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特許7654568メモリストリングにポケット構造を有する三次元メモリデバイス、およびその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】メモリストリングにポケット構造を有する三次元メモリデバイス、およびその方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20250325BHJP
   H10D 30/68 20250101ALI20250325BHJP
【FI】
H10B43/27
H10D30/68
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021570978
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2019112428
(87)【国際公開番号】W WO2021077278
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2021-11-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨンガン・ヤン
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】綿引 隆
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0122906(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0280304(US,A1)
【文献】特開2019-161110(JP,A)
【文献】特開2019-161015(JP,A)
【文献】特開2019-161012(JP,A)
【文献】国際公開第2019/052127(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/27
H10B 43/27
H10D 30/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の選択的エピタキシャル層と、
前記選択的エピタキシャル層の上の交互の導電層および誘電層を備えるメモリスタックと、
前記メモリスタック内で垂直に延びる円筒形のチャネル構造、および、前記選択的エピタキシャル層内で垂直に延びるポケット構造を備えるメモリストリングと
を備え、
前記メモリスタック内の前記チャネル構造の横寸法は前記ポケット構造の横寸法以下であり、
前記メモリストリングは、半導体チャネルであって、前記チャネル構造内で垂直に延び、前記ポケット構造内で垂直および横に延び、前記選択的エピタキシャル層と接触する半導体チャネルを備え、
前記メモリストリングは、前記チャネル構造内で前記メモリスタックと前記半導体チャネルとの間にメモリ膜を備え、前記メモリ膜は、前記チャネル構造内で垂直に延び、前記ポケット構造内で延び、前記基板内で垂直および横に延びており、
前記メモリスタックを通じて垂直に延び、前記選択的エピタキシャル層と接触するソースコンタクト構造をさらに備え、
前記ソースコンタクト構造は、導電性材料を含むソース導体と、前記ソース導体を包囲し、誘電性材料を含むスペーサとを備え、
前記半導体チャネルは、前記ポケット構造内で横に約20nmにわたって延びる、三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項2】
前記チャネル構造の前記横寸法は前記ポケット構造の前記横寸法と同じである、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項3】
前記メモリストリングは、前記半導体チャネルによって包囲されるキャップ層を備え、前記ポケット構造における前記キャップ層の横寸法は、前記チャネル構造における前記キャップ層の横寸法より大きい、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項4】
前記選択的エピタキシャル層は単結晶シリコンを含み、前記半導体チャネルはポリシリコンを含む、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項5】
前記半導体チャネルは、前記メモリストリングの下端において平坦である、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項6】
三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法であって、
基板の上方の選択的エピタキシャル層を成長させる空洞を形成するための第1の犠牲層、および、前記第1の犠牲層の上方の誘電スタックを形成するステップと、
前記誘電スタックおよび前記第1の犠牲層を通じて前記基板内に垂直に延びる第1の開口を形成するステップと、
前記第1の開口を通じて前記第1の犠牲層をエッチバックするステップと、
続いて、前記第1の開口の側壁および底面に沿って、メモリ膜および半導体チャネルをこの順番で形成するステップと、
前記第1の犠牲層の一部を露出させるために、前記誘電スタックを通じて垂直に延びる第2の開口を形成するステップと、
前記第2の開口の側壁を覆う保護層を形成するステップと、
前記メモリ膜の一部分を露出させる空洞を形成するために、前記第1の犠牲層を除去するステップと、
前記半導体チャネルの一部分を露出させるために、前記空洞において露出された前記メモリ膜の前記一部分を除去するステップと、
前記空洞を満たし、前記半導体チャネルの前記一部分と接触するように、前記基板から選択的エピタキシャル層をエピタキシャル成長させるステップと
前記保護層を除去するステップと、
前記第2の開口を通じて前記誘電スタックに備えられる交互のゲート犠牲層および誘電層のうち前記ゲート犠牲層を導電層で置き換えることでメモリスタックを形成するステップと、
前記選択的エピタキシャル層と接触するように、ソースコンタクト構造を前記第2の開口内に形成し、前記メモリスタックを通じて垂直に延ばすステップと、
を含み、
記ソースコンタクト構造は、導電性材料を含むソース導体と、前記ソース導体を包囲し、誘電性材料を含むスペーサとを備える、方法。
【請求項7】
前記メモリ膜を形成するステップは、前記第1の開口の前記側壁および前記底面に、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、および第2の酸化シリコン層をこの順番で堆積させるステップを含み、
前記半導体チャネルを形成するステップは、前記第2の酸化シリコン層の上にポリシリコン層を堆積させるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記保護層を形成するステップは、
前記第2の開口の前記側壁および底面に高誘電率(高k)誘電層を堆積させるステップと、
前記第1の犠牲層の前記一部を露出させるために、前記第2の開口の前記底面における前記高k誘電層の一部をエッチングするステップと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の犠牲層を除去するステップは、前記第2の開口を通じて前記第1の犠牲層をエッチングするステップを含み、
前記空洞において露出された前記メモリ膜の前記一部分を除去するステップは、前記半導体チャネルの前記一部分によって停止されるまで前記メモリ膜の前記一部分をエッチングするステップを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、三次元(3D)メモリデバイスと、その製作方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
平面型メモリセルは、プロセス技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、および製作プロセスを改良することで、より小さい大きさへと縮小されている。しかしながら、メモリセルの形体寸法が下限に近付くにつれて、平面のプロセスおよび製作の技術は困難になり、コストが掛かるようになる。結果として、平面型メモリセルについての記憶密度が上限に近付いている。
【0003】
