IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7668420製造機器の保守の質を向上させるための検証
<>
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図1
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図2
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図3
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図4A
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図4B
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図4C
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図4D
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図4E
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図4F
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図5
  • 特許-製造機器の保守の質を向上させるための検証 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-16
(45)【発行日】2025-04-24
(54)【発明の名称】製造機器の保守の質を向上させるための検証
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20250417BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250417BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G05B19/418 Z
G05B23/02 301Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2024522246
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(86)【国際出願番号】 US2022046464
(87)【国際公開番号】W WO2023064406
(87)【国際公開日】2023-04-20
【審査請求日】2024-06-11
(31)【優先権主張番号】17/500,857
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ディクシット ターパン トゥーシャー
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ ギャン
(72)【発明者】
【氏名】ディワカー アチュース マダヴ
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0251360(US,A1)
【文献】特表2022-523101(JP,A)
【文献】特開2002-289506(JP,A)
【文献】特開2018-195607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G05B 19/418
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバおよび製造機器を含むシステムであって、前記システムが、
前記製造機器の保守プロセスを開始することであり、前記保守プロセスが、前記製造機器の1つまたは複数の構成要素の保守に関連した複数の保守段階を含む、開始すること、
前記複数の保守段階のうちの第1の保守段階を実行することを指示する第1の命令をユーザデバイスに提供すること、
前記第1の保守段階の第1の実行に由来する第1のデータを受け取ること、
前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったと判定すること、および
実行する是正処置の指示を表示することを前記ユーザデバイスに実行させること
を行わせるように構成された、システム。
【請求項2】
ユーザデバイスをさらに含み、前記ユーザデバイスが、
前記複数の保守段階のうちの第1の保守段階を実行することを指示する前記第1の命令を受け取ること、
前記第1の保守段階の第1の実行に由来するデータを前記サーバに提供すること、
前記サーバから、前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったことを指示する検証データを受け取ること、および
前記検証データを考慮して是正処置を実行させること
を行わせるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムがさらに、
前記第1の保守段階の第2の実行に由来する第2のデータを受け取ること、
前記第1の保守段階の前記第2の実行は満足のいくものだったと判定すること、および
前記複数の保守段階のうちの第2の保守段階を実行することを指示する第2の命令を前記ユーザデバイスに提供すること
を行わせるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムがさらに、
前記複数の保守段階のうちの第2の保守段階の第1の実行に由来する第2のデータを受け取ること、
前記第2の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものであったと判定すること、および
前記複数の保守段階のうちの第3の保守段階を実行することを指示する第2の命令を前記ユーザデバイスに提供すること
を行わせるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の保守段階の実行に由来する前記第1のデータが、
前記製造機器に関連したセンサからのセンサデータ、
画像および/もしくはビデオデータ、または
接続された1つもしくは複数の器具からのデータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったと判定することが、前記第1のデータに関連した少なくとも1つの値が少なくとも1つの閾値基準を満たしていないと判定することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったと判定することが、
前記第1のデータに基づくデータを物理的現象に基づくモデルに提供すること、および
前記物理的現象に基づくモデルから、前記第1の保守段階の第1の実行は満足のいくものではなかったことの指示を受け取ること
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったと判定することが、
前記第1のデータに基づくデータを訓練された機械学習モデルに提供すること、および
前記訓練された機械学習モデルから、前記第1の保守段階の第1の実行は満足のいくものではなかったことの指示を受け取ること
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムがさらに、保守プロセスの保守段階または保守プロセスのうちの少なくとも一方の成功を記述するスコアを割り当てるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記スコアが、前記保守段階または保守プロセスの実行の結果、製造機器が、1つまたは複数の製造機器認定基準を満たす可能性を指示する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
サーバによって、製造機器の保守プロセスを開始することであり、前記保守プロセスが、前記製造機器の1つまたは複数の構成要素の保守に関連した複数の保守段階を含む、開始すること、
前記複数の保守段階のうちの第1の保守段階を実行することを指示する第1の命令をユーザデバイスに提供すること、
前記第1の保守段階の第1の実行に由来する第1のデータを受け取ること、
前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったと判定すること、および
是正処置を実行させること
を含む方法。
【請求項12】
前記是正処置が、
ユーザに警報を出すこと、
ユーザに保守命令を提供すること、または
