(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】基板を保持するためのヘッドおよび基板処理装置
(51)【国際特許分類】
B24B 37/32 20120101AFI20250408BHJP
B24B 37/10 20120101ALI20250408BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20250408BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
B24B37/32 A
B24B37/32 Z
B24B37/10
H01L21/304 622G
H01L21/304 622W
C03C19/00 Z
(21)【出願番号】P 2020182844
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】柏木 誠
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-048149(JP,A)
【文献】特開2020-019115(JP,A)
【文献】特開2005-011999(JP,A)
【文献】特開2002-198339(JP,A)
【文献】特開2001-179605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00 - 37/34
H01L 21/304
C03C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形の基板を保持するためのヘッドであって、
多角形の基板の形状に対応する形状の基板支持面と、
基板支持面の各辺の外側に配置されるリテーナ部材と、
前記リテーナ部材を支持するリテーナガイドと、
を備え、
前記リテーナ部材と前記リテーナガイドとは、ボルトにより固定されており、
前記リテーナ部材は、前記基板支持面に垂直な方向に延びる係合面を有し、
前記リテーナ部材の前記係合面は、前記リテーナガイドに係合しており、
前記リテーナ部材の前記係合面は、前記ヘッドの中心からみて前記ボルトより内側に配置され
、
前記リテーナ部材は、前記リテーナガイドの方向に向かって突出する凸部を備え、前記凸部が前記係合面を備える、
ヘッド。
【請求項2】
請求項
1に記載のヘッドであって、
前記リテーナ部材の前記係合面は、前記ヘッドの中心からみて前記リテーナガイドの内側の側面に係合している、
ヘッド。
【請求項3】
請求項1
または2に記載のヘッドであって、
前記リテーナ部材は、第1層と第2層とを有し、前記第1層と前記第2層とは異なる材料で形成されている、
ヘッド。
【請求項4】
多角形の基板を保持するためのヘッドに使用されるリテーナ部材であって、
前記リテーナ部材は板状の部材を有し、
前記リテーナ部材は、板面に垂直な方向に延びる係合面を有し、
前記リテーナ部材の前記係合面は、前記リテーナがヘッドに取り付けられたときに、前記リテーナ部材を支持するリテーナガイドに係合するように構成されており、
前記リテーナ部材は、前記リテーナガイドにボルトで固定するためのボルト穴を有し、
前記リテーナ部材の前記係合面は、前記ヘッドの中心からみて前記ボルト穴より内側に配置され
、
前記リテーナ部材は、前記リテーナガイドの方向に向かって突出する凸部を備え、前記凸部が前記係合面を備える、
リテーナ部材。
【請求項5】
請求項
4に記載のリテーナ部材であって、
前記板状の部材は、第1層と第2層とを有し、前記第1層と前記第2層とは異なる材料で形成されている、
リテーナ部材。
【請求項6】
多角形の基板を処理する基板処理装置であって、
請求項1から4のいずれか一項に記載のヘッドと、
研磨パッドを支持するための研磨テーブルと、を有する、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、基板を保持するためのヘッドおよび基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造に、基板の表面を平坦化するために化学機械研磨(CMP)装置が使用されている。半導体デバイスの製造に使用される基板は、多くの場合、円板形状である。また、半導体デバイスに限らず、CCL基板(Copper Clad Laminate基板)やPCB(Printed Circuit Board)基板、フォトマスク基板、ディスプレイパネルなどの四角形の基板の表面を平坦化する際の平坦度の要求も高まっている。また、PCB基板などの電子デバイスが配置されたパッケージ基板の表面を平坦化することへの要求も高まっている。
【0003】
また、円形の半導体基板は規格(たとえばSEMI規格)により寸法が定まっているが、上述のCCL基板(Copper Clad Laminate基板)やPCB(Printed Circuit Board)基板、フォトマスク基板、ディスプレイパネルなどの四角形の基板は、規格などにより寸法が決まっていないので、様々な寸法の基板が存在し得る。近年、デバイスの製造効率の点から基板の寸法が大きくなる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-179015号公報
【文献】米国特許第6019670号明細書
