(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-09
(45)【発行日】2025-04-17
(54)【発明の名称】反応器システムのアライメントフィクスチャ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20250410BHJP
B01J 19/00 20060101ALI20250410BHJP
【FI】
H01L21/31 B
B01J19/00 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021030301
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-02-13
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スロジット・ガングリ
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ロバート・ダン
(72)【発明者】
【氏名】アンキト・キムティー
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200304(JP,A)
【文献】特開2011-139015(JP,A)
【文献】米国特許第05851299(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/67-21/683
H10D 86/03
B01J 10/00-12/02
B01J 14/00-19/32
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器システムであって、
サセプタ外縁を含むサセプタであって、該サセプタの上に基材を受容するように構成されているサセプタと、
スペーサープレート内壁によって画定されるプレート内側空間を含むスペーサープレートであって、
前記サセプタが前記プレート内側空間に少なくとも部分的に配置され、
前記サセプタおよび該スペーサープレートが、前記サセプタ外縁と前記スペーサープレート内壁との間にギャップがあるように互いに対して配置される、スペーサープレートと、
前記サセプタ外縁と前記スペーサープレート内壁との間の前記ギャップ内に少なくとも部分的に配置されるアライメントフィクスチャと、を含み、前記アライメントフィクスチャが、
フィクスチャ本体の内部空間を含む形状を少なくとも部分的に画定する内周を含むフィクスチャ本体であって、前記サセプタが前記内部空間内に少なくとも部分的に配置される、フィクスチャ本体と、
前記内部空間に向かって第一の位置で前記フィクスチャ本体から突出する第一の測定突起部であって、前記フィクスチャ本体と該第一の測定突起部の測定突起部端との間のインジケータを含む第一の測定突起部と、を含む、反応器システム。
【請求項2】
前記フィクスチャ本体の内周が、前記フィクスチャ本体の内周が前記サセプタ外縁と接触しないように、前記サセプタ外縁から離間する、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項3】
前記第一の測定突起部が、前記サセプタ外縁上に延在する、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項4】
前記フィクスチャ本体が、前記内周の反対側の外周をさらに含み、前記外周が、前記フィクスチャ本体の外形を画定し、前記プレート内側空間の形状に相補的である、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項5】
前記フィクスチャ本体が、前記アライメントフィクスチャの上平面上に配置された上面をさらに含み、前記第一の測定突起部が、前記フィクスチャ本体の上面に連結され、前記内部空間に向かって突出
する、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項6】
前記第一の測定突起部が、前記フィクスチャ本体と前記第一の測定突起部の測定突起部端との間に配置される複数の第一目盛りを含み、前記複数の第一目盛りが前記インジケータを含む、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項7】
前記アライメントフィクスチャが、前記内部空間に向かって第二の位置で前記フィクスチャ本体から突出する第二の測定突起部をさらに含み、前記第二の測定突起部が、前記フィクスチャ本体と前記第二の測定突起部の第二の測定突起部端との間の第二のインジケータを含む、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項8】
前記第一の測定突起部および前記第二の測定突起部が、前記内周によって少なくとも部分的に画定される形状の中心に向かって延在し、前記インジケータが、前記フィクスチャ本体の内周から第一の距離で前記第一の測定突起部上に配置され、前記第二のインジケータが、前記フィクスチャ本体の内周から第二の距離で前記第二の測定突起部上に配置される、請求項7に記載の反応器システム。
【請求項9】
前記第一の距離および前記第二の距離が同じである、請求項8に記載の反応器システム。
【請求項10】
反応チャンバをさらに備え、前記反応チャンバ内に、前記サセプタ、前記スペーサープレート、および前記アライメントフィクスチャが少なくとも部分的に配置される、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項11】
アライメントフィクスチャであって、
フィクスチャ本体の内部空間を含む形状を少なくとも部分的に画定する内周を含むフィクスチャ本体であって、前記内部空間が、反応器システムのサセプタを受容するように構成されている、フィクスチャ本体と、
第一の位置で前記フィクスチャ本体に接続され、前記フィクスチャ本体から前記内部空間に向かって突出する第一の測定突起部であって、該第一の測定突起部が前記フィクスチャ本体と該第一の測定突起部の測定突起部端との間のインジケータを含む、第一の測定突起部と、を含む、アライメントフィクスチャ。
【請求項12】
前記フィクスチャ本体が、前記内周の反対側の外周をさらに含み、前記外周が前記フィクスチャ本体の外形を画定する、請求項11に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項13】