プロセスレシピを更新すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の保守段階の第2の実行に由来する第2のデータを受け取ること、
前記第1の保守段階の前記第2の実行は満足のいくものだったと判定すること、および
前記複数の保守段階のうちの第2の保守段階を実行することを指示する第2の命令を前記ユーザデバイスに提供すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の保守段階のうちの第2の保守段階の第1の実行に由来する第2のデータを受け取ること、
前記第2の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものであったと判定すること、および
前記複数の保守段階のうちの第3の保守段階を実行することを指示する第2の命令を前記ユーザデバイスに提供すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の保守段階の実行に由来する前記第1のデータが、
前記製造機器に関連したセンサからのセンサデータ、
画像および/もしくはビデオデータ、または
接続された1つもしくは複数の器具からのデータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
命令を格納した非一時的機械可読ストレージ媒体であって、前記命令が、実行されたときに、
ユーザデバイスによって、製造機器に関連した保守プロセスの複数の保守段階のうちの第1の保守段階を実行することを指示する第1の命令を受け取ること、
前記第1の保守段階の第1の実行に由来する第1のデータをサーバに提供すること、
前記サーバから、前記第1の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものではなかったことを指示する第1の検証データを受け取ること、および
前記第1の検証データを考慮して是正処置を実行させること
を含む操作を、処理デバイスに実行させる、非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記是正処置が、
ユーザに警報を出すこと、
ユーザに保守命令を提供すること、または
プロセスレシピを更新すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項18】
前記第1の保守段階の第2の実行に由来する第2のデータを前記サーバに提供すること、
前記サーバから、前記第1の保守段階の前記第2の実行は満足のいくものであったことを指示する第2の検証データを受け取ること、および
前記サーバから、前記複数の保守段階のうちの第2の保守段階を実行することを指示する第2の命令を受け取ること
をさらに含む、請求項16に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項19】
前記第1の保守段階の第1の実行に由来する前記第1のデータが、
前記製造機器に関連したセンサからのセンサデータ、
画像および/もしくはビデオデータ、または
接続された1つもしくは複数の器具からのデータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記複数の保守段階のうちの第2の保守段階の第1の実行に由来する第2のデータを前記サーバに提供すること、
前記サーバから、前記第2の保守段階の前記第1の実行は満足のいくものであったことを指示する第2の検証データを受け取ること、および
前記サーバから、前記複数の保守段階のうちの第3の保守段階を実行することを指示する第2の命令を受け取ること
をさらに含む、請求項16に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、製造機器の保守プロセスに関する。より詳細には、本明細書は、製造機器の保守の質を向上させるために1つまたは複数の保守操作を検証するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
処理機器は、多くのタイプの処理システムで使用される。処理機器の例は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ、アニールチャンバ、注入チャンバおよび他の同種のものを含む。典型的には、プロセスチャンバ内に半導体ウエハなどの基板が置かれ、基板を処理するためにプロセスチャンバ内の条件が設定および維持される。研磨プロセスなどのいくつかの処理操作は、チャンバに限定されない機器を利用することがある。基板の処理(例えば、多くのウエハ、多くの処理時間など)は、処理機器(製造機器とも呼ばれる)の構成要素を摩耗させる。チャンバなどの製造機器はしばしば、予防保守を実施するために所定の間隔でオフラインにされる。保守プロセスは、多くの保守段階および/または操作を含むことがある。予防保守の実行が満足のいくものであるとき、製造機器は、予定通りに生産に戻ってもよい(例えば基板を処理するために使用されてもよい)。予防保守の実行が満足のいくものではない場合には、利益を産まない予定外の休止期間が生じることがある。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的理解を提供するための本開示の簡略化された概要である。この概要は、本開示を広範囲に概観したものではない。この概要が、本開示の鍵となる要素もしくは決定的に重要な要素を識別すること、または、この概要が、本開示の特定の実施態様の範囲もしくは特許請求の範囲を限定することは意図されていない。この概要の唯一の目的は、後に示すより詳細な説明に対する前置きとして、本開示のいくつかの着想を簡略化された形で示すことにある。
【0004】
本開示の一態様には、サーバおよび製造機器を含むシステムが記載されており、このシステムは、製造機器の保守プロセスを開始するように構成されている。この保守プロセスはいくつかの保守段階を含む。このシステムはさらに、第1の保守段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供するように構成されている。このシステムはさらに、第1の保守段階の実行に由来するデータを受け取るように構成されている。このシステムはさらに、第1の保守段階の実行は満足のいくものではなかったと判定するように構成されている。このシステムはさらに、実行する是正処置(corrective action)の指示を表示することをユーザデバイスに実行させるように構成されている。
【0005】
本開示の別の態様では、方法が、サーバによって、製造機器の保守プロセスを開始することを含む。この保守プロセスは、製造機器のいくつかの構成要素に関連したいくつかの保守段階を含む。この方法はさらに、保守プロセスの第1の段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供することを含む。この方法はさらに、第1の保守段階の実行に由来するデータを受け取ることを含む。この方法はさらに、第1の保守段階の実行は満足のいくものではなかったと判定することを含む。この方法はさらに、是正処置を実行させることを含む。
【0006】
本開示の別の態様では、方法が、ユーザデバイスによって、保守プロセスの第1の保守段階を実行することを指示する命令を受け取ることを含む。この保守プロセスは多くの保守段階を含む。この保守プロセスは製造機器に関連している。この方法はさらに、第1の保守段階の実行に由来するデータをサーバに提供することを含む。この方法はさらに、サーバから、第1の保守段階の実行は満足のいくものではなかったことを指示する検証データを受け取ることを含む。この方法はさらに、この検証データを考慮して是正処置を実行させることを含む。
【0007】
添付図面の図において、本開示は例として示されており、限定するものとしては示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】いくつかの実施形態による例示的なシステム(例示的なシステムアーキテクチャ)を示すブロック図である。
図2】いくつかの実施形態による、モデルのためのデータセットを生成するのに使用される例示的なデータセット生成器のブロック図である。
図3】いくつかの実施形態による、出力データ(例えば予測データ)を生成するためのシステムを示すブロック図である。
図4A-4F】いくつかの実施形態による、予測データの生成に関連した、是正処置を実行させる方法の流れ図である。
図5】いくつかの実施形態による、保守プロセスを改良するシステムの動作を示す図である。
