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特許7661623電波吸収体、該電波吸収体を含む電波吸収構造体及び電波吸収体用組成物
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  • 特許-電波吸収体、該電波吸収体を含む電波吸収構造体及び電波吸収体用組成物 図1
  • 特許-電波吸収体、該電波吸収体を含む電波吸収構造体及び電波吸収体用組成物 図2
  • 特許-電波吸収体、該電波吸収体を含む電波吸収構造体及び電波吸収体用組成物 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】電波吸収体、該電波吸収体を含む電波吸収構造体及び電波吸収体用組成物
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20250407BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20250407BHJP
   C08K 7/06 20060101ALI20250407BHJP
   C08K 7/28 20060101ALI20250407BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20250407BHJP
   H01Q 17/00 20060101ALI20250407BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20250407BHJP
【FI】
H05K9/00 M
H05K9/00 W
C08L83/04
C08K7/06
C08K7/28
B32B7/025
H01Q17/00
G01S7/03 230
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024520365
(86)(22)【出願日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 JP2023016226
(87)【国際公開番号】W WO2023218940
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2022078919
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩史
(72)【発明者】
【氏名】梶川 浩太郎
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-151179(JP,A)
【文献】実開昭60-48294(JP,U)
【文献】特開2000-232297(JP,A)
【文献】特開2004-186546(JP,A)
【文献】特開2007-229989(JP,A)
【文献】特開2010-251377(JP,A)
【文献】特開2015-23036(JP,A)
【文献】特開2017-45946(JP,A)
【文献】特開2017-135189(JP,A)
【文献】国際公開第2021/137192(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
C08L 83/04
C08K 7/06
C08K 7/28
B32B 7/025
H01Q 17/00
G01S 7/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と、炭素繊維とを含み、
第一の面から全厚の半分までの領域内に、前記炭素繊維全体の60~90体積%が存在する、電波吸収体。
【請求項2】
前記炭素繊維の含有量が全体積の2体積%以下である、請求項1に記載の電波吸収体。
【請求項3】
さらに中空粒子を全体積の10体積%以下含む、請求項1又は2に記載の電波吸収体。
【請求項4】
前記炭素繊維の平均長さが100~4000μmである、請求項1又は2に記載の電波吸収体。
【請求項5】
前記樹脂が下記式(1)で表されるオルガノシロキサン構造を有する、請求項1又は2に記載の電波吸収体。
【化6】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。)
【請求項6】
さらにカーボン粒子を全体積の10体積%以下含む、請求項1又は2に記載の電波吸収体。
【請求項7】
75GHz~105GHzの周波数領域全体における電波の吸収量が30%以上である、請求項1又は2に記載の電波吸収体。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の電波吸収体と、
前記電波吸収体の、炭素繊維が偏在する面側に、電波反射体と、を積層して含み、
前記電波吸収体の厚さが200~500μmである、電波吸収構造体。