3Dメモリアーキテクチャは、平面型メモリセルにおける密度の限度に対処することができる。3Dメモリアーキテクチャは、メモリアレイと、メモリアレイと行き来する信号を制御するための周辺デバイスとを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイス、およびその3Dメモリデバイスを形成するための方法の実施形態が、本明細書において開示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例において、3Dメモリデバイスが、基板と、基板上の選択的エピタキシャル層と、選択的エピタキシャル層の上の交互の導電層および誘電層を備えるメモリスタックと、メモリスタック内で垂直に延びるチャネル構造、および、選択的エピタキシャル層内で垂直に延びるポケット構造を備えるメモリストリングとを備える。メモリストリングは、半導体チャネルであって、チャネル構造内で垂直に延び、ポケット構造において垂直および横に延び、選択的エピタキシャル層と接触する半導体チャネルを備える。
【0006】
他の例において、3Dメモリデバイスが、基板と、基板上の選択的エピタキシャル層と、選択的エピタキシャル層の上の交互の導電層および誘電層を備えるメモリスタックと、メモリスタック内で垂直に延びるチャネル構造、および、選択的エピタキシャル層内で垂直に延びるポケット構造を備えるメモリストリングとを備える。チャネル構造の横寸法はポケット構造の横寸法以下である。
【0007】
なおも他の例では、3Dメモリデバイスを形成するための方法が開示されている。選択的エピタキシャル犠牲層が基板の上方に形成され、誘電スタックが選択的エピタキシャル犠牲層の上方に形成される。誘電スタックおよび選択的エピタキシャル犠牲層を通じて垂直に延びる第1の開口が形成される。選択的エピタキシャル犠牲層を通じて垂直に延びる第1の開口の一部分が拡大させられる。続いて、メモリ膜および半導体チャネルが第1の開口の側壁および底面に沿ってこの順番で形成される。選択的エピタキシャル犠牲層は、メモリ膜の一部分を露出させる空洞を形成するために除去される。空洞において露出されたメモリ膜の一部分は、半導体チャネルの一部分を露出させるために除去される。選択的エピタキシャル層が、空洞を満たし、半導体チャネルの一部分と接触するように、基板からをエピタキシャル成長させられる。
【0008】
本明細書において組み込まれており、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示しており、本記載と共に、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作製して使用することができるようにする役割をさらに果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスの図である。
図1B】3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスの図である。
図1C】3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスの図である。
図2】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
図3A】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3B】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3C】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3D】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3E】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3F】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3G】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3H】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3I】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3J】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3K】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図3L】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示す図である。
図4A】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の方法の流れ図である。
図4B】本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態が添付の図面を参照して説明される。
【0011】
特定の構成および配置が検討されるが、これは例示の目的だけのために行われていることは理解されるべきである。当業者は、他の構成および配置が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用できることを認識されよう。本開示が様々な他の用途においても採用できることが、当業者には明らかとなる。
【0012】
本明細書において、「一実施形態」、「実施形態」、「例の実施形態」、「一部の実施形態」などへの言及は、記載されている実施形態が具体的な特徴、構造、または特性を含み得るが、必ずしもすべての実施形態が具体的な特徴、構造、または特性を含むとは限らない可能性があることを意味することが留意される。さらに、このような文言は必ずしも同じ実施形態に言及するとは限らない。さらに、具体的な特徴、構造、または特性が実施形態との関連で記載されている場合、明示的に記載されていようがなかろうが、他の実施形態との関連でこのような特徴、構造、または特性をもたらすことは、当業者の知識の範囲内である。
【0013】
概して、専門用語は、少なくとも一部では文脈における使用から理解され得る。例えば、本明細書で使用されている「1つまたは複数」という用語は、少なくとも一部で文脈に依存して、単数の意味で任意の特徴、構造、もしくは特性を記載するために使用されることも、または、複数の意味で特徴、構造、もしくは特性の組み合わせを記載するために使用されることもある。同様に、「1つ」または「その」などの用語は、少なくとも一部で文脈に依存して、単数での使用を伝えるためと、または、複数での使用を伝えるためと理解できる。また、「~に基づいて」という用語は、因子の排他的な集まりを伝えることは必ずしも意図されていないと理解することができ、代わりに、ここでも少なくとも一部で文脈に依存して、必ずしも明示的に記載されていない追加の因子の存在を許容してもよい。
【0014】
本開示における「~の上に」、「~の上方に」、および「~にわたって」の意味が、「~の上に」が何か「に直接的に」だけを意味するのではなく、それらの間に中間の特徴または層を伴って何か「に」あるという意味も含むような最も幅広い様態で解釈されるべきあること、および、「~の上方に」または「~にわたって」が、何か「の上方に」または何か「にわたって」だけを意味するのではなく、それらの間に中間の特徴または層を伴わずに何か「の上方に」または何か「にわたって」(つまり、何かの上に直接的に)という意味も含む可能性もあることは、容易に理解されるはずである。
【0015】
さらに、「~の下に」、「~の下方に」、「下方の」、「~の上方に」、「上方の」などの空間的に相対的な用語は、本明細書において、図に示されているようなある要素または特徴の他の要素または特徴への関係を記載するために、記載の容易性のために本明細書において使用され得る。空間的に相対的な用語は、図で描写された向きに加えて、使用または動作におけるデバイスの異なる向きを網羅するように意図されている。装置は他の向きにされてもよく(90度または他の向きに回転させられる)、本明細書で使用される空間的に相対的な記載は、それに応じて同様に解釈され得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、それに続く材料層が加えられる材料を言う。基板自体がパターン形成されてもよい。基板の上に追加される材料は、パターン形成されてもよいし、パターン形成されないままであってもよい。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなど、様々な半導体材料を含み得る。代替で、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアのウェハなどの非導電性材料から形成されてもよい。
