたは複数の属性を格納するためのメモリユニット、例えば、揮発性または不揮発性メモリユニットなどをさらに含むことができる。メモリユニットは、非一時的コンピュータ可読媒体の一例である。
【0086】
イメージャ710は、電子ビームイメージャ、電子ビーム顕微鏡、イオン顕微鏡、イオンイメージャなどとすることができる。電子ビーム顕微鏡は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などとすることができる。
【0087】
システム700は、方法100、200、300、および400のうちの少なくとも1つを実行するように構成することができる。
【0088】
イメージャは、SEM画像を生成するように構成され、一方、プロセッサ200は、方法100、200、300、および400のうちの少なくとも1つの他のステップを実行するように構成することができる。
【0089】
以上の記述において、本開示の実施形態が、本開示の実施形態の特定の例を参照して説明された。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載された本開示の実施形態のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変形および変更がその中で行われてもよいことが明らかであろう。
【0090】
同じ機能を達成するための構成要素の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連づけ」られる。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるように互いに「関連づけられている」とみなすことができる。同様に、そのように関連づけられた2つの構成要素は、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に接続されている」または「動作可能に結合されている」とみなすこともできる。
【0091】
さらに、上述の動作間の境界は単に例示であることを当業者は認識されよう。多数の動作は、単一の動作に組み合わされてもよく、単一の動作は、追加の動作に分散されてもよく、動作は、少なくとも部分的に時間的に重複して実行されてもよい。その上、代替の実施形態は、特定の動作の多数のインスタンスを含んでもよく、動作の順序は、様々な他の実施形態では変更されてもよい。
【0092】
さらに、例えば、1つの実施形態では、例示の例は、単一の集積回路にまたは同じデバイス内に配置された回路として実現されてもよい。代替として、その例は、適切な方法で互いに相互接続された任意の数の別個の集積回路または別個のデバイスとして実現されてもよい。
【0093】
しかしながら、他の変形、変更、および代替も可能である。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味とみなされるべきである。
【0094】
特許請求の範囲において、括弧間に置かれた参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されないものとする。「備える、含む(comprising)」という単語は、請求項にリストされているもの以外の他の要素またはステップの存在を排除しない。さらに、本明細書で使用される「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。さらに、特許請求の範囲における「少なくとも1つ」および「1つまたは複数である」などの導入句の使用は、「1つの(a)」または「1つの(an)」という不定冠詞による別の請求項要素の導入が、そのような導入された請求項要素を含む特定の請求項を、たとえ同じ請求項が「1つまたは複数の」または「少なくとも1つ」という導入句および「1つの(a)」または「1つの(an)」などの不定冠詞を含む場合であっても、1つのそのような要素のみを含む本開示の実施形態に限定することを暗示するように解釈されるべきでない。同じことが、定冠詞の使用にも当てはまる。特に明記されない限り、「第1の」および「第2の」などの用語は、そのような用語が記載する要素間を便宜的に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的なまたは他の優先順位付けを示すように意図されていない。特定の手段が互いに異なる請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを示していない。
【0095】
本開示の実施形態の特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、多くの変形、置換、変更、および等価物が、当業者に思い浮かぶであろう。それゆえに、添付の特許請求の範囲は、本開示の実施形態の真の趣旨に入るようなすべての変形および変更を包含するように意図されていることを理解されたい。
【0096】
図のいずれか、本明細書のいずれかの部分、および/またはいずれかの請求項に列挙されているモジュールまたはユニットの任意の組合せを提供することができる。特に、請求された特徴の任意の組合せを提供することができる。
【0097】
「含む(comprising)」または「有する(having)」という用語への言及は、「からなる(consisting of)」、「本質的に~からなる(essentially consisting of)」を指すようにも解釈されるべきである。例えば、特定のステップを含む方法は、それぞれ、追加のステップを含むことができ、特定のステップに限定することができ、または方法の基本的なおよび新規の特性に実質的に影響を与えない追加のステップを含むことができる。
【0098】
実施形態はまた、コンピュータシステムなどのプログラム可能な装置で作動するときに実施形態による方法のステップを実行するための少なくともコード部分を含む、または実施形態によるデバイスまたはシステムの機能をプログラム可能な装置に実行させることができる、コンピュータシステムで作動するためのコンピュータプログラムに実装することができる。コンピュータプログラムにより、ストレージシステムは、ディスクドライブをディスクドライブグループに割り当てることができる。
【0099】
コンピュータプログラムは、特定のアプリケーションプログラムおよび/またはオペレーティングシステムなどの命令のリストである。コンピュータプログラム、例えば、サブルーチン、関数、プロシージャ、オブジェクトメソッド、オブジェクト実装、実行可能なアプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共用ライブラリ/ダイナミックロードライブラリ、および/またはコンピュータシステムで実行するように設計された他の命令のシーケンスのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0100】
コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体などのコンピュータプログラム製品に内部的に格納することができる。コンピュータプログラムのすべてまたは一部は、情報処理システムに恒久的に、取外し可能に、またはリモートで結合された非一時的コンピュータ可読媒体に提供することができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、例えば、限定ではなく、以下から任意の数のものを含むことができる。ディスクおよびテープストレージ媒体を含む磁気ストレージ媒体、コンパクトディスク媒体(例えば、CDROM、CDRなど)およびデジタルビデオディスクストレージ媒体などの光学ストレージ媒体、FLASHメモリ、EEPROM、EPROM、ROMなどの半導体ベースのメモリユニットを含む不揮発性メモリストレージ媒体、強磁性デジタルメモリ、MRAM、レジスタ、バッファまたはキャッシュ、メインメモリ、RAMなどを含む揮発性ストレージ媒体。コンピュータプロセスは、一般に、実行している(作動している)プログラムまたはプログラムの一部、現在のプログラム値および状態情報、ならびにプロセスの実行を管理するためにオペレーティングシステムにより使用されるリソースを含む。オペレーティングシステム(OS)は、コンピュータのリソースの共有を管理し、それらのリソースにアクセスするために使用されるインターフェースをプログラマに提供するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、システムデータおよびユーザ入力を処理し、タスクおよび内部システムリソースをサービスとしてシステムのユーザおよびプログラムに配分し管理することによって応答する。コンピュータシステムは、例えば、少なくとも1つの処理ユニット、関連づけられたメモリ、およびいくつかの入力/出力(I/O)デバイスを含むことができる。コンピュータプログラムを実行するとき、コンピュータシステムは、コンピュータプログラムに従って情報を処理し、結果としての出力情報をI/Oデバイスを介して生成する。
【0101】
以上の記述は、1つまたは複数の実施形態の特定の例を含む。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載されるような1つまたは複数の実施形態のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変形および変更がその中で行われてもよいことが明らかであろう。
【符号の説明】
【0102】
100、200、300、400 方法
401 第1の3D情報
402 第2の3D情報
403 第1の属性
404 第2の属性
405 第1のモデル
406 第2のモデル
410 1つまたは複数の新しいSEM画像
500 システム
510 SEM画像
512 ダイ
514 ウエハ
700 システム
710 イメージャ
720 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6