IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】対称型半導体処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20250414BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20250414BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20250414BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
C23C16/455
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024501271
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022036916
(87)【国際公開番号】W WO2023287855
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】17/374,808
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サロデ, ヨガナンダ
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518648(JP,A)
【文献】特開2002-208584(JP,A)
【文献】特開2019-145721(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0293527(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0035530(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0267219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローモジュールであって、
中心軸から等距離にある複数の外壁と、
内壁と、
前記外壁と前記内壁とを接続する2つ以上の対の半径方向壁であって、前記外壁、前記内壁、及び前記2つ以上の対の半径方向壁は、排気チャネル及び中央部分を画定し、前記中央部分及び前記排気チャネルは、前記内壁及び前記半径方向壁によって互いに流体的に隔離されている、2つ以上の対の半径方向壁と、
前記外壁を貫通して形成され、前記中央部分に流体的に結合された貫通孔であって、第1の貫通孔、第2の貫通孔、第3の貫通孔及び第4の貫通孔を含み前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔は180度離間しており、前記中心軸を通って直線的に整列し、前記第3の貫通孔及び前記第4の貫通孔は180度離間しており、前記中心軸を通って直線的に整列している、貫通孔と
を備えるフローモジュールであって、
4つの排気チャネルを有し、前記排気チャネルは対称である、フローモジュール。
【請求項2】
前記第1の貫通孔は前記第2の貫通孔から180度の方向に向いている、請求項に記載のフローモジュール。
【請求項3】
前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔は各々、フローブロックの内壁において前記第3の貫通孔及び前記第4の貫通孔からそれぞれ90度の方向に向いている、請求項に記載のフローモジュール。
【請求項4】
基板を処理するための処理チャンバであって、
プロセス領域を囲むプロセスモジュールと、
前記処理チャンバの中心を通って垂直に配置された中心軸と、
フローモジュールであって、
前記中心軸から等距離にある複数の外壁と、
内壁と、
前記外壁と前記内壁とを接続する2つ以上の対の半径方向壁であって、前記外壁、前記内壁、及び前記2つ以上の対の半径方向壁は、排気チャネル及び中央部分を画定し、前記中央部分及び前記排気チャネルは、前記内壁及び前記半径方向壁によって互いに流体的に隔離されている、2つ以上の対の半径方向壁と、
前記外壁を貫通して形成され、前記中央部分に流体的に結合された貫通孔であって、第1の貫通孔、第2の貫通孔、第3の貫通孔及び第4の貫通孔を含み、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔は180度離間しており、前記中心軸を通って直線的に整列し、第3の貫通孔及び第4の貫通孔は180度離間しており、前記中心軸を通って直線的に整列している、貫通孔と、
4つの排気チャネルを有し、前記排気チャネルは対称である、フローモジュールと、
前記フローモジュールの前記内壁に密封結合された基板支持シャーシと、
支持プレートとベースとを含む基板支持アセンブリであって、前記支持プレートは前記プロセス領域に配置されてその中で基板を支持し、前記ベースは貫通孔を通してアクセス可能である、基板支持アセンブリと
を備える、処理チャンバ。
【請求項5】
前記第1の貫通孔は前記第2の貫通孔から180度の方向に向いている、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項6】
前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔は各々、前記フローモジュールの前記内壁において前記第3の貫通孔及び前記第4の貫通孔からそれぞれ90度の方向に向いている、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項7】
処理プラットフォームであって、
移送チャンバロボットを有する移送チャンバと、
前記移送チャンバ及びファクトリインターフェースに結合されたロードロックチャンバと、
4つの外面で形成され、前記4つの外面のうちの第1の外面のスリットバルブドアにおいて前記移送チャンバに結合された複数の処理チャンバであって、前記処理チャンバのうちの少なくとも1つは、
プロセス領域を囲むプロセスモジュールと、
前記処理チャンバの中心を通って垂直に配置された中心軸と、
フローモジュールであって、
前記中心軸から等距離にある外壁と、
内壁と、
前記外壁と前記内壁との間に接続された2つ以上の対の半径方向壁であって、前記外壁、前記内壁、及び前記2つ以上の対の半径方向壁は、排気チャネル及び中央部分を画定し、前記中央部分及び前記排気チャネルは、前記フローモジュール内で互いに流体的に隔離されている、2つ以上の対の半径方向壁と、