前記内周によって少なくとも部分的に画定される形状が、前記サセプタの形状に相補的であり、前記内部空間がその内部に受容するように構成されている、請求項11に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項14】
前記フィクスチャ本体が上面をさらに含み、前記第一の測定突起部が、前記フィクスチャ本体の上面に連結され、前記内部空間に向かって突出する、請求項11に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項15】
前記第一の測定突起部が、前記フィクスチャ本体と前記第一の測定突起部の測定突起部端との間に配置される複数の第一目盛りを含み、前記複数の第一目盛りが前記インジケータを含む、請求項11に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項16】
前記アライメントフィクスチャが、前記内部空間に向かって第二の位置で前記フィクスチャ本体から突出する第二の測定突起部をさらに含み、前記第二の測定突起部が、前記フィクスチャ本体と前記第二の測定突起部の第二の測定突起部端との間の第二のインジケータを含む、請求項11に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項17】
前記第一の測定突起部および前記第二の測定突起部が、前記内周によって少なくとも部分的に画定される形状の中心に向かって延在し、前記インジケータが、前記フィクスチャ本体の内周から第一の距離で前記第一の測定突起部上に配置され、前記第二のインジケータが、前記フィクスチャ本体の内周から第二の距離で前記第二の測定突起部上に配置される、請求項16に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項18】
前記第一の距離および前記第二の距離が同じである、請求項17に記載のアライメントフィクスチャ。
【請求項19】
反応器システムのサセプタのサセプタ外縁とスペーサープレートのスペーサープレート内壁との間の領域内に少なくとも部分的にアライメントフィクスチャを配置することであって、前記サセプタが前記アライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される前記アライメントフィクスチャの内部空間内に配置され、前記アライメントフィクスチャのフィクスチャ本体から突出している第一の測定突起部が前記サセプタの外縁上に配置されるようにすることと、
前記サセプタが、前記アライメントフィクスチャの前記内周に対して所望の位置に配置されるように、前記サセプタの位置を調整することと、を含む方法。
【請求項20】
前記アライメントフィクスチャが、前記フィクスチャ本体から突出する第二の測定突起部を含み、前記サセプタの位置を調整することが、前記サセプタが前記アライメントフィクスチャの内周に対して同じ距離で前記第一の測定突起部と前記第二の測定突起部に沿って配置されるように、前記サセプタを位置決めすることを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、反応器システム内の構成要素を位置決めするためのアライメントフィクスチャ(整列固定具)に関する。
【背景技術】
【0002】
反応チャンバは、半導体基材上へ様々な材料層を堆積させるために使用され得る。半導体は、反応チャンバ内のサセプタ上に配置され得る。基材およびサセプタの両方を、所望の基材温度設定点にまで加熱してもよい。例示的な基材処理プロセスでは、一つまたは複数の反応ガスが、加熱された基材の上を通り、基材表面上に材料の薄膜の堆積を生じさせ得る。それに続く堆積、ドーピング、リソグラフィ、エッチングおよび他のプロセスを通して、これらの層が集積回路の形成において使用され得る。
【0003】
基材上の所望の結果(例えば、基材上の膜の均一または堅牢な堆積)を達成するために、サセプタおよび/または基材は、反応チャンバ内で特定の位置に配置され得る。例えば、サセプタは、反応チャンバのサセプタと側壁との間に所望の空間(例えば、サセプタが反応チャンバ内の中心にあることにより生じる均一な空間)があるように、配置され得る。こうした位置決めは、反応チャンバ内の基材の不均一な処理を防止し得、所望の結果の達成を容易にし得る。しかしながら、反応チャンバ内のサセプタまたは他の構成要素の所望の位置を達成することは困難であり得、こうした位置決めにおける誤差は望ましくない処理結果をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の概要は、概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。これらの概念について、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴も本質的な特徴も特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
様々な実施形態において、反応器システムのためのアライメントフィクスチャ(整列固定具)が提供される。本明細書に開示されるアライメントフィクスチャは、フィクスチャ本体の内部空間を含む形状を少なくとも部分的に画定する内周であって、内部空間は反応器システムのサセプタを受けるように構成される内周、および/または第一の位置でフィクスチャ本体に連結され、フィクスチャ本体から内部空間に向かって突出する測定突起部を含む、フィクスチャ本体を含み得る。測定突起部は、フィクスチャ本体と、測定突起部の測定突起部端との間のインジケータを含み得る。様々な実施形態において、フィクスチャ本体は、内周の反対側の外周をさらに含み得、外周は、フィクスチャ本体の外形を画定する。様々な実施形態において、内周によって少なくとも部分的に画定される形状は、サセプタの形状に相補的であり得、その内部空間がその内部に受容するように構成される。様々な実施形態において、フィクスチャ本体は上面をさらに含み得、測定突起部はフィクスチャ本体の上面に連結し、内部空間に向かって突出し得る。
【0006】
