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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】ガスセンサ
(51)【国際特許分類】
   H10F 55/00 20250101AFI20250403BHJP
   G01N 21/3504 20140101ALI20250403BHJP
【FI】
H10F55/00 510
G01N21/3504
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021136579
(22)【出願日】2021-08-24
(65)【公開番号】P2022055317
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2020162656
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】福中 敏昭
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩之
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-114168(JP,A)
【文献】特開2015-216231(JP,A)
【文献】国際公開第2014/087619(WO,A1)
【文献】特開2020-046416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0052277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10F 30/00-99/00
G01N 21/00-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光素子と、発光素子と、集積回路と、リードフレームと、これらをパッケージ化する封止部材と、を備えるガスセンサであって、
前記リードフレームは、少なくとも1つのダイパッド部と複数の端子部とを有し、少なくとも前記ダイパッド部は、第1の厚みを有する第1領域と、前記第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域と、を有し、
前記集積回路は、前記ダイパッド部の前記第2領域上に配置され、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され
前記ダイパッド部の前記第1領域は、前記第2領域の周囲に配置され、且つ前記第1領域の端部の一部を、前記第2領域が取り囲むように配置されているガスセンサ。
【請求項2】
前記発光素子は、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され、
前記受光素子は、前記集積回路と電気的に接続され、前記集積回路を挟んで前記発光素子とは逆側に配置される請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記発光素子は、前記受光素子及び前記集積回路と電気的に直接接続されていない請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記受光素子は、前記集積回路と導電性ワイヤーを介して電気的に接続される請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記発光素子及び前記集積回路は、実装基板に実装され、
前記発光素子は、前記実装基板を介して前記集積回路と電気的に接続される請求項3又は請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記ダイパッド部の複数の前記第1領域は、当該第1領域の端部の一部を、前記第2領域が取り囲むように配置されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項7】
平面視で、前記ダイパッド部の前記第2領域全体を内側に含む最小の凸多角形の線分の一部が、前記ダイパッド部の前記第1領域と交差する請求項に記載のガスセンサ。
【請求項8】
受光素子と、発光素子と、集積回路と、リードフレームと、これらをパッケージ化する封止部材と、を備えるガスセンサであって、
前記リードフレームは、少なくとも1つのダイパッド部と複数の端子部とを有し、少なくとも前記ダイパッド部は、第1の厚みを有する第1領域と、前記第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域と、を有し、
前記集積回路は、前記ダイパッド部の前記第2領域上に配置され、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され、
さらに、前記複数の端子部は、前記ダイパッド部を挟んで両側に前記ダイパッド部に沿って並んで配置され、
前記複数の端子部のうちの前記集積回路と電気的に接続される少なくとも一つの端子部は、前記集積回路と前記発光素子との間の、前記複数の端子部が並ぶ方向と交差する第2の方向に延在する領域と、前記第2の方向と交差し前記集積回路に近づく第1の方向に延在する領域とを有し、前記第1の方向に延在する領域の先端にボンディング領域を有し、
前記集積回路と前記ボンディング領域とが導電性ワイヤーで接続されるガスセンサ。
【請求項9】
前記複数の端子部のうちの前記集積回路と電気的に接続される複数の端子部それぞれが前記第2の方向に延在する領域を有し、
当該第2の方向に延在する領域を有する前記複数の端子部それぞれの前記第2の方向に延在する領域は、共通の前記第1の方向に延在する領域に接続されている請求項に記載のガスセンサ。
