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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】配線部品
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/25 20160101AFI20250408BHJP
   G01K 1/14 20210101ALI20250408BHJP
【FI】
H02K11/25
G01K1/14 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021114426
(22)【出願日】2021-07-09
(65)【公開番号】P2023010348
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福地 圭介
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/216405(WO,A1)
【文献】特開2013-219961(JP,A)
【文献】特開2021-035298(JP,A)
【文献】特開2005-130667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/25
G01K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機におけるステータのコイルエンドと、前記回転電機の端子台の電極とを接続する配線部品であって、
一端部が前記ステータの前記コイルエンドと接続され、他端部が前記端子台の前記電極と接続される複数本の導電線と、
前記回転電機の温度を検出するための温度センサと、
前記温度センサを、前記複数本の導電線のうち少なくとも1本に固定する固定用部材と、を備え、
前記温度センサは、温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子の周囲を覆うパッケージと、を有し、
前記温度センサは、前記パッケージの少なくとも一部が、前記ステータの軸方向において、前記ステータのステータコアと対向するように設けられ
前記温度センサは、前記温度検出素子の少なくとも一部が、前記温度センサを固定している前記導電線と前記ステータコアとの間に位置するように設けられている、
配線部品。
【請求項2】
前記固定用部材が、前記ステータコアに接触している、
請求項1に記載の配線部品。
【請求項3】
前記パッケージが、前記ステータコアに接触している、
請求項1に記載の配線部品。
【請求項4】
前記固定用部材と前記ステータコアとの間に設けられた緩衝材を備え、
前記固定用部材が、前記緩衝材を介して前記ステータコアに接触している、
請求項1に記載の配線部品。
【請求項5】
前記パッケージと前記ステータコアとの間に設けられた緩衝材を備え、
前記パッケージが、前記緩衝材を介して前記ステータコアに接触している、
請求項1に記載の配線部品。
【請求項6】
前記固定用部材は、前記導電線の一部と前記温度センサの少なくとも一部とを覆うように設けられたモールド樹脂からなる、
請求項1乃至の何れか1項に記載の配線部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機の温度を検出するための温度センサを一体に備えた温度センサ付きの配線部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータや発電機などの回転電機におけるステータのコイルエンドと、回転電機の端子台の電極とを接続する配線部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の配線部品では、回転電機の過熱による損傷を防ぐため、回転電機の温度を検出する温度センサが一体に備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-67584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の配線部品では、ステータのコイルエンドと端子台の電極とを接続する導電線(動力線)の温度を温度センサにより測定しており、回転電機の温度を間接的に測定する構成となっている。