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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】目盛り付きプレート、及び研削装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/04 20060101AFI20250325BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20250325BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20250325BHJP
【FI】
B24B7/04 A
B24B49/10
H01L21/304 631
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021088253
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2022181348
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 真也
(72)【発明者】
【氏名】浅井 宏平
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-124753(JP,A)
【文献】特開2019-030932(JP,A)
【文献】特開2021-030377(JP,A)
【文献】特開2006-343301(JP,A)
【文献】登録実用新案第3219637(JP,U)
【文献】米国特許第05172484(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B3/00-7/30
B24B21/00-57/04
B23Q17/00-23/00
B24D3/00-99/00
G01B3/00-3/08
G01B3/11-3/56
G01B5/00-5/30
H01L21/304;21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に保持面を有し、円板状の被加工物を該保持面において吸引保持するチャックテーブルと、
研削送りユニットにより昇降可能であり、回転可能なスピンドルと、該スピンドルの下端に接続され環状に配列された研削砥石を底面に有する研削ホイールを着脱可能に支持できるホイールマウントと、を有し、該チャックテーブルに保持された該被加工物を研削する研削ユニットと、を備え、
該ホイールマウントに取り付けられた該研削ホイールを回転させ、該研削ユニットを下降させ、該チャックテーブルの該保持面に保持された該被加工物に該研削砥石を接触させることで該被加工物を研削できる研削装置であって、
該ホイールマウントには、該ホイールマウントに対する該チャックテーブルの該保持面の高さ位置を測定する高さ測定器を取り付け可能な高さ測定器取付け機構が設けられ、
該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの該スピンドルを回転させても動かない外面と、の一方に目盛りが設けられ、他方に該目盛り上の一点を指す目印が設けられ、
該高さ測定器取付け機構で該ホイールマウントに取り付けられた該高さ測定器を該チャックテーブルの該保持面上における該研削砥石の回転軌道に沿って移動させて該保持面の各所の高さ位置を該高さ測定器により測定可能であり、
該目印が指す該目盛り上の点を読み取ることで該保持面における該高さ測定器の該回転軌道に沿った位置を検出可能であることを特徴とする研削装置。
【請求項2】
該目盛りは、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの該スピンドルを回転させても動かない外面と、の該一方に取り付けられたプレートに印字されていることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
【請求項3】
該ホイールマウントには、該研削ホイールを該ホイールマウントに固定するためのホイール固定具が通される研削ホイール固定穴が形成されており、
該プレート及び該目印の一方は、該研削ホイール固定穴に通される固定具により固定可能であることを特徴とする請求項2に記載の研削装置。
【請求項4】
該目盛りは、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの該スピンドルを回転させても動かない外面と、の該一方に印字されていることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
【請求項5】
該目盛りは、第1の目盛り線と、第2の目盛り線と、第3の目盛り線と、を含み、
該スピンドルを60°回転させたとき、該第2の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致し、
該スピンドルを120°回転させたとき、該第3の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の研削装置。
【請求項6】
該目盛りは、第4の目盛り線と、第5の目盛り線と、をさらに含み、
該スピンドルを30°回転させたとき、該第4の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致し、
該スピンドルを90°回転させたとき、該第5の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致することを特徴とする請求項5に記載の研削装置。
【請求項7】
上面に保持面を有し、円板状の被加工物を該保持面において吸引保持するチャックテーブルと、
研削送りユニットにより昇降可能であり、回転可能なスピンドルと、該スピンドルの下端に接続され環状に配列された研削砥石を底面に有する研削ホイールを着脱可能に支持できるホイールマウントと、を有し、該チャックテーブルに保持された該被加工物を研削する研削ユニットと、を備え、
該ホイールマウントに取り付けられた該研削ホイールを回転させ、該研削ユニットを下降させ、該チャックテーブルの該保持面に保持された該被加工物に該研削砥石を接触させることで該被加工物を研削できる研削装置の該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの外面と、の一方に取り付け可能であり、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの外面と、の他方に設けられた目印と組み合わせて使用可能な目盛り付きプレートであって、
目盛りが印字されており、
該目盛りは、第1の目盛り線と、第2の目盛り線と、第3の目盛り線と、を含み、
該スピンドルを60°回転させたときに該第2の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように、かつ、該スピンドルを120°回転させたときに該第3の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように該研削装置に取り付け可能であることを特徴とする目盛り付きプレート。
【請求項8】
該目盛りは、第4の目盛り線と、第5の目盛り線と、をさらに含み、
