(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-19
(45)【発行日】2025-03-28
(54)【発明の名称】半導体工程用研磨組成物、研磨組成物の製造方法および研磨組成物を適用した半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20250321BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20250321BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
C09G1/02
C09K3/14 550Z
C09K3/14 550D
(21)【出願番号】P 2023513874
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 KR2021011691
(87)【国際公開番号】W WO2022045866
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109795
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0114855
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】S-5F, 26, Geumto-ro 40beon-gil, Sujeong-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do, 13453, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】パク、ハンテ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ドクス
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ジャンクッ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スンチョル
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0057566(KR,A)
【文献】特表2009-515335(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0064018(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0062732(KR,A)
【文献】国際公開第2019/093620(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C09G 1/02
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨粒子、加速化剤および界面活性剤を含み、
前記加速化剤は、セリウム塩を含み、
下記式1による値が0.5~2である
半導体工程用研磨組成物:
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【請求項2】
前記研磨組成物は、研磨粒子100重量部に対して、界面活性剤を0.5~5重量部含む、
請求項1に記載の半導体工程用研磨組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、非イオン性フッ素系高分子化合物を含む、
請求項1に記載の半導体工程用研磨組成物。
【請求項4】
前記研磨粒子は、金属酸化物、有機粒子、有機-無機複合粒子およびこれらの混合からなる群より選択される、
請求項1に記載の半導体工程用研磨組成物。
【請求項5】
前記研磨組成物は、安定化剤およびpH調整剤を含む、
請求項1に記載の半導体工程用研磨組成物。
【請求項6】
前記安定化剤は、アミノ酸である、
請求項5に記載の半導体工程用研磨組成物。
【請求項7】
溶媒に安定化剤および加速化剤を入れて混合して研磨溶液を製造するステップと、
前記研磨溶液にpH調整剤を混合して研磨溶液のpHを調整するステップと、
前記pH調整された研磨溶液に界面活性剤および研磨粒子を混合するステップとを含み、
前記加速化剤は、セリウム塩を含み、
下記式1による値が0.5~2である
半導体工程用研磨組成物の製造方法:
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【請求項8】
前記研磨溶液を製造するステップは、
溶媒に安定化剤を混合して第1研磨溶液を製造し、前記第1研磨溶液に加速化剤を混合するものである、
請求項7に記載の半導体工程用研磨組成物の製造方法。
【請求項9】
1)研磨層を含む研磨パッドを提供するステップと、
2)前記研磨パッドに半導体工程用研磨組成物を供給するステップと、