様々な実施形態において、測定突起部は、測定突起部のフィクスチャ本体と測定突起部端との間に配置される第一の複数の目盛りを含み得、第一の複数の目盛りはインジケータを含む。様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、内部空間に向かって第二の位置でフィクスチャ本体から突出する第二の測定突起部をさらに含み得る。第二の測定突起部は、フィクスチャ本体と、第二の測定突起部の第二の測定突起部端との間の第二のインジケータを含み得る。様々な実施形態において、第一の測定突起部および第二の測定突起部は、内周によって少なくとも部分的に画定される形状の中心に向かって延在し得る。インジケータは、フィクスチャ本体の内周から第一の距離で第一の測定突起部上に配置され得、第二のインジケータは、フィクスチャ本体の内周から第二の距離で第二の測定突起部上に配置され得る。様々な実施形態において、第一の距離および第二の距離は、同一であり得る。
【0007】
様々な実施形態において、反応器システムは、サセプタ外縁を含むサセプタであって、サセプタは、その上に基材を受容するように構成され得るサセプタ;スペーサープレート内壁によって画定されるプレート内側空間を含むスペーサープレートであって、サセプタは、プレート内側空間に少なくとも部分的に配置され得、サセプタおよびスペーサープレートは、サセプタ外縁とスペーサープレート内壁との間にギャップがあるように互いに対して配置され得るスペーサープレート;ならびにサセプタ外縁とスペーサープレート内壁との間のギャップ内に少なくとも部分的に配置されるアライメントフィクスチャを備え得る。アライメントフィクスチャは、フィクスチャ本体の内部空間を含む形状を少なくとも部分的に画定する内周であって、内部空間は反応器システムのサセプタを受けるように構成される内周、および/または第一の位置でフィクスチャ本体から突出する測定突起部であって、フィクスチャ本体と測定突起部の測定突起部端との間のインジケータを含み得る測定突起部を含む、フィクスチャ本体を含み得る。様々な実施形態において、フィクスチャ本体の内周は、フィクスチャ本体の内周がサセプタ外縁と接触しないように、サセプタ外縁から離間し得る。様々な実施形態において、測定突起部は、サセプタ外縁の上に延在し得る。
【0008】
様々な実施形態において、フィクスチャ本体は、内周の反対側の外周をさらに含み得、外周は、プレート内側空間の形状に相補的であり得る、フィクスチャ本体の外形を画定する。様々な実施形態において、フィクスチャ本体は、アライメントフィクスチャの上平面上に配置された上面をさらに含み得る。測定突起部は、フィクスチャ本体の上面に連結され得、内部空間に向かって突出し得、サセプタは、上平面の下に配置され得る。
【0009】
様々な実施形態において、測定突起部は、測定突起部のフィクスチャ本体と測定突起部端との間に配置される第一の複数の目盛りを含み得、第一の複数の目盛りはインジケータを含む。様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、内部空間に向かって第二の位置で前記フィクスチャ本体から突出する第二の測定突起部をさらに含み、第二の測定突起部は、フィクスチャ本体と第二の測定突起部の第二の測定突起部端との間の第二のインジケータを含む。様々な実施形態において、第一の測定突起部および第二の測定突起部は、内周によって少なくとも部分的に画定される形状の中心に向かって延在し得る。インジケータは、フィクスチャ本体の内周から第一の距離で第一の測定突起部上に配置され得、第二のインジケータは、フィクスチャ本体の内周から第二の距離で第二の測定突起部上に配置され得る。様々な実施形態において、第一の距離および第二の距離は、同一であり得る。
【0010】
様々な実施形態において、反応器システムは、反応チャンバをさらに備え得、この反応チャンバでは、サセプタ、スペーサープレート、およびアライメントフィクスチャが少なくとも部分的に配置される。
【0011】
様々な実施形態において、方法は、サセプタのサセプタ外縁と反応器システムのスペーサープレートのスペーサープレート内壁との間の領域内に少なくとも部分的にアライメントフィクスチャを配置することであって、サセプタはアライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定されるアライメントフィクスチャの内部空間内に配置され、アライメントフィクスチャのフィクスチャ本体から突出している測定突起部はサセプタの外縁上に配置される、配置すること、および/またはサセプタがアライメントフィクスチャの内周に対して所望の位置に配置されるように、サセプタの位置を調節することを含み得る。様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、フィクスチャ本体から突出している第二の測定突起部を含み得る。サセプタを整列させることは、サセプタが、アライメントフィクスチャの内周に対して第一の測定突起部に沿って、アライメントフィクスチャの内周に対して第二の測定突起部に沿って、と同じ距離に配置されるように、サセプタを位置決めすることを含み得る。
【0012】
先行技術を超えて達成される本開示及び利点を要約する目的で、本開示のいくつかの特定の目的及び利点が本明細書において上記に説明されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的又は利点のすべてが本開示の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それ故に、例えば、本明細書で教示又は示唆され得る通りの他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示又は示唆される通りの一つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する様態で、本明細書に開示される実施形態が実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0013】
これらの実施形態の全ては、本開示の範囲内であることが意図されている。当業者には、これらの及び他の実施形態は、添付の図面を参照して、以下のある特定の実施形態の詳細な説明から容易に明らかとなり、本開示は、論じられるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0014】
本開示の主題は、本明細書の結論部分で特に指摘され、明確に主張される。しかし、本開示のより完全な理解は、図面の図に関連して検討される場合、詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって最もよく得られることができ、類似の数字は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】様々な実施形態による、反応器システムの概略図を示す。
