(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】極めて均一性が高い加熱基板支持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20250408BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20250408BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20250408BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20250408BHJP
H05B 3/74 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101C
H01L21/31 B
H02N13/00 D
H05B3/74
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179166
(22)【出願日】2021-11-02
(62)【分割の表示】P 2020565321の分割
【原出願日】2019-05-03
【審査請求日】2022-05-02
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミンソン, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】コラ シッダラマイアー, オンカラ スワミー
(72)【発明者】
【氏名】フロイド, カービィ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】サミール, メフメト トゥグリル
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-61049(JP,A)
【文献】特開2013-120835(JP,A)
【文献】国際公開第2014/119637(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0215230(US,A1)
【文献】特開平10-41253(JP,A)
【文献】特開2001-244059(JP,A)
【文献】特表2018-511934(JP,A)
【文献】特開2016-171185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/31
H02N 13/00
H05B 3/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持アセンブリであって、
セラミックで作製されたチャック本体を有する静電チャックであって、前記チャック本体は、加工物支持面と、チャック本体結合面とを有し、前記加工物支持面及び前記チャック本体結合面は平面度が10ミクロン未満である、静電チャックと、
金属又は複合材で作製された冷却体を有する冷却基部であって、前記冷却基部の前記冷却体は、前記チャック本体結合面に対向する冷却体上面と、冷却体下面とを有し、前記冷却体上面は平面度が10ミクロン未満である、冷却基部と、
前記チャック本体の外側で前記チャック本体結合面
と接触して配置された少なくとも1つの第1のヒータと、
前記第1のヒータ及び前記チャック本体結合面の上に
、前記冷却基部と接触して配置された結合層であって、電気的に絶縁している結合層と
、
前記冷却基部の下に配置されたベースプレートと、
前記静電チャック、前記冷却基部、及び前記ベースプレートを取り囲む縁端リング部であって、前記加工物支持面へとパージガスを向けるよう構成された縁端リング部と
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記基板支持アセンブリが、同心円状に配置されているとともに、水平方向に分離された複数の加熱ゾーンを画定する複数のヒータを備え、当該複数の加熱ゾーンのうちの1つの加熱ゾーンが、他の加熱ゾーンに対して優先的に加熱される、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記結合層は、厚さが0.3mmと2.0mmとの間であり、熱伝導率が1.0W/m-Kと3.0W/m-Kとの間である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記静電チャックと前記冷却基部との間の前記結合層の前記厚さの変動は、20ミクロン未満である、請求項
3に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記第1のヒータが、所望の温度出力を提供するために、前記第1のヒータの隣の部分よりも高い所望の抵抗を実現するようトリミングされる、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
基板支持アセンブリであって、
セラミックで作製されたチャック本体を有する静電チャックであって、前記チャック本体には、高電圧チャック電極が埋め込まれており、前記チャック本体は、加工物支持面と、チャック本体結合面とを有し、前記加工物支持面及び前記チャック本体結合面は平面度が10ミクロン未満である、静電チャックと、
前記チャック本体の外側で前記チャック本体結合面