【0017】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、厚さの領域を含む材料部分を言う。層は、下もしくは上にある構造の全体にわたって広がり得る、または、下もしくは上にある構造の広がり未満の広がりを有し得る。さらに、層は、連続的な構造の厚さ未満の厚さを有する同質または非同質の連続的な構造の領域であり得る。例えば、層は、連続的な構造の上面と底面との間における、またはそれら上面および底面における、水平面の任意の対の間に位置させられ得る。層は、水平に、垂直に、および/または、先細りの表面に沿って、延びることができる。基板は、層であり得る、1つもしくは複数の層を含み得る、ならびに/または、1つまたは複数の層を上、上方、および/もしくは下方に有し得る。層は複数の層を含んでもよい。例えば、インターコネクト層は、1つまたは複数の導体層およびコンタクト層(インターコネクト線、および/またはVIAコンタクトが形成される)、ならびに、1つまたは複数の誘電層を含み得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、「名目上の/名目上は」という用語は、製品の設計の局面の間またはプロセスの間に、所望の値より上の値および/または下の値の範囲と一緒に設定される、構成要素またはプロセス動作についての特性またはパラメータの所望の値または目標値を言う。値の範囲は、製造プロセスにおける若干の変化または公差によるものであり得る。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、主題の半導体デバイスと関連付けられる具体的な技術ノードに基づいて変化する可能性がある所与の量の値を指示している。具体的な技術ノードに基づいて、「約」という用語は、例えば値の10~30%(例えば、値の±10%、±20%、または±30%)内で変化する所与の量の値を指示することができる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延びるように、横向きにされた基板において、メモリセルトランジスタの縦向きのストリング(本明細書では、NANDメモリストリングなど、「メモリストリング」と称される)を伴う半導体デバイスを言う。本明細書で使用される場合、「垂直の/垂直に」という用語は、基板の横方向面に対する名目上の直角を意味する。
【0020】
一部の3D型NANDメモリデバイスでは、半導体プラグが、NANDメモリストリングの側壁を包囲するように選択的に成長させられる。NANDメモリストリングの下端に形成される別の種類の半導体プラグと比較して、側壁半導体プラグの形成は、チャネルホールの底面におけるメモリ膜および半導体チャネルのエッチングを回避し、それによって、特には、複数のデッキのアーキテクチャを伴う96個以上のレベルを有するなどの先端技術で3D型NANDメモリデバイスを製作するとき、プロセスウィンドウを増加させる。しかしながら、側壁半導体プラグを形成するための一部のプロセスは、側壁半導体プラグと接触する半導体チャネルを露出させるために、底犠牲層およびメモリ膜をエッチングすることを必要とするため、レベルの数の増加した誘電スタックの下方での犠牲層およびメモリ膜の除去がNANDメモリストリングの底構造を弱め、これは、剥離の問題、あるいはさらに破壊を引き起こす可能性がある。
【0021】
例えば、図1A図1Cは、3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示している。図1Aに示されているように、誘電スタック104が、基板102の上方に形成された交互のゲート犠牲層106および誘電層108を備えている。すべての製作プロセスが完了されると、誘電スタック104は、ゲート交換プロセスによってメモリスタックで置き換えられ、これは各々のゲート犠牲層106を導電層で置き換える。選択的エピタキシャル犠牲層110および酸化パッド層112が誘電スタック104と基板102との間で垂直に形成される。NANDメモリストリング114が、誘電スタック104において、選択的エピタキシャル犠牲層110および酸化パッド層112を通じて基板102内に垂直に延びている。NANDメモリストリング114は、NANDメモリストリング114の側壁に沿って、ブロック層118と、記憶層120と、トンネル層122とを含むメモリ膜116を備える。NANDメモリストリング114は、メモリ膜116によって包囲される半導体チャネル124およびキャップ層126をさらに備える。
【0022】
図1Aに示されているように、スリット128が、誘電スタック104を通じて選択的エピタキシャル犠牲層110内へ垂直に形成されている。保護層130がスリット128の側壁を覆うために形成される。保護層130の底面は、選択的エピタキシャル犠牲層110の一部を露出させるために除去されている。図1Bに示されているように、製作プロセスは、メモリ膜116の一部分を露出させる空洞132を形成するために、(図1Aに示されているような)選択的エピタキシャル犠牲層110がスリット128を通じて除去されるように進行する。図1Cに示されているように、製作プロセスは、(符号134で円にされているような)半導体チャネル124の一部分を露出させるために、空洞132において露出されたメモリ膜116の一部分が除去されるように進行する。空洞132が、後続のプロセスにおいて選択的エピタキシャル層(図示されていない)で満たされる前に、一部分134は、例えば誘電スタック104といった上方の構造全体を支持するために必要であるため、弱点となり(以後において「弱点134」)、この弱点は、剥離の問題、あるいはさらに破壊を引き起こして歩留りを低下させる可能性がある。
【0023】
本開示による様々な実施形態は、製作プロセスの間において、選択的エピタキシャル犠牲層の除去と選択的エピタキシャル層の形成との間に上方の構造を支持するために、より大きな機械的強度を伴う向上した構造と、その構造の製作方法とを提供する。一部の実施形態では、選択的エピタキシャル犠牲層において延びる3D型NANDメモリストリングのポケット構造が、選択的エピタキシャル犠牲層をエッチバックすることで形成される。ポケット構造における半導体チャネルおよびキャップ層は、より強い機械的支持を提供するために、図1Cの弱点134において、それらの同等のものと比較してより大きな寸法を有することができ、それによって、破壊の危険性を低減し、歩留りを増加させることができる。さらに、製作コストおよび複雑性を増加させるエッチバックプロセス以外の追加の製作プロセスが必要とされない。
【0024】
図2は、本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する例示の3Dメモリデバイス200の断面図を示している。3Dメモリデバイス200は、シリコン(例:単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、または任意の他の適切な材料を含み得る基板202を備え得る。一部の実施形態では、基板202は、研削、エッチング、化学機械研磨(CMP)、またはそれらの任意の組み合わせによって薄くされた薄化基板(例えば半導体層)である。3Dメモリデバイス200における構成要素同士の空間的な関係をさらに示すために、x軸およびy軸が図2に含まれていることが留意される。3Dメモリデバイス200の基板202は、x方向(つまり横方向)において横に延びる2つの横方向面(例えば上面および底面)を備える。本明細書で使用される場合、3Dメモリデバイス(例えば、3Dメモリデバイス200)のある構成要素(例えば層またはデバイス)が他の構成要素(例えば層またはデバイス)の「上にある」、「上方にある」か、または「下方にある」かは、基板がy方向において3Dメモリデバイスの最も下の平面に位置決めされるとき、y方向(つまり垂直方向)において3Dメモリデバイスの基板(例えば基板202)に対して決定される。空間的な関係を記載するための同じ観念が、本開示を通じて適用される。
【0025】
3Dメモリデバイス200は、一体の3Dメモリデバイスの一部であり得る。「一体」という用語は、3Dメモリデバイスの構成要素(例えば周辺デバイスおよびメモリアレイデバイス)が単一の基板に形成されていることを意味する。一体の3Dメモリデバイスについて、製作は、周辺デバイスの処理およびメモリアレイデバイスの処理の畳み込みのため、さらなる制約に直面する。例えば、メモリアレイデバイス(例えばNANDメモリストリング)の製作は、同じ基板に形成されたかまたは形成される周辺デバイスと関連付けられるサーマルバジェットによって制約される。
【0026】
