(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】強誘電体メモリのための炭素を含まない積層された酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜
(51)【国際特許分類】
C23C 16/40 20060101AFI20250411BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20250411BHJP
H10B 51/30 20230101ALI20250411BHJP
H10B 53/30 20230101ALI20250411BHJP
【FI】
C23C16/40
C23C16/455
H10B51/30
H10B53/30
(21)【出願番号】P 2023502601
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 US2021041621
(87)【国際公開番号】W WO2022015850
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジュン-フェイ
(72)【発明者】
【氏名】バウム, トーマス エイチ.
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0023461(US,A1)
【文献】特表2014-531749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0043545(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131426(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0087890(US,A1)
【文献】特開2008-300850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/40
C23C 16/455
H10B 51/30
H10B 53/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ハフニウム層及び酸化ジルコニウム層の複数の交互層からなる混合膜を含む積層膜であって、前記積層膜が、厚さが5~10nmの厚さを有し、前記積層膜が、0.1原子百分率未満の炭素を有し、前記積層膜中のハフニウムおよびジルコニウム原子の合計に対するジルコニウムの原子百分率が、45%~55%の範囲であ
り、前記積層膜が、イリジウム及び酸化イリジウムのうちの少なくとも1つで構成された頂部層と、窒化チタンの底部層と、を有する、積層膜。
【請求項2】
シリコン、アルミニウム、イットリウム、及びランタンから選択された少なくとも1つのドーパントをさらに含む、請求項1に記載の積層膜。
【請求項3】
0.1原子百分率未満のハロゲンを含有する、請求項1に記載の積層膜。
【請求項4】
酸化ハフニウム層及び酸化ジルコニウム層の複数の交互層からなる混合膜を含む積層膜を形成するための方法であって
、反応ゾーン内の蒸着条件下
で(i)
HfCl
4
、HfBr
4
、又はHfI
4、及び(ii)酸化性ガスに交互に
導入して前記酸化ハフニウム層を堆積させることを含
み、
前記積層膜が、厚さが5~10nmの厚さを有し、前記積層膜が、0.1原子百分率未満の炭素を有し、前記積層膜中のハフニウムおよびジルコニウム原子の合計に対するジルコニウムの原子百分率が、45%~55%の範囲であり、前記積層膜が、イリジウム及び酸化イリジウムのうちの少なくとも1つで構成された頂部層と、窒化チタンの底部層と、を有する、方法。
【請求項5】
酸化ハフニウム層及び酸化ジルコニウム層の複数の交互層からなる混合膜を含む積層膜を形成するための方法であって
、前記方法が、反応ゾーン内の蒸着条件下で
、(i)
ZrCl
4
、ZrBr
4
、又はZrI
4、
及び(ii)酸化性ガスに交互に
導入して前記酸化ジルコニウム層を堆積させることを含
み、