【文献】特開2020-019115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CMPにより四角形の基板を研磨する場合、研磨ヘッドにより基板を保持し、研磨テーブル上に支持された研磨パッドに基板を押し付け、研磨ヘッドおよび研磨テーブルを回転させて基板を研磨する。研磨中に基板が研磨ヘッドから飛び出さないように、リテーナ部材により基板をヘッド内の所定の位置に保持することがある。研磨中には、四角形の基板の側面がリテーナ部材に衝突することがある。四角形の基板は寸法が大きく重量があることがあり、基板がリテーナ部材に衝突すると、リテーナ部材の取り付け機構に悪影響を与えることがある。そこで、本願は、基板がリテーナ部材に衝突したときにリテーナ部材の取り付け機構にあたえるリスクを軽減する構造を提供することを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、多角形の基板を保持するためのヘッドが提供され、かかるヘッドは、多角形の基板の形状に対応する形状の基板支持面と、基板支持面の各辺の外側に配置されるリテーナ部材と、前記リテーナ部材を支持するリテーナガイドと、前記リテーナ部材は、前記基板支持面に垂直な方向に延びる係合面を有し、前記リテーナ部材の前記係合面は、前記リテーナガイドに係合している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
【
図2】一実施形態による研磨モジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】一実施形態によるヘッドの詳細な構造を示す断面図である。
【
図4】一実施形態による、ヘッドを研磨テーブル側から見た図である。
【
図5】
図3に示される断面図のリテーナ部を拡大して示す断面図である。
【
図6】
図3に示される断面図のリテーナ部を拡大して示す断面斜視図である。
【
図7】一実施形態による、下部ハウジングを上から見た平面図である。
【
図8】一実施形態による、リテーナ部材を上方(リテーナガイド側)から見た概略図である。
【
図9】
図8に示されるリテーナ部材の単体の部分断面図である。
【
図10】
図8に示される矢印BB-BBの方向から見た部分断面図である。
【
図11】一実施形態による、リテーナ部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明に係るヘッドおよびヘッドを備える基板処理装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0009】
図1は、一実施形態による基板処理装置1000の全体構成を示す平面図である。
図1に示される基板処理装置1000は、ロードモジュール100、搬送モジュール200、研磨モジュール300、乾燥モジュール500、およびアンロードモジュール600を有する。図示の実施形態において、搬送モジュール200は、2つの搬送モジュール200A、200Bを有し、研磨モジュール300は、2つの研磨モジュール300A、300Bを有する。一実施形態において、これらの各モジュールは、独立に形成することができる。これらのモジュールを独立して形成することで、各モジュールの数を任意に組み合わせることで異なる構成の基板処理装置1000を簡易に形成することができる。また、基板処理装置1000は、制御装置900を備え、基板処理装置1000の各構成要素は制御装置900により制御される。一実施形態において、制御装置900は、入出力装置、演算装置、記憶装置などを備える一般的なコンピュータから構成することができる。
【0010】
<ロードモジュール>
ロードモジュール100は、研磨および洗浄などの処理が行われる前の基板WFを基板処理装置1000内へ導入するためのモジュールである。一実施形態において、ロードモジュール100は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202はローラシャフト204に取り付けられている。ローラシャフト204を介して搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板WFを所定の方向(
図1においては左方向)に搬送することができる。一実施形態において、ロードモジュール100は、IDリーダーを備え、受け入れた基板のIDを読み取るように構成してもよい。一実施形態において、ロードモジュール100は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサを備えてもよい。
【0011】
図示の実施形態において、ロードモジュール100の搬送機構は、複数の搬送ローラ202と、搬送ローラ202が取り付けられる複数のローラシャフト204とを有する。
図1に示される実施形態においては、各ローラシャフト204には3つの搬送ローラ202が取り付けられている。基板WFは、搬送ローラ202上に配置され、搬送ローラ202が回転することで基板WFが搬送される。ローラシャフト204上の搬送ローラ202の取り付け位置は、基板WFを安定的に搬送することができる位置であれば任意とすることができる。ただし、搬送ローラ202は基板WFに接触するので、処理対象である基板WFに接触しても問題の無い領域に搬送ローラ202が接触するように配置すべきである。一実施形態において、ロードモジュール100の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから構成することができる。一実施形態において、搬送ローラ202は、ローラシャフト204などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷する
