(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】被験者候補抽出システム、被験者候補抽出装置、被験者候補抽出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20250313BHJP
【FI】
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2023171107
(22)【出願日】2023-10-02
【審査請求日】2024-07-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業(健康・医療情報活用技術開発課題)」「造血幹細胞移植後患者における、ウェアラブルデバイスとモバイルアプリケーションを用いた移植合併症予測支援システムの開発と外来フォローアップ体制の構築」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519135633
【氏名又は名称】公立大学法人大阪
(73)【特許権者】
【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
(73)【特許権者】
【識別番号】308038613
【氏名又は名称】公立大学法人和歌山県立医科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】507362465
【氏名又は名称】株式会社ケーアイエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡村 浩史
(72)【発明者】
【氏名】木村 映善
(72)【発明者】
【氏名】西川 彰則
(72)【発明者】
【氏名】小西 由貴範
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-029894(JP,A)
【文献】特表2005-534082(JP,A)
【文献】特開2016-024663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合リポジトリと被験者候補抽出装置とを含む被験者候補抽出システムであって、
前記統合リポジトリは、
医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報と、
前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報と、
前記患者の被験者候補となる意思に関する情報と、を紐付けて記憶しており、
前記被験者候補抽出装置は、
選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を前記統合リポジトリから抽出する
被験者候補抽出システム。
【請求項2】
前記統合リポジトリは、医療機関システム、又は1以上の医療機関により作成又は生成された前記医療情報を集約する医療情報リポジトリから、前記医療情報を取得する
請求項1記載の被験者候補抽出システム。
【請求項3】
前記身体情報は、身体情報管理装置によって取得されるライフログ情報、健康状態情報、又は問診情報を含む
請求項1記載の被験者候補抽出システム。
【請求項4】
前記統合リポジトリは、前記患者による、許諾対象とすべき前記医療情報及び前記身体情報の種類の指定を受け付ける
請求項1記載の被験者候補抽出システム。
【請求項5】
患者による、許諾対象とすべき医療情報及び身体情報の指定を受け付け、
医療機関によって入力又は生成された前記患者の医療情報のうち、前記許諾対象とされた医療情報を収集し、
前記患者によって入力又は生成された前記患者の身体情報のうち、前記許諾対象とされた身体情報を収集し、
前記患者の被験者候補となる意思に関する情報を収集し、
前記収集した医療情報、身体情報及び被験者候補となる意思に関する情報を紐付けて記憶する
統合リポジトリ。
【請求項6】
請求項5記載の
前記統合リポジトリを参照し、選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を抽出する
被験者候補抽出装置。
【請求項7】
統合リポジトリにおいて、
患者による、許諾対象とすべき医療情報及び身体情報の指定を受け付けるステップと、
医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報を収集するステップと、
前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報を収集するステップと、
前記患者の被験者候補となる意思に関する情報を収集するステップと、
前記収集した医療情報、身体情報及び被験者候補となる意思に関する情報を紐付けて記憶するステップと、
被験者候補抽出装置において、
選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を抽出するステップと、を含む