代替で、3Dメモリデバイス200は、構成要素(例えば周辺デバイスおよびメモリアレイデバイス)が異なる基板において別々に形成され、次に、例えば面同士の様態などで結合され得る非一体の3Dメモリデバイスの一部であり得る。一部の実施形態では、メモリアレイデバイス基板(例えば基板202)は、結合された非一体の3Dメモリデバイスの基板として留まり、周辺デバイス(例えば、図示されていない、ページバッファ、デコーダ、およびラッチなどの3Dメモリデバイス200の動作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル信号、アナログ信号、および/または混合信号の周辺回路を含む)が、ハイブリッド結合のためにひっくり返されてメモリアレイデバイス(例えばNANDメモリストリング)に向かって下を向く。一部の実施形態では、メモリアレイデバイス基板(例えば基板202)が、ハイブリッド結合のためにひっくり返されて周辺デバイス(図示されていない)に向かって下を向き、そのため、結合された非一体の3Dメモリデバイスでは、メモリアレイデバイスが周辺デバイスの上方にあることが理解される。メモリアレイデバイス基板(例えば基板202)は、薄化基板(結合された非一体の3Dメモリデバイスの基板ではない)とでき、非一体の3Dメモリデバイスのバックエンドオブライン(BEOL)インターコネクトが薄化メモリアレイデバイス基板の裏側に形成され得る。
【0027】
図2に示されているように、3Dメモリデバイス200は、基板202に選択的エピタキシャル層210も備えている。選択的エピタキシャル層210は、前述したような「側壁半導体プラグ」の例であり得る。選択的エピタキシャル層210は、基板202から上向きにエピタキシャル成長させられるシリコンなどの半導体材料を含み得る。一部の実施形態では、基板202はシリコン基板であり、選択的エピタキシャル層210は、基板202と同じ材料の単結晶シリコンを含む。別の言い方をすれば、選択的エピタキシャル層210は、基板202の材料と同じ材料であるエピタキシャル成長させられた半導体層を備え得る。一部の実施形態では、選択的エピタキシャル層210は、NANDメモリストリング212のアレイのアレイ共通ソース(ACS)の少なくとも一部として作用する。
【0028】
一部の実施形態では、3Dメモリデバイス200は、基板202の上方で垂直に延びるNANDメモリストリング212のアレイの形態でメモリセルが提供されるNANDフラッシュメモリデバイスである。メモリアレイデバイスは、導電層206および誘電層208を含む複数の対(本明細書では「導電層/誘電層の対」と称される)を通じて延びるNANDメモリストリング212を備え得る。積み重ねられた導電層/誘電層の対は、本明細書では、「メモリスタック」204とも称される。メモリスタック204における導電層/誘電層の対の数(例えば、32個、64個、96個、128個、160個、192個、256個など)は3Dメモリデバイス200におけるメモリセルの数を決定する。メモリスタック204は、選択的エピタキシャル層210の上に複数の交互の導電層206および誘電層208を備え得る。メモリスタック204における導電層206および誘電層208は、垂直方向において交互になり得る。導電層206は、限定されることはないが、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープシリコン、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む導電性材料を含み得る。誘電層208は、限定されることはないが、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘電性材料を含み得る。図2には示されていないが、一部の実施形態では、メモリスタック204が、下方のメモリデッキと、下方のメモリデッキにおける上方のメモリデッキとを備えるデュアルデッキアーキテクチャなどの、複数のデッキのアーキテクチャを有し得ることが理解される。
【0029】
図2に示されているように、NANDメモリストリング212が、メモリスタック204内で垂直に延びるチャネル構造213と、選択的エピタキシャル層210においてチャネル構造213の下方で延びるポケット構造226とを備え得る。NANDメモリストリング212は、半導体材料(例えば、半導体チャネル222として)および誘電性材料(例えば、メモリ膜214として)で満たされるチャネルホールを備え得る。一部の実施形態では、半導体チャネル222は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、または単結晶シリコンなどのシリコンを含む。一例では、半導体チャネル222はポリシリコンを含む。一部の実施形態では、メモリ膜214は、トンネル層220と、記憶層218(「電荷捕獲層」としても知られている)と、ブロック層216とを含む複合層である。チャネルホールの残りの空間は、酸化シリコンなどの誘電性材料を含むキャップ層224で一部または全部満たされ得る。チャネル構造213は円筒形(例えば、柱の形)を有し得る。キャップ層224、半導体チャネル222、トンネル層220、記憶層218、およびブロック層216は、一部の実施形態によれば、柱の中心から外面に向けて径方向にこの順番で配置される。トンネル層220は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。記憶層218は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ブロック層216は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、高誘電率(高k)誘電体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一例では、メモリ膜214は、酸化シリコン/酸窒化シリコン/酸化シリコン(ONO)の複合層を備え得る。
【0030】
一部の実施形態では、メモリスタック204における導電層206(各々がワード線の一部である)は、NANDメモリストリング212におけるメモリセルのゲート導体として機能する。導電層206は、複数のNANDメモリセルの複数の制御ゲートを備えることができ、(例えば、メモリスタック204の階段構造における)メモリスタック204の縁において途切れるワード線として横に延びることができる。一部の実施形態では、NANDメモリストリング212におけるメモリセルトランジスタが、Wから作られたゲート導体(つまり、チャネル構造213に当接する導電層206の一部)と、チタン/窒化チタン(Ti/TiN)またはタンタル/窒化タンタル(Ta/TaN)を含む接着層(図示されていない)と、高k誘電性材料から作られるゲート誘電層(図示されていない)と、先に詳細に説明されたチャネル構造213とを備える。
【0031】
一部の実施形態では、NANDメモリストリング212は、NANDメモリストリング212の上方部分(例えば上端)においてチャネルプラグ225をさらに備える。本明細書で使用される場合、構成要素(例えばNANDメモリストリング212)の「上端」は、y方向において基板202からより遠い端であり、構成要素(例えばNANDメモリストリング212)の「下端」は、基板202が3Dメモリデバイス200の最も下の平面に位置付けられるとき、y方向において基板202により近い端である。チャネルプラグ225は、半導体チャネル222の上端、または、半導体チャネル222の上端と接触している別の構造であり得る。チャネルプラグ225は、半導体材料(例えばポリシリコン)を含み得る。一部の実施形態では、チャネルプラグ225は、NANDメモリストリング212のドレインとして機能する。
【0032】
選択的エピタキシャル層が形成される空洞132において延びる弱点134をNANDメモリストリング114が有する図1Cと異なり、NANDメモリストリング114は、製作プロセスの間、例えばメモリスタック204といった上方の構造へより強い機械的支持を提供するために、選択的エピタキシャル層210において延びるポケット構造226を備え得る。NANDメモリストリング114が、弱点134において垂直に延びる半導体チャネル124の一部分だけを含む(メモリ膜116がない)図1Cと異なり、NANDメモリストリング114は、ポケット構造226において垂直および横に延びる半導体チャネル124の一部分を備え得る。結果として、弱点134におけるNANDメモリストリング114の横寸法(例えばx方向における幅)が上方のNANDメモリストリング114の横寸法より小さい図1Cと異なり、図2におけるチャネル構造213の横寸法W1(例えば、x方向における幅)は、一部の実施形態によれば、ポケット構造226の横寸法W2(例えば、x方向における幅)以下である。一部の実施形態では、図2におけるチャネル構造213の横寸法W1はポケット構造226の横寸法W2と名目上は同じである。つまり、NANDメモリストリング212は、チャネル構造213とポケット構造226との両方において、鉛直方向で同一の直径を有し得る。
