IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立ハイテクノロジーズの特許一覧

<>
  • 特許-自動分析装置 図1
  • 特許-自動分析装置 図2A
  • 特許-自動分析装置 図2B
  • 特許-自動分析装置 図3
  • 特許-自動分析装置 図4
  • 特許-自動分析装置 図5
  • 特許-自動分析装置 図6
  • 特許-自動分析装置 図7
  • 特許-自動分析装置 図8
  • 特許-自動分析装置 図9A
  • 特許-自動分析装置 図9B
  • 特許-自動分析装置 図10
  • 特許-自動分析装置 図11
  • 特許-自動分析装置 図12
  • 特許-自動分析装置 図13
  • 特許-自動分析装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-15
(45)【発行日】2025-04-23
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20250416BHJP
【FI】
G01N35/00 F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023543783
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 JP2022029846
(87)【国際公開番号】W WO2023026810
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】P 2021138598
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平間 宏美
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 光
(72)【発明者】
【氏名】川原 鉄士
(72)【発明者】
【氏名】飯島 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】東 信二
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-181087(JP,A)
【文献】特開2014-016208(JP,A)
【文献】特開2010-151519(JP,A)
【文献】特開平10-282108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応槽と、
前記反応槽内の反応槽循環水に浸漬された状態で反応容器を保持する反応ディスクと、
前記反応槽からの前記反応槽循環水の温度を調整して前記反応槽に戻す循環流路と、
前記循環流路に設けられ、前記反応槽循環水を脱気する脱気装置と、
光源ランプと、前記光源ランプから照射され、前記反応容器を透過した光を検出する光検出器とを備える光度計と、
試料の分析シーケンスを制御し、試料の分析を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、試料を前記反応容器に分注して試料測定を実施するのに先立って、純水を前記反応容器に分注して水ブランク測定を行い、前記試料測定によって測定された試料と試薬との反応液の吸光度データを、前記水ブランク測定によって測定された水ブランク吸光度データによって補正し、補正された前記吸光度データに基づき試料の分析を行い、
前記制御部は、1回の前記水ブランク測定において、純水が分注された前記反応容器に対して複数回の測定を行い、前記複数回の測定における前記水ブランク吸光度データの最大値と最小値との差である水ブランク吸光度レンジデータを記憶装置に蓄積し、あらかじめ設定されたデータ数またはあらかじめ設定されたデータ取得時間の経過後に、蓄積された前記水ブランク吸光度レンジデータを統計処理して算出される指標に基づき、前記反応槽循環水の水質異常を判定する自動分析装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記制御部は、前記反応槽循環水の水質異常が判定された場合に、試料の分析結果に前記反応槽循環水の水質異常のアラーム情報を付加する自動分析装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記指標は、前記水ブランク吸光度レンジデータの平均値または標準偏差である自動分析装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記指標が閾値を超える頻度に基づき、前記反応槽循環水の水質異常を判定する自動分析装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記制御部は、前記反応槽循環水の水質異常を判定した場合、前記反応槽循環水に界面活性剤を添加する自動分析装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記制御部は、所定数の前記水ブランク吸光度レンジデータを統計処理して第1の指標と第2の指標とを算出し、前記第1の指標を用いる第1の判定条件または前記第2の指標を用いる第2の判定条件の組み合わせで、前記反応槽循環水の水質異常を判定する自動分析装置。
