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特許7667775ヌクレオチド類似体を含有するオリゴヌクレオチド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】ヌクレオチド類似体を含有するオリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20250416BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20250416BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250416BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20250416BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20250416BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20250416BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K31/713
A61P43/00 111
A61K31/7105
A61K31/711
A61K48/00
A61P43/00 105
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022514677
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2020074800
(87)【国際公開番号】W WO2021044004
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】19195696.0
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ボードー・ブルナー
(72)【発明者】
【氏名】アルミン・ホフマイスター
(72)【発明者】
【氏名】ケルスティーン・ヤーン-ホフマン
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-518148(JP,A)
【文献】特表2010-528041(JP,A)
【文献】特開2006-109846(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0315582(US,A1)
【文献】特表2022-546040(JP,A)
【文献】特表2022-513111(JP,A)
【文献】特表2021-517126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センス鎖オリゴヌクレオチドおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチドであって、該アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハング以外または3’-オーバーハング以外の位置にある、式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含み、そして式(I-A)のヌクレオチド類似体は、以下に記載される通り:
【化1】
[式中、式(I-A)の各化合物につき独立して:
- Bは、複素環式の核酸塩基であり;
- L1およびL2の一方は、式(I-A)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、L1およびL2の他方は、H、保護基、リン部分または式(I-A)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、
- Yは、O、NH、NR1またはN-C(=O)-R1であり、R1は:
・場合により、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基、-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C20)アルキル基であって、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている、(C1~C6)アルキル基であるか、
・場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であるか、
・基-[C(=O)]m-R2-(O-CH2-CH2)p-R3であって、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、および-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、水素原子、(C1~C6)アルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基または(C5~C14)ヘテロアリール基からなる群から選択され、
- X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、(C1~C6)アルキル基であり、
- Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である]
、ならびにその任意の立体異性体またはその任意の医薬的に許容される塩である、前記二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、前記式(I-A)のヌクレオチド類似体の1~10個を含む、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、前記式(I-A)のヌクレオチド類似体の1~5個を含む、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、15~30ヌクレオチドの範囲のヌクレオチド長を有する、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、20~25ヌクレオチドの範囲のヌクレオチド長を有する、請求項4に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、17~25ヌクレオチドの範囲のヌクレオチド長を有する、請求項5に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドにおいて、そこに含まれる式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、連続して、および/または連続しないで、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの任意の場所に配置される、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、センス鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするハイブリダイジング領域を含み、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドにおいて、そこに含まれる式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド領域中、アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチ
ドから開始して前記ハイブリダイジング領域の2位におけるヌクレオチドから15位におけるヌクレオチドまで、または2位から10位におけるヌクレオチドまで、または2位から8位におけるヌクレオチドまでの範囲に配置される、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、以下の式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体
【化2】
[式中、式(I-B)の各化合物につき独立して:
- Bは、複素環式の核酸塩基であり;
- L1およびL2の一方は、式(I-B)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、L1およびL2の他方は、H、保護基、リン部分または式(I-B)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、
- Yは、NR1またはN-C(=O)-R1であり、R1は:
・基-[C(=O)]m-R2-(O-CH2-CH2)p-R3であって、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、および-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、細胞標的化部分であり
- X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、(C1~C6)アルキル基であり、
- Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である]
、ならびにその任意の立体異性体またはその任意の医薬的に許容される塩をさらに含む、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含み、式(I-B)の少なくとも1つのヌクレオチドは、5’末端または3’末端のヌクレオチドからなる、請求項9に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項11】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体において、
- Yは、NR1であり、
- R1は、非置換の(C1~C20)アルキル基であるか、またはR1は、非置換の(C1~C16)アルキル基であり、該アルキル基は、メチル、イソプロピル、ブチル、オクチル、ヘキサデシルを含む群から選択されるアルキル基を含むか、またはR1は、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つもしくはそれ以上の基で置換された(C3~C8)シクロアルキル基であるか、またはR1は、シクロヘキシル基であるか、またはR1は、(C6~C14)アリール基で置換された(C1~C20)アルキル基であるか、またはR1は、フェニル基で置換されたメチル基であり、
- L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、R2、R3およびBは、請求項1に記載の一般式(I-A)について定義されたのと同じ意味を有し、またはその任意の医薬的に許容される塩である、請求項1または9に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体において、
- Yは、N-C(=O)-R1であり、
- R1は、場合により置換された(C1~C20)アルキル基であるか、またはR1は、メチルおよびペンタデシルを含む群から選択され、
- L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、R2、R3およびBは、請求項1で定義されたのと同じ意味を有し、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1または9に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項13】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体において、Bは、ピリミジン、置換されたピリミジン、プリンおよび置換されたプリンを含む群から選択され、またはその任意の医薬的に許容される塩である、請求項1または9に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項14】
前記式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、その(2R,6R)-立体異性体からなる、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項15】
センス鎖オリゴヌクレオチドは、請求項1で定義される式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項16】
センス鎖オリゴヌクレオチドは、請求項9で定義される式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む、請求項15に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項17】
センス鎖は、請求項9で定義される式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含み、式(I-B)の少なくとも1つのヌクレオチドは、5’末端または3’末端のヌクレオチドからなり、前記式(I-B)の1つまたはそれ以上の修飾されたヌクレオチドは連続している、請求項16に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項18】
センス鎖は、請求項9で定義される式(I-B)の1~3つのヌクレオチド類似体を含み、式(I-B)の修飾されたヌクレオチドは連続しており、センス鎖の5’末端または3’末端に配置されるオリゴヌクレオチドストレッチを形成する、請求項16に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項19】
短鎖干渉RNA(siRNA)、またはその医薬的に許容される塩からなる、請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項で定義される二本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項21】
請求項1~19のいずれか1項に記載の二本鎖オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物。
【請求項22】
医薬としての、請求項1~19のいずれか1項で定義される二本鎖オリゴヌクレオチド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本明細書に記載される修飾されたヌクレオチド類似体を含む一本鎖および二本鎖オリゴヌクレオチド、より詳細には短鎖干渉RNA(siRNA)での標的化された遺伝子サイレンシングの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特異的な遺伝子の発現を制御するための合成オリゴヌクレオチドの使用の概念は1970年代後半まで遡り、そのとき最初に短い合成オリゴヌクレオチドを使用する標的化された遺伝子サイレンシングが実証された(非特許文献1)。Stephensonの発見に続いて、遺伝子発現のモジュレーションのためのRNA干渉経路およびそのプロセスにおけるsiRNAの役割の解明は、真核細胞における転写後の遺伝子発現制御の科学者の理解を大いに拡大した。
【0003】
合成オリゴヌクレオチドとしては、アンチセンスオリゴヌクレオチド(「ASO」)、抗miRおよびアンタゴmiRなどの一本鎖オリゴヌクレオチド、ならびにsiRNAなどの二本鎖オリゴヌクレオチドが挙げられる。ASOおよびsiRNAはどちらもワトソン-クリック塩基対形成を介して標的RNAと結合することによって作用するが、それらの作用メカニズムは異なる。アンチセンス技術において、ASOは標的RNAとDNA-RNA二重鎖を形成し、メカニズムをブロックすることによってmRNA翻訳を阻害するか、または標的化されたRNAのRNアーゼH依存性分解を引き起こす。RNA干渉技術において、siRNAは、RNA誘導型サイレンシング複合体(「RISC」)に結合し、そこで一方の鎖(「パッセンジャー鎖」または「センス鎖」)が置き換えられ、残りの鎖(「ガイド鎖」または「アンチセンス鎖」)はRISCと協働して相補的なRNA(標的RNA)と結合する;一旦結合すると、標的RNAは、RISC中のRNAエンドヌクレアーゼであるアルゴノート(AGO)によって切断され、次いでRNAエキソヌクレアーゼによって更に分解される。
【0004】
siRNA治療剤を含むオリゴヌクレオチド治療剤の開発に関する最も重大な障害としては、(i)化合物の不良な安定性、(ii)標的細胞へのインビボ送達の低い効率、および(iii)「オフターゲット」遺伝子サイレンシングおよび予期せぬ免疫促進などの副作用が挙げられる。これらの障害の一部に取り組むために、様々なオリゴヌクレオチド化学修飾の調査が試みられた。これらの修飾は、3つのカテゴリー、すなわち(i)糖修飾、(ii)ヌクレオチド間連結修飾、および(iii)核酸塩基修飾に分類することができる。
【0005】
糖基への化学修飾としては、リボース環の2’-炭素原子または2’-ヒドロキシ基における修飾が挙げられる。2’-OMe(メトキシ)ヌクレオチド類似体は、最も広く使用される修飾の1つである。2’-F(フルオロ)ヌクレオチドおよび2’-O-メトキシエチルヌクレオチドも使用されてきた。糖の変更の大部分が2’位に集中しているが、他の位置、例えば4’位における修飾も報告されている(非特許文献2)。
【0006】
糖基の他の化学修飾としては、ヌクレオシドのリボース足場の2’-酸素と4’-炭素とを連結し、いわゆるロックド核酸(「LNA」)を作り出すことが挙げられる。LNAはまた二環式核酸とも称され、増加したRNA結合親和性を有することが示され(非特許文献3;非特許文献4)、これは、得られた二本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、その融解温度の著しい増加を引き起こす。しかしながら、完全にLNAで修飾された、8個のヌクレオチドより長いオリゴマーは、集合化する傾向がある。LNA修飾のリジッドな性質とは対照的に、高度にフレキシブルなアンロックド核酸(「UNA」)修飾もオリゴヌクレオチド治療剤における適用のために開発された。UNAヌクレオシドは、リボース糖のC2’-C3’結合を有さない。UNAは、その開鎖構造のために立体配座的に制限されず、オリゴヌクレオチドのフレキシビリティーをモジュレートするのに使用されてきた(非特許文献5)。UNAの挿入は、二重鎖の融解温度(Tm)を、一部の場合において挿入当たり5℃~10℃低下させることができる。UNAおよびLNAを含有するsiRNAは、非特許文献6によって報告されている。
【0007】
更に、拡大された糖環系も開発され、遺伝子サイレンシング技術に適用されている。このような系としては、ヌクレオシドのリボース部分がモルホリン環で置き換えられた6員環のモルホリノ環系が挙げられる。モルホリノベースのヌクレオシドは、モルホリンサブユニットの窒素原子を介してそれを含有するオリゴヌクレオチド内でヌクレオチド間連結を形成する。アンチセンス技術では、ホスホロジアミデートモルホリノベースのオリゴヌクレオチド(「PMO」)が使用されてきた(非特許文献7;非特許文献8)。しかしながら、相補的なRNAへの低い結合親和性のために、アンチセンスPMOは相対的に長いことが必要であり、例えば25塩基の長さである(非特許文献7、上記)。モルホリノサブユニットの例はまた、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;および特許文献5でも開示されている。
【0008】
ヌクレアーゼ分解に対する感受性を低減させるために、3’-5’ホスホジエステル連結をより安定な部分で置き換えることによってヌクレオチド間連結に化学修飾を実行してもよい。広く使用される修飾は、ホスホジエステル主鎖を、酸素原子の代わりに硫黄原子が使用されたホスホロチオエート結合で部分的または完全に置き換えることである。核酸に増加した生物学的な安定性を付与する代替の主鎖修飾は、ボラノリン酸結合である。ボラノリン酸オリゴヌクレオチドでは、架橋されていないホスホジエステルの酸素が、等電子のボラン(-BH)部分で置き換えられている。
【0009】
しかしながら、ホスホロチオエートなどの前述のホスホジエステル修飾のほとんどは、ヌクレオチド間連結中にキラルのリンを生じ、得られたオリゴヌクレオチドのジアステレオマー混合物をもたらす。それぞれ修飾されたホスホジエステル連結を有するジアステレオマーオリゴヌクレオチドの数が倍加する可能性があるため、得られたジアステレオマーの数は、修飾されたホスホジエステル連結数の増加に伴い指数関数的に増加する。個々のジアステレオマーは、異なる程度のヌクレアーゼ耐性および標的mRNAへの異なるハイブリダイズ特性を呈示する可能性がある。加えて、ジアステレオマー混合物の精製および化学的分析論は複雑である。したがって、一部の場合、ホスホロチオエートなどのホスホジエステル修飾および得られたジアステレオマーオリゴヌクレオチド混合物の使用を回避することが望ましい場合がある。
【0010】
RNA干渉技術における他の重要な問題は、siRNAの標的化された送達および細胞内取り込みである。細胞膜は、負電荷を有するリン脂質の二分子層であり、同様に負電荷を有するsiRNAにとって侵入の障壁である。一部のグループは、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を使用して、それに付着したsiRNAを肝細胞に標的化しており、肝細胞は、GalNAc結合アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)を発現し、エンドサイトーシスを介してASGPR結合siRNA-GalNAcコンジュゲートを内在化することができる(例えば、非特許文献9を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第5,034,506号
【文献】米国特許第5,166,315号
【文献】米国特許第5,185,444号
【文献】米国特許第5,698,685号
【文献】米国特許公開第2016/0186174号
【非特許文献】
【0012】
【文献】Stephensonら、1978、Proc Natl Acad Sci USA、75:285~288
【文献】Leydlerら、1995、Antisense Res Dev、5:161~174
【文献】Koshinら、1998、Tetrahedron、54:3607~3630
【文献】Prakashら、2011、Chem.Biodivers、8:1616~1641
【文献】Mangosら、2003、J Am Chem Soc、125:654~661
【文献】Bramsenら(2010、Nucleic Acids Research、38(17):5761~5773)
【文献】Coreyら、2001、Genome Biology、2(5):reviews 1015.1~1015
【文献】Partridgeら、1996、Antisense Nucleic Acid Drug Dev、6:169~175
【文献】Nairら、2014、J Am Chem Soc、136:16958~16961
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
RNA干渉技術が進展し続ける一方で、安定性が改善され、オフターゲットプロファイルが低減されたsiRNAオリゴヌクレオチド、およびその標的細胞への送達に関する分野における必要が未だある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示は、センス鎖オリゴヌクレオチドおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチドであって、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングでも3’-オーバーハングでもない式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含み、式(I-A)のヌクレオチド類似体は、本明細書にわたり記載される通りである、二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。
【0015】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、前記式(I-A)のヌクレオチド類似体の1~10個、好ましくは前記式(I-A)のヌクレオチド類似体の1~5個を含む。
【0016】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、15~30ヌクレオチド、好ましくは20~25ヌクレオチド、最も好ましくは17~25ヌクレオチドの範囲のヌクレオチド長を有する。
【0017】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドにおいて、そこに含まれる式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、連続して、および/または連続しないで、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの任意の場所に配置される。
【0018】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、センス鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするハイブリダイジング領域を含み、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドにおいて、そこに含まれる式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド領域中、アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチドから開始して前記ハイブリダイジング領域の2位におけるヌクレオチドから15位におけるヌクレオチドまでの範囲に配置される。
【0019】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、センス鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするハイブリダイジング領域を含み、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドにおいて、そこに含まれる式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド領域中、前記アンチセンス鎖の5’末端のヌクレオチドから開始して前記ハイブリダイジング領域の2位におけるヌクレオチドから8位におけるヌクレオチドまでのような、前記ハイブリダイジング領域の2位におけるヌクレオチドから10位におけるヌクレオチドまでの範囲に配置される。
【0020】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を更に含む。
【0021】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体において、Bは、ピリミジン、置換されたピリミジン、プリンおよび置換されたプリンを含む群から選択され、またはその任意の医薬的に許容される塩である。
【0022】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、前記式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、その(2R,6R)-立体異性体からなる。
【0023】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、センス鎖オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される式(I-A)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む。
【0024】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、センス鎖オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む。
【0025】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、センス鎖は、請求項7で定義される式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含み、式(I-B)の少なくとも1つのヌクレオチドは、5’末端または3’末端のヌクレオチドからなり、前記式(I-B)の1つまたはそれ以上の修飾されたヌクレオチドは連続している。
【0026】
前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、センス鎖は、1~3つの請求項7で定義される式(I-B)のヌクレオチド類似体を含み、式(I-B)の修飾されたヌクレオチドは連続しており、センス鎖の5’末端または3’末端に配置されるオリゴヌクレオチドストレッチを形成する。
【0027】
一部の実施形態では、前記二本鎖オリゴヌクレオチドは、短鎖干渉RNA(siRNA)、またはそれらの医薬的に許容される塩からなる。
【0028】
本開示は更に、本明細書にわたり定義される標的mRNAまたは標的(二本鎖)DNAに相補的な一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
【0029】
本開示はまた、本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドまたは一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物にも関する。
【0030】
本開示はまた、医薬としてのその使用のための、本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】siRNA2-0、1-8、3-3、3-8および3-11のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:対照siRNAと比べたTTR血清レベル。 横座標:s.c.投与後の日数。
図2】siRNA2-0、1-8、3-8および3-11のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:対照siRNAと比べた肝臓におけるTTR mRNA発現レベル。 横座標:投与されるsiRNA2-0、1-8、3-8および3-11のそれぞれのmg/kgでの用量。
図3】siRNA2-0、1-8、3-8および3-11のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:ng/mlで示されるTTR血清レベル。 横座標:投与されるsiRNA2-0、1-8、3-8および3-11のそれぞれのmg/kgでの用量。
図4】siRNA2-0、5-1、5-4、5-5、5-6、5-8、5-10および5-11のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:対照siRNAと比べたTTR血清レベル。 横座標:s.c.siRNA投与後の日数。
図5】siRNA2-0、5-1、5-4、5-5、5-6、5-8、5-10および5-11のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:対照siRNAと比べたTTR血清レベル。 横座標:s.c.siRNA投与後の日数。
図6】siRNA2-0、5-1、5-11および5-13のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:対照siRNAと比べた肝臓におけるTTR mRNA発現レベル。 横座標:投与されるsiRNA2-0、5-1、5-11および5-13のそれぞれのmg/kgでの用量。
図7】siRNA2-0、5-1、5-11および5-13のインビボノックダウンを示す図である。 縦座標:ng/mlで示されるTTR血清レベル。 横座標:投与されるsiRNA2-0、5-1、5-11および5-13のそれぞれのmg/kgでの用量。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示は、1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む新規の二本鎖および一本鎖オリゴヌクレオチドを提供する。これらの類似体を含有するオリゴヌクレオチドは、優れた生物学的活性、例えば、改善されたインビトロ安定性、オフターゲットプロファイルおよびインビボ作用持続時間を有する。改善されたオリゴヌクレオチドは、標的遺伝子の発現をサイレンシングする(例えば低減させるまたは根絶する)のに有用である。特定の実施形態では、本開示は、目的の標的遺伝子の発現を低減させるかまたはブロックするように目的のメッセンジャーRNA(mRNA)にハイブリダイズすることができる、特異的なヌクレオチド類似体を含む二本鎖RNA(dsRNAs)、特に、特異的なヌクレオチド類似体を含むsiRNAを包含する。
【0033】
最も好ましい実施形態によれば、前記特異的なヌクレオチド類似体は、6員環の複素環で置き換えられたリボース糖環を有する。本開示において更に詳細に記載される通り、前記特異的なヌクレオチド類似体の6員環の複素環式基は、ジオキサンまたはモルホリノ環であり得る。複素環式基がモルホリノ環である場合、窒素原子は、置換された、または非置換のいずれかである。一部の実施形態では、6員環の複素環式基は、直鎖もしくは環式基および/または標的化部分で置換される。
【0034】
定義
本明細書において使用される用語は、一般的に当業界におけるそれらの通常の意味を有する。本開示の主題の生成物および方法を説明することにおける追加の指針を提供するために、特定の用語を本開示の以下または他所で論じる。
【0035】
以下の定義が本開示の文脈において適用される。
【0036】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容が明らかにそうではないことを指示していない限り、複数の指示対象を含む。
【0037】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、この技術分野の当業者には容易に認識されるそれぞれの値に対する通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする実施形態を含む(更にそれを記載する)。一部の実施形態では、用語「約」は、所与の値の±10%を指す。しかしながら、問題の値が、ヌクレオチドなどの分割できないもの、または一度分割されたらその同一性を喪失すると予想される他のものを指す場合は必ず、「約」は、分割できないものの±1を指す。
【0038】
本明細書に記載される本開示の態様および実施形態は、態様および実施形態を「有する」、それを「含む」、それ「からなる」、およびそれ「から本質的になる」ことを含むことが理解される。言葉「有する(have)」および「含む(comprise)」、または「有する(has)」、「有すること」、「含む(comprises)」、もしくは「含むこと」などの変化形は、述べられた要素(例えば物質の組成物または方法工程)の包含を示すが、他のいかなる要素も排除されないことが理解されるであろう。用語「からなる」は、述べられた要素の包含を意味し、追加の要素はまったく含まれない。用語「から本質的になる」は、述べられた要素の包含と、場合によっては、他の要素が発明の基礎となる新規の特徴に著しい影響を与えない場合、他の要素の包含を示す。
【0039】
「アルキル」は、別段の規定がない限り、鎖中に1~20(例えば、1~5、1~10、または1~15)個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状であってもよい脂肪族炭化水素基を意味する。「分枝状」は、直鎖状アルキル鎖に、1つまたはそれ以上のアルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル基が付着していることを意味する。例示的な直鎖状または分枝状のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられる。
【0040】
「シクロアルキル」は、環状の飽和した、上記で定義した通りのアルキル基を意味する。その例は、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルである。
【0041】
「アルコキシ」は、-OR基と定義され、式中、Rは、シクロアルキル基を含む上記で定義した通りのアルキル基である。その例は、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、およびペントキシである。
【0042】
「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を指す。一部の実施形態では、フッ素または塩素原子が好ましい場合がある。
【0043】
「アリール」は、別段の規定がない限り、6~14個の炭素原子、例えば6~10個の炭素原子の芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系を意味する。例示的なアリール基としては、フェニルおよびナフチル基が挙げられる。
【0044】
「複素環」または「複素環式」は、酸素、窒素、セレニウム、リン、および硫黄の群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、飽和した、部分的に不飽和の、または不飽和の炭素環式基を指す。窒素、セレニウム、リンまたは硫黄は、場合により酸化されていてもよく、窒素は、場合により四級化されていてもよい。例えば、複素環は、少なくとも1つの環員がヘテロ原子である安定な環であってもよい。一部の実施形態では、複素環は、3~14、例えば、5~7、または5~10個の環員を有していてもよく、1個の、2個の、または複数の環(すなわち、単環、二環または多環式の環)を有していてもよい。特定の実施形態では、ヘテロ原子は、酸素、窒素および硫黄である。ヘテロ原子の数は様々であってもよく、例えば、1個から3個である。好適な複素環はまた、The Handbook of Chemistry and Physics、第76版、CRC Press,Inc.、1995~1996、pppp.2-25~2-26にも開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み入れられる。一部の実施形態では、複素環は、非芳香族の複素環であり、その例としては、これらに限定されないが、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキシラニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、テトラヒドロ-ピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、ピラニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオピラニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロ-ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、およびアゼパニル、加えて、フェニル基との縮合の結果生じる融合した系が挙げられる。
【0045】
「ヘテロアリール」は、5~14(例えば、5~7、または5~10)個の環員を有する芳香族の複素環を指し、単環、二環または多環式の環であり得る。ヘテロ原子の数は、典型的には、例えばNおよびOから選択される1個から3個のヘテロ原子まで様々であってもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリル、インドリル、キノリニル、プリニル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、1,2,4-チアジアゾリル、オキサジアゾール、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソオキサゾリル、およびピリジル-N-酸化物、加えて、フェニル基との縮合の結果生じる融合した系が挙げられる。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば、NおよびOから選択される1個から3個のヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリールである。「アルキル」、「シクロアルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、および「ヘテロシクリル」はまた、2個の水素原子の除去によって形成される対応する「アルキレン」、「シクロアルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」、および「ヘテロシクレン」も指す。
【0046】
用語「複素環式の核酸塩基」は、核酸塩基がポリマー性の構造に取り込まれたときに相補的な核酸塩基または核酸塩基類似体(すなわち核酸塩基の誘導体)との対合においてワトソン-クリック型の水素結合およびスタッキング相互作用を形成することが可能な任意の窒素含有複素環式部分を意味する。
【0047】
別段の規定がない限り、用語「複素環式の核酸塩基」は、本明細書では、本開示により、場合により置換されるジオキサン環または場合により置換されるモルホリノ環に付着することができる、場合により置換される窒素含有複素環式基を指す。一部の実施形態では、複素環式の核酸塩基は、場合により置換されるプリン塩基または場合により置換されるピリミジン塩基から選択することができる。用語「プリン塩基」は、本明細書において、当業者によって理解される通りのその通常の意味で使用され、その互変異性体を含む。同様に、用語「ピリミジン塩基」は、本明細書において、当業者によって理解される通りのその通常の意味で使用され、その互変異性体を含む。場合により置換されるプリン塩基の非限定的な列挙としては、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、アロキサンチン、7-アルキルグアニン(例えば、7-メチルグアニン)、テオブロミン、カフェイン、尿酸およびイソグアニンが挙げられる。ピリミジン塩基の例としては、これらに限定されないが、シトシン、チミン、ウラシル、5,6-ジヒドロウラシルおよび5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)が挙げられる。複素環式の核酸塩基の他の非限定的な例としては、ジアミノプリン、8-オキソ-Nアルキルアデニン(例えば、8-オキソ-Nメチルアデニン)、7-デアザキサンチン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、N,N-エタノシトシン、N,N-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-ハロウラシル(例えば、5-フルオロウラシルおよび5-ブロモウラシル)、プソイドイソシトシン、イソシトシン、イソグアニン、1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、ならびに参照により本明細書に組み入れられる追加の複素環塩基を開示する米国特許第5,432,272号および7,125,855号に記載される他の複素環式の核酸塩基が挙げられる。一部の実施形態では、複素環式の核酸塩基は、アミンまたはエノール保護基で場合により置換される。
【0048】
用語「保護基(protecting group)」および「保護基(protecting groups)」は、本明細書で使用される場合、分子中の既存の基が不要な化学反応を受けないようにするために分子に付加される任意の原子または原子の基を指す。「保護基」は、化学合成中の望ましくない、または時期尚早な反応から反応性基を保護することが当業界において公知の不安定性の化学成分であってもよく、例えばヒドロキシル、アミノ、チオール、カルボン酸またはリン酸基であり得る。保護基は、典型的には、反応中に他の反応性部位における部位を保護するために選択的に、および/またはオルソゴナルに使用され、次いで除去して、保護されていない基をそのままにすることもできるし、または更なる反応に利用できるようにすることもできる。
【0049】
保護基部分の例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley&Sons、1999、およびJ.F.W.McOmie、Protective Groups in Organic Chemistry Plenum Press、1973に記載されており、これらはどちらも、好適な保護基を開示する限定的な目的のために参照により本明細書に組み入れられる。保護基部分は、それらが特定の反応条件に対して安定であり、当業界公知の手法を使用して都合の良い段階で容易に除去されるような方法で選択することができる。
【0050】
保護基の非限定的な列挙としては、ベンジル;置換されたベンジル;アルキルカルボニルおよびアルコキシカルボニル(例えば、t-ブトキシカルボニル(BOC)、アセチル、またはイソブチリル);アリールアルキルカルボニルおよびアリールアルコキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル);置換されたメチルエーテル(例えばメトキシメチルエーテル);置換されたエチルエーテル;置換されたベンジルエーテル;テトラヒドロピラニルエーテル;シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリルオキシメチル、[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルまたはt-ブチルジフェニルシリル);エステル(例えば安息香酸エステル、2-シアノエチルリン酸エステル);カーボネート(例えばメトキシメチルカーボネート);スルホネート(例えばトシレートまたはメシレート);非環式ケタール(例えばジメチルアセタール);環式ケタール(例えば、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、および本明細書に記載されるもの);非環式アセタール;環式アセタール(例えば、本明細書に記載されるもの);非環式ヘミアセタール;環式ヘミアセタール;環式ジチオケタール(例えば、1,3-ジチアンまたは1,3-ジチオラン);オルトエステル(例えば、本明細書に記載されるもの)およびトリアリールメチル基(例えば、トリチル;モノメトキシトリチル(MMT);4,4’-ジメトキシトリチル(DMT);4,4’,4”-トリメトキシトリチル(TMT);および本明細書に記載されるもの)が挙げられる。
【0051】
好ましい保護基は、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bzl)、イソブチリル(iBu)、フェニルアセチル、ジメトキシトリチル(DMT)、メトキシトリチル(MMT)、トリフェニルメチル(Trt)、N,N-ジメチルホルムアミジンおよび2-シアノエチル(CE)を含む群から選択される。
【0052】
別段の指定がない限り、いずれの保護基、アミノ酸および他の化合物に対する略語は、それらの一般的な使用、認められた略語、またはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature(Biochem.11:942~944(1972)を参照)に従う。
【0053】
用語「固体支持体」(樹脂とも呼ばれる)は、本明細書で使用される場合、合成中にオリゴヌクレオチドが結合する不溶性粒子、典型的には直径50~200μmの不溶性粒子を意味する。多くのタイプの固体支持体が使用されているが、制御多孔質ガラス(CPG)およびポリスチレン(高度に架橋されたポリスチレンビーズ)が特に有用であることが証明されている。制御多孔質ガラスは、硬質であり、非膨張性であり、オリゴヌクレオチド合成が起こる深い孔(孔径500~1000Å)を有する。従来のオリゴヌクレオチド合成のための固体支持体は商業的に入手可能であり、典型的には、CPG固体支持体の場合、樹脂1グラム当たり20~40μmolのヌクレオシドの負荷量で製造される。ポリスチレンベースの固体支持体は、樹脂1グラム当たり最大300μmolのより高い負荷量を示す。標準的なヌクレオチドがすでに付着された固体支持体材料は商業的に入手可能であり、アミノ官能化CPGおよびポリスチレン材料が、後で本明細書に記載される構成単位に関して示されるような非商業的な構成単位の合成に使用される。第1のヌクレオチド構成単位がすでに付着された固体支持体の代替として、後で本開示で記載されるような商業的に入手可能なユニバーサルな固体支持体材料を使用することができる。
【0054】
用語「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、以下で更に詳述されるような、天然に存在する、もしくは修飾されたヌクレオチド、または代用の置き換え部分を含む。修飾されたヌクレオチドは、天然に存在しないヌクレオチドであり、本明細書では「ヌクレオチド類似体」とも称される。当業者であれば、ヌクレオチド中のグアニン、シトシン、アデニン、ウラシルまたはチミンは、このような置き換え部分が結合しているヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対合特性を実質的に変更することなく、他の部分で置き換えが可能であることを理解していると予想される。例えば、その塩基としてイノシンを含むヌクレオチドは、これらに限定されないが、アデニン、シトシン、またはウラシルを含有するヌクレオチドと塩基対合することができる。したがって、ウラシル、グアニン、またはアデニンを含有するヌクレオチドは、本開示のヌクレオチド配列中で、例えばイノシンを含有するヌクレオチドによって置き換えることができる。このような置き換え部分を含む配列は、本開示の実施形態として含まれる。
【0055】
「細胞標的化部分」は、本明細書で使用される場合、確実にsiRNAの送達を増加させる分子基を意味し、このような増加は、(i)選択された標的受容体(例えば、標的タンパク質)に結合するsiRNAの特異性の増加、例えば選択された標的受容体を発現する細胞に結合するsiRNAの特異性の増加など;(ii)標的細胞によるsiRNAの取り込みの増加;および/または(iii)標的細胞に入ったら、適切にプロセシングされるsiRNAの能力の増加、例えば、siRNAの細胞内放出を、例えば輸送小胞から細胞質へのsiRNAの転移を容易にすることによって増加させることを包含する。したがって、細胞標的化部分は、オリゴヌクレオチドを、特定の細胞、組織、臓器などに方向付け、および/または送達するのに使用される。ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体またはオリゴヌクレオチドに含まれる細胞標的化部分は、前記ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体またはオリゴヌクレオチドが、標的化された細胞型によって、標的化されていない細胞型に対して優先的に認識される、結合される、内在化される、プロセシングされる、活性化などされるように、前記ヌクレオチドにヌクレオチド類似体またはオリゴヌクレオチドの特徴を付与する。例えば、内皮細胞は、ペプチド細胞標的化部分Arg-Gly-Asp(RGD)への高親和性を有する;がんおよび腎臓細胞は、葉酸部分を有する化合物と優先的に相互作用する;免疫細胞は、マンノースへの親和性を有する;および心筋細胞は、ペプチドWLSEAGPVVTVRALRGTGSW(配列番号1)への親和性を有する(例えば、Biomaterials ZV-8081-8087、2010を参照)。他の細胞標的化/送達部分は、当業界において公知である。したがって、細胞標的化部分を含む化合物は、優先的に標的化された細胞型と相互作用し、それに取り込まれる。
【0056】
細胞標的化部分は、細胞標的化ペプチド基および細胞標的化非ペプチド基を包含する。
【0057】
「標的細胞」または「標的化された細胞」は、本明細書で使用される場合、目的の細胞を指す。このような細胞は、インビトロ、インビボ、インサイチュまたは生物の組織もしくは臓器で見出すことができる。生物は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト、最も好ましくはヒト患者であり得る。
【0058】
用語「TTR」は、本明細書で使用される場合、トランスチレチン遺伝子またはタンパク質を指す。用語「TTR」は、本明細書で使用される場合、ヒトTTRを含み、そのアミノ酸およびヌクレオチド配列は、例えばEMBLデータベースにおいて受託番号CR456908で見出すことができ;マウスTTRを含み、そのアミノ酸およびヌクレオチド配列は、例えばGenBankデータベースにおいて受託番号AAH24702で見出すことができる。TTR mRNA配列の更なる例は、例えばGenBankで容易に入手可能である。
【0059】
「標的配列」は、本明細書で使用される場合、一次転写生成物のRNAプロセシング生成物であるmRNAを含む標的遺伝子のRNA転写物またはその部分に見出される連続するヌクレオチド配列を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、更に別段の指定がない限り、用語「相補的」は、第2のヌクレオチド配列(例えば、オリゴヌクレオチド)に対して第1のヌクレオチド配列(例えば、オリゴヌクレオチド)を記載するのに使用される場合、当業者によって理解される通り、特定の条件下で第2のヌクレオチド配列とハイブリダイズし、二重鎖構造を形成する第1のヌクレオチド配列の能力を指す。この例としては、第1または第2のヌクレオチド配列の全長にわたる第1のヌクレオチド配列の第2のヌクレオチド配列への塩基対合が挙げられる。このような配列は、本明細書において互いに「完全に相補的」と称することができる。本明細書において第1の配列が第2の配列に対して「実質的に相補的」と称される場合、2つの配列は、完全に相補的であってもよいし、またはその最終的な標的に最適な条件下でハイブリダイズする能力を保持しながら70%またはそれより高いヌクレオチド同一性を有していてもよい。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーションのときに1つまたはそれ以上の一本鎖オーバーハングを形成するように設計される場合、このようなオーバーハングは、相補性の決定に関するミスマッチとみなされないものとする。例えば、21ヌクレオチドの長さの第1のオリゴヌクレオチドと、23ヌクレオチドの長さの第2のオリゴヌクレオチドとを含む二本鎖RNA(dsRNA)であって、第2のオリゴヌクレオチドが第1のオリゴヌクレオチドに完全に相補的な21ヌクレオチドの配列を含むものは、本開示の目的に関して「完全に相補的」とも称される。「相補」配列はまた、そのハイブリダイズする能力に関する上記の必要条件が満たされる限り、非ワトソン-クリック塩基対および/または非天然の修飾されたヌクレオチドから形成された塩基対を含んでいてもよいし、またはそれから全体的に形成されたものでもよい。用語「相補的な」、「完全に相補的な」、および「実質的に相補的な」は、その使用の状況から理解されるように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖との間、またはdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間での塩基の一致に関して使用することができる。mRNAの「少なくとも一部に実質的に相補的な」ポリヌクレオチドは、本明細書で使用される場合、目的のmRNAの連続する部分に実質的に相補的なポリヌクレオチドを指す。用語「二本鎖RNA」または「dsRNA」は、本明細書で使用される場合、上記で定義した通り2つの逆平行の実質的に相補的な核酸鎖を含む二重鎖構造を有するリボ核酸分子の複合体を指す。二重鎖構造を形成する2つの鎖は、一方の大きい方のRNA分子の異なる部分であってもよいし、またはそれらは、別個のRNA分子であってもよい。別個のRNA分子の場合、このようなdsRNAは、文献では短鎖干渉RNA(siRNA)と称される場合もある。2つの鎖が一方の大きい方の分子の一部であり、それゆえに第1の鎖の3’末端と第2の鎖の5’末端との間がヌクレオチドの中断のない鎖によって接続されて二重鎖構造を形成する場合、接続するRNA鎖は、「ヘアピンループ」、「短鎖ヘアピンRNA」、または「shRNA」と称される。2つの鎖が、ヌクレオチドの中断のない鎖以外の手段によって、第1の鎖の3’末端と第2の鎖の5’末端との間で共有結合により接続されて、二重鎖構造を形成する場合、接続する構造は、「リンカー」と称される。RNA鎖は、同じまたは異なる数のヌクレオチドを有していてもよい。塩基対の最大数は、二重鎖中に存在する全てのオーバーハングを引いたdsRNAの最も短い鎖におけるオリゴヌクレオチドの数である。二重鎖構造に加えて、dsRNAは、1つまたはそれ以上のヌクレオチドオーバーハングを含んでいてもよい。加えて、用語「dsRNA」は、本明細書で使用される場合、複数のヌクレオチドにおける実質的な修飾、更に、本明細書で開示された、または当業界において公知の全てのタイプの修飾などのリボヌクレオチドへの化学修飾を含み得る。任意のこのような修飾は、siRNA型の分子で使用される場合、本開示の目的に関して「dsRNA」に包含される。一部の実施形態では、dsRNAにおけるヌクレオチド間連結は、修飾されたものでもよく、例えば本明細書に記載されるように修飾されたものでもよい。
【0061】
本開示の範囲内で、核酸の2つの配列間の「パーセンテージ同一性」は、最適なアライメント後に得られた、比較される2つの配列間の同一なヌクレオチド残基のパーセンテージを意味し、このパーセンテージは純粋に統計であり、2つの配列間の差はそれらの長さに沿ってランダムに分布する。2つの核酸配列の比較は従来、それらを最適にアライメントした後に配列を比較することによって行われ、前記比較は、セグメントによって、または「アライメントウィンドウ」を使用することによって実行することができる。比較のための配列の最適なアライメントは、手動での比較に加えて、SmithおよびWaterman(1981)のローカルホモロジーアルゴリズムを用いて、NeddlemanおよびWunsch(1970)のローカルホモロジーアルゴリズムを用いて、PearsonおよびLipman(1988))の類似性サーチ方法を用いて、またはこれらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison、WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA、または比較ソフトウェアであるBLAST NRまたはBLAST Pによる)を使用するコンピューターソフトウェアを用いて行うことができる。
【0062】
2つの核酸配列間のパーセンテージ同一性は、2つの最適にアライメントされた配列を比較することによって決定され、この場合、2つの配列間で最適なアライメントのために、比較される核酸配列が、参照配列と比較して付加または欠失を有していてもよい。パーセンテージ同一性は、2つの配列間で、好ましくは2つの完全配列間でヌクレオチド残基が同一な位置の数を決定すること、アライメントウィンドウで同一な位置の数を位置の総数により割ること、および結果に100を掛けて2つの配列間のパーセンテージ同一性を得ることによって計算される。
【0063】
本明細書において意図される通り、参照配列と少なくとも70%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列は、前記参照配列と、少なくとも71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%および99%のヌクレオチド同一性を有するものを包含する。
【0064】
一部の実施形態では、dsRNAは、デオキシリボヌクレオシドを含む修飾されたリボヌクレオシドを含み、例えば、デオキシリボヌクレオシドオーバーハング、dsRNAの二本鎖部分内に1つまたはそれ以上のデオキシリボヌクレオシドを含むものなどが挙げられる。しかしながら、いかなる場合でも、二本鎖DNA分子は、用語「dsRNA」に包含されないことは自明である。
【0065】
用語「ヌクレオチドオーバーハング」は、本明細書で使用される場合、dsRNAの第1の鎖の3’末端が第2の鎖の5’末端を超えて伸長している場合、またはその逆の場合に、dsRNAの二重鎖構造から突き出ている対になっていない1つまたは複数のヌクレオチドを指す。「平滑」または「平滑末端」は、dsRNAの末端に対になっていないヌクレオチドがない、すなわちヌクレオチドオーバーハングがないことを意味する。「平滑末端化された」dsRNAは、その全長にわたり二本鎖であるdsRNA、すなわち分子のどちらの末端にもヌクレオチドオーバーハングがないdsRNAである。明確にするために、dsRNAの鎖の3’末端および/または5’末端にコンジュゲートした化学的キャップまたはヌクレオチドではない化学成分は、dsRNAがオーバーハングを有するかまたは平滑末端化されているかを決定することにおいて考慮されない。
【0066】
用語「連続するヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、ヌクレオチド間連結を介して互いに連結されている天然ヌクレオチドまたは修飾されたヌクレオチドのいずれかであるヌクレオチドを指す。したがって、2つの連続するヌクレオチドは、ヌクレオチド間連結を介して互いに連結されている。また3つの連続するヌクレオチドも、3つのヌクレオチドのストレッチを意味し、この場合、第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド間連結を介して第2のヌクレオチドに連結され、第2のヌクレオチドも同様に、ヌクレオチド間連結を介して第3のヌクレオチドに連結される。オリゴヌクレオチド中で連続的に配置される前記3つのヌクレオチドのストレッチ内で、前記3つのヌクレオチドは、「連続するヌクレオチド」と呼ばれる。例証として、10個の連続するヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドは、その配列中に、ヌクレオチド間連結を介して互いに連結されている10個のヌクレオチド類似体の中断のないストレッチを含むオリゴヌクレオチドからなる。
【0067】
dsRNAにおける用語「アンチセンス鎖」または「アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、標的ヌクレオチド配列に実質的に相補的な配列を含有するdsRNAの鎖を指す。dsRNAの他方の鎖は「センス鎖」であり、これは「センス鎖オリゴヌクレオチド」と呼ばれることもある。dsRNA中に含まれる二本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、アンチセンス鎖は、本明細書において「ハイブリダイジング領域」と呼ばれるヌクレオチド領域を含み、これは、センス鎖の領域(これは、センス鎖のハイブリダイジング領域である)と対合する。アンチセンス鎖は、センス鎖と対合しない5’末端および/または3’末端に配置される領域を更に含んでいてもよい。dsRNAがsiRNAからなるdsRNAの実施形態では、この対合していない領域は、慣習的に、「ヌクレオチドオーバーハング」または「オーバーハング」、すなわち「5’-ヌクレオチドオーバーハング」または「3’-ヌクレオチドオーバーハング」と呼ばれる。通常、ヌクレオチドオーバーハングは、1~8ヌクレオチドの長さを有し、これは、1、2、3、4、5、6、7および8ヌクレオチドの長さを包含する。ほとんどの実施形態において、ヌクレオチドオーバーハングは、2~3ヌクレオチドの長さを有する。対称的に、二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖、例えばdsRNAのセンス鎖などは、アンチセンス鎖のハイブリダイジング領域とハイブリダイズするハイブリダイジング領域を含む。またセンス鎖は、5’-ヌクレオチドオーバーハングおよび/または3’-ヌクレオチドオーバーハングを更に含んでいてもよい。二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖のハイブリダイジング領域は、それはセンス鎖の領域と対合していても、一部の実施形態では、センス鎖の前記領域に完全に相補的でなくてもよく、これは、ハイブリダイズしたとき、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域と、センス鎖オリゴヌクレオチドの前記対合している領域との間に、一部のミスマッチ(すなわち一部の対合していないヌクレオチド)が存在してもよいことを意味する。典型的には、これらの実施形態の一部では、1~3つのミスマッチが、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域と、センス鎖オリゴヌクレオチドの対合している領域との間に存在していてもよい。
【0068】
用語「細胞に導入する」は、本明細書で使用される場合、当業者によって理解されている通り、細胞への取り込みまたは吸収を容易にすることを意味する。dsRNAの吸収または取り込みは、助けのない拡散性の、もしくは能動的な細胞プロセスを介して、または補助剤もしくはデバイスによって起こる場合がある。この用語の意味は、インビトロにおける細胞に限定されないこととする;dsRNAはまた「細胞に導入」されていてもよく、この場合、細胞は、生物の一部である。このような例において、細胞への導入は、生物への送達を含むことになる。例えば、インビボ送達の場合、dsRNAは、組織部位に注射してもよいし、または全身投与してもよい。インビボ送達はまた、ベータグルカン送達系によっても媒介される(例えば、Tesz,G.J.ら、2011、Biochem J.436(2):351~62を参照)。インビトロでの細胞への導入としては、エレクトロポレーションおよびリポフェクションなどの当業界において公知の方法が挙げられる。更なるアプローチは、本明細書の以下に記載されるか、または当業界において公知である。
【0069】
用語「~の発現を阻害する」または「~の発現を阻害すること」は、本明細書で使用される場合、それらが標的遺伝子に対して言及される限り、標的遺伝子から転写されたmRNAの量の低減によって証明されるような標的遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制を指す。用語「阻害すること」は、本明細書で使用される場合、「低減させる」、「サイレンシングする」、「下方調節する」、「抑制する」、「ノックダウンする」および他の類似の用語と同義的に使用され、任意のレベルの阻害を含む。阻害の程度は、通常、(((対照細胞におけるmRNA)-(処置された細胞におけるmRNA))/(対照細胞におけるmRNA))×100%で表される。代替として、阻害の程度は、標的遺伝子の転写に機能的に関連するパラメーターの低減、例えば、細胞によって分泌される標的遺伝子によってコードされたタンパク質の量、または特定の表現型、例えばアポトーシスを提示する細胞の数の低減で示すことができる。原則的に、標的遺伝子サイレンシングは、構成的に、またはゲノム操作によってのいずれかで、および任意の適切なアッセイによって、標的を発現する任意の細胞において決定することができる。しかしながら、所与のdsRNAが標的遺伝子の発現を特定の程度阻害するかどうかを決定するために参照が必要であり、それゆえに本開示に包含される場合、以下の例で提供されるアッセイは、そのような参照として役立つと予想される。
【0070】
本明細書で使用される場合、標的遺伝子発現の文脈において、用語「処置する」、「処置」などは、標的遺伝子の発現によって媒介される病理学的プロセスの緩和または軽減を指す。本開示の文脈において、用語「処置する」、「処置」などは、それが本明細書の以下で列挙される他の状態(標的発現によって媒介される病理学的プロセス以外の)のいずれかに関する限り、このような状態に関連する1つまたはそれ以上の症状を緩和または軽減することを指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、疾患または障害に関する用語「防止する」または「その進行を遅延させる」(およびそれらの文法上の変化形)は、例えば疾患を有する疑いのある、または疾患を発生させるリスクがある個体における、疾患の予防的処置に関する。防止としては、これらに限定されないが、疾患の発症または進行を防止するかもしくは遅延させること、および/または疾患の1つまたはそれ以上の症状を望ましい、または病的な状態未満のレベルを維持することを挙げることができる。
【0072】
用語「治療有効量」および「予防有効量」は、本明細書で使用される場合、標的遺伝子発現によって媒介される病理学的プロセス、または標的遺伝子の発現によって媒介される病理学的プロセスの明らかな症状の処置、防止、または管理における治療的な利益を提供する量を指す。治療上有効な具体的な量は、通常の医療技術者によって容易に決定することができ、標的遺伝子発現によって媒介される病理学的プロセスのタイプおよび段階、患者の病歴および年齢、ならびに標的遺伝子によって媒介される生物学的プロセスを阻害する他の治療剤の投与などの要因に応じて変更することができる。
【0073】
用語「個体」または「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物である。哺乳動物としては、これらに限定されないが、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、およびウマ)、霊長類(例えば、ヒトおよび非ヒト霊長類、例えばサル)、ウサギ、およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)が挙げられる。一部の実施形態では、個体または対象は、ヒトである。
【0074】
用語「ヌクレオシド間連結」、「ヌクレオシド間連結基」、「ヌクレオチド間連結」、または「ヌクレオチド間連結基」は、本明細書において同義的に使用され、2つのヌクレオシド(すなわち、複素環の塩基部分および糖部分)単位間の任意のリンカーまたは結合を指し、その例としては、当業界において公知のように、これらに限定されないが、リン酸エステル、リン酸エステルの類似体(すなわち、ホスホジエステルまたはホスホトリエステル部分)、ホスホロチオエート、リン酸エステル、グアニジウム、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルヒドラジニル、アミド、カルバミン酸エステル、アルキル、および置換されたアルキル連結などが挙げられる。「ヌクレオシド間の連結基」は、2つのヌクレオシド間、2つのヌクレオシド類似体間、またはヌクレオシドとヌクレオシド類似体との間の連結に関与し得る。
【0075】
ヌクレオシド間連結は、核酸分子の主鎖を構成する。ヌクレオシド間連結基は、核酸分子に含まれる2つの隣接するヌクレオシド残基を連結する化学基を指し、(i)2つの隣接するヌクレオシド残基を連結する化学基、(ii)ヌクレオシド残基を隣接するヌクレオシド類似体残基と連結する化学基、および(iii)第1のヌクレオシド類似体残基を第2のヌクレオシド類似体残基と連結する化学基であって、ヌクレオシド類似体残基は同一でもよいし、または別個でもよい、化学基を包含する。ヌクレオシド類似体残基は、本明細書で開示される式(I)の化合物を包含する。一態様では、本発明のsiNA分子のヌクレオチドは、第1のヌクレオチドの糖部分の3’-炭素と、第2のヌクレオチドの糖部分の5’-炭素との連結(本明細書では、3’ヌクレオシド間連結と称される)を介して、隣接するヌクレオチドに連結される。3’-5’ヌクレオシド間連結は、本明細書で使用される場合、2つの隣接するヌクレオシド単位を連結するヌクレオシド間連結を指し、この場合、連結は、第1のヌクレオシドの糖部分の3’-炭素と、第2のヌクレオシドの糖部分の5’-炭素との間である。別の態様では、本発明のsiNA分子のヌクレオチド(ヌクレオチド類似体を含む)は、第1のヌクレオチドの糖部分の2’-炭素と、第2のヌクレオチドの糖部分の5’-炭素との連結(本明細書では、2’ヌクレオシド間連結と称される)を介して、隣接するヌクレオチド(ヌクレオチド類似体を含む)に連結される。2’-5’ヌクレオシド間連結は、本明細書で使用される場合、2つの隣接するヌクレオシド単位を連結するヌクレオシド間連結を指し、この場合、連結は、第1のヌクレオシドの糖部分の2’-炭素と、第2のヌクレオシドの糖部分の5’-炭素との間である。
【0076】
用語「ヌクレオシド間連結基」は、本明細書で使用される場合、リンおよび非リンを含有するヌクレオシド間連結基を包含する。
【0077】
一部の実施形態では、リンを含有するヌクレオシド間連結基は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび他のアルキルのホスホン酸エステル、例えばなど3’-アルキレンホスホン酸エステル、5’-アルキレンホスホン酸エステルおよびキラルホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステル、3’-アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホロアミデートなどのホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルリン酸エステル、チオノアルキルホスホトリエステル、ノルマル3’-5’連結を有するセレノリン酸エステルおよびボラノリン酸エステル、および2’-5’連結されたそれらの類似体を包含する。
【0078】
上記のリンを含有するヌクレオシド間連結の調製を教示する代表的な米国特許としては、米国特許第3,687,808号;4,469,863号;4,476,301号;5,023,243号;5,177,196号;5,188,897号;5,264,423号;5,276,019号;5,278,302号;5,286,717号;5,321,131号;5,399,676号;5,405,939号;5,453,496号;5,455,233号;5,466,677号;5,476,925号;5,519,126号;5,536,821号;5,541,306号;5,550,111号;5,563,253号;5,571,799号;5,587,361号;5,194,599号;5,565,555号;5,527,899号;5,721,218号;5,672,697号および5,625,050号が挙げられ、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み入れられる。
【0079】
一実施形態では、非ホスホジエステル主鎖連結は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキル-ホスホネートおよびホスホロアミデート主鎖連結基からなる群から選択される。
【0080】
一実施形態では、リンを含有するヌクレオシド間連結基は、ホスホジエステル、ホスホトリエステルおよびホスホロチオエートを包含する。
【0081】
一部の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、リン原子を含有しない1つまたはそれ以上のヌクレオシド間連結基を含む。このようなオリゴヌクレオチドとしては、これらに限定されないが、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結基、混成のヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結基、または1つもしくはそれ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式のヌクレオシド間連結基によって形成されるものが挙げられる。これらの例としては、シロキサン主鎖;硫化物、スルホキシドおよびスルホン主鎖;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;リボアセチル主鎖;アルケンを含有する主鎖;スルファミン酸主鎖;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ主鎖;スルホン酸およびスルホンアミド主鎖;アミド主鎖を有するもの;ならびに混成のN、O、SおよびCH2構成要素部分を有する他のものが挙げられる。上記の非リンを含有するヌクレオシド間連結基の調製を教示する代表的な米国特許としては、これらに限定されないが、米国特許第5,034,506号;5,166,315号;5,185,444号;5,214,134号;5,216,141号;5,235,033号;5,264,562号;5,264,564号;5,405,938号;5,434,257号;5,466,677号;5,470,967号;5,489,677号;5,541,307号;5,561,225号;5,596,086号;5,602,240号;5,610,289号;5,602,240号;5,608,046号;5,610,289号;5,618,704号;5,623,070号;5,663,312号;5,633,360号;5,677,437号;5,792,608号;5,646,269号および5,677,439号が挙げられ、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み入れられる。
【0082】
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、非イオン性である1つまたはそれ以上の中性ヌクレオシド間連結基を含む。中性ヌクレオシド間連結基は、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキシレートエステル、カルボキサミド、硫化物、スルホン酸エステルおよびアミドを含む非イオン性連結基を包含する(例えば:Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.SanghviおよびP.D.Cook編、ACS Symposium Series 580;第3章および4、(40~65頁)を参照)。更なる中性ヌクレオシド間連結基は、混成のN、O、SおよびCH2構成要素部分を含む非イオン性連結を包含する。
【0083】
二本鎖オリゴヌクレオチド、例えば二本鎖RNA(dsRNA)
これまでに本明細書で特定したように、dsRNAを包含する本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドは、センス鎖オリゴヌクレオチドおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、そこに含まれるハイブリダイジング領域を介してセンス鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする。対称的に、センス鎖オリゴヌクレオチドはまた、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれるハイブリダイジング領域とハイブリダイズするハイブリダイジング領域も含む。一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、その5’末端に、その3’末端に、またはその5’末端とその3’末端の両方に、センス鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしないヌクレオチド領域を更に含み、このハイブリダイズしない領域は、本明細書において「ヌクレオチドオーバーハング」または代替として「オーバーハング」と呼ばれる。またセンス鎖オリゴヌクレオチドは、その5’末端に、その3’末端に、またはその5’末端とその3’末端の両方に、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしないヌクレオチド領域を更に含んでいてもよく、このハイブリダイズしない領域は、本明細書において「ヌクレオチドオーバーハング」または代替として「オーバーハング」と呼ばれる。
【0084】
本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドの好ましい実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれるハイブリダイジング領域は、センス鎖オリゴヌクレオチドに含まれるハイブリダイジング領域と完全に相補的である。
【0085】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、その5’末端に、その3’末端に、または5’末端とその3’末端の両方に配置される、センス鎖と対合しない領域を更に含んでいてもよい。dsRNAがsiRNAからなるdsRNAのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの実施形態では、センス鎖オリゴヌクレオチドと対合しない前記3’末端または5’末端領域は、慣習的に、「ヌクレオチドオーバーハング」または「オーバーハング」、すなわち「5’-ヌクレオチドオーバーハング」または「3’-ヌクレオチドオーバーハング」と呼ばれる。本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドの好ましい実施形態では、ヌクレオチドオーバーハングは、センス鎖オリゴヌクレオチドまたはアンチセンス鎖オリゴヌクレオチド中に存在する場合、1~8ヌクレオチドの長さを有し、これは、1、2、3、4、5、6、7および8ヌクレオチドの長さを包含する。ほとんどの実施形態において、ヌクレオチドオーバーハングは、2~3ヌクレオチドの長さを有する。
【0086】
本発明者らは、センス鎖オリゴヌクレオチドおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれるハイブリダイジング領域において、特に、siRNAとして有用な二本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、本開示に記載される特定の式(I-A)のヌクレオチド類似体の存在は、インビボにおける作用の長い持続時間をもたらす前記二本鎖オリゴヌクレオチドの高い安定性を可能にすることを見出した。更に、前記二本鎖オリゴヌクレオチドがsiRNAである実施形態では、5’-オーバーハングまたは3’-オーバーハング以外の配置におけるアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域における本明細書に記載される1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体の存在は、前記siRNAに、標的遺伝子の発現を阻害する改善された特性、その遺伝子発現阻害特性の改善された持続時間、および、特にアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの標的化された配列への改善された特異性を付与することが本明細書において示される。本明細書に記載の例で示されるように、改善された特異性は、オフターゲット事象の数を低減させながら、標的オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの改善された特性を包含する。
【0087】
本明細書に記載の例は、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドおよびセンス鎖オリゴヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域中に、その3’-オーバーハングまたは5’-オーバーハングとは異なる配置に1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を取り込んだ二本鎖オリゴヌクレオチドが、標的遺伝子の効率的な阻害を確実にするのに必要な安定性および特異性を有するsiRNA二重鎖構造を生成することを可能にすることを示す。本明細書では、標的遺伝子の効率的な阻害は、オフターゲット事象の数の低減を伴うことも示される。
【0088】
意外なことに、本発明者らは、本開示の1つまたはそれ以上の式(I-A)または(I-B)のヌクレオチド類似体を含むsiRNA二重鎖の高い代謝的安定性は、式(I-A)または(I-B)のヌクレオチド類似体が、一方が他方と、または一方がリボースを含有するヌクレオチドと、従来のホスホジエステル結合を介して連結される場合に得られることを示した。意外なことに、式(I-A)または(I-B)のヌクレオチド類似体が、オリゴヌクレオチド内で従来のホスホジエステル結合を介して連結されてsiRNAの鎖を形成する場合、得られたsiRNA二重鎖は、ヌクレアーゼ分解に対してより高い安定性を有し、それにより、式(I-A)または(I-B)のヌクレオチド類似体の代わりにホスホロチオエート連結されたデオキシリボヌクレオチドを有する同じsiRNAより長いインビボにおける作用の持続時間がもたらされることが示された。
【0089】
式(I-A)または(I-B)のヌクレオチド類似体のインビボにおける作用の持続時間におけるこの高い増加は、ホスホジエステル結合を介して連結される場合、ホスホロチオエートなどのリン基を連結する修飾されたヌクレオチド間を介した安定化を回避することができるため、明確な技術的利点である。この場合、このような非従来型のホスホロチオエートは、キラル中心を導入し、それにより生じるsiRNAの望ましくないジアステレオマー混合物が生じることを連想させる。後者は、siRNA結合特性を変更する可能性があり、もしかするとオフターゲット事象の増加を引き起こす可能性がある。本明細書では、式(I-A)または(I-B)の1つまたはそれ以上の化合物を有するsiRNAは、いずれのトランスフェクション試薬も存在しない条件下でsiRNAが標的細胞によって内在化される場合でさえも、インビトロおよびインビボにおいて優れた標的遺伝子サイレンシング活性を有することも示される。
【0090】
文献に記載されている通り、二重鎖を不安定化する修飾されたヌクレオチドの、二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖への取り込みは、オフターゲットプロファイルの改善をもたらし、それゆえに、対応するsiRNAの副作用をより少なくする(例えばNucleic Acid Research、2010、38(17)、5761~5773を参照)。
【0091】
それゆえに、より驚くべきことに、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド中の特異的な位置における、すなわちアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域における、更に、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングまたは3’-オーバーハング以外の配置における本明細書に記載される式(I-A)のヌクレオチド類似体の取り込みは、一連の(2S,6R)-ジアステレオマーにおいて高度に二重鎖を不安定化する特性を示し、更に、類似体(2R,6R)-ジアステレオマーの場合、それほどはっきりしない二重鎖不安定化を示した。予想とは対照的に、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域中に式(I-A)の(2R,6R)-ジアステレオ異性体類似体を含むsiRNAは、インビトロのシステムにおけるオフターゲット結合の有意な低減を示し、それと同時に、インビボにおけるその高度に有力な標的を阻害する特性を維持する。
【0092】
重要なことに、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域中に1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を取り込んだsiRNAは、インビボにおいて、これらのsiRNAが標的遺伝子サイレンシング作用を発揮することが示される用量範囲で副作用がない。
【0093】
いかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、本明細書に記載される式(I-A)のヌクレオチド類似体は、例で示される、1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドに付与された特異的な物理化学特性、安定性の改善、結合特性およびオフターゲットプロファイルを授けられていると本発明者らは考える。これらの特性は特に、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域が、式(I-A)のヌクレオチド類似体のようにその(2R,6R)ジアステレオ異性体を含む二本鎖オリゴヌクレオチドで改善される。
【0094】
本開示に記載される式(I-A)のヌクレオチド類似体はまた、本明細書において式(I-A)の「標的化されていない」ヌクレオチド類似体と呼ぶこともある。
【0095】
二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖の実施形態
本開示の重要な態様は、センス鎖オリゴヌクレオチドおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチドの提供であり、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を含み、このヌクレオチド類似体は、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングヌクレオチドでもないし、3’-オーバーハングヌクレオチドでもない。一部の実施形態では、前記二本鎖オリゴヌクレオチドは、選択された標的mRNAにハイブリダイズするsiRNAからなる。
【0096】
本明細書で使用される場合、本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれ、存在する場合、5’-オーバーハングに含まれず、存在する場合、3’-オーバーハングにも含まれないヌクレオチドは、本明細書では「ハイブリダイジングヌクレオチド」と呼ぶこともあり、または代替として、「内部ヌクレオチド」と呼ぶこともある。
【0097】
したがって、本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれ、存在する場合、5’-オーバーハングに含まれず、存在する場合、3’-オーバーハングにも含まれない式(I-A)のヌクレオチド類似体は、本明細書に記載の式(I-A)の「ハイブリダイジングヌクレオチド」、または代替として本明細書に記載の式(I-A)の「内部ヌクレオチド」と呼ぶこともある。