【0033】
図2に示されているように、3Dメモリデバイス200における半導体チャネル222は、チャネル構造213内で垂直に延び、ポケット構造226において垂直および横に延び、選択的エピタキシャル層210と接触することができる。一部の実施形態では、選択的エピタキシャル層210は単結晶シリコンを含み、半導体チャネル222はポリシリコンを含む。ポケット構造226における半導体チャネル222の一部は、NANDメモリストリング212と選択的エピタキシャル層210との間に電気的連結を形成するために、選択的エピタキシャル層210と接触し得る。一部の実施形態では、半導体チャネル222は、メモリ膜214の厚さ(つまり、ブロック層216、記憶層218、およびトンネル層220の全体の厚さ)と名目上は同じである距離にわたって、ポケット構造226内で横に延びる。例えば、半導体チャネル222は、20nmなど、約20nmにわたってポケット構造226内で横に延び得る。結果として、一部の実施形態によれば、ポケット構造226における相対する側壁に形成される半導体チャネル222同士の間の距離は、チャネル構造213における相対する側壁に形成される半導体チャネル222同士の間の距離より大きい。一部の実施形態では、半導体チャネル222は、NANDメモリストリングの下端において半導体チャネル222の少なくとも一部の除去を必要とする下方の半導体プラグの代わりに、側壁半導体プラグとしての選択的エピタキシャル層210の使用のため、NANDメモリストリング212の下端において平坦である。
【0034】
図2に示されているように、一部の実施形態によれば、半導体チャネル222によって包囲されている3Dメモリデバイス200のキャップ層224は、チャネル構造213における横寸法より大きいポケット構造226における横寸法を有する。キャップ層126が垂直の次元において同一の横寸法を有する図1Cと異なり、3Dメモリデバイス200のキャップ層224は、例えばメモリスタック204といった上方の構造を支持するために、拡張する半導体チャネル222と共に増強した機械的強度を提供するように、ポケット構造226においてより太くなることができる。
【0035】
一部の実施形態では、3Dメモリデバイス200におけるメモリ膜214は、メモリスタック204とチャネル構造213における半導体チャネル222との間で横にある。図2に示されているように、メモリ膜214は、チャネル構造213内で垂直に延び、ポケット構造226内で横に延びることができる。メモリ膜116が弱点134において除去される図1Cと異なり、横に延びるメモリ膜214の少なくとも一部は、例えばメモリスタック204といった上方の構造にさらなる支持を提供するために、ポケット構造226内に残ることができる。
【0036】
一部の実施形態では、3Dメモリデバイス200はソースコンタクト構造228をさらに備える。ソースコンタクト構造228は、メモリスタック204において導電層/誘電層の対を通じて垂直に延び、選択的エピタキシャル層210と接触することができる。ソースコンタクト構造228は、メモリスタック204を複数のブロックへと分離するために、横に(例えば、x方向およびy方向に対して直角の方向に)延びることもできる。ソースコンタクト構造228は、ソース導体232を形成するために、限定されることはないが、W、Co、Cu、Al、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む導電性材料で満たされる開口(例えばスリット)を含み得る。ソースコンタクト構造228は、ソース導体232をメモリスタック204における周囲の導電層206から電気的に絶縁するために、ソース導体232とメモリスタック204との間で横に、酸化シリコンなどの誘電性材料を有するスペーサ230をさらに備え得る。結果として、複数のソースコンタクト構造228が3Dメモリデバイス200を複数のメモリブロックおよび/またはメモリ指部に分けることができる。一部の実施形態では、ソース導体232は、選択的エピタキシャル層210(例えばNANDメモリストリング212のソースとして)と金属インターコネクトとの間に電気的連結を形成するために、例えば単結晶シリコンを含む選択的エピタキシャル層210に接触するその下方部分においてポリシリコンを含み、金属インターコネクト(図示されていない)と接触するその上方部分において金属(例えばW)を含む。
【0037】
図3A図3Lは、本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の製作プロセスを示している。図4A図4Bは、本開示の一部の実施形態による、メモリストリングにポケット構造を有する3Dメモリデバイスを形成するための例示の方法400の流れ図を示している。図3A図3Lおよび図4A図4Bに描写されている3Dメモリデバイスの例には、図2において描写されている3Dメモリデバイス200がある。図3A図3Lおよび図4A図4Bは一緒に説明される。方法400に示された動作が網羅したものではないこと、および他の動作が図示されている動作のいずれかの前、後、または動作同士の間に実施され得ることが理解される。さらに、動作のうちの一部は、同時に、または、図4A図4Bに示されたものと異なる順番で、実施されてもよい。
【0038】
図4Aを参照すると、方法400は動作402において開始し、動作402では、選択的エピタキシャル犠牲層が基板の上方に形成され、誘電スタックが選択的エピタキシャル犠牲層の上方に形成される。基板はシリコン基板であり得る。選択的エピタキシャル犠牲層はポリシリコン基板であり得る。誘電スタックは複数の交互の犠牲層および誘電層を備え得る。
【0039】
図3Aに示されているように、選択的エピタキシャル犠牲層306がシリコン基板302の上方に形成される。選択的エピタキシャル犠牲層306は、限定されることはないが、化学気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、原子層堆積法(ALD)、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つもしくは複数の薄膜堆積プロセスを用いて後で選択的に除去できるポリシリコンまたは任意の他の適切な犠牲材料(例えば炭素)を堆積させることで形成できる。一部の実施形態では、酸化パッド層304が、選択的エピタキシャル犠牲層306の形成の前に、シリコン基板302に、酸化シリコンなどの誘電性材料を堆積させることで、または、熱酸化によって、選択的エピタキシャル犠牲層306とシリコン基板302との間に形成される。第1の誘電層(「ゲート犠牲層308」としても知られる)と第2の誘電層310との複数の対(本明細書では一緒になって「誘電層対」と称される)を含む誘電スタック312が、選択的エピタキシャル犠牲層306に形成される。一部の実施形態によれば、誘電スタック312は、交互のゲート犠牲層308および誘電層310を含む。誘電層310およびゲート犠牲層308は、誘電スタック312を形成するために、シリコン基板302の上方において選択的エピタキシャル犠牲層306に交互に堆積させられ得る。一部の実施形態では、各々の誘電層310は酸化シリコンの層を含み、各々のゲート犠牲層308は窒化シリコンの層を含む。誘電スタック312は、限定されることはないが、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって形成できる。
【0040】
方法400は、図4Aに示されているように動作404へと進み、動作404では、誘電スタックおよび選択的エピタキシャル犠牲層を通じて垂直に延びる第1の開口が形成される。図3Aに示されているように、チャネルホール314が、誘電スタック312および選択的エピタキシャル犠牲層306を通じて垂直に延びて形成された開口である。一部の実施形態では、各々の開口が後のプロセスにおいて個別のNANDメモリストリングを成長させるための場所となるように、複数の開口が誘電スタック312および選択的エピタキシャル犠牲層306を通じて形成される。一部の実施形態では、チャネルホール314を形成するための製作プロセスは、ディープ反応性イオンエッチング(DRIE)などのウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを含む。一部の実施形態では、チャネルホール314は、酸化パッド層304を通じてシリコン基板302の上部分内にさらに延びる。誘電スタック312、選択的エピタキシャル犠牲層306、および酸化パッド層304を通じてのエッチングプロセスは、シリコン基板302の上面において停止しなくてもよく、シリコン基板302の一部をエッチングし続けてもよい。一部の実施形態では、誘電スタック312、選択的エピタキシャル犠牲層306、および酸化パッド層304を通じてのエッチングの後、別のエッチングプロセスがシリコン基板302の一部をエッチングするために使用される。