図6】いくつかの実施形態による、コンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書には、製造機器に関連した保守プロセスの段階を開始および検証するためのシステムを対象とする技術が記載されている。製造機器は、半導体ウエハなどの基板を処理するために使用される。これらの基板の特性は、基板が処理された条件によって制御される。製造機器のさまざまな構成要素が、基板の一貫した処理に寄与する。基板処理(例えばいくつかの基板の処理、基板処理にかかる時間など)の結果、製造機器の構成要素が摩耗する。一貫した基板の生産を維持するため、摩耗した構成要素は定期的に保守されることがある。いくつかの実施形態では、最後の保守事象以降の、ウエハを処理するために製造機器が使用された時間、製造機器が生産に従事していた時間または他の同種のものに基づいて、保守が開始されることがある。いくつかの実施形態では、処理されたウエハの数、機器性能を指示するセンサデータ、完成した基板の計測データなどに基づいて、保守が開始されることがある。
【0010】
いくつかのケースでは、例えば、少数の構成要素を保守する場合、保守する構成要素に容易にアクセス可能である場合などに、保守プロセスが迅速に実行されることがある。いくつかのケースでは、保守プロセスが、製造機器の多くの構成要素に関連した多くの保守段階を含む大規模なものになることがある。いくつかのケースでは、保守プロセスが満足のいくように実行されたこと(あるいは特定の1つもしくは複数の段階またはプロセスが満足のいくように実行されたこと)の検証が制限されることがある。一例では、保守プロセスが、基板を真空下で処理するのに使用した製造チャンバをベントすること(このことが、洗浄手順、パージ手順を実行すること、加熱装置および冷却装置などの構成要素の電源をオフにすることなどを含むことがある)、さまざまな構成要素(例えばプロセスキット、チャンバライナ、リフトピン、チャッキングアセンブリ、バルブ、アクチュエータ、窓、センサなど)を取り外し、かつ/またはそれらのさまざまな構成要素に対して保守を実行すること、およびチャンバを再組み立てすることを含むことがある。保守プロセスが満足のいくように実行されたこと(例えば、保守を実行した結果が仕様を満たす機器であったこと)の検証が、チャンバが再組み立てされるまで実行されないことがある。次いで、チャンバが再び真空まで適正にポンプ減圧されること、チャンバのシーズニングが適正に進むこと、許容可能な基板が生産されることなどを、センサが検証することがある。
【0011】
いくつかのケースでは、保守事象後に(例えば保守プロセスの段階が完了した後に)、製造機器が認定試験(qualification test)に合格しない(例えば、製造または処理チャンバが性能メトリック(metric)を満たしていないことが判明する)ことがある。いくつかのケースでは、認定試験に不合格となった後、製造機器は、機器を動作可能な状態(例えば性能メトリックを満たす状態)に戻すために、予定外の休止期間、ことによるとトラブルシューティング、追加の保守などを含む予定外の休止期間に入る。保守プロセスの開始から、保守プロセスの実行は満足のいくものではなかったことの検証を受け取るまでの間に、多くの構成要素に調整、洗浄、交換、保守などが実施されることがある。製造機器が性能メトリックを満たしていないことの原因がどの1つまたは複数の構成要素にあるのか、どの保守段階を繰り返すべきかなどを予測することが難しいことがある。製造プロセス中に導入された問題を是正するために、保守段階を繰り返すことが選択されることがあり、または保守プロセスの全体が繰り返されることもある。このような手法は、機器(例えば製造チャンバ)を動作可能な状態に戻すための実験を含む。実験には、費やされる時間、使用される材料、労働などに関するコストがかかる。さらに、延長された保守事象後に、製造機器が認定試験に再び不合格となることがあり、その場合には、例えば、休止時間がさらに増大し、生産性が低下し、材料が無駄になることがある。これらの問題をさらに悪化させると、製造機器を認定するためのくつかのメトリック(例えば、基板製造チャンバ内で生産された基板の計測値)が保守プロセスの成功を直接に指示しないことがあり(例えば、保守が正しく実行されているにもかかわらず、特定の基板が、実行メトリックを満たさないことがあり)、このようなメトリックを使用して製造機器を認定することは、認定試験が偽陰性であることにより、不必要な休止時間につながりうる。
【0012】
本開示の方法およびデバイスは、従来の手法のこれらの欠陥のうちの少なくともいくつかの欠陥に対処する。本開示は、保守プロセスの段階または操作の成功または失敗の段階ごとの検証を提供するシステムの使用を可能にする。いくつかの実施形態では、本開示のシステムがサーバを含む。いくつかの実施形態では、このシステムがさらにユーザデバイスを含む。いくつかの実施形態では、このシステムがさらに、製造機器(例えば基板処理チャンバ)に関連したセンサ、および接続されたスマート器具を含む。このシステムは、保守プロセスの第1の保守段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供するように構成されていてもよい。このシステムはさらに、保守段階の実行を指示する情報をサーバに提供するように構成されていてもよい。このシステムはさらに、保守段階が満足のいくように実行されたかどうかを判定するように構成されていてもよい。このシステムはさらに、保守段階の実行の質を指示する検証通知をユーザデバイスに提供するように構成されていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、保守段階が満足のいくように実行されたことを検証することが、処理デバイスが受け取ったデータ値を閾値と比較すること(例えば、チャンバが十分な真空を達成することができることを保証するために、圧力センサ値を閾値と比較すること)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、保守段階が満足のいくように実行されたことを検証することが、保守段階の実行に由来するデータを物理的現象に基づくモデル(physics-based model)に提供すること(例えば、マスフローコントローラの動作をマスフローコントローラのデジタルツインの動作と比較すること)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、保守段階が正しく実行されたことを検証することが、保守段階の実行に由来するデータを訓練された機械学習モデルに提供することを含んでいてもよい(例えば、静電チャックなどの、保守段階中に洗浄された構成要素のピクチャを、処理のために、訓練された機械学習モデルに提供してもよく、部品が正しく置かれたかどうか、または締め具が適正に使用されたかどうかを判定するために画像を処理してもよい)。いくつかの実施形態では、ユーザデバイスが、保守段階の満足のいく実行の検証に関連した情報をユーザに対して表示するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザデバイスがさらに、検証データを考慮して、提案された処置をユーザに対して表示するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザデバイスがさらに、1つまたは複数の保守段階または操作が正しく実行されたかどうかを判定する目的に使用可能な情報を集める(例えば製造機器の画像を生成する)ように構成されていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、本開示の方法はさらに、サーバによって、製造機器の保守プロセスを開始することを含む。この方法はさらに、保守プロセスの第1の保守段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供することを含む。この方法はさらに、第1の保守段階の第1の実行に由来するデータを(例えばサーバコンピューティングデバイスまたはコントローラにおいて)受け取ることを含む。この方法はさらに、第1の保守段階の第1の実行は満足のいくものではなかったと判定することを含む。この方法はさらに、実行する是正処置の指示を表示することをユーザデバイスに実行させることを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、本開示の方法はさらに、ユーザデバイスによって、保守プロセスの第1の保守段階を実行することを指示する命令を受け取ることを含む。この方法はさらに、第1の保守段階の第1の実行に由来するデータをサーバに提供することを含む。この方法はさらに、サーバから、第1の保守段階の実行は満足のいくものではなかったことを指示する検証データを受け取ることを含む。この方法はさらに、この検証データを考慮して是正処置を実行させることを含む。
