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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】マルチフィールド走査オーバレイ計測
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20250408BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20250408BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20250408BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20250408BHJP
   G03F 9/00 20060101ALI20250408BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G01B11/00 H
G02B21/00
G02B21/06
G03F9/00
H01L21/66 J
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2023553554
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022016886
(87)【国際公開番号】W WO2022191975
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2024-09-13
(31)【優先権主張番号】17/195,507
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒル アンドリュー ブイ
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-521064(JP,A)
【文献】特表2019-533833(JP,A)
【文献】特表2018-533969(JP,A)
【文献】特表2019-504325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0096061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
H01L 21/66
G01B 11/00-11/30
G02B 21/00-21/36
G03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の光学構成要素を含み、2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明するように構成された照明サブシステムであって、前記2つ以上の取得フィールドは、非重複構成で、走査方向に沿って分布し、並進ステージは、前記サンプル上の計測対象を、前記走査方向に沿って、前記2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させ、前記照明サブシステムは、前記サンプルが走査されている間に、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つを、2つ以上の測定レシピを用いて交互に照明するように構成され、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つに関連付けられた画像の部分は、前記2つ以上の測定レシピに関連付けられたインタリーブ画像を含む、照明サブシステムと、
前記サンプルが前記並進ステージによって前記走査方向に沿って走査されている間に、前記2つ以上の取得フィールドを画像化するように構成された画像化サブシステムであって、前記画像化サブシステムは、
測定視野内でサンプルからの光を捕捉するように構成された対物レンズであって、前記2つ以上の取得フィールドは、前記測定視野内にある、対物レンズと、
前記サンプルが走査されるときに前記2つ以上の取得フィールドの2つ以上の画像を生成するように構成された、列方向に沿って分布する1つ以上の画素列を含む走査検出器と、
前記2つ以上の取得フィールドの画像を、前記走査検出器に中継するためのフィールド再配置光学リレーであって、前記フィールド再配置光学リレーは、前記2つ以上の取得フィールドにおける前記走査方向が、前記列方向と直交するように、前記2つ以上の取得フィールドの前記画像を前記列方向に沿って前記走査検出器に配置する、フィールド再配置光学リレーとを備える、画像化サブシステムと
を備えることを特徴とする、計測ツール。
【請求項2】
請求項1に記載の計測ツールであって、前記走査検出器は、
時間領域積分(TDI)検出器であって、前記2つ以上の再配置された取得フィールドにおける前記走査方向は、前記TDI検出器の電荷移動方向整列される、時間領域積分(TDI)検出器を備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項3】
請求項1に記載の計測ツールであって、前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの構成を含む測定レシピは、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも一部について異なる、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項4】
請求項3に記載の計測ツールであって、前記測定レシピに関連付けられた前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの前記構成は、
前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つの強度、波長、偏光、または入射角のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項5】
請求項3に記載の計測ツールであって、前記測定レシピに関連付けられた前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの前記構成は、
前記走査検出器に向けられた光の強度、波長、偏光、収集角度のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項6】
請求項3に記載の計測ツールであって、前記測定レシピに関連付けられた前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの前記構成は、
前記画像化サブシステムの画像化深度を含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項7】
請求項1に記載の計測ツールであって、前記照明サブシステムは、2つ以上の照明ビームを用いて、前記2つ以上の取得フィールドを照明するための2つ以上の照明チャネルを含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項8】
請求項7に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の照明チャネルのうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを、前記対物レンズの開口数よりも大きい照明角度で、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つに向ける、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項9】
請求項7に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の照明チャネルのうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを、前記対物レンズを介して、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つに向ける、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項10】
請求項7に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の取得フィールドは、
第1の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを用いて、強度、波長、偏光、または入射角の第1の照明条件で前記第1の取得フィールドを照明する、第1の取得フィールドと、
第2の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを用いて、前記第1の照明条件と異なる第2の照明条件で前記第1の取得フィールドを照明する、第2の取得フィールドとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項11】
請求項7に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の取得フィールドは、
第1の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの第1の照明ビームを用いて、前記第1の取得フィールドを照明する、第1の取得フィールドと、
第2の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの第1の照明ビームと対称的に対向している方位角を有する前記2つ以上の照明ビームのうちの前記第1の照明ビームを用いて、前記第2の取得フィールドを照明する、第2の取得フィールドとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項12】
請求項7に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の取得フィールドは、
第1の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、直交方位角を有する前記2つ以上の照明ビームの第1の対を用いて、前記第1の取得フィールドを照明する、第1の取得フィールドと、
第2の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、直交方位角を有する前記2つ以上の照明ビームの第2の対を用いて、前記第2の取得フィールドを照明し、前記2つ以上の照明ビームの前記第2の対は、照明ビームの前記第1の対と対称的に対向している、第2の取得フィールドとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項13】
請求項1に記載の計測ツールであって、前記フィールド再配置光学リレーは、
1つ以上の偏心光学要素を備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項14】
請求項13に記載の計測ツールであって、前記1つ以上の偏心光学要素は、
2つ以上のセグメントにおいて異なる表面プロファイルを有する1つ以上のセグメント化された光学要素のうちの少なくとも1つ、1つ以上のレンズアレイ、または、個々の光学要素の1つ以上のセットを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項15】
請求項13に記載の計測ツールであって、前記1つ以上の偏心光学要素は、