【0098】
同様に、本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれ、存在する場合、5’-オーバーハングに含まれず、存在する場合、3’-オーバーハングにも含まれないヌクレオチドはまた、本明細書に記載の「ハイブリダイジングヌクレオチド」と呼ぶこともあり、または代替として「内部ヌクレオチド」と呼ぶこともある。
【0099】
更に、存在する場合、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドの前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの、5’-オーバーハング内または3’-オーバーハング内に配置されるヌクレオチドは、本明細書において「オーバーハング」ヌクレオチドと呼ぶこともある。
【0100】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが5’-オーバーハングおよび/または3’-オーバーハングを含む二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、その5’-オーバーハングに、もしくはその3’-オーバーハングに、またはその5’-オーバーハングとその3’-オーバーハングの両方に、いかなる式(I-A)のヌクレオチド類似体も含まない。次いで、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる式(I-A)のヌクレオチド類似体は、本明細書における「ハイブリダイジングヌクレオチド」のこれまでに特定された定義を参照すれば、全て式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体である。
【0101】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが5’-オーバーハングおよび/または3’-オーバーハングを含む二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の他の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、その5’-オーバーハングに、もしくはその3’-オーバーハングに、またはその5’-オーバーハングとその3’-オーバーハングの両方に、1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を更に含んでいてもよい。
【0102】
本明細書において、用語「ハイブリダイズ」ヌクレオチドまたは「オーバーハング」ヌクレオチドは、本開示で定義された通り、様々な開示された実施形態の構成の言語の簡易化および明確さの改善の理由で使用することができる。
【0103】
二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体の数は、様々であり得る。
【0104】
一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、1~10個の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含む。1~10個の式(I-A)のヌクレオチド類似体は、本明細書で使用される場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の式(I-A)のヌクレオチド類似体を包含する。
【0105】
一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、1~5個の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含む。
【0106】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を含む前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、9~36ヌクレオチドの長さの範囲であり、これは、15~30ヌクレオチドの長さを包含する。一部の実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、20~25ヌクレオチドの長さの範囲であり、これは、17~25ヌクレオチドの長さを包含する。
【0107】
一部の実施形態では、本明細書に記載される式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体の(2R,6R)立体異性体が好ましい。
【0108】
式(I-A)のヌクレオチド類似体の配置は、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド内である。
【0109】
1つまたはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列内の様々なヌクレオチド位置に配置される。
【0110】
更に、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが2個またはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含む実施形態において、前記2個またはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域の任意の場所に、したがって一方または両方のオーバーハングが存在する場合、その5’-オーバーハングまたは3’-オーバーハングを除いて、連続して、および/または連続しないで配置される。
【0111】
前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、そこに含まれる各式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、式(I-A)の修飾されたヌクレオチドとは異なるヌクレオチドに連結される。これらの実施形態によれば、2個またはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は離れており、すなわち、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列内に別々に分布している。
【0112】
前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの一部の他の実施形態では、そこに含まれる全ての式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、それらがアンチセンス鎖オリゴヌクレオチド内で連続的に配置されるように、一緒に連結されている。これらの実施形態では、この一連の前記ハイブリダイジングヌクレオチド類似体の5’末端に配置された式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、式(I-A)のヌクレオチド類似体とは異なるヌクレオチドに連結され、この一連の前記ハイブリダイジングヌクレオチド類似体の3’末端に配置された式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、式(I-A)の修飾されたヌクレオチドとは異なるヌクレオチドに連結される。これらの実施形態によれば、連続した2個またはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド内で連続していると呼ばれる。
【0113】
前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの更に他の実施形態では、式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、離れた単一の式(I-A)のヌクレオチド類似体、および連続した式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体の1つまたはそれ以上のストレッチの両方として配置される。容易に理解されるように、一緒に連結された連続した式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体は、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる連続する式(I-A)のヌクレオチド類似体である。
【0114】
例証として、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが23ヌクレオチドの長さを有し、全てのヌクレオチドがセンス鎖オリゴヌクレオチドと対合する二本鎖オリゴヌクレオチドの実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’末端から開始するヌクレオチド位置の番号付けで、ヌクレオチド位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23からなる群から選択されるヌクレオチド位置に式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含んでいてもよい。
【0115】
更なる例証として、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが23ヌクレオチドの長さを有し、(i)21ヌクレオチドの長さのハイブリダイジング領域、および(ii)2ヌクレオチドの長さの3’-オーバーハングを含む二本鎖オリゴヌクレオチドの実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’末端から開始するヌクレオチド位置の番号付けで、ヌクレオチド位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21からなる群から選択されるヌクレオチド位置に式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含んでいてもよい。それらの一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、その3’-オーバーハングに、式(I-A)の2つのオーバーハングヌクレオチド類似体を更に含む。
【0116】
アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが23ヌクレオチドの長さを有する二本鎖オリゴヌクレオチドの他の例示的な実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’末端から開始するヌクレオチド位置の番号付けで、ヌクレオチド位置2、3、4、5、6、7または8からなる群から選択されるヌクレオチド位置に式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含んでいてもよい。
【0117】
標的化されたヌクレオチドを含むアンチセンス鎖の実施形態
本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチド類似体を更に含む。
【0118】
これらの実施形態の一部では、そこに含まれる1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチド類似体の少なくとも1つは、本明細書の他所で記載される通りの式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体からなる。
【0119】
したがって、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、本明細書の他所で記載される通りの1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を含む。
【0120】
式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチド内の様々な配置に存在していてもよい。
【0121】
一部の実施形態では、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、アンチセンスオリゴヌクレオチド鎖の3’-オーバーハングまたは5’-オーバーハングに、例えば、siRNAのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの3’-オーバーハングまたは5’-オーバーハングに配置される。
【0122】
一部の好ましい実施形態では、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、dsRNAの、例えばsiRNAのオーバーハングに配置される。例えば、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、siRNAのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのオーバーハングに、例えば3’-オーバーハングに配置される。
【0123】
一部の実施形態では、2~10(例えば、2~5)個の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチド中に存在する。2~10個の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、本明細書で使用される場合、2、3、4、5、6、7、8、9および10個の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を包含する。
【0124】
二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖の実施形態
一部の実施形態では、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドは、いかなる式(I-A)の修飾されたヌクレオチドも含まない。これらの実施形態の一部では、本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドは、式(I-A)のヌクレオチド類似体とは異なる1つまたはそれ以上の修飾されたヌクレオチド、例えばメトキシまたはフルオロで修飾されたヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0125】
他の実施形態では、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドは、1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む。一部の実施形態では、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドは、式(I-A)のヌクレオチド類似体の1つまたはそれ以上を含み、この式(I-A)のヌクレオチド類似体は、その5’-オーバーハングに、その3’-オーバーハングに、そのハイブリダイジング領域に、またはセンス鎖オリゴヌクレオチド内のこれらの場所の2つまたはそれ以上に配置されてもよい。
【0126】
本明細書に記載される二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドの特定の実施形態では、式(I-A)のヌクレオチド類似体は、前記センス鎖オリゴヌクレオチドの3’-オーバーハングに、5’-オーバーハングに、または3’-オーバーハングおよび5’-オーバーハングの両方に配置される。これらの特定の実施形態の一部では、式(I-A)のヌクレオチド類似体は、dsRNAのセンス鎖オリゴヌクレオチドの3’-オーバーハングに独占的に配置され、例えばsiRNAの核酸鎖の3’-オーバーハングに独占的に配置される。
【0127】
これらの特定の実施形態の一部では、式(I-A)のヌクレオチド類似体は、(i)siRNAのセンス鎖オリゴヌクレオチドの3’-オーバーハングおよび5’-オーバーハングの両方に配置される。
【0128】
一部の実施形態では、2~10(例えば、2~5)個の式(I-A)のヌクレオチド類似体は、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチド中に存在する。2~10個の式(I-A)のヌクレオチド類似体は、本明細書で使用される場合、2、3、4、5、6、7、8、9および10個の式(I-A)のヌクレオチド類似体を包含し、この式(I-A)のヌクレオチド類似体は、その5’-オーバーハングに、その3’-オーバーハングに、そのハイブリダイジング領域に、またはセンス鎖オリゴヌクレオチド内のこれらの場所の2つまたはそれ以上に配置されてもよい。
【0129】
標的化されたヌクレオチドを含むセンス鎖の実施形態
本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、前記センス鎖オリゴヌクレオチドは、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチド類似体を更に含む。
【0130】
これらの実施形態の一部では、そこに含まれる1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチド類似体の少なくとも1つは、本明細書の他所で記載される通りの式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体からなる。
【0131】
したがって、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、前記センス鎖オリゴヌクレオチドは、本明細書の他所で記載される通りの1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を含む。
【0132】
本明細書に記載の例で例示されるように、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチド内の様々な配置に存在していてもよい。
【0133】
一部の実施形態では、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、センスオリゴヌクレオチド鎖の3’-オーバーハングまたは5’-オーバーハングに、例えばsiRNAのセンス鎖オリゴヌクレオチドの3’-オーバーハングまたは5’-オーバーハングに配置される。
【0134】
一部の好ましい実施形態では、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、dsRNAの、例えばsiRNAのオーバーハングに配置される。例えば、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、siRNAのセンス鎖オリゴヌクレオチドのオーバーハング、例えば5’-オーバーハングに配置される。
【0135】
一部の実施形態では、2~10(例えば、2~5)個の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、本開示による二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖オリゴヌクレオチド中に存在する。2~10個の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、本明細書で使用される場合、2、3、4、5、6、7、8、9および10個の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を包含する。
【0136】
一部の実施形態では、センス鎖オリゴヌクレオチドは、(i)1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体、および(ii)式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含む。これらの実施形態の一部では、センス鎖オリゴヌクレオチドに含まれる1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体は、式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体からなり、すなわち、5’-オーバーハング、3’-オーバーハング、または5’-オーバーハングおよび3’-オーバーハングの両方が存在する実施形態では、センス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングにも、または3’-オーバーハングにも配置されていない式(I-A)のヌクレオチド類似体からなる。これらの実施形態の一部では、センス鎖オリゴヌクレオチドはまた、5’-オーバーハングに、3’-オーバーハングに、または5’-オーバーハングおよび3’-オーバーハングの両方に、1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を含む。
【0137】
二本鎖オリゴヌクレオチドの他の構成
1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を含む二本鎖オリゴヌクレオチドは、(i)そこに含まれるヌクレオチド単量体単位のほとんどに含有されるリボース糖部分、および(ii)そこに含まれる核酸塩基の種類を考慮して、「リボ核酸」または「RNA」、と呼ぶこともある。したがって、本開示の特定の態様は、目的のmRNAを標的化する二本鎖リボ核酸(dsRNA)分子に関する。本発明のdsRNAは、式(I-A)の1つまたはそれ以上の化合物を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0138】
一部の実施形態では、dsRNAは、2つの鎖、すなわち第1の配列を含むセンス鎖および第2の配列を含むアンチセンス鎖を含み、第1の鎖および第2の鎖は、二重鎖構造を形成するのに十分に相補的である。一部の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖中の第2の配列に実質的に相補的であるか、またはそれに完全に相補的である第1の配列を含む。一部の実施形態では、アンチセンス鎖中の第2の配列は、標的配列、例えば、標的遺伝子から転写されたmRNAの配列に実質的に相補的であるか、またはそれに完全に相補的である。
【0139】
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖のそれぞれは、9~36ヌクレオチドの長さの範囲であり得る。例えば、各鎖は、12~30ヌクレオチドの長さ、14~30ヌクレオチドの長さ、15~30ヌクレオチドの長さ、25~30ヌクレオチドの長さ、27~30ヌクレオチドの長さ、15~26ヌクレオチドの長さ、15~23ヌクレオチドの長さ、15~22ヌクレオチドの長さ、15~21ヌクレオチドの長さ、15~20ヌクレオチドの長さ、15~19ヌクレオチドの長さ、15~18ヌクレオチドの長さ、15~17ヌクレオチドの長さ、17~30ヌクレオチドの長さ、17~23ヌクレオチドの長さ、17~21ヌクレオチドの長さ、17~19ヌクレオチドの長さ、18~30ヌクレオチドの長さ、18~26ヌクレオチドの長さ、18~25ヌクレオチドの長さ、18~23ヌクレオチドの長さ、18~22ヌクレオチドの長さ、18~21ヌクレオチドの長さ、18~20ヌクレオチドの長さ、19~30ヌクレオチドの長さ、19~25ヌクレオチドの長さ、19~24ヌクレオチドの長さ、19~23ヌクレオチドの長さ、19~22ヌクレオチドの長さ、19~21ヌクレオチドの長さ、19~20ヌクレオチドの長さ、20~30ヌクレオチドの長さ、20~26ヌクレオチドの長さ、20~25ヌクレオチドの長さ、20~24ヌクレオチドの長さ、20~23ヌクレオチドの長さ、20~22ヌクレオチドの長さ、20~21ヌクレオチドの長さ、21~30ヌクレオチドの長さ、21~26ヌクレオチドの長さ、21~25ヌクレオチドの長さ、21~24ヌクレオチドの長さ、21~23ヌクレオチドの長さ、または21~22ヌクレオチドの長さであり得る。一部の実施形態では、各鎖は、長さが9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ヌクレオチドより大きいかまたはそれに等しい。一部の実施形態では、各鎖は、長さが10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36ヌクレオチド未満であるかまたはそれに等しい。すなわち、各鎖は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36の上限と、独立して選択される9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35の下限とを有するヌクレオチド長の範囲のいずれかであってもよく、下限は、上限未満である。一部の実施形態では、各鎖は、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36ヌクレオチドの長さである。一部の実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖は、同じ数のヌクレオチドの長さである。一部の実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖は、異なる数のヌクレオチドの長さである。
【0140】
オーバーハング
一部の実施形態では、本開示のdsRNAは、センスおよびアンチセンス鎖の一方または両方の3’末端、5’末端、または両方の末端に、1つまたはそれ以上のオーバーハングを含む。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のオーバーハングは、オーバーハング中、より少ない数のホスホロチオエート基で安定性を改善する。
【0141】
一部の実施形態では、オーバーハングは、1個もしくはそれ以上の、2個もしくはそれ以上の、3個もしくはそれ以上の、4個もしくはそれ以上の、5個もしくはそれ以上の、または6個もしくはそれ以上のヌクレオチドを含む。例えば、オーバーハングは、1~8ヌクレオチド、2~8ヌクレオチド、3~8ヌクレオチド、4~8ヌクレオチド、5~8ヌクレオチド、1~5ヌクレオチド、2~5ヌクレオチド、3~5ヌクレオチド、4~5ヌクレオチド、1~4ヌクレオチド、2~4ヌクレオチド、3~4ヌクレオチド、1~3ヌクレオチド、2~3ヌクレオチド、または1~2ヌクレオチドを含んでいてもよい。一部の実施形態では、オーバーハングは、1、2、3、4、5、または6ヌクレオチドの長さである。
【0142】
一部の実施形態では、本開示のオーバーハングは、1つまたはそれ以上のリボヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、本開示のオーバーハングは、1つまたはそれ以上のデオキシリボヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、オーバーハングは、1つまたはそれ以上のチミンを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に配置されるオーバーハングを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に配置されるオーバーハング、およびアンチセンス鎖の5’末端に配置される平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、センス鎖の3’末端に配置されるオーバーハングを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、センス鎖の5’末端に平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、センス鎖の3’末端に配置されるオーバーハング、およびセンス鎖の5’末端に配置される平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、dsRNAのセンスおよびアンチセンス鎖の3’末端の両方に配置されるオーバーハングを含む。
【0143】
一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に配置されるオーバーハングを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に配置されるオーバーハング、およびアンチセンス鎖の3’末端に配置される平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、センス鎖の5’末端に配置されるオーバーハングを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、センス鎖の3’末端に平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、センス鎖の5’末端に配置されるオーバーハング、およびセンス鎖の3’末端に配置される平滑末端を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、dsRNAの両方の鎖に配置されるオーバーハングを含む。
【0144】
一部の実施形態では、オーバーハングは、センス鎖がアンチセンス鎖より長いことの結果である。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖がセンス鎖より長いことの結果である。一部の実施形態では、オーバーハングは、同じ長さのセンスおよびアンチセンス鎖が互い違いになっている結果である。一部の実施形態では、オーバーハングは、標的mRNAとミスマッチを形成する。一部の実施形態では、オーバーハングは、標的mRNAに相補的である。
【0145】
一部の実施形態では、本開示のdsRNAは、第1の配列を含むセンス鎖および第2の配列を含むアンチセンス鎖を含み、第1および第2の配列は、実質的に相補的であるか、または相補的である。一部の実施形態では、第1および第2の配列は、実質的に相補的であるか、または相補的であり、dsRNAの二重鎖領域を形成する。一部の実施形態では、dsRNAの二重鎖領域は、9~36ヌクレオチド対の長さである。例えば、二重鎖領域は、12~30ヌクレオチド対の長さ、14~30ヌクレオチド対の長さ、15~30ヌクレオチド対の長さ、15~26ヌクレオチド対の長さ、15~23ヌクレオチド対の長さ、15~22ヌクレオチド対の長さ、15~21ヌクレオチド対の長さ、15~20ヌクレオチド対の長さ、15~19ヌクレオチド対の長さ、15~18ヌクレオチド対の長さ、15~17ヌクレオチド対の長さ、17~30ヌクレオチド対の長さ、27~30ヌクレオチド対の長さ、17~23ヌクレオチド対の長さ、17~21ヌクレオチド対の長さ、17~19ヌクレオチド対の長さ、18~30ヌクレオチド対の長さ、18~26ヌクレオチド対の長さ、18~25ヌクレオチド対の長さ、18~24ヌクレオチド対の長さ、18~23ヌクレオチド対の長さ、18~22ヌクレオチド対の長さ、18~21ヌクレオチド対の長さ、18~20ヌクレオチド対の長さ、19~30ヌクレオチド対の長さ、19~25ヌクレオチド対の長さ、19~24ヌクレオチド対の長さ、19~23ヌクレオチド対の長さ、19~22ヌクレオチド対の長さ、19~21ヌクレオチド対の長さ、19~20ヌクレオチド対の長さ、20~30ヌクレオチド対の長さ、20~26ヌクレオチド対の長さ、20~25ヌクレオチド対の長さ、20~24ヌクレオチド対の長さ、20~23ヌクレオチド対の長さ、20~22ヌクレオチド対の長さ、20~21ヌクレオチド対の長さ、21~30ヌクレオチド対の長さ、21~26ヌクレオチド対の長さ、21~25ヌクレオチド対の長さ、21~24ヌクレオチド対の長さ、21~23ヌクレオチド対の長さ、または21~22ヌクレオチド対の長さであり得る。一部の実施形態では、dsRNAの二重鎖領域は、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ヌクレオチド対の長さより大きいかまたはそれに等しい。一部の実施形態では、dsRNAの二重鎖領域は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36ヌクレオチド対の長さ未満であるかまたはそれに等しい。すなわち、dsRNAの二重鎖領域は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36の上限と、独立して選択される9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35の下限とを有するヌクレオチド対の長さの範囲のいずれかであってもよく、下限は、上限未満である。一部の実施形態では、二重鎖領域は、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36ヌクレオチド対の長さである。1つより多くのdsRNAが使用される場合、各dsRNAの二重鎖領域は、1つまたはそれ以上の追加のdsRNAと同一かまたはそれと異なる長さであってもよい。
【0146】
標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドの実施形態
本開示で上述したように、二本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド、センス鎖オリゴヌクレオチドまたはアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドおよびセンス鎖オリゴヌクレオチドの両方は、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチドを含んでいてもよい。一部の実施形態では、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド、センス鎖オリゴヌクレオチドまたはアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドおよびセンス鎖オリゴヌクレオチドの両方は、1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を含んでいてもよい。
【0147】
したがって、本開示による一部の実施形態では、標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドは、1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を含む。
【0148】
一部の他の実施形態では、本開示による標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドに含まれる標的化されたヌクレオチドは、当業界において公知の標的化されたヌクレオチドから選択される。
【0149】
したがって、一部の実施形態では、本開示による標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドは、1つまたはそれ以上の式(I-A)の標的化されていないヌクレオチド類似体、および式(I-B)と異なる構造を有する1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチドを含む。
【0150】
これらの実施形態の一部によれば、標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドは、(i)1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を包含する、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチドを含むセンス鎖オリゴヌクレオチド、および(ii)標的化されていないアンチセンス鎖オリゴヌクレオチド、すなわち標的化されたヌクレオチドを含まないアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。これらの実施形態の他の一部によれば、標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドは、(i)標的化されたヌクレオチドを含まない標的化されていないセンス鎖オリゴヌクレオチド、および(ii)1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を包含する、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチドを含む標的化されたアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。それでもなお他の実施形態によれば、標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドは、(i)1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を包含する、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチドを含むセンス鎖オリゴヌクレオチド、および1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体を包含する、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチドを含む標的化されたアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0151】
一部の実施形態では、本開示による標的化された二本鎖オリゴヌクレオチドは:
- (i)1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体、および(ii)式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含むセンス鎖オリゴヌクレオチド、ならびに
- アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド中に一方または両方のオーバーハングが存在する場合、5’-オーバーハングにも3’-オーバーハングにも配置されていない、1つまたはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体、すなわち1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を含むアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、前記アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドは、これらのオーバーハングの一方または両方が存在する実施形態において、その5’-オーバーハングまたは3’-オーバーハングに1つまたはそれ以上の式(I-A)のヌクレオチド類似体を更に含む。
【0152】
本開示の他所で開示されたように、式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、細胞標的化部分として基R3を有する。細胞標的化部分は本開示の他所で開示されている。
【0153】
特定の実施形態では、前記1つまたはそれ以上の式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体は、オリゴヌクレオチド鎖の選択された末端においてこれらの標的化されたヌクレオチド類似体の連続的な鎖を形成するように互いに連結されており、すなわち前記式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体は、選択されたアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドまたは選択されたセンス鎖オリゴヌクレオチドにおいて連続している。
【0154】
二本鎖オリゴヌクレオチドの更なる実施形態
例証の目的のために、本開示を限定せずに、二本鎖オリゴヌクレオチドはまた、修飾されているセンスおよび/またはアンチセンス鎖に1つまたはそれ以上の更なるヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0155】
修飾は、核酸または塩基の類似体での置換または挿入、および塩基、糖またはリン酸部分の化学修飾から選択することができる。選択された修飾は、3’末端デオキシ-チミン、2’-O-メチル、2’-デオキシ修飾、2’-デスオキシ-フルオロ、2’-アミノ修飾、2’-アルキル修飾、ホスホロチオエート修飾、ホスホロアミデート修飾、5’-ホスホロチオエート基修飾、5’-リン酸もしくは5’-リン酸擬似体修飾、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基修飾からそれぞれ個々に選択してもよいし、および/または修飾されたヌクレオチドは、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチドまたは非天然塩基を含むヌクレオチドのいずれか1つであってもよい。好ましい実施形態の1つは、少なくとも1つの修飾が2’-O-メチルであり、および/または少なくとも1つの修飾が2’-デスオキシ-フルオロであるものであり得る。
【0156】
修飾されたオリゴヌクレオチドの他の例は、本明細書で使用される場合、以下:修飾、例えば、連結していないリン酸と酸素の一方または両方および/または連結しているリン酸と酸素の1つまたはそれ以上の置き換え;リン酸部分の置き換え;天然に存在する塩基の修飾もしくは置き換え;リボース-リン酸主鎖の置き換えもしくは修飾;RNAの3’末端もしくは5’末端の修飾、例えば、末端リン酸基の除去、修飾もしくは置き換え、またはRNAの3’もしくは5’末端のいずれかへの部分、例えば蛍光標識した部分のコンジュゲーションのうち1つまたはそれ以上を含み得る。
【0157】
標的化されたオリゴヌクレオチド-細胞標的化部分の更なる実施形態
本明細書における標的化されたヌクレオチドは、特異的な細胞または組織を標的化する1つまたはそれ以上のリガンドに連結することができる。このようなリガンドは、「細胞標的化部分」とも呼ばれる。リガンドは、例えば、特異的な細胞の標的化の改善、オリゴヌクレオチドの細胞内在化の改善、および/または細胞内mRNA標的化の改善によって、siRNAなどの得られたオリゴヌクレオチドの細胞への送達効率を増加させる任意の分子基を包含する。リガンドは、受容体特異的なペプチド、受容体特異的なタンパク質(例えば、モノクローナル抗体または融合タンパク質)、および受容体特異的な小分子リガンド(例えば、GalNAc基などの炭水化物)を含む群から選択することができる。
【0158】
リガンドは、天然に存在するものでもよいし、または組換えもしくは合成であってもよい。例えば、リガンドは、タンパク質、炭水化物、リポ多糖、脂質、合成ポリマー、ポリアミン、アルファヘリカルペプチド、レクチン、ビタミン、または補因子であり得る。一部の実施形態では、リガンドは、1つまたはそれ以上の色素、架橋剤、多環式芳香族炭化水素、ペプチドコンジュゲート(例えば、RGDペプチド、アンテナペディアペプチド、Tatペプチド)、ポリエチレングリコール(PEG)、酵素、ハプテン、輸送/吸収促進因子、合成リボヌクレアーゼ(例えば、イミダゾール、ビスイミダゾール、ヒスタミン、またはイミダゾールクラスター)、ヒト血清アルブミン(HSA)、またはLDLである。
【0159】
一例として、リガンドは、共リガンドへの特異的な親和性を有する1つまたはそれ以上のタンパク質、糖タンパク質、ペプチド、または分子であり得る。このようなリガンドとしては、チロトロピン、メラノトロピン、糖タンパク質、サーファクタントタンパク質A、ムチン炭水化物、ラクトース(例えば、多価ラクトース)、ガラクトース(例えば、多価ガラクトース)、N-アセチル-ガラクトサミン(例えば、多価N-アセチル-ガラクトサミン)、N-アセチル-グルコサミン(例えば、多価N-アセチル-グルコサミン)、マンノース(例えば、多価マンノース)、フコース(例えば、多価フコース)、グリコシル化ポリアミノ酸、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタメート、ポリアスパルテート、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸塩、ビタミンB12、およびビオチンを挙げることができる。
【0160】
一部の実施形態では、細胞標的化部分は、1つまたはそれ以上の色素、架橋剤、多環式芳香族炭化水素、ペプチドコンジュゲート(例えば、アンテナペディアペプチド、Tatペプチド)、ポリエチレングリコール(PEG)、酵素、ハプテン、輸送/吸収促進因子、合成リボヌクレアーゼ(例えば、イミダゾール、ビスイミダゾール、ヒスタミン、またはイミダゾールクラスター)、ヒト血清アルブミン(HSA)、またはLDLである。
【0161】
一部の実施形態では、リガンドは、1つまたはそれ以上のコレステロール誘導体または親油性部分であり得る。任意の親油性化合物としては、これらに限定されないが、コレステロールまたはコレステロール誘導体;コール酸;ビタミン(例えば葉酸塩、ビタミンA、ビタミンE(トコフェロール)、ビオチン、ピリドキサール;飽和および不飽和の両方を含む胆汁または脂肪酸コンジュゲート(例えばラウロイル(C12)、ミリストイル(C14)およびパルミトイル(C16)、ステアロイル(C18)およびドコサニル(C22)、リトコール酸および/またはリトコール酸オレイルアミンコンジュゲート(リトコール酸-オレイル、C43);ポリマー性の主鎖または足場(例えばPEG、トリエチレングリコール(TEG)、ヘキサエチレングリコール(HEG)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLG)、流体力学的なポリマー;ステロイド(例えばジハイドロテストステロン);テルペン(例えばトリテルペン);カチオン脂質またはペプチド;および/または脂質または脂質ベースの分子を挙げることができる。このような脂質または脂質ベースの分子は、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)と結合することができる。脂質ベースのリガンドは、コンジュゲートの標的組織への結合をモジュレート(例えば、制御)するのに使用することができる。例えば、より強くHSAに結合する脂質または脂質ベースのリガンドは、腎臓に標的化される可能性が低いと予想され、それゆえに体から排除される可能性が低い。標的組織は、肝臓、例えば肝臓実質細胞などであり得る。
【0162】
ポリアミノ酸、トランスフェリン、細胞標的化リガンドまたは部分もまた、特異的な細胞型、例えば肝細胞における受容体に結合する抗体であり得る。例示的な細胞受容体特異的なモノクローナル抗体は、Xiaら(2009、Mol Pharm、63(3):747~751);Cuellarら(2015、Nucleic Acids Research、43(2):1189~1203);Baumerら(2016、Nat Protocol、11(1):22~36);Ibtejahら(2017、Clin Immunol、176:122~130);およびSugoら(2016、J Control Release、237:1~13)によって開示されたものである。
【0163】
細胞標的化リガンドまたは部分はまた、1価または多価の(例えば、3価の)GalNAc基、例えばPrakashら(2015、Bioorg Med Chem Lett、25(19):4127~4130);Zuら(2016、Mol Ther-Nucleic Acids、e317、doi:10.1038/mnta.2016.26);Zimmermannら(2017、Mol Ther、25(1):71~78);Shemeshら(2016、Ther Nucleic Acids、5:e319-doi:10.1038/mnta.2016.31);Huangら(2016、Mol Ther-Nucleic Acids、6:116~132);Rozemaら(2007、Proc Natl Acad Sci USA、104(32):12982~12987);Rajeevら(2015、Chembiochem、16(6):903~908);およびNairら(2014、J Am Chem Soc、136(49):16958~16961)によって開示されたものも包含する。
【0164】
修飾されたdsRNAの調製
本開示のdsRNAは、1つまたはそれ以上のリガンド、部分またはコンジュゲートに化学的/物理的に連結されてもよい。一部の実施形態では、dsRNAは、リンカーを介して1つまたはそれ以上のリガンドにコンジュゲート/付着されている。例えば多価の分枝状リンカーなどの当業界において公知の任意のリンカーを使用することができる。リガンドをdsRNAにコンジュゲートすることは、その分布を変更したり、その細胞吸収および/もしくは特定の組織への標的化および/もしくは1つまたはそれ以上の特異的な細胞型(例えば、肝臓細胞)による取り込みを強化したり、および/またはdsRNA剤の寿命を強化したりすることができる。一部の実施形態では、疎水性リガンドは、細胞膜を通過する直接の透過および/または細胞(例えば、肝臓細胞)による取り込みを容易にするために、dsRNAにコンジュゲートされる。
【0165】
dsRNAコンジュゲートの一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のヌクレオチドは、標的化部分が結合している基を含んでいてもよく、例えば、1つまたはそれ以上のヌクレオチドは、標的化部分が結合している基を含み、この場合、標的化部分が、場合によっては連結基を介してヌクレオチド主鎖に共有結合で連結されている。これらの実施形態によれば、dsRNAの1つまたはそれ以上のヌクレオチドは、標的化部分を含む標的化部分が結合している基にコンジュゲートされており、この場合、標的化部分は、組成物の細胞内送達を強化するリガンド(例えば、細胞透過性部分または薬剤)であり得る。
【0166】
本開示の、リガンドがコンジュゲートしたdsRNAおよびリガンド分子が結合している配列特異的な連結されたヌクレオシドおよびヌクレオチドは、当業界において公知の任意の方法によってアセンブルすることができ、例えば、標準的なヌクレオチド前駆体、またはすでに連結部分を有するヌクレオチドもしくはヌクレオシドコンジュゲート前駆体、リガンド-ヌクレオチド、またはすでにリガンド分子を有するヌクレオシドにコンジュゲートした前駆体、またはヌクレオシドとリガンドが結合していない構成単位を利用する好適なDNAシンセサイザーでのアセンブリなどによってアセンブルすることができる。
【0167】
本開示のリガンドがコンジュゲートしたdsRNAは、当業界において公知の任意の方法によって合成でき、例えば、ペンダント反応性官能性が結合しているdsRNA、例えばdsRNA上の連結分子の付着によって得られたものの使用などによって合成できる。一部の実施形態では、この反応性オリゴヌクレオチドは、商業的に入手可能なリガンド、様々な保護基のいずれかが結合している合成されたリガンド、または連結部分を付着させたリガンドと直接的に反応することができる。一部の実施形態では、本方法は、リガンドと適切にコンジュゲートされ、更に固体支持体材料に付着されていてもよいヌクレオシド単量体の使用によって、リガンドがコンジュゲートしたdsRNAの合成を容易にする。一部の実施形態では、dsRNAの3’末端に付着されたアラルキルリガンドが結合しているdsRNAは、まずアミノアルキル基を介して制御多孔質ガラス支持体に単量体構成単位を共有結合で付着させることによって調製され;次いで、ヌクレオチドは、固体支持体に結合した単量体構成単位に標準的な固相合成技術を介して結合する。単量体構成単位は、ヌクレオシドまたは固相合成に適合する他の有機化合物であり得る。
【0168】
式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体の前駆体
式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体は、前駆体化合物から開始することによって合成することができ、このような化合物は、本明細書においてヌクレオチド類似体前駆体と呼ぶこともある。
【0169】
式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体の両方は、以下の式(II)のそれらの対応する前駆体化合物から合成することができる。
【0170】
容易に理解されると予想されるように、式(I-A)のヌクレオチド類似体は、以下の式(II-A)のヌクレオチド類似体前駆体(式中、基R3は、細胞標的化部分からなっていない)から開始することによって調製することができる。更に、式(I-B)のヌクレオチド類似体は、以下の式(II-B)のヌクレオチド類似体前駆体(式中、基R3は、細胞標的化部分からなる)から開始することによって調製することができる。
【0171】
本開示はまた、一般式(II)のヌクレオチド類似体前駆体も記載する。
【化1】
式中:
- Bは、複素環式の核酸塩基であり;
- P1およびP2は、それぞれ独立して、H、反応性リン基または保護基であり;
- Yは、O、NH、NR1またはN-C(=O)-R1であり、R1は:
・場合により非置換の、またはハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基、-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、および-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基によって置換された(C~C20)アルキル基(式中、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている)であるか、
・場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つもしくはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であるか、または
・基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3(式中、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、水素原子、(C1~C6)アルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基または(C5~C14)ヘテロアリール基からなる群から選択されるか、
または
R3は、細胞標的化部分である)であり、
- X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、-(C1~C6)アルキル基であり、
- Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である。
【0172】
本開示の目的のために、式(II)の化合物は、用語「ヌクレオチド前駆体」に包含される。本開示の目的のために、基R3が存在し、細胞標的化部分を意味する式(II)の化合物は、用語「標的化されたヌクレオチド前駆体」に包含される。
【0173】
本明細書で開示される式(I)、例えば(I-A)、および(I-B)、ならびに(II)の化合物は、それらの異性体、例えば立体異性体を包含し、その例としては、式(I)および(II)の化合物の位置の番号付けおよびキラル中心を特定した以下の式で具体的に記載されるように、それらの(2S,6R)立体異性体およびそれらの(2R,6R)立体異性体が挙げられ、以下に、式(I)および(II)の化合物に関して例示する:
【化2】
【0174】
本明細書に記載の例で示されることになるが、オリゴヌクレオチド中に取り込まれる場合、式(I)の化合物の(2S,6R)立体異性体および式(I)の化合物の(2R,6R)立体異性体は、標的mRNAの優れた阻害を可能にするsiRNAを生成する能力を授けられている。
【0175】
しかしながら、siRNAなどの本開示の二本鎖オリゴヌクレオチドの一部の実施形態では、立体配置(2R,6R)を有する式(I-A)のヌクレオチド類似体の立体異性体が好ましい。
【0176】
本明細書において一部の例で示されるように、二本鎖オリゴヌクレオチドにおける、その(2R,6R)立体異性体からなる式(I-A)のヌクレオチド類似体の使用は、ヌクレオチド類似体(I-A)が、本明細書で特定されるハイブリダイジングヌクレオチド類似体として取り込まれる場合、例えば、siRNAのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域中に取り込まれる場合、一部の実施形態では、siRNAのセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域中に取り込まれる場合、対応する(2S,6R)立体異性体と比較してより優れたインビボにおける前記二本鎖オリゴヌクレオチド、例えばsiRNAの効力をもたらす。
【0177】
本明細書では「ジオキサン類似体」と呼ぶこともある式(II)の化合物の一部の実施形態では、Yは、Oである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB1(式中、Bは式(II)で定義された通りである)と呼ばれ、例えば、Bがチミジニル(thymidinyl)基からなる場合、プレlT1と呼ばれる。
【0178】
本明細書では「モルホリノ類似体」と呼ぶこともある式(II)の化合物の他の実施形態では、Yは、NH、NR1またはN-C(=O)R1である。
【0179】
式(II)のモルホリノ類似体において、窒素原子は、得られたモルホリノ類似体を含有するオリゴヌクレオチド、および特に得られたモルホリノ類似体を含有するsiRNAの特性を改善するように好ましくは官能化されている。
【0180】
式(II)の化合物の一部の実施形態では、化合物は、細胞標的化部分を含まない本開示のモルホリノ類似体である。これらの実施形態によれば、基R3は、存在する場合、細胞標的化部分を表さない。
【0181】
したがって、式(II)のモルホリノ類似体の一部の好ましい実施形態では、Yは、NH、NR1またはN-C(=O)-R1であり、R1は、一般式(II)に関して定義された通りである。
【0182】
YがNR1である一部の実施形態では、R1が:
・場合により、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基、-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、および-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C20)アルキル基(式中、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている)であるか、または
・場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であるか、
・基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3(式中、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、水素原子、(C1~C6)-アルキル、(C1~C6)-アルコキシ、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基または(C5~C14)ヘテロアリール基からなる群から選択される)であり、
X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、(C1~C6)アルキル基であり、Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である。
【0183】
本明細書において意図される通り、(C1~C20)アルキル基は、非置換のアルキル基または置換されたアルキル基のいずれであってもよく、その例としては、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19およびC20アルキル基が挙げられる。
【0184】
本明細書において意図される通り、(C1~C6)アルキル基は、非置換のアルキル基または置換されたアルキル基のいずれであってもよく、その例としては、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルキル基が挙げられる。
【0185】
本明細書において意図される通り、(C3~C8)シクロアルキル基は、非置換のシクロアルキル基または置換されたシクロアルキル基のいずれであってもよく、その例としては、C3、C4、C5、C6、C7およびC8シクロアルキル基が挙げられる。
【0186】
本明細書において意図される通り、(C3~C14)複素環は、非置換の、または置換された複素環のいずれであってもよく、その例としては、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13およびC14複素環が挙げられる。
【0187】
本明細書において意図される通り、(C6~C14)アリール基は、非置換のアリール基または置換されたアリール基のいずれであってもよく、その例としては、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13およびC14アリール基が挙げられる。
【0188】
本明細書において意図される通り、(C5~C14)ヘテロアリール基は、非置換のヘテロアリール基または置換されたヘテロアリール基のいずれであってもよく、その例としては、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13およびC14ヘテロアリール基が挙げられる。
【0189】
YがNR1である式(II)の化合物の一部の実施形態では、R1は、場合により置換された(C1~C20)アルキル基であり、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)に関して定義された通りである。
【0190】
YがNR1であるこれらの実施形態の一部において、R1は、非置換の(C1~C20)アルキル基である。
【0191】
YがNR1である実施形態の一部では、R1は、非置換の(C1~C16)アルキル基であり、その例としては、メチル、イソプロピル、ブチル、オクチル、ヘキサデシルを含む群から選択されるアルキル基が挙げられ、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0192】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、メチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)に関して定義された通りである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB2と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、Bがチミジニル基からなる場合、プレlT2と呼ばれる。
【0193】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、イソプロピル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)に関して定義された通りである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB3と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT3(式中、Bは、チミジニル基からなる)、プレlU3(式中、Bは、ウラシル基からなる)、プレlG3(式中、Bは、グアニル基からなる)、プレlC3(式中、Bは、シトシル基からなる)、およびプレlA3(式中、Bは、アデニル基からなる)と呼ばれる。
【0194】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、ブチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)に関して定義された通りである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB6と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT6と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。
【0195】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、オクチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)に関して定義された通りである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB7と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT7と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。
【0196】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、直鎖状C16-アルキル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)に関して定義された通りである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB8と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT8と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。
【0197】
YがNR1である式(II)の化合物の更なる実施形態では、R1は、一般式(II)で定義された通りに置換された(C1~C20)アルキル基であり、その例としては、一般式(II)で定義された通りに置換された、C1、C2またはC3アルキル基が挙げられる。
【0198】
これらの更なる実施形態の一部では、R1は、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基および(C5~C14)ヘテロアリール基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換された(C1~C20)アルキル基であり、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0199】
これらの更なる実施形態の一部では、R1は、(C6~C14)アリール基で置換された(C1~C20)アルキル基であり、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0200】
YがNR1である式(II)の化合物の一部の実施形態では、R1は、(C6~C14)アリール基で置換された(C1~C20)アルキル基である。これらの実施形態は、YがNR1であり、R1がアリール基で置換されたメチレン基である式(II)の化合物を包含する。これらの実施形態はまた、YがNR1である式(II)の化合物も包含し、R1は、フェニル基で置換された(C1~C20)アルキル基である。
【0201】
YがNR1である式(II)の化合物の一部の実施形態では、R1は、非置換のフェニル基で置換されたメチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、それぞれ水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)で定義された通りである。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB5と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT5と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。
【0202】
YがNR1である式(II)の化合物の更なる実施形態では、R1は、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であり、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0203】
YがNR1である式(II)の化合物のこれらの更なる実施形態の一部では、R1は、シクロヘキシルである。
【0204】
YがNR1である式(II)の化合物のこれらの更なる実施形態の一部では、R1は、非置換のシクロヘキシルであり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、それぞれ水素原子であり、P1およびP2は、一般式(II)に関して定義された通りである。
【0205】
本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB4と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT4と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。
【0206】
式(II)のモルホリノ類似体の一部の他の実施形態では、Yは、N-C(=O)-R1であり、R1は、場合により、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C20)アルキル基であり、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R1は、場合により、ハロゲン原子または(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であり、
P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0207】
YがN-C(=O)-R1である実施形態の一部では、R1は、場合により置換された(C1~C20)アルキル基であり、その例としては、場合により置換された(C1~C15)アルキル基が挙げられ、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0208】
YがN-C(=O)-R1であるこれらの実施形態の一部によれば、R1は、メチルおよびペンタデシル基を含む群から選択され、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0209】
これらの実施形態は、YがN-C(=O)-R1であり、R1がメチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2がそれぞれ水素原子を表し、B、P1およびP2は、一般式(II)で定義された通りである式(II)の化合物を包含する。
【0210】
本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB9と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド類似体の実施形態は、プレlT9と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。これらの実施形態はまた、YがN-C(=O)-R1であり、R1がペンタデシル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2がそれぞれ水素原子を表し、B、P1およびP2は、一般式(II)で定義された通りである式(II)の化合物も包含する。本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlB10と呼ばれ、Bは、一般式(II)での意味と同じ意味を有し;例えば、本開示におけるこのようなヌクレオチド前駆体の実施形態は、プレlT10と呼ばれ、式中、Bは、チミジニル基からなる。
【0211】
式(II)の化合物において、Bは、複素環式の核酸塩基部分である。用語「複素環式の核酸塩基」は、本明細書で使用される場合、場合により置換された、ジオキサン環またはモルホリノ環に共有結合で連結された窒素含有複素環を指す。一部の実施形態では、複素環式の核酸塩基は、場合により置換されたプリン塩基および場合により置換されたピリミジン塩基から選択することができる。用語「プリン塩基」は、本明細書において、当業者によって理解される通りのその通常の意味で使用され、その互変異性体を含む。同様に、用語「ピリミジン塩基」は、本明細書において、当業者によって理解される通りのその通常の意味で使用され、その互変異性体を含む。場合により置換されたプリン塩基の非限定的な列挙としては、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、アロキサンチン、7-アルキルグアニン(例えば7-メチルグアニン)、テオブロミン、カフェイン、尿酸およびイソグアニンが挙げられる。ピリミジン塩基の例としては、これらに限定されないが、シトシン、チミン、ウラシル、5,6-ジヒドロウラシルおよび5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)が挙げられる。複素環塩基の他の非限定的な例としては、ジアミノプリン、8-オキソ-Nアルキルアデニン(例えば、8-オキソ-Nメチルアデニン)、7-デアザキサンチン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、Nエタノシトシン、N<6>,N<6>-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-ハロウラシル(例えば、5-フルオロウラシルおよび5-ブロモウラシル)、プソイドイソシトシン、イソシトシン、イソグアニン、1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、ならびに追加の複素環塩基を開示する限定的な目的のために参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,432,272号および7,125,855号に記載される他の複素環塩基が挙げられる。一部の実施形態では、複素環塩基は、アミンまたはエノール保護基で場合により置換される。一部の実施形態では、Bは、ピリミジン、置換されたピリミジン、プリンおよび置換されたプリンを含む群から選択され、それらのアミノ基は、存在する場合、場合により保護基によって保護されている。
【0212】
好ましい実施形態では、Bは、アデニン、チミン、ウラシル、グアニンおよびシトシン(すなわちアデニル、チミニル、ウラシル、グアニルおよびシトシル基)を含む群から選択される。アデニン、グアニンおよびシトシンは、場合によりアミン保護基によって保護されている。アミン保護基は、例えばベンゾイル、フェニルアセチルおよびイソブチリル-保護基のようなアシル基、または例えばN,N-ジメチル-ホルムアミジンのようなホルムアミジン保護基を包含する。
【0213】
すでに述べたように、式(II)の化合物において、基P1およびP2は、それぞれ独立して、水素原子、反応性リン基または保護基である。
【0214】
「反応性リン基」は、本明細書で使用される場合、ヌクレオチド単位またはヌクレオチド類似体単位に含まれるリンを含有する基であって、求核性攻撃反応を介して、別の分子に含まれる、特に別のヌクレオチド単位または別のヌクレオチド類似体に含まれるヒドロキシル基またはアミン基と反応することができる基を指す。一般的に、このような反応は、前記第1のヌクレオチド単位または前記第1のヌクレオチド類似体単位を前記第2のヌクレオチド単位または前記第2のヌクレオチド類似体単位に連結するエステル型のヌクレオシド間連結を生成する。
【0215】
一部の実施形態では、反応性リン基は、ホスホロアミダイト、H-リン酸エステル、アルキルリン酸エステル、リン酸エステルまたはリン酸エステル擬似体からなる群から選択することができ、その例としては、これらに限定されないが:天然リン酸エステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ボラノリン酸エステル、ボラノチオリン酸エステル、リン酸エステル、ハロゲンで置換されたホスホン酸エステルおよびリン酸エステル、ホスホロアミデート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、チオホスホジエステル、チオホスホトリエステル、二リン酸エステルおよび三リン酸エステルが挙げられる。保護基は、ヒドロキシル、アミンおよびホスホロアミダイト保護基を包含し、これは、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bzl)、ベンジル(Bn)、イソブチリル(iBu)、フェニルアセチル、ベンジルオキシメチルアセタール(BOM)、ベータ-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、メトキシメチルエーテル(MOM)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、トリフェニルメチル(Trt)、メトキシトリチル[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル](MMT)、ジメトキシトリチル、[ビス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル(DMT)、トリメチルシリルエーテル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリルエーテル(TBDMS)、トリイソプロピルシリルオキシメチルエーテル(TOM)、トリ-イソプロピルシリルエーテル(TIPS)、メチルエーテル、エトキシエチルエーテル(EE)、N,N-ジメチルホルムアミジンおよび2-シアノエチル(cynaonethyl)(CE)を含む群から選択することができる。
【0216】
式(II)の化合物(式中、Y、B、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、一般式(II)に関して定義された通りである)の一部の実施形態では、P1またはP2の一方は、O-4,4’-ジメトキシトリチル基(DMT)であり、P1およびP2の他方は、H、反応性リン基または保護基である。
【0217】
式(II)の化合物(式中、Y、B、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、一般式(II)に関して定義された通りである)の一部の実施形態では、P1およびP2の一方は、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト基であり、P1およびP2の他方は、保護基である。
【0218】
式(II)の化合物(式中、Y、B、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、一般式(II)に関して定義された通りである)の一部の実施形態では、P1およびP2の一方は、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト基であり、P1およびP2の他方は、O-4,4’-ジメトキシトリチル基である。
【0219】
更に、Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hまたは(C1~C6)アルキル基であり、好ましくはHまたは非置換の(C~C)アルキル基である。
【0220】
(C1~C6)アルキル基は、本明細書で使用される場合、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルキル基を含む群から選択されるアルキル基を包含する。
【0221】
最も好ましい実施形態において、X1およびX2の両方は、水素原子を表す。
【0222】
最も好ましい実施形態において、Ra、Rb、RcおよびRdは全て、水素原子を表す。
【0223】
標的化されたヌクレオチド類似体を含む式(II)の化合物の実施形態
本明細書でこれまでに特定されたように、本開示は、式(II)の化合物[式中:
- Bは、複素環式の核酸塩基であり;
- P1およびP2は、それぞれ独立して、H、反応性リン基または保護基であり;
- Yは、NR1であり、R1は、基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3(式中、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、細胞標的化部分である)であり、
- X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、(C1~C6)アルキル基であり、
- Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である]
を包含する。
【0224】
これらの式(II)の化合物は、本開示において「標的化されたヌクレオチド前駆体」と呼ぶこともある、より一般的な化合物のファミリーに包含される。本開示において、基R3が存在し、細胞標的化部分を表す式(II)の化合物は、「式(II)の標的化されたヌクレオチド前駆体」または「標的化されたヌクレオチド前駆体(II)」と呼ぶこともある。
【0225】
細胞標的化部分を表す基R3を含まない式(II)の化合物は、標的化されたヌクレオチド前駆体ではなく、本開示において、「式(II)の標的化されていないヌクレオチド前駆体」または「標的化されていないヌクレオチド前駆体(II)」と呼ばれる。
【0226】
式(II)の標的化されたヌクレオチド前駆体の一部の実施形態では、R1は、基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3であり、mは、0であり、pは、0であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、およびR2は、式(II)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。一部の実施形態では、R2は、エチレン基であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。これらの実施形態の他の一部では、R2は、ペンチレン基であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。一部の実施形態では、R2は、(C12)アルキレンであり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。
【0227】
式(II)の化合物の一部の実施形態では、R1は、基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3であり、mは、0であり、pは、1、2、3および4からなる群から選択される整数であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびR2は、式(II)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。一部の実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、1であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。一部の実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、2であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。一部の実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、3であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。一部の実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、4であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。
【0228】
式(II)の化合物の一部の実施形態では、R1は、基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3であり、mは、1であり、pは、0であり、R3は、細胞標的化部分であり、R2、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、式(II)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。これらの実施形態の一部では、R2は、ブチレンであり、X1およびX2はそれぞれ水素原子を表し、B、P1、P2、Ra、Rb、RcおよびRdは、一般式(II)に関して定義された通りである。これらの実施形態の更なる一部では、R2は、(C11)アルキレンであり、X1およびX2の両方は、水素原子を表し、B、P1、P2、Ra、Rb、RcおよびRdは、一般式(II)に関して定義された通りである)。一部の更なる一層のこれらの実施形態では、R2は、メチレンであり、X1およびX2の両方は、水素原子を表し、B、P1、P2、Ra、Rb、RcおよびRdは、一般式(II)に関して定義された通りである。
【0229】
R1が基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3である式(II)の化合物の一部の実施形態では、mが1であり、pが1および2からなる整数の群から選択され、R3は、細胞標的化部分であり、R2、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、式(II)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。これらの実施形態の一部では、R2は、メチレン基であり、pは、2であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、一般式(II)に関して定義された通りである。これらの実施形態の他の一部では、R2は、メチレン基であり、pは、1であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、一般式(II)に関して定義された通りである。
【0230】
式(I)の化合物の一部の実施形態では、Ra、Rb、RcおよびRdは、水素原子である。
【0231】
一般的に、基R3は、本開示で特定された任意の細胞標的化部分を含む当業界において公知の任意の細胞標的化部分を包含し、その例としては、本開示において標的化されたオリゴヌクレオチドの説明のために特定されている細胞標的化部分が挙げられる。
【0232】
式(II)の化合物の一部の実施形態では、R3は、式(III)
【化3】
(式中、
A1、A2およびA3は、OHまたはO-C(=O)-R4であり、R4は、(C1~C6)-アルキルまたは(C6~C10)-アリール基である)
を有する。
【0233】
A4は、OH、O-C(=O)-R4、NHC(=O)-R5であり、R4は、上記で定義された通りであり、R5は、場合によりハロゲン原子で置換されている(C1~C6)-アルキル基である。
【0234】
一部の好ましい実施形態では、A1、A2およびA3は、O-C(=O)-R4であり、R4は、(C1~C6)-アルキルまたは(C6~C10)-アリール基である。
【0235】
一部の好ましい実施形態では、A1、A2およびA3は、O-C(=O)-R4であり、R4は、メチルまたはフェニル基である。
【0236】
一部の好ましい実施形態では、A1、A2およびA3は、O-C(=O)-R4であり、R4は、メチルである。
【0237】
一部の好ましい実施形態では、A4は、O-C(=O)-R4またはNHC(=O)-R5であり、R4は、(C1~C6)アルキルまたは(C6~C10)-アリール基であり、R5は、場合によりハロゲン原子で置換されている(C1~C6)-アルキル基である。
【0238】
一部の好ましい実施形態では、A1、A2およびA3は、O-C(=O)-R4であり、R4は、メチルであり、A4は、O-C(=O)-R4またはNHC(=O)-R5であり、R4およびR5のそれぞれは、メチルである。
【0239】
一部の好ましい実施形態では、R3は、式(III-A)の3,4,6-トリ-O-アセチル-D-N-アセチルガラクトシルアミンである:
【化4】
【0240】
本開示はまた、本明細書において特定された式(II)の化合物であるヌクレオチド類似体前駆体を使用することによってオリゴヌクレオチド中に導入された1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドにも関する。
【0241】
本開示は、本明細書の他所で、式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体が、存在する場合、そのアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングにも3’-オーバーハングにもないと詳細に説明される通りの、1つまたはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含む、一本鎖オリゴヌクレオチドおよび二本鎖オリゴヌクレオチドに関し、特にsiRNAに関し、場合によっては式(I-B)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体にも関する。
【0242】
本開示は、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイジング領域中に1つまたはそれ以上の式(I-A)のハイブリダイジングヌクレオチド類似体を含む、場合によってはセンス鎖オリゴヌクレオチド中に1つまたはそれ以上のハイブリダイジングヌクレオチド類似体(I-A)を含む、一本鎖オリゴヌクレオチドおよび二本鎖オリゴヌクレオチド、特にsiRNAに関する。更に、二本鎖オリゴヌクレオチド、特にsiRNAは、存在する場合、センスおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングに、3’-オーバーハングに、または5’-オーバーハングと3’-オーバーハングの両方に1つまたはそれ以上の非標的化ヌクレオチド類似体を含んでいてもよいし、場合によっては、センスおよびアンチセンス鎖オリゴヌクレオチドの5’-オーバーハングに、3’-オーバーハングに、または5’-オーバーハングと3’-オーバーハングの両方に1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチド類似体(I-B)を含んでいてもよい。