前記積層膜が、厚さが5~10nmの厚さを有し、前記積層膜が、0.1原子百分率未満の炭素を有し、前記積層膜中のハフニウムおよびジルコニウム原子の合計に対するジルコニウムの原子百分率が、45%~55%の範囲であり、前記積層膜が、イリジウム及び酸化イリジウムのうちの少なくとも1つで構成された頂部層と、窒化チタンの底部層と、を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロエレクトロニクスの分野に属する。特に、本発明は、二酸化ハフニウム膜、二酸化ジルコニウム膜、二酸化ハフニウムと二酸化ジルコニウムとの混合組成物、及び電極を備える、強誘電体メモリ材料及び構造の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の電子デバイスは、メモリ構造又はセルに情報を記憶する、及びメモリ構造又はセルから情報を取り出す能力を有する。そのようなメモリセルは、情報をビット単位で記憶するように構成されている。例えば、メモリセルは、論理1及び論理0を表す少なくとも2つの状態を有し得る。このように記憶された情報は、メモリセルの状態を判定することによって読み出され得る。そのようなセルは、1つ以上の論理回路とともにウエハ又はチップ上に集積され得る。
【0003】
揮発性メモリの1つのタイプは、高速かつ大容量のデータ記憶を可能にするDRAM構造である。不揮発性メモリ構造の例には、ROM、フラッシュ構造、強誘電体構造(例えば、FeRAMデバイス及びFeFETデバイス)、及びMRAM構造が含まれる。
【0004】
強誘電体構造の場合、それらは、キャパシタ(例えば、FeRAM)又はトランジスタ(FeFET)の形態で適合させることができ、情報は、構造内の強誘電体材料の特定の分極状態として記憶することができる。強誘電体材料及び構造の一例は、二酸化ジルコニウムと混合された二酸化ハフニウム等の遷移金属酸化物を利用する。
【0005】
酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムで構成された誘電体膜は、一般に、有機金属ハフニウム及びジルコニウムジアルキルアミド前駆体を使用する原子層堆積及び/又は化学蒸着技術を用いて調製される。例えば、「Atomic Layer Deposition of Hafnium and Zirconium Oxides using Metal Amide Precursors」、Dennis M.Hausmannら、Chem.Mater.2002,14,4350~4358を参照されたい。残念なことに、そのような方法論は、酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム誘電体膜に漏れ及び電荷トラップ欠陥をもたらす低レベルの炭素汚染を有する誘電体膜をもたらす。これらの膜はまた、デバイス製造中の後続のプロセスステップ中に炭素を発生させ、それによって膜の特性を変える可能性がある。したがって、これらのレベルの炭素、したがってそれらの付随する欠点を有さないそのような誘電体膜を製造するための方法論が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
要約すると、本発明は、炭素を含まない(すなわち、約0.1原子百分率未満の炭素)ZrドープHfO2膜を提供し、ここで、Zrは、原子百分率を単位として最大でHfと同じレベルまで可能である(すなわち、前駆体の同時導入を介して約1%~約60%、又は約45%~約55%若しくは約50%)。Zrドーピングはまた、強誘電体メモリ(FeRAM)に有用なナノメートルで積層されたZrO2及びHfO2膜(Hfと比較して1%~60%のZr)によって効果的に達成することができる。積層された膜は、約5~10層のHfO2及びZrO2(すなわち、交互)膜で構成されており、その各々は、例えば、約1~約2nmの厚さであり得、積層された膜は、合計で約5~20nmの厚さである。本発明の積層された膜は、MIM(金属-絶縁体-金属)及びMIS((金属-絶縁体-シリコン(又は他のチャネル))構造ベースの強誘電体メモリ用途に使用するための優れた強誘電体特性及び電気特性を示すことが期待される。このような不揮発性メモリは、一般に、高密度、低電力、高速スイッチング、低コスト、及び高耐久性を実現する。
【0007】
本発明の積層された膜は、HfCl4(又はHfBr4若しくはHfI4)及びZrCl4(又はZrBr4若しくはZrI4)、並びに共反応体としてオゾン、酸素、水、N2O、若しくはプラズマO2等の酸化性ガスを利用して、それぞれHfO2及びZrO2の高品質の炭素を含まない膜を堆積させる、ALD型熱堆積技術を用いて調製することができる。
【0008】