と接触して配置された少なくとも1つの第1のヒータであって、所望の温度出力を提供するために、前記第1のヒータの隣の部分よりも高い所望の抵抗を実現するようトリミングされた少なくとも1つの第1のヒータと、
前記第1のヒータ及び前記チャック本体結合面の上に配置された絶縁層と、
前記第1のヒータと、前記静電チャックに埋め込まれた前記チャック電極と、に接続されたリード線を有するセラミックシャフトと
、
冷却基部の下に配置されたベースプレートと、
前記静電チャック、前記冷却基部、及び前記ベースプレートを取り囲む縁端リング部であって、前記加工物支持面へとパージガスを向けるよう構成された縁端リング部と
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記セラミックシャフトが、前記第1のヒータの上に配置された前記絶縁層に結合される、請求項
6に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁層は、セラミック層、セラミックテープ、及びガラステープのうちの1つを含む、請求項
6に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記チャック本体の外側で前記チャック本体結合面に配置された複数のヒータであって、複数のゾーン内に配置された複数のヒータと、
前記複数のヒータの上に配置された結合層であって、電気的に絶縁している結合層
と
をさらに備える、請求項
8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記加工物支持面及び上面の平面度が10ミクロン未満である、請求項
9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
前記結合層は、厚さが0.3mmと2.0mmとの間であり、前記厚さは、変動が20ミクロン未満であり、前記結合層は、熱伝導率が1.0W/m-Kと3.0W/m-Kとの間である、請求項
9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
前記複数のヒータのうちの少なくとも1つのヒータがトリミングされ、トリミングされた前記ヒータの隣の部分よりも高い所望の抵抗が実現され、所望の温度出力が提供される、請求項
9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
前記第1のヒータの上に配置された絶縁層と、
前記チャック本体に結合されたシャフトと
をさらに備える、請求項
11に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
前記セラミックシャフトが、前記第1のヒータの上に配置された前記絶縁層に結合される、請求項
13に記載の基板支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で記載される実装形態は、概して、半導体製造に関し、特に、温度制御された基板支持アセンブリ、及び、基板支持アセンブリを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスパターンのフィーチャの大きさが小さくなるにつれて、安定的で再現可能なデバイス性能について、当該フィーチャの限界寸法(CD:critical demension)の要件がますます重要な基準になる。処理チャンバ内で処理される基板全体での許容されうるCDの変動は、チャンバ及び基板の温度、流体の伝導性、RF場といったチャンバの非対称性のために、実現が困難である。
【0003】
静電チャックを利用する処理においては、基板の表面全体の温度制御を均一にすることは、基板の下にあるチャックの不均一な構造のために、さらに困難である。例えば、静電チャックの幾つかの領域にはガス孔があるが、他の領域では、ガス孔から水平方向に外れたところにリフトピン孔がある。更に別の領域にはチャック電極があるが、他の領域では、チャック電極から水平方向に外れたところにヒータ電極がある。静電チャックの構造は水平方向と方位角の双方において変動しうるため、チャックと基板との間の熱伝達の均一性が複雑になっていて、当該均一性を獲得することが非常に困難であり、結果的に、チャック表面に亘って局所的に熱いスポット及び局所的に冷たいスポットが生じ、基板の表面に沿って処理結果が不均一になる。
【0004】
チャックと基板との間の熱伝達の、水平方向及び方位角における均一性は、静電チャックが取り付けられている従来の基板支持体で一般的に利用される熱伝達スキームによって、さらに複雑になる。不均一性によって、基板全体でのエッチング速度の制御について特定の問題が生じる。具体的には、基板全体での温度の不均一性によって、小さな限界寸法のデバイスパターンを基板に形成するときに選択性がある、中心から縁端への基板のエッチングを制御することが困難になる。
【0005】
したがって、改善された基板支持アセンブリに対する必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載される実装形態によって、加工物の表面に亘る温度の均一性を可能とする基板支持アセンブリが提供される。一実施形態において、本体を含む基板支持アセンブリが提供される。本体は、セラミックで作製される。本体は、加工物支持面、及び取付面を有する。加工物支持面、及びチャック本体結合面は、平面度が約10ミクロン未満である。少なくとも1つの第1のヒータが、本体の外側の底面に載置される。結合層が第1のヒータの上に配置され、ここで、結合層は電気的に絶縁しており、冷却基部が、金属で作製された本体を有する。冷却体が、冷却体上面、及び冷却体下面を有し、冷却体上面は、平面度が約10ミクロン未満である。