【請求項10】
前記第2の方向に延在する領域は、当該領域内に厚みの異なる領域を有する請求項8又は請求項9に記載のガスセンサ。
【請求項11】
前記端子部は、前記第1領域と前記第2領域とを有し、
前記複数の端子部それぞれの一部と、前記ダイパッド部の一部と、前記封止部材の一部と、のみが露出した第一の面を備える請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項12】
前記端子部は、前記第1領域と前記第2領域とを有し、
前記複数の端子部それぞれの一部と、前記ダイパッド部の一部と、前記受光素子の一部と、前記発光素子の一部と、前記封止部材の一部と、のみが露出した第2の面を備える請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項13】
前記第2の面の少なくとも一部を覆う空間部を内部に含む光反射部を備える請求項12に記載のガスセンサ。
【請求項14】
一部が露出した前記発光素子及び一部が露出した前記受光素子の少なくとも何れか一方の露出した部分を、直接的又は間接的に覆うように配置された、所望の波長の光を透過する光学部材をさらに備える請求項12又は請求項13に記載のガスセンサ。
【請求項15】
前記集積回路は、導電性ワイヤーを介して前記複数の端子部の少なくとも1つと電気的に接続される請求項1から請求項14の何れか一項に記載のガスセンサ。
【請求項16】
前記複数の端子部のうち、前記導電性ワイヤーが接続される前記端子部は、ボンディング領域を有し、当該ボンディング領域の厚みは、前記第1の厚みよりも薄い請求項15に記載のガスセンサ。
【請求項17】
前記ボンディング領域は、表面にメッキを有し、前記導電性ワイヤーは前記メッキと直接接続される請求項16に記載のガスセンサ。
【請求項18】
前記集積回路は、前記発光素子を制御する制御信号を出力し、前記受光素子からの信号が入力されて増幅及びAD変換を行う請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大気中の測定対象ガスの濃度測定を行うガス測定装置として、ガスの種類によって吸収される赤外線の波長が異なることを利用し、この吸収量を検出することによりそのガス濃度を測定する非分散赤外吸収型(Non-Dispersive Infrared)光学式濃度測定装置が知られている。
例えば、特許文献1には受光素子と発光素子とを有するガスセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-136154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、受光素子と発光素子に加えて、ガス濃度演算を行う集積回路を更に備えるガスセンサにおいて、どの様な形態が好ましいかは知られていないのが現状である。特に、小型で高精度な測定を可能にするガスセンサについては知られていない。
すなわち本発明は、小型かつ高精度な測定を可能にするガスセンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係るガスセンサは、受光素子と、発光素子と、集積回路と、リードフレームと、これらをパッケージ化する封止部材と、を備えるガスセンサであって、前記リードフレームは、少なくとも1つのダイパッド部と複数の端子部とを有し、少なくとも前記ダイパッド部は、第1の厚みを有する第1領域と、前記第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域と、を有し、前記集積回路は、前記ダイパッド部の前記第2領域上に配置され、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続されることを特徴としている。
【0006】
また、本発明の他の実施形態に係るガスセンサは、受光素子と、発光素子と、集積回路と、リードフレームと、これらをパッケージ化する封止部材と、を備えるガスセンサであって、前記リードフレームは、少なくとも1つのダイパッド部と複数の端子部とを有し、前記発光素子は、前記受光素子及び前記集積回路と電気的に直接接続されておらず、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され、前記受光素子は、前記集積回路と電気的に接続され、前記集積回路を挟んで前記発光素子とは逆側に配置され、前記集積回路は、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続されることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の他の実施形態に係るガスセンサは、受光素子と、発光素子と、集積回路と、リードフレームと、これらをパッケージ化する封止部材と、を備えるガスセンサであって、前記リードフレームは、少なくとも1つのダイパッド部と複数の端子部とを有し、少なくとも前記ダイパッド部は、第1の厚みを有する第1領域と、前記第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域と、を有し、前記集積回路は、前記ダイパッド部の前記第2領域上に配置され、前記発光素子は、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され、前記受光素子は、前記集積回路と電気的に接続され、前記集積回路を挟んで前記発光素子とは逆側に配置され、前記集積回路は、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され、前記ダイパッド部の前記第1領域は