【請求項9】
反応槽と、
前記反応槽内の反応槽循環水に浸漬された状態で反応容器を保持する反応ディスクと、
前記反応槽からの前記反応槽循環水の温度を調整して前記反応槽に戻す循環流路と、
前記循環流路に設けられ、前記反応槽循環水を脱気する脱気装置と、
光源ランプと、前記光源ランプから照射され、前記反応容器を透過した光を検出する光検出器とを備える光度計と、
試料の分析シーケンスを制御し、試料の分析を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、試料を前記反応容器に分注して試料測定を実施するのに先立って、純水を前記反応容器に分注して水ブランク測定を行い、前記試料測定によって測定された試料と試薬との反応液の吸光度データを、前記水ブランク測定によって測定された水ブランク吸光度データによって補正し、補正された前記吸光度データに基づき試料の分析を行い、
前記制御部は、1回の前記水ブランク測定において、純水が分注された前記反応容器に対して複数回の測定を行い、前記水ブランク吸光度データ、前記複数回の測定における前記水ブランク吸光度データの最大値と最小値との差である水ブランク吸光度レンジデータ、前記反応槽循環水の水質に関連するメンテナンス履歴データ及び前記反応槽循環水の水質に関連するアラーム情報データを入力とする学習モデルを用いて、前記脱気装置の性能を判定する自動分析装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記学習モデルは、所定数の前記水ブランク吸光度レンジデータを統計処理して算出される指標を入力に含む自動分析装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記学習モデルは、所定数の前記水ブランク吸光度レンジデータを統計処理して算出される指標に基づき切り出された前記水ブランク吸光度データ、前記水ブランク吸光度レンジデータ、前記メンテナンス履歴データ及び前記アラーム情報データを訓練データとして用いて更新される自動分析装置。
【請求項12】
反応槽と、
前記反応槽内の反応槽循環水に浸漬された状態で反応容器を保持する反応ディスクと、
前記反応槽からの前記反応槽循環水の温度を調整して前記反応槽に戻す循環流路と、
前記循環流路に設けられ、前記反応槽循環水を脱気する脱気装置と、
光源ランプと、前記光源ランプから照射され、前記反応容器を透過した光を検出する光検出器と、前記反応容器を透過した光を波長成分に分光する回折格子とを備える光度計と、
試料の分析シーケンスを制御し、試料の分析を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、試料を前記反応容器に分注して試料測定を実施するのに先立って、純水を前記反応容器に分注して水ブランク測定を行い、前記試料測定によって測定された試料と試薬との反応液の吸光度データを、前記水ブランク測定によって測定された水ブランク吸光度データによって補正し、補正された前記吸光度データに基づき試料の分析を行い、
前記制御部は、1回の前記水ブランク測定において、純水が分注された前記反応容器に対して複数回の測定を行い、前記複数回の測定における前記水ブランク吸光度データの最大値と最小値との差である水ブランク吸光度レンジデータを記憶装置に蓄積し、所定数の前記水ブランク吸光度レンジデータを統計処理して算出される指標に基づき、前記反応槽循環水の水質異常を判定し、
前記制御部は、前記指標の算出に用いる前記水ブランク吸光度データをその水ブランク測定に使用した光の波長に基づき選択可能とされる自動分析装置。
【請求項13】
反応槽と、
前記反応槽内の反応槽循環水に浸漬された状態で反応容器を保持する反応ディスクと、
前記反応槽からの前記反応槽循環水の温度を調整して前記反応槽に戻す循環流路と、
前記循環流路に設けられ、前記反応槽循環水を脱気する脱気装置と、
光源ランプと、前記光源ランプから照射され、前記反応容器を透過した光を検出する光検出器とを備える光度計と、
試料の分析シーケンスを制御し、試料の分析を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、試料を前記反応容器に分注して試料測定を実施するのに先立って、純水を前記反応容器に分注して水ブランク測定を行い、前記試料測定によって測定された試料と試薬との反応液の吸光度データを、前記水ブランク測定によって測定された水ブランク吸光度データによって補正し、補正された前記吸光度データに基づき試料の分析を行い、
前記制御部は、1回の前記水ブランク測定において、純水が分注された前記反応容器に対して複数回の測定を行い、前記複数回の測定における前記水ブランク吸光度データの最大値と最小値との差である水ブランク吸光度レンジデータを記憶装置に蓄積し、所定数の前記水ブランク吸光度レンジデータを統計処理して算出される指標に基づき、前記反応槽循環水の水質異常を判定し、