前記外壁を貫通して形成され、前記中央部分に流体的に結合された2つ以上の貫通孔であって、前記2つ以上の貫通孔のうちの少なくとも2つは180度離間しており、前記中心軸を通って直線的に整列している、2つ以上の貫通孔と
を含む、フローモジュールと、
前記フローモジュールの前記内壁に密封結合された基板支持シャーシと、
支持プレートとベースとを含む基板支持アセンブリであって、前記支持プレートは前記プロセス領域に配置されてその中で基板を支持し、前記ベースは前記2つ以上の貫通孔を通してアクセス可能である、基板支持アセンブリと、
前記基板支持アセンブリに電気的に結合された整合回路であって、前記処理チャンバの前記4つの外面のうちの1つに取り付けられ、前記2つ以上の貫通孔のうちの1つにおいて取り付けられた整合回路と
を含む、複数の処理チャンバと
を備える、処理プラットフォーム。
【請求項8】
前記フローモジュールは2つの排気チャネルを有し、前記排気チャネルは対称である、請求項に記載の処理プラットフォーム。
【請求項9】
前記2つ以上の貫通孔のうちの第1の貫通孔は、前記2つ以上の貫通孔のうちの第2の貫通孔から180度の方向に向いている、請求項に記載の処理プラットフォーム。
【請求項10】
前記整合回路は、スリットバルブを有する前記第1の外面とは反対側の第2の外面にある、請求項に記載の処理プラットフォーム。
【請求項11】
前記整合回路は、スリットバルブを有する前記第1の外面に隣接する第3の外面にある、請求項に記載の処理プラットフォーム。
【請求項12】
前記外壁を貫通して形成され、前記中央部分に流体的に結合された前記2つ以上の貫通孔のうちの第3の貫通孔と、
前記外壁を貫通して形成され、前記中央部分に流体的に結合された前記2つ以上の貫通孔のうちの第4の貫通孔とを更に備え、前記第3の貫通孔及び前記第4の貫通孔は、180度離間しており、前記中心軸を通って直線的に整列している、請求項に記載の処理プラットフォーム。
【請求項13】
第1の貫通孔及び第2の貫通孔は各々、フローブロックの内壁において前記第3の貫通孔及び前記第4の貫通孔からそれぞれ90度の方向に向いている、請求項12に記載の処理プラットフォーム。
【請求項14】
前記フローモジュールは4つの排気チャネルを有し、前記排気チャネルは対称である、請求項12に記載の処理プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施例は、概して、プラズマ均一性制御を向上させるために、熱、電気、ガス流、及びポンピングの対称性を提供する処理チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体基板は、集積デバイス及びマイクロデバイスの製造を含む多種多様な用途のために処理される。上記処理装置の1つがエッチング処理チャンバである。処理中、基板は、エッチング処理チャンバ内の基板支持体上に位置決めされる。ガスがエッチングチャンバ内に導入され、点火されて基板をエッチングするためのプラズマになる。ガスとしてのプラズマが基板全体にわたって対称であることが、プロセス均一性を確保するのに役立つ。製造技法に応じて、基板支持体は、摂氏200度を超える温度等の高温、又は摂氏マイナス100度未満の温度等の極低温のいずれかで動作するように構成され得る。高温で動作するように構成された基板支持体、又は交互に極低温で動作するように構成された基板支持体は、エッチング処理チャンバ内で異なる機械的制約及び配管制約を有し、その結果独自の制約がもたらされる。
【0003】
[0003]基板全体にわたる圧力、電気、ガス流、及び温度の対称性は、基板上でエッチング又は堆積される材料の均一性に影響を及ぼす可能性がある。チャンバ全体の圧力、電気、ガス流、温度、コンダクタンスを正確に制御することで、基板を非常に厳しい公差内で処理することが可能である。エッチング処理チャンバの対称性を正確に制御する能力は、スループットと生産歩留まりに大きな影響を与える。従来のエッチング処理チャンバでは、生産歩留まりの向上、及びより高速なスループットに対する要求がますます高まる一方で、次世代デバイスの製造に望ましい対称的なプロセス条件を提供することは困難である。基板支持体が給電及び制御ワイヤ、センサ、ガス供給、冷却、及び他のユーティリティでより混み合うようになるにつれて、対称性の要件を満たしながら従来の支持体を基板支持体に使用することはより困難になっている。
【0004】
[0004]従って、エッチング処理チャンバにおけるプロセス対称性を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実施形態は、基板を処理するための装置を提供するものである。一実施例では、装置はフローモジュールとして開示される。フローモジュールは内壁を有する。フローモジュールは、中心軸から等距離にある外壁を有する。フローモジュールは、外壁と内壁との間に接続された半径方向壁を有し、外壁、内壁、及び2つ以上の対の半径方向壁は、排気チャネル及び中央部分を画定する。中央部分及び排気チャネルは、フローモジュール内で互いに流体的に隔離されている。2つ以上の貫通孔が外壁を貫通して形成され、中央部分に流体的に結合される。2つ以上の貫通孔のうちの少なくとも2つは180度離間しており、中心軸を通って直線的に整列している。
【0006】
[0006]別の実施形態では、処理チャンバが提供される。処理チャンバは、プロセス領域を囲むプロセスモジュールと、排気チャネルアセンブリとを有する。排気チャネルアセンブリは、中心軸とフローモジュールとを有する。フローモジュールは内壁を有する。フローモジュールは、中心軸から等距離にある外壁を有する。フローモジュールは、外壁と内壁との間に接続された半径方向壁を有し、外壁、内壁及び2つ以上の対の半径方向壁は、排気チャネル及び中央部分を画定する。中央部分及び排気チャネルは、フローモジュール内で互いに流体的に隔離されている。2つ以上の貫通孔が外壁を貫通して形成され、中央部分に流体的に結合されている。2つ以上の貫通孔のうちの少なくとも2つは、180度離間しており、中心軸を通って直線的に整列している。排気チャネルアセンブリは更に、フローモジュールの内壁に密封結合された基板支持シャーシを有する。基板支持アセンブリは、支持プレートとベースとを有する。支持プレートは、プロセス領域に配置されてその中で基板を支持し、ベースは、プロセスモジュールのプロセス領域からフローモジュールの中央部分まで延び、ベースは、2つ以上の貫通孔を通してアクセス可能である。
【0007】