ことを防止するためである。また、一実施形態において、ロードモジュール100に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。
【0012】
<搬送モジュール>
図1に示される基板処理装置1000は、2つの搬送モジュール200A、200Bを備えている。2つの搬送モジュール200A、200Bは同一の構成とすることができるので、以下において、一括して搬送モジュール200として説明する。
【0013】
図示の搬送モジュール200は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板WFを所定の方向に搬送することができる。搬送モジュール200の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから形成されても、導電性のないポリマーから形成されてもよい。搬送ローラ202は、ローラシャフト204に取り付けられており、ギアを介して、モータにより駆動される。一実施形態において、搬送モジュール200は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサを備えることができる。
【0014】
一実施形態において、搬送モジュール200は、搬送ローラ202上の基板を研磨モジュール300へ受け渡すための、また、研磨モジュール300から基板を受け取るための、受け渡し機構を備えることができる。受け渡し機構は、搬送ローラ202上の基板を持ち上げるプッシャ230とすることができる。プッシャ230については、たとえば、特開2020-019115号公報に開示されているプッシャと同様または類似のプッシャを利用することができる。
【0015】
一実施形態において、搬送モジュール200は、搬送ローラ202上を移動する基板を洗浄するための洗浄機構を有する。洗浄機構は、搬送ローラ202上を移動する基板に向けて洗浄液を噴射する洗浄ノズル284を備えることができる。洗浄ノズル284については、たとえば、特開2020-019115号公報に開示されている洗浄ノズルと同様または類似の洗浄ノズルを利用することができる。
【0016】
<研磨モジュール>
図2は、一実施形態による研磨モジュール300の構成を概略的に示す斜視図である。
図1に示される基板処理装置1000は、2つの研磨モジュール300A、300Bを備えている。2つの研磨モジュール300A、300Bは同一の構成とすることができるので、以下において、一括して研磨モジュール300として説明する。
【0017】
図2に示すように、研磨モジュール300は、研磨テーブル350と、研磨対象物である基板を保持して研磨テーブル350上の研磨面に押圧する研磨ヘッドを構成するヘッド302とを備えている。研磨テーブル350は、テーブル軸351を介してその下方に配置される研磨テーブル回転モータ(図示せず)に連結されており、そのテーブル軸351周りに回転可能になっている。研磨テーブル350の上面には研磨パッド352が貼付されており、研磨パッド352の表面352aが基板を研磨する研磨面を構成している。一実施形態において、研磨パッド352は、研磨テーブル350からの剥離を容易にするための層を介して貼り付けられてもよい。そのような層は、たとえばシリコーン層やフッ素系樹脂層などがあり、例えば特開2014-176950号公報などに記載されているものを使用してもよい。
【0018】
研磨テーブル350の上方には研磨液供給ノズル354が設置されており、この研磨液供給ノズル354によって研磨テーブル350上の研磨パッド352上に研磨液が供給されるようになっている。また、
図2に示されるように、研磨テーブル350およびテーブルシャフト351には、研磨液を供給するための通路353が設けられている。通路35
3は、研磨テーブル350の表面の開口部355に連通している。研磨テーブル350の開口部355に対応する位置において研磨パッド352は貫通孔357が形成されており、通路353を通る研磨液は、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357から研磨パッド352の表面に供給される。なお、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357は、1つであっても複数でもよい。また、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357の位置は任意であるが、一実施形態においては研磨テーブル350の中心付近に配置される。
【0019】
図2には示されていないが、一実施形態において、研磨モジュール300は、液体、又は、液体と気体との混合流体、を研磨パッド352に向けて噴射するためのアトマイザ358を備える(
図1参照)。アトマイザ358から噴射される液体は、例えば、純水であり、気体は、例えば、窒素ガスである。
【0020】
ヘッド302は、ヘッドシャフト18に接続されており、このヘッドシャフト18は、上下動機構319により揺動アーム360に対して上下動するようになっている。このヘッドシャフト18の上下動により、揺動アーム360に対してヘッド302の全体を上下動させ位置決めするようになっている。ヘッドシャフト18は、図示しないヘッド回転モータの駆動により回転するようになっている。ヘッドシャフト18の回転により、ヘッド302がヘッドシャフト18を中心にして回転するようになっている。なお、ヘッドシャフト18の上端にはロータリージョイント323が取り付けられている。