前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つの画像を回転させるための少なくとも1つのビーム回転子を備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項16】
請求項15に記載の計測ツールであって、前記少なくとも1つのビーム回転子は、
kミラーまたはダブプリズムのうちの少なくとも1つを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項17】
1つ以上の照明源と、
サンプルを走査方向に沿って並進させるように構成された並進ステージと、
1つ以上の光学構成要素を含み、前記1つ以上の照明源からの2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明するように構成された照明サブシステムであって、前記2つ以上の取得フィールドは、非重複構成で、走査方向に沿って分布し、前記並進ステージは、前記サンプル上の計測対象を、前記走査方向に沿って、前記2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させ、前記照明サブシステムは、前記サンプルが走査されている間に、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つを、2つ以上の測定レシピを用いて交互に照明するように構成され、前記2つ以上の取得フィールドのうちの前記少なくとも1つに関連付けられた画像の部分は、前記2つ以上の測定レシピに関連付けられたインタリーブ画像を含む、照明サブシステムと、
前記サンプルが前記並進ステージによって前記走査方向に沿って走査されている間に、前記2つ以上の取得フィールドを画像化するように構成された画像化サブシステムであって、前記画像化サブシステムは、
測定視野内でサンプルからの光を捕捉するように構成された対物レンズであって、前記2つ以上の取得フィールドは、前記測定視野内にある、対物レンズと、
前記サンプルが走査されるときに前記2つ以上の取得フィールドの2つ以上の画像を生成するように構成された、列方向に沿って分布する1つ以上の画素列を含む走査検出器と、
前記2つ以上の取得フィールドの画像を前記走査検出器に中継するためのフィールド再配置光学リレーであって、前記2つ以上の取得フィールドにおける前記走査方向が、前記列方向と直交するように、前記2つ以上の取得フィールドの前記画像を前記列方向に沿って前記走査検出器に配置する、フィールド再配置光学リレーとを備える、画像化サブシステムと、
前記画像化サブシステムに通信可能に結合されたコントローラであって、
前記2つ以上の取得フィールドに関連付けられた前記サンプルの2つ以上の画像を受け取ることと、
前記2つ以上の画像に基づいて前記サンプルに関連付けられた計測測定値を生成することと
を1つ以上のプロセッサにさせるプログラム命令を実行するように構成された前記1つ以上のプロセッサを含むコントローラとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項18】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記計測測定値は、
オーバレイ測定値を含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項19】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記計測対象は、1つ以上のサンプル層上に非重複の特徴を含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項20】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記計測対象は、
重複領域内の2つ以上のサンプル層上に周期的特徴を含む、格子上格子オーバレイ対象を含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項21】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記走査検出器は、
時間領域積分(TDI)検出器であって、前記2つ以上の再配置された取得フィールドにおける前記走査方向は、前記TDI検出器の電荷移動方向整列される、時間領域積分(TDI)検出器を備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項22】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの構成を含む測定レシピは、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも一部について異なる、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項23】
請求項22に記載の計測ツールであって、前記測定レシピに関連付けられた前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの前記構成は、
前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つの強度、波長、偏光、または入射角のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項24】
請求項22に記載の計測ツールであって、前記測定レシピに関連付けられた前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの前記構成は、
前記走査検出器に向けられた光の強度、波長、偏光、収集角度のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項25】
請求項22に記載の計測ツールであって、前記測定レシピに関連付けられた前記照明サブシステムまたは前記画像化サブシステムのうちの少なくとも1つの前記構成は、
前記画像化サブシステムの画像化深度を含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項26】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記照明サブシステムは、2つ以上の照明ビームを用いて、前記2つ以上の取得フィールドを照明するための2つ以上の照明チャネルを含む、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項27】
請求項26に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の照明チャネルのうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを、前記対物レンズの開口数よりも大きい照明角度で、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つに向ける、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項28】
請求項26に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の照明チャネルのうちの少なくとも1つの照明チャネルは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを、前記対物レンズを介して、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つに向ける、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項29】
請求項26に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の取得フィールドは、
第1の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを用いて、強度、波長、偏光、または入射角の第1の照明条件で前記第1の取得フィールドを照明する、第1の取得フィールドと、
第2の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの少なくとも1つを用いて、前記第1の照明条件と異なる第2の照明条件で前記第1の取得フィールドを照明する、第2の取得フィールドとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項30】
請求項26に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の取得フィールドは、
第1の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの第1の照明ビームを用いて、前記第1の取得フィールドを照明する、第1の取得フィールドと、
第2の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、前記2つ以上の照明ビームのうちの第1の照明ビームと対称的に対向している方位角を有する前記2つ以上の照明ビームのうちの前記第1の照明ビームを用いて、前記第2の取得フィールドを照明する、第2の取得フィールドとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項31】
請求項26に記載の計測ツールであって、前記2つ以上の取得フィールドは、
第1の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、直交方位角を有する前記2つ以上の照明ビームの第1の対を用いて、前記第1の取得フィールドを照明する、第1の取得フィールドと、
第2の取得フィールドであって、前記照明サブシステムは、直交方位角を有する前記2つ以上の照明ビームの第2の対を用いて、前記第2の取得フィールドを照明し、前記2つ以上の照明ビームの前記第2の対は、照明ビームの前記第1の対と対称的に対向している、第2の取得フィールドとを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項32】
請求項17に記載の計測ツールであって、前記フィールド再配置光学リレーは、
1つ以上の偏心光学要素を備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項33】
請求項32に記載の計測ツールであって、前記1つ以上の偏心光学要素は、
2つ以上のセグメントにおいて異なる表面プロファイルを有する1つ以上のセグメント化された光学要素のうちの少なくとも1つ、1つ以上のレンズアレイ、または、個々の光学要素の1つ以上のセットを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項34】
請求項32に記載の計測ツールであって、前記1つ以上の偏心光学要素は、
前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つの画像を回転させるための少なくとも1つのビーム回転子を備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項35】
請求項34に記載の計測ツールであって、前記少なくとも1つのビーム回転子は、
kミラーまたはダブプリズムのうちの少なくとも1つを備える、ことを特徴とする計測ツール。
【請求項36】