【0016】
本開示の諸態様の結果、従来の方法に優る技術的利点が得られる。保守プロセスの1つの段階後に保守の質を検証することは、認定テキストに不合格の場合または検証に失敗した場合にダブルチェックする構成要素の数、保守操作の数などを抑制する。さらに、蓄積された知識がサーバに格納されていることがあり、適切な是正処置がユーザデバイスを介してユーザに提供されることがある。このことは、失敗した保守段階のトラブルシューティングの精度および効率を増大させる。
【0017】
図1は、ある種の実施形態による例示的なシステム100(例示的なシステムアーキテクチャ)を示すブロック図である。システム100は、ユーザデバイス120、製造機器124、センサ126、計測機器128、接続された器具129、予測サーバ112およびデータストア140を含む。予測サーバ112は、予測システム110の部分であってもよい。予測システム110はサーバマシン170および180をさらに含んでいてもよい。
【0018】
センサ126(例えば製造機器124に関連したセンサ)は、(例えば製造機器124に関連した条件、例えば保守事象の1つの段階中の製造機器124に関連した条件を指示する)製造機器124に関連したセンサデータ142を提供してもよい。センサデータ142はさらに、生産中、認定試験中など、保守事象以外の時間中にセンサによって記録されたデータを含んでいてもよい。センサデータ142はさらに、製造機器124に関連していないセンサからのデータを含んでいてもよい。接続された器具129(接続されたツールとも呼ぶ)が、センサデータ142に含まれるデータを生成してもよい。接続された器具129は、有線または無線接続を介してユーザデバイス120および/またはサーバマシン170に接続されたツールであってもよい。一実施形態では、接続された器具129が電源を含んでいてもよく、また、接続された器具129をユーザデバイス120および/またはサーバマシン170に、Bluetooth接続、Wi-Fi接続、Zigbee接続などの無線接続を介して接続する無線モジュールを含んでいてもよい。例えば、接続されたトルクレンチが、接続されたトルクレンチ内のセンサからの情報であって、その接続されたトルクレンチが1つの構成要素を締め付けたトルクを指示する情報を提供してもよく、接続されたねじ回しが、その接続されたねじ回しがねじを何回転させたかを指示する情報を提供してもよく、他の同種のものを提供してもよい。さらに、センサデータ142に含まれるデータをユーザデバイス120が生成してもよい。例えば、ユーザデバイス120は、画像またはビデオデータを生成する目的に使用可能なカメラを含んでいてもよく、画像またはビデオデータがセンサデータ142に含まれていてもよい。センサデータ142は例えば、機器の健全性および/または製品の健全性(例えば製品の質)を判定するために使用されてもよい。製造機器124は、レシピに従って、または1つの期間にわたってランを実行して、製品を生産してもよい。いくつかの実施形態では、センサデータ142が、温度(例えば加熱装置の温度)、間隔(SP)、圧力、高周波無線周波数(HFRF)、静電チャック(ESC)の電圧、電流、流量(例えば1種または数種のガスの流量)、電力、電圧などのうちの1つまたは複数の値を含んでいてもよい。センサデータ142は、履歴センサデータ144およびカレントセンサデータ146を含んでいてもよい。
【0019】
製造機器124は、保守データ150に基づく保守事象用に構成されていてもよい。保守データ150は、ハードウェアパラメータ(例えば製造機器124の設定もしく構成要素(例えばサイズ、タイプなど))ならびに/または製造機器のプロセスパラメータ(例えばガス流量、圧力、加熱装置および冷却装置のコントローラなど)など、保守段階のためのパラメータに関連したものであってもよく、あるいは保守段階のためのパラメータを指示するものであってもよい。保守データ150はさらに、保守プロセスのさまざまな保守段階または操作のための命令を含んでいてもよい。命令は、文書形式の記述、画像、ビデオ、音、製造機器124のパラメータを制御する手段などを含んでいてもよい。保守データ150は、保守段階を実行するためのプロセスレシピを含んでいてもよい。保守データは、保守事象、プロセス、段階、操作などの成功を指示するスコアを割り当てるためのメトリックを含んでいてもよい。保守データ150は、保守事象、プロセス、段階、操作などの検証、認定などに失敗した場合に実行する命令を含んでいてもよい。命令は、保守のためのいくつかのパラメータに従って製造機器124が構成されるようにするために(例えばユーザデバイス120を介して)ユーザに提供する命令または製造機器124に直接に提供する命令を含んでいてもよい。保守データ150は、履歴保守データ152および/またはカレント保守データ154を含んでいてもよい。保守データ150は、保守プロセスのある部分のための製造デバイスに対する入力設定(例えば加熱装置の電力、ガスの流量など)を指示するものであってもよい。センサデータ142は、製造機器124に関連した保守が実行されている間に提供されたもの(例えば保守プロセスが実行されているときの機器の読み)であってもよい。センサデータ142は保守事象ごとに異なっていてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、センサデータ142が(例えばユーザデバイス120、予測サーバ112、サーバマシン170などによって)処理されてもよい。センサデータ142の処理は、センサデータ142の特徴を生成または決定することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、この特徴が、センサデータ142のパターン(例えば傾き、幅、高さ、ピークなど)、またはセンサデータ142からの値の組合せ(例えば電圧と電流から導き出された電力など)である。センサデータ142は特徴を含んでいてもよく、その特徴は、信号処理を実行するためおよび/または予測データ168を取得するために、ことによると是正処置を実行するために、予測構成要素116によって使用されてもよい。是正処置は、ユーザに警報を出すこと、ユーザに保守命令(例えば1つまたは複数の保守操作を実行する命令、保守操作を繰り返す命令など)を提供すること、プロセスレシピ(例えば保守プロセスレシピ)を更新することなどを含んでいてもよい。
【0021】
センサデータ142のそれぞれの実例(例えばセット)は、特定の保守事象(例えば製造機器124のいくつかの保守段階を含む保守プロセスの実行)、保守のタイプ(例えば製造機器124の特定のセット、チャンバのタイプ、設定された保守段階を含むプロセスなど)、または他の同種のものに対応してもよい。保守データ150は、同様の特性を有するセットを含んでいてもよい。
【0022】
データストア140は、計測機器128を使用して集められた計測データ169であって、製造機器124を使用して処理された製品に関連した計測データ169を含んでいてもよい。計測データ169は、センサデータ142および保守データ150と同様の特性を有するセットを含んでいてもよい。データストア140は、異なるデータセットを関連付ける情報を格納していてもよい。例えば、複数のデータセットが同じ製品に対応することを指示するデータ(例えば、製品の測定値を表す計測データ169、製品を処理するのに使用した製造機器を含む保守事象に関するセンサデータ142など)が格納されていてもよい。
【0023】
ユーザデバイス120、製造機器124、センサ126、計測機器128、接続された器具129、予測サーバ112、データストア140、サーバマシン170およびサーバマシン180は、予測データ168を生成するために、任意選択で是正処置を実行するためにネットワーク130を介して互いに結合されていてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、ネットワーク130が、予測サーバ112、データストア140および/または他の公衆コンピューティングデバイスへのアクセスをユーザデバイス120に提供する公衆ネットワークである。いくつかの実施形態では、ネットワーク130が、製造機器124、センサ126、計測機器128、接続された器具129、データストア140および/または他の専用コンピューティングデバイスへのアクセスをユーザデバイス120に提供する専用ネットワークである。ネットワーク130は、1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク(例えばEthernetネットワーク)、無線ネットワーク(例えば802.11ネットワークまたはWi-Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(例えばロングタームエボルーション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティングネットワークおよび/またはこれらの組合せを含んでいてもよい。