【0007】
他の実施例において、静電チャックと、少なくとも1つの第1のヒータと、絶縁層と、シャフトと、を備えた基板支持アセンブリが提供される。静電チャックは、セラミックで作製されたチャック本体を含む。チャック本体には、高電圧チャック電極が埋め込まれている。チャック本体は、加工物支持面、及びチャック本体結合面を有する。加工物支持面、及びチャック本体結合面は、平面度が約10ミクロン未満である。第1のヒータが、チャック本体の外側の底面に載置されている。絶縁層が、第1のヒータの上に配置される。第1のヒータが、所望の温度出力を提供するために、第1のヒータの隣の部分よりも高い所望の抵抗を実現するようトリミングされた部分を有する。セラミックシャフトは、静電チャックに埋め込まれたチャック電極に接続されたリード線を有する。
【0008】
本明細書に記載の他の実装形態によって、加工物の表面全体の水平方向と方位角の双方における均一性を可能とする基板支持アセンブリを有する処理チャンバが提供される。処理チャンバは、壁と、底部と、内部空間を閉じ込めるリッドと、を有する本体を有する。基板支持アセンブリは、内部空間内に配置されている。基板支持アセンブリは、セラミックで作製された本体を有する静電チャックを有する。本体は、加工物支持面、及び取付面を有する。加工物支持面、及びチャック本体結合面は、平面度が10ミクロン未満である。複数のヒータが、本体の外側の底面に載置され、ここでヒータは、複数のゾーンに配置されている。結合層が、複数のヒータの上に配置され、結合層は電気的に絶縁しており、冷却基部が、金属で作製された本体を有する。冷却体が、冷却体上面、及び冷却体下面を有し、冷却体上面は、平面度が約10ミクロン未満である。
【0009】
更に別の実施形態において、加工物の温度均一性を制御するための方法が提供される。本方法は、ESC(electrostatic chuck、静電チャック)の底面に4つ以上のゾーンが形成された主抵抗加熱器に給電することによって開始される。温度が、複数の温度センサによって基板に亘って測定される。基板の温度均一性が、基板表面全体で1℃以内に制御される。本方法は、基板支持アセンブリに載置された基板に選択的にエッチングすることを含む。
【0010】
本発明の上述の特徴を詳しく理解しうるように、上記で簡単に要約されている本発明のより詳細な説明が、実装形態を参照することによって得られ、一部の実装形態は添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】1つの実施形態による基板支持アセンブリを有する処理チャンバの概略的な側方断面図である。
【
図2】
一実施形態による、とりわけ上述の基板支持アセンブリといった基板支持アセンブリを利用して基板を処理する方法300のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号を使用している。1つの実装態様で開示された要素は、具体的な記述がなくても、他の実装態様で有益に使用できると想定されている。
【0013】
本明細書に記載される実装形態は、基板支持アセンブリを構成する静電チャックの温度の、水平方向と方位角の双方における均一性を可能とする基板支持アセンブリを提供し、基板支持アセンブリ自体は、当該基板支持アセンブリ上で処理される基板の水平方向の温度プロファイルの、水平方向と方位角の双方における均一性を可能とする。さらに、基板支持アセンブリによって選択的なエッチングも可能となる。基板支持アセンブリは、以下ではエッチング処理チャンバにおいて説明されるが、基板支持アセンブリは、とりわけ物理気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンパ、イオン注入チャンバといった、他の種類のプラズマ処理チャンバにおいて、及び、水平方向の温度プロファイルの方位角における調整が望ましい他のシステムにおいて利用されうる。
【0014】
1つ以上の実施形態において、基板支持アセンブリは、温度、流体の伝導性、電場、プラズマ密度等といったチャンバの不均一性を補償するために基板の温度を利用出来るようにすることで、エッチング、堆積、注入等の真空プロセスの間に、基板の縁端での限界寸法(CD:critical dimension)の変動の補正を可能にする。本明細書の実施形態では、電極が埋め込まれたセラミック部品と、その上にプリントされた1つ以上のヒータと、を有する静電チャック(ESC:electrostatic chuck)が記載される。ESC構造は、アルミニウム冷却基部に結合されている。冷却基部は、シャフト、及び、組み込み部品から熱的に絶縁されている。温度が複数の温度プローブにより測定され、基板支持アセンブリの温度が、閉ループチャンバ温度コントローラによって制御される。
【0015】
