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特許7649377傾斜ゲート・トレンチを含むパワー半導体デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】傾斜ゲート・トレンチを含むパワー半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/66 20250101AFI20250312BHJP
   H10D 30/01 20250101ALI20250312BHJP
   H10D 84/80 20250101ALI20250312BHJP
【FI】
H10D30/66 101H
H10D30/01 301A
H10D30/01 301F
H10D30/01 301G
H10D30/66 101F
H10D30/66 101T
H10D30/66 102G
H10D30/66 102S
H10D30/66 103S
H10D30/66 201A
H10D84/80 203D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023524534
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2021056528
(87)【国際公開番号】W WO2022093727
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】17/082,647
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/172,481
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/383,696
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウンスン
(72)【発明者】
【氏名】リヒテンヴァルナ―、ダニエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リュー、セイ - ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イスラム、ネーム
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン ザ サード、トーマス イー.
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-040987(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225600(WO,A1)
【文献】特開2019-087612(JP,A)
【文献】国際公開第2019/159351(WO,A1)
【文献】特開2012-178536(JP,A)
【文献】特開2020-096082(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111370486(CN,A)
【文献】特開2017-195224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10D 30/66
H10D 30/01
H10D 84/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域を備える半導体層構造であって、前記ドリフト領域が第1の導電型を有する、半導体層構造と、
前記半導体層構造の上部にあるゲート・トレンチであって、前記ゲート・トレンチが、第1の方向に延在する長手方向軸を有するとともに、それぞれが前記長手方向軸と平行に延在する対向する第1及び第2の側壁を備え、対向する前記第1及び第2の側壁の上側端部間の距離が一定である、ゲート・トレンチと、
前記ドリフト領域の上方の前記半導体層構造の前記上部における前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2のウェル領域であって、前記第1のウェル領域が前記第1の側壁の一部を構成し、前記第2のウェル領域が前記第2の側壁の一部を構成する、第1及び第2のウェル領域と、
前記第1及び第2のウェル領域のそれぞれの上に前記第1の導電型を有する第1及び第2のソース領域と、
前記ゲート・トレンチの下方の前記半導体層構造に前記第2の導電型を有する深い遮蔽領域と、
前記半導体層構造の前記上部に前記第2の導電型を有し、前記第1の方向に沿って互いに離間された複数の深い遮蔽接続パターンであって、それぞれの深い遮蔽接続パターンが、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、それぞれの深い遮蔽接続パターンが、前記ゲート・トレンチの前記第1の側壁の一部を構築するとともに、前記ゲート・トレンチの前記第2の側壁の一部を構築する、複数の深い遮蔽接続パターンと
を備え、
前記深い遮蔽接続パターンが、前記深い遮蔽領域を前記第1及び第2のウェル領域に電気的に接続し、
前記深い遮蔽接続パターンが、前記第1のソース領域の上部を複数の離間したセグメントに細分割し、前記第2のソース領域の上部を複数の離間したセグメントに細分割する、パワー半導体デバイス。
【請求項2】
前記ゲート・トレンチの前記第1及び第2の側壁に前記第1の導電型を有する複数の半導体チャネル領域を更に備え、前記半導体チャネル領域が、隣接する深い遮蔽接続パターン間に位置される、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項3】
それぞれの深い遮蔽接続パターンが、前記第2の方向に連続したストライプとして延在する、請求項2に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項4】
前記深い遮蔽接続パターンが、前記第1及び第2ウェル領域よりも高いドーピング濃度を有する、請求項3に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項5】
前記深い遮蔽接続パターンが、前記半導体層構造の上面まで延在する、請求項3に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項6】
前記深い遮蔽接続パターンが、前記第1及び第2のソース領域よりも高いドーピング濃度を有する、請求項3に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項7】
前記第2の方向に沿ってそれぞれの深い遮蔽接続パターンと位置合わせされる前記深い遮蔽領域の部分が、前記深い遮蔽領域の残りの部分よりも第2の導電型ドーパントのドーピング濃度が高い、請求項3に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項8】
前記ゲート・トレンチの下端面と前記第1及び第2の側壁とを覆う前記ゲート・トレンチ内のゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上の前記ゲート・トレンチ内のゲート電極と、
前記第1のソース領域、前記第2のソース領域、及び前記深い遮蔽接続パターンに直接接触する第1のソース/ドレイン接点と、
前記半導体層構造の下面上の第2のソース/ドレイン接点と
を更に備える、請求項2に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項9】
前記第2の方向が、前記第1の方向に対して実質的に垂直である、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項10】
前記半導体層構造の前記上部にある更なる複数のゲート・トレンチであって、前記更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれが、前記第1の方向に延在するそれぞれの対向する第1及び第2の側壁を備える、更なる複数のゲート・トレンチと、
前記更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれの下方の前記半導体層構造に前記第2の導電型を有する更なる複数の深い遮蔽領域であって、それぞれの深い遮蔽接続パターンが、前記第2の方向に連続的に延在するとともに、前記更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれの前記第1の側壁及び前記第2の側壁の両方に形成される、更なる複数の深い遮蔽領域と、
前記更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれの前記第1及び第2の側壁に前記第1の導電型を有する更なる複数の半導体チャネル領域であって、前記半導体チャネル領域が、前記更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれにおける隣接する深い遮蔽接続パターン間に位置される、更なる複数の半導体チャネル領域と
を更に備える、請求項3に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項11】
それぞれの深い遮蔽接続パターンが、前記ゲート・トレンチと少なくとも同じ深さまで延在し、前記半導体層構造の上面まで延在するp型材料のストライプを備える、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項12】
それぞれの深い遮蔽接続パターンが、前記第1及び第2のソース領域のそれぞれの部分の上面及び側面を取り囲む、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年7月23日に出願された米国特許出願第17/383,696号、2021年2月10日に出願された米国特許出願第17/172,481号、及び2020年10月28日に出願された米国特許出願第17/082,647号に対する優先権を主張し、これらの特許出願のそれぞれの内容全体は参照により本願に組み入れられる。
【0002】
本発明は、パワー半導体デバイスに関し、より詳細には、ゲート・トレンチを有するパワー半導体デバイス及びそのようなデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属絶縁半導体電界効果トランジスタ(「MISFET」)は、スイッチング・デバイスとして使用できる周知のタイプの半導体トランジスタである。MISFETは、ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、及び半導体本体を有する3端子デバイスである。ソース領域及びドレイン領域は、チャネル領域によって分離される半導体本体内に形成され、ゲート電極(ゲート端子として作用し得る又はゲート端子に電気的に接続され得る)がチャネル領域に隣接して配置される。MISFETは、ゲート電極にバイアス電圧を印加することによってオン又はオフにされ得る。MISFETがオンになる(すなわち、MISFETがその「オン状態」にある)とき、電流が、ソース領域とドレイン領域との間のMISFETのチャネル領域を通じて伝導される。バイアス電圧がゲート電極から取り除かれると(又は閾値レベルよりも低くなると)、電流がチャネル領域を通じて伝導しなくなる。n型MISFETは、n型ソース及びドレイン領域と、p型チャネルとを有する。したがって、n型MISFETは、「n-p-n」形態を有する。n型MISFETは、n型ソース及びドレイン領域同士を電気的に接続するp型チャネル領域に導電性n型反転層を形成するのに十分なゲート・バイアス電圧がゲート電極に印加されるとオンになり、それにより、それらの間の多数キャリア伝導を可能にする。パワーMISFETのゲート電極は、一般に、薄いゲート誘電体層によってチャネル領域から分離される。p型MISFETは、「p-n-p」形態を有し、p型ソース及びドレイン領域同士を電気的に接続するn型チャネル領域に導電性のp型反転層を形成するのに十分なゲート・バイアス電圧がゲート電極に印加されるとオンになる。
【0004】
一部の用途において、MISFETは、大電流を運ぶ必要があり、及び/又は高電圧を遮断できる必要がある。そのようなMISFETは、しばしば「パワー」MISFETと称される。パワーMISFETは、炭化ケイ素(「SiC」)又は窒化ガリウム(「GaN」)ベースの半導体材料などのワイド・バンド・ギャップ半導体材料から製造されることが多い。ここで、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料とは、1.40eVよりも大きいバンド・ギャップを有する半導体材料を指す。一般に、パワーMISFETは、シリコン酸化物層などの酸化物層を使用して薄いゲート誘電体層を実装する。酸化物ゲート誘電体層を含むパワーMISFETは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)と呼ばれる。
【0005】
パワー半導体デバイスは、横型構造又は縦型構造を有することができる。横型構造を有するデバイスにおいて、デバイスの端子(例えば、パワーMOSFETデバイスにおけるドレイン端子、ゲート端子、及びソース端子)は、半導体層構造の同じ主面(つまり、上端又は下端)上にある。これに対し、縦型構造を有するデバイスでは、半導体層構造の各主面に少なくとも1つの端子が設けられる(例えば、縦型MOSFETデバイスでは、ソースが半導体層構造の上端面にあってもよく、ドレインが半導体層構造の下端面にあってもよい)。半導体層構造は、成長基板などの下層基板を含んでも含まなくてもよい。ここで、「半導体層構造」という用語は、半導体基板及び/又は半導体エピタキシャル層などの1つ以上の半導体層を含む構造を指す。
【0006】
従来のパワー半導体デバイスは、一般に、第1の導電型を有する炭化ケイ素基板などの半導体基板(例えば、n型基板)を有し、該基板上に第1の導電型(例えば、n型)を有するエピタキシャル層構造が形成される。このエピタキシャル層構造の一部(1つ以上の別個の層を含むことができる)は、パワー半導体デバイスのドリフト領域として機能する。デバイスは、一般に、pn接合などの接合を有する1つ以上のパワー半導体デバイスを含む「アクティブ領域」を含む。アクティブ領域は、ドリフト領域上及び/又はドリフト領域内に形成されてもよい。アクティブ領域は、逆バイアス方向の電圧を遮断し、順バイアス方向に電流を流すための主接合部として機能する。また、パワー半導体デバイスは、アクティブ領域に隣接する終端領域にエッジ終端を有することもできる。1つ以上のパワー半導体デバイスを基板上に形成することができ、各パワー半導体デバイスは、一般に、それ自体のエッジ終端を有する。基板が完全に処理された後、結果として得られる構造をダイシングして、個々のエッジ終端パワー半導体デバイスを分離することができる。パワー半導体デバイスは、並列に電気的に接続されて一緒に単一のパワー半導体デバイスとして機能する複数の個別の「ユニットセル」デバイスを各パワー半導体デバイスのアクティブ領域が含むユニットセル構造を有することができる。
【0007】
MOSFETトランジスタを含む縦型パワー半導体デバイスは、トランジスタのゲート電極が半導体層構造の上に形成される標準的なゲート電極形態を有することができ、或いは、半導体層構造内のトレンチに埋め込まれたゲート電極を有することができる。埋め込みゲート電極を有するMOSFETは、一般に、ゲート・トレンチMOSFETと呼ばれる。標準的なゲート電極形態の場合、各ユニットセル・トランジスタのチャネル領域は、ゲート電極下に水平に配置される。これに対し、ゲート・トレンチMOSFET形態では、チャネルが垂直に配置される。ゲート・トレンチMOSFETは性能の向上をもたらすが、一般に、より複雑な製造プロセスを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域を備える半導体層構造であって、ドリフト領域が第1の導電型を有する、半導体層構造と、半導体層構造の上部にあるゲート・トレンチであって、第1の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、それぞれが長手方向軸と平行に延びる第1及び第2の両側の側壁を備える、ゲート・トレンチと、ドリフト領域の上方の半導体層構造の上部における第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2のウェル領域であって、第1のウェル領域が第1の側壁の一部を構成し、第2のウェル領域が第2の側壁の一部を構成する、第1及び第2のウェル領域と、ゲート・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する深い遮蔽領域と、半導体層構造の上部に第2の導電型を有し、第1の方向に沿って互いに離間された複数の深い遮蔽接続パターンであって、それぞれの深い遮蔽接続パターンが第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、それぞれの深い遮蔽接続パターンが、ゲート・トレンチの第1の側壁の一部を構築するとともに、ゲート・トレンチの第2の側壁の一部を構築する、複数の深い遮蔽接続パターンとを含むパワー半導体デバイスが提供される。深い遮蔽接続パターンは、深い遮蔽領域を第1及び第2のウェル領域に電気的に接続する。
【0009】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ゲート・トレンチの第1及び第2の側壁に第1の導電型を有する複数の半導体チャネル領域を更に備え、半導体チャネル領域は、隣接する深い遮蔽接続パターン間に位置される。
【0010】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、第1及び第2のウェル領域のそれぞれの上に第1の導電型を有する第1及び第2のソース領域を更に備える。
【0011】
幾つかの実施例において、深い遮蔽接続パターンは、第1及び第2ウェル領域よりも高いドーピング濃度を有する。幾つかの実施例において、深い遮蔽接続パターンは、半導体層構造の上面まで延在する。幾つかの実施例において、深い遮蔽接続パターンは、第1のソース領域を複数の離間したセグメントに細分割し、第2のソース領域を複数の離間したセグメントに細分割する。幾つかの実施例において、第2の方向に沿ってそれぞれの深い遮蔽接続パターンと位置合わせされる深い遮蔽領域の部分は、深い遮蔽領域の残りの部分よりも第2の導電型ドーパントのドーピング濃度が高い。
【0012】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ゲート・トレンチの下端面と第1及び第2の側壁とを覆うゲート・トレンチ内のゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上のゲート・トレンチ内のゲート電極と、第1のソース領域、第2のソース領域、及び深い遮蔽接続パターンに直接接触する第1のソース/ドレイン接点と、半導体層構造の下面上の第2のソース/ドレイン接点とを更に備える。
【0013】
幾つかの実施例では、第2の方向が第1の方向に対して実質的に垂直である。
【0014】
幾つかの実施例では、ワイド・バンド・ギャップ半導体が炭化ケイ素を含む。
【0015】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、半導体層構造の上部にある更なる複数のゲート・トレンチであって、更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれが、第1の方向に延びるそれぞれの第1及び第2の両側の側壁を備える、更なる複数のゲート・トレンチと、それぞれの更なる複数のゲート・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する更なる複数の深い遮蔽領域とを更に備える。そのような実施例において、それぞれの深い遮蔽接続パターンは、第2の方向に連続的に延在するとともに、それぞれの更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれの第1の側壁及び第2の側壁の両方に形成される。半導体デバイスは、それぞれの更なる複数のゲート・トレンチの第1及び第2の側壁に第1の導電型を有する更なる複数の半導体チャネル領域を更に含んでもよく、半導体チャネル領域は、更なる複数のゲート・トレンチのそれぞれにおける隣接する深い遮蔽接続パターン間に位置される。
【0016】
幾つかの実施例において、第1及び第2のソース領域は、それぞれの第1及び第2のウェル領域の上面を完全に覆う。
【0017】
本発明の更なる実施例にしたがって、第1の導電型を有するワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域を備える半導体層構造と、半導体層構造の上部にある複数のゲート・トレンチであって、各ゲート・トレンチが、第1の方向に延在する長手方向軸を有するとともに、それぞれが第1の方向に延在する第1及び第2の両側の側壁を備える、複数のゲート・トレンチと、半導体層構造の上部にある複数のソース・トレンチであって、各ソース・トレンチが、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、それぞれが第2の方向に延びる第1及び第2の両側の側壁を備える、複数のソース・トレンチと、それぞれのソース・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する複数の深い遮蔽領域とを備えるパワー半導体デバイスが提供される。
【0018】
幾つかの実施例では、金属ソース接点がソース・トレンチ内へ延在する。
【0019】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、それぞれのゲート・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する複数の更なる深い遮蔽領域を更に備える。
【0020】
幾つかの実施例において、各ゲート・トレンチは、複数の離間した同一線上のゲート・トレンチ・セグメントを備えるセグメント化されたゲート・トレンチを備える。
【0021】
幾つかの実施例において、各ソース・トレンチは、複数の離間した同一線上のソース・トレンチ・セグメントを備えるセグメント化されたソース・トレンチを備える。幾つかの実施例では、各ソース・トレンチが連続したソース・トレンチを備える。幾つかの実施例において、各ソース・トレンチは、複数の離間した同一線上のソース・トレンチ・セグメントを備えるセグメント化されたソース・トレンチを備える。
【0022】
幾つかの実施例において、各ゲート・トレンチは、複数の離間した同一線上のゲート・トレンチ・セグメントを備えるセグメント化されたゲート・トレンチを備える。幾つかの実施例では、各ゲート・トレンチが連続したゲート・トレンチを備える。
【0023】
幾つかの実施例において、半導体層構造は、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する複数のウェル領域を更に備え、ウェル領域がドリフト領域の上面にあり、金属ソース接点が深い遮蔽領域をウェル領域に電気的に接続する。
【0024】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ウェル領域の上面上に第1の導電型を有するソース領域を更に備える。
【0025】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、各ゲート・トレンチ内のゲート電極と、ゲート電極の側壁を金属ソース接点から電気的に絶縁する誘電体パターンとを更に備える。
【0026】
幾つかの実施例では、第2の方向が第1の方向に対して実質的に垂直である。
【0027】
幾つかの実施例では、ワイド・バンド・ギャップ半導体が炭化ケイ素を含む。
【0028】
本発明の更なる他の実施例にしたがって、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域を備える半導体層構造であって、ドリフト領域が第1の導電型を有する、半導体層構造と、半導体層構造の上部にあるゲート・トレンチであって、第1の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、それぞれが第1の方向に延びる第1及び第2の反対側の側壁を備える、ゲート・トレンチと、ゲート・トレンチの第1の側壁上の第1のゲート電極と、ゲート・トレンチの第2の側壁上の第2のゲート電極と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のゲート・トレンチ内のソース接点とを含むパワー半導体デバイスが提供される。