[0007]更に別の実施形態では、処理プラットフォームが提供される。処理プラットフォームは、移送チャンバロボットを有する移送チャンバを有する。処理プラットフォームは、移送チャンバ及びファクトリインターフェースに結合されたロードロックチャンバを有する。複数の処理チャンバがスリットバルブドアにおいて移送チャンバに結合され、処理チャンバのうちの少なくとも1つは、プロセス領域を囲むプロセスモジュールと、排気チャネルアセンブリとを有する。排気チャネルアセンブリは、中心軸とフローモジュールとを有する。フローモジュールは、内壁と、中心軸から等距離にある外壁とを有する。フローモジュールは、外壁と内壁との間に接続された半径方向壁を有し、外壁、内壁、及び2つ以上の対の半径方向壁は、排気チャネル及び中央部分を画定する。中央部分及び排気チャネルは、フローモジュール内で互いに流体的に隔離されている。2つ以上の貫通孔が外壁を貫通して形成され、中央部分に流体的に結合される。2つ以上の貫通孔のうちの少なくとも2つは、180度離間しており、中心軸を通って直線的に整列している。排気チャネルアセンブリは更に、フローモジュールの内壁に密封結合された基板支持シャーシを有する。基板支持アセンブリは、支持プレートとベースとを有する。支持プレートは、プロセス領域に配置されてその中で基板を支持し、ベースは、プロセスモジュールのプロセス領域からフローモジュールの中央部分まで延び、ベースは、2つ以上の貫通孔を通してアクセス可能である。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を達成し、また詳細に理解できるように、添付の図面に示す本開示の実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバの概略断面図である。
図1B】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバの概略断面図である。
図1C】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバの概略断面図である。
図2A図1A図1Cの処理チャンバの第1の実施例におけるフローブロックの第1の実施例の概略上面等角図である。
図2B図2Aのフローブロックと共に使用するのに適した基板支持シャーシの底面等角図である。
図2C図2A及び図2Bの処理チャンバの第1の実施例の第1の概略プラットフォームレイアウトである。
図2D図2A及び図2Bの処理チャンバの第1の実施例の第2の概略プラットフォームレイアウトである。
図3A図1A図1Cの処理チャンバのフローブロックの第2の実施例の概略上平面図である。
図3B図3Aのフローブロックと共に使用するのに適した基板支持シャーシの上平面図である。
図3C図3A及び図3Bに従って構成された処理チャンバを有する処理プラットフォームの概略レイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[00019]理解を容易にするために、可能な限り、図面共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0011】
[00020]しかし、添付の図面は本開示の例示的な実施形態を示すものに過ぎず、従って、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【0012】
[00021]膜スタック、基板において所望の小さい寸法を有するフィーチャーをパターニングし、ナノ構造を製造するために、処理チャンバが提供される。処理チャンバは、対称ポンピングシステムを含む。対称ポンピングシステムは、処理チャンバ内の電気、熱、及びガス流コンダクタンスを対称に維持するのに役立つ。
【0013】
[00022]一実施例では、チャンバは、チャンバ内部に配置された基板支持体の中心軸を中心とする2つの対称的な排気チャネルを有するように構成される。2つの排気チャネルは180度離間しており、スリットバルブドアと一列に並んでいる。2つの排気チャネルのコンダクタンスにより、標準的な3つのポンプポートに比べ、流体除去領域が約18%増加する。基板支持体への接続を容易にするために、基板支持体を操作するためのバイアス整合及び供給接続部が、スリットバルブドアの開口部とは反対側の前方外側に配置されている。
【0014】
[00023]代替例では、チャンバは、上記のように2つの対称的な排気チャネルを有するように構成されるが、バイアス整合及び供給接続部は、スリットバルブドアに隣接する一方の外側に配置される。反対側の開口部は、基板支持体への追加の接続に利用可能である。バイアス整合の場所の配置により、チャンバが取り付けられるプラットフォームに対して、先行例よりも設置面積が縮小される利点が得られる。
【0015】
[00024]別の実施例では、チャンバは、チャンバ内部に配置された基板支持体の中心軸を中心とする4つの対称的な排気チャネルを有するように構成される。4つの排気チャネルは90度離間しており、スリットバルブドアと一列に並んでいる。4つの排気チャネルのコンダクタンスにより、標準的な3つのポンプポートに比べて流体除去領域が減少する。しかし、基板支持体への4つの大気開口部を有する完全対称型フローチャンバは、RF、AC、DC、冷却ホース、Heライン、光ファイバ、極低温ライン、追加センサ、及びその他のユーティリティの事前設計及び接続のための余地を提供する。特に、4つの大気開口部を有する完全対称型フローチャンバは、処理温度が摂氏0度未満の極低温基板支持体の統合を可能にし、従来の3ポート設計で利用可能なスペースを超える特徴的な接続部を有している。
【0016】
[00025]図1Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバ100の概略断面図である。例示的な処理チャンバ100は、処理チャンバ100内の基板116上に配置された材料層をパターニングするのに適している。例示的な処理チャンバ100は、パターニングプロセスを実行するのに適している。処理チャンバ100は、プラズマエッチングチャンバ、プラズマ化学気相堆積チャンバ、物理気相堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、イオン注入チャンバ、又は他の適切な真空処理チャンバであってよい。
【0017】