【0041】
方法400は、図4Aに示されているように動作406へと進み、動作406では、選択的エピタキシャル犠牲層を通じて垂直に延びる第1の開口の一部分が拡大させられる。一部の実施形態では、第1の開口の一部分を拡大するために、選択的エピタキシャル犠牲層が第1の開口を通じてエッチバックされる。図3Bに示されているように、選択的エピタキシャル犠牲層306を通じて垂直に延びるチャネルホール314の一部分316が拡大される。例えば、選択的エピタキシャル犠牲層306を通過するチャネルホール314の部分の直径は、チャネルホール314を包囲する選択的エピタキシャル犠牲層306の部分をエッチバックすることで増加させることができる。エッチバックは、チャネルホール314を通じてウェットエッチング用エッチング液を適用することなど、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングによって実施できる。一例では、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が、ポリシリコンを含む選択的エピタキシャル犠牲層306をエッチングするために、チャネルホール314を通じて適用され得る。拡大の度合い、つまり、エッチングされる選択的エピタキシャル犠牲層306の大きさが、例えばエッチング液濃度、温度、持続時間などのエッチング条件を制御することで制御され得る。
【0042】
方法400は、図4Aに示されているように動作408へと進み、動作408では、続いて、メモリ膜および半導体チャネルが第1の開口の側壁および底面に沿ってこの順番で形成される。一部の実施形態では、メモリ膜を形成するために、続いて、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、および第2の酸化シリコン層が、この順番で第1の開口の側壁および底面に堆積させられる。一部の実施形態では、半導体チャネルを形成するために、ポリシリコン層が第2の酸化シリコン層にわたって堆積させられる。一部の実施形態によれば、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、第2の酸化シリコン層、およびポリシリコン層は、第1の開口の拡大された一部分内で横に延びる。
【0043】
図3Cに示されているように、続いて、メモリ膜318(ブロック層320、記憶層322、およびトンネル層324を含む)と半導体チャネル326とが、この順番でチャネルホール314の側壁および底面に沿って形成される(図3Bに示されているように)。一部の実施形態では、メモリ膜318がチャネルホール314の側壁および底面に沿って最初に堆積させられ、次に半導体チャネル326がメモリ膜318にわたって堆積させられる。続いて、メモリ膜318を形成するために、ブロック層320、記憶層322、およびトンネル層324が、ALD、CVD、PVD、任意の他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを用いて、この順番で堆積させられ得る。半導体チャネル326は、ALD、CVD、PVD、任意の他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを用いて、メモリ膜318のトンネル層324に、ポリシリコンなどの半導体材料を堆積させることで形成され得る。一部の実施形態では、続いて、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、第2の酸化シリコン層、およびポリシリコン層(「SONO」構造)が、メモリ膜318および半導体チャネル326を形成するために堆積させられる。
【0044】
図3Cに示されているように、キャップ層328が、チャネルホール314を完全または部分的に(例えば、空隙なしで、または空隙ありで)満たすために、チャネルホール314(図3Bに示されている)において、半導体チャネル326にわたって形成される。キャップ層328は、ALD、CVD、PVD、任意の他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを用いて、酸化シリコンなどの誘電性材料を堆積させることで形成され得る。それによって、誘電スタック312(後でメモリスタックによって置き換えられる)内で垂直に延びるチャネル構造331と、選択的エピタキシャル犠牲層306(後で選択的エピタキシャル層によって置き換えられる)内で垂直に延びるポケット構造332とを含むNANDメモリストリング330が形成される。
【0045】
図3Cに示されているように、メモリ膜318、半導体チャネル326、およびキャップ層328は、ポケット構造332を形成するために、チャネルホール314の拡大部分316の側壁に沿ってさらに堆積させられ得る(図3Bに示されているように)。一部の実施形態では、ブロック層320、記憶層322、トンネル層324、半導体チャネル326、およびキャップ層328の各々は、各々の層が拡大部分316を含めてチャネルホール314の側壁の輪郭に追従するように各々の層の厚さを制御するために、ALDを用いて堆積させられる。結果として、ブロック層320(例えば、第1の酸化シリコン層を含む)、記憶層322(例えば、窒化シリコン層を含む)、トンネル層324(例えば、第2の酸化シリコン層を含む)、および半導体チャネル326(例えば、ポリシリコン層を含む)が、一部の実施形態によれば、チャネルホール314の拡大部分316内で横に延びる。一部の実施形態では、チャネルホール314は、メモリ膜318の厚さ(つまり、ブロック層320、記憶層322、およびトンネル層324の全体の厚さ)と名目上は同じである距離にわたって、図3Bにおいてエッチバックされる。例えば、メモリ膜318の各々の厚さと拡大部分316のエッチバック距離とは約20nmである。
【0046】
方法400は、図4Aに示されているように動作410へと進み、動作410では、選択的エピタキシャル犠牲層の一部を露出させるために、誘電スタックを通じて垂直に延びる第2の開口が形成される。図3Dに示されているように、スリット334が、誘電スタック312を通じて垂直に延び、選択的エピタキシャル犠牲層306の一部を露出させるように形成された開口である。一部の実施形態では、スリット334を形成するための製作プロセスは、DRIEなどのウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを含む。一部の実施形態では、スリット334は、選択的エピタキシャル犠牲層306の上部分内にさらに延びる。誘電スタック312を通じたエッチングプロセスは、選択的エピタキシャル犠牲層306の上面において停止しなくてもよく、選択的エピタキシャル犠牲層306の一部をエッチングし続けてもよい。一部の実施形態では、誘電スタック312を通じてエッチングした後、別のエッチングプロセスが選択的エピタキシャル犠牲層306の一部をエッチングするために使用される。
【0047】
方法400は、図4Aに示されているように動作412へと進み、動作412では、第2の開口の側壁を覆う保護層が形成される。一部の実施形態では、保護層を形成するために、高k誘電層が第2の開口の側壁および底面に形成され、第2の開口の底面における高k誘電層の一部は、選択的エピタキシャル犠牲層の一部を露出させるためにエッチングされる。
【0048】
図3Eに示されているように、保護層336がスリット334の側壁および底面に沿って形成される。一部の実施形態では、保護層336は誘電スタック312にも形成される。保護層336は、PVD、CVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを用いて、スリット334の側壁および底面に、後で除去される高k誘電層(例えば酸化アルミニウム)または任意の他の犠牲材料を堆積させることで形成され得る。一例において、保護層336はALDを用いて堆積させられ得る。保護層336の材料は、保護層336が誘電スタック312を保護するために選択的エピタキシャル犠牲層306の除去およびポケット構造332におけるメモリ膜318の一部の除去の間に耐えることができるように、選択的エピタキシャル犠牲層306の材料(例えばポリシリコン)、およびメモリ膜318の材料(例えば酸化シリコンおよび窒化シリコン)と異なる任意の適切な犠牲材料であり得る。
【0049】