前記制御部は、前記指標の算出に用いる前記水ブランク吸光度データを前記反応槽循環水の交換後の経過時間あるいは前記光源ランプの点灯開始後の経過時間に基づき除外可能とされる自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの生体サンプルの定性・定量分析をおこなう臨床検査用の分析装置に係り、特に反応槽循環流路を備える自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、生化学自動分析装置では、血清や尿などの生体試料の成分分析を行うために、反応容器内で被検試料と試薬とを反応させ、それによって生じる色調や濁りの変化を、一定の時間間隔で分光光度計等の測光ユニットによって光学的に測定する。反応容器内の試料と試薬との化学反応速度が温度変動によってばらつくのをおさえるため、反応容器は温度の安定した恒温水に浸されている。この恒温水はヒータと冷却器を経由して循環され、反応容器を安定した温度に保っている。
【0003】
しかしながら、恒温水に気泡が混入し、反応容器内試料の吸光度データ測定時に気泡が光軸を横切ると、光が気泡で散乱または吸収されることによって、測定した吸光度データは通常の化学反応と異なる値となる。そのため、自動分析装置は、気泡の発生を抑制する目的で循環流路内に脱気ユニットを備えているが、脱気ユニットの脱気性能が低下すると、循環水中の気泡発生をひきおこす。
【0004】
ただし、気泡が存在すれば分析結果が必ず異常値となるわけでもなく、検査項目が2つの波長の吸光度を取得してその差を用いて濃度算出を行う項目であれば、測定された吸光度が気泡の影響を受けていたとしても、差分をとることで気泡影響が抑えられるため、分析結果から気泡の増加に気づくことができない場合もある。
【0005】
特許文献1には、反応液による吸光がない波長の光を複数回測定することにより、反応容器の測光部に関連する外乱の有無を判定することが開示されている。外乱としては、反応容器の傷、汚れ、気泡付着が例示されている。
【0006】
特許文献2には、同一反応容器内の吸光度データを時系列に所定時間間隔をおいて多点測定し、スパイク状の吸光度変化を検出した場合に、測定データにアラーム情報を付加し、アラーム発生頻度に基づき恒温水中の気泡、水垢等の異物の増加による影響と判断することが開示されている。
【0007】
特許文献3では、自動分析装置のオペレーション中に反応容器に反応槽水を分注し、反応槽水の吸光度測定を行って反応槽水の水質判定を行い、水質判定に応じて反応槽水の給排水を実行することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平08-005562号公報
【文献】特開2000-039400号公報
【文献】特開2020-159804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
恒温水に気泡が混入される主要因は、恒温水に対する脱気ユニットの脱気性能の低下である。脱気ユニットの脱気性能の低下により反応槽循環水の溶存酸素の濃度が上昇すると、気泡が発生しやすい状態をまねく。しかし、脱気ユニットは通常、装置内に配置されており、頻繁にアクセスすることは難しく、さらに、脱気ユニットは流路に接続されているため、その内部の状態を確認することも困難である。
【0010】
特許文献1、特許文献2は、試料と試薬とを化学反応させた反応液について、吸光のない波長の吸光度変化から異常を判定するものである。図14にクレアチニンの副波長の反応過程を示す。分析項目としては測光対象ではなく、本来吸光がないとされる波長の測定であっても、検体に含まれる成分によっては吸光度変化を生じることがある。グラフ501(△)のように、吸光がなく安定した値が計測されれば問題ないが、検体に含まれる成分によっては、グラフ502(◆)のように吸光度変化を生じることがある。このように検体と試薬との反応液では、意図しない副反応により吸光度変化が生じることがある。このため、精度よく異常判定を行うことは難しい。
【0011】
特許文献3は反応槽水(または代替案として吸光度が既知の標準試料)を測定することにより反応槽循環水の水質異常を判定しているが、オペレーション中に、反応槽循環水の水質判定のための専用の測定を行うことになり、自動分析装置の検査効率を低下させるおそれがある。
【0012】