3)前記研磨層の研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように相対回転させながら前記研磨対象を研磨させるステップと、を含み、
前記研磨組成物は、研磨粒子、加速化剤および界面活性剤を含み、
前記加速化剤は、セリウム塩を含み、
下記式1による値が0.5~2である
半導体素子の製造方法:
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体工程用研磨組成物、研磨組成物の製造方法および研磨組成物を適用した半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子はさらなる微細化、高密度化に伴ってより微細なパターン形成技術が用いられており、それによって、半導体素子の表面構造がさらに複雑化し、層間膜の段差もさらに大きくなっている。半導体素子を製造するにあたり、基板上に形成された特定の膜における段差を除去するための平坦化技術として、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:以下、「CMP」と称する)工程が用いられる。
【0003】
CMP工程は、研磨パッドにスラリーが提供されながら基板が加圧、回転して表面が研磨される。工程のステップによって平坦化しようとする対象が異なり、この際に適用されるスラリーの物性にも差がある。
【0004】
具体的には、CMP工程は、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)など誘電体の平坦化に適用されてきただけでなく、タングステン(W)、銅(Cu)などの金属配線に対する平坦化工程にも必須で使用される。
【0005】
半導体装置の高集積化に伴い、より微細なパターンの形成と多層構造の回路などが要求されている。
【0006】
このために、エッチング選択比特性が互いに異なる多様な物質の膜を必要とする。このような多様な物質の膜中において、炭素系の有機膜は、他のシリコン含有膜に対してエッチング選択比特性が良く、マスク膜や犠牲膜として使用できる。
【0007】
半導体製造工程において、有機膜に対して化学的機械的研磨(Chemical mechanical polishing)工程を進行させて除去することが要求されている。しかし、半導体製造工程で適用される有機膜に対して、CMP工程を適用して効率的に研磨できる研磨組成物が開発されていない。
【0008】
上記の問題を解決できる半導体工程用研磨組成物の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、半導体工程用研磨組成物、研磨組成物の製造方法および研磨組成物を適用した半導体素子の製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、非晶質炭素膜(Amorphous carbon layer)の研磨工程に供給されて、前記非晶質炭素膜に対する研磨率に優れ、炭素残留物(Carbon residue)が基板に吸着されるのを防止して、欠陥の発生を防止する半導体工程用研磨組成物を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、研磨組成物中の加速化剤の安定化により、保管安定性を高めた研磨組成物の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、半導体工程用研磨組成物を適用した半導体素子の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る半導体工程用研磨組成物は、研磨粒子および界面活性剤を含み、下記式1による値が0.5~2である:
【0015】
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【0016】
本発明の他の実施形態に係る半導体工程用研磨組成物の製造方法は、溶媒に安定化剤および加速化剤を入れて混合して研磨溶液を製造するステップと、前記研磨溶液にpH調整剤を混合して研磨溶液のpHを調整するステップと、前記pH調整された研磨溶液に界面活性剤および研磨粒子を混合するステップとを含む。
【0017】
本発明の他の実施形態に係る半導体素子の製造方法は、1)研磨層を含む研磨パッドを提供するステップと、2)前記研磨パッドに半導体工程用研磨組成物を供給するステップと、3)前記研磨層の研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように相対回転させながら前記研磨対象を研磨させるステップと、を含み、前記研磨組成物は、研磨粒子および界面活性剤を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、非晶質炭素膜(Amorphous carbon layer)のCMP工程に適用されて、研磨率に優れ、研磨工程時に発生する炭素残留物(Carbon residue)の半導体基板への吸着および研磨パッドの汚染を防止することができ、保管安定性に優れている。