該スピンドルを30°回転させたときに該第4の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように、かつ、該スピンドルを90°回転させたときに該第5の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように該研削装置に取り付け可能であることを特徴とする請求項7に記載の目盛り付きプレート。
【請求項9】
該研削装置の該ホイールマウントには、該研削ホイールを該ホイールマウントに固定するためのホイール固定具が通される研削ホイール固定穴が形成されており、
該研削ホイール固定穴に通される固定具により該研削装置に固定可能であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の目盛り付きプレート。
【請求項10】
テープまたは磁石により該研削装置に固定可能であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の目盛り付きプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物をチャックテーブルの保持面で保持して研削する研削装置において、該保持面の各所の高さを測定するための高さ測定器を所定の位置に位置付ける際に使用される目盛り付きプレートと、目盛りが設けられた研削装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated circuit)やLSI(Large Scale Integration)等のデバイスを搭載したデバイスチップは、円板状のウェーハから製造される。ウェーハの表面に複数のデバイスを設け、該ウェーハを裏面側から研削して薄化し、該ウェーハをデバイス毎に分割すると、個々のデバイスチップが得られる。ウェーハ等の被加工物の研削は、研削装置で実施される(特許文献1参照)。研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルで保持された被加工物を研削する研削ユニットと、有する。
【0003】
研削ユニットは、研削ホイールを下面に固定できるホイールマウントと、ホイールマウントの上面の中心に下端が固定されたスピンドルと、スピンドルの上端部を回転可能に収容するスピンドルハウジングと、を備える。スピンドルハウジングの内部には、スピンドルを回転させるモーター等の回転駆動源が設けられている。
【0004】
また、ホイールマウントに固定される研削ホイールは、ホイールマウントの下面に接する環状のホイール基台と、ホイール基台の下面に固定された環状に並ぶ研削砥石と、を備える。スピンドルを回転させると研削ホイールが回転し、研削砥石がチャックテーブルの保持面とおおよそ平行な回転軌道上を回転移動する。さらに、研削装置は、保持面の中心を通るテーブル回転軸の周りにチャックテーブルを回転できる。研削ホイール及びチャックテーブルを回転させ、研削砥石を被加工物に接触させると、被加工物が研削される。
【0005】
ここで、チャックテーブルの保持面は極めて緩やかに傾斜した円錐面である。研削装置では、該保持面を構成する母線のうち研削砥石の回転軌道を含む回転面に最も近い母線が該回転面と平行となるように、テーブル回転軸及びスピンドルの傾きが決定される。このようにテーブル回転軸及びスピンドルの相対的な傾きが調整されていると、被加工物の全域が均一な厚みとなるように該被加工物を研削できる。
【0006】
テーブル回転軸等の傾き等を調整する際には、保持面の各所の高さを測定できる高さ測定器を使用する。高さ測定器は、ホイールマウントに治具を介して装着される。高さ測定器は、保持面の各測定点上に順次位置付けられ、各測定点で保持面の高さの測定を実施する(特許文献2参照)。例えば、研削装置の調整作業者は、手でホイールマウントをスピンドルの周りに回転させ、高さ測定器を所定の測定点に移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-141176号公報
【文献】特開2013-141725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ホイールマウントに装着される研削ホイールの研削砥石と同様に、高さ測定器は、ホイールマウントを回転させたときにスピンドルを中心とした回転軌道上を移動する。この軌道は、チャックテーブルの保持面の中心と重なる。そして、テーブル回転軸等の傾き等を調整する際には、保持面においてこの軌道と重なる円弧状の領域の2つの端部と、保持面の中心と、該端部及び該中心の間の中点と、等において保持面の高さが測定される。
【0009】
従来、作業者は、研削ユニット及びチャックテーブルの間の空間を側方から覗き込み、高さ測定器が所定の測定点に位置付けられていることを確認していた。しかしながら、作業者から見たときの奥行き方向において高さ測定器の位置を精密に感知するのは容易ではない。また、研削ユニットの上方で作業する場合に、高さ測定器の位置を変更する都度、作業者がチャックテーブルの側方に移動して高さ測定器の位置を確認する必要があった。そのため、高さ測定器の位置合わせが作業効率を低下させる要因となっていた。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ホイールマウントに固定される高さ測定器の高精度な位置合わせを容易に実現できる目盛り付きプレート及び研削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によると、上面に保持面を有し、円板状の被加工物を該保持面において吸引保持するチャックテーブルと、研削送りユニットにより昇降可能であり、回転可能なスピンドルと、該スピンドルの下端に接続され環状に配列された研削砥石を底面に有する研削ホイールを着脱可能に支持できるホイールマウントと、を有し、該チャックテーブルに保持された該被加工物を研削する研削ユニットと、を備え、該ホイールマウントに取り付けられた該研削ホイールを回転させ、該研削ユニットを下降させ、該チャックテーブルの該保持面に保持された該被加工物に該研削砥石を接触させることで該被加工物を研削できる研削装置であって、該ホイールマウントには、該ホイールマウントに対する該チャックテーブルの該保持面の高さ位置を測定する高さ測定器を取り付け可能な高さ測定器取付け機構が設けられ、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの該スピンドルを回転させても動かない外面と、の一方に目盛りが設けられ、他方に該目盛り上の一点を指す目印が設けられ、該高さ測定器取付け機構で該ホイールマウントに取り付けられた該高さ測定器を該チャックテーブルの該保持面上における該研削砥石の回転軌道に沿って移動させて該保持面の各所の高さ位置を該高さ測定器により測定可能であり、該目印が指す該目盛り上の点を読み取ることで該保持面における該高さ測定器の該回転軌道に沿った位置を検出可能であることを特徴とする研削装置が提供される。
【0012】
好ましくは、該目盛りは、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの該スピンドルを回転させても動かない外面と、の該一方に取り付けられたプレートに印字されている。
【0013】
さらに、好ましくは、該ホイールマウントには、該研削ホイールを該ホイールマウントに固定するためのホイール固定具が通される研削ホイール固定穴が形成されており、該プレート及び該目印の一方は、該研削ホイール固定穴に通される固定具により固定可能である。
【0014】