本発明の目的は、専用の機構や測定を追加することなく、オペレーションで得られる吸光度値を用いて、反応槽循環水に気泡を発生しやすくする水質異常を検出可能とする自動分析装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施の態様である自動分析装置は、反応槽と、反応槽内の反応槽循環水に浸漬された状態で反応容器を保持する反応ディスクと、反応槽からの反応槽循環水の温度を調整して反応槽に戻す循環流路と、循環流路に設けられ、反応槽循環水を脱気する脱気装置と、光源ランプと、光源ランプから照射され、反応容器を透過した光を検出する光検出器とを備える光度計と、試料の分析シーケンスを制御し、試料の分析を行う制御部と、を有し、制御部は、試料を反応容器に分注して試料測定を実施するのに先立って、純水を反応容器に分注して水ブランク測定を行い、試料測定によって測定された試料と試薬との反応液の吸光度データを、水ブランク測定によって測定された水ブランク吸光度データによって補正し、補正された吸光度データに基づき試料の分析を行い、制御部は、水ブランク測定によって測定された水ブランク吸光度データに基づき、反応槽循環水の水質異常を判定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、専用の機構や確認動作を追加することなく、反応槽循環水の水質異常を検出することが可能となる。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】自動分析装置の構成図である。
図2A】反応水循環流路の一例である。
図2B】脱気装置の構成例である。
図3】水ブランク吸光度レンジの特性図(正常)である。
図4】水ブランク吸光度レンジの特性図(異常)である。
図5】溶存酸素濃度と水ブランク吸光度レンジ平均値の相関を示す図である。
図6】溶存酸素濃度と水ブランク吸光度レンジ標準偏差の相関を示す図である。
図7】水質異常を判定するフローチャートである。
図8】学習モデルを作成/更新する機能ブロック図である。
図9A】メンテナンス履歴データの例である。
図9B】アラーム情報データの例である。
図10】ニューラルネットワークによる学習モデルの例である。
図11】GUIの例である。
図12】GUIの例である。
図13】GUIの例である。
図14】従来技術の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に示す自動分析装置の構成に基づいてその動作を説明する。自動分析装置における分析シーケンスの制御、後述する光度計からの検出信号を受けた分析処理は制御部22によって実施される。
【0018】
まず、最初に反応容器1は洗浄機構17と洗浄用純水ポンプ15により洗浄される。その後、反応容器1のそれぞれについて、反応容器内に純水を分注し、光源ランプ3、分光用回折格子4および光検知器5で構成される光度計で測定し、測光データ(水ブランク値)を取得しておく。その後、反応容器1から純水を除去する。
【0019】
続いて、試料ディスク8にのった試料カップ7内の試料を、試料分注機構11と試料分注ポンプ14とを用いて反応ディスク2にのった反応容器1に分注する。同様に、試薬ディスク10にのった試薬ボトル9内の試薬を、試薬分注機構12と試薬分注ポンプ16により反応容器1に分注し、攪拌機構13を用いて両者を攪拌する。反応容器1内の反応液は、反応ディスク2の回転に応じて定まる一定の時間間隔で光度計により化学反応の発色を測光する。化学反応を安定的に促進するため、反応容器1は恒温水供給装置6により温度が一定に保たれている。測定終了後、反応容器1は洗浄機構17と洗浄用純水ポンプ15により洗浄され、次の試料の測定に用いられる。
【0020】
光度計の構成について説明する。光源ランプ3から発せられた光は反応容器1を透過し分光用回折格子4により各波長成分に分光される。分光先には、測定に必要とされる波長に対応する位置に配置される必要個数分の光検知器5が設置されている。光検知器5は入射した光を光電変換し、光量、すなわち光のフォトン数に比例した電流を発生する。この電流は光電流と呼ばれる。試料に含まれる測定対象成分の濃度に比例した電気信号を得るため、AD変換部20でディジタル値に変換し、インターフェースバス27を介して記憶装置23に記憶され、制御部22によって分析処理される。
【0021】
試料の濃度演算にあたっては水ブランク値により補正された吸光度データが用いられる。吸光度は試料容器のキズや汚れの付着、光源ランプの光量変化の影響を受けて変動するため、一般的に水ブランク値は試料測定の直前に取得される。
【0022】
このように、自動分析装置では、反応容器1は、洗浄、水ブランク測定、試料測定の順番で繰り返し使用される。水ブランク測定は、反応容器1にブランク水(精製水、純水)を分注し、反応ディスク2の回転動作によって反応容器1が光度計の前を横切るタイミングで行われる。精製水は濡れ性が低いため、反応容器1の壁に気泡が付着しやすい。反応容器の内壁に気泡が付着すると正しい吸光度を得ることができなくなるため、水ブランク測定においては気泡を生じさないように反応容器1内に水を吐出し、攪拌動作も行わない。また、反応容器1の周囲は反応槽循環水が循環して37℃に恒温されている。ブランク水の温度が上昇すると溶存酸素が気泡となって発生しやすくなるため、測定は短時間で終了させる。ただし、測定値のばらつきを考慮し、複数回測定されるのが一般的である。水ブランク吸光度測定では、反応容器内に吸光度を変動させる要因を含んでいないため、安定した測定値を得ることができる。
【0023】