、前記第2領域の周囲に配置され、且つ前記第1領域の端部の一部を、前記第2領域が取り囲むように配置されていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の他の実施形態に係るガスセンサは、受光素子と、発光素子と、集積回路と、リードフレームと、これらをパッケージ化する封止部材と、を備えるガスセンサであって、前記リードフレームは、少なくとも1つのダイパッド部と複数の端子部とを有し、前記受光素子は、前記集積回路と電気的に接続され、前記複数の端子部は、前記ダイパッド部を挟んで両側に前記ダイパッド部に沿って並んで配置され、前記集積回路は、前記複数の端子部のうちの少なくとも一つと電気的に接続され、且つ、前記集積回路と電気的に接続される端子部のうちの少なくとも一つの端子部は、前記集積回路と前記発光素子との間の、前記複数の端子部が並ぶ方向と交差する第2の方向に延在する領域と、前記第2の方向と交差し前記集積回路に近づく第1の方向に延在する領域とを有し、前記第1の方向に延在する領域の先端にボンディング領域を有し、前記集積回路と前記ボンディング領域とが導電性ワイヤーで接続されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、小型かつ高精度な測定を可能にするガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るガスセンサの一例を示す平面模式図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るガスセンサの一例を示す平面模式図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るガスセンサの一例を示す平面模式図及び断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るガスセンサの一例を示す裏面模式図及び断面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るガスセンサの一例を示す光反射部側から見た模式図及び断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るガスセンサの変形例を示す裏面模式図及び断面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係るガスセンサの一例を示す平面模式図である。
図8】本発明の第4実施形態に係るガスセンサの一例を示す平面模式図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るガスセンサの一例を示す平面模式図である。
図10】本発明の第1実施形態に係るガスセンサの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、様々な変更を加えることができる。
【0012】
[第1実施形態]
図1図4は、本発明の第1実施形態に係るガスセンサの一例を示す模式図である。図1は、第1実施形態に係るガスセンサの一例を示す模式図であって、外部装置と接続される実装面側の面から見た平面模式図である。ここでは、ガスセンサ1の実装面側の面を表面、逆側の面を裏面とする。なお、図1では、わかりやすくするため接続配線や封止部材は図示を省略している。
【0013】
図1中、1はガスセンサ、10は受光素子、20は発光素子、30は集積回路、41及び42はそれぞれ導電性のリードフレーム40の一部であり、41はダイパッド部、42は端子部である。ダイパッド部41と端子部42とは離隔されている。また、ダイパッド部41及び端子部42において、R1は第1の厚みを有する第1領域、R2は第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域を示す。
ガスセンサ1は平面視で長方形を有し、ガスセンサ1の幅方向中央部に長手方向に沿って延びるダイパッド部41が配置され、ダイパッド部41の左右両側に複数の端子部42がダイパッド部41に沿って並んで配置されている。
【0014】
ダイパッド部41は、ガスセンサ1の長手方向に沿って延びる長方形の矩形部41aと矩形部41aの長手方向両端それぞれに形成された凸部41bと、を有する。凸部41bは、矩形部41aの長手方向の端部の、矩形部41aの幅方向端部寄りの位置に間隔を開けて2つ形成され、長手方向両端それぞれの凸部41bは、矩形部41aの幅方向中央部から等距離の位置に形成され、凸部41bの端部はガスセンサ1の長手方向端部に達している。矩形部41aの幅方向中央部の、長手方向一端側には、受光素子10を配置するための矩形状の穴(以後、受光素子配置領域という。)41cが形成され、他端側には発光素子20を配置するための矩形状の穴(以後、発光素子配置領域という。)41dが形成されている。
【0015】
端子部42は、同一形状を有し細長い矩形状に形成され、端子部42それぞれは、一端が、矩形部41aの長辺と一定の間隔を開けて対向するように、長辺に沿って等間隔に並んで配置され、他端はガスセンサ1の幅方向端部に達して形成される。また、ダイパッド部41を挟んで左右の端子部42は、ガスセンサ1の長手方向中央を中心として線対象となるように配置される。
【0016】
ダイパッド部41の矩形部41aと、凸部41bの矩形部41aに続く凸部41b全体の1/3程度の領域とが、第2の厚みを有する第2領域41(R2)となっている。また、凸部41bの、第2領域41(R2)を除く矩形部41aとは逆側の領域が、第1の厚みを有する第1領域41(R1)となっている。また、各端子部42の矩形部41a寄りの領域であり、端子部42の全体の半分よりも若干狭い領域が、第2の厚みを有する第2領域42(R2)となっている。各端子部42の、第2領域42(R2)を除く、矩形部41aとは逆側の、端子部42全体の半分よりも若干広い領域が、第1の厚みを有する第1領域42(R1)となっている。