または、好ましくは、該目盛りは、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの該スピンドルを回転させても動かない外面と、の該一方に印字されている
【0015】
また、好ましくは、該目盛りは、第1の目盛り線と、第2の目盛り線と、第3の目盛り線と、を含み、該スピンドルを60°回転させたとき、該第2の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致し、該スピンドルを120°回転させたとき、該第3の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致する。
【0016】
さらに、好ましくは、該目盛りは、第4の目盛り線と、第5の目盛り線と、をさらに含み、該スピンドルを30°回転させたとき、該第4の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致し、該スピンドルを90°回転させたとき、該第5の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係は、該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致する。
【0017】
また、本発明の他の一態様によると、上面に保持面を有し、円板状の被加工物を該保持面において吸引保持するチャックテーブルと、研削送りユニットにより昇降可能であり、回転可能なスピンドルと、該スピンドルの下端に接続され環状に配列された研削砥石を底面に有する研削ホイールを着脱可能に支持できるホイールマウントと、を有し、該チャックテーブルに保持された該被加工物を研削する研削ユニットと、を備え、該ホイールマウントに取り付けられた該研削ホイールを回転させ、該研削ユニットを下降させ、該チャックテーブルの該保持面に保持された該被加工物に該研削砥石を接触させることで該被加工物を研削できる研削装置の該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの外面と、の一方に取り付け可能であり、該ホイールマウントの上面又は側面と、該ホイールマウント及び該スピンドル以外の該研削ユニットの外面と、の他方に設けられた目印と組み合わせて使用可能な目盛り付きプレートであって、目盛りが印字されており、該目盛りは、第1の目盛り線と、第2の目盛り線と、第3の目盛り線と、を含み、該スピンドルを60°回転させたときに該第2の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように、かつ、該スピンドルを120°回転させたときに該第3の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように該研削装置に取り付け可能であることを特徴とする目盛り付きプレートが提供される。
【0018】
好ましくは、該目盛りは、第4の目盛り線と、第5の目盛り線と、をさらに含み、該スピンドルを30°回転させたときに該第4の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように、かつ、該スピンドルを90°回転させたときに該第5の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係が該回転前の該第1の目盛り線及び該目印の相対的な位置関係と一致するように該研削装置に取り付け可能である。
【0019】
また、好ましくは、該研削装置の該ホイールマウントには、該研削ホイールを該ホイールマウントに固定するためのホイール固定具が通される研削ホイール固定穴が形成されており、該研削ホイール固定穴に通される固定具により該研削装置に固定可能である。
【0020】
または、好ましくは、テープまたは磁石により該研削装置に固定可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様に係る研削装置及び目盛り付きプレートは、目盛りを備える。この目盛りは、研削装置に設けられた目印とともに使用される。例えば、研削装置の調整作業者がスピンドルを回転させてホイールマウントを回転させたとき、該スピンドルの回転角に応じて目盛りと目印の相対的な位置関係が変化する。そのため、スピンドルを回転させたときの該位置関係の変化を確認することにより、スピンドルの回転角を検出できる。
【0022】
治具を介して又は介さずにホイールマウントに取り付けられる高さ測定器は、スピンドルを回転させたとき、研削ホイールの研削砥石の回転軌道に沿って移動する。移動後の高さ測定器の位置はスピンドルの回転角により決まるため、スピンドルの回転角を検出できると、高さ測定器の位置を特定できる。すなわち、目印が指す目盛り上の点を読み取ることで保持面における高さ測定器の位置を検出できる。
【0023】
そのため、研削装置の調整作業者は、研削ユニットとチャックテーブルの間を覗き込み高さ測定器を直接視認することなく、目盛りと目印を確認することで該高さ測定器の位置を容易に把握できる。このとき、調整作業者から見た奥行方向で高さ測定器の位置を感知する必要はなく、高さ測定器の位置をより正確に特定できる。そのため、高さ測定器の位置合わせ精度も上がる。
【0024】
したがって、本発明により、ホイールマウントに固定される高さ測定器の高精度な位置合わせを容易に実現できる目盛り付きプレート及び研削装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】研削装置を模式的に示す斜視図である。
図2】研削装置で研削される被加工物を模式的に示す斜視図である。
図3】被加工物を研削する研削装置を模式的に示す断面図である。
図4】ホイールマウントに研削ホイールを取り付ける様子を模式的に示す斜視図である。
図5】研削砥石の回転軌道と、被加工物の裏面における研削砥石の接触領域を模式的に示す平面図である。
図6】治具を介して研削ユニットに高さ測定器を取り付ける様子を模式的に示す側面図である。
図7】研削ユニットに取り付けられた高さ測定器によりチャックテーブルの保持面の各点の高さを測定する様子を模式的に示す側面図である。
図8】チャックテーブルと、治具と、高さ測定器と、を模式的に示す平面図である。
図9図9(A)は、ホイールマウントに目盛り付きプレートを取り付ける様子を模式的に示す斜視図であり、図9(B)は、目盛り付きプレートが取り付けられたホイールマウントを模式的に示す斜視図であり、図9(C)は、目盛りが印字されたホイールマウントを模式的に示す斜視図である。
図10】目盛り付きプレートを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る目盛り付きプレートが取り付けられる研削装置は、被加工物を研削して薄化する。まず、被加工物について説明する。図2には、被加工物1を模式的に示す斜視図が含まれている。
【0027】
被加工物1は、例えば、Si、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)、GaAs(ヒ化ガリウム)、若しくは、その他の半導体等の材料からなる略円板状のウェーハ等である。ただし、被加工物1は、これに限定されない。
【0028】
円板状のウェーハ等の被加工物1の表面1aに複数のデバイスを行列状に配し、被加工物1をデバイス毎に分割すると、個々のデバイスチップが得られる。この際、予め研削装置で被加工物1を裏面1b側から研削して該被加工物1を薄化しておくと、最終的に薄型のデバイスチップが得られる。研削装置で研削される被加工物1の表面1a側には、該表面1aに形成されたデバイス等を保護するテープ状の保護部材3(図3参照)が貼着される。
