(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】可動型カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/092 20060101AFI20250411BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20250411BHJP
【FI】
A61M25/092 500
A61M25/00 540
A61M25/092 510
(21)【出願番号】P 2020514093
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(86)【国際出願番号】 JP2019015447
(87)【国際公開番号】W WO2019203061
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】P 2018078540
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504177284
【氏名又は名称】国立大学法人滋賀医科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】米道 渉
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0367787(US,A1)
【文献】特開2013-017693(JP,A)
【文献】特開2015-163187(JP,A)
【文献】特開2014-018391(JP,A)
【文献】特開平03-097428(JP,A)
【文献】特開平09-066109(JP,A)
【文献】特開平10-033688(JP,A)
【文献】特開平11-267095(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0059288(US,A1)
【文献】米国特許第03625200(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/092
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインルーメンを有するチューブを備える可動型カテーテルであって、
前記チューブは、前記メインルーメンの外側に、該チューブの近位端部から遠位端部に至る互いに離間して配置された複数のワイヤ用ルーメンを有し、
その一端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンの1つに挿通され、その中間部分が前記チューブの遠位端部で折り返されて、その他端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンの他の1つに挿通され、その一端部および他端部が該チューブの近位端側に配置された少なくとも2本のワイヤを備え、
前記少なくとも2本のワイヤのうちの1本である第1のワイヤおよび前記少なくとも2本のワイヤのうちの他の1本のワイヤである第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部が接続されており、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張ることができるとともに、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部を同時に緩めることができ、前記第1のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張るときは前記第2のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に緩め、前記第2のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張るときは前記第1のワイヤ
の前記一端部および前記他端部を同時に緩めることができるように構成された操作部をさらに備え、
前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤには通電を行わない構成である可動型カテーテル。
【請求項2】
前記ワイヤ用ルーメンを3つ以上設け、前記ワイヤを2本以上設けた請求項1に記載の可動型カテーテル。
【請求項3】
前記チューブは、前記メインルーメンを有する単ルーメンチューブと、該単ルーメンチューブの外側に一体的に配置された、前記ワイヤ用ルーメンを複数有する少なくとも1つの多ルーメンチューブとを有する請求項1または2に記載の可動型カテーテル。
【請求項4】
メインルーメンを有するチューブを備える可動型カテーテルであって、
前記チューブは、前記メインルーメンの外側に、該チューブの近位端部から遠位端部に至るワイヤ用ルーメンを有し、