【0017】
受光素子10は受光素子配置領域41cに配置され、発光素子20は発光素子配置領域41dに配置される。つまり、受光素子10及び発光素子20は、ダイパッド部41の第2領域41(R2)に周囲を囲まれる位置に配置される。集積回路30は矩形部41aの長手方向中央よりもやや受光素子10側の、幅方向中央に配置される。つまり、集積回路30は、ダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置される。
そして、後述の図3に示すように、リードフレーム40全体を含むように封止部材80を設けることにより、略直方体形状にパッケージ化されている。
尚、図1においては、1つの集積回路30が、ダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されているが、複数の集積回路30を有し、複数の集積回路30がダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されてもよい。
【0018】
図2図1に示すガスセンサ1の平面模式図において、電気的接続関係を加えて示したものである。ガスセンサ1では、電気的接続は導電性ワイヤーLWを用いて実現している。
図2に示すように、発光素子20は、ダイパッド部41の長手方向に沿ってその両側に2つずつ端子を有する。発光素子20の各端子は、ダイパッド部41の長手方向に沿って配置された複数の端子部42のうち、発光素子20側の端部側に配置された左右2つずつ計4つの端子部42に接続される。発光素子20の各端子は、端子部42の第2領域42(R2)のみと接続されており、これら間は、導電性ワイヤーLWによって直接接続されている。発光素子20は、受光素子10や集積回路30とは直接接続されていない。ここでいう「直接接続される」とは、一本の導電性ワイヤーLWのみによって接続されることをいう。
【0019】
受光素子10は、図2に示すように、集積回路30側の端部の右端側と、集積回路30とは逆側の端部の左端側とに1つずつ端子を有する。受光素子10は、集積回路30のみと接続され、受光素子10の各端子は、導電性ワイヤーLWによって、集積回路30の受光素子10側の端部に設けられた2つの端子と接続されている。
【0020】
集積回路30は、図2に示すように、集積回路30の右端側及び左端側それぞれに例えば6個ずつ計12個の端子を有し、受光素子10側に2つの端子を有する。また、集積回路30の左右に形成された12個の端子は、ダイパッド部41の長手方向に沿ってその両側に配置された複数の端子部42のうち、発光素子20と接続された端子部42を除く残りの計12個の端子部42にそれぞれ接続される。具体的には、集積回路30の左右端に形成された端子は、導電性ワイヤーLWによって、端子部42の第2領域42(R2)と接続される。端子部42の第2領域42(R2)はボンディング領域42(R3)となっている。ボンディング領域42(R3)は第1領域42(R1)の厚みよりも薄ければ特に制限されない。プロセス容易性の観点から、ボンディング領域42(R3)が、図2に示すようにダイパッド部41の第2領域41(R2)と同じ厚みであることが好ましい場合がある。
なお、ボンディング領域42(R3)(つまり、第2領域42(R2))はその表面がメッキ処理されていても良い。
【0021】
図3は、図2に示すガスセンサ1において、封止部材80を追加した図であって、図3(a)はガスセンサ1の平面視における模式図である。また、図3(b)は、図3(a)のA-A′面における断面模式図、図3(c)は、図3(a)のB-B′面における断面模式図、図3(d)は、図3(a)のC-C′面における断面模式図である。
図3に示すように、封止部材80は、リードフレーム40の第1領域41(R1)及び42(R1)を除いて、受光素子10、発光素子20、集積回路30、導電性ワイヤーLW及び、リードフレーム40の第2領域41(R2)及び42(R2)を覆い、リードフレーム40の第1領域41(R1)及び42(R1)の表面と面一となるように形成される。
【0022】
その結果、図3(a)に示す平面模式図において、ガスセンサ1の平面視における面、つまり、図3(b)~(d)に示す断面模式図において上側となる面は、封止部材80とダイパッド部41の第1領域41(R1)(図示せず)と、端子部42の第1領域(R1)のみが露出した状態であることが理解される。
【0023】
図4は、図3に示すガスセンサ1を、裏側から、つまり、受光素子10及び発光素子20それぞれの一部が露出している面側から見た裏面模式図(図4(a))である。図4(b)は図4(a)のA-A′面における断面模式図、図4(c)は図4(a)のB-B′面における断面模式図である。なお、簡略化のため、導電性ワイヤーLWは図示を省略している。
図4(a)に示すガスセンサ1の裏面、つまり、図4(b)、図4(c)に示す断面模式図において上側の面は、ダイパッド部41の裏面、端子部42の裏面、受光素子10の裏面、発光素子20の裏面、及び封止部材80が露出していることが理解される。
【0024】
図4に示すように、ガスセンサ1の裏面において、受光素子10と発光素子20との間に、ダイパッド部41が露出していることにより、ダイパッド部41を反射率の高い導電性の素材で形成することによって、後述の第2実施形態に示すような光路を有する形態において、発光素子20から出射した赤外線がより効率的に受光素子10に到達し得るため好ましい場合がある。
【0025】