【0029】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ゲート・トレンチの第1の側壁と第1のゲート電極との間の第1のゲート誘電体層と、ゲート・トレンチの第2の側壁と第2のゲート電極との間の第2のゲート誘電体層とを更に備える。
【0030】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ゲート・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する深い遮蔽領域を更に備える。
【0031】
幾つかの実施例では、ゲート・トレンチ内にあるソース接点の一部が深い遮蔽領域に直接接触する。
【0032】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ゲート・トレンチの両側のドリフト領域の上部に第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2のウェル領域と、それぞれの第1及び第2のウェル領域の上部に第1の導電型を有する第1及び第2のソース領域とを更に備える。
【0033】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、第1のゲート電極とソース接点との間のゲート・トレンチ内にある第1の金属間誘電体層と、第2のゲート電極とソース接点との間のゲート・トレンチ内にある第2の金属間誘電体層とを更に備える。
【0034】
幾つかの実施例において、ソース接点は、金属ソース接点を備えるとともに、第1及び第2のソース領域の直上にもある。
【0035】
幾つかの実施例では、第1のゲート誘電体層が深い遮蔽領域と第1のゲート電極との間で延在し、第2の誘電体層が深い遮蔽領域と第2のゲート電極との間で延在する。
【0036】
幾つかの実施例では、第1の金属間誘電体層が第1のソース領域に直接接触し、第2の金属間誘電体層が第2のソース領域に直接接触する。
【0037】
幾つかの実施例では、第1及び第2の金属間誘電体層が深い遮蔽領域に直接接触する。
【0038】
幾つかの実施例において、ソース接点は、実質的にゲート・トレンチの長さにわたって第1及び第2のゲート電極間で延在する連続するソース接点を備える。
【0039】
幾つかの実施例において、ソース接点は、ゲート・トレンチ内へ延びる複数の離間した下向きに延びるプラグを備える半導体層構造上で延びる金属パターンを備える。
【0040】
本発明の更なる実施例にしたがって、半導体デバイスを製造する方法が提供され、該方法では、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含む半導体層構造が設けられ、半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト領域と、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するウェル層とを備え、ウェル層がドリフト領域の上面上にある。半導体層構造の上部にゲート・トレンチが形成され、ゲート・トレンチは、第1の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、長手方向軸と平行に延びる第1及び第2の両側の側壁を備え、ゲート・トレンチがウェル層を少なくとも第1及び第2のウェル領域に分割する。ゲート・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する深い遮蔽領域が設けられる。ウェル領域及びドリフト領域の上部に第2の導電型を有する複数の離間した深い遮蔽接続パターンが形成され、各深い遮蔽接続パターンは、第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、各深い遮蔽接続パターンは、ゲート・トレンチの第1の側壁の一部を形成するとともに、ゲート・トレンチの第2の側壁の一部を形成する。深い遮蔽接続パターンは、深い遮蔽領域を第1及び第2のウェル領域に電気的に接続する。
【0041】
幾つかの実施例において、方法は、ウェル層の上に第1の導電型を有するソース層を形成するステップを更に含み、ゲート・トレンチを形成するステップは、ソース層を少なくとも第1及び第2のソース領域に分割する。
【0042】
幾つかの実施例では、深い遮蔽接続パターンがソース領域の形成前に形成される。幾つかの実施例において、深い遮蔽接続パターンは、第1及び第2のソース領域のそれぞれを、深い遮蔽接続パターンによって互いに分離される複数の離間したサブ領域に分割する。幾つかの実施例では、深い遮蔽接続パターンがゲート・トレンチの形成前に形成される。幾つかの実施例では、深い遮蔽接続パターンが第1及び第2のソース領域の形成後に形成される。
【0043】
幾つかの実施例において、方法は、ソース領域上及びゲート・トレンチ内にマスクを形成するステップと、複数の離間した開口をマスクに形成するステップであって、各開口が、第2の方向に延在するとともに、第1のソース領域の上面のそれぞれの部分、第2のソース領域の上面のそれぞれの部分、ゲート・トレンチのそれぞれの第1及び第2の側壁のそれぞれの部分、及び各深い遮蔽領域の上面のそれぞれの部分を露出させる、ステップとを更に含む。
【0044】
幾つかの実施例において、複数の離間した深い遮蔽接続パターンを形成するステップは、マスクに開口を形成した後、ゲート・トレンチのそれぞれの第1及び第2の側壁の露出部分に及び深い遮蔽領域の上面の露出部分に第2の導電性ドーパントを注入するステップを含む。
【0045】
幾つかの実施例において、第2の導電性ドーパントは、第1及び第2の傾斜イオン注入ステップによってゲート・トレンチのそれぞれの第1及び第2の側壁の露出部分に注入される。
【0046】
幾つかの実施例において、第1及び第2の傾斜イオン注入ステップは、300kV未満のイオン注入エネルギーで実行される。
【0047】
幾つかの実施例において、第2の導電性ドーパントは、半導体層構造の上面に対して垂直に実行されるイオン注入ステップによってゲート・トレンチのそれぞれの第1及び第2の側壁の露出部分に注入される。
【0048】
幾つかの実施例において、イオン注入ステップは、少なくとも100kVのイオン注入エネルギーで実行される。
【0049】
幾つかの実施例では、第1の導電型を有する複数の半導体チャネル領域が、ゲート・トレンチのそれぞれの第1及び第2の側壁に設けられ、半導体チャネル領域が隣接する深い遮蔽接続パターン間に位置される。
【0050】
幾つかの実施例では、深い遮蔽接続パターンが半導体層構造の上面まで延在する。
【0051】
幾つかの実施例において、第2の方向に沿ってそれぞれの深い遮蔽接続パターンと位置合わせされる深い遮蔽領域の部分は、深い遮蔽領域の残りの部分よりも高い第2の導電型ドーパントのドーピング濃度を有する。
【0052】
本発明の更なる他の実施例にしたがって、半導体デバイスを製造する方法が提供され、該方法では、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含む半導体層構造が設けられ、半導体層構造は第1の導電型を有するドリフト領域を備える。半導体層構造の上部に複数のゲート・トレンチが形成され、各ゲート・トレンチは、第1の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、第1の方向に延びる第1及び第2の両側の側壁を備える。半導体層構造の上部に複数のソース・トレンチが形成され、各ソース・トレンチは、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、第2の方向に延びる第1及び第2の両側の側壁を備える。ソース・トレンチの少なくとも幾つかの下方の半導体層構造に、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する複数の深い遮蔽領域が形成される。
【0053】
幾つかの実施例において、方法は、ソース・トレンチのそれぞれへ延びる突出部を備えるソース接点を形成するステップを更に含む。
【0054】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート・トレンチのそれぞれにそれぞれのゲート電極を形成するステップを更に含む。
【0055】
幾つかの実施例では、突出部が深い遮蔽領域に直接接触する。
【0056】
幾つかの実施例では、各ゲート電極が複数の離間したゲート電極セグメントを備える。
【0057】
幾つかの実施例において、ソース接点の突出部のそれぞれは、各ソース・トレンチ内で連続的に延在し、ソース接点の突出部のそれぞれは、各ゲート電極のゲート電極セグメントのそれぞれの対間で延在する。
【0058】
幾つかの実施例では、突出部のそれぞれが複数の離間したセグメントを備える。
【0059】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート・トレンチの少なくとも幾つかの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する更なる深い遮蔽領域を形成するステップを更に含む。
【0060】
幾つかの実施例では、第2の方向が第1の方向に対して実質的に垂直である。
【0061】
本発明の更なる他の実施例にしたがって、半導体デバイスを製造する方法が提供され、該方法では、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含む半導体層構造が形成され、半導体層構造が第1の導電型を有するドリフト領域を備える。半導体層構造の上部にゲート・トレンチが形成され、ゲート・トレンチは、第1の方向に延びる長手方向軸を有するとともに、第1の方向に延びる第1及び第2の両側の側壁を備える。ゲート・トレンチの第1の側壁に第1のゲート電極が形成される。ゲート・トレンチの第2の側壁に第2のゲート電極が形成される。第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のゲート・トレンチ内にソース接点が形成される。
【0062】
幾つかの実施例において、方法は、第1のゲート電極を形成する前に、ゲート・トレンチの第1の側壁上に第1のゲート誘電体層を形成するステップと、第2のゲート電極を形成する前に、ゲート・トレンチの第2の側壁に第2のゲート誘電体層を形成するステップとを更に含む。
【0063】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート・トレンチの下方の半導体層構造に第2の導電型を有する深い遮蔽領域を形成するステップを更に含む。
【0064】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート・トレンチの両側の半導体層構造の上部に第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2のウェル領域を形成するステップと、それぞれの第1及び第2のウェル領域の上部に第1の導電型を有する第1及び第2のソース領域を形成するステップとを更に含む。
【0065】
幾つかの実施例において、方法は、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のゲート・トレンチ内に金属間誘電体層を形成するステップを更に含む。
【0066】
幾つかの実施例では、ソース接点が金属間誘電体層を貫通して深い遮蔽領域に直接接触する。
【0067】
幾つかの実施例において、ソース接点は、金属ソース接点を備えるとともに、第1及び第2のソース領域上に直接ある。
【0068】
幾つかの実施例では、第1のゲート誘電体層が深い遮蔽領域と第1のゲート電極との間にあり、第2の誘電体層が深い遮蔽領域と第2のゲート電極との間にある。
【0069】
本発明の更なる他の実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、該パワー半導体デバイスは、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域を備える半導体層構造であって、ドリフト領域が第1の導電型を備える、半導体層構造と、半導体層構造の上部にある第1のゲート構造及び隣接する第2のゲート構造と、ドリフト領域内の深い遮蔽領域であって、第1のゲート構造及び第2のゲート構造の下方にあり(例えば、第1のゲート構造の下方から第2のゲート構造の下方まで延在する)、第1の導電型とは異なる第2の導電型を備える、深い遮蔽領域と、深い遮蔽領域から突出し(例えば、上方に突出し)、第1のゲート構造と第2のゲート構造とを互いに分離する接続領域とを含む。
【0070】
幾つかの実施例において、接続領域は、第1のゲート構造及び第2のゲート構造の少なくとも一部と重なり合う(例えば、垂直に重なり合う)上部を備える。
【0071】
幾つかの実施例では、第1のゲート構造及び第2のゲート構造が第1の方向で互いに離間され、接続領域の上部が第1の方向で第1の幅を有し、第1の幅は、第1のゲート構造と第2のゲート構造との間の第1の方向の距離よりも大きい。
【0072】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、接続領域に面してこれと隣接する内側側壁と、内側側壁の反対側の外側側壁とを備え、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、外側側壁を画定するゲート誘電体層と、内側側壁を画定するゲート間誘電体層とを備え、ゲート間誘電体層は、ゲート誘電体層と実質的に同じ又はそれよりも大きい厚さを有する。
【0073】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、接続領域に面してこれと隣接する内側側壁と、内側側壁の反対側の外側側壁とを備え、深い遮蔽領域は、第1及び第2のゲート構造の外側側壁を越えて突出するとともに、第1及び第2のゲート構造が垂直に重なり合わない部分を備える。
【0074】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、第1のゲート構造と深い遮蔽領域との間の第1の下端誘電体層と、第2のゲート構造と深い遮蔽領域との間の第2の下端誘電体層とを更に備える。
【0075】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、ゲート電極と、ゲート電極と第1の下端誘電体層又は第2の下端誘電体層との間で延在するゲート誘電体層とを備え、ゲート誘電体層は、第1及び第2の下端誘電体層とは異なる材料を含む。第1及び第2の下端誘電体層のそれぞれの上端面の中央部分が湾曲している。第1及び第2の下端誘電体層のそれぞれは、ホウ素(B)、リン(P)、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、及び/又は鉛(Pb)を含む添加物を備える。
【0076】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、接続領域に面してこれと隣接する内側側壁と、内側側壁の反対側の外側側壁とを備える。半導体層構造の上部は、第1のゲート構造の外側側壁上の第1の突出部と、第2のゲート構造の外側側壁上の第2の突出部とを備える。第1及び第2の突出部のそれぞれは、第2の導電型を備えるウェル領域と、第1の導電型を備えるとともにウェル領域の上部にあるソース領域とを備え、ソース領域は、平面図においてウェル領域を取り囲む。第1及び第2の突出部のそれぞれは、平面図において六角形の形状を有する。
【0077】
幾つかの実施例では、第1のゲート構造が第1の方向で長手方向に延在し、第2のゲート構造は、第1の方向で互いに離間して同一線上にある複数の第2のゲート構造を備え、接続領域は、第1のゲート構造と複数の第2のゲート構造との間で延在するとともに、第1の方向に対して垂直な第2の方向で接続領域から突出する複数の突出部を備え、接続領域の複数の突出部のそれぞれは、2つの隣接する第2のゲート構造を分離する。
【0078】
幾つかの実施例では、接続領域は、第1及び第2のゲート構造間にある複数の接続領域を備え、複数の接続領域は、第1のゲート構造が長手方向に延在する方向で互いに離間される。
【0079】
幾つかの実施例では、接続領域が深い遮蔽領域の中央部分から突出する。
【0080】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、接続領域に直接接触する内側側壁を備える。
【0081】
幾つかの実施例では、接続領域及び深い遮蔽領域が第2の導電型ドーパントを備え、接続領域のドーパント濃度が深い遮蔽領域のドーパント濃度より大きい。
【0082】
幾つかの実施例において、接続領域は、第2の導電型を備える半導体材料を含む。接続領域は、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料(例えば、炭化ケイ素)又はポリシリコンを含む。
【0083】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、接続領域に面してこれと隣接する内側側壁と、内側側壁の反対側の外側側壁とを備え、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、外側側壁を画定するゲート誘電体層と、内側側壁を画定するゲート間誘電体層と、ゲート誘電体層とゲート間誘電体層との間のゲート電極とを備える。
【0084】
幾つかの実施例では、深い遮蔽領域が単一の深い遮蔽領域であり、第1及び第2のゲート構造のそれぞれが深い遮蔽領域と垂直に重なり合う。
【0085】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造のそれぞれは、接続領域に面してこれと隣接する内側側壁と、内側側壁の反対側の外側側壁とを備える。半導体層構造の上部は、第1ゲート構造の外側側壁上の第1ウェル領域と、第2ゲート構造の外側側壁上の第2ウェル領域とを備え、第1及び第2ウェル領域が第2導電型を備え、それぞれの第1及び第2のウェル領域の上部に第1の導電型を備える第1及び第2のソース領域を備える。パワー半導体デバイスは、金属を備えるとともに第1及び第2のソース領域と接続領域とに直接に接触するソース接点を更に備える。
【0086】
本発明の更なる他の実施例にしたがって、半導体デバイスを製造する方法が提供される。方法は、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含む半導体層構造を形成するステップであって、半導体層構造が第1の導電型を備えるドリフト領域を備える、ステップと、ドリフト領域の上部に深い遮蔽領域を形成するステップであって、深い遮蔽領域が第1の導電型とは異なる第2の導電型を備える、ステップと、半導体層構造内に接続領域を形成するステップであって、接続領域が、深い遮蔽領域から突出する(例えば、半導体層構造の上面に向かって深い遮蔽領域から突出する)とともに、第2の導電型を備える、ステップと、接続領域の両側の側壁上の半導体層構造に第1のゲート構造及び第2のゲート構造をそれぞれ形成するステップであって、第1及び第2のゲート構造が深い遮蔽領域を覆う(例えば、垂直に重なり合う)、ステップとを含む。
【0087】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート構造を形成するステップは、半導体層構造をエッチングすることにより、接続領域の両側の側壁をそれぞれ露出させる第1のゲート・トレンチ及び第2のゲート・トレンチを形成するステップと、傾斜イオン注入プロセスによって接続領域の両側の側壁を通じて接続領域に第2の導電型の第1のドーパントを注入するステップと、接続領域に第1のドーパントを注入した後、それぞれの第1及び第2のゲート・トレンチの表面上に第1及び第2の誘電体層を形成するステップと、その後、第1及び第2のゲート・トレンチ内にそれぞれ第1及び第2のゲート電極を形成するステップとを含む。
【0088】
幾つかの実施例において、方法は、第1及び第2のゲート・トレンチを形成する前に、第2の導電型の第2のドーパントを注入することによって半導体層構造の上部に第1のウェル領域及び第2のウェル領域を形成するステップと、第1の導電型の第3ドーパントを注入することによってそれぞれの第1及び第2ウェル領域の上部に第1のソース領域及び第2のソース領域を形成するステップとを更に含む。
【0089】
幾つかの実施例において、第1及び第2のゲート・トレンチを形成するステップは、半導体層構造の上部をエッチングすることによってドリフト領域から突出する第1の突出部及び第2の突出部を形成するステップを含み、第1の突出部が第1のウェル領域と第1のソース領域とを備え、第2の突出部が第2のウェル領域と第2のソース領域とを備える。第1及び第2の突出部のそれぞれが平面図で六角形の形状を有する。
【0090】
幾つかの実施例において、第1及び第2の誘電体層を形成するステップは、第1及び第2のゲート・トレンチの表面を酸化するステップを含む。
【0091】
幾つかの実施例において、方法は、第1及び第2の誘電体層を形成する前に、それぞれの第1及び第2のゲート・トレンチの下部に第1の下端誘電体層及び第2の下端誘電体層を形成するステップを更に含む。
【0092】
幾つかの実施例において、方法は、半導体層構造上にソース接点を形成するステップであって、ソース接点が、金属を備えるとともに、接続領域に直接接触する、ステップを更に含む。
【0093】
幾つかの実施例において、半導体層構造を形成するステップは、シード層として基板を使用してエピタキシャル成長プロセスを実行するステップを含む。
【0094】
幾つかの実施例において、半導体層構造を形成するステップは、シード層として基板を使用して第1のエピタキシャル成長プロセスを実行することによってドリフト領域を備える半導体層構造の下部を形成するステップと、深い遮蔽領域を形成した後、シード層としてドリフト領域を使用して第2のエピタキシャル成長プロセスを実行することによって半導体層構造の上部を形成するステップとを含む。
【0095】
幾つかの実施例において、接続領域は、第2の導電型を備える半導体材料を備える。接続領域が炭化ケイ素を含む。
【0096】
本発明の更なる他の実施例にしたがって、半導体デバイスを製造する方法が提供される。該方法は、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含む半導体層構造を形成するステップであって、半導体層構造が第1の導電型を備えるドリフト領域を備える、ステップと、半導体層構造の上部にゲート・トレンチを形成するステップであって、ゲート・トレンチが、第1の方向に延びる長手方向軸を備えるとともに、第1の方向に延びる第1及び第2の両側の側壁を備える、ステップと、ゲート・トレンチの第1の側壁に第1のゲート電極を形成するステップと、ゲート・トレンチの第2の側壁に第2のゲート電極を形成するステップと、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のゲート・トレンチ内に接続領域を形成するステップとを含む。
【0097】
幾つかの実施例において、方法は、第1のゲート電極を形成する前に、ゲート・トレンチの第1の側壁上に第1のゲート誘電体層を形成するステップと、第2のゲート電極を形成する前に、ゲート・トレンチの第2の側壁に第2のゲート誘電体層を形成するステップとを更に含む。
【0098】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート・トレンチの下方のドリフト領域に深い遮蔽領域を形成するステップを更に含み、深い遮蔽領域は、第1の導電型とは異なる第2の導電型を備える。
【0099】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート・トレンチの第1及び第2の側壁上の半導体層構造の上部に第1及び第2のウェル領域をそれぞれ形成するステップであって、第1及び第2のウェル領域が第2の導電型を備える、ステップと、それぞれの第1及び第2のウェル領域の上部に第1の導電型を備える第1及び第2のソース領域を形成するステップとを更に含む。