【0243】
式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体を以下で更に詳述する。
【0244】
式(I-A)および(I-B)のヌクレオチド類似体
本明細書で開示される式(II)の化合物は、オリゴマー化合物の単量体単位として、特にオリゴヌクレオチドの単量体単位として、例えば、二本鎖RNA(「dsRNA」)オリゴマーの単量体単位として、特にsiRNAの単量体単位などとして含まれるように考え出されたヌクレオチド類似体構成単位であり、これは、「ヌクレオチド類似体前駆体」とも呼ばれる。本明細書において式(II)の化合物で記載されるヌクレオチド類似体前駆体のオリゴヌクレオチドへの取り込みは、前記オリゴヌクレオチドにおいて、式(I)の化合物として本明細書に記載される対応する単量体単位の存在をもたらし、この式(I)の化合物は、(i)式(I-A)のヌクレオチド類似体または(ii)式(I-B)のヌクレオチド類似体のいずれかからなる。
【0245】
更に後述されるように、式(I-A)のヌクレオチド類似体は、式(I)の化合物(式中、基R3は、細胞標的化部分からなっていない)からなる。また式(I-B)のヌクレオチド類似体も、式(I)の化合物(式中、基R3は、細胞標的化部分からなる)からなる。
【0246】
本開示はまた、式(I):
【化5】
[式中、
- Bは、複素環式の核酸塩基であり;
- L1およびL2の一方は、式(I)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、L1およびL2の他方は、H、保護基、リン部分または式(I)の化合物をヌクレオチドに連結するヌクレオシド間連結基であり、
- Yは、O、NH、NR1またはN-C(=O)-R1であり、R1は:
・場合により、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基、-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C20)アルキル基(式中、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている)であるか、
・場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であるか、
・基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3(式中、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、および-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、水素原子、(C1~C6)アルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基または(C5~C14)ヘテロアリール基からなる群から選択されるか、
または
R3は、細胞標的化部分である)であり、
- X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、(C1~C6)アルキル基であり、
- Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である]
のヌクレオチド類似体、ならびにその任意の異性体、例えば立体異性体、またはその医薬的に許容される塩にも関する。
【0247】
本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドの一部の好ましい実施形態では、式(I)の化合物において、Yは、Oである。
【0248】
本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドの一部の他の好ましい実施形態では、式(I)の化合物において、Yは、NR1またはN-C(=O)-R1であり、R1は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0249】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、場合により、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基、-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C20)アルキル基であり、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、塩基の形態で、または酸との付加塩の形態である。
【0250】
YがNR1であるこれらの実施形態の一部において、R1は、非置換の(C1~C20)アルキル基であり、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、R2、R3およびBは、一般式(I)について定義されたのと同じ意味を有し、またはその医薬的に許容される塩である。
【0251】
YがNR1である実施形態の一部では、R1は、非置換の(C1~C16)アルキル基であり、その例としては、メチル、イソプロピル、ブチル、オクチル、ヘキサデシルを含む群から選択されるアルキル基が挙げられ、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(I)に関して定義されたのと同じ意味を有する。
【0252】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、メチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0253】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、イソプロピル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0254】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、フェニル基で置換されたメチル基であり、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、R2、R3およびBは、一般式(I)について定義されたのと同じ意味を有し、またはその医薬的に許容される塩である。
【0255】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、ブチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0256】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、オクチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0257】
YがNR1である一部の実施形態では、R1は、直鎖状C16アルキル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1およびX2は、水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0258】
YがNR1である式(I)の化合物の更なる実施形態では、R1は、一般式(I)で定義した通り置換された(C1~C20)アルキル基であり、その例としては、一般式(I)で定義した通り置換されたC1、C2またはC3アルキル基が挙げられる。
【0259】
これらの更なる実施形態の一部では、R1は、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基および(C5~C14)ヘテロアリール基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換された(C1~C20)アルキル基である。
【0260】
これらの更なる実施形態の一部では、R1は、(C6~C14)アリール基で置換された(C1~C20)アルキル基であり、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(I)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0261】
YがNR1である式(I)の化合物の一部の実施形態では、R1は、(C6~C14)アリール基で置換された(C1~C20)アルキル基である。これらの実施形態は、YがNR1であり、R1がアリール基で置換されたメチレン基である式(I)の化合物を包含する。これらの実施形態はまた、YがNR1であり、R1が、フェニル基で置換された(C1~C20)アルキル基である式(I)の化合物も包含する。
【0262】
YがNR1である式(I)の化合物の一部の実施形態では、R1は、非置換のフェニル基で置換されたメチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)で定義した通りである。
【0263】
YがNR1である式(I)の化合物の更なる実施形態では、R1は、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C3~C8)シクロアルキル基であり、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(I)について定義されたのと同じ意味を有する。
【0264】
YがNR1である式(I)の化合物のこれらの更なる実施形態の一部では、R1は、シクロヘキシル基であり、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、R2、R3およびBは、一般式(I)について定義されたのと同じ意味を有し、またはその医薬的に許容される塩である。
【0265】
YがNR1である式(I)の化合物のこれらの更なる実施形態の一部では、R1は、非置換のシクロヘキシルであり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、それぞれ水素原子であり、L1およびL2は、一般式(I)に関して定義された通りである。
【0266】
式(I)のオリゴヌクレオチドの一部の他の実施形態では、Yは、N-C(=O)-R1であり、R1は、(C1~C20)アルキル基であり、R1は、メチルおよびペンタデシルを含む群から選択され、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、R2、R3およびBは、一般式(I)について定義されたのと同じ意味を有し、またはその医薬的に許容される塩である。
【0267】
式(I)のオリゴヌクレオチドの一部の他の実施形態では、Yは、N-C(=O)-R1であり、R1は、場合により、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、(C3~C8)シクロアルキル基、(C3~C14)複素環、(C6~C14)アリール基、(C5~C14)ヘテロアリール基、-O-Z1、-N(Z1)(Z2)、-S-Z1、-CN、-C(=J)-O-Z1、-O-C(=J)-Z1、-C(=J)-N(Z1)(Z2)、および-N(Z1)-C(=J)-Z2から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C20)アルキル基であり、
Jは、OまたはSであり、
Z1およびZ2のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(II)に関して定義されたのと同じ意味を有する。
【0268】
YがN-C(=O)-R1である実施形態の一部では、R1は、場合により置換された(C1~C20)アルキル基であり、これは、場合により置換された(C1~C15)アルキル基を含み、L1、L2、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(I)に関して定義されたのと同じ意味を有する。
【0269】
YがN-C(=O)-R1である実施形態の一部では、R1は、非置換の(C1~C20)アルキル基であり、これは、非置換の(C1~C15)アルキル基を含み、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびBは、一般式(I)に関して定義されたのと同じ意味を有する。
【0270】
YがN-C(=O)-R1であるこれらの実施形態の一部によれば、R1は、メチルおよびペンタデシルを含む群から選択され、L1およびL2およびBは、一般式(I)に関して定義されたのと同じ意味を有する。これらの実施形態は、Yが、N-C(=O)-R1であり、R1は、メチル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2はそれぞれ水素原子を表し、B、L1およびL2は、一般式(I)で定義した通りである、式(II)の化合物を包含する。これらの実施形態はまた、Yが、N-C(=O)-R1であり、R1は、ペンタデシル基であり、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2はそれぞれ水素原子を表し、B、L1およびL2は、一般式(I)で定義した通りである、式(I)の化合物も包含する。
【0271】
式(I)のヌクレオチド類似体は、式(I-A)のヌクレオチド類似体または式(I-B)のヌクレオチド類似体のいずれかからなり、遊離塩基の形態で、または酸との付加塩の形態で存在することができる。式(I)のヌクレオチド類似体は、式(I-A)のヌクレオチド類似体または式(I-B)のヌクレオチド類似体のいずれかからなり、それらの医薬的に許容される塩の形態で存在することもでき、これもまた本開示の範囲内である。
【0272】
標的化されたヌクレオチド類似体とも呼ばれる式(I-B)のヌクレオチド類似体の実施形態
本明細書でこれまでに特定されたように、本開示はまた、塩基の形態で、または酸との付加塩の形態での、式(I-B)のヌクレオチド類似体[式中、
- Bは、複素環式の核酸塩基であり;
- L1およびL2の一方は、式(I)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、L1およびL2の他方は、H、保護基、リン部分または式(I)の化合物をヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり;
- Yは、NR1であり、R1は、基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3(式中、
mは、0または1を意味する整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
R2は、場合により(C1~C6)アルキル基、-O-Z3、-N(Z3)(Z4)、-S-Z3、-CN、-C(=K)-O-Z3、-O-C(=K)-Z3、-C(=K)-N(Z3)(Z4)、-N(Z3)-C(=K)-Z4で置換されている(C1~C20)アルキレン基であり、
Kは、OまたはSであり、
Z3およびZ4のそれぞれは、独立して、Hであるか、場合によりハロゲン原子および(C1~C6)アルキル基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
R3は、細胞標的化部分である)であり、
- X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、(C1~C6)アルキル基であり、
- Ra、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、独立して、Hであるか、または(C1~C6)アルキル基である]
、ならびにそれらの任意の異性体、例えばそれらの立体異性体、または医薬的に許容される塩も包含する。
【0273】
これらの式(I-B)の化合物は、本開示において「標的化されたヌクレオチド類似体」と呼ぶこともある、より一般的な化合物のファミリーに包含される。
【0274】
R1が基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3である式(I-B)の標的化されたヌクレオチド類似体の一部の実施形態では、mが0であり、pが0であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、およびR2は、式(I-B)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。
【0275】
一部の実施形態では、R2は、エチレン基であり、X1およびX2は、両方とも水素原子であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rdは、式(I-BI)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。
【0276】
これらの実施形態の他の一部では、R2は、ペンチレン基であり、X1およびX2は、両方とも水素原子であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rdは、式(I-B)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。
【0277】
これらの実施形態の他の一部では、R2は、(C12)アルキレン基であり、X1およびX2は、両方とも水素原子であり、B、P1、P2、Ra、Rb、Rc、Rdは、式(I-B)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。
【0278】
R1が基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3である式(I-B)の化合物の一部の実施形態では、mが0であり、pが1、2、3および4からなる整数の群から選択され、R3は、細胞標的化部分であり、B、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2およびR2は、式(II)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。これらの実施形態の一部では、R2は、エチレン基であり、pは、1であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。更なる一層のこれらの実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、2であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。より更なるこれらの実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、3であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。それでもなお他のこれらの実施形態では、R2は、エチレン基であり、pは、4であり、X1およびX2は、両方とも水素原子である。
【0279】
R1が基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3である式(I-B)の化合物の一部の実施形態では、mが1であり、pが0であり、R3は、細胞標的化部分であり、R2、B、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、式(I-B)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。
【0280】
これらの実施形態の一部では、R2は、ブチレンであり、X1およびX2の両方は、水素原子を表し、B、L1、L2、Ra、Rb、RcおよびRdは、一般式(I-B)に関して定義された通りである。
【0281】
これらの実施形態の更なる一部では、R2は、(C11)アルキレンであり、X1およびX2の両方は、水素原子を表し、B、L1、L2、Ra、Rb、RcおよびRdは、一般式(I-B)に関して定義された通りである。
【0282】
それでもなお一部の更なるこれらの実施形態では、R2は、メチレンであり、X1およびX2の両方は、水素原子を表し、B、L1、L2、Ra、Rb、RcおよびRdは、一般式(I-B)に関して定義された通りである。
【0283】
R1が基-[C(=O)]m-R2-(O-CH-CH)p-R3である式(II)の化合物の一部の実施形態では、mが1であり、pが1および2からなる整数の群から選択され、R3は、細胞標的化部分であり、R2、B、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、は、式(I-B)の化合物の一般的な定義に記載の通りである。
【0284】
これらの実施形態の一部では、R2は、メチレン基であり、pは、2であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2、は、一般式(I-B)に関して定義された通りである。
【0285】
これらの実施形態の他の一部では、R2は、メチレン基であり、pは、1であり、R3は、細胞標的化部分であり、B、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Rd、X1、X2は、一般式(I-B)に関して定義された通りである。
【0286】
一般的に、基R3は、本開示で特定された任意の細胞標的化部分を含む当業界において公知の任意の細胞標的化部分を包含し、その例としては、本開示において標的化されたオリゴヌクレオチドの説明のために特定されている細胞標的化部分が挙げられる。
【0287】
式(I-B)の化合物の一部の実施形態では、R3は、式(III):
【化6】
(式中、A1、A2およびA3は、OHであり、
A4は、OHまたはNHC(=O)-R5であり、R5は、場合によりハロゲン原子で置換されている(C1~C6)アルキル基である)
を有する。
【0288】
一部の実施形態では、R3は、式(III-B)のN-アセチル-ガラクトサミンである:
【化7】
【0289】
本開示によれば、「GalNAc」または「N-アセチルガラクトサミン」への言及は、β形態:2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノースおよびα形態:2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-α-D-ガラクトピラノースの両方を含む。特定の実施形態では、β-形態:2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノースおよびα形態;2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-α-D-ガラクトピラノースはどちらも同義的に使用することができる。
【0290】
式(I-B)のオリゴヌクレオチドにおいて、Bは、複素環式の核酸塩基部分である。用語「複素環式の核酸塩基」は、本明細書で使用される場合、場合により置換された、ジオキサン環またはモルホリノ環に共有結合で連結された窒素含有複素環を指す。一部の実施形態では、複素環式の核酸塩基は、場合により置換されたプリン塩基、場合により置換されたピリミジン塩基から選択することができる。用語「プリン塩基」は、本明細書において、当業者によって理解される通りのその通常の意味で使用され、その互変異性体を含む。同様に、用語「ピリミジン塩基」は、本明細書において、当業者によって理解される通りのその通常の意味で使用され、その互変異性体を含む。場合により置換されるプリン塩基の非限定的な列挙としては、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、アロキサンチン、7-アルキルグアニン(例えば7-メチルグアニン)、テオブロミン、カフェイン、尿酸およびイソグアニンが挙げられる。ピリミジン塩基の例としては、これらに限定されないが、シトシン、チミン、ウラシル、5,6-ジヒドロウラシルおよび5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)が挙げられる。複素環塩基の他の非限定的な例としては、ジアミノプリン、8-オキソ-Nアルキルアデニン(例えば、8-オキソ-Nメチルアデニン)、7-デアザキサンチン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、Nエタノシトシン、N<6>,N<6>-エタノ-2,6-ジアミノプリン、5-ハロウラシル(例えば、5-フルオロウラシルおよび5-ブロモウラシル)、プソイドイソシトシン、イソシトシン、イソグアニン、1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、ならびに追加の複素環塩基を開示するために参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,432,272号および7,125,855号に記載される他の複素環塩基が挙げられる。
【0291】
一部の実施形態では、Bは、ピリミジン、置換されたピリミジン、プリンおよび置換されたプリンを含む群から選択される。
【0292】
好ましい実施形態では、Bは、アデニン、チミン、ウラシル、グアニンおよびシトシン(すなわち、アデニル、チミニル、ウラシル、グアニルおよびシトシル基を含む群から選択される)。
【0293】
すでに述べたように、式(I-B)のヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドにおいて、基L1およびL2のうち一方の基は、式(I)の化合物を、ヌクレオチド残基に、すなわち隣接するヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基であり、L1およびL2基のうち他方の基は、H、保護基、または式(I-B)の化合物を、ヌクレオチド残基に、すなわち隣接するヌクレオチド残基に連結するヌクレオシド間連結基である。
【0294】
加えて、モルホリン-窒素(GalNAc残基)に付着された標的化部分を有する式(I)の1つまたはそれ以上の化合物を取り込んだ二本鎖オリゴヌクレオチドの本明細書に記載される例は、肝臓へのロバストな送達を示し、標的mRNAおよび対応するタンパク質レベルのインビボノックダウンをもたらす。
【0295】
意外なことに、1つの二本鎖オリゴヌクレオチド内で式(I)の標的化された化合物と式(I)の標的化されていない化合物とを組み合わせると、インビボにおいて二本鎖オリゴヌクレオチドの挙動(特にインビボにおける作用の持続時間)が著しく改善されることが実証され;これはまた、センス鎖がまったくホスホロチオエート基を含有しない場合に示すことができる。
【0296】
センス鎖に、アンチセンス鎖に、またはセンス鎖とアンチセンス鎖の両方に、特にセンス鎖に式(I)の1つまたはそれ以上の化合物を取り込んだsiRNAもインビボで効率的な標的遺伝子サイレンシング活性を発揮する。標的遺伝子サイレンシング活性は、(i)本明細書に記載される式(I)の化合物の実施形態、(ii)本明細書に記載される式(I)の化合物の数、および(iii)siRNAのセンス鎖またはアンチセンス鎖内の式(I)の化合物の配置によって制御することができる。
【0297】
重要なことには、式(I)の1つまたはそれ以上の化合物を取り込んだsiRNAは、インビボにおいて、これらのsiRNAが標的遺伝子サイレンシング作用を発揮することが示される用量範囲で副作用がない。
【0298】
例証の目的のために、本開示を限定せずに、二本鎖オリゴヌクレオチドはまた、修飾されているセンスおよび/またはアンチセンス鎖に1つまたはそれ以上のヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0299】
修飾は、核酸または塩基の類似体での置換または挿入、および塩基、糖またはリン酸部分の化学修飾から選択することができる。選択された修飾は、3’末端デオキシ-チミン、2’-O-メチル、2’-デオキシ修飾、2’-デスオキシ-フルオロ、2’-アミノ修飾、2’-アルキル修飾、ホスホロチオエート修飾、ホスホロアミデート修飾、5’-ホスホロチオエート基修飾、5’-リン酸もしくは5’-リン酸擬似体修飾、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基修飾からそれぞれ個々に選択してもよいし、ならびに/または修飾されたヌクレオチドは、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチドまたは非天然塩基を含むヌクレオチドのいずれか1つであってもよい。好ましい実施形態の1つは、少なくとも1つの修飾が2’-O-メチルであり、および/または少なくとも1つの修飾が2’-デスオキシ-フルオロであるものであり得る。
【0300】
修飾されたオリゴヌクレオチドの他の例は、本明細書で使用される場合、以下:修飾、例えば、連結していないリン酸と酸素の一方または両方および/または連結しているリン酸と酸素の1つまたはそれ以上の置き換え;リン酸部分の置き換え;天然に存在する塩基の修飾もしくは置き換え;リボース-リン酸主鎖の置き換えもしくは修飾;RNAの3’末端もしくは5’末端の修飾、例えば、末端リン酸基の除去、修飾もしくは置き換え、またはRNAの3’もしくは5’末端のいずれかへの部分、例えば蛍光標識した部分のコンジュゲーションのうち1つまたはそれ以上を含み得る。
【0301】
式(II)のヌクレオチド類似体前駆体の合成のための方法
式(II)のヌクレオチド類似体前駆体は、本明細書に記載の開示で例示された詳細な方法に従って調製してもよい。
【0302】
本開示は、式(II-1)の化合物を調製するための方法であって、以下:
a)式(X)
【化8】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、本明細書に記載の一般式(II)で定義された保護基を表す)
の化合物を、式(X)の化合物を酸化試薬、例えば過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)と反応させることによって酸化し、それにより以下の式(XI):
【化9】
の化合物を得る工程、および
【0303】
b)式(XI)の化合物を、式(XII)の化合物
R1-NH (XII)
(式中、R1は、本明細書に記載の一般式(I)で定義した通りである)
の存在下で、還元的アミノ化の工程に供し、式(II-1):
【化10】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、一般式(II)で定義された保護基を表す)
の化合物を得る工程
を含む、方法に関する。
【0304】
本開示はまた、式(II-2)の化合物を調製するための方法であって、以下:
a)式(X)
【化11】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、本明細書に記載の一般式(II)で定義された保護基を表す)
の化合物を、式(X)の化合物を酸化試薬、例えば過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)と反応させることによって酸化し、それにより以下の式(XI):
【化12】
の化合物を得る工程、および
【0305】
b)式(XI)の化合物を、例えばアンモニアまたは二ホウ酸アンモニウムのようなアミンの存在下で、還元的アミノ化の工程に供し、式(XIII)
【化13】
の化合物を得る工程、
【0306】
c)式(XIII)の化合物を、式(XIV)
R1-C(=O)-OH (XIV)
(式中、R1は、本明細書に記載の一般式(II)で定義した通りである)
の化合物の存在下で、アミドカップリングの工程に供し、式(II-2)の化合物
【化14】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、一般式(II)で定義された保護基を表し、R1は、一般式(II)で定義した通りである)
を得る工程、
【0307】
d)式(XIII)の化合物を、アルデヒドまたはケトンの存在下で、還元的アミノ化の工程に供し、式(II-1)
【化15】
の化合物を得る工程
を含む、方法にも関する。
【0308】
本開示はまた、式(II-3)
【化16】
の化合物を調製するための方法であって、式(XV)
【化17】
(式中、A1、A2、A3およびA4は、本明細書に記載の式(III)または(III-A)で定義した通りであり、-Y-CHOは、還元的アミノ化反応によって、Xに等しい-Y-CH2-に変換され、Xは、式-(CH2-CH2-O)p-R2-の基であり、式中、pおよびR2は、一般式(I)で定義した通りである)
の化合物を、式(XIII)
【化18】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、一般式(II)で定義された保護基を表す)
の化合物と還元的アミノ化によって反応させ、式(II-3)
【化19】
の化合物を得る工程
を含む、方法にも関する。
【0309】
上記の方法は、本開示ではスキーム2で例示される。
【0310】
本開示はまた、式(II-4)
【化20】
の化合物を得るための方法であって、以下:
【0311】
a)式(XVI)
【化21】
(式中、A1、A2、A3およびA4は、本明細書に記載の式(III)または(III-A)で定義した通りであり、Xは、式-(CH2-CH2-O)p-R2-の基であり、pおよびR2は、一般式(I)で定義した通りである)
の化合物を、式(XIII)
【化22】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、一般式(II)で定義された保護基を表す)
の化合物と、ペプチドカップリング条件下で反応させ、式(II-4)の化合物を得る工程
を含む、方法にも関する。
【0312】
上記の方法は、本開示ではスキーム2で例示される。
【0313】
本開示は更に、式(II-5)の化合物を調製するための方法であって、以下:
a)式(XI)
【化23】
(式中、Bは、複素環式の核酸塩基であり、P1およびP2はそれぞれ、独立して、一般式(II)で定義された保護基を表す)
の化合物を還元し、式(XVII)
【化24】
の化合物を得る工程、
【0314】
b)式(XVII)の化合物を、スルホニル化剤(例えばp-トルエンスルホニルクロリドTs-Cl、メタンスルホニルクロリドMs-Cl)の存在下で変換して、式(XVIII)
【化25】
(式中、Tsは、トシル基を表す)
の化合物を得る工程、
【0315】
c)式(XVIII)の化合物を塩基性条件に供し、式(II-5)
【化26】
の化合物を得る工程
を含む、方法に関する。
【0316】
上記の方法は、本開示ではスキーム3で例示される。
【0317】
本開示はまた、式(II-5)の化合物を調製するための代替方法であって、以下:
a)式(XVII)
【化27】
の化合物を、過量のスルホニル化剤(例えばp-トルエンスルホニルクロリドTs-Cl、メタンスルホニルクロリドMs-Cl)の存在下で変換して、式(XIX)
【化28】
(式中、Tsは、トシル基を表す)
の化合物を得る工程、
【0318】
b)式(XIX)の化合物を、基P1の除去によって脱保護し、式(XX)
【化29】
の化合物を得る工程、
【0319】
c)式(XX)の化合物を、塩基性条件に供し、式(XXI)
【化30】
の化合物を得る工程、および
【0320】
d)トシル基を保護基P1で置き換え、式(II-5)
【化31】
の化合物を得る工程
を含む、方法にも関する。
【0321】
上記の方法は、本開示ではスキーム3で例示される。
【0322】
式(II)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、(II-4)および(II-5)の化合物は、本明細書で開示される以下のスキーム1~8で例示される詳細な方法に従って調製してもよい。
【0323】
商業的に入手可能なリボース誘導体G1から開始して、2つの第一級OH-基は、標準的な文献プロトコールに従って選択的なベンジル化によって区別することができる。得られたベンジルエーテルG2の標準的な保護基修飾によって、完全に保護されたリボース類似体G3が生じ、これを核酸塩基B(例えば:T、U、CBzl、I、GiBu、ABzl)の存在下でグリコシルドナーとして使用して、ヌクレオシド誘導体G4を得ることができる(Tetrahedron、1998、54、3607~3630)。
【0324】
【化32】
【0325】
スキーム1:YがNH、NR1およびNC(=O)R1である式(II)の化合物の合成
ヌクレオシド類似体G4から開始して、標準的手順により保護基パターンを修飾することにより、リボース足場のC2’およびC3’における2つの第一級アルコールおよび保護されていないOH基に一般式(II)で定義されたオルソゴナルな保護基P1およびP2を有する中間体G5が生じる。G5化合物におけるジヒドロキシ官能基のcis方向は、酸化剤としてNaIOを使用するC2’とC3’との間のC-C結合の酸化による切断を可能にする。得られたジアルデヒドは、一水和物G6として単離することができ、これは、還元剤、例えばNaCNBHとの還元的アミノ化反応によって所望のモルホリン足場に変換される。アンモニアまたは二ホウ酸アンモニウムなどのアミン基質を使用することにより、モルホリン足場中に遊離のNH基を有するモルホリン中間体G7が生じる。例えばNaCNBHの存在下で対応するアルデヒドまたはケトンとの第2の還元的アミノ化反応によりアルキル化モルホリンG8(R1は、一般式(II)で定義された通りである)が得られる。代替として、中間体G6は、適切なアミンR1-NH(式中、R1は一般式(II)で定義された通りである)の存在下で還元的アミノ化反応を受けてもよく、それにより直接的にアルキル化モルホリンG8が得られる。類似体アシル化モルホリンは、遊離のモルホリン構成単位G7と対応するカルボン酸R1-COOHとの標準的なペプチドカップリング反応により得られ、結果としてアミド中間体G9が生じる。
【0326】
化合物G7、G8およびG9は、本開示に記載される式(II)の化合物の実施形態からなる。
【0327】
一般式(II)の化合物の形成のためのスキーム1に記載された合成と同様に、本明細書に記載される一般式(II)の標的化された化合物は、中間体G7をアミン試薬として使用した還元的アミノ化またはペプチドカップリング反応によって調製することができる。
【0328】
以下のスキーム2に、保護された細胞標的化部分として過アセチル化N-アセチルガラクトサミンG11を使用した一般式(II)の化合物の合成を記載する。
【0329】
【化33】
【0330】
スキーム2:アミド(G14)およびアミン(G15)の付着、細胞標的化部分として保護されたGalNAcおよび異なるXリンカー基を用いた一般式(II)の化合物の合成であって、この場合、G15合成において、Xは、(G13)におけるリンカー断片-Y-CHOから作り出され、還元的アミノ化の後に-Y-CH-に変換される。
【0331】
以下において、Xは、一般式(II)の化合物で定義した通り、基-[C(=O)]m-R2-(O-CH2-CH2)p-R3に含まれる基-R2(OCH2-CH2)p-と定義される。
【0332】
標準的なグリコシル化条件下においてω-ヒドロキシカルボン酸エステル(HO-X-COOBn)で過アセチル化GalNAc-誘導体G11を処理することにより、エステル切断後にカルボン酸G12が得られ、これは、ペプチドカップリング条件下で、モルホリン誘導体G7の存在下において所望のアミドG14を形成する。代替として、ω-ヒドロキシ-ベンジルエーテル(HO-X-OBn)でG11をグリコシル化することで、ベンジルエーテル切断および対応するアルコールの酸化の後にアルデヒド中間体G13が提供される。アミン成分としてモルホリンG7を用いた還元的アミノ化は、アルキル化モルホリンG15の形成をもたらす。化合物G14およびG15は、本開示に記載される式(II)の化合物である。
【0333】
スキーム3に、一連のジオキサンでのYがOである一般式(II)の化合物への合成経路を示す。
【0334】
【化34】
【0335】
スキーム3:YがOである一般式(II)の化合物への合成経路
すでに記載されたcis-ジオール中間体G5およびその酸化による構成単位G6への切断(スキーム1を参照)から開始して、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤での処理により、2’-および3’-Cに2個の第一級OH基を有するジオール中間体G16が得られる。塩基性条件下における化学量論量のp-トルエンスルホニルクロリドなどのスルホニル化剤の存在下で、2’-OH官能基を選択的にトシル化して、モノトシレートG17を形成することができる。塩基性条件下、例えばNaOH水溶液またはMeOH中のNaOMeを使用して、G17は、3’-Cにおいて遊離のOH基による第一級トシレートの求核置換を受け、これは、所望のジオキサン足場G18の形成をもたらす。
【0336】
化合物G18は、本開示に記載される一般式(II)の化合物からなる。
【0337】
代替として、ジオール中間体G16は、例えば過量のp-トルエンスルホニルクロリドおよび増加させた反応時間によりビススルホニル化でき、それによりビストシレートG19が得られる。オルソゴナルな保護基P1またはP2の一方の脱保護後、得られた第一級アルコールG20は、所望のジオキサン足場G21の求核置換および形成下でG17と同様に反応する(スキーム3を参照)。残存するトシレートを安息香酸ナトリウムで置き換えて、第一級ヒドロキシル基にオルソゴナルな保護基P1およびP2を有する完全に保護されたジオキサン足場G18を再び得ることができる。
【0338】
【化35】
【0339】
スキーム4:YがOである式(II)の化合物の代替の合成
オルソゴナルな保護基P1およびP2を有する一般式(II)の記載された構成単位(G8、G9、G14、G15およびG18)は、最終的に対応するDMT保護ホスホロアミダイトに変換され、自動オリゴヌクレオチド合成におけるヌクレオチド前駆体としてのそれらの使用を可能にする。
【0340】
この目的のために、完全に保護された一般式(II)の化合物(G8、G9、G14、G15およびG18)は、標準的な保護基修飾によって単一DMT保護中間体G22に変換される。標準的なプロトコールによるG22-構成単位における遊離のOH基のホスフィチル化は、自動オリゴヌクレオチド合成のためのヌクレオチド前駆体として最終的なDMT保護ホスホロアミダイトG23をもたらす。
【0341】
【化36】
【0342】
スキーム5:自動オリゴヌクレオチド合成のための一般式(II)の化合物の最終的なホスホロアミダイト構成単位の合成
化合物G23は、基P1がDMT保護基であり、基P2がホスホロアミダイト基からなる反応性リン基である式(II)の化合物である。
【0343】
中間体G22をもたらす保護基修飾に応じて、一般的な構造(II)の化合物の(2S,6R)-および(2R,6R)-ジアステレオマーを合成することができる。
【0344】
【化37】
【0345】
スキーム6:一般式(II)の化合物G23のジアステレオマー構造
オリゴヌクレオチド一本鎖の3’末端における開始のヌクレオチドは、自動合成における第1のヌクレオチド足場としての対応するホスホロアミダイトG23と反応させるユニバーサルな固体支持体材料を用いた標準的手順によって調製することができる(実験の部、オリゴヌクレオチドの合成を参照)。
【0346】
式(I-A)および場合によっては(I-B)のヌクレオチド類似体を含む、オリゴヌクレオチドの調製
本開示に従って使用するためのオリゴヌクレオチドは、本明細書では「修飾されたオリゴヌクレオチド」と呼ぶこともあり、これは、本明細書に記載される方法を含む任意の有用な技術に従って、最終的なオリゴヌクレオチドの成長する鎖の選択された位置に取り込もうとする開始の構成単位の一部として、式(II)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体前駆体を使用することによって調製してもよく、そのようにして式(I)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドが生成し、式(I)の1つまたはそれ以上の化合物は、最終的なオリゴヌクレオチドの選択された位置に配置される。
【0347】
式(II)のヌクレオチド類似体前駆体は、本開示に記載した通りに合成することができる。
【0348】
本開示の修飾されたオリゴヌクレオチドは、オーバーハングを有する、または有さない二本鎖であってもよいし、または少なくとも二本鎖部分を含んでいてもよい。二本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドは、第1のヌクレオチド配列(例えば、センスヌクレオチド配列)と、第1のヌクレオチド配列に相補的でありそれにハイブリダイズする第2のヌクレオチド配列(例えば、アンチセンスヌクレオチド配列)とをそこに含む単一のオリゴヌクレオチド鎖から形成することができ、第2のヌクレオチド配列は、その阻害が求められる標的RNA配列にも相補的である。これらの実施形態によれば、第1のヌクレオチド配列および第2のヌクレオチド配列は、修飾されたオリゴヌクレオチド内の別々の鎖に存在していてもよいし;または同じ鎖に、ただしスペーサー、または第1のヌクレオチド配列が第2のヌクレオチド配列にハイブリダイズしたらヘアピンループを形成するような適切な長さの追加のヌクレオチド配列によって分離されて存在していてもよい。
【0349】
一部の実施形態では、本発明の修飾されたオリゴヌクレオチドは、一本鎖であり、siRNAなどの二本鎖RNAのセンスまたはアンチセンス鎖のどちらを含んでいてもよい。
【0350】
本発明のオリゴヌクレオチド、例えば式(I)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含むものは、当業界において公知のプロトコールを使用して化学的に合成することができる。例えば、Caruthersら、1992、Methods in Enzymology、211:3~19;Thompsonら、国際PCT公開WO99/54459号;Wincottら、1995、Nucleic Acids Res.、23:2677~2684;Wincottら、1997、Methods Mol.Bio.、74:59;Brennanら、1998、Biotechnol Bioeng.、61:33~45;およびBrennan、米国特許第6,001,311号を参照されたい。オリゴヌクレオチドの合成は、共通の核酸保護およびカップリング基、例えば5’末端におけるジメトキシトリチル、および3’末端におけるホスホロアミダイトを利用する。特定の実施形態では、式(I)のヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドは、米国特許第6,995,259号;6,686,463号;6,673,918号;6,649,751号;6,989,442号;および7,205,399号に記載される方法に従って、合成、脱保護、および分析される。非限定的な合成例において、スモールスケール合成は、394 Applied Biosystems, Inc./Thermo Fischer Scientific Inc.のシンセサイザーで実行される。
【0351】
代替として、式(I)の1つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドは、別々に合成し、合成後に、例えば、ライゲーションによって(Mooreら、1992、Science 256:9923;Draperら、国際PCT公開WO93/23569号;Shabarovaら、1991、Nucleic Acids Research 19:4247;Bellonら、1997、Nucleosides & Nucleotides、16:951;Bellonら、1997、Bioconjugate Chem.、8:204)、または合成および/または脱保護後のハイブリダイゼーションによって一体化してもよい。本開示による様々な修飾されたオリゴヌクレオチドはまた、Scaringeら、米国特許第5,889,136号;6,008,400号;および6,111,086号の教示を使用して合成することができる。
【0352】
組成物
本開示の特定の態様は、本明細書に記載されるdsRNAを含む組成物(例えば、医薬組成物)に関する。一部の実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、医薬的に許容される担体を更に含む。一部の実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、標的化された遺伝子の発現または活性に関連する疾患または障害を処置するのに有用である。
【0353】
本開示の組成物(例えば、医薬組成物)は、送達様式に基づいて製剤化され、例えば、非経口送達を介した肝臓への送達のために製剤化された組成物などが挙げられる。
【0354】
本開示の組成物(例えば、医薬組成物)は、標的化された遺伝子の発現を阻害するのに十分な投薬量で投与することができる。一部の実施形態では、dsRNAの好適な用量は、レシピエントの体重当たり0.01mg/kg~400mg/kgの範囲内である。
【0355】
当業者は、これらに限定されないが、疾患もしくは障害の重症度、以前の処置、対象の全身の健康状態および/または年齢、ならびに1つもしくはそれ以上の他の存在する疾患などの特定の要因が、対象を効果的に処置するのに必要な投薬量およびタイミングに影響を与える可能性があることを理解しているであろう。更に、治療有効量の医薬組成物での対象の処置は、単回の処置または一連の処置を含んでいてもよい。本明細書で開示されるdsRNAの有効な投薬量およびインビボにおける半減期の概算は、従来の方法論を使用して、または適切な動物モデルを使用したインビボでの試験に基づき行うことができる。
【0356】
本開示のdsRNA分子は、医薬的に許容される担体または希釈剤中に製剤化することができる。医薬的に許容される担体は、液体または固体であってもよく、所望の嵩、粘度、および他の関連する輸送および化学特性がもたらされるよう考慮して計画された投与方式と共に選択することができる。任意の公知の医薬的に許容される担体または希釈剤を使用することができ、その例としては、例えば、水、生理食塩水、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトースおよび他の糖、ゼラチン、または硫酸カルシウム)、潤滑剤(例えば、デンプン、ポリエチレングリコール、または酢酸ナトリウム)、崩壊剤(例えば、デンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム)、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、など)および湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
【0357】
本開示のdsRNA分子は、他の分子、分子構造、または核酸の混合物と混合された、それとカプセル化された、それとコンジュゲートした、またはそれ以外の方法でそれと会合したdsRNAを含有する組成物(例えば、医薬組成物)に製剤化することができる。例えば、本明細書に記載される1つまたはそれ以上のdsRNAを含む組成物は、他の治療剤、例えば他の脂質低下剤(例えば、スタチン)を含有していてもよい。一部の実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、送達媒体(本明細書に記載されるような)を更に含む。
【0358】
ベクターおよびdsRNA送達
本開示のdsRNAは、直接的または間接的に送達することができる。一部の実施形態では、dsRNAは、dsRNAを含む組成物(例えば、医薬組成物)を対象に投与することによって直接的に送達される。一部の実施形態では、dsRNAは、本明細書に記載される1つまたはそれ以上のベクターを投与することによって間接的に送達される。
【0359】
送達
本開示のdsRNAは、当業界において公知の任意の方法によって、例えば、dsRNAとの使用のために核酸分子を送達する方法を適合させることによって(例えば、Akhtar,S.ら(1992)Trends Cell.Biol.2(5):139~144;WO94/02595を参照)、または当業界において公知の追加の方法を介して(例えば、Kanasty,R.ら(2013)Nature Materials 12:967~977;Wittrup,A.およびLieberman,J.(2015)Nature Reviews Genetics 16:543~552;Whitehead,K.ら(2009)Nature Reviews Drug Discovery 8:129~138;Gary,D.ら(2007)121(1~2):64~73;Wang.J.ら(2010)AAPS J.12(4):492~503;Draz,M.ら(2014)Theranostics 4(9):872~892;Wan,C.ら(2013)Drug Deliv.およびTransl.Res.4(1):74~83;Erdmann,V.A.およびBarciszewski,J.(編)(2010)「RNA Technologies and Their Applications」、Springer-Verlag Berlin Heidelberg,DOI 10.1007/978-3-642-12168-5;Xu,C.およびWang,J.(2015)Asian Journal of Pharmaceutical Sciences 10(1):1~12を参照)送達することができる。
【0360】
一部の実施形態では、本開示のdsRNAは、dsRNAを含む送達媒体によって送達される。一部の実施形態では、送達媒体は、リポソーム、リポプレックス、複合体、またはナノ粒子である。
【0361】
リポソーム配合物
リポソームは、親油性物質と水性の内部から形成される膜を有する単層または多層小胞である。一部の実施形態では、リポソームは、球状の二分子層または二重層に整列した両親媒性脂質で構成される小胞である。水性部分は、送達されることになる組成物を含有する。カチオン性リポソームは、細胞壁に融合させることができるという利点を有する。リポソームの利点としては、例えば、天然リン脂質から得られたリポソームは、生体適合性および生分解性であること;リポソームは、多様な水溶性および脂溶性薬物を取り込むことができること;リポソームは、その内部区画中にカプセル化された薬物を代謝や分解から保護できることが挙げられる(Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms、Lieberman、RiegerおよびBanker(編)、1988、Marcel Dekker, Inc.、New York、N.Y.、第1巻、245頁)。リポソーム配合物の調製における重要な考察は、脂質表面電荷、小胞のサイズおよびリポソームの水性体積である。例えば、操作されたカチオン性リポソームおよび空間配置的に安定化されたリポソームは、dsRNAを送達するのに使用することができる。例えば、Podestaら(2009)Methods Enzymol.464、343~54;米国特許第5,665,710号を参照されたい。
【0362】
核酸-脂質粒子
一部の実施形態では、本開示のdsRNAは、脂質配合物中に完全にカプセル化されて、例えば、核酸-脂質粒子、例えば、SPLP、pSPLP、またはSNALPを形成する。用語「SNALP」は、本明細書で使用される場合、SPLPを含む安定な核酸-脂質粒子を指す。用語「SPLP」は、本明細書で使用される場合、脂質小胞内にカプセル化されたプラスミドDNAを含む核酸-脂質粒子を指す。核酸-脂質粒子、例えばSNALPは、典型的には、粒子の凝集を防止し循環時間を増加させる、カチオン脂質、非カチオン脂質、コレステロール、および脂質(例えば、PEG-脂質コンジュゲート)を含有する。SNALPおよびSPLPは、静脈内(i.v.)注射後に長い循環寿命を示し、遠位部位(例えば、物理的に投与部位から離れた部位)で蓄積するため、全身適用に有用である。SPLPとしては、「pSPLP」が挙げられ、その例としては、PCT公開WO00/03683号に記載のようなカプセル化された縮合剤-核酸複合体が挙げられる。
【0363】
一部の実施形態では、dsRNAは、核酸-脂質粒子中に存在する場合、水溶液中でヌクレアーゼでの分解に対して耐性である。核酸-脂質粒子およびその調製方法は、例えば、米国特許第5,976,567号;5,981,501号;6,534,484号;6,586,410号;および6,815,432号;ならびにPCT公開WO96/40964号に開示されている。
【0364】
一部の実施形態では、核酸-脂質粒子は、カチオン脂質を含む。当業界において公知の任意のカチオン脂質またはそれらの混合物を使用することができる。一部の実施形態では、核酸-脂質粒子は、非カチオン脂質を含む。当業界において公知の任意の非カチオン脂質またはそれらの混合物を使用することができる。一部の実施形態では、核酸-脂質粒子は、コンジュゲートした脂質を含む(例えば、凝集を防止するために)。当業界において公知の任意のコンジュゲートした脂質を使用することができる。
【0365】
追加の配合物
インビボでdsRNA分子をうまく送達するために考慮することが重要な要因としては、(1)送達された分子の生物学的な安定性、(2)非特異的な作用の防止、および(3)標的組織における送達された分子の蓄積が挙げられる。dsRNAの非特異的な作用は、局所投与によって、例えば組織への直接注射もしくは埋め込みによって、または調製物を局所的に投与することによって最小化することができる。疾患の処置のためにdsRNAを全身投与するために、dsRNAは、修飾してもよいし、または代替として薬物送達系を使用して送達してもよい;どちらの方法も、インビボにおけるエンドおよびエキソヌクレアーゼによるdsRNAの迅速な分解を防止するように作用する。RNAの修飾または製剤用担体もまた、標的組織へのdsRNA組成物の標的化を許容し、望ましくないオフターゲット作用を回避することができる。上述したように、dsRNA分子は、細胞内取り込みを強化し、分解を防止するために、コレステロールなどの親油性基への化学的コンジュゲーションによって修飾することができる。一部の実施形態では、dsRNAは、ナノ粒子、デンドリマー、ポリマー、リポソーム、またはカチオン性送達系などの薬物送達系を使用して送達される。正電荷を有するカチオン性送達系は、dsRNA分子(負電荷を有する)の結合を容易にし、細胞によるdsRNAの効率的な取り込みを許容するために負電荷を有する細胞膜での相互作用も強化する。カチオン脂質、デンドリマー、またはポリマーは、dsRNAに結合するか、またはdsRNAを包み込む小胞またはミセルを形成するように誘導されるかのいずれかでもよい(例えば、Kim S.H.ら(2008)Journal of Controlled Release 129(2):107~116を参照)。小胞またはミセルの形成は更に、全身投与されるとdsRNAの分解を防止する。カチオン性dsRNA複合体を作製および投与するための方法は、当業界において公知である。一部の実施形態では、dsRNAは、全身投与のためのシクロデキストリンとの複合体を形成する。
【0366】
dsRNAを使用する方法
本開示の特定の態様は、哺乳動物における標的化遺された伝子の発現を阻害するための方法であって、有効量の1つまたはそれ以上の本開示のdsRNA、1つまたはそれ以上の本開示のベクター、または1つまたはそれ以上の本開示のdsRNAを含む本開示の組成物(例えば、医薬組成物)を投与することを含む、方法に関する。本開示の特定の態様は、1つまたはそれ以上の標的遺伝子が媒介する疾患または障害を処置および/または防止する方法であって、1つまたはそれ以上の本開示のdsRNA、および/または1つまたはそれ以上の本開示のベクター、および/または1つまたはそれ以上の本開示のdsRNAを含む組成物(例えば、医薬組成物)を投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、対象において標的遺伝子発現を下方調節することは、対象における標的化された遺伝子が媒介する疾患または障害の1つまたはそれ以上の症状を軽減する。
【0367】
一部の実施形態では、対象における標的遺伝子の発現は、処置の後に、前処置レベルと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または約100%阻害される。一部の実施形態では、標的遺伝子の発現は、処置の後に、前処置レベルと比較して、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約5.5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約6.5倍、少なくとも約7倍、少なくとも約7.5倍、少なくとも約8倍、少なくとも約8.5倍、少なくとも約9倍、少なくとも約9.5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、または少なくとも約100倍阻害される。一部の実施形態では、標的遺伝子は、対象の肝臓において阻害される。
【0368】
一部の実施形態では、対象は、ヒトである。一部の実施形態では、対象は、標的遺伝子が媒介する障害もしくは疾患を有するかまたは有すると診断されている。一部の実施形態では、対象は、標的遺伝子が媒介する障害または疾患を有する疑いがある。一部の実施形態では、対象は、標的遺伝子が媒介する障害または疾患を発症させるリスクがある。
【0369】
本開示の内容から理解される通り、本明細書に記載されるdsRNAは、式(II)のヌクレオチド類似体は、その「糖のような」基の特異的な構造的機能を有する、そこに含まれる1つまたはそれ以上の式(II)のヌクレオチド類似体の存在に基づくその主要な特徴を有する。本明細書に記載されるdsRNAは、一般的に、目的の標的核酸に含まれる選択された核酸配列を標的化するために考え出されたものである。特に、本明細書に記載されるsiRNAからなるdsRNAの実施形態は、目的の標的核酸に含まれる核酸配列と特異的にハイブリダイズするアンチセンス鎖を含む。本明細書に記載されるdsRNAまたは組成物(例えば、医薬組成物)は、標的遺伝子が媒介する障害または疾患の処置での使用のためであり得る。特には、本明細書に記載されるdsRNAまたは組成物(例えば、医薬組成物)、特に、1つまたはそれ以上の標的化されたヌクレオチド類似体を含むdsRNA、および特に、1つまたはそれ以上の式(II)の標的化されたヌクレオチド類似体は、肝臓の標的化が求められる標的遺伝子が媒介する障害または疾患の処置での使用のためであり得る。
【0370】
本開示の特定の態様はまた、肝細胞を本明細書に記載されるdsRNAと接触させることを含む、肝細胞への核酸の送達方法にも関する。
【0371】
本明細書に記載されるdsRNAまたは組成物(例えば、医薬組成物)は、当業界において公知の任意の手段によって投与することができ、このような手段としては、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、皮下、肺、経皮、および気道(エアロゾル)投与などの経口または非経口経路が挙げられる。典型的には、高脂血症を有する哺乳動物を処置する場合、dsRNA分子は、非経口手段を介して全身投与される。一部の実施形態では、dsRNAおよび/または組成物は、皮下投与によって投与される。一部の実施形態では、dsRNAおよび/または組成物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、dsRNAおよび/または組成物は、肺投与によって投与される。
【0372】
dsRNAの処置または防止的な作用は、疾患のステータスの1つまたはそれ以上のパラメーターにおいて統計学的に有意な改善がある場合、または普通なら症状の悪化や発症が予期される場合に症状を悪化または発症させなかったことによって明白である。例えば、疾患の測定可能なパラメーターにおける、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%の、またはそれより大きい好都合な変化が、有効な処置を示し得る。所与のdsRNAまたはdsRNAを含む組成物に関する効能はまた、当業界において公知の所与の疾患または障害のための実験動物モデルを使用しても判断できる。実験動物モデルを使用する場合、処置の効能は、マーカーまたは症状における統計学的に有意な低減が観察される場合、証明される。
【0373】
キットおよび製品
本開示の特定の態様は、上述したような標的遺伝子が媒介する障害または疾患の処置および/または防止に有用なdsRNA、ベクター、または組成物(例えば、本明細書に記載される医薬組成物の1つまたはそれ以上を含む製品またはキットに関する。製品またはキットは、容器、および容器上の、またはそれに付随するラベルまたは添付文書を更に含んでいてもよい。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV液バッグなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から成形することができる。容器は、単独の、または疾患を処置または防止するのに有効な別の組成物と組み合わせた組成物を保持し、滅菌アクセスポート(例えば容器は、皮下注射針で突き刺し可能なストッパーを有する静脈注射液バッグまたはバイアルであり得る)を有していてもよい。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は、本明細書に記載されるdsRNAである。ラベルまたは添付文書は、標的が媒介する障害または疾患を処置するために組成物が使用されることを示す。更に、製品またはキットは、(a)本明細書に記載されるdsRNAを含む組成物を含有する第1の容器;および(b)第2の治療剤を含む組成物を含有する第2の容器を含んでいてもよい。この実施形態における本開示の製品またはキットは、組成物が特定の疾患を処置するのに使用できることを示す添付文書を更に含んでいてもよい。代替として、または加えて、製品またはキットは、医薬的に許容される緩衝液、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液を含む第2の(または第3の)容器を更に含んでいてもよい。これは更に、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジなどの商業的な、および使用者の観点から望ましい他の材料を含んでいてもよい。
【0374】
核酸配列は、本明細書に、特に、参考として役立つ本明細書に記載の実施例に開示される。同じ配列はまた、特許事項の目的のために標準的な必要条件に従ってフォーマットされた配列表にも提示される。標準的な配列表と何らかの配列の不一致がある場合、本明細書に記載される配列が参照されるものとする。
【0375】
本開示を限定することはないが、例証の目的のために本開示のいくつかの実施形態を後述する。
【実施例
【0376】
命名法は、IUPAC規則に従って規定されている。
別段の指示がない限り、以下のLC-MS方法が使用されている:
A:
カラム: Waters ACQUITY UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×50mm
溶出液: (HO+0.05%FA)/(ACN+0.035%FA)95:5(0分)から5:95(2分)から5:95(2.6分)から95:5(2.7分)から95:5(3.0分)、0.9ml/分55℃。
B-1:
カラム: Phenomenex Luna C18、3.0μm、2.0×10mm
溶出液: (HO+0.05%TFA)/ACN93:7(0分)から5:95(1.20分)から5:95ACN(1.40分)から93:7(1.50分);1.1ml/分、室温。
B-2:
カラム: Phenomenex Luna C18、3.0μm、2.0×10mm
溶出液: (HO+0.05%TFA)/ACN93:7(0分)から5:95(1.00分)から5:95ACN(1.45分)から93:7(1.50分);1.1ml/分、室温。
B-3:
カラム: Phenomenex Luna C18、3.0μm、2.0×10mm
溶出液: (HO+0.05%TFA)/ACN20:80(0分)から5:95(0.60分)から5:95ACN(1.45分)から80:20(1.50分);1.1ml/分、室温。
C:
カラム: Waters ACQUITY UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×50mm
溶出液: (HO+0.05%FA)/(ACN+0.035%FA)98:2(0分)から98:2(0.2分)から2:98(3.8分)から2:98(4.3分)から98:2(4.5分)、1.0ml/分、55℃。
D:
カラム: Chromolith@Flash RP-18E 2×25mm
溶出液: (HO+0.0375%TFA)/(ACN+0.01875%TFA)95:5(0分)から5:95(0.80分)から5:95(1.20分)から95:5(1.21分)から95:5(1.55分)、1.5ml/分、50℃。
E:
カラム: Kinetex EVO C18E 2.1×30mm、5μm
溶出液: (HO+0.0375%TFA)/(ACN+0.01875%TFA)95:5(0分)から5:95(0.80分)から5:95(1.20分)から95:5(1.21分)から95:5(1.55分)、1.5ml/分、50℃。
【0377】
使用した略語:
-AcOH:酢酸
-FA:ギ酸
-ACN:アセトニトリル
-DCM:ジクロロメタン
-DMA:ジメチルアセトアミド
-DCE:ジクロロエタン
-DMF:ジメチルホルムアミド
-DMSO:ジメチルスルホキシド
-EtOAc:酢酸エチル
-EtOH:エタノール
-EtO:ジエチルエーテル
-iPrOH:イソプロパノール
-THF:テトラヒドロフラン
-MeOH:メタノール
-NMP:N-メチル-2-ピロリドン
-PE:石油エーテル
-Pyr:ピリジン
-iPr:イソプロピル
-iBu:イソブチリル
-cHex:シクロヘキシル
-MTB:メチル-tert-ブチル
-DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
-DMAP:4-(ジメチルアミノ)-ピリジン
-DBU:1.8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
-HBTU:(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート)
-TBTU:O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
-DDTT:3-((N,N-ジメチル-アミノメチリデン)アミノ)-3H-1,2,4-ジチアゾール-5-チオン
-NEt:トリエチルアミン
-NEM:N-エチル-モルホリン
-BSA:N,O-ビス-トリメチルシリルアセトアミド
-TMSOTf:トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
-Ts:p-トルエンスルホニル
-Tf:トリフルオロメタンスルホニル
-トリフルオロメタンスルホネート
-TFA:トリフルオロ酢酸
-DCAA:ジクロロ酢酸
-TEA:トリエチルアンモニウム
-TIPS:トリイソプロピルシリル
-TBDMS:tert-ブチルジメチルシリル
-DMT:4,4’-ジメトキシトリチル
-Bzl:ベンゾイル
-Bn:ベンジル
-BOM:ベンジルオキシメチル
-Ac:アセチル
-iBu:イソブチリル
-Boc:tert-ブチルオキシカルボニル
-Fmoc:フルオレニルメチルオキシカルボニル
-Fmoc-OSu:N-(9-フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
-CE:シアノエチル
-CPG:制御細孔ガラス
-T:チミン
-U:ウラシル
-C:シトシン
-A:アデニン
-G:グアニン
-I:ヒポキサンチン
-TBOM:N-ベンジルオキシメチル-チミン
-UBOM:N-ベンジルオキシメチル-ウラシル
-UBzl:N-ベンゾイル-ウラシル
-CBzl:N-ベンゾイル-シトシン
-ABzl:N-ベンゾイル-アデニン
-GiBu:N-イソブチリル-グアニン
-GalNAc:D-N-アセチルガラクトサミン
-FR:流速
-HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
-MS-TOF:飛行時間型質量分析
-LC-MS:高圧液体クロマトグラフィー-質量分析
-Rt:保持時間
-RT:室温
-Hal:ハロゲン
-ELSD:蒸発光散乱検出器
-quant.:定量的
-sat.:飽和
-i.vac.:真空中
-n.d.:決定せず
-TLC:薄層クロマトグラフィー
-h:時間
-min:分
-Tm:融解温度
-r:リボヌクレオチド
-d:デスオキシ-リボヌクレオチド
-m:2’-OMe-ヌクレオチド
-f:2’-デスオキシ-フルオロ-ヌクレオチド
-ss:センス鎖
-as:アンチセンス鎖
-ds:二本鎖
-chol:コレステロール
-PO:ホスホジエステル結合
またはPS:ホスホロチオエート結合
-mpk:mg/kg
-M:モル濃度
-#:番号、n°
-FBS:ウシ胎児血清
-ATP:アデノシン-三リン酸
-pre-lB:前駆体ヌクレオチド
-pre-lgB:標的化された前駆体ヌクレオチド
-lB:ヌクレオチド類似体
-lgB:標的化されたヌクレオチド類似体
【0378】
A:XがNH、NR1、NC(=O)R1である式(I)のヌクレオチド類似体の合成
【0379】
【化38】
【0380】
1a:[(2S,3S,4R,5R)-4-アセトキシ-3-ベンジルオキシ-2-(ベンジルオキシメチル)-5-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-2-イル]メチルアセテート
出発物質G3(42.5g、87.4mmol)およびチミン22.3g(174.7mmol)をAr雰囲気下乾燥ACN(500ml)に溶解した。BSA(106.6g、128.2ml、524.1mmol)を加えた後、溶液を80℃で1時間撹拌した。溶液を50℃に冷却した後、TMSOTf(31.8g、25.9ml、141.5mmol)を加え、80℃で1時間加熱を続けた。溶媒を真空で蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO溶液、HOおよび飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、有機層を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中10から100%酢酸エチル)により精製して、所望のチミジン誘導体1aを無色泡状物として得た(40.9g、84.7%)。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,82
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 551,3
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 8.55 (s, 1 H) 7.51-7.17 (m, 12 H), 6.23 (d, J=5.27 Hz, 1 H), 5.44 (t, J=5.65 Hz, 1 H), 4.72-4.35 (m, 6 H), 4.19 (d, J=12.17 Hz, 1 H), 3.79 (d, J=10.16 Hz, 1 H), 3.53 (d, J=10.16 Hz, 1 H) 2.17-2.06 (m, 6 H), 1.55 (d, J=0.75 Hz, 3 H).
【0381】
1b:[(2S,3S,4R,5R)-4-アセトキシ-3-ベンジルオキシ-2-(ベンジルオキシメチル)-5-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-テトラヒドロフラン-2-イル]メチルアセテート
G3(10.0g、20.55mmol)およびウラシル3.49g(30.8mmol)を乾燥ACN(200ml)に溶解した。BSA(20.09g、30.15ml、123.3mmol)を加えた後、溶液を81℃で1時間撹拌した。溶液を0℃に冷却した後、TMSOTf(7.48g、6.10ml、33.3mmol)を加え、混合物を65℃に加熱した。撹拌をこの温度で1時間続け、この時点で完全に転化していた。室温で、飽和NaHCO溶液500mlを加え、混合物をEtOAc(500ml)で抽出した。有機層を分離し、HOおよび飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、粗生成物をシリカゲル(n-ヘプタン中20から100%EtOAc)上で精製して、保護されたヌクレオシド類似体1bを収率82.3%(9.11g)で無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,82
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 539,1
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 8.97 (s, 1 H), 7.66 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.38-7.35 (m, 10 H), 6.19 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 5.38-5.30 (m, 2 H), 4.63 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 4.46-4.41 (m, 5 H), 4.19 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.79 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.51 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 2.12 (s, 3 H), 2.07 (s, 3 H).
【0382】
1c:[(2S,3S,4R,5R)-4-アセトキシ-3-ベンジルオキシ-2-(ベンジルオキシメチル)-5-[2-(2-メチルプロパノイル-アミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-2-イル]メチルアセテート
化合物G3(148.5g、0.30mol)のDCE(6.68l)中溶液に、N雰囲気下15℃でN-イソブチリル-グアニン(135g、0.61mol)およびBSA(311.85ml、1.2mol)を加えた。混合物を85℃で3時間撹拌した。次いでTMSOTf(183.4g、0.90mol)を85℃で加え、撹拌を3時間続け、この時点でTLCは完全に転化していることを示した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO溶液6.5l中に注ぎ入れた。有機層を分離し、水性相をDCM(5l)で2回抽出した。有機層を合わせ、無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取HPLC(0.1%TFA/ACN)により精製して、化合物1c(128g、64%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.09 (s,1 H), 11.62 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.41-7.30 (m, 10 H), 6.12 (d, J=6.4 Hz, 1 H), 5.90 (t, J1=J2 =5.6 Hz, 1 H), 4.71 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 4.63-4.55 (m, 4 H), 4.34 (d, J=5.6 Hz, 1 H), 4.23 (d, J=5.6 Hz, 1 H), 3.71-3.66 (m, 2 H), 3.18 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 2.76-2.51 (m, 1 H), 2.05 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.20-1.12 (s, 6 H).
【0383】
1d:[(2S,3S,4R,5R)-4-アセトキシ-3-ベンジルオキシ-2-(ベンジルオキシメチル)-5-(6-オキソ-1H-プリン-9-イル)-テトラヒドロフラン-2-イル]メチルアセテート
G3(10.0g、20.55mmol)および核酸塩基としてヒポキサンチン3.32g(23.66mmol)を出発物とし、1cにて記載したプルトコルに従って、表題化合物を合成した。シリカゲル精製(n-ヘプタン中10から100%EtOAc/MeOH(9:1))後、表題化合物1dを無色泡状物として単離した(9.53g、81.1%)。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,73
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 563,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.42 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H), 8.01 (s, 1 H), 7.25 - 7.39 (m, 10 H), 6.21 (d, J=4.89 Hz, 1 H), 5.90 - 5.97 (m, 1 H), 4.78 (d, J=5.75 Hz, 1 H), 4.45 - 4.61 (m, 4 H), 4.32 - 4.41 (m, 1 H), 4.17 - 4.25 (m, 1 H), 3.59 - 3.74 (m, 2 H), 2.04 (m, 3 H), 1.98 (m, 3 H).
【0384】
1e:[(2S,3S,4R,5R)-4-アセトキシ-5-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-3-ベンジルオキシ-2-(ベンジルオキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]メチルアセテート
化合物G3(164g、0.337mol)およびN-ベンゾイルアデニン(121g、0.506mol)のDCE(6.56l)中混合物に、室温でBSA(274g、1.348mol)を滴下添加し、混合物を90℃で1.5時間撹拌した。40~50℃でTMSOTf(225g、1.011mol)を滴下添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO溶液15lでクエンチし、層を分離した。水性層をEtOAc(3l)で2回抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:2)により精製して、化合物1eをアノマー混合物(224.4g)として黄色油状物として得た。混合物を2回の逆フラッシュクロマトグラフィー(中性)により精製して、純粋な化合物1e(75.5g、33.7%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.25 (s, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 8.62 (s, 1 H), 8.05 (d, J=7.40 Hz, 2 H), 7.71-7.62 (m, 1 H), 7.60-7.50 (m, 2 H), 7.43-7.21 (m, 10 H), 6.38 (d, J=4.77 Hz, 1 H), 6.12 (t, J=5.33 Hz, 1 H), 4.88 (d, J=5.77 Hz, 1 H), 4.63 (s, 2 H), 4.56-4.45 (m, 2 H), 4.41 (d, J=11.92 Hz, 1 H), 4.25 (d, J=11.80 Hz, 1 H), 3.75-3.59 (m, 2 H), 2.06 (s, 3 H), 2.00 (s, 3 H).
【0385】
2a:1-[(2R,3R,4S,5R)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
1a(40.9g、74.0mmol)のTHF/EtOH(4:1)500ml中溶液に、0℃でNaOH水溶液(2M)221.9ml(443.8mmol)を加えた。氷浴を除去した後、混合物を2時間撹拌して、完全に転化させた。0℃で2N HCl溶液を加えることにより、溶液を中性pHにした。溶媒を真空で濃縮し、残った水性相をDCM(250ml)で2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、脱保護生成物2a(34.8g、定量的)を得、これを更には精製せずに引き続くステップに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,64
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 469,2
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 9.24-8.77 (m, 1 H), 7.45 (br s, 1 H), 7.41-7.30 (m, 8 H), 7.27 (br d, J=7.78 Hz, 2 H), 6.04 (br d, J=4.02 Hz, 1 H), 4.86 (br d, J=11.67 Hz, 1 H), 4.63-4.51 (m, 3 H), 4.45-4.31 (m, 2 H), 4.31-3.96 (m, 1 H), 3.84 (br d, J=11.29 Hz, 1 H), 3.76-3.64 (m, 2 H), 3.58 (d, J=10.42 Hz, 1 H), 2.96-2.62 (m, 1 H), 1.63-1.51 (m, 3 H).
【0386】
2b:1-[(2R,3R,4S,5R)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
1b(9.10g、16.9mmol)をTHF/EtOH(3:1)240mlに溶解した。0℃で、1M NaOH溶液8.49ml(84.5mmol)を加え、溶液を撹拌し、室温にした。1時間後、pHが7に達するまでクエン酸を加え、溶媒を蒸発させた。水性残留物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去して、粗生成物7.66g(99.7%)を無色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,63
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 455,1
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.29 (s, 1 H), 7.69 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.27 - 7.41 (m, 10 H), 5.88 (d, J=5.7 Hz, 1 H), 5.57 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 5.37 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 4.98 (t, J=5.4 Hz, 1 H), 4.80 (d, J=11.7 Hz, 1 H), 4.46 - 4.58 (m, 3 H), 4.27 - 4.37 (m, 1 H), 4.00 - 4.14 (m, 1 H), 3.50 - 3.69 (m, 4 H).
【0387】
2c:N-[9-[(2R,3R,4S,5R)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物1c(72g、0.11mol)のTHF/EtOH(4:1)1.7l中溶液に、0℃で1M NaOH溶液(443mL)を滴下添加した。溶液を0℃で1時間撹拌して、完全に転化させた。1N HClを加えることによりpHを7に調節し、溶媒を除去した。残留物をHO(500mL)に溶解し、DCM(3×500ml)で抽出した。有機層を合わせ、無水NaSOで脱水し、濃縮して、化合物2c(113g、定量的)を無色固体として得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.07(s,1 H), 11.66 (s, 1 H), 8.10 (s, 1 H), 7.42-7.30 (m, 10 H), 5.92 (d, J=6.8Hz, 1 H) , 4.99 (s, 1 H) , 4.87-4.84 (m, 2 H), 4.63 (d, J=15.6 Hz, 1 H), 4.56 (s, 2 H), 4.24 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 3.69-3.62 (m, 4 H), 2.76-2.73 (m, 1 H), 1.13-1.04 (m, 7 H).
【0388】
2d:9-[(2R,3R,4S,5R)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]-1H-プリン-6-オン
2bにて記載した手順に従い、1d(9.34g、16.65mmol)を脱保護して、表題化合物2d(7.76g、97.4%)を粗生成物として得、これを追加の精製をせずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,53
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 479,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.16 (s, 1 H), 7.97 - 8.04 (m, 1 H), 7.27 - 7.41 (m, 10 H), 5.97 (d, J=5.75 Hz, 1 H), 5.75 (s, 1 H), 5.03 (br s, 1 H), 4.79 - 4.92 (m, 2 H), 4.47 - 4.62 (m, 3 H), 4.24 - 4.34 (m, 1 H), 3.55 - 3.70 (m, 4 H).