対物レンズの測定視野内の2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明することであって、前記2つ以上の取得フィールドは、非重複構成で、走査方向に沿って分布し、前記サンプルが走査されている間に、前記2つ以上の取得フィールドのうちの少なくとも1つが、2つ以上の測定レシピを用いて交互に照明され、前記2つ以上の取得フィールドのうちの前記少なくとも1つに関連付けられた画像の部分は、前記2つ以上の測定レシピに関連付けられたインタリーブ画像を含む、照明することと、
前記サンプルを、前記走査方向に沿って、前記2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させることと、
フィールド再配置光学リレーを使用して、前記2つ以上の取得フィールドの画像を、前記対物レンズを介して走査検出器に中継することであって、前記フィールド再配置光学リレーは、前記2つ以上の取得フィールドにおける前記走査方向が、列方向と直交するように、前記2つ以上の取得フィールドの前記画像を、前記列方向に沿って前記走査検出器に配置する、中継することと、
前記2つ以上の取得フィールドに関連付けられた前記サンプルの2つ以上の画像を生成することと、
前記2つ以上の画像に基づいて、前記サンプルに関連付けられた計測測定値を生成することとを含む、ことを特徴とする計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、走査計測に関し、より詳細には、単一の計測走査において複数の光学構成を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
走査計測システムは、サンプルが移動しているときにサンプルを調べ、計測測定値の数および/または感度に対する需要の増大に応える高いスループットの測定を達成するための有望なアプローチを提供する。しかしながら、走査計測では、サンプル上の特定の位置(たとえば、計測対象の位置など)を、異なる測定パラメータで複数回測定する必要がある場合、さらなる課題が生じる。たとえば、異なる照明または収集構成でサンプルの複数の走査を実行することで、所望されるデータセットを提供する可能性があるが、複数の走査に必要な時間が、走査計測のスループット能力を相殺する可能性がある。別の例として、波長または偏光などの収集光の特定の光学パラメータに基づいて収集光を複数の経路に分割することは、異なる収集条件を使用して測定値を生成する能力を提供し得るが、このアプローチは、走査中に照明パラメータを変更する能力がなく、照明光を非効率的に使用するため、測定ノイズが増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2003/0179369号
【文献】米国特許出願公開第2019/0331903号
【文献】米国特許第6211955号
【文献】米国特許出願公開第2017/0058343号
【文献】米国特許第8760662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記の欠点を解決するシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態による計測ツールが開示される。1つの例示的な実施形態では、計測ツールは、2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明するための照明サブシステムを含み、2つ以上の取得フィールドは、非重複構成で、走査方向に沿って分布し、並進ステージは、サンプル上の計測対象を、走査方向に沿って、2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させる。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、サンプルが並進ステージによって走査方向に沿って走査されている間に、2つ以上の取得フィールドを画像化するための画像化サブシステムを含む。別の例示的な実施形態では、画像化サブシステムは、測定視野内でサンプルからの光を捕捉するための対物レンズを含み、2つ以上の取得フィールドは、測定視野内にある。別の例示的な実施形態では、画像化サブシステムは、サンプルが走査されるときに2つ以上の取得フィールドの2つ以上の画像を生成するために、列方向に沿って分布する1つ以上の画素列を含む走査検出器を含む。別の例示的な実施形態では、画像化サブシステムは、2つ以上の取得フィールドの画像を走査検出器に中継するためのフィールド再配置光学リレーを含み、フィールド再配置光学リレーは、2つ以上の取得フィールドにおける走査方向が列方向と直交するように、2つ以上の取得フィールドの画像を列方向に沿って走査検出器に配置する。
【0006】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態による計測ツールが開示される。1つの例示的な実施形態では、計測ツールは、1つ以上の照明源を含む。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、サンプルを走査方向に沿って並進させるための並進ステージを含む。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、1つ以上の照明源からの2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明するための照明サブシステムを含み、2つ以上の取得フィールドは、非重複構成で、走査方向に沿って分布し、並進ステージは、サンプル上の計測対象を、走査方向に沿って、2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させる。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、サンプルが並進ステージによって走査方向に沿って走査されている間に2つ以上の取得フィールドを画像化するための画像化サブシステムを含む。別の例示的な実施形態では、画像化サブシステムは、測定視野内でサンプルからの光を捕捉するための対物レンズを含み、2つ以上の取得フィールドは、測定視野内にある。別の例示的な実施形態では、画像化サブシステムは、サンプルが走査されるときに2つ以上の取得フィールドの2つ以上の画像を生成するために、列方向に沿って分布する1つ以上の画素列を含む走査検出器を含む。別の例示的な実施形態では、画像化サブシステムは、2つ以上の取得フィールドの画像を走査検出器に中継するためのフィールド再配置光学リレーを含み、フィールド再配置光学リレーは、2つ以上の取得フィールドにおける走査方向が列方向と直交するように、2つ以上の取得フィールドの画像を列方向に沿って走査検出器に配置する。別の例示的な実施形態では、計測ツールは、画像化サブシステムに通信可能に結合されたコントローラを含む。別の例示的な実施形態では、コントローラは、2つ以上の取得フィールドに関連付けられたサンプルの2つ以上の画像を受け取る。別の例示的な実施形態では、コントローラは、2つ以上の画像に基づいて、サンプルに関連付けられた計測測定値を生成する。
【0007】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態による計測方法が開示される。1つの例示的な実施形態では、方法は、対物レンズの測定視野内の2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明することを含み、2つ以上の取得フィールドは、非重複構成で、走査方向に沿って分布する。別の例示的な実施形態では、方法は、サンプルを、走査方向に沿って、2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させることを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、フィールド再配置光学リレーを使用して、2つ以上の取得フィールドの画像を、対物レンズを介して、走査検出器に中継することを含み、フィールド再配置光学リレーは、2つ以上の取得フィールドにおける走査方向が列方向と直交するように、2つ以上の取得フィールドの画像を列方向に沿って走査検出器に配置する。別の例示的な実施形態では、方法は、2つ以上の取得フィールドに関連付けられたサンプルの2つ以上の画像を生成することを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、2つ以上の画像に基づいて、サンプルに関連付けられた計測測定値を生成することを含む。
【0008】
前述した一般的な説明と、以下の詳細な説明との両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求された本発明を必ずしも限定するものではないことが理解されるべきである。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、一般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0009】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による走査計測システムのブロック図である。
図1B図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、単一の取得フィールドを照明する単一の照明チャネルを示す画像化計測ツールの概念図である。
図1C図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、3つの取得フィールドのために、レンズ外(OTL)ダイポール照明を提供する6つの照明チャネルを備えた画像化計測ツールの概念図である。
図2A図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、取得フィールドの配置を示すサンプルの上面図である。
図2B図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、フィールド再配置光学リレーによって取得フィールドが再配置された走査検出器の面の上面図である。
図2C図2Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、フィールド再配置光学リレーによって取得フィールドが再配置された双方向走査センサを備えた走査検出器の面の上面図である。
図3A図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態によるフィールド再配置光学リレーの斜視図である。
図3B図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、取得フィールドの画像を回転させるための一連のkミラーの斜視図である。
図3C図3Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、中間フィールド面に配置された双方向センサを備えた検出器上に取得フィールドを配置するように構成されたフィールド再配置光学リレーの上面図である。
図4図4は、本開示の1つ以上の実施形態による計測方法において実行されるステップを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に示される、開示される主題について詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して特に示され説明されている。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であるとみなされる。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更および修正を行うことができることは、当業者に容易に明らかなはずである。