その一端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンに挿通され、その中間部分が前記チューブの遠位端部で折り返されて、その他端部側の略半分が該チューブの外側を通されて、その一端部および他端部が該チューブの近位端側に配置された少なくとも2本のワイヤを備え、
前記少なくとも2本のワイヤのうちの1本である第1のワイヤおよび前記少なくとも2本のワイヤのうちの他の1本のワイヤである第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部が接続されており、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張ることができるとともに、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部を同時に緩めることができ、前記第1のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張るときは前記第2のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に緩め、前記第2のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張るときは前記第1のワイヤ
の前記一端部および前記他端部を同時に緩めることができるように構成された操作部をさらに備える可動型カテーテル。
【請求項5】
メインルーメンを有するチューブを備える可動型カテーテルであって、
前記チューブは、前記メインルーメンの外側に、該チューブの近位端部から遠位端部に至るワイヤ用ルーメンを有し、
その一端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンに挿通され、その中間部分が前記チューブの遠位端部で折り返されて、その他端部側の略半分が前記メインルーメンに挿通されて、その一端部および他端部が該チューブの近位端側に配置された少なくとも2本のワイヤを備え、
前記少なくとも2本のワイヤのうちの1本である第1のワイヤおよび前記少なくとも2本のワイヤのうちの他の1本のワイヤである第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部が接続されており、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張ることができるとともに、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤそれぞれの前記一端部および前記他端部を同時に緩めることができ、前記第1のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張るときは前記第2のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に緩め、前記第2のワイヤの前記一端部および前記他端部を同時に引っ張るときは前記第1のワイヤ
の前記一端部および前記他端部を同時に緩めることができるように構成された操作部をさらに備え、
前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤには通電を行わない構成である可動型カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の治療や検査等を行うために用いられる医療用処置具であるカテーテルに関し、特に、先端部等を自在に偏向することが可能な可動型カテーテル(Steerable Catheter)に関する。
【背景技術】
【0002】
体腔、管腔または血管等を通して、各種の臓器(たとえば、胆管、心臓)等の目的組織まで挿入される医療用処置具(たとえば、造影剤注入用カテーテル、電極カテーテル、アブレーションカテーテル、カテーテルシースを含む)として、その挿入や目的組織への接近の容易化等を図るため、体内に挿入されるカテーテルの先端(遠位端)の向きを、体外に配置されるカテーテルの基端(近位端)側に設けられた操作部を操作することにより偏向できるようにした可動型のカテーテルが知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカテーテルは、胆管内の検査のために胆管内にX線造影剤を注入するためなどに用いられる内視鏡用のカテーテルであって、内視鏡を介して十二指腸内まで挿入されたのち、先端部を十二指腸側から十二指腸乳頭に挿入して胆管内に到達させやすいように、体外側から操作ワイヤを操作することによって、先端部を偏向(湾曲)操作できるようにしたカテーテルである。この特許文献1に記載のカテーテルは、造影剤を注入するためなどに用いられる大径のルーメンとは別に、先端部を偏向操作するための操作ワイヤが挿入されるルーメンを有していて、操作ワイヤはカテーテルの先端部に設けられた先端チップとプラズマ溶接などの手段によって接合されているため、体外側の操作ワイヤを引っ張ることにより、カテーテルの先端部を偏向させることができる。