【0029】
次に、研削装置について詳述する。図1は、研削装置2の一例を模式的に示す斜視図であり、図3は、研削装置2の一部を模式的に示す断面図である。研削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の上面には、Y軸方向に沿った凹部4aが形成されている。
【0030】
凹部4aには、ボールねじ式の移動機構によりY軸方向に沿って移動可能な移動テーブル6と、移動テーブル6に支持されたチャックテーブル8と、チャックテーブル8を露出しながら凹部4aの開口を覆う防塵防滴カバー4bと、が設けられる。ただし、図3では、防塵防滴カバー4b等が省略されている。移動テーブル6をY軸方向に沿って移動させると、チャックテーブル8がY軸方向に沿って移動する。
【0031】
チャックテーブル8は、研削される被加工物1を吸引保持できる。チャックテーブル8は、ステンレス鋼またはセラミックス製の枠体8aを有する。枠体8a内には吸引路(不図示)が設けられており、この吸引路の一端にはエジェクタ等の吸引源(不図示)が接続されている。枠体8aは、円板状の空間から成る凹部を上面側に有する。この凹部には略円板状の多孔質部材8bが収容されて固定されている。
【0032】
多孔質部材8bの径は、被加工物1の径と略同一とされる。多孔質部材8bの上面は、保持面8cとなる。被加工物1を多孔質部材8bの上に載せ、吸引源を動作させると、吸引路及び多孔質部材8bを通じて被加工物1に負圧が作用し、被加工物1がチャックテーブル8に吸引保持される。
【0033】
チャックテーブル8は、移動テーブル6の上面に設けられたテーブル支持台8dの上に固定されている。テーブル支持台8dの下面には、移動テーブル6上に固定されたモーター等で構成された回転駆動源8eがスピンドルを介して接続されている。回転駆動源8eを作動させると、テーブル支持台8dに固定されたチャックテーブル8が保持面8cに交差するテーブル回転軸8fの周りに回転する。
【0034】
図3に示す通り、チャックテーブル8の保持面8cは、極めて傾斜の小さい円錐面となっている。研削装置2は、チャックテーブル8を傾きの調整が可能であり回転可能に支持する支持機構8gを備える。支持機構8gは、1つ以上の固定支持部と、2つ以上の可動支持部と、を有する傾き調整機構を有する。可動支持部材の上端の高さを調整することにより、チャックテーブル8の保持面8cを鉛直方向(Z軸方向)に対して所定角度傾けることができる。
【0035】
研削装置2は、チャックテーブル8で保持された被加工物を研削する研削ユニット24と、研削ユニット24を昇降させる研削送りユニット12と、を備える。研削装置2の後方側には支持部10が立設されており、この支持部10により研削送りユニット12を介して研削ユニット24が支持されている。支持部10の前面には、Z軸方向(鉛直方向)に沿った一対のガイドレール14が設けられている。それぞれのガイドレール14には、昇降プレート16がスライド可能に取り付けられている。
【0036】
昇降プレート16の裏面側(後面側)には、ナット部18が設けられており、このナット部18には、ガイドレール14に平行なボールねじ20が螺合されている。ボールねじ20の一端部には、パルスモータ22が連結されている。パルスモータ22でボールねじ20を回転させると、昇降プレート16は、ガイドレール14に沿ってZ軸方向に移動する。
【0037】
昇降プレート16の前面側には、被加工物1の研削加工を実施する研削ユニット24が固定されている。昇降プレート16を移動させれば、研削ユニット24はZ軸方向(研削送り方向)に移動できる。研削ユニット24は、切断された円筒状の保持部材26を有する。保持部材26は、昇降プレート16の前方側の表面に固定されており、研削ユニット24の外装となる。
【0038】
保持部材26の内側には、該保持部材26に支持されたスピンドルハウジング28が設けられている。スピンドルハウジング28には、スピンドル30の一部が回転可能な態様で収容されている。スピンドル30の上端には、モーター等の回転駆動機構(不図示)が連結されている。回転駆動機構を作動させると、スピンドル30は回転軸の周りに回転する。
【0039】
スピンドル30の下端は、保持部材26の底部よりも下方に位置している。スピンドル30の下端には、円盤状のホイールマウント32の上面側が連結されている。図4は、ホイールマウント32に研削ホイール38を固定する様子を模式的に示す斜視図である。
【0040】
研削ホイール38は、円環状のホイール基台40を有する。ホイール基台40は、アルミニウム等の金属で形成され、被加工物1の径に対応する径とされる。ホイール基台40の下面(底面)側の外周部には、環状に配列された複数の研削砥石42が設けられている。各研削砥石42は、例えば、ビトリファイドやレジノイド等の結合材に、ダイヤモンドやcBN(cubic boron nitride)等の砥粒を混合し、混合体を焼結することで形成されている。
【0041】
ホイールマウント32には上下に貫通する複数の研削ホイール固定穴34が設けられており、ホイール基台40にはボルト等のホイール固定具36が締め込まれる締結穴40aが形成されている。研削ホイール固定穴34にホイール固定具36を通し、ホイール固定具36を締結穴40aに締め込むと研削ホイール38がホイールマウント32に固定される。このとき、ホイールマウント32は、研削ホイール38を上方から支持する。
【0042】
研削装置2は、基台4の上に設けられた厚み測定ユニット44(図3参照)を備える。厚み測定ユニット44は、例えば、被加工物1の上面に接触する第1のプローブ44aと、チャックテーブル8の保持面8cに接触する第2のプローブ44bと、第1のプローブ44a及び第2のプローブ44bを支持する軸部44cと、を備える。厚み測定ユニット44は、被加工物1の上面の高さと、保持面8c高さと、を測定し、被加工物1の厚みを測定する。ただし、厚み測定ユニット44はこれに限定されない。
【0043】
チャックテーブル8に吸引保持された被加工物1を研削ユニット24で研削する際には、スピンドル39に接続された回転駆動源を作動させてスピンドル30をホイール回転軸30aの周りに回転させる。すると、研削ホイール38が回転して研削砥石42が回転軌道上を移動する。また、回転駆動源8eを作動させてチャックテーブル8をテーブル回転軸8fの周りに回転させる。
【0044】
そして、研削送りユニット12を作動させて研削ユニット24を下降させ、回転軌道上を移動する研削砥石42の底面を被加工物1の被研削面(裏面1b)に接触させる。すると、被加工物1が研削されて被加工物1が徐々に薄化する。このとき、厚み測定ユニット44で被加工物1の厚みを監視し、被加工物1が所定の厚みとなったときに研削ユニット24の下降を終了する。すると、所定の厚みとなった被加工物1が得られる。
【0045】
ここで、テーブル回転軸8f及びホイール回転軸30aの相対的な傾きが適切でない場合、研削後の被加工物1の厚み分布が均一とはならず、厚みに偏りが生じ、研削後の被加工物1の表面1aと裏面1bとが平行にならない。そこで、円錐面で構成される保持面8cを構成する母線のうち研削砥石42の回転軌道を含む回転面に最も近い母線が該回転面と平行となるようにテーブル回転軸8f等の傾きが予め調整される。
【0046】