【0025】
ユーザデバイス120は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続されたテレビジョン(「スマートTV」)、ネットワーク接続されたメディアプレーヤ(例えばBlu-rayプレーヤ)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OTT)ストリーミングデバイス、オペレータボックス、ウェアラブルコンピューティングデバイス、拡張/仮想現実デバイスなどのコンピューティングデバイスを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス120が、ラップトップ、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはネットブックコンピュータなどのモバイルコンピューティングデバイスである。ユーザデバイス120は、1つまたは複数のタイプのセンサデータを集めてもよく(例えば、1つまたは複数の保守操作の後にプロセスチャンバの部分の画像を生成してもよく)、それらのセンサデータを処理のために予測サーバ112に送ってもよい。ユーザデバイスは、それに加えて、またはその代わりに、保守段階もしくは操作が成功であった)例えば保守段階に関連したセンサデータが保守判定基準を満たした)のか、または不成功であった(例えば保守段階に関連したセンサデータが保守判定基準を満たさなかった)のかを指示する情報をサーバマシン170および/または予測サーバ112から受け取ってもよい。
【0026】
ユーザデバイス120は、是正処置構成要素122を含んでいてもよい。是正処置構成要素122は、製造機器124の保守操作に関するユーザ入力を(例えば、ユーザデバイス120を介して表示されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)、ユーザデバイス120の音声制御などを介して)受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザが、ユーザデバイス120のカメラを利用して、保守操作に関連した構成要素の画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、ユーザが、テキスト入力、音声入力、多選択肢選択などを介して保守操作の記述を提供してもよい。いくつかの実施形態では、是正処置構成要素122が、保守操作に関するデータを予測システム110に送信し、予測システム110から出力(例えば予測データ168)を受信する。いくつかの実施形態では、是正処置構成要素122が、この出力に基づいて是正処置を決定し、その是正処置を実施させる。この是正処置は、ユーザに警報を出すこと、デバイス(例えばユーザデバイス120、製造機器124のデバイスなど)に命令を提供すること、プロセスレシピ(例えば保守プロセスレシピ)を更新することなどを含んでいてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、予測システム110がさらに予測構成要素116を含んでいてもよい。予測構成要素116は、データストア140、ユーザデバイス120などから取り出されたデータ(例えばセンサデータ142)を利用して、予測データ168を生成してもよい。予測データ168は、機器の保守に関連したセンサデータ142を考慮した、機器、構成要素などの実行の予測された指示を含んでいてもよい。予測データ168は、保守段階、操作、プロセスなどの成功の指示を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、予測構成要素116がユーザデバイス120に予測データ168を提供し、ユーザデバイス120が、予測データ168を考慮して是正処置を是正処置構成要素122を介して実行させる。例えば、是正処置構成要素122は、保守操作に関するセンサデータ142に基づいてユーザデバイス120を介してユーザに保守命令を提供してもよい。いくつかの実施形態では、是正処置構成要素122が、製造機器124に関連したセンサデータ142(例えばカレントセンサデータ146)を(例えばデータストア140などから)取得し、製造機器124に関連したセンサデータ142(例えばカレントセンサデータ146)を予測システム110に提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、是正処置構成要素122がセンサデータ142をデータストア140に格納し、予測サーバ112がデータストア140からセンサデータ142を取り出す。いくつかの実施形態では、予測サーバ112が、訓練された機械学習モデル190の出力をデータストア140に格納してもよく、ユーザデバイス120がこの出力をデータストア140から取り出してもよい。いくつかの実施形態では、是正処置構成要素122が予測システム110から是正処置の指示を受け取り、是正処置を実施させる。それぞれのユーザデバイス120は、データ(例えば製造機器124に関連した指示、製造機器124に関連した是正処置など)を生成、調査または編集することのうちの1つまたは複数をユーザが実行することを可能にするオペレーティングシステムを含んでいてもよい。ユーザデバイス120はさらに、画像またはビデオデータ、いくつかの実施形態では予測構成要素116に供給する画像またはビデオデータを生成するための構成要素を含んでいてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、予測システム110が、保守事象の保守操作に関連したデータを受け取ってもよい。予測システム110は、その保守操作に関する検証プロセスの結果を指示する検証データ164を生成してもよい。検証データ164は、保守操作の合格/不合格の指示、グレードまたはスコアなどを含んでいてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、計測データ169が、製品(例えば、製造機器を使用して生産され、センサによってセンサデータ142として記録された保守データ150に従って保守された製品)の履歴特性データに対応し、予測データ168が、予測された特性データ(例えば製造機器124によって生産される製品または製造機器124によって生産された製品の予測された特性データ)に関連している。いくつかの実施形態では、予測データ168が、製造機器124を使用して生産される製品もしくは製造機器124を使用して生産された製品の予測された計測データ(例えば仮想計測データ)であり、またはそのような予測された計測データを含む。いくつかの実施形態では、予測データ168が、異常(例えば異常な製品、異常な構成要素、異常な製造機器、異常なエネルギー使用量など)の指示および/またはそれらの異常の1つもしくは複数の原因の指示であり、あるいはそれらの指示を含む。いくつかの実施形態では、予測データ168が、製造機器124、センサ126、計測機器128または他の同種のもののいくつかの構成要素の時間変化またはドリフトの指示を含む。いくつかの実施形態では、予測データ168が、製造機器124、センサ126、計測機器128または他の同種のものの構成要素の寿命の終わりの指示を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、予測データ168が、保守プロセスの保守段階の実行が満足のいくように実行されたか否かの指示、例えば、保守プロセスの結果、製造機器124が認定試験に合格するか否かの指示、製造機器124を使用して処理された製品が保守プロセスの実行後に性能標準を満たすか否かの指示などを含む。
【0032】
性能標準を満たさない機器に帰着する保守事象は、時間、エネルギー、材料、構成要素、欠陥を識別するコストおよび廃棄された欠陥製品などにおいてコスト高となりうる。センサデータ142を使用して、保守プロセスの段階または操作、保守プロセスの全体などの成功の予測を生成することにより、保守事象におけるエラーの分離および是正に関連したコストが大幅に低減することがある。システム100は、失敗した保守事象に関連したトラブルシューティングに関連したコストを回避しかつ/または低減させるという技術的利点を提供することがある。
【0033】