【0004】
特許文献2に記載の先端可動カテーテルは、心臓に対してカテーテルアブレーション処置を行うためにアブレーションカテーテルを心臓の処置すべき部位まで案内するためなどに用いられるカテーテルであって、アブレーションカテーテルの先端を心臓の所望の位置に案内しやすいように、体外側から操作部を操作することによって、先端部を偏向(湾曲)操作できるようにしたカテーテルである。この特許文献2に記載されたカテーテルを構成するカテーテルチューブは、各種の処置具が挿入されるメインルーメンの他に、その管壁内の互いに180°対向する位置に、一対のワイヤ用ルーメンを有している。そして、カテーテルチューブの先端部の偏向すべき部分は、たとえば先端に行くにしたがってその剛性が段階的に低く設定されており、その先端部に一体的に装着されたリング(プルリング)に、ワイヤ用ルーメンのそれぞれに挿通された一対のワイヤのそれぞれの先端をレーザ溶接などの手段により接続し、該一対のワイヤのそれぞれの基端は操作部に接続してある。そして、その操作部を操作することによって、一方のワイヤを引っ張り、他方のワイヤを弛ませて、チューブ先端の向きを制御できるようにしている。
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されるような従来技術では、カテーテルの先端部に装着された部材(先端チップやプルリング)に偏向操作のためのワイヤの先端をプラズマ溶接やレーザ溶接などの手段により接続固定しており、ワイヤを固定するための部材(先端チップやプルリング)の分だけ部品点数が多くなるとともに、その部材をカテーテルに装着する作業やその部材にワイヤの先端を接続固定する作業が煩雑であるという問題があった。また、ワイヤを固定するための部材を設けるために、その部材を設けるための領域をカテーテルの構造内に確保する必要があることから、たとえばメインルーメンの先端開口面積を狭くする必要が生じてしまうなど、カテーテルに構造上の制限を加えてしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-272675号公報
【文献】特開2014-188039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、部品点数を削減できるとともに、製造の作業工数を削減することができる可動型カテーテルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る可動型カテーテルは、
メインルーメンを有するチューブを備える可動型カテーテルであって、
前記チューブは、前記メインルーメンの外側に、該チューブの近位端部から遠位端部に至る互いに離間して配置された複数のワイヤ用ルーメンを有し、
その一端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンの1つに挿通され、その中間部分が前記チューブの遠位端部で折り返されて、その他端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンの他の1つに挿通され、その一端部および他端部が該チューブの近位端側に配置された少なくとも1本のワイヤを備えて構成される。
【0009】
本発明の第1の観点に係る可動型カテーテルでは、ワイヤはその一端部側の略半分が挿通されているワイヤ用ルーメンの1つの遠位端部およびその他端側の略半分が挿通されているワイヤ用ルーメンの他の1つの遠位端部で折り返されているため、該ワイヤのチューブの近位端側に配置された両端部(一端部および他端部)を同時に引っ張ることにより、チューブの遠位端部にこれを偏向させるための力を作用させることができる。このため、該ワイヤが挿通されている一対のワイヤ用ルーメンの配置に応じて、チューブの遠位端部を偏向させることが可能である。したがって、従来技術の先端チップやプルリングのようなワイヤを固定するための部材を設ける必要がなく、部品点数を削減することができるとともに、ワイヤを固定するための部材のカテーテルチューブに対する装着作業やその部材に対するワイヤの接続作業を行う必要がないので、その製造における作業工数を削減することができる。また、ワイヤを固定するための部材を設けるための領域をカテーテルの構造内に確保する必要がないので、カテーテルとしての構造上の制限を少なくすることができる。
【0010】
本発明の第1の観点に係る可動型カテーテルにおいて、前記ワイヤ用ルーメンを3つ以上設け、前記ワイヤを2本以上設けることができる。このように構成することにより、チューブの遠位端部を2方向以上の方向に偏向させることができる。
【0011】