図1は、基板支持アセンブリ126を有する例示のエッチング処理チャンバ100の概略的な断面図である。処理チャンバは、とりわけエッチングチャンバ、プラズマ処理チャンバ、熱処理チャンバ、物理気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、イオン注入チャンバであってよく、基板の温度プロファイルを制御する能力が望まれる他の処理システムであってよい。基板支持アセンブリ126の分散した領域に亘る温度を別々に局所的に制御することで、有利に、温度プロファイルの方位角における調節、中心から縁端への温度プロファイルの調節、エッチング速度といったプラズマ処理速度を制御するためのホットスポット及びクールスポットといった、局所的な温度の不均一(アスペリティ)の低減が可能となる。
【0016】
処理チャンバ100は、接地されたチャンバ本体102を含む。チャンバ本体102は、壁104、底部106、及びリッド108を含み、これらが、処理空間124を囲んでいる。基板支持アセンブリ126は、処理空間124内に配置されており、載置された基板134を処理中に支持する。
【0017】
処理チャンバ100の壁104は、開口(図示せず)を含み、この開口を通じて、基板134が、内部空間124の中へと及び内部空間124から外へとロボットにより搬送される。ポンピングポート110(図示せず)が、壁104のうちの1つに、又はチャンバ本体102の底部106に形成されており、ポンプシステム(図示せず)に流体連結している。ポンプシステムは、処理チャンバ100の内部空間124内の真空環境を維持しながら、処理副生成物を除去するために利用される。
【0018】
ガスパネル112が、リッド108又はチャンバ本体102の壁104の少なくとも1つを貫通して形成された1つ以上の入口ポート114
(図示せず)を通じて、処理チャンバ100の内部空間124へと処理ガス及び/又は他のガスを供給する。ガスパネル112により供給された処理ガスは、内部空間124内で励起されて、基板支持アセンブリ126に載置された基板134を処理するために利用されるプラズマ122を形成する。チャンバ本体102の外に配置されたプラズマアプリケータ120からの処理ガスに誘導結合されるRF電力によって、処理ガスは励起される。
図1に示した実施形態では、プラズマアプリケータ120は、整合回路118を介してRF電源116に結合された1対の同軸コイルである。他の実施形態において、プラズマアプリケータ120は、整合回路118を通じてRF電源116に接続されたシャワーヘッドアセンブリといった、1つ以上のチャンバ部品であってよい。
【0019】
処理チャンバ100の動作、及び、基板134の処理を制御するために、コントローラ148が処理チャンバ100に接続されている。コントローラ148は、様々なサブプロセッサ及びサブコントローラを制御するための工業環境で使用されうる任意の形態の汎用データ処理システムのうちの1つでありうる。一般に、コントローラ148は、他の共通の構成要素のうち、メモリ174及び入力/出力(I/O)回路176と通信する中央処理ユニット(CPU:central processing unit)172を含む。コントローラ148のCPUによって実行されるソフトウェアコマンドが、処理チャンバに、例えば、エッチャント混合ガス(すなわち、処理ガス)を内部空間124に導入すること、プラズマアプリケータ120からのRF電力の印加により、処理ガスからプラズマ122を形成すること、基板134上の材料層にエッチングを施すことを行わせるようにする。
【0020】
基板支持アセンブリ126は、支持ペデステル125に着脱可能に結合されている。支持ペデスタル125は、チャンバ本体102に取り付けられたペデステル基部128を含む。基板支持アセンブリ126は、支持ペデスタル125から周期的に取り外すことが可能であり、基板支持アセンブリ126の1つ以上の部品を新しくすることが可能となる。
【0021】
基板支持アセンブリ126は、一般に、少なくとも1つの基板支持体132を含む。基板支持体132は、真空チャック、静電チャック、サセプタ、又は、他の加工物支持面であってよい。
図1の実施形態において、基板支持体132は静電チャックであり、以下では静電チャック(ESC:electrostatic chuck)132として記載される。基板支持アセンブリ126は、冷却基部130も含む。基板支持アセンブリ126はさらに、熱絶縁物180及びベースプレート190を含む。静電チャック132、冷却基部130、熱絶縁物180、及びベースプレート190は縁端リング部140によって取り囲まれている。
【0022】
一実施形態において、縁端リング部140がケイ素系材料から形成される。縁端リング部によって、当該縁端リング部140と静電チャック132との間のパージガス伝達のために設けられる間隙(図示せず)が形成される。追加的な空間(図示せず)が、縁端リング部140と基板134との間に設けられており、これにより、縁端リング部140は、基板134の下に伝達されるパージガスを供給するよう構成されている。縁端リング部140でのパージガスは、基板134の中心から離れて、排出部に向かって方向付けられ、これにより、基板134の最も端にある縁端リング部140において堆積が起こらない。多孔質のプラグを有しパージガスの流量が制限されている従来のESCとは異なって、間隙及び追加的な空間によって、基板134の下方まで通じる大コンダクタンスパージガスチャネルが提供され、これにより、基板134がピン上で熱処理されるときに、16個の孔を流過する高流量(最大15slm)が可能となる。パージガスは追加的に、静電チャック132内に配置された孔から来る。基板134は、ピン上で持ち上げられ、その後、背面からの流れが、如何なる副生成物も静電チャック132の表面で凝結しないようにする。
【0023】