【
図2A】様々な実施形態による、反応器システム用のアライメントフィクスチャの斜視図を示す。
【
図2B】様々な実施形態による、反応器システム用のアライメントフィクスチャの斜視図を示す。
【
図3A】様々な実施形態による、アライメントフィクスチャを有する反応チャンバの構成要素の分解図を示す。
【
図3B】様々な実施形態による、アライメントフィクスチャを備えた反応器システムを示す。
【
図4】様々な実施形態による、反応チャンバ内にサセプタを位置決めする方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ある特定の実施形態及び実施例を以下に開示するが、それらは、本開示が具体的に開示する本開示の実施形態及び/又は用途、ならびにその明白な変更及び均等物を超えて拡大することは、当業者により理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載される具体的な実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0017】
本明細書に示される図は、任意の特定の材料、装置、構造又はデバイスの実際の図であることを意味せず、本開示の実施形態について記載するために使用される、単なる表現にすぎない。
【0018】
本明細書で使用する用語「基材」は、使用される場合がある、又はその上にデバイス、回路もしくはフィルムが形成される場合がある、あらゆる下層材料又は複数の下層材料を指してもよい。
【0019】
本明細書で使用する用語「原子層堆積」(ALD)は、堆積サイクル、好ましくは複数の連続堆積サイクルがプロセスチャンバ内で行われる蒸着プロセスを指すことができる。各サイクルの間、前駆体は、堆積表面(例えば、基材表面又は以前に堆積させた下地の表面、例えば、以前のALDサイクルを用いて堆積させた材料など)に化学吸着し、追加の前駆体と容易に反応しない単層又はサブ単層を形成し得る(すなわち、自己制御反応)。その後、必要に応じて、化学吸着した前駆体を堆積表面上で所望の材料に変換するのに使用するために、反応物質(例えば、別の前駆体又は反応ガス)をその後プロセスチャンバ内に導入することができる。この反応物質は、前駆体とさらに反応することができてもよい。さらに、各サイクル中にパージする工程も利用して、化学吸着された前駆体の変換後に、過剰な前駆体をプロセスチャンバから除去する、ならびに/又は過剰の反応物質及び/もしくは反応副生成物をプロセスチャンバから除去することができる。さらに、本明細書で使用される「原子層堆積」という用語は、関連する用語、例えば、化学蒸着原子層堆積、原子層エピタキシー(ALE)、分子線エピタキシー(MBE)、ガス源MBE、又は有機金属MBE、ならびに前駆体組成物、反応性ガス、及びパージ(例えば、不活性キャリア)ガスの交互パルスで実施される場合の化学ビームエピタキシー等、により示されるプロセスを含むことも意味する。
【0020】
本明細書で使用する用語「化学蒸着」(CVD)は、基材を一つまたは複数の揮発性前駆体に曝し、その前駆体が基材表面上で反応及び/又は分解して所望の堆積物を生成する、任意のプロセスを指すことができる。
【0021】
本明細書で使用される用語「膜」及び「薄膜」は、本明細書に開示される方法により堆積させた任意の連続的又は非連続的な構造体及び材料を指すことができる。「膜」及び「薄膜」としては、例えば、2D材料、ナノロッド、ナノチューブもしくはナノ粒子、又は平坦な部分的なもしくは完全な分子層、又は部分的なもしくは完全な原子層、又は原子及び/もしくは分子のクラスタ、を挙げることができる。「膜」及び「薄膜」は、ピンホールを有する材料又は層を含み得るが、それでも少なくとも部分的に連続している。
【0022】
本明細書で使用する用語「ガス」は、気化した固体及び/又は液体を含み得、単一の気体又は気体の混合物によって構成され得る。
【0023】
ALD、CVD、及び/又は同類のものに使用される反応器システムは、基材表面への材料の堆積及びエッチングを含む、様々な用途に使用され得る。様々な実施形態において、
図1を参照すると、反応器システム50は、反応チャンバ4、処理中に基材30を保持するサセプタ6、一つまたは複数の反応物質を基材30の表面に分配するためのガス分配システム8(例えば、シャワーヘッド)、ライン16~20及びバルブもしくはコントローラ22~26を介して反応チャンバ4に流体連結された、一つまたは複数の反応物質源10、12、ならびに/又はキャリア及び/もしくはパージガス源14を備え得る。様々な実施形態において、サセプタ(例えば、サセプタ6)は、温度制御装置(例えば、ヒーターまたは冷却装置)を含む、および/またはそれに連結され得る。反応物質源10、12からの反応性ガス又は他の材料は、反応チャンバ4の基材30に適用され得る。パージガス源14からのパージガスは、反応チャンバ4へ、及び反応チャンバ4を通って流れ、任意の過剰な反応物質又は他の望ましくない材料を反応チャンバ4から除去することができる。システム50はまた、反応チャンバ4に流体連結された真空源28を備えてもよく、これは、反応チャンバ4から反応物質、パージガス、及び/又は他の材料を吸い取るように構成され得る。
【0024】
様々な実施形態において、反応チャンバ内の処理(例えば、基材上の材料堆積またはエッチング)から生じる所望の結果を達成するために、サセプタ(例えば、サセプタ6)は、反応チャンバ内で特定の位置に配置され得る。例えば、基材上および基材全体にわたって均一な材料堆積を達成するために、サセプタは、サセプタの側面が反応チャンバの内部側壁から均一に離間するように、反応チャンバの中心に位置決めされ得る。サセプタと反応チャンバ内部側壁との間のこのような間隔が均一でない場合、基材の一部分は、基材の別の部分よりも反応チャンバ内のより大量の反応ガスに供され得、不均一な材料堆積(すなわち、望ましくない結果)を引き起こす。
【0025】
反応チャンバ内のサセプタの所望の位置を達成するのを支援するために、アライメントフィクスチャ(整列固定具)を使用し得る。