図3Fに示されているように、スリット334の底面における保護層336の一部は、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングを用いて、選択的エピタキシャル犠牲層306の一部を露出させるために除去される。結果として、一部の実施形態によれば、保護層336はスリット334の側壁を覆うが、後のプロセスのためにスリット334の底面全体は覆わない。
【0050】
方法400は、図4Bに示されているように動作414へと進み、動作414では、選択的エピタキシャル犠牲層は、メモリ膜の一部分を露出させる空洞を形成するために除去される。一部の実施形態では、選択的エピタキシャル犠牲層を除去するために、選択的エピタキシャル犠牲層が第2の開口を通じてエッチングされる。図3Gに示されているように、選択的エピタキシャル犠牲層306(図3Fに示されている)は、空洞338を形成するために、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングによって除去される。一部の実施形態では、選択的エピタキシャル犠牲層306はポリシリコンを含み、保護層336は高k誘電性材料を含み、選択的エピタキシャル犠牲層306は、スリット334を通じてTMAHエッチング液を適用することでエッチングされ、これは、ポケット構造332において保護層336の高k誘電性材料とメモリ膜318の誘電性材料とによって停止させることができる。つまり、一部の実施形態によれば、選択的エピタキシャル犠牲層306の除去は、NANDメモリストリング330の誘電スタック312およびポケット構造332を除去しない。図3Gに示されているように、ポケット構造332は、そこでのメモリ膜318、半導体チャネル326、およびキャップ層328の拡大した寸法および特徴的な形のため、選択的エピタキシャル犠牲層306の除去の後であっても、増強した機械的支持を上方構造に提供することができる。
【0051】
方法400は、図4Bに示されているように動作416へと進み、動作416では、空洞において露出されたメモリ膜の一部分は、半導体チャネルの一部分を露出させるために除去される。一部の実施形態では、空洞において露出されたメモリ膜の一部分を除去するために、メモリ膜の一部分は、半導体チャネルの一部分によって停止されるまでエッチングされる。図3Hに示されているように、(図3Gに示されているような)空洞338において露出されたメモリ膜318の一部は、ポケット構造340において半導体チャネル326の一部を露出させるために除去される。一部の実施形態では、ブロック層320(例えば、酸化シリコンを含む)、記憶層322(例えば、窒化シリコンを含む)、およびトンネル層(例えば、酸化シリコンを含む)の一部は、例えば、窒化シリコンをエッチングするためのリン酸、および、酸化シリコンをエッチングするためのフッ化水素酸といったエッチング液を、スリット334および空洞338に通して適用することでエッチングされる。エッチングは保護層336および半導体チャネル326によって停止され得る。つまり、一部の実施形態によれば、空洞338において露出されたメモリ膜318の一部の除去は、NANDメモリストリング330の誘電スタック312(保護層336によって保護される)およびポケット構造340(例えば、ポリシリコンを含む半導体チャネル326、および、半導体チャネル326によって包囲されたキャップ層328)を除去しない。図3Hに示されているように、ポケット構造340は、そこでのメモリ膜318、半導体チャネル326、およびキャップ層328の拡大した寸法および特徴的な形のため、メモリ膜318の一部の除去の後であっても、増強した機械的支持を上方構造に提供することができる。
【0052】
方法400は、図4Bに示されているように動作418へと進み、動作418では、選択的エピタキシャル層が、空洞を満たし、半導体チャネルの一部分と接触するように、基板からエピタキシャル成長させられる。図3Iに示されているように、選択的エピタキシャル層342が、シリコン基板302から上向きにエピタキシャル成長させられた単結晶シリコンで、(図3Hに示されているような)空洞338を選択的に満たすことで形成される。エピタキシャル成長する選択的エピタキシャル層342のための製作プロセスは、空洞338を予め洗浄することを含んでもよく、その後、例えば、気相エピタキシ(VPE)、液相エピタキシ(LPE)、分子ビームエピタキシ(MPE)、またはそれらの任意の組み合わせが続く。選択的エピタキシャル層342は、NANDメモリストリング330のポケット構造340における半導体チャネル326の一部の側壁と接触することができる。
【0053】
方法400は、図4Bに示されているように動作420へと進み、動作420では、保護層が除去される。図3Jに示されているように、スリット334の側壁を覆う(図3Iに示されているような)保護層336は、後でのプロセスに向けてスリット334から誘電スタック312の(図3Iに示されているような)ゲート犠牲層308を露出させるために、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを用いて除去される。
【0054】
方法400は、図4Bに示されているように動作422へと進み、動作422では、第2の開口を通じて誘電スタックを置き換えるためにメモリスタックが形成される。図3Jおよび図3Kに示されているように、保護層336の除去の後、メモリスタック346が、ゲート置換プロセスによって、つまり、(図3Iに示されているような)ゲート犠牲層308を導電層344で置き換えることで、形成され得る。したがって、メモリスタック346は、シリコン基板302の上方において選択的エピタキシャル層342の上に交互の導電層344および誘電層310を備え得る。図3Jに示されているように、メモリスタック346を形成するために、(図3Iに示されているような)ゲート犠牲層308は、複数の横凹部341を形成するためにスリット334を通じてエッチング液を適用することで除去される。図3Kに示されているように、導電層344が、PVD、CVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを用いて、横凹部341に堆積させられ得る。
【0055】
方法400は、図4Bに示されているように動作424へと進み、動作424では、選択的エピタキシャル層と接触するように、ソースコンタクト構造が第2の開口に形成され、メモリスタックを通じて垂直に延びる。図3Kに示されているように、ソース導体350と、ソース導体350を包囲するスペーサ348とを備えるソースコンタクト構造352が、(図3Kに示されているように)スリット334に形成される。一部の実施形態では、続いて、酸化シリコンなどの誘電性材料を含むスペーサ348と、ポリシリコンおよびタングステンなどの1つまたは複数の導電性材料を含むソース導体350とが、スリット334を満たすために、PVD、CVD、ALD、電気メッキ、化学メッキ、またはそれらの任意の組み合わせなど、1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを用いて、スリット334にこの順番で堆積させられる。ソースコンタクト構造352は、図3Lに示されているように、選択的エピタキシャル層342と接触することができる。
【0056】
本開示の一態様によれば、3Dメモリデバイスが、基板と、基板上の選択的エピタキシャル層と、選択的エピタキシャル層の上の交互の導電層および誘電層を備えるメモリスタックと、メモリスタック内で垂直に延びるチャネル構造、および、選択的エピタキシャル層内で垂直に延びるポケット構造を備えるメモリストリングとを備える。メモリストリングは、半導体チャネルであって、チャネル構造内で垂直に延び、ポケット構造内で垂直および横に延び、選択的エピタキシャル層と接触する半導体チャネルを備える。
【0057】
一部の実施形態では、チャネル構造の横寸法はポケット構造の横寸法以下である。一部の実施形態では、チャネル構造の横寸法はポケット構造の横寸法と同じである。
【0058】
一部の実施形態では、メモリストリングは、チャネル構造内でメモリスタックと半導体チャネルとの間にメモリ膜を横に備え、メモリ膜は、チャネル構造内で垂直に延び、ポケット構造内で横に延びる。一部の実施形態では、メモリ膜は、ブロック層と、記憶層と、トンネル層とを備える。
【0059】
一部の実施形態では、メモリストリングは、半導体チャネルによって包囲されるキャップ層を備え、ポケット構造におけるキャップ層の横寸法は、チャネル構造におけるキャップ層の横寸法より大きい。
【0060】
一部の実施形態では、選択的エピタキシャル層は単結晶シリコンを含み、半導体チャネルはポリシリコンを含む。
【0061】
一部の実施形態では、半導体チャネルは、ポケット構造内で横に約20nmにわたって延びる。
【0062】