製造機器124の構成要素の故障に帰着する保守プロセスを実行することは、休止時間、製品に対する損傷、機器に対する損傷、急遽発注する交換構成要素などにおいてコスト高となりうる。センサデータ142(例えば保守事象の実行に関連したデータ)を予測構成要素116に入力し、予測構成要素116によって出力された予測データ168の出力を受け取り、出力された予測データ168に基づく処置をとることにより、保守プロセスが完了する前に保守操作を評価してもよい。個々の保守操作のこのような個別評価は、保守プロセスの実行に関する情報の粒度を増大させることができ、保守プロセスに関連した休止時間を短縮することができる。予測データ168を使用して、是正処置(例えば、構成要素の交換、処理、洗浄などの予測された運用上の動作保守)を予測データ168に基づいて実行することもできる。システム100は、構成要素の予期しない故障、予定外の休止時間、生産性の損失、機器の予期しない故障、製品廃棄または他の同種のもののうちの1つまたは複数のコストを回避するという技術的利点を有しうる。さらに、実施形態では、(予測データ168として記録された)ドリフトしているまたは故障している構成要素を診断するために、予測構成要素116が、同じチャンバからの予測データセットを経時的に比較してもよい。構成要素の性能、例えば製造機器124、センサ126、計測機器128および他の同種のものの性能を経時的に監視して、劣化している構成要素の指示を提供してもよい。
【0034】
最適とは言えない保守手順の実行の結果、製造機器が、性能目標に達していない製品を生産することがある。このような最適とは言えない保守手順は、リソース(例えばエネルギー、冷却剤、ガスなど)消費の増大、製品を生産する時間の増大、構成要素故障の増大、欠陥製品量の増大などのコストのかかる結果を有することがある。センサデータ142を、(例えば訓練された機械学習モデル190を含んでいてもよい)予測構成要素116に入力し、予測データ168の出力を受け取り、予測データ168に基づく是正処置を(例えば予測データ168に基づいて)実行することによって、システム100は1つまたは複数の是正処置を実行してもよい。システム100によって実行される是正処置は、ユーザに警報を出すこと、ユーザに保守命令を提供すること、プロセスレシピを更新すること、追加の保守をスケジュールに入れることなどを含んでいてもよい。
【0035】
一例では、是正処置が、予測データ168に基づいて製造パラメータを更新すること(例えば最適な製造パラメータを設定すること)を含んでいてもよい。保守後の製造機器の状態に従って製造パラメータを更新することによって、システム100は、最適な製造パラメータ(例えばハードウェアパラメータ、プロセスパラメータ)を使用して、最適とは言えない製造パラメータのコストがかかる結果を回避するという技術的利点を有することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、是正処置が警報(例えば、予測データ168が、製品、構成要素または製造機器124の異常などの予測された異常を指示している場合に、保守プロセスの1つまたは複数の追加の段階または操作を停止するように、または実行しないように警告する警告)を出すことを含む。一実施形態では、是正処置が、以前に実行した保守操作を繰り返すことを含む。一実施形態では、是正処置が、プロセスチャンバの構成要素を交換することを含む。いくつかの実施形態では、是正処置が、フィードバック制御(例えば、予測データ168が異常を指示していることに応答して製造パラメータを変更するフィードバック制御)を提供することを含む。いくつかの実施形態では、是正処置が、訓練された機械学習モデルの出力を考慮して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、是正処置を実行することが、1つまたは複数の保守パラメータに対する更新を実行させることを含む。
【0037】
是正処置は、ハードウェア修正(例えば、構成要素を交換すること、ある種の構成要素を使用すること、処理チップを交換すること、ファームウェアを更新することなど)を実行するよう命じるユーザへの命令、保守パラメータ(例えば温度、圧力、流量、レート、電流、電圧、ガス流量、リフト速度など)の更新を製造機器に実行させる命令、接続された1つまたは複数の器具129の設定(例えばトルクの設定など)の更新、または他の同種のものを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、是正処置が、保守操作、製品処理操作などのレシピを更新することを含む。
【0038】
予測サーバ112、サーバマシン170およびサーバマシン180はそれぞれ、ラックマウントサーバ、ルータコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、グラフィクス処理ユニット(GPU)、アクセラレータ特定用途向け集積回路(ASIC)(例えばテンソル処理ユニット(TPU))などの1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含んでいてもよい。
【0039】
予測サーバ112は予測構成要素116を含んでいてもよい。予測構成要素116は、予測データ168を生成するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、予測データ168が、保守プロセスの保守段階の成功または失敗の指示を含む。いくつかの実施形態では、予測データ168が、製造機器124の構成要素の老化、劣化などの指示を含む。いくつかの実施形態では、製品の特性を予測するために、予測構成要素116が、製造機器124を使用した製品の処理中に記録されたセンサデータを組み込んでもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、予測構成要素116が、(デジタルツインなどの訓練された機械学習モデルおよび/または物理的現象に基づくモデルであってもよい)1つまたは複数のモデル190を含み、訓練されたモデル190にセンサデータ142が提供される。続く議論ではしばしば単一のモデルに言及し、図1には単一のモデルが示されているが、モデル190は、多くの別個のモデル、モデルの集合体などであってもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、検証が判定されるそれぞれの保守段階がそれ自体の検証モデルを有する。モデル190は、保守プロセスの保守段階の成功の検証を指示するデータを(例えば検証データ164または予測データ168として)出力するように訓練されていてもよい。モデル190は、サポートベクターマシン(SVM)、放射基底関数(RBF)、クラスタ化、教師あり機械学習、半教師あり機械学習、教師なし機械学習、k近傍法アルゴリズム(k-NN)、直線回帰、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク(例えば人工ニューラルネットワーク)などのうちの1つまたは複数を使用するものであってもよい。いくつかの実施形態では、モデル190が、保守段階の実行を指示するセンサデータを入力として受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、これが、製造機器124に関連したセンサ126からのセンサデータ142、例えば、製造チャンバがベントされたときまたは真空にポンプ減圧されたときの1つまたは複数の圧力センサの追跡データを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、モデル190の入力が、画像処理機械学習モデル190によって処理する、ユーザデバイス120に関連したセンサからのセンサデータ142、例えばビデオまたは画像データ、例えば再組み立てされた部品または洗浄された部分の画像を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、モデル190に入力として提供されたセンサデータ142が、スマートツールなどの接続された器具129からのセンサデータ142を含んでいてもよい。モデル190は、入力データを考慮して保守段階の成功または失敗の指示を提供するように訓練されていてもよい。成功または失敗の指示は、合格/不合格、グレード、スコアまたはレーティングまたは他の同種のものの形態をとってもよい。スコアは、その保守段階を実行した結果、保守機器が1つまたは複数の認定基準を満たす可能性、保守機器が、1つまたは複数の性能メトリックを満たす製品を生産する可能性などの可能性を指示してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、モデル190が、物理的現象に基づく1つまたは複数のモデルを含んでいてもよい。