回転電機の過熱による損傷をより確実に防ぐため、回転電機の温度をより精度よく検出することが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、回転電機の温度をより精度よく検出可能な温度センサ付きの配線部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、回転電機におけるステータのコイルエンドと、前記回転電機の端子台の電極とを接続する配線部品であって、一端部が前記ステータの前記コイルエンドと接続され、他端部が前記端子台の前記電極と接続される複数本の導電線と、前記回転電機の温度を検出するための温度センサと、前記温度センサを、前記複数本の導電線のうち少なくとも1本に固定する固定用部材と、を備え、前記温度センサは、温度を検出する温度検出素子と、前記検出部の周囲を覆うパッケージと、を有し、前記温度センサは、前記パッケージの少なくとも一部が、前記ステータの軸方向において、前記ステータのステータコアと対向するように設けられている、配線部品を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回転電機の温度をより精度よく検出可能な温度センサ付きの配線部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る配線部品をモータに取り付けた際の側面図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る配線部品をモータに取り付けた際の斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る配線部品を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は温度センサの固定部分を拡大した斜視図である。
図4】(a)は温度センサの平面図であり、(b)は温度センサとリード線カバーとを示す斜視図である。
図5】温度センサの固定位置の変形例を示す斜視図である。
図6】(a)は、本発明の一実施の形態における温度センサ、固定用部材、及びステータコアの位置関係を示す図であり、(b)はその変形例である。
図7】(a),(b)は、本発明の一変形例における温度センサ、固定用部材、及びステータコアの位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る配線部品をモータに取り付けた際の側面図であり、図2はその斜視図である。図3は、本実施の形態に係る配線部品を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は温度センサの固定部分を拡大した斜視図である。
【0012】
図1乃至3に示すように、配線部品1は、回転電機としてのモータ10におけるステータ(固定子)11のコイルエンド112aと、モータ10の端子台12の電極12aとを接続するためのものである。ステータ11は、軟磁性金属からなる円筒状のステータコア111と、複数のコイル片から構成されたステータコイル(固定子巻線)112とを有しており、このステータコイル112のコイルエンド112aが、配線部品1を介して端子台12の電極12aと電気的に接続されている。図示していないが、ステータ11内にはロータ(回転子)が配置される。モータ10は、例えば車両の走行用の駆動源として用いられる三相交流モータである。
【0013】
以下の説明では、ステータ11の中心軸に沿った方向、すなわち、ステータ11内に配置されたロータの回転軸に沿った方向を軸方向という。また、以下の説明では、説明の便宜上、ステータコア111の軸方向両側のうち、配線部品1が配置された側を上側といい、その反対側を下側という。ただし、この上側及び下側は、車両に搭載された状態における鉛直方向の上下を特定するものではない。
【0014】
配線部品1は、一端部がステータ11のコイルエンド112aと接続され、他端部が端子台12の電極12aと接続される複数本の導電線2を備えている。本実施の形態では、U相、V相、及びW相に対応した3本の導電線21~23が備えられている。但し、導電線2の本数はこれに限らず、例えば、U相、V相、及びW相のそれぞれの相毎に2本ずつの導電線2が備えられていてもよい。
【0015】
なお、モータ用の配線部品としては、導電線が環状に形成された所謂バスリングが知られているが、本実施の形態に係る配線部品1は、バスリングとは異なり、導電線2が環状に形成されていない非環状の配線材である。また、各導電線2は、自身の形状を保持できる程度に剛性が高い。また、各導電線2は、その長手方向に垂直な断面形状が円形状に形成されている。
【0016】
各導電線2は、それぞれが銅や銅合金等の導電性金属からなる導電体と、導電体の表面を被覆するエナメル被膜等の電気絶縁性の被覆層と、を有している。各導電線2の導電体は、単線(撚線ではない単一の金属導体)であり、本実施の形態では、断面円形状の丸単線がプレス加工により所定の形状に屈曲され成形されている。ただし、断面矩形状の平角単線により導電体を形成してもよい。
【0017】