図5は、テーブル回転軸8fが適切に調整されている場合において被加工物1の裏面1bにおける研削砥石42が接触する接触領域48を模式的に示す平面図である。図5には、チャックテーブル8に吸引保持された被加工物1と、研削砥石42の移動経路となる回転軌道46と、が模式的に示されている。
【0047】
回転軌道46は、チャックテーブル8の中心と重なる点50bを通るように設定される。そして、点50bと、回転軌道46上の被加工物1の一端と重なる点50aと、の間でチャックテーブル8の保持面8cを構成する母線が回転軌道46と平行とされる。この場合、回転軌道46に沿って移動する研削砥石42が点50aに到達したときに被加工物1の裏面1bに接触しはじめ、点50bに到達するまで研削砥石42が被加工物1の裏面1bに接触し続ける。
【0048】
そして、点50bから回転軌道46上の被加工物1の他の一端と重なる点50cにかけて保持面8cが回転軌道46から離れるため、点50bを過ぎた研削砥石42は被加工物1の裏面1bに接触しなくなる。したがって、被加工物1の裏面1bは、接触領域48において研削砥石42に研削される。このとき、チャックテーブル8がテーブル回転軸8fの周りに回転しており、裏面1bの各所が次々に接触領域48にかかるため、被加工物1の裏面1bの全域が均一に研削される。
【0049】
ここで、テーブル回転軸8f等の傾きが不適切であると、回転軌道46の点50a及び点50bの中点である点50dにおいて研削砥石42が被加工物1を深く削り込むことがある。したがって、点50a、点50d、点50bのいずれにおいても保持面8cと回転軌道46の距離が等しいことが重要である。
【0050】
テーブル回転軸8f等の傾きの調整は、例えば、研削装置2の初期設定段階や、メンテナンス時に重点的に実施される。この調整を実施するには、回転軌道46上の各点において、回転軌道46(ホイールマウント32)と、チャックテーブル8の保持面8cと、の距離を測定する必要がある。そこで、ホイールマウント32に高さ測定器が接続され、該高さ測定器によりチャックテーブル8の保持面8cの高さ位置が測定される。
【0051】
図6は、高さ測定器54をホイールマウント32に接続する様子を模式的に示す側面図である。高さ測定器54は、治具56を介してホイールマウント32に接続される。治具56は、保持面8cの該回転軌道46と重なる領域の各点において高さ測定器54で該保持面8cの高さを測定するために、回転軌道46に沿った高さ測定器54の移動を実現する機能を有する。
【0052】
ホイールマウント32には、治具56を介して高さ測定器54を取り付け可能な高さ測定器取付け機構52が設けられる。高さ測定器取付け機構52は、例えば、ホイールマウント32のスピンドル30と重なる中央底面に設けられたネジ穴であり、例えば、ねじ山が設けられた治具56の接続部56aに螺合される。治具56は、上端に接続部56aが設けられた軸部56bと、軸部56bから側方に伸長した腕部56cと、を備える。腕部56cの先端には、高さ測定器54が固定されている。
【0053】
なお、高さを測定器54は、ホイールマウント32の研削ホイール固定穴34に固定されてもよい。この場合、研削ホイール固定穴34が高さ測定器取付け機構として機能する。以下、スピンドル30と重なる高さ測定器取付け機構52に治具56を介して高さ測定器54が取り付けられる場合を例に説明する。
【0054】
治具56が接続されたホイールマウント32を回転させると、腕部56cの先端に固定された高さ測定器54がホイール回転軸30aを中心に回転する。このとき高さ測定器54が研削砥石42の回転軌道46に沿って移動するように、腕部56cにおける高さ測定器54の取り付け位置は、ホイール回転軸30aからの距離が回転軌道46の半径と一致するように設定されることが好ましい。
【0055】
図7は、治具56を介してホイールマウント32に接続された高さ測定器54を模式的に示す側面図である。また、図8は、回転軌道46に沿って移動する高さ測定器54を模式的に示す平面図である。
【0056】
高さ測定器54は、下端にプローブを備え、プローブをチャックテーブル8の保持面8cに接触させることで接触点における保持面8cの高さを測定できる。研削装置2の調整作業者は、ホイールマウント32を回転させて高さ測定器54を回転軌道46に沿って移動させて測定点を切り替えつつ高さ測定器54で保持面8cの各所の高さを測定する。そして、測定結果に基づいてテーブル回転軸8f等の傾きを調整する。
【0057】
ここで、テーブル回転軸8f等の傾きを調整する上で特に高さの測定が求められる保持面8c上の点は、回転軌道46と重なる保持面8cの2つの端部と、保持面8cの中央と、それぞれの端部及び中央の2つの中点と、である。図8で説明すると、高さ測定器54は、回転軌道46上の点50a,50b,50c,50d,50eに精密に位置付けられ、保持面8cの高さを測定する。
【0058】
所定の位置への高さ測定器54の移動は、研削装置2の調整作業者が手作業で実施する。すなわち、調整作業者は、ホイールマウント32を手で回転させることで高さ測定器54を移動させ、高さ測定器54の位置を目視で確認しながら高さ測定器54を所定の位置に位置付ける。ここで、調整作業者は、高さ測定器54の位置を確認するために、ホイールマウント32と、チャックテーブル8と、間の隙間を側方から覗き込む必要がある。
【0059】
例えば、調整作業者が研削ユニット24の上方で所定の調整作業を実施する場合、高さ測定器54を移動させる都度、該隙間を覗き込むことのできる位置に移動して、高さ測定器54の位置を目視で確認する必要がある。これは、大変な手間である。しかも、高さ測定器54の位置を側方から精密に感知するのは容易ではない。研削装置2の内部構造次第では、調整作業者が離れた位置から該隙間を視認しなければならない場合があり、この場合に高さ測定器54の位置の精密な感知は特に困難である。
【0060】
そこで、本実施形態に係る目盛り付きプレート及び研削装置2では、チャックテーブル8と、ホイールマウント32と、の間の隙間を側方から覗き込むことなく、高さ測定器54の位置を容易かつ高精度に特定可能とした。以下、研削装置2等の説明を続ける。本実施形態に係る研削装置2では、ホイールマウント32の上面又は側面と、該ホイールマウント32以外の研削ユニット24の外面と、の一方に目盛りが設けられ、他方に該目盛り上の一点を指す目印が設けられる。
【0061】
例えば、目盛りは、プレートに印字され、該プレートが研削装置2に取り付けられることで研削装置2に設けられる。図9(A)は、目盛りが印字された目盛り付きプレート58がホイールマウント32の上面に取り付けられる様子を模式的に示す斜視図であり、図10は、目盛り付きプレート58を模式的に示す平面図である。ここで、目盛り付きプレート58について詳述する。
【0062】
目盛り付きプレート58は、金属、樹脂、紙等の材料で形成されたシート状の部材であり、例えば、ホイールマウント32の上面の外周に沿って湾曲した帯状の部材である。目盛り付きプレート58の外周は、ホイールマウント32の上面の外周の半径と同じ半径の円弧により構成されることが好ましい。この場合、ホイールマウント32の上面の外周に目盛り付きプレート58の外周を合わせることで、ホイールマウント32の径方向における目盛り付きプレート58の位置合わせを実施できる。
【0063】
目盛り付きプレート58には、目盛り60が設けられている。目盛り60は、円弧状の軸線62と、軸線62に等間隔に設けられた複数の目盛り線64a,64b,64c,64d,64eと、により構成される。また、目盛り付きプレート58には、外周に沿って長く形成された開口70が設けられる。