【0019】
また、半導体工程用研磨組成物を適用した半導体素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る半導体素子製造工程の概略工程図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表面張力測定の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、研磨粒子および界面活性剤を含み、下記式1による値が0.5~2である半導体工程用研磨組成物に関する:
【0022】
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
本明細書において、ある構成が他の構成を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、その他の構成を除くのではなく、他の構成をさらに含んでもよいことを意味する。
【0025】
本明細書において、ある構成が他の構成と「連結」されているとする時、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、「その中間に他の構成を挟んで連結」されている場合も含む。
【0026】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上に直接当接してBが位置するか、その間に他の層が位置しながらA上にBが位置することを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限ると解釈されない。
【0027】
本明細書において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」の用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群より選択される1つ以上の混合または組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群より選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0028】
本明細書において、「Aおよび/またはB」の記載は、「A、B、または、AおよびB」を意味する。
【0029】
本明細書において、「第1」、「第2」または「A」、「B」のような用語は、特別な説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使われる。
【0030】
本明細書において、単数表現は、特別な説明がなければ、文脈上解釈される単数または複数を含む意味で解釈される。
【0031】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0032】
半導体素子はさらなる微細化、高密度化に伴い、表面構造がさらに複雑化している。前記表面構造の複雑化は、半導体の線幅が狭くなることを意味するもので、Aspect ratio(横対縦の比率)も次第に増加しており、増加するAspect ratioを合わせるために、フォトレジスト(Photoresist)が次第に薄くなっている。
【0033】
ただし、薄くて長くなったフォトレジストは、エッチング(Etching)工程で耐えられずに崩れる現象が現れ、これを防止するために、ハードマスク(Hardmask)工程が導入された。
【0034】
前記ハードマスク材料として、非晶質炭素(Amorphous carbon)およびSiONが使用された。
【0035】
前記非晶質炭素は、ハードマスクへの使用時、優れたエッチング耐性を有しているにもかかわらず、従来の研磨組成物を用いて化学機械的研磨工程を適用すれば、低い研磨率および炭素残留物(Carbon residue)の発生により、炭素残留物が膜質表面に吸着して、半導体基板の欠陥を発生する。
【0036】
本発明の半導体工程用研磨組成物は、従来の研磨組成物と比較して、前記非晶質炭素膜に対する研磨率に優れ、炭素残留物が膜質表面に吸着するのを防止して、半導体基板の欠陥の発生を防止することができる。
【0037】
具体的には、本発明の半導体工程用研磨組成物は、研磨粒子および界面活性剤を含み、下記式1による値が0.5~2である:
【0038】
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【0039】
前記本発明の半導体工程用研磨組成物は、研磨粒子および界面活性剤を含み、前記非晶質炭素膜に対する研磨工程で研磨率に優れ、表面張力を減少させて、半導体基板に対する炭素残留物の再吸着を防止することができる。
【0040】