【0389】
2e:N-[9-[(2R,3R,4S,5R)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
2bにて記載した手順に従い、1e(144g、216mmol)を脱保護して、表題化合物2e(126g、定量的、粗製物)を無色泡状物として得、これを追加の精製をせずに使用した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.23 (s, 1 H), 8.73 (s, 1 H), 8.59 (s, 1 H), 8.05 (br d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.71-7.63 (m, 1 H), 7.61-7.52 (m, 2 H), 7.49-7.23 (m, 10 H), 6.16 (d, J=5.75 Hz, 1 H), 5.85 (d, J=7.46 Hz, 1 H), 5.14-4.99 (m, 2 H), 4.86 (d, J=11.86 Hz, 1 H), 4.63 (d, J=11.74 Hz, 1 H), 4.53 (s, 2 H), 4.38 (d, J=5.14 Hz, 1 H), 3.79-3.57 (m, 4 H).
【0390】
3a:1-[(2R,3R,4S,5S)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物2a(34.7g、74.2mmol)およびイミダゾール16.8g(244.7mmol)を乾燥DCM(300ml)に溶解した。室温で、TIPS-クロリド16.2g(18.0ml、81.6mmol)のDCM(200ml)中溶液を加え、反応物を19時間撹拌した。EtOHでクエンチした後、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解した。有機溶液をHO、1M HCl、HOおよび飽和NaHCO溶液、続いて飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物(47.1g)をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中10から100%EtOAc)により精製して、所望のTIPS保護生成物3aを無色泡状物として得た(37.5g、80.9%)。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,22
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 625,3
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 8.52 (s, 1 H), 7.35-7.13 (m, 11 H), 5.88 (d, J=3.89 Hz, 1 H), 4.72-4.63 (m, 1 H), 4.60-4.51 (m, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.34-4.26 (m, 1 H), 4.22 (d, J=6.27 Hz, 1 H), 3.90 (d, J=10.92 Hz, 1 H), 3.77 (d, J=1.00 Hz, 2 H), 3.63-3.51 (m, 2 H), 1.52 (d, J=0.88 Hz, 3 H), 1.12-0.90 (m, 21 H).
【0391】
3b:1-[(2R,3R,4S,5S)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
2b(7.66g、16.8mmol)を出発物とし、3aのためのプロトコールに記載した通りに表題化合物を製造し、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中20から80%EtOAc)後に、所望のシリル化生成物3b(8.69g、84.5%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,23
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 611,2
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 9.04 (s, 1 H), 7.63 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.37-7.34 (m, 8 H), 7.26-7.24 (m, 2 H), 5.96 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 5.37 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 4.77 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 4.62 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 4.49 (s, 2 H), 4.26 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 3.83 (dd, J=8.0, 10.0 Hz, 2 H), 3.63 (dd, J=8.0, 10.0 Hz, 2 H), 1.15-1.04 (m, 21 H).
【0392】
3c:N-[9-[(2R,3R,4S,5S)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物2c(75g、133mmol)の無水DCM(1568ml)中溶液に、N雰囲気下0℃でイミダゾール(38g、559mmol)およびTIPSCl(35.9g、186mmol)を加えた。10から15℃で12時間撹拌した後、溶液を氷水(2l)中に注ぎ入れ、DCM(3×1.5l)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(1l)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc2:1からEtOAc)により精製して、表題化合物3c(65g、68%)を白色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.07 (s,1 H), 11.61 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.37-7.22 (m, 10 H), 5.89 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 5.72 (d, J=5.6 Hz, 1 H) , 4.94-4.93 (m, 2 H) , 4.90-4.53 (m, 3 H), 4.19 (d, J=4.4 Hz, 1 H), 3.92-3.88 (m, 2 H), 3.85-3.71 (m, 2 H), 2.78-2.71 (m, 1 H), 1.13-1.05 (m, 6 H), 1.00-0.94 (m, 21 H).
【0393】
3d:9-[(2R,3R,4S,5S)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-1H-プリン-6-オン
2d(7.75g、16.2mmol)を出発物とし、3aのためのプロトコールに記載した通りに表題化合物を製造し、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc/MeOH(9:1))後に、所望のシリル化生成物3d(8.60g、83.6%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,19
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 635,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.38 (br s, 1 H), 8,22 (s, 1 H), 8,03 (s, 1 H), 7.26 - 7.39 (m, 10 H), 5.94 (d, J=6.85 Hz, 1 H), 5.67 (d, J=6.48 Hz, 1 H), 4.98 - 4.74 (m, 2 H), 4.61 - 4.48 (m, 3 H), 4.24 (d, J=4.89 Hz, 1 H), 3.97 - 3.82 (m, 2 H), 3.69 (s, 2 H), 0.80 - 1.18 (m, 21 H).
【0394】
3e:N-[9-[(2R,3R,4S,5S)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
化合物2e(135g、0.232mol)およびイミダゾール(47.4g、0.696mol)のDCM(1.35l)中混合物に、室温でTIPSCl(80.6g、0.418mol)のDCM(1.35l)中溶液を加えた。混合物を24時間撹拌した。EtOH(400ml)でクエンチした後、混合物を水1.5lで洗浄した。水性層をEtOAc(1l)で2回抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc2:1)により精製して、シリルエーテル3e(145g、84.8%)を白色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.23 (s, 1 H), 8.74 (s, 1 H), 8.63 (s, 1 H), 8.06 (d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.71-7.62 (m, 1 H), 7.60-7.51 (m, 2 H), 7.44-7.23 (m, 10 H), 6.13 (d, J=6.78 Hz, 1 H), 5.77 (d, J=6.40 Hz, 1 H), 5.21-5.10 (m, 1 H), 4.94 (d, J=11.92 Hz, 1 H), 4.66-4.50 (m, 3 H), 4.30 (d, J=4.77 Hz, 1 H), 4.00-3.86 (m, 2 H), 3.74 (s, 2 H), 1.11-0.89 (m, 21 H).
【0395】
4a:1-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
オートクレーブ中、ビス-ベンジルエーテル3a(13.4g、21.4mmol)のEtOH(100ml)中溶液を脱気し、アルゴンでパージした。触媒量のPd(OH)(炭素担持20%)を加えた後、溶液を4barのH雰囲気下1時間セットした。Pd触媒を濾別し、濾液を蒸発させ、所望の脱ベンジル化生成物9.74g(定量的)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,84
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 445,3
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 8.85 (s, 1 H), 7.25 (d, J=1.00 Hz, 1 H), 5.58 (d, J=6.15 Hz, 1 H), 4.71-4.61 (m, 1 H), 4.51-4.44 (m, 1 H), 4.02-3.95 (m, 1 H), 3.94-3.89 (m, 1 H), 3.88-3.77 (m, 3 H), 3.76-3.67 (m, 1 H), 3.22 (br dd, J=6.71, 3.83 Hz, 1 H), 1.93 (d, J=1.00 Hz, 3 H), 1.00 - 1.24 (m, 21 H).
【0396】
4b:1-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
3b(8.69g、14.2mmol)を出発物とし、4aのためのプロトコールに記載した通りに表題化合物を製造して、所望の生成物4b(6.21g、定量的、粗製物)を得、これを精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,78
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 431,1
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.29 (s, 1 H), 7.91 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 5.87 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 5.69 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 5.28 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 5.12 (t, J=4.0 Hz, 1 H), 5.00 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 4.19 (dd, J=8.0, 12.0 Hz, 1 H), 4.05 (t, J=4.0 Hz, 2 H), 3.81 (dd, J=8.0, 12.0 Hz, 2 H), 3.62 (d, J=4.0 Hz, 2 H), 1.05-1.00 (m, 21 H).
【0397】
4c:N-[9-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物3c(95g、0.132mol)の無水DCM(300mL)中溶液に、N雰囲気下-70℃でBCl(921mL)を加えた。反応溶液を-75と-60℃の間で2時間撹拌し、この時点で完全に転化していることがTLCにより検出された。混合物に、NHのMeOH中飽和溶液約200mlを加えた。pHを10~11に調節し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc20:1から4:1)により精製して、脱ベンジル化生成物4c(51g、収率71.6%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.86 (s, 2 H), 8.27 (s, 1 H), 5.83 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 5.42 (s, 1 H), 5.06 (s, 2 H), 4.64 (s, 1 H) , 4.17 (d, J=4.0Hz, 1 H), 3.89 (d, J=10.8 Hz, 1 H), 3.79 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 3.67 (s, 2 H), 2.80-2.73 (m, 1 H),1.17-1.08 (m, 6 H), 1.02-0.92 (m, 21 H).
【0398】
4d:9-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]-1H-プリン-6-オン
出発化合物3d(8.59g、13.53mmol)をDCM(200ml)に溶解した。-70から-50℃に冷却した後、BClのトルエン中1M溶液74.4ml(74.4mmol)を15分間かけて加えた。-70℃で追加の15分間撹拌した後、冷却浴を除去し、撹拌を室温で更に30分間続けた。次いで反応溶液をNHのMeOH中7M溶液180ml中に滴下添加した。20分間撹拌した後、混合物を蒸発させ、残留物をDCM/iPrOH(4:1)100mlに溶解した。飽和NaHCO溶液で洗浄した後、層を分離し、水性層をDCM/iPrOH(4:1)で3回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から10%MeOH)により精製して、表題化合物4d(4.14g、67.3%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,74
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 453,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.38 (m, 1 H), 8.33 (s, 1 H), 8.07 (s, 1 H), 5.87 (d, J=7.34 Hz, 1 H), 5.37 (d, J=6.97 Hz, 1 H), 5.01 - 5.14 (m, 2 H), 4.64 - 4.76 (m, 1 H), 4.15 - 4.20 (m, 1 H), 3.81 - 3.93 (m, 2 H), 3.65 (d, J=5.14 Hz, 2 H), 0.94 - 1.14 (m, 21 H).
【0399】
4e:N-[9-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
化合物3e(31g、42.0mmol)のDCM(620ml)中溶液に、-70℃でBCl(252mL、0.252mol)を滴下添加した。混合物をN下-70℃で30分間撹拌し、15℃に加温した。この温度で更に30分間撹拌した後、温度を-20℃未満に維持しながら、反応混合物をMeOH中7M NH(600ml)中に注意深く注ぎ入れた。蒸発させた後、残留物をDCM/iPrOH(4:1)3lに溶解し、水1lおよび飽和NaHCO溶液で洗浄した。合わせた水性層をDCM/iPrOH(4:1)2×1lで抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:4)により精製して、化合物4e(16.9g、収率72.2%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.23 (s, 1 H), 8.77 (s, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 8.06 (d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.70-7.61 (m, 1 H), 7.60-7.51 (m, 2 H), 6.06 (d, J=7.53 Hz, 1 H), 5.48 (d, J=6.90 Hz, 1 H), 5.22-5.11(m, 2 H), 4.93-4.83 (m, 1 H), 4.24 (t, J=4.77 Hz, 1 H), 3.92 (q, J=10.67 Hz, 2 H), 3.78-3.62 (m, 2 H), 1.14-1.01 (m, 21 H).
【0400】
5a:1-[(2R,6S)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発物質4a(2.93g、6.6mmol)をアセトン/HO(4:1)120mlに溶解した。NaIO(1.69g、7.9mmol)のHO(50ml)中溶液を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾別し、濾液を真空で濃縮した。残った水溶液をEtOAc(200ml)で抽出した。有機層をHOおよび飽和NaCl溶液で洗浄した後、これをMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物2.86g(94.1%)を無色固体として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法B-1:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.04
イオン化方法:ES:[M+H-HO]=443.2
【0401】
5b:1-[(2R,6S)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
4b(6.21g、14.4mmol)を出発物とし、4aに記載したプロトコールに従い、表題化合物を製造して、所望の生成物5b(6.38g、99%)を粗生成物として得、これを追加の精製をせずに使用した。
LCMS-方法B-1:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.00
イオン化方法:ES:[M+H-HO]=429.5
【0402】
5c:N-[9-[(2R,6S)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物4c(25g、46mmol)のアセトン(485ml)と水(145ml)との混合溶媒中溶液に、25℃でNaIO(13.9g、65mmol)の水(150ml)中溶液を加え、混合物を12時間撹拌した。溶媒を真空で蒸発させた後、残留物をEtOAc(500ml)に溶解し、飽和NaHCO溶液(500ml)およびブライン(500ml)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、粗製物5c(25.7g、定量的)を白色固体として得、これを更には精製せずに使用した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.05 (br s, 1 H), 11.79 (s, 1 H), 8.17 (s, 1 H), 7.52 (d, J=5.62 Hz, 1 H), 6.23 (s, 1 H), 5.34 (d, J=5.62 Hz, 1 H), 5.23 (s, 1 H), 4.46 (d, J=9.54 Hz, 1 H), 4.15-4.04 (m, 1 H), 3.93 (d, J=9.78 Hz, 1 H), 3.85 (d, J=10.03 Hz, 1 H), 3.71 (d, J=10.03 Hz, 1 H), 2.85-2.66 (m, 1 H), 1.12 (d, J=6.85 Hz, 6 H), 1.07-0.95 (m, 21 H).
【0403】
5d:9-[(2R,6S)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-1H-プリン-6-オン
出発物質4d(4.14g、9.1mmol)をアセトン/HO(4:1)120mlに溶解した。NaIO(2.63g、12.3mmol)のHO(50ml)中溶液を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。沈殿物を濾別し、濾液を真空で濃縮した。残った水溶液に、飽和NaHCO溶液100mlを加え、水性層をDCM/iPrOH(4:1)100mlで2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物5d(4.27g、99.7%)を無色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.82
イオン化方法:ES:[M+H-HO]=453.3
【0404】
6a:1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物5a(31g、67mmol)の無水MeOH(527ml)中溶液に、N雰囲気下室温で(NH・4HO(19.5g、74mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、続いてAcOH(8.08g、134mmol)、4Åモレキュラーシーブ(62g)およびNaBHCN(8.44g、134mmol)を加えた。TLCにより出発物質が完全に消費されていることが示されるまで、混合物をN雰囲気下室温で12時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を水(200ml)に溶解し、DCM(3×200ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH50:1から10:1)により精製して、化合物6a(19.5g、67%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.27 (br s, 1 H), 7.71-7.52 (m, 1 H), 5.90-5.68 (m, 1 H), 4.68-4.46 (m, 1 H), 4.05-3.83 (m, 2 H), 3.40 (br d, J=5.38 Hz, 2 H), 2.83 (br d, J=9.78 Hz, 1 H), 2.79-2.72 (m, 1 H), 2.66 (br d, J=12.96 Hz, 2 H),1.79 (s, 3 H), 1.22-0.83 (m, 23 H).
【0405】
6c:N-[9-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
化合物5c(25.7g、46.4mmol)を出発物とし、6aにて記載したプルトコルに従い、表題化合物を合成して、所望のモルホリン6cを無色固体として得た(7.5g、30.6%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.56 (br s, 1 H), 8.13 - 8.25 (m, 1 H), 5.67 - 5.81 (m, 2 H), 4.56 (br s, 1 H), 4.08 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 3.83 (br d, J=9.29 Hz, 1 H), 3.39 - 3.48 (m, 2 H), 3.10 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 2.65 - 2.93 (m, 4 H), 1.12 (br d, J=6.60 Hz, 7 H), 0.96 - 1.07 (m, 21 H).
【0406】
7a:1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(6aから)
化合物6a(19.5g、45.7mmol)の無水MeOH(390ml)中溶液に、N雰囲気下室温で4Åモレキュラーシーブ(39g)、アセトン(13.25g、228mmol)およびNaBHCN(14.4g、228mmol)を加えた。2時間撹拌した後、混合物をAcOH(約2.0ml)でpH=5から6に調節し、撹拌を12時間続け、この時点で出発物質が完全に消費していることがTLCにより検出された。溶媒を真空で除去し、残留物を水(500ml)に溶解した。DCM(3×500ml)で抽出した後、有機層を合わせ、NaSOで脱水し、真空で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH50:1から10:1)により精製した後、表題化合物7aを無色固体(17g、81%)として得た。
【0407】
7a:1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(5aから)
出発化合物5a(2.85g、6.2mmol)、NEt(1.26g、1.74ml、12.4mmol)、AcOH(3.73g、3.56ml、61.9mmol)およびイソプロピルアミン924mg(1.34ml、15.5mmol)を乾燥MeOH(60ml)に溶解した。室温で、シアノ水素化ホウ素ナトリウム1.64g(24.8mmol)を加え、溶液を60℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を飽和NaHCO溶液100ml中に注ぎ入れ、溶媒を減圧下で濃縮した。残った水性相をEtOAcで抽出し、これを飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、粗生成物(3.0g)をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中10から80%酢酸エチル)により精製して、所望のモルホリン7a(1.76g、60.7%)を無色固体として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,80
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 470,2
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.30 (s, 1 H), 7.63 (s, 1 H), 5.77 (dd, J=10.42, 2.89 Hz, 1 H), 4.61 (t, J=5.90 Hz, 1 H), 4.00 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 3.74 (d, J=9.03 Hz, 1 H), 3.53-3.41 (m, 2 H), 2.83-2.63 (m, 3 H), 2.26 (br d, J=11.29 Hz, 1 H), 2.21-2.07 (m, 1 H), 1.80 (s, 3 H), 1.14-1.00 (m, 21 H), 0.97 (d, J=6.53 Hz, 6 H).
【0408】
7b:1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-ピリミジン-2,4-ジオン(5bから)
5b(6.38g、14.3mmol)のMeOH(150ml)中溶液に、室温でAcOH(8.62g、8.23ml、142.8mmol)、NEt(2.90g、3.98ml、28.6mmol)およびイソプロピルアミン2.13g(3.09ml、35.7mmol)を加えた。1時間後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム3.78g(57.1mmol)を加え、撹拌を室温で1時間、続いて65℃で追加の1時間続けた。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO溶液150mlを加え、MeOHを真空で蒸発させた。水溶液をEtOAc(350ml)で抽出し、有機層を飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)により精製して、表題化合物7b(3.18g、48.9%)を無色固体として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,76
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 456,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.32 (b s, 1 H), 7.77 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 5.75 (dd, J=9.90, 2.81 Hz, 1 H), 5.61 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 4.62 (t, J=5.93 Hz, 1 H), 3.99 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 3.74 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 3.45 (dd, J=10.33, 6.05 Hz, 2 H), 2.82 (br d, J=10.27 Hz, 1 H), 2.64 - 2.77 (m, 2 H), 2.24 (d, J=11.37 Hz, 1 H), 2.03 - 2.13 (m, 1 H), 1.00 - 1.10 (m, 21 H), 0.96 (m, 6 H).
【0409】
7c:N-[9-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド(6cから)
6c(7.5g、14.0mmol)を出発物とし、7a(6aから)にて記載したプルトコルに従って、表題化合物を合成した。シリカゲル(PE/EtOAc4:1から1:1)上で最後に精製した後、7cを無色固体として単離した(5.13g、63%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.09 (s, 1 H), 11.56 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H), 5.80 (dd, J=9.79, 2.76 Hz, 1 H), 4.60 (t, J=6.27 Hz, 1 H), 4.09 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 3.71 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 3.48 (d, J=6.27 Hz, 2 H), 2.98 (br d, J=10.04 Hz, 1 H), 2.89-2.65 (m, 3 H), 2.43 (t, J = 10.42 Hz, 1 H), 2.34 (d, J=11.29 Hz, 1 H), 1.13 (d, J=6.78 Hz, 6 H), 1.08-1.01 (m, 21 H), 0.99 (d, J=6.27 Hz, 6 H).
【0410】
7d:9-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-1H-プリン-6-オン(5dから)
出発化合物5d(4.27g、9.1mmol)をMeOH(100ml)に溶解した。NEt(1.84g、2.53ml、18.1mmol)、AcOH(5.44g、5.19ml、90.6mmol)およびイソプロピルアミン808mg(1.17ml、13.6mmol)を加えた後、溶液を室温で1時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム1.80g(27.2mmol)を加え、反応物を室温で30分間および60℃で更に30分間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。反応混合物に飽和NaHCO溶液100mlを加え、MeOHを蒸発させた。残った水性相をEtOAc(250ml)で抽出した。有機層を飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)により精製して、表題化合物7dを無色固体として得た(2.68g、61.7%)。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,80
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 480,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.35 (br s, 1 H), 8.31 (s, 1 H), 8.06 (s, 1 H), 5.91 (dd, J=9.90, 2.81 Hz, 1 H), 4.57 (t, J=6.05 Hz, 1 H), 4.11 (d, J=9.05 Hz, 1 H), 3.77 (d, J=9.05 Hz, 1 H), 3.40 - 3.50 (m, 2 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 2.67 - 2.87 (m, 2 H), 2.54 - 2.63 (m, 1 H), 2.33 (d, J=11.37 Hz, 1 H), 0.97 - 1.11 (m, 27 H).
【0411】
【化39】
【0412】
1g:[(2S,3S,4R,5R)-4-アセトキシ-3-ベンジルオキシ-2-(ベンジルオキシメチル)-5-(6-クロロプリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル]メチルアセテート
炭水化物構成単位G3(12.60g、25.9mmol)および6-クロロ-プリン6.19g(38.9mmol)を乾燥ACN(175ml)に溶解した。Ar雰囲気下、DBU(12.07g、11.84ml、77.7mmol)およびTMSOTf(23.26g、18.99ml、103.6mmol)を0℃で加えた。氷浴を除去し、反応物を室温で1時間および80℃で更に1時間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。溶液を室温に冷却し、飽和NaHCO溶液500ml中に注ぎ入れた。1時間激しく撹拌した後、水溶液をEtOAc(300ml)で抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液/HO(1:1)および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物(15.78g)をシリカゲル(n-ヘプタン中10から100%EtOAc)上で精製して、表題化合物1g(12.31g、81.8%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,57
イオン化方法: ES-: [M-H+FA]-= 625,1
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.80 (s, 1 H), 8.75 (s, 1 H), 7.16 - 7.39 (m, 10 H), 6.38 (d, J=4.2 Hz, 1 H), 6.10 (dd, J=5.6, 4.3 Hz, 1 H), 4.86 (d, J=5.7 Hz, 1 H), 4.54 - 4.68 (m, 2 H), 4.37 - 4.47 (m, 3 H), 4.24 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.69 (d, J=10.1 Hz, 1 H), 3.60 (d, J=10.1 Hz, 1 H), 2.05 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H).
【0413】
2h:(2R,3R,4S,5R)-2-(6-アミノプリン-9-イル)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール
クロロプリンリボシド1g(12.30g、21.2mmol)をACN(40ml)に溶解した。アンモニア水(35%)68.0g(77.2ml、1.40mol)を加えた後、反応溶液をオートクレーブ中に移し、70℃で18時間加熱した。反応混合物を蒸発させ、水性残留物をDCM/イソプロパノール(4:1)150mlで3回抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、蒸発させて粗生成物9.37gを得、これをACN(400ml)から再結晶化して、アデノシン類似体2h(6.92g、68.5%)を無色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,69
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 477,9
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.22 (s, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 7.24 - 7.42 (m, 12 H), 6.01 (d, J=5.7 Hz, 1 H), 5.72 (d, J=7.3 Hz, 1 H), 5.01 (br t, J=5.1 Hz, 1 H), 4.91 - 4.98 (m, 1 H), 4.84 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 4.60 (d, J=11.7 Hz, 1 H), 4.51 (s, 2 H), 4.34 (d, J=5.3 Hz, 1 H), 3.57 - 3.72 (m, 4 H).
【0414】
2e:N-[9-[(2R,3R,4S,5R)-4-ベンジルオキシ-5-(ベンジルオキシメチル)-3-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
2h(6.91g、14.5mmol)をAr雰囲気下ピリジン100mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル10.17g(8.41ml、72.4mmol)を加え、反応物を1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をHOに溶解し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、1N HCl(2×250ml)、HO(1×200ml)、飽和NaHCO溶液(2×200ml)および飽和NaCl溶液(1×200ml)で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物(14.66g、黄色泡状物)をピリジン/EtOH(1:1)140mlに溶解した。室温で、2N NaOH(108.5ml、217.1mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。AcOH(11ml)を加えた後、反応溶液を真空で濃縮した。残留物をHO(200ml)で処理し、EtOAc(200ml)で抽出した。有機層を1N HCl(2×200ml)、HO(1×200ml)および飽和NaHCO溶液(1×200ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物(9.0g)をシリカ(n-ヘプタン中20から100%MeOH/EtOAc(9:1))上で精製して、表題化合物2e(7.25g、86.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,12
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 582,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.19 (s, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 8.58 (s, 1 H), 8.05 (br d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.64 (br t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.52 - 7.60 (br t, 2 H), 7.25 - 7.44 (m, 10 H), 6.15 (d, J=5.6 Hz, 1 H), 5.82 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 4.99 - 5.08 (m, 2 H), 4.86 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 4.62 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 4.52 (s, 2 H), 4.38 (d, J=5.1 Hz, 1 H), 3.59 - 3.74 (m, 4 H).
【0415】
【化40】
【0416】
8:[(2S,6R)-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-4-イソプロピル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質7b(6.00g、13.2mmol)を乾燥ピリジン80mlに溶解した。室温で塩化ベンゾイル2.80g(2.32ml、19.75mmol)を加え、反応物を20時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を蒸発させた後、残留物をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液2×100ml、HO、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、表題化合物7.99g(定量的)を無色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.23
イオン化方法:ES:[M+H]=560.5
【0417】
9:[(2S,6R)-6-(4-アミノ-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-4-イソプロピル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発化合物8(粗製物7.99g、13.2mmol)を乾燥ACN(200ml)に溶解した。NEt(22.88g、31.4ml、223.8mmol)および1H-1,2,4-トリアゾール11.13g(158.0mmol)を加えた後、溶液を0℃に冷却し、POCl(6.06g、3.68ml、39.5mmol)の乾燥ACN(50ml)中溶液を、激しく撹拌しながら加えた。氷浴を除去し、溶液を2時間撹拌した。減圧下、溶媒約200mlを蒸発させ、残った溶液を飽和NaHCO溶液/HO(1:1)500ml中に注ぎ入れた。水性混合物をDCM(150ml)で3回抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗製の中間体(9.1g、黄色泡状物)をACN(200ml)に溶解し、アンモニア水溶液(32%)100mlを加えた。反応溶液を室温で18時間撹拌し、この時点で完全に転化していた。溶媒を減圧下で除去し、HO(100ml)を残留物に加えた。DCM(2×200ml)で抽出し、有機相をMgSOで乾燥し、溶媒を蒸発させて、粗製の化合物9(7.65g、定量的)を得、これを追加の精製をせずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.02
イオン化方法:ES:[M-H]=557.4
【0418】
10:[(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-4-イソプロピル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発化合物9(7.64g、13.2mmol)を乾燥ピリジン130mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル2.90g(2.40ml、20.5mmol)を加え、溶液を20時間撹拌し、この時点で完全に転化していた。溶媒を蒸発させた後、残留物をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液2×100ml、HO、飽和NaHOC溶液およびNaCl溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、粗生成物8.88gを得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、表題化合物10(6.69g、76.7%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.29
イオン化方法:ES:[M-H]=661.5
【0419】
7f:N-[1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
化合物10(3.63g、5.48mmol)をピリジン/EtOH(2:1)45mlに溶解した。0℃で、1M NaOH溶液27.4ml(27.4mmol)を加えた。溶液を0℃で30分および室温で更に3時間撹拌して、完全に転化させた。クエン酸一水和物(約2.0g)を加えることによりpHを約6に調節した。有機溶媒を35℃で除去し、水溶液をEtOAcで抽出した。有機相を10%クエン酸溶液150ml、HO、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で3回洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させた。得られた粗生成物(2.73g、黄色泡状物)をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中10から70%EtOAc)により精製して、表題化合物7f(2.25g、73.4%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,89
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 559,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.23 (s, 1 H), 8.31 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 8.01 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.63 (t, J=7.5 Hz, 1 H), 7.52 (m, 2 H), 7.37 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 5.86 (dd, J=9.5, 2.6 Hz, 1 H), 4.67 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 4.06 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 3.76 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 3.51 (m, 2 H), 2.98 (br d, J=10.5 Hz, 1 H), 2.64 - 2.83 (m, 2 H), 2.31 (m, 1 H), 2.00 (m, 1 H), 0.93 - 1.14 (m, 27 H).
【0420】
【化41】
【0421】
11:[(2S,6R)-4-イソプロピル-6-(6-オキソ-1H-プリン-9-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質7d(2.68g、5.59mmol)、DIPEA(2.53g、3.42ml、19.55mmol)およびDMAP(0.34g、2.79mmol)を乾燥DCM(50ml)に溶解した。室温で、塩化ベンゾイル1.18g(0.97ml、8.38mmol)を加え、反応物を18時間撹拌して、完全に転化させた。MeOH(20ml)を加えた後、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液2×100ml、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、表題化合物11(3.47g、定量的、粗製物)を無色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.18
イオン化方法:ES:[M+H]=584.4
【0422】
12:[(2S,6R)-6-(6-クロロプリン-9-イル)-4-イソプロピル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発化合物11(粗製物2.86g、4.90mmol)、N,N-ジメチルアニリン(1.28g、1.34ml、10.53mmol)およびテトラエチルアンモニウムクロリド(1.24g、7.35mmol)を乾燥ACN(30ml)に溶解した。撹拌しながら、POCl(1.70g、1.03ml、11.07mmol)を室温で加え、溶液を3時間還流した。室温に冷却した後、混合物を飽和NaHCO溶液150ml中に注ぎ入れ、固体のNaHCO(3.0g)を追加で加えた。反応物を30分間撹拌し、DCM(100ml)で抽出した。層を分離し、水性相をDCM(50ml)で2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲル(n-ヘプタン中0から50%EtOAc)上で精製した後、表題化合物12(1.52g、51.4%)を薄黄色泡状物として単離した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.33
イオン化方法:ES:[M+H]=602.4
【0423】
13:[(2S,6R)-6-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-4-イソプロピル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
クロロプリン12(1.54g、2.56mmol)、ベンズアミド(646mg、3.84mmol)およびCsCO(1.25g、3.84mmol)をジオキサン30mlに溶解した。Pd(OAc)(43mg、191.8μmol)およびxantphos(111mg、191.8μmol)を加えた後、反応溶液をアルゴン下100℃で1時間撹拌して、完全に転化させた。反応物を室温に冷却し、EtOAc(50ml)で希釈した。溶液を濾過し、濾液を真空で蒸発させた。粗生成物(2.48g)をシリカゲル(n-ヘプタン中10から100%EtOAc)上で精製して、所望の化合物13(1.29g、73.4%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.26
イオン化方法:ES:[M+H]=687.6
【0424】
7e:N-[9-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
7fにて記載したプルトコルに従って、ベンゾエート13(1.00g、1.46mmol)を鹸化した。クロマトグラフィー精製をせずに、表題化合物7e(731mg、86.2%、粗製物)を薄黄色泡状物として単離することができた。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,97
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 583,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.17 (s, 1 H), 8.75 (s, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 8.04 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.65 (t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 6.11 (dd, J=9.9, 2.7 Hz, 1 H), 4.61 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 4.15 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 3.85 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 3.46 (br d, J=6.7 Hz, 2 H), 3.08 (br d, J=10.4 Hz, 1 H), 2.71 - 2.89 (m, 3 H), 2.37 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 0.95 - 1.19 (m, 27 H).
【0425】
【化42】
【0426】
14a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
第一級アルコール7a(810mg、1.7mmol)およびNEt(873mg、1.20ml、8.6mmol)をDCM(30ml)に溶解した。室温で、DMT-Cl(716mg、2.1mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。更に0.6当量のDMT-Clを加え、終夜撹拌した後、反応は完全に転化していることを示した。粗生成物の溶液をシリカカラムに直接移し、n-ヘプタン中0から65%EtOAcを用いて精製して、所望の生成物14a(1.19g、89.0%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.38
イオン化方法:ES:[M+H]=772.5
【0427】
14b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
7b(1.00g、2.2mmol)およびDIPEA(1.42g、1.92ml、11.0mmol)をDCM(30ml)に溶解した。DMT-クロリド948mg(2.7mmol)を加え、反応物を室温で終夜撹拌して、完全に転化させた。Isolute-sorbentを加えた後、有機溶媒を除去し、固体物質をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から75%EtOAc)上で精製して、DMT保護生成物14b(1.61g、96.8%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.34
イオン化方法:ES:[M+H]=758.3
【0428】
14c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
14aにて記載したプロトコールに従って、出発化合物7c(1.00g、1.77mmol)を保護した。シリカゲル(DCM中0から5%MeOH)上で精製した後、所望の生成物14cを黄色泡状物として単離した(1.46g、94.8%)。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.66
イオン化方法:ES:[M+H]=867.6
【0429】
14e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発物質7e(950mg、1.63mmol)をDCM/ピリジン(1:1)10mlに溶解した。DMT-Cl(733mg、2.12mmol)のDCM(20ml)中溶液を加えた後、反応物を1.5時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を蒸発させた後、残留物をEtOAcに溶解し、HO、10%クエン酸溶液で2回および飽和NaHCO溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め処理した;n-ヘプタン中0から50%EtOAc)上で精製して、DMT-エーテル14e(1.20g、83.2%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.38
イオン化方法:ES:[M-H]=883.5
【0430】
14f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
14eのためのプロトコールに従って、出発物質7f(2.25g、4.02mmol)を、乾燥ピリジン中で保護した。シリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め処理した;n-ヘプタン中0から80%EtOAc)上で最後のクロマトグラフィー後に、表題化合物14f(3.35g、96.9%)を黄色泡状物として単離した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.40
イオン化方法:ES:[M+H]=861.6
【0431】
15a:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
TIPS保護モルホリン14a(1.18g、1.5mmol)およびトリエチルアミン6.74g(9.26ml、66.0mmol)をTHF(30ml)に溶解した。室温で、NEt・3HF(12.23g、12.4ml、73.6mmol)を加え、反応物を65℃で1時間撹拌した。室温で終夜静置した後、NMP(10ml)を加え、反応物を65℃で追加の14時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で濃縮し、残ったNMP溶液をHO/飽和NaHCO溶液混合物(1:2)に加えた。水溶液をEtOAcで抽出し、有機層をHOおよび飽和NaCl溶液で3回洗浄した。MgSOで乾燥した後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中1%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中10から100%酢酸エチル)により精製して、脱シリル化生成物15a(645mg、68.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,67
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 616,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.53 - 7.58 (m, 1 H), 7.41 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.20 - 7.31 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.82 (dd, J=9.66, 2.93 Hz, 1 H), 4.61 (br s, 1 H), 3.67 - 3.79 (m, 8 H), 3.07 (s, 1 H), 2.97 - 3.10 (m, 1 H), 2.80 (br d, J=9.78 Hz, 1 H), 2.63 - 2.76 (m, 2 H), 2.17 - 2.31 (m, 2 H), 1.69 (s, 3 H), 0.95 (d, J=6.60 Hz, 6 H).
【0432】
15b:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
14b(1.60g、2.1mmol)をNMP(20ml)に溶解した。NEt(4.73g、6.50ml、46.3mmol)およびNEt・3HF(8.41g、8.50ml、50.6mmol)を加えた後、混合物を室温で15時間、続いて65℃で5時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、続いて飽和NaHCO溶液250mlおよびHO(250ml)を加えた。EtOAc(250ml)で抽出した後、有機層をHO(2×)および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、シリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、所望のアルコール15bを無色泡状物として得た(1.16g、91.1%)。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,63
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 602,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (br s, 1 H), 7.63 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.40 (br d, J=7.82 Hz, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.88 (d, J=8.56 Hz, 4 H), 5.81 (br d, J=7.34 Hz, 1 H), 5.62 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 4.62 (br s, 1 H), 3.78 - 3.95 (m, 1 H), 3.68 - 3.76 (m, 7 H), 3.11 (d, J=9.05 Hz, 1 H), 2.96 (br d, J=9.05 Hz, 1 H), 2.82 (br d, J=10.27 Hz, 1 H), 2.60 - 2.76 (m, 2 H), 2.10 - 2.22 (m, 2 H), 0.94 (d, J=6.36 Hz, 6 H).
【0433】
15c:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
TIPS保護アルコール14c(1.44g、1.66mmol)をTHF(17ml)に溶解した。65%ピリジン・HF溶液1.27g(1.15ml、8.30mmol)を加えた後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。激しく撹拌しながら、NaHCO(0.9g)およびHO(10ml)を加え、撹拌を2時間続けた。THFを除去し、水溶液をDCM/iPrOH(4:1)で10回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、15c(0.83g、70.1%、粗製物)を得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,11
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 709,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.09 (s, 1 H), 11.67 (s, 1 H), 8.05 (s, 1 H), 7.38 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.18 - 7.30 (m, 7 H), 6.85 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.92 (dd, J=8.99, 3.00 Hz, 1 H), 4.64 (t, J=5.14 Hz, 1 H), 3.71 - 3.84 (m, 8 H), 2.90 - 3.08 (m, 3 H), 2.55 - 2.83 (m, 4 H), 2.31 - 2.47 (m, 1 H), 1.12 (dd, J=6.79, 3.36 Hz, 6 H), 0.96 (d, J=6.48 Hz, 6 H).
【0434】
15e:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発化合物14e(1.20g、1.35mmol)およびNEt(1.91g、2.63ml、18.90mmol)をTHF(20ml)に溶解した。NEt・3HF(3.59g、3.63ml、21.60mmol)を加えた後、溶液を65℃で加熱し、続いて更にNEt(0.95g、1.32ml、9.45mmol)およびNEt・3HF(1.80g、1.82ml、10.8mmol)を加えた。完全に転化するまで(約10時間)、反応混合物を65℃で撹拌した。室温に冷却した後、混合物をHO/飽和NaHCO溶液(1:1)150mlに注ぎ入れ、30分間撹拌した。水溶液を50DCMで3回抽出し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中10から100%EtOAc)後に、脱保護生成物15e(835mg、84.9%)を無色泡状物として単離した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,74
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 729,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.21 (br s, 1 H), 8.74 (s, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 8.04 (d, J=7.62 Hz, 2 H), 7.62 - 7.67 (m, 1 H), 7.52 - 7.58 (m, 2 H), 7.37 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.15 - 7.29 (m, 7 H), 6.82 (d, J=7.95 Hz, 4 H), 6.16 (dd, J=9.17, 2.93 Hz, 1 H), 4.67 (t, J=5.20 Hz, 1 H), 3.86 - 3.96 (m, 1 H), 3.79 (dd, J=11.00, 5.87 Hz, 1 H), 3.69 - 3.73 (m, 6 H), 3.01 - 3.15 (m, 2 H), 2.90 - 2.99 (m, 2 H), 2.68 - 2.84 (m, 2 H), 2.40 (m, 1 H), 1.00 (d, J=6.60 Hz, 6 H).
【0435】
15f:N-[1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
15eにて記載した通りに、出発化合物14f(3.35g、3.88mmol)をNEt・3HFで処理した。70℃で反応時間20時間後、完全に転化した。15eと同様に後処理し、最後に精製して、表題化合物15f(2.57g、93.7%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,79
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 705,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.28 (br s, 1 H), 8.10 (br d, J=7.58 Hz, 1 H), 8.00 (d, J=7.69 Hz, 2 H), 7.58 - 7.67 (m, 1 H), 7.51 (t, J=7.64 Hz, 2 H), 7.21 - 7.43 (m, 10 H), 6.89 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.93 (dd, J=9.41, 2.69 Hz, 1 H), 4.66 (t, J=5.26 Hz, 1 H), 3.91 (dd, J=10.94, 4.22 Hz, 1 H), 3.71 - 3.77 (m, 7 H), 3.19 (d, J=9.05 Hz, 1 H), 2.92 - 3.06 (m, 2 H), 2.65 - 2.79 (m, 2 H), 2.18 (d, J=11.49 Hz, 1 H), 2.07 (t, J=10.21 Hz, 1 H), 0.95 (d, J=6.36 Hz, 6 H).
【0436】
16a:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
15a(624mg、1.0mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン401.0mg(513μl、3.0mmol)の乾燥DCM(15ml)中溶液に、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト370.9mg(349.6μl、1.5mmol)をAr雰囲気下室温で加えた。1時間撹拌した後、反応物をn-ブタノール200μlを加えることによりクエンチし、撹拌を10分間続けた。反応溶液をHOで洗浄し、水性相をDCMで1回抽出した。有機層をMgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中10から100%メチル-tert-ブチルエーテル)により精製して、所望のホスホロアミダイト(ジアステレオマーの混合物)16a(668mg、80.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法B-2:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,82
イオン化方法: ES+: [M]+ = 733,1 (M-iPr2N+OH+H+)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.37,11.36 (2 x s, 1 H), 7.60, 7.56 (2 x s, 1 H), 7.41 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.83 - 6.90 (m, 4 H), 5.88 (m, 1 H), 3.84 - 4.05 (m, 2 H), 3.74 (s, 6 H), 3.54 - 3.73 (m, 2 H), 3.40 - 3.54 (m, 2 H), 3.14 (m, 1 H), 2.95 - 3.05 (m, 1 H), 2.57 - 2.84 (m, 5 H), 2.15 - 2.37 (m, 2 H), 1.76, 1.73 (2 x s, 3 H), 0.93 - 1.14 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,1, 147,6.
【0437】
16b:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
16aにて記載したプロトコールに従って、表題化合物を製造した。第一級アルコール15b(1.95g、3.2mmol)を出発物とし、シリカゲル(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から80%EtOAc)上で精製した後、所望のホスホロアミダイト16b(1.70g、65.7%)を無色泡状物として単離した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,85
イオン化方法: ES+: [M]+ = 719,2 (M-iPr2N+OH+H+)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (br s, 1 H), 7.67, 7.63 (2 x d, J=8.19 Hz, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.84 - 6.89 (m, 4 H), 5.81 - 5.89 (m, 1 H), 5.67, 5.63 (2 x d, J=8.13 Hz, 1 H), 3.89 - 4.08 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.54 - 3.72 (m, 2 H), 3.41 - 3.54 (m, 2 H), 3.16 (d, J=9.05 Hz, 1 H), 2.96 (t, J=9.05 Hz, 1 H), 2.84 (br d, J=10.15 Hz, 1 H), 2.55 - 2.76 (m, 4 H), 2.10 - 2.33 (m, 2 H), 0.89 - 1.12 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,3, 147,6.
【0438】
16c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
アルコール15c(100mg、141μmol)、モレキュラーシーブ(4Å)0.2gおよびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド12.7mg(70μmol)を乾燥DCM(2.5ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト42.8mg(45μl、138μmol)を加え、溶液を室温で2時間撹拌して、完全に転化させた。飽和NaHCO溶液を加えた後、有機相を分離し、水性相をDCMで抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(DCM+0.5%NEtで予め調整した、DCM中0から10%MeOH)上で精製して、表題化合物16c(87mg、67.9%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,50, 2,52
イオン化方法: ES+: [M-iPr2N+OH+H]+= 828,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.08 (br s, 1 H), 11.62 (br s, 1 H), 8.09, 8.04 (2 x s, 1 H), 7.33 - 7.40 (m, 2 H), 7.18 - 7.29 (m, 7 H), 6.81 - 6.87 (m, 4 H), 5.91 (m, 1 H), 3.93 - 4.07 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.54 - 3.72 (m, 2 H), 3.39 - 3.50 (m, 2 H), 3.11 (m, 1 H), 2.92 - 3.07 (m, 2 H), 2.54 - 2.81 (m, 6 H), 2.26 - 2.38 (m, 1 H), 0.94 - 1.16 (m, 18 H), 0.83 - 0.91 (m, 6 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,5, 146,7.
【0439】
16e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
15e(820mg、1.13mmol)およびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド584mg(3.38mmol)を乾燥DCM(20ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト524mg(1.69mmol)を加え、溶液を室温で撹拌した。終夜撹拌した後、HO(50ml)を加え、層を分離した。水性層をDCM(30ml)で1回抽出し、合わせた有機相をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%MTB-エーテル/DCM(1:1))により精製して、表題化合物16e(913mg、87.3%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.19 (s, 1 H), 8.76, 8.74 (2 x s, 1 H), 8.61, 8.59 (2 x s, 1 H), 8.04 (d, J=8.09 Hz, 2 H), 7.64 (t, J=7.37 Hz, 1 H), 7.51 - 7.60 (m, 2 H), 7.37 (m, 2 H), 7.16 - 7.28 (m, 7 H), 6.77 - 6.84 (m, 4 H), 6.19 (m, 1 H), 3.98 - 4.15 (m, 2 H), 3.71 (2 x s, 6 H), 3.56 - 3.69 (m, 2 H), 3.41 - 3.56 (m, 2 H), 3.03 - 3.17 (m, 2 H), 2.89 - 3.01 (m, 2 H), 2.74 - 2.88 (m, 2 H), 2.70 (t, J=6.15 Hz, 1 H), 2.59 (m, 1 H), 2.36 (m, 1 H), 0.92 - 1.18 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,0, 146,7.
【0440】
16f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
16eにて記載したプロトコールに従って、第一級アルコール15f(550mg、0.78mmol)をホスフィチル化した。シリカゲル(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%MTB-エーテル/DCM(1:1))上でクロマトグラフィー精製した後、16f(560mg、79.3%)を無色泡状物として単離した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.29 (br s, 1 H), 8.12 (2 x d, J=7.50 Hz, 1 H), 7.98 - 8.04 (m, 2 H), 7.63 (t, J=7.40 Hz, 1 H), 7.48 - 7.55 (m, 2 H), 7.36 - 7.45 (m, 3 H), 7.21 - 7.35 (m, 7 H), 6.88 (2 x d, J=8.89, 4 H), 5.95, 6.01 (2 x m, 1 H), 3.89 - 4.14 (m, 2 H), 3.74, 3.75 (2 x s, 6 H), 3.55 - 3.72 (m, 2 H), 3.39 - 3.55 (m, 2 H), 3.24 (d, J=8.85 Hz, 1 H), 2.93 - 3.05 (m, 2 H), 2.68 - 2.87 (m, 3 H), 2.55 - 2.64 (m, 1 H), 2.10 - 2.23 (m, 2 H), 0.90 - 1.22 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,4, 146,7.
【0441】
【化43】
【0442】
17a:[(2S,6R)-4-イソプロピル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
遊離アルコール7a(810mg、1.7mmol)をDCM(20ml)に溶解した。DIPEA(1.14g、1.45ml、8.6mmol)および塩化ベンゾイル294mg(243μl、2.1mmol)を加えた後、溶液を室温で2時間撹拌した。完全に転化させるため、更に0.2当量の塩化ベンゾイルを加え、撹拌を18時間続けた。反応溶液を、n-ヘプタン中0から65%EtOAcで溶出するシリカゲルカラムに直接移した。ベンゾイル化生成物17a(726mg、73.3%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.29
イオン化方法:ES:[M+H]=574.3
【0443】
17b:[(2S,6R)-6-(3-ベンゾイル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-4-イソプロピル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
17aに記載した通りに、第一級アルコール7b(1.45g、3.18mmol)を塩化ベンゾイルで処理して、モノおよびジベンジル化生成物の混合物を得た。それゆえ、反応混合物を蒸発させ、粗生成物をピリジン30mlに溶解した。塩化ベンゾイル565mg(3.98mmol)および触媒量のDMAPを加えた後、反応溶液を室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を除去した。シリカ(n-ヘプタン中0から35%EtOAc)上で最後にクロマトグラフィーを行って、ジベンゾイル化生成物17b(1.64g、77.8%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.67
イオン化方法:ES:[M+H]=664.4
【0444】
17c:[(2S,6R)-4-イソプロピル-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発化合物7c(0.89g、1.58mmol)をピリジン30mlに溶解した。塩化ベンゾイル246mg(203μl、1.73mmol)を加えた後、反応溶液を室温で終夜撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。HOで洗浄した後、有機相を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。シリカ(DCM中0から5%MeOH)上で最後に精製して、表題化合物17cを無色泡状物として得た(1.01g、95.4%)。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.28
イオン化方法:ES:[M+H]=669.2
【0445】
18a:[(2R,6R)-2-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
17a(720mg、1.25mmol)のTHF(15ml)中溶液を、ピリジン-フッ化水素1.34g(1.22ml、8.8mmol)で処理した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO溶液で処理して、pHを7.5にした。溶媒を減圧下で濃縮し、水溶液をDCMで2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を除去した。粗生成物をトルエン50mlで2回共蒸留し、残った残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、所望の生成物18a(502mg、95.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.30
イオン化方法:ES:[M+H]=418.2
【0446】
18b:[(2R,6R)-6-(3-ベンゾイル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
18aにて記載したプルトコルに従い、シリルエーテル17b(1.64g、2.47mmol)を脱シリル化して、所望の生成物18b(1.33g)を粗生成物として得、これをクロマトグラフィー精製せずに次のステップに使用した。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.81
イオン化方法:ES:[M+H]=508.2
【0447】
18c:[(2R,6R)-2-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
17c(1.0g、1.49mmol)をDMF(10ml)に溶解した。NEt(1.53g、2.10ml、15.0mmol)およびNEt・3HF(1.48g、1.49ml、9.0mmol)を加えた後、反応溶液を90℃で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却した後、NaHCO(2.5g)およびHO(10ml)を加え、反応混合物を2時間撹拌した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物をDCM/iPrOH(25ml)に溶解し、HOで洗浄した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(DCM中0から10%MeOH)上で精製して、脱シリル化生成物18c(245mg、32.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.45
イオン化方法:ES:[M+H]=513.1
【0448】
18e:[(2R,6R)-6-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-メチルベンゾエート
18aにて記載したプルトコルに従って、シリルエーテル13(1.23g、1.79mmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)後に、表題化合物18e(939mg、98.8%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.60
イオン化方法:ES:[M-H]=529.3
【0449】
18f:[(2R,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
18aにて記載したプルトコルに従って、シリルエーテル10(3.63g、5.48mmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH)後に、表題化合物18f(2.45g、88.4%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.53
イオン化方法:ES:[M+H]=507.3
【0450】
19a:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発化合物18a(497mg、1.2mmol)をDCM(15ml)に溶解した。DIPEA(502mg、643μl、3.8mmol)およびDMT-Cl(659mg、1.90mmol)を加えた後、反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空で蒸発させ、粗生成物をシリカゲル(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製した。DMT保護生成物19aを無色泡状物として単離した(779mg、90.9%)。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.14
イオン化方法:ES:[M+H]=720.4
【0451】
19b:[(2R,6R)-6-(3-ベンゾイル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
第一級アルコール18b(1.30g、2.41mmol)およびNEt(492mg、676μl、4.82mmol)をDCM(20ml)に溶解した。DMT-Cl(925mg、2.65mmol)を加えた後、反応物を室温で6時間撹拌し、続いて更にDMT-Cl(925mg、2.65mmol)を加えた。反応物を72時間撹拌した。n-プロパノール2.0mlを加えた後、溶液を10分間撹拌した。混合物をHOで洗浄し、有機層を分離した。MgSOで乾燥した後、溶媒を真空で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から25%EtOAc)により精製して、所望のDMT-エーテル19b(1.74g、89.2%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.25
イオン化方法:ES:[M+H]=810.3
【0452】
19c:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発アルコール18c(240mg、468μmol)をDCM(5.0ml)に溶解した。NEt(95.7mg、131.5μl、936μmol)およびDMT-Cl(180mg、515μmol)を加えた後、反応物を室温で3日間撹拌して、完全に転化させた。n-プロパノール2.0mlを加えた後、溶液を10分間撹拌した。混合物をHOで洗浄し、有機層を分離した。MgSOで乾燥した後、溶媒を真空で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から25%EtOAc)により精製して、所望のDMT-エーテル19c(303mg、79.4%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.93
イオン化方法:ES:[M-H]=813.2
【0453】
19e:[(2R,6R)-6-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質18e(934mg、1.76mmol)をDMC/ピリジン(1:1)20mlに溶解した。DMT-Cl(974mg、2.82mmol)を加えた後、反応溶液を室温で17時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解し、HO、2×10%クエン酸溶液、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、蒸発させた。得られた粗生成物(1.77g)をEtOAc/ジエチルエーテル(1:2)20mlに溶解した。n-ペンタン40mlを加えた後、沈殿物を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。沈殿手順を更に2回繰り返して、所望のDMT-エーテル19eを無色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.07
イオン化方法:ES:[M-H]=831.5
【0454】
19f:[(2R,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
18f(2.45g、4.84mmol)をピリジン40mlに溶解した。DMT-Cl(2.51g、7.26mmol)を加えた後、反応混合物を室温で4日間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解し、HO、2×10%クエン酸溶液、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲル(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、表題化合物19f(3.69g、94.3%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.14
イオン化方法:ES:[M-H]=807.4
【0455】
20a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
ベンゾイルエステル19a(775mg、1.1mmol)をTHF-メタノール(4:1)20mlに溶解した。室温で、2N NaOH水溶液4.31ml(8.6mmol)を加え、反応物を90分間撹拌した。クエン酸一水和物を加えることにより、pHを7と8との間で調節し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残留物をDCMおよびHOに溶解した。有機層を分離し、水性相をDCMで抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中5から100%EtOAc)により精製して、所望の生成物20a(663mg、定量的)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,73
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 616,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.29 (s, 1 H), 7.60 (d, J=1.10 Hz, 1 H), 7.39 (d, J=6.93 Hz, 2 H), 7.19 - 7.33 (m, 7 H), 6.88 (d, J=8.68 Hz, 4 H), 5.60 (dd, J=9.96, 2.87 Hz, 1 H), 4.64 (t, J=5.93 Hz, 1 H), 3.74 (m, 6 H), 3.53 - 3.60 (m, 1 H), 3.44 - 3.52 (m, 1 H), 3.32 - 3.37 (m, 1 H), 3.09 (d, J=8.56 Hz, 1 H), 2.76 (br d, J=11.62 Hz, 1 H), 2.61 - 2.72 (m, 2 H), 2.37 (d, J=11.49 Hz, 1 H), 2.10 (t, J=10.45 Hz, 1 H), 1.78 (s, 3 H), 0.84 - 0.96 (m, 6 H).
【0456】
20b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物19b(1.40g、1.73mmol)をMeOH(80ml)に溶解した。室温で、NaOMeのMeOH中0.5M溶液13.83ml(6.91mmol)を加え、反応溶液を2時間撹拌して、完全に転化させた。クエン酸0.92gを加えた後、溶媒を除去した。残留物をHOに溶解し、水性混合物をDCM/iPrOH(4:1)で3回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、所望の化合物20b(0.85g、81.2%、粗製物)を得、これを更には精製せずに引き続くステップに使用した。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,04
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 602,2
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.31 (s, 1 H), 7.75 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.39 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.10 - 7.33 (m, 8 H), 6.88 (d, J=8.31 Hz, 4 H), 5.55 - 5.64 (m, 2 H), 4.66 (t, J=5.93 Hz, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.57 (dd, J=11.31, 6.79 Hz, 1 H), 3.46 (br dd, J=11.25, 5.14 Hz, 1 H), 3.08 (d, J=8.56 Hz, 1 H), 2.54 - 2.79 (m, 3 H), 2.32 - 2.39 (m, 1 H), 1.95 - 2.13 (m, 1 H), 0.86 - 0.98 (m, 6 H).
【0457】
20c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
出発物質19c(260mg、319μmol)をEtOH(10ml)に溶解した。1M NaOH溶液1.0ml(1.0mmol)を加えた後、溶液を室温で4時間撹拌して、完全に転化させた。溶液を1M HClで中和し、溶媒を真空で除去した。残留物をHOに溶解し、DCMで抽出した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で最後に精製して、所望のアルコール20c(114mg、50.3%)を黄色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,36
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 709,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.08 (s, 1 H), 11.52 (s, 1 H), 8.20 (s, 1 H), 7.35 - 7.43 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.83 - 6.92 (m, 4 H), 5.56 (dd, J=9.60, 2.75 Hz, 1 H), 4.59 - 4.66 (m, 1 H), 3.73 (2 x s, 6 H), 3.51 - 3.62 (m, 2 H), 3.43 - 3.50 (m, 1 H), 2.88 - 3.02 (m, 3 H), 2.70 - 2.82 (m, 2 H), 2.30 - 2.39 (m, 1 H), 1.11 (m, 6 H), 1.01 (d, J=6.48 Hz, 3 H), 0.97 (d, J=6.48 Hz, 3 H).
【0458】
20e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発化合物19e(1.27g、1.52mmol)をEtOH/ピリジン(1:1)14mlに溶解した。0℃で、1M NaOH溶液7.59ml(15.19mmol)を加え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。クエン酸一水和物(958mg)を加えることによりpHを7に調節した後、HO(70ml)およびEtOAcを加えた。有機層を分離し、10%クエン酸溶液(3×)、HO、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、有機相を蒸発させて、粗生成物1.08gを無色泡状物として得、これをEtOAc/ジエチルエーテル(1:1)20mlに溶解した。n-ペンタン40mlを加えた後、沈殿物を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。沈殿手順を更に2回繰り返して、表題化合物20e(964mg、87.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,42
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 727,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.18 (s, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 8.05 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.61 - 7.68 (m, 1 H), 7.56 (t, J=7.58 Hz, 2 H), 7.45 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.28 - 7.36 (m, 6 H), 7.20 - 7.28 (m, 1 H), 6.90 (dd, J=8.99, 2.26 Hz, 4 H), 5.89 (dd, J=9.84, 2.63 Hz, 1 H), 4.69 (t, J=5.99 Hz, 1 H), 3.75 (s, 6 H), 3.45 - 3.61 (m, 3 H), 3.24 - 3.30 (m, 1 H), 3.00 (br d, J=10.15 Hz, 1 H), 2.85 (br d, J=11.62 Hz, 1 H), 2.60 - 2.78 (m, 2 H), 2.45 - 2.55 (m, 1 H), 0.98 (br d, J=6.48 Hz, 3 H), 0.95 (br d, J=6.48 Hz, 3 H).
【0459】
20f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
20eにて記載した手順に従って、19f(3.68g、4.55mmol)を鹸化した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中20から100%EtOAc)により精製して、20f(1.72g、53.5%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,81
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 703,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.24 (s, 1 H), 8.29 (d, J=7.46 Hz, 1 H), 8.01 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.62 (t, J=7.40 Hz, 1 H), 7.51 (t, J=7.70 Hz, 2 H), 7.20 - 7.41 (m, 10 H), 6.88 (dd, J=8.99, 2.38 Hz, 4 H), 5.68 (dd, J=9.35, 2.38 Hz, 1 H), 4.71 (t, J=6.11 Hz, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.58 - 3.69 (m, 1 H), 3.48 - 3.58 (m, 1 H), 3.35 - 3.43 (m, 1 H), 3.11 (d, J=8.56 Hz, 1 H), 2.79 - 2.95 (m, 2 H), 2.66 - 2.76 (m, 1 H), 2.39 - 2.47 (m, 1 H), 1.91 - 2.00 (m, 1 H), 0.96 (d, J=6.54 Hz, 3 H), 0.94 (d, J=6.54 Hz, 3 H).
【0460】
21a:3-[[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-イソプロピル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]-オキシプロパンニトリル
16a(スキーム5)のためのプロトコールに従って、出発物質20a(764mg、1.2mmol)を所望のホスホロアミダイト21aに変換した。842mg(83.2%、ジアステレオマーの混合物)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.34, 11.32 (2 x s, 1 H), 7.59, 7.54 (2 x d, J=1.10 Hz, 1 H), 7.36 - 7.43 (m, 2 H), 7.20 - 7.34 (m, 7 H), 6.89 (m, 4 H), 5.59 - 5.75 (m, 1 H), 3.44 - 3.95 (m, 6 H), 3.74 (s, 6 H), 3.36 (m, 1 H), 3.22 (m, 1 H), 2.60 - 2.85 (m, 5 H), 2.36 (m, 1 H), 2.18 (m, 1 H), 1.78 (2 x d, J=8.69 Hz, 3 H), 0.83 - 1.17 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,6, 148,3.
【0461】
21b:3-[[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
16b(スキーム5)のためのプロトコールに従って、対応するアルコール20b(1.36g、2.26mmol)を出発物として、表題化合物21bを合成した。表題化合物1.09g(60.1%)を無色泡状物として単離した。
LCMS-方法B-1:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,80
イオン化方法: ES+: [M-NiPr2+OH+H]+= 718,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.32 (br s, 1 H), 7.71, 7.66 (2 x s, J= 8.13 Hz, 1 H), 7.35 - 7.42 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.83 - 6.92 (m, 4 H), 5.60 - 5.70 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.43 - 3.95 (m, 6 H), 3.29 - 3.39 (m, 1 H), 3.22 (m, 1 H), 2.59 - 2.83 (m, 5 H), 2.33 (m, 1 H), 2.13 (m, 1 H), 0.84 - 1.21 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,5, 148,3.
【0462】
21c:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
16cの合成(スキーム5)にて記載したプロトコールに従って、出発化合物20c(40mg、56μmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%メチル-tert-ブチルエーテル、n-ヘプタン+1%NEtで予め調整したカラム)後に、所望のホスホロアミダイト21c(23mg、44.9%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,57
イオン化方法: ES+: [M-NiPr2+OH+H]+= 828,2
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.70 - 12.30 (b s, 1 H), 11.53 (b s, 1 H), 8.05 (s, 1 H), 7.35 - 7.45 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.82 - 6.91 (m, 4 H), 5.54 - 5.68 (m, 1 H), 3.80 - 3.93 (m, 0.5 H), 3.73, 3.72 (2 x s, 6 H), 3.68 - 3.76 (m, 1.5 H), 3.60 - 3.67 (m, 2 H), 3.35 - 3.60 (m, 4 H), 3.12 (m, 1 H), 2.57 - 2.98 (m, 7 H), 0.92 - 1.13 (m, 24 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147.6, 147.4.