【0064】
目盛り付きプレート58のホイールマウント32の上面への固定には、研削ホイール固定穴34を利用可能である。例えば、ホイールマウント32の上面に目盛り付きプレート58を載せ、開口70中に研削ホイール固定穴34を露出させる。この状態で、開口70にボルト等の固定具を通し、該固定具を研削ホイール固定穴34に締め込むと、目盛り付きプレート58をホイールマウント32に固定できる。
【0065】
ここで、開口70は目盛り付きプレート58の外周に沿って長く形成されているため、ホイールマウント32の周方向に沿って目盛り付きプレート58を移動させても開口70中に研削ホイール固定穴34を露出しやすい。換言すると、目盛り付きプレート58は、開口70中に研削ホイール固定穴34を露出できる範囲であれば、任意の位置でホイールマウント32に固定可能である。すなわち、作業者は、位置を調整して目盛り付きプレート58をホイールマウント32に固定できる。
【0066】
目盛り60とともに使用される目印68について説明する。例えば、目盛り60がホイールマウント32の上面に設けられる場合、目印68は、ホイールマウント32及びスピンドル30を除く研削ユニット24の外面に設けられる。
【0067】
例えば、目印68は、研削ユニット24の保持部材26の外面に設けられ、目盛り60の一点を指す三角形のマークである。ただし、目印68はこれに限定されず、目盛り60と組み合わせて使用されるためだけに設けられる専用のマーク等である必要はない。目印68は、研削ユニット24の保持部材26の外面に設けられた各種の構造物や模様等でもよい。研削装置2の調整作業者は、任意の構造物等を目印68として使用できる。
【0068】
次に、ホイールマウント32における目盛り付きプレート58の固定位置について説明する。調整作業者は、高さ測定器取付け機構52及び治具56によりホイールマウント32に取り付けられた高さ測定器54をチャックテーブル8の保持面8cの一端に位置付け、その場で高さ測定器54により保持面8cの高さを測定する。
【0069】
そして、例えば、目盛り付きプレート58の目盛り60の最も端に位置する目盛り線64aが目印68に合うようにホイールマウント32の周方向における目盛り付きプレート58の位置を調整する。その後、開口70中に露出した研削ホイール固定穴34に固定具を挿入し、目盛り付きプレート58をホイールマウント32に固定する。図9(B)は、ホイールマウント32に固定された目盛り付きプレート58を模式的に示す斜視図である。なお、図9(B)では、説明の便宜のために開口70及び固定具を省略している。
【0070】
次に、保持面8c上の別の箇所で高さの測定を実施するために、スピンドル30を回転させて高さ測定器54を移動させる。例えば、このときにスピンドル30を60°回転させると、高さ測定器54が保持面8cの中央に位置付けられる。換言すると、高さ測定器54を保持面8cの中央に位置付けるには、スピンドル30を60°の回転角で回転させるとよい。
【0071】
目盛り付きプレート58には、スピンドル30を所定の回転角で回転させる際の指標となるように目盛り60が形成されている。ここで、目盛り付きプレート58に設けられた目盛り60の第1の目盛り線64aと、第2の目盛り線64bと、第3の目盛り線64cと、の配設位置について説明する。また、目盛り60及び目印68を利用した高さ測定器54の位置合わせの方法についても説明する。
【0072】
第2の目盛り線64bは、スピンドル30を60°回転させたとき、該第2の目盛り線64b及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように目盛り付きプレート58に設けられる。また、第3の目盛り線64cは、スピンドル30を120°回転させたとき、該第3の目盛り線64c及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように目盛り付きプレート58に設けられる。
【0073】
この場合、スピンドル30を60°回転させたとき回転前の第1の目盛り線64aの位置に第2の目盛り線64bが到達する。また、スピンドル30を120°回転させたとき回転前の第1の目盛り線64aの位置に第3の目盛り線64cが到達する。
【0074】
図8を用いてさらに説明する。図8は、研削砥石42の回転軌道46に沿って移動する高さ測定器54と、チャックテーブル8と、を模式的に示す平面図である。ここで、回転前に第1の目盛り線64aが合わせられていた目印68に第2の目盛り線64bを合わせるようにスピンドル30を回転させる。すると、回転前に保持面8cの端部(回転軌道46の点50aと重なる位置)に位置付けられていた高さ測定器54が保持面8cの中心(回転軌道46の点50bと重なる位置)に移動する。
【0075】
また、回転前に第1の目盛り線64aが合わせられていた目印68に第3の目盛り線64cを合わせるようにスピンドル30を回転させる。すると、回転前に保持面8cの端部(回転軌道46の点50aと重なる位置)に位置付けられていた高さ測定器54が保持面8cの他の端部(回転軌道46の点50cと重なる位置)に移動する。
【0076】
このように、目盛り60及び目印68を参照してスピンドル30を回転させると、高さ測定器54を特定の位置に移動できる。ここで、目盛り60及び目印68は、ホイールマウント32の底面及びチャックテーブル8の保持面8cの隙間を覗き込むことなく研削ユニット24の外部から視認可能である。そのため、例えば研削ユニット24の上方で調整作業を実施している作業者でも、目盛り60及び目印68を確認しながらスピンドル30を回転させることで高さ測定器54を所定の位置に位置付けられる。
【0077】
また、該隙間を覗き込み高さ測定器54を保持面8cの中央に移動させる場合、作業者が側方から目視して保持面8cの中央等の位置を判別しなければならず、高さ測定器54の位置合わせの精度を確保しにくい。これに対して、本実施形態に係る研削装置2では、特定の目盛り線を目印68に合わせることで高さ測定器54を移動させるため、作業者が移動目標を判別する必要がない。したがって、高さ測定器54の位置合わせ精度が高くなる。
【0078】
さらに、第4の目盛り線64d及び第5の目盛り線64eについて説明する。第4の目盛り線64dは、スピンドル30を30°回転させたとき、該第4の目盛り線64d及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように設けられる。第5の目盛り線64eは、スピンドル30を90°回転させたとき、該第5の目盛り線64e及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように設けられる。
【0079】
目盛り60がホイールマウント32に付されている場合、スピンドル30を30°回転させたとき回転前の第1の目盛り線64aの位置に第4の目盛り線64dが到達する。また、スピンドル30を90°回転させたとき回転前の第1の目盛り線64aの位置に第5の目盛り線64eが到達する。第4の目盛り線64d及び第5の目盛り線64eは、保持面8cの中心及び端部の間の中点に高さ測定器54を位置付ける際に使用される。図8を用いてさらに説明する。
【0080】
例えば、回転前に第1の目盛り線64aが合わせられていた目印68に第4の目盛り線64dを合わせるようにスピンドル30を回転させる。すると、回転前に保持面8cの端部(回転軌道46の点50aと重なる位置)に位置付けられていた高さ測定器54が保持面8c上の一つの該中点(回転軌道46の点50dと重なる位置)に移動する。