本発明の第1の観点に係る可動型カテーテルにおいて、前記チューブとして、前記メインルーメンを有する単ルーメンチューブと、該単ルーメンチューブの外側に一体的に配置された、前記ワイヤ用ルーメンを複数有する少なくとも1本の多ルーメンチューブとを有するものを用いることができる。前記チューブとしては、ワイヤ用ルーメンを、メインルーメンを有する単一のチューブの管壁内に複数形成したものを用いてもよいが、単ルーメンチューブの外側に多ルーメンチューブを配置したものを用いることもでき、このようにすることで、可動型カテーテルの生産性を向上させうる。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る可動型カテーテルは、
メインルーメンを有するチューブを備える可動型カテーテルであって、
前記チューブは、前記メインルーメンの外側に、該チューブの近位端部から遠位端部に至るワイヤ用ルーメンを有し、
その一端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンに挿通され、その中間部分が前記チューブの遠位端部で折り返されて、その他端部側の略半分が該チューブの外側を通されて、その一端部および他端部が該チューブの近位端側に配置されたワイヤを備えて構成される。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る可動型カテーテルは、
メインルーメンを有するチューブを備える可動型カテーテルであって、
前記チューブは、前記メインルーメンの外側に、該チューブの近位端部から遠位端部に至るワイヤ用ルーメンを有し、
その一端部側の略半分が前記ワイヤ用ルーメンに挿通され、その中間部分が前記チューブの遠位端部で折り返されて、その他端部側の略半分が前記メインルーメンに挿通されて、その一端部および他端部が該チューブの近位端側に配置されたワイヤを備えて構成される。
【0014】
本発明の第2の観点および第3の観点に係る可動型カテーテルでは、ワイヤはその一端側の略半分が挿通されているワイヤ用ルーメンの遠位端部で折り返されて、その他端側の略半分がチューブの外側またはメインルーメンの内部を通されているため、該ワイヤのチューブの近位端側に配置された両端部(一端部および他端部)を同時に引っ張ることにより、カテーテルチューブの遠位端部にこれを偏向させるための力を作用させることができる。このため、該ワイヤが挿通されているワイヤ用ルーメンの配置に応じて、チューブの遠位端部を偏向させることが可能である。したがって、従来技術の先端チップやプルリングのようなワイヤを固定するための部材を設ける必要がなく、部品点数を削減することができるとともに、ワイヤを固定するための部材のカテーテルチューブに対する装着作業やその部材に対するワイヤの接続作業を行う必要がないので、その製造における作業工数を削減することができる。また、ワイヤを固定するための部材を設けるための領域をカテーテルの構造内に確保する必要がないので、カテーテルとしての構造上の制限を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態の可動型カテーテルの外観構成を示す平面図である。
【
図2C】
図2Cは、
図2Bの可動型カテーテルのシース本体を一対のワイヤ用ルーメンのそれぞれの中心軸を通る面で切断した断面図である。
【
図3A】
図3Aは、
図2Bの可動型カテーテルのワイヤ用ルーメンに挿通するワイヤの数を増やした場合を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aの可動型カテーテルのシース本体をその中心軸に直交する面で切断した断面図である。
【
図3C】
図3Cは、
図3Aの可動型カテーテルのシース本体を一対のワイヤ用ルーメンのそれぞれの中心軸を通る面で切断した断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の他の実施形態の可動型カテーテルの要部を拡大して示す斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの可動型カテーテルのシース本体をその中心軸に直交する面で切断した断面図である。
【
図5C】
図5Cは、
図5Aの可動型カテーテルのシース本体を一対のワイヤ用ルーメンのそれぞれの中心軸を通る面で切断した断面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明のさらに他の実施形態の可動型カテーテルの要部を拡大して示す斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aの可動型カテーテルのシース本体をその中心軸に直交する面で切断した断面図である。
【
図6C】
図6Cは、
図6Aの可動型カテーテルのシース本体を一対のワイヤ用ルーメンのそれぞれの中心軸を通る面で切断した断面図である。
【
図7】
図7は、本発明のさらに他の実施形態の可動型カテーテルのシース本体の構成を示す断面図である。
【
図8】