また、ガスセンサ1を、図3に示すように平面視したとき、受光素子10及び発光素子20が、ダイパッド部41の第2領域41(R2)に囲まれた構造であり、集積回路30がダイパッド部41の第2領域41(R2)上に配置された構造である。そのため、ダイパッド部41つまりリードフレーム40を、熱伝導率の高い素材で形成することによって、パッケージ内の温度が均一化される。そのため、より高精度に温度特性の補償が可能になり、より高精度な濃度測定が可能となる。ガスセンサ1が、集積回路30の内部のダイオード特性によりパッケージ内の温度を測定する形態である場合には、パッケージ内の温度が均一化されることの効果は、より効果的に発現される。
【0026】
集積回路30は受光素子10及び端子部42の少なくとも1つと電気的に接続されていれば特に制限されない。集積回路30は、(1)受光素子10、発光素子20等、校正を必要とする各部の校正パラメータを記憶し、校正パラメータを出力可能な回路、(2)受光素子10からの信号を増幅し、AD変換を行う回路、(3)発光素子20を駆動する駆動信号を出力する回路、(4)受光素子10及び発光素子20の間欠駆動制御を行う回路、(5)外部機器(例えば信号処理回路)とのインターフェース回路、の少なくとも1つ、好ましくは全てを備えていることが好ましい。
【0027】
このように構成されるガスセンサ1において、濃度測定対象のガスが存在する空間内において、発光素子20を駆動し、発光素子20から照射した光を受光素子10で受光し、受光した信号に対して、集積回路30で受光素子10や発光素子20等のパラメータ信号の校正等を行った後、センサ信号として外部機器に出力し、外部機器側でセンサ信号をもとに測定対象のガスの濃度演算等を行う。
【0028】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態に係るガスセンサ1は、図1図4に示す構成を備える。そのため、熱伝導の良いダイパッド部41により、パッケージ内の受光素子10、発光素子20、集積回路30の温度を均一化することができる。その結果、受光素子10、発光素子20等、各部の少なくとも1つの特性に応じたパラメータ信号を、集積回路30の温度に基づき校正を行うことによって、より高精度に温度特性の補償を行うことができ、結果的により高精度に濃度測定を行うことができる。
また、ダイパッド部41は、第1の厚みを有する第1領域42(R1)と第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域41(R2)とを有し、集積回路30は、厚みの薄い第2領域41(R2)上に配置されることで、小型化しつつも、高精度な測定が可能となる。
【0029】
また、パッケージ内の集積回路30の温度に基づき校正を行うことにより、温度特性の補償を行うことができる上、本来、外付けの集積回路を同一パッケージに取り込むことにより、ガスセンサ1全体を小型化することができる。
また、発光素子20が受光素子10及び集積回路30と電気的に直接接続されていないため、レイアウトの自由度が高く、レイアウトに起因した温度特性の補償の高精度化や、より小型なガスセンサ1を実現することが出来る。
【0030】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図5は、第2実施形態に係るガスセンサ1aの模式図であって、図4に示す、ガスセンサ1の裏面側に、内側にドーム状の空間部60aを有する光反射部60をさらに設けたものである。
光反射部60は、平面視で直方体形状を有し、各端子部42の第2領域42(R2)と第1領域の42(R1)の第2領域42(R2)側の一部とを覆う幅に形成され、ダイパッド部41の第1領域41(R1)全体を覆う長さに形成される。光反射部60は、受光素子10の受光面及び発光素子20の発光面と対向する面が楕円体面でありドーム状の反射面60bを内側に有し、空間部60aは、裏面側からみて、受光素子10及び発光素子20が空間部60a内に収まる大きさに形成される。光反射部60の反射面60bとなる部分の材質は、金属、または多層膜誘電体であることが好ましい。
尚、本実施形態においても、1つの集積回路30が、ダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されているが、複数の集積回路30を有し、複数の集積回路30がダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されてもよい。
【0031】
また、光反射部60は、ドーム状の反射面60bを有していれば、全体形状は任意でよい。
また、光反射部60には、光反射部60を貫通する図示しない通気口が形成され、通気口から、空間部60aに、測定対象の気体が導入されると共に、測定対象の気体が空間部60a外に排出されるようになっている。ガスセンサ1aでは、測定対象の気体が空間部60aに導入された状態における受光素子10の検出信号をもとに、集積回路30で所定の処理を行って検出信号に応じた信号を出力し、集積回路30と電気的に接続される図示しない外部装置では、集積回路30から入力した検出信号に基づき濃度演算等を行う。
【0032】
このように、第2実施形態においては、内側にドーム状の反射面60bを有する光反射部60が設けられている。その結果、発光素子20から発せられた赤外線を受光素子10に導くことを容易にし得るため好ましい場合がある。また、ダイパッド部41を反射率の高い導電性の素材で形成することによって、発光素子20から出射した赤外線がより効率的に受光素子10に到達し得る。
【0033】
[第2実施形態の変形例]