例えば、マスフローコントローラの保守、設置などの成功または失敗の判定は、コントローラに関連したセンサデータを物理的現象に基づくデジタルツインモデルに提供することを含んでいてもよい。機械学習モデルに関して上で論じた特徴の多くは、物理的現象に基づくモデルに、例えば、モデルの数、入力データの性質、入力データの供給源、物理的現象に基づくモデルのターゲット出力などに当てはまることがある。いくつかの実施形態では、検証データ164が、単一のセンサ値(または複数のセンサ値)と1つまたは複数の閾値との間の比較(例えば、少なくとも1つのセンサ値が少なくとも1つの閾値基準を満たしていることを見出したこと、少なくとも1つのセンサ値が少なくとも1つの閾値基準を満たしていないことを見出したことなど)を考慮して生成されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、検証データ164を考慮して処置が実行されてもよい。処置を実行することを命じる命令の生成は、検証データ164(例えば合格、不合格、グレードまたはスコアなど)に依存してもよい。いくつかの実施形態では、保守段階が満足のいくように実行された(例えば、実行の合格を検証データが指示している)と判定した後に、例えば、次の保守段階または保守操作に進むよう命じる命令を製造機器124に提供してもよく、次の保守段階のための命令(これらの命令は、保守データ150としてデータストア140に格納されていたものであってもよい)をユーザに対して表示するようユーザデバイス120に命令してもよい。それに加えて、またはその代わりに、予測サーバ112が、(例えば1つまたは複数の以前の保守操作を再び実行する)是正処置を指示する命令を提供してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、保守段階の実行が検証に合格しなかったことを検証データ164が指示していることを考慮して、処置が実行されてもよい。予測サーバ112は、1つの保守段階(または保守段階の部分、複数の保守段階など)を繰り返すよう命じる命令を製造機器124に提供してもよく、トラブルシューティング、その保守段階の再開などに関する命令をユーザに提示することをユーザデバイス120に実行させてもよい。
【0044】
製造機器124の構成要素のドリフト、変化、老化などを検出するために、履歴センサデータ144を、カレントセンサデータ146および製造データ150と組み合わせて使用してもよい。予測構成要素116は、これらのデータタイプの組合せおよび比較を使用して、予測データ168を生成してもよい。いくつかの実施形態では、予測データ168が、製造機器124、センサ126などの構成要素の寿命を予測するデータを含む。いくつかの実施形態では、予測データ168が、ある1つまたは複数の構成要素の性能の変化を反映するための保守プロセスに対する更新を含んでいてもよい。
【0045】
保守段階の検証を提供することは、他の技術にはない技術的利点を提供する。保守プロセスのさまざまな段階が検証標準を満たすことを保証することによって、故障時に調査(例えばトラブルシューティング)する動作の範囲が大幅に狭くなることがあり、その結果、より速いグリーン-グリーンタイム(例えばより短い保守事象)、より高い初回通過速度(例えば、その結果として製造機器124が認定試験に合格する保守プロセスのより高い百分率)などにつながることがある。ユーザデバイス120とサーバ(例えば予測サーバ112)との間の多数の通信事象は、蓄積された保守知識を適当な時期にユーザ(例えば技術者)に直接に提供することを可能にする。このことは、保守プロセスが円滑に進む場合とそうでない場合の両方において詳細な命令をユーザに供給する能力を可能にすることにより、質の高い保守作業を容易にする。予測サーバ112は、異なる保守段階(例えば保守プロセスの異なる部分、異なる機器の保守など)に由来するセンサデータ142を別々に取り扱うように構成されていてもよい。それぞれの段階に由来するデータの使用は、(例えば、異なるモデルにデータを提供すること、センサデータ142の特定のサブセットを使用すること、センサデータと比較するように閾値を調整することなどにより)その段階に対する質の高い検証(例えば正確な予測)を生成するように調整されてもよい。さらに、より強力な予測データ168、より影響の大きい是正処置データ166などを生成するため、予測サーバ112および/またはモデル190を経時的に更新してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、予測構成要素114がカレントセンサデータ146を受け取り、データのパターンを抽出すること、またはデータを結合して新たな複合データにすることなどの前処理を実行してもよい。次いで予測構成要素116は、そのデータを入力としてモデル190に提供してもよい。予測構成要素116は、モデル190から、保守プロセスの保守段階の実行の成功または失敗の指示を受け取ってもよい。次いで、予測構成要素116は、是正処置データ166を生成してもよく、または失敗した保守段階の検出に応答して是正処置を実行させてもよい。是正処置は、ユーザデバイス120に警報を送ることを含んでいてもよい。是正処置はさらに、製造機器124の保守パラメータを更新することを含んでいてもよい。是正処置はさらに、チャンバまたは器具のドリフト、老化または故障を指示する予測データ168を生成することを含んでいてもよい。
【0047】
データストア140は、メモリ(例えばランダムアクセスメモリ)、ドライブ(例えばハードドライブ、フラッシュドライブ)、データベースシステム、またはデータを格納することができる別のタイプの構成要素もしくはデバイスであってもよい。データストア140は、複数のコンピューティングデバイス(例えば複数のサーバコンピュータ)にまたがって存在していてもよい複数のストレージ構成要素(例えば複数のドライブまたは複数のデータベース)を含んでいてもよい。データストア140は、センサデータ142、保守データ150、検証データ164、是正処置データ166、予測データ168および計測データ169を格納してもよい。センサデータ142は、履歴センサデータ144およびカレントセンサデータ146を含んでいてもよい。センサデータは、保守プロセスの持続時間の全体にわたるセンサデータの時間追跡、データと物理センサとの関連、平均および複合データなどの前処理されたデータ、ならびにセンサ性能を経時的に(すなわち多くの保守プロセスにわたって)指示するデータを含んでいてもよい。計測データ169も同様の特徴を含んでいてもよい。保守データ150は、履歴保守データ152およびカレント保守データ154を含んでいてもよい。保守データは、保守プロセスレシピ、保守プロセスに関する機器、ツール、器具、ユーザなどに対する命令、保守プロセス、保守段階などをレーティングするためのメトリック、または他の同種のものを含んでいてもよい。履歴センサデータ144および履歴保守データ152は、履歴データ(例えば、少なくとも、機械学習モデル190および/または物理的現象に基づくモデル190を訓練するための部分)であってもよい。カレントセンサデータ146は、(例えば是正処置を実行するために)それに対して検証データ164を生成するカレントデータ(例えば、少なくとも、履歴データに続いてモデル190に入力する部分)であってもよい。計測データ169は、生産された基板の計測データ、ならびにそれらの製品に対応するセンサデータ、製造データおよびモデルデータであってもよい。追加の基板を生産するためのプロセスを設計するために計測データ169を利用してもよい。予測データ168は、保守段階、プロセスなどの成功または失敗の予測を含んでいてもよい。予測データ168は、どの計測データが一組の入力パラメータに由来するものであるのかの予測を含んでいてもよい。予測データ168はさらに、経時的に老化および故障しているシステム100の構成要素を指示するデータを含んでいてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、予測システム110がさらに、サーバマシン170およびサーバマシン180を含む。サーバマシン170は、モデル190を訓練、確認および/または試験するためのデータセット(例えばデータ入力のセットおよびターゲット出力のセット)を生成することができるデータセット生成器172を含む。データセット生成器172のいくつかの動作は図2および4Aに関して下で詳細に説明される。いくつかの実施形態では、データセット生成器172が、履歴データ(例えば履歴センサデータ144、履歴保守データ152)および性能データ(例えば、計測データ169、履歴センサにまたは保守データに関連した是正処置の是正処置データ166など)を、訓練セット(例えばデータの60パーセント)、確認セット(例えばデータの20パーセント)および試験セット(例えばデータの20パーセント)に分割してもよい。いくつかの実施形態では、予測システム110が、特徴の複数のセットを(例えば予測構成要素116を介して)生成する。例えば、特徴の第1のセットは、データセット(例えば訓練セット、確認セットおよび試験セット)の各々に対応する(例えばセンサの第1のセット、センサの第1のセットからの値の第1の組合せ、センサの第1のセットからの値の第1のパターンからの)センサデータのタイプの第1のセットに対応していてもよく、特徴の第2のセットは、データセットの各々に対応する(例えば、センサの第1のセットとは異なるセンサの第2のセット、第1の組合せとは異なる値の第2の組合せ、第1のパターンとは異なる第2のパターンからの)センサデータのタイプの第2のセットに対応していてもよい。