図8は、本発明のさらに他の実施形態の可動型カテーテルのシース本体の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態の可動型カテーテルとしてのカテーテルシース(可動型シース)は、たとえば、カテーテルアブレーションを行う際に、心電を検出するための電極カテーテルや患部を焼灼するためのアブレーションカテーテル等に先行して挿入され、これらの電極カテーテルやアブレーションカテーテル等を案内するカテーテルである。以下では、本発明が適用される可動型カテーテルとして、カテーテルシースを例に説明するが、電極カテーテルやアブレーションカテーテル、胆管内の検査のために胆管内にX線造影剤を注入するためなどに用いられる可動型内視鏡用カテーテル、その他の可動型カテーテルにも本発明を適用することができる。
【0017】
なお、カテーテルアブレーションとは、心臓に生じる不整脈を治療するための治療法であり、その先端部に高周波電極を有するアブレーションカテーテルを血管を経由して心臓内の不整脈の原因となっている心筋組織まで挿入し、該心筋組織またはその近傍を60~70℃程度で焼灼して凝固壊死せしめ、不整脈の回路を遮断する治療法である。
【0018】
まず、
図1および
図2A~
図2Cを参照する。カテーテルシース(可動型カテーテル)1は、シース本体(チューブ)2、操作部3、グリップ部4、および一対のワイヤW1,W2を概略備えて構成されている。
【0019】
シース本体2は中空のチューブからなり、図示は省略しているが、たとえば網状のステンレス鋼等からなるブレード層および複数の樹脂層を含む多層チューブが用いられる。シース本体2の遠位端側の一部はその向きが任意に偏向可能な偏向部21となっており、偏向部21はその余の部分よりも剛性が低く(柔軟に)設定されており、さらに偏向部21においてはその先端にいくにしたがって徐々にまたは段階的に剛性が低くなるように設定されている。
【0020】
シース本体2の材質は、可撓性を備えるものであれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーであることが好ましく、たとえば、ポリエーテルブロックアミド共重合体などのポリアミド系エラストマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが用いられる。
【0021】
シース本体2の近位端側に取り付けられた操作部3およびグリップ部4には、シース本体2の近位端側の部分が挿通される挿通孔が形成されていて、グリップ部4の近位端には、シースハブ41aが取り付けられている。
【0022】
シースハブ41aは内腔を有していて、シースハブ41aの近位端側にはグリップ部4内のシース本体2が、シースハブ41aの内腔とシース本体2のメインルーメン22とが連通するように取り付けられている。また、シースハブ41aの遠位端側には、止血弁を備えたカテーテル挿入口が形成されている。カテーテルシース1の使用時(処置時)には、上述した電極カテーテルやアブレーションカテーテルがシースハブ41aのカテーテル挿入口から挿入され、シース本体2のメインルーメン22に案内されて、それぞれの遠位端部が処置すべき心筋組織まで導かれる。また、シースハブ41aの側部には、側注管が形成されていて、その側注管にはチューブ41bを介して三方活栓41cが取り付けられている。三方活栓41cには、たとえばシリンジなどを取り付けて、体内の血液を吸引したり、体内に薬液を送り込んだりすることができる。
【0023】
シース本体2の遠位端(偏向部21の先端)には、樹脂からなり、遠位端側が半球状にされた略円筒状の先端保護部材29が設けられている。先端保護部材29は、シース本体2のメインルーメン22と略同径の内腔を有し、シース本体2の遠位端部に熱融着等により一体的に接合(固着)されている。ただし、先端保護部材29は省略してもよい。
【0024】
シース本体2の管壁内には、メインルーメン22の外側を取り囲むように、メインルーメン22に略平行する4つのワイヤ用ルーメン(サブルーメン)23a~23dが形成されている。ワイヤ用ルーメン23a~23dは、シース本体2の近位端部から遠位端部に至って形成されている。ワイヤ用ルーメン23a~23dは、シース本体2の中心軸を中心として、メインルーメン22の外側に、互いに略90°の角度ピッチ(角度間隔)で互いに離間して形成されている。
【0025】
ワイヤ用ルーメン23a~23dは、本実施形態では、シース本体2の先端保護部材29が接合される遠位端面に開口するように形成されている。ただし、ワイヤ用ルーメン23a~23dは、シース本体2の先端保護部材29が接合される遠位端面に至らずに、シース本体2の遠位端面の近傍部分で、シース本体2の側面に開口するように形成されていてもよい。また、ワイヤ用ルーメン23a~23dは、シース本体2の外部に開口することなく、シース本体2の遠位端面の近傍部分で、ワイヤ用ルーメン23aの遠位端とワイヤ用ルーメン23bの遠位端とが連通し、ワイヤ用ルーメン23cの遠位端とワイヤ用ルーメン23dの遠位端とが連通するようにしてもよい。この場合において、これらの連通部は、ワイヤW1,W2の挿通に支障がないように、略U字状に形成するとよい。
【0026】