【0100】
幾つかの実施例において、方法は、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のゲート・トレンチ内にあるゲート間誘電体層を形成するステップを更に含む。
【0101】
幾つかの実施例において、接続領域は、ゲート間誘電体層を通じて延在して、深い遮蔽領域に直接接触する。
【0102】
幾つかの実施例では、第1のゲート誘電体層が深い遮蔽領域と第1のゲート電極との間にあり、第2のゲート誘電体層が深い遮蔽領域と第2のゲート電極との間にある。
【0103】
幾つかの実施例において、方法は、第1及び第2のゲート誘電体層を形成する前に、ゲート・トレンチの下部に下端誘電体層を形成するステップを更に含む。
【0104】
幾つかの実施例において、方法は、接続領域を形成した後、半導体層構造上にソース接点を形成するステップを更に含み、ソース接点は、金属を備えるとともに、接続領域に直接接触する。
【0105】
幾つかの実施例において、方法は、接続領域が第1の導電型とは異なる第2の導電型を備える半導体材料を含むことを更に含む。接続領域はポリシリコンを含む。
【0106】
幾つかの実施例において、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を形成するステップ及び接続領域を形成するステップは、ゲート・トレンチ内にゲート電極層を形成するステップと、ゲート電極層の一部を除去することによって接続トレンチを形成するステップと、接続トレンチ内に接続領域を形成するステップとを含む。
【0107】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、このパワー半導体デバイスは、第1の導電型を有するワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域と、第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部に第1の導電型を有するソース領域とを備える半導体層構造と、半導体層構造の上部にあるとともに、平面図で斜めに傾斜した部分を備えるゲート・トレンチと、ゲート・トレンチ内のゲート構造とを含む。ウェル領域はゲート構造の側面上にある。
【0108】
幾つかの実施例では、ゲート・トレンチが平面図でウェル領域を取り囲む。ウェル領域は、4つの内斜角を有する平行四辺形の形状、六角形の形状、又は八角形の形状を有する上側外面を備える。第1の長尺なウェル領域及び第2の長尺なウェル領域がそれぞれ平面図でジグザグ形状を有する。
【0109】
幾つかの実施例では、ウェル領域が円形状を有する上側外面を備える。
【0110】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスが第1の長尺なウェル領域及び第2の長尺なウェル領域を更に備え、ウェル領域は第1及び第2の長尺なウェル領域間にある。第1の長尺なウェル領域の側壁が第1のセクション及び第2のセクションを含み、第1のセクションが第2のセクションと平行であるが同一平面上にない。
【0111】
幾つかの実施例では、ゲート・トレンチが第1のゲート・トレンチ及び第2のゲート・トレンチを備え、ウェル領域は、互いに離間した複数の第1のウェル領域と、互いに離間した複数の第2のウェル領域とを備え、第1ゲート・トレンチが複数の第1のウェル領域を取り囲み、第2のゲート・トレンチが複数の第2のウェル領域を取り囲む。
【0112】
幾つかの実施例において、斜めに傾斜するゲート・トレンチの部分は、平面図で約100度から約140度までの範囲で傾斜される。
【0113】
幾つかの実施例では、ゲート構造の側面が第1の側面であり、ゲート構造が第1の側面の反対側の第2の側面を更に備え、パワー半導体デバイスが深い遮蔽領域を更に備え、この深い遮蔽領域は、ゲート構造の下方にあり、第2の導電型を有するとともに、ウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有し、深い遮蔽領域は、ゲート構造の下面からゲート構造の第2の側面の最上部まで連続的に延在する。ドリフト領域はウェル領域を深い遮蔽領域から分離する。
【0114】
幾つかの実施例において、ゲート・トレンチは、互いに離間された第1のゲート・トレンチ及び第2のゲート・トレンチを備え、ゲート構造は、第1のゲート・トレンチ内及び第2のゲート・トレンチ内にそれぞれ第1のゲート構造及び第2のゲート構造を備え、第1のゲート構造は、第2のゲート構造に面する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを備え、第2のゲート構造は、第1のゲート構造に面する第3の側面と、第3の側面の反対側の第4の側面とを備え、ウェル領域は、第1のゲート構造の第2の側面に第1のウェル領域を備え、半導体層構造は、第2のゲート構造の第4の側面に第2のウェル領域を更に備え、パワー半導体デバイスは、第1のゲート構造の下方にある第1の深い遮蔽領域と、第2のゲート構造の下方にある第2の深い遮蔽領域とを更に備え、第1及び第2の深い遮蔽領域のそれぞれは、第2の導電型を有するとともに、第1及び第2のウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有し、第1の深い遮蔽領域は、第1のゲート構造の下面から第1のゲート構造の第1の側面の最上部まで連続的に延在し、第2の深い遮蔽領域は、第2のゲート構造の下面から第2のゲート構造の第3の側面の最上部まで連続的に延在する。
【0115】
幾つかの実施例において、ドリフト領域は、第1の深い遮蔽領域から第1のウェル領域を分離するとともに、第2の深い遮蔽領域から第2のウェル領域を分離する。
【0116】
幾つかの実施例では、第1及び第2の深い遮蔽領域が共通の深い遮蔽領域の一部であり、第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び共通の深い遮蔽領域のそれぞれは、平面図で六角形の形状を有する上側外面を有する。
【0117】
幾つかの実施例では、第1及び第2の深い遮蔽領域が共通の深い遮蔽領域の一部であり、第1のウェル領域及び第2のウェル領域のそれぞれは、平面視で八角形の形状を有する上側外面を有し、共通の深い遮蔽領域は、長方形の形状を有する上側外面を有する。
【0118】
幾つかの実施例において、ドリフト領域は、第1及び第2の深い遮蔽領域を互いに分離し、パワー半導体デバイスは、第1及び第2の深い遮蔽領域の上面に接触する導電性ショットキー接点を更に備える。
【0119】
幾つかの実施例では、第1及び第2の深い遮蔽領域が共通の深い遮蔽領域の一部であり、パワー半導体デバイスは、共通の深い遮蔽領域を貫通して延びて共通の深い遮蔽領域の下方のドリフト領域の一部に接触する導電性ショットキー接点を更に備える。
【0120】
幾つかの実施例において、ゲート・トレンチは、第1の方向で互いに離間する複数の主トレンチであって、複数の主トレンチのそれぞれが長手方向で第2の方向に延びる、複数の主トレンチと、複数の接続トレンチであって、それぞれが、複数の主トレンチのうちの2つの隣接する主トレンチを接続するとともに、複数の主トレンチのうちの隣接する主トレンチのそれぞれに対して斜めの角度を規定する、複数の接続トレンチとを備える。
【0121】
幾つかの実施例では、斜めの角度が約100度から約140度の範囲にある。
【0122】
幾つかの実施例において、複数の接続トレンチのうちのトレンチは、第2の方向に対して斜めの角度を規定する第3の方向に沿って位置合わせされる。
【0123】
幾つかの実施例において、複数の主トレンチのうちの2つの隣接する主トレンチを接続する複数の接続トレンチのうちのトレンチは、不均一な距離によって第2の方向で互いに離間される。
【0124】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、該パワー半導体デバイスは、第1の導電型を有するワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域と、第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部に第1の導電型を有するソース領域とを備える半導体層構造であって、ウェル領域が平面図で円形状を有する上側外面を有する、半導体層構造と、ウェル領域の側面を画定するゲート・トレンチと、ゲート・トレンチ内のゲート構造とを含む。
【0125】
幾つかの実施例において、ゲート構造は、ウェル領域に面する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを備え、パワー半導体デバイスが深い遮蔽領域を更に備え、この深い遮蔽領域は、ゲート構造の下方にあり、第2の導電型を有するとともに、ウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有し、深い遮蔽領域は、ゲート構造の下面からゲート構造の第2の側面の最上部まで連続的に延在する。
【0126】
幾つかの実施例では、ドリフト領域の一部がウェル領域を深い遮蔽領域から分離する。
【0127】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、該パワー半導体デバイスは、第1の導電型を有するワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むドリフト領域と、第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部に第1の導電型を有するソース領域とを備える半導体層構造と、半導体層構造の上部及びウェル領域の側面上にあり、平面図でウェル領域を取り囲むゲート構造とを含む。
【0128】
幾つかの実施例では、平面図において、ウェル領域は、斜めの角度を形成するように互いに接続される2つの部分を備える。
【0129】
幾つかの実施例において、ウェル領域は、4つの内斜角を有する平行四辺形の形状、六角形の形状、又は八角形の形状を有する上側外面を備える。
【0130】
幾つかの実施例では、パワー半導体デバイスが第1の長尺なウェル領域及び第2の長尺なウェル領域を更に備え、ウェル領域は第1及び第2の長尺なウェル領域間にある。第1の長尺なウェル領域の側壁が第1のセクション及び第2のセクションを含み、第1のセクションが第2のセクションと平行であるが同一平面上にない。第1の長尺なウェル領域及び第2の長尺なウェル領域はそれぞれ平面図でジグザグ形状を有する。
【0131】
幾つかの実施例において、ゲート構造は、第1のゲート構造と第2のゲート構造とを備え、ウェル領域は、互いに離間した複数の第1のウェル領域と、互いに離間した複数の第2のウェル領域とを備え、第1ゲート構造が複数の第1ウェル領域を取り囲み、第2ゲート構造が複数の第2ウェル領域を取り囲む。
【0132】
幾つかの実施例では、斜めの角度が平面図で約100度から約140度の範囲にある。
【0133】
幾つかの実施例において、ゲート構造は、ウェル領域に面する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを備え、パワー半導体デバイスが深い遮蔽領域を更に備え、この深い遮蔽領域は、ゲート構造の下方にあり、第2の導電型を有するとともに、ウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有し、深い遮蔽領域は、ゲート構造の下面からゲート構造の第2の側面の最上部まで連続的に延在する。
【0134】
幾つかの実施例では、ドリフト領域がウェル領域を深い遮蔽領域から分離する。
【0135】
幾つかの実施例において、ゲート構造は、互いに離間した第1のゲート構造及び第2のゲート構造を備え、第1のゲート構造は、第2のゲート構造に面する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを備え、第2のゲート構造は、第1のゲート構造に面する第3の側面と、第3の側面の反対側の第4の側面とを備え、ウェル領域は、第1のゲート構造の第2の側面上の第1のウェル領域と、第2のゲート構造の第4の側面上の第2のウェル領域とを備え、パワー半導体デバイスは、第1のゲート構造の下方にある第1の深い遮蔽領域と、第2のゲート構造の下方にある第2の深い遮蔽領域とを更に備え、第1及び第2の深い遮蔽領域のそれぞれは、第2の導電型を有するとともに、第1及び第2のウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有し、第1の深い遮蔽領域は、第1のゲート構造の下面から第1のゲート構造の第1の側面の最上部上まで連続的に延在し、第2の深い遮蔽領域は、第2のゲート構造の下面から第2のゲート構造の第3の側面の最上部まで連続的に延在する。
【0136】
幾つかの実施例において、ドリフト領域は、第1の深い遮蔽領域から第1のウェル領域を分離するとともに、第2の深い遮蔽領域から第2のウェル領域を分離する。
【0137】
幾つかの実施例において、第1及び第2の深い遮蔽領域が共通の深い遮蔽領域の一部であり、第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び共通の深い遮蔽領域のそれぞれは、平面図で六角形の形状を有する上側外面を有する。
【0138】
幾つかの実施例では、第1及び第2の深い遮蔽領域が共通の深い遮蔽領域の一部であり、第1のウェル領域及び第2のウェル領域のそれぞれが平面視で八角形の形状を有する上側外面を有し、共通の深い遮蔽領域は、長方形の形状を有する上側外面を有する。
【0139】
幾つかの実施例では、ドリフト領域が第1及び第2の深い遮蔽領域を互いに分離し、パワー半導体デバイスは、第1及び第2の深い遮蔽領域の上面に接触する導電性ショットキー接点を更に備える。
【0140】
幾つかの実施例では、第1及び第2の深い遮蔽領域が共通の深い遮蔽領域の一部であり、パワー半導体デバイスは、共通の深い遮蔽領域を貫通して延びて共通の深い遮蔽領域の下方のドリフト領域の一部に接触する導電性ショットキー接点を更に備える。
【0141】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスを形成する方法が提供される。方法は、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むとともに第1の導電型を有するドリフト領域と、ドリフト領域上にあって第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部にあって第1の導電型を有するソース領域とを備える半導体層構造を用意するステップと、ウェル領域を通じて延在するゲート・トレンチを形成するステップであって、ゲート・トレンチの第1の側がウェル領域の一部の側面を画定し、ゲート・トレンチの下端がドリフト領域を露出させ、ゲート・トレンチが平面図において斜めに傾斜した部分を備える、ステップと、ゲート・トレンチ内にゲート構造を形成するステップとを含む。
【0142】
幾つかの実施例では、ゲート・トレンチが平面図においてウェル領域を取り囲む。
【0143】
幾つかの実施例において、ウェル領域は、4つの内斜角を有する平行四辺形の形状、六角形の形状、又は八角形の形状を有する上側外面を備える。
【0144】
幾つかの実施例において、斜めに傾斜するゲート・トレンチの部分は、平面図で約100度から約140度の範囲で傾斜する。
【0145】
幾つかの実施例において、ゲート・トレンチは、ゲート・トレンチの第1の側とは反対側の第2の側を更に備え、ウェル領域は、ゲート・トレンチの第2の側の最上部を画定する。方法は、ゲート・トレンチ内にゲート構造を形成する前に、深い遮蔽領域を形成するステップを更に含み、ゲート・トレンチの下端及び第2の側が深い遮蔽領域を露出させ、深い遮蔽領域は、ウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有する。
【0146】
幾つかの実施例において、方法は、ゲート構造を形成した後にソース接点を形成するステップを更に含み、ソース接点は、深い遮蔽領域の上面に直接接触する。
【0147】
幾つかの実施例では、ウェル領域が深い遮蔽領域から離間される。
【0148】
幾つかの実施例において、ソース領域を形成するステップは、ウェル領域内に第1のソース領域及び第2のソース領域を形成するステップを含み、ゲート・トレンチを形成するステップは、互いに離間する第1のゲート・トレンチ及び第2のゲート・トレンチを形成するステップを含み、第1のゲート・トレンチの第1の側が第1のソース領域を露出させ、第2のゲート・トレンチの第1の側が第2のソース領域を露出させ、第1及び第2のゲート・トレンチのそれぞれは、その第1の側とは反対側の第2の側を更に備え、方法は、ゲート構造を形成する前に、第1の深い遮蔽領域及び第2の深い遮蔽領域を形成するステップを更に含み、第1のゲート・トレンチの下端及び第2の側が第1の深い遮蔽領域を露出させ、第2のゲート・トレンチの下端及び第2の側が第2の深い遮蔽領域を露出させ、第1及び第2の深い遮蔽領域のそれぞれは、ウェル領域よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有する。
【0149】
幾つかの実施例では、第1のゲート・トレンチの第2の側と第2のゲート・トレンチの第2の側との間にソース領域が形成されない。
【0150】
幾つかの実施例において、ドリフト領域の一部は、第1の深い遮蔽領域を第2の深い遮蔽領域から分離し、方法は、第1及び第2の深い遮蔽領域の上面とドリフト領域の上面とに接触する導電性ショットキー接点を形成するステップを更に含む。
【0151】
幾つかの実施例において、第1の深い遮蔽領域及び第2の深い遮蔽領域は、第1及び第2のゲート・トレンチの第2の側の間で連続的に延びる共通の深い遮蔽領域の一部であり、方法は、共通の深い遮蔽領域を貫通して延びて共通の深い遮蔽領域の下方のドリフト領域の一部に接触する導電性ショットキー接点を形成するステップを更に含む。
【0152】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、該パワー半導体デバイスは、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むとともに第1の導電型を有するドリフト領域を備える半導体層構造と、半導体層構造の上部にあり、平面図で斜めの角度を規定する第1及び第2のセクションを備えるゲート・トレンチとを含む。ゲート・トレンチの第1及び第2のセクションの両方の側壁は、半導体層構造内の実質的に同じ結晶面に沿って延在する。
【0153】
幾つかの実施例において、斜めの角度は、平面図で約115度から約125度の範囲にある。
【0154】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ドリフト領域上にあってゲート・トレンチの側面を画定する第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部にある第1の導電型を有するソース領域とを更に備える。
【0155】
幾つかの実施例において、ウェル領域は、互いに離間するとともにゲート・トレンチの側面の一部をそれぞれ画定する複数のアイランド・ウェル領域のうちの1つを備える。
【0156】
幾つかの実施例では、ウェル領域が第1の長尺なウェル領域であり、パワー半導体デバイスが第2の長尺なウェル領域を更に備え、ゲート・トレンチが第1及び第2の長尺なウェル領域間にある。
【0157】
幾つかの実施例では、第1及び第2の長尺なウェル領域のそれぞれが平面図でジグザグ形状を有する。
【0158】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、第1の長尺なウェル領域と第2の長尺なウェル領域との間にある複数のアイランド・ウェル領域を更に備える。
【0159】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、該パワー半導体デバイスは、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むとともに第1の導電型を有するドリフト領域を備える半導体層構造と、半導体層構造の上部にあるゲート・トレンチと、ゲート・トレンチ内のゲート構造と、ゲート構造の第1の側面上の第1の長尺なウェル領域であって、ドリフト領域から突出し、第2の導電型を有する、第1の長尺なウェル領域と、第1のウェル領域の上部に第1の導電型を有する第1のソース領域と、ゲート構造の第2の側面上の第2の長尺なウェル領域であって、ドリフト領域から突出し、第2の導電型を有する、第2の長尺なウェル領域と、第2のウェル領域の上部に第1の導電型を有する第2のソース領域とを含む。第1の長尺なウェル領域の側壁は、第2のセクションによって互いに接続された第1のセクション及び第3のセクションを有し、第1のセクションが第3のセクションと平行であり、第2のセクションと第1及び第3のセクションの一方との交差部が鈍角を規定する。
【0160】
幾つかの実施例では、第2のセクションと第1及び第3のセクションの他方との交差部が優角を規定する。
【0161】
幾つかの実施例において、第2の長尺なウェル領域の側壁は、第5のセクションによって互いに接続された第4のセクション及び第6のセクションを有し、第4のセクションが第6のセクションと平行であり、第5のセクションと第4及び第6のセクションの一方との交差部が鈍角を規定する。
【0162】
幾つかの実施例において、パワー半導体デバイスは、ドリフト領域から突出する複数のアイランド・ウェル領域を更に備え、複数のアイランド・ウェル領域のそれぞれが第2の導電型を有する。
【0163】
幾つかの実施例では、複数のアイランド・ウェル領域が第1及び第2の長尺なウェル領域間にある。
【0164】
幾つかの実施例では、アイランド・ウェル領域のそれぞれが第1の長尺なウェル領域の第1及び第3のセクションと平行な側壁を有する。
【0165】
幾つかの実施例において、ゲート構造は、互いに接続されて平面図で斜めの角度を形成する第1及び第2の部分を備える。
【0166】
幾つかの実施例において、斜めの角度は、平面図で約115度から約125度の範囲にある。
【0167】
本発明の幾つかの実施例にしたがって、パワー半導体デバイスが提供され、該パワー半導体デバイスは、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むとともに第1の導電型を有するドリフト領域を備える半導体層構造と、半導体層構造の上部にあるゲート・トレンチと、ゲート・トレンチ内のゲート構造と、ゲート構造の第1の側面上の第1の長尺なウェル領域であって、第2の導電型を有する、第1の長尺なウェル領域と、第1の導電型を有するとともに、第1の長尺なウェル領域の上部にある第1のソース領域と、ゲート構造の第2の側面上の第2の長尺なウェル領域であって、第2の導電型を有する、第2の長尺なウェル領域と、第1の導電型を有するとともに、第2の長尺なウェル領域の上部にある第2のソース領域と、第1及び第2の長尺なウェル領域間にあって、それぞれが第2の導電型を有する複数の第3のウェル領域と、それぞれの第3のウェル領域の上部に第1の導電型を有する複数の第3のソース領域とを含む。
【0168】
幾つかの実施例において、複数の第3のウェル領域のそれぞれは、ゲート構造によって取り囲まれる側壁を有するアイランドを備える。
【0169】
幾つかの実施例では、第1及び第2の長尺なウェル領域がそれぞれジグザグ形状を有する。
【0170】
幾つかの実施例において、ゲート構造は、互いに接続されて平面図で斜めの角度を形成する第1及び第2の部分を備える。
【0171】
幾つかの実施例において、斜めの角度は、平面図で約115度から約125度の範囲にある。
【図面の簡単な説明】
【0172】