ベースプレート190は、複数のリフトピンを上げ下げするよう構成された複数の駆動機構を収容するよう構成される。追加的に、ベースプレート190は、静電チャック132及び冷却基部130からの複数の流体接続を収容するよう構成される。ベースプレート190はまた、静電チャック132からの複数の電気接続を収容するよう構成される。無数の接続が基板支持アセンブリ126の外部又は内部に通りうるが、ベースプレート190は、各末端への接続のためのインタフェースを提供する。ベースプレート190は、如何なる金属で形成されてもよい。
【0024】
熱絶縁物180が、ベースプレート190と冷却基部130との間に配置されている。熱絶縁物180は、架橋ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、アルミナ(Al2O3)、又は他の適切な材料といった、化学的及び物理的に安定した断熱材から形成される。
【0025】
冷却基部130は、熱絶縁物180と静電チャック132との間に配置されている。冷却基部130は、伝熱流体源144に接続されている。伝熱流体源144は、冷却基部130内に配置された1つ以上の導管160を通って循環する非電導性の伝熱流体を提供する。隣り合う導管160を流過する流体は互いに隔てられており、静電チャック132と冷却基部130の様々な領域との間の熱伝達の局所的な制御を可能とし、このことによって、基板134の水平方向の温度ファイルの制御も支援される。
【0026】
流体分配器が、伝熱流体源144の出口と、温度制御された冷却基部130との間に流体連結されている。流体分配器は、導管160へと供給される伝熱流体の量を制御するよう動作する。流体分配器は、処理チャンバ100の外部、基板支持アセンブリ126の内部、ペデステル基部128の内部、又は他の適切な位置に配置されている。
【0027】
静電チャック132は、取付面131と、当該取付面131とは反対側の加工物面133と、を有する。静電チャック132は一般に、チャック電極136と、誘電体150に埋め込まれた1つ以上の主抵抗加熱器154と、を含む。誘電体150は、Y2O3、Er2O3、AlN、又はAl2O3といったセラミック材料で作製される。代替的に、誘電体150は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエテルケトン等といった、1つ以上のポリマー層で作製される。
【0028】
チャック電極136は、単極若しくは双極の電極として、又は、他の適切な構成として構成される。チャック電極136は、RFフィルタ182を通じてチャック電源138に接続され、チャック電源138は、誘電体150の加工物面133に基板134を静電的に固定するためのRF電力又はDC電力を供給する。RFフィルタ182は、処理チャンバ100内でプラズマを形成するために利用されるRF電力が、電気機器に損傷を与えること又は処理チャンバ100の外部の電気的障害となることを防止する。
【0029】
静電チャック132の加工物面133は、基板134と静電チャック132の加工物面133との間に画定される隙間空間へと背面伝熱ガスを供給するための、ガス通路(図示せず)を含みうる。静電チャック132はまた、処理チャンバ100の中へ及び処理チャンバ100から外へのロボットによる搬送を促進するために、静電チャック132の加工物面133の上に基板134を上げるためのリフトピンを収容するためのリフトピン孔も含む(両方とも図示せず)。
このことによって、低圧でのチャッキングと、加工物面133に載置された基板のための、正圧の背面制御と、が可能となる。
【0030】
静電チャック132はさらに、1つ以上の主抵抗加熱器154が取付面131に載置されている。例えば、主抵抗加熱器154は、装着されたポリマーシートにより設けられ、又は、取付面131上に直接、すなわち誘電体150と冷却基部130との間にプリントされている。主抵抗加熱器154は、基板支持アセンブリ126の温度を、チャンバプロセスを実施するための温度に上げるために設けられている。主抵抗加熱器154は、当該主抵抗加熱器154により画定される複数の水平方向に分離された加熱ゾーンにおける静電チャック132の温度を調整するよう構成される。主抵抗加熱器154は、RFフィルタ184を通じて、主ヒータ電源156に接続されている。主ヒータ電源156は、主抵抗加熱器154に電力を供給する。コントローラ148が、基板134をほぼ所定の温度まで加熱するよう一般に設定された主ヒータ電源156の動作を制御する。
【0031】
一実施形態において、単一の主抵抗加熱器154が、単一の加熱ゾーンを生成するために利用される。他の実施形態において、複数の主抵抗加熱器154が、複数の水平方向に分離された加熱ゾーンを生成するために利用され、ここで、コントローラ148が、主抵抗加熱器154の1つのゾーンが、1つ以上の他のゾーンに位置する主抵抗加熱器154に対して優先的に加熱されることを可能にする。例えば、主抵抗加熱器154は、複数の4個の分離された同心加熱ゾーンに、同心円状に配置されている。
【0032】
静電チャック132は、主ヒータ電源156により主抵抗加熱器154に印加される電力を制御するために、コントローラ148に温度フィードバック情報を提供するための1つ以上の温度センサ(図示せず)を含む。コントローラ148は、冷却基部130の動作も制御しうる。処理チャンバ100内の基板134の表面の温度は、ポンプによる処理ガスの排出、スリットバルブドア、プラズマ122、及び他の要因から影響を受ける。冷却基部130及び主抵抗加熱器154の全てが、基板134の表面温度を制御することを支援する。