ワイヤ用ルーメン23aおよびワイヤ用ルーメン23bには、単一のワイヤW1が挿通されており、ワイヤ用ルーメン23cおよびワイヤ用ルーメン23dには、単一のワイヤW2が挿通されている。本実施形態では、ワイヤW1,W2は、ステンレス鋼等の金属から形成されているが、ワイヤW1,W2は、たとえば樹脂等の他の材料で形成されていてもよい。
【0027】
ワイヤW1は、その一端部側の略半分W1aがワイヤ用ルーメン23aに挿通され、その中間部分W1cがシース本体2の先端保護部材29が接合される遠位端面で折り返されて、その他端部側の略半分W1bがワイヤ用ルーメン23bに挿通され、その両端部(一端部および他端部)がシース本体2の近位端側の操作部3に位置するように配置されている。同様に、ワイヤW2は、その一端部側の略半分W2aがワイヤ用ルーメン23cに挿通され、その中間部分W2cがシース本体2の先端保護部材29が接合される遠位端面で折り返されて、その他端部側の略半分W2bがワイヤ用ルーメン23dに挿通され、その両端部(一端部および他端部)がシース本体2の近位端側の操作部3に位置するように配置されている。
【0028】
ワイヤW1の両端部ならびにワイヤW2の両端部は、シース本体2の近位端側に設けられた操作部3の内部においてシース本体2に設けられた側孔から引き出されて、操作部3(回転操作部材31)にそれぞれ接続されている。操作部3は、一対の突起状の把持部32,32を有しており、グリップ部4の先端(遠位端)側に設けられた保持部42にねじ込み式のノブ部材5を介して保持されている。
【0029】
図1に示したニュートラル状態では、ワイヤW1およびワイヤW2が両者とも無張力状態(または略均等に緩く緊張した状態)となり、シース本体2の先端の偏向部21は、同図に示す通り、直線状に延びた状態となる。
【0030】
このニュートラル状態から、回転操作部材31の把持部32,32を適宜に押圧して、回転操作部材31を
図1において矢印B1の方向に回転させると、この回転に伴い、ワイヤW1が引っ張られ、ワイヤW2が緩められることにより、先端の偏向部21が
図1において矢印B3に示すように偏向される。
【0031】
これと反対に、回転操作部材31の把持部32,32を適宜に押圧して、回転操作部材31を
図1において矢印B2方向に回転させると、ワイヤW1が緩められ、ワイヤW2が引っ張られることにより、先端の偏向部21が
図1において矢印B4に示すように偏向される。
【0032】
偏向部21を偏向させた状態で、偏向部21の形状を固定したい場合には、ノブ部材5を時計方向に回転させて締め込むことにより、回転操作部材31が保持部42に押圧されて、回転操作部材31が現在位置で固定され、偏向部21の形状が固定される。偏向部21の形状の固定を解除したい場合(偏向状態を調整したい場合)には、上記と反対に、ノブ部材5を反時計方向に回転させて緩めることにより、回転操作部材31が保持部42に緩く押圧された状態となり、回転操作部材31が回転し得る状態となる。その結果、偏向部21の形状の固定が解除されて、把持部32を把持して回転操作部材31を回転操作することにより偏向部21の偏向状態を調整することができる。
【0033】
上述した実施形態では、ワイヤW1はその一端部側の略半分W1aが挿通されているワイヤ用ルーメン23aの遠位端部およびその他端側の略半分W1bが挿通されているワイヤ用ルーメン23bの遠位端部で折り返されているため、ワイヤW1のシース本体2の近位端側に配置された両端部を引っ張ることにより、シース本体2の遠位端部にこれを偏向させるための力を作用させることができる。このため、ワイヤW1が挿通されている一対のワイヤ用ルーメン23a,23bのシース本体2の中心軸に対する配置に応じて、シース本体2の遠位端部(偏向部21)を偏向させることが可能である。ワイヤW2に関しても同様である。
【0034】
したがって、従来技術の先端チップやプルリングのようなワイヤを固定するための部材を設ける必要がなく、部品点数を削減することができるとともに、ワイヤを固定するための部材のカテーテルチューブに対する装着作業やその部材に対するワイヤの接続作業を行う必要がないので、その製造における作業工数を削減することができる。また、ワイヤを固定するための部材を設けるための領域をカテーテルシース1の構造内に確保する必要がないので、カテーテルシース1としての構造上の制限を少なくすることができ、たとえばシース本体2(メインルーメン22)の遠位端(先端)の開口面積を大きくすることが可能となる。
【0035】
また、ワイヤW1のワイヤ用ルーメン23aに挿通された略半分W1aとワイヤ用ルーメン23bに挿通された略半分W1bとの両方を引っ張って、偏向部21を偏向するための力を作用させるようにしている。このため、ワイヤ用ルーメン23aとワイヤ用ルーメン23bとの間隔(角度間隔)に応じて、シース本体2の周方向における比較的に広い範囲に力を作用させることができる。ワイヤW2に関しても同様である。その結果、従来技術のように、単一のルーメンに挿通された折り返しのない1本のワイヤを引っ張ることにより偏向操作を行うものと比較して、ワイヤにかかる力が小さくなるので、偏向操作に伴うワイヤ破断のおそれが小さくなる。