【0021】
なお、市場で入手できる研磨パッドとしては種々のものがあり、例えば、ニッタ・ハース株式会社製のSUBA800(「SUBA」は登録商標)、IC-1000、IC-1000/SUBA400(二層クロス)、フジミインコーポレイテッド社製のSurfin xxx-5、Surfin 000等(「surfin」は登録商標)がある。SUBA800、Surfin xxx-5、Surfin 000は繊維をウレタン樹脂で固めた不織布であり、IC-1000は硬質の発泡ポリウレタン(単層)である。発泡ポリウレタンは、ポーラス(多孔質状)になっており、その表面に多数の微細なへこみまたは孔を有している。
【0022】
ヘッド302は、その下面に四角形の基板を保持できるようになっている。揺動アーム360は支軸362を中心として旋回可能に構成されている。ヘッド302は、揺動アーム360の旋回により、上述の搬送モジュール200の基板受け渡し位置と研磨テーブル350の上方との間で移動可能である。ヘッドシャフト18を下降させることで、ヘッド302を下降させて基板を研磨パッド352の表面(研磨面)352aに押圧することができる。このとき、ヘッド302および研磨テーブル350をそれぞれ回転させ、研磨テーブル350の上方に設けられた研磨液供給ノズル354から、および/または、研磨テーブル350に設けられた開口部355から研磨パッド352上に研磨液を供給する。このように、基板を研磨パッド352の研磨面352aに押圧して基板の表面を研磨することができる。基板WFの研磨中に、ヘッド302が研磨パッド352の中心を通過するように(研磨パッド352の貫通孔357を覆うように)、アーム360を固定あるいは揺動させてもよい。
【0023】
ヘッドシャフト18およびヘッド302を上下動させる上下動機構319は、軸受321を介してヘッドシャフト18を回転可能に支持するブリッジ28と、ブリッジ28に取り付けられたボールねじ32と、支柱130により支持された支持台29と、支持台29上に設けられたACサーボモータ38とを備えている。サーボモータ38を支持する支持台29は、支柱130を介して揺動アーム360に固定されている。
【0024】
ボールねじ32は、サーボモータ38に連結されたねじ軸32aと、このねじ軸32a
が螺合するナット32bとを備えている。ヘッドシャフト18は、ブリッジ28と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ38を駆動すると、ボールねじ32を介してブリッジ28が上下動し、これによりヘッドシャフト18およびヘッド302が上下動する。研磨モジュール300は、ブリッジ28の下面までの距離、すなわちブリッジ28の位置を検出する位置検出部としての測距センサ70を備えている。この測距センサ70によりブリッジ28の位置を検出することで、ヘッド302の位置を検出することができるようになっている。測距センサ70は、ボールねじ32,サーボモータ38とともに上下動機構319を構成している。なお、測距センサ70は、レーザ式センサ、超音波センサ、過電流式センサ、もしくはリニアスケール式センサであってもよい。また、測距センサ70、サーボモータ38をはじめとする研磨モジュール内の各機器は、制御装置900により制御されるように構成される。
【0025】
次に、一実施形態による研磨モジュール300におけるヘッド302について説明する。
図3は、一実施形態によるヘッド302の詳細な構造を示す断面図である。
図3は、
図2に示されるヘッド302を矢印AA-AAに沿って切り出した断面図に相当する。
図4は、一実施形態による、ヘッド302を研磨テーブル350側から見た図である。
【0026】
図3に示される実施形態において、ヘッド302は、ヘッド本体2およびリテーナ部380を有する。ヘッド本体2は、四角形の板状の上部材303と、上部材303の下面に取り付けられた中間部材304と、中間部材304の下面に取り付けられた下部材306とを備えている。リテーナ部380は、上部材303の外周部に取り付けられている。上部材303は、ボルト308などによりヘッドシャフト18に連結される。また、中間部材304は、ボルト309などにより上部材303に連結される。下部材306は、ボルト310などにより上部材303に連結される。上部材303、中間部材304、および下部材306は、金属材料やプラスチック材料から形成することができる。一実施形態において、上部材303は、ステンレス鋼(SUS)から形成され、中間部材304および下部材306はプラスチック材料から形成される。
【0027】
図3に示されるように、下部材306の下面には、基板WFの裏面に接触する弾性膜4が取り付けられている。つまり、弾性膜4は、ヘッド302において基板を支持する支持面を構成している。弾性膜4による基板の支持面は、ヘッド302に保持される基板と同じ寸法または基板よりもわずかに大きな寸法である。この弾性膜4は、図示のように同心の3つのホルダ316(中心部は薄い円柱状部材、その周囲の2個は四角の環状部材)により下部材306の下面に取り付けられる。ホルダ316は、ボルト311などにより下部材306に固定され、ホルダ316と下部材306とにより弾性膜4を挟むことで弾性膜4を下部材306の下面に取り付けることができる。弾性膜4は、隔壁4aにより複数の区画が形成されている。一実施形態において、弾性膜(メンブレン)4は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成される。一実施形態において、弾性膜(メンブレン)4は、金型を使用してゴム材から形成することができる。