【0012】
本開示の実施形態は、走査計測システムによる単一走査において、異なる照明および/または収集パラメータ(たとえば、測定レシピ)を使用して、計測対象または他のサンプル位置の複数の測定を実行するためのシステムおよび方法を対象とする。これに関して、高い測定感度は、単一走査で異なる測定レシピを使用する複数の測定を組み合わせて達成され、高いスループットの測定を提供し得る。本開示の目的のために、計測対象という用語は、計測システムを使用して検査されるサンプルの一部を一般的に説明するために使用される。このようにして、計測対象という用語は、専用の計測対象(たとえば、計測を容易にするように設計された特徴を有するサンプルの部分)、または、直接的な計測測定に適したデバイス特徴の部分を含み得るが、これらに限定されない。
【0013】
光学計測ツールは、典型的には、サンプルの照明およびサンプルからの光の収集を制御するためのパラメータのセットを含むレシピに従って構成可能である。本明細書では、異なる光学計測技法が、サンプル上の光の異なる照明プロファイルを必要とする場合があり、さらに、測定のために収集瞳孔の異なる部分からの光を利用する場合があることが認識される。たとえば、光学計測ツールのレシピは、照明強度、照明波長、照明瞳孔分布(たとえば、照明角度の分布およびそれらの角度での関連する照明の強度)、入射照明の偏光、照明の空間分布、または、サンプル高さ(たとえば、対象焦点)などの照明パラメータを含み得るが、これらに限定されない。別の例として、光学計測ツールのレシピは、収集瞳孔分布(たとえば、測定に使用されるサンプルからの角度光と、それらの角度で関連付けられたフィルタリングされた強度との所望される分布)、関心サンプルの部分を選択するための取得フィールド絞り設定、収集光の偏光、または波長フィルタなどの収集パラメータを含み得るが、これらに限定されない。
【0014】
さらに、様々な計測対象設計、測定技法、および対応する計測ツールが開発されており、異なる技法は、異なる測定レシピを利用し得る。たとえば、画像ベースのオーバレイ計測の場合、画像ベースのオーバレイ計測ツールは、1つ以上のサンプル層上の2つ以上のリソグラフィ露光に関連付けられた非重複の分解可能な特徴を有するオーバレイ対象(たとえば、高度な画像化計測(AIM)対象、ボックスインボックス計測対象など)を照明し、明視野画像化または暗視野画像化などを含むが、これらに限定されない、様々な画像化技法に基づいて、オーバレイ対象の画像を含むオーバレイ信号を捕捉し得る。したがって、オーバレイは、捕捉された画像におけるオーバレイ対象の特徴(たとえば、フィールド面分布)の相対位置を測定することによって決定され得る。さらに、収集瞳孔における瞳孔マスクを使用して、サンプル上の周期的構造からの特定の回折次数を選択的に阻止する(そして通過させる)ために使用され得る。このようにして、結果として得られる画像の特性を高度に調整して、対応する計測アルゴリズムを使用して、高感度の計測測定を提供し得る。移動中のサンプルの計測と、関連付けられた計測対象のレイアウトとは、2019年9月27日に出願された米国特許出願第16/586,504号、2019年10月10日に出願された米国特許出願第16/598,146号、および2021年1月4日に出願された米国特許出願第17/140,999号に一般的に説明されており、その全体を本願に引用して援用する。別の例として、散乱計測ベースのオーバレイ計測ツールは、(たとえば、これらの層上のリソグラフィ露光に関連付けられた)重複領域における2つ以上のサンプル層上の周期的構造を含む格子上格子計測対象を照明し得、格子上格子構造からの照明ビームの回折、散乱、および/または反射に関連付けられたオーバレイ対象から発せられる光の角度分布を含むオーバレイ信号を捕捉し得る。次いで、オーバレイは、1つ以上の選択された回折次数に基づいて生成された1つ以上の画像に基づいて決定され得る。たとえば、単一の回折次数に基づいて、オーバレイ対象の1つ以上の画像が生成され得る。このようにして、オーバレイ対象の特徴は分解されない可能性があるが、対称的に対向する照明で画像化されたときの画像化対象領域の強度またはグレーレベルの比較に基づいてオーバレイが決定され得る。走査散乱計測オーバレイは、2021年1月4日に出願された米国特許出願第17/140,999号に一般的に説明されており、その全体を本願に引用して援用する。
【0015】
本明細書では、本明細書で開示されるシステムおよび方法は、計測対象の特徴が十分に分解される画像化技法、計測対象の特徴が十分に分解されない散乱計測技法、または計測対象によって生成された選択された回折次数に基づいて計測信号が生成される任意の回折ベースの技法を含むが、これらに限定されない、任意の走査計測技術に適し得ると考えられる。
【0016】
本明細書では、同じまたは異なる測定技法(たとえば、画像化技法または散乱計測技法など)に関連付けられ得る異なる測定レシピ(たとえば、照明パラメータおよび/または収集パラメータ)を有する複数の測定信号を収集することによって、計測測定(たとえば、オーバレイ計測測定)の感度および/または精度が改善され得ると考えられる。たとえば、異なる測定条件は、異なる測定精度を提供する可能性があり、および/または、限定されないが、非対称特徴、ツール誘起シフト(TIS)誤差、または、計測対象の測定が関心デバイス特徴を正確に特徴付ける誤差の程度などのような、特定の測定誤差の原因に対して、多かれ少なかれ感度を有し得る。したがって、計測対象などのサンプルの共通部分を、異なる測定条件で測定することにより、ロバストで正確な測定が容易になり得る。
【0017】
本明細書ではさらに、サンプルの特定の位置(たとえば、計測対象の位置)の複数の測定値を取得することは、サンプルが静止している場合には簡単であり得ると考えられる。特に、サンプルを移動させる前に、順次測定するために測定レシピを順次変更することができる。しかしながら、異なる測定レシピで、サンプルの複数の測定値を取得することは、さらなる課題を提起する。
【0018】
いくつかの実施形態では、走査計測システムは、測定視野内に2つ以上の取得フィールド(またはサブフィールド)を画定し、取得フィールドは、計測対象、または、測定されるサンプルの他の部分が、走査中に、取得フィールドのおのおのを順次通過するように、走査方向に沿って分布する。走査計測システムはさらに、2つ以上の取得フィールドが、走査方向に直交するライン方向に分布するように、走査センサ上で取得フィールドの位置を再配置および/または回転させるための1つ以上のフィールド再配置リレー光学系を含み得る。たとえば、走査センサは、サンプルが走査方向に沿って並進されるときに、一度に1ラインの画素の画像を生成し得る。したがって、フィールド再配置リレー光学系は、各取得フィールドを、走査センサ(または、場合によっては異なる隣接センサ)における異なる画素のセットに分布させ得る。サンプルが2つ以上の取得フィールドを介して走査されると、計測対象は、走査センサの異なる画素のセットのおのおのに順次表れることになる。この構成は、サンプルの動きが、走査方向に沿った画素行間の電荷移動に同期され、結果として得られる画像の有効露光時間を延長する、時間遅延積分(TDI)センサを用いた画像化に適し得るが、これらに限定されない。
【0019】
フィールド再配置リレー光学系は、走査方向ではなく、ライン走査センサのライン方向に沿って分布する取得フィールドの転置および/または回転に適した光学要素の任意の組合せを含み得る。1つの実施形態では、フィールド再配置リレー光学系は、2つ以上の取得フィールドを、転置方位において中間フィールド面に個別に中継するための分離された、または偏心した光学要素を含む。さらに、フィールド再配置リレー光学系は、サンプルが走査方向に沿って走査されると、取得フィールドを回転させて連続画像の生成を容易にする、kミラー、ダブプリズムなどの画像回転要素を含み得る。
【0020】
本明細書では、この構成により、異なる測定レシピ(たとえば、異なる照明パラメータ、および/または、収集パラメータ)を用いた取得フィールドのおのおのの個別の測定を可能にし得ることが考えられる。1つの実施形態では、走査計測システムは、取得フィールドのおのおの(または、少なくとも一部)に、個別の照明チャネルを提供し、限定されないが、波長、偏光、入射角(たとえば、照明瞳孔制御)、照明フィールド(たとえば、照明フィールド制御)などの、様々な照明パラメータの独立した制御を容易にする。さらに、走査計測システムは、レンズ外(OTL)照明技法とレンズ通過(TTL)照明技法との任意の組合せを組み込み得る。たとえば、OTL照明およびTTL照明は、2020年8月18日に出願された米国特許出願第16/996,328号、および2021年1月4日に出願された米国特許出願第17/140,999号において一般的に説明されており、両方とも、その全体を本願に引用して援用する。別の実施形態では、走査計測システムは、限定されないが、偏光フィルタリング、波長フィルタリング、(たとえば、選択された計測アルゴリズムを実施するために、選択された回折次数を阻止するための)収集瞳孔制御、(たとえば、サンプル上の収集視野を選択するための)収集フィールド制御などの、様々な収集パラメータの独立した制御を容易にするために、取得フィールドのおのおの(または少なくとも一部)のために、個別の収集チャネルを含む。たとえば、走査計測システムは、収集チャネルのおのおの(または少なくともいくつか)のために、中間収集フィールド面および/または中間収集瞳孔面を生成するためのフィールドリレーを含み得る。
【0021】
ここで図1A図4を参照して示すように、本開示の1つ以上の実施形態による、複数の測定レシピを用いた走査計測のためのシステムおよび方法が、より詳細に説明される。
【0022】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による走査計測システム100のブロック図である。
【0023】
1つの実施形態では、走査計測システム100は、計測対象、または、サンプル104の他の測定可能な部分から、計測信号を取得する画像化計測ツール102を含む。たとえば、画像化計測ツール102は、限定されないが、オーバレイ測定を実行するためのオーバレイ計測ツールを含み得る。
【0024】
1つの実施形態では、画像化計測ツール102は、2つ以上の照明ビーム112の形態の照明で、サンプル104上の2つ以上の取得フィールド110を照明するための、2つ以上の照明チャネル108を備えた照明サブシステム106を含む。2つ以上の照明チャネル108のおのおのは、照明ビーム112を、特定の取得フィールド110に向け得る。さらに、各取得フィールド110は、1つ以上の照明チャネル108によって同時にまたは順次照明され得る。このようにして、限定されないが、強度、波長、偏光、または入射角などの様々な照明パラメータが、各照明チャネル108および取得フィールド110のために、独立して調整され得る。たとえば、1つ以上の照明ビーム112は、(たとえば、計測対象の1つ以上のセルにおける)周期的構造が、離散的な回折次数を生成し得るように、角度的に制限され得る。さらに、1つ以上の照明ビーム112は、取得フィールド110内のサンプル104の選択された部分を照明できるように、空間的に制限され得る。たとえば、1つ以上の照明ビーム112のおのおのは、計測対象の特定のセルを照明するように空間的に制限され得る。
【0025】
別の実施形態では、画像化計測ツール102は、照明サブシステム106および画像化サブシステム116に対して、サンプル104を並進させるための走査サブシステム114を含む。たとえば、走査サブシステム114は、サンプル104に、および/または、画像化サブシステム116の一部(たとえば、対物レンズ)に固定された、1つ以上のアクチュエータまたは並進ステージを含み得る。