【0036】
上述した実施形態では、ワイヤW1とワイヤW2とは、その線径(断面積)を含めて同一仕様のものを用いているが、これらを異ならせる、たとえば、ワイヤW1の線径をワイヤW2の線径よりも太く(断面積を大きく)してもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、各ワイヤ用ルーメン23a~23dは、等角度ピッチ(90°ピッチ)で配設したが、等角度ピッチである必要はなく、異なる角度間隔で配設してもよい。角度間隔を適宜に設定することにより、偏向部21の曲率や偏向の方向を適宜に設定し得る。
【0038】
さらに、上述した実施形態では、ワイヤ用ルーメン23aおよびワイヤ用ルーメン23bに挿通されたワイヤW1と、ワイヤ用ルーメン23cおよびワイヤ用ルーメン23dに挿通されたワイヤW2の2本のワイヤを用いているが、
図3A~
図3Cに示すように、ワイヤW3とワイヤW4とを追加して、4本のワイヤを用いる構成してもよい。
【0039】
すなわち、ワイヤW3は、その一端部側の略半分W3aがワイヤ用ルーメン23aに挿通され、その中間部分W3cがシース本体2の先端保護部材29が接合される遠位端面で折り返されて、その他端部側の略半分W3bがワイヤ用ルーメン23cに挿通されている。ワイヤW4は、その一端部側の略半分W4aがワイヤ用ルーメン23bに挿通され、その中間部分W4cがシース本体2の先端保護部材29が接合される遠位端面で折り返されて、その他端部側の略半分W4bがワイヤ用ルーメン23dに挿通されている。このように構成することで、ワイヤW1~W4から適宜1本のワイヤを選択して引っ張ることにより、4方向への偏向が可能となる。また、ワイヤW1~W4から隣合う2本の組み合わせを適宜選択して、それぞれを引っ張る力のバランスを調整することにより、偏向部21を360°任意の方向に偏向し得る。なお、ワイヤW3およびW4を追加したことに対応して、操作部3において回転操作部材31と同様の回転操作部材を追加する等、操作部3の構成を適宜変更する必要がある。
【0040】
また、
図3A~
図3Cに示した例では、ワイヤ用ルーメン23a~23dを4つ設け、ワイヤW1~W4を4本設けた場合を説明したが、たとえば
図4A~
図4Cに示すように、ワイヤ用ルーメンの数を増加または減少させることができ、これに伴い、ワイヤの本数も増加または減少させることができる。
【0041】
すなわち、
図4Aでは、60°の角度ピッチで6つのワイヤ用ルーメン24aを設けるとともに、6本のワイヤW5を設けている。これにより、ワイヤW5を1本ずつ引っ張る場合においては偏向部21を6方向に偏向し得、また、隣合う2本のワイヤW5の組合わせを適宜選択して、それぞれを引っ張る力のバランスを調整することにより、偏向部21を360°任意の方向に偏向し得る。
図4Bでは、120°の角度ピッチで3つのワイヤ用ルーメン25aを設けるとともに、3本のワイヤW6を設けている。これにより、ワイヤW6を1本ずつ引っ張る場合においては偏向部21を3方向に偏向し得、また、隣合う2本のワイヤW6の組合わせを適宜選択して、それぞれを引っ張る力のバランスを調整することにより、偏向部21を360°任意の方向に偏向し得る。
図4Cでは、15°の角度ピッチで24個のワイヤ用ルーメン26aを設けるとともに、24本のワイヤW7を設けている。これにより、ワイヤW7を1本ずつ引っ張る場合において偏向部21を24方向に偏向し得る。これらは例示であって、ワイヤ用ルーメンの数は2以上であればよく、ワイヤの数は1以上であればよい。
【0042】
図4A~
図4Cに示した例では、ワイヤ用ルーメンの数とワイヤの数は一致しているが、これらは異なっていてもよく、たとえばワイヤ用ルーメンの数よりもワイヤの数を少なくしてもよい。また、
図4A~
図4Cに示した例では、隣り合う一対のワイヤ用ルーメンにワイヤの両端部を挿通しているが、たとえば間欠的に一対のワイヤ用ルーメンを選択して、これらにワイヤの両端部を挿通してもよい。
【0043】
なお、図示はしていないが、ワイヤ用ルーメンの数を2つとし、ワイヤを1本としてもよい。これにより、偏向部21を1方向に偏向し得る。この場合には、これらのワイヤ用ルーメンが互いに180°未満の角度間隔となるように配置することが好ましい。このようにすることで、ワイヤの両端部を同時に引っ張った際に、シース本体2の遠位端部を該ワイヤが挿通された一対のワイヤ用ルーメン側に偏向させ易くなる。
【0044】
また、上述した実施形態では、一対のワイヤ用ルーメン23a,23bにワイヤW1の一端部側の略半分W1aと他端部側の略半分W1bを挿通しているが、
図5A~
図5Cに示すように、構成してもよい。すなわち、
図5A~