図1A】従来のゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図1B】従来のゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図1C】従来のゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図1D】従来のゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図2A】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図2B】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図2C】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図2D】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図2E】半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図2Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの断面図を示す、図2Dの線2E-2Eに沿う概略断面図である。
図2F】半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図2Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの断面図を示す、図2Dの線2F-2Fに沿う概略断面図である。
図3A】本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図3B】本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図3C】本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図3D】本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図3E】半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図3Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの断面図を示す、図3Dの線3E-3Eに沿う概略断面図である。
図3F】半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図3Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの断面図を示す、図3Dの線3F-3Fに沿う概略断面図である。
図4A】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図4B】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図4C】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図4D】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。
図4E】半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図4Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの断面図を示す、図4Dの線4E-4Eに沿う概略断面図である。
図4F】半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図4Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの断面図を示す、図4Dの線4F-4Fに沿う概略断面図である。
図4G図4A図4FのMOSFET300の修正バージョンを示す概略斜視図である。
図4H図4A図4FのMOSFET300の修正バージョンを示す概略斜視図である。
図5A】本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの斜視図である。
図5B図5Aのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの小領域の概略斜視図である。
図5C図5Aのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの修正バージョンの小部分の概略斜視図である。
図5D図5Aのゲート・トレンチ・パワーMOSFETの修正バージョンの小部分の概略斜視図である。
図6A】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略斜視図である。
図6B】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略斜視図である。
図6C】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略斜視図である。
図6D】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略斜視図である。
図6E】本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略斜視図である。
図7】本発明概念の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
図8】本発明概念の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
図9】本発明概念の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図11図10に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図12図10に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図13図10に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図14】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図15図14に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図16】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図17図16に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図18】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図19】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図20A図19に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図20B図19に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図21】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図22】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図23】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの中間構造の平面図である。
図24】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの中間構造の平面図である。
図25】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図26】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図27】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図である。
図28】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーの概略断面図である。
図29】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
図30】本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
図31A】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図31B図31Aのゲート・トレンチ・パワーMOSFETのゲート構造の平面図である。
図32】本発明の幾つかの実施例に係る図31AのE-E’線に沿う概略断面図である。
図33】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図34図33のF-F’線に沿う概略断面図である。
図35】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図36A図35の線G-G’に沿う概略断面図である。
図36B図35の線H-H’に沿う概略断面図である。
図37】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図38】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図39】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図40】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの概略断面図である。
図41A】本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。
図41B図41Aのゲート・トレンチ・パワーMOSFETのゲート構造の平面図である。
図42】本発明の実施例に係る図33及び図34のゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
図43】本発明の実施例に係る図33及び図34のゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示す断面図である。
図44】本発明の実施例に係る図33及び図34のゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示す断面図である。
図45】本発明の実施例に係る図33及び図34のゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0173】
炭化ケイ素ベースのゲート・トレンチ縦型パワーMOSFETは、パワースイッチング動作のためのより効率的な動作をもたらし得る、その固有のより低い特定のオン抵抗に起因して、多くの用途にとって魅力的である。ゲート・トレンチ縦型パワーMOSFETは、チャネルがゲート・トレンチの側壁に形成されるため、オン状態動作中の比抵抗が低くなる。更に、ゲート・トレンチMOSFETの側壁チャネルのキャリア移動度は、標準の(つまり、ゲート・トレンチのない)縦型パワーMOSFETの水平チャネルの対応するキャリア移動度よりも2~4倍高いことが分かっている。この増加したチャネル移動度により、オン状態動作中の電流密度が増加し、より高いスイッチング速度が可能となる。更に、トレンチ形態によりデバイス全体のピッチが縮小され、集積度を向上できる。低い導通損失(オン状態抵抗の減少に起因する)と改善されたスイッチング速度により、ゲート・トレンチMOSFETは、低から中程度の電圧ブロッキング要件(例えば、600~1200ボルト)を持つ高周波電力用途に良く適している。これらのデバイスは、関連する受動部品の要件が緩和され、低コスト、軽量であり、比較的単純な冷却方式が必要な場合がある。
【0174】
ゲート・トレンチ・パワーMOSFETは、ゲート・トレンチの下端を裏打ちする酸化物ゲート誘電体層(本明細書ではゲート酸化物層とも呼ばれる)に高電界が存在するため、酸化物の信頼性の問題を受けやすい。高電界は、時間の経過とともにゲート酸化物層を劣化させ、最終的にデバイスの故障につながる可能性がある。最も高い電界は、電界集中効果によってゲート酸化物層の電界レベルが劇的に上昇し得るゲート酸化物層のコーナー領域で発生する。ゲート・トレンチMOSFETが逆ブロッキング動作で動作する場合、最も高い電界レベルは、ゲート・トレンチの下端にあるゲート酸化物層のコーナーで発生する。
【0175】
逆ブロッキング動作中のゲート酸化物層の電界レベルを低減するために、従来のゲート・トレンチ・パワーMOSFETのゲート・トレンチの下方に、いわゆる「深い遮蔽領域」がしばしば設けられる。これらの深い遮蔽領域は、チャネル領域と同じ導電型を有する高濃度にドープされた半導体層を備える。深い遮蔽領域は、例えば、ゲート・トレンチの下端面からデバイスのドリフト領域内に0.5~1.0ミクロン以上下方に延びることができる。深い遮蔽領域はまた、トレンチの側壁よりも側方に長く延びてもよく、及び/又は場合によってはトレンチの下側に沿って延びてもよい。深い遮蔽領域は、深い遮蔽接続パターンによってMOSFETのソース端子に電気的に接続される。しかしながら、深い遮蔽領域と深い遮蔽接続パターンを確実に実装することは困難な場合がある。
【0176】
図1A図1Dは、従来の炭化ケイ素ベースのゲート・トレンチ縦型パワーMOSFET1を製造する方法を示す概略断面図である。
【0177】
図1Aに示されるように、パワーMOSFET1は、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板10を含む。低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域20がエピタキシャル成長によって基板10上に形成される。中程度にドープされたp型炭化ケイ素ウェル層30は、エピタキシャル成長によって、又はn型ドリフト領域20の上部にp型ドーパントを注入することによって、n型ドリフト領域20の上面上に形成される。高濃度にドープされたn炭化ケイ素ソース・パターン40が、例えばイオン注入によってp型炭化ケイ素ウェル層30の上部に形成される。炭化ケイ素基板10、ドリフト領域20、ウェル層30及びソース・パターン40は、そこに形成された様々な領域/パターンと共に、パワーMOSFET1の半導体層構造50を構成する。
【0178】
図1Bに示されるように、エッチング・プロセスを実行して、半導体層構造50の上面に複数のゲート・トレンチ60を形成することができる。各ゲート・トレンチ60は、パワーMOSFET1の長さ(又は幅)を横切る第1の方向で側方に(すなわち、半導体層構造の主表面と平行に)延在することができる。図1A図1Dでは、第1の方向がページに向かっており、x方向として示される。ゲート・トレンチ60は、図示のように、ソース・パターン40及びウェル層30を通じてドリフト領域20内に垂直に(すなわち、半導体層構造の主表面に対して垂直に、又はz方向に)延在することができ、ゲート・トレンチ60は、第2の方向(ここでは、第1の方向に垂直なy方向)で互いに離間され得る。ゲート・トレンチ60は、中程度にドープされたp型炭化ケイ素ウェル層30を複数のpウェル32に変換するとともに、高濃度にドープされたn型炭化ケイ素ソース・パターン40を複数のn型ソース領域42に変換する。ゲート・トレンチ60に隣接する各pウェル32の部分は、後述するように、トランジスタ・チャネル34として作用する。高濃度にドープされたp炭化ケイ素の深い遮蔽領域70は、イオン注入によって各ゲート・トレンチ60の下方に形成される。炭化ケイ素の深い遮蔽領域70は、それぞれのゲート・トレンチ60の全長にわたって延在することができる。
【0179】
図1Cに示されるように、注入マスク(図示せず)を使用して傾斜イオン注入を行って、各ゲート・トレンチ60の側壁の1つ(ここでは右側壁)にp型ドーパントを注入することができる。図1Cにさらに示されるように、このイオン注入ステップは、ゲート・トレンチ60の各右側壁の下側n型部分を高濃度にドープされたp型の深い遮蔽接続パターン72に変換する。これらの深い遮蔽接続パターン72は、それぞれの深い遮蔽領域70をpウェル32に電気的に接続する。
【0180】
図1Dを参照すると、ゲート酸化物層62を各ゲート・トレンチ60の下端面及び側壁に形成する。各ゲート絶縁層62上にゲート電極64を形成して各ゲート・トレンチ60を充填する。ゲート電極64の露出部分上に金属間誘電体層66が形成され、ソース接点80がデバイスの上部に形成される。ソース接点80は、pウェル32及びn型ソース領域42に物理的及び電気的に接続される。ソース接点80は、MOSFET1のソース端子を構成してもよく、ソース端子に電気的に接続されてもよい。ドレイン接点82が基板10の下面に形成される。図1Dの断面図の外側でゲート電極64に接続されるゲート接点(図示せず)も設けられる。
【0181】
深い遮蔽領域70は、逆ブロッキング動作中に高電界からゲート絶縁層62のコーナーを保護するのに効果的であり得る。しかしながら、残念なことに、ソース接点80を深い遮蔽領域70に電気的に接続する深い遮蔽接続パターン72は、チャネル34の下側にn型半導体材料がないため、各ゲート・トレンチ60の右側壁上のトランジスタ・チャネル34を動作不能にする。したがって、深い遮蔽接続パターン72は、深い遮蔽領域70とソース接点80との間に必要な電気接続を行なうが、MOSFET1のトランジスタ・チャネル面積の半分を犠牲にする。
【0182】
本発明の実施例によれば、ゲート・トレンチMISFETの深い遮蔽領域をそのソース接点に電気的に接続する深い遮蔽接続パターンを形成するための改善された技術が開示される。本明細書に開示されたアプローチは、トランジスタのチャネル領域の犠牲を少なくすることができ、したがってデバイス性能の改善をもたらすことができる。ゲート酸化物層は、その優れた電気特性に起因して殆ど常に使用されるため、以下の本発明の実施例の議論は、MISFETではなくMOSFETに焦点を当てている。しかしながら、説明した実施例は、酸化物以外の材料で形成されたゲート誘電体層を用いて代替的に実施できることが理解され得る。任意の適切な絶縁材料を使用することができる(例えば、窒化物、酸窒化物、高誘電率材料など)。
【0183】
本発明の実施例に係るMOSFETは、第1の方向(以下の図ではx方向)で側方に延びるゲート・トレンチを有することができる。幾つかの実施例において、ゲート・トレンチを横切る第2の方向(以下の図のy方向)で側方に延びる高濃度にドープされたp型材料のストライプをMOSFETに形成することができる。例えば、高濃度にドープされたp型材料のストライプは、ゲート・トレンチに対して垂直に延在することができる。これらのストライプは、深い遮蔽領域をPウェルに、したがってMOSFETのソース接点に電気的に接続するように、少なくともp型の深い遮蔽領域の深さまで延在することができる。高濃度にドープされたp型材料のストライプは、例えば、ゲート・トレンチの側壁のおそらく15%~25%を占める可能性があるため、デバイスの全チャネル領域の約15%~25%を犠牲にするにすぎない(上記の従来のMOSFET1の50%と比較して)。
【0184】
本発明の更なる実施例によれば、ゲート・トレンチ及びゲート・トレンチと交差するソース・トレンチの両方を含むゲート・トレンチ・パワーMOSFETが提供される。例えば、ソース・トレンチは、ゲート・トレンチに対して垂直に延在することができる。ソース・トレンチの少なくとも一部の下方に深い遮蔽領域が形成され、この深い遮蔽領域は、任意選択的に、ゲート・トレンチの下方に形成されてもよい。ソース接点は、深い遮蔽領域に直接接触するようにソース・トレンチ内に形成され得る。幾つかの実施例において、ゲート電極は、それぞれのゲート・トレンチ内で連続的に延在することができ、ソース・トレンチ内にあるソース接点の部分は、ゲート電極とソース接点とがトレンチ内で「交差」できるようにするべくセグメント化され得る。他の実施例において、ソース接点は、それぞれのソース・トレンチ内で連続的に延在することができ、ゲート電極はセグメント化され得る。
【0185】
本発明の更に別の実施例によれば、ゲート・トレンチを通じて延在して深い遮蔽領域に直接接触するソース接点を有するゲート・トレンチ・パワーMOSFETが提供される。これらの実施例において、各ゲート電極は、ゲート・トレンチのそれぞれの1つの2つの側壁に沿って延在する第1及び第2のゲート電極部分を含むことができ、ソース接点は、第1及び第2のゲート電極部分間のゲート・トレンチの中央部分を通じて延在することができる。ゲート・トレンチを通じて延びるソース接点の部分から第1及び第2のゲート電極部分を電気的に絶縁する金属間誘電体パターンも各ゲート・トレンチ内に形成され得る。それぞれのソース・トレンチへ延びるソース接点の部分は、それぞれのトレンチの全長にわたって延びる連続部分であってもよく、周期的又は非周期的な間隔でそれぞれのトレンチへ延びる別個のプラグであってもよい。本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETは、従来の深い遮蔽接続パターンアプローチほどMOSFETのチャネル面積を犠牲にしない信頼できる深い遮蔽接続パターン(又は同等の構造)を含む。したがって、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETは、改善された性能を示すことができる。
【0186】
ここで、図2A図9を参照して、本発明の実施例について説明する。本明細書に開示される異なる実施例の特徴は、多くの更なる実施例を提供するために任意の方法で組み合わせることができることが理解され得る。したがって、本発明の様々な特徴が特定の実例に関して以下に説明されるが、多くの更なる実施例を提供するべくこれらの特徴が他の実施例に追加されてもよく及び/又は他の実施例の例示的な特徴の代わりに使用されてもよいことが理解され得る。したがって、本発明は、これらの異なる組み合わせを包含すると理解されるべきである。更に、例示的な実施例はMOSFETの実装に焦点を当てているが、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)、ゲート制御サイリスタなどの他のゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスで同じ技術を使用できることが理解され得る。
【0187】
図2A図2Fは、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET100を示す概略図である。より具体的には、図2A~2Dは、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET100の半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図であり、図2E及び図2Fは、半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図2Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFET100の断面図を示す、図2Dの線2E-2E及び線2F-2Fのそれぞれに沿う概略断面図である。
【0188】
図2Aを参照すると、n型炭化ケイ素基板110が提供される。基板110は、例えば、4H-炭化ケイ素又は6H-炭化ケイ素基板を備えることができる。他の実施例において、基板110は、異なる半導体材料(例えば、III族窒化物ベースの材料、シリコン、ヒ化ガリウム、酸化亜鉛など)又は非半導体材料(例えば、サファイア)であってもよく又はこれらを含んでもよい。基板110は、n型不純物で高濃度にドープすることができる(すなわち、n炭化ケイ素基板)。不純物は、例えば、窒素又はリンを含み得る。基板110のドーピング濃度は、例えば、1×1018原子/cm~1×1021原子/cmとすることができるが、他のドーピング濃度を使用することもできる。基板110は、幾つかの実施例では比較的厚くてもよい(例えば、20~100ミクロン以上)。基板は図では比較的薄い層として示されるが、これはデバイスの他の層及び領域の拡大を可能にするために行なわれており、基板が一般に図示のものよりもかなり厚いことが分かることに留意すべきである。同様に、本発明の実施例に係るMOSFETの様々な他の層の厚さは、デバイスの様々な部分の拡大図を提供するために原寸に比例して示されない場合がある。
【0189】