図6は、第2実施形態に係るガスセンサ1aの変形例を示す模式図であって、図5に示す光反射部60を備えたガスセンサ1aにおいて、さらに、光学部材70と実装基板100とを備えたものである。図6(a)は、変形例におけるガスセンサ1bを、光反射部60とは逆側の面、つまり裏面側から見た模式図であって、図6(b)は図6(a)のD-D′面における断面模式図であり、図6(c)は図6(a)のE-E′面における断面模式図である。
【0034】
光学部材70は、図示しない光学フィルタの側面を封止部で覆ったフィルタブロックからなる。光学フィルタは、所望の波長範囲の光を選択的に(すなわち、透過率高く)透過させる機能を有する。光学フィルタを構成する光学部材の材料としては、シリコン(Si)、ガラス(SiO)など、予め設定した波長範囲の光が透過する材料が用いられる。光学フィルタは、これに限らず、蒸着等により光学部材に薄膜が設けられた構成であっても良く、また、光学部材上に異なる屈折率を有する誘電体を層状に積層した誘電体多層膜フィルタとしても良い。
【0035】
図6(a)に示すように、光学部材70は、裏面側からみて略正方形状に形成され、光学部材70の一辺は、ダイパッド部41の2つの凸部41bの両端と同等の長さを有し、ダイパッド部41の発光素子20側の端部に設けられた凸部41bの第1領域41(R1)と第2領域41(R2)との境界と、光学部材70の一辺とが、裏面側からみて重なり、さらに発光素子20の上に重なるように配置される。
図6に示すように、光学部材70を備えることにより、特定の波長の赤外線の発光および/または受光を容易に実現し得るため好ましい場合がある。
【0036】
尚、図6では、光学部材70が発光素子20側に配置された例であるが、受光素子10側に配置されても良い。
また、光学部材70は発光素子20や受光素子10の表面を直接的に覆っても良いし、間に他の物質や空間を介して間接的に覆っても良い。換言するならば、光学部材70は、発光素子20から出射した光が受光素子10に入射するまでの間の光路中に配置されていれば良い。
実装基板100は、封止部材80により一体化されたパッケージよりも大きく、端子部42の第1領域42(R1)と対向する位置に、実装端子110を備える。図6は、片側8個の実装端子110、左右で計16個の実装端子110を備える場合を示す。実装端子110は、金属バンプ200を介して端子部42それぞれの第1領域42(R1)と電気的に接続される(図6(c))。なお、図示はしていないが、実装基板100と端子部42とを金属バンプ200を介して電気的に接続することによって、発光素子20が実装基板100を介して集積回路30と電気的に接続されることが好ましい。
【0037】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図7は第3実施形態に係るガスセンサ1cの一例を示す平面模式図である。なお、図7において、導電性ワイヤーLWや封止部材80は図示を省略している。
第3実施形態に係るガスセンサ1cは、図1に示す第1実施形態に係るガスセンサ1に比較して、ダイパッド部41の第1領域及び第2領域の形状が異なる。具体的には図1に示したガスセンサ1では、平面視においてダイパッド部41の第1領域41(R1)と第2領域41(R2)との境界となる境界線BLが一本の直線であるのに対して、図7ではダイパッド部41の第1領域41ba(R1)と第2領域41aa(R2)との境界線BLが一本の直線ではなく、三本の線分からなっている。つまり、ダイパッド部41は矩形部41aと凸部41bとを含むが、ダイパッド部41の第1領域41ba(R1)はそれぞれ、凸部41bと、凸部41bと連続する矩形部41aの一部とからなり、平面視で凸部41bが延長された長方形状の第1の厚みを有する領域を形成している。つまり、図7に示すように、ダイパッド部41においては、第1の厚みを有する第1領域41ba(R1)と第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する第2領域41aa(R2)との境界が、第1領域41ba(R1)の第2領域41aa(R2)側の端部の3つの辺に沿った3本の線分からなり、第1領域41ba(R1)の端部の3つの辺を、第2領域41aa(R2)で囲むように形成されている。
【0038】
これにより、ダイパッド部41の第2領域41aa(R2)の形状安定性やプロセス時の位置安定性が向上し、受光素子10や発光素子20を設計通りの位置に配置することを容易にし、その結果、測定精度の向上に寄与しうる。
なお、ダイパッド部41の4つの凸部41bのうち、少なくとも一つの凸部41bが、凸部41bと矩形部41aの一部とが第1の厚みを有する第1領域41ba(R1)となり、第1領域41ba(R1)と第2領域41aa(R2)との境界線BLが、複数の直線で形成されていればよいが、好ましくは、ダイパッド部41の四つの凸部41bそれぞれと矩形部41aの一部とが第1領域41ba(R1)となり、それぞれが第2領域41aa(R2)との境界線BLが一本の直線ではなく複数の直線で形成されていることが好ましい。また、境界線BLは、必ずしも直線でなくともよく、第1領域41ba(R1)の端部の周囲を取り囲むように第2領域41aa(R2)が形成されていればよい。
尚、本実施形態においても、1つの集積回路30が、ダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されているが、複数の集積回路30を有し、複数の集積回路30がダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されてもよい。
【0039】