【請求項9】
75GHz~105GHzの周波数領域全体における電波の吸収量が30%以上である、請求項8に記載の電波吸収構造体。
【請求項10】
下記式(1)で表されるオルガノシロキサン構造を有する樹脂と、炭素繊維と、中空粒子と、カーボン粒子と、を含み、
前記炭素繊維の固形分に占める含有量が2体積%以下であり、
前記中空粒子の固形分に占める含有量が10体積%以下であり、
前記カーボン粒子の固形分に占める含有量が10体積%以下である、電波吸収体用組成物。
【化7】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、電波吸収体、該電波吸収体を含む電波吸収構造体及び電波吸収体用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会において電波は、放送、通信、医療、化学分析、位置測定、遠隔操作等、様々な分野で利用されている。例えば、周波数帯が30~300GHzである電波を使用するミリ波レーダーは、車両の自動運転を支える重要技術の1つである。
【0003】
ミリ波レーダーは、上記周波数帯の電波を使用して、対象物との距離、速度、角度を測定する。利用技術の1つである車両自動運転を例に挙げると、ADAS(先進運転支援システム)の普及に伴い、前方監視用レーダーとして長距離を検知できる76~77GHzのミリ波レーダーが使用されている。ミリ波レーダーは、ミリ波を発信し、対象物で反射して戻ってきたミリ波を受信用のアンテナで受け取ることにより、対象物との距離等を検出する。
【0004】
ミリ波レーダーの装置では、アンテナと制御回路との間に電波を遮蔽する遮蔽部材を設けている。これにより、対象物以外(路面等)で反射したミリ波の受信による、検出精度の低下を抑制している。
遮蔽部材として、例えば、特許文献1及び2には、樹脂と炭素繊維を含む成形体及び組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-161208号公報
【文献】特開2020-111730号公報
【発明の概要】
【0006】
ミリ波レーダー等のセンサーは、小型化及び軽量化が要求されるため、構成部材である電波吸収体(遮蔽部材)も、高い電波吸収特性を保持したまま、より薄く、軽量であることが求められる。
本開示の技術は、高い電波吸収特性を有し、従来よりも薄い電波吸収体を提供することを目的とする。また、該電波吸収体を含む電波吸収構造体、電波吸収体用組成物を提供することを目的とする。
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、マトリックスである樹脂の厚さ方向の一面側に、炭素繊維を偏在させることにより、炭素繊維の添加量を低減しても高い電波吸収特性を有し、かつ薄い電波吸収体が得られることを見出し、本開示の技術を完成させた。
【0008】
本開示の技術によれば、以下の電波吸収体等が提供される。
1.樹脂と、炭素繊維とを含み、
第一の面から全厚の半分までの領域内に、前記炭素繊維全体の60~90体積%が存在する、電波吸収体。
2.前記炭素繊維の含有量が全体積の2体積%以下である、1に記載の電波吸収体。
3.さらに中空粒子を全体積の10体積%以下含む、1又は2に記載の電波吸収体。
4.前記炭素繊維の平均長さが100~4000μmである、1~3のいずれかに記載の電波吸収体。
5.前記樹脂が下記式(1)で表されるオルガノシロキサン構造を有する、1~4のいずれかに記載の電波吸収体。
【化1】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。)
6.さらにカーボン粒子を全体積の10体積%以下含む、1~5のいずれかに記載の電波吸収体。
7.75GHz~105GHzの周波数領域全体における電波の吸収量が30%以上である、1~6のいずれかに記載の電波吸収体。
8.1~7のいずれかに記載の電波吸収体と、
前記電波吸収体の、炭素繊維が偏在する面側に、電波反射体と、を積層して含み、
前記電波吸収体の厚さが200~500μmである、電波吸収構造体。
9.75GHz~105GHzの周波数領域全体における電波の吸収量が30%以上である、8に記載の電波吸収構造体。
10.下記式(1)で表されるオルガノシロキサン構造を有する樹脂と、炭素繊維と、中空粒子と、カーボン粒子と、を含み、
前記炭素繊維の固形分に占める含有量が2体積%以下であり、
前記中空粒子の固形分に占める含有量が10体積%以下であり、
前記カーボン粒子の固形分に占める含有量が10体積%以下である、電波吸収体用組成物。
【化2】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。)
【0009】