【0081】
また、回転前に第1の目盛り線64aが合わせられていた目印68に第5の目盛り線64eを合わせるようにスピンドル30を回転させる。すると、回転前に保持面8cの端部(回転軌道46の点50aと重なる位置)に位置付けられていた高さ測定器54が保持面8c上の他の該中点(回転軌道46の点50eと重なる位置)に移動する。
【0082】
ここまで、最初に高さ測定器54を保持面8cの端部に位置付け、第1の目盛り線64aを目印68に合わせるように目盛り付きプレート58を固定する場合について説明した。しかしながら、ホイールマウント32における目盛り60の配設位置、すなわち、目盛り付きプレート58の固定位置は、これに限定されない。例えば、目盛り付きプレート58は、高さ測定器54が特定の位置に位置付けられる前にホイールマウント32に固定されてもよい。
【0083】
この場合、例えば、高さ測定器54を保持面8cの端部に位置付けたとき、目印68が目盛り60の第1の目盛り線64aと第4の目盛り線64dの間を指し示すことが考えられる。この場合においても、目印68が第2の目盛り線64bと第5の目盛り線64eの間を指し示すようにスピンドル30を回転させることで、高さ測定器54を保持面8cの中央に位置付けられる。
【0084】
このように、高さ測定器54の位置とは無関係に目盛り60がホイールマウント32に付されていても、高さ測定器54を所定の位置に位置付ける際に目盛り60及び目印68を使用できる。
【0085】
そして、高さ測定器54が回転軌道46のどの位置に位置していても目盛り60を使用できるように、目盛り60は、ホイールマウント32のより広い範囲にわたって設けられていてもよく、さらなる目盛り線を有していてもよい。例えば、目盛り60は、ホイールマウント32の全周にわたって設けられていてもよい。この場合、調整作業者は、目盛り60を構成する任意の目盛り線を利用して高さ測定器54を所定の位置に位置付ける。
【0086】
さらに、目盛り60は、目盛り付きプレート58ではなくホイールマウント32の上面又は側面に直接的に印字されていてもよい。図9(C)は、複数の目盛り線66a,66b,66c,66d,66eを含む目盛り60aが上面に直接印字されたホイールマウント32を模式的に示す斜視図である。各目盛り線66a,66b,66c,66d,66eは、図9(A)等に示す目盛り線64a,64b,64c,64d,64eと同様に配置され、同様に使用される。
【0087】
なお、目盛り60,60aは、必ずしも軸線62を有している必要はなく、複数の目盛り線のみで構成されていてもよい。図9(C)に示される目盛り60aは、軸線62を有さない。軸線62は、高さ測定器54の位置合わせに必ずしも寄与するものではないため、省略可能である。
【0088】
以上に説明する通り、本実施形態に係る研削装置2では、目印68が指す目盛り60,60a上の点を読み取ることで保持面8cにおける高さ測定器54の位置を検出可能であり、高さ測定器54の高精度な位置合わせを容易に実現できる。
【0089】
なお、目盛り60が付された目盛り付きプレート58は、既存の研削装置2にも容易に取り付け可能である。そして、チャックテーブル8の保持面8cの各所の高さを測定してテーブル回転軸8f等の調整を終えた後に研削装置2から容易に取り外し可能であり、他の研削装置2の調整作業にも使用可能である。
【0090】
ところで、研削の対象となる被加工物1の大きさは一定ではない。そして、被加工物1の研削には、被加工物1の被研削面の径に対応した保持面8cを有するチャックテーブル8及び研削ホイール38を備える研削装置2が選択されて使用される。そこで、各種の研削装置2においてテーブル回転軸8f等の調整を容易に実施できるように、各種の研削装置2に適用可能な構成の目盛り付きプレート58が用意されるとよい。
【0091】
具体的には、各目盛り線の間隔が異なる複数の目盛り付きプレート58が用意されるとよい。この場合、いかなる研削装置2においても、該研削装置2に対応する目盛り付きプレート58を取り付け可能である。そして、目盛り付きプレート58は、所定の機能を発揮できる態様で研削装置2に取り付け可能であればよい。
【0092】
すなわち、スピンドル30を60°回転させたときに第2の目盛り線64b及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように目盛り付きプレート58が研削装置2に取り付け可能であるとよい。かつ、スピンドル30を120°回転させたときに第3の目盛り線64c及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように目盛り付きプレート58が研削装置2に取り付け可能であるとよい。
【0093】
また、スピンドル30を30°回転させたときに第4の目盛り線64d及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように目盛り付きプレート58が研削装置2に取り付け可能であるとよい。かつ、スピンドル30を90°回転させたときに第5の目盛り線64e及び目印68の相対的な位置関係が回転前の第1の目盛り線64a及び目印68の相対的な位置関係と一致するように目盛り付きプレート58が研削装置2に取り付け可能であるとよい。
【0094】
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、ホイールマウント32の研削ホイール固定穴34に通される固定具により研削装置2に目盛り付きプレート58が固定できる場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様に係る研削装置2及び目盛り付きプレート58は、これに限定されない。
【0095】
目盛り付きプレート58は、テープまたは磁石により研削装置2に固定可能でもよく、テープまたは磁石により研削装置2に固定されていてもよい。目盛り付きプレート58の固定方法には、特に限定はない。
【0096】
また、上記実施形態では、ホイールマウント32の上面に目盛り60が設けられる場合を中心に説明したが、本発明の一態様に係る研削装置2はこれに限定されない。すなわち、目盛り60は、外部から視認可能なホイールマウント32の側面に設けられてもよい。
【0097】
また、ホイールマウント32に目盛り60が設けられ、研削ユニット24の保持部材26の外面に目印68が設けられる場合を中心に説明したが、本発明の一態様に係る研削装置2及び目盛り付きプレート58はこれに限定されない。目盛り60は、ホイールマウント32及びスピンドル30を除く研削ユニット24の外面に設けられてもよく、目印68はホイールマウント32の上面または側面に設けられてもよい。
【0098】
ここで重要なことは、スピンドル30を回転させることで動く要素に目盛り60と目印68の一方が付され、スピンドル30を回転させても動かない要素に目盛り60と目印68の他方が付されることである。これにより、目盛り60と目印68は、スピンドル30の回転角の表示として機能を発揮するようになる。そして、目盛り60と目印68の位置関係を作業者が目視で確認可能であれば、該作業者は高さ測定器54を所定の位置に位置付けられる。
【0099】