被験者候補抽出方法。
【請求項8】
統合リポジトリが、
患者による、許諾対象とすべき医療情報及び身体情報の指定を受け付けるステップと、
医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報を収集するステップと、
前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報を収集するステップと、
前記患者の被験者候補となる意思に関する情報を収集するステップと、
前記収集した医療情報、身体情報及び被験者候補となる意思に関する情報を紐付けて記憶するステップと、を含む
統合リポジトリの作成方法。
【請求項9】
被験者候補抽出装置が、
請求項8記載の方法により作成された前記統合リポジトリを参照し、選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する
患者のうち、所定の
医療情報及び
身体情報を有する前記患者を抽出するステップを含む
被験者候補抽出方法。
【請求項10】
請求項7乃至9いずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被験者候補抽出システム、被験者候補抽出装置、被験者候補抽出方法及びプログラムに関し、例えば患者の意思に基づいて集約された医療情報及び身体情報を利用し、臨床研究の被験者候補を迅速かつ効率的に抽出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、臨床研究(治験を含む)の被験者をリクルートするための一般的な手法は、製薬企業をはじめとする研究機関の担当者が主要な医療機関の医師に被験者候補の有無を問い合わせることであった。この手法は医師の記憶に依存しているため、医師の記憶漏れ等に起因して、適切な被験者候補が見過ごされてしまう場合があった。また、各医療機関への問い合わせには大きなコストを要していた。
【0003】
近年、患者が自身の医療情報(医療機関における診療情報等)や身体情報(例えばバイタルサインやePRO:electronic Patient Reported Outcome等)をアプリで管理及び参照することができるPHR(personal health record)サービスが普及し始めている。また、行政主導で国民の医療情報を集約するとともに、マイナポータルから患者が自身の医療情報を参照できるサービスが始まっている。さらに、集約された医療情報を患者の同意に基づいた上で民間PHR事業者が提供するアプリケーションが使用するインターフェースとして、マイナポータルAPIが公開された。
【0004】
このような背景のもと、患者の医療情報や身体情報を蓄積したデータベースを活用して被験者候補を抽出する技術が幾つか提案されている。
【0005】
特許文献1には、患者に処方された処方箋および調剤に関する情報に基づいて被験者候補を選択することが記載されている。また、被験者となった患者が生成する患者由来情報(服薬情報等)を活用して治験を進行することが示唆されている。
【0006】
特許文献2には、被験者候補の端末機から定期的に送られる日誌(血圧、体温、歩数、体重、内臓脂肪レベル、BMI、カロリー活動量、心電図、血糖値、体脂肪、コレステロール値、中性脂肪、GOT、GPT、尿酸値,Hba1cなどを含む)に基づいて被験者を選定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-024663号公報
【文献】特開2011-233066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの従来技術によっては、患者に関する情報を患者自身の意思に基づいて集約し、被験者候補のスクリーニングのために当該情報を提供するか否かを患者自身の意思に基づいて決定するという枠組みを構築することができない。また、医療機関由来の情報である医療情報だけでなく、患者由来の情報である身体情報を組合せて被験者候補の抽出を行うことができない。
【0009】
特許文献1記載のシステムでは、患者の処方箋および調剤に関する情報は薬剤師等によってデータベースに集約されており、患者によるコントロールが及んでいない。また、患者由来情報は患者がコントロール可能な情報であるものの、当該情報が被験者候補抽出の際にどのように利用されるかが明らかでなく、治験中に当該情報を活用できる旨が示唆されているにとどまる。
【0010】