図2Aおよび2Bを参照すると、様々な実施形態によるアライメントフィクスチャ100が図示される。アライメントフィクスチャは、内周、外周、上面、および下面を有するフィクスチャ本体を備え得る。例えば、アライメントフィクスチャ100は、内周112、内周112の反対側の外周114、上面116、および/または上面116の反対側の下面118を含み得る。アライメントフィクスチャ100のフィクスチャ本体110は、内周112と外周114の間、かつ上面116と下面118の間に配置され得る。
【0026】
アライメントフィクスチャの内周は、少なくとも部分的に形状を画定し得る。アライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される形状は、アライメントフィクスチャの内部空間を含み得る。アライメントフィクスチャの内部空間は、反応チャンバ内にサセプタを受容するように構成され得る。すなわち、アライメントフィクスチャの内周は、その中に配置されているアライメントフィクスチャに応答して、反応チャンバ内でサセプタを少なくとも部分的に取り囲むか、または囲むように構成され得る。例えば、アライメントフィクスチャ100の内周112によって画定される内部空間120は、反応チャンバ内にサセプタを受容するように構成され得る。
【0027】
図2Aおよび2Bに図示されるように、アライメントフィクスチャ100および/または内周112は、内部空間120を含む円形形状を含むかまたは画定するが、アライメントフィクスチャ、内部空間、および/またはアライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される形状は、任意の適切な形状を含み得る。例えば、アライメントフィクスチャおよび/アライメントフィクスチャの内周は、六角形、八角形、長方形、形状の一部分、または任意の他の適切な形状を含み得るか、または少なくとも部分的に画定し得る。例えば、アライメントフィクスチャおよび/またはその内周は、半円または四半円(例えば、アライメントフィクスチャ100の半分または四分の一)を含むかまたは画定し得る。アライメントフィクスチャの内周が、半円(すなわち、アライメントフィクスチャの内部空間がフィクスチャ本体によって完全に囲まれていない)などの形状の一部分を含むかまたは画定する実施形態では、アライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される形状は、完全な形状(例えば、円)であるとされ、アライメントフィクスチャの内部空間は、その中に含まれ得る。
【0028】
様々な実施形態において、アライメントフィクスチャの内部空間に受容されるように構成されたサセプタの形状は、アライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定された形状に相補的であり得る。
図3Aを追加で参照すると、サセプタ210は、サセプタ210の形状を画定する外縁212を含み得る。サセプタ210の円形形状は、内周112によって画定される内部空間120の円形形状に相補的であり得る。
【0029】
様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、一つまたは複数の測定突起部(例えば、
図2Aおよび2Bの測定突起部150)を含み得る。測定突起部は、フィクスチャ本体からアライメントフィクスチャの内部空間に向かって延在または突出し得る。測定突起部は、フィクスチャ本体からアライメントフィクスチャ内周を横切って内部空間に向かって、および/またはその中へ延在し得る。例えば、測定突起部150は、フィクスチャ本体110から内周112を横切って、内部空間120に向かって、および/またはその中へ突出し得る。様々な実施形態において、測定突起部は、フィクスチャ本体から、フィクスチャ本体の内周によって少なくとも部分的に画定される形状の中心に向かって延在し得る。例えば、測定突起部150は、内周112(または内部空間120の中心)によって画定される円の中心に向かって、フィクスチャ本体110から延在し得る。
【0030】
様々な実施形態において、測定突起部は、フィクスチャ本体に連結、および/またはフィクスチャ本体と一体的もしくはモノリシックであり得る。測定突起部は、フィクスチャ本体の上面、下面、および/または内周(例えば、フィクスチャ本体110の上面116、下面118、および/または内周112)に連結され得る。様々な実施形態において、アライメントフィクスチャの上面は、上平面上に配置され得、アライメントフィクスチャの下面は、下平面上に配置され得る。アライメントフィクスチャの測定突起部は、上面に連結され、上平面を横断することなく、内部空間に向かって延在し得る。
【0031】
アライメントフィクスチャの測定突起部は、任意の適切な形状を含み得る。例えば、測定突起部は、フィクスチャ本体の内周から最も離れた、かつアライメントフィクスチャの内部空間内に最も遠い測定突起部の一部分である、測定突起部端を有する楕円形、長方形、正方形、または任意の他の多角形形状を含み得る。例えば、測定突起部150は、第一の側面151、第二の側面152、その間の突起部本体155、および測定突起部端153を有する長方形形状を含み得る。様々な実施形態において、測定突起部本体は、その中またはそれを通る空隙を有しない固体であり得る。
【0032】
様々な実施形態において、測定突起部は、突起部本体の一部分を通る突起部空隙を含み得る。突起部空隙は、突起部本体内に少なくとも部分的に囲まれ得る。例えば、突起部空隙157は、突起部本体155内に完全に囲まれ得る。別の例として、突起部空隙は、突起部空隙の一部分がアライメントフィクスチャの内部空間と流体連通し得るように、突起部本体によって部分的に囲まれ得る。例えば、測定突起部端の少なくとも一部分は、(例えば、測定突起部が枝分かれし得るように)突起部空隙によって分離され得る。測定突起部が突起部空隙を含む実施形態では、測定突起部は、複数の突起(例えば、第一の突起および第二の突起)を含み得る。例えば、測定突起部150は、第一の側面151を含む第一の突起、および第二の側面152を含む第二の突起を含み得る。
【0033】
様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、複数の測定突起部を含み得る。例えば、複数の測定突起部は、フィクスチャ本体に連結され、フィクスチャ本体の内周に沿って配置され得る。複数の測定突起部は、アライメントフィクスチャの少なくとも一部分に沿って等距離で離間し得る。様々な実施形態において、二つのアライメントフィクスチャ(すなわち、二つ以上の複数のアライメントフィクスチャ)は、互いに約30度、45度、60度、90度、120度、135度、160度、および/または180度離れていてもよい。