図2Aは反応槽循環水の循環流路の一例である。反応容器1は、反応槽18内に円周上に配置される。反応槽18は反応槽循環水112で満たされている。反応槽循環水112は、循環ポンプ105により、反応槽18、脱気装置102、冷却装置104、循環ポンプ105、加温装置106の順に循環される。反応容器1内の反応液111の化学反応を安定して行わせるため、冷却装置104、加温装置106の作用により反応槽循環水112の温度は一定に保たれている。反応槽循環水112は、蒸発や、反応槽18からのオーバフロー等により水位が低下する。その場合、給水タンク107から給水ポンプ108によって水が供給される。
【0024】
反応槽循環水112中の気泡は吸光度測定の外乱となる。このため、図2Aの循環流路では脱気装置102で反応槽循環水112を常に脱気することにより、循環水中の溶存酸素の濃度の上昇を防いでいる。さらに、発生した気泡が反応容器1や光軸窓に付着するケースを想定し、反応槽循環水112には一般的に界面活性剤が添加されている。
【0025】
図2Bに脱気装置102の構成例を示す。脱気装置102には、中空糸が収容された反応槽循環水112の流路120を囲むように容器121が設けられており、容器121は真空ポンプ103に接続されている。真空ポンプ103により容器121内を負圧とすることにより、流路120の反応槽循環水112を脱気する。脱気装置102において例えば、中空糸が切断されてしまったり、流路120に詰まりがおきたりすると、脱気が適切になされないまま反応槽循環水112が脱気装置102を通過してしまう場合がある。あるいは、容器121にひびが入ったりして気密性が損なわれることによって、反応槽循環水112の脱気が十分に行えなくなる場合がある。
【0026】
反応槽循環水112の溶存酸素濃度を5.0mg/L以下に保った場合、気泡による吸光度変動は見られなくなる。図3図4を用いて、溶存酸素濃度が水ブランク吸光度レンジに与える影響について説明する。図3図4は、水ブランク値を3回測定し、そのレンジ(最大値-最小値)をプロットした結果である。3回の測光データのなかに反応槽循環水112中の気泡の影響を受けた測光データがあれば、吸光度レンジが増大することになる。この計測をそれぞれ2400回行っている。なお、双方とも前半の1200回の計測は、6つの波長(340、415、480、546、600、700nm)の光による計測を含んでおり、後半の1200回の計測は、340nmの光による計測のみである。どちらの場合も前半の計測と後半の計測とは同じ傾向を示しており、波長の選択による影響は認められなかった。
【0027】
図3は、脱気機構が正常に動作している場合の計測例であり、反応槽循環水の溶存酸素濃度は4.7mg/Lであった。おおむね水ブランク吸光度レンジ(ABS.)は0.001以下の値となり、レンジが大きいものでも0.002程度におさまっている。このときの水ブランク吸光度レンジの平均値と標準偏差は、それぞれ6.9mg/L、2.7mg/Lであった。
【0028】
図4は、溶存酸素濃度6.5mg/Lで測定結果である。反応槽循環水中に気泡が発生し、発生した気泡がランダムに光度計の光路を横切る状態である。浮遊する気泡の大きさは様々で、大きさや量によって吸光度の変化量は変わるため、水ブランク吸光度レンジの分布の幅は大きくなる。本結果では水ブランク吸光度レンジ(ABS.)の最大値は約0.01であるが、これを超えるレンジとなる場合もある。この水ブランク吸光度レンジの平均値と標準偏差は、それぞれ11.5mg/L、7.7mg/Lであった。
【0029】
図5は、反応槽循環水の溶存酸素濃度を4.7~6.5mg/Lに変化させて取得した結果から、水ブランク吸光度レンジ(ABS.)の平均値を算出し、プロットしたものである。また、図6は水ブランク吸光度レンジ(ABS.)の標準偏差をプロットしたものである。どちらも溶存酸素濃度との相関が認められる。このように、反応槽循環水112の水ブランク吸光度レンジをモニタリングすることによって、溶存酸素濃度の状態を検出できることが分かる。この検出にあたっては、水ブランク吸光度レンジは測定波長に依存せず同様の傾向を示すため、モニタリングには異なる波長の測光データが混在していてもよい。水ブランク測定は検査に使用される波長の光で行われるため、水ブランク測定は依頼される検査内容に応じて異なる波長で測定されることになる。このため、水ブランク吸光度レンジが測定波長に依存しないのは有利な特徴である。もちろん、特定の波長のデータのみで反応槽循環水112の水質モニタリングを行うようにしてもよい。
【0030】
溶存酸素濃度の指標として、水ブランク吸光度レンジの平均値(図5)あるいは標準偏差(図6)を用いてもよいし、これらから派生する指標を用いてもよい。例えば、設定した水ブランク吸光度レンジ(平均値または標準偏差)をオーバする頻度を指標とすることもできる。
【0031】
次に、自動分析装置が水ブランク吸光度レンジの指標に基づき反応槽循環水の水質異常を判定する処理の詳細を説明する。図7に水質異常を判定するフローチャートを示す。この処理は、制御部22が反応槽循環水監視プログラムを起動し、自動分析装置のハードウェアを連携動作させることによって実行される。
【0032】