【0028】
図3に示されるように、弾性膜4および下部材306の下面により、センター室5、リプル室6、中間室7、アウター室8、およびエッジ室9が画定されている。センター室5、リプル室6、中間室7、アウター室8、およびエッジ室9には、それぞれ図示しない流路が連絡しており、これらの流路を介して流体をセンター室5、リプル室6、中間室7、アウター室8、およびエッジ室9に供給して、各室5,6,7,8,9の内部圧力を独立して制御することができる。そのため、基板WFを研磨するときに、基板WFのエリア領域ごとに、研磨パッド352への接触圧力を制御することができる。
【0029】
また、
図4に示されるように、弾性膜4には、リプル室6に連通し基板WFをヘッド3
02に真空吸着させるための複数の真空吸着孔315が形成されている。一実施形態として、
図4に示されるように、真空吸着孔315は8個設けられている。真空吸着孔315は図示しない通路に連通し、真空源に連結される。真空吸着孔315を介して、基板WFをヘッド302の弾性膜4に対して真空吸着させることができる。
【0030】
図5は、
図3に示される断面図のリテーナ部380を拡大して示す断面図である。
図6は、
図3に示される断面図のリテーナ部380を拡大して示す断面斜視図である。図示のように、上部材303の外周部には、リテーナ部380が設けられている。図示のように、上部材303の外周部の下面には上部ハウジング402が連結されている。一実施形態において、上部ハウジング402は、シールパッキンなどを介して上部材303にボルトなどで固定することができる。上部ハウジング402の下面には、下部ハウジング404が備えられている。一実施形態においては、上部ハウジング402および下部ハウジング404は、全体として四角の環状の部材であり、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂から形成することができる。下部ハウジング404の内部には、円筒形のシリンダ406が画定されている。シリンダ406内には、ダイアフラム408が配置されている。一実施形態において、ダイアフラム408はゴム材から形成される。ダイアフラム408は、上部ハウジング402と下部ハウジング404とにより挟むことで固定される。シリンダ406の内部空間は、ダイアフラム408により上部空間と下部空間とに仕切られている。下部ハウジング404のダイアフラム408内には、ピストン410が配置されている。ピストン410の一端は、ダイアフラム408の下面に接触している。また、ピストン410の他端は、下部ハウジング404の下側から出て、リテーナ支持ガイド412に接触している。一実施形態において、ピストン410は、PPS樹脂から形成することができる。
【0031】
図7は、下部ハウジング404を上から見た平面図である。一実施形態において、下部ハウジング404には、複数のシリンダ406が形成されており、それぞれのシリンダ406にダイアフラム408およびピストン410が配置されている。
図7は、下部ハウジング404に複数のシリンダ406が形成され、それぞれのシリンダ406に配置されたダイアフラム408を示している。図示のように、同一の形状のシリンダ406、ダイアフラム408、ピストン410を用いることで、これらを製造するコストを低減することが可能になる。たとえば、寸法の異なるヘッド本体2を製造する場合でも、同一の部品であるダイアフラム408、ピストン410を使用することができ、ヘッド本体2の大きさに応じて使用する数を変更するように設計することができる。
【0032】
上部ハウジング402には、通路403が設けられている。通路403は流体源に接続されている。通路403を通って、流体源から流体(たとえば空気または窒素)を下部ハウジング404のシリンダ406の上部空間内に供給することができる。シリンダ406の上部空間内に流体が供給されると、ダイアフラム408が下方向に膨らんでピストン410を下方向に移動させる。ピストン410が下方向に移動することで、リテーナ支持ガイド412を下方向に移動させることができる。
【0033】
一実施形態において、
図5、
図6に示されるように、上部ハウジング402の外側側面からリテーナ支持ガイド412の外側側面に渡ってバンド414が取り付けられている。バンド414は、リテーナ支持ガイド412の下部ハウジング404に対する変位を許容するとともに、下部ハウジング404とリテーナ支持ガイド412との間の空間に研磨液などを浸入するのを防止する。
【0034】
図示のように、リテーナ支持ガイド412の下面には、リテーナガイド416が取り付けられている。一実施形態において、図示のように、リテーナ支持ガイド412とリテーナガイド416との間にはゴム材などからなるシールパッキン415が配置されている。
図示のようにリテーナガイド416の下面には、リテーナ部材3が取り付けられる。