本開示の技術によれば、高い電波吸収特性を有し、かつ薄い電波吸収体を提供することができる。また、該電波吸収体を含む電波吸収構造体、電波吸収体用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示技術の一実施形態に係る電波吸収体の概略断面図である。
図2】本開示技術の一実施形態に係る電波吸収構造体の概略断面図である。
図3】実施例1及び比較例1で作製した電波吸収体の複素誘電率の相違を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[電波吸収体]
本開示技術の一実施形態に係る電波吸収体は、樹脂と、炭素繊維とを含む。そして、第一の面から全厚の半分までの領域内に、全炭素繊維の60~90体積%が存在する。
図1は、本開示技術の一実施形態に係る電波吸収体の概略断面図である。電波吸収体1は、樹脂と炭素繊維を含む、厚さTのシートである。第一の面11と第二の面12の間の距離、すなわち厚さはTである。本実施形態では、第一の面11から全厚Tの半分(厚さt=0.5T)までの領域A内に、全炭素繊維の60~90体積%が存在する。すなわち、第二の面12側の領域Bよりも、第一の面11側の領域Aに炭素繊維が偏在している。なお、水平方向(電波が当たる面方向)においては、粗密の偏り無く均一に炭素繊維が分散している。
炭素繊維を第一の面11側に偏在させることにより、同量の炭素繊維を均一に分散させた場合と比べ、電波吸収性を向上することができる。
電波吸収体1の領域Aにおける炭素繊維の割合が低いと炭素繊維間のネットワークがうまく形成できず、電波吸収体1の誘電率が低くなる。また、炭素繊維が沈降し領域Aに偏在しすぎると、電波吸収体1は適切な誘電率から外れてしまう。
【0012】
領域Aに存在する炭素繊維の割合(体積%)は、試料をマイクロフォーカスX線CT装置にて測定後、画像解析ソフトにて3D像を再構成し、樹脂と炭素繊維のX線吸収係数の違いによる画像データのコントラストを元に、炭素繊維を3次元的に抽出することにより決定する。詳細は実施例に記載する。
【0013】
領域Aに存在する炭素繊維の割合は65~90体積%が好ましく、特に、66~90体積%であることが好ましい。
以下、電波吸収体の構成部材等について説明する。
【0014】
<樹脂>
本実施形態で使用する樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で使用することができ、また、2種以上を組合わせて使用することもできる。
樹脂の種類に応じて、適切な硬化剤を用いることが好ましい。
【0015】
一実施形態において、電波吸収体の誘電率の調整が容易であることから、オルガノシロキサン構造を有する樹脂が好ましい。オルガノシロキサン構造としては、例えば、下記式(1)で表される構造が挙げられる。
【化3】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。)
【0016】
式(1)中、R及びRがそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。R及びRがそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下同様である。)、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R及びRがそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。R及びRがそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0017】
及びRとしては、好ましくは、いずれも水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基であり、いずれもメチル基であることがより好ましい。
【0018】
オルガノシロキサン構造を有する樹脂としては、ポリジメチルシロキサン等のポリオルガノシロキサンが挙げられる。
一実施形態において、オルガノシロキサン構造を有する樹脂は、上記式(1)で表される構造と、他の構造とを有する、共重合体が好ましい。共重合体とすることにより、電波吸収体の製造時における粘度調整が容易となる場合がある。
【0019】
上記式(1)で表される構造と他の構造とを有する、共重合体としては、例えば、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体がある。
共重合体が有するポリカーボネート構造としては、下記式(2)で表される構造が挙げられる。
【化4】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7~15のアリールアルキレン基、炭素数7~15のアリールアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO-、-O-又は-CO-を示す。)