特許文献2記載のシステムは、治験への参加希望を既に表明している患者から情報を集めるためのものであり、患者の意思に基づいて集約された情報に基づいて被検者候補を抽出するという思想は開示されていない。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、患者の意思に基づいて集約された医療情報及び身体情報を利用し、臨床研究の被験者候補を迅速かつ効率的に抽出する被験者候補抽出システム、被験者候補抽出装置、被験者候補抽出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施の形態において、被験者候補抽出システムは、統合リポジトリと被験者候補抽出装置とを含む被験者候補抽出システムであって、前記統合リポジトリは、医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報と、前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報と、前記患者の被験者候補となる意思に関する情報と、を紐付けて記憶しており、前記被験者候補抽出装置は、選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を前記統合リポジトリから抽出する。
一実施の形態において、前記統合リポジトリは、医療機関システム、又は1以上の医療機関により作成又は生成された前記医療情報を集約する医療情報リポジトリから、前記医療情報を取得する。
一実施の形態において、前記身体情報は、身体情報管理装置によって取得されるライフログ情報、健康状態情報、又は問診情報を含む。
一実施の形態において、前記統合リポジトリは、前記患者による、許諾対象とすべき前記医療情報及び前記身体情報の種類の指定を受け付ける。
一実施の形態において、統合リポジトリは、患者による、許諾対象とすべき医療情報及び身体情報の種類の指定を受け付け、医療機関によって入力又は生成された前記患者の医療情報のうち、前記許諾対象とされた医療情報を収集し、前記患者によって入力又は生成された前記患者の身体情報のうち、前記許諾対象とされた身体情報を収集し、前記患者の被験者候補となる意思に関する情報を収集し、前記収集した医療情報、身体情報及び被験者候補となる意思に関する情報を紐付けて記憶する。
一実施の形態において、被験者候補抽出装置は、選定条件又はアルゴリズムに従って、上記リポジトリを参照し、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を抽出する。
一実施の形態において、被験者候補抽出方法は、統合リポジトリにおいて、患者による、許諾対象とすべき医療情報及び身体情報の種類の指定を受け付けるステップと、医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報を収集するステップと、前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報を収集するステップと、前記患者の被験者候補となる意思に関する情報を収集するステップと、前記収集した医療情報、身体情報及び被験者候補となる意思に関する情報を紐付けて記憶するステップと、前記被験者候補抽出装置において、選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を抽出するステップと、を含む。
一実施の形態において、統合リポジトリの作成方法は、患者による、許諾対象とすべき医療情報及び身体情報の種類の指定を受け付けるステップと、医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報を収集するステップと、前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報を収集するステップと、前記患者の被験者候補となる意思に関する情報を収集するステップと、前記収集した医療情報、身体情報及び被験者候補となる意思に関する情報を紐付けて記憶するステップと、を含む。
一実施の形態において、被験者候補抽出方法は、選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を抽出するステップと、を含む。
一実施の形態において、プログラムは、上記方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、患者の意思に基づいて集約された医療情報及び身体情報を利用し、臨床研究の被験者候補を迅速かつ効率的に抽出する被験者候補抽出システム、被験者候補抽出装置、被験者候補抽出方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】被験者候補抽出システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】被験者候補抽出システム1の動作を示すフローチャートである。
【
図3】各種情報の取得に関する意思の確認画面の一例である。
【
図4】被験者候補となる意思の確認画面の一例である。
【
図5】被験者候補抽出システム1の構成を示すブロック図である。
【