【0463】
21e:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
20e(950mg、1.30mmol)を出発物とし、16e(スキーム5)にて記載したプルトコルに従って、表題化合物を製造して、21e(1.10g、91.0%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.19 (br s, 1 H), 8.73, 8.71 (2 x s, 1 H), 8.63, 8.59 (2 x s, 1 H), 8.04 (d, J=7.65 Hz, 2 H), 7.64 (t, J=7.34 Hz, 1 H), 7.55 (t, J=7.43 Hz, 2 H), 7.44 (d, J=7.78 Hz, 2 H), 7.21 - 7.35 (m, 7 H), 6.86 - 6.93 (m, 4 H), 5.89 - 5.99 (m, 1 H), 3.80 - 4.15 (m, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.63 - 3.72 (m, 2 H), 3.31 - 3.60 (m, 5 H), 3.01 (br d, J=10.79 Hz, 1 H), 2.66 - 2.90 (m, 4 H), 2.59 - 2.64 (m, 1 H), 2.42 - 2.47 (m, 1 H), 0.91 - 1.12 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,6, 147,5.
【0464】
21f:N-[1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-イソプロピル-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
20f(620mg、0.88mmol)を出発物とし、16e(スキーム5)にて記載したプルトコルに従って、表題化合物を製造して、21f(681mg、85.5%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.28 (br s, 1 H), 8.12 - 8.23 (2 x d, J= 7.47 Hz, 1 H), 8.01 (d, J=7.65 Hz, 2 H), 7.58 - 7.67 (m, 1 H), 7.51 (t, J=7.58 Hz, 2 H), 7.35 - 7.42 (m, 3 H), 7.20 - 7.35 (m, 7 H), 6.83 - 6.93 (m, 4 H), 5.71 - 5.80 (2 x dd, J=9.49, 2.54 Hz, 1 H), 3.44 - 4.00 (m, 6 H), 3.74 (s, 6 H), 3.38 (m, 1 H), 3.24 - 3.33 (m, 1 H), 2.60 - 2.94 (m, 5 H), 2.33 - 2.48 (m, 1 H), 2.01 - 2.09 (m, 1 H), 1.02 - 1.23 (m, 12 H), 0.83 - 1.00 (m, 6 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,5, 147,4.
【0465】
【化44】
【0466】
22a:1-[(2R,3R,4S,5S)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,4-ジヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物4a(23.7g、53.4mmol)の無水ピリジン240ml中溶液に、N雰囲気下室温でDMT-Cl(23.13g、80mmol)を加えた。12時間撹拌した後、溶媒を真空で除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc10:1から1:1)により精製して、所望のDMT保護生成物22a(16.3g、41%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.34 (s, 1 H), 7.50 (d, J=0.75 Hz, 1 H), 7.42-7.37 (m, 2 H), 7.32 (t, J=7.53 Hz, 2 H), 7.29-7.22 (m, 6 H), 6.90 (dd, J=8.91, 2.13 Hz, 4 H), 5.89 (d, J=7.28 Hz, 1 H), 5.45 (d, J=6.53 Hz, 1 H), 5.15 (d, J=5.02 Hz, 1 H), 4.48-4.39 (m, 1 H), 4.31 (t, J=5.14 Hz, 1 H), 3.86-3.80 (m, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 1.28 (s, 3 H), 0.98-0.83 (m, 22 H).
【0467】
22b:1-[(2R,3R,4S,5S)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,4-ジヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
化合物4b(75g、174mmol)の無水ピリジン750ml中溶液に、N雰囲気下室温でDMT-Cl(70.8g、209mmol)を加えた。混合物を12時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で除去し、残留物を水500mlで希釈し、EtOAc(3×500ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1からEtOAc/MeOH20:1)により精製して、22b(80g、62.6%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (s, 1 H), 7.61 (d, J=8.28 Hz, 1 H), 7.42-7.36 (m, 2 H), 7.32 (t, J=7.65 Hz, 2 H), 7.28-7.19 (m, 5 H), 6.90 (d, J=8.03 Hz, 4 H), 5.83 (d, J=6.53 Hz, 1 H), 5.48 (d, J=6.02 Hz, 1 H), 5.27 (d, J=8.03 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=5.27 Hz, 1 H), 4.33-4.26 (m, 1 H), 4.22 (q, J=6.02 Hz, 1 H), 3.89-3.79 (m, 2 H), 3.74 (s, 6 H), 3.24 (d, J=10.04 Hz, 1 H), 1.01-0.84 (m, 21 H).
【0468】
22c:N-[9-[(2R,3R,4S,5S)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,4-ジヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
22bにて記載したプロトコールに従って、4c(55.8g、103mmol)をピリジン中DMT-Clで保護して、22c(50.0g、57.4%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.12 (br s, 1 H), 11.67 (br s, 1 H), 7.99-7.83 (m, 1 H), 7.38 (br d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.32-7.13 (m, 8 H), 6.84 (dd, J=8.78, 2.26 Hz, 4 H), 5.86 (d, J=7.03 Hz, 1 H), 5.70-5.45 (m, 1 H), 5.18 (br s, 1 H), 4.73-4.62 (m, 1 H), 4.25 (br d, J=4.77 Hz, 1 H), 3.97 (br d, J=10.29 Hz, 1 H), 3.84 (br d, J=10.29 Hz, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.20 (br d, J=10.04 Hz, 1 H), 2.76 (dt, J=13.61, 6.87 Hz, 1 H), 1.12 (d, J=6.78 Hz, 6 H), 1.01-0.87 (m, 21 H).
【0469】
22e:N-[9-[(2R,3R,4S,5S)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,4-ジヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
22bにて記載したプロトコールに従って、4e(57.0g、102mmol)をピリジン中DMT-Clで保護して、22eを無色固体として得た(70.0%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.22 (s, 1 H), 8.68-8.58 (m, 1 H), 8.49 (s, 1 H), 8.05 (d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.70-7.60 (m, 1 H), 7.59-7.50 (m, 2 H), 7.43 (d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.33-7.17 (m, 7 H), 6.86 (dd, J=8.91, 1.38 Hz, 4 H), 6.00 (d, J=7.28 Hz, 1 H), 5.53 (d, J=6.78 Hz, 1 H), 5.32 (d, J=4.89 Hz, 1 H), 5.00-4.87 (m, 1 H), 4.34 (t, J=4.89 Hz, 1 H), 4.08-4.04 (m, 1 H), 3.98 (d, J=10.79 Hz, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.40 (d, J=9.54 Hz, 1 H), 3.30 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 1.12-0.93 (m, 21 H).
【0470】
23a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,5-ジヒドロキシ-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発物質22a(12.6g、16.9mmol)のアセトン/HO(3:1)250ml中溶液に、室温でNaIO(5.05g、23.6mmol)のHO(60ml)中水溶液を滴下添加した。混合物を12時間撹拌して完全に転化させ、氷水500ml中に注ぎ入れた。混合物をDCM(500ml)で3回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、所望の生成物23a(11.20g、87%)を白色泡状物として得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.62-11.33 (m, 1 H), 7.80-7.65 (m, 1 H), 7.57-7.38 (m, 3 H), 7.33-7.13 (m, 9 H), 6.88-6.73 (m, 5 H), 6.08-5.86 (m, 1 H), 5.71-5.51 (m, 1 H), 5.24-5.06 (m, 1 H), 5.01-4.94 (m, 1 H), 4.29-4.16 (m, 1 H), 3.75-3.70 (m, 7 H), 3.34-3.24 (m, 1 H), 3.06-2.81 (m, 1 H), 2.02-1.59 (m, 2 H), 1.03 (m, 1 H), 1.09-0.74 (m, 21 H).
【0471】
23b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,5-ジヒドロキシ-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
23aにて記載したプロトコールに従って、ジオール22b(77.0g、105mmol)から、表題化合物23b(80g、定量的、粗生成物)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.67-11.36 (m, 1 H), 7.87-7.77 (m, 1 H), 7.76-7.67 (m, 1 H), 7.55-7.41 (m, 2 H), 7.39-7.20 (m, 8 H), 6.94-6.81 (m, 4 H), 5.94-5.87 (m, 1 H), 5.78-5.63 (m, 1 H), 5.59-5.51 (m, 1 H), 5.25-5.08 (m, 1 H), 5.07-4.99 (m, 1 H), 4.32-4.20 (m, 1 H), 3.82-3.70 (m, 6 H), 3.34-3.26 (m, 1 H), 3.15-3.04 (m, 1 H), 2.95-2.86 (m, 1 H), 1.14-0.81 (m, 22 H).
【0472】
23c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,5-ジヒドロキシ-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
23aにて記載したプロトコールに従って、ジオール22c(50.0g、59mmol)から、表題化合物23c(47g、96.1%、粗生成物)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.25-12.06 (m, 1 H), 11.78-11.55 (m, 1 H), 8.19 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 7.44 (br d, J=7.28 Hz, 1 H), 7.38 (br d, J=6.53 Hz, 1 H), 7.34-7.14 (m, 10 H), 6.99 (d, J=6.78 Hz, 1 H), 6.90-6.71 (m, 5 H), 6.05-5.98 (m, 1 H), 5.74 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 5.61-5.53 (m, 1 H), 5.48 (q, J=6.78 Hz, 1 H), 5.24-5.17 (m, 1 H), 5.06 (d, J=6.53 Hz, 1 H), 4.35-4.22 (m, 1 H), 3.83 (br d, J=11.54 Hz, 1 H), 3.72 (d, J=3.26 Hz, 7 H), 3.27 (br d, J=9.29 Hz, 1 H), 3.29-3.23 (m, 1 H), 3.12-3.04 (m, 1 H), 2.91-2.75 (m, 1 H), 1.22-0.76 (m, 29 H).
【0473】
23e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,5-ジヒドロキシ-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
23aにて記載したプロトコールに従って、ジオール22e(78.0g、90.6mmol)から、表題化合物23e(75.2g、94.6%、粗生成物)を白色固体として得た。
MS(m/z)=876.2[M+H]
【0474】
24a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物23a(2.6g、3.4mmol)の無水MeOH(44ml)中溶液に、N雰囲気下室温で(NH・4HO(0.98g、3.7mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、続いてAcOH(0.45g、6.8mmol)、4Åモレキュラーシーブ5.0gおよびNaBHCN(0.47g、6.8mmol)を加えた。室温で12時間撹拌した後、TLCは、出発物質が完全に消費されていることを示した。溶媒を真空で除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc4:1から1:1)により精製して、所望のモルホリン24a(1.59g、64%)を白色泡状物として得た。
MS (m/z) = 752,5 [M+Na]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.39 (s, 1 H), 7.62 (s, 1 H), 7.43 (br d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.33-7.23 (m, 8 H), 6.84 (d, J=8.78 Hz, 5 H), 5.86 (br dd, J=9.91, 2.64 Hz, 1 H), 5.89-5.81 (m, 1 H), 4.13 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 3.96 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 3.72 (d, J=0.75 Hz, 6 H), 3.06 (br d, J=9.29 Hz, 1 H), 2.97 (br d, J=9.03 Hz, 1 H), 2.93-2.78 (m, 2 H), 2.76-2.57 (m, 3 H), 1.76 (s, 3 H), 0.98-0.87 (m, 22 H).
【0475】
24b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
化合物23b(5.0g、6.7mmol)の無水MeOH(85ml)中溶液に、N雰囲気下25℃で(NH・4HO(1.93g、7.6mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、続いてAcOH(0.80g、13.4mmol)、4Åモレキュラーシーブ10gおよびNaBHCN(0.84g、13.4mmol)を加えた。12時間撹拌した後、混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。残留物を氷水で希釈し、EtOAc(50ml)で3回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc10:1から1:1)により精製して、表題化合物24bを白色泡状物として得た(94%)。
MS (m/z) = 738,5 [M+H]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.44 (br s, 1 H), 7.75 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.45 (br d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.37-7.20 (m, 7 H), 6.89 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.88 (br dd, J=10.03, 2.45 Hz, 1 H), 5.73 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 4.17 (br d, J=9.78 Hz, 1 H), 4.11-4.02 (m, 2 H), 3.77 (d, J=0.73 Hz, 6 H), 3.12 (br d, J=9.05 Hz, 1 H), 3.02-2.83 (m, 3 H), 2.70-2.58 (m, 2 H), 1.06-0.90 (m, 21 H).
【0476】
24c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
24bにて記載したプロトコールに従って、出発物質23c(7.0g、8.2mmol)をモルホリン化合物24cに変換し、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc5:1から1:1)後に、これを無色泡状物として単離した(73.2%)。
MS (m/z) = 825,2 [M+H]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.12 (br s, 1 H), 11.59 (s, 1 H), 8.15 (s, 1 H), 7.40 (br d, J=7.03 Hz, 2 H), 7.30-7.12 (m, 7 H), 6.81 (br d, J=7.78 Hz, 4 H), 5.83 (dd, J=9.66, 3.14 Hz, 1 H), 4.23 (br d, J=9.03 Hz, 1 H), 3.92 (br d, J=9.03 Hz, 1 H), 3.72 (d, J=2.76 Hz, 6 H), 2.97 - 3.18 (m, 3 H), 2.96-2.86 (m, 2 H), 2.80 (dt, J=13.55, 6.78 Hz, 1 H), 2.67 (br d, J=12.05 Hz, 1 H), 1.13 (t, J=6.15 Hz, 6 H), 1.03-0.82 (m, 22 H).
【0477】
24e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
24bにて記載したプロトコールに従って、出発物質23e(5.0g、5.7mmol)をモルホリン化合物24eに変換し、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:4)後に、これを無色泡状物として単離した(73.4%)。
MS (m/z) = 843,1 [M+H]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.22 (br s, 1 H), 8.75 (s, 1 H), 8.66 (s, 1 H), 8.05 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.70-7.62 (m, 1 H), 7.60-7.51 (m, 2 H), 7.38 (br d, J=6.97 Hz, 2 H), 7.26-7.16 (m, 7 H), 6.78 (d, J=8.93 Hz, 4 H), 6.16 (dd, J=10.03, 2.81 Hz, 1 H), 4.26 (d, J=9.66 Hz, 1 H), 4.10-3.98 (m, 1 H), 3.71 (d, J=0.73 Hz, 6 H), 3.28 (br d, J=10.64 Hz, 1 H), 3.16 (br d, J=9.17 Hz, 1 H), 3.06 (br d, J=9.17 Hz, 1 H), 2.98-2.90 (m, 2 H), 2.79 (br d, J=12.47 Hz, 1 H), 1.10-0.82 (m, 21 H).
【0478】
【化45】
【0479】
25:tert-ブチル(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート
モルホリン24b(50g、69.8mmol)およびDIPEA(18g、139.7mol)のDCM(500ml)中混合物に、室温でBocO(22.9g、104.8mol)を滴下添加した。24時間撹拌した後、溶媒を真空で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1)により精製して、化合物25(60g、収率93%)を白色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.58 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.45 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.33-7.26 (m, 7 H), 6.85-6.81 (m, 4 H), 6.02-5.98 (dd, J=10.0 3.6 Hz, 1 H), 5.77 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 4.24-4.11 (m, 2 H), 3.99 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.80 (s, 1 H), 3.75 (m, 1 H), 3.28-3.20 (m, 2 H), 3.08 (d, J=12.8 Hz, 1 H), 2.69 (t, J=11.4 Hz, 1 H), 1.48 (m, 9 H), 1.03-0.95 (m, 21 H).
【0480】
26:tert-ブチル(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[2-オキソ-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-1-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート
1H-1,2,4-トリアゾール(65g、0.94mol)のACN(650ml)中混合物に、30℃でPOCl(49.79g、0.31mol)を滴下添加した。0℃に冷却した後、DIPEA(198g、1.53mol)を滴下添加し、撹拌を0℃で30分間続けた。同一温度で、出発物質25(32g、39.21mmol)を混合物に一度で加え、氷浴を除去し、反応物を30℃で3時間撹拌した。混合物をEtOAc/水(1:2)の混合溶媒3l中に注ぎ入れた。分離した後、有機層を飽和NaHCO溶液500mlおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、粗製の化合物26(40g)を黄色油状物として得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
MS(m/z)=867.5[M+H]
【0481】
27:tert-ブチル-(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート
ベンズアミド(38g、0.31mol)のジオキサン380ml中混合物に、0℃でNaH(12.8g、0.31mol)を一部ずつ加えた。30℃で30分間撹拌した後、トリアゾール26(40g、39.21mmol、粗製物)を一度に加え、混合物を30℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NHCl溶液24lでクエンチし、EtOAc(3l)で抽出した。有機層を水2lおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、粗製の化合物54gを黄色油状物として得た。最後にシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc2:1)にかけて、27(20.4g、56.6%)を黄色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.31 (br s, 1 H), 8.20 (br d, J=7.21 Hz, 1 H), 8.01 (br d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.70-7.59 (m, 1 H), 7.58-7.48 (m, 2 H), 7.47-7.36 (m, 3 H), 7.34-7.16 (m, 7 H), 6.87 (br d, J=7.70 Hz, 4 H), 5.96 (br dd, J=10.09, 2.63 Hz, 1 H), 4.12 (br d, J=11.25 Hz, 1 H), 4.00-3.83 (m, 3 H), 3.74 (s, 6 H), 3.28-3.16 (m, 2 H), 3.06 (br d, J=9.17 Hz, 2 H), 1.55-1.32 (m, 9 H), 1.11-0.80 (m, 21 H).
【0482】
28:N-[1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
27(13.5g、14.70mmol)のDCM(93ml)中溶液に、0℃でTFA(31ml)を滴下添加した。反応物を30℃で16時間撹拌した。飽和NaHCO溶液でpH=7~8に中和した後、有機層を分離し、水性相をDCM(100ml)で2回抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH=30:1)により精製して、28(2.7g、収率35.6%)を黄色泡状物として、および対応するトリフルオロ酢酸エステル(4.78g、53.1%)を副生成物として得、これをTHF(186ml)とEtOH(62ml)との混合溶媒に溶解した。0℃で1M NaOH水溶液75.8mlを加えた。2分間撹拌した後、溶液を飽和クエン酸溶液で中和し、HO(300ml)で希釈し、EtOAc(300ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH30:1)により精製して、28(5.2g、68.5%)を白色固体として得た。
MS (m/z) = 517,4 [M+H+]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.26 (br s, 1 H), 8.28 (d, J=7.53 Hz, 1 H), 8.01 (d, J=7.28 Hz, 2 H), 7.67-7.58 (m, 1 H), 7.57-7.47 (m, 2 H), 7.34 (d, J=7.40 Hz, 1 H), 5.86 (dd, J=9.66, 2.64 Hz, 1 H), 4.64 (br s, 1 H), 4.01-3.90 (m, 2 H), 3.46 (br s, 2 H), 3.05 (dd, J=11.98, 2.57 Hz, 1 H), 3.11-3.00 (m, 1 H), 2.87-2.75 (m, 1 H), 2.74-2.63 (m, 1 H), 2.40-2.27 (m, 1 H), 1.15-0.99 (m, 21 H).
【0483】
29:9H-フルオレン-9-イルメチル(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート
モルホリン28(7.0g、13.55mmol)のDMF(70ml)中溶液に、0℃でFmoc-N-ヒドロキシ-スクシンイミドエステル5.5g(16.26mmol)を一部ずつ加えた。16時間撹拌した後、溶液を水100ml中に注ぎ入れ、EtOAc(30ml)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。シリカ(PE/EtOAc1:2)上で最後に精製して、化合物29(10.0g、定量的)を黄色固体として得た。
MS (m/z) = 739,4 [M+H]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.26 (br s, 1 H), 8.33 (br s, 1 H), 8.02 (br d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.90 (d, J=7.58 Hz, 2 H), 7.64 (br t, J=7.40 Hz, 3 H), 7.57-7.49 (m, 2 H), 7.48-7.40 (m, 3 H), 7.39-7.30 (m, 2 H), 6.11-5.79 (m, 1 H), 4.98 (t, J=6.05 Hz, 1 H), 4.52-4.12 (m, 4 H), 3.89-3.69 (m, 2 H), 3.54 (br s, 3 H), 3.21-3.07 (m, 1 H), 3.04-2.77 (m, 1 H), 1.11-0.89 (m, 21 H).
【0484】
30:9H-フルオレン-9-イルメチル-(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート
化合物29(13.9g、18.83mmol)のピリジン140ml中溶液に、25℃でDMT-Cl(12.75g、37.62mmol)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を蒸発させた後、残留物をEtOAc(200ml)に溶解し、水100mlおよびブラインで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1)により精製して、化合物30(17.3g、88.1%)を黄色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.32 (br s, 1 H), 8.21 (br s, 1 H), 8.02 (br d, J=7.58 Hz, 2 H), 7.88 (br s, 2 H), 7.76-7.60 (m, 3 H), 7.59-7.50 (m, 2 H), 7.42 (br d, J=7.21 Hz, 5 H), 7.38-7.19 (m, 9 H), 6.89 (br d, J=8.44 Hz, 4 H), 6.19-5.85 (m, 1 H), 4.28 (br s, 4 H), 3.91 (br d, J=8.80 Hz, 2 H), 3.75 (s, 6 H), 3.23 (br s, 1 H), 3.10 (br d, J=9.05 Hz, 3 H), 1.06-0.78 (m, 21 H).
【0485】
24f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
30(8.4g、8.07mmol)のDCM(85ml)中溶液に、室温でピペリジン17mlを加えた。完全に転化した(約20分)後、反応溶液を飽和NHCl溶液で洗浄した。水性相をDCMで抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:4)により精製して、表題化合物24f(4.7g、71.2%)を白色泡状物として得た。
MS (m/z) = 819,4 [M+H]+
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.31 (br s, 1 H), 8.18 (d, J=7.58 Hz, 1 H), 8.01 (br d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.67-7.58 (m, 1 H), 7.57-7.47 (m, 2 H), 7.42 (br d, J=7.46 Hz, 3 H), 7.34-7.15 (m, 7 H), 6.86 (br d, J=8.56 Hz, 4 H), 6.04-5.89 (m, 1 H), 4.18 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 4.07 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 3.73 (d, J=1.34 Hz, 6 H), 3.15 (br d, J=9.17 Hz, 1 H), 3.05 (br d, J=10.15 Hz, 1 H), 2.97 (br d, J=9.17 Hz, 1 H), 2.88 (br d, J=12.47 Hz, 1 H), 2.62 (br d, J=12.47 Hz, 1 H), 2.46 (br s, 1 H), 1.08-0.83 (m, 21 H).
【0486】
【化46】
【0487】
化合物31a~31fを製造する還元的アミノ化反応のための一般的手順A
モルホリン24a(1.0g、1.4mmol)をMeOH(25ml)に溶解し、続いてモレキュラーシーブ(4Å)2.0g、NEt(560mg、769μl、5.5mmol)、AcOH(827mg、789μl、13.7mmol)および1.0から3.0当量の対応するアルデヒドまたはケトンを加えた。15分間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム344mg(5.5mmol)を30分毎に4回に分けて加え、反応物を室温で6時間撹拌した。終夜静置した後、混合物を濾過し、濾液を飽和NaHCO溶液25mlで希釈した。MeOHを蒸発させ、水性相をDCM/iPrOH(5:1)50mlで抽出した。更に濾過した後、有機相を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。得られた粗生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
【0488】
31a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-メチル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
一般的手順Aに従って、3.0当量のホルムアルデヒド(37%水溶液)を使用し、表題化合物31a(1.0g)を粗生成物として単離し、更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.29
イオン化方法:ES:[M+H]=744.3
【0489】
31b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ブチル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
一般的手順Aに従って、2.0当量のブチルアルデヒドを使用し、表題化合物31b(1.19g)を粗生成物として単離し、更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.41
イオン化方法:ES:[M+H]=786.7
【0490】
31c:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-オクチル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
一般的手順Aに従って、2.0当量のオクタナールを使用し、表題化合物31c(1.35g)を粗生成物として単離し、更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.66
イオン化方法:ES:[M+H]=842.7
【0491】
31d:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ヘキサデシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
一般的手順Aに従って、1.0当量のヘキサデカナールを使用し、表題化合物31d(1.58g)を粗生成物として単離し、更には精製せずに使用した。
【0492】
31e:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
一般的手順Aに従って、1.25当量のシクロヘキサノンを使用し、表題化合物31e(1.14g)を粗生成物として単離し、更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.45
イオン化方法:ES:[M+H]=812.5
【0493】
31f:1-[(2R,6S)-4-ベンジル-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
一般的手順Aに従って、1.25当量のベンズアルデヒドを使用し、表題化合物31f(1.12g)を粗生成物として単離し、更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.37
イオン化方法:ES:[M+H]=821.4
【0494】
31g:1-[(2R,6S)-4-アセチル-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物24a(1.0g、1.4mmol)をDCM(25ml)に溶解した。AcOH(103mg、99μl、1.7mmol)、HBTU(779mg、2.1mmol)およびジイソプロピル-エチルアミン903mg(1.19ml、6.9mmol)を加えた後、反応混合物を室温で4時間撹拌して、完全に転化させた。反応溶液をHO(25ml)で洗浄し、有機層を分離した。MgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)により精製して、表題化合物31g(1.06g、定量的)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.20
イオン化方法:ES:[M-H]=770.2
【0495】
31h:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ヘキサデカノイル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
31gのためのプロトコールに従って、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から20%MeOH)後に、出発化合物24a(1.0g、1.4mmol)およびパルミチン酸を表題化合物31h(1.14g、86%)に変換した。
【0496】
化合物32a~32hを製造する脱シリル化反応のための一般的手順B
粗生成物31a~31hをNMP(12ml)に溶解した。NEt(2.1g、2.9ml、20.6mmol)およびNEt・3HF(1.14g、1.15ml、6.9mmol)を加えた後、反応混合物を90℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、溶液を飽和NaHCO溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。残留物をアセトニトリル/HOに溶解し、凍結乾燥した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物32a~32hを得た。
【0497】
32a:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-メチル-モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31aを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32a(543mg、66.0%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,59
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 588,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.37 (s, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.85 (dd, J=9.78, 2.93 Hz, 1 H), 4.63 (t, J=5.32 Hz, 1 H), 3.70 - 3.78 (m, 7 H), 3.65 (m, 1 H), 2.96 - 3.06 (m, 2 H), 2.81 (br d, J=9.29 Hz, 1 H), 2.63 - 2.74 (m, 1 H), 2.21 (s, 3 H), 2.06 - 2.16 (m, 1 H), 1.97 - 2.04 (m, 1 H), 1.67 (s, 3 H).
【0498】
32b:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ブチル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31bを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32b(753mg、85.5%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,75
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 630,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.20 - 7.34 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.68 Hz, 4 H), 5.85 (dd, J=9.66, 2.93 Hz, 1 H), 4.62 (t, J=5.14 Hz, 1 H), 3.70 - 3.78 (m, 7 H), 3.65 (m, 1 H), 2.96 - 3.09 (m, 2 H), 2.86 (br d, J=9.05 Hz, 1 H), 2.71 - 2.80 (m, 1 H), 2.31 (br t, J=7.15 Hz, 2 H), 1.99 - 2.22 (m, 2 H), 1.67 (s, 3 H), 1.20 - 1.45 (m, 4 H), 0.88 (m, 3 H).
【0499】
32c:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-4-オクチル-モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31cを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32c(751mg、78.2%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,99
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 686,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (b s, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.19 - 7.34 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.68 Hz, 4 H), 5.84 (dd, J=9.72, 2.87 Hz, 1 H), 4.61 (t, J=5.14 Hz, 1 H), 3.69 - 3.82 (m, 7 H), 3.64 (m, 1 H), 2.97 - 3.14 (m, 2 H), 2.82 - 2.91 (m, 1 H), 2.70 - 2.76 (m, 1 H), 2.30 (br t, J=7.09 Hz, 2 H), 1.98 - 2.21 (m, 2 H), 1.67 (s, 3 H), 1.33 - 1.46 (m, 2 H), 1.26 (m, 10 H), 0.81 - 0.92 (m, 3 H).
【0500】
32d:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ヘキサデシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31dを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32d(677mg、60.6%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,44
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 798,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.18 - 7.34 (m, 7 H), 6.86 (m, 4 H), 5.84 (m, 1 H), 4.61 (m, 1 H), 3.69 - 3.80 (m, 7 H), 3.64 (m, 1 H), 2.97 - 3.07 (m, 2 H), 2.85 (br d, J=8.80 Hz, 1 H), 2.68 - 2.77 (m, 1 H), 2.24 - 2.35 (m, 2 H), 1.99 - 2.20 (m, 2 H), 1.67 (s, 3 H), 1.35 - 1.46 (m, 2 H), 1.23 (s, 26 H), 0.82 - 0.88 (m, 3 H).
【0501】
32e:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31eを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32e(701mg、76.4%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,75
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 656,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (s, 1 H), 7.55 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.18 - 7.33 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.93 Hz, 4 H), 5.81 (m, 1 H), 4.59 (t, J=5.20 Hz, 1 H), 3.72 - 3.78 (m, 7 H), 3.66 (m, 1 H), 3.03 (m, 2 H), 2.84 (br d, J=9.41 Hz, 1 H), 2.66 - 2.73 (m, 1 H), 2.23 - 2.39 (m, 3 H), 1.64 - 1.78 (m, 4 H), 1.68 (s, 3 H), 0.99 - 1.27 (m, 6 H).
【0502】
32f:1-[(2R,6R)-4-ベンジル-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31fを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32f(591mg、63.6%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,94
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 664,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.33 (s, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 7.18 - 7.39 (m, 14 H), 6.86 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.86 (dd, J=9.66, 2.93 Hz, 1 H), 4.62 (t, J=5.20 Hz, 1 H), 3.83 (dd, J=10.94, 4.46 Hz, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.66 (dd, J=11.00, 5.99 Hz, 1 H), 3.47 - 3.61 (m, 2 H), 3.01 (s, 2 H), 2.72 - 2.84 (m, 2 H), 2.22 - 2.31 (m, 1 H), 2.14 - 2.21 (m, 1 H), 1.66 (s, 3 H).
【0503】
32g:1-[(2R,6R)-4-アセチル-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31gを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32g(600mg、69.6%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,77
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 614,2
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.43 (s, 1 H), 7.64 (s, 0.65 H), 7.58 (s, 0.35 H), 7.36 - 7.47 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.84 - 6.91 (m, 4 H), 5.88 (dd, J=10.58, 2.75 Hz, 0.35 H), 5.74 - 5.80 (m, 0.65 H), 5.00 (t, J=4.40 Hz, 0.65 H), 4.63 (t, J=4.83 Hz, 0.35 H), 4.39 (br d, J=10.88 Hz, 0.65 H), 4.22 (br d, J=13.33 Hz, 0.35 H), 3.89 (m, 0.35 H), 3.74 (s, 6.65 H), 3.42 - 3.65 (m, 2 H), 3.35 - 3.41 (m, 1 H), 3.00 - 3.12 (m, 2 H), 2.83 - 2.98 (m, 1 H), 2.03 (m, 3 H), 1.73 (s, 3 H).
【0504】
32h:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ヘキサデカノイル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
粗生成物31hを出発物とし一般手順Bに従って、最終のシリカゲル精製(DCM中0から5%MeOH)により、表題化合物32h(874mg、76.9%、2ステップ)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,33
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 304,3 (DMT+)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.42 (br s, 1 H), 7.61, 7.57 (2 x s, 1 H), 7.41 (m, 2 H), 7.20 - 7.34 (m, 7 H), 6.87 (m, 4 H), 5.84 (m, 0.5 H),, 5.77 (m, 0.5 H), 4.95 (m, 0.5 H), 4.64 (m, 0.5 H), 4.40 (m, 0.5 H), 4.24 (m, 0.5 H), 3.95 (m, 0.5 H), 3.69 -3.84 (m, 0.5 H), 3.74 (s, 6 H), 3.41 - 3.62 (m, 2 H), 3.00 - 3.15 (m, 2 H), 2.22 - 2.40 (m, 2 H), 1.72 (s, 3 H), 1.47 (br s, 2 H), 1.23 (br s, 26 H), , 0.82 - 0.90 (m, 3 H).
【0505】
ホスホロアミダイト33a~33hの製造のための一般的手順C
出発物質32a~32h(1.0mmol)およびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(3.0mmol)を乾燥DCM(25ml)に溶解した。2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.5mmol)を加えた後、溶液をAr雰囲気下室温で撹拌した。1.5時間後、反応溶液をHO(50ml)で洗浄した。層を分離し、水性相をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%メチル-tert-ブチルエーテル、n-ヘプタン+1%NEtで予め調整したカラム)により精製して、最後にホスホロアミダイト33a~33hを得た。
【0506】
33a:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-メチル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32a(540mg、0.92mmol)を表題化合物33aに変換し、これを無色泡状物として単離した(568mg、78.5%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (br s, 1 H), 7.54, 7.52 (2 x s, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.86 (d, J=8.85 Hz, 4 H), 5.90 (m, 1 H), 4.02 (m, 1 H), 3.79 - 3.92 (m, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.39 - 3.64 (m, 4 H), 2.98 - 3.12 (m, 2 H), 2.66 - 2.84 (m, 3 H), 2.53 - 2.64 (m, 1 H), 2.23, 2.21 (2 x s, 3 H), 1.99 - 2.18 (m, 2 H), 1.72, 1.69 (2 x s, 3 H), 0.91 - 1.12 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,9, 147,7.
【0507】
33b:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ブチル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32b(750mg、0.98mmol)を表題化合物33bに変換し、これを無色泡状物として単離した(569mg、70.2%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (br s, 1 H), 7.57, 7.54 (2 x s, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.86 (d, J=8.78 Hz, 4 H), 5.90 (m, 1 H), 3.83 - 4.01 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.53 - 3.64 (m, 2 H), 3.39 - 3.52 (m, 2 H), 3.06 - 3.15 (m, 1 H), 2.96 - 3.05 (m, 1 H), 2.73 - 2.90 (m, 2 H), 2.63 - 2.70 (m, 1 H), 2.59 (m, 1 H), 2.24 - 2.48 (m, 2 H), 1.99 - 2.19 (m, 2 H), 1.73, 1.70 (2 x s, 3 H), 1.27 - 1.42 (m, 4 H), 0.95 - 1.18 (m, 12 H), 0.87 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,4, 147,0.
【0508】
33c:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-4-オクチル-モルホリン-2-イル]メトキシジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32c(745mg、1.0mmol)を表題化合物33cに変換し、これを無色泡状物として単離した(537mg、60.6%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.37, 11.36 (2 x s, 1 H), 7.56, 7.53 (2 x s, 1 H), 7.40 (m, 2 H), 7.20 - 7.31 (m, 7 H), 6.86 (d, J=8.72 Hz, 4 H), 5.89 (m, 1 H), 3.75 - 4.02 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.53 - 3.63 (m, 2 H), 3.41 - 3.52 (m, 2 H), 3.10 (m, 1 H), 2.95 - 3.05 (m, 1 H), 2.73 - 2.89 (m, 2 H), 2.52 - 2.69 (m, 2 H), 2.23 - 2.41 (m, 2 H), 1.98 - 2.18 (m, 2 H), 1.73, 1.70 (2 x s, 3 H), 1.14 - 1.49 (m, 12 H), 0.96 - 1.11 (m, 12 H), 0.85 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,3, 147,1.
【0509】
33d:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ヘキサデシル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]-オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32d(675mg、0.77mmol)を表題化合物33dに変換し、これを無色泡状物として単離した(608mg、79.1%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (br s, 1 H), 7.56, 7.53 (2 x s, 1 H), 7.37 - 7.42 (m, 2 H), 7.19 - 7.31 (m, 7 H), 6.86 (d, J=8.85 Hz, 4 H), 5.89 (m, 1 H), 3.82 - 4.02 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.53 - 3.63 (m, 2 H), 3.39 - 3.52 (m, 2 H), 3.07 - 3.13 (m, 1 H), 2.95 - 3.05 (m, 1 H), 2.71 - 2.90 (m, 2 H), 2.62 - 2.68 (m, 1 H), 2.58 (m, 1 H), 2.23 - 2.39 (m, 2 H), 1.96 - 2.18 (m, 2 H), 1.73, 1.70 (2 x s, 3 H), 1.13 - 1.45 (m, 28 H), 0.96 - 1.13 (m, 12 H), 0.82 - 0.88 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,3, 147,1.
【0510】
33e:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]-オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32e(695mg、0.86mmol)を表題化合物33eに変換し、これを無色泡状物として単離した(560mg、76.2%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36, 11.35 (2 x br s, 1 H), 7.57, 7.54 (2 x s, 1 H), 7.37 - 7.43 (m, 2 H), 7.21 - 7.31 (m, 7 H), 6.86 (d, J=8.85 Hz, 4 H), 5.86 (m, 1 H), 3.87 - 4.02 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.53 - 3.65 (m, 2 H), 3.40 - 3.52 (m, 2 H), 3.12 (m, 1 H), 3.00 (m, 1 H), 2.79 - 2.88 (m, 1 H), 2.64 - 2.77 (m, 2 H), 2.54 - 2.63 (m, 1 H), 2.23 - 2.41 (m, 3 H), 1.64 - 1.73 (s, 7 H), 0.91 - 1.25 (m, 18 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,2, 146,7.
【0511】
33f:3-[[(2S,6R)-4-ベンジル-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32f(589mg、0.78mmol)を表題化合物33fに変換し、これを無色泡状物として単離した(668mg、99.0%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.34 (s, 1 H), 7.54, 7.53 (2 x s, 1 H), 7.19 - 7.39 (m, 14 H), 6.80 - 6.89 (m, 4 H), 5.92 (m, 1 H), 4.10 (dd, J=9.94, 7.56 Hz, 0.5 H), 4.01 (m, 0.5 H), 3.93 (m, 0.5 H), 3.85 (m, 0.5 H), 3.73 (s, 6 H), 3.35 - 3.64 (m, 6 H), 3.03 - 3.12 (m, 2 H), 2.98 (d, J=9.10 Hz, 1 H), 2.72 - 2.91 (m, 2 H), 2.62 - 2.69 (m, 1 H), 2.12 - 2.26 (m, 2 H), 1.71, 1.70 (2 x s, 3 H), 0.97 - 1.10 (m, 9 H), 0.91 (d, J=6.71 Hz, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,2.
【0512】
33g:3-[[(2S,6R)-4-アセチル-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32g(598mg、0.89mmol)を表題化合物33gに変換し、これを無色泡状物として単離した(728mg、定量的)。tert-ブチル-メチルエーテル10mlに溶解し、n-ペンタン40mlを加えることにより、粗生成物の精製を行った。沈殿物を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。この洗浄手順を更に2回繰り返した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.41 (br s, 1 H), 7.56 - 7.71 (m, 1 H), 7.35 - 7.46 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.82 - 6.91 (m, 4 H), 5.79 - 5.97 (m, 1 H), 4.27 - 4.45 (m, 1 H), 3.53 - 3.97 (m, 4 H), 3.73 (s, 6 H), 3.32 - 3.50 (m, 4 H), 3.02 - 3.19 (m, 2 H), 2.80 - 3.00 (m, 1 H), 2.55 - 2.74 (m, 2 H), 1.99 - 2.09 (m, 3 H), 1.69 - 1.81 (m, 3 H), 1.04 - 1.13 (m, 9 H), 0.97 - 1.03 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,9, 146,9, 146,8, 146,5.
【0513】
33h:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-ヘキサデカノイル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
一般的手順Cに従って、32h(872mg、1.03mmol)を表題化合物33hに変換し、これを無色泡状物として単離した(915mg、87.7%)。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.42, 11.40 (2 x s, 1 H), 7.55 - 7.71 (m, 1 H), 7.40 (m, 2 H), 7.18 - 7.34 (m, 7 H), 6.82 - 6.91 (m, 4 H), 5.73 - 5.99 (m, 1 H), 4.27 - 4.50 (m, 1 H), 3.98 (m, 0.5 H), 3.75 - 3.85 (m, 1.5 H), 3.73 (s, 6 H), 3.53 - 3.65 (m, 2 H), 3.37 - 3.52 (m, 2 H), 3.02 - 3.25 (m, 2 H), 2.82 - 3.00 (m, 1 H), 2.67 (m, 1 H), 2.58 (m, 1 H), 2.21 - 2.48 (m, 2 H), 1.69 - 1.80 (m, 3 H), 1.49 (br s, 2 H), 1.18 - 1.31 (m, 26 H), 1.04 - 1.12 (m, 6 H), 0.92 - 1.03 (m, 6 H), 0.82 - 0.89 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]:147,7, 147,3, 147,2, 146,7.
【0514】
【化47】
【0515】
34b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
24b(25g、33mmol)、シクロヘキサノン(16.1g、165mmol)および4Åモレキュラーシーブ(30g)のMeOH(450ml)中混合物に、25℃でAcOHを加えてpHを5と6との間に調節した。40℃で1時間撹拌した後、NaBHCN(10.3g、165mmol)を40℃で少しずつ加えた。撹拌を12時間続けて、完全に転化させた。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。残留物をEtOAc(1500ml)で希釈し、HO(2×500ml)および飽和NaCl溶液(500ml)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc2:1)により精製して、34b(28g、82%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.42 (br s, 1 H), 7.71 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.41 (br d, J=7.5 Hz, 2 H), 7.31 - 7.19 (m, 7 H), 6.85 (d, J=8.8 Hz, 4 H), 5.82 (br dd, J=2.6, 9.8 Hz, 1 H), 5.73 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 4.14 (br d, J=8.9 Hz, 1 H), 3.93 (br d, J=8.8 Hz, 1 H), 3.74 (d, J=2.0 Hz, 6 H), 3.13 (br d, J=9.4 Hz, 1 H), 2.99 - 2.83 (m, 2 H), 2.72 (br d, J=10.8 Hz, 1 H), 2.31 - 2.17 (m, 3 H), 1.78 - 1.48 (m, 5 H), 1.32 - 1.09 (m, 6 H), 1.01 - 0.83 (m, 21 H).
【0516】
34c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
34bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質24c(35g、42.4mmol)から、シリカゲル精製(PE/EtOAc1:1)後に、所望の生成物34c(32g、64.7%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法D:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.18
イオン化方法:ES:[M+H]=907.5
【0517】
34e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
34bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質24e(58g、68.8mmol)から、シリカゲル精製(PE/EtOAc2:1)後に、所望の生成物34e(49g、77%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.21 (br s, 1 H), 8.77 (s, 1 H), 8.66 (s, 1 H), 8.06 (br d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.68 - 7.61 (m, 1 H), 7.60 - 7.52 (m, 2 H), 7.38 (dd, J=1.6, 7.8 Hz, 2 H), 7.26 - 7.15 (m, 7 H), 6.76 (dd, J=3.1, 9.0 Hz, 4 H), 6.16 (dd, J=3.1, 9.7 Hz, 1 H), 4.29 (d, J=9.0 Hz, 1 H), 3.95 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 3.70 (d, J=1.0 Hz, 6 H), 3.17 - 3.02 (m, 3 H), 2.94 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 2.83 (br d, J=11.1 Hz, 1 H), 2.36 - 2.30 (m, 1 H), 1.82 - 1.70 (m, 4 H), 1.55 (br d, J=11.2 Hz, 1 H), 1.34 - 1.15 (m, 8 H), 1.04 - 0.91 (m, 23 H).
【0518】
35b:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
化合物34b(28g、35.1mmol)のTHF(280ml)中溶液に、室温でNEt(35g、351mmol)およびNEt・3HF(56.3g、351mmol)を加えた。N雰囲気下70℃で16時間撹拌した後、完全に脱保護されていることがTLCにより検出された。混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(500ml)で希釈した。有機溶液を水(2×200ml)および飽和NaCl溶液(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:2)により精製して、表題化合物35b(20g、88.8%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.41 (br s, 1 H), 7.66 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.47 - 7.40 (m, 2 H), 7.36 - 7.21 (m, 7 H), 6.92 (br d, J=8.7 Hz, 4 H), 5.84 (br dd, J=2.3, 9.4 Hz, 1 H), 5.65 (br d, J=7.9 Hz, 1 H), 4.67 (br s, 1 H), 3.88 (br d, J=10.9 Hz, 1 H), 3.78 (s, 6 H), 3.72 (br d, J=10.5 Hz, 1 H), 3.15 (br d, J=9.0 Hz, 1 H), 3.10 - 2.96 (m, 2 H), 2.91 (br d, J=9.8 Hz, 1 H), 2.73 (br d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.35 - 2.18 (m, 3 H), 1.73 (br s, 4 H), 1.32 - 1.10 (m, 9 H).
【0519】
35c:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
35bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質34c(32g、35.3mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:2)後に、所望の生成物35c(21g、79%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.10 (s, 1 H), 11.68 (s, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.38 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.31 - 7.20 (m, 7 H), 6.85 (d, J=8.7 Hz, 4 H), 5.91 (dd, J=3.1, 8.8 Hz, 1 H), 4.63 (t, J=5.2 Hz, 1 H), 3.87 - 3.78 (m, 1 H), 3.74 (s, 7 H), 3.06 - 2.94 (m, 3 H), 2.84 - 2.65 (m, 3 H), 2.43 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.37 - 2.28 (m, 1 H), 2.37 - 2.28 (m, 1 H), 1.72 (br s, 4 H), 1.56 (br d, J=10.8 Hz, 1 H), 1.27 - 1.02 (m, 13 H).
【0520】
35e:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
35bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質34e(49g、53.0mmol)から、12時間の反応時間およびシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:2)後に、所望の生成物35e(38g、88%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法D:
UV-波長[nm]=220:R[分]=0.94
イオン化方法:ES:[M+H]=769.4
【0521】
36b:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]-オキシプロパンニトリル
35b(14g、22.4mmol)のDCM(150ml)中溶液に、Ar雰囲気下DIPEA(11.5g、89.8mmol)および3-[クロロ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル(6.9g、29.2mmol)を加えた。溶液を13℃で0.5時間撹拌して、完全に転化させた。反応混合物を真空で濃縮して容量を約50mlにし、シリカ(PE/EtOAc2:1)上で精製して、36b(12.0g、65.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,60
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 759,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.34 (br s, 1 H), 7.59 - 7.69 (2 x d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (m, 4 H), 5.84 (m, 1 H), 5.59 - 5.68 (2 x d, J=8.1 Hz, 1 H), 3.99 - 4.09 (m, 1 H), 3.93 (m, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.54 - 3.68 (m, 2 H), 3.40 - 3.53 (m, 2 H), 3.16 (br d, J=8.9 Hz, 1 H), 2.96 (t, J=9.5 Hz, 1 H), 2.88 (m, 1 H), 2.66 - 2.80 (m, 2 H), 2.60 (m, 1 H), 2.15 - 2.35 (m, 3 H), 1.69 (m, 4 H), 1.53 (m, 1 H), 0.95 - 1.21 (m, 17 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,4, 146,7.
【0522】
36c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
36bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質35c(20g、26.6mmol)から、室温で反応時間15分およびシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1)後に、所望の生成物36c(20g、79%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,70, 2,73
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 868,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.08 (br s, 1 H), 11.63 (br s, 1 H), 8.07, 8.03 (2 x s, 1 H), 7.37 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.18 - 7.29 (m, 7 H), 6.79 - 6.87 (m, 4 H), 5.89 (m, 1 H), 3.92 - 4.11 (m, 2 H), 3.72 - 3.74 (m, 6 H), 3.55 - 3.72 (m, 2 H), 3.38 - 3.51 (m, 2 H), 3.10 (m, 1 H), 2.96 - 3.05 (m, 2 H), 2.66 - 2.93 (m, 4 H), 2.55 - 2.62 (m, 1 H), 2.27 - 2.45 (m, 2 H), 1.71 (m, 4 H), 1.55 (m, 1 H), 0.83 - 1.29 (m, 23 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,5, 146,7.
【0523】
36e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
36bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質35e(22g、31.2mmol)から、室温で反応時間15分およびシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1)後に、所望の生成物36e(22.3g、80.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,78
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 886,6
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.18 (s, 1 H), 8.75, 8.73 (2 x s, 1 H), 8.59, 8.57 (2 x s, 1 H), 8.04 (d, J=7.8 Hz, 2 H), 7.64 (t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.55 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 7.37 (m, 2 H), 7.17 - 7.27 (m, 7 H), 6.77 - 6.84 (m, 4 H), 6.18 (m, 1 H), 3.97 - 4.17 (m, 2 H), 3.71 (m, 6 H), 3.56 - 3.71 (m, 2 H), 3.43 - 3.56 (m, 2 H), 2.92 - 3.15 (m, 4 H), 2.78 - 2.91 (m, 1 H), 2.70 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 2.55 - 2.62 (m, 1 H), 2.31 - 2.47 (m, 2 H), 1.74 (m, 4 H), 1.55 (m, 1 H), 0.90 - 1.29 (m, 17 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,0, 146,7.
【0524】
【化48】
【0525】
37:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-2-オン
1,2,4-トリアゾール(41.5g、0.601mol)のACN(415ml)中混合物に、20℃でPOCl(30.58g、0.20mol)を滴下添加した。0℃で、DIPEA(126g、0.977mol)を注意深く加え、撹拌を0℃で5時間続け、続いて出発物質34b(20g、25.0mmol)を一度で加えた。溶液を20℃で3時間撹拌して、完全に転化させた。反応混合物をEtOAc(500ml)および水(1l)中に注ぎ入れた。有機層を分離し、水性相をEtOAc(2×200ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO溶液(500ml)および飽和NaCl溶液(500ml)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物37(29g、粗製物)を黄色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
【0526】
34f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
ベンズアミド(30.3g、0.251mol)のジオキサン(310ml)中溶液に、0℃でNaH(10g、251mmol)を少しずつ加えた。20℃で30分間撹拌した後、トリアゾール37(29g、粗生成物25.0mmol)を加え、撹拌を2時間続けて、完全に転化させた。反応混合物をEtOAc(500ml)および飽和NHCl溶液(8l)中に注ぎ入れた。水性層を分離し、EtOAc(2×500ml)で抽出した。合わせた有機相を水(2×500ml)および飽和NaCl溶液(500ml)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA5:1)により精製して、34f(16g、70.8%)を黄色泡状物として得た。
LCMS-方法E:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.16
イオン化方法:ES:[M+H]=901.6
【0527】
35f:N-[1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
35bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質34f(40g、44.4mmol)から、反応時間16時間およびシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1)後に、所望の生成物35f(24g、72.7%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法E:
UV-波長[nm]=220:R[分]=0.92
イオン化方法:ES:[M+H]=745.3
【0528】
36f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
36bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質35f(16g、22.8mmol)から、室温で反応時間15分およびシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:1)後に、所望の生成物36f(17g、65.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,92
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 862,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.29, 11.26 (2 x br s, 1 H), 8.14, 8.09 (2 x br d, J=7.6 Hz, 1 H), 8.01 (br d, J=7.8 Hz, 2 H), 7.63 (m, 1 H), 7.51 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 7.35 - 7.45 (m, 3 H), 7.21 - 7.34 (m, 7 H), 6.88 (m, 4 H), 5.96 (m, 1 H), 3.94 - 4.15 (m, 2 H), 3.74 (s, 6 H), 3.55 - 3.69 (m, 2 H), 3.41 - 3.53 (m, 2 H), 3.19 - 3.28 (m, 1 H), 2.95 - 3.08 (m, 2 H), 2.66 - 2.92 (m, 2 H), 2.52 - 2.64 (m, 1 H), 2.32 (m, 1 H), 2.13 - 2.28 (m, 2 H), 1.70 (m, 4 H), 1.54 (m, 1 H), 0.91 - 1.27 (m, 17 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,5, 146,7.
【0529】
【化49】
【0530】
38a:1-[(2R,6S)-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
DMT-エーテル34a(5.09g、6.26mmol)をDCM(120ml)に溶解した。DCAA(8.15g、62.6mmol、5.23ml)を加えた後、反応物を室温で5分間撹拌して、完全に脱保護した。飽和NaHCO溶液120mlを加え、混合物を1時間激しく撹拌した。有機層を分離し、MgSOで乾燥した。シリカ(DCM中0から10%MeOH)上でクロマトグラフィー精製した後、所望の生成物38aを無色泡状物として単離した(3.07g、96.0%)。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,47
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 510,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.29 (s, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 5.75 (dd, J=9.9, 2.7 Hz, 1 H), 4.60 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 3.97 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 3.77 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 3.38 - 3.53 (m, 2 H), 2.78 (m, 2 H), 2.15 - 2.38 (m, 3 H), 1.78 (s, 3 H), 1.65 - 1.76 (m, 4 H), 1.50 - 1.59 (m, 1 H), 1.13 - 1.27 (m, 5 H), 0.99 - 1.13 (m, 21 H).
【0531】
38b:1-[(2R,6S)-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
DMT-エーテル34b(1.96g、2.45mmol)をDCM(50ml)に溶解した。DCAA(4.15g、2.66ml、31.9mmol)を加え、溶液を室温で5分撹拌して、完全に転化させた。飽和NaHCO溶液100mlを加えた後、混合物を1時間撹拌し、層を分離した。水性層をDCM(100ml)で2回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、脱保護生成物38b(1.06g、86.9%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,51
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 496,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.31 (s, 1 H), 7.76 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 5.74 (dd, J=9.8, 2.7 Hz, 1 H), 5.61 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 4.61 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 3.97 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 3.78 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 3.36 - 3.51 (m, 2 H), 2.86 (br d, J=10.4 Hz, 1 H), 2.76 (br d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.22 - 2.36 (m, 2 H), 2.15 (m, 1 H), 1.71 (br d, J=8.4 Hz, 4 H), 1.55 (m, 1 H), 0.92 - 1.29 (m, 26 H).
【0532】
38c:N-[9-[(2R,6S)-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
38bにて記載したプロトコールに従って、DMT-エーテル34c(2.58g、2.84mmol)を脱保護した。シリカゲル(n-ヘプタン中0から70%EtOAc/MeOH(9:1))上でクロマトグラフィー精製した後、表題化合物38c(1.41g、82.1%)を薄黄色泡状物として単離した。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,92
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 605,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:
12.09 (s, 1 H), 11.54 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 5.78 (dd, J=9.7, 2.7 Hz, 1 H), 4.59 (t, J=6.1 Hz, 1 H), 4.08 (d, J=8.9 Hz, 1 H), 3.73 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 3.46 (br d, J=6.1 Hz, 2 H), 3.01 (br d, J=10.1 Hz, 1 H), 2.72 - 2.93 (m, 2 H), 2.37 - 2.56 (m, 2 H), 2.30 (m, 1 H), 1.63 - 1.83 (m, 4 H), 1.56 (m, 1 H), 0.94 - 1.31 (m, 32 H).
【0533】
38e:N-[9-[(2R,6S)-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
類似体38aの合成にて記載したプロトコールに従って、DMT-エーテル34e(2.18g、2.36mmol)をジクロロ酢酸で脱保護した。シリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上でクロマトグラフィー精製した後、所望の生成物38eを無色泡状物として単離した(1.14g、77.5%)。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,94
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 623,7
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.17 (s, 1 H), 8.74 (s, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 8.04 (br d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.65 (m, 1 H), 7.55 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 6.10 (m, 1 H), 4.60 (m, 1 H), 4.14 (m, 1 H), 3.88 (m, 1 H), 3.45 (br d, J=6.2 Hz, 2 H), 3.12 (m, 1 H), 2.77 - 2.93 (m, 2 H), 2.45 (m, 1 H), 2.35 (m, 1 H), 1.76 (m, 4 H), 1.56 (br d, J=11.5 Hz, 1 H), 1.16 - 1.33 (m, 4 H), 0.99 - 1.15 (m, 22 H).
【0534】
38f:N-[1-[(2R,6S)-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
38bにて記載したプロトコールに従って、DMT-エーテル34f(1.94g、2.15mmol)を脱保護した。シリカゲル(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上でクロマトグラフィー精製した後、表題化合物38f(1.18g、91.7%)を薄黄色泡状物として単離した。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,77
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 599,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.23 (s, 1 H), 8.29 (br d, J=7.3 Hz, 1 H), 8.01 (br d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.62 (t, J=7.5 Hz, 1 H), 7.52 (m, 2 H), 7.37 (br d, J=7.3 Hz, 1 H), 5.85 (br dd, J=9.3, 2.2 Hz, 1 H), 4.65 (t, J=6.2 Hz, 1 H), 4.03 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 3.79 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 3.50 (m, 2 H), 3.03 (br d, J=10.6 Hz, 1 H), 2.82 (br d, J=11.4 Hz, 1 H), 2.37 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.30 (m, 1 H), 2.06 (t, J=10.2 Hz, 1 H), 1.65 - 1.81 (m, 4 H), 1.55 (m, 1 H), 0.91 - 1.33 (m, 26 H).
【0535】
39a:[(2S,6R)-4-シクロヘキシル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質38a(3.05g、6.0mmol)を乾燥ピリジン60mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル1.06g(877.6μl、7.5mmol)およびDMAP(745.9mg、6.0mmol)を加え、溶液を4時間撹拌した。追加の塩化ベンゾイル212.0mg(175.5μl、1.5mmol)を加えた後、溶液を終夜撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。溶液を5%クエン酸溶液、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。シリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製して、ベンゾエート39a(3.05g、83.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,57
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 614,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.32 (s, 1 H), 7.97 - 8.02 (m, 2 H), 7.68 (s, 1 H), 7.52 - 7.58 (m, 2 H), 7.47 - 7.49 (m, 1 H), 5.80 (dd, J=9.9, 2.9 Hz, 1 H), 4.40 (d, J=11.3 Hz, 1 H), 4.31 (d, J=11.4 Hz, 1 H), 4.17 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 3.95 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 2.95 (br d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.87 (br d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.44 (br d, J=11.4 Hz, 1 H), 2.33 (m, 2 H), 1.69 - 1.80 (m, 4 H), 1.66 (s, 3 H), 1.52 - 1.60 (m, 1 H), 1.13 - 1.31 (m, 5 H), 0.96 - 1.12 (m, 21 H).
【0536】
39b:[(2S,6R)-4-シクロヘキシル-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
38b(1.03g、2.08mmol)のDCM/ピリジン(5:1)30ml中溶液に、塩化ベンゾイル398.3mg(328.9μl、2.80mmol)およびDMAP(25.6mg、208μmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を、n-プロパノール1mlを加えることによりクエンチした。溶媒を真空で除去し、残留物をHOおよびEtOAcで処理した。有機層を分離し、10%クエン酸溶液(2×)、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、ベンゾイルエステル39b(1.14g、92.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,56
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 600,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (s, 1 H), 7.97 (m, 2 H), 7.68 (m, 2 H), 7.54 (m, 2 H), 5.79 (dd, J=9.8, 2.8 Hz, 1 H), 5.58 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 4.33 (s, 2 H), 4.17 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 3.95 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 2.93 (m, 2 H), 2.40 (br d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.25 - 2.36 (m, 2 H), 1.67 - 1.80 (m, 4 H), 1.56 (m, 1 H), 0.92 - 1.31 (m, 26 H).
【0537】
39c:[(2S,6R)-4-シクロヘキシル-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
39bの合成にて記載したプロトコールに従い、シリカゲル(n-ヘプタン中0から65%EtOAc/MeOH(9:1))上で精製して、第一級アルコール38c(1.39g、2.30mmol)から、表題化合物39c(1.56g、95.6%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,53
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 709,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.84 (s, 1 H), 11.60 (s, 1 H), 8.09 (s, 1 H), 7.80 (m, 2 H), 7.59 (m, 1 H), 7.44 (t, J=7.8 Hz, 2 H), 5.84 (dd, J=5.8, 3.9 Hz, 1 H), 4.28 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 4.23 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 3.98 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 3.85 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 2.93 - 3.11 (m, 2 H), 2.74 - 2.90 (m, 2 H), 2.68 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.45 (m, 1 H), 1.70 - 1.88 (m, 4 H), 1.59 (m, 1 H), 0.90 - 1.35 (m, 32 H).
【0538】
39e:[(2S,6R)-6-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-4-シクロヘキシル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質38e(1.13g、1.8mmol)を乾燥ピリジン20mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル334.9mg(276.5μl、2.4mmol)およびDMAP(223.9mg、1.8mmol)を加え、溶液を3時間撹拌した。追加の塩化ベンゾイル103.0mg(85.1μl、0.7mmol)を加えた後、完全に転化するまで溶液を撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。溶液をHO、2×10%クエン酸溶液、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。シリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、ベンゾエート39e(877mg、66.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,65
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 727,8
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.15 (m, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 8.61 (s, 1 H), 8.02 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.92 (d, J=7.4 Hz, 2 H), 7.59 - 7.69 (m, 2 H), 7.48 - 7.58 (m, 4 H), 6.15 (m, 1 H), 4.24 - 4.40 (m, 3 H), 3.99 (m, 1 H), 3.17 (m, 1 H), 2.98 - 3.10 (m, 2 H), 2.60 (m, 1 H), 2.42 (m, 1 H), 1.70 - 1.90 (m, 4 H), 1.57 (br d, J=12.1 Hz, 1 H), 1.16 - 1.32 (m, 4 H), 0.99 - 1.14 (m, 22 H).