まず、制御部22は水ブランク吸光度を測定し(S01)、記憶装置23に記憶する(S02)。得られた測光データから水ブランク測定ごとの水ブランク吸光度レンジを算出し(S03)、記憶装置23に記憶する(S04)。この水ブランク吸光度測定は、図1を用いて説明した自動分析装置の分析シーケンスに含まれている水ブランク測定として実施される。このため、制御部22が反応槽循環水監視機能を実行することによって、そのための新たな測定を必要としない。
【0033】
図11に反応槽循環水監視機能に用いる水ブランク吸光度測定を設定するGUI例(Graphical User Interface)を示す。測定条件設定画面300は、測定条件設定部301と除外条件設定部302とを含む。測定条件設定部301では、装置の光度計が測定可能な波長について、どの波長による水ブランク吸光度測定を指標の算出に使用するかを設定する。この例では、光度計が計測可能な波長を列挙され、ユーザにより選択可能としている。除外条件302では、指標の算出から除外する水ブランク吸光度測定を設定する。例えば、反応槽循環水交換直後は、脱気装置102による脱気が不十分であり、反応槽循環水112の溶存酸素濃度が定常状態よりも高い状態になっているおそれがある。このため、循環水の交換後、所定時間以内に計測された測光データは指標の算出に使用しないよう設定できるようにしている。あるいは、光源ランプ3の点灯開始直後は光源ランプ3からの光量が不安定になっているおそれがある。このため、光源ランプ3の点灯後、所定時間以内に計測された測光データは指標の算出に使用しないよう設定できるようにしている。
【0034】
必要なデータ数の水ブランク吸光度レンジが記憶されたか判定し(S05)、必要なデータ数が蓄積されるまで、水ブランク吸光度の測定、記憶および水ブランク吸光度レンジの算出、記憶を繰り返す。必要なデータ数が蓄積されると、制御部22は、記憶装置23に蓄積された水ブランク吸光度レンジをもとに、反応槽循環水の指標値を算出し、記憶装置23に記憶する(S06)。指標として、上述したような溶存酸素濃度の指標を用いる。制御部22は、指標値を閾値と比較し(S07)、閾値を超える場合には反応槽循環水の水質異常をユーザに通知する(S08)。異常判定の閾値は、固定値を設定しておいてもいいし、その装置において正常なデータの分布を求めてそれを基準にしてもよい。たとえば、反応槽のメンテナンス後の装置が正常な状態において収集した複数の測定データから、水ブランク吸光度レンジの標準偏差SDを算出し、設定した係数Cをかけて閾値(C×SD)とする。閾値は、反応槽のメンテナンスの度に更新する。
【0035】
図12にステップS07における判定条件を設定するGUI例を示す。ステップS07は1つの判定条件を設定してその条件が満たすかどうかで判定してもよく、複数の判定条件を設定して、その条件の組み合わせ(AND条件、OR条件など)で判定してもよい。このため、複数の判定条件が設定可能なGUIとされている。有効化設定部311では、その条件をステップS07での判定に用いるかどうかを設定する。データ数設定部312では、ステップS05の判定に必要なデータ数を設定する。なお、このGUIでは、取得時間設定部313によりデータの数そのものではなく、測光データの取得時間によって設定することもできる。判定条件1のように、データ数設定部312と取得時間設定部313との両方が設定されている場合には、ステップS05ではそのどちらかが満たされたときに、水ブランク吸光度レンジの必要なデータ数が蓄積されたと判定する。指標設定部314ではステップS07の判定に使用する指標が設定され、閾値設定部315ではステップS07の判定に使用する閾値が設定される。判定条件として閾値を超える頻度を用いる場合には、閾値オーバ発生頻度設定部316に閾値オーバが発生する頻度の閾値が設定できる。これにより、例えば、判定条件2では、平均値からの乖離が300を超える頻度が12時間以内に3回以上発生する場合には異常判定するという判定条件が設定されている。
【0036】
反応槽循環水の水質異常を検出した場合、ディスプレイ24あるいはプリンタ25に出力してユーザに対して警告することが可能である。また、記憶装置23に測定データとともに当該アラーム情報を付加・記録し、後にこれらの蓄積されたデータを参照する機能を持たせることで、測定データから異常経緯解析を行うことが可能となる。これにより、測定信頼性向上を図ることができる。さらに、通信回線を介して、蓄積されたデータをサービス拠点に転送し、サービス拠点で自動分析装置の装置状態の監視を行うようにしてもよい、これにより、早期段階でメンテナンスの指示や部品交換等といった対処が可能となり、装置の信頼性向上を図ることができる。
【0037】
反応槽循環水の水質異常を水ブランク吸光度に基づいて判定しているため、異常をもたらす要因には、脱気装置の故障の他にも、反応槽循環水の界面活性剤濃度の不足も考えられる。反応槽循環水112が反応槽18からオーバフローした場合、水が補充されることによって反応槽循環水112の界面活性剤濃度は徐々に低下する。界面活性剤の濃度が低下すると、反応容器や反応槽の窓に気泡が付きやすくなる。この場合であれば、水ブランク吸光度レンジは界面活性剤の添加により改善が見込める。そのため、ステップS07で異常判定が出された場合には、反応槽循環水112に界面活性剤を添加するステップを設けてもよい。界面活性剤を添加し、再度、水ブランク吸光度を測定して、指標値を算出し、異常判定を行う(S01~S07)。それでもなお、指標値が異常を示す場合には、アラームを発生し、ユーザに通知する(S08)。