図6】被験者候補抽出システム1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかる被験者候補抽出システム1の構成を示すブロック図である。被験者候補抽出システム1は、統合リポジトリ11、身体情報管理装置15、被験者候補抽出装置17を有する。
【0016】
統合リポジトリ11は、1以上の患者の医療情報、身体情報、被験者候補となる意思に関する情報等を集約するためのコンピュータシステムである。統合リポジトリ11は、典型的には各患者が自己の端末装置(パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン等)を使用してアクセス可能な、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティング環境等である。これらの情報処理環境は第三者(PHRサービス提供事業者など)が提供するものであって良い。この場合でも、患者は後述の制御機能により自己のコントロールのもとで上述の情報の入出力を管理できる。あるいは、患者の端末装置に統合リポジトリ11の一部又は全部の機能を実装しても良い。この場合、統合リポジトリ11はいわゆる分散型データベースとして構成されうる。
【0017】
統合リポジトリ11は、1以上の患者の医療情報、身体情報、被験者候補となる意思に関する情報等を記憶領域に記憶する。また、これらの情報の取得又は出力に際し、患者自身の意思を反映させるための制御を行う。
【0018】
(医療情報)
医療情報とは、医療機関が利用するコンピュータシステムである医療機関システム21において入力又は生成される情報である。例えば、医療機関(病院や薬局等)において生成される患者の診療情報、検査情報、処方情報、調剤情報、特定健診情報、医療費通知情報等が医療情報に含まれる。より具体的には、病院での診療において電子カルテ等の病院情報システム(医療機関システム21)に入力される情報(診療情報、検査情報、処方情報)、薬局での調剤時に医療機関システム21に入力される情報(調剤情報)、健診時に健診用システム(医療機関システム21)に入力される情報(特定健診情報)、その他医療の提供に付随する事務処理において入力される情報(医療費通知情報)等が医療情報に含まれうる。
【0019】
好ましくは、統合リポジトリ11は、医療情報を標準化されたデータフォーマットで記憶する。これにより、他のシステムとのデータ交換が容易になる。また、統合リポジトリ11は、患者の個人番号(マイナンバー)等、患者を一意に識別可能な情報(以下、患者識別子という)を、患者の医療情報に紐づけて蓄積する。
【0020】
(医療機関システム21からの医療情報の取得)
統合リポジトリ11と、医療機関が利用するコンピュータシステムである医療機関システム21とが通信可能に接続されている場合、統合リポジトリ11は、医療機関システム21から患者に関する医療情報を取得することができる。例えば、統合リポジトリ11は、患者識別子をキーとして、医療機関システム21に対し医療情報の取得要求を送信する。医療機関システム21は、受信した患者識別子に対応づけられている医療情報を抽出し、統合リポジトリ11に送信する。
【0021】
統合リポジトリ11は、医療機関システム21から取得可能な医療情報のうち、どの医療情報を取得すべきかについて、患者の意思を反映させるための機能を有していることが好ましい。
図3は、患者の意思を確認するために統合リポジトリ11が表示する画面の一例である。この画面において、患者は、ある種の医療情報の取得を許諾する(オプトイン)か、医療情報の取得を拒否する(オプトアウト)かを選択することができる。医療情報の取得を許可すること(オプトイン)が選択された場合、患者はさらに、取得を許諾する医療情報の範囲(例えば種類、期間等)や使用目的等を明示的に指定することができる。例えば、統合リポジトリ11は、医療機関システム21から取得可能な医療情報の種類を一覧表示し、取得を許諾する医療情報の選択を受け付ける。この場合、統合リポジトリ11は、患者が選択した種類の医療情報のみを医療機関システム21から取得する。あるいは、所定の医療情報の取得を包括的に認める旨の同意を得ることとしても良い。この場合、統合リポジトリ11は、包括的に許諾された範囲の医療情報を医療機関システム21から取得する。一方、医療情報の取得を拒否すること(オプトアウト)が選択された場合、統合リポジトリ11は、医療機関システム21から医療情報を取得しない。このような仕組みにより、患者は自己のコントロールのもとで統合リポジトリ11に医療情報を集約することができる。
【0022】
(医療情報リポジトリ23からの医療情報の取得)