【0020】
式(2)中、R及びRがそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
及びRがそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R及びRがそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
【0021】
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1~5のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5~10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシリデン基、2-アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5~10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5~8のシクロアルキリデン基がより好ましい。Xが表すアリールアルキレン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基等の環形成炭素数6~14のアリール基が挙げられる。Xが表すアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基等の環形成炭素数6~14のアリール基が挙げられる。
【0022】
a及びbは、それぞれ独立に0~4の整数を示し、好ましくは0~2、より好ましくは0又は1である。中でも、a及びbが0であり、Xが単結合又は炭素数1~8のアルキレン基であるもの、又はa及びbが0であり、Xがアルキリデン基、特にイソプロピリデン基であるものが好適である。
【0023】
ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の詳細は、例えば、WO2019/131973を参照できる。
【0024】
<炭素繊維>
炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維及びPAN系炭素繊維のいずれも使用できる。炭素繊維は1種を単独で使用してもよく、また、2種以上を混合して使用してもよい。
【0025】
一実施形態において、電波吸収体全体に対する炭素繊維の含有量は2体積%以下である。本実施形態の電波吸収体は、炭素繊維を偏在させることにより、従来よりも少量の炭素繊維で効率よく電波吸収性能を発現できる。炭素繊維の含有量は1.8体積%以下であってもよく、1.5体積%以下であってもよい。また、炭素繊維の含有量は0.5体積%以上であってもよく、0.8体積%以上であってもよい。
【0026】
炭素繊維の平均長さは、100μm~4000μmが好ましい。該範囲であれば、少量の炭素繊維で高い吸収特性が得られる。炭素繊維の平均長さは、150μm以上であってもよく、200μm以上であってもよい。
ここで平均長さとは、無作為に選択した25本の炭素繊維の長さを、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した、その平均値である。
なお、平均長さは電波吸収体の製造時における炭素繊維(原料)の平均長さである。製造後の電波吸収体内における炭素繊維の平均長さも前記範囲にあることが好ましい。
【0027】
<任意成分>
一実施形態において、電波吸収体は中空粒子を含有することが好ましい。中空粒子は炭素繊維との密度差が大きいため、樹脂に添加することにより、炭素繊維の厚み方向での偏在を形成しやすくする。
中空粒子としては、例えば、セラミックバルーン、ガラスバルーン、シラスバルーンが挙げられる。
【0028】
中空粒子の平均直径(d50:メジアン径)は、炭素繊維の平均長さの1/2以下であることが好ましい。より好ましくは炭素繊維の平均長さの1/3以下である。なお、中空粒子の平均直径は、JIS Z 8819-1:1999に基づく値である。
【0029】
中空粒子の耐圧強度は8Mpa以上が好ましい。中空粒子の耐圧強度が低いと、樹脂との混合時等に割れが発生しやすいためである。中空粒子の耐圧強度は10Mpa以上であることがより好ましい。
なお、耐圧強度はASTM D3102-78に準拠したグリセロール法により測定される。
【0030】
電波吸収体全体に対する中空粒子の含有量は1体積%以上であってもよく、2体積%以上であってもよい。また、10体積%以下であってもよく、8体積%以下であってもよい。
【0031】
一実施形態において、電波吸収体はカーボン粒子を含有することが好ましい。これにより、適切な導電損失を得ることができ、電波を熱に変換し吸収能を得ることができる。