低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域120を基板110上に設けることができる。n型ドリフト領域120は、例えば、基板110上にエピタキシャル成長によって形成することができる。n型ドリフト領域120は、例えば、1×1016~5×1017ドーパント/cmのドーピング濃度を有することができる。n型ドリフト領域120は、例えば3~50ミクロンの基板110の上方の垂直高さを有する、厚い領域となり得る。幾つかの実施例において、n型ドリフト領域120の上部は、n型ドリフト領域120の下部よりも高濃度にドープされるn型電流拡散層(図示せず)を備えてもよい。
【0190】
中程度にドープされたp型ウェル層130が、n型炭化ケイ素ドリフト領域120の上面に形成される。中程度にドープされたp型ウェル層130は、例えば、エピタキシャル成長によって又はイオン注入によって形成され得る。中程度にドープされたp型ウェル層130は、デバイスのトランジスタ・チャネルにとって望ましいドーピング密度までドープされ得る。幾つかの実施例において、中程度にドープされたp型ウェル層130は、例えば、1×1016原子/cm~1×1019原子/cmのドーピング濃度を有することができる。中程度にドープされたp型ウェル層130は、幾つかの実施例では、段階的なドーピング・プロファイルを有することができる。
【0191】
図2Bを参照すると、注入マスク(図示せず)が図2Aの構造上に形成され、ストライプ状の開口(図示せず)がマスクに形成される。その後、高エネルギー、高用量のイオン注入プロセスを使用して、中程度にドープされたp型ウェル層130を通じて、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域120へと、高濃度にドープされたp型材料のストライプ171を形成する。高濃度にドープされたp型材料のストライプ171は、後の処理ステップで構造内に形成されるゲート・トレンチと少なくとも同じ深さまで延びることができる。
【0192】
図2Cを参照すると、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層140が、イオン注入によって中程度にドープされたp型ウェル層130の上部領域に形成される。幾つかの実施例において、高濃度にドープされたp型材料のストライプ171は、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層140よりも高濃度にドープされてもよい。例えば、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層140は、1×1019原子/cm~5×1021原子/cmのドーピング濃度を有することができ、この場合、p型ストライプ171のドーピング濃度は、n型ソース層140のドーピング濃度よりも少なくとも1.2倍高い。前述の層110、120、130、140(及びストライプ171及び後述のp型の深い遮蔽領域などの層内に形成された領域)は、MOSFET100の半導体層構造150を備える。
【0193】
図2Dを参照すると、複数のゲート・トレンチ160が半導体層構造150の上面にエッチングによって形成される。1つのゲート・トレンチ160(及び2つの他のゲート・トレンチの一部)だけが図2Dに示されるが、一般に、多数のゲート・トレンチ160が設けられ、各ゲート・トレンチ160が基板110の上方で第1の方向に延在し(ここでは、ゲート・トレンチはx方向に延在する)、ゲート・トレンチ160が互いに平行な長さで延びるようにゲート・トレンチ160が第2の方向(ここではy方向)で互いに離間されるのが分かる。各ゲート・トレンチ160は、長さ(x方向の距離に対応する)、幅(y方向の距離に対応する)、及び深さ(z方向の距離に対応する)を有する。長さ方向は最も長い方向であり、したがって、各ゲート・トレンチ160の長手方向軸は、ゲート・トレンチ160の中央を下って長さ方向に延びる軸を指す。本明細書において、この長さ距離(x方向)は第1方向と称される。各ゲート・トレンチ160は、第1及び第2の両側の側壁及び下端面を有し、これらはそれぞれ第1の方向に延在し、したがって長手方向軸と平行に延在する。ストライプ171は、ストライプ171がゲート・トレンチ160と交差するように、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する。図示の実施例において、第2の方向は、第1の方向に対して垂直である(すなわち、第2の方向は幅方向/y方向である)が、本発明の実施例はこれに限定されない。
【0194】
各ゲート・トレンチ160は、高濃度にドープされたn型炭化ケイ素層140を貫通して延在し、この炭化ケイ素層を、パワーMOSFET100のソース領域として機能する複数の離間した高濃度にドープされたn型炭化ケイ素領域142に変換する。各ゲート・トレンチ160はまた、この層130を複数のpウェル132に変換するために、中程度にドープされたp型炭化ケイ素層130を通じて延在する。各ゲート・トレンチ160はまた、n型ドリフト領域120の上面へと延在する。各ゲート・トレンチ160の側壁は、各ゲート・トレンチ160の両側にある半導体層構造の層/領域の露出表面である。したがって、ソース領域142及びストライプ171の上部が各側壁の上部を形成/構築し、pウェル132及びストライプ171の中間部分が各側壁の中央部分を形成/構築し、ドリフト領域120及びストライプ171の下部が各側壁の下部を形成/構築することができる。
【0195】
更に図2Dに示されるように、p型ドーパントを各ゲート・トレンチ160の下端面に注入することによって、高濃度にドープされたp炭化ケイ素の深い遮蔽領域170が各ゲート・トレンチ160の下方に形成される。ゲート・トレンチ160の下方にある低濃度にドープされたn型ドリフト領域の部分を高濃度にドープされたp型領域に変換する高エネルギーの高用量イオン注入ステップによってp型の深い遮蔽領域170が形成され得る。深い遮蔽領域170は、それぞれのゲート・トレンチ160の全長にわたって延在し得る。
【0196】
また、図2Dに示されるように、高濃度度にドープされたp型材料のストライプ171は、深い遮蔽領域170の上面を越えて下方に延在し、したがって、深い遮蔽領域170に電気的に接続される。そのため、ストライプ171は、深い遮蔽領域170をpウェル132に電気的に接続する深い遮蔽接続パターン172として作用する。ストライプ171/深い遮蔽接続パターン172は半導体層構造150の上面まで延びるため、pウェル132は半導体層構造150の上面まで延びる必要はない。
【0197】
図2E及び逗2Fを参照すると、コンフォーマル・ゲート酸化物層が、各ゲート・トレンチ160の下端面上及び側壁上に形成される。コンフォーマル・ゲート酸化物層は、酸素含有環境でのアニールによって露出した炭化ケイ素を酸化することによって形成され得る。或いは、コンフォーマル・ゲート酸化物層は、酸化物堆積ステップによって形成されてもよい。コンフォーマル・ゲート酸化物層の一部を除去して、ソース接点180がソース領域140及び深い遮蔽接続パターン172に接続できる開口を形成することができる。コンフォーマル・ゲート酸化物層のこれらの部分の除去は、各ゲート・トレンチ160内にゲート酸化物層162を残す。
【0198】
ゲート電極164は、それぞれのゲート・トレンチ160を充填するべく各ゲート酸化物層162上に形成される。ゲート電極164は、例えば、ポリシリコン、シリケート、又は金属などの導電材料を含むことができる。ゲート酸化物層162及びゲート電極164の露出部分上に金属間誘電体層166が形成され、デバイスの上部上にソース接点180が形成される。ソース接点180は、1つ以上の金属を含むことができ、深い遮蔽接続パターン172及びn型ソース領域140に物理的及び電気的に接続される。ソース接点180は、MOSFET100のソース端子を備えてもよく、又はソース端子に電気的に接続されてもよい。基板110の下面上にドレイン接点182が形成される。図2E及び図2Fの断面図の外側でゲート電極164に接続されるゲート接点(図示せず)も設けられる。
【0199】
深い遮蔽接続パターン172(図2F)が形成されるゲート・トレンチの側壁の部分は、ゲート電極に隣接するn-p-n接合構造を含まないため、トランジスタの一部として動作できない。図2Dに示されるように、幾つかの実施例では、第1の方向(すなわち、ゲート・トレンチ160が延びる方向)における深い遮蔽接続パターン172の範囲は、深い遮蔽接続パターン172間にある側壁の領域の範囲の約15%~25%にすぎない場合がある。したがって、深い遮蔽領域170をソース接点180に電気的に接続する深い遮蔽接続パターン172を設けるために、図1A図1Eの従来のMOSFET1におけるチャネル領域の50%の犠牲と比較して、チャネル領域の約15%~25%のみしか犠牲にされない。他の実施例において、第1方向の深い遮蔽接続パターン172の範囲は、深い遮蔽接続パターン172間にある側壁の領域の範囲の10%~30%、10%~40%、20%~40%、又は30%~40%であってもよい。そのような実施例は全て、図1A図1DのMOSFET100と比較して改善された性能を与えることができる。
【0200】
図3A図3Dは、本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET200の半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。図3E及び3Fは、半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図3Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFET200の断面図を示す、図3Dの線3E-3E及び線3F-3Fにそれぞれ沿う概略断面図である。MOSFET200は、前述のMOSFET100と同様であるが、その深い遮蔽接続パターンを形成するために低エネルギー注入を使用して製造することができる。
【0201】
図3Aを参照すると、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板210が設けられ、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域220がエピタキシャル成長によって基板210上に形成される。中程度にドープされたp型ウェル層230がn型炭化ケイ素ドリフト領域220の上面に形成され、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層240が中程度にドープされたp型ウェル層230上に形成される。基板210、ドリフト領域220、ウェル層230、及びソース層240は、半導体層構造250を構成する。層210、220、230、240は、同じ態様で形成され、前述したゲート・トレンチ・パワーMOSFET100の対応する層と同じ特性を有することができ(例えば、厚さ、ドーピング密度など)、そのため、それ以上の説明は省略する。
【0202】
図3Bを参照すると、複数のゲート・トレンチ260が、半導体層構造250の上面にエッチングによって形成される。各ゲート・トレンチ260は、基板210の上方で第1の方向(x方向)に延在し、ゲート・トレンチ260は、第2方向(y方向)で互いに離間される。各ゲート・トレンチ260は、この炭化ケイ素層240を複数の離間した高濃度にドープされたn型領域242に変換するために、高濃度にドープされたn型炭化ケイ素層240を通じ延在する。また、各ゲート・トレンチ260は、中程度にドープされたp型炭化ケイ素層230を通じて延在し、この層230を複数のpウェル232に変換する。また、各ゲート・トレンチ260は、n型ドリフト領域220の上面へと延在する。
【0203】
更に図3Bに示されるように、各ゲート・トレンチ260の下端面にp型ドーパントを注入することにより、高濃度にドープされたp炭化ケイ素深い遮蔽領域270が各ゲート・トレンチ260の下方に形成される。ゲート・トレンチ260の下方にある低濃度にドープされたn型ドリフト領域の部分を高濃度にドープされたp型領域に変換する高エネルギーの高用量イオン注入ステップによってp型遮蔽パターン270が形成されてもよい。深い遮蔽領域270は、それぞれのゲート・トレンチ260の全長にわたって延在し得る。
【0204】
図3Cを参照すると、フォトレジスト注入ブロッキング・マスク276が図3Bの構造上に形成され、フォトレジスト注入ブロッキング・マスク276をパターン化してその中に複数のストライプ状の開口278を形成する。複数のストライプ開口278を介して露出されるゲート・トレンチ260の両側の側壁を注入するために、一対の低エネルギー、高用量傾斜イオン注入が実行される。その後、マスク276を除去することができる。各低エネルギー、高用量傾斜イオン注入は、例えば、1×1013~1×1015の用量で、10kV~300kVの注入エネルギーで実行され得る。他の例示的な実施例では、注入エネルギーは、1×1013~1×1015の用量で、10kV~200kV、10kV~100kV、又は50kV~100kVであり得る。
【0205】
図3Dを参照すると、傾斜イオン注入ステップは、半導体層構造250の露出面にp型材料の高濃度にドープされたストライプ271を形成する。ストライプ271は、第2の方向(y方向)に延在してゲート・トレンチ260を横切る。図示のように、第2の方向は、第1の方向(すなわち、ゲート・トレンチ260が延びる方向)に対して垂直であり得る。図示のように、ストライプ271は、ソース領域240の上面及び側面、ゲート・トレンチ260によって露出されるpウェル232の側面、ゲート・トレンチ260によって露出されるドリフト領域220の側面、及び深い遮蔽領域270の上端面に形成され得る。したがって、高濃度にドープされたp型材料のストライプ271は、深い遮蔽領域270をpウェル232に電気的に接続し、それにより、深い遮蔽接続パターン272として機能する。この場合も同様に、深い遮蔽接続パターン272が半導体層構造250の上端面まで延在するので、pウェル232は半導体層構造250の上端面まで延在する必要はない。
【0206】
深い遮蔽接続パターン272は、ゲート・トレンチ260の側壁を完全に貫通して延びる必要はなく、代わりに、側壁の表面領域並びにソース領域242の上端面及び深い遮蔽領域270の上端面の表面領域でだけ延びることができる(図3F参照)。したがって、深い遮蔽接続パターン172と比較して、はるかに低い注入エネルギーを使用して深い遮蔽接続パターン272を形成することができ、その結果、半導体結晶への損傷が少なくなる。
【0207】
図3E及び図3Fを参照すると、ゲート酸化物層262が、各ゲート・トレンチ260の下端面上及び側壁上に(例えば、酸化又は堆積によって)形成され、ゲート電極264が、ゲート酸化物層262上に形成されて、それぞれのゲート・トレンチ260を充填する。次に、金属間誘電体層266、ソース接点280、及びドレイン接点282が形成される。ゲート酸化物層262、ゲート電極264、金属間誘電体層266、ソース接点280、及びドレイン接点282は、図2E及び図2Fを参照して前述したのと同じ態様で形成することができる。したがって、これ以上の説明は省略する。ゲート接点(図示せず)も従来の態様で形成することができる。
【0208】
図から分かるように、MOSFET200はMOSFET100と非常に類似しているが、主な違いは、深い遮蔽接続パターン272が、ゲート・トレンチ260を画定するピラーを完全に貫通して延在する代わりに、ゲート・トレンチ260及びソース領域240の上面及び側面に沿ってのみ形成されていることである。例示的な実施例では、図2A~2FのMOSFET100と同様に、深い遮蔽接続パターン272は、ゲート・トレンチ260の側壁の表面積の15%~25%しか占有し得ない。他の実施例では、第1方向の深い遮蔽接続パターン272の範囲は、深い遮蔽接続パターン272間にあるゲート・トレンチ260の側壁の領域の範囲の10%~30%、10%~40%、20%~40%、又は30%~40%であってもよい。そのような実施例は全て、図1A図1DのMOSFET100と比較して改善された性能を与えることができる。
【0209】
図4A~4Dは、本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET300の半導体層構造を製造する方法を示す概略斜視図である。図4E及び4Fは、半導体層構造上にメタライゼーションが形成された後の図4Dのゲート・トレンチ・パワーMOSFET300の断面図を示す、図4Dの線4E-4E及び線4F-4Fにそれぞれ沿う概略断面図である。MOSFET300は、前述のMOSFET200とほぼ同一であるが、わずかに異なる技術を使用して製造される。
【0210】
図4Aを参照すると、順次に積層された、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板310、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域320、中程度にドープされたp型ウェル層330、及び中程度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層340を含む半導体層構造350が形成される。半導体層構造350は、n型炭化ケイ素ソース層340がこの実施例ではそれほど高濃度にドープされていないことを除いて、前述の半導体層構造250と同一であり得る。例えば、n型炭化ケイ素ソース層340は、1×1020原子/cm未満の濃度までドープすることができる。
【0211】
図4Bを参照すると、前述のゲート・トレンチ260と同一であり得る複数のゲート・トレンチ360が形成される。ゲート・トレンチ360は、n型炭化ケイ素層340を複数の離間したn型領域342に変換し、中程度にドープされたp型炭化ケイ素層330を複数のpウェル332に変換する。高濃度にドープされたp炭化ケイ素の深い遮蔽領域370は、イオン注入によって各ゲート・トレンチ360の下方に形成される。
【0212】
図4Cを参照すると、フォトレジスト注入ブロッキング・マスク376が図4Bの構造上に形成され、フォトレジスト注入ブロッキング・マスク376をパターン化してそこに複数のストライプ状の開口378を形成する。より高いエネルギーの高用量の非傾斜(すなわち、表面に対して垂直な)イオン注入が実行され、深い遮蔽領域370の露出部分を更にドープする。マスク376は、イオン注入ステップが完了すると除去することができる。高エネルギーの高用量のイオン注入は、例えば、1×1013~1×1015の用量で、100kV~2000kVの注入エネルギーで行なうことができる。他の例示的な実施例において、注入エネルギーは、1x1013~1x1015の用量で、何れの場合にも、200kV~2000kV、400kV~2000kV、又は500kV~2000kVであってもよい。
【0213】
図4Dを参照すると、図4Cに示される高エネルギーのイオン注入ステップ中、p型イオンの一部は、深い遮蔽領域370の上端面から反射又は「散乱」し、マスク376の開口378によって露出されるゲート・トレンチ360の側壁の部分に埋め込まれる。これらの散乱イオンは、n型ドリフト領域320の露出した上部を、深い遮蔽領域370をpウェル332に電気的に接続するp型材料に変換するとともに、開口378によって露出される深い遮蔽領域370及びpウェル332の部分のp型ドーピング濃度を増大させる。その結果、p型材料のストライプ371が、半導体層構造350の露出面に形成される。これらのストライプ371は、第2の方向(y方向)で延在してゲート・トレンチ360と交差する。一般的に言えば、反射されたイオンは、ゲート・トレンチ360の露出した側壁の下部に反射する傾向があり、したがって、場合によっては、ストライプ371はソース領域342へと延在しない場合がある。これは、図4Dに示すように、ソース領域342の露出部分に十分なp型イオンが反射されないからである。したがって、ストライプ371は、不連続なストライプであってもよい。そのため、高濃度にドープされたp型材料のストライプ371は、深い遮蔽領域370をpウェル332に電気的に接続し、したがって、深い遮蔽接続パターン372として機能する。図4Cに関連して前述したイオン注入は、図4Dに示されるように、高濃度にドープされたp型材料のストライプ371が半導体層構造350の上面まで完全に延びるようにソース領域342の露出した側壁が高濃度にドープされたp型領域に変換されるようにするのに十分高い用量で実行される。
【0214】
図4E及び図4Fを参照すると、ゲート酸化物層362及びゲート電極364がゲート・トレンチ360内に形成され、次いで金属間誘電体層366、ソース接点380及びドレイン接点382が形成される。ゲート酸化物層362、ゲート電極364、金属間誘電体層366、ソース接点380、及びドレイン接点382は、図2E及び図2Fに関連して前述したのと同じ態様で形成することができる。したがって、これ以上の説明は省略する。ゲート接点(図示せず)も従来の態様で形成することができる。図4Fに示されるように、深い遮蔽接続パターン372は、ゲート・トレンチ360の側壁を完全に貫通して延在せず、代わりに側壁の表面領域でのみ延びることができる。更に、この実施例では、深い遮蔽接続パターン372はソース領域342へと延在しなくてもよい。
【0215】
例示的な実施例においては、図2A図2FのMOSFET100と同様に、深い遮蔽接続パターン372は、ゲート・トレンチ260の側壁の表面積の15%~25%しか占有しない。他の実施例では、第1の方向の深い遮蔽接続パターン372の範囲は、深い遮蔽接続パターン372間にあるゲート・トレンチ260の側壁の領域の範囲の10%~30%、10%~40%、20%~40%、又は30%~40%であってもよい。そのような実施例は全て、図1A図1DのMOSFET100と比較して改善された性能を与えることができる。
【0216】
図4G及び4Hは、図4A図4Fに関連して前述したMOSFET300の修正版であるMOSFET300’を形成する方法を示す。特に、図4Gは、図4Aに対応する概略斜視図であり、図4Hは、図4Aに対応する概略斜視図である。
【0217】
図4Gに示されるように、この別の実施例では、図4Aの中程度にドープされたp型ウェル層330が、より厚い中程度にドープされたp型ウェル層330’として成長され、図4Aの高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層340が、注入マスク(図示せず)を使用して中程度にドープされたp型ウェル層330’に選択的に注入される、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素パターン340’と置き換えられる。その結果、中程度にドープされたp型ウェル層330’は、半導体層構造350の上面まで延びる複数の上向きに延びるストライプ334を含む。
【0218】
図4Hに示されるように、図4B及び図4Cに関連して前述した処理ステップが実行された後、図4Hに示される構造が形成される。イオンの散乱によって形成されるp型材料のストライプがゲート・トレンチ360の側壁までは伸びず、代わりにpウェル332上にのみ延びるように、より低い用量のイオン注入ステップを実行することができる。前述の上方に延びるストライプ334は、半導体層構造350の上面へのp型接続をもたらす。MOSFET300’は、その他の点ではMOSFET300と同じであってもよく、したがって、その更なる説明は省略される。
【0219】
図5Aは、本発明の更なる実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET400の概略断面図であり、断面は、デバイスの半導体層構造の上端面によって画定される平面に沿って取られている。図5Bは、図5Aのゲート・トレンチ・パワーMOSFET400の小領域(図5Aの領域402)の概略斜視図である。
【0220】
図5Aに示されるように、デバイスの半導体層構造450の上端面が示されている。複数のゲート・トレンチ460は、半導体層構造450の上面を横切って第1の方向に平行に延在する。複数のソース・トレンチ490は、半導体層構造450の上面を横切って第2の方向に平行に延在する。ソース・トレンチ490は、ゲート・トレンチ460に対して垂直に延在するように示されるが、本発明の実施例はこれに限定されない。
【0221】