近年では、1以上の医療機関システム21が接続された医療情報リポジトリ23が運用されている。例えば日本におけるマイナポータルがこれにあたる。医療情報リポジトリ23は、各医療機関システム21が保有する医療情報を収集、蓄積するコンピュータシステムである。統合リポジトリ11と医療情報リポジトリ23とが通信可能に接続されている場合、統合リポジトリ11は、医療情報リポジトリ23から患者に関する医療情報を取得することができる。例えば、統合リポジトリ11は、患者識別子をキーとして、医療情報リポジトリ23に対し医療情報の取得要求を送信する。医療情報リポジトリ23は、受信した患者識別子に対応づけられている医療情報を抽出し、統合リポジトリ11に送信する。この場合も、統合リポジトリ11は、医療情報リポジトリ23から取得すべき医療情報のうち、どの医療情報を取得するかについて、患者の意思を反映させるための機能を有していることが好ましい。例えば
図3に示したような手法により、患者が明示的に許諾した医療情報のみを統合リポジトリ11に集約することができる。
【0023】
(身体情報)
身体情報とは、日常生活において患者自身が測定又は記録可能な健康に関わる情報である。例えば、患者のライフログ情報、健康状態情報、問診情報等が身体情報に含まれる。
より具体的には、患者がヘルスケアアプリ等を利用して自己の生活状態を記録した情報(ライフログ情報)、患者がウェアラブル機器や計測機器等を使用して取得した自己のバイタルデータや身体計測データ(健康状態情報)、アプリやウェブサイト上で提示された健康に関わる質問に対して患者が回答した内容(問診情報)等が身体情報に含まれうる。これらの身体情報を入力又は生成し、蓄積するために患者が利用するコンピュータシステムを身体情報管理装置15という。
【0024】
身体情報管理装置15は、患者が自己の身体情報を入力、生成、蓄積するためのコンピュータシステムである。身体情報管理装置15は、例えば患者が使用するパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、ウェアラブル機器、計測機器等の端末装置である。これらの端末装置は、それぞれが単体で身体情報管理装置15として機能しても良く、複数の機器が連携することにより身体情報管理装置15としての機能を実現するものであっても良い。例えば、計測機器が取得した体重や血圧等の身体計測データを、スマートフォンにインストールされたアプリケーションが取得し蓄積することが考えられる。また、身体情報管理装置15の一部の機能は、患者が端末装置を介してアクセス可能なサーバコンピュータ、クラウドコンピューティング環境等に実装されていても良い。例えば、患者は、第三者(ePROサービス提供事業者など)が管理するサーバ等に端末装置を使用してアクセスし、身体情報を直接入力したり、端末装置において入力又は生成された身体情報を送信して蓄積したりすることができる。
【0025】
身体情報管理装置15は、健康状態情報の計測機能を提供する。例えば、身体情報管理装置15としてのウェアラブル機器や計測機器は、心拍数、心電図、血圧、血糖値、血中酸素濃度、体重、身長、体脂肪率をはじめとするバイタルデータや身体計測データを生成し、身体情報(健康状態情報)として所定の記憶領域に蓄積する。好ましくは、これらの身体情報管理装置15は、予め指定された条件に従って身体情報を入力又は生成する。例えば、取得すべきバイタルデータや身体計測データの種類、粒度、計測時間帯、取得したバイタルデータや身体計測データに対して行うべき処理等を条件として指定することができる。例えば、ウェアラブル機器において、毎朝早朝の指定時刻に血圧を計測するといったスケジュールを設定できる。また、ウェアラブル機器や計測機器等において取得されたバイタルデータや身体計測データに所定の統計処理を加えたり、標準化するなどして得られたデータを身体情報として蓄積することができる。
【0026】
身体情報管理装置15は、ライフログや問診情報を入力するインターフェースとしての機能を提供する。例えば、身体情報管理装置15としてのPCやスマートフォン等は、予め準備された生活や健康に関わる質問を画面に表示し、質問に対する回答の入力を受け付け、取得した回答を身体情報(ライフログ又は問診情報)として所定の記憶領域に蓄積する。
【0027】
好ましくは、身体情報管理装置15は、医療関係者や研究者等により予め作成された設問を、身体情報を取得するための質問として取得及び表示する。医療関係者や研究者等は、設問作成用のコンピュータシステム(以下、設問システムという)を利用して、患者の生活や健康に関わる情報を取得するための設問及び回答フォーマットを作成する。設問は、予め用意されたテンプレートから選択されても良く、自由入力により作成されても良い。回答フォーマットとして、例えば択一方式(ラジオボタン等)、複数選択方式(チェックボックス、ドロップダウンリスト等)、自由入力方式(テキストエリア等)を指定する。また、作成した設問の配布先となる患者群を指定する。患者群とは、例えば所定の属性(年齢、性別等)や病状等を有する患者の集合である。患者群は、予め用意された条件(属性、病状等)の組合せをGUI上で指定しても良く、条件式又は抽出アルゴリズム等を使用して指定しても良い。設問システムは、指定された患者群に属する患者を特定し、当該患者の身体情報管理装置15に対して、設問を配布する。すなわち、身体情報管理装置15に設問を表示させる。設問システムは、例えば第三者(ePROサービス提供事業者など)が管理するサーバ等でありうる。この場合、身体情報管理装置15は、当該サーバに接続することで設問を取得する。かかる構成によれば、医療関係者や研究者等は、システムベンダや医療機関等に依存することなく、回答して欲しい患者群に対して任意の設問を配布できる。これにより、迅速かつ低コストで適切な身体情報を収集することができる。