【0026】
別の実施形態では、走査計測システム100は、2つ以上の取得フィールド110からの光(たとえば、測定光118)を収集し、その光を走査検出器120に向けるための画像化サブシステム116を含む。たとえば、2つ以上の取得フィールド110は、画像化サブシステム116の測定視野(たとえば、測定光118を収集するために使用される対物レンズの視野)内に分布し得る。画像化サブシステム116は、2つ以上の収集チャネル122をさらに含み得、各収集チャネル122は、特定の取得フィールド110に関連付けられ得る。したがって、限定されないが、波長、偏光、または収集角度など、各取得フィールド110からの測定光118に関連付けられた様々な収集パラメータが、独立して制御され得る。
【0027】
走査検出器120は、サンプル104が走査されるときに測定光118を捕捉するのに適した、当該技術分野で知られている任意の種類のセンサまたはセンサの組合せを含み得る。1つの実施形態では、走査検出器120は、サンプル104が列方向206へ直交する走査方向202に沿って走査されるときに、一度に1ラインの画素の画像を連続的に生成するために、列方向206に沿って分布する単一行の画素を含むライン走査検出器を含む。別の実施形態では、走査検出器120は、時間遅延積分(TDI)検出器を含む。TDI検出器は、サンプル104の動きが、TDI検出器における電荷移動クロック信号に同期しているときに、サンプル104の連続画像を生成し得る。特に、TDI検出器は、複数列の画素における露光から電荷を取得し、走査方向202に沿って、隣接する画素列間で電荷を移動させるためのクロックパルスを含む。走査方向202に沿ったサンプル104の動きが、TDI検出器における電荷移動と同期している場合、走査中に電荷が連続的に蓄積する。このプロセスは、電荷が、画素の最後の列に到達し、その後、TDI検出器から読み出されるまで続く。このようにして、単純なライン走査カメラで可能となるよりも、長い時間フレームにわたって、対象の画像が蓄積される。この比較的長い取得時間により、画像におけるフォトンノイズレベルが減少する。さらに、画像と電荷との同期した動きにより、記録された画像におけるブレを阻止し得る。
【0028】
別の実施形態では、走査検出器120は、反対方向における読出しに基づいて、2つの連続画像が生成される双方向検出器を含む。この構成では、単一の双方向検出器が、2つの連続画像を同時に生成し得る。たとえば、双方向TDI検出器は、反対の電荷移動方向の、2セットの画素列を有し得る。双方向検出器を用いた画像化は、2005年12月27日に出願された米国特許第7,528,943号と、2012年12月10日に出願された米国特許第9,426,400号に一般的に説明されており、両方とも、その全体を本願に引用して援用する。
【0029】
図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による取得フィールド110の配置を示すサンプル104の上面図である。1つの実施形態では、2つ以上の取得フィールド110が、走査方向202に沿って線形的に分布し、画像化サブシステム116の測定視野204(たとえば、画像化サブシステム116の対物レンズの視野)内に位置する。この構成では、サンプル104が走査されると、計測対象(または、測定されるサンプル104の他の所望の部分)が、取得フィールド110を順次通過し得る。特に、図2Aは、走査中に計測対象が、取得フィールド110a、取得フィールド110b、その後、取得フィールド110cを、順次通過するように配置された測定視野204内の3つの取得フィールド110a、b、cを示す。
【0030】
別の実施形態では、走査計測システム100は、走査検出器120の列方向に沿った取得フィールド110の配置を容易にするために、取得フィールド110の画像を再配置するためのフィールド再配置光学リレー124を含む。たとえば、フィールド再配置光学リレー124は、画像化サブシステム116における1つの中間フィールド面に位置する取得フィールド110を、別の中間フィールド面に中継することができ、ここで、フィールド再配置光学リレー124は、2つの中間フィールド面の間で、取得フィールド110を、個別に画像化、再配置、および/または、回転させる。
【0031】
本明細書では、(たとえば、図2Aに示されるような)測定視野204を、単純に走査検出器120上に画像化することは、特にTDI検出器を用いて取得フィールド110の個別の画像を生成するのには不適切である可能性があると考えられる。たとえば、走査検出器120は、1つ以上の画素列を含むことができ、各列における画素は、列方向に沿って分布している。このようにして、走査検出器120は、サンプル104が列方向に直交する走査方向202に沿って走査されると、サンプル104の連続画像を生成し得る。この構成では、走査検出器120の列方向を、走査方向に対して直交して配置して、サンプルの連続画像を生成すると、複数の取得フィールド110が順次画像化されることになる。TDI検出器が使用される場合、この構成は、取得フィールド110の画像の混合をもたらす可能性がある。
【0032】
1つの実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、走査検出器120の列方向に沿って取得フィールド110の位置を変更するか、さもなければ再分布させることができ、さらに、走査方向が、走査検出器120の列方向に直交するように、取得フィールド110の画像を回転させ得る。別の実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、2つ以上の個別の走査検出器120の列方向に沿って取得フィールド110を再配置するか、さもなければ再分布させることができ、さらに、走査方向が、各走査検出器120の列方向に直交するように、取得フィールド110の画像を回転させ得る。
【0033】
図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、フィールド再配置光学リレー124によって取得フィールド110が再配置された走査検出器120の面の上面図である。図2Bに示すように、取得フィールド110a、b、cは、走査検出器120の列方向206に沿って分布しており、取得フィールド110のおのおのにおける走査方向202は、列方向206に直交している。結果として、走査検出器120によって生成される連続画像は、取得フィールド110のおのおのについて個別の領域を含み得る。特に、各取得フィールド110は、列方向206に沿った走査検出器120の固定セットの画素に関連付けられ得る。あるいは、複数の走査検出器120の場合、1つ以上の取得フィールド110は、おのおの個別の画像を提供し得る個別の走査検出器120上に画像化され得る。
【0034】
図2Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、フィールド再配置光学リレー124によって取得フィールド110が再配置された双方向走査センサを備えた走査検出器120の面の上面図である。特に、図2Cは、図2Aに示すような3つではなく、走査方向202に沿って分布する2つの取得フィールド110を有する構成を示す。
【0035】
本明細書で前述したように、双方向検出器は、2つの連続画像を同時に生成するために2セットの画素列208a、bを含み得る。たとえば、双方向TDI検出器は、2セットの画素列208a、bのために、反対の電荷移動方向を有し得る。1つの実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、1つの取得フィールド110を、第1のセットの画素列208aに配置し、第2の取得フィールド110を、第2のセットの画素列208bに配置する。さらに、図2Cに示すように、2つの取得フィールド110の走査方向202が反対方向になるように、2つの取得フィールド110が回転され得る。このようにして、単一の双方向走査検出器120を使用して、2つの取得フィールド110の個別の画像が生成され得る。双方向TDI検出器の場合、電荷移動方向210は、各取得フィールド110の走査方向202とも整列し得る。
【0036】
同様に、図2Cに示される概念は、偶数の取得フィールド110を提供する画像化計測ツール102の構成に適している可能性がある。たとえば、フィールド再配置光学リレー124は、取得フィールド110の対を、複数の双方向検出器上に再配置し(そして、必要に応じて回転させ)得る。
【0037】
ここで図1B図3Bを参照して示すように、異なる測定レシピを用いて、順次、取得フィールド110における計測対象またはサンプルの他の部分の複数の測定値を提供する、走査計測システム100の様々な構成が、本開示の1つ以上の実施形態に従って、より詳細に説明される。
【0038】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、単一の取得フィールド110を照明する単一の照明チャネル108を示す画像化計測ツール102の概念図である。このようにして、図1Bは、任意の特定の照明チャネル108または収集チャネル122に含まれ得る走査計測システム100の様々な構成要素を示す。図1Bおよび図1Cは、照明サブシステム106および画像化サブシステム116の様々な構成を一般に示す。図3Aおよび図3Bは、フィールド再配置光学リレー124の動作を示す。
【0039】
1つの実施形態では、画像化計測ツール102は、1つ以上の照明ビーム112を生成するように構成された少なくとも1つの照明源126を含む。照明源126からの照明ビーム112は、限定されないが、紫外(UV)放射線、可視放射線、または赤外(IR)放射線を含む、1つ以上の選択された波長の光を含み得る。さらに、照明源126からの照明ビーム112は、限定されないが、連続波(CW)プロファイル、パルスプロファイル、または変調プロファイルを含む、任意の時間プロファイルを有し得る。
【0040】
照明源126は、一般に、少なくとも1つの照明ビーム112を提供するのに適した任意の種類の照明源を含み得る。1つの実施形態では、照明源126は、レーザ源である。たとえば、照明源126は、限定されないが、1つ以上の狭帯域レーザ源、広帯域レーザ源、スーパコンティニュームレーザ源、白色光レーザ源などを含み得る。これに関して、照明源126は、高いコヒーレンス(たとえば、高い空間的コヒーレンスおよび/または時間的コヒーレンス)を有する照明ビーム112を提供し得る。別の実施形態では、照明源126は、レーザ持続プラズマ(LSP)源を含む。たとえば、照明源126は、レーザ源によってプラズマ状態に励起されたときに、広帯域照明を放射し得る1つ以上の要素を収容するのに適したLSPランプ、LSP電球、またはLSPチャンバを含み得るが、これらに限定されない。別の実施形態では、照明源126は、ランプ源を含む。たとえば、照明源126は、限定されないが、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含み得る。これに関して、照明源126は、低いコヒーレンス(たとえば、低い空間的コヒーレンスおよび/または時間的コヒーレンス)を有する照明ビーム112を提供し得る。
【0041】
照明サブシステム106は、任意の数の照明ビーム112を含み得る。このようにして、特定の照明源126は、(たとえば、図1Bに示されるような)単一の照明チャネル108、または(たとえば、1つ以上のビームスプリッタなどを使用する)複数の照明チャネル108のために、照明を提供し得る。
【0042】