カーボン粒子としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
電波吸収体全体に対するカーボン粒子の含有量は0.1体積%以上であってもよく、0.2体積%以上であってもよい。また、10体積%以下であってもよく、5体積%以下であってもよく、3体積%以下であってもよい。
【0032】
本実施形態の電波吸収体は、課題を解決できる範囲内で公知の樹脂添加剤を含有することができる。公知の樹脂添加剤としては、熱、光、紫外線等に対する安定剤、滑剤、核剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、軟化剤、分散剤、酸化防止剤、色材等を挙げることができる。
上記公知の樹脂添加剤の合計含有割合は、前記電磁波吸収体の中の50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下である。
【0033】
<電波吸収体の製造>
本実施形態の電波吸収体は、例えば、上述した樹脂と、炭素繊維と、必要に応じて任意成分とを混合し、シート状に成形することにより製造できる。混合には必要により、ハイスピードディスパー、サンドグラインドミル、バスケットミル、三本ロール、ボールミル等、公知の分散用装置を用いてもよい。
混合時において、各種成分は所定量となるように、一度に又は分割して混合することができる。混合時における各成分の順序は特に制限はない。
【0034】
本実施形態の電波吸収体の製法例として、上述した各成分を、熱硬化性樹脂(硬化前の液状体)又は樹脂を溶剤に溶解させた溶液に混合し、混合液をキャスト成膜、アプリケータ成膜等により、所望の厚みのシート状に形成し、加熱する方法が挙げられる。本方法では、加熱前の混合液の静置時間により炭素繊維の偏在状態を制御することができる。混合液の静置時間及び加熱時間は、用いる樹脂や樹脂溶液の粘度、使用溶剤等を考慮して適宜調整することができる。
混合液の固定分濃度は、電波吸収体の最大吸収能が得られる周波数に対し適切な膜厚を得るよう決められ、80質量%以下、5質量%以上が好ましい。
【0035】
本実施形態において、電波吸収体の厚さ(図1のT)は200~500μmであることが好ましい。本実施形態では、炭素繊維を偏在させることにより、従来よりも少量の炭素繊維で効率よく電波吸収性能を発現できる。したがって、厚さを従来よりも薄くできる。電波吸収体の厚さは400μm以下であってもよく、350μm以下であってもよい。
【0036】
[電波吸収構造体]
本開示技術の一実施形態に係る電波吸収構造体は、上述した本開示の電波吸収体と、該電波吸収体の、炭素繊維が偏在する面側に、電波反射体と、を積層して含む。
図2は、本開示技術の一実施形態に係る電波吸収構造体の概略断面図である。電波吸収構造体2は、電波反射体21の一面に電波吸収体1を積層して形成した構造を有する。この際、炭素繊維が偏在している領域A側を電波反射体21に形成する。これにより、同量の炭素繊維を均一に分散させた場合と比べ、電波吸収性を向上することができる。
【0037】
電波反射体は、金属板、金属箔、金属膜等、電波を透過せず反射する性質を有していれば特に限定されない。なお、電波吸収体と電波反射体の間に一般的な粘着層等の樹脂層が形成されても良い。
電波吸収構造体は、例えば、電波吸収体1を電波反射体21上に直接成膜する方法や、電波吸収体1に電波反射体21を貼り付けることにより製造することができる。
【0038】
なお、図2ではシート状の電波吸収構造体を例示したが、本実施形態の電波吸収構造体はシート等の平面体に限定されず、使用部位に合わせて適宜成形することができる。
【0039】
本開示の電波吸収体及び電波吸収構造体は、75GHz~105GHzの周波数領域全体において、高い電波吸収性能を有する。具体的には、75GHz~105GHzの周波数領域全体における電波の吸収量を30%以上とすることができる。
特に、長距離を検知できるミリ波レーダーの周波数領域(75~80GHz)において、電波の吸収量を30%以上、50%以上又は60%以上にすることも可能である。
【0040】
[電波吸収体用組成物]
本開示の電波吸収体用組成物は、下記式(1)で表されるオルガノシロキサン構造を有する樹脂と、炭素繊維と、中空粒子と、カーボン粒子と、を含む。そして、前記炭素繊維の固形分に占める含有量が2体積%以下であり、前記中空粒子の固形分に占める含有量が10体積%以下であり、前記カーボン粒子の固形分に占める含有量が10体積%以下である。
【化5】
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。)
【0041】
本実施形態の電波吸収体用組成物における具体的な構成部材、配合、好適例等は、上述した電波吸収体と同様である。また、本実施形態の電波吸収体用組成物は、課題を解決できる範囲内で公知の樹脂添加剤を含有することができる。