【0028】
好ましくは、身体情報管理装置15は、身体情報を標準化されたデータフォーマットで記憶する。これにより、他のシステムとのデータ交換が容易になる。また、身体情報管理装置15は、患者の個人番号(マイナンバー)等の患者識別子をキーとして、患者の身体情報に対応づけて蓄積する。
【0029】
(身体情報管理装置15からの身体情報の取得)
統合リポジトリ11は、身体情報管理装置15から患者に関する身体情報を取得する。例えば、統合リポジトリ11は、患者の個人番号(マイナンバー)等の患者識別子をキーとして、身体情報管理装置15に対し医療情報の取得要求を送信する。身体情報管理装置15は、受信した患者識別子に対応づけられている身体情報を抽出し、統合リポジトリ11に送信する。この場合も、統合リポジトリ11は、身体情報管理装置15から取得すべき身体情報のうち、どの身体情報を取得するかについて、患者の意思を反映させるための機能を有していることが好ましい。あるいは、身体情報管理装置15側が、どの身体情報を送信するかについて、患者の意思を反映させるための機能を備えていても良い。いずれの場合も、例えば
図3に示したような手法により、患者が明示的に許諾した身体情報のみを統合リポジトリ11に集約することができる。
【0030】
好ましくは、統合リポジトリ11は、身体情報を標準化されたデータフォーマットで記憶する。これにより、他のシステムとのデータ交換が容易になる。また、統合リポジトリ11は、患者識別子を、患者の身体情報に紐づけて蓄積する。
【0031】
(被験者候補となる意思に関する情報)
被験者候補となる意思に関する情報とは、患者が、被験者候補となる意思を有するか否かを示す情報である。例えば、統合リポジトリ11は、
図4に示すような同意画面を表示させる。「同意します」が選択された場合、統合リポジトリ11は、被験者候補となる意思がある旨の情報を記憶領域に格納する。一方、「同意しません」が選択された場合、統合リポジトリ11は、被験者候補となる意思がない旨の情報を記憶領域に格納する。
【0032】
統合リポジトリ11は、患者識別子を、被験者候補となる意思に関する情報に紐づけて蓄積する。
【0033】
(被験者候補の抽出)
被験者候補抽出装置17は、統合リポジトリ11から所望の患者を被験者候補として抽出するコンピュータシステムである。被験者候補抽出装置17は、典型的には、製薬企業等の研究機関が使用するパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン等の端末装置である。または、被験者候補抽出装置17は、研究機関が端末装置を介してアクセス可能なサーバコンピュータ、クラウドコンピューティング環境等であっても良い。
【0034】
被験者候補抽出装置17は、被験者候補となる患者を抽出するため、選定条件指定を受け付ける。例えば、選定条件として、医療情報及び/又は身体情報に含まれる各種情報を指定することが可能である。例えば患者の病状、既往歴、処方履歴、調剤履歴、属性、身体計測データの範囲等を指定できる。
【0035】
又は、被験者候補抽出装置17は、治験に適合する被験者候補を抽出するためのアルゴリズムを使用して被験者を抽出しても良い。このようなアルゴリズムには、例えば機械学習済みモデルも含まれる。複数のアルゴリズムを備えている場合、被験者候補抽出装置17は、使用すべきアルゴリズムの指定を受け付けても良い。
【0036】
被験者候補抽出装置17は、統合リポジトリ11に医療情報及び/又は身体情報が蓄積されており、かつ被験者候補となる意思がある患者を母集団として、被験者候補を抽出する。被験者候補抽出装置17は、統合リポジトリ11を参照し、上述の母集団から、指定された選定条件に合致する医療情報又は身体情報を有する患者を抽出する。又は、被験者候補抽出装置17は、所定のアルゴリズムを使用して、統合リポジトリ11から所定の医療情報又は身体情報を有する患者を抽出する。被験者候補抽出装置17は、抽出した患者を被験者候補として出力する。例えばリスト形式で抽出した患者を画面表示する。
【0037】
図2は、被験者候補抽出システム1の動作例を示すフローチャートである。
【0038】
S101:医療情報の収集
統合リポジトリ11が、患者の医療情報を収集する。典型的には、統合リポジトリ11は、医療機関システム21、又は1以上の医療機関システム21から医療情報を収集、蓄積している医療情報リポジトリ23から医療情報を取得する。統合リポジトリ11は、医療機関システム21又は医療情報リポジトリ23が蓄積している医療情報のうちどの種類の医療情報を取得するかを患者が予め指定している場合、指定された医療情報のみを選択的に取得する。