各導電線2の端子台12側の端部には、それぞれ端子3が設けられている。端子3は、端子台12の電極12aに接続される板部31と、導電線2の端部が共に加締められる加締め部32と、を一体に有している。板部31には、板部31を貫通するボルト穴31aが形成されており、このボルト穴31aに挿通されるボルト12bによって、端子台12の電極12aに板部31が接続される。
【0018】
各導電線2のコイルエンド112a側の端部(端子3と反対側の端部)では、所定の長さの範囲にわたって被覆層が除去され、導電体が露出した接続部4が設けられている。接続部4は、不活性ガスを用いたアーク放電による溶接方法の一種であるTIG(Tungsten Inert Gas)溶接により、対応するコイルエンド112aに溶接される。なお、接続部4におけるコイルエンド112aとの対向面は、プレス加工により平面状とされている。
【0019】
3本の導電線2は、保持部5によって一括して保持されている。保持部5は、各導電線2の一部を一括して覆い、全ての導電線2を連結した状態で保持するように構成されている。保持部5は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)からなる。なお、本実施の形態では、各導電線2を一括して保持する1つの保持部5を備える場合を示しているが、複数の保持部5を有していてもよく、また、複数の導電線2のうち一部のみを保持するように各保持部5が構成されていてもよい。さらに、本実施の形態では、保持部5は、モールド樹脂により構成されているが、保持部5は、別途成形した部品を取り付ける構成であってもよい。なお、モールド樹脂とは、射出成型(モールド)されてなる樹脂である。
【0020】
(温度センサ6)
配線部品1は、モータ10の温度を検出するための温度センサ6と、温度センサ6を、複数本の導電線2のうち少なくとも1本に固定する固定用部材7と、を備えている。
【0021】
図4(a)に示すように、温度センサ6は、温度を検出する温度検出素子61と、温度検出素子61の周囲を覆うパッケージ62と、を有している。温度検出素子61は、温度を電気信号に変換するサーミスタから構成される。パッケージ62は、1面が開口された略直方体の箱状に構成されており、その開口62aからパッケージ62内に温度検出素子61、及び温度検出素子61から延出されたリード線63の端部が挿入され収容されている。パッケージ62の内部には、例えばエポキシ樹脂からなる不図示の充填材が充填される。なお、温度センサ6の具体的な形状等については、図示のものに限定されない。
【0022】
本実施の形態では、固定用部材7は、導電線2の一部と温度センサ6の少なくとも一部とを覆うように設けられたモールド樹脂からなる。モールド樹脂からなる固定用部材7の成形時の樹脂の流れによりリード線63が断線しないように、パッケージ62におけるリード線63の延出部の周囲を覆うように、リード線カバー8が設けられている。
【0023】
図4(b)に示すように、リード線カバー8は、パッケージ62におけるリード線63の延出側の端部と、パッケージ62から延出されているリード線63の一部とを覆うように設けられている。本実施の形態では、パッケージ62の一部及びリード線63の一部を収容する溝811を有するカバー本体部81と、溝811を塞ぐようにカバー本体部81に固定されるカバー蓋部82とでリード線カバー8を構成したが、リード線カバー8の具体的な形状等は図示のものに限定されない。本実施の形態では、カバー本体部81に形成された突起81aをカバー蓋部82に形成された孔82aに嵌入することで、カバー蓋部82がカバー本体部81に固定されている。カバー本体部81の溝811は、パッケージ62を収容するパッケージ部811aと、リード線63を収容するリード線収容部811bと、パッケージ部811aとリード線収容部811bとをテーパ状に連結する連結部811cと、を有している。連結部811cをテーパ状とすることで、温度センサ6のパッケージ62における開口62aからパッケージ62の外部へと突出した充填剤を避けることができる。
【0024】
モールド樹脂からなる固定用部材7は、導電線21の一部と、リード線カバー8から露出している温度センサ6のパッケージ62全体と、リード線カバー8の一部とを一括して覆うように形成されている。固定用部材7を設けることで、リード線カバー8のカバー本体部81とカバー蓋部82とが固定される。例えば、固定用部材7を形成する際に、金型で直接リード線63を挟み込むと、リード線63が損傷してしまうおそれがあるが、本実施の形態では、金型でリード線カバー8を挟み込む構成とすることで、リード線63の金型との干渉による損傷を抑制している。
【0025】