本実施形態の電波吸収体用組成物は、さらに溶剤を含んでいてもよい。溶剤を含む場合、組成物の固定分濃度は80質量%以下が好ましく、また、5質量%以上が好ましい。溶剤は特に限定されないが、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、これらの混合溶媒が使用できる。
【実施例
【0042】
以下、実施例に基づいて本開示技術をさらに具体的に説明するが、本開示技術はこれらの実施例に限定されない。
なお、下記において、温度条件や圧力条件について特に記載されていない操作は、温度条件は常温(通常25℃)付近、圧力条件は常圧(通常0.1013MPa)で行った。
【0043】
実施例1
シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン:ダウ・東レ株式会社製、Silpot184(登録商標)の主材)98.9体積%(硬化後)、及び炭素繊維(ミドルファイバー、日本グラファイトファイバー(株)製、XN-100-25M、平均長さ250μm)1.1体積%を、自転公転式ミキサー(あわとり練太朗 ARE-310)を使用して、2000rpmで2分間撹拌混合した。
得られた混合液に、上記主材10に対し、Silpot184(登録商標)の硬化剤を1(体積比)添加し、さらに、2000rpmで2分間撹拌混合し、その後、2000rpmで2分間脱泡した。
脱泡した混合液を10cm角のアルミ容器に流し込み、50分間静置した。その後、アルミ容器をホットプレートにて100℃で40分間加熱し、硬化させ、硬化物(キャストフィルム)をアルミ容器から剥がすことにより、電波吸収体を作製した。
実施例1では、混合液を50分間静置することにより、炭素繊維を下部に偏在させている。
【0044】
実施例2
混合液の配合を表1に示すように変更し、硬化物(キャストフィルム)をアルミ容器から剥がさずに、アルミと硬化物の積層体とした他は、実施例1と同様にして電波吸収構造体を作製した。
【0045】
実施例3~6
混合液の配合を表1に示すように変更した他は、実施例1と同様にして電波吸収体を作製した。実施例3、5及び6では、実施例2と同様に、硬化物をアルミ容器から剥がさずに、アルミと硬化物の積層体からなる電波吸収構造体を作製した。
【0046】
実施例7~11
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びシクロペンチルメチルエーテル(CPME)の混合溶媒(NMP:DMF:CPME=10.3:3.5:1.0/重量比)に、表1及び表2に示す体積率(混合溶媒を除く)で各成分を添加し、混合、撹拌して、混合液とした。
混合液を10cm角のアルミ容器に流し込み、20分間静置した。その後、アルミ容器をホットプレートにて140℃で60分間加熱し、混合液を乾固させることにより、硬化物(キャストフィルム)である電波吸収体を作製した。
実施例7~11では、混合液を20分間静置することにより、炭素繊維を下部に偏在させることができ、実施例1よりも短時間であった。
実施例9では、電波吸収体を、電波反射体となるアルミ板の上に積層して電波吸収構造体を作製した。
【0047】
比較例1
表1に示す体積率で各成分を添加し、実施例1と同様にして混合液を調製した。混合液を10cm角のアルミ容器に流し込み、アルミ容器を静置することなく、ホットプレートにて100℃で40分間加熱し、硬化させ、硬化物(キャストフィルム)をアルミ容器から剥がすことにより、電波吸収体を作製した。
【0048】
比較例2~5
混合液の配合を表1に示すように変更した他は、実施例1と同様にして電波吸収体を作製した。
【0049】
比較例6
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びシクロペンチルメチルエーテル(CPME)の混合溶媒(NMP:DMF:CPME=10.3:3.5:1.0/重量比)に、表2に示す体積率(混合溶媒を除く)で各成分を添加し、混合、撹拌して、混合液とした。
混合液を10cm角のアルミ容器に流し込み、60分間静置した。その後、アルミ容器をホットプレートにて140℃で60分間加熱し、硬化させ、硬化物(キャストフィルム)をアルミ容器から剥がすことにより、電波吸収体を作製した。
【0050】
実施例及び比較例で作製した電波吸収体及び電波吸収構造体について、電波吸収体の下部領域(図1の領域A)50%に含まれる炭素繊維の割合、及び電波吸収特性を測定した。
【0051】
<電波吸収体の下部領域50%に含まれる炭素繊維の割合の測定方法>
電波吸収体を8mm×20mm角に切り出し試料とした。試料をマイクロフォーカスX線CT装置(Bruker社製、SkyScan2211)で測定した後、画像解析ソフト(ラトックシステムエンジニアリング株式会社製、TRI/3D-VIE)にて3D像を再構成し、樹脂と添加物(炭素繊維)のX線吸収係数の違いによる画像データのコントラストを元に、炭素繊維を3次元的に抽出した。抽出した炭素繊維の繊維長分布を解析し体積換算して体積濃度(vol%)を算出した。