【0039】
S102:身体情報の収集
身体情報管理装置15が、患者の身体情報を収集する。例えば、ライフログアプリがインストールされたスマートフォンやウェアラブル機器、健康状態等に関する質問が表示され回答を入力することができるスマートフォンやPC(パーソナルコンピュータ)、バイタルデータや身体計測データ等を取得可能なウェアラブル機器や計測機器等が、身体情報管理装置15として身体情報を収集する。
【0040】
S103:統合リポジトリ11への情報集約
身体情報管理装置15が、統合リポジトリ11に、患者の身体情報を随時送信する。身体情報は患者識別子と対応づけて送信されるので、統合リポジトリ11は、患者識別子をキーとして、医療情報及び身体情報を紐付けて記憶することができる。
【0041】
S104:被験者候補となる意思に関する情報の収集
統合リポジトリ11は、患者が、被験者候補となる意思を有するか否かを示す情報を収集する。
【0042】
S105:被験者候補の抽出
被験者候補抽出装置17は、統合リポジトリ11を参照し、統合リポジトリ11に医療情報及び/又は身体情報が蓄積されており、かつ被験者候補となる意思がある患者を母集団として、指定された選定条件又はアルゴリズムに従って所定の医療情報及び/又は身体情報を有する患者を抽出する。
【0043】
<実施の形態2>
図5は、本発明の実施の形態2にかかる被験者候補抽出システム1の構成を示すブロック図である。被験者候補抽出システム1は、被験者候補リポジトリ13を含む点において実施の形態1と相違する。その他の構成要素に関しては、実施の形態1と異なる点のみ説明する。
【0044】
被験者候補リポジトリ13は、統合リポジトリ11から抽出された、被験者候補となる意思がある患者の医療情報及び身体情報を管理するコンピュータシステムである。すなわち、被験者候補リポジトリ13は、被験者候補となる意思がある患者の医療情報及び身体情報だけを蓄積している。
【0045】
実施の形態2における被験者候補抽出装置17は、被験者候補リポジトリ13に医療情報及び身体情報が蓄積されている患者を母集団として、指定された選定条件又はアルゴリズムに従って被験者候補を抽出する。これにより、実施の形態1に比較して、被験者候補の抽出に係る処理負荷を抑制することができる。したがって、製薬企業等の研究機関は、被験者候補の抽出をより手軽に実施できるようになる。
【0046】
図6は、実施の形態2にかかる被験者候補抽出システム1の動作例を示すフローチャートである。実施の形態1と同じ動作については適宜説明を省略する。
【0047】
S201:医療情報の収集
S101と同様に、統合リポジトリ11が、医療機関システム21又は医療情報リポジトリ23から、患者が許諾した医療情報を取得する。
【0048】
S202:身体情報の収集
S102と同様に、身体情報管理装置15が、患者が許諾した身体情報を収集する。
【0049】
S203:統合リポジトリ11への情報集約
S103と同様に、身体情報管理装置15が、統合リポジトリ11に身体情報を随時送信する。統合リポジトリ11は、患者識別子をキーとして、医療情報及び身体情報を紐付けて記憶する。
【0050】
S204:被験者候補となる意思に関する情報の収集
S104と同様に、統合リポジトリ11は、被験者候補となる意思に関する情報を収集する。
【0051】
S205:被験者候補リポジトリ13の作成
統合リポジトリ11から被験者候補となる意思がある患者の医療情報及び身体情報を抽出し、被験者候補リポジトリ13を作成する。
【0052】
S206:被験者候補の抽出
被験者候補抽出装置17は、被験者候補リポジトリ13を参照し、指定された選定条件又はアルゴリズムに従って所定の医療情報及び/又は身体情報を有する患者を抽出する。
【0053】
これらの実施の形態によれば、製薬企業等の研究機関は、統合リポジトリ11にアクセスすることにより、医療機関等を介することなく、臨床研究の組み入れ基準を満たす可能性が高い被験者候補を迅速かつ効率的に抽出することができる。
【0054】
また、これらの実施の形態によれば、患者は医療機関を介さずに統合リポジトリ11に自己の医療情報や身体情報を提供し、被験者候補となることができる。これにより、従来は医療機関主導でしか参加することができなかった治験に、患者主導で参加する道を拓くことができる。
【0055】
また、これらの実施の形態によれば、医療機関の関与がなくとも、研究機関等は患者に対して被験者候補となることに関する説明を行い、患者の同意を取得し、同意情報の管理を行うことができる。従来は、研究機関等が医療機関に対して説明を行ったうえで、医療機関に患者の同意を得てもらい、得られた同意情報を管理する必要があった。本発明によれば、医療機関を介した説明同意のためのシステム導入や保守の責任をかける必要がなく、研究機関と患者を直接つなげることができるので、治験のための手間やコストを大幅に削減することができる。