【0038】
また、反応槽循環水112にゴミなどの浮遊物があれば増大するため、反応槽の水交換、反応槽清掃等のメンテナンスの実施によって改善する可能性がある。このため、メンテナンスの実施状況を水ブランク吸光度レンジとあわせて記憶し監視することにより、水質異常の判断をより適切に行うことが可能となる。
【0039】
すなわち、本実施例は反応槽循環水112の水質異常を水ブランク吸光度レンジに基づき判定するものであるが、水ブランク吸光度レンジを悪化させる原因についてはいくつかの原因が考えられ、それぞれ異常の解消方法が異なる。そこで、自動分析装置における過去の運用履歴を踏まえて水質判定を行い、アラームを発出するようにしてもよい。これにより、例えば脱気装置に異常が生じている可能性が高い場合に絞り込んでアラームを発出することが可能になる。このためには、反応槽循環水112の水質異常の判定を機械学習による異常判定アルゴリズムを用いて行うことが考えられる。
【0040】
図8は学習装置210を用いて学習モデルを作成/更新する機能ブロック図である。学習装置210は、その記憶装置に格納されたプログラムが処理装置(プロセッサ)によって実行されることによって実現される。学習装置210の物理的な構成としては、単体のサーバ、PC(Personal Computer)で構成されてもよいし、処理装置、記憶装置の任意の部分がネットワークで接続された複数のサーバで構成されてもよい。また、ソフトウェアで構成する機能の全部または一部と同等の機能を、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアで実現してもよい。
【0041】
学習装置210は、自動分析装置の記憶装置23から水ブランク吸光度レンジデータ201、メンテナンス履歴データ202、アラーム情報データ203など、反応槽循環水の水質に関連する情報(これらを包括して水質関連データと呼ぶ)を取得する。この他、水質関連データとして、水ブランク吸光度レンジデータや水ブランク吸光度レンジデータに基づいて算出した指標データを含めてもよい。図9Aにメンテナンス履歴データ202の例を示す。メンテナンス履歴データ202は実施したメンテナンス名231、メンテナンスを実施した日付232、時間233を含む。図9Bにアラーム情報データ203の例を示す。アラーム情報データ203は、自動分析装置がアラームを発出した日付241、時間242、アラームコード243、アラーム名244を含む。
【0042】
入力部211は、直接あるいはネットワークを介してこれらのデータを取得する。訓練データ生成部212は、入力部211が取得したデータから訓練データを生成する。図13に訓練データ生成部212が学習装置210の表示部に表示するGUI例を示す。訓練データ取込画面400では、水ブランク吸光度レンジの推移を示すグラフ401の下に図12に示した判定条件1の指標(水ブランク吸光度レンジの標準偏差)の推移を示すグラフ402が表示されている。なお、2つのグラフ401,402は、スライダ403により表示位置を連動して動かすことができる。操作者は、水ブランク吸光度レンジ及び指標の推移をみながら、学習に適切な訓練データを切り出す。具体的には取込開始位置404と取込終了位置405をグラフ上で指定し、異常パターン取込ボタン406を押下することにより、この区間の水質関連データを、水質異常を示すパターンとして取り込むことができる。逆に、除外パターン取込ボタン407を押下することにより、この区間の水質関連データを、水質異常を示さないパターンとして取り込むことができる。これにより操作者の気づきを学習モデルの学習に反映させることができる。
【0043】
訓練データ入力部213は、訓練データ生成部212で生成された訓練データを、水質異常を判定するための学習モデルに入力し、学習モデル更新部214は学習モデルを更新する。更新された学習モデル220は出力部217から自動分析装置に転送され、制御部22は、学習モデル220を用いて脱気装置の性能判定を行う。なお、脱気装置の性能判定に用いる学習モデルの原型は、アルゴリズムデータベース215に蓄積されている。学習モデルの精度を高めるためにはできるだけ多くの訓練データを用いて学習することが必要である。このため、他の自動分析装置から同様のデータを収集して他装置データデータベース216に格納している。アルゴリズムデータベース215に蓄積されている学習モデルは、他装置データデータベース216からの訓練データをもとに作成されている。学習モデル更新部214は、学習モデルを更新するとともに、学習モデルのアルゴリズムに変更が生じた場合には、訓練データ生成部212に変更情報をフィードバックし、訓練データ生成部212の訓練データ生成条件を更新する。
【0044】