本発明はまた、約0.1原子百分率未満の炭素を有する酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウム膜を堆積させるために、HfCl4、HfBr4、HfI4、ZrCl4、ZrBr4、及びZrI4を使用するための方法論を提供する。さらに、そのような膜はまた、約0.1原子百分率未満の対応するハロゲン、例えば、塩素、臭素、又はヨウ素を含有し得る。
【0009】
金属-絶縁体-金属(M-I-M)メモリデバイスの実施形態において、本発明の積層酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜は、電極として、窒化チタン、ルテニウム、モリブデン、イリジウム、コバルト、タングステン、白金、又はイリジウム及びルテニウムの導電性酸化物のうちの少なくとも1つで構成された、頂部層及び底部層を有する。電極としての頂部層及び底部層は、同じ材料であってもなくてもよい。金属-絶縁体-半導体(M-I-S)メモリデバイスの実施形態において、積層酸化ハフニウム/酸化ジルコミウム膜は、窒化チタン、ルテニウム、モリブデン、イリジウム、コバルト、タングステン、白金、又はイリジウム及びルテニウムの導電性酸化物のうちの少なくとも1つで構成された電極として、半導体及び頂部層上に直接堆積され得る。
【0010】
さらなる実施形態では、本発明の積層酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜は、イリジウム又は酸化イリジウムで構成された少なくとも1つの外面をさらに備える。さらなる実施形態では、本発明の積層酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜は、窒化チタンで構成された少なくとも1つの外面をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】メモリ用途(FeRAM)のためのM-I-M構造を形成するように適合された本発明の積層構造体の断面図である。
【
図2】FeFET用途のためのM-I-S構造を形成するように適合された本発明の積層構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の積層膜において、
図1及び
図2に描写するように、最初の、すなわち「開始」膜は、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムのいずれかであり得、同様に、最終の、すなわち「仕上げ」膜は、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムのいずれかであり得る。
図1及び
図2では、酸化ハフニウムが開始膜として描写されており、酸化ジルコニウムが仕上げ膜として描写されている。
【0013】
図1及び
図2において、濃い黒色層は金属層を示し、白色層は酸化ハフニウムの層を示し、灰色層(
図1)は酸化ジルコニウム層を表し、薄い灰色層(
図2)はシリコン層又は他のチャネル材料を含む層を示している。
【0014】
一態様では、本発明は、酸化ハフニウム膜であって、酸化ハフニウム膜が、膜の合計原子百分率に基づいて、約1~約60原子百分率の酸化ジルコニウムをドープしており、膜が、約0.1原子百分率未満の炭素及び約0.1原子百分率未満のハロゲンを含有する、酸化ハフニウム膜を提供する。他の実施形態では、膜は、約45~55、又は約50原子百分率の酸化ジルコニウムをドープしている。
【0015】
第2の態様において、本発明は、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムの交互膜を備える積層膜であって、該積層膜が、厚さが約5~約10nmの厚さを有し、該積層膜が、約0.1原子百分率未満の炭素を有する、積層膜を提供する。
【0016】
一実施形態では、頂部膜及び底部膜は酸化ハフニウムである。別の実施形態では、頂部膜及び底部膜は酸化ジルコニウムである。別の実施形態では、積層膜は、シリコン、アルミニウム、イットリウム、及びランタンから選択された少なくとも1つのドーパント元素をさらに含む。
【0017】
図1で上述したように、積層膜(すなわち、強誘電体スタック)は、各側に金属層をさらに備え得る。特定の実施形態では、該金属層は、窒化チタン、ルテニウム、モリブデン、イリジウム、コバルト、タングステン、白金、又はイリジウム若しくはルテニウムの導電性酸化物で構成されている。
【0018】
図2で上述したように、積層膜は、一方の側に金属層又は金属表面を、かつ他方の側にシリコン膜又はシリコン含有膜をさらに備え得る(例えば、Si
1-xGe