また、測定精度の向上への寄与を高める観点から、図7に示すガスセンサ1cのように、平面視で、ダイパッド部41の第2領域41aa(R2)の全てを内部に含む凸多角形のうち最小となる凸多角形CPの線分の一部がダイパッド部41の第1領域41ba(R1)と交差する形態であることが好ましい。これにより、ダイパッド部41の第2領域41aa(R2)の安定性がより向上し、結果として測定精度がより向上する。また、第2実施形態における図6に示すように、ガスセンサ1cを、実装基板100に実装する場合には、第1領域41ba(R1)は、端子部として実装基板100と電気的に接続されることが好ましい。熱伝導の良い金属バンプ200により、ダイパッド部41の温度をより均一にすることが可能となる。
【0040】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図8は第4実施形態に係るガスセンサ1dの一例を示す平面模式図である。図8において、封止部材は図示を省略している。
第4実施形態に係るガスセンサ1dは、図2に示す第1実施形態に係るガスセンサ1において、複数の端子部42のうちの一つの端子部42Lの形状が異なっている。また、端子部42Lの形状に整合して、ダイパッド部41の矩形部41aLの形状が異なる。
具体的には、図8に示すように、ガスセンサ1dを、平面視で発光素子20側の端部が上、受光素子10側の端部が下となるように載置した状態で、ダイパッド部41の矩形部41aLが形成され、矩形部41aLは、発光素子20と集積回路30との間の位置であり、矩形部41aLの長手方向中央部よりもやや発光素子20側の位置の右端側に、切欠き部41aL1が形成され、左端側には、第1の厚みを有する第1領域41aL(R1)が形成されている。
【0041】
尚、本実施形態においても、1つの集積回路30が、ダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されているが、複数の集積回路30を有し、複数の集積回路30がダイパッド部41の第2領域41(R2)の上に配置されてもよい。この場合、平面視において、複数の集積回路30の間の少なくとも一部には、第1の厚みを有する第1領域41(R1)を有することが耐久性の点から好ましい。
また、本実施形態において第1の厚みを有する第1領域41aL(R1)内に第2の厚みを有する第2領域41(R2)を設け、この第2領域41(R2)に更に集積回路30を配置してもよい。
【0042】
また、ガスセンサ1dの右端側に配置された8個の端子部42のうち、切欠き部41aL1と対向する、発光素子20側の端部から3番目の端子部42Lの形状と、ガスセンサ1dの左端側に配置された8個の端子部42のうち、ダイパッド部41aLの第1領域41aL(R1)と対向する、発光素子20側の端部から3番目の端子部42LLの形状とが異なる。
【0043】
図8に示すように、端子部42Lは、平面視で、端子部42をダイパッド部41aLに向かう方向である第2の方向(D2)に延在した領域42L(D2)と、第2の方向(D2)と直交する第1の方向(D1)に延在する領域42L(D1)とを備え、アルファベットの「L」字状に屈折した形状を有する。なお、第1の方向(D1)は、必ずしも第2の方向(D2)と直交ではなく、2つの方向が交差した形状であって、斜めに屈折した形状であってもよい。即ち、後述の第2領域42L(R2)bを集積回路30の近くに配置できればよい。ここで交差とは、2つ以上の線分が1点で交わることを意味し、垂直に交わる形態のみを意味するものではない。
【0044】
また、端子部42Lは、端子部42と同様に、ガスセンサ1dの右端側から、第1の厚みを有する第1領域42L(R1)a及び第2の厚みを有する第2領域42L(R2)aを有する。さらに、端子部42Lは、第2領域42L(R2)aに連続する第1の厚みを有する第1領域42L(R1)b、及び第1領域42L(R1)bに連続する第2の厚みを有する第2領域42L(R2)bを備える。第1領域42L(R1)bは、第2領域42L(R2)aに連続する第2の方向の端部まで延在する領域と、第2の方向の端部まで延在する領域に連続し第1の方向に延在する領域全体の1/8程度の領域とを含む。第2領域42L(R2)bは、第1の方向に延在する領域のうち、第1領域42L(R1)bを除く領域を含む。第2の厚みを有する第2領域42L(R2)bがボンディング領域42L(R3)を形成している。
【0045】
一方、端子部42LLは、端子部42において第2領域42(R2)が延在した形状を有し、第1領域42LL(R1)と、第1領域42LL(R1)に連続する第2の厚みを有する第2領域42LL(R2)とを備え、第2領域42LL(R2)の第1領域42(R1)とは逆側の端部は、矩形部41aLに形成された第1の厚みからなる第1領域41aL(R1)と連続している。
【0046】
図8に示す形態の場合、導電性ワイヤーLWを介した電気的接続のレイアウトが容易になり、全体の小型化を可能にし得るため好ましい場合がある。つまり、図8に示すように端子部42Lは、ダイパッド部41側の端部がダイパッド部41の幅方向中央部近傍まで延在されている。そのため、集積回路30の、受光素子10側の端部に端子を設け、この端子と、ボンディング領域42L(R3)である端子部42Lの第2領域42L(R2)bとを導電性ワイヤーLWで接続すれば、導電性ワイヤーLWの配線の長さが短くてすみ、配線の引き回しを容易に行うことができる。
また、矩形部41aLの切欠き部41aL1とは逆側には、第1領域41aL(R1)が設けられ、この第1領域41aL(R1)は第2領域41(R2)よりも厚みが大きい。そのため、切欠き部41aL1を設けることによる矩形部41aLの安定性の低下を抑制することができる。
【0047】