【0033】
基板支持アセンブリ126は、静電チャック(ESC)132の一部、結合層260、冷却基部130、及び熱絶縁物180が含まれている。ESC132は、4個、又はそれ以上のゾーンについて、約0.3℃と約0.7℃との間の、当該ゾーン間の均一性を備えた温度制御のために構成される。ESC132は、低温処理のための約-20℃と200℃未満との間の温度で、及び、高温プロセスのための約200℃を超える温度で動作することが可能である。例えば、ESC132は、約-20℃と約150℃との間といった温度で動作することが可能である。
【0034】
取付面131と加工物面133とは、ESC132の本体150の、互いに対向する側に配置されており、約2mm~約7mm分だけ離れている。取付面131は、平面度が、約1ミクロンと約10ミクロンの間、例えば約2ミクロンである。取付面131は、加工物面133に対して実質的に平らである。加工物面133は、平面度が約1ミクロンと約10ミクロンとの間である。本体150は、アルミナ、又は他の適切な材料といったセラミック材料から形成される。
【0035】
主抵抗加熱器154は、本体150の外側の取付面131に載置されている。主抵抗加熱器154は、ESC132の中心の周りの同心ゾーン内に配置されており、ここで、第1のゾーン(図示せず)内のヒータが、第1の半径に沿って配置され、第2のゾーン(図示せず)内のヒータが、第1の半径より大きい第2の半径に沿って配置され、第3のゾーン214内の主抵抗加熱器154Bが、第2の半径より大きい第3の半径に沿って配置され、第4のゾーン216内の最外の主ヒータ154Aが、第3の半径より大きい第4の半径に沿って配置される。主抵抗加熱器154は、焼き付け、インクジェット印刷、スクリーン印刷、物理気相堆積、スタンピング、金網、パターンポリイミドフレキシブル回路によって、又は、他の適切な形態で、取付面131上に形成される。例えば、主抵抗加熱器154は、本体150の取付面131にプリントされる。他の実施例において、主抵抗加熱器154は、物理気相堆積、化学気相堆積によって取付面131に堆積させられ、事前に作成されたシートとして施され、又は他の適切な方法で施される。
【0036】
主抵抗加熱器154は、ニクロム、レニウム、タングステン、タンタル、又は他の適切な材料の膜から形成される抵抗器である。抵抗器は、電気抵抗(ρ)を有し、ここで、低いρは、ヒータ抵抗器に亘る電荷の移動を容易に可能とする材料を示している。上記抵抗(R)は、ρ×長さ(l)を線の断面積(A)で割ったものに依存し、又は、簡単にいえば、R=ρ・l/Aである。白金は、20℃において、ρが約1.06×10-7(Ωm)である。タングステンは、20℃において、ρが約6.60×10-8(Ωm)である。ニクロムは、20℃において、ρが約1.1×10-8~約1.5×10-8(Ωm)である。従って、個々のヒータの抵抗、及び熱出力は、線の長さ又は断面積を変更することによって変えられうる。
【0037】
主抵抗加熱器154は、主抵抗加熱器154の線に沿って電流が通ったときに熱を効率的に供給するよう構成された、膜厚420又は線径を有する。ヒータの膜厚420が縮小すると、結果的に、主抵抗加熱器154の抵抗Rが増大し、主抵抗加熱器154からの熱出力がより大きくなる。主抵抗加熱器154が取付面131に載置された後で、抵抗加熱器154の或る部分430内で生成される熱を制御するために、例えば、膜厚420が、主抵抗加熱器154について、縮小された膜厚410に選択又は変更される。このようにして、ESC132の加工物面133に亘る所望の温度均一性をもたらすために、各ゾーン内の主抵抗加熱器154が微調整される。
【0038】
ESC132の取付面131に載置された1つ以上の主抵抗加熱器154の抵抗が調整される。温度プロファイルの制御基準をより厳密に満たすために、主抵抗加熱器154が試験され、さらに調整されうる。
【0039】
結合層260は、電気的絶縁層である。結合層260は、ESC132を冷却基部130に接着する。結合層260は、主抵抗加熱器154に塗布されており、主抵抗加熱器154を電気的に絶縁して、冷却基部130との接触、及び、主抵抗加熱器154の短絡を防止する。接着層260は、アクリル系接着剤、エポキシ、シリコン系接着剤、ネオプレン系接着剤、又は、他の適切な接着剤といった、接着剤である。結合層260は、0.1~160W/mKの範囲内で熱伝導率の係数が選択されている。接着層260を構成する接着材には、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、二ホウ化チタン(TiB2)といった、少なくとも1つの熱伝導性の充填剤が含められる。
【0040】
一実施形態において、結合層260は、厚さが約0.3mmと約2.0mmとの間、例えば約1.0mmであり、熱伝導率が、約1.0W/m-Kと約3.0W/m-Kとの間、例えば約1.0W/m-Kである。結合層260の厚さが増大するについて、主抵抗加熱器154への電力が低下する。さらに、結合層260の厚さの変動が、ESC132と冷却基部130との間の間隙を正確に設定するために制御されうる。結合層260の厚さの変動が小さいことで、結合層260を通じた、ESC132と冷却基部130との間の伝熱速度の均一性が向上し、従って、ESC132の本体150の加工物面133に亘る、及び有利に基板に亘る所望の温度プロファイルを処理中に維持する能力が改善される。