図6に示されるように、リテーナ支持ガイド412、リテーナガイド416、およびリテーナ部材3は、ボルト417により固定することができる。リテーナ支持ガイド412およびリテーナガイド416は、全体として四角の環状の部材である。一実施形態において、リテーナ支持ガイド412およびリテーナガイド416は、ステンレス鋼(SUS)から形成され、リテーナ部材3は、ステンレス鋼(SUS)、セラミックス、PPS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などから形成される。上述のように、下部ハウジング404内のピストン410によりリテーナ支持ガイド412が下方向に移動されることで、リテーナ部材3が下方向に移動される。
【0035】
一実施形態において、リテーナ部材3は、
図4に示さるように細長い長方形の板状の部材である。
図4に示される実施形態においては、リテーナ部材3は、4本の板状の部材が四角形のヘッド本体2の各辺の外側に設けられている。図示のように、リテーナ部材3は、四角形の基板の形状に対応する四角形の支持面の各辺の外側に配置されている。図示の実施形態においては、細長いリテーナ部材3の端部が扇形になった形状である。そのため、
図4に示されるように4個のリテーナ部材3を組み合わせることで、ヘッド本体2の角部も含めてほぼ全体をリテーナ部材3で囲むことができる。また、一実施形態において、
図4に示されるようにリテーナ部材3は複数の溝3aを備えている。
図4に示されるリテーナ部材3は、ヘッド302の内側から外側に延びる溝3aが形成されている。溝3aは、研磨中にスラリーなどの研磨液が通る道を構成する。溝3aの大きさや数は任意であり、また溝3aは無くてもよい。
【0036】
図8は、一実施形態による、リテーナ部材3を上方(リテーナガイド416側)から見た概略図である。
図9は、
図8に示されるリテーナ部材3の単体の部分断面図である。図示のように4本の板状のリテーナ部材3のそれぞれには、リテーナ部材3をリテーナ支持ガイド412およびリテーナガイド416に固定するためのボルト417が入るボルト穴419が設けられている。また、
図8に示されるように、リテーナ部材3には、リテーナ部材3をリテーナ支持ガイド412およびリテーナガイド416に位置決めするための位置決めピン423を配置するためのピン穴421が設けられている。
図10は、
図8に示される矢印BB-BBの方向から見た部分断面図である。一実施形態において、ピン穴421および位置決めピン423は無くてもよい。
【0037】
一実施形態において、
図5、
図9、
図10に示されるようにリテーナ部材3は、リテーナガイド416の方向に向かって突出する凸部425を備える。あるいは、リテーナ部材3の凸部425は、板状のリテーナ部材3の板面から垂直な方向に突出するともいえる。リテーナ部材3の凸部425は、リテーナガイド416の側面に接触する係合面427を備える。リテーナ部材3の係合面427は、リテーナガイド416の方を向くように構成されている。別言すれば、リテーナ部材3の係合面427は、ヘッド302の中心から離れる方を向くように構成されている。あるいは、係合面427は、基板あるいは基板を支持する面に垂直な方向に延びるともいえる。リテーナ部材3の係合面427は、リテーナ部材3がリテーナ支持ガイド412およびリテーナガイド416に固定されたときに、係合面427が、ヘッド302の中心から見てリテーナガイド416の内側の側面に接触するように構成されている。
【0038】
図8、
図9に示されるように、リテーナ部材3の凸部425および係合面427は、板状のリテーナ部材3の長さ方向のほぼ全体に渡って設けられている。リテーナ部材3の凸部425および係合面427は、最も端にあるボルト穴419よりもリテーナ部材3の端部まで設けられていることが望ましい。
【0039】
基板を研磨するときは、ヘッド302の弾性膜4の下に基板を保持させて、研磨テーブ
ル350上の研磨面に押圧しながら、ヘッド302および研磨テーブル350を回転させる。リテーナ部材3は、研磨中に基板がヘッド302から横方向に飛び出さないように、研磨中の基板のヘッド302に対する横方向の動きを制限する。基板の研磨中は、ヘッド302および研磨テーブル350が回転するので、基板の側面がリテーナ部材3に衝突する。基板がリテーナ部材3に衝突すると、リテーナ部材3には横方向の力が与えられることになる。上述の実施形態によるリテーナ部材3は、リテーナガイド416に接触する係合面427を備えているので、リテーナ部材3に与えられた横方向の力は、係合面427からリテーナガイド416へ伝えられることになる。仮に、リテーナ部材3に、上述のような係合面427が無い場合、リテーナ部材3に与えられた横方向に力は、ボルト417を通じてリテーナガイド416へ伝えられることになる。その場合、ボルト417に大きな力が加えられることになり、ボルト417が緩む原因となり得る。しかし、本開示の実施形態によるリテーナ部材3においては、リテーナ部材3に与えられた横方向の力は、係合面427からリテーナガイド416に伝えられることになるので、ボルト417に伝わる力を小さくすることができる。そのため、上述の実施形態においては、ボルト417が緩むリスクを軽減することができる。
【0040】
図示の実施形態においては、リテーナ部材3は、リテーナガイド416の内側の側面に接触する係合面427を備えているが、リテーナ部材3に与えられた横方向の力をリテーナガイド416へ面で伝達できるようにできれば、他の構造としてもよい。たとえば、リテーナ部材3が凸部を備え、リテーナガイド416がリテーナ部材3の凸部に対応する凹部を備えるようにすることで、凹凸の係合面で力を伝達することができるので、同様の効果を期待できる。また、リテーナ部材3が凹部を備え、リテーナガイド416が凸部を備えてもよい。