【0056】
また、これらの実施の形態によれば、患者が自らの意思で自己に関する情報を集約し、被験者候補のスクリーニングのために当該情報を提供するか否かを決定することができる。すなわち、被験者候補のスクリーニングのために使われる情報を患者自身がコントロールすることができる。
【0057】
また、これらの実施の形態によれば、製薬企業等の研究機関は、従来よりも高精度に被験者候補を抽出できる。例えば、所定期間内において降圧剤が処方されている(PHRをはじめとする医療情報)という条件に加え、自宅での早朝血圧が高い(ePROをはじめとする身体情報)という条件を組み合わせて被験者候補を抽出することにより、特定の薬のターゲット層により近い被験者候補層を高精度で抽出できる。これにより、従来の医療機関主導の枠組みでは到達できなかった被験者候補層にリーチでき、新しい治験の枠組みを構築できる。
【0058】
なお、本発明はこれらの実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で構成要素を適宜変更、削除又は追加することが可能である。例えば、統合リポジトリ11や身体情報管理装置15が第三者により有料サービスとして提供されている場合において、患者が被験者又は被験者候補として治験に協力した場合は、当該サービスの費用を製薬企業等の研究機関側が負担することとしても良い。又は、研究機関が統合リポジトリ11や身体情報管理装置15を運営することも考えられる。これにより、統合リポジトリ11を中心とした新しい治験のエコシステムを構築することができる。
【0059】
また、統合リポジトリ11、被験者候補リポジトリ13、身体情報管理装置15に蓄積された情報を活用し、患者に対して治験に関する情報を提供するサービス(以下、レコメンドサービス)を提供することも可能である。例えば、被験者候補抽出装置17のユーザである研究機関等は、図示しない記憶領域に、将来実施される可能性のある治験の内容と、その
治験において求められる被験者候補の条件を登録する。条件として、医療情報及び/又は身体情報に含まれる各種情報を指定することが可能である。例えば患者の病状、既往歴、処方履歴、調剤履歴、属性、身体計測データの範囲等を指定できる。又は、治験に適合する被験者候補を抽出するためのアルゴリズムを使用して被験者を抽出しても良い。このようなアルゴリズムには、例えば機械学習済みモデルも含まれる。レコメンドサービスを提供する事業者のシステム(以下、レコメンドシステム)は、上記記憶領域と、患者の統合リポジトリ11、被験者候補リポジトリ13、又は身体情報管理装置15とを参照し、条件又はアルゴリズムに従って、所定の医療情報及び/又は身体情報を有する患者を抽出する。そして、当該患者に対し、将来実施される可能性のある治験の内容を提示して応募を推奨する。この場合、統合リポジトリ11及び/又は身体情報管理装置15は、医療情報や身体情報をレコメンドシステムに提供するか否かについて、患者の意思を反映させるための機能を有していることが好ましい。例えば
図3に示したような手法により、患者が明示的に許諾した医療情報や身体情報のみをレコメンドシステムに提供することができる。
【0060】
また、これらの実施の形態では被験者候補抽出装置17のユーザを製薬企業等の研究機関と想定したが、これに限定されない。例えば、医療機器開発者等が被験者候補抽出装置17を活用し、ユーザ候補となる者を抽出することも可能である。
【0061】
また、上述の実施の形態では、本発明を主にハードウェアにより構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0062】
1 被験者候補抽出システム
11 統合リポジトリ
13 被験者候補リポジトリ
15 身体情報管理装置
17 被験者候補抽出装置
21 医療機関システム
23 医療情報リポジトリ
【要約】
【課題】患者の意思に基づいて集約された情報を利用し、臨床研究の被験者候補を迅速かつ効率的に抽出する被験者候補抽出システム、被験者候補抽出装置、被験者候補抽出方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】被験者候補抽出システム1は、統合リポジトリ11と被験者候補抽出装置17とを含む。統合リポジトリ11は、医療機関によって入力又は生成され、かつ予め患者が許諾した前記患者の医療情報と、前記患者によって入力又は生成され、かつ予め前記患者が許諾した前記患者の身体情報と、前記患者の被験者候補となる意思に関する情報と、を紐付けて記憶する。被験者候補抽出装置17は、選定条件又はアルゴリズムに従って、被験者候補となる意思を有する前記患者のうち、所定の前記医療情報及び前記身体情報を有する前記患者を前記統合リポジトリ11から抽出する。
【選択図】
図1