【0041】
ひとつの実施形態では、Oリングといったシール290が、ESC132と冷却基部130との間に配置されている。シール290は、結合層260を取り囲み、かつ結合層260を処理チャンバの処理領域から隔離し、従って、結合層260の寿命を延ばす一方で、劣化した結合材料がプロセスの汚染物となることを防止する。
【0042】
冷却基部130は、上面272と底面274を有する本体230を有する。本体230は、アルミニウム合金といった金属材料から形成されている。上面272と底面274とは、本体230の互いに対向する側を画定し、約10mm~約32mmに離れている。上面272は、底面274に対して実質的に平坦である。上面272は、平面度が約10ミクロン未満、例えば約1ミクロン又は約2ミクロンである。底面274は、平面度が約10ミクロン未満である。冷却基部130の上面272は、結合層260と接触している。冷却基部130は、パーフルオロポリエーテル(PFPE)といったフッ素物系流体又は水等の、冷却基部130内の温度を約90℃と約-20℃との間に維持するために適した冷却流体を、約1000W/m2-Kと約1400W/m2-Kとの間の有効な交換係数により循環させる。
【0043】
底面274は、熱絶縁物180の上面282と接触している。熱絶縁物180はさらに、上面282に対向する下面284を有する。上面282は、平面度が約10ミクロン未満である。
【0044】
ESC132、冷却基部130、及び熱絶縁物180のそれぞれの平面度によって、アセンブリにおいて、ESC132、冷却基部130、及び熱絶縁物180のそれぞれの間の接着剤厚さの変動が、20ミクロン未満、例えば約1ミクロンであるということを容易にする。このような間隙が、ESC132、冷却基部130、及び熱絶縁物180の表面が互いに実質的に平行なままで実現される。基板支持アセンブリ126は、約-20℃と約150℃との間の温度制御範囲において、相乗的により高い温度均一性を可能にする。加工物面133全体での基板支持アセンブリ126の温度均一性が、1℃未満で維持されうる。温度均一性によって、有利に、基板の選択的エッチングが可能となる。
【0045】
終端250が、主抵抗加熱器154を主ヒータ電源156に結合するために、少なくとも、外側の主ヒータ154Aに接続されている。終端250は、ロウ付け、はんだ付け、又は他の適切なやり方で外側の主ヒータ154Aに接続されている。終端250は、冷却基部内130に形成された通路252を通って、冷却基部130の底面274に対してほぼ垂直の方向に延びている。終端250は、冷却基部130の底面274に対してほぼ垂直の方向に延びている。外側の主ヒータ154Aの直下に終端250が位置することで、ESC132の中央に、ガス通路、及びチャック電極136への電気的接続のための空間ができる。熱絶縁物180もまた、電気接続を容易にするため終端250が熱絶縁物180を貫通することを可能とする通路254を含む。他の主抵抗加熱器154もまた、簡単な形態で自身に終端250が接続されている。
【0046】
図2は、一実施形態による、とりわけ上述の基板支持アセンブリ126といった基板支持アセンブリを利用して基板を処理する方法300のフロー図である。方法300は、ブロック302で開始され、ブロック302では、電力が、ESCの底面に4個以上のゾーンが形成されている主抵抗加熱器に印加される。静電チャック(ESC)は、電極が埋め込まれたセラミック部品と、上述のように下側の面にプリントされた4個以上の独立したヒータ要素と、を有する。主抵抗加熱器は、基板支持アセンブリ上で処理される基板の水平方向の温度プロファイルの、水平方向及び方位角における調節を可能とするために別々に制御可能なゾーンへとセグメント化されている。さらに、各セグメント化されたゾーン内の主抵抗加熱器は、局所的な抵抗及び温度出力を微調節するために、材料が選択的に除去されている。従って、1℃未満での、基板に亘る均一な温度の実現が可能となる。
【0047】
ブロック304では、温度が、複数の抵抗温度計によって基板全体で測定される。一実施形態において、温度が、抵抗温度検出器(RTD:resistance temperature detector)によって測定される。
【0048】
ブロック306では、基板の温度均一性が、基板表面全体で1℃以内に制御される。温度計によって、基板のリアルタイムの温度情報が、ヒータを制御し基板全体の温度均一性を維持するための閉ループチャンバ温度コントローラに提供される。
【0049】
ブロック308では、基板支持アセンブリに載置された基板がエッチングされる。基板は、露出したエッチング層を有する。一実施形態において、エッチング層は、ケイ素含有材料、例えば、SiO2、SiN、SiON、SiC、SiOC、SiOCN、SiCN、a-Siといった誘電材料でありうる。他の実施形態において、エッチング層は、AlN、HfO2、AlO3、WN、NiSi等といった金属誘電材料でありうる。更に別の実施形態において、エッチング層は、Cu、Al、W、Ni、Co等といった金属材料でありうる。各実施形態において、エッチング層は、基板上の他の材料又は層に対して選択的にエッチングされる。
【0050】