より具体的には、従来の研磨組成物は、非晶質炭素膜に対する研磨率が低くて、研磨工程への適用時、研磨時間が長くかかり、研磨効率が低い問題がある。
【0041】
そこで、非晶質炭素膜に対する研磨率を高めるために、研磨組成物に後述する加速化剤を含ませて非晶質炭素膜に対する研磨率を高める方法が提示された。前記研磨組成物は、加速化剤を含むことにより、非晶質炭素膜に対する研磨率が増加したが、研磨工程で発生した炭素残留物が半導体基板に再吸着して、半導体基板への欠陥の発生が増加した。
【0042】
前記欠陥発生の問題を解決するために、本発明の半導体工程用研磨組成物は、界面活性剤を含み、研磨組成物の表面張力を減少させた。前記のように界面活性剤を含むことにより、研磨工程上発生する炭素残留物が半導体基板の表面に再吸着されるのを防止し、これによって半導体基板への欠陥の発生を防止することができる。
【0043】
半導体製造工程に用いられる、研磨組成物は、非晶質炭素膜に対する研磨率が200Å/minであり、好ましくは200Å/min~300Å/minであり、より好ましくは210Å/min~250Å/minであるが、前記例に限らない。前記本発明の範囲内で非晶質炭素膜に対する研磨工程が行われる時、効率性が高い研磨組成物として提供できる。
【0044】
下記式1は、本発明の研磨組成物に対する研磨率、研磨粒子および界面活性剤の関係に関するものである:
【0045】
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【0046】
具体的には、前記式1の値が0.5~2であり、好ましくは0.7~1.4であり、前記式1の値が本発明の範囲内に含まれる場合、非晶質炭素膜に対する研磨率を高め、半導体基板に対する表面欠陥を防止することができる。
【0047】
前記式1の関係において、分母の値は、研磨粒子および界面活性剤の含有量に関するもので、前記界面活性剤は、研磨組成物に少量含まれて、研磨組成物の表面張力を減少させる。
【0048】
具体的には、前記分母の値中、100は、研磨粒子の含有量範囲である100重量部を意味するものである。また、前記分母の値中、100SのSは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部を意味するものであり、前記100は、界面活性剤による研磨工程時、半導体基板の表面欠陥の発生を抑制する効果を反映するための係数である。
【0049】
前記式1の値が本発明の範囲内に含まれると、非晶質炭素膜に対する研磨率に優れ、研磨工程で炭素残留物が半導体基板の表面に再吸着されるのを防止して、半導体基板の欠陥の発生を抑制することができる。
【0050】
前記研磨組成物は、金属酸化物粒子100重量部に対して、界面活性剤を0.5~5重量部含み、好ましくは0.5~3重量部含まれる。前記範囲内で混合して使用する場合、式1による値が本発明の範囲内に含まれ、前記非晶質炭素膜に対して研磨率に優れ、研磨工程で炭素残留物が半導体基板の表面に再吸着されるのを防止して、半導体基板の欠陥の発生を抑制することができる。
【0051】
前記界面活性剤は、研磨工程で炭素残留物が半導体基板の表面に再吸着されるなどの現象を防止する役割をする物質であれば、特に限定されない。
【0052】
具体的には、前記界面活性剤は、非イオン性フッ素系高分子化合物を含むことができる。前記界面活性剤は、フッ素系高分子化合物を含み、非晶質炭素膜に対する研磨工程に用いる時、発生する炭素残留物が半導体基板の表面に再吸着されるのを防止することができる。また、前記界面活性剤は、フッ素を含んでいて、細菌およびカビのような微生物の繁殖を抑制することができる。研磨組成物は、長時間保管時、細菌およびカビが発生することがあり、前記細菌およびカビが発生した研磨組成物は、研磨工程への利用が不可能で廃棄しなければならない。本発明の研磨組成物は、前記界面活性剤が非イオン性フッ素系高分子化合物を含むもので、研磨組成物を長時間保管する時、細菌およびカビの発生を防止して、長時間保管安定性を高めることができる。
【0053】
前記本発明の界面活性剤は、具体的には、Chemourstm社のFS-30、FS-31、FS-34、ET-3015、ET-3150、ET-3050、およびこれらの混合からなる群より選択されてもよいが、研磨工程で炭素残留物が半導体基板の表面に再吸着されるなどの現象を防止する役割をする物質であれば、特に限定されない。
【0054】
前記本発明の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であって、非イオン性フッ素系高分子化合物を含む界面活性剤を単独で使用してもよいし、他の非イオン性界面活性剤と混合した使用も可能である。
【0055】