図5Bを参照すると、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET400は、順次に積層される、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板410、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域420、中程度にドープされたp型ウェル層430、及び高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース層440を含む。これらの層410、420、430、440は、前述のゲート・トレンチ・パワーMOSFET100の対応する層と同じ態様で形成されて同じ特性(例えば、厚さ、ドーピング密度など)を有することができるので、その更なる説明は省略する。基板410、ドリフト領域420、ウェル層430及びソース層440は、半導体層構造450を構成する。
【0222】
ゲート・トレンチ460及びソース・トレンチ490の両方が、ソース層440を通じて延在してソース領域442を画定し、p型ウェル層430を通じて延在してpウェル432を画定する。ゲート・トレンチ460及びソース・トレンチ490もまたドリフト領域420の上面へと延在する。幾つかの実施例では、ゲート・トレンチ460及びソース・トレンチ490は、半導体層構造450の上面から同じ深さを有してもよく、及び/又は同じエッチング・プロセスで形成されてもよい。この実施例では、ゲート・トレンチ460がソース・トレンチ490と交差する位置で各ゲート・トレンチ450の両側に半導体材料のピラー404が設けられるように、ソース・トレンチ490はゲート・トレンチ460まで完全に延びていない。ピラー404は、後述するように、ゲート酸化物層が形成される各ゲート・トレンチ490とその交差するソース・トレンチ490との間に壁をもたらす。したがって、各ソース・トレンチ490は、同一線上に離間した複数のセグメントを含むセグメント化されたソース・トレンチを備える。
【0223】
ゲート酸化物層462及びゲート電極464は、ゲート・トレンチ460内に形成される。ゲート酸化物層462は、各ゲート・トレンチ460の下端面上及び側壁上に酸化又は堆積によって形成され得る。ゲート電極464は、ゲート酸化物層462上に形成されてそれぞれのゲート・トレンチ460を充填する。図示の実施例では、ゲート酸化物層462及びゲート電極464は、それぞれのゲート・トレンチ460を通じて連続的に延在する。ソース接点480のそれぞれの突出部484は、それぞれのソース・トレンチ490内に形成される。幾つかの実施例では、ソース接点480は、それぞれのソース・トレンチ490内へと延びる下方突出部484を含むモノリシック・ソース接点480であってもよい。図5Bは、突出部484の上方にあるソース接点480の部分を示しておらず、セグメント化されたソース・トレンチ490の第1及び第2の部分へと延在する2つの下方突出部484のみを示している。ゲート電極464をソース接点480から分離する金属間絶縁パターン(図示せず)が半導体層構造及びゲート電極の上端面に設けられ、また、ソース接点480の突出部484がこの金属間絶縁パターンの開口を通じて延在してソース・トレンチ490を充填するのが分かる。また、MOSFET400が、各ゲート電極464とゲート端子(図示せず)との間に接続(図示せず)を含むとともに、半導体基板410の下端にドレイン接点(図示せず)を含むことも分かる。
【0224】
更に図5Bに示されるように、高濃度にドープされたp炭化ケイ素の深い遮蔽領域492が、各ソース・トレンチ490の下方に形成される。深い遮蔽領域492は、ソース接点480(突出部484を含む)が形成される前に、各ソース・トレンチ490の下端面へとp型ドーパントを注入することによって形成され得る。p型遮蔽パターン492は、ソース・トレンチ490の下方にある低濃度にドープされたn型ドリフト領域420の部分を高濃度にドープされたp型領域に変換する、高エネルギーの高用量のイオン注入ステップによって形成することができる。
【0225】
同様に図5Bに示されるように、高濃度にドープされたP炭化ケイ素の深い遮蔽領域470が、各ゲート・トレンチ460の下方に任意選択的に形成されてもよい。深い遮蔽領域470は、ゲート酸化物層462及びゲート電極464がゲート・トレンチ460内に形成される前に各ゲート・トレンチ490の下端面へとp型ドーパントを注入することによって形成されてもよい。p型遮蔽パターン470は、ゲート・トレンチ460の下方にある低濃度にドープされたn型ドリフト領域420の部分を高濃度にドープされたp型領域に変換する高エネルギーの高用量イオン注入ステップによって形成することができる。深い遮蔽領域492及び深い遮蔽領域470(設けられる場合)は、同じイオン注入プロセスによって形成することができる。上記に示されるように、深い遮蔽領域470はいくつかの実施例において省略されてよい。
【0226】
ゲート・トレンチ460とソース・トレンチ490との間に介挿されるピラー404の下端部は、ピラーの下端部をp型材料に変換して深い遮蔽領域492と深い遮蔽領域470(設けられる場合)との間に電気的接続をもたらすべく、イオン注入プロセス中にp型イオンで注入されてもよい。場合によっては、ピラー404の下端部(各ピラー404の下方の領域)にp型イオンを十分に注入して、高エネルギーp型注入の分散に基づいてこれらの電気接続をもたらすことができる。他の場合には、ピラー404の下端部がp型材料に変換されるようにするために、傾斜イオン注入が使用されてもよい。勿論、深い遮蔽領域470が設けられない場合、ピラー404の下端をp型材料に変換する理由はないかもしれない。
【0227】
MOSFET400は、ソース接点480が深い遮蔽領域492に直接接触し、深い遮蔽領域492が深い遮蔽領域470に直接接触するため、深い遮蔽接続パターンを何ら含まない。実際には、深い遮蔽領域492は、深い遮蔽領域として機能するとともに、深い遮蔽領域470をソース接点480に電気的に接続する深い遮蔽接続パターンとしても機能する。
【0228】
ソース・トレンチ490(すなわちピラー404)に隣接するゲート・トレンチ460の部分は、ピラーの下端部がp型材料に変換される場合、その中に半導体チャネル領域を持たない。ソース・トレンチ490のピッチは、ゲート・トレンチ460の側壁の表面積の約15%~25%のみがソース・トレンチ490に隣接するようなピッチであることが予想される。したがって、MOSFET400は、図1A図1Eの従来のMOSFET1と比較して、性能も向上している。
【0229】
図5C及び図5Dは、図5A及び図5BのMOSFET400Aの2つの修正された実施例400B及び400Cをそれぞれ示す。図5C及び5Dはそれぞれ図5Bの図に対応する。
【0230】
図5Cに示されるように、MOSFET400Bは、図5Bに示されるMOSFET400Aと同様である。2つのデバイス間の主な相違点は、MOSFET400Aが、連続するゲート・トレンチ460、ゲート誘電体層462及びゲート電極464、並びにセグメント化されたソース・トレンチ490及びソース接点突出部484を含むのに対し、MOSFET400Bが、連続するソース・トレンチ490及びソース接点突出部484、並びにセグメント化されたゲート・トレンチ460、ゲート誘電体層462及びゲート電極464を含むことである。図5Dに示されるように、MOSFET400Cは、(MOSFET400Aで行われるように)ソース・トレンチ490及びソース接点突出部484をセグメント化するアプローチと、(MOSFET400Bで行われるように)ゲート・トレンチ460、ゲート誘電体層462及びゲート電極464をセグメント化するアプローチとを組み合わせる。したがって、これらのデバイスの更なる説明は省略する。
【0231】
図6A~6Eは、本発明の更に別の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET500を製造する方法を示す概略断面図である。
【0232】
図6Aに示されるように、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板510、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域520、及び中程度にドープされた炭化ケイ素pウェル532を含む半導体層構造550を形成することができる。高濃度にドープされたn炭化ケイ素ソース領域542がpウェル532の上部に形成される。ゲート・トレンチ560が従来の態様で半導体層構造550の上面に形成される。深い遮蔽領域570は、ゲート・トレンチ560の下方にイオン注入によって形成される。図6Aに示される構造は、図1Bに関連して前述した従来のMOSFET1の構造と同一であり得るため、これ以上の説明は省略する。
【0233】
図6Bを参照すると、ゲート・トレンチ560の側壁及び下端面を覆うゲート誘電体層562が形成される。ゲート誘電体層562は、半導体層構造550の上端面へも延在し得る。その後、ゲート電極が形成されて、トレンチ560を充填する。次に、マスク(図示せず)が形成され、ゲート誘電体層562及びゲート電極がエッチングされて、深い遮蔽領域570の中央部分を露出させる予備ソース・トレンチ591が形成される(すなわち、ゲート・トレンチ560の中央部分が再び開かれる)。予備ソース・トレンチ591は、連続的(すなわち、それぞれのゲート・トレンチの全長にわたって延在し得る)又は不連続的(図6Bでは連続的として示されている)であり得る。予備ソース・トレンチ591は、各ゲート電極を第1及び第2のゲート電極564-1、564-2に分割することができる。
【0234】
図6Cを参照すると、その後、予備ソース・トレンチ591を充填し、ゲート電極564-1、564-2の露出部分を覆う金属間絶縁パターン566が形成される。
【0235】
図6Dを参照すると、エッチングマスク(図示せず)が形成され、金属間絶縁パターン566がエッチングされてソース・トレンチ590が形成される。各ソース・トレンチ590は、それぞれのゲート・トレンチ560の中心を通じ延び、深い遮蔽領域570を露出させる。
【0236】
図6Eを参照すると、ソース接点580がデバイスの上面に形成される。ソース接点580は、ソース・トレンチ590を充填する下方突出部584を含む。突出部584は、深い遮蔽領域570に直接接触し、したがって、ソース接点580と深い遮蔽領域570との間の直接的な電気接続をもたらし、別個の深い遮蔽接続パターンの必要性を排除する。
【0237】
ゲート・トレンチ560を通じて延在して深い遮蔽領域570に直接接触するようにソース接点580を構成することによって、深い遮蔽接続パターンの必要性を排除することができる。図示の実施例において、ソース接点580の各下方突出部584は、それが存在するそれぞれのゲート・トレンチ560の全長にわたって延在し、したがって、第1及び第2のゲート電極564-1、564-2は、ゲート・トレンチ560の外側でのみ互いに電気的に接続される別個の接点であってもよい。他の実施例において、下方突出部584は、それぞれのゲート・トレンチ560の全長にわたって延在しないプラグを備えてもよい。そのような実施例において、第1及び第2のゲート電極564-1、564-2は、プラグ584を含まないゲート・トレンチ560の部分内で互いに電気的に接続され得る。
【0238】
図7図9は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
【0239】
図7及び図2A図4Fを参照すると、工程はワイド・バンド・ギャップ半導体層構造の形成から開始することができる(ブロック600)。半導体層構造は、基板と、エピタキシャル成長及び/又はイオン注入によって形成される基板上に成長される複数の半導体層とを含むことができる。半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト領域を含むことができる。半導体層構造は、ドリフト領域上に第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部に第1の導電型を有するソース領域とを更に含んでもよい。半導体層構造の上面にゲート・トレンチが形成される(ブロック610)。ゲート・トレンチは、第1の方向に延びるとともに、下端面、第1の方向に延びる第1の側壁、及び第1の方向に延びる第2の側壁を有することができる。
【0240】
第2の導電型を有する深い遮蔽領域が、ゲート・トレンチの下端面の下方の半導体層構造に形成される(ブロック620)。深い遮蔽領域がイオン注入によって形成されてもよい。第2の方向に延在して深い遮蔽パターンと交差する複数の離間された深い遮蔽接続パターンが形成される(ブロック630)。幾つかの実施例において、第2の方向は、第1の方向に対して垂直であってもよい。チャネル領域は、深い遮蔽接続パターン間のゲート・トレンチの側壁に画定される。
【0241】
図8及び図5A図5Dを参照すると、工程はワイド・バンド・ギャップ半導体層構造の形成から開始することができる(ブロック700)。半導体層構造は、基板と、エピタキシャル成長によって基板上に成長される及び/又はイオン注入によって形成される複数の半導体層とを含むことができる。半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト領域を含むことができる。半導体層構造は、ドリフト領域上に第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部に第1の導電型を有するソース領域とを更に含んでもよい。複数のゲート・トレンチが半導体層構造の上面に形成される(ブロック710)。ゲート・トレンチは、第1の方向に延在されるとともに、第1の方向に対して垂直な第2の方向で互いに離間され得る。各ゲート・トレンチは、下端面、第1の方向に延びる第1の側壁、及び第1の方向に延びる第2の側壁を有することができる。
【0242】
複数のソース・トレンチも、半導体層構造の上面に形成される(ブロック720)。幾つかの実施例において、ソース・トレンチは、ゲート・トレンチと交差するとともに、第2の方向に延びることができる。ゲート・トレンチ及びソース・トレンチは、共通のエッチング・プロセスを使用して形成することができる。第2の導電型を有する複数の深い遮蔽領域が、ソース・トレンチの下端面の下方の半導体層構造に形成される(ブロック730)。深い遮蔽領域は、イオン注入によって形成することができる。それぞれのゲート・トレンチの下方に任意選択的に深い遮蔽領域を形成することができる。
【0243】
図9及び図6A図6Eを参照すると、工程はワイド・バンド・ギャップ半導体層構造の形成から開始することができる(ブロック800)。半導体層構造は、基板と、エピタキシャル成長によって基板上に成長される及び/又はイオン注入によって形成される複数の半導体層とを含むことができる。半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト領域を含むことができる。半導体層構造は、ドリフト領域上に第2の導電型を有するウェル領域と、ウェル領域の上部に第1の導電型を有するソース領域とを更に含んでもよい。半導体層構造の上面にゲート・トレンチが形成される(ブロック810)。ゲート・トレンチは、第1の方向に延びるとともに、下端面、第1の方向に延びる第1の側壁、及び第1の方向に延びる第2の側壁を有することができる。
【0244】
第2の導電型を有する深い遮蔽領域が、ゲート・トレンチの下端面の下方の半導体層構造に形成される(ブロック820)。深い遮蔽領域は、イオン注入によって形成することができる。深い遮蔽領域は、イオン注入によって形成することができる。ゲート・トレンチの第1の側壁に第1のゲート電極を形成し(ブロック830)、ゲート・トレンチの第2の側壁に第2のゲート電極を形成する(ブロック840)。第1及び第2のゲート電極は、モノリシック・ゲート電極として形成することができ、モノリシック・ゲート電極の中間部分の少なくとも一部を除去することができる。第1及び第2のゲート電極間にソース接点が形成される(ブロック850)。ソース接点は、深い遮蔽領域に直接接触することができる。
【0245】
図10はゲート・トレンチ・パワーMOSFETの平面図である。図11は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-1を示す、図10のA-A’線に沿う概略断面図である。図12及び図13は、図11に示されるゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-1の2つの修正された実施例600-2及び600-3をそれぞれ示す。図10は、図面を簡略化するために、ゲート・トレンチ・パワーMOSFETの全ての要素ではなく、要素のグループを示す。
【0246】
図10及び図11を参照すると、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-1は、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板610、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域620、及び中程度にドープされた炭化ケイ素pウェル632を含む。pウェル632の上部には高濃度にドープされたn炭化ケイ素ソース領域642が設けられる。半導体層構造650は、基板610、ドリフト領域620、pウェル632、及びソース領域642を含み、これらを総称して半導体層構造と呼ぶことができる。pウェル632及びソース領域642のそれぞれは、x方向として指定される第1の方向で長手方向に延びるライン形状を有することができる。ドレイン接点682は、基板610の下面に設けられる。
【0247】
2つの隣接するpウェル632間に、第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2が設けられる。第1及び第2のゲート構造668-1、668-2のそれぞれは、第1の(x)方向で長手方向に延びるライン形状を有し、y方向として示される第2の方向で互いに離間され得る。ソース接点680が、第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2上に設けられ、第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2から電気的に絶縁される。深い遮蔽領域670がドリフト領域620に設けられる。それぞれの深い遮蔽領域670は、第1のゲート構造668-1の下方から第2のゲート構造668-2の下方まで延び、p型ドーパントを含む。第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2のそれぞれは、深い遮蔽領域670と垂直に重なり合う。本明細書で使用されるように、要素Aが要素Bと垂直に重なり合うという言及(又は同様の用語)は、両方の要素A,Bと交差する少なくとも1つの垂直線を引くことができることを意味する。垂直方向は、基板610の主表面に垂直なz方向として指定される第3の方向を指す。層610、620、632、674、670、680及び682は、前述のゲート・トレンチ・パワーMOSFET500の対応する層と同じ又は同様の特性(例えば、厚さ、ドーピング密度など)を有し得るので、その更なる説明は省略される。
【0248】
深い遮蔽領域670とソース接点680との間に直接的な電気接続をもたらすために接続領域686が深い遮蔽領域670上に設けられる。接続領域686は、深い遮蔽領域670から上方に突出し、第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2を互いに分離する。幾つかの実施例において、接続領域686は、図11に示すように、深い遮蔽領域の中央部分から第2の(y)方向で突出する。幾つかの実施例において、接続領域686は、p型ドーパントを含む半導体層である。例えば、接続領域686は、p型ドーパントを含む炭化ケイ素層である。接続領域686は、深い遮蔽領域670のドーパント濃度よりも高いドーパント濃度を有することができる。例えば、接続領域686の少なくとも一部のドーパント濃度は、5×1017原子/cm~5×1020原子/cmであってもよい。幾つかの実施例において、接続領域686は、図10に示されるように、平面図で実質的に第1のゲート構造686-1の長さにわたって延在する。
【0249】
第1及び第2のゲート構造668-1及び686-2のそれぞれは、接続領域686に面して隣接する内側側壁と、内側側壁の反対側の外側側壁とを含む。第1及び第2のゲート構造668-1及び686-2の内側側壁は接続領域686と接触する。第1及び第2のゲート構造668-1及び686-2のそれぞれは、ゲート電極664、外側の側壁を画定するゲート誘電体層662、及び内側の側壁を画定するゲート間誘電体層663も含む。ゲート誘電体層662はまた、ゲート電極664と深い遮蔽領域670との間で延在する。幾つかの実施例において、ゲート間誘電体層663は、第2の(y)方向で厚さを有し、その厚さは、実質的に、第2の(y)方向におけるゲート誘電体層662の厚さ以上である。第1及び第2のゲート構造668-1及び686-2のそれぞれは、ゲート電極664とソース接点680との間の電気的絶縁のためのキャッピング層665を更に含む。ゲート電極664は、導電性材料(例えば、ドープされたポリシリコン、シリサイド化されてドープされたポリシリコン、金属又は複合金属、金属窒化物)を含み、ゲート誘電体層662、ゲート間誘電体層663、及びキャッピング層665のそれぞれは、絶縁材料(例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、及びシリコン酸窒化物)を含む。
【0250】
図12を参照すると、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-2は、MOSFET600-1と非常に類似し得るが、主な違いは、深い遮蔽領域670が第2の方向でより広い幅を有することである。深い遮蔽領域670の両側の側壁は、第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2の外側側壁を越えて突出し、例えば逆ブロッキング動作中に第1及び第2のゲート構造668の下部コーナーに隣接するゲート誘電体層662内の電界レベルを更に低減することができる。深い遮蔽領域670は、第1及び第2のゲート構造668が垂直に重なり合わない部分を含むことができる。
【0251】
図13を参照すると、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-3は、MOSFET600-1と非常に類似し得るが、主な違いは、更なる下端誘電体層669が第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2と深い遮蔽領域670との間に設けられて例えば逆ブロッキング動作中にゲート誘電体層662内の電界レベルを更に減少させることである。下端誘電体層669のそれぞれの上端面の中央部分は湾曲していてもよい。幾つかの実施例において、下端誘電体層669は、ゲート誘電体層662とは異なる材料を含むことができる。下端誘電体層669は、ホウ素(B)、リン(P)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、及び/又は鉛(Pb)などの添加剤を含むことができる。幾つかの実施例において、ソース領域642によって画定される第1のコーナー642c及び/又はドリフト領域620によって画定される第2のコーナー620cは、丸いコーナーであってもよい。
【0252】
図14はゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-4の平面図であり、図15は、本発明の実施例に係る図14のA-A’線に沿うゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-4の概略断面図である。図14は、図面を簡略化するために、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-4の全ての要素ではなく、要素のグループを示す。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-4は、MOSFET600-1と非常に類似し得るが、主な違いは、接続領域686がより幅広い上部686uを含むことである。第2の方向における上部686uの幅は、第2の(y)方向における接続領域686の幅よりも広い。上部686uは、図15に示すように、ゲート間誘電体層663、並びに第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2の少なくとも一部と垂直に重なり合うことができる。接続領域686の上部686uは、ソース接点680との界面面積を増加させ、したがって、ソース接点680との低抵抗オーミック接点を形成する。