照明チャネル108は、照明ビーム112を修正および/または調整すること、ならびに照明ビーム112をサンプル104に向けるのに適した1つ以上の光学構成要素を含み得る。1つの実施形態では、照明チャネル108は、(たとえば、照明ビーム112をコリメートするため、瞳孔面および/またはフィールド面を中継するためなど)1つ以上の照明チャネルレンズ128を含む。別の実施形態では、照明チャネル108は、照明ビーム112を成形するか、さもなければ制御するための1つ以上の照明チャネル光学系130を含む。たとえば、照明チャネル光学系130は、1つ以上の照明フィールド絞り、1つ以上の照明瞳孔絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上のディフューザ、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビームシェイパ、または、1つ以上のミラー(たとえば、静止ミラー、並進ミラー、走査ミラーなど)を含み得るが、これらに限定されない。さらに、照明チャネル光学系130は、限定されないが、照明瞳孔面132または照明フィールド面134など、照明チャネル108における任意の適切な位置に配置され得る。たとえば、画像化計測ツール102は、照明瞳孔面132および/または照明フィールド面134を提供するための(たとえば、1つ以上の照明チャネルレンズ128を含む)1つ以上のリレー光学系を含み得る。
【0043】
別の実施形態では、画像化サブシステム116は、取得フィールド110から測定光118を収集し、測定光118を、取得フィールド面138に配置された走査検出器120に向けて、サンプル104の画像を生成するための対物レンズ136を含む。
【0044】
別の実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、(たとえば、図2A図2Cに示すように)取得フィールド110を再配置するために画像化サブシステム116に配置される。たとえば、フィールド再配置光学リレー124は、2つの取得フィールド面138の間で取得フィールド110の画像を中継し得る。さらに、図1Bに示されるように、走査検出器120は、取得フィールド面138のうちの1つの面に配置され得る。
【0045】
別の実施形態では、画像化サブシステム116は、取得フィールド110のいずれかからの測定光118の様々な光学パラメータの独立した制御を提供するために、2つ以上の収集チャネル122を含む。たとえば、収集チャネル122は、取得フィールド110からの測定光118を修正および/または調整するのに適した1つ以上の光学要素を含み得る。1つの実施形態では、収集チャネル122は、(たとえば、測定光118をコリメートするため、瞳孔面および/またはフィールド面を中継するためなど)必須ではないが、対物レンズ136を含み得る、1つ以上の収集チャネルレンズ140を含み得る。別の実施形態では、収集チャネル122は、照明ビーム112を成形するか、さもなければ制御するための1つ以上の収集チャネル光学系142を含む。たとえば、収集チャネル光学系142は、1つ以上のフィールド絞り、1つ以上の瞳孔絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上のディフューザ、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビームシェイパ、または、1つ以上のミラー(たとえば、静止ミラー、並進ミラー、走査ミラーなど)を含み得るが、これらに限定されない。さらに、収集チャネル光学系142は、限定されないが、収集瞳孔面144または取得フィールド面138などの任意の適切な位置に配置され得る。たとえば、画像化計測ツール102は、収集瞳孔面144および/または取得フィールド面138を提供するための(たとえば、1つ以上の収集チャネルレンズ140を含む)1つ以上のリレー光学系を含み得る。それに加えて、本明細書では、収集チャネル光学系142、収集チャネルレンズ140などの収集チャネル122の様々な構成要素が、フィールド再配置光学リレー124の前または後に配置され得ることが考えられる。
【0046】
ここで図1Bおよび図1Cを参照して示すように、本開示の1つ以上の実施形態による、取得フィールド110を照明するための画像化計測ツール102の様々な構成が、より詳細に説明される。
【0047】
本明細書で前述したように、画像化計測ツール102は、任意の数の照明チャネル108からの任意の数の照明ビーム112を用いて、任意の特定の取得フィールド110を照明し得る。さらに、取得フィールド110は、複数の照明ビーム112で同時に、または順次、照明され得る。たとえば、画像化計測ツール102は、通常照明、単極斜方照明、双極子照明、四重極照明、または他の任意の所望の照明プロファイルを用いて、同時にまたは順次、取得フィールド110を照明し得る。
【0048】
さらに、2つ以上の取得フィールド110は、限定されないが、強度、波長、偏光、または入射角などの(たとえば、異なる測定レシピに関連付けられた)異なる照明条件で照明され得る。このようにして、測定対象または測定されるサンプル104の他の部分を、単一走査で複数の照明条件で照明して、単一走査での1つ以上の計測測定を容易にし得る。
【0049】
1つの実施形態では、図1Bに示されるように、1つ以上の照明チャネル108は、対物レンズ136を介して照明ビーム112を向け、レンズ通過(TTL)照明を提供する。この構成では、画像化計測ツール102は、画像化サブシステム116と少なくとも1つの照明チャネル108のためのビーム経路を組み合わせるためのビームスプリッタ146を含み得る。さらに、図示されていないが、複数の照明チャネル108が、TTL照明を提供し得る。たとえば、複数の照明チャネル108からの光を、ビームスプリッタ146を介して、異なる位置および/または角度に向けることができる。別の例として、フィールドマスクは、複数の取得フィールド110に向けられる複数の照明ビーム112を提供するために、照明フィールド面134に配置され得る。
【0050】
別の実施形態では、図1Cに示すように、1つ以上の照明チャネル108は、照明ビーム112を、対物レンズ136の開口数(NA)の外側の入射角で、取得フィールド110に向け、レンズ外(OTL)照明を提供し得る。
【0051】
図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、3つの取得フィールド110のためにOTL双極子照明を提供する6つの照明チャネル108を備えた画像化計測ツール102の概念図である。図1Cにおいて、照明チャネル108のおのおのからの光は、個別の光ファイバによって提供される。さらに、図1Cにおいて、照明サブシステム106は、取得フィールド110のおのおののために双極子照明を提供する2つの照明ヘッド148を含む。このようにして、照明ヘッドは、複数の照明チャネル108からサンプル104に照明ビーム112を向けるための、限定されないが、レンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの、共通の光学要素のセットを提供し得る。たとえば、図1Cにおける照明ヘッド148はおのおの、(ここでは、X方向に沿った方位入射角を有する)共通の方向に沿って、3つの照明チャネル108から、3つの取得フィールド110に照明ビーム112を向けるためのプリズム150と、集束レンズ152のセットとを含む。同様に、図示されていないが、画像化計測ツール102は、四重極照明を提供するために、限定されないが、Y方向に沿った方位入射角などの追加の方向に沿って、取得フィールド110の照明を提供する、追加の照明ヘッド148を含み得る。
【0052】
しかしながら、図1B図1Cおよび関連付けられた説明は、例示目的のみのために提供されており、限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。むしろ、画像化計測ツール102は、測定視野204内の任意の数の取得フィールド110を照明するために、任意の数の照明チャネル108を含み得る。さらに、画像化計測ツール102は、限定されないが、共通の光学要素を用いて任意の数の照明ビーム112をサンプル104に向ける、図1Cに示されるような、1つ以上の照明ヘッド148を含み得る。代替的または追加的に、画像化計測ツール102は、個別の光学要素を利用して、1つ以上の照明ビーム112をサンプル104に向けることができる。
【0053】
ここで図3A図3Cを参照して示すように、本開示の1つ以上の実施形態による、取得フィールド110を画像化するためのフィールド再配置光学リレー124および走査検出器120の様々な構成が、より詳細に説明される。
【0054】
図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、フィールド再配置光学リレー124の斜視図である。1つの実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、取得フィールド110の画像を、1つの取得フィールド面138から別の取得フィールド面138に個別に中継し、取得フィールド110の画像を列方向206に沿って配置し、および/または、取得フィールド110のおのおのにおける走査方向202が、(たとえば、図2Bに示すように)列方向206と直交するように取得フィールド110を回転させるための、複数の偏心リレー光学系302を含む。
【0055】
偏心リレー光学系302は、取得フィールド110を独立して画像化、配置、および/または回転させるのに適した、当該技術分野で知られている任意の種類の光学要素または光学要素の組合せを含み得る。1つの実施形態では、図3Aに示されるように、偏心リレー光学系302は、各セグメント306において異なる表面プロファイルを有するセグメント化された光学要素304として形成される。別の実施形態では、偏心リレー光学系302は、個別の光学要素から形成される。別の実施形態では、偏心リレー光学系302は、レンズアレイから形成され、レンズアレイにおける様々なレンズは、図2Bおよび/または図2Cに示されるように、取得フィールド110の所望の再配置を提供するように調整される。さらに、様々なセグメントまたはレンズ要素のプロファイルは、取得フィールド110の所望の再配置を提供するために、任意の球面または非球面のプロファイルを有し得る。たとえば、偏心リレー光学系302は、異なる方向に配向された球面要素を含み得る。別の例では、偏心リレー光学系302は、1つ以上の非球面要素を含み得る。例として、図3Aは、一対のセグメント化された光学要素304を示しており、各セグメントは、取得フィールド110の画像を個別に画像化し、配置し、回転させるために個別に調整された表面プロファイルを有する3つのセグメント306を有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、取得フィールド110の画像を回転させるための個別の要素を含む。たとえば、フィールド再配置光学リレー124は、限定されないが、kミラーまたはダブプリズムなどの個別のビーム回転要素を用いて、取得フィールド110の画像を個別に回転させ得る。この構成では、偏心リレー光学系302は、取得フィールド110の相対位置を調整し得るが、それらを回転させる必要はない。
【0057】
図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、取得フィールド110の画像を回転させるための一連のkミラー308の斜視図である。特に、図3Bは、取得フィールド110aの画像を回転させる第1のセットのkミラー308aと、取得フィールド110bの画像を回転させる第2のセットのkミラー308aと、取得フィールド110cの画像を回転させる第3のセットのkミラー308cとを示す。さらに、図3Bにおけるkミラー308は、図2Bおよび図3Aに示すように、走査方向202が列方向206と直交するように、取得フィールド110のおのおのが90度回転するように配向される。kミラー308は、物理的回転の2倍の光学的回転を提供するので、kミラー308a、b、cはおのおの、45度に配向され、90度の光学的回転を提供する。