一部の実施形態では、半導体チャネルは、メモリストリングの下端において平坦である。
【0063】
一部の実施形態では、3Dメモリデバイスは、メモリスタックを通じて垂直に延び、選択的エピタキシャル層と接触するソースコンタクト構造をさらに備える。
【0064】
本開示の別の態様によれば、3Dメモリデバイスが、基板と、基板上の選択的エピタキシャル層と、選択的エピタキシャル層の上の交互の導電層および誘電層を備えるメモリスタックと、メモリスタック内で垂直に延びるチャネル構造、および、選択的エピタキシャル層内で垂直に延びるポケット構造を備えるメモリストリングとを備える。チャネル構造の横寸法はポケット構造の横寸法以下である。
【0065】
一部の実施形態では、チャネル構造の横寸法はポケット構造の横寸法と同じである。
【0066】
一部の実施形態では、メモリストリングは、半導体チャネルであって、チャネル構造内で垂直に延び、ポケット構造内で垂直および横に延び、選択的エピタキシャル層と接触する半導体チャネルを備える。
【0067】
一部の実施形態では、半導体チャネルは、ポケット構造内で横に約20nmにわたって延びる。
【0068】
一部の実施形態では、メモリストリングは、チャネル構造内でメモリスタックと半導体チャネルとの間にメモリ膜を横に備え、メモリ膜は、チャネル構造内で垂直に延び、ポケット構造内で横に延びる。一部の実施形態では、メモリ膜は、ブロック層と、記憶層と、トンネル層とを備える。
【0069】
一部の実施形態では、メモリストリングは、半導体チャネルによって包囲されるキャップ層を備え、ポケット構造におけるキャップ層の横寸法は、チャネル構造におけるキャップ層の横寸法より大きい。
【0070】
一部の実施形態では、選択的エピタキシャル層は単結晶シリコンを含み、半導体チャネルはポリシリコンを含む。
【0071】
一部の実施形態では、半導体チャネルは、メモリストリングの下端において平坦である。
【0072】
一部の実施形態では、3Dメモリデバイスは、メモリスタックを通じて垂直に延び、選択的エピタキシャル層と接触するソースコンタクト構造をさらに備える。
【0073】
本開示のなおも他の態様によれば、3Dメモリデバイスを形成するための方法が開示される。選択的エピタキシャル犠牲層が基板の上方に形成され、誘電スタックが選択的エピタキシャル犠牲層の上方に形成される。誘電スタックおよび選択的エピタキシャル犠牲層を通じて垂直に延びる第1の開口が形成される。選択的エピタキシャル犠牲層を通じて垂直に延びる第1の開口の一部分が拡大させられる。続いて、メモリ膜および半導体チャネルが第1の開口の側壁および底面に沿ってこの順番で形成される。選択的エピタキシャル犠牲層は、メモリ膜の一部分を露出させる空洞を形成するために除去される。空洞において露出されたメモリ膜の一部分は、半導体チャネルの一部分を露出させるために除去される。選択的エピタキシャル層が、空洞を満たし、半導体チャネルの一部分と接触するように、基板からエピタキシャル成長させられる。
【0074】
一部の実施形態では、第1の開口の一部分を拡大するために、選択的エピタキシャル犠牲層が第1の開口を通じてエッチバックされる。
【0075】
一部の実施形態では、メモリ膜を形成するために、続いて、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、および第2の酸化シリコン層が、この順番で第1の開口の側壁および底面に堆積させられ、半導体チャネルを形成するために、ポリシリコン層が第2の酸化シリコン層にわたって堆積させられる。
【0076】
一部の実施形態では、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、第2の酸化シリコン層、およびポリシリコン層は、第1の開口の拡大された一部分内で横に延びる。
【0077】
一部の実施形態では、メモリ膜および半導体チャネルを形成した後、選択的エピタキシャル犠牲層の一部を露出させるために、誘電スタックを通じて垂直に延びる第2の開口が形成され、第2の開口の側壁を覆う保護層が形成される。
【0078】
一部の実施形態では、保護層を形成するために、高k誘電層が第2の開口の側壁および底面に形成され、第2の開口の底面における高k誘電層の一部は、選択的エピタキシャル犠牲層の一部を露出させるためにエッチングされる。
【0079】
一部の実施形態では、選択的エピタキシャル犠牲層を除去するために、選択的エピタキシャル犠牲層が第2の開口を通じてエッチングされ、空洞において露出されたメモリ膜の一部分を除去するために、メモリ膜の一部分は、半導体チャネルの一部分によって停止されるまでエッチングされる。
【0080】
一部の実施形態では、選択的エピタキシャル層をエピタキシャル成長させた後、保護層は除去され、第2の開口を通じて誘電スタックを置き換えるためにメモリスタックが形成される。
【0081】
一部の実施形態では、選択的エピタキシャル犠牲層と接触するように、ソースコンタクト構造が第2の開口に形成され、メモリスタックを通じて垂直に延びる。
【0082】
一部の実施形態では、基板はシリコン基板であり、選択的エピタキシャル層は単結晶シリコンを含む。
【0083】
特定の実施形態の先の記載は、他の者が、当業者の知識を適用することで、過度の実験なしで、本開示の大まかな概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を様々な用途に向けて容易に変更および/または適合することができるように本開示の概略的な性質を明らかにしている。そのため、このような適合および変更は、本明細書で提起されている教示および案内に基づいて、開示されている実施形態の均等の意味および範囲の中にあるように意図されている。本明細書の用語および表現が教示および案内に鑑みて当業者によって解釈されるように、本明細書における表現および用語が説明の目的のためであって、限定のものではないことが理解される。
【0084】
本開示の実施形態は、明示された機能の実施およびそれらの関係を示す機能的な構成要素の助けを借りて上記で説明された。これらの機能的な構成要素の境界は、記載の利便性のために本明細書では任意に定められている。明示された機能およびそれらの関係が適切に実施される限り、代替の境界が定められてもよい。
【0085】
概要および要約の部分は、本開示の1つまたは複数の例示の実施形態を述べることができるが、発明者によって考えられる本開示のすべての例示の実施形態は述べていない可能性があり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を何らかの形で限定するようには意図されていない。
【0086】
本開示の広がりおよび範囲は、前述の例示の実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、以下の特許請求の範囲およびその均等に従ってのみ定められるべきである。
【符号の説明】
【0087】
102 基板
104 誘電スタック
106 ゲート犠牲層
108 誘電層
110 選択的エピタキシャル犠牲層
112 酸化パッド層
114 NANDメモリストリング
116 メモリ膜
118 ブロック層
120 記憶層
122 トンネル層
124 半導体チャネル
126 キャップ層
128 スリット
130 保護層
132 空洞
134 半導体チャネル124の一部分、弱点
200 3Dメモリデバイス
202 基板
204 メモリスタック
206 導電層
208 誘電層
210 選択的エピタキシャル層
212 NANDメモリストリング
213 チャネル構造
214 メモリ膜
216 ブロック層
218 記憶層、電荷捕獲層
220 トンネル層
222 半導体チャネル
224 キャップ層
225 チャネルプラグ
226 ポケット構造
228 ソースコンタクト構造
230 スペーサ
232 ソース導体
302 シリコン基板
304 酸化パッド層
306 選択的エピタキシャル犠牲層
308 第1の誘電層、ゲート犠牲層
310 第2の誘電層
312 誘電スタック
314 チャネルホール
316 拡大部分
318 メモリ膜
320 ブロック層
322 記憶層
324 トンネル層
326 半導体チャネル
328 キャップ層
330 NANDメモリストリング
331 チャネル構造
332 ポケット構造
334 スリット
336 保護層
338 空洞
340 ポケット構造
341 横凹部
342 選択的エピタキシャル層
344 導電層
346 メモリスタック
348 スペーサ
350 ソース導体
352 ソースコンタクト構造
W1 チャネル構造213の横寸法
W2 ポケット構造226の横寸法
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図4A
図4B