さらに、上記実施形態では、目印68に第1の目盛り線64aが合うように目盛り60がホイールマウント32に設けられ、スピンドル30を60°回転させたときに第2の目盛り線64bが目印68に合う場合について説明した。また、スピンドル30を120°回転させたときに第3の目盛り線64cが、30°回転させたときに第4の目盛り線64dが、90°回転させたときに第5の目盛り線64eが、目印68に合う場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
【0100】
チャックテーブル8、ホイールマウント32、研削ホイール38、高さ測定器54、及び治具56等の研削装置2の構成次第では、所定の角度でスピンドル30を回転させることでは高さ測定器54を所定の測定点に厳密に位置付けられないことも考えられる。また、高さ測定器54による高さの測定が企図される保持面8cの測定点の位置次第でも、所定の角度でスピンドル30を回転させることでは高さ測定器54を所定の測定点に厳密に位置付けられないことも考えられる。
【0101】
研削装置2に設けられる目盛り60を利用してより高精度に高さ測定器54の位置合わせを実施するために、目盛り60を構成する各目盛り線は、次に説明する方法により位置が決定されてもよい。
【0102】
すなわち、まず、目盛り線の付されていない無地のプレートをホイールマウント32の上面に固定する。また、研削ユニット24の外装となる保持部材26の外面に所定の形状の目印68を設ける。そして、高さ測定器取付け機構52でホイールマウント32に治具56を介して取り付けられた高さ測定器54をチャックテーブル8の保持面8cの端部の測定点に位置付ける。このとき、目印68が示す該プレート上の点に、第1の目盛り線64aを記入する。
【0103】
次に、ホイールマウント32及び保持面8cの隙間を側方から覗き込み、スピンドル30を回転させて高さ測定器54を保持面8cの中央の測定点に位置付ける。このとき、目印68が示す該プレート上の点に、第2の目盛り線64bを記入する。さらに、ホイールマウント32及び保持面8cの隙間を側方から覗き込み、スピンドル30を回転させて高さ測定器54を保持面8cの別の端部の測定点に位置付ける。このとき、目印68が示す該プレート上の点に、第3の目盛り線64cを記入する。
【0104】
同様に、該隙間を直接視認しながら保持面8c上の所定の測定点に高さ測定器54を移動させ、このときの目印68が示す該プレート上の点に、第4の目盛り線64d、第5の目盛り線64eを記入する。これにより、目盛り60が記載された目盛り付きプレート58を作製できる。
【0105】
ここで、作製された目盛り付きプレート58では、第1の目盛り線64aに目印68が合うようにスピンドル30を回転させた後、スピンドル30を60°回転させても第2の目盛り線64bが目印68に厳密に合わないことも考えられる。また、スピンドル30を120°回転させても第3の目盛り線64cが目印68に厳密に合わないことも考えられる。しかしながら、各目盛り線64b,64c,64d,64eが目印68に合うようにスピンドル30を回転させたとき、高さ測定器54が厳密に測定点に位置付けられる。
【0106】
このように、スピンドル30の回転角に基づいて目盛り60を作製するよりも、実使用の場面を再現して目盛り60を作製する方が、高さ測定器54の精密な位置合わせとの目盛り60の機能を発揮する上で有利となることもある。したがって、本発明の一態様において、目盛り60を構成する各目盛り線の位置関係がスピンドル30の回転角の数字で表現される場合においても、当該数字で表現される位置関係からの各目盛り線の僅かなずれは許容され、むしろ当該ずれが好ましい場合もある。
【0107】
換言すると、スピンドル30の回転角の数字で各目盛り線の位置関係が表現される場合においても、当該数字は必ずしも各目盛り線の位置関係を厳密に規定するものではなく、各目盛り線の実質的な機能が着目される。そのため、各目盛り線が当該数字で規定される位置関係を厳密に満たしていない目盛りが設けられた研削装置2及び目盛り付きプレート58でも、それだけでは本発明の一態様に係る研削装置2及び目盛り付きプレート58であることからは除外されない。
【0108】
また、上記実施形態では、目盛り60を利用して、高さ測定器54を保持面8cの二つの端部と、中心と、該端部及び該中心の中点と、の各測定点に移動させ、保持面8cの高さを測定する場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
【0109】
すなわち、高さ測定器54は、これらの測定点以外の他の測定点で保持面8cの高さを測定してもよい。この場合、該他の測定点に高さ測定器54を位置付けるための目盛り線が目盛り60に含まれることが好ましい。そのため、本発明の一態様に係る研削装置2及び目盛り付きプレート58では、目盛り60が目盛り線64a,64b,64c,64d,64e以外の目盛り線をさらに含んでもよい。目盛り60には、保持面8cの測定点の分布に対応するように目盛り線が設けられる。
【0110】
ただし、目盛り線の数が多すぎると、研削装置2の調整作業者がいずれの目盛り線を参照するべきか判断に迷うことや、判断を誤ることがある。そこで、目盛り60は、目盛り線64a,64b,64c,64d,64e以外の目盛り線を含まないことも場合により好ましい。さらに、目盛り60は、第1の目盛り線64a、第2の目盛り線64b、第3の目盛り線64c以外の目盛り線を含まないことも場合により好ましい。
【0111】
また、上記実施形態では、チャックテーブル8の保持面8cが円錐面状である場合について説明したが、本発明の一態様に係る研削装置2は、これに限定されない。すなわち、保持面8cは平坦でもよい。
【0112】
ある種の研削装置2では、保持面8cが平坦なチャックテーブル8が使用されることもある。この場合においても、保持面8cの所定の位置における高さを高さ測定器54で測定し、テーブル回転軸8fの傾きの調整が望まれる。本実施形態に係る研削装置2及び目盛り付きプレート58では、保持面8cが平坦面である場合においても、目盛り60及び目印68を利用して高さ測定器54を所定の位置に位置付けられる。
【0113】
上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0114】
1 被加工物
1a 表面
1b 裏面
3 保護部材
2 研削装置
4 基台
4a 凹部
4b 防塵防滴カバー
6 移動テーブル
8 チャックテーブル
8a 枠体
8b 多孔質部材
8c 保持面
8d テーブル支持台
8e 回転駆動源
8f テーブル回転軸
8g 支持機構
10 支持部
12 研削送りユニット
14 ガイドレール
16 昇降プレート
18 ナット部
20 ボールねじ
22 パルスモータ
24 研削ユニット
26 保持部材
28 スピンドルハウジング
30 スピンドル
30a ホイール回転軸
32 ホイールマウント
34 研削ホイール固定穴
36 ホイール固定具
38 研削ホイール
40 ホイール基台
40a 締結穴
42 研削砥石
44 厚み測定ユニット
44a,44b プローブ
44c 軸部
46 回転軌道
48 接触領域
50a,50b,50c,50d,50e 点
52 高さ測定器取付け機構
54 高さ測定器
56 治具
56a 接続部
56b 軸部
56c 腕部
58 目盛り付きプレート
60 目盛り
62 軸線
64a,64b,64c,64d,64e 目盛り線
66a,66b,66c,66d,66e 目盛り線
68 目印
70 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10