【0539】
39f:[(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-4-シクロヘキシル-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
39bの合成にて記載したプロトコールに従い、シリカゲル(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、第一級アルコール38f(1.16g、1.94mmol)から、表題化合物39f(1.25g、91.9%)を淡黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,74
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 703,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.25 (s, 1 H), 8.16 (br d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.96 - 8.03 (m, 4 H), 7.48 - 7.69 (m, 6 H), 7.34 (br d, J=7.3 Hz, 1 H), 5.92 (dd, J=9.4, 2.4 Hz, 1 H), 4.39 (m, 2 H), 4.25 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 3.97 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 3.09 (br d, J=10.5 Hz, 1 H), 3.01 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.44 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.36 (m, 1 H), 2.20 (m, 1 H), 1.68 - 1.81 (m, 4 H), 1.56 (m, 1 H), 0.89 - 1.34 (m, 26 H).
【0540】
40a:[(2R,6R)-4-シクロヘキシル-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
シリルエーテル39a(3.0g、4.89mmol)をDMF(15ml)に溶解した。NEt(7.49g、73.3mmol、10.29ml)およびNEt・3HF(6.03g、36.7mmol、6.10ml)を加えた後、溶液を75℃で2時間撹拌して、完全に転化させた。反応物を室温に冷却し、5%NaHCO溶液100mlで洗浄した。濾過した後、水溶液をDCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から10%MeOH)により精製し、所望の脱保護生成物40a(1.23g、55.0%)を得、これは異性体不純物約20%を含んでおり、これは遊離OH基へのベンゾイルエステル転移に起因していた。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.63
イオン化方法:ES:[M+H]=458.4
【0541】
40b:[(2R,6R)-4-シクロヘキシル-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-2-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
シリルエーテル39b(1.12g、1.87mmol)をTHF(18ml)に溶解した。ピリジン・HF(2.85g、2.59ml、18.67mmol)を加えた後、溶液を室温で1時間撹拌して、完全に転化させた。飽和NaHCO溶液120mlを加え、混合物を1時間激しく撹拌し、続いてDCM(40ml)を加えた。有機層を分離し、水性相をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をACNと共蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、表題化合物40b(709mg、85.6%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,57
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 444,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.33 (s, 1 H), 7.99 (m, 2 H), 7.68 (t, J=7.5 Hz, 1 H), 7.64 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.56 (t, J=7.8 Hz, 2 H), 5.80 (dd, J=9.5, 2.9 Hz, 1 H), 5.55 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 4.92 (t, J=5.6 Hz, 1 H), 4.29 (m, 2 H), 3.82 (dd, J=11,3 5.0 Hz, 1 H), 3.74 (dd, J=11,3, 6.2 Hz, 1 H), 2.87 (m, 2 H), 2.41 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.22 - 2.38 (m, 2 H), 1.73 (m, 4 H), 1.55 (m, 1 H), 1.01 - 1.29 (m, 5 H).
【0542】
40c:[(2R,6R)-4-シクロヘキシル-2-(ヒドロキシメチル)-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
40bの合成にて記載したプロトコールに従って、シリルエーテル39c(1.54g、2.17mmol)を脱保護し、シリカゲル(n-ヘプタン中0から100%EtOAc/MeOH(9:1))上で精製した後、表題化合物40c(995mg、83.2%)を淡黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,79
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 553,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.82 (s, 1 H), 11.68 (s, 1 H), 8.08 (s, 1 H), 7.82 (d, J=7.1 Hz, 2 H), 7.60 (t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.45 (t, J=7.8 Hz, 2 H), 5.88 (t, J=4.7 Hz, 1 H), 4.95 (t, J=5.8 Hz, 1 H), 4.24 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 4.17 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 3.70 (dd, J=11.0, 5.6 Hz, 1 H), 3.57 (dd, J=10.9, 5.9 Hz, 1 H), 3.01 (m, 2 H), 2,65 - 2.84 (m, 3 H), 2.46 (m, 1 H), 1.71 - 1.87 (m, 4 H), 1.59 (m, 1 H), 1.04 - 1.34 (m, 11 H).
【0543】
40e:[(2R,6R)-6-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-4-シクロヘキシル-2-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-メチルベンゾエート
シリルエーテル39e(870mg、1.2mmol)をNMP(15ml)に溶解した。NEt(1.70g、16.8mmol、2.34ml)およびNEt・HF(3.18g、19.2mmol、3.22ml)を加えた後、溶液を室温で17時間、続いて65℃で3時間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。室温に冷却した後、飽和NaHOC溶液150mlおよびEE(50ml)を加え、混合物を30分間激しく撹拌した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液および10%NaCl溶液で洗浄した。MgSOで脱水した後、溶媒を真空で蒸発させた。クロマトグラフィー精製(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)後に、40eを無色泡状物として単離した(616mg、90.2%)。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,90
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 571,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.13 (s, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 8.56 (s, 1 H), 8.02 (br d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.93 (m, 2 H), 7.65 (m, 2 H), 7.48 - 7.59 (m, 4 H), 6.16 (dd, J=8.7, 3.0 Hz, 1 H), 4.97 (br s, 1 H), 4.21 - 4.38 (m, 2 H), 3.89 (br d, J=10.5 Hz, 1 H), 3.80 (br d, J=10.2 Hz, 1 H), 3.15 (m, 1 H), 3.05 (m, 1 H), 2.93 (br d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.63 (m, 1 H), 2.37 - 2.44 (m, 1 H), 1.65 - 1.82 (m, 4 H), 1.57 (br d, J=11.7 Hz, 1 H), 1.13 - 1.32 (m, 4 H), 1.01 - 1.13 (m, 1 H).
【0544】
40f:[(2R,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-4-シクロヘキシル-2-(ヒドロキシメチル)-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
40bの合成にて記載したプロトコールに従って、シリルエーテル39f(1.23g、1.74mmol)を脱保護し、シリカゲル(n-ヘプタン中0から100%EtOAc/MeOH(9:1))上で精製した後、表題化合物40f(888mg、93.2%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,05
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 547,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.25 (s, 1 H), 8.12 (br d, J=7.6 Hz, 1 H), 8.01 (m, 4 H), 7.47 - 7.73 (m, 6 H), 7.33 (br d, J=7.5 Hz, 1 H), 5.92 (dd, J=9.4, 2.6 Hz, 1 H), 4.95 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 4.31 - 4.40 (2 x d, J=11.4 Hz, 2 H), 3.92 (dd, J=11.4, 5.0 Hz, 1 H), 3.75 (dd, J=11.5, 6.6 Hz, 1 H), 3.09 (br d, J=10.3 Hz, 1 H), 2.93 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 2.45 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.36 (m, 1 H), 2.16 (m, 1 H), 1.74 (m, 4 H), 1.56 (m, 1 H), 1.00 - 1.32 (m, 5 H).
【0545】
41a:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質40a(2.05g、4.48mmol)を乾燥ピリジン40mlに溶解した。室温で、DMT-Cl(1.64g、4.70mmol)のDCM(10ml)中溶液を滴下添加し、反応溶液を終夜撹拌した。iPrOH(5ml)を加えた後、反応溶液を蒸発させ、残留物をDCMに溶解した。有機溶液をMgSOで乾燥し、蒸発させた。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から10%MeOH)により精製し、続いてHPLC(カラム:Chiralcel OZ-H/140、250×4.6mm、1.0ml/分、30℃;溶出液:MeOH/EtOH1:1)により2回目の精製をして、表題化合物41a(1.05g、30.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,17
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 758,6
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.31 (s, 1 H), 7.73 - 7.79 (m, 2 H), 7.63 - 7.71 (m, 1 H), 7.46 - 7.54 (m, 3 H), 7.35 (d, J=7.1 Hz, 2 H), 7.16 - 7.28 (m, 7 H), 6.79 (dd, J=8.9, 3.6 Hz, 4 H), 5.65 (dd, J=9.9, 2.9 Hz, 1 H), 4.50 (d, J=11.3 Hz, 1 H), 4.40 (d, J=11.1 Hz, 1 H), 3.69 (d, J=1.59 Hz, 6 H), 3.55 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 3.01 (d, J=11.4 Hz, 1 H), 2.81 (d, J=9.9 Hz, 1 H), 2.66 - 2.69 (m, 1 H), 2.23 - 2.39 (m, 2 H), 1.61 - 1.78 (m, 4 H), 1.68 (s, 3 H), 1.51 - 1.60 (m, 1 H), 0.98 - 1.30 (m, 5 H).
【0546】
41b:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
40b(690mg、1.56mmol)のDCM/ピリジン(4:1)30ml中溶液に、室温でDMT-Cl(699mg、2.02mmol)を加えた。16時間撹拌した後、溶媒を真空で除去し、残留物をACN(25ml)と3回共蒸留させた。HOを加えた後、混合物をEtOAcで抽出した。有機相を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc、n-ヘプタン+1%NEtで予め調整したカラム)により精製して、DMT-エーテル41b(1.06g、91.3%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,16
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 744,7
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.34 (s, 1 H), 7.64 - 7.76 (m, 4 H), 7.49 (m, 2 H), 7.35 (m, 2 H), 7.16 - 7.26 (m, 7 H), 6.74 - 6.81 (m, 4 H), 5.63 (dd, J=9.8, 2.8 Hz, 1 H), 5.58 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 4.44 (s, 2 H), 3.69 (s, 3 H), 3.68 (s, 3 H), 3.57 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 3.02 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.85 (br d, J=10.2 Hz, 1 H), 2.34 (m, 1 H), 2.24 (t, J=8.6 Hz, 1 H), 1.61 - 1.79 (m, 4 H), 1.56 (m, 1 H), 0.98 - 1.31 (m, 5 H).
【0547】
41c:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
41bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質40c(880mg、1.59mmol)から、表題化合物41c(1.30g、95.6%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,16
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 853,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.86 (br s, 1 H), 11.55 (br s, 1 H), 8.07 (s, 1 H), 7.53 - 7.61 (m, 3 H), 7.30 - 7.42 (m, 4 H), 7.16 - 7.27 (m, 7 H), 6.72 - 6.85 (m, 4 H), 5.66 (dd, J=6.6, 3.4 Hz, 1 H), 4.41 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 4.34 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 3.64 (s, 3 H), 3.51 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 3.14 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 2.96 - 3.05 (m, 2 H), 2.81 - 2.93 (m, 2 H), 2.75 (m, 1 H), 1.79 (m, 4 H), 1.61 (br d, J=11.7 Hz, 1 H), 1.03 - 1.39 (m, 11 H).
【0548】
41e:[(2R,6R)-6-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質40e(610mg、1.1mmol)を乾燥ピリジン30mlに溶解し、蒸発させた。この手順を3回繰り返した。次いで化合物を乾燥ピリジン30mlに溶解し、続いてNEt(162.7mg、223.6μl、1.6mmol)およびDMT-Cl(554.4mg、1.6mmol)を加えた。反応溶液を室温で終夜撹拌し、この時点で完全に転化していた。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。HO、10%クエン酸溶液(2×)、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した後、有機相をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、DMT-エーテル41e(807mg、86.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,26
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 873,8
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.17 (br s, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 8.60 (s, 1 H), 8.02 (m, 2 H), 7.73 (m, 2 H), 7.64 (m, 2 H), 7.54 (m, 2 H), 7.47 (m, 2 H), 7.39 (m, 2 H), 7.18 - 7.28 (m, 7 H), 6.75 - 6.84 (m, 4 H), 5.95 (dd, J=9.4, 2.9 Hz, 1 H), 4.44 (m, 2 H), 3.65 - 3.72 (m, 7 H), 3.44 (m, 1 H), 3.02 - 3.14 (m, 2 H), 2.94 (br t, J=10.3 Hz, 1 H), 2.67 (m, 1 H), 2.41 (br d, J=7.7 Hz, 1 H), 1.66 - 1.83 (m, 4 H), 1.57 (br d, J=11.62 Hz, 1 H), 1.13 - 1.29 (m, 4 H), 1.01 - 1.12 (m, 1 H).
【0549】
41f:[(2R,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]メチルベンゾエート
41bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発物質40f(870mg、1.59mmol)から、表題化合物41f(1.21g、89.4%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,37
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 847,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.27 (br s, 1 H), 8.16 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.99 (m, 2 H), 7.74 (m, 2 H), 7.59 - 7.70 (m, 2 H), 7.44 - 7.55 (m, 4 H), 7.28 - 7.42 (m, 3 H), 7.18 - 7.28 (m, 7 H), 6.74 - 6.84 (m, 4 H), 5.74 (dd, J=9.5, 2.6 Hz, 1 H), 4.51 (m, 2 H), 3.70 (s, 3 H), 3.69 (s, 3 H), 3.65 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 3.10 (d, J=11.4 Hz, 1 H), 3.00 (m, 1 H), 2.54 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 2.37 (m, 1 H), 2.15 (t, J=10.5 Hz, 1 H), 1.62 - 1.80 (m, 4 H), 1.56 (m, 1 H), 0.98 - 1.32 (m, 5 H).
【0550】
42a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
ベンゾイルエステル41a(1.0g、1.32mmol)をEtOH/ピリジン(5:1)12mlに溶解した。0℃で2M NaOH溶液6.58ml(13.16mmol)を加えた。冷却浴を除去した後、反応溶液を室温で1時間撹拌して、完全に転化させた。溶液をHO(50ml)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、10%クエン酸溶液、5%NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から50%EtOAc)上で精製して、表題化合物42a(325mg、37.7%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,33
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 656,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.28 (s, 1 H), 7.58 (d, J=1.0 Hz, 1 H), 7.39 (d, J=7.5 Hz, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.8 Hz, 4 H), 5.56 (dd, J=9.9, 2.7 Hz, 1 H), 4.65 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.58 (dd, J=11.4, 6.9 Hz, 1 H), 3.50 (dd, J=11.3, 5.0 Hz, 1 H), 3.35 (d, J=8.7 Hz, 1 H), 3.10 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 2.68 - 2.83 (m, 2 H), 2.42 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.22 (m, 1 H), 2.14 (t, J=10.4 Hz, 1 H), 1.78 (s, 3 H), 1.58 - 1.71 (m, 4 H), 1.53 (br d, J=12.2 Hz, 1 H), 1.00 - 1.32 (m, 5 H).
【0551】
42b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物41b(1.04g、1.39mmol)をTHF/EtOH(4:1)25mlに溶解した。溶液を0℃に冷却し、2M NaOH溶液6.97ml(13.94mmol)を加えた。氷浴を除去し、反応物を1時間撹拌した。更に2M NaOH溶液6.97ml(13.94mmol)を加えた後、撹拌を室温で3時間および45℃で更に60分間続けて、完全に転化させた。HO(100ml)およびクエン酸一水和物1.7gを加えた後、混合物をEtOAcで抽出した。有機相を分離し、HO、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶液を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中20から100EtOAc)により精製して、所望の生成物42b(823mg、92.0%)を無色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,36
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 642,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.30 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.39 (m, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.7 Hz, 4 H), 5.60 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 5.54 (dd, J=9.7, 2.5 Hz, 1 H), 4.66 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.58 (dd, J=11.3, 6.7 Hz, 1 H), 3.48 (dd, J=11.3, 5.0 Hz, 1 H), 3.35 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 3.10 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 2.78 (br d, J=11.4 Hz, 2 H), 2.41 (br d, J=11.9 Hz, 1 H), 2.23 (m, 1 H), 2.08 (m, 1 H), 1.57 - 1.73 (m, 4 H), 1.55 (m, 1 H), 0.97 - 1.27 (m, 5 H).
【0552】
42c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
ベンゾイルエステル41c(1.28g、1.50mmol)をEtOH/ピリジン(2:1)36mlに溶解した。2M NaOH溶液7.49ml(14.97mmol)を0℃で加え、溶液を氷冷下20分間撹拌した。氷浴を除去し、撹拌を1.5時間続けた。反応溶液を0℃に再度冷却し、続いてHO(30ml)およびクエン酸一水和物980mgを加えた。反応溶液をEtOAc(150ml)で抽出し、有機相を分離した。10%クエン酸溶液(2×)、HO、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc/MeOH(9:1))により精製して、表題化合物42c(721mg、64.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,68
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 749,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.08 (br s, 1 H), 11.52 (br s, 1 H), 8.18 (s, 1 H), 7.39 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.86 - 6.93 (m, 4 H), 5.53 (dd, J=9.7, 2.7 Hz, 1 H), 4.62 (t, J=6.2 Hz, 1 H), 3.73 (s, 3 H), 3.72 (s, 3 H), 3.45 - 3.63 (m, 3 H), 2.92 - 3.04 (m, 3 H), 2.75 (m, 1 H), 2.59 (br d, J=11.7 Hz, 1 H), 2.41 (t, J=10.6 Hz, 1 H), 2.33 (m, 1 H), 1.63 - 1.82 (m, 4 H), 1.57 (m, 1 H), 0.98 - 1.31 (m, 11 H).
【0553】
42e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発化合物41e(800mg、0.92mmol)をEtOH/ピリジン(3:1)32mlに溶解した。0℃で、2M NaOH溶液4.58ml(9.16mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。クエン酸一水和物(641mg)を加えることによりpHを7に調節した後、HO(100ml)およびEtOAcを加えた。有機層を分離し、10%クエン酸溶液(2×)、HO、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、有機相を蒸発させて、粗生成物741mgを無色泡状物として得た。シリカ上でのクロマトグラフィー精製(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)を行って、所望の化合物42e(634mg、90.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,69
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 767,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.18 (br s, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 8.66 (s, 1 H), 8.04 (d, J=7.7 Hz, 2 H), 7.64 (m, 1 H), 7.55 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 7.44 (d, J=7.5 Hz, 2 H), 7.27 - 7.34 (m, 6 H), 7.22 (m, 1 H), 6.89 (dd, J=9.1, 2.6 Hz, 4 H), 5.84 (dd, J=9.9, 2.7 Hz, 1 H), 4.68 (br t, J=5.8 Hz, 1 H), 3.74, 3.73 (2 x s, 6 H), 3.47 - 3.63 (m, 3 H), 3.28 (m, 1 H), 3.03 (br d, J=9.9 Hz, 1 H), 2.86 (br d, J=11.6 Hz, 1 H), 2.72 (t, J=10.5 Hz, 1 H), 2.53 (m, 1 H), 2.24 - 2.34 (m, 1 H), 1.61 - 1.73 (m, 4 H), 1.54 (br d, J=11.4 Hz, 1 H), 1.00 - 1.30 (m, 5 H).
【0554】
42f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(ヒドロキシメチル)モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
42cの合成にて記載したプロトコールに従って、ベンゾエート41f(1.19g、1.40mmol)を鹸化し、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)後に、表題化合物42f(795mg、76.5%)を無色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,59
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 743,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.25 (br s, 1 H), 8.27 (br d, J=7.5 Hz, 1 H), 8.00 (m, 2 H), 7.62 (t, J=7.5 Hz, 1 H), 7.51 (m, 2 H), 7.17 - 7.44 (m, 10 H), 6.85 -6.92 (m, 4 H), 5.64 (dd, J=9.4, 2.6 Hz, 1 H), 4.71 (t, J=6.1 Hz, 1 H), 3.74 (m, 6 H), 3.63 (dd, J=11.6, 7.1 Hz, 1 H), 3.55 (dd, J=11.5, 5.3 Hz, 1 H), 3.41 (d, J=8.7 Hz, 1 H), 3.13 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 2.95 (br d, J=10.1 Hz, 1 H), 2.85 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 2.48 (m, 1 H), 2.26 (m, 1 H), 2.00 (t, J=10.3 Hz, 1 H), 1.59 - 1.78 (m, 4 H), 1.53 (m, 1 H), 0.98 - 1.30 (m, 5 H).
【0555】
43a:3-[[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)-ホスファニル]-オキシプロパンニトリル
出発物質42a(320mg、488μmol)を乾燥DCM(6ml)に溶解した。Ar雰囲気下、PrNH-テトラゾール44mg(244μmol)および2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト190mg(601μmol)を加え、溶液を室温で終夜撹拌した。HO(50ml)およびDCMを加えた後、有機層を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン+1%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、所望のホスホロアミダイト43a(322mg、78.6%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法B-2:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,83
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 773,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.32, 11.30 (2 x br s, 1 H), 7.57, 7.52 (2 x d, J=1.0 Hz, 1 H), 7.38 (m, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.84 - 6.91 (m, 4 H), 5.68, 5,59 (2 x m, 1 H), 3.89 (m, 0.5 H), 3.59 - 3.78 (m, 3.5 H), 3.73 (s, 6 H), 3.46 - 3.57 (m, 2 H), 3.35 (m, 1 H), 3.22 (m, 1 H), 2.66 - 2.84 (m, 4 H), 2.40 (m, 1 H), 2.17 - 2.28 (m, 2 H), 1.78, 1.76 (2 x s, 3 H), 1.56 - 1.72 (m, 4 H), 1.47 - 1.56 (m, 1 H), 1.00 - 1.31 (m, 17 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147.6, 147.5.
【0556】
43b:3-[[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-4-シクロヘキシル-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)モルホリン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
出発物質42b(797mg、1.24mmol)を乾燥DCM(27ml)に溶解した。Ar雰囲気下、PrNH-テトラゾール644mg(3.73mmol)および2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト579mg(610μl、1.86mmol)を加え、溶液を室温で終夜撹拌した。HO(50ml)およびDCMを加えた後、有機層を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物(1.25g)をEtOAc/ジエチルエーテル(1:1)10mlに溶解し、n-ペンタン40mlを加えた。沈殿物を遠心分離により集め、溶媒を廃棄した。沈殿手順を3回繰り返し、Speedvac上で乾燥した後、所望の生成物43b(865mg、82.7%)を無色固体として得た。
LCMS-方法B-2:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,89
イオン化方法: ES+: [DMT]+ = 303,1
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.34, 11.32 (2 x br s, 1 H), 7.69, 7,65 (2 x d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.38 (m, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.84 - 6.91 (m, 4 H), 5.56 - 5.66 (m, 2 H), 3.89 (m, 0.5 H), 3.44 - 3.79 (m, 5.5 H), 3.74 (s, 6 H), 3.35 (m, 1 H), 3.23 (m, 1 H), 2.70 - 2.86 (m, 3 H), 2.67 (m, 1 H), 2.38 (m, 1 H), 2.11 - 2.29 (m, 2 H), 1.46 - 1.74 (m, 5 H), 0.98 - 1.24 (m, 17 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147.5.
【0557】
43c:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
43bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発化合物42c(695mg、923μmol)から、表題化合物43c(687mg、78.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法B-2:
UV波長[nm]=220:R[分]=0.96
イオン化方法:ES:[M+H-PrN+OH]=868.3
LCMS-方法B-2:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,89
イオン化方法: ES+: [DMT]+ = 303,1
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:12.06 (br s, 1 H), 11.53 (br s, 1 H), 8.05, 8.04 (2 x s, 1 H), 7.34 - 7.42 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.83 - 6.91 (m, 4 H), 5.54 - 5.61 (m, 1 H), 3.87 (m, 0.5 H), 3.73, 3.72 (2 x s, 6 H), 3.35 - 3.67 (m, 5.5 H), 3.21, 3.14 (2 x d, J=8.4 Hz, 1 H), 2.65 - 3.03 (m, 5 H), 2.53 - 2.64 (m, 3 H), 2.28 - 2.41 (m, 1 H), 1.62 - 1.81 (m, 4 H), 1.57 (m, 1 H), 0.88 - 1.33 (m, 23 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147.6, 147.5.
【0558】
43e:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]プリン-6-イル]-ベンズアミド
出発物質42e(625mg、813μmol)を乾燥DCM(15ml)に溶解した。Ar雰囲気下、PrNH-テトラゾール422mg(2.44mmol)および2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト379mg(1.22mmol)を加え、溶液を室温で終夜撹拌した。HO(50ml)およびDCMを加えた後、有機層を分離し、水性層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、粗生成物835mgを無色泡状物として得た。粗生成物をMTB-エーテル10mlに溶解し、n-ペンタン40mlを加えた。沈殿物を遠心分離により集め、溶媒を廃棄した。沈殿手順を3回繰り返し、Speedvac上で乾燥した後、所望の生成物43e(710mg、90.1%)を無色固体として得た。
LCMS-方法B-3:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,63
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH-ABzl]+= 647,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.16 (br s, 1 H), 8.72, 8.70 (2 x s, 1 H), 8.60, 8.57 (2 x s, 1 H), 8.04 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.63 (m, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 7.44 (m, 2 H), 7.20 - 7.36 (m, 7 H), 6.85 - 6.94 (m, 4 H), 5.83 - 5.95 (m, 1 H), 3.83 - 3.95 (m, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.34 - 3.73 (m, 7 H), 3.00 - 3.11 (m, 2 H), 2.76 - 2.92 (m, 2 H), 2.71, 2.62 (2 x m, 2 H), 2.23 - 2.39 (m, 1 H), 1.59 - 1.77 (m, 4 H), 1.47 - 1.58 (m, 1 H), 0.99 - 1.30 (m, 14 H), 0.90 - 0.97 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147.5, 147.3.
【0559】
43f:N-[1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-4-シクロヘキシル-モルホリン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
43bの合成にて記載したプロトコールに従って、出発化合物42f(769mg、1.03mmol)から、表題化合物43f(698mg、71.5%)を無色泡状物として得た。記載した沈殿手順において、EtOAc/ジエチルエーテル(1:1)溶媒混合物の代わりにジエチルエーテル10mlに粗生成物を溶解した。
LCMS-方法B-2:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,96
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH-DMT]+= 560,2
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:11.27 (br s, 1 H), 8.16 (m, 1 H), 8.01 (d, J=7.4 Hz, 2 H), 7.63 (t, J=7.4 Hz, 1 H), 7.51 (m, 2 H), 7.16 - 7.45 (m, 10 H), 6.85 - 6.91 (m, 4 H), 5.73, 5.69 (2 x dd, J=9.7, 2.7 Hz, 1 H), 3.89 - 4.01 (m, 0.5 H), 3.46 - 3.88 (m, 5.5 H), 3.74 (s. 6 H), 3.36 - 3.44 (m, 1 H), 3.24 - 3.34 (m, 1 H), 2.92 - 3.02 (m, 1 H), 2.79 - 2.92 (m, 1 H), 2.75 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 2.68 (m, 1 H), 2.44 (m, 1 H), 2.27 (m, 1 H), 2.03 - 2.15 (m, 1 H), 1.57 - 1.73 (m, 4 H), 1.53 (m, 1 H), 0.98 - 1.29 (m, 17 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147.6, 147.5.
【0560】
B:XがOである式(I)のヌクレオチド類似体の合成
【0561】
【化50】
【0562】
44a:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物4a(72.75g、0.164mmol)のDMF(728ml)中混合物に、-30℃でBOM-Cl(44.6g、0.285mol)およびDBU(50g、0.327mol)を加えた。混合物を-15℃から-30℃で3時間撹拌して、完全に転化させた。混合物を飽和NaHCO溶液(2l)中に注ぎ入れ、EtOAc(3×1l)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH20:1)により精製して、BOM保護生成物44a(62.7g、67.7%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 8.67-8.55 (m, 4 H), 7.70 (tt, J=7.64, 1.77 Hz, 2 H), 7.52-7.20 (m, 10 H), 5.69-5.62 (m, 1 H), 5.52-5.44 (m, 1 H), 4.74-4.54 (m, 2 H), 4.51-4.42 (m, 1 H), 4.11-3.63 (m, 6 H), 2.01-1.84 (m, 4 H), 1.30-0.85 (m, 21 H).
【0563】
44b:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,3R,4S,5S)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
44aにて記載したプロトコールに従って、出発化合物4b(24g、0.056mol)から、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH20:1から10:1)後に、44b(22.0g、71.7%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 8.02 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.34-7.31 (m, 5H), 5.95 (d, J=8.0Hz, 1H), 5.85 (d, J=8.0Hz, 1H), 5.35-5.32 (m, 3H), 5.08 (d, J=4.0Hz, 1H), 4.59 (s, 2H), 4.50 (d, J=4.0Hz, 1H), 4.24-4.19 (m, 2H), 4.09 (t, J=4.0Hz, 1H), 3.83 (s, 2H), 3.65 (t, J=4.0Hz, 2H), 1.03-1.02 (m, 21H).
【0564】
45a:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,3R,4S,5S)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]-メチル]-3,4-ジヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発物質44a(7.42g、13.1mmol)をピリジン40mlと共に2回共蒸留し、DCM/ピリジン(4:1)150mlに溶解した。DMT-Cl(4.77g、13.8mmol)を加えた後、溶液を室温で65時間撹拌した。溶液をクエン酸水溶液(10%)、続いてHO、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で2回洗浄した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、所望の生成物45a(8.50g、74.7%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,34
イオン化方法: ES+: [M+Na]+= 889,5
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.46-7.40 (m, 1 H), 7.35-7.12 (m, 14 H), 6.75 (d, J=7.91 Hz, 4 H), 6.04 (d, J=5.52 Hz, 1 H), 5.53-5.37 (m, 2 H), 4.67-4.54 (m, 2 H), 4.46-4.37 (m, 2 H), 3.89 (d, J=10.29 Hz, 1 H), 3.76-3.68 (m, 7 H), 3.62 (d, J=10.16 Hz, 1 H), 3.52 (br d, J=8.41 Hz, 1 H), 3.40-3.33 (m, 1 H), 3.17 (d, J=10.16 Hz, 1 H), 1.44 (s, 3 H), 1.05-0.85 (m, 21 H).
【0565】
45b:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,3R,4S,5S)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]-メチル]-3,4-ジヒドロキシ-5-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
化合物44b(21.0g、38mmol)の乾燥DMF(230ml)中溶液に、室温でDIPEA(9.8g、76mmol)およびDMT-Cl(15.4g、45.6mmol)を加えた。反応溶液をN雰囲気下4時間撹拌した。EtOH(30ml)を加えた後、溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc10:1から1:1)により精製して、45b(19.0g、58.5%)を黄色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.72 (d, J=8.0Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.0Hz, 4H), 7.39-7.24 (m, 14H), 5.89 (d, J=8.0Hz, 1H), 3.51 (d, J=8.0Hz, 1H), 5.37-5.24 (m, 4H), 4.58 (s, 2H), 4.34 (t, J=4.0Hz, 1H), 4.24 (dd, J=12.0, 8.0Hz, 1H), 3.73 (s, 6H), 3.40 (d, J=12.0Hz, 1H), 3.29 (d, J=12.0Hz, 1H), 1.19-0.86 (m, 21H).
【0566】
46a:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,5-ジヒドロキシ-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
45a(20g、23.07mmol)のアセトン/水(3:1)400ml中溶液に、室温でNaIO(6.9g、32.29mmol)の水100ml中溶液を加えた。16時間撹拌した後、溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAc(300ml)に溶解し、飽和NaHCO(200ml)およびブライン(200ml)で洗浄した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、46aを黄色泡状物として得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.30、2.32(2種の異性体)
イオン化方法:ES:[M+Na]=905.5
【0567】
46b:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-3,5-ジヒドロキシ-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
46aに記載したプロトコールに従って、45b(20g、23.5mmol)を表題化合物46bに変換した(18.6g、粗製物)。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.23、2.25(2種の異性体)
イオン化方法:ES:[M+Na]=891.4
【0568】
47a:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(1R)-1-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]-2-ヒドロキシ-エチル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物46a(粗生成物、23.07mmol)のEtOH(320ml)中溶液に、室温でNaBH(1.05g、27.68mmol)を少しずつ加えた。混合物を終夜撹拌し、溶媒を真空で除去した。残留物をEtOAc(500ml)に溶解し、飽和NaHCO溶液(500ml)およびブライン(500ml)で洗浄した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH20:1)後に、47a(12.0g、48%)を黄色泡状物として単離した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,31
イオン化方法: ES+: [M+Na]+= 891,5
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.52-7.06 (m, 20 H), 6.80-6.65 (m, 5 H), 6.08 (dd, J=7.03, 3.76 Hz, 1 H), 5.44-5.25 (m, 1 H), 4.64-4.46 (m, 2 H), 3.85-3.63 (m, 12 H), 3.60-3.40 (m, 2 H), 3.35.3.22 (m, 2 H), 2.95-2.66 (m, 2 H), 1.80 (s, 3 H), 1.51 (s, 3 H), 1.03-0.81 (m, 23 H).
【0569】
47b:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(1R)-1-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]-メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]-2-ヒドロキシ-エチル]ピリミジン-2,4-ジオン
46b(15.35g、17.7mmol、粗製物)のEtOH(250ml)中溶液に、室温でNaBH(818mg、21.2mmol)を加えた。反応物を16時間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。有機溶液をHO、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて、47b(14.85g、98.3%)を無色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.23
イオン化方法:ES:[M]=303.2(DMT
【0570】
47c:N-[9-[(1R)-1-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]-2-ヒドロキシ-エチル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
23c(30g、35mmol)の無水EtOH(400ml)中溶液に、15~20℃でNaBH(1.6g、42mmol)を加えた。4時間撹拌した後、10%クエン酸溶液(約25ml)を使用することによりpHを7に調節した。溶媒を真空で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH20:1から10:1)により精製して、47c(22.0g、74.5%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.06 (s,1H), 11.71 (s,1H), 8.04 (s, 1H), 7.37-7.28 (m, 3H), 7.26-7.19 (m, 11H), 6.87-6.83 (m, 4H), 6.09 (d, J1 =5.6Hz, J2 =5.6Hz, 1H), 5.22 (d, J=5.6Hz, 1H), 4.75 (d, J1 =4.8Hz, J2 =4.8Hz, 1H), 3.85-3.84 (m, 2H), 3.74-3.70 (m, 9H), 3.68-3.49 (m, 2H), 3.14 (m, 1H), 2.99-2.81 (m, 1H), 1.15-1.12 (m, 6H), 0.80-0.79 (m, 21H).
【0571】
47e:N-[9-[(1R)-1-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]-2-ヒドロキシ-エチル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発物質23e(3.55g、4.1mmol)をエタノール60mlに溶解した。Ar雰囲気下、水素化ホウ素ナトリウム285.5mg(7.4mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した後、クエン酸50mlを加え、続いて飽和NaHCO溶液を加えてpHを7にした。溶媒を真空で除去し、水性残留物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製して、所望のジオール47e(2.15g)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,21
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 862,7
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.14 (s, 1 H), 8.66 (s, 1 H), 8.47 (s, 1 H), 8.05 (br d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.61 - 7.67 (m, 1 H), 7.51 - 7.60 (m, 2 H), 7.36 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.27 (br t, J=7.6 Hz, 2 H), 7.17 - 7.23 (m, 5 H), 6.83 (dd, J=9.0, 3.0 Hz, 4 H), 6.43 (t, J=5.7 Hz, 1 H), 5.17 (t, J=5.7 Hz, 1 H), 4.63 (t, J=4.7 Hz, 1 H), 3.76 - 3.99 (m, 2 H), 3.55 - 3.76 (m, 10 H), 3.17 - 3.26 (m, 1 H), 3.05 (d, J=9.7 Hz, 1 H), 0.78 - 1.02 (m, 21).
【0572】
48a:[(2R)-2-[3-(ベンジルオキシメチル)-5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-2-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]エチル]4-メチルベンゼンスルホネート
47a(10.8g、12.43mmol)、NEt(3.14g、31.07mmol)およびDMAP(1.52g、12.43mmol)のDCM(108ml)中溶液に、15℃でTs-Cl(1.9g、9.94mmol)のDCM(54ml)中溶液を加えた。混合物を2時間撹拌し、続いて更にTs-Cl(500mg)を加え、DCM(5ml)に溶解した。15℃で更に1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO溶液(200ml)およびブライン(200ml)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc2:1)により精製して、48a(10g、78.7%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.74-7.43 (m, 2 H), 7.34-7.00 (m, 18 H) 6.84-6.64 (m, 4 H), 6.42-6.24 (m, 1 H), 5.43-5.15 (m, 2 H), 5.00-4.72 (m, 1 H), 4.63-4.47 (m, 2 H), 4.21-3.90 (m, 2 H), 3.83-3.56 (m, 10 H), 3.29-3.11 (m, 1 H), 2.44-2.19 (m, 4 H), 1.89-1.64 (m, 3 H), 1.07-0.71 (m, 21 H).
【0573】
48b:[(2R)-2-[3-(ベンジルオキシメチル)-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-2-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]エチル]4-メチルベンゼンスルホネート
48aについてのプロトコールに従い、1.2当量のTs-Clを使用することにより、47b(3.0g、3.5mmol)を48bに変換した。シリカゲル(PE/EtOAc10:1から2:1)上で最後に精製した後、表題化合物48b(2.0g、57%)を無色泡状物として単離した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.65-7.56 (m, 3H), 7.35-7.18 (m, 16H), 6.84-6.80 (m, 4H), 6.37-6.36 (m, 1H), 5.74 (s, 2H), 5.64 (d, J=12.0Hz, 1H), 5.23-5.18 (m, 2H), 4.93-4.91 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 4.18-4.09 (m, 2H), 3.71 (s, 6H), 3.23-3.01 (m, 4H), 2.34 (s, 3H), 0.96-0.79 (m, 21H).
【0574】
48c:[(2R)-2-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]-2-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]エチル]4-メチルベンゼンスルホネート
47c(31.5g、40.8mmol)の無水DCM(537ml)中溶液に、N雰囲気下0℃でNEt(10.3g、102mmol)およびDMAP(4.98g、40.8mmol)を加えた。10分後、Ts-Cl(9.3g、49mmol)を0℃で混合物に加え、撹拌を15~20℃で6時間続けた。溶媒を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH20:1から10:1)により精製して、48c(30g、73.7%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.03 (s,1H), 11.59 (s,1 H), 8.11 (s, 2 H), 7.09 (s, 1 H), 7.50-7.49 (m, 2 H), 7.31-7.16 (m, 12 H), 6.87-6.86 (m, 4 H), 6.59-6.58 (m, 2 H), 6.31 (s, 1 H), 4.96 (s, 1 H), 4.62 (s, 1 H), 4.37 (s, 1 H), 4.04 (s, 2 H), 3.66-3.61 (m, 4 H), 3.59-3.51 (m, 1 H), 3.12-3.03 (m, 2 H), 2.95 (s, 6 H), 2.79-2.61 (m, 1 H), 2.33 (s, 3 H), 1.20-1.11 (m, 7 H),0.86-0.79 (m, 21 H).
【0575】
48e:[(2R)-2-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-2-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]-メチル]-1-(ヒドロキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]エチル]4-メチル-ベンゼンスルホネート
ジオール47e(2.15g、2.5mmol)をDCM(60ml)に溶解した。室温で、NEt(891.4mg、1.22ml、8.7mmol)、Ts-Cl(503.8mg、2.6mmol)およびDMAP(30.8mg、0.25mmol)を加え、溶液を0.5時間撹拌した。2および4時間後に追加のp-トルエンスルホニルクロリド167.9mg(0.9mmol)を加えた後、溶液を更に15時間撹拌して、完全に転化させた。HO(150ml)を加えた後、有機層を分離し、MgSOで乾燥した。溶媒を除去し、得られた粗生成物48e(2.56g)を更には精製せずに使用した。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,46
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1014,8
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.20 (br s, 1 H), 8.53 (s, 1 H), 8.43 (s, 1 H), 8.04 - 8.10 (m, 2 H), 7.62 - 7.70 (m, 1 H), 7.54 - 7.60 (m, 2 H), 7.43 - 7.48 (m, 2 H), 7.12 - 7.35 (m, 11 H), 6.77 - 6.86 (m, 4 H), 6.58 (m, 1 H), 4.80 (m, 1 H), 4.59 (m, 1 H), 4.35 (m, 1 H), 3.73 (s, 3 H), 3.72 (s, 3 H), 3.50 - 3.67 (m, 4 H), 3.21 (m, 1 H), 3.09 (m, 1 H), 2.35 (s, 3 H), 0.82 (br s, 21 H).
【0576】
49a:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物48a(10.5g、10.26mmol)の無水THF(343ml)およびMeOH(343ml)中混合物に、15℃で2M NaOHの溶液(74mL、147.47mmol)を加えた。混合物を65℃で3時間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。混合物をクエン酸水溶液(10%)で中和し、真空で濃縮した。残留物をEtOAc(700ml)に溶解し、飽和NaHCO溶液(700ml)で洗浄した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc5:1)により精製して、表題化合物49a(4.9g、49.1%)を黄色油状物として得た。
MS (m/z) = 873,4 (M+Na)
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.62-7.18 (m, 19 H), 6.82 (br d, J=8.66 Hz, 4 H), 6.10 (dd, J=10.04, 3.39 Hz, 1 H), 5.53 (s, 1 H), 4.74 (s, 1 H), 4.26-4.15 (m, 1 H), 4.04-3.88 (m, 2 H), 3.81 (d, J=1.00 Hz, 7 H), 3.72-3.59 (m, 1 H), 3.31-3.12 (m, 3 H), 1.94-1.80 (m, 3 H), 1.17-0.78 (m, 23 H).
【0577】
49b:3-(ベンジルオキシメチル)-1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
化合物48b(1.0g、1.0mmol)のMeOH(250ml)中溶液に、NaOMe(2.5g、45.0mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下50℃で3時間加熱し、この時点でTLCは完全に転化していることを示した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc10:1から3:1)により精製して、49b(0.27g、33%)を白色泡状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.54 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.39-7.37 (m, 2 H), 7.35-7.30 (m, 6 H), 7.28-7.26 (m, 3 H), 7.24-7.22 (m, 1 H), 6.85 (d, J=8.0 Hz, 4 H), 6.05 (dd, J=12.0, 4.0 Hz, 1 H), 5.79 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 5.49 (s, 2 H), 4.72 (s, 2 H), 4.20 (d, J=8.0 Hz, 1H), 4.0 (dd, J=12.0, 4.0 Hz, 1 H), 3.94 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.86 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.79 (s, 6 H), 3.56 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.22-3.12 (m, 3 H), 1.10-0.95 (m, 21 H).
【0578】
49c:2-アミノ-9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-1H-プリン-6-オン
化合物48c(28g、28mmol)のMeOH(616ml)中溶液に、15から20℃で5M NaOH(151ml、758mmol)を滴下添加した。混合物を60と70℃との間で30分間撹拌して、完全に転化させた。混合物を0℃に冷却し、10%クエン酸溶液(約200ml)を使用してpHを7に調節した。溶媒を30℃で濃縮し、残った水性相をDCM(3×500ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500ml)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH20:1から10:1)により精製して、49c(18g、79%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 10.71 (m,1 H), 7.91 (m,1 H), 7.41-7.40 (m, 2 H), 7.27-7.20 (m, 12 H), 6.82-6.50 (m, 6 H), 6.50 (s, 1 H), 5.88-5.85 (m, 1 H), 4.17-4.14 (m, 1 H), 3.96-3.89 (m, 1 H), 3.80 (m, 2 H), 3.74-3.72 (m, 10 H), 3.69-3.61 (m, 1 H), 3.10-3.08 (m, 1 H), 2.41-2.58 (m, 1 H), 0.94-0.91 (m, 21 H).
【0579】
49e:9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-アミン
トシレート48e(2.45g、2.4mmol)のジオキサン50ml中溶液に、2M NaOH(36.16ml、72.3mmol)を加えた。80℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、有機溶媒を蒸発させた。水性残留物に、HO(250ml)およびDCM(150ml)、続いて酢酸4.5mlを加えた。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカ(DCM中0から50%MeOH/EtOAc(1:1))上で精製して、ジオキサン49e(1.22g、68.6%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,41
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 740,6
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.33 (s, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 7.11 - 7.45 (m, 11 H), 6.72 - 6.79 (m, 4 H), 6.13 (m, 1 H), 4.13 - 4.26 (m, 2 H), 4.04 (m, 1 H), 3.93 (m, 1 H), 3.5 (m, 1 H), 3.71 (s, 3 H), 3.70 (s, 3 H), 3.66 (br d, J=11.6 Hz, 1 H), 3.06 (d, J=9.5 Hz, 1 H), 2.92 (d, J=9.5 Hz, 1 H), 0.88 - 0.95 (m, 21 H).
【0580】
50a:1-[(2R,6R)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
化合物49a(3.7g、4.35mmol)のEtOAc(55.5ml)中溶液に、Pd(OH)/C(2g、炭素担持20%および水中50%)およびトリクロロ酢酸(1.42g、8.70mmol)を加えた。反応混合物をH(15psi)下15℃で1時間撹拌して、完全に転化させた。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、粗製の脱ベンジル化および脱トリチル化中間体を黄色油状物として得、これをMeOH(90ml)に溶解した。15℃でNEt(1.14g、11.28mmol)を加えた後、溶液を終夜撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。溶媒を真空で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH50:1)により精製して、表題化合物50a(950mg、51.0%)を白色泡状物として得た。
MS (m/z) = 451,2 (M+Na)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.22 (s, 1 H), 7.26-7.17 (m, 1 H), 6.06-5.93 (m, 1 H), 5.52 (d, J=8.16 Hz, 1 H), 4.39-4.25 (m, 1 H), 4.08 (d, J=11.92 Hz, 1 H), 4.01-3.90 (m, 1 H), 3.85 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 3.74 (s, 2 H), 3.56-3.49 (m, 1 H), 3.31 (dd, J=11.29, 10.29 Hz, 1 H), 2.32-2.10 (m, 1 H), 2.02-1.89 (m, 3 H), 1.32-0.96 (m, 17 H).
【0581】
50b:1-[(2R,6R)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
49b(9.5g、11.4mmol)を出発物とし、50aにて記載したプルトコルに従って、表題化合物50bを合成した。シリカゲル(PE/EtOAc10:1から1:1)上で精製した後、50b(4.0g、86%)を白色泡状物として単離した。
MS (m/z) = 415,0 (M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.74 (br. s., 1 H), 7.47 (d, J=8.03 Hz, 1 H), 6.02-5.97 (m, 1 H), 5.85-5.78 (m, 1 H), 5.50 (br. s., 1 H), 4.32-4.26 (m, 1 H), 4.08 (d, J=12.05 Hz, 1 H), 4.03-3.96 (m, 1 H), 3.85 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 3.73 (s, 2 H), 3.51 (d, J=12.05 Hz, 1 H), 3.27 (t, J=10.67 Hz, 1 H), 1.19-1.09 (m, 21 H).
【0582】
51a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物50a(683mg、1.5mmol)を乾燥DCM(30ml)に溶解した。室温で、NEt(753mg、1.03ml、7.4mmol)およびDMT-Cl(616mg、1.8mmol)を加え、反応物を16時間撹拌し、この時点で出発物質の転化が完結していた。反応溶液を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、DMT保護生成物51a(990mg、91.0%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.31
イオン化方法:ES:[M+Na]=753.4
【0583】
52a:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発物質51a(985mg、1.35mmol)をTHF(40ml)に溶解した。NEt(5.95g、8.18ml、58.25mmol)およびNEt・3HF(10.80g、10.92ml、65.0mmol)を加えた後、完全に転化していることが検出されるまで(約16時間)、反応物を65℃で撹拌した。溶媒を除去し、残留物をHO/飽和NaHCO溶液(1:2)400ml中に注ぎ入れた。水性混合物をDCM(2×50ml)で2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させて粗生成物956mgを得、これをシリカ(n-ヘプタン中1%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中10から100%EtOAc)上で精製した。所望のアルコール52a(760mg、98.2%)を無色泡状物として単離した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,86
イオン化方法: ES+: [M]+ = 303,1 (DMT+)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.41 (s, 1 H), 7.56 - 7.61 (m, 1 H), 7.40 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.56 Hz, 4 H), 5.90 (dd, J=10.09, 3.36 Hz, 1 H), 4.79 (t, J=5.20 Hz, 1 H), 3.70 - 3.85 (m, 10 H), 3.62 (d, J=11.74 Hz, 1 H), 3.49 (t, J=10.76 Hz, 1 H), 2.97 - 3.12 (m, 2 H), 1.70 (s, 3 H).
【0584】
53a:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
出発物質52a(669mg、1.2mmol)およびDIPEA(415mg、530μl、3.1mmol)をDCM(10ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト384mg(361μl、1.6mmol)を0℃で加え、溶液を1時間撹拌して、室温にした。完全に転化させるため、追加の0.5当量のDIPEAおよび2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトを加え、反応物を更に2時間撹拌した。n-ブタノール200μlを加えた後、反応物を10分間撹拌した。溶液をHO(50ml)で洗浄した。水性層を分離し、DCM(50ml)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。残留物をジエチルエーテル30mlに溶解し、-30℃でn-ペンタン100mlに滴下添加した。沈殿物を濾過し、真空乾固して、所望の生成物53a(723mg、80.1%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.40 (s, 1 H), 7.63, 7.60 (2 x s, 1 H), 7.36 - 7.45 (m, 2 H), 7.21 - 7.34 (m, 7 H), 6.84 - 6.90 (m, 4 H), 5.93 - 6.03 (m, 1 H), 3.76 - 4.04 (m, 4 H), 3.74 (s, 6 H), 3.42 - 3.71 (m, 6 H), 2.98 - 3.12 (m, 2 H), 2.58 - 2.74 (m, 2 H), 1.75, 1.72 (2 x s, 3 H), 0.95 - 1.14 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,8, 148,7.
【0585】
51c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
49c(14.18g、18.8mmol)の無水ピリジン150ml中溶液に、N雰囲気下0℃でTMSCl(15.22g、141mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、2-メチルプロパノイルクロリド(2.18g、20.6mmol)を0℃で加え、撹拌を室温で2時間続けて、完全に転化させた。EtOH(20ml)を加えた後、混合物を追加の10分間撹拌した。溶液を氷水(500ml)中に注ぎ入れ、DCM(3×500ml)で抽出した。合わせた有機層を10%クエン酸水溶液(2×500ml)、飽和NaHCO溶液(300ml)およびブライン(200ml)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(0.1%FA/ACN)により精製して、51c(9.5g、61.2%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.08 (s, 2 H), 7.39-7.26 (m, 2 H), 7.25-7.19 (m, 8 H), 6.80 (d, J=8.0 Hz, 4 H), 5.79 (d, J=1.6 Hz, 1 H), 4.18-4.12 (m, 1 H), 3.99-3.81 (m, 4 H), 3.72 (s, 7 H), 3.69 (d, J=10 Hz, 1 H), 3.11 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 2.93 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 2.72 (s, 1 H), 1.11-1.08 (m, 7 H), 1.01-0.91 (m, 21 H).
【0586】
51e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
ジオキサン49e(1.84g、2.5mmol)をAr雰囲気下乾燥ピリジン30mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル1.05g(867μl、7.5mmol)を加え、反応物を3時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をHOに溶解し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、クエン酸溶液(10%)(2×100ml)、HO(1×100ml)および飽和NaHCO溶液(1×100ml)で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物(2.61g、黄色泡状物)をピリジン/EtOH(1:1)40mlに溶解した。0℃で、2N NaOH(7.46ml、14.9mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。AcOH(864μl)を加えた後、反応溶液を真空で濃縮した。残留物をHO(100ml)で処理し、EtOAc(100ml)で抽出した。有機層を分離し、クエン酸溶液(10%)(2×100ml)、HO(1×100ml)、飽和NaHCO溶液(1×100ml)および飽和NaCl溶液(1×100ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物(2.19g)をシリカ(n-ヘプタン中0から70%EtOAc)上で精製して、表題化合物51e(1.72g、82.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,56
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 842,8
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.26 (br s, 1 H), 8.77 (s, 1 H), 8.68 (s, 1 H), 8.05 (m, 2 H), 7.64 (br t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.56 (m, 2 H), 7.37 (dd, J=7.8, 1.5 Hz, 2 H), 7.13 - 7.28 (m, 7 H), 6.76 (dd, J=8.9, 1.7 Hz, 4 H), 6.28 (dd, J=10.1, 3.4 Hz, 1 H), 4.20 - 4.36 (m, 2 H), 4.12 (m, 1 H), 3.84 - 3.99 (m, 2 H), 3.64 - 3.75 (m, 7 H), 3.06 (m, 1 H), 2.96 (m, 1 H), 0.88 - 1.06 (m, 21 H).
【0587】
52c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
51c(1.33g、1.61mmol)をDMF(16ml)に溶解した。NEt(1.65g、2.26ml、16.1mmol)およびNEt・3HF(1.32g、1.34ml、8.05mmol)を加えた後、溶液を90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、続いてNaHCO(2.5g)およびHO(10ml)を加えた。2時間撹拌した後、混合物を蒸発させ、残留物をDCM/iPrOH(4:1)25mlに溶解し、シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で精製して、表題化合物52c(0.83g、76.5%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,33
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 670,2
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.11 (br s, 1 H), 11.66 (s, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 7.37 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.18 - 7.29 (m, 7 H), 6.84 (dd, J=8.93, 2.69 Hz, 4 H), 5.98 (dd, J=8.31, 4.40 Hz, 1 H), 4.81 (t, J=5.26 Hz, 1 H), 3.90 - 4.02 (m, 2 H), 3.67 - 3.86 (m, 4 H), 3.72 (s, 6 H), 3.04 (d, J=9.54 Hz, 1 H), 2.96 (m, 1 H), 2.75 - 2.81 (m, 1 H), 1.11 (t, J=6.66 Hz, 6 H).
【0588】
52e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
シリルエーテル51e(1.10g、1.3mmol)をNMP(20ml)に溶解した。NEt・HF(3.47g、3.50ml、20.9mmol)およびNEt(1.85g、2.54ml、18.2mmol)を加えた後、反応溶液を65℃で18時間撹拌した。室温に冷却した後、飽和NaHCO溶液250mlおよびEtOAc(150ml)を加え、混合物を30分間撹拌した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液でおよび飽和NaCl溶液で2回洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、52e(852mg、95.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,43
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 688,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.22 (br s, 1 H), 8.75 (s, 1 H), 8.59 (s, 1 H), 8.04 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 7.64 (t, J=7.1 Hz, 1 H), 7.55 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 7.38 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 7.14 - 7.32 (m, 7 H), 6.80 (m, 4 H), 6.26 (dd, J=9.8, 3.3 Hz, 1 H), 4.85 (t, J=5.4 Hz, 1 H), 4.29 (t, J=10.6 Hz, 1 H), 4.09 (dd, J=11.1, 3.2 Hz, 1 H), 3.73 - 3.90 (m, 4 H), 3.72 (s, 3 H), 3.71 (s, 3 H), 3.03 (m, 1 H), 2.95 (m, 1 H).
【0589】
53c:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
アルコール52c(100mg、149μmol)、モレキュラーシーブ(4Å)0.2gおよびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド13.5mg(75μmol)を乾燥DCM(2.5ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト45.5mg(48μl、146μmol)を加え、溶液を室温で2時間撹拌して、完全に転化させた。飽和NaHCO溶液を加えた後、有機相を分離し、水性相をDCMで1回洗浄した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(DCM+0.5%NEtで予め調整した、DCM中0から10%MeOH)上で精製して、表題化合物53c(95mg、73.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,34, 2,36
イオン化方法: ES+: [M]+ = 787,2 (M-iPr2N+OH+H+)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.09 (br s, 1 H), 11.61, 11.58 (2 x s, 1 H), 8.13, 8.08 (2 x s, 1 H), 7.35 (m, 2 H), 7.18 - 7.28 (m, 7 H), 6.80 - 6.85 (m, 4 H), 5.97 (m, 1 H), 3.95 - 4.07 (m, 4 H), 3.56 - 3.94 (m, 4 H), 3.72 (s, 6 H), 3.36 - 3.54 (m, 2 H), 2.96 - 3.11 (m, 2 H), 2.68 - 2.82 (m, 2 H), 2.59 (m, 1 H), 0.96 - 1.15 (m, 12 H), 0.83 - 0.90 (m, 6 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]:148,1, 147,9.
【0590】
53e:N-[9-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発物質52e(848mg、1.2mmol)およびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド640mg(3.7mmol)を乾燥DCM(25ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト574.7mg(1.9mmol)を室温で加えた。16時間後、HO(50ml)を加えた。有機層を分離し、水性相をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を35℃で真空除去した。粗生成物をEtOAc/ジエチルエーテル(1:1)10mlに溶解し、n-ペンタン40mlを加えた。沈殿物を遠心分離により集め、溶媒を廃棄した。沈殿手順を3回繰り返し、Speedvac上で乾燥した後、所望の生成物53e(991mg、90.5%)を無色固体として得た。
LCMS-方法B-3:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,61
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 805,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm] 11.21 (br s, 1 H), 8.76, 8.74 (2 x s, 1 H), 8.63, 8.61 (2 x s, 1 H), 8.04 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.65 (t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 7.37 (br d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.14 - 7.30 (m, 7 H), 6.75 - 6.86 (m, 4 H), 6.30 (m, 1 H), 4.27 (m, 1 H), 3.85 - 4.17 (m, 4 H), 3.61 - 3.80 (m, 9 H), 3.49 (m, 2 H), 3.08 (m, 1 H), 2.98 (dd, J=9.1, 7.1 Hz, 1 H), 2.72 (m, 1 H), 2.62 (m, 1 H), 1.04 - 1.14 (m, 6 H), 1.02 (m, 3 H), 0.93 (d, J=6.8 Hz, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,7, 147,6.
【0591】
【化51】
【0592】
54:[(2R)-2-[3-(ベンジルオキシメチル)-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-2-[(1S)-1-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1-(p-トリルスルホニルオキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]エチル]4-メチルベンゼンスルホネート
出発物質47b(14.80g、17.31mmol)を乾燥ピリジン120mlに溶解した。室温で、Ts-Cl(13.33g、69.23mmol)を加え、反応物を室温で撹拌した。23時間後、DMAP(1.0g、8.2mmol)を加え、撹拌を更に24時間続けた。追加のTs-Cl(6.67g、34.62mmol)を加え、反応混合物を48時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解した。有機溶液をHO、クエン酸水溶液(10%)、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄した。MgSOで脱水し、溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これをシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中20から50%EtOAc)上で精製して、54(12.0g、59.6%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.33
イオン化方法:ES:[M+Na]=1185.5
【0593】
55:[(2R)-2-[3-(ベンジルオキシメチル)-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-2-[(1S)-1-(ヒドロキシメチル)-1-(p-トリルスルホニルオキシメチル)-2-トリイソプロピルシリルオキシ-エトキシ]エチル]4-メチルベンゼンスルホネート
54(12.0g、10.31mmol)のDCM(240ml)中溶液をDCA(26.87g、17.22ml、206.28mmol)で処理した。溶液を室温で30分間撹拌して、完全に転化させた。有機溶液を飽和NaHCO溶液で洗浄し、層を分離した。水性相をDCMで2回洗浄し、合わせた有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、表題化合物55(7.84g、88.3%)をオレンジ色油状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.19
イオン化方法:ES:[M+H]=861.3
【0594】
56:[(2S,6R)-6-[3-(ベンジルオキシメチル)-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチル4-メチルベンゼンスルホネート
55(7.83g、9.09mmol)を乾燥MeOH(250ml)に溶解した。ナトリウムメトキシド22.11g(409.18mmol)を加えた後、溶液を50℃で撹拌した。2.5時間後、溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解した。有機溶液をHOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中20から100%エチル)上で精製して、所望のジオキサン56を無色泡状物として得た(3.84g、61.3%)。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.20
イオン化方法:ES:[M+H]=689.3
【0595】
57:[(2R,6R)-6-[3-(ベンジルオキシメチル)-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
出発化合物56(3.84g、5.57mmol)をDMF(200ml)に溶解した。安息香酸ナトリウム2.03g(13.94mmol)を加えた後、溶液を150℃で24時間撹拌して、完全に転化させた。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空で除去した。残留物をEtOAcに溶解し、HOおよびブラインで2回洗浄した。MgSOで脱水し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、57(2.63g、73.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.24
イオン化方法:ES:[M+H]=639.3
【0596】
58:[(2R,6R)-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
57(2.62g、4.10mmol)のMeOH(65ml)中溶液に、Ar雰囲気下Pd(OH)(炭素担持20%)144mg(0.21mmol)を加えた。溶液をHでパージした後、反応混合物を4barでのHの雰囲気下室温で撹拌した。1時間後、触媒を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。粗生成物(2.11g)をMeOH(40ml)に溶解し、NEt(3.63g、5.0ml、35.87mmol)を加えた。溶液を室温で30分間撹拌して、完全に転化させた。クエン酸水溶液(10%)を使用してpHを7に調節した後、溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解した。クエン酸水溶液(10%)および飽和NaHCO溶液で洗浄した後、有機相をMgSOで乾燥し、蒸発させて、58(1.97g、99.3%、粗製物)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.12
イオン化方法:ES:[M+H]=519.3
【0597】
59:[(2R,6R)-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
58(980mg、1.89mmol)を乾燥THF(35ml)に溶解した。室温で、ピリジン-HF(65%)7.20g(6.55ml、47.24mmol)を加え、溶液を1.5時間撹拌した。更にピリジン-HF(65%)7.20gを加えた後、撹拌を5時間続け、この時点で完全な転化が検出された。固体のNaHCO(約24g)を加えた後、反応物を1.5時間撹拌した。無機塩を濾別し、濾液を蒸発させた。粗生成物をシリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製して、表題化合物59(494mg、72.2%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.22
イオン化方法:ES:[M+H]=363.1
【0598】
60:[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
59(490mg、1.35mmol)のDCM(20ml)中溶液に、室温でDIPEA(874mg、1.18ml、6.76mmol)およびDMT-Cl(584mg、1.69mmol)を加えた。16時間撹拌した後、溶液を蒸発させ、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、所望のDMT-エーテル60(894mg、99.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.96
イオン化方法:ES:[M+Na]=687.2
【0599】
52b:1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
60(888mg、1.34mmol)をTHF(20ml)およびMeOH(5ml)に溶解した。0℃で、2M NaOH溶液6.68ml(13.36mmol)を加え、溶液を1時間撹拌して、室温にした。0℃に冷却した後、クエン酸水溶液(10%)12mlを加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去した。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%(EtOAc+5%MeOH))上で精製して、52b(730mg、97.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,78
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 559,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.42 (br s, 1 H), 7.67 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.39 (d, J=6.95 Hz, 2 H), 7.19 - 7.33 (m, 7 H), 6.85 - 6.90 (m, 4 H), 5.89 (dd, J=10.03, 3.18 Hz, 1 H), 5.66 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 4.80 (t, J=5.26 Hz, 1 H), 3.70 - 3.83 (m, 10 H), 3.55 (d, J=11.62 Hz, 1 H), 3.44 (m, 1 H), 3.08 (d, J=9.41 Hz, 1 H), 2.97 (d, J=9.41 Hz, 1 H).