前記非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール(polyethylen glycol)、ポリプロピレングリコール(polypropylene glycol)、ポリエチレン-プロピレン共重合体(polyethylene-propylene copolymer)、ポリアルキルオキシド(polyalkyl oxide)、ポリオキシエチレンオキシド(polyoxyethylene oxide;PEO)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリプロピレンオキシド(polypropylene oxide)、フッ素系界面活性剤は、スルホン酸ナトリウムフッ素系界面活性剤(sodium sulfonate fluorosurfactant)、リン酸エステルフッ素系界面活性剤(phosphate ester fluorosurfactant)、酸化アミンフッ素系界面活性剤(amine oxide fluorosurfactant)、ベタインフッ素系界面活性剤(betaine fluorosurfactant)、カルボン酸アンモニウムフッ素系界面活性剤(ammonium carboxylate fluorosurfactant)、ステアリン酸エステルフッ素系界面活性剤(stearate ester fluorosurfactant)、4級アンモニウムフッ素系界面活性剤(quaternary ammonium fluorosurfactant)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドフッ素系界面活性剤(ethylene oxide/propylene oxide fluorosurfactant)およびポリオキシエチレンフッ素系界面活性剤(polyoxyethylene fluorosurfactant)からなる群より選択されてもよい。
【0056】
前記研磨粒子は、半導体工程用研磨組成物に適用可能な研磨粒子で、例えば、金属酸化物、有機粒子、有機-無機複合粒子、およびこれらの混合からなる群より選択され、金属酸化物は、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、およびこれらの混合からなる群より選択されてもよいが、前記例に限らず、通常の技術者によって選択可能な研磨粒子は、制限なくすべて使用可能である。
【0057】
前記有機粒子は、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド高分子;または前記高分子がコア、シェル、または両者ともを構成するコア/シェル構造の粒子があり、これらは単独または混合使用可能であり、前記有機粒子は、乳化重合法、懸濁重合法などによって製造できる。
【0058】
前記本発明の研磨粒子は、具体的には、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、セリア、およびこれらの混合からなる群より選択されてもよい。
【0059】
前記研磨粒子は、直径(D50)が10nm~120nmであり、好ましくは、直径(D50)が20nm~100nmであり、より好ましくは、直径(D50)が20nm~60nmであってもよい。前記研磨粒子の直径(D50)が前記範囲内にある場合、研磨対象基板などにスクラッチなどの欠陥を減少させ、研磨粒子の分散性が改善できる。具体的には、前記直径範囲内の研磨粒子を使用する場合、粒子の分散性を改善して、研磨組成物中の粒子間のかたまり現象が発生せず、研磨粒子によるスクラッチなどの欠陥の発生を防止することができる。
【0060】
前記研磨組成物は、加速化剤、安定化剤およびpH調整剤を追加的に含むことができる。
【0061】
前記加速化剤は、陰イオン系低分子、陰イオン系高分子、ヒドロキシル酸、アミノ酸およびセリウム塩からなる群より選択されてもよいし、具体的には、前記セリウム塩は、3価のセリウム塩または4価のセリウム塩であってもよく、より具体的には、前記4価のセリウム塩は、硫酸セリウム(IV)(Ce(SO4)2)、アンモニウムセリウムスルフェートジハイドレートおよびセリウムアンモニウムナイトレート(Cerium Ammonium Nitrate)からなる群より選択されてもよいが、前記例に限らない。
【0062】
前記加速化剤は、研磨組成物に含まれて非晶質炭素膜の表面層を酸化物またはイオンに酸化させて非晶質炭素膜の表面層の除去を容易にする。
【0063】
また、研磨停止膜層に存在する有機膜物質の残留物(Residue)が容易に除去できるようにすることで、より均一な研磨を可能にするというメリットがある。
【0064】
前記セリウムアンモニウムナイトレートは、イオン化合物またはキレート化合物の形態でスラリー組成物中に存在することができ、前記形態で使用する場合、非晶質炭素膜に対して高い研磨速度を提供することができる。
【0065】
本発明の研磨組成物は、非晶質炭素膜に対する研磨率を高めるために、加速化剤および安定化剤を含み、加速化剤による非晶質炭素膜の高い研磨率を示すだけでなく、安定化剤によって、長時間保管を可能にし、研磨工程を進行させる時、炭素残留物が半導体基板に再吸着することによる半導体基板の表面欠陥を防止することができる。