[00026]処理チャンバ100は、本体140を有する。本体140は、概して4つの外面を有する。本体140は、ソースブロック102、プロセスブロック104、フローブロック106、及び排気ブロック108を含む。ブロックは、1又は複数のブロックの組み合わせであってよいことを理解されたい。例えば、排気ブロック108は、フローブロック106に統合され、フローブロック106の一部であり、単一の一体化された本体109としてできている(図1Cに示すように)。フローブロック106は、基板支持シャーシ154を含むポンピングポートアセンブリ111の一部である。ソースブロック102、プロセスブロック104及びフローブロック106は、集合的にプロセス領域112を囲む。工程中、基板116は、基板支持アセンブリ118上に位置決めされ、プロセス領域112で生成されるプラズマ等のプロセス環境に暴露され得る。処理チャンバ100内で実行され得る例示的なプロセスには、エッチング、化学気相堆積、物理気相堆積、注入、プラズマアニール、プラズマ処理、プラズマ除去、又は他のプラズマプロセスが含まれ得る。真空は、排気ブロック108に形成された排気ポート181から、フローブロック106に画定された1又は複数の排気チャネル、すなわち排気チャネル114を通して吸引することによって、プロセス領域112に維持され得る。
【0018】
[00027]プロセス領域112及び排気チャネル114は、中心軸110を中心として実質的に対称であり、対称的な電流、ガス流、熱及び圧力の均一性を提供して、均一なプロセス条件を確立する。
【0019】
[00028]ソースブロック102は、アイソレータ122によってプロセスブロック104から隔離され、プロセスブロック104によって支持された上部電極120(又はアノード)を含む。上部電極120は、伝熱プレート130に取り付けられたシャワーヘッドプレート128を含み得る。上部電極120は、ガス入口管126を通してガス源132に接続され得る。
【0020】
[00029]ガス源132は、1又は複数のプロセスガス源を含んでいてよく、必要に応じて、不活性ガス、非反応性ガス、及び反応性ガスを更に含んでいてよい。ガス源132によって供給され得るプロセスガスの例としては、メタン(CH)を含む炭化水素含有ガス、六フッ化硫黄(SF)、塩化ケイ素(SiCl)、四フッ化炭素(CF)、臭化水素(HBr)、炭化水素含有ガス、アルゴンガス(Ar)、塩素(Cl)、窒素(N)、ヘリウム(He)、及び酸素ガス(O)が挙げられるが、これらに限定されない。更に、プロセスガスには、窒素、塩素、フッ素、酸素、及び水素含有ガス、中でも例えばBCl、C、C、C、CHF、CH、CHF、NF、NH、CO、SO、CO、N、NO、NO、及びH等が含まれ得る。
【0021】
[00030]シャワーヘッドプレート128、伝熱プレート130、及びガス入口管126はすべて、アルミニウム又はステンレス鋼等の高周波(RF)導電性材料から作製され得る。上部電極120は、導電性ガス入口管126を介してRF電源124に結合され得る。導電性ガス入口管126は、RF電力とガス源132からの処理ガスの両方が対称的に供給されるように、処理チャンバ100の中心軸110と同軸であってよい。
【0022】
[00031]プロセスブロック104は、フローブロック106上に配置される。接地用のRFガスケットとOリングシールが、プロセスブロック104とフローブロック106との間に配置される。あるいは、プロセスブロック104とフローブロック106は組み合わされ、それらの間に接地用RFガスケットとOリングシールがない単一の一体化された本体107(図1Bに示すように)として作られる。
【0023】
[00032]プロセスブロック104は、プロセス領域112を囲む。プロセスブロック104は、アルミニウム又はステンレス鋼等の処理環境に抵抗性の導電性材料から作製され得る。基板支持アセンブリ118は、プロセスブロック104内の中心に配置され、中心軸110を中心として対称的にプロセス領域112内の基板116を支持するように位置決めされ得る。
【0024】
[00033]スリットバルブ開口部142は、基板116の通過を可能にするためにプロセスブロック104を貫通して形成され得る。スリットバルブ144は、スリットバルブ開口部142を選択的に開閉するためにプロセスブロック104の外側に配置され得る。
【0025】
[00034]プロセスブロック104は、フローブロック106上に配置される。フローブロック106は、プロセスブロック104内に画定されたプロセス領域112と排気ブロック108との間の流体経路を提供する。フローブロック106はまた、基板支持アセンブリ118と処理チャンバ100の外部の大気環境との間のインターフェースを提供する。
【0026】
[00035]フローブロック106は、貫通孔170及び排気チャネル114を有する。貫通孔170は大気圧に維持され、基板支持アセンブリ118へのアクセスを提供する。排気チャネル114は真空に維持され、プロセス領域112から処理チャンバ100の外部へガスを除去するための流体経路を提供する。
【0027】
[00036]図2Aは、フローブロック106/206の以下の説明を理解するのに役立ち得る追加の図を提供するものである。フローブロック106は、外壁160と、内壁162と、内壁162と外壁160との間を接続する2つ以上の対の半径方向壁164と、内壁162及び2つ以上の対の半径方向壁164に取り付けられた底壁166とを含む。外壁160は、中心軸110から等距離にある。外壁160は、各対の半径方向壁164の間に形成された2つ以上の貫通孔170を含み得る。貫通孔170は、内壁162によって画定された大気領域168を外部環境と接続させ、従って、電気接続、ガス接続、冷却流体接続、センサリード線等のユーティリティ接続部を収容する。
【0028】
[00037]図2Bに示し、明確にするために本明細書では図2Aには示していないシャーシ154が、内壁162及び2つ以上の対の半径方向壁164の上に密封配置されていてよい。シャーシ154は、基板支持アセンブリ118を受容するための中央開口部158を含み得る。シャーシ154及び中央開口部158は、中心軸110を中心としている。内壁162、底壁166、半径方向壁164及びシャーシ154は、外壁160の内側の領域を排気チャネル114と大気領域168とに分割する。排気チャネル114はプロセスブロック104のプロセス領域112と接続している。2つ以上の対の半径方向壁164は、内壁162と外壁160との間に配置され、空間を排気チャネル114と貫通孔170とに分割する。一実施形態では、2つ以上の対の半径方向壁164は、排気チャネル114が中心軸110を中心に対称となるように配置される。
【0029】