図5Cに示すものでは、シース本体2に形成されたワイヤ用ルーメン27aにワイヤW8の一端部側の略半分W8aを挿通し、ワイヤW8の中間部分W8cをシース本体2の遠位端で折り返して、ワイヤW8の他端部側の略半分W8bをシース本体2の外側を通して、その両端部(一端部および他端部)をシース本体2の近位端側に配置している。同様に、シース本体2に形成されたワイヤ用ルーメン27bにワイヤW9の一端部側の略半分W9aを挿通し、ワイヤW9の中間部分W9cをシース本体2の遠位端で折り返して、ワイヤW9の他端部側の略半分W9bをシース本体2の外側を通して、その両端部(一端部および他端部)をシース本体2の近位端側に配置している。この
図5A~
図5Cに示す例によれば、
図2A~
図2Cに示した構成と同様の作用効果を実現しつつ、ワイヤ用ルーメンの数を減少させることができる。
【0045】
さらに、カテーテルシースは、
図6A~
図6Cに示すように、構成してもよい。すなわち、
図6A~
図6Cに示すものでは、シース本体2に形成されたワイヤ用ルーメン28aにワイヤW10の一端部側の略半分W10aを挿通し、ワイヤW10の中間部分W10cをシース本体2の遠位端で折り返して、ワイヤW10の他端部側の略半分W10bをシース本体2に形成されたメインルーメン22に挿通して、その両端部(一端部および他端部)をシース本体2の近位端側に配置している。同様に、シース本体2に形成されたワイヤ用ルーメン28bにワイヤW11の一端部側の略半分W11aを挿通し、ワイヤW11の中間部分W11cをシース本体2の遠位端で折り返して、ワイヤW11の他端部側の略半分W11bをシース本体2に形成されたメインルーメン22に挿通して、その両端部(一端部および他端部)をシース本体2の近位端側に配置している。この
図6A~
図6Cに示す例によっても、
図2A~
図2Cに示した構成と同様の作用効果を実現しつつ、ワイヤ用ルーメンの数を減少させることができる。
【0046】
さらに、上述した実施形態では、メインルーメン22を有するシース本体2の管壁内に複数のワイヤ用ルーメンを形成したものを例示したが、
図7に示すように、メインルーメン200aを有する単ルーメンチューブ(シングルルーメンチューブ)200と、複数のワイヤ用ルーメン201a,201bを有する1以上の多ルーメンチューブ(マルチルーメンチューブ)201とを組み合わせて、互いに一体化させたものをシース本体として用いてもよい。
【0047】
図7では、メインルーメン200aを有する断面略円状の単ルーメンチューブ200の周囲に、それぞれ断面略円状の一対のワイヤ用ルーメン201a,201bを有する断面略楕円状の多ルーメンチューブ201を4つ配置し、ワイヤ用ルーメン201aにワイヤW12(全体で4本)の一端部側の略半分W12aを挿通し、ワイヤ用ルーメン201bにワイヤW12の他端部側の略半分W12bを挿通したものを例示している。単ルーメンチューブ200と多ルーメンチューブ201とは、接着剤による接着や熱溶着等により互いに一体化することができる。メインルーメン22を有するシース本体2の管壁内に複数のワイヤ用ルーメンを形成したものの製造は必ずしも容易ではないが、このように複数のチューブを組み合わせて一体化することにより、生産性を向上させうる。
【0048】
さらに、
図7に示した実施形態では、単ルーメンチューブ200と多ルーメンチューブ201とを組み合わせて一体化させたものでシース本体を構成したが、
図8に示すように、メインルーメン202aを有する単ルーメンチューブ202と、複数の長尺部材203とを組み合わせ、その単ルーメンチューブ202と長尺部材203との間に隙間が形成されるように一体化させたものをシース本体として用い、その隙間をワイヤ用ルーメン204a,204bとして利用してもよい。
【0049】
図8では、メインルーメン202aを有する断面略円状の単ルーメンチューブ202の周囲に、断面略楕円状で中実の長尺部材203を4つ配置し、単ルーメンチューブ202と2つの長尺部材203との間に形成される略断面三角形状の隙間4つを2組の一対のワイヤ用ルーメン204a,204bとして利用し、ワイヤ用ルーメン204aにワイヤW13(全体で2本)の一端部側の略半分W13aを挿通し、ワイヤ用ルーメン204bにワイヤW13の他端部側の略半分W13bを挿通したものを例示している。単ルーメンチューブ202と長尺部材203とは、接着剤による接着や熱溶着等により互いに一体化することができる。この実施形態では、多ルーメンチューブが不要となるので、さらに生産性を向上させうる。
【0050】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0051】
1…カテーテルシース(可動型カテーテル)
2…シース本体(チューブ)
21…偏向部
22,200a,202a…メインルーメン
23a~23d,24a,25a,26a,27a,27b,28a,28b,201a,201b,204a,204b…ワイヤ用ルーメン
29…先端保護部材
200,202…単ルーメンチューブ
201…多ルーメンチューブ
203…長尺部材
3…操作部
31…回転操作部材
32…把持部
4…グリップ部
42…保持部
5…ノブ部材
W1~W13…ワイヤ