また、端子部42Lにおいて、第2の方向に延在する領域は厚みの異なる領域を有することが好ましい。具体的には、図8に示すように、第2の方向に延在する領域の一部が第1領域の厚みよりも薄い第2領域42L(R2)aであることが好ましい。これによりリードフレーム40、受光素子10、発光素子20、及び集積回路30を封止部材80でモールディングする際に、封止樹脂の流れをスムースにして、受光素子10及び発光素子20の位置ずれを抑制し、測定精度の劣化を抑制することが出来る。なお、第2領域42L(R2)aは、封止樹脂の流れをスムースにすることを目的として設けているため、必ずしも第2の厚みである必要はなく、第1の厚みよりも薄ければよい。封止樹脂の流れをスムースにする観点から、他の端子部42の第2領域42(R2)の膜圧と同等にすることが好ましい。
【0048】
[第4実施形態の変形例]
図9は、第4実施形態におけるガスセンサ1eの一例を示す平面模式図である。ガスセンサ1eは、図8に示すガスセンサ1dにおいて、切欠き部41aL1と対向する隣り合う二つの端子部42L1及び42L2がそれぞれ第2の方向(D2)に延在した領域42L1(D2)及び42L2(D2)を有し、さらに、領域42L1(D2)及び42L2(D2)ぞれぞれの端部が共に、第1の方向(D1)に延在する領域42L12(D1)に接続されている。
【0049】
また、端子部42L1は、端子部42と同様に、ガスセンサ1eの右端側から順に、第1の厚みを有する第1領域42L1(R1)aと、第2の厚みを有する第2領域42L1(R2)aとを備え、さらに、第1領域42L1(R1)bと、第2の厚みを有する第2領域42L1(R2)bとを備える。同様に、端子部42L2は、端子部42と同様に、ガスセンサ1eの右端側から順に、第1の厚みを有する第1領域42L2(R1)aと、第2の厚みを有する第2領域42L2(R2)aとを備え、さらに、第1領域42L2(R1)bと、第2の厚みを有する第2領域42L2(R2)bとを備える。
【0050】
領域42L12(D1)は、第1の厚みを有する第1領域42L12(R1)と、この第1領域42L12(R1)に連続する第2の厚みを有する第2領域42L12(R2)とを備える。
切欠き部41aL1と対向する二つの端子部42L1、42L2を図9に示す形状とすることによって、形状安定性が向上し得るため好ましい場合がある。また、図9においては第2の方向に延在した領域42L1(D2)及び42L2(D2)には、第1領域R1の厚みよりも厚みの薄い第2領域(42L1(R2)a、42L1(R2)b、42L2(R2)a、42L2(R2)b)がそれぞれ2箇所ずつ形成されている。これは2つの第2の方向に延在した領域42L1(D2)及び42L2(D2)間のデッドエンドを開放して封止樹脂の流れをスムースにする効果を発現するため好ましい場合がある。
【0051】
[製造方法]
次に、本実施形態に係るガスセンサ1の製造方法の一例を説明する。ここでは、第1実施形態に係るガスセンサ1の製造方法を、図10を用いて説明する。図10は、図1のF-F′面における断面模式図である。
まず、耐熱テープ201の上にパターニングおよびハーフエッチング処理され、第1の厚みの第1領域41(R1)及び第1領域41(R1)よりも厚みの薄い第2領域41(R2)を有するダイパッド部41と、端子部42とが形成されたたリードフレーム40を配置する(図10(a))。後述するワイヤボンディングを容易にするために、リードフレーム40の表面はメッキ処理がなされていても良い。
【0052】
次いで耐熱テープ201上のダイパッド部41の第2領域41(R2)に囲まれた領域(受光素子配置領域41c、発光素子配置領域41d)に耐熱テープ201の粘着層を介して受光素子10及び発光素子20を配置し、ダイパッド部41の第2領域41(R2)に、好ましくは熱伝導率の高い接着剤やフィルムを介して集積回路30を配置し、受光素子10と集積回路30との間、発光素子20と各端子部42の第2領域42(R2)との間、集積回路30と各端子部42の第2領域42(R2)との間を、それぞれ導電性ワイヤーLWによりワイヤボンディングする(図10(b))。図10(b)では、簡略化のため、受光素子10と集積回路30とを接続する導電性ワイヤーLWを一本と、発光素子20と端子部42の第2領域42(R2)とを接続する導電性ワイヤーLWを一本と、を示している)。
【0053】
次いで、耐熱テープ201が配置された側に下部金型203を配置し、耐熱テープ201が配置された側とは逆側に上部金型202を配置し、耐熱テープ201と上部金型202の間に挟まれる空間に封止部材80となる封止樹脂を注入する(図10(c))。
次いで上部金型202と下部金型203を除去し、耐熱テープ201も除去する。そしてカーフ幅Wの領域をダイシング装置でダイシングして個片化して反転させることで、上面側に受光素子10と発光素子20の一部が露出したガスセンサ1が得られる(図10(d))。
【0054】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0055】
1、1a~1e ガスセンサ
10 受光素子
20 発光素子
30 集積回路
40 リードフレーム
41 ダイパッド部
41a、41aL 矩形部
41aL1 切欠き部
41b 凸部
41(R1)、41ba(R1)、41aL(R1) ダイパッド部の第1領域
41(R2)、41aa(R2) ダイパッド部の第2領域
42、42L、42L1、42L2、42LL 端子部
42(R1)、42L1(R1) 端子部の第1領域
42(R2)、42L2(R2)、 端子部の第2領域
60 光反射部
60a 空間部
60b 反射面
70 光学部材
80 封止部材
100 実装基板
110 実装端子
200 金属バンプ
BL 境界線
LW 導電性ワイヤー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10