図2Aおよび2Bに示す通り、測定突起部は、内周112によって画定される形状の中心に対して約90度離れている。この文脈では、「約(about)」は、プラスまたはマイナス5度を意味する。
【0034】
様々な実施形態において、測定突起部は、フィクスチャ本体と測定突起部端との間の突起部本体上に配置されたインジケータを含み得る。インジケータは、測定突起部の上面上に配置され得る。測定突起部は、複数のインジケータを含み得る。例えば、複数のインジケータは、フィクスチャ本体と測定突起部端との間の目盛り長にわたる目盛りを含み得る。目盛りは、目盛りの長さにわたって互いに等距離であり得る。様々な実施形態において、測定突起部は、各側面(および/または各突起)に近接する一つの複数のインジケータなど、複数のインジケータを含み得る。例えば、測定突起部150は、複数のインジケータ160を含み得る。各測定突起部150は、第一の側面151および/または第二の側面152に近接する複数のインジケータ160を含み得る。様々な実施形態において、インジケータまたは複数のインジケータは、突起部空隙の側面に近接した測定突起部上に配置され得る。
【0035】
インジケータまたは複数のインジケータは、測定突起部上またはその中の任意の適切な設計、位置、および/または配置を含み得る。例えば、インジケータまたは複数のインジケータは、測定突起部の突起部本体上に線、またはノッチもしくは凹部を含み得る。例えば、複数のインジケータ160における各インジケータは、測定突起部150の側面(例えば、第一の側面151および/または第二の側面152)、測定突起部150が内部空間120内に延在する軸、および/または内周112によって少なくとも部分的に画定される形状の中心に向かって延在する測定突起部150を貫通する軸から、実質的に垂直であってもよい(本明細書で使用される場合、「実質的に(substantially)」とは、垂直からプラスまたはマイナス10度を意味する)。様々な実施形態において、測定単位は、一つまたは複数のインジケータに近接して配置され得る(例えば、ミリメートル、センチメートル、インチ、など)。
【0036】
様々な実施形態において、反応器システムのサセプタは、スペーサープレート(例えば、
図3Aおよび3Bに示される通り、サセプタ210は、スペーサープレート200上および/またはその中に配置され得る、および/またはそれに連結され得る。スペーサープレート(例えば、スペーサープレート200)は、様々な内壁および/または内表面を含み得る。様々な実施形態において、スペーサープレート(例えば、スペーサープレート200)は、スペーサープレート第一内表面(例えば、スペーサープレート第一内表面226)およびスペーサープレート第一内壁(例えば、スペーサープレート第一内壁224)を含み得る。サセプタの外縁(例えば、サセプタ外縁212)とスペーサープレート第一内壁(例えば、スペーサープレート第一内壁224)との間に、下部領域(例えば、下部領域222)またはギャップがあり得る。下部領域は、スペーサープレートの表面であり得る下部領域フロアを有し得る。スペーサープレート(例えば、スペーサープレート200)は、スペーサープレート第二内表面(例えば、スペーサープレート第二内表面236)およびスペーサープレート第二内壁(例えば、スペーサープレート第二内壁234)をさらに含み得る。サセプタの外縁(例えば、サセプタ外縁212)とスペーサープレート第二内壁(例えば、スペーサープレート第二内壁234)との間に、上部領域(例えば、上部領域232)またはギャップがあり得る。上部領域の幅(スペーサープレート第二内壁とサセプタ外縁との間の距離)は、下部領域の長さ(スペーサープレート第一内壁とサセプタ外縁との間の距離)を含む。
【0037】
様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、反応器システムのスペーサープレートの上または中に配置され得る、および/またはそれに連結され得る。アライメントフィクスチャは、アライメントフィクスチャが、スペーサープレートの内壁(例えば、第一または第二内壁)とサセプタ外縁との間の領域内に少なくとも部分的にあるように配置されるか、または連結され得る。例えば、
図3Aおよび3Bに示す通り、アライメントフィクスチャ100は、アライメントフィクスチャ100がスペーサープレート200の内壁(例えば、第二内壁234)とサセプタ外縁212との間の上部領域232(および/または下部領域222)に少なくとも部分的にあるように、スペーサープレート200上または中に配置され得る、および/またはそれに連結され得る。様々な実施形態において、フィクスチャ本体の外周は、スペーサープレートの内壁に近接して、隣接して、および/または連続して配置され得る。例えば、
図3Aおよび3Bに示す通り、アライメントフィクスチャ100の外周114は、スペーサープレート200の第二内壁234に近接して、隣接して、および/または連続して配置され得る。
【0038】
様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、スペーサープレート内壁、サセプタ外縁の間のスペーサープレートの領域よりも小さい厚さ(フィクスチャ本体の内周と外周との間の距離)を含み得る。例えば、
図3Aおよび3Bに示す通り、内周112と外周114との間のアライメントフィクスチャ100の厚さは、スペーサープレート200の上部領域232の厚さよりも小さいまたは薄くてもよい。したがって、アライメントフィクスチャは、アライメントフィクスチャ(例えば、アライメントフィクスチャの内周)と接触することなく、アライメントフィクスチャの内部空間に少なくとも部分的にサセプタと共にスペーサープレート内または上に配置され得る、および/またはそれに連結され得る。すなわち、例えば、スペーサープレート200内または上に配置されるか、またはそれに連結されるアライメントフィクスチャ100に応答して、アライメントフィクスチャ100の内周112とサセプタ外縁212との間にギャップがあり得る。
【0039】