【0052】
<電波吸収特性>
電波吸収特性の測定は、自由空間法にて実施した。
・使用機器:PNAマイクロ波ネットワークアナライザN5227(キーサイト・テクノロジー社製)
・試験条件
雰囲気:大気中
温度:室温
周波数:75GHz~105GHz(表1)
照射角度:垂直
測定結果を表1及び表2に示す。


【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
使用材料は下記のとおりである。
(樹脂)
・PDMS:シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン:ダウ・東レ株式会社製、Silpot184(登録商標))
・樹脂A:後述する製造例2で製造したポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体
・樹脂B:後述する製造例3で製造したポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体
(炭素繊維)
・ミドルファイバー(日本グラファイトファイバー(株)製)
平均長さ 150μm(XN-100-15M)
平均長さ 250μm(XN-100-25M)
平均長さ 3000μm(XN-100-03Z)
(中空粒子)
・中空ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ(株)製 Q-CEL 7040S)
(電波反射体)
・アルミ板(10cm角、厚さ2mm)
(その他)
・カーボン粒子(アセチレンブラック、デンカ(株)製、デンカブラック(プレス100%))
【0055】
表1及び表2から、実施例は全ての周波数において吸収特性量30%以上の高い吸収特性が得られることが確認できる。一方、比較例1は実施例1と同じ成分であるにも関わらず、全ての周波数において電波吸収量は30%未満となってしまった。これは電波吸収体の下部領域における炭素繊維の割合が51体積%と低いため、炭素繊維間のネットワークがうまく形成できず、電波吸収体の誘電率が低くなったことが要因と考えられる。
【0056】
図3に、実施例1及び比較例1で作製した電波吸収体の複素誘電率(@76GHz)を示す。このように、複素誘電率が大きく異なることが確認できる。
比較例2、3及び5は、炭素繊維を含まないため、全ての周波数において電波吸収量は30%未満となった。
比較例4では、電波吸収体の下部領域における炭素繊維の割合が52体積%と低いため、炭素繊維間のネットワークがうまく形成できず、電波吸収体の誘電率が低くなったことが要因と考えられる。
比較例6では、電波吸収特性の測定を行った結果、全ての周波数において電波吸収量は30%以上とはならなかった。混合液の静置時間が長く、炭素繊維が沈降し、第一の面に偏在しすぎたため、電波吸収体が適切な誘電率から外れてしまったことが要因と考えられる。
【0057】
[樹脂A及びB(ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体)の製造]
製造例1
(ポリカーボネートオリゴマーの製造)
5.6質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、亜ジチオン酸ナトリウムを、後で溶解させるビスフェノールA(BPA)に対して2000質量ppm加えた。次に、上記水溶液に濃度が13.5質量%となるようにBPAを溶解させて、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
得られたBPAの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr、塩化メチレンを15L/hr、及びホスゲンを4.0kg/hrの流量で、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に導入した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通すことにより反応液の温度を40℃以下に保った。
【0058】
管型反応器を通過した反応液を、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入した。該槽型反応器に、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8L/hr、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を0.07L/hr、水を17L/hr、及び、1質量%のトリエチルアミン水溶液を0.64L/hrの流量で導入し反応させた。
槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取することにより、ポリカーボネートオリゴマー溶液を得た。ポリカーボネートオリゴマーの濃度は341g/Lであり、クロロホーメート基濃度は、0.71mol/Lであった。
【0059】
製造例2
(樹脂Aの製造)
バッフル板及び撹拌翼付のメカニカルスターラーを備えた1Lのセパラブルフラスコに、上記製造例1で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液(PCO)185mL、塩化メチレン445mL、平均鎖長nが37のアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン55g、及びトリエチルアミン(TEA)0.104mL(0.75mmol)を仕込んだ。撹拌下、水酸化ナトリウム水溶液A(1.0g(26.2mmol)のNaOHを、12mLのイオン交換水に溶解させた水溶液)を加え、20分間重合させた。
【0060】
得られた重合液に、p-tert-ブチルフェノール(PTBP:DIC株式会社製)の塩化メチレン溶液9.8g[PTBP:1.8g(12.1mmol)を塩化メチレン6mLに溶解したもの]、水酸化ナトリウム水溶液C(9.3g(32.0mmol)のビスフェノールA、6.8g(170.5mmol)のNaOH及び0.031g(0.20mmol)のNaを、100mLのイオン交換水に溶解させた溶液)を添加し、20分間重合させた。
【0061】
重合終了後、重合液を分液漏斗に移し静置し、有機相と水相とに分離させた。有機相を別の分液漏斗に移し、0.03mol/LのNaOH水溶液100mLと、0.2mol/Lの塩酸100mLで、順次洗浄した。その後、洗浄後の水相中の電気伝導度が10μS/m以下になるまで、イオン交換水による洗浄を繰り返した。
洗浄後の有機相をバットに移し、防爆乾燥機(窒素雰囲気下)にて48℃で一晩乾燥してシート状とし、シートを裁断することにより、フレーク状のPC-POS共重合体(樹脂A)を得た。
【0062】
製造例3
(樹脂Bの製造)
バッフル板及び撹拌翼付のメカニカルスターラーを備えた1Lのセパラブルフラスコに、上記製造例1で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液(PCO)185mL、塩化メチレン445mL、平均鎖長nが37のアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン77g、及びトリエチルアミン(TEA)0.104mL(0.75mmol)を仕込んだ。攪拌下、水酸化ナトリウム水溶液A(2.1g(52.5mmol)のNaOHを24mLのイオン交換水に溶解させた水溶液)を加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSを重合させた。
【0063】
得られた重合液に、p-tert-ブチルフェノール(PTBP:DIC株式会社製)の塩化メチレン溶液[PTBP:1.8g(12.0mmol)を塩化メチレン10mLに溶解したもの]、水酸化ナトリウム水溶液C(7.6g(33.4mmol)のビスフェノールA、5.8g(144.3mmol)のNaOH及び0.015g(0.1mmol)のNaを、84mLのイオン交換水に溶解させた溶液)を添加し20分間重合させた。
【0064】
重合終了後、反応液を分液漏斗に移し静置し、有機相と水相とに分離させた。有機層を別の分液漏斗に移し、0.03mol/LのNaOH水溶液100mLと、0.2mol/Lの塩酸100mLで、順次洗浄した。その後、洗浄後の水相中の電気伝導度が10μS/m以下になるまでイオン交換水による洗浄を繰り返した。
洗浄後の有機層をバットに移し、防爆乾燥機(窒素雰囲気下)にて48℃で一晩乾燥してシート状とし、シートを裁断することにより、フレーク状のPC-POS共重合体(樹脂B)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示の電波吸収体は、ミリ波領域の電波を吸収する部材として、車両、土木構造物、建築物、港湾設備、船舶設備、橋梁、電力設備、通信設備、機械設備等に使用することができる。具体的に、船舶、航空機、車両等に使用するミリ波レーダー装置、電気・電子機器等に使用される電波吸収遮蔽部材として好適である。また、道路のガードレール,トンネル内壁やスマートシティ等の交通インフラ環境における不要電波吸収遮蔽部材として好適である。
【0066】
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献、及び本願のパリ条約による優先権の基礎となる出願の内容を全て援用する。
図1
図2
図3