【0600】
53b:3-[[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
出発化合物52b(725mg、1.29mmol)およびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド122mg(0.71mmol)を乾燥DCM(20ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト429mg(452μl、1.43mmol)を室温で加え、溶液を16時間撹拌した。更にジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド122mg(0.71mmol)および2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト429mg(452μl、1.43mmol)を加えた後、撹拌を2時間続けて、完全に転化させた。溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解し、HOおよび飽和NaHCO溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をジエチルエーテル25mlに溶解した。撹拌しながら、有機溶液をn-ペンタン150ml中に滴下した。沈殿物を濾過し、40℃で真空乾固して、表題化合物53b(751mg、76.3%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.39 (br s, 1 H), 7.65 - 7.73 (m, 1 H), 7.34 - 7.43 (m, 2 H), 7.19 - 7.34 (m, 7 H), 6.84 - 6.90 (m, 4 H), 5.95 (m, 1 H), 5.66 (m, 1 H), 3.92 - 4.10 (m, 2 H), 3.78 - 3.91 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 3.41 - 3.68 (m, 6 H), 3.11 (m, 1 H), 2.98 (m, 1 H), 2.70 (m, 1 H), 2.61 (m, 1 H), 0.94 - 1.14 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,9, 148,7.
【0601】
【化52】
【0602】
61:[(2S,6R)-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-メチルベンゾエート
50b(2.66g、6.42mmol)を乾燥ピリジン35mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル1.37g(1.13ml、9.62mmol)を滴下添加し、溶液を16時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。10%クエン酸水溶液(2×)、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、61(2.0g、60.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.02
イオン化方法:ES:[M+H]=519.4
【0603】
62:[(2S,6R)-6-(4-アミノ-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
61(1.99g、3.61mmol)の乾燥ACN中溶液に、NEt(6.28g、8.63ml、61.43mmol)および1H-1,2,4-トリアゾール3.06g(43.36mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、POCl(1.66g、1.01ml、10.84mmol)の乾燥ACN(15ml)中溶液を激しく撹拌しながら滴下添加した。1時間後、溶媒を真空で除去し、残留物に飽和NaHCO/HO混合物(1:1)150mlを加えた。水性混合物をDCMで3回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を乾燥ACN(50ml)に溶解し、続いてNH水溶液(32%)50mlを加えた。終夜(17時間)撹拌した後、溶液を濃縮し、残った水性混合物をDCM(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させて、62(1.93g、定量的、粗生成物)を薄黄色泡状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.59
イオン化方法:ES:[M+H]=518.4
【0604】
63f:[(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
62(1.93g、3.72mmol)を乾燥ピリジン30mlに溶解した。室温で、塩化ベンゾイル0.79g(0.66ml、5.59mmol)を滴下添加し、溶液を18時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。10%クエン酸水溶液(2×)、飽和NaHCO溶液およびNaCl溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、63f(1.91g、82.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.27
イオン化方法:ES:[M+H]=622.5
【0605】
50f:N-[1-[(2R,6R)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
63f(952mg、1.53mmol)をEtOH/ピリジン(1:1)20mlに溶解した。0℃で、1M NaOH溶液9.19ml(9.19mmol)を加え、溶液を0℃で3時間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。クエン酸一水和物(約650mg、HO(15ml)に溶解)を使用してpHを6にした。有機溶媒を蒸発させた後、水性層をEtOAcで抽出した。有機相をクエン酸水溶液(10%)、HOおよび飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで脱水し、蒸発させた後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、表題化合物50f(678mg、85.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.72
イオン化方法:ES:[M+H]=518.2
【0606】
51f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
50f(673mg、1.30mmol)をDCM/ピリジン(1:1)20mlに溶解した。室温でDMT-Cl(719mg、2.08mmol)を加えた後、溶液を2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解した。クエン酸水溶液(10%)で2回および飽和NaHCO溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から70%EtOAc)上で精製して、DMT-エーテル51f(975mg、91.5%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.61
イオン化方法:ES:[M-H]=818.4
【0607】
52f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
51f(970mg、1.18mmol)およびNEt(1.68g、2.31ml、16.56mmol)をTHF(20ml)に溶解した。NEt・3HF(3.15g、3.18ml、18.93mmol)を加えた後、反応物を65℃で48時間撹拌して、完全に転化させた。室温に冷却した後、混合物を飽和NaHCO溶液200ml中に注ぎ入れ、1.5時間撹拌した。DCM(2×100ml)で抽出した後、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。シリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で最後に精製して、52f(745mg、94.9%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,61
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 664,3
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.31 (br s, 1 H), 8.13 (br d, J=7.15 Hz, 1 H), 8.00 (d, J=7.66 Hz, 2 H), 7.63 (t, J=7.38 Hz, 1 H), 7.51 (t, J=7.79 Hz, 2 H), 7.36 - 7.42 (m, 3 H), 7.22 - 7.33 (m, 7 H), 6.87 - 6.91 (m, 4 H), 6.03 (dd, J=9.72, 3.12 Hz, 1 H), 4.84 (t, J=5.50 Hz, 1 H), 3.94 (dd, J=11.19, 3.12 Hz, 1 H), 3.84 - 3.89 (m, 1 H), 3.72 - 3.81 (m, 8 H), 3.56 (d, J=11.92 Hz, 1 H), 3.33 - 3.38 (m, 1 H), 3.16 (d, J=9.35 Hz, 1 H), 3.02 (d, J=9.17 Hz, 1 H).
【0608】
53f:N-[1-[(2R,6S)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
出発化合物52f(715mg、1.08mmol)およびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド559mg(3.23mmol)を乾燥DCM(20ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト502mg(529μl、1.62mmol)を室温で加え、溶液を16時間撹拌して、完全に転化させた。HO(40ml)を加えた後、有機層を分離し、水性相をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+1.0%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%MTB-エーテル/DCM(1:1))上で精製して、表題化合物53f(887mg)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.30 (br s, 1 H), 8.15 (2 x d, J=7.53 Hz, 1 H), 8.00 (m, 2 H), 7.63 (m, 1 H), 7.51 (m, 2 H), 7.20 - 7.44 (m, 10 H), 6.89 (br d, J=8.72 Hz, 4 H), 6.03 - 6.13 (m, 1 H), 3.78 - 4.17 (m, 4 H), 3.74 (s, 6 H), 3.35 - 3.71 (m, 6 H), 3.20 (m, 1 H), 3.03 (m, 1 H), 2.89 (m, 1 H), 2.72 (m, 1 H), 0.89 - 1.22 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 148,2, 147,7.
【0609】
【化53】
【0610】
50c:N-[9-[(2R,6R)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
DMT-エーテル51c(9.5g、11.5mmol;合成スキーム12参照)の無水DCM(190ml)中溶液に、N雰囲気下0℃でDCAA(29.7g、230mmol)を滴下添加した。室温で30分間撹拌した後、TLCは完全に転化していることを示した。混合物を飽和NaHCO溶液(100ml)で中和し、DCM(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaCl溶液(200ml)で洗浄した。無水NaSOで乾燥した後、有機溶液を蒸発させ、粗生成物を分取HPLC(ACN、0.1%FA)により精製して、所望の生成物50c(9.5g、61.2%)を白色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,68
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 524,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.10 (br s, 1 H), 11.53 (br s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 5.88 (dd, J=9.8, 3.3 Hz, 1 H), 4.75 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 4.06 (d, J=9.5 Hz, 1 H), 3.98 (dd, J=11.4, 3.3 Hz, 1 H), 3.86 (d, J=11.7 Hz, 1 H), 3.74 - 3.83 (m, 2 H), 3.61 (d, J=11.7 Hz, 1 H), 3.46 (d, J=6.1 Hz, 2 H), 2.79 (m, 1 H), 1.00 - 1.16 (m, 27 H).
【0611】
50e:N-[9-[(2R,6R)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
DMT-エーテル51e(615mg、729μmol)をDCM(25ml)に溶解した。ジクロロ酢酸949mg(608μl、7.3mmol)を加えた後、反応混合物を1分間撹拌して、完全に転化させた。反応溶液を飽和NaHCO溶液100mlで洗浄した。有機層を分離し、水性相をDCM(35ml)で2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、所望の生成物50e(302mg、76.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,70
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 542,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.20 (s, 1 H), 8.75 (s, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 8.04 (d, J=7.5 Hz, 2 H), 7.65 (m, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 6.23 (m, 1 H), 4.75 (t, J=6.1 Hz, 1 H), 4.01 - 4.12 (m, 3 H), 3.94 (d, J=9.9 Hz, 1 H), 3.86 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 3.65 (d, J=11.7 Hz, 1 H), 3.44 (m, 2 H), 1.10 - 1.17 (m, 3 H), 1.04 - 1.09 (m, 18 H).
【0612】
63a:[(2S,6R)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
化合物61(スキーム15)にて記載したプロトコールに従って、50a(1.0g、2.33mmol)から、シリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製した後、ベンゾイル化生成物63a(1.24g、86.4%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.10
イオン化方法:ES:[M-H]=531.6
【0613】
63c:[(2S,6R)-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質50c(2.80g、5.35mmol)を乾燥ピリジン20mlに溶解した。塩化ベンゾイル949mg(784μl、6.68mmol)およびDMAP(667mg、5.35mmol)を加えた後、反応溶液を室温で4時間撹拌した。更に塩化ベンゾイル189mg(157μl、1.37mmol)を加え、反応物を終夜撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解し、5%クエン酸水溶液、5%NaHCO水溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、有機層を蒸発させ、粗生成物をシリカゲル(DCM中0から10%MeOH)上で精製して、ベンゾイルエステル63c(3.33g、99.2%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,06
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 628,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.84 (s, 1 H), 11.58 (s, 1 H), 8.09 (s, 1 H), 7.79 - 7.86 (m, 2 H), 7.56 - 7.64 (m, 1 H), 7.41 - 7.49 (m, 2 H), 5.89 (dd, J=5.9 Hz, 3.4 Hz, 1 H), 4.18 - 4.32 (m, 3 H), 4.07 (m, 1 H), 3.77 - 4.02 (m, 4 H), 2.79 (m, 1 H), 0.93 - 1.21 (m, 27 H).
【0614】
63e:[(2S,6R)-6-[6-(ジベンゾイルアミノ)プリン-9-イル]-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
遊離アルコール50e(299mg、552μmol)の乾燥ピリジン10ml中溶液に、室温で塩化ベンゾイル94.0mg(77.7μl、662.3μmol)を加えた。18時間後、溶媒を容量5mlに濃縮し、更に塩化ベンゾイル94.0mgを加えた。室温で更に60分後、追加の塩化ベンゾイル282mgを加え、溶液を終夜撹拌した。溶媒を除去し、残留物をHOおよびEtOAcで処理した。有機層を分離し、クエン酸溶液(10%)、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で2回洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、63e(405mg、97.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,49
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 750,7
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.74 (s, 1 H), 8.62 (s, 1 H), 7.92 - 7.97 (m, 2 H), 7.74 - 7.79 (m, 4 H), 7.42 - 7.67 (m, 9 H), 6.28 (dd, J=9.4, 3.4 Hz, 1 H), 4.22 - 4.35 (m, 4 H), 4.16 (m, 1 H), 4.01 (m, 2 H), 3.78 (m, 1 H), 1.06 - 1.14 (m, 3 H), 0.97 - 1.05 (m, 18 H).
【0615】
64a:[(2S,6R)-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-メチルベンゾエート
63a(1.07g、2.01mmol)をTHF(20ml)に溶解した。室温で、ピリジン・HF(65%)1.53g(1.39ml、10.03mmol)を加え、混合物を18時間撹拌した。更にピリジン・HF(65%)3.06g(2.78ml、20.06mmol)を加えた後、溶液を65℃で5時間撹拌し、この時点で完全に転化していることが検出された。反応混合物を飽和NaHCO溶液250ml中に注ぎ入れた。1時間撹拌した後、混合物をDCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、64a(680mg、90.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.46
イオン化方法:ES:[M-H]=375.3
【0616】
64c:[(2S,6R)-2-(ヒドロキシメチル)-6-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
シリルエーテル63c(3.30g、5.26mmol)をDMF(33ml)に溶解した。NEt(8.06g、78.9mmol、11.1ml)およびNEt・3HF(6.49g、39.4mmol、6.56ml)を加えた後、溶液を75℃で2時間撹拌して、完全に転化させた。反応物を室温に冷却し、5%NaHCO溶液100mlで洗浄した。濾過した後、水溶液をDCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をHPLC(カラム:Chiralcel OD-H/74、250×4.6mm、1.0ml/分、30℃;溶出液:ヘプタン/EtOH5:2)により精製して、所望の生成物64c(1.20g、48.4%)を無色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,40
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 472,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.89 (s, 1 H), 11.67 (s, 1 H), 8.08 (s, 1 H), 7.87 (d, J=7.7 Hz, 2 H), 7.62 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.47 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 5.92 (dd, J=6.6, 3.3 Hz, 1 H), 5.11 (t, J=5.7 Hz, 1 H), 4.14 - 4.26 (m, 3 H), 4.03 (dd, J=12.0, 3.4 Hz, 1 H), 3.90 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.79 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.70 (m, 2 H), 2.79 (spt, J=6.8 Hz, 1 H), 1.15 (d, J=6.9 Hz, 3 H), 1.11 (d, J=6.7 Hz, 3 H).
【0617】
64e:[(2S,6R)-6-[6-(ジベンゾイルアミノ)プリン-9-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
52e(スキーム13)にて記載したプロトコールを使用して、シリルエーテル63e(402mg、536μmol)を脱保護した。シリカ(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上でのクロマトグラフィー精製後に、所望の生成物64e(194mg、61.0%)を無色泡状物として単離した。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,22
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 594,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.71 (s, 1 H), 8.59 (s, 1 H), 7.97 (m, 2 H), 7.77 (m, 4 H), 7.43 - 7.67 (m, 9 H), 6.27 (m, 1 H), 5.14 (m, 1 H), 4.20 - 4.36 (m, 3 H), 4.12 (m, 1 H), 3.95 (m, 1 H), 3.75 - 3.91 (m, 3 H).
【0618】
64f:[(2S,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-メチルベンゾエート
化合物64aにて記載したプロトコールに従い、10.0当量のピリジン-HFを使用し、63f(952mg、1.53mmol)から、64f(471mg、66.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.89
イオン化方法:ES:[M+H]=466.1
【0619】
65a:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
64a(675mg、1.79mmol)をDCM/ピリジン(1:1)10mlに溶解した。DMT-Cl(806mg、2.33mmol)のDCM(15ml)中溶液を加えた後、反応溶液を室温で5.5時間撹拌し、続いて更にDMT-Cl(403mg、1.17mmol)を加えた。撹拌を18時間続け、この時点で完全に転化していることが検出された。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解した。クエン酸水溶液(10%)および飽和NaHCO溶液で2回洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、DMT-エーテル65a(1.15g、94.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.76
イオン化方法:ES:[M-H]=677.3
【0620】
65c:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[2-(2-メチルプロパノイル-アミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
第一級アルコール64c(1.20g、2.55mmol)を乾燥ピリジン25mlに溶解した。NEt(647mg、6.36mmol、891μl)およびDMT-Cl(1.78g、5.09mmol)を加え、溶液を室温で1時間、続いて80℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(1ml)を加え、溶液をEtOAcで希釈した。有機溶液を10%クエン酸水溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)により精製して、所望のDMT-エーテル65c(1.97g、定量的)を薄黄色固体として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,75
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 774,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.78 (s, 1 H), 11.53 (s, 1 H), 8.06 (s, 1 H), 7.50 - 7.55 (m, 2 H), 7.31 - 7.41 (m, 5 H), 7.14 - 7.29 (m, 7 H), 6.81 (br d, J=8.9 Hz, 2 H), 6.77 (d, J=8.9 Hz, 2 H), 5.72 (m, 1 H), 4.19 - 4.35 (m, 3 H), 4.01 - 4.11 (m, 3 H), 3.66 (s, 3 H), 3.63 (s, 3 H), 3.34 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 3.16 (d, J=8.7 Hz, 1 H), 2.75 (m, 1 H), 1.13 (d, J=6.9 Hz, 3 H), 1.08 (d, J=6.7 Hz, 3 H).
【0621】
65e:[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[6-(ジベンゾイルアミノ)-プリン-9-イル]-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
出発物質64e(190mg、320μmol)を乾燥ピリジン10mlに溶解し、蒸発させた。この手順を3回繰り返した。次いで化合物を乾燥ピリジン10mlに溶解し、続いてNEt(48.7mg、66.9μl、480μmol)およびDMT-Cl(166mg、480μmol)を加えた。室温で終夜撹拌した後、更にNEt(97.4mg)およびDMT-Cl(332mg)を加え、溶液を追加の18時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcに溶解した。HO、クエン酸溶液(2×)、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した後、有機相をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、DMT-エーテル65e(216mg、75.3%)を薄黄色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 3,17
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 896,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 8.75 (s, 1 H), 8.61 (s, 1 H), 7.73 - 7.80 (m, 7 H), 7.65 (m, 1 H), 7.58 (m, 2 H), 7.42 - 7.50 (m, 6 H), 7.36 - 7.41 (m, 2 H), 7.22 - 7.29 (m, 6 H), 6.78 - 6.84 (m, 4 H), 6.07 (m, 1 H), 4.36 (m, 2 H), 4.22 (m, 1 H), 3.99 - 4.14 (m, 2 H), 3.84 (d, J=11.9 Hz, 1 H), 3.68 (s, 6 H), 3.44 - 3.57 (m, 2 H).
【0622】
65f:[(2R,6R)-6-(4-ベンズアミド-2-オキソ-ピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]メチルベンゾエート
65aにて記載したプロトコールに従って、出発化合物64f(467mg、1.00mmol)をDMT保護して、65f(677mg、87.9%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.95
イオン化方法:ES:[M-H]=766.4
【0623】
66a:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
出発化合物65a(580mg、0.85mmol)をTHF/MeOH(4:1)25mlに溶解した。室温で、2M NaOH溶液(4.27ml、8.55mmol)を加え、反応物を30分間撹拌した。固体のクエン酸一水和物および飽和NaHCO溶液を使用してpHを7にした。有機溶媒を真空で除去し、水性相をDCM(2×30ml)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥した。蒸発させた後、表題化合物66a(481mg、98.0%、粗製物)を無色固体として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,82
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 573,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (s, 1 H), 7.63 (s, 1 H), 7.39 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.89 (d, J=8.31 Hz, 4 H), 5.75 (m, 1 H), 4.83 (t, J=5.81 Hz, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.57 - 3.72 (m, 4 H), 3.51 - 3.56 (m, 2 H), 3.20 - 3.29 (m, 2 H), 1.79 (d, J=0.86 Hz, 3 H).
【0624】
66c:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
ベンゾイルエステル65c(1.97g、2.55mmol)をEtOH/ピリジン(3:1)40mlに溶解した。2M NaOH溶液12.9ml(25.8mmol)を加えた後、混合物を室温で30分間撹拌して、完全に転化させた。クエン酸(固体)で中和した後、EtOHを真空で除去し、残留物をEtOAc(50ml)およびHO(25ml)で希釈した。沈殿物を濾過により除去し、濾液から有機層を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製して、表題化合物66c(0.99g、58.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,46
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 670,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 12.10 (s, 1 H), 11.52 (s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.20 - 7.42 (m, 9 H), 6.85 - 6.93 (m, 4 H), 5.62 (dd, J=9.7, 3.3 Hz, 1 H), 4.81 (br t, 1 H), 3.91 - 3.99 (m, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 3.73 (s, 3 H), 3.65 - 3.76 (m, 1 H), 3.41 - 3.59 (m, 4 H), 3.15 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 2.77 (m, 1 H), 1.13 (m, 6 H).
【0625】
66e:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
出発物質65e(213mg、238μmol)をEtOH/ピリジン(3:1)8mlに溶解した。0℃で2M NaOH(1.19ml、2.4mmol)を加えた後、溶液を0℃で10分間および室温で60分間撹拌して、完全に転化させた。クエン酸一水和物166mgを加え、続いてHO(50ml)およびEtOAc(50ml)を加えた。有機層を分離し、10%クエン酸溶液(2×)、HO、飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、粗生成物をシリカ(DCM中0から100%アセトン)上で精製して、66e(134mg、82.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,44
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 688,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.21 (br s, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 8.67 (s, 1 H), 8.04 (m, 2 H), 7.65 (m, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.29 - 7.37 (m, 6 H), 7.23 (m, 1 H), 6.91 (dd, J=9.0, 2.0 Hz, 4 H), 6.01 (m, 1 H), 4.84 (t, J=5.9 Hz, 1 H), 3.94 - 4.02 (m, 2 H), 3.83 (m, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.68 - 3.73 (m, 1 H), 3.49 - 3.55 (m, 2 H), 3.38 (m, 2 H).
【0626】
66f:N-[1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
65f(672mg、0.88mmol)をEtOH/ピリジン(1:1)20mlに溶解した。0℃で、1M NaOH溶液(5.25ml、5.25mmol)を加え、反応物を1時間撹拌した。クエン酸水溶液を使用してpHを7にした。EtOAc(200ml)およびHOを加えた後、有機相を分離し、クエン酸水溶液(10%)、HOおよびNaCl溶液で2回洗浄した。MgSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、表題化合物66f(555mg、95.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,49
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 662,3
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.28 (br s, 1 H), 8.31 (br d, J=6.79 Hz, 1 H), 8.00 (d, J=7.66 Hz, 2 H), 7.63 (t, J=7.43 Hz, 1 H), 7.52 (t, J=7.79 Hz, 2 H), 7.39 (m, 3 H), 7.21 - 7.33 (m, 7 H), 6.87 - 6.91 (m, 4 H), 5.80 (dd, J=9.81, 3.21 Hz, 1 H), 4.89 (t, J=5.96 Hz, 1 H), 3.85 (dd, J=11.19, 3.12 Hz, 1 H), 3.79 (m, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.64 (d, J=11.92 Hz, 1 H), 3.59 (m, 2 H), 3.26 - 3.30 (m, 2 H), 3.20 (t, J=10.55 Hz, 1 H).
【0627】
67a:3-[[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
53a(スキーム13)にて記載したプロトコールに従って、出発化合物66a(380mg、0.66mmol)をホスホロアミダイト67aに転換した。ジエチルエーテル/n-ペンタンから沈殿させた後、表題化合物67a(342mg、66.7%)を無色固体として単離した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.40, 11.39 (2 x s, 1 H), 7.63, 7.61 (2 x s, 1 H), 7.40 (m, 2 H), 7.21 - 7.35 (m, 7 H), 6.83 - 6.96 (m, 4 H), 5.77 - 5.87 (m, 1 H), 3.36 - 3.90 (m, 17 H), 3.12 - 3.28 (m, 1 H), 2.66 - 2.77 (m, 2 H), 1.81 - 1.79 (2 x s, 3 H), 1.02 - 1.17 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,5, 148,1.
【0628】
67c:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-2-メチル-プロパンアミド
出発物質66c(985mg、1.47mmol)を乾燥DCM(30ml)に溶解した。Ar雰囲気下、PrNH-テトラゾール133mg(735μmol)および2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト571mg(1.84mmol、602μl)を加え、溶液を室温で終夜撹拌した。HO(50ml)およびDCMを加えた後、有機層を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン+1%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)により精製して、所望のホスホロアミダイト67c(1.07g、83.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,42
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 787,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]:12.08 (br s, 1 H), 11.55 (br s, 1 H), 8.06, 8.05 (2 x s, 1 H), 7.18 - 7.44 (m, 9 H), 6.82 - 6.94 (m, 4 H), 5.65 (m, 1 H), 3.66 - 4.01 (m, 3 H), 3.73 (s, 3 H), 3.72 (s, 3 H), 3.35 - 3.65 (m, 6 H), 3.21 - 3.29 (m, 1 H), 2.72 - 2.83 (m, 1 H), 2.59 - 2.72 (m, 2 H), 0.90 - 1.22 (m, 20 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,7, 147,3.
【0629】
67e:N-[9-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド
この立体異性体53e(スキーム13)にて記載したプルトコルに従い、出発化合物66e(131mg、190μmol)をホスフィチル化して、所望のホスホロアミダイト67eを定量的収率で得た。
LCMS-方法B-3:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 0,61
イオン化方法: ES+: [M+H-iPr2N+OH]+= 805,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm] 11.20 (br s, 1 H), 8.74, 8.73 (2 x s, 1 H), 8.62, 8.60 (2 x s, 1 H), 8.05 (d, J=7.4 Hz, 2 H), 7.65 (m, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 7.45 (d, J=7.3 Hz, 2 H), 7.29 - 7.36 (m, 6 H), 7.24 (m, 1 H), 6.91 (m, 4 H), 6.06 (m, 1 H), 3.99 - 4.14 (m, 2 H), 3.62 - 3.90 (m, 11 H), 3.37 - 3.62 (m, 5 H), 2.71 (m, 1 H), 2.64 (m, 1 H), 1.06 - 1.13 (m, 6 H), 1.03 (d, J=6.7 Hz, 3 H), 0.97 (m, 3 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,7, 147,6.
【0630】
67f:N-[1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-1,4-ジオキサン-2-イル]-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド
53f(スキーム15)にて記載したプロトコールに従って、出発物質66f(525mg、0.79mmol)をホスホロアミダイト67fに転換した。シリカ(n-ヘプタン+1.0%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%MTB-エーテル/DCM(1:1))上でクロマトグラフィー精製した後、表題化合物67f(620mg、90.7%)を無色泡状物として単離した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.31 (br s, 1 H), 8.22 (m, 1 H), 8.01 (d, J=7.59 Hz, 2 H), 7.57 - 7.69 (m, 1 H), 7.52 (m, 2 H), 7.39 (m, 3 H), 7.20 - 7.34 (m, 7 H), 6.86 - 6.92 (m, 4 H), 5.88 (m, 1 H), 3.39 - 3.95 (m, 11 H), 3.74 (s, 6 H), 3.26 - 3.34 (m, 0.5 H), 3.17 - 3.24 (m, 0.5 H), 2.71 - 2.77 (m, 1 H), 2.64 - 2.69 (m, 1 H), 1.03 - 1.24 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,5, 147,3.
【0631】
【化54】
【0632】
68:1-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
出発物質58(980mg、1.89mmol)をTHF/MeOH(4:1)40mlに溶解した。0℃で、2M NaOH溶液9.45ml(18.90mmol)を加え、反応物を0℃で1時間撹拌した。溶液を固体のクエン酸(約1.33g)を加えることによりpH7にした。有機溶媒を真空で除去し、水性残留物をEtOAc(100ml)で抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製して、68(603mg、77.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.90
イオン化方法:ES:[M+H]=415.3
【0633】
69:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
68(597mg、1.44mmol)およびDIPEA(931mg、1.26ml、7.20mmol)をDCM(20ml)に溶解した。DMT-Cl(622mg、1.80mmol)を加えた後、溶液を室温で22時間撹拌して、完全に転化させた。溶媒を真空で除去し、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中0から100%EtOAc)上で精製して、DMT-エーテル69(860mg、83.3%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.25
イオン化方法:ES:[M+Na]=739.4
【0634】
66b:1-[(2R,6R)-6-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン
69(854mg、1.19mmol)を、NEt(5.26g、7.23ml、51.49mmol)およびNEt・3HF(9.55g、9.66ml、57.46mmol)のNMP(17ml)中溶液に加えた。65℃で2時間撹拌した後、反応物を室温で終夜置いた。反応溶液をHO/飽和NaHCO溶液(1:1)450ml中に注ぎ入れ、溶液をEtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層をHOおよび飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、粗生成物をシリカ(n-ヘプタン+0.5%NEtで予め調整した、n-ヘプタン中10から100%EtOAc)上で精製して、表題化合物66b(666mg、99.7%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,76
イオン化方法: ES+: [M+Na]+= 583,3
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.37 (s, 1 H), 7.79 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.35 - 7.45 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.89 (2 x d, J=8.93, 4 H), 5.72 (dd, J=10.09, 3.24 Hz, 1 H), 5.62 - 5.68 (m, 1 H), 4.84 (t, J=5.75 Hz, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 3.71 (m, 2 H), 3.47 - 3.63 (m, 3 H), 3.14 - 3.30 (m, 3 H).
【0635】
67b:3-[[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-1,4-ジオキサン-2-イル]メトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシプロパンニトリル
出発化合物66b(650mg、1.16mmol)およびジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド110mg(0.64mmol)を乾燥DCM(16ml)に溶解した。Ar雰囲気下、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト396mg(418μl、1.28mmol)を室温で加え、溶液を16時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解し、HOおよび飽和NaHCO溶液で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をメチル-tert-ブチルエーテル15mlに溶解した。撹拌しながら、有機溶液をn-ペンタン120ml中に滴下した。沈殿物を濾過し、40℃で真空乾固して、表題化合物67b(827mg、93.7%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.39 (br s, 1 H), 7.74 (m, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 7.18 - 7.35 (m, 7 H), 6.84 - 6.92 (m, 4 H), 5.73 - 5.86 (m, 1 H), 5.67 (m, 1 H), 3.54 - 3.89 (m, 7 H), 3.74 (s, 6 H), 3.35 - 3.53 (m, 4 H), 3.12 - 3.28 (m, 1 H), 2.62 - 2.76 (m, 2 H), 1.02 - 1.16 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,5, 148,1.
【0636】
C:式Iの標的化されたヌクレオチド類似体の合成
【0637】
【化55】
【0638】
71:[(3aR,5R,6R,7R,7aR)-6,7-ジアセトキシ-2-メチル-5,6,7,7a-テトラヒドロ-3aH-ピラノ[3,2-d]オキサゾール-5-イル]メチルアセテート
D-ガラクトサミンペンタアセテート(70)20.0g(51.4mmol)のDCE(200ml)中溶液に、30℃でTMSOTf(17.1g、77.1mmol)を滴下添加した。混合物を50℃に2時間加熱した。室温で終夜静置した後、完全に転化していることが検出された。混合物をNaHCO(8.63g、102.8mmol)の水1l中溶液によりクエンチし、DCM(2×500ml)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物71(19.0g、粗製物)を得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法A:
ELSD:R[分]=0.90
イオン化方法:ES:[M+H]=330.1
【0639】
72g:12-ベンジルオキシドデカン-1-オール
1,12-ドデカンジオール14.05g(68.76mmol)を乾燥DMF(150ml)に溶解した。0℃で、NaH(60%)2.75g(68.76mmol)を30分間かけ4回に分けて加えた。氷浴を除去し、溶液を室温で3時間撹拌し、続いて0℃でベンジルブロミド10.0g(6.99ml、57.33mmol)の乾燥DMF(50ml)中溶液を加えた。反応物を室温で終夜撹拌した。更にNaH(60%)1.99g(49.8mmol)を加えた後、撹拌を4時間続けた。反応混合物を氷水500ml中に注ぎ入れ、ジエチルエーテルおよびEtOAcで抽出した。有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカ(n-ヘプタン中0から60%EtOAc)上で精製して、表題化合物72g(6.91g、41.2%)を白色固体として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.09
イオン化方法:ES:[M+H]=293.3
【0640】
化合物73aから73gの製造のための一般的手順D
オキサゾリン71(1.0当量)の乾燥DCE(200ml/50.0mmol)中溶液およびアルコール72a~72g(1.10当量)に、モレキュラーシーブ4Å(20.0g)を加えた。室温で、TMSOTf(0.5当量)を滴下添加し、完全に転化するまで溶液を撹拌した。反応物をNaHCO(2.0当量)のHO(400ml)中溶液を加えることによりクエンチした。有機相を分離し、水性層をDCM(2×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、グリコシド73aから73gを得た。
【0641】
73a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(2-ベンジルオキシエトキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(17.0g、51.37mmol)および72a(8.6g、56.56mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc1:2)後に、表題化合物73a(18.87g、76.4%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.83 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 7.41-7.20 (m, 5 H), 5.22 (d, J=3.30 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J=11.25, 3.42 Hz, 1 H), 4.58 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 4.52-4.43(m, 2 H), 4.03 (s, 2 H), 3.96-3.80 (m, 2 H), 3.69-3.49 (m, 3 H), 2.12-2.08 (m, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.74 (s, 3 H).
【0642】
73b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-(2-ベンジルオキシエトキシ)エトキシ]-テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(14.0g、42.5mmol)および72b(7.5g、38.2mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー後に、表題化合物73b(10.6g、48%)を黄色油状物として得た。
MS:イオン化方法:ES:[M+H]=526.3
【0643】
73c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-(2-ベンジルオキシエトキシ)エトキシ]-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(16.0g、48.6mmol)および72c(14.0g、58.3mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー後に、表題化合物73c(15.6g、57%)を無色油状物として得た。
MS:イオン化方法:ES:[M+H]=570.1
【0644】
73d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-(2-ベンジルオキシエトキシ)-エトキシ]-エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(19.0g、51.4mmol)および72d(17.5g、61.7mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー後に、表題化合物73d(10.0g、32%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.79 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 7.40-7.25 (m, 5 H), 5.27-5.20 (m, 1 H), 5.22 (d, J=3.3 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J=3.4, 11.2 Hz, 1 H), 4.49 (s, 2 H), 4.08-3.99 (m, 3 H), 3.94-3.75 (m, 2 H), 3.62-3.43 (m, 16 H), 2.15-2.07 (m, 3 H), 2.00 (s, 3 H), 1.90 (s, 3 H), 1.78 (s, 3 H).
【0645】
73e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-(2-ベンジルオキシエトキシ)-エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(35.0g、64.2mmol、純度60%)および72e(23.2g、70.6mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー後に、表題化合物73e(13.4g、32%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.44-7.29 (m, 5 H), 6.63 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 5.33 (d, J=2.76 Hz, 1 H), 5.01 (dd, J=11.17, 3.39 Hz, 1 H), 4.80 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 4.58 (s, 2 H), 4.33-4.01 (m, 4 H), 3.98-3.80 (m, 3 H), 3.77-3.54 (m, 20 H), 2.18-2.16 (m, 3 H) 1.99 (s, 6 H) 1.87 (s, 3 H).
【0646】
73f:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(5-ベンジルオキシペントキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(1.69g、5.13mmol)および72f(1.10g、1.09ml、5.39mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から10%MeOH)後に、表題化合物73f(2.60g、96.7%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.36-7.28 (m, 6 H), 5.24 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 5.37 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 5.34-5.31 (m, 1 H), 4.71 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 4.51 (s, 2 H), 4.17-4.14 (m, 2 H), 3.93-3.90 (m, 3 H), 3.50-3.47 (m, 3 H), 2.15 (s, 3 H), 2.06 (s, 3 H), 1.92 (s, 3 H), 1.68 (s, 3 H), 1.66-1.61 (m, 4 H) , 1.48-1.44 (m, 2 H).
【0647】
73g:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(12-ベンジルオキシドデコキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Dに従って、71(4.16g、12.62mmol)および72g(4.43g、15.14mmol)から、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc中10から100%DCM)後に、表題化合物73g(5.69g、72.6%)を薄黄色油状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.07
イオン化方法:ES:[M+H]=622.4
【0648】
化合物74aから74gの製造のための一般的手順E
ベンジルエーテル73a~gをTHF(370ml中40mmol)に溶解した。Pd/C(10%、50%HO含有)5gを加えた後、完全に脱ベンジル化するまで、混合物をH(15psi)雰囲気下室温で撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空で蒸発させた。シリカ上で最後に精製して、所望の表題化合物74a~gを得た。
【0649】
74a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Eに従って、73a(18.87g、39.19mmol)から、シリカ(EtOAc/MeOH10:1)上で精製した後、74a(11.6g、75.8%)を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.81 (br d, J=9.03 Hz, 1 H), 5.22 (br d, J=2.38 Hz, 1 H), 4.98 (br dd, J=10.98, 2.57 Hz, 1 H), 4.66-4.44 (m, 2 H), 4.04 (s, 3 H), 3.94-3.79 (m, 1 H), 3.68 (br d, J=4.64 Hz, 1 H), 3.49 (br s, 3 H), 2.11 (s, 3 H), 2.01 (s, 3 H), 1.90 (s, 3 H), 1.78 (s, 3 H).
【0650】
74b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]-テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Eに従って、73b(10.6g、20.1mmol)から、追加の精製をせずに、74b(8.0g、92.0%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.80 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 5.22 (d, J=3.3 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J=3.4, 11.3 Hz, 1 H), 4.64-4.53 (m, 2 H), 4.11-4.00 (m, 3 H), 3.94-3.83 (m, 1 H), 3.82-3.73 (m, 1 H), 3.61 (dt, J=3.2, 7.1 Hz, 1 H), 3.56-3.46 (m, 4 H), 3.44-3.38 (m, 2 H), 2.11 (s, 3 H), 2.01 (s, 3 H), 1.90 (s, 3 H), 1.78 (s, 3 H).
【0651】
74c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Eに従って、73c(15.6g、27.4mmol)をEtOAc/THF(1:1)の混合溶媒200ml中で水素化して、74c(11.0g、84.6%)を追加の精製をせずに無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.80 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 5.22 (d, J=3.3 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J=3.4, 11.2 Hz, 1 H), 4.62-4.52 (m, 2 H), 4.09-4.00 (m, 4 H), 3.89 (td, J=8.9, 11.0 Hz, 1 H), 3.82-3.74 (m, 1 H), 3.63-3.56 (m, 1 H), 3.55-3.46 (m, 8 H), 3.45-3.39 (m, 2 H), 2.11 (s, 3 H), 2.01 (s, 3 H), 1.91-1.88 (m, 3 H), 1.78 (s, 3 H), 1.18 (t, J=7.1 Hz, 1 H).
【0652】
74d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]-エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Eに従って、73d(10.0g、16.3mmol)を100EtOAc中で水素化して、74d(8.7g、93.0%)を追加の精製をせずに無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.80 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 5.22 (d, J=3.3 Hz, 1 H), 4.97 (dd, J=3.4, 11.2 Hz, 1 H), 4.62-4.53 (m, 2 H), 4.09-3.98 (m, 4 H), 3.89 (td, J=9.0, 10.9 Hz, 1 H), 3.82-3.75 (m, 1 H), 3.63-3.56 (m, 1 H), 3.55-3.46 (m, 12 H), 3.42 (d, J=5.0 Hz, 2 H), 2.11 (s, 3 H), 2.00 (s, 3 H), 1.92-1.87 (m, 3 H), 1.78 (s, 3 H).
【0653】
74e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]-エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Eに従って、73e(12.4g、18.9mmol)を250EtOAc中で水素化して、シリカ(DCM/MeOH15:1)上での最後の精製後に、74e(9.7g、83.9%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 6.96 (br d, J=9.29 Hz, 1 H), 5.35-5.32 (m, 1 H), 5.05 (dd, J=11.17, 3.39 Hz, 1 H), 5.09-5.02 (m, 1 H), 4.74 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 4.27 (dt, J=11.04, 8.97 Hz, 1 H), 4.20-4.11 (m, 2 H), 4.01-3.91 (m, 3 H), 3.84-3.59 (m, 21 H), 2.95 (br s, 2 H), 2.17-2.15 (m, 3 H), 2.05 (s, 3 H), 2.01-1.98 (m, 6 H).
【0654】
74f:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(5-ヒドロキシペントキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
73f(2.50g、4.77mmol)を、完全に転化するまで、4barのH雰囲気下Pd(OH)/C(20%)168mg(239μmol)の存在下でTHF(13ml)中室温にて水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、表題化合物74f(2.08g、定量的、粗製物)を得た。
LCMS-方法A:
ELSD:R[分]=1.15
イオン化方法:ES:[M-H+ギ酸]=478.2
【0655】
74g:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(12-ヒドロキシドデコキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
74fにて記載したプロトコールに従い、ベンジルエーテル73g(5.69g、9.14mmol)を水素化して、表題化合物74g(4.79g、98.5%)を無色油状物として得、これは結晶化して白色針状物になった。
LCMS-方法A:
ELSD:R[分]=1.72
イオン化方法:ES:[M-H=532.3
【0656】
75a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(2-オキソエトキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]-メチルアセテート
出発物質74a(0.75g、1.92mmol)のDCM(10ml)中溶液に、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3(1H)-オン(デス-マーチンペルヨージナン)6.77g(4.97ml、2.40mmol)を加えた。溶液を室温で2時間撹拌した後、溶媒を除去し、残留物をシリカ(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:2)上で精製して、表題化合物75a(591mg、79.2%)を得た。
LCMS-方法C:
ELSD R[分]=0.86
イオン化方法:ES:[M+H]=390.2
【0657】
75b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-(2-オキソエトキシ)エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
75aにて記載したプロトコールに従って、74b(1.0g、2.30mmol)を、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3(1H)-オン(デス-マーチンペルヨージナン)8.12g(5.96ml、2.87mmol)を用いて酸化した。シリカ(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:2)上で最後に精製して、表題化合物75b(1.0g、定量的)を得た。
LCMS-方法B2:
MS TIC R[分]=0.35
イオン化方法:ES:[M+H]=434.1
【0658】
75c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-(2-オキソエトキシ)エトキシ]エトキシ]-テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
DMSO(596mg、542μl、7.59mmol)を乾燥DCM(11ml)に溶解した。-60℃に冷却した後、塩化オキサリルの乾燥DCM中2M溶液1.75ml(3.50mmol)を加え、撹拌を10分間続け、続いてアルコール74c(1.40g、2.92mmol)の乾燥DCM(11ml)中溶液を加えた。混合物を-60℃で更に10分間撹拌し、NEt(2.97g、4.08ml、29.2mmol)を加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を室温にした。転化が完結した後、溶液をDCM(25ml)で希釈し、飽和NaHCO溶液で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、溶媒を除去して、所望のアルデヒド75c(1.27g、91.1%、粗製物)を無色油状物として得、これを更には精製せずに使用した。
LCMS-方法B2:
ELSD R[分]=1.66
イオン化方法:ES:[M+H]=478.2
【0659】
75d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-(2-オキソエトキシ)エトキシ]エトキシ]-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
75cにて記載したプロトコールに従って、アルコール74d(1.10g、2.10mmol)を酸化して、アルデヒド75d(0.99g、90.3%、粗製物)を無色油状物として得た。
LCMS-方法C:
ELSD R[分]=1.69
イオン化方法:ES:[M+H]=522.2
【0660】
75e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-(2-オキソエトキシ)エトキシ]-エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
75cにて記載したプロトコールに従って、アルコール74e(1.10g、1.94mmol)を酸化して、アルデヒド75e(1.10g、定量的、粗製物)を無色油状物として得た。
LCMS-方法A:
ELSD R[分]=1.50
イオン化方法:ES:[M+H]=566.4
【0661】
75f:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(5-オキソペントキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]-メチルアセテート
75cにて記載したプロトコールに従って、アルコール74f(2.05g、4.73mmol)を酸化して、アルデヒド75f(2.05g、定量的、粗製物)を無色油状物として得た。
LCMS-方法A:
ELSD R[分]=1.19
イオン化方法:ES:[M-H+ギ酸]=476.2
【0662】
75g:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-(12-オキソドデコキシ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
75cにて記載したプロトコールに従って、アルコール74g(2.20g、4.14mmol)を酸化して、アルデヒド75g(2.19g、99.9%、粗製物)を無色油状物として得た。
LCMS-方法A:
ELSD R[分]=1.79
イオン化方法:ES:[M-H+ギ酸]=574.3
【0663】
化合物76aから76gの合成のための一般的手順F
1.0当量の出発アルデヒド75aから75gをMeOH(20ml/1.0mmol)に溶解した。室温で、モレキュラーシーブ(4Å)5g、4.0当量のNEtおよび10.0当量のAcOHを加え、続いて1.0当量のモルホリン24aを加えた。反応溶液を15分間撹拌し、4.0当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを2時間(4分割)かけて加えた。反応物を室温で終夜撹拌して、完全に転化させた。混合物を濾過し、濾液を飽和NaHCO溶液50ml中に注ぎ入れた。MeOHを蒸発させ、水性混合物をDCMで2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空で除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物76aから76gを得た。
【0664】
76a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で最後に精製して、出発アルデヒド75a(580mg、745μmol)から、表題化合物76a(510mg、62.1%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.30
イオン化方法:ES:[M+H]=1104.0
【0665】
76b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:1)上で最後に精製して、出発アルデヒド75b(500mg、577μmol)から、表題化合物76b(352mg、53.2%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.27
イオン化方法:ES:[M+H]=1148.0
【0666】
76c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で最後に精製して、出発アルデヒド75c(900mg、1.88mmol)から、表題化合物76c(1.34g、59.5%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.29
イオン化方法:ES:[M-H]=1189.9
【0667】
76d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で最後に精製して、出発アルデヒド75d(840mg、1.61mmol)から、表題化合物76d(835mg、42.0%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.30
イオン化方法:ES:[M+H]=1235.8
【0668】
74e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で最後に精製して、出発アルデヒド75e(1.09g、1.54mmol、純度80%)から、表題化合物76e(1.12g、56.8%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.20
イオン化方法:ES:[M+H]=1279.9
【0669】
76f:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[5-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]ペントキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(DCM中0から10%MeOH)上で最後に精製して、出発アルデヒド75f(1.0g、2.32mmol)から、表題化合物76f(2.18g、82.1%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.44 (s, 1 H), 7.84-7.77 (m, 1 H), 7.62 (s, 1 H), 7.42 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.33-7.18 (m, 8 H), 6.84 (d, J = 8.8 Hz, 4 H), 5.88 (dd, J = 2.4, 10.0 Hz, 1 H), 5.22 (d, J = 3.6 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J = 3.2, 11.2 Hz, 1 H), 4.52-4.47 (m, 1 H), 4.11 (d, J = 9.6 Hz, 1 H), 4.07-3.97 (m, 4 H), 3.93-3.83 (m, 2 H), 3.80-3.65 (m, 8 H), 3.47-3.38 (m, 1 H), 3.11 (d, J = 9.2 Hz, 1 H), 2.97 (d, J = 9.2 Hz, 1 H), 2.90 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 2.79 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 2.29 (t, J = 7.2 Hz, 2 H), 2.14-2.04 (m, 5 H), 2.02-1.95 (m, 3 H), 1.90 (s, 3 H), 1.82-1.73 (m, 6 H), 1.57-1.22 (m, 6 H), 1.01-0.83 (m, 21 H).
【0670】
76g:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[12-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]ドデコキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Fに従い、シリカ(n-ヘプタン中0から100%MeOH/EtOAc(9:1))上で最後に精製して、出発アルデヒド75g(2.19g、4.13mmol)から、表題化合物76g(4.84g、94.3%)を無色泡状物として得た。
LCMS-方法B-2:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.14
イオン化方法:ES:[(M+2H)/2]=622.5
【0671】
化合物77a~gおよび83a~eの合成のための一般的手順G
1.0当量のTIPS保護出発化合物76a~e(82a~e、スキーム20参照)をNMP(14ml/1.0mmol)に溶解した。15.0当量のトリエチルアミンおよび6.0当量のNEt・3HFを加えた後、完全に転化するまで反応混合物を90℃で撹拌した。溶液を室温に冷却した後、飽和NaHCO溶液を加え、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカ上で精製して、脱保護生成物77a~g(83a~e、スキーム20参照)を得た。
【0672】
77a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76a(850mg、770μmol)を脱保護して、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:1)後に、表題化合物77(401mg、55.0%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,16
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 947,8
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.37 (s, 1 H), 7.78 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 7.53 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.52 Hz, 2 H), 7.18 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.99 Hz, 4 H), 5.85 (dd, J=9.90, 3.12 Hz, 1 H), 5.20 (d, J=3.48 Hz, 1 H), 4.96 (dd, J=11.19, 3.48 Hz, 1 H), 4.57 (t, J=5.32 Hz, 1 H), 4.52 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 3.99 - 4.06 (m, 3 H), 3.79 - 3.91 (m, 2 H), 3.72 - 3.76 (m, 7 H), 3.66 (dd, J=11.10, 5.78 Hz, 1 H), 3.59 (dt, J=11.51, 5.52 Hz, 1 H), 3.00 (s, 2 H), 2.90 (br d, J=9.35 Hz, 1 H), 2.76 (br d, J=11.55 Hz, 1 H), 2.51 - 2.60 (m, 2 H), 2.25 (d, J=11.37 Hz, 1 H), 2.17 (t, J=10.64 Hz, 1 H), 2.04 (m, 3 H), 1.97 (m, 3 H), 1.88 (s, 3 H), 1.70 (s, 3 H), 1.69 (s, 3 H).
【0673】
77b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76b(720mg、635μmol)を脱保護して、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:1)後に、表題化合物77b(527mg、83.7%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,12
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 991,9
1H-NMR DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.79 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 7.55 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.70 Hz, 2 H), 7.21 - 7.31 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.85 (br d, J=7.34 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=3.30 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J=11.19, 3.30 Hz, 1 H), 4.61 (br s, 1 H), 4.54 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 3.99 - 4.04 (m, 3 H), 3.83 - 3.90 (m, 1 H), 3.72 - 3.79 (m, 8 H), 3.55 - 3.67 (m, 2 H), 3.48 - 3.55 (m, 4 H), 3.01 (s, 2 H), 2.90 (br d, J=10.09 Hz, 1 H), 2.80 (br d, J=12.10 Hz, 1 H), 2.51 - 2.55 (m, 2 H), 2.27 (br d, J=11.74 Hz, 1 H), 2.15 - 2.21 (m, 1 H), 2.09 (s, 3 H), 1.98 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.76 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H).
【0674】
77c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76c(1.25g、1.05mmol)を脱保護して、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:1)後に、表題化合物77c(630mg、58.0%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,11
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 1035,6
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.77 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 7.55 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.20 - 7.31 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.62 Hz, 4 H), 5.85 (dd, J=9.72, 3.12 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=3.48 Hz, 1 H), 4.97 (dd, J=11.19, 3.30 Hz, 1 H), 4.60 (t, J=5.41 Hz, 1 H), 4.54 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 4.00 - 4.06 (m, 3 H), 3.84 - 3.91 (m, 1 H), 3.71 - 3.77 (m, 8 H), 3.59 - 3.67 (m, 1 H), 3.42 - 3.57 (m, 9 H), 3.01 (s, 2 H), 2.92 (br d, J=9.54 Hz, 1 H), 2.80 (br d, J=11.55 Hz, 1 H), 2.51 - 2.56 (m, 2 H), 2.27 (d, J=11.55 Hz, 1 H), 2.17 (t, J=10.45 Hz, 1 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.76 (m, 3 H), 1.67 (m, 3 H).
【0675】
77d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-[(2R,6R)-2-(ヒドロキシメチル)-2-[[(4-ヒドロキシフェニル)-(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76d(780mg、631μmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM1:1からEtOAc/DCM/MeOH5:5:1)後に、表題化合物77d(450mg、66.1%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,12
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 1079,7
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.77 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 7.55 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.20 - 7.31 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.84 (dd, J=9.72, 3.12 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=3.48 Hz, 1 H), 4.97 (dd, J=11.28, 3.39 Hz, 1 H), 4.60 (t, J=5.32 Hz, 1 H), 4.55 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 4.00 - 4.06 (m, 3 H), 3.85 - 3.91 (m, 1 H), 3.72 - 3.78 (m, 8 H), 3.61 - 3.66 (m, 1 H), 3.55 - 3.60 (m, 1 H), 3.43 - 3.54 (m, 12 H), 3.00 (s, 2 H), 2.92 (br d, J=8.99 Hz, 1 H), 2.81 (br d, J=11.19 Hz, 1 H), 2.51 - 2.56 (m, 2 H), 2.28 (d, J=11.74 Hz, 1 H), 2.15 - 2.21 (m, 1 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.77 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H).
【0676】
77e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76e(1.10g、860μmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)後に、表題化合物77e(437mg、45.3%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,72
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1121,6
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.77 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 7.53 - 7.56 (m, 1 H), 7.40 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.19 - 7.31 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.93 Hz, 4 H), 5.85 (dd, J=9.66, 2.93 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.97 (dd, J=11.25, 3.42 Hz, 1 H), 4.53 - 4.62 (m, 2 H), 4.03 (s, 3 H), 3.83 - 3.93 (m, 1 H), 3.72 - 3.82 (m, 8 H), 3.44 - 3.66 (m, 18 H), 2.98 - 3.04 (m, 2 H), 2.92 (br d, J=8.80 Hz, 1 H), 2.77 - 2.86 (m, 1 H), 2.52 - 2.57 (m, 2 H), 2.25 - 2.32 (m, 1 H), 2.18 (br t, J=10.51 Hz, 1 H), 2.10 (m, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.77 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H).
【0677】
77f:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[5-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]ペントキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76f(2.15g、1.88mmol)を脱保護して、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)後に、表題化合物77f(1.21g、65.0%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,69
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 989,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.79 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 7.51 - 7.58 (m, 1 H), 7.40 (d, J=7.34 Hz, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.44 Hz, 4 H), 5.84 (dd, J=9.90, 2.93 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.96 (dd, J=11.25, 3.42 Hz, 1 H), 4.58 - 4.65 (m, 1 H), 4.48 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 3.98 - 4.06 (m, 3 H), 3.80 - 3.94 (m, 1 H), 3.63 - 3.78 (m, 9 H), 3.34 - 3.45 (m, 1 H), 2.97 - 3.08 (m, 2 H), 2.87 (br d, J=9.05 Hz, 1 H), 2.74 (br d, J=11.49 Hz, 1 H), 2.24 - 2.33 (m, 2 H), 2.01 - 2.17 (m, 5 H), 1.98 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.76 (s, 3 H), 1.67 (s, 3 H), 1.35 - 1.54 (m, 4 H), 1.23 - 1.35 (m, 2 H).
【0678】
77g:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[12-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]ドデコキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Gに従い、TIPS-エーテル76g(4.83g、3.88mmol)を脱保護して、表題化合物77g(3.03g、71.7%)を得、これは追加の精製をしなかった。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,89
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1085,5
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (s, 1 H), 7.79 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 7.40 (d, J=7.46 Hz, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.87 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 5.84 (dd, J=9.72, 2.87 Hz, 1 H), 5.21 (d, J=3.30 Hz, 1 H), 4.96 (dd, J=11.25, 3.30 Hz, 1 H), 4.61 (t, J=5.14 Hz, 1 H), 4.48 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 3.98 - 4.07 (m, 3 H), 3.82 - 3.91 (m, 1 H), 3.61 - 3.78 (m, 9 H), 3.35 - 3.44 (m, 1 H), 2.96 - 3.08 (m, 2 H), 2.86 (br d, J=9.17 Hz, 1 H), 2.66 - 2.77 (m, 1 H), 2.30 (br t, J=7.09 Hz, 2 H), 2.01 - 2.16 (m, 5 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.76 (m, 3 H), 1.67 (m, 3 H), 1.36 - 1.48 (m, 4 H), 1.20 - 1.31 (br s, 16 H).
【0679】
化合物78a~gおよび84a~eの合成のための一般的手順H
1.0当量の出発アルコール77a~g(83a~e、スキーム20参照)および6.0当量のジイソプロピルアンモニウムテトラゾリドを乾燥DCM(33ml/1.0mmol)に溶解した。Ar雰囲気下、3.0当量の2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイトを室温で滴下添加し、完全に転化するまで溶液を撹拌した。反応物をHO(25ml)でクエンチし、有機層を分離した。水性相をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を酢酸エチル/ジエチルエーテル(1:1)約10mlに溶解し、n-ペンタン40mlを加えた。沈殿物を遠心分離(2分、10℃、4400upm)し、液層をデカントした。沈殿物の精製を3回繰り返した。Speedvac上で乾燥した後、表題化合物78a~g(84a~e、スキーム22参照)を無色固体として単離した。
【0680】
78a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77a(401mg、423μmol)をホスフィチル化して、表題化合物78a(430mg、88.5%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (br s, 1 H), 7.78 (d, J=9.03 Hz, 1 H), 7.52, 7.55 (2 x s, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.81 - 6.90 (m, 4 H), 5.86 - 5.92 (m, 1 H), 5.20 (m, 1 H), 4.95 (2 x t, 3.12 Hz, 1 H), 4.50 (m, 1 H), 3.96 - 4.08 (m, 4 H), 3.77 - 3.93 (m, 3 H), 3.73 (s, 6 H), 3.38 - 3.67 (m, 5 H), 2.87 - 3.11 (m, 3 H), 2.72 - 2.83 (m, 1 H), 2.52 - 2.70 (m, 4 H), 2.13 - 2.36 (m, 2 H), 1.93 - 2.04 (m, 6 H), 1.85 - 1.91 (m, 3 H), 1.67 - 1.76 (m, 6 H), 0.94 - 1.13 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,7, 147,5.
【0681】
78b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77b(527mg、532μmol)をホスフィチル化して、表題化合物78b(528mg、83.4%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (br s, 1 H), 7.79 (d, J=9.16, 1 H), 7.55 (2 x s, 1 H), 7.35 - 7.43 (m, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.82 - 6.90 (m, 4 H), 5.84 - 5.93 (m, 1 H), 5.21 (m, 1 H), 4.98 (m, 1 H), 4.54 (m, 1 H), 3.95 - 4.09 (m, 5 H), 3.71 - 3.92 (m, 3 H), 3.73 (s, 6 H), 3.39 - 3.64 (m, 9 H), 2.96 - 3.12 (m, 2 H), 2.77 - 2.96 (m, 2 H), 2.63 - 2.73 (m, 1 H), 2.52 - 2.63 (m, 2 H), 2.16 - 2.35 (m, 2 H), 2.09 (s, 3 H), 1.98, 1.99 (2 x s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.76 (s, 3 H) 1.72, 1.69 (2 x s, 3 H), 0.91 - 1.14 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,6, 147,4.
【0682】
78c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)-ホスファニル]オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]-エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77c(630mg、609μmol)をホスフィチル化して、表題化合物78c(698mg、92.8%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (br s, 1 H), 7.76 (m, 1 H), 7.56, 7.53 (2 x s, 1 H), 7.39 (m, 2 H), 7.19 - 7.33 (m, 7 H), 6.82 - 6.91 (m, 4 H), 5.84 - 5.93 (m, 1 H), 5.21 (m, 1 H), 4.97 (m, 1 H), 4.55 (m, 1 H), 3.96 - 4.09 (m, 4 H), 3.70 - 3.91 (m, 4 H), 3.73 (s, 6 H), 3.40 - 3.63 (m, 13 H), 2.98 - 3.08 (m, 2 H), 2.79 - 2.96 (m, 2 H), 2.64 - 2.73 (m, 1 H), 2.52 - 2.62 (m, 2 H), 2.17 - 2.34 (m, 2 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.78 (m, 3 H), 1.72, 1.70 (2 x s, 3 H), 0.91 - 1.25 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,6, 147,4.
【0683】
78d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)-ホスファニル]-オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]-エトキシ]エトキシ]-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77d(450mg、417μmol)をホスフィチル化して、表題化合物78d(460mg、86.2%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: (br s, 1 H), 7.77 (d, J=9.22 Hz, 1 H), 7.56, 7.53 (2 x s, 1 H), 7.35 - 7.43 (m, 2 H), 7.19 - 7.33 (m, 7 H), 6.82 - 6.90 (m, 4 H), 5.84 - 5.93 (m, 1 H), 5.22 (m, 1 H), 4.97 (m, 1 H), 4.56 (m, 1 H), 3.97 - 4.09 (m, 4 H), 3.68 - 3.96 (m, 4 H), 3.73 (s, 6 H), 3.37 - 3.66 (m, 17 H), 2.79 - 3.08 (m, 4 H), 2.64 - 2.71 (m, 1 H), 2.52 - 2.62 (m, 2 H), 2.17 - 2.35 (m, 2 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.77 (s, 3 H), 1.72, 1.69 (2 x s, 3 H), 0.89 - 1.22 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,6, 147,4.