【0058】
図3Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、中間フィールド面206に配置された双方向センサを備えた検出器120上に取得フィールド110を配置するように配置されたフィールド再配置光学リレー124の上面図である。1つの実施形態では、偏心リレー光学系302は、2つの個別の経路に沿って2つの取得フィールド110を分割するためのビームスプリッタ310を含み、一方は、奇数回の反射(たとえば、折り目)を提供し、他方は、偶数回の反射(たとえば、折り目)を提供する。このようにして、2つの取得フィールド110の走査方向は、双方向センサによる読出しのために、中間フィールド面206において反対方向を指すように配置され得る。たとえば、図3Cは、フィールド再配置光学リレー124が、単一の反射面314(たとえば、奇数回の反射)を提供するミラーを備えた第1の経路312と、2つの反射(たとえば、偶数回の反射)を提供する2つの反射面318を有するプリズムを備えた第2の経路316とを含む構成を示す。さらに、フィールド再配置光学リレー124の経路のおのおのにおける反射面は、ミラーまたはプリズム面を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で知られている任意の種類の反射面であり得る。別の実施形態では、フィールド再配置光学リレー124は、取得フィールド110を中間フィールド面206に中継するための1つ以上の中継レンズ320(または反射光学系)を含む。たとえば、図3Cは、1つ以上の中継レンズが、テレセントリックレンズを含む構成を示す。
【0059】
ここで図1A図3Bを参照して示すように、本明細書では、画像化計測ツール102が、測定視野204において、走査方向202に沿って分布する複数の取得フィールド110を通過する際に、単一走査中に、計測対象の、またはサンプル104の他の部分の、複数の画像を生成し得ると考えられる。さらに、測定レシピ(たとえば、様々な照明パラメータ、および/または、収集パラメータ)は、取得フィールド110のおのおのに対して独立して制御され得る。これらの複数の画像は、次いで、限定されないが、オーバレイデータなどの計測データを生成するために使用され得る。さらに、本明細書は、一部の用途において、特定の計測対象、または、サンプルの他の部分の、複数の走査を実行して、追加の計測レシピを用いて追加の画像を生成することが有益である可能性があると考えられる。しかしながら、そのような場合であっても、画像化計測ツール102は、走査ごとに対象の単一の画像を生成するツールと比較して、高いスループットの測定を提供し得る。
【0060】
以下の説明は、画像化計測ツール102の様々な利点をより十分に説明するために、オーバレイ計測の文脈で使用される画像化計測ツール102の様々な例を提供する。しかしながら、本明細書に開示される画像化計測ツール102は、オーバレイ計測に限定されず、以下の例は、例示目的のみのために提供されており、限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0061】
1つの実施形態では、画像化計測ツール102は、複数の取得フィールド110において異なる入射角で、照明ビーム112の異なる組合せで、サンプル104を照明する。1つの実施形態では、画像化計測ツール102は、照明ビーム112の通常照明で、1つの取得フィールド110におけるサンプル104を照明し、これは、任意の方向に沿ったオーバレイ測定に適し得るが、これに限定されない。別の実施形態では、画像化計測ツール102は、(たとえば、図1Cに示すように)反対の方位角で双極子として配置された2つの照明ビーム112を用いてサンプル104を照明し、これは、双極子方向に沿ったオーバレイ測定に有用であり得る。たとえば、画像化計測ツール102は、単一の取得フィールド110において同時に、または異なる取得フィールド110において順次、2つの対向する照明ビーム112を用いてサンプル104を照明し得る。別の実施形態では、画像化計測ツール102は、四重極(たとえば、直交する双極子方向に配向された2つの双極子)として配置された4つの照明ビーム112を用いてサンプル104を照明し、これは、2つの直交する方向に沿ったオーバレイ測定に適し得る。たとえば、画像化計測ツール102は、単一の取得フィールド110において同時に4つの照明ビーム112を用いてサンプル104を照明し得る。別の例として、画像化計測ツール102は、4つの取得フィールド110において4つの照明ビーム112を用いてサンプル104を順次照明し得る。さらなる例として、画像化計測ツール102は、第1の取得フィールド110において2つ(たとえば、各双極子の方向に沿って1つ)の照明ビーム112を用いて、その後、第2の取得フィールド110において残りの2つの照明ビーム112を用いてサンプル104を照明し得る。
【0062】
1つの実施形態では、画像化計測ツール102は、異なる取得フィールド110において、異なる波長の光を用いてサンプル104を照明する。たとえば、画像化計測ツール102、および/または、計測値を生成するために使用されるアルゴリズムが、波長に対して感度が高い場合、異なる波長で生成された画像の組合せに基づいて生成された計測測定値は、単一波長における単一の画像よりも、より正確であり得る。
【0063】
別の実施形態では、画像化計測ツール102は、異なる取得フィールド110における異なる焦点面において画像を生成する。たとえば、異なる焦点面は、異なるサンプル層上のオーバレイ対象特徴の深さに対応し得る。このようにして、異なるサンプル層上の異なる特徴の高品質で焦点の合った画像が、生成され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上の照明チャネル108、および/または、1つ以上の収集チャネル122は、実行中に、1つ以上の取得フィールド110に関連付けられた測定レシピの選択可能な制御を容易にするために調整可能である。これに関して、画像化計測ツール102は、様々な測定値を提供するように動的に構成され得る。1つの実施形態では、取得フィールド110のための測定レシピは、特定の計測対象、または、測定されるサンプル104の他の部分の測定に先立って構成可能である。別の実施形態では、画像化計測ツール102は、取得フィールド110に対する2つ以上の測定レシピを迅速に切り替えて、取得フィールド110のインタリーブ画像を生成し、ここでは、異なる測定レシピに基づいて取得フィールド110に関連付けられたサンプル104の個別の画像が、インタリーブ画像から抽出され得る。複数の計測レシピに関連付けられたインタリーブ画像の生成は、2019年9月27日に出願された米国特許出願第16/586,504号に一般的に説明されており、その全体を本願に引用して援用する。1つの実施形態では、画像化計測ツール102は、N個の計測レシピを迅速に切り替え、さらに、(たとえば、残りの画素列上のレンズアレイおよび/またはマスクを使用して)TDIセンサのN番目ごとの画素列に画像光を向ける。このようにして、結果的に得られるインタリーブ画像のN番目ごとの画素行は、共通の測定レシピに基づくことができ、各測定レシピから個別の画像を抽出することができる。
【0065】
ここで再び図1Aを参照して示すように、本開示の1つ以上の実施形態による、走査計測システム100の追加の構成要素が、より詳細に説明される。
【0066】
別の実施形態では、走査計測システム100は、画像化計測ツール102および/またはその中の任意の構成要素に通信可能に結合されたコントローラ154を含む。
【0067】
別の実施形態では、コントローラ154は、1つ以上のプロセッサ156を含む。たとえば、1つ以上のプロセッサ156は、メモリデバイス158またはメモリに保持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され得る。コントローラ154の1つ以上のプロセッサ156は、当該技術分野で知られている任意の処理要素を含み得る。この意味において、1つ以上のプロセッサ156は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサ型デバイスを含み得る。
【0068】
コントローラ154の1つ以上のプロセッサ156は、当該技術分野で知られている任意のプロセッサまたは処理要素を含み得る。本開示の目的のために、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理要素または論理要素を有する任意のデバイス(たとえば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を包含するように広義に定義され得る。この意味において、1つ以上のプロセッサ156は、アルゴリズムおよび/または命令(たとえば、メモリに格納されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ156は、本開示を通じて説明されるように、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワークコンピュータ、または、走査計測システム100と連携して動作するように構成されたプログラムを実行するように、または、走査計測システム100と連携して動作するように構成された、他の任意のコンピュータシステムとして具現化され得る。さらに、走査計測システム100の異なるサブシステムは、本開示で説明されるステップの少なくとも一部を実行するのに適したプロセッサまたは論理要素を含み得る。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態を限定するものとしてではなく、単なる例示として解釈されるべきである。さらに、本開示を通じて説明されるステップは、単一のコントローラによって、あるいは、複数のコントローラによって実行され得る。それに加えて、コントローラ154は、共通のハウジングに、または複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含み得る。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組合せが、走査計測システム100への統合に適したモジュールとして個別にパッケージ化され得る。
【0069】
メモリデバイス158は、関連付けられた1つ以上のプロセッサ156によって実行可能なプログラム命令を格納するのに適した、当該技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。たとえば、メモリデバイス158は、非一時的なメモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリデバイス158は、限定されないが、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光学メモリデバイス(たとえば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。メモリデバイス158は、1つ以上のプロセッサ156と共通のコントローラハウジングに収容され得ることにさらに留意されたい。1つの実施形態では、メモリデバイス158は、1つ以上のプロセッサ156およびコントローラ154の物理的位置に対して遠隔に配置され得る。たとえば、コントローラ154の1つ以上のプロセッサ156は、ネットワーク(たとえば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能なリモートメモリ(たとえば、サーバ)にアクセスし得る。