他の実施例による基板支持アセンブリ500では、基板支持体500は、シャフト502に結合された静電チャック532を含む。シャフト502は、AlN又は他の適切な材料といったセラミック材料から形成されうる。
【0051】
静電チャック532は概して、静電チャック132を参照して先に説明したように作製される。静電チャック532は、高圧チャック電極506が埋め込まれたセラミック本体504を含む。チャック電極506は、加工物面133の近傍に配置されている。1つ以上の主抵抗加熱器154が、セラミック本体504の取付面131に載置されている。1つ以上の主抵抗加熱器154は、当該1つ以上の主抵抗加熱器154の抵抗、及び従って熱出力を調節するために、先に説明したようにトリミングされうる。場合によっては、主抵抗加熱器154は、シャフト502がセラミック本体504に結合された後にトリミングされうる。
【0052】
セラミック本体504の中央が、シャフト502への本体504の結合後に電気的接続を設けることを容易にするために用意される。例えば、セラミック本体504の中央は、焼成後に本体504を機械加工することにより用意されうる。主抵抗加熱器154へのリード線540、及び電極506へのリード線550の電気的接続を容易にするためにシャフト502の中央が機械加工される前又は後に、主抵抗加熱器154が、例えば、スクリーン印刷又はフィルムによって施されうる。
【0053】
主抵抗加熱器154をトリミングした後で、絶縁コーティング508が主抵抗加熱器154の上に配置される。絶縁コーティング508は、AlN、セラミックといったセラミックの層であってよく、又は、グリーンテープ若しくはガラステープといった他の絶縁テープであってよい。グリーンテープは、未焼成セラミックテープ、例えばAlNテープである。絶縁コーティング508がガラステープである一実施例において、ガラスは、Al、N、O、及びYから成る群から選択される1つ以上の元素を含む。絶縁コーティング508は、シャフト502の末端512がセラミック本体504の取付面131に直接的に結合されることを可能とするために孔510を含みうる。シャフト502の末端512は、拡散、高温接着剤によって結合され、ロウ付けされ、又は他の適切な形態で、セラミック本体504の取付面131に直接的に結合されうる。
【0054】
代替的に、絶縁コーティング508は、コーティングであって、当該コーティング中にアルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、イットリア(Y2O3)、(すなわち、ASMY)の1つ以上を有するコーティングと置換されうる。絶縁コーティング508、又はASMYコーティングは、厚さが約300μmの主抵抗加熱器154にプラズマ溶射により施される。他の技術が同様に、主抵抗加熱器154にASMYコーティングを施すのに適していると理解されたい。絶縁コーティング508、及びセラミック本体504は熱処理されうる。ASMYの絶縁コーティング508は、当該絶縁コーティング508中で約4KVの絶縁破壊を生じさせるために熱処理される。
【0055】
一実施例において、基板支持アセンブリ500を作製するための作製手順には、高電圧チャック電極が埋め込まれたAlNセラミック本体を焼結することと、セラミック本体の底部に1つ以上の主抵抗加熱器をスクリーン印刷して1つ又は複数の加熱ゾーンを形成することと、主抵抗加熱器が載置されているセラミック本体を焼成することが含まれる。上記焼成の後に、主抵抗加熱器は、当該加熱器の抵抗を調節するために、例えばレーザによってトリミングされる。トリミングの後に、セラミック本体の中央に機械加工が施され、中央が、電極のロウ付けのために中心を用意される。絶縁層が、トリムされ上記加熱器の上に配置されて焼成される。続いて、シャフトが、AlN含有テープ又はガラス結合テープを用いて、ESCのセラミック本体に結合される。AlN含有テープ、又は、ガラス結合テープは絶縁層を形成しうる。絶縁層が上記加熱器の上に接着される同時に、シャフトが取り付けられうる。シャフトが取り付けられた後で、高電圧チャック電極の終端がシャフト内でロウ付けされる。
【0056】
代替的に、又は上記の手順に加えて、主抵抗加熱器は、シャフトがESCのセラミック本体に結合された後にトリミングされうる。基板支持アセンブリ500は、所望の破壊電圧を生成するために熱処理される。
【0057】
他の実施例による基板支持アセンブリ600では、基板支持アセンブリ600は、絶縁コーティング508がセラミック本体504の取付面131とシャフト502の末端512との間に延在し、これによりシャフト502が絶縁コーティング508の露出した下面602に固定されていること以外は、上記の基板支持アセンブリ500と同じである。
【0058】
有利に、上記の基板支持体は、1つ以上のゾーン内で温度を調節することが可能とされ、エッチング速度を調節することが可能な温度均一性を提供する。さらに、ESCのチャッキングによって、チャンバ圧力に依存しない様々な背面圧力設定ポイントが可能となり、ウエハ全体での温度制御が良好に調節される。このことによって、中心から縁端へのウエハ全体におけるエッチング量ラジアル調節が可能となり、歩留まり及びチャンバ性能を調節する能力が追加される。
【0059】
以上の説明は本発明の実装形態を対象としているが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の実装形態及び更なる別の実装形態が考案されてよく、本発明の範囲が、以下の特許請求の範囲により定められる。