【0684】
78e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)-ホスファニル]オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77e(495mg、441μmol)をホスフィチル化して、表題化合物78e(589mg、定量的)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 (br s, 1 H), 7.77 (d, J=9.16 Hz, 1 H), 7.56, 7.53 (2 x s, 1 H), 7.35 - 7.43 (m, 2 H), 7.18 - 7.33 (m, 7 H), 6.86 (br d, J=8.78 Hz, 4 H), 5.84 - 5.93 (m, 1 H), 5.22 (dm, 1 H), 4.97 (m, 1 H), 4.56 (m, 1 H), 3.96 - 4.10 (m, 4 H), 3.72 - 3.95 (m, 4 H), 3.73 (s, 6 H), 3.41 - 3.63 (m, 21 H), 2.79 - 3.08 (m, 4 H), 2.64 - 2.72 (m, 1 H), 2.53 - 2.61 (m, 2 H), 2.14 - 2.33 (m, 2 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.77 (s, 3 H), 1.72, 1.69 (2 x s, 3 H), 0.93 - 1.12 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,6, 147,4.
【0685】
78f:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[5-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]ペントキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77f(1.17g、1.18mmol)をホスフィチル化して、表題化合物78f(1.32g、94.1%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.36 (br s, 1 H), 7.78 (2 x d, J=9.19, 1 H), 7.57, 7.54 (2 x s, 1 H), 7.36 - 7.44 (m, 2 H), 7.19 - 7.32 (m, 7 H), 6.86 (br d, J=8.78 Hz, 4 H), 5.89 (m, 1 H), 5.21 (m, 1 H), 4.96 (m, 1 H), 4.48 (m, 1 H), 3.94 - 4.09 (m, 4 H), 3.81 - 3.93 (m, 2 H), 3.66 - 3.75 (m, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.53 - 3.66 (m, 2 H), 3.37 - 3.51 (m, 3 H), 3.07 - 3.13 (m, 1 H), 2.95 - 3.05 (m, 1 H), 2.84 - 2.92 (m, 1 H), 2.77 (m, 1 H), 2.63 - 2.71 (m, 1 H), 2.52 - 2.62 (m, 1 H), 2.23 - 2.39 (m, 2 H), 2.02 - 2.16 (m, 2 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99, 1.98 (2 x s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.76 (s, 3 H), 1.73, 1.70 (2 x s, 3 H), 1.35 - 1.56 (m, 4 H), 1.22 - 1.33 (m, 2 H), 0.93 - 1.13 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,4, 147,1.
【0686】
78g:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[12-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]ドデコキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Hに従って、出発アルコール77g(1.52g、1.40mmol)をホスフィチル化して、表題化合物78g(1.55g、86.3%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.37 (br s, 1 H), 7.80 (d, J=9.22 Hz, 1 H), 7.57, 7.54 (2 x s, 1 H), 7.36 - 7.45 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 7 H), 6.86 (d, J=8.85 Hz, 4 H), 5.86 - 5.93 (m, 1 H), 5.22 (m, 1 H), 4.97 (m, 1 H), 4.49 (m, 1 H), 3.82 - 4.09 (m, 6 H), 3.74 (s, 6 H), 3.65 - 3.72 (m, 1 H), 3.54 - 3.64 (m, 2 H), 3.36 - 3.52 (m, 3 H), 3.06 - 3.14 (m, 1 H), 2.96 - 3.06 (m, 1 H), 2.73 - 2.91 (m, 2 H), 2.64 - 2.71 (m, 1 H), 2.53 - 2.61 (m, 1 H), 2.20 - 2.39 (m, 2 H), 2.03 - 2.16 (m, 2 H), 2.11 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.90 (s, 3 H),1.77 (s, 3 H), 1.73, 1.71 (2 x s, 3 H), 1.35 - 1.52 (m, 4 H), 1.17 - 1.32 (m, 16 H), 0.97 - 1.14 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,3, 147,1.
【0687】
合成スキーム19
19a
【化56】
【0688】
19b
【化57】
【0689】
19c
【化58】
【0690】
80a:ベンジル2-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシアセテート
出発化合物70(16g、41.1mmol)およびベンジル2-ヒドロキシ-アセテート79a(13.6g、82.2mmol)のDCE(160ml)中混合物に、Sc(OTf)(1.41g、2.88mmol)を加えた。溶液を90℃で16時間撹拌して、完全に転化させた。反応混合物を飽和NaHCO(200ml)中に注ぎ入れ、DCM(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで脱水し、濾過し、濾液を真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc1:1)次いで逆フラッシュクロマトグラフィー(中性)により精製して、表題化合物80a(12.0g、60%)を黄色油状物として得た。
MS[M+H](m/z)=496.0
【0691】
81a:2-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸
化合物80a(12g、24.2mmol)のEtOAc(150ml)中混合物に、25℃でPd/C(3g、炭素担持10%および水含有率50%)を加えた。完全に転化するまで、混合物をH雰囲気(15psi)下室温で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、81a(9.2g、93%)を無色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.93 (br d, J=8.7 Hz, 1 H), 5.22 (d, J=3.4 Hz, 1 H), 5.01 (dd, J=3.3, 11.1 Hz, 1 H), 4.63 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 4.10 (br d, J=4.9 Hz, 2 H), 4.05-3.99 (m, 3 H), 3.94 - 3.85 (m, 2 H), 2.14-2.10 (m, 3 H), 2.02-1.99 (m, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.79 (s, 3 H).
【0692】
80c:ベンジル2-[2-[2-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエトキシ]エトキシ]アセテート
化合物80aにて記載したプロトコールに従って、70(14.6g、37.6mmol)およびベンジル2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]アセテート79c(19.1g、75.2mmol)から、表題化合物80c(12.0g、54.8%)を薄黄色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.75 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 7.50-7.27 (m, 5 H), 5.21 (d, J=3.30 Hz, 1 H,) 5.15 (s, 2 H), 4.97 (dd, J=11.19, 3.36 Hz, 1 H), 4.57 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 4.19 (s, 2 H), 4.04-4.00 (m, 3 H), 3.88 (dt, J=10.97, 8.94 Hz, 1 H), 3.81-3.71 (m, 1 H), 3.63-3.48 (m, 7 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.77 (s, 3 H).
【0693】
81c:2-[2-[2-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエトキシ]エトキシ]酢酸
ベンジルエステル80c(12.0g、20.6mmol)のEtOAc(400ml)中溶液に、Pd/C(2g、炭素担持10%および水含有率50%)を加えた。混合物をH雰囲気(15psi)下室温で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、81c(8.5g、83.7%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.78 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 5.22 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.98 (dd, J=11.13, 3.42 Hz, 1 H), 4.59 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 4.10-3.98 (m, 5 H), 3.89 (dt, J=11.00, 8.93 Hz, 1 H), 3.78 (dt, J=11.16, 4.63 Hz, 1 H), 3.65-3.46 (m, 7 H), 2.11 (s, 3 H), 2.01 (s, 3 H), 1.90 (s, 3 H), 1.78 (s, 3 H).
【0694】
80b:ベンジル2-[2-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエトキシ]アセテート
化合物79b(7.0g、21.2mmol)およびオキサゾリン71(6.7g、31.9mmol)のDCE(100ml)中混合物に、25℃で4Åシーブ(10g)を加えた。混合物を1.5時間撹拌し、続いてTMSOTf(2.3g、10.6mmol)を加えた。室温で12時間撹拌した後、反応溶液を飽和NaHCO溶液200ml中に注ぎ入れ、DCM(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物を逆フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物80b(4.0g、36%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.68 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 7.29-7.16 (m, 5 H), 5.12 - 5.05 (m, 1 H), 5.02 (s, 2 H), 4.89-4.79 (m, 1 H), 4.43 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 4.06 (d, J=1.6 Hz, 2 H), 3.92-3.85 (m, 3 H), 3.81-3.64 (m, 2 H), 3.55-3.41 (m, 3 H), 1.97 (s, 3 H), 1.87-1.84 (m, 3 H), 1.78-1.74 (m, 3 H), 1.65-1.57 (m, 3 H).
【0695】
81b:2-[2-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエトキシ]酢酸
化合物80b(6.0g、11.1mmol)のEtOAc(100ml)中混合物に、室温でPd/C(0.6g、炭素担持10%および水含有率50%)を加えた。混合物をH(15psi)下12時間撹拌して、完全に転化させた。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、表題化合物81b(5.0g、96%)を白色泡状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 7.83 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 5.22 (d, J=3.4 Hz, 1 H), 4.97 (dd, J=3.4, 11.2 Hz, 1 H), 4.57 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 4.06-4.02 (m, 3 H), 4.01 (s, 2 H), 3.89 (td, J=8.9, 11.1 Hz, 1 H), 3.83-3.77 (m, 1 H), 3.66-3.52 (m, 3 H), 2.13-2.07 (m, 3 H), 2.02-1.98 (m, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.78 (s, 3 H).
【0696】
80d:ベンジル5-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシペンタノエート
(D)-2-デスオキシ-2-アミノ-ガラクトシル-ペンタアセテート70(387g、0.968mol)のDCE(4l)中溶液に、15℃でTMSOTf(322g、1.452mol)を滴下添加した。混合物を50℃で1.5時間加熱し、次いで30℃で終夜撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液4l中に注ぎ入れ、DCM(1l)で2回抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をDCE(4l)に溶解し、ベンジル-5-ヒドロキシペンタノエート79d(302g、1.452mol)および粉状のモレキュラーシーブ(4Å)300gを15℃で加えた。1時間撹拌した後、TMSOTf(107.4g、0.484mol)を15℃で滴下添加した。懸濁液を15℃で終夜撹拌して、完全に転化させた。反応混合物を飽和NaHCO溶液4l中に注ぎ入れ、濾過し、DCM(1l)で2回抽出した。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc3:1)により精製して、所望の生成物80d(240g、46%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 7.47-7.30 (m, 5 H), 5.74 (br d, J=8.5 Hz, 1 H), 5.36 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 5.30-5.23 (m, 1 H), 5.17-5.07 (m, 2 H), 4.65 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 4.20-4.08 (m, 3 H), 4.02-3.94 (m, 1 H), 3.94-3.85 (m, 2 H), 3.50 (td, J=6.1, 9.9 Hz, 1 H), 2.49-2.32 (m, 2 H), 2.15 (s, 3 H), 2.05 (s, 3 H), 2.01 (s, 3 H), 1.92 (s, 3 H), 1.78-1.56 (m, 4 H).
【0697】
81d:5-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシペンタン酸
ベンジルエステル80d(240g、0.447mol)のMeOH(2.5l)中溶液に、Pd/C(24g、炭素担持10%、水含有率50%)を加えた。混合物をH(15psi)下15℃で終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、81d(196g、97%)を白色固体を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ[ppm]: 6.19 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 5.37 (d, J=3.1 Hz, 1 H), 5.30 (dd, J=3.4, 11.2 Hz, 1 H), 4.69 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 4.16 (m, 1 H), 3.98-3.92 (m, 2 H), 3.57-3.48 (m, 2 H), 2.40-2.30 (m, 2 H), 2.18-2.15 (s, 3 H), 2.06 (s, 3 H), 2.02 (s, 3 H), 1.99-1.94 (s, 3 H), 1.76-1.59 (m, 4 H).
【0698】
79e:ベンジル12-ヒドロキシドデカノエート
12-ヒドロキシドデカン酸5.0g(22.4mmol)をDMF(100ml)に溶解した。ベンジルブロミド4.5g(3.15ml、25.8mmol)および重炭酸カリウム3.37g(33.6mmol)を加えた後、混合物を20時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をジエチルエーテルに溶解した。HOで洗浄した後、水性相を分離し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン中0から30%EtOAc)により精製して、所望のベンジルエステル79e(5.70g、82.9%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.04
イオン化方法:ES:[M+H]=307.2
【0699】
80e:ベンジル12-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシドデカノエート
70(2.20g、5.7mmol)を出発物とし、80dにて記載したプロトコールに従って、表題化合物80e(2.0g、55.9%)を合成した。70℃で4時間および室温で追加の16時間撹拌した後、79eとのグリコシル化が完結した。n-ヘプタン中0から100%EtOAc/DCM(1:1)で溶出するシリカゲル上で最後の精製を行った。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=1.99
イオン化方法:ES:[M+H]=636.5
【0700】
81e:12-[(2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシドデカン酸
ベンジルエステル80e(2.0g、3.2mmol)をTHF(20ml)に溶解した。Pd(炭素担持10%)167mg(157μmol)を加えた後、反応混合物をHでパージし、H圧4barで水素化した。4時間後、Pd触媒を濾別し、濾液を真空で蒸発させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から20%MeOH、10%AcOH)により精製して、カルボン酸81e(1.67g、97.3%)を得た。
LCMS-方法A:
ELSD: Rt[分] = 1,68
イオン化方法: ES+: [M+H]+ = 546,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.79 (br s, 1 H), 7.67 (d, J=9.17 Hz, 1 H), 5.08 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.83 (dd, J=11.25, 3.42 Hz, 1 H), 4.35 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 3.84 - 3.95 (m, 3 H), 3.73 (m, 1 H), 3.56 (m, 1 H), 3.44 - 3.51 (m, 1 H), 3.28 (m, 1 H), 1.97 (s, 3 H), 1.87 (s, 3 H), 1.76 (s, 3 H), 1.63 (s, 3 H), 1.28 - 1.39 (m, 4 H), 1.11 (s, 14 H).
【0701】
【化59】
【0702】
化合物82aから82eの合成のための一般的手順J
カルボン酸(81a~e、1.0から1.2当量)およびモルホリン化合物24a(1.0当量)をDCM(20ml、1.0mmol)に溶解した。1.5当量のHBTUおよび3.0当量のDIPEAを加えた後、反応物を室温で18時間撹拌して、完全に転化させた。反応溶液を飽和NaHCO溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をシリカ上で精製して、所望のアミドを無色固体として得た。
【0703】
82a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Jに従って、カルボン酸81a(400mg、986μmol、1.2当量)から、シリカ(DCM/EtOAc1:1中0から10%DCM/EtOAc/MeOH10:10:1)上で精製した後、表題化合物82a(530mg、57.7%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.15
イオン化方法:ES:[M-H]=1115.9
【0704】
82b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Jに従って、カルボン酸81b(406mg、904μmol、1.1当量)から、シリカ(DCM/EtOAc1:1中0から10%DCM/EtOAc/MeOH10:10:1)上で精製した後、表題化合物82b(590mg、61.8%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.16
イオン化方法:ES:[M-H]=1160.0
【0705】
82c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Jに従って、カルボン酸81c(406mg、822μmol、1.2当量)から、シリカ(DCM/EtOAc1:1中0から10%DCM/EtOAc/MeOH10:10:1)上で精製した後、表題化合物82c(413mg、50.0%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長[nm]=220:R[分]=3.17
イオン化方法:ES:[M-H]=1204.0
【0706】
82d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[5-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]-5-オキソ-ペントキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Jに従って、カルボン酸81d(750mg、1.68mmol、1.0当量)から、シリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製した後、表題化合物82d(1.76g、90.6%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.16
イオン化方法:ES:[M-H]=1157.5
【0707】
82e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[12-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-2-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)モルホリン-4-イル]-12-オキソ-ドデコキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順Jに従って、カルボン酸81e(897mg、1.64mmol、1.2当量)から、シリカ(DCM中0から5%MeOH)上で精製した後、表題化合物82e(1.46g、84.5%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長[nm]=220:R[分]=2.25
イオン化方法:ES:[M-H]=1255.6
【0708】
83a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順G(スキーム18参照)に従い、TIPS-エーテル82a(530mg、474μmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc1:1中0から10%DCM/EtOAc/MeOH5:5:1)後に、表題化合物83a(380mg、83.4%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,29
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 959,9
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.44 (br s, 1 H), 7.83 - 7.88 (m, 0.4 H), 7.78 (br d, J=9.17 Hz, 0.6 H), 7.64 (s, 1 H), 7.39 - 7.44 (m, 2 H), 7.21 - 7.32 (m, 7 H), 6.85 - 6.90 (m, 4 H), 5.88 - 5.93 (m, 0.4 H), 5.83 (m, 0.6 H), 5.19 - 5.23 (m, 1 H), 4.90 - 5.02 (m, 1.6 H), 4.53 - 4.62 (m, 1.4 H), 21 4.42 (br d, J=14.12 Hz, 0.6 H), 4.32 - 4.39 (m, 1 H), 4.20 - 4.31 (m, 1.4 H), 3.81 - 4.07 (m, 6 H), 3.72 - 3.79 (m, 7 H), 3.47 - 3.65 (m, 2 H), 2.99 - 3.11 (m, 2 H), 2.88 - 2.97 (m, 1 H), 2.10, 2.04 (2 x s, 3 H), 1.99, 1.97 (2 x s, 3 H), 1.88 (s, 3 H), 1.73, 1.72 (m, 6 H).
【0709】
83b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順G(スキーム18参照)に従い、TIPS-エーテル82b(670mg、577μmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc1:1中0から10%DCM/EtOAc/MeOH5:5:1)後に、表題化合物83b(504mg、86.9%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,30
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1003,9
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.42 (br s, 1 H), 7.80 (d, J=9.35 Hz, 1 H), 7.64, 7.60 (2 x s, 1 H), 7.39 - 7.44 (m, 2 H), 7.19 - 7.35 (m, 7 H), 6.85 - 6.90 (m, 4 H), 5.87 - 5.93 (m, 0.4 H), 5.82 (br d, J=8.07 Hz, 0.6 H), 5.21 (br s, 1 H), 4.94 - 5.00 (m, 1.6 H), 4.64 - 4.70 (m, 0.4 H), 4.54 - 4.58 (m, 1 H), 4.33 - 4.39 (m, 0.6 H), 4.11 - 4.26 (m, 2.4 H), 4.00 - 4.05 (m, 3.4 H), 3.78 - 3.94 (m, 2.6 H), 3.74 (m, 6 H), 3.42 - 3.70 (m, 6 H), 3.07 - 3.11 (m, 1 H), 2.89 - 3.05 (m, 2 H), 2.04 - 2.12 (m, 3 H), 1.97 - 2.01 (m, 3 H), 1.89 (s, 3 H), 1.71 - 1.78 (m, 6 H).
【0710】
83c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順G(スキーム18参照)に従い、TIPS-エーテル82c(410mg、340μmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/EtOAc1:1中0から10%DCM/EtOAc/MeOH5:5:1)後に、表題化合物83c(285mg、79.9%)を得た。
LCMS-方法C:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 2,31
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1047,9
1H-NMR (DMSO-d6, 600 MHz) δ[ppm]: 11.43 (br s, 1 H), 7.76 (m, 1 H), 7.57 - 7.65 (m, 1 H), 7.42 (m, 2 H), 7.21 - 7.32 (m, 7 H), 6.85 - 6.90 (m, 4 H), 5.88 - 5.94 (m, 0.4 H), 5.82 (m, 0.6 H), 5.21 (m, 1 H), 4.94 - 4.99 (m, 1.6 H), 4.63 - 4.69 (m, 0.4 H), 4.57 (m, 1 H), 4.36 (m, 0.6 H), 4.16 - 4.26 (m, 2 H), 4.09 - 4.15 (m, 0.4 H), 3.99 - 4.05 (m, 3 H), 3.85 - 3.92 (m, 2 H), 3.69 - 3.79 (m, 8 H), 3.45 - 3.62 (m, 9 H), 3.06 - 3.10 (m, 1 H), 2.88 - 3.06 (m, 2 H), 2.10 (s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.88 (s, 3 H), 1.76 (br s, 3 H), 1.73 (s, 3 H).
【0711】
83d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[5-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-5-オキソ-ペントキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順G(スキーム18参照)に従い、TIPS-エーテル82d(1.75g、1.51mmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から10%MeOH)後に、表題化合物83d(1.17g、77.3%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,80
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1001,4
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.43 (s, 1 H), 7.78 (m, 1 H), 7.64, 7.58 (2 x b s, 1 H), 7.41 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.88 (m, 4 H), 5.85 (m, 0.4 H), 5.77 (m, 0.6 H), 5.21 (m, 1 H), 4.92 - 5.01 (m, 1.6 H), 4.61 - 4.67 (m, 0.4 H), 4.45 - 4.52 (m, 1 H), 4.37 - 4.45 (m, 0.6 H), 4.21 - 4.29 (m, 0.4 H), 3.67 - 4.07 (m, 12 H), 3.32 - 3.64 (m, 4 H), 2.81 - 3.14 (m, 3 H), 2.27 - 2.38 (m, 2 H), 2.06 - 2.12 (m, 3 H), 1.96 - 2.01 (m, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.76 (m, 3 H), 1.72 (m, 3 H), 1.49 (br s, 4 H).
【0712】
83e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[12-[(2R,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)-モルホリン-4-イル]-12-オキソ-ドデコキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順G(スキーム18参照)に従い、TIPS-エーテル82e(1.45g、1.15mmol)を脱保護し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0から5%MeOH)後に、表題化合物83e(1.10g、86.6%)を得た。
LCMS-方法A:
UV-波長 [nm] = 220: Rt[分] = 1,96
イオン化方法: ES-: [M-H]- = 1099,6
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.42 (br s, 1 H), 7.79 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 7.63, 7.57 (2 x s, 1 H), 7.41 (m, 2 H), 7.20 - 7.34 (m, 7 H), 6.87 (m, 4 H), 5.84 (m, 0.4 H), 5. 77 (m, 0.6 H), 5.21 (m, 1 H), 4.91 - 5.01 (m, 1.6 H), 4.61 - 4.68 (m, 0.4 H), 4.48 (m, 1 H), 4.39 (m, 0.6 H), 4.24 (m, 0.4 H), 3.98 - 4.06 (m, 3 H), 3.66 - 3.90 (m, 3 H), 3.74 (s, 6 H), 3.56 (m, 1 H), 3.36 - 3.50 (m, 2 H), 2.77 - 3.16 (m, 2 H), 2.22 - 2.39 (m, 2 H), 2.10 (m, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.76 (m, 3 H), 1.72 (m, 3 H), 1.39 - 1.56 (m, 4 H), 1.18 - 1.32 (br s, 16 H).
【0713】
84a:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順H(スキーム18参照)に従って、出発アルコール83a(380mg、395μmol)から、表題化合物84a(434mg、94.4%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.41 (b s, 1 H), 7.72 - 7.90 (m, 1 H), 7.60 - 7.71 (m, 1 H), 7.35 - 7.48 (m, 2 H), 7.17 - 7.33 (m, 7 H), 6.82 - 6.95 (m, 4 H), 5.78 - 6.05 (m, 1 H), 5.16 - 5.26 (m, 1 H), 4.91 - 5.03 (m, 1 H), 4.55 - 4.64 (m, 1 H), 4.10 - 4.54 (m, 3 H), 3.52 - 4.08 (m, 16 H), 3.36 - 3.50 (m, 2 H), 2.85 - 3.18 (m, 3 H), 2.57 - 2.72 (m, 2 H), 2.07 (m, 3 H), 1.98 (m, 3 H), 1.88 (m, 3 H), 1.68 - 1.78 (m, 6 H), 0.89 - 1.22 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,2, 147,1, 146,8, 146,3.
【0714】
84b:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順H(スキーム18参照)に従って、出発アルコール83b(500mg、497μmol)から、表題化合物84b(575mg、95.9%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.40 (br s, 1 H), 7.79 (br d, J=9.22 Hz, 1 H), 7.63 (m, 1 H), 7.40 (br s, 2 H), 7.20 - 7.34 (m, 7 H), 6.83 - 6.91 (m, 4 H), 5.80 - 6.03 (m, 1 H), 5.22 (m, 1 H), 4.96 (m, 1 H), 4.56 (m, 1 H), 4.08 - 4.43 (m, 4 H), 4.03 (s, 3 H), 3.52 - 3.91 (m, 16 H), 3.38 - 3.50 (m, 2 H), 2.86 - 3.18 (m, 3 H), 2.52 - 2.75 (m, 2 H), 2.07 (m, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.90 (m, 3 H), 1.68 - 1.81 (m, 6 H), 0.89 - 1.22 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,2, 147,2, 147,13, 147,06.
【0715】
84c:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[2-[2-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]-エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順H(スキーム18参照)に従って、出発アルコール83c(285mg、272μmol)から、表題化合物84c(317mg、93.5%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.40 (br s, 1 H), 7.77 (m, 1 H), 7.60 - 7.71 (m, 1 H), 7.40 (m, 2 H), 7.21 - 7.33 (m, 7 H), 6.87 (m, 4 H), 5.82 - 5.99 (m, 1 H), 5.21 (m, 1 H), 4.97 (m, 1 H), 4.57 (m, 1 H), 4.09 - 4.39 (m, 3 H), 3.97 - 4.08 (m, 3 H), 3.34 - 3.95 (m, 20 H), 2.90 - 3.18 (m, 3 H), 2.56 - 2.73 (m, 2 H), 2.10 (m, 3 H), 2.07 (m, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.71 - 1.80 (m, 6 H), 0.89 - 1.22 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 148,1, 147,3, 147,2, 147,0.
【0716】
84d:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[5-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシメチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-5-オキソ-ペントキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順H(スキーム18参照)に従って、出発アルコール83d(1.0g、997μmol)から、表題化合物84d(1.19g、99.2%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.41 (br s, 1 H), 7.74 - 7.81 (m, 1 H), 7.58 - 7.70 (m, 1 H), 7.40 (m, 2 H), 7.20 - 7.33 (m, 7 H), 6.87 (m, 4 H), 5.79 - 5.93 (m, 1 H), 5.21 (br s, 1 H), 4.96 (m, 1 H), 4.31 - 4.52 (m, 2 H), 3.96 - 4.08 (m, 4 H), 3.53 - 3.94 (m, 6 H), 3.73 (s, 6 H), 3.34 - 3.50 (m, 4 H), 3.02 - 3.19 (m, 1 H), 2.83 - 3.01 (m, 1 H), 2.56 - 2.74 (m, 2 H), 2.52 - 2.54 (m, 1 H), 2.26 - 2.43 (m, 2 H), 2.10, 2.08 (2 x s, 3 H), 1.99 (s, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.71 - 1.79 (m, 6 H), 1.41 - 1.69 (m, 4 H), 0.89 - 1.12 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,9, 147,1, 147,0, 146,7.
【0717】
84e:[(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[12-[(2S,6R)-2-[[ビス(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-2-[[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ-メチル]-6-(5-メチル-2,4-ジオキソ-ピリミジン-1-イル)モルホリン-4-イル]-12-オキソ-ドデコキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチルアセテート
一般的手順H(スキーム18参照)に従って、出発アルコール83e(557mg、506μmol)から、表題化合物84e(396mg、60.2%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ[ppm]: 11.35 - 11.48 (m, 1 H), 7.76 - 7.84 (m, 1 H), 7.56 - 7.70 (m, 1 H), 7.33 - 7.45 (m, 2 H), 7.21 - 7.33 (m, 7 H), 6.87 (m, 4 H), 5.77 - 5.96 (m, 1 H), 5.21 (m, 1 H), 4.93 - 5.01 (m, 1 H), 4.31 - 4.51 (m, 2 H), 3.94 - 4.11 (m, 4 H), 3.53 - 3.92 (m, 4 H), 3.73 (m, 6 H), 3.33 - 3.49 (m, 3 H), 3.03 - 3.21 (m, 2 H), 2.83 - 2.99 (m, 1 H), 2.62 - 2.72 (m, 1 H), 2.21 - 2.48 (m, 2 H), 2.10 (m, 3 H), 1.99 (m, 3 H), 1.89 (m, 3 H), 1.71 - 1.82 (m, 6 H), 1.45 (br s, 4 H), 1.14 - 1.30 (m, 18 H), 0.83 - 1.13 (m, 12 H).
31P-NMR (DMSO-d6, 162 MHz) δ[ppm]: 147,7, 147,3, 147,2, 146,7.
【0718】
本明細書に従う化合物のいくつかの例の化学構造を以下の表に例示する;本明細書およびスキームへの対応ならびに立体化学を示す。表AおよびBは、オリゴヌクレオチド合成のためのモルホリノシリーズおよびジオキサンシリーズからの非標的化ホスホルアミダイトヌクレオチド類似体のいくつかの例を示し;表Cは、オリゴヌクレオチド合成のための標的化ヌクレオチド類似体のいくつかの例を示す。
【0719】
ヌクレオチド前駆体としてのホスホルアミダイトは「pre-l」と略記され、ヌクレオチド類似体は「l」と略記され、これに核酸塩基および数字が続き、これは式(I)および(II)におけるY基を指定する(表AおよびB参照)。両方の立体化学を区別するために、(2S,6R)-ジアステレオ異性体は追加の「a」で示され、類似体(2R,6R)-ジアステレオ異性体は追加の「b」で示される。標的化されたヌクレオチド前駆体および標的化されたヌクレオチド類似体(表C)は、上記の通りに略記されるが、「l」の代わりに「lg」が用いられる。標的化された類似体に関し、立体異性体の間に追加の区別はない。
【0720】
化合物表
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0721】
【表2-1】
【表2-2】
【0722】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0723】
ヌクレオチド類似体ならびに標的化されたヌクレオチドおよび類似体を含むsiRNAの合成
オリゴヌクレオチド合成およびsiRNA製造
全てのオリゴヌクレオチドは、ABI394合成装置で合成した。5’-O-ジメトキシトリチル-チミジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-tert-ブチルジメチルシリル-ウラシル-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-tert-ブチルジメチルシリル-N4-シチジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-tert-ブチルジメチルシリル-N6-ベンゾイル-アデノシン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-tert-ブチルジメチルシリル-N2-イソブチリル-グアノシン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-メチル-ウラシル-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-メチル-N4-シチジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-メチル-N6-ベンゾイル-アデノシン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-メチル-N2-イソブチリル-グアノシン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-デスオキシ-フルオロ-ウラシル-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-デスオキシ-フルオロ-N4-シチジン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト、5’-O-ジメトキシトリチル-2’-デスオキシ-フルオロ-N6-ベンゾイル-アデノシン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイトおよび5’-O-ジメトキシトリチル-2’-デスオキシ-フルオロ-N2-イソブチリル-グアノシン-3’-O-(N,N-ジイソプロピル-2-シアノエチル)-ホスホルアミダイト等の標準的な保護基を有する市販(Sigma Aldrich)のDNA-、RNA-、2’-OMe-RNAおよび2’-デスオキシ-F-RNA-ホスホルアミダイト、ならびに対応する固体支持体物質(CPG-500Å、40μmol/g装填、ChemGenes)を、自動オリゴヌクレオチド合成に使用した。3’末端コレステロールコンジュゲートには、固体支持体3’-コレステロールSynBase(商標)CPG1000(link technologies)32μmol/gを使用した。
【0724】
ホスホルアミダイト構成単位をアセトニトリル中0.1M溶液として使用し、5-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)-1H-テトラゾール(アクティベーター42、アセトニトリル中0.25M、Sigma Aldrich)で活性化した。200秒の反応時間を標準的なホスホルアミダイトカップリングに使用した。表A、BおよびCに列挙した本明細書に記載のホスホルアミダイトの場合、300秒のカップリング時間を適用した。キャッピング試薬として、THF中無水酢酸(ABI用capA、Sigma Aldrich)およびTHF中N-メチルイミダゾール(ABI用capB、Sigma Aldrich)を使用した。酸化試薬として、THF/ピリジン/水中ヨウ素(0.02M;ABI用酸化剤、Sigma Aldrich)を使用した。代替として、PS酸化を、3-((N,N-ジメチル-アミノメチリデン)アミノ)-3H-1,2,4-ジチアゾール-5-チオン(DDTT)のピリジン/アセトニトリル(1:1)中0.05M溶液を用いて達成した。DMT保護基の脱保護を、DCM中ジクロロ酢酸(DCA deblock、Sigma Aldrich)を使用して行った。固体支持体からの最終切断および脱保護(アシルおよびシアノエチル保護基)を、NH(32%水溶液/エタノール、3:1容量/容量)を用いて達成した。NMP/NEt/NEt・3HF(3:1.5:2)による処理を、TBDMS脱保護に適用した。
【0725】
3’末端に本明細書に記載のモルホリノまたはジオキサン構成単位を有するオリゴヌクレオチドを、ユニバーサルリンカー固体支持体(CPG-500Å、39μmol/g装填、AM Chemicals LLC)および表A、BおよびCに示した対応するホスホルアミダイト上で合成した。
【0726】
粗生成物をHPLCにより分析し、一本鎖の精製をイオン交換または分取HPLC方法により実行した。
イオン交換:AKTA精製装置(Thermo Fisher Scientific DNAPac PA200半分取イオン交換カラム、8μm粒子、幅22mm×長さ250mm)。
緩衝液A:HO 1.50l、NaClO2.107g、EDTA 438mg、TRIS 1.818g、尿素540.54g、pH7.4。
緩衝液B:HO 1.50l、NaClO105.34g、EDTA 438mg、TRIS 1.818g、尿素540.54g、pH7.4。
オリゴヌクレオチドの単離を、4容量のエタノールの添加および-20℃での貯蔵により誘発される沈殿により達成した。
分取HPLC:Agilent1100シリーズ分取HPLC(Waters XBridge(登録商標)BEH C18 OBD(商標)分取カラム130Å、5μm、10mm×100mm)。溶出液:アセトニトリル/水中トリエチルアンモニウムアセテート(0.1M)。凍結乾燥した後、生成物を2.5M NaCl溶液1.0mlおよびHO(4.0ml)に溶解した。エタノール20mlを加えて-20℃で18時間貯蔵することにより沈殿させた後に、対応するNa塩を単離した。
【0727】
一本鎖の最終分析をLC/MS-TOF法により行った。結果を表D1およびD2に示す。
【0728】
二本鎖形成のために、等モル量のセンス鎖およびアンチセンス鎖を、1×PBS緩衝液中で混合し、85℃に10分間加熱し、室温にゆっくり冷却した。siRNA二本鎖の最終分析をLC/MS-TOF法により行った。結果を表E1およびE2に示す。
【0729】
一本鎖および二本鎖のオリゴヌクレオチドの分析データ
一本鎖のオリゴヌクレオチドからの分析データを、以下の表D1およびD2に示す。
【0730】
【表4-1】
【表4-2】
【0731】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【0732】
二本鎖のオリゴヌクレオチドからの分析データを、以下の表E1およびE2に示す。
【0733】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【0734】
【表7】
【0735】
インビトロ生物学的アッセイの物質および方法
-決定
siRNAのPBS緩衝液(1×PBS)中1.0μM溶液を、1℃/分の加熱速度で20から90℃にて分光光度計(Jasco V-650)中で加熱した。吸光度を260nmで測定し、対応する温度に対してプロットした。90℃に到達した後、溶液を1℃/分と同じ速度で20℃にまで冷却し、加熱冷却サイクルを繰り返した。融解温度を、2つの加熱曲線の変曲点の平均値として計算した。
【0736】
細胞および組織培養
Seglen、P.O.(1976):Preparation of Isolated Rat Liver Cells;Methods in Cell Biology、13:29~83頁から適合させたプロトコールに基づいて、実験前に雌性C57BL/6マウスからの初代肝細胞を新たに単離した。単離した肝細胞のプレーティングを、2mMグルタミン(ThermoFisher、カタログ番号25030)、ペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher、カタログ番号15140)100U/ml、デキサメタゾン(Sigma、カタログ番号D1756)1μg/ml、1×ITS溶液(ThermoFisher、カタログ番号41400)および5%FBSを補充したWilliams’E培地(ThermoFisher、カタログ番号22551)中、37℃、5%COおよび95%RHで3~5時間行った。プレーティングの後、培地を、1%FBSの補充以外はプレーティング培地と同一である培養培地に交換した。48または72時間のインキュベーション期間中に、更なる培地交換は行わなかった。
【0737】
製造業者の指示書に従ってヘパリンナトリウム(BD、Heidelberg、ドイツ)で被覆したVacutainerチューブに収集した3人の健常ドナー由来の血液およそ16mLから、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。
【0738】
ヒトHep3B細胞を37℃、5%COおよび95%RHで増殖させ、10%FBSを補充したEMEM培地(ATCC、カタログ番号30-2003)中で培養した。
【0739】
siRNAトランスフェクション
ヒトPBMCのトランスフェクションのために、無血清RPMI培地(ThermoFisher、カタログ番号11875)の総体積150μL中、96ウェル(N=2)当たりリポフェクタミン2000 0.3μLを用いて、100nMのsiRNAを、PBMC 1×10個に24時間リバーストランスフェクトした。
【0740】
初代マウス肝細胞を用いるノックダウン実験のために、コラーゲンI被覆96ウェルプレート中の40,000細胞/ウェルを、更には培地交換をせずに、濃度10、1および0.1nMでTTR siRNAを用いる遊離取り込み条件下で72時間インキュベートした。TTR mRNA発現分析を以下に記載した通りに行った(「mRNA発現分析」参照)
【0741】
IC50測定
初代の新たなマウス肝細胞におけるIC50測定のために、コラーゲンI被覆96ウェルプレート中の細胞30,000個を、10倍希釈ステップを使用する1μMから1pMの範囲の濃度でsiRNAを用いる遊離取り込み条件下、48時間インキュベートした。各siRNAについての半最大阻害濃度(IC50)を、Biostat-Speed統計計算ツールを適用することにより計算した。結果は、RatkovskyおよびReedy(1986、Biometrics、42巻:575~582頁)に従う4パラメーターロジスティックモデルを使用して得た。調整は、SAS v9.1.3ソフトウェアにおいてLevenberg-Marquardtアルゴリズムを使用する非線形回帰により得た。
【0742】
mRNA発現分析
siRNAトランスフェクションまたは遊離siRNA取り込みの48時間後、手順中のDNase工程を含む製造業者のプロトコールに従ったPromegaのSV96全RNA単離システム(カタログ番号Z3500)を使用することにより、細胞RNAを回収した。
【0743】
cDNA合成のために、ThermoFisher製の逆転写酵素キット(カタログ番号N8080234)を使用した。RNA30ngからのcDNA合成を、総体積12μl中、10×RT緩衝液1.2μl、MgCl(25mM)2.64μl、dNTPs(10mM)2.4μl、ランダムヘキサマー(50μM)0.6μl、オリゴ(dT)16(50μM)0.6μl、RNase阻害剤(20U/μl)0.24μlおよびMultiscribe(50U/μl)0.3μlを使用して実行した。サンプルを25℃で10分間および42℃で60分間インキュベートした。95℃に5分間加熱することにより、反応を停止させた。
【0744】
マウスTTR mRNAレベルを、ThermoFisher TaqManユニバーサルPCRマスターミックス(カタログ番号4305719)およびTaqMan遺伝子発現アッセイMm00443267_m1を使用して、qPCRにより定量した。PCRを、以下のPCR条件下、ABI Prism7900を用いて技術的に二重に実行した:50℃で2分間、95℃で10分間、95℃15秒と60℃1分とを40サイクル。PCRは、1回の反応で標的遺伝子を検出し、第2の反応で正規化のためのハウスキーピング遺伝子(マウスRPL37A)を検出する、単純PCRとしてセットアップした。PCR反応のための最終体積を1×PCRマスターミックスで12.5μlとし、RPL37Aプライマーを最終濃度50nMおよびプローブ200nMで使用した。ΔΔCt法を適用して、標的転写物の相対的発現レベルを計算した。標的遺伝子発現の百分率を、LV2非サイレンシングsiRNA対照配列のレベルに基づく正規化により計算した。
【0745】
IFNα決定
IFNαタンパク質濃度を、ヒトPBMCの上清において以下の通り定量した:細胞培養上清25μLを、MesoScale Discoveryの技術に基づく自己確立電気化学発光アッセイを適用し、pan IFNαモノクローナル捕捉抗体(MT1/3/5、Mabtech)を使用する、IFNα濃度の測定に使用した。代替として、ヒトIFNα2aアイソフォーム特異的アッセイ(カタログ番号K151VHK)を、MesoScaleのU-PLEXプラットフォームに基づき、および供給業者のプロトコールに従って適用した。
【0746】
細胞毒性
マウスTTR siRNAの細胞毒性は、各サンプルにおける細胞生存性/毒性の比率を決定することにより、遊離取り込み条件下での初代の新たなマウス肝細胞30,000個とのインキュベーションの72時間後に測定した。細胞生存性は、製造業者のプロトコールに従ってCellTiter-Gloアッセイ(Promega、カタログ番号G7570)を使用する細胞内ATP含量を決定することにより測定した。細胞毒性は、製造業者のプロトコールに従ってLDHアッセイ(Sigma、カタログ番号11644793001)を使用して上清において測定した。
【0747】
pmirGLO二重のルシフェラーゼレポーターアッセイ
siRNAシード領域媒介オフターゲットを定量化するために、修飾した部分的な3’UTRマウスTTR配列(NM_013697)を、市販されている二重のルシフェラーゼレポーターベースのpmirGLOスクリーニングプラスミド(Promega、カタログ番号E1330)の多重のクローニング部位中にサブクローニングした。4つの連続したマウスTTR siRNAシード配列構成成分を、野生のマウスTTR3’UTR配列の上流および下流のヌクレオチドそれぞれ約60により隣接させた:
【化60】
【0748】
TGA=NM_013697の停止コドン、
【化61】
【0749】
pmirGLO-TTRプラスミド10μgを、FuGene HDトランスフェクション試薬(Promega、カタログ番号E2311)を使用して2つのT25フラスコ(Greiner、カタログ番号690175)中で4百万のHep3B細胞中に18時間早送りセットアップに過渡的にトランスフェクトした。リポフェクタミンRNAiMAXを使用して384ウェルプレート(Greiner、カタログ番号781098)中で、ウェル毎に5000のプラスミドで予めトランスフェクトしたHep3B細胞の100,10,1および0.1nMでのsiRNAトランスフェクションを、リバースセットアップで翌日に行い、細胞を72時間インキュベートした。相対的発光シグナルを、Dual-Gloルシフェラーゼアッセイ(Promega、カタログ番号E2940)を使用して、やはりpmirGLOプラスミドによってコードされる、恒常的に発現したRenillaルシフェラーゼのレベルに正規化したFireflyルシフェラーゼレベルを測定することにより決定した。TTR遺伝子ノックダウンの百分率を、LV2非サイレンシングsiRNA対照配列の相対的発光シグナルに基づく正規化により計算した。
【実施例1】
【0750】
本開示に従う修飾siRNAによる標的遺伝子発現のインビボ阻害
【0751】
【表8】
【0752】
【表9】
【0753】
【表10】
【0754】
インビトロ結果
化合物siRNA1-1からsiRNA1-4の初代マウス肝細胞におけるインビトロノックダウン結果を表1dに要約する。
【0755】
【表11】
【0756】
lgT構成単位を有する全ての試験されたsiRNAは、遊離取り込み下ピコモル濃度範囲において高いインビトロ効力を示す。lgT3およびlgT7を含有する標的化されたヌクレオチド類似体の間の比較は、3’または5’末端置換(siRNA1-2対siRNA1-3)の間に有意差がないlgT7類似体(siRNA1-1対siRNA1-2およびsiRNA1-3)について有益なIC50値を示す。siRNA1-1とsiRNA1-4との比較は、追加のlT4a-オーバーハングが何ら追加のホスホチオエート基も有しないセンス鎖の3’末端に結合している場合、インビトロ効力に有意差がないことを示し、このことはセンス鎖においてまったくホスホチオエート安定化していない結果となる。
【0757】
lgT-またはlgT-およびlT-オーバーハングを有する全てのsiRNA(siRNA1-0からsiRNA1-4)を、IFNα中アッセイおよび細胞毒性アッセイで試験したが、これらは免疫刺激または細胞生存性に対して何らの影響も示さなかった。
【0758】
インビボ実施例1.1:
GalNAc-siRNAコンジュゲートのインビボ活性の実証、およびRNA干渉活性に対する追加のlT4a-オーバーハングを有するおよび有しない異なるGalNAc構成単位の影響の比較
【0759】
方法
C57BL/6Nマウス(雌性20~22g;Charles River、ドイツ)を、n=6の群にてPEG-GalNAc-siRNAまたはPBS(模擬対照)5mg/kgの単回用量で皮下処置した。投与された化合物の配列および化学組成を、表1aから表1cに列挙する。図1に示すように、投与前後に血液サンプルを採取した。siRNA標的TTRを、市販のELISAアッセイ(Alpco Diagnostics、カタログ番号:41-PALMS-E01)により血清から定量した。
【0760】
結果(図1参照)
図1に見ることができるように、センス鎖の5’末端で3種のlgT7構成単位を結合させることは、lgT3構成単位を有する類似の化合物と比較して、作用持続時間が有意に改善される(siRNA1-3対siRNA1-1)。同じ標的化ヌクレオチド(lgT7)を使用して、5’末端で3種の構成単位を結合させることは、センス鎖の3’末端で同じ標的化部分を有する類似体SiRNAを超える明らかな利益を示した(siRNA1-3対siRNA1-2)。驚くべきことに、センス鎖の5’末端での標的化ヌクレオチド(lgT7)と3’末端で非標的化ヌクレオチド類似体(lT4a)との組合せは、追加のlT4a構成単位を有しない類似のホスホチオエート安定化siRNAと比較して、インビボ作用持続時間が明らかに改善されることを示した(siRNA1-4対siRNA1-1)。
【0761】
これらの結果は、モルホリンベースのヌクレオチド類似体が、肝臓siRNA標的化のためのGalNAc置換ヌクレオチド類似体(lgT)として使用される場合、インビボで有益な特性を示すことを明らかに示している。
【0762】
インビボ実施例1.2:
インビボ実施例1.1から選択された化合物の用量依存的インビボ活性および急性毒性評価。
【0763】
方法
動物研究
C57BL/6Nマウス(雌性20~22g;Charles River、ドイツ)を、n=6(0.5および2.5mg/kgについて)またはn=5(25mg/kgについて)の群にて、siRNAまたはPBS(模擬対照)0.5、2.5または25mg/kgの単回用量で皮下処置した。投与された化合物の配列および化学組成は、表1aから表1cで参照される。動物を、処置の48時間後に屠殺し、血液を血液学的分析、臨床化学のために採取し、臓器を回収し、秤量した。血液学的血球計数をscil Vet動物用血球計数装置で実行し、臨床化学分析をRoche Cobasシステムで実行した。
【0764】
siRNA標的TTRを、市販のELISAアッセイ(Alpco Diagnostics、カタログ番号:41-PALMS-E01)により血清から定量化した。
【0765】
肝臓組織を、DNase消化を含む全RNA抽出(RNAeasy Mini Kit、Qiagen)により、RT-qPCR分析のために処理した。TTR(TaqManアッセイID Mm00443267_m1)および参照mRNA(Actb(TaqManアッセイID4352341E)、Gapdh(TaqManアッセイID4308313))を、ABI Prism7900システム上でqPCRにより定量化し、続いてオリゴ-dTおよびランダムヘキサマープライミングcDNA合成を行った。ΔΔCt法を適用して、標的転写物の相対的発現レベルを計算した。
【0766】
25mg/kg処置群(+PBS)の右上の肝葉、脾臓および腎臓をホルマリン固定し、標準的なH&E染色に続いて異常について病理学的に評価した。
【0767】
結果(図2および3参照):
タンパク質およびmRNAレベルの両方が、投与の48時間後に用量依存的方法で、全ての試験された活性siRNAにより低減した。mRNAおよびタンパク質低減は、平行して起こった。試験された活性物質の中では、いかなる用量でも、タンパク質またはmRNAレベルのいずれにおいても有意差は観察されなかった。
【0768】
処置用量依存的影響は、標準的な血液学および肝臓/腎臓臨床化学アッセイにおいて観察されなかった。また、有意の処置依存的な、血清サイトカインの変質、および臓器または体重への影響も、屠殺において観察されなかった。全ての偏差が正常な生理学的範囲または正常な動物間変動性内であった。肝臓および脾臓の組織病理学的評価には所見がなかった。
【実施例2】
【0769】
本開示に従う修飾siRNAによる標的遺伝子発現のインビボ阻害
【0770】
【表12】
【0771】
【表13-1】
【表13-2】
【0772】
【表14】
【0773】
化合物siRNA2-1からsiRNA2-17の初代マウス肝細胞におけるインビトロノックダウン結果を表2dに要約する:
【0774】
【表15】
【0775】
10nMの濃度で、ほぼ全ての化合物は、極めて高いインビトロ効力でmRNAのほぼ定量的減少を示す。アンチセンス鎖の2位でモルホリノ類似体lA4aを有するsiRNA2-2およびsiRNA2-3のみが、57.1および60.9%のmRNAが残る、極めて低いインビトロ効力を示す。10nM濃度と対照的に、全てのsiRNAsは0.1nMの最少濃度ではmRNAが減少しなかった。最も差異を生じさせる濃度は1nMであり、この場合siRNA2-2およびsiRNA2-3は最も弱い阻害値を再度示した。4位でlT4a構成単位を組み入れることが、インビトロ効力の低下につながる(siRNA2-5)。5、6および7位にて、式Iの構成単位を正しい核酸塩基(siRNA2-6、siRNA2-8、siRNA2-10、siRNA2-11、siRNA2-12およびsiRNA2-13)で組み入れることが、高いインビトロ効力につながるが、7位でミスマッチな核酸塩基を有する対応する二本鎖(siRNA2-14)は、インビトロノックダウンを低下させることを再度示す。驚くべきことに、モルホリノまたはジオキサン構成単位(それぞれlA4bおよびlA1b)で(2R,6R)立体化学を有するsiRNA2-11およびsiRNA2-13は、最も強力な化合物の内である。8位にて、両方のsiRNA(siRNA2-16およびsiRNA2-17)は、陽性対照siRNA2-1として同様の効力を示す。
【0776】
記載した式Iの配列-内部構成単位を有するsiRNAについて、対応するT値を決定し、これを表2eに要約する。
【0777】
【表16】
【0778】
対照siRNA2-1(T=86.8℃)と比較して、修飾siRNAは、アンチセンス鎖中に修飾ヌクレオチド類似体を組み込む位置に依存して、これらの融解温度の低下が示される。期待される通り、2,3および4位での修飾(siRNA2-2からsiRNA2-5)のみがTを若干低下させることを示すが、より高い位置での修飾がより顕著なT低下をもたらし、8位で極めて高い低下(siRNA2-16およびsiRNA2-17)であって、マッチしたsiRNA2-16では13.3℃およびミスマッチした類似体siRNA2-17では15.6℃のT低下をもたらした。
【0779】
驚くべきことに、7位でモルホリノまたはジオキサン構成単位を有するsiRNAに関して、組み込まれた足場のキラリティに依存してT値は有意差がある。モルホリノ化合物の場合、lA4a-ヌクレオチドの組み込みによりT値が77.5℃になり、これは9.3℃の低下である(siRNA2-10)が、C-2にて反対の立体化学で類似体モルホリノ化合物lA4bを組み込むとT値は84.7になり、これは対照siRNA2-1と比較して2.1℃の小さな低下のみである(siRNA2-11)。類似体ジオキサン対に同様に観察された。7位でのlA1a-ヌクレオチド類似体の組み込みは、対照siRNA2-1より7.4℃低い79.4℃への有意なTm低下につながる(siRNA2-12)。反対の立体化学を有する類似体修飾(lA1b)によりT値は85.3℃になり、これは再度1.5℃の僅かな低下のみである(siRNA2-13)。7位で式Iの化合物を含むオリゴヌクレオチド二本鎖の二重鎖安定性は、組み込まれたヌクレオチド類似体のC-2での立体化学により有意に影響されると見られる。(2S,6R)-立体化学を有する式Iのヌクレオチド類似体を含むSiRNAはより高い二重鎖不安定化を示し、それゆえこれらの(2R,6R)類似体よりTm値は低い。
【0780】
【表17】
【0781】
二重のルシフェラーゼレポーターアッセイの所定のセットアップを用いて、親陽性対照siRNA2-1は、siRNA濃度10および100nMにてTTR-siRNA配列に最も顕著に結合していることを示した。驚くべきことに、この潜在的なオフターゲット結合は、アンチセンス鎖の2から7位でモルホリノおよびジオキサン構成単位を有する化合物siRNA2-2からsiRNA2-15を用いて切断された(表2aおよび2c参照)。siRNA2-16およびsiRNA2-17について8位での修飾のみが、濃度10および100nMにていくつかの効果を再度示し、これは潜在的なオフターゲット効果を示すが、陽性対照siRNA2-1と同様に顕著ではない。
【0782】
アンチセンス鎖中で少なくとも2から7位で式Iのモルホリノまたはジオキサン構成単位の使用は、場合によってsiRNA分子の特定プロファイルを更に高める可能性を有することを、データは示唆している。
【0783】
インビボ結果
説明:
インビボ実施例2.1:
表2cに列挙されたsiRNAコンジュゲートのインビボ活性の実証およびこれらのRNAi活性の比較
【0784】
方法
C57BL/6Nマウス(雌性20~22g;Charles River、ドイツ)を、n=6の群にて、siRNAまたはPBS(模擬対照)1mg/kgの単回用量で皮下処置した。投与された化合物の配列および化学組成を、表2a~表2cに列挙する。図4および5に示すように、投与前後に血液サンプルを採取した。siRNA標的TTRを、市販のELISAアッセイ(Alpco Diagnostics、カタログ番号:41-PALMS-E01)により血清から定量化した。
【0785】
結果(図4および5参照)
図4および5から推察できるように、3、4、5、6および8位で式Iの化合物の(2S,6R)-モルホリノ類似体を有するsiRNAは、陽性対照siRNA2-1と比較して、インビボ効力が有意に低下することを示した。同様の結果は、アンチセンス鎖の7位で(2S,6R)-モルホリノ足場および(2S,6R)-ジオキサン足場を有するsiRNA2-10およびsiRNA2-12にて得られ、これらのミスマッチ類似体siRNA2-14およびsiRNA2-15も同様であった。驚くべきことに、siRNA2-11およびsiRNA2-13は、陽性対照化合物siRNA2-1と相当するインビボ効力を示した。7位で(2S,6R)体の構成単位(それぞれlA4aおよびlA1a)を有する有意に強力ではない対応物(siRNA2-10およびsiRNA2-12)と対照的に、これら2種のsiRNA(siRNA2-11およびsiRNA2-13)のみが、モルホリノまたはジオキサン構成単位(それぞれlA4bおよびlA1b)のC-2原子にて立体化学が異なる。キラリティを(2R,6R)シリーズに変換すると、モルホリノ-およびジオキサン-シリーズの両方においてインビボ効力が有意に増加した。
【0786】
インビボ実施例2.2:
インビボ実施例2.1から選択された化合物の用量依存的インビボ活性および急性毒性評価
【0787】
方法
動物研究
C57BL/6Nマウス(雌性20~22g;Charles River、ドイツ)を、n=6(0.5および2.5mg/kgについて)またはn=5(25mg/kgについて)の群にて、siRNAまたはPBS(模擬対照)0.5、2.5または25mg/kgの単回用量で皮下処置した。投与された化合物の配列および化学組成は、表2aから表2cで参照される。動物を、処置の48時間後に屠殺し、血液を血液学的分析、臨床化学のために採取し、臓器を回収し、秤量した。血液学的血球計数をscil Vet動物用血球計数装置で実行し、臨床化学分析をRoche Cobasシステムで実行した。
【0788】
siRNA標的TTRを、市販のELISAアッセイ(Alpco Diagnostics、カタログ番号:41-PALMS-E01)により血清から定量化した。
【0789】
肝臓組織を、DNase消化を含む全RNA抽出(RNAeasy Mini Kit、Qiagen)により、RT-qPCR分析のために処理した。TTR(TaqManアッセイID Mm00443267_m1)および参照mRNA(Actb(TaqManアッセイID4352341E)、Gapdh(TaqManアッセイID4308313))を、ABI Prism7900システム上でqPCRにより定量化し、続いてオリゴ-dTおよびランダムヘキサマープライミングcDNA合成を行った。ΔΔCt法を適用して、標的転写物の相対的発現レベルを計算した。
【0790】
25mg/kg処置群(+PBS)の右上の肝葉、脾臓および腎臓をホルマリン固定し、標準的なH&E染色に続いて異常について病理学的に評価した。
【0791】
結果(図6および7参照):
タンパク質およびmRNAレベルの両方が、投与の48時間後に用量依存的方法で、全ての試験された活性siRNAにより低減した。mRNAおよびタンパク質低減は、平行して起こった。試験された活性物質の中では、いかなる用量でも、タンパク質またはmRNAレベルのいずれにおいても有意差は観察されなかった。
【0792】
処置用量依存的影響は、標準的な血液学および肝臓/腎臓臨床化学アッセイにおいて観察されなかった。また、有意の処置依存的な、血清サイトカインの変質、および臓器または体重への影響も、屠殺において観察されなかった。全ての偏差が正常な生理学的範囲または正常な動物間変動性内であった。肝臓および脾臓の組織病理学的評価には所見がなかった。
【実施例3】
【0793】
本開示に従う修飾siRNAによる標的遺伝子発現のインビトロ阻害
実施例1および2にすでに使用した、TTR-mRNAを標的とするsiRNA配列において、両鎖をセンス鎖およびアンチセンス鎖中モルホリノおよびジオキサンベースのヌクレオチドで修飾した。次いで得られた配列、全てが少なくとも1つのアンチセンス鎖中モルホリノまたはジオキサン構成単位を示す配列を、上記した物質および方法の「siRNAトランスフェクション」および「mRNA発現分析」項にて記載した通りに、初代マウス肝細胞中のこれらのmRNAノックダウンをインビトロで試験した。センス鎖およびアンチセンス鎖ならびに対応するsiRNAオリゴヌクレオチドの配列を表3a、3bおよび3cに列挙する。
【0794】
化合物siRNA3-1からsiRNA3-120の初代マウス肝細胞におけるインビトロノックダウン結果を表3dに要約する。
【0795】
【表18-1】
【表18-2】
【表18-3】
【0796】
【表19-1】
【表19-2】
【表19-3】
【表19-4】
【表19-5】
【0797】
【表20-1】
【表20-2】
【表20-3】
【0798】
【表21-1】
【表21-2】
【表21-3】
【表21-4】
【0799】
インビトロ結果
適用した0.1、1.0および10.0nMの濃度で、陽性対照化合物siRNA2-1は、それぞれ91.95、52.40および3.20%の残留発現を示すが、センス鎖のPS安定化3’末端を有する第2の陽性対照siRNA3-1(=siRNA1-3,実施例1)は、残留TTR mRNAが60.47、20.78および0.88%である、より高いインビトロ効力を示す。siRNA2-1およびsiRNA3-1の両方の化合物は、高いインビボ効力を示した(実施例1および2参照)。それゆえ、2つの陽性対照化合物の範囲内でのインビトロノックダウンは、有望なインビトロ結果に十分な効力があると考えられる。
【0800】
本明細書に記載したsiRNA(siRNA3-2からsiRNA3-120)は、満足するノックダウン結果、陽性対照配列の範囲内である高い数を示す。
【0801】
アンチセンス鎖中に1つのモルホリンまたはジオキサン構成単位を有する化合物シリーズsiRNA3-2からsiRNA3-22およびsiRNA3-60からsiRNA3-80は、本明細書に記載した新規なヌクレオチドがアンチセンス鎖の5’末端に配置されている場合、効力を適正化するために良好であることを示す。モルホリン修飾シリーズ(siRNA3-2、3-3、3-4および3-5)中の1、2、3および4位での、ならびにジオキサン類似体(siRNA3-60および3-61)内の1および2位での修飾により、効力を適正化する。有利に、これら2つのシリーズ内の全ての他の配列は、陽性対照(例えば、siRNA3-8、siRNA3-9、siRNA3-17、siRNA3-70、siRNA3-71またはsiRNA3-77)の範囲内のいくつかにおいても、良好なインビトロノックダウンを示す。
【0802】
7位に加えてアンチセンス鎖中の第2の修飾ヌクレオチド類似体を有するsiRNA、モルホリン誘導化ヌクレオチドを有するsiRNA3-23からsiRNA3-41ならびに対応するジオキサンを有するsiRNA3-81およびsiRNA3-100も、インビトロノックダウンを適正化するために良好であることを示す。このシリーズからの最高の実施化合物は、siRNA3-29、siRNA3-30、siRNA3-32、siRNA3-36、siRNA3-38、siRNA3-39、siRNA3-40およびsiRNA3-41であり、これは陽性対照化合物と同等である高い効力を示す。修飾7位に加えてアンチセンス鎖の3’末端での修飾は、反対の5’末端修飾以上に好ましいと思われる。極めて興味深いことに、類似体ジオキサンシリーズ(siRNA3-81およびsiRNA3-100)において、アンチセンス鎖中の2つのジオキサン構成単位を有するほぼ全ての配列は、高い効力を示す。モルホリンシリーズと同様に、7位に加えて5’末端での修飾(siRNA3-81、siRNA3-82およびsiRNA3-84)のみが、適正ではあるが、満足するノックダウン効力に導く。
【0803】
最高の効力は、センス鎖中およびアンチセンス鎖中の7位で修飾した第3の修飾シリーズにおいて達成された。モルホリン誘導化ヌクレオチド(siRNA3-42からsiRNA3-59)および対応するジオキサン構成単位(siRNA3-101からsiRNA3-120)も有する全てのsiRNAは、2つの陽性対照配列の範囲で高いインビトロ効力を示した。
【0804】
要約すると、表3dに列挙した結果は、siRNA配列のハイブリダイジング部分内へのモルホリンおよびジオキサンシリーズの(2R,6R)体の新規なヌクレオチド構成単位の組み込みは、オリゴヌクレオチド二本鎖の多数の位置で十分に許容され、高いインビトロノックダウン効力に導くことを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【配列表】
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