【0070】
このようにして、コントローラ154は、画像化計測ツール102またはその中の任意の構成要素に(たとえば、制御信号を介して)データを向けたり、そこからデータを受信したりし得る。コントローラ154はさらに、1つ以上の選択されたレシピに基づいて、1つ以上の画像を生成するように、照明チャネル108および/または収集チャネル122のいずれかに指示すること、走査検出器120から画像を受け取ること、または、受け取った画像に基づいて計測データを生成することなど、限定されないが、本開示を通じて説明される様々なプロセスステップのいずれかを実行するように構成され得る。
【0071】
1つの実施形態では、走査計測システム100は、コントローラ154に通信可能に結合されたユーザインターフェース160を含む。1つの実施形態では、ユーザインターフェース160は、限定されないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含み得る。別の実施形態では、ユーザインターフェース160は、走査計測システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース160のディスプレイは、当該技術分野で知られている任意のディスプレイを含み得る。たとえば、ディスプレイは、限定されないが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含み得る。当業者は、ユーザインターフェース160と統合することができる任意のディスプレイデバイスが、本開示における実施のために適していることを認識すべきである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース160のユーザ入力デバイスを介して、ユーザに表示されたデータに応答して、選択および/または指示を入力し得る。
【0072】
ここで図4を参照して示すように、計測方法400で実行されるステップを示すフロー図が、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって説明される。出願人は、走査計測システム100の文脈で本明細書において前述した実施形態および実現技術が、方法400にも拡張されるように解釈されるべきであることに留意する。しかしながら、方法400は、走査計測システム100のアーキテクチャに限定されないことをさらに留意されたい。
【0073】
1つの実施形態では、方法400は、対物レンズ(または、より一般的には、画像化システム)の測定視野内の2つ以上の照明ビームを用いて、2つ以上の取得フィールド内のサンプルを照明するステップ402を含む。別の実施形態では、方法400は、サンプルを、走査方向に沿って、2つ以上の取得フィールドを介して順次並進させるステップ404を含む。別の実施形態では、方法400は、フィールド再配置光学リレーを使用して、2つ以上の取得フィールドの画像を、対物レンズを介して、走査検出器に中継するステップ406を含み、フィールド再配置光学リレーは、2つ以上の取得フィールドにおける走査方向が列方向に対して直交するように、2つ以上の取得フィールドの画像を、列方向に沿って走査検出器に配置する。別の実施形態では、方法400は、2つ以上の取得フィールドに関連付けられたサンプルの、2つ以上の画像を生成するステップ408を含む。
【0074】
このようにして、計測対象、または、測定されるサンプルの他の任意の部分の2つ以上の画像が、単一走査において2つ以上の異なる測定レシピに従って、2つ以上の取得フィールドにおいて生成され得る。測定レシピは、限定されないが、照明の強度、照明の波長、照明の偏光、照明角度、画像化被写界深度、収集角度、収集光の波長、収集光の偏光などのような取得フィールドに関連付けられた照明または収集条件の任意の組合せを含み得る。
【0075】
別の実施形態では、方法400は、2つ以上の画像に基づいて、サンプルに関連付けられた計測測定値を生成するステップ410を含む。たとえば、ステップ410は、サンプルの1つ以上の層における2つ以上のリソグラフィステップによって生成された特徴の相対変位に関連付けられたオーバレイ測定値を生成することを含み得る。
【0076】
例示的な例として、オーバレイ計測対象の順次の画像は、第1の取得フィールドにおいて、第1の双極子照明ビームを用いてオーバレイ対象を照明し、第2の取得フィールドにおいて、対向する照明ビームを用いてオーバレイ対象を照明することによって、単一走査において1つ以上の方位方向に沿った、対向する双極子照明ビームで生成され得る。したがって、オーバレイ測定値は、2つの取得フィールドにおける計測対象の2つの画像に基づいて生成され得る。しかしながら、この例は、単に例示を目的として提供されており、限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。むしろ、1つ以上の計測アルゴリズムに適した画像の任意の組合せは、2つ以上の取得フィールドのおのおのにおいて選択された測定レシピを利用することによって、単一走査で生成され得る。
【0077】
本開示の目的のために、オーバレイという用語は、一般に、2つ以上のリソグラフィパターニングステップによって製造されたサンプル上の特徴の相対位置を説明するために使用され、オーバレイエラーという用語は、公称位置からの特徴の偏差を表す。たとえば、多層デバイスは、各層のために、異なるリソグラフィステップを使用して、複数のサンプル層上に、パターン化された特徴を含み得、通常、結果的に得られるデバイスの適切な性能を確保するために、層間の特徴の整列を厳密に制御する必要がある。したがって、オーバレイ測定は、2つ以上のサンプル層上の特徴の相対位置を特徴付け得る。別の例として、単一のサンプル層上に特徴を作製するために、複数のリソグラフィステップが使用され得る。そのような技法は、一般に、ダブルパターニング技法またはマルチパターニング技法と呼ばれ、リソグラフィシステムの解像度に近い、高密度特徴の製造を容易にし得る。この文脈におけるオーバレイ測定は、この単一層上の異なるリソグラフィステップからの特徴の相対位置を特徴付け得る。オーバレイ計測の特定の用途に関する本開示全体にわたる例および図は、例示のみを目的として提供されており、本開示を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0078】
一部の用途において、オーバレイ測定は、製造されたデバイスの特徴(たとえば、デバイス特徴)上で直接実行され得るが、オーバレイ測定は、通常、デバイス特徴と同じリソグラフィステップを使用して印刷された専用のオーバレイ対象上で実行される。このようにして、オーバレイ対象の特徴(たとえば、対象特徴)は、オーバレイ測定を容易にするために特別に設計され得る。さらに、1つの製造ステップ(たとえば、1つ以上のサンプル層の製造後)で測定されたオーバレイは、後続する製造ステップにおいて、追加のサンプル層を製造するためのプロセスツール(たとえば、リソグラフィツールなど)を正確に整列させるための補正可能なものを生成するために使用され得る。
【0079】
しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、オーバレイ計測に限定されるものではなく、むしろ、プロセス計測測定などの様々な光学計測測定に適用可能であり得るが、これに限定されないと理解されるべきである。たとえば、プロセス計測は、リソグラフィステップ中の露光フルエンスおよび/または照明の線量の測定に関連付けられ得る。この点において、オーバレイ計測への言及は、限定するものではなく、例示を目的とする。
【0080】
本開示全体にわたって使用されるように、「サンプル」という用語は、一般に、半導体または非半導体材料で形成された基板(たとえば、ウェーハなど)を指す。たとえば、半導体または非半導体材料は、限定されないが、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、およびリン化インジウムを含み得る。サンプルは、1つ以上の層を含み得る。たとえば、そのような層は、限定されないが、レジスト、誘電体材料、導電性材料、および半導体材料を含み得る。多くの異なる種類のそのような層が、当該技術分野で知られており、本明細書で使用されるサンプルという用語は、その上にすべての種類のそのような層が形成され得るサンプルを包含することが意図される。サンプル上に形成された1つ以上の層は、パターン化されていても、パターン化されていなくてもよい。たとえば、サンプルは、おのおのが反復可能なパターン化された特徴を有する、複数のダイを含み得る。そのような材料層の形成および処理により、最終的にデバイスが完成し得る。多くの異なる種類のデバイスが、サンプル上に形成され得、本明細書で使用されるサンプルという用語は、当該技術分野で知られている任意の種類のデバイスが製造されるサンプルを包含することが意図される。さらに、本開示の目的のために、サンプルおよびウェーハという用語は、置換可能であると解釈されるべきである。それに加えて、本開示の目的のために、パターニングデバイス、マスク、およびレチクルという用語は、置換可能であると解釈されるべきである。
【0081】
本明細書で説明される主題は、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される異なる構成要素を示す場合がある。そのように図示されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際には、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャを実施できることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素のあらゆる配置が、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能を達成するために本明細書で組み合わされる任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられている」とみなすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「接続」または「結合」されているとみなすこともでき、また、そのように関連付けることができる任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「結合可能」であるとみなすこともできる。結合可能な具体例は、物理的に相互作用可能な、および/または物理的に相互作用する構成要素、および/または、ワイヤレスに相互作用可能な、および/またはワイヤレスに相互作用する構成要素、および/または、論理的に相互作用可能な、および/または論理的に相互作用する構成要素を含むが、これらに限定されない。
【0082】
本開示およびそれに付随する利点の多くは、前述した説明によって理解されると考えられ、開示された主題から逸脱することなく、またはその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形状、構造、および配置に様々な変更を加えることができることが明らかであろう。説明された形式は、単に説明的なものであり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4