xであり、ここで、xは0より大きいが1未満であり、簡略化のために本明細書で「SiGe」と呼ばれる合金中の各元素の様々な割合を表す)。
【0019】
さらなる実施形態では、本発明の積層酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜は、イリジウム又は酸化イリジウムで構成された少なくとも1つの外面をさらに備える。
【0020】
さらなる実施形態では、本発明の積層酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜は、窒化チタン、ルテニウム、モリブデン、イリジウム、コバルト、タングステン、白金、又はイリジウム及びルテニウムの導電性酸化物のうちの少なくとも1つで構成された少なくとも1つの外面をさらに備える。一実施形態では、少なくとも1つの外面は、窒化チタンである。
【0021】
一実施形態では、本発明の積層酸化ハフニウム/酸化ジルコニウム膜は、イリジウム及び酸化イリジウムのうちの少なくとも1つで構成された頂部層(すなわち、膜)、並びに/又は窒化チタン、イリジウム、若しくは酸化イリジウムのうちの少なくとも1つの底部層(すなわち、膜)を有し、いずれも、メモリスタックアセンブリ中の電極として使用される。
【0022】
約0.1原子百分率未満の炭素を有する酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウム膜は、蒸着(すなわち、熱)プロセスを利用することによって、基板、例えばマイクロ電子デバイス基板上に膜として堆積され得る。
【0023】
特定の実施形態では、蒸着条件は、化学蒸着、パルス化学蒸着、及び原子層堆積として知られている反応条件を含む。パルス化学蒸着の場合、中間(不活性ガス)パージステップの有無にかかわらず、前駆体化合物及び共反応体の一連の交互パルスを利用して、膜厚を所望の終点まで構築することができる。
【0024】
特定の実施形態では、上記の前駆体化合物のパルス時間(すなわち、基板に対する前駆体曝露の持続時間)は、約0.1~10秒の範囲である。パージステップを利用する場合、持続時間は約1~4秒又は1~2秒である。他の実施形態では、共反応体のパルス時間は1~60秒の範囲である。他の実施形態では、共反応体のパルス時間は約1~約10秒の範囲である。
【0025】
一実施形態では、蒸着条件は、約250℃~約750℃の温度及び約1~約1000Torrの圧力を含む。別の実施形態では、蒸着条件は、約250°~約650℃の温度を含む。
【0026】
四塩化ハフニウム(又はヨウ化ハフニウム)及び四塩化ジルコニウム(又はヨウ化ジルコニウム)は、CVD、デジタル(パルス)CVD、ALD、及びパルスプラズマプロセス等の任意の適切な蒸着技術によって高純度の二酸化ハフニウム及び二酸化ジルコニウム含有膜を形成するために採用され得る。そのような蒸着プロセスは、約250°~約550℃の堆積温度を利用して約20オングストローム~約2000オングストロームの厚さを有する膜を形成することによって、マイクロ電子デバイス上にそのような膜を形成するために利用することができる。
【0027】
本発明のプロセスでは、上記化合物は、任意の適切な様式で、例えば、単一ウエハCVD、ALD、及び/又はPECVD若しくはPEALDチャンバ内で、又は複数のウエハを包有する炉内で、所望のマイクロ電子デバイス基板と反応させてもよい。
【0028】
あるいは、本発明のプロセスは、ALD又はALDに類似したプロセスとして行うことができる。本明細書で使用される場合、「ALD又はALDに類似した」という用語は、(i)ハフニウム又はジルコニウム前駆体化合物(I)及び酸化性ガスを含む各反応体が、単一ウエハALD反応器、セミバッチALD反応器、又はバッチ炉ALD反応器等の反応器内に順次導入される、又は(ii)反応器の異なる区画に基板を移動又は回転させることにより、前駆体化合物及び酸化性ガスを含む各反応体が基板又はマイクロ電子デバイス表面に曝露されて、各区画が不活性ガスカーテンによって分離される、すなわち空間ALD反応器又はロール・ツー・ロールALD反応器である、プロセスを指す。
【0029】
上記のように、蒸着プロセスは、基板をO2、O3、N2O、水蒸気、アルコール、又は酸素プラズマ等の酸化性ガスに曝露することを伴うステップをさらに含む。特定の実施形態では、酸化性ガスには、アルゴン、ヘリウム、窒素、又はそれらの組合せ等の不活性キャリアガスがさらに含まれる。
【0030】