様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、フィクスチャ位置決め構成要素を備え得、および/またはスペーサープレートは、スペーサープレート内または上で所望の位置にアライメントフィクスチャを位置決めするように構成される、プレート位置決め構成要素を備え得る。フィクスチャ位置決め構成要素は、プレート位置決め構成要素に相補的であり得る、任意の適切な設計または構成を有する任意の適切な装置であり得る。フィクスチャ位置決め構成要素は、アライメントフィクスチャをスペーサープレート内または上の所望の位置に位置決めするために、プレート位置決め構成要素と嵌合し得る。例えば、アライメントフィクスチャ100は、フィクスチャ本体110の厚さの少なくとも一部分にわたる、下面118を通してフィクスチャ本体110のくぼみであり得る、一つまたは複数のフィクスチャ位置決め構成要素108を備え得る。フィクスチャ位置決め構成要素108は、スペーサープレート200のプレート位置決め構成要素208の形状に相補的な形状を有し得る。スペーサープレート200のプレート位置決め構成要素208は、スペーサープレート200の内壁(例えば、第一内壁224および/または第二内壁234)および/または内表面(例えば、第一内表面226および/または第二内表面236)からの突起部を含み得る。したがって、プレート位置決め構成要素208は、フィクスチャ位置決め構成要素108内に受容され得、それによって、アライメントフィクスチャ100を、スペーサープレート200の中および/または上、ならびにそれに対して、所望の位置に位置決めする。
【0040】
アライメントフィクスチャの高さ(上面と下面との間の距離)は、サセプタ上に突出する測定突起部がサセプタと接触しない高さとし得る。例えば、アライメントフィクスチャ100の高さ(上面116と下面118との間の距離)は、スペーサープレート200の表面(例えば、第一内表面226および/または第二内表面236)上に下面118が置かれたのに応答して、測定突起部150がサセプタ210に接触しないような高さとし得る。すなわち、測定突起部150は、測定突起部150の下面156とサセプタ210の上面(基材を支持するよう構成されるサセプタ210の表面)との間にギャップがあるように、サセプタ210上に配置され得る。
【0041】
本明細書で論じるように、サセプタの形状は、アライメントフィクスチャの内部空間(および/または内周によって少なくとも部分的に画定される形状)に相補的であり得る。したがって、例えば、サセプタ210は、アライメントフィクスチャ100の内部空間120に配置され得る。様々な実施形態において、アライメントフィクスチャの内部空間(または少なくとも部分的に内周によって画定される形状)は、サセプタと同じ形状を含み得るが、より大きな割合で、サセプタが内部空間内に配置され得る。様々な実施形態において、反応器システムのサセプタは、サセプタの形状(サセプタの外縁によって画定される)が、アライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される形状と同心となるように、アライメントフィクスチャの内部空間に配置され得る。したがって、サセプタがアライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される形状と同心に位置決めされていることに応答して、サセプタ外縁とアライメントフィクスチャの内周との間の空間は、アライメントフィクスチャ内周および/またはサセプタ外縁に沿って実質的に等しくあり得る(本明細書で使用される場合、「実質的に」とは、プラスまたはマイナス5%もしくは10%の差を意味する)。
【0042】
スペーサープレートにおけるサセプタの所望の位置は、サセプタ外縁とスペーサープレート内壁(例えば、第一または第二内壁)との間の空間が、スペーサープレート内壁および/またはサセプタ外縁に沿って実質的に均一または等しくなるような位置であり得る。サセプタのこうした位置決めは、所望の結果を達成する反応チャンバ(例えば、スペーサープレート200およびスペーサープレート200に連結し得るリッド250によって囲まれた反応チャンバ)での処理を可能にし得る。例えば、中央に位置するサセプタは、サセプタおよび/またはそこに配置された基材への熱の均一な分布、(例えば、均一な材料堆積および/またはエッチングを達成するための)サセプタ上の基材の反応ガスへの均一な曝露、均一、一定、または制御された気流および反応チャンバでの循環、および/または類似のものを可能にし得る。
【0043】
したがって、アライメントフィクスチャは、スペーサープレートのプレート内側空間内にサセプタ(および/または、例えば、サセプタに連結されたヒーター)をセンタリングするのを補助するように構成され得る。プレート内側空間は、スペーサープレートの内壁および/または表面(例えば、第一内壁224および第一内表面226、第二内壁234、および/または第二の内表面236によって画定されるスペーサープレート200の空間)によって画定される空間であり得る。
図4の方法400をさらに参照すると、スペーサープレート200のプレート内側空間内にサセプタ210をするために、アライメントフィクスチャ100は、スペーサープレート200内または上に配置され得る、および/またはそれに連結され得る。様々な実施形態において、アライメントフィクスチャは、スペーサープレートの領域に少なくとも部分的に配置され得る(工程402)(例えば、上部領域232および/または下部領域222)。本明細書で論じるように、アライメントフィクスチャ100は、アライメントフィクスチャ100の外周114が、スペーサープレート200の内壁(例えば、第二内壁234)に近接し、隣接し、かつ/または接続し得るように、スペーサープレート200内に/上に配置され得る、またはそれに連結され得る。様々な実施形態において、外周によって画定されるアライメントフィクスチャの形状は、スペーサープレートの内壁によって画定される形状に相補的であり得る。したがって、アライメントフィクスチャの外周は、アライメントフィクスチャが所望の位置に配置されるように(例えば、アライメントフィクスチャの内周によって少なくとも部分的に画定される形状が、スペーサープレートのプレート内側空間と同心となるように)、スペーサープレートのこうした内壁と接触し得る。例えば、アライメントフィクスチャ100の外周114は、第二内壁234によって画定されるプレート内側空間がアライメントフィクスチャ100の内部空間120と同心になるように、スペーサープレート200の第二内壁234に対して配置され得る。
【0044】