【0253】
図16はゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-5の平面図であり、図17は、本発明の実施例に係る図16のB-B’線に沿うゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-5の概略断面図である。図16は、図面を簡略化するために、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-5の全ての要素ではなく、要素のグループを示す。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-5は、MOSFET600-1と非常に類似し得るが、主な違いは、接続領域686が突出部686pを含むことである。突出部686pは接続領域686の直線部分から第2の(y)方向で突出し、第1及び第2ゲート構造668-1、668-2内へと突出する。接続領域686の上部686uと同様に、接続領域686の突出部686pは、ソース接点680との界面面積を増加させ、したがって、ソース接点680との低抵抗オーミック接点を形成する。図16の線A-A’に沿うゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-5の断面図は、図11図13に示されるものの1つと実質的に同一であり得る。
【0254】
図18は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-6の平面図である。図18は、図面を簡略化するために、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-6の全ての要素ではなく、要素のグループを示す。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-6は、MOSFET600-1と非常に類似し得るが、主な違いは、デバイスが複数の同一線上の的に離間した接続領域686を含み、そのそれぞれが第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2間にあることである。複数の接続領域686は、第1の(x)方向で互いに離間される。
【0255】
図19は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-7の平面図であり、図20A及び図20Bは、図19の線C-C’及び線D-D’にそれぞれ沿うゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-7の概略断面図である。図19は、図面を簡略化するために、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-7の全ての要素ではなく、要素のグループを示す。図19図20A及び図20Bを参照すると、それぞれがpウェル632及びソース領域642を含む半導体層構造の部分は、互いに離間され、2次元的に配置される。これらの部分のそれぞれは、第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2の下面に対して上方に突出するため、突出部と呼ぶことができる。各突出部において、ソース領域642は、平面図でpウェル632を取り囲むことができる。幾つかの実施例において、各突出部は、図19に示されるように、平面図でほぼ六角形の形状を有する。
【0256】
各突出部は、主ゲート構造668m、第1のゲート構造668-1、及び第2のゲート構造668-2を含むゲート構造によって取り囲まれる。深い遮蔽領域670がゲート構造の下方に設けられる。MOSFET600-7は、深い遮蔽領域670から上方に突出して互いに離間される複数の接続領域686を含む。
【0257】
図19及び図20Aを参照すると、主ゲート構造668mは、互いに対向する隣接する突出部の側壁間に設けられ、単一のゲート電極664mを含む。図19及び図20Bを参照すると、接続領域686のそれぞれは、突出部のそれぞれの縁部に隣接して設けられ、単一のゲート電極664mを第1及び第2のゲート構造668-1及び668-2のゲート電極664に分割する。幾つかの実施例において、接続領域686のそれぞれは、より幅広い上部(例えば、図15の上部686u)を含むことができる。
【0258】
図21図22、及び図25は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFETを製造する方法を示す概略断面図であり、図23及び図24は、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-5及び600-7の中間構造の平面図である。
【0259】
図21を参照すると、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域620が、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板610上に形成され得る。例えば、ドリフト領域620は、シード層としての基板610を使用してエピタキシャル成長プロセスによって形成され得る。ドリフト領域620は、その後のプロセスによってドリフト領域620の上部にpウェル及びソース領域(例えば、図25のpウェル632及びソース領域642)を形成するのに十分な厚さを有するように形成され得る。ドリフト領域620を形成した後、ドリフト領域620内に深い遮蔽領域670を形成することができる。深い遮蔽領域670のそれぞれは、図10に示すように、第1の方向で長手方向に延びるライン形状を有することができる。深い遮蔽領域670は、例えばイオン注入プロセスによってp型ドーパントをドリフト領域620に加えることによって形成される。幾つかの実施例では、深い遮蔽領域670を形成するためのイオン注入プロセス中に、p型ドーパントを含む予備接続領域686’が深い遮蔽領域670上に形成され得る。
【0260】
図22を参照すると、ドリフト領域620の上部に第1のゲート・トレンチ694-1及び第2のゲート・トレンチ694-2を形成することによって接続領域686を形成する。第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2は、ドリフト領域620及び/又は予備接続領域686’をエッチングすることにより形成される。一対の第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2が、単一の深い遮蔽領域670上に形成され、第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2は、深い遮蔽領域670並びに接続領域686の両側面を露出させる。第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2並びに接続領域686のそれぞれは、MOSFET600-1、600-2、600-3を形成するために第1の(x)方向で長手方向に延びるライン形状を有し得る。ドリフト領域620及び/又は予備接続領域686’をエッチングする間、接続領域686は、より幅広い上部(例えば、図15の上部686u)を有するように形成され得る。
【0261】
第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2を形成した後、p型ドーパントを、例えばイオン注入プロセスによって接続領域686に添加することができる。例えば、2つの別々の傾斜イオン注入プロセス(図22に傾いた矢印で表わされる)を実行して、第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2に対して露出される、接続領域686の両側の側壁を通じて接続領域686にp型ドーパントを添加することができる。これらの傾斜イオン注入プロセスは、接続領域686のp型ドーパント濃度を増加させ、それによってその導電率を高める。更に、それらの傾斜イオン注入プロセスは、接続領域686の両側の側壁が後続の酸化プロセスによって比較的速く酸化されるように、接続領域686の両側の側壁を僅かに損傷させる。その結果、図11に示すように、接続領域686の両側の側壁上に形成されたゲート間誘電体層663は、pウェル632及びソース領域642上に形成されたゲート誘電体層662よりも厚くすることができる。
【0262】
図23及び図24は、図22に対応する平面図であり、それぞれMOSFET600-5及び600-7の中間構造である。図23を参照すると、接続領域686が、第1ゲート・トレンチ694-1と第2ゲート・トレンチ694-2との間に形成され、接続領域686の直線部分から第2の(y)方向で突出する突出部686pを含む。突出部686pは、第1及び第2ゲート・トレンチ694-1、694-2内へ突出し、第1の(x)方向で互いに離間される。
【0263】
図24を参照すると、ドリフト領域620及び/又は予備接続領域686’をエッチングすることによって、深い遮蔽領域670を露出させるゲート・トレンチが形成される。ゲート・トレンチは、ドリフト領域620の突出部620pと、ドリフト領域620から上方に突出する接続領域686とを画定する。ゲート・トレンチは、2つの隣接する突出部620pの側壁間の主ゲート・トレンチ694mと、突出部620pと接続領域686との間の第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2とを含む。ドリフト領域620の突出部620pのそれぞれは、平面図で六角形の形状を有することができる。
【0264】
図25を参照すると、ドリフト領域620の上部にp型ドーパントを添加することによってpウェル632が形成され、pウェル632の上部にn型ドーパントを添加することによってソース領域642が形成される。pウェル632及びソース領域642のそれぞれは、例えば、イオン注入プロセスによって形成することができる。
【0265】
幾つかの実施例では、第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2が形成される前に、ドリフト領域620の上部にpウェル632及びソース領域642が形成される。
【0266】
再び図11を参照すると、pウェル632及びソース領域642を形成した後、ゲート間誘電体層663及びゲート誘電体層662が、例えば、酸化プロセスによって第1及び第2ゲート・トレンチ694-1、694-2に形成され、その後、ゲート電極664とキャッピング層665が第1及び第2ゲート・トレンチ694-1、694-2内に形成される。
【0267】
再び図13を参照すると、幾つかの実施例では、ゲート間誘電体層663及びゲート誘電体層662を形成する前に、第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2内に下端誘電体層669を形成することができる。下端誘電体層669は、酸化プロセス、薄膜堆積プロセス及び/又はアニーリングプロセスによって形成されてもよい。下端誘電体層669は、添加剤、例えば、ホウ素(B)、リン(P)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、及び/又は鉛(Pb)を含むことができる。第1及び第2のゲート・トレンチ694-1及び694-2の側壁が露出されるように、下端誘電体層669を部分的に除去するべく後続のエッチング・プロセスが実行されてもよい。下端誘電体層669が酸化プロセスによって形成されるとき、ソース領域642によって画定される第1のコーナー642c及び/又はドリフト領域620によって画定される第2のコーナー620cが酸化によって丸められてもよい。
【0268】
再び図15を参照すると、幾つかの実施例では、キャッピング層665の一部が除去されて、接続領域686の両側の側壁の上部が露出され、その後、キャッピング層665上に上部686uが形成される。例えば、上部686uは、エピタキシャル成長プロセスを介して接続領域686から成長されてもよい。
【0269】
図26及び図27は、本発明の実施例に係るドリフト領域620及び深い遮蔽領域670を形成する方法を示す概略断面図である。図26を参照すると、ドリフト領域620の下部が、例えば、基板610をシード層として使用するエピタキシャル成長プロセスによって基板610上に形成され、その後、イオン注入プロセスによって深い遮蔽領域670が形成され得る。図27を参照すると、ドリフト領域620及び深い遮蔽領域670の下部には、例えばドリフト領域620及び深い遮蔽領域670の下部をシード層として使用するエピタキシャル成長プロセスにより、ドリフト領域620の上部が形成される。その後は、図21図25に関連して説明したのと同様のプロセスを行なってゲート・トレンチ・パワーMOSFETを形成する。
【0270】
図28は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET700の概略断面図である。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET700は、MOSFET500と非常に類似し得るが、主な違いは、MOSFET700が半導体材料(例えば、ドープされたポリシリコン)を含む接続領域786を含むことである。
【0271】
MOSFET700は、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板710、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域720、及び中程度にドープされた炭化ケイ素pウェル732を含む。高濃度にドープされたn炭化ケイ素ソース領域742が、pウェル732の上部に設けられる。2つの隣接するpウェル732間には、第1及び第2のゲート構造768が設けられる。第1及び第2のゲート構造768のそれぞれは、ゲート誘電体層762、ゲート電極764、及び金属間絶縁パターン766を含む。ソース接点780が第1及び第2のゲート構造768上に設けられる。深い遮蔽領域770がドリフト領域720に設けられる。第1及び第2のゲート構造768のそれぞれは、深い遮蔽領域770と垂直方向で重なり合う。接続領域786は、深い遮蔽領域770上に設けられて、深い遮蔽領域770とソース接点780との間に直接的な電気接続をもたらす。ドレイン接点782が、基板710の下面に設けられる。図28に示されるすべての層は、接続領域786を除き、前述したゲート・トレンチ・パワーMOSFET500の対応する層と類似又は同一の特性(例えば、厚さ、ドーピング密度など)を有することができるので、その更なる説明は省略される。
【0272】
MOSFET700は、図6A図6Dに関連して説明した方法と同様の方法で形成することができる。図6Dに示されるものと同様のMOSFET700の中間構造の後、接続領域786は、例えばエピタキシャル成長プロセスによって、第1及び第2のゲート構造768間の深い遮蔽領域770上に形成される。
【0273】
図29図30は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイスを製造する方法を示すフローチャートである。
【0274】
図29並びに図21図22、及び図25を参照すると、工程は、ワイド・バンド・ギャップ半導体層構造の形成から開始することができる(ブロック1000)。半導体層構造は、基板と、エピタキシャル成長プロセス及び/又はイオン注入プロセスによって基板上に形成される複数の半導体層とを含むことができる。半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト領域を含むことができる。
【0275】
第2の導電型を有する深い遮蔽領域がドリフト領域内に形成される(ブロック1010)。深い遮蔽領域は、イオン注入プロセスによって形成することができる。深い遮蔽領域から上方に突出する接続領域が、深い遮蔽領域上に形成される(ブロック1020)。接続領域は、深い遮蔽領域上に一対のゲート・トレンチを形成することによって形成される。一対のゲート・トレンチは、深い遮蔽領域を露出させる。接続領域の両側の側壁上にゲート構造が形成される(ブロック1030)。
【0276】
図30並びに図6A図6D及び図27を参照すると、工程は、ワイド・バンド・ギャップ半導体層構造の形成から開始することができる(ブロック1100)。半導体層構造は、基板と、エピタキシャル成長プロセス及び/又はイオン注入プロセスによって基板上に形成される複数の半導体層とを含むことができる。半導体層構造は、第1の導電型を有するドリフト領域を含むことができる。
【0277】
第2の導電型を有する深い遮蔽領域がドリフト領域内に形成される(ブロック1110)。一対のゲート構造が深い遮蔽領域上に形成される(ブロック1120)。ゲート構造はそれぞれ、第1の方向で長手方向に延在することができ、第1の方向に対して垂直な第2の方向で互いに離間され得る。一対のゲート構造の間で、深い遮蔽領域の一部が露出される。深い遮蔽領域上に接続領域が形成される(ブロック1130)。接続領域は、選択的エピタキシャル成長プロセスによって深い遮蔽領域から成長され得る。
【0278】
図31Aは、本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1の平面図であり、図31Bは、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1のゲート構造の平面図である。図32は、図31のE-E’線に沿う概略断面図である。説明を簡単にするために、図32の幾つかの要素(例えば、キャッピング層865及びソース接点880)が図31Aから省かれる。
【0279】
図31A図31B、及び図32を参照すると、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1は、ドリフト領域820上に高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板810、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト領域820、中程度にドープされた炭化ケイ素pウェル領域832_1及び832_2及び、高濃度にドープされたn炭化ケイ素基板842を含む。ソース領域842のそれぞれは、ウェル領域832_1及び832_2のそれぞれの上部にあってもよい。ドリフト領域820、ウェル領域832_1、832_2、及びソース領域842は、総称して半導体層構造と称される。基板810の下面にドレイン接点882を設けることができる。半導体層構造の上部に、ゲート・トレンチ860及びゲート・トレンチ860内のゲート構造868が設けられる。ウェル領域832_1及び832_2がゲート構造868の両側に設けられてもよい。ウェル領域832_1及び832_2並びにソース領域842に電気的に接続されるソース接点880も、ウェル領域832_1及び832_2上及びソース領域842上に設けられてもよい。
【0280】
図31A図31Bに示されるように、ゲート・トレンチ860及びゲート構造868は、平面図において角度αで斜めに傾斜した部分を含み得る。角度αは、MOSFET800-1の一貫した特性(例えば、閾値電圧)を与えるように調整することができる。例えば、角度αは、約100度~約140度の範囲(例えば、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度、又は140度)であってもよく、又は約110度~約130度の範囲であってもよい。幾つかの実施例では、デバイス全体で同じチャネル配向を維持してセル密度を増加させるために角度αが約120度であってもよい。
【0281】
幾つかの実施例において、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1は、互いに離間される複数のアイランド・ウェル領域832_1を含むことができ、ゲート・トレンチ860は、図31Aに示されるように、それらの複数のアイランド・ウェル領域832_1を取り囲むことができる。アイランド・ウェル領域832_1のそれぞれは、平面図で4つの内斜角を有する平行四辺形の形状を有し、平行四辺形の上面を有することができる。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1はまた、互いに離間される複数のゲート・トレンチ868と、一対のゲート・トレンチ868間にそれぞれ設けられるそれぞれの長尺なウェル領域832_2とを含むことができる。図31Aに示すように、それぞれの長尺なウェル領域832_2は、ゲート・トレンチ860のその関連する対間で連続的に延在してもよい。したがって、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1は、図31Aに示すように、異なる形状及び寸法を有するウェル領域832_1及び832_2を含むことができる。
【0282】
ゲート構造868は、ゲート構造868の外壁を画定するゲート誘電体層862、ゲート電極864、及びゲート電極864上のキャッピング層865を含むことができる。ゲート電極864は、導電性材料(例えば、ドープされたポリシリコン、シリサイド化されてドープされたポリシリコン、金属又は複合金属、金属窒化物)を含み、ゲート誘電体層862及びキャッピング層865のそれぞれは、絶縁材料(例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、及びシリコン酸窒化物)を含む。
【0283】
p型ドーパントを含む深い遮蔽領域870がドリフト領域820内に設けられる。ゲート構造868のそれぞれは、それぞれの深い遮蔽領域870と垂直に重なり合う。本明細書で使用されるように、要素Aが要素Bと垂直に重なり合うという言及(又は同様の用語)は、両方の要素A,Bと交差する少なくとも1つの垂直線を引くことができることを意味する。垂直方向は、基板810の主表面に垂直なz方向として指定される方向を指す。層810、820、832_1、832_2、842、862、864、865、870、880、及び882は、前述のゲート・トレンチ・パワーMOSFET600-1の対応する層と同じ又は同様の特性(例えば、厚さ、ドーピング密度など)を有し得るので、その更なる説明は省略される。
【0284】
幾つかの実施例において、ゲート・トレンチ860の側壁は、半導体層構造の半導体材料の同じ結晶面に沿っていてもよい。例えば、図31A図31Bを参照すると、炭化ケイ素基板810は4H炭化ケイ素基板を備えることができ、ドリフト層820及びウェル領域832_1及び832_2はエピタキシャル成長によって基板810上で成長される。ゲート・トレンチ860は、エッチング・プロセスによって半導体層構造の上面にトレンチを形成することによって形成することができる。図31Aのy方向で延在するゲート・トレンチのセクションは、その側壁が炭化ケイ素半導体層構造のa面又はm面に沿って切断されるように形成されてもよい。角度αを約120度となるように選択することにより、図31Aのx方向にほぼ延びるゲート・トレンチのセクションも、その側壁が炭化ケイ素半導体層構造のa面又はm面に沿って切断されるように形成される。この形態の結果として、MOSFET800-1は、チャネルが炭化ケイ素格子構造内で同じ向きを有するため、一貫した電気特性(例えば、閾値電圧)を有利に有することができる。
【0285】
この利点を得るために、角度αが正確に120度である必要はないことが分かる。例えば、角度αが118度又は122度である場合、同様の性能を達成することができる。しかしながら、角度αが120度から遠ざかるほど、デバイス全体の電気的性能の一貫性が低下する。したがって、幾つかの実施例において、角度αは、約110度~約130度、又はより好ましくは、約115度~約125度であってもよい。
【0286】
したがって、幾つかの実施例によれば、ワイド・バンド・ギャップ半導体材料を含むとともに第1の導電型を有するドリフト領域を備える半導体層構造を含むパワー半導体デバイスが提供される。ゲート・トレンチは、半導体層構造の上部に設けられ、平面図で斜めの角度を規定する第1及び第2のセクションを含む。第1及び第2のセクションの両方の側壁は、半導体層構造内の同じ結晶面に沿って延在することができる。