【0066】
そこで、本発明は、加速化剤および安定化剤を含み、前記加速化剤による非晶質炭素膜に対する研磨率を高めることができ、前記安定化剤によって研磨組成物の安定性を高め、研磨工程上で炭素残留物が半導体基板に再吸着するのを防止して、欠陥の発生を防止することができる。
【0067】
具体的には、前記安定化剤は、アミノ酸であり、より具体的には、前記アミノ酸は、アルギニン(Arginine)、ヒスチジン(Histidine)、リジン(Lysine)、アスパラギン酸(Aspartic acid)、グルタミン酸(Glutamic acid)、グルタミン(Glutamine)、システイン(Cysteine)、プロリン(Proline)、アスパラギン(Asparagine)、スレオニン(threonine)、アラニン(Alanine)、グリシン(Glycine)、バリン(Valine)、ロイシン(Leucine)、イソロイシン(Isoleucine)、およびこれらの混合からなる群より選択されてもよいし、好ましくは、アラニンであるが、前記例に限らず、加速化剤と共に混合して使用して研磨組成物の安定性を高めることができ、研磨工程上で欠陥の発生を抑制できるアミノ酸は、制限なくすべて使用可能である。
【0068】
前記pH調整剤は、塩酸、リン酸、硫酸、フッ酸、硝酸、臭素酸、ヨウ素酸、ギ酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、アジピン酸、アセト酸、プロピオン酸、フマル酸、乳酸、サリチル酸、ピメリン、安息香酸、コハク酸、フタル酸、酪酸、グルタル酸、グルタミン酸、グリコール酸、ラクト酸、アスパラギン酸、酒石酸および水酸化カリウムからなる群より選択される少なくともいずれか1つであってもよい。
【0069】
前記pH調整剤は、半導体工程用研磨組成物のpHを2~5、好ましくは2~4で示すことができる。このような範囲で酸性環境を維持する場合、金属成分や研磨装置の過度の腐食は防止しながら研磨速度と品質を一定水準以上に維持することができる。
【0070】
前記加速化剤は、前記研磨組成物の研磨粒子100重量部を基準として400重量部~800重量部の量で使用できる。具体的には、前記加速化剤は、前記研磨組成物の研磨粒子100重量部を基準として450重量部~700重量部、例えば、450重量部~550重量部の量で使用できる。
【0071】
前記安定化剤は、前記研磨組成物の研磨粒子100重量部を基準として350重量部~750重量部の量で使用できる。具体的には、前記安定化剤は、前記研磨組成物の研磨粒子100重量部を基準として400重量部~600重量部、例えば、430重量部~500重量部の量で使用できる。
【0072】
前記界面活性剤は、前記研磨組成物の研磨粒子100重量部を基準として0.4重量部~5重量部の量で使用できる。具体的には、前記界面活性剤は、前記研磨組成物の研磨粒子100重量部を基準として0.5重量部~2重量部、例えば、0.6重量部~1.5重量部の量で使用できる。
【0073】
前記加速化剤、前記安定化剤および前記界面活性剤は、溶媒に混合されて前記研磨組成物として提供される。
【0074】
前記溶媒は、超純水であるが、前記例に限らず、研磨組成物の溶媒として使用できるものは、制限なくすべて使用可能である。
【0075】
前記範囲内で研磨組成物に含まれる場合、安定化剤によって加速化剤が安定化されて、研磨組成物中にて加速化剤による研磨率を高めることができ、また、長期保管性を向上させることができる。
【0076】
また、前記安定化剤および界面活性剤は、研磨組成物を用いた研磨工程上での欠陥の発生を防止することができる。
【0077】
前記界面活性剤は、範囲値未満で含む場合、研磨工程上で半導体基板の表面欠陥の発生が増加し、前記範囲値を超えて含む場合には、研磨組成物の製造時に泡が多量発生する問題がある。
【0078】
前記半導体工程用組成物は、固形分含有量が約5重量%~約20重量%であってもよい。前記固形分含有量が過度に少ない場合、非晶質炭素膜に対する研磨率が十分に確保されない恐れがあり、過度に多い場合、前記研磨粒子の凝集などによる欠陥発生の恐れがある。すなわち、前記半導体工程用組成物が前述した各成分と前記溶媒を含みかつ、前記範囲の固形分含有量を満足する場合、前記半導体工程用組成物を研磨工程に適用する時、均一な流量で注入するのに有利であり得、また、前記半導体工程用組成物の流通および保存過程で均一な分散性および保存安定性を確保するのに有利であり得る。
【0079】
本発明の半導体工程用研磨組成物の製造方法は、溶媒に安定化剤および加速化剤を入れて混合して研磨溶液を製造するステップと、前記研磨溶液にpH調整剤を混合して研磨溶液のpHを調整するステップと、前記pH調整された研磨溶液に界面活性剤および研磨粒子を混合するステップとを含み、下記式1による値が0.5~2である:
【0080】
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【0081】
前記研磨溶液を製造するステップは、加速化剤の安定化のために、溶媒に安定化剤を混合して第1研磨溶液に製造し、以後、加速化剤を混合して研磨溶液に製造することができる。
【0082】
前記加速化剤は、溶媒の超純水に安定化剤、pH調整剤、界面活性剤および研磨粒子と共に混合して製造すれば、前記加速化剤が安定化されず、研磨組成物に製造する時、長時間保管が難しかったり、加速化剤による非晶質炭素膜に対する研磨率の上昇効果が現れない。
【0083】
このような問題を防止するために、溶媒に安定化剤を混合して第1研磨溶液を製造した後、前記第1研磨溶液に加速化剤を溶解させて研磨溶液に製造する。以後、前記研磨溶液にpH調整剤を混合して研磨溶液のpHを調整し、前記pH調整された研磨溶液に界面活性剤および研磨粒子を混合して研磨組成物を製造した。前記製造方法によって製造された半導体工程用研磨組成物は、加速化剤によって、非晶質炭素膜に対する研磨率に優れ、安定性に優れて長時間保管が可能である。
【0084】
本発明の他の実施形態に係る半導体素子の製造方法は、1)研磨層を含む研磨パッドを提供するステップと、2)前記研磨パッドに半導体工程用研磨組成物を供給するステップと、3)前記研磨層の研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように相対回転させながら前記研磨対象を研磨させるステップと、を含み、前記研磨組成物は、研磨粒子および界面活性剤を含み、下記式1による値が0.5~2である:
【0085】
[式1]
ここで、
厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minの条件で研磨した時、
前記Raは、研磨率測定値であり、
前記Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【0086】
図1は、一実施形態に係る半導体素子製造工程の概略工程図を示す。
図1を参照する時、前記一実施形態に係る研磨パッド110を定盤120上に装着した後、研磨対象の半導体基板130を前記研磨パッド110上に配置する。研磨のために、前記研磨パッド110上にノズル140を介して、研磨スラリー150が噴射される。
【0087】
前記ノズル140を介して供給される研磨スラリー150の流量は、約10cm3/分~約1,000cm3/分の範囲内で目的に応じて選択可能であり、例えば、約50cm3/分~約500cm3/分であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0088】
前記半導体基板130の被研磨面は、前記研磨パッド110の研磨面に直接接触する。
【0089】
以後、前記半導体基板130と前記研磨パッド110とは互いに相対回転して、前記半導体基板130の表面が研磨される。この時、前記半導体基板130の回転方向および前記研磨パッド110の回転方向は、同じ方向でもよく、反対方向でもよい。前記半導体基板130と前記研磨パッド110の回転速度は、それぞれ約10rpm~約500rpmの範囲で目的に応じて選択可能であり、例えば、約30rpm~約200rpmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0090】
前記基板の研磨工程に対する一例として、基板を研磨するものは有機膜であって、炭素系の有機膜に対する研磨工程に適用可能である。
【0091】
具体的には、前記炭素系の有機膜は、C-SOH(spin on hardmask)膜、非晶質炭素膜(amorphous carbon layer)またはNCP膜を例示することができ、好ましくは、選択的な研磨効果に優れ、高い研磨率を示すことができる非晶質炭素膜である。
【0092】
半導体工程用研磨組成物に関する具体的な説明は、上述した説明と重複するので、その記載を省略する。
【0093】
一実施形態において、前記半導体素子の製造方法は、前記研磨パッド110の研磨面を研磨に適した状態に維持させるために、前記半導体基板130の研磨と同時に、コンディショナ170を介して前記研磨パッド110の研磨面を加工するステップをさらに含むことができる。
【0094】
半導体研磨用組成物の製造
実施例1
【0095】
安定化剤のアラニンを超純水に混合して第1研磨溶液を製造した。前記第1研磨溶液に加速化剤としてセリウムアンモニウムナイトレートを混合して研磨溶液を製造した。
【0096】
前記研磨溶液に硝酸を混合してpHが2.1となるように調整し、界面活性剤であるChemourstm社のFS-30および直径が75nmのコロイダルシリカを混合して研磨組成物を製造した。
【0097】
実施例2
前記界面活性剤をコロイダルシリカ100重量部に対して2重量部含むことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0098】