【0041】
図11は、一実施形態によるリテーナ部380を示す断面図である。
図11に示されるリテーナ部材は、第1層3bと第2層3cとを備える。リテーナ部材3の第1層3bと第2層3cとは異なる材料とすることができる。上述のように、リテーナ部材3bは、ステンレス鋼(SUS)、セラミックス、PPS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などから形成することができるが、たとえば、第1層3bは剛性の高いステンレス鋼(SUS)などで形成し、第2層3cをPPS樹脂で形成することができる。あるいは、第2層3cを樹脂よりも剛性の高いセラミックスで形成してもよい。リテーナ部材3の第1層3bと第2層3cとは、エポキシ樹脂などの接着剤で接着することができる。また、リテーナ部材3の第1層3bと第2層3cとの接合面に凹凸構造を設けて、横方向の衝撃に強くなるように形成してもよい。
【0042】
一実施形態において、ヘッド302は、リテーナ部材3を上下方向に変位可能に案内し、且つ、リテーナ部材3を横方向に変位することを禁止するように支持する、リテーナ案内装置を備える。一実施形態において、
図5、
図6に示されるように、リテーナ支持ガイド412、リテーナガイド416、およびリテーナ部材3は、支持ローラ450により支持および案内されて、上下方向に移動可能である。図示のように、リテーナ支持ガイド412の内側側面には、支持パッド418が固定されている。図示のように、リテーナ支持ガイド412に固定された支持パッド418が支持ローラ450に接触および支持された状態で、リテーナ支持ガイド412、リテーナガイド416、およびリテーナ部材3が上下方向に移動する。なお、一実施形態において、リテーナ支持ガイド412に固定された支持パッド418と支持ローラ450との間にはわずかに隙間ができるように構成してもよい。一実施形態において、支持パッド418は、PPS樹脂や塩化ビニル樹脂、PEEK樹脂などから形成することができる。
【0043】
図5、
図6に示されるように、ヘッド本体2の下部材306には、リテーナ支持フレーム420が固定されている。
図6に示されるように、リテーナ支持フレーム420は、ボ
ルト422により下部材306に固定される。
図5、
図6に示されるように、下部材306とリテーナ支持フレーム420との間には、シールパッキン415が挟まれている。図示のように、シールパッキン415は、下部材306とリテーナ支持フレーム420との間の領域から、リテーナ支持ガイド412とリテーナガイド416との間の領域まで延びている。また、シールパッキン415は、ヘッド本体2からリテーナ部380に渡って延びるともいえる。そのため、シールパッキン415は、ヘッド本体2とリテーナ部380との間から研磨液などがヘッド302の内部に浸入することを防止することができる。
【0044】
図6に示されるように、リテーナ支持フレーム420にはシャフト424が固定されている。支持ローラ450は、シャフト424により回転可能に支持されている。一実施形態において、支持ローラ450は、四角の環状のリテーナ部380の各辺に沿って複数設けられる。
【0045】
また、上述の実施形態において、ヘッドシャフト18の回転力は、上部材303、中間部材304、および下部材306に伝達される。さらに、回転力は下部材306に固定されたリテーナ支持フレーム420から支持ローラ450に伝達され、支持ローラ450から支持パッド418を通じてリテーナ部380に伝達される。そのため、ヘッド302のヘッド本体2の回転力は支持ローラ450を通じてリテーナ部380へ伝達される。
【0046】
また、上述の実施形態において、通路403を通じてシリンダ406に流体を供給して、ダイアフラム408によりピストン410を駆動することで、リテーナ部材3を上下方向に移動させて研磨パッド352に対して押し付けることができる。また、シリンダ406に供給する流体の圧力により、リテーナ部材3の研磨パッド352への押しつけ圧力を制御することができる。上述の実施形態においては、リテーナ部材3が上下方向に移動するとき、支持ローラ450により案内されて移動する。そのため、支持ローラ450と支持パッド418との間の抵抗を小さくすることができる。
【0047】
<乾燥モジュール>
乾燥モジュールは、基板WFを乾燥させるための装置である。
図1に示される基板処理装置1000においては、乾燥モジュール500は、研磨モジュール300で研磨された後に、搬送モジュール200の洗浄部で洗浄された基板WFを乾燥させる。
図1に示されるように、乾燥モジュール500は、搬送モジュール200の下流に配置される。
【0048】
乾燥モジュール500は、基板WFを搬送するための搬送ローラ202を有する。一実施形態において、乾燥モジュール500の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから構成することができる。搬送ローラ202は、ローラシャフト204などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷することを防止するためである。また、一実施形態において、乾燥モジュール500に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。一実施形態において、乾燥モジュール500は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサを備えてもよい。