[00038]基板支持アセンブリ118は、シャーシ154によって支持される。基板支持アセンブリ118は、基板116を中心軸110を中心に対称に位置決めするために、中心軸110に沿って位置決めされる。基板支持アセンブリ118は、プロセス領域112に配置された支持プレート174、ベースプレート176を含む。基板支持アセンブリ118は、シャーシ154の中央開口部158の上に配置される。一実施例では、基板支持アセンブリ118はシャーシ154に固定され、動かない。別の実施例では、基板支持アセンブリ118は中空シャフト178を有する。ベローズ184が、ベースプレート176とシャーシ154との間に接続され、中空シャフト178を囲んでいてよい。ベローズ184は、基板支持アセンブリ118が中心軸110に沿って垂直に動くことを可能にし、フローブロック106内の大気領域168とプロセスブロック104のプロセス領域112の真空との間の真空シールを提供する。
【0030】
[00039]支持プレート174は、チャッキング電極186を有する静電チャックであってよい。支持プレート174は、処理中に基板116を加熱するための1又は複数の加熱要素188も含み得る。ベースプレート176は、その中に形成された冷却チャネル190を含み得る。チャッキング電極186は、ベースプレート176、大気領域168及び貫通孔170のうちの1つを通してバイアス電源187に接続され得る。加熱要素188は、ベースプレート176、大気領域168及び貫通孔170のうちの1つを通して加熱電源189に接続され得る。冷却チャネル190は、ベースプレート176、大気領域168及び貫通孔170のうちの1つを通して冷却流体源191に接続され得る。
【0031】
[00040]工程中、ガス源132からの1又は複数の処理ガスが、シャワーヘッドプレート128を通ってプロセス領域112に入ることができる。RF電力が、上部電極120と基板支持アセンブリ118との間に印加され、プロセス領域112の1又は複数の処理ガスを点火して維持し得る。基板支持アセンブリ118上に配置された基板116は、プラズマによって処理される。1又は複数の処理ガスを、プロセス領域112に連続的に供給することができ、真空ポンプ182は、対称フローバルブ180及びフローブロック106を通して動作し、基板116の上に対称かつ均一なガス流を生成する。
【0032】
[00041]排気ブロック108は、対称フローバルブ180と、対称フローバルブ180に取り付けられた真空ポンプ182とを含む。対称フローバルブ180は、排気ブロック108の底部に形成された排気ポートを介して排気チャネル114に接続し、処理チャンバ100に対称かつ均一な流れを提供する。一実施例では、排気ブロック108はフローブロック106の一部である。
【0033】
[00042]コントローラ155は、処理チャンバ100に動作命令を提供することができる。コントローラ155は、支援回路165、中央処理装置(CPU)175、及びメモリ185を含み得る。CPU175は、メモリ185に記憶された命令を実行して、プロセスシーケンスを制御し、ガス源132から処理チャンバ100内へのガス流及び他のプロセスパラメータを調節することができる。ソフトウェアルーチンがメモリ185に記憶されていてよい。ソフトウェアルーチンはCPU175によって実行される。CPU175によるソフトウェアルーチンの実行により、プロセスが本開示に従って実行されるように処理チャンバ100が制御される。例えば、ソフトウェアルーチンは、基板支持アセンブリ118及び真空ポンプ182の動作を制御することができる。
【0034】
[00043]図2A及び図2Bを用いて、2つの対称的な排気チャネル114を有するポンピングポートアセンブリ111の第1の実施例を説明する。図2Aは、図1Aの処理チャンバ100の第1の実施例におけるフローブロック106の第1の実施例についての概略上面等角図である。フローブロック206は、図1Aに関して上述したフローブロック106の1つの具体例である。しかしながら、フローブロック106の特徴は、図1B及び図1Cに示す単一の一体化された本体107/109のバージョンに適用可能であることを理解されたい。フローブロック206の外壁160は、フローブロック206をプロセスブロック104に接続するために使用されるフランジ236を上方端部に含み得る。フローブロック206の外壁160は、フローブロック206を排気ブロック108に接続するために使用される下方端部の第2のフランジ202を含み得る。しかしながら、幾つかの実施例では、フローブロック206は、排気ブロック108に統合されていてよい、又は排気ブロック108の一部であってよいことを理解されたい。
【0035】
[00044]フローブロック206は、少なくとも2つの領域、すなわち、一方の領域が真空圧に維持され得る一方で他方の領域が大気圧に維持され得るように互いに流体的に隔離されるように構成された、排気チャネル114及び中央部分266を有する。半径方向壁164は、フローブロック206の内壁162から延び、フローブロック106の中央部分266から排気チャネル114を流体的に分離させる。中央部分266は、底壁166と半径方向壁164とによって境界が定められ、流体的に隔離されてフローブロック206の中央部分266に大気領域168を形成する。
【0036】
[00045]フローブロック206は、対称形状を有し、等しい大きさの2つの排気チャネル114を有する。フローブロック206は、内壁162に沿って貫通孔170付近まで延び、半径方向壁164に沿って戻る。一実施例では、フローブロック206の排気チャネル114は、第1の真空ポート241及び第2の真空ポート242を形成する。第1の真空ポート241及び第2の真空ポート242は、処理チャンバ100の中心軸110を中心に対称である。第1の真空ポート241及び第2の真空ポート242を通る流体の流れに対する処理チャンバ100のコンダクタンス面積は、約200inから約220in、例えば約212inであってよい。第1の真空ポート241及び第2の真空ポート242は、従来設計の3つの真空ポートの約180inと比較して、コンダクタンス面積を約18%増加させる。
【0037】
[00046]貫通孔170は、外壁160から内壁162まで延びる開口部を形成する。貫通孔170は、内壁162によって画定された大気領域168を外部環境と接続させ、従って、電気接続、ガス接続、冷却流体接続等のユーティリティ接続部を収容する。フローブロック106の各貫通孔170により、それぞれの排気チャネル114が分離される。従って、同数の貫通孔170と排気チャネル114が存在する。フローブロック206は、外壁160から内壁162に延びる2つの開口部、第1の開口部271及び第2の開口部272を有する。第1及び第2の開口部271、272は、中央部分266をフローブロック206の外部の環境に流体的に結合させる。第1及び第2の開口部271、272は、中心軸110を通って直線的に整列している。第1及び第2の開口部271、272は、フローブロック206の内壁162上で互いに180度対向している。このように、フローブロック206は対称である。
【0038】