アライメントフィクスチャがスペーサープレート内または上に配置される、および/またはそれに連結されるのに応答して、サセプタ210は、アライメントフィクスチャ100の内部空間120に配置され得る(工程404)。サセプタ210は、工程402の結果としてアライメントフィクスチャ100の内部空間120に配置され得るか(なぜならサセプタ210は、すでにスペーサープレート200内および/または上に配置されていたため)、またはサセプタ210は、アライメントフィクスチャ100がスペーサープレート200内または上に配置された後、アライメントフィクスチャ100の内部空間120に配置され得る。
【0045】
アライメントフィクスチャの測定突起部は、アライメントフィクスチャの内部空間に向かって延在し、かつサセプタ上に延在し得る。したがって、サセプタの外縁は、測定突起部の下を通過し、測定突起部の第一および第二表面によって画定される平面と交差し得る。例えば、サセプタ外縁212は、測定突起部150の第一側面151および第二側面152によって画定される平面と交差し得る。したがって、測定突起部および/またはその上に配置されたインジケータに対するサセプタ外縁部(その一部分が、測定突起部に近接し、および/またはサセプタ外縁が測定突起部の下を通る)の位置は、視認可能であり決定される。第一の測定突起部に対するサセプタ外縁の位置、および/または第二の測定突起部に対するサセプタ外縁の位置および/またはその上に配置されたインジケータとは異なるインジケータに応答して、サセプタは、中心から外れていると判定され得る。これに応答して、サセプタの位置を調整し得る(工程406)。例えば、第一の測定突起部150上の複数のインジケータ160に対するサセプタ外縁212の第一の位置は、(例えば、第一の測定突起部150の側面で、かつ/または突起部空隙157を通してサセプタ外縁212を観察することによって)決定され得る。第二の測定突起部150上の複数のインジケータ160に対するサセプタ外縁212の第二の位置が決定され得る。決定された位置は、サセプタ外縁212が、測定突起部150の両方に対して位置決めされるところ、または最も近い、複数のインジケータ160のうちのインジケータを含み得る(例えば、サセプタ外縁212が、測定突起部150の各々の下を通る時)。決定された第一の位置が、決定された第二の位置と異なる場合、サセプタ210は、スペーサープレート200および内部空間120内で調整されて、第一の位置および第二の位置を実質的に等しくし得る。例えば、サセプタ外縁212の部分が、複数のインジケータ160の第四のインジケータに近接する測定突起部150の第一の下を通過する場合、およびサセプタ外縁212の部分が、複数のインジケータ160の第四のインジケータに近接する測定突起部150の第二の下を通過する場合、サセプタ210は、スペーサープレート200のプレート内側空間内で中心に配置されなくてもよい。したがって、サセプタ210は、アライメントフィクスチャ100の内部空間120で調整され得る(例えば、サセプタ外縁212の部分が、同じインジケータ、またはインジケータから同じ距離など、隣接する各測定突起部150の下を通過するように)。
【0046】
具体的な実施形態に関して、恩恵及びその他の利点が本明細書に記述されている。さらに、本明細書に含まれる様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係及び/又は物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加の機能的関係、もしくは物理的接続は実際のシステムに存在してもよいことに留意されたい。しかしながら、恩恵、利点、問題に対する解決策、及び任意の恩恵、利点、又は解決策を生じ得る又はより顕著にし得る任意の要素は、本開示の重要な、要求される、もしくは必須の特徴又は要素として解釈されない。本開示の範囲は、したがって、添付の特許請求の範囲以外の何物にも制限されず、この添付の特許請求の範囲における単数形の要素への言及は、明示的に明記されない限り「一つのみ」を意味することを意図しておらず、むしろ「一つまたは複数」を意味する。又、特許請求の範囲において、「A、B又はCのうちの少なくとも一つ」に類似した語句が使用される場合、当該語句は、A単独が一実施形態において存在し得ること、B単独が一実施形態において存在し得ること、C単独が一実施形態において存在し得ること、あるいは要素A、B及びCの任意の組み合わせ、例えば、A及びB、A及びC、B及びC、又はA及びB及びCなどが、一実施形態において存在し得ること、を意味すると解釈されることが意図される。
【0047】
システム、方法及び装置が本明細書に提供される。本明細書の詳細な説明では、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などへの言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含み得るとは限らないことを示す。又、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されるかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内にあると思われる。説明を読んだ後、代替的な実施形態に本開示を実装する方法は当業者には明らかであろう。
【0048】
さらに、本開示のいずれの要素も、構成要素も、方法ステップも、当該要素、構成要素、又は方法ステップが特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公共の用に供することを意図するものではない。本明細書のいかなる特許請求要素も、当該要素を「のための手段」という語句を用いて明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されないものとする。本明細書で使用される場合、二つ以上の構成要素が「連結されている」とは、それぞれの文脈によって指示され得るように、物理的、機械的、流体的、及び/又は電気的連結を意味し得る。本明細書で使用される場合、「含む」、「備える」、「有する」又はその任意の他の変形語は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置がそれらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含んでもよいように、非限定的包含を包含することを意図している。