【0049】
実施形態において、乾燥モジュール500は、搬送ローラ202上を搬送される基板WFに向けて気体を噴射するためのノズル530を有する。気体は、たとえば圧縮された空気または窒素とすることができる。乾燥モジュール500のノズル530については、たとえば、特開2020-019115号公報に開示されているノズルと同様または類似のノズルを利用することができる。
【0050】
<アンロードモジュール>
アンロードモジュール600は、研磨および洗浄などの処理が行われた後の基板WFを
基板処理装置1000の外へ搬出するためのモジュールである。
図1に示される基板処理装置1000においては、アンロードモジュール600は、乾燥モジュール500で乾燥された後の基板を受け入れる。
図1に示されるように、アンロードモジュール600は、乾燥モジュール500の下流に配置される。
【0051】
図1に示される実施形態において、アンロードモジュール600は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板を所定の方向に搬送することができる。一実施形態において、アンロードモジュール600の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから構成することができる。一実施形態において、搬送ローラ202は、ローラシャフト204などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷することを防止するためである。また、一実施形態において、アンロードモジュール600に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。一実施形態において、アンロードモジュール600は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサを備えてもよい。
【0052】
図1に示される基板処理装置1000においては、搬送モジュール200および研磨モジュール300は、それぞれ2つ設けられているが、搬送モジュール200および研磨モジュール300はそれぞれ1つでもよいし、それぞれ3個以上でもよい。また、上述したように、ロードモジュール100、搬送モジュール200、研磨モジュール300、乾燥モジュール500、およびアンロードモジュール600は、それぞれ独立したモジュールとして構成することができる。
【0053】
上述の実施形態から少なくとも以下の技術的思想が把握される。
[形態1]形態1によれば、多角形の基板を保持するためのヘッドが提供され、かかるヘッドは、多角形の基板の形状に対応する形状の基板支持面と、基板支持面の各辺の外側に配置されるリテーナ部材と、前記リテーナ部材を支持するリテーナガイドと、前記リテーナ部材は、前記基板支持面に垂直な方向に延びる係合面を有し、前記リテーナ部材の前記係合面は、前記リテーナガイドに係合している。
【0054】
[形態2]形態2によれば、形態1によるヘッドにおいて、前記リテーナ部材と前記リテーナガイドとは、ボルトにより固定されている。
【0055】
[形態3]形態3によれば、形態1または2によるヘッドにおいて、前記リテーナ部材の前記係合面は、前記ヘッドの中心からみて前記リテーナガイドの内側の側面に係合している。
【0056】
[形態4]形態4によれば、形態1から形態3のいずれか1つの形態によるヘッドにおいて、前記リテーナ部材は、第1層と第2層とを有し、前記第1層と前記第2層とは異なる材料で形成されている。
【0057】
[形態5]形態5によれば、多角形の基板を保持するためのヘッドに使用されるリテーナ部材が提供され、かかるリテーナ部材は、前記リテーナ部材は板状の部材を有し、前記リテーナ部材は、板面に垂直な方向に延びる係合面を有し、前記リテーナ部材の前記係合面は、前記リテーナがヘッドに取り付けられたときに、前記リテーナ部材を支持するリテーナガイドに係合するように構成されている。
【0058】
[形態6]形態6によれば、形態5によるリテーナ部材において、前記リテーナ部材は、前記リテーナガイドにボルトで固定するためのボルト穴を有する。
【0059】
[形態7]形態7によれば、形態5または6によるリテーナ部材において、前記板状の部材は、第1層と第2層とを有し、前記第1層と前記第2層とは異なる材料で形成されている。
【0060】
[形態8]形態8によれば、多角形の基板を処理する基板処理装置が提供され、かかる基板処理装置は、形態1から形態4のいずれか1つの形態のヘッドと、研磨パッドを支持するための研磨テーブルと、を有する。
【符号の説明】
【0061】
2…ヘッド本体
3…リテーナ部材
4…弾性膜
100…ロードモジュール
200…搬送モジュール
300…研磨モジュール
302…ヘッド
350…研磨テーブル
352…研磨パッド
380…リテーナ部
412…リテーナ支持ガイド
416…リテーナガイド
417…ボルト
418…支持パッド
419…ボルト穴
420…リテーナ支持フレーム
421…ピン穴
423…ピン
425…凸部
427…係合面
500…乾燥モジュール
600…アンロードモジュール
900…制御装置
1000…基板処理装置
WF…基板