固定用部材7は、保持部5と同様に、例えばPPSからなる。固定用部材7と保持部5とは、モールド樹脂により同時に(同じ金型を使用した一度の樹脂成形で)形成することができる。また、固定用部材7に用いる樹脂の融点は、温度センサ6のパッケージ62に用いる樹脂の融点以下とされる。これにより、固定用部材7のモールド樹脂時の熱によって、固定用部材7とパッケージ62とが溶融一体化した状態となっている。なお、固定用部材7と保持部5とは分離されている必要はなく、一体に構成されていてもよい。この場合、保持部5の一部が固定用部材7の役割を果たすことになる。
【0026】
なお、固定用部材7がモールド樹脂により構成されることは必須ではなく、例えば、別途形成した部品を取り付ける構成としてもよい。この場合、リード線カバー8は省略可能である。また、温度センサ6のリード線63は、保持部5に保持されていてもよい。例えば、保持部5に形成されたフック等に保持されてもよいし、モールド樹脂により導電線2と共に一括保持されていてもよい。これにより、リード線63の垂れ下がり等が抑制されて取扱い性が向上し、配線部品1の取り付け作業の作業性が向上する。なお、リード線63をモールド樹脂する場合、リード線63の周囲を覆うようにホルダを設け、リード線63を保護することが望ましい。
【0027】
本実施の形態では、保持部5から接続部4までの長さが最も長い導電線21に温度センサ6を固定している。これにより、温度センサ6の固定が容易になる。また、本実施の形態では、導電線21が直線状に延びる直線部分に温度センサ6を固定しているが、図5に示すように、導電線21を屈曲している屈曲部分に温度センサ6を固定するように構成してもよい。これにより、振動等の影響により固定用部材7及び温度センサ6が導電線21の長手方向に移動してしまうことが抑制される。
【0028】
本実施の形態に係る配線部品1では、温度センサ6は、パッケージ62の少なくとも一部が、ステータ11の軸方向において、ステータコア111と対向するように設けられている。換言すれば、ステータ11を軸方向から見たときに、ステータコア111と重なる位置に温度センサ6が設けられている。これにより、温度センサ6がステータコア111により近接して設けられることになり、モータ10の温度(回転電機の温度)をより精度よく検出することが可能になる。モータ10の温度をより精度よく検出するために、より好ましくは、温度センサ6は、温度検出素子61の少なくとも一部が、ステータ11の軸方向においてステータコア111と対向するように設けられているとよい。
【0029】
本実施の形態では、温度センサ6は、パッケージ62の少なくとも一部が、当該温度センサ6を固定している導電線21とステータコア111との間に位置するように設けられている。これにより、温度センサ6がよりステータコア111に近接した位置に設けられることになり、モータ10の温度をより精度よく検出可能となる。なお、これに限らず、温度センサ6は、当該温度センサ6を固定している導電線21とステータコイル112との間に設けられていてもよい。
【0030】
本実施の形態のように、導電線21とステータコア111との間に温度センサ6を設ける場合、温度センサ6のパッケージ62は、ステータコア111の表面(軸方向端面)に対して平行に設けられているとよい。また、ステータコア111の表面から温度センサ6のパッケージ62までの距離は、5mm以下であるとよい。
【0031】
図6(a)に示すように、固定用部材7は、ステータコア111に接触していてもよい。これにより、固定用部材7を介して温度センサ6で直接ステータコア111の温度を検出することが可能となり、モータ10の温度をより精度よく検出可能となる。ただし、この場合、振動により固定用部材7がステータコア111に繰り返し衝突し破損や異音が発生するおそれがあるため、ブラケット等の固定部材により固定用部材7をステータコア111に直接固定することが望ましい。固定部材の具体的な構造は特に限定するものではないが、例えば、固定用部材7の上部を係止するフックを有し、ボルト等によりステータコア111に固定されるものを用いることができる。
【0032】
さらに、図6(b)に示すように、固定用部材7とステータコア111との間に、緩衝材9を備えてもよい。この場合、固定用部材7が緩衝材9を介してステータコア111に接触することになる。緩衝材9としては、例えば、弾性を有するゴム材や、ジェル状の部材等を用いることができる。緩衝材9を備えることにより、温度センサ6をステータコア111に近づけてモータ10の温度の検出精度をより向上させつつも、固定用部材7や温度センサ6の振動による破損をより抑制できる。また、緩衝材9として熱伝導率の高いものを用いることで、ステータコア111の熱を温度センサ6に伝わりやすくして、モータ10の温度の検出精度をより向上できる。
【0033】
また、本実施の形態では、リード線カバー8を用いる場合を説明したが、図7(a)に示すように、パッケージ62の一部のみを覆うように固定用部材7を形成することで、リード線カバー8を省略することも可能である。