【0287】
更に図31Aに示されるように、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1におけるウェル領域832_1及び832_2は、上向きに延びるアイランド・ウェル領域832_1と、複数の上向きに延びるアイランド・ウェル領域832_1の傍らで延びる長尺な上向きに延びる構造の形態の長尺なウェル領域832_2との両方を含む。幾つかの実施例において、長尺なウェル領域832_2は、図31Aに示すように、ジグザグ構造又は鋸歯構造を有することができる。長尺なウェル領域832_2はが互いに離間されてもよい。複数のアイランド・ウェル領域832_1が、隣接する長尺なウェル領域832_2の各対間に位置されてもよい。アイランド・ウェル領域832_1は、ゲート構造868によって両側で取り囲まれてもよい。
【0288】
図31Aに示されるように、それぞれの長尺なウェル領域832_2は、第1のセクション及び第2のセクションを含む側壁を含み得る。第1のセクションは、第2のセクションと平行であってもよいが、第2のセクションと同一平面上になくてもよい。それぞれの長尺なウェル領域832_2の側壁も第3のセクションを含むことができる。第3のセクションは、第1及び第2のセクションと平行でなくてもよい。第1及び第2のセクションは、第3のセクションによって互いに接続され得る。第3のセクションと第1及び第2のセクションのうちの一方との交差部が鈍角を規定してもよい。斜めの角度は、平面図で約115度~約125度の範囲である。第3のセクションと第1及び第2のセクションのうちの他方との交差部が優角を規定してもよい。各アイランド・ウェル領域832_1は、互いに平行であり且つ長尺なウェル領域832_2の第1のセクションと平行である第1の側壁を含んでもよく、互いに平行であり且つ長尺なウェル領域832_2の第3のセクションと平行である第2の側壁を含んでもよい。
【0289】
図33は、本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-2の平面図であり、図34は、図33のF-F’線に沿う概略断面図である。説明を簡単にするために、図34の幾つかの要素(例えば、キャッピング層865及びソース接点880)は図33から省かれる。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-2は、MOSFET800-1と類似し得るが、主な違いは、MOSFET800-2が共通の深い遮蔽領域870cを含むことである。
【0290】
図33及び図34を参照すると、共通の深い遮蔽領域870cは、第1の部分870-1(第1の深い遮蔽領域とも呼ばれる)及び第2の部分870-2(第2の深い遮蔽領域とも呼ばれる)を含み得る。第1の部分870-1及び第2の部分870-2のそれぞれは、共通の深い遮蔽領域870cがソース接点880に直接接触するように、ゲート構造868の下面からソース接点880まで連続的に延在し得る。共通の深い遮蔽領域870cにはソース領域が形成され得ないため、第1の部分870-1及び第2の部分870の上部は、ゲート構造868の側面の最上部を含めて、ゲート構造868の側面に直接接触することができ、また、共通の深い遮蔽領域870cは、図34に示すように、ゲート構造868の側面間で連続的に延在することができる。図33は、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-2が単一の共通の深い遮蔽領域870cを含むことを示すが、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-2は複数の共通の深い遮蔽領域870cを含んでもよい。例えば、少なくとも1つの共通の深い遮蔽領域870cがそれぞれの長尺なウェル領域832_2に沿って設けられてもよく、又は複数の共通の深い遮蔽領域870cがそれぞれの長尺なウェル領域832_2に沿って設けられてもよい。MOSFET800-2内の共通の深い遮蔽領域870cの数及びそのようなそれぞれの共通の深い遮蔽領域870cの位置は、望ましいチャネル面積及び共通の深い遮蔽領域870cとソース接点880との間の抵抗を考慮して決定され得る。幾つかの実施例において、共通の深い遮蔽領域870cは、ウェル領域832_1及び832_2よりも高い濃度のp型ドーパントを有し得る。ウェル領域832_1及び832_2と共通の深い遮蔽領域870cとが、ソース接点880を介して互いに電気的に接続される。
【0291】
図35は、本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-1の平面図であり、図36A及び図36Bは、図35のG-G’線及びH-H’線にそれぞれ沿う概略断面図である。説明を簡単にするために、図36A及び図36Bの幾つかの要素(例えば、キャッピング層965及びソース接点980)は図35から省かれる。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-1は、図19に示されるMOSFET600-7と類似し得るが、主な違いは、MOSFET900-1が、共通の深い遮蔽領域970cを含み、MOSFET600-7の接続領域686を含まないことである。
【0292】
図35図36A、及び図36Bを参照すると、MOSFET900-1は、ドリフト領域920から上方に延びるウェル領域932と、ウェル領域932の上部のソース領域942とを含む。ウェル領域932のそれぞれは、平面図で六角形の形状を有することができる。ウェル領域932のそれぞれは、六角形の上面を有することができる。ゲート・トレンチ960は、平面図でウェル領域932を取り囲み、ゲート・トレンチ960及びゲート・トレンチ960内のゲート構造968は、平面図において角度α’で斜めに傾斜された部分を含む。例えば、角度α’は、約100度~約140度の範囲(例えば、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度又は140度)であってもよい。幾つかの実施例において、角度α’は、約110度~約130度であってもよく、又は約120度であってもよい。
【0293】
深い遮蔽領域970がゲート構造968の下方に設けられ、共通の深い遮蔽領域970cがゲート構造968の一部分間に設けられる。共通の深い遮蔽領域970cは、平面図で六角形の形状を有することができ、ゲート誘電体層962によって取り囲まれ得る。共通の深い遮蔽領域970cは、六角形の上面を有することができる。共通の深い遮蔽領域970cは、第1の部分970-1及び第2の部分970-2を含むことができ、これらの部分のそれぞれがゲート構造968の下面からソース接点980まで連続的に延在し、それによってソース接点980に直接接触することができる。共通の深い遮蔽領域970cにソース領域が形成されなくてもよく、したがって、第1の部分970-1及び第2の部分970-2の上部は、図36Bに示されるように、ゲート構造968の側面の最上部を含めて、ゲート構造968の側面に直接接触し得る。
【0294】
図37は、本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-2の平面図である。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-2は、ウェル領域932及び共通の深い遮蔽領域970cの形状を除き、図35図36A、及び図36Bに示されるMOSFET900-1と同様であり得る。ソース領域942は、ウェル領域932の上部にあり得る。ウェル領域932のそれぞれは八角形の形状を有してもよく、共通の深い遮蔽領域970cのそれぞれは平面図で長方形の形状を有し得る。ウェル領域932のそれぞれは、八角形の上面を有することができ、共通の深い遮蔽領域970cのそれぞれは、長方形の上面を有することができる。ゲート・トレンチ960及びゲート構造968は、平面図において角度α”で斜めに傾斜した部分を含むことができる。例えば、角度α”は、約100度~約140度(例えば、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度又は140度)の範囲であってもよい。幾つかの実施例において、角度α”は約135度であってもよい。図37の線I-I’及び線J-J’に沿う断面図は、図36A及び図36Bにそれぞれ示されるものと実質的に同じであってもよい。
【0295】
図38は、本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-3の平面図である。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-3は、ウェル領域932及び共通の深い遮蔽領域970cの形状を除き、図35図36A、及び図36Bに示されるMOSFET900-1と同様であり得る。ソース領域942は、ウェル領域932の上部にあり得る。ウェル領域932のそれぞれは、平面図で円形を有してもよく、共通の深い遮蔽領域970cのそれぞれは、湾曲した側面を有する略長方形の形状を有し得る。ゲート・トレンチ960及びゲート構造968は、ウェル領域932の外面に沿って延在するように設けられる。図38の線K-’K及び線L-L’に沿う断面図は、図36A及び図36Bに示したものとそれぞれ実質的に同一であり得る。
【0296】
本発明の幾つかの実施例によれば、ゲート・トレンチ・パワーMOSFETは、P接合とN接合との間にバイパス経路を与えるためにショットキー接点を含み得る。ショットキー接点は、より低い大電流(したがって、より低いスイッチング損失)をもたらし得る及び/又はより高い電流が第3象限動作において流れることができるようにし得る(負のドレインバイアスが印加される)。ショットキー接点は、ゲート構造間の距離が比較的長い領域(例えば、共通の深い遮蔽領域970cが設けられる領域)に設けられ得る。
【0297】
図39は、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-1Aの概略断面図である。図39に示される断面図は図35に示したものと同様であるが、主な違いは、パワーMOSFET900-1Aがショットキー接点990を含むことである。ショットキー接点990は、共通の深い遮蔽領域970cを通じて延在し、共通の深い遮蔽領域970cの下方でドリフト領域920に接触する。幾つかの実施例において、ショットキー接点990の深さは、図39に示されるように、共通の深い遮蔽領域970cの深さに等しくてもよい。ショットキー接点990は、オーミック特性を回避するために一般に適度な温度で処理される様々な金属又は金属の層状スタック(例えば、Ti、Ni、W、又はPt)を含むことができる。
【0298】
図40は、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-1Bの概略断面図である。MOSFET900-1Bは、MOSFET900-1Bが共通の深い遮蔽領域970cの代わりに互いに離間される第1の深い遮蔽領域970-1及び第2の深い遮蔽領域970-2を含むことを除き、図39に示されるMOSFET900-1Aと同様であり得る。ドリフト領域920の一部は、第1の深い遮蔽領域970-1を第2の深い遮蔽領域970-2から分離する。第1の深い遮蔽領域970-1及び第2の深い遮蔽領域970-2のそれぞれは、ゲート構造968の下面からソース領域942の最上部まで連続的に延在することができる。ショットキー接点990’が、第1の深い遮蔽領域970-1上及び第2の深い遮蔽領域970-2上に設けられてもよく、第1の深い遮蔽領域970-1、第2の深い遮蔽領域970-2、及び第1の深い遮蔽領域970-1と第2の深い遮蔽領域970-2との間にあるリフト領域920の部分に直接接触することができる。ショットキー接点990及び990’は、図39及び図40に示される深さの間の任意の深さを有し得る。
【0299】
図41Aは、本発明の幾つかの実施例に係るゲート・トレンチ・パワーMOSFET1000の平面図であり、図41Bは、ゲート・トレンチ・パワーMOSFET1000のゲート構造の平面図である。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET1000は、図31Aに示されるMOSFET800-1と類似し得るが、主な違いは、ゲート・トレンチが複数の主トレンチ1060mと複数の接続トレンチ1060cとを含むことである。主トレンチ1060mは、X方向で互いに離間され、Y方向で長手方向に延在され得る。接続トレンチ1060cのそれぞれは、隣接する2つの主トレンチ1060mを接続する。主トレンチ1060m内に主ゲート構造1068mがそれぞれ設けられてもよく、接続トレンチ1060c内に接続ゲート構造1068cがそれぞれ設けられてもよい。主ゲート構造1068m及び接続ゲート構造1068cは、ゲート構造868(図32参照)と同じ構造を有することができる。ゲート構造1068m間に接続ゲート構造1068cを含めることにより、デバイスのチャネル面積が増加する。主トレンチ1060m及び接続トレンチ1060cは、複数のpウェル領域1032を取り囲むことができる。ソース領域1042がpウェル領域1032のそれぞれの上部に設けられ得る。
【0300】
MOSFET1000は、ゲート・トレンチ又はpウェル領域1032が設けられない幅広領域1075を含んでもよい。その幅広領域1075は、様々な目的に使用することができる。幾つかの実施例では、共通の深い遮蔽領域1070cがその幅広領域1075に設けられてもよい。幅広領域1075に起因して、2つの隣接する主トレンチ1060mを接続する接続トレンチ1060cは、不均一な距離だけY方向でそれぞれから離間されてもよい。
【0301】
図41Bを参照すると、主トレンチ1060mと接続ゲート・トレンチ1060cとが接続されて、平面図で斜めの角度βを形成することができる。角度βは、約100度~約140度(例えば、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度、又は140度)の範囲であってもよい。幾つかの実施例において、角度βは、約110度~約130度であってもよく、又は約120度であってもよい。
【0302】
図41AのM-M’線とN-N’線に沿う断面図は、図36A及び図36Bにそれぞれ示される断面図と実質的に同一であり得る。層1032及び1042は、前述のゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-1の対応する層と同じ又は同様の特性(例えば、厚さ、ドーピング密度など)を有することができ、主ゲート構造1068m及び接続ゲート構造1068cは、前述のゲート・トレンチ・パワーMOSFET900-1のゲート構造968の層と同じ又は同様の層を含むことができる。
【0303】
図42は、本発明の実施例に係るゲート・トレンチ・パワー半導体デバイス800-2を製造する方法を示すフローチャートである。図43図45は、方法を示す断面図である。ゲート・トレンチ・パワーMOSFET800-1、900-1、900-2、900-3、及び1000は、図42図45に関連して説明した方法と同一又は類似の方法によって形成され得る。
【0304】
図42及び図43を参照すると、方法は、半導体層構造の形成から開始することができる(ブロック2100)。半導体層構造は、基板810(例えば、高濃度ドープ型炭化ケイ素基板)と、基板810上に形成されるドリフト領域820(例えば、低濃度ドープ型炭化ケイ素ドリフト領域)とを含むことができる。基板810及びドリフト領域820はそれぞれ、第1の導電型(例えば、n型)を有することができる。この方法は、ウェル領域の形成も含み得る(ブロック2110)。ウェル領域832は、ドリフト領域820をシード層として使用してエピタキシャル成長プロセスを実行することによって又はドラフト領域820の上部に第2の導電型ドーパントを追加することによって、ドリフト領域820上に形成することができる。幾つかの実施例において、ウェル領域832は、ドラフト領域820の全面に形成され得る。ウェル領域832は、第2の導電型(例えば、p型)を有し得る。この方法は、ウェル領域832の上部にソース領域を形成すること(ブロック2120)を更に含むことができる。ソース領域842は、第1の導電型を有することができる。ソース領域842は、共通の深い遮蔽領域(例えば、図44の共通の深い遮蔽領域870c)が形成される領域には形成されない。
【0305】
図42及び図44を参照すると、方法は、第2の導電型を有する深い遮蔽領域の形成を更に含むことができる(ブロック2130)。深い遮蔽領域870及び870cは、ウェル領域832の一部分及び/又はドリフト領域820の一部分に第2の導電型ドーパントを加えることによって形成され得る。深い遮蔽領域870及び870cは、ウェル領域832よりも高い濃度の第2の導電型ドーパントを有し得る。共通の深い遮蔽領域870cは、図44に示すようにソース領域842を含まなくてもよい。
【0306】
図42及び図45を参照すると、方法は、1つ以上のゲート・トレンチの形成を含むことができる(ブロック2140)。ゲート・トレンチ860はウェル領域832を貫通して延在するように形成されてもよく、深い遮蔽領域870又は870c上に形成されてもよい。共通の深い遮蔽領域870c上に形成されるゲート・トレンチ860のそれぞれは、ソース領域842の側面及び共通の深い遮蔽領域870cの側面を露出させることができる。共通の深い遮蔽領域870c上に形成されるゲート・トレンチ860の下端は、共通の深い遮蔽領域870cを露出させ得る。図42を参照する。方法は、ゲート構造の形成(ブロック2150)を更に含むことができる。ゲート構造(例えば、図34のゲート構造868)は、ゲート・トレンチ860内に形成されてもよい。
【0307】
上記の説明において、各実施例は特定の導電型を有する。上記の実施例のそれぞれにおいて、n型層及びP型層の導電率を単純に逆にすることによって、反対の導電型デバイスを形成できることが分かる。したがって、本発明は、異なるデバイス構造(例えば、MOSFET、IGBTなど)ごとにnチャネル・デバイスとPチャネル・デバイスの両方をカバーすることが分かる。本明細書では、接点がソース接点又はドレイン接点のいずれかであり得る場合、それは「ソース/ドレイン接点」と呼ばれる場合がある。
【0308】
以上、パワーMOSFET及びパワーIGBTの実装に関して本発明が説明されるが、本明細書で説明される技術は、ゲート・トレンチを有する他の同様の縦型パワーデバイスにも同様にうまく適用されるのが分かる。したがって、本発明の実施例は、MOSFET及びIGBTに限定されず、本明細書で開示される技術は、任意の適切なゲート・トレンチデバイスで使用され得る。
【0309】
本発明は、主に、炭化ケイ素ベースのパワー半導体デバイスに関して上で論じられてきた。しかしながら、ここでは例として炭化ケイ素が使用され、ここで議論されるデバイスは、任意の適切なワイド・バンド・ギャップ半導体材料系で形成され得ることが理解され得る。一例として、窒化ガリウムベースの半導体材料(例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウムなど)を、上記の実施例のいずれにおいても炭化ケイ素の代わりに使用することができる。
【0310】
本明細書に記載の異なる実施例の異なる特徴を組み合わせて、更なる実施例を提供できることも理解され得る。例えば、ガード・リングの代わりにジャンクション・ターミネーション・エクステンションを使用できることが、一実施例に関して上で議論された。これは、本明細書に開示される各実施例において当てはまる。同様に、ゲート・トレンチの下方の遮蔽領域は、実施例のいずれにおいて含められてもよく又は省略されてもよい。実施例のいずれも、低ドープチャネル領域を含む様々なドーパント濃度を有するウェル領域を含むこともできる。
【0311】
以上、本発明の実施例を示す添付の図面を参照して、本発明の実施例を説明した。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、上記の実施例に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施例は、この開示が徹底的且つ完全になり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0312】
第1、第2などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書全体で使用されるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解され得る。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。「及び/又は」という用語は、関連するリスト項目の1つ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0313】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明することだけを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、用語「備える」、「備えている」、「含む」、及び/又は「含んでいる」は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。
【0314】
層、領域、又は基板などの要素が、別の要素の「上にある」又は「上へと」延在していると言及される場合、その要素は、他の要素上に直接ある又は他の要素上へと直接に延在することができる、又は介在する要素も存在し得ることが理解され得る。これに対し、ある要素が別の要素「の上に直接ある」、又は「上へと直接に」延在していると呼ばれる場合、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると言及される場合、それは他の要素に直接接続又は結合され得るか、又は介在する要素が存在し得ることも理解され得る。これに対し、要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と呼ばれる場合、介在する要素は存在しないことがさらに理解され得る。
【0315】
「下方」又は「上方」又は「上側」又は「下側」又は「上端」又は「下端」などの相対的な用語は、本明細書では、図示のようにある要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に示されている方向に加えて、装置の異なる方向を包含することを意図していることを理解されたい。
【0316】
本発明の実施例は、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して、本明細書で説明される。図面における層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。更に、例えば、製造技術及び/又は公差の結果としての図の形状からの変動が予想される。本発明の実施例はまた、フローチャートを参照して説明される。フローチャートに示されているステップは、示されている順序で実行される必要はないことを理解されたい。
【0317】
本発明の幾つかの実施例は、n型又はp型などの導電型を有することを特徴とする半導体層及び/又は領域に関連して説明され、これは、層及び/又は領域の多数キャリア濃度を指す。したがって、n型材料は負に帯電した電子の過半数平衡濃度を有し、p型材料は正に帯電した正孔の過半数平衡濃度を有する。一部の材料は、他の層又は領域と比較した多数キャリアの比較的大きい(「+」)又は小さい(「-」)濃度を示すために、「+」又は「-」で指定される場合がある(n+、n-、p+、p-、n++、n--、p++、p--など)。しかしながら、そのような表記は、層又は領域における多数キャリア又は少数キャリアの特定の濃度の存在を意味するものではない。
【0318】
図面及び明細書において、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されておらず、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に記載される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37
図38
図39
図40
図41A-41B】
図42
図43
図44
図45