[00047]上面264は、半径方向壁164の上部全体にわたって延びている。上面264は更に、1又は複数の開口部の上壁212を横切って延びている。開口部の上壁212は、第1及び第2の開口部271、272の上部の上に延びている。上面264は、連続した平坦なリング形状を形成している。1又は複数の位置合わせ孔210が、シャーシ154との位置合わせのために開口部の上壁212に沿って上面264に形成され得る。
【0039】
[00048]ガスケット265は、上面264に沿って配置され得る。ガスケット265は、シャーシ154(図2Bの254)と上面264との間に流体シールを形成する。このようにして、中央部分266には、排気チャネル114内の真空圧から流体的に隔離された大気領域168が形成される。シャーシ254は、フローブロック206と基板支持アセンブリ118との間のインターフェースを提供する。図2Bは、図2Aのフローブロック106と共に使用するのに適したシャーシ254の底部等角図である。シャーシ254は、図1Aに示すシャーシ154の一実施態様である。
【0040】
[00049]シャーシ254は、外向きに延びる羽根263を有するディスク形本体252を含み得る。ディスク形本体252は、外周部232、底面253、及び上面251を有する。ディスク形本体252はリップ233を有する。リップ233はガスケット265に接触する大きさである。ガスケット265は更に羽根263に接触する。一実施例では、リップ233は羽根263と平面である。しかし、リップ233とその羽根263は、フローブロック206の上面264とガスケット265との間のシールを形成するが、同一平面でなくてもよいことを理解されたい。
【0041】
[00050]羽根263は、ディスク形本体252の外周部232から延びている。羽根263の数は、フローブロック206の貫通孔170の数に対応する。一実施形態では、シャーシ254は、180度離間して位置決めされた2つの羽根263を有する。シャーシ254は、第1の開口部271に対応する第1の羽根261と、第2の開口部272に対応する第2の羽根262とを有する。羽根263は、1又は複数のフィーチャー218を有する。フィーチャー218は、フローブロック206の位置合わせ孔210に整列していてよい又は固定されていてよい。フィーチャー218は、シャーシ254のフローブロック206への位置決め及び固定を補助するピン、孔又は貫通孔であってよい。
【0042】
[00051]一実施例では、基板支持アセンブリのベースプレート176は、シャーシ254上にシール配置される。シャーシ254の中央開口部158は、シールフランジ293を有していてよい。別の実施例では、基板支持アセンブリ118の中空シャフト178は、シャーシ254の中央開口部158を通って延びている。ベローズ184がシールフランジ293に結合される。ガス等の流体が中央開口部158を通ってシャーシ254の底面253から上面251、排気チャネル114、又は処理チャンバ100の内部領域112に移動しないように、基板支持アセンブリ118とシャーシ254との間にベローズ184が設けられる。
【0043】
[00052]基板支持アセンブリ118は、中央開口部158を通ってフローブロック206の中央部分266内に延び、第1及び第2の開口部271、272から出る複数の接続部を有する。接続部は、他の接続の中でも、外部環境と基板支持アセンブリ118との間の電気、ガス、冷却流体等の接続を行う。第1及び第2の開口部271、272が大きいほど、より多くの接続部を開口部を通して収容することができる。しかし、開口部170の大きさには限界がある。一方を大きくすると、排気チャネル114を通るチャンバ排気において非対称性が生じる可能性がある。両方を大きくすると、排気チャネル114を通るコンダクタンスが低下し、背圧と電力消費が増加する。大きい開口部が必要な場合の要件は、以下の図3A図3Bに示す実施例に対して対処される。1又は複数の開口部へのアクセスにより、処理プラットフォーム200Aへの処理チャンバの接続が容易になる。
【0044】
[00053]図2Cは、図2A及び図2Bの少なくとも1つの処理チャンバ100を有する処理プラットフォーム200Aの第1の実施例の第1の概略プラットフォームレイアウトである。処理プラットフォーム200Aは、基板を移動させるためにその中に配置された移送ロボット291を有する移送チャンバ290を有する。移送チャンバ290は真空圧に維持され、1又は複数の処理チャンバ100等の1又は複数の処理チャンバに結合されている。処理チャンバ100も真空圧にある。移送チャンバ290は、ロードロックチャンバ294によってファクトリインターフェース295に結合されている。ファクトリインターフェース295は実質的に大気圧に維持される。ロードロックチャンバ294により、基板を移送チャンバ290の真空環境からファクトリインターフェース295の大気圧に移動させることができる。
【0045】
[00054]スリットバルブドア144が、各処理チャンバ100と移送チャンバ290との間に配置され得る。スリットバルブドア144が開かれると、移送ロボット291は、RF励起プラズマで基板を処理するために、スリットバルブ開口部142を通して基板を処理チャンバ100の基板支持アセンブリ118上に移送する。バイアス整合回路291は、基板支持アセンブリ118とRF電源(図示せず)との電気接続を提供する。バイアス整合回路291は、プラズマ負荷から反射されたRFによる電源の損傷を防止する。バイアス整合回路291は、移送チャンバ290に結合された処理チャンバ100の外面の反対側の外面に配置され得る。
【0046】
[00055]2つの開口部170は180度離間しており、スリットバルブ開口部142と整列している。バイアス整合回路291及び供給接続部は、貫通孔170を通る基板支持アセンブリ118へのカソード接続を容易にするために、スリットバルブドア144とは反対側にある。処理チャンバ100上のバイアス整合回路291の位置により、チャンバの配線及び配管へのアクセスが容易になり得る。
【0047】
[00056]図2Dは、図2A及び図2Bのフローブロック206の第1の実施例の第2の概略プラットフォームレイアウトである。処理プラットフォーム200Bは、処理プラットフォーム200Aと同様である。しかしながら、2つの排気チャネル114がスリットバルブ開口部142と整列している。これにより、バイアス整合回路291及び供給接続部は、カソード接続を容易にするために反対側が開放された状態で、移送チャンバに対して処理チャンバ100の一方の側に配置される。すなわち、バイアス整合回路291は、処理チャンバ100の外面に隣接して配置される。これは、処理プラットフォーム200Aと比較して、処理プラットフォーム200Bの設置面積(’X’299×’Y’298)が縮小するという利点を有する。