学習モデル220には、ニューラルネットワーク、回帰木、ベイズ識別器などの任意の学習器を用いることができる。図10にニューラルネットワークによる学習モデルの例を示す。学習モデル90は、入力層91に入力された情報が、中間層92に伝搬され、さらに出力層93へと順に伝搬され、出力層93から入力層91に入力された情報に基づく推論結果を出力する。入力層91、中間層92、出力層93はそれぞれ、丸印で示される複数の入力ユニット、中間ユニット、出力ユニットを有している。なお、通常ニューラルネットワークの中間層は複数層であるが、図では中間層92で代表させて示している。入力層91の各入力ユニットに入力された情報は、入力ユニットと中間ユニットとの間の結合係数によって重みづけされ、各中間ユニットに入力される。中間層92の中間ユニットの値は、入力ユニットからの値が加算されることによって算出される。また、中間層92の各中間ユニットからの出力は、中間ユニットと出力ユニットとの間の結合係数によって重み付けされ、各出力ユニットに入力される。中間ユニットからの値が加算されることにより、出力層93の出力ユニットの値が算出される。このように、中間層92での処理は、入力層91に入力された入力データの値を非線形変換して、出力層93の出力データとして出力することに相当する。
【0045】
学習モデル90は出力データである「脱気性能判定」に関する学習モデルであって、入出力データ例とともに示している。なお、入出力データはいずれも例示である。入力層91には水質関連データ(または、その加工データ、以下では区別せず水質関連データと表記する)が入力され、出力層93から入力に応じた演算結果が出力される。入力層91に入力されるデータとしては、学習モデルごとに定義された水ブランク吸光度、水ブランク吸光度レンジ(最大値-最小値)、及び水ブランク吸光度レンジの値が異常値となる頻度などの測定結果情報94、及びユーザによるメンテナンスの実施状況、これまでに発生したアラーム履歴の情報を含む装置関連情報95が含まれる。メンテナンスとしては、脱気性能に影響を及ぼす可能性のある反応槽の水交換、反応槽清掃、脱気装置の交換等の操作が含まれる。また、アラーム履歴の情報には、種々のレベルのアラームが含まれており、アラーム解除のためにはメンテナンスが必要となる場合や、直ちにメンテナンスを要するものではないが、要観察である注意レベルの場合等がある。
【0046】
出力層93からの出力データは、脱気性能判定結果97、異常原因98についての推論結果であって、この結果に応じて脱気装置102に対するアクションの必要性を判断できる。脱気性能判定結果97の出力データである「脱気性能劣化(アラームレベル)」、「脱気性能要注意」、「脱気性能正常」等の出力値は確率値であり、出力された確率値があらかじめ定められた閾値以上か、未満かにより判定される。異常原因98は脱気装置以外の要因による異常の発生を示唆するものである。例えば、反応槽の汚れ、ゴミなどによる詰まり、光源ランプ等といった脱気性能以外の異常原因による異常値の発生を推測することができる。
【符号の説明】
【0047】
1:反応容器、2:反応ディスク、3:光源ランプ、4:分光用回折格子、5:光検知器、6:恒温水供給装置、7:試料カップ、8:試料ディスク、9:試薬ボトル、10:試薬ディスク、11:試料分注機構、12:試薬分注機構、13:攪拌機構、14:試料分注ポンプ、15:洗浄用純水ポンプ、16:試薬分注ポンプ、17:洗浄機構、18:反応槽、20:AD変換部、22:制御部、23:記憶装置、24:ディスプレイ、25:プリンタ、26:キーボード、27:インターフェースバス、90:学習モデル、91:入力層、92:中間層、93:出力層、94:測定結果情報、95:装置関連情報、97:脱気性能判定結果、98:異常原因、102:脱気装置、103:真空ポンプ、104:冷却装置、105:循環ポンプ、106:加温装置、107:給水タンク、108:給水ポンプ、109:給水電磁弁、110:排水電磁弁、111:反応液、112:反応槽循環水、120:流路、121:容器、201:水ブランク吸光度レンジデータ、202:メンテナンス履歴データ、203:アラーム情報データ、210:学習装置、211:入力部、212:訓練データ生成部、213:訓練データ入力部、214:学習モデル更新部、215:アルゴリズムデータベース、216:他装置データデータベース、217:出力部、220:学習モデル、231:メンテナンス名、232,241:日付、233,242:時間、243:アラームコード、244:アラーム名、300:測定条件設定画面、301:測定条件設定部、302:除外条件設定部、310:判定条件設定部、311:有効化設定部、312:データ数設定部、313:取得時間設定部、314:指標設定部、315:閾値設定部、316:閾値オーバ発生頻度設定部、400:訓練データ取込画面、401,402:グラフ、403:スライダ、404:取込開始位置、405:取込終了位置、406:異常パターン取込ボタン、407:除外パターン取込ボタン、501,502:グラフ。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14