【0049】
サーバマシン180は、訓練エンジン182、確認エンジン184、選択エンジン185および/または試験エンジン186を含む。エンジン(例えば訓練エンジン182、確認エンジン184、選択エンジン185および試験エンジン186)は、ハードウェア(例えば回路、専用論理回路、プログラム可能な論理回路、マイクロコード、処理デバイスなど)、ソフトウェア(例えば処理デバイス、汎用コンピュータシステムもしくは専用マシン上で実行される命令)、ファームウェア、マイクロコードまたはこれらの組合せのことを指していることがある。訓練エンジン182は、データセット生成器172からの訓練セットに関連した特徴の1つまたは複数のセットを使用してモデル190を訓練することができるものであってもよい。訓練エンジン182は、訓練された複数のモデル190を生成してもよく、その場合、それぞれの訓練されたモデル190は、訓練セットの特徴の異なるセット(例えばセンサの異なるセットからのセンサデータ)に対応する。例えば、第1の訓練されたモデルは、全ての特徴(例えばX1~X5)を使用して訓練されたものであってもよく、第2の訓練されたモデルは、特徴の第1のサブセット(例えばX1、X2、X4)を使用して訓練されたものであってもよく、第3の訓練されたモデルは、特徴の第2のサブセット(例えばX1、X3、X4およびX5)を使用して訓練されたものでもよく、特徴の第2のサブセットは、特徴の第1のサブセットと部分的に重なっていてもよい。データセット生成器172は、訓練されたモデル(例えば190)の出力を受け取り、そのデータを集めて訓練、確認および試験データセットとし、それらのデータセットを使用して第2のモデルを訓練してもよい。
【0050】
確認エンジン184は、データセット生成器172からの確認セットの特徴の対応するセットを使用して、訓練されたモデル190を確認することができるものであってもよい。例えば、訓練セットの特徴の第1のセットを使用して訓練された第1の訓練されたモデル190は、確認セットの特徴の第1のセットを使用して確認されてもよい。確認エンジン184は、訓練されたモデル190の各々の精度を、確認セットの特徴の対応するセットに基づいて決定してもよい。確認エンジン184は、閾値精度を満たしていない精度を有する訓練されたモデル190を捨ててもよい。いくつかの実施形態では、選択エンジン185が、閾値精度を満たしている精度を有する1つまたは複数の訓練されたモデル190を選択することができてもよい。いくつかの実施形態では、選択エンジン185が、訓練されたモデル190のうち最も高い精度を有する訓練されたモデル190を選択することができてもよい。
【0051】
試験エンジン186は、データセット生成器172からの試験セットの特徴の対応するセットを使用して、訓練されたモデル190を試験することができるものであってもよい。例えば、訓練セットの特徴の第1のセットを使用して訓練された第1の訓練されたモデル190は、試験セットの特徴の第1のセットを使用して試験されてもよい。試験エンジン186は、試験セットに基づいて、訓練されたモデルの全てのモデルのうち最も高い精度を有する訓練されたモデル190を決定してもよい。
【0052】
機械学習モデルの場合には、モデル190が、データ入力および対応するターゲット出力(対応するそれぞれの訓練入力に対する正しい回答)を含む訓練セットを使用して訓練エンジン182によって生成されたモデルアーチファクトのことを指すことがある。データ入力をターゲット出力(正しい回答)にマップするデータセット中のパターンを見つけることができ、機械学習モデル190には、これらのパターンを捕らえるマッピングが提供される。物理的現象に基づくモデルの場合にはさらに、(例えば、モデルの不正確さ、製造機器124の構成要素の製作公差、構成要素の変動する性能、構成要素の老化などを考慮するために)訓練、確認、選択および/または試験が実行されてもよい。物理的現象に基づくモデルの場合には、モデル190が、ユーザによって生成されたものであってもよく、モデル190は、サーバマシン180の動作によって改良される。
【0053】
予測構成要素116は、モデル190(例えば訓練された機械学習モデル、物理的現象に基づくモデルなど)にカレントセンサデータ146を提供してもよく、入力に対してモデル190を実行して、1つまたは複数の出力を取得してもよい。予測構成要素116は、モデル190の出力から予測データ168を決定すること(例えば抽出すること)ができてもよく、その出力から、予測データ168が、製造機器124の保守のための入力データに関連したプロセス、カレントセンサデータ146に従って保守された製造機器124を使用して生産される製品、構成要素の寿命または老化の指示などの正確な予測子である信頼度を指示する信頼データを決定(例えば抽出)してもよい。予測構成要素116または是正処置構成要素122は、この信頼データを使用して、製造機器124に関連した是正処置を実行させるかどうかを予測データ168に基づいて決めてもよい。
【0054】
信頼データは、将来の性能、例えば製造機器124の将来の性能の正確な予測を予測データ168が指示する信頼度を含んでいてもよく、または指示していてもよい。一例として、予測データ168が、保守段階が正しく実行されなかったことを指示することがある。信頼データは、予測データ168が、入力データの少なくとも一部分に関連した保守段階の実行をレーティングするための正確な予測であることを指示することがある。一例では、信頼度が、0および1を含む0から1の間の実数であり、ここで、0は、予測データ168が正確な予測である信頼がないことを指示し、1は、予測データ168が保守段階の結果を正確に予測している絶対的な信頼を指示する。信頼データが、所定の数の実例(例えば実例の百分率、実例の頻度、実例の総数など)に対して閾値レベルよりも低い信頼度を指示していることに応答して、予測構成要素116は、モデル190を(例えばカレントセンサデータ146、カレント保守データ154などに基づいて)再訓練させてもよい。
【0055】
限定のためではなく例示の目的上、本開示の態様は、履歴データ(例えば履歴センサデータ144、履歴保守データ152)を使用して1つまたは複数のモデル190を訓練すること、および1つまたは複数の訓練されたモデル190にカレントデータ(例えばカレントセンサデータ146、カレント保守データ154)を入力して、予測データ168、検証データ164、是正処置データ166などを決定することを記述している。他の実施態様では、予測データを決定するのに、(例えば訓練された機械学習モデルを使用せずに)発見的モデルまたはルールに基づくモデルを使用する。予測構成要素116は、履歴センサデータ144、履歴保守データ152および計測データ169を監視してもよい。図2のデータ入力210に関して説明した情報のうちの任意の情報を発見的モデルまたはルールに基づくモデルで監視してもよく、または他のやり方で使用してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、ユーザデバイス120、予測サーバ112、サーバマシン170およびサーバマシン180の機能が、より少数のマシンによって提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、サーバマシン170と180が単一のマシンに統合されていてもよく、他のいくつかの実施形態では、サーバマシン170、サーバマシン180および予測サーバ112が単一のマシンに統合されていてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス120と予測サーバ112が単一のマシンに統合されていてもよい。
【0057】
一