【0048】
[00057]処理チャンバ100内からプロセスガスを除去するための対称的なコンダクタンスは、基板を処理する際のプロセスの均一性を向上させる。より高いコンダクタンスは、チャンバに付着してチャンバで処理中の後の基板に欠陥をもたらす可能性のあるプロセス材料の量を減少させる。しかしながら、フローブロック206の排気チャネル114に割り当てられる面積により、基板支持アセンブリ118が電気及び流体/配管接続の両方に利用する貫通孔170に利用可能な面積が犠牲となる。高温基板支持アセンブリ118では、接続の大部分は電気接続である。しかし、極低温基板支持アセンブリ118では、流体接続の数が増加するため、基板支持アセンブリ118を動作させるための貫通孔170内のすべての電気接続及び流体/配管接続を配線するために必要な面積が増加する。開口部のサイズを大きくすると、排気チャネル間の間隔が広がる一方で、排気チャネルのサイズが小さくなるため、接続用の開口部のサイズを大きくするだけでは不十分である。従って、開口部のサイズを大きくすると、チャンバからの流体の流れの除去に非対称性が生じ、基板に対する処理が不均一になる可能性がある。一実施例では、基板支持アセンブリ118の極低温動作は、従来の3つの排気チャネルフローブロックで提供される面積を超える電気接続及び配管接続部を有する。
【0049】
[00058]図3A及び図3Bを用いて、4つの対称的な排気チャネルを有するポンピングポートアセンブリ111の第2の実施例について説明する。図3Aは、図1Aの処理チャンバで使用可能なフローブロック306の第2の実施例の概略上平面図である。しかしながら、フローブロック306の特徴は、図1B及び図1Cに示す単一の一体化された本体107/109のバージョンに適用可能であることを理解されたい。フローブロック306は、図1Aに関して上述したフローブロック206及びフローブロック106の別の実施例と多くの態様において実質的に類似している。フローブロック106の外壁160は、プロセスブロック104と接続するためのフランジ236を含み得る。フローブロック106の外壁160は、排気ブロック108と接続するための第2のフランジ202を含み得る。しかしながら、幾つかの実施例では、フローブロック306は、排気ブロック108と一体化されていてよい、又は排気ブロック108の一部であってよいことを理解されたい。
【0050】
[00059]フローブロック206と同様に、フローブロック306は、少なくとも2つの領域、すなわち、一方の領域が真空圧に維持され得る一方で他方の領域が大気圧に維持され得るように互いに流体的に隔離されるように構成された排気チャネル114及び中央部分266を有する。半径方向壁164は、フローブロック306の内壁162から延び、フローブロック306の中央部分266から排気チャネル114を流体的に分離させる。中央部分266は、底壁166と半径方向壁164とによって境界が定められ、流体的に隔離されてフローブロック306の中央部分266に大気領域168を形成する。
【0051】
[00060]フローブロック306は、対称形状を有し、等しいサイズの4つの排気チャネル114を有する。フローブロック306は、内壁162に沿って貫通孔170付近まで延び、半径方向壁164に沿って戻る。一実施例では、フローブロック306の排気チャネル114は、第1の真空ポート341、第2の真空ポート342、第3の真空ポート343、及び第4の真空ポート344を形成する。第1、第2、第3及び第4の真空ポート341、342、343、344は、処理チャンバ100の中心軸110を中心に対称である。第1、第2、第3及び第4の真空ポート341、342、343、344を通る流体の流れに対する処理チャンバ100のコンダクタンス面積は、基板支持アセンブリ118の周りの対称的な流体の流れを維持しながら、従来の3つのポート設計よりもわずかに減少する。
【0052】
[00061]フローブロック206及びフローブロック306に関して上述したように、貫通孔は、フローブロック206及び306において外壁160から内壁162まで延びる開口を形成する。貫通孔170は、内壁162によって画定された大気領域168を外部環境と接続させ、従って、電気接続、ガス接続、冷却流体接続等のユーティリティ接続部を収容する。フローブロック106の各貫通孔170により、それぞれの排気チャネル114が分離される。従って、同数の貫通孔170と排気チャネル114が存在する。フローブロック306は、外壁160から内壁162まで延びる4つの開口部、第1の開口部371、第2の開口部372、第3の開口部373、及び第4の開口部374を有する。第1、第2、第3及び第4の開口部371、372、373、374は、中央部分266をフローブロック306の外部の環境と流体的に結合させる。第1及び第3の開口部371、373は、中心軸110を通って直線的に整列している。同様に、第2及び第4の開口部372、374は、中心軸110を通って直線的に整列している。第1の開口部371及び第3の開口部373は各々、フローブロック306の内壁162上の第2の開口部372及び第4の開口部374からそれぞれ約90度の方向に向いている。このように、フローブロック306は対称である。
【0053】
[00062]フローブロック306の第1、第2、第3、及び第4の開口部371、372、373、及び374によって提供される面積は、排気チャネルによって基板支持アセンブリ118の周りの対称的な流体の流れを維持しながら、基板支持アセンブリ118への接続のために提供される面積を、フローブロックのための従来の3つの貫通孔設計より約33%増加させる。
【0054】
[00063]上面364は、半径方向壁164の上部全体にわたって延びている。上面364は更に、1又は複数の開口部の上壁312を横切って延びている。開口部の上壁312は、第1、第2、第3及び第4の開口部371、372、373、374の上部全体にわたって延びている。上面364は連続した平坦なリング形状を形成する。一実施例では、平坦なリング形状は、4つの半径方向に整列した円弧部分から延びる4つのリップを有する。
【0055】
[00064]ガスケット365が、上面364に沿って配置され得る。ガスケット365は、シャーシ354(図3Bに示す)と上面364との間に流体シールを形成する。このようにして、中央部分266には、フローブロック206の場合と同様に、フローブロック306の排気チャネル114内の真空圧から流体的に隔離された大気領域168が形成される。シャーシ354は、フローブロック306と基板支持アセンブリ118との間のインターフェースを提供する。