本明細書に開示される堆積方法は、1つ以上のパージガスを伴い得る。未消費の反応体及び/又は反応副生成物をパージして取り除くために使用されるパージガスは、前駆体と反応しない不活性ガスである。例示的なパージガスには、アルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン、水素、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、窒素又はアルゴン等のパージガスが約10~約2000sccmの範囲の流量で約0.1~1000秒間反応器内に供給され、それによって未反応材料及び反応器内に残留し得る任意の副生成物をパージする。
【0031】
前駆体化合物及び酸化性ガスのうちの少なくとも一方にエネルギーを印加して反応を誘導し、マイクロ電子デバイス基板上に二酸化ハフニウム膜又は二酸化ジルコニウム膜を形成する。そのようなエネルギーは、熱、パルス熱、プラズマ、パルスプラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、X線、電子ビーム、光子、リモートプラズマ法、及びそれらの組合せによって提供され得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、二次RF周波数源を使用して、基板表面のプラズマ特性を改質することができる。堆積がプラズマを伴う実施形態では、プラズマ生成プロセスは、プラズマが反応器内で直接生成される直接プラズマ生成プロセス、又は代替的に、プラズマが反応ゾーン及び基板の「リモート」で生成され反応器内に供給されるリモートプラズマ生成プロセスを含み得る。
【0032】
一実施形態では、膜は、原子層堆積技術を用いて、例えば、ASM Pulsar(登録商標)XP ALD反応器を利用して堆積される。例として、堆積プロセスは、以下の条件下で行うことができる。
HfCl4(又はZrCl4)アンプル温度=170℃
H2Oアンプル温度=18~20℃
圧力=2~3Torr
流量=400~600sccm(HfCl4(又はZrCl4)を通して100~200)アンプル
基板(すなわち、チャンバ)温度(T基板)=300℃
HfCl4(又はZrCl4)パルス=0.5~1秒
H20パルス=0.1~0.2秒
【0033】
原子層堆積法の別の例では、HfCl
4(又はZrCl
4)を、以下の条件下で300mmのベアシリコンウエハ上に堆積させることができる。
【0034】
上記のように、他の実施形態では、この方法論を利用してそのように形成された膜はまた、ヨウ素、臭化物、及び塩素等の約0.1原子百分率未満のハロゲンを有する。
【0035】
したがって、さらなる態様では、本発明は、HfCl4、HfBr4、又はHfI4を使用して基板上に酸化ハフニウム膜を堆積させる方法を提供し、該膜は、約0.1原子百分率未満の炭素を有し、方法は、反応ゾーン内の蒸着条件下で、基板を(i)HfCl4、HfBr4、又はHfI4、及び(ii)酸化性ガスに交互に曝露することを含む。一実施形態では、膜は、約0.1原子百分率未満のハロゲンを有する。
【0036】
さらなる態様では、本発明は、ZrCl4、ZrBr4、又はZrI4を使用して基板上に酸化ジルコニウム膜を堆積させる方法を提供し、該膜は、約0.1原子百分率未満の炭素を有し、方法は、反応ゾーン内の蒸着条件下で、基板を(i)ZrCl4、ZrBr4、又はZrI4、及び(ii)酸化性ガスに交互に曝露することを含む。別の実施形態では、膜は、約0.1原子百分率未満のハロゲンを有する。
【0037】
四塩化ハフニウム(及び四ヨウ化ハフニウム)及び四塩化ジルコニウム(及びヨウ化ジルコニウム)が室温で固体である限りにおいて、Entegris,Inc.によって販売されているProE-Vap(登録商標)100送達システム等の貯蔵送達デバイスが有利に利用され得る。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,465,286号明細書、第10,392,700号明細書、第10,385,452号明細書、第9,469,89号明細書、及び第9,004,462号明細書も参照されたい。したがって、これらのような二重固体送達システムを備える構成は、二酸化ハフニウム及び二酸化ジルコニウムを交互に堆積させることによって、上述のような積層膜を調製するための蒸着プロセスにおいて利用することができる。
【0038】
本発明は、その特定の実施形態を特に参照して詳細に説明されているが、本発明の趣旨及び範囲内で変形及び修正が影響を受け得ることが理解されよう。