【0034】
さらに、図7(b)に示すように、パッケージ62のステータコア111側の面を露出させるように固定用部材7を形成してもよい。なお、本実施の形態では、固定用部材7とパッケージ62とが一体化されているため、パッケージ62が固定用部材7から脱落してしまうことはない。これにより、パッケージ62を直接ステータコア111に接触させる(あるいは緩衝材9を介してステータコア111に接触させる)ことが可能になり、モータ10の温度をより精度よく検出することが可能になる。このように、固定用部材7は、導電線2の一部と温度センサ6の少なくとも一部とを覆うように設けられていればよい。
【0035】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る配線部品1では、回転電機であるモータ10の温度を検出するための温度センサ6と、温度センサ6を、複数本の導電線2のうち少なくとも1本に固定する固定用部材7と、を備え、温度センサ6は、温度を検出する温度検出素子61と、温度検出素子61の周囲を覆うパッケージ62と、を有し、温度センサ6は、パッケージ62の少なくとも一部が、ステータ11の軸方向において、ステータ11のステータコア111と対向するように設けられている。
【0036】
このように構成することで、温度センサ6をよりステータ11に近接させて、モータ10の温度の検出精度をより向上させることが可能になる。また、温度センサ6を配線部品1に一体に設けることで、温度センサ6を取り付ける工程を省略でき、モータ10の製造時の作業を容易とし加工コストも低減できる。
【0037】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0038】
[1]回転電機におけるステータ(11)のコイルエンド(112a)と、前記回転電機の端子台(12)の電極(12a)とを接続する配線部品(1)であって、一端部が前記ステータ(11)の前記コイルエンド(112a)と接続され、他端部が前記端子台(12)の前記電極(12a)と接続される複数本の導電線(2)と、前記回転電機の温度を検出するための温度センサ(6)と、前記温度センサ(6)を、前記複数本の導電線(2)のうち少なくとも1本に固定する固定用部材(7)と、を備え、前記温度センサ(6)は、温度を検出する温度検出素子(61)と、前記温度検出素子(61)の周囲を覆うパッケージ(62)と、を有し、前記温度センサ(6)は、前記パッケージ(62)の少なくとも一部が、前記ステータ(11)の軸方向において、前記ステータ(11)のステータコア(111)と対向するように設けられている、配線部品(1)。
【0039】
[2]前記温度センサ(6)は、前記パッケージ(62)の少なくとも一部が、当該温度センサ(6)を固定している前記導電線(2)と前記ステータコア(111)との間に位置するように設けられている、[1]に記載の配線部品(1)。
【0040】
[3]前記温度センサ(6)は、前記温度検出素子(61)の少なくとも一部が、前記ステータ(11)の前記軸方向において前記ステータコア(111)と対向するように設けられている、[1]または[2]に記載の配線部品(1)。
【0041】
[4]前記固定用部材(7)または前記パッケージ(62)が、前記ステータコア(111)に接触している、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の配線部品(1)。
【0042】
[5]前記固定用部材(7)または前記パッケージ(62)と、前記ステータコア(111)との間に設けられた緩衝材(9)を備え、前記固定用部材(7)または前記パッケージ(62)が、前記緩衝材(9)を介して前記ステータコア(111)に接触している、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の配線部品(1)。
【0043】
[6]前記固定用部材(7)は、前記導電線(2)の一部と前記温度センサ(6)の少なくとも一部とを覆うように設けられたモールド樹脂からなる、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の配線部品(1)。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…配線部品
2…導電線
6…温度センサ
61…温度検出素子
62…パッケージ
7…固定用部材
8…リード線カバー
9…緩衝材
10…モータ(回転電機)
11…ステータ
111…ステータコア
112…ステータコイル
112a…コイルエンド
12…端子台
12a…電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7