【0056】
[00065]図3Bは、図3Aのフローブロック306と共に使用するのに適した基板支持シャーシ354の上平面図である。シャーシ354は、シャーシ254と多くの態様において実質的に類似しているが、図1Aに示すシャーシ154の別の実施態様である。
【0057】
[00066]シャーシ354は、外向きに延びる羽根363を有するディスク形本体352を含む。ディスク形本体352は、外周部332、底面353、及び上面351を有する。外周部332は概ね円形であり、各羽根363において途切れている。ディスク形本体352はガスケット365に接触する大きさである。ガスケット365は更に羽根363に接触する。一実施例では、ガスケット365は、ディスク形本体352と羽根363との接触において共平面である。しかしながら、ガスケットは、フローブロック306の上面364とシャーシ354との間のシールを形成している間は平面でなくてよいことを理解されたい。
【0058】
[00067]羽根363は、ディスク形本体352の外周部332から延びている。羽根363の数は、フローブロック306の貫通孔170の数に対応する。一実施例では、シャーシ354は、90度離間して位置決めされた4つの羽根363を有する。シャーシ354は、第1の開口部371に対応する第1の羽根381と、第2の開口部372に対応する第2の羽根382と、第3の開口部373に対応する第3の羽根383と、第4の開口部374に対応する第4の羽根384とを有する。羽根363は、シャーシ254に関して説明したものと同様の1又は複数のフィーチャーを有し、フィーチャー218は、フローブロック306の位置合わせ孔に整列又は固定される。
【0059】
[00068]基板支持アセンブリ118は、中央開口部158を通ってフローブロック306の中央部分266内に延び、第1、第2、第3及び第4の開口部371、372、373、374から出る複数の接続部を有する。接続は、他の接続の中でも、外部環境と基板支持アセンブリ118との間の電気、ガス、冷却流体等の接続である。より多くの開口部数、すなわち、第1、第2、第3及び第4の開口部371、372、373、374は、基板支持アセンブリ118のより多くの接続部を収容する。一実施例では、基板支持アセンブリ118は極低温処理用に構成され、高温基板支持アセンブリよりも多くの流体接続を有する。4つの開口部へのアクセスにより、処理チャンバ100内の基板支持アセンブリ118の接続、及び処理チャンバ100の処理プラットフォーム300Aへの接続が容易になる。
【0060】
[00069]フローブロック306のコンダクタンス面積は、従来の3ポートポンプポート設計と比較してわずかに減少する。しかしながら、フローブロック306は、有利なことに、カソード促進、すなわち、RF、AC、DC、冷却ホース、ヘリウムライン、光ファイバ、極低温ライン、追加のセンサ、及び現在の従来設計のフローブロックでは収容できない他の潜在的な特徴を有する将来のカソード先進設計のための追加のスペースを提供する4つの大気貫通孔170を用いて、完全に対称的な流れを提供する。
【0061】
[00070]図3Cは、図3A及び図3Bに従って構成された処理チャンバ100を有する処理プラットフォーム300Aの概略レイアウトである。処理プラットフォーム300Aは、移送ロボット291を有する移送チャンバ290を有する処理プラットフォーム200Aと実質的に同様である。移送チャンバ290は真空圧にあり、処理チャンバ100等の1又は複数の処理チャンバに結合されている。処理チャンバ100は真空圧にある。移送チャンバ290はロードロックチャンバ294によってファクトリインターフェース295に結合されている。ファクトリインターフェース295は大気圧にある。
【0062】
[00071]スリットバルブドア144は、移送チャンバ290と処理チャンバ100との間に配置される。移送ロボット291は、RF励起プラズマで基板を処理するために、スリットバルブドア144を通して基板を処理チャンバ100の基板支持アセンブリ118上に移動させる。バイアス整合回路291は、RF結合によるチャンバ外の構成要素への損傷を防止しながら、基板支持アセンブリ118への電気接続を提供する。
【0063】
[00072]貫通孔170は、90度離間しており、1つの貫通孔170はスリットバルブドア144と一列に並んでいる。バイアス整合回路291及び供給接続部は、スリットバルブドア144の反対側にあり、貫通孔170を通して基板支持アセンブリ118へのカソード接続を容易にする。処理チャンバ100上のバイアス整合291の構成により、チャンバの配線へのアクセスが容易になり得る。極低温基板支持アセンブリ118は、極低温基板支持アセンブリ118の追加配管に使用するのに利用可能なバイアス整合回路291に隣接する貫通孔170を有する。
【0064】
[00073]代替的に、バイアス整合回路291は、スリットバルブドア144に隣接する処理チャンバ100の一方の側に設けられる。スリットバルブドアの反対側の隣接する側とバイアス整合回路291に対する反対側とは、カソード接続促進のために開放されている。これにより、処理プラットフォーム300Aの設置面積(’X’299×’Y’298)が縮小するという利点がある。更に別の代替案では、処理チャンバ100のフローブロック306は、図3Cに示すものに対して45度のところにある。排気チャネル114はスリットバルブドア144と整列している。この配置では、貫通孔170の4つ全てへのアクセスが得られ、バイアス整合291は、処理プラットフォーム300Aの設置面積を更に縮小しつつ、貫通孔170への強化されたアクセスを容易にするように配置され得る。
【0065】
[00074]有利なことに、上記に開示されたフローブロックは、対称的なチャンバの電気、熱、及びガス流コンダクタンスを提供する。フローブロックは、RF、AC、DC、冷却ホース、ヘリウム又は他のガスライン、光ファイバ、極低温ライン、センサ、及び他の潜在的な特徴のための追加の接続を必要とする基板支持アセンブリにおける極低温及び他の進歩のための追加のスペースを可能にしながら、基板支持体の中心軸を中心とする対称的な排気チャネルを有する副生成物除去のためのプロセス領域へのアクセスを提供する。
【0066】
[00075]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の更なる実施形態を考案することが可能である。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C