実施例3
前記アラニンの代わりにヒスチジンを用いたことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0099】
実施例4
前記アラニンの代わりにプロリンを用いたことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0100】
実施例5
前記アラニンの代わりにアルギニンを用いたことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0101】
比較例1
超純水を比較例1として用いた。
【0102】
比較例2
界面活性剤を別途に含まないことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0103】
比較例3
界面活性剤として陽イオン界面活性剤のピリジン塩を用いたことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0104】
比較例4
界面活性剤として非イオン性界面活性剤のツイーン20を用いたことを除き、実施例1と同様に研磨組成物を製造した。
【0105】
前記実施例1~5および比較例1~比較例4に対する具体的な含有量は、下記表1の通りである。
【0106】
【0107】
実験例1
表面張力の測定
対照群として超純水を用い、比較例1、実施例1および実施例2に対してバブルライフタイム(Bubble life time)を測定して表面張力を評価した。
【0108】
計測器としてSITA Bubble Pressure Tensionmeterを用い、測定時、100mlにサンプルの量を調整した後、表面張力による液状の表面における気泡のライフタイムを測定し、その結果は
図2の通りである。
【0109】
対照群である超純水は、バブルライフタイムが長くなると、特定の表面張力値で変化が現れないことを確認することができる。
【0110】
比較例1、実施例1および実施例2は、対照群に比べて研磨組成物の成分によってバブルライフタイムの増加によって表面張力が減少することを確認することができるが、比較例1に比べて、界面活性剤の含有量が増加するにつれて表面張力が減少することを確認することができる。具体的には、表面張力が減少することにより、炭素残留物の基板表面に対する再吸着を防止することができ、これは研磨工程上で半導体基板に発生する欠陥の発生を低下させることができることを意味するといえる。
【0111】
これに対し、比較例2~4の場合、界面活性剤の種類を異ならせて研磨組成物を製造したが、研磨組成物に凝集が発生してさらなる評価実験の進行が不可能であった。
【0112】
実験例2
研磨率および半導体基板の表面欠陥の発生の有無
本発明の研磨組成物を研磨工程上に適用する場合の研磨率および半導体基板の表面欠陥の発生の有無を確認するために、研磨工程を進行させて研磨率を測定し、表面欠陥の発生の有無を確認した。
【0113】
研磨工程の条件は、具体的には、厚さが2,000Åの非晶質炭素膜(ACL、Amorphous carbon layer)を60秒間2psiで加圧し、キャリア速度87rpm、プラテン速度93rpmおよび研磨組成物の流入流速が200ml/minである。
【0114】
前記研磨条件下での非晶質炭素膜の研磨率を測定し、KLA Tencor AIT-XP+を用いて欠陥発生の有無を確認した。
【0115】
測定された研磨率、前記研磨粒子および界面活性剤の重量部によって計算された式1の値は、下記の通りである:
【0116】
[式1]
ここで、
Raは、研磨率測定値であり、
Sは、研磨粒子100重量部に対する界面活性剤の重量部である。
【0117】
【0118】
前記実験の結果によって、非晶質炭素膜に対する研磨率は、加速化剤の含有によって差を示すもので、加速化剤をすべて含む実施例1~5および比較例2は、前記非晶質炭素膜に対して、いずれも200Å/minを超える研磨率を示すことを確認することができる。ただし、界面活性剤を含まない場合には、炭素残留物が増加し、これによって総欠陥数も増加することを確認することができる。
【0119】
結果として、前記式1による値を満足する実施例1~5は、非晶質炭素膜に対して研磨率に優れ、研磨工程後、欠陥の発生を防止する効果に優れていることを確認した。
【0120】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0121】
110:研磨パッド
120:定盤
130:半導体基板
140:ノズル
150:研磨スラリー
160:研磨ヘッド
170:コンディショナ
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、半導体工程用研磨組成物、研磨組成物の製造方法および研磨組成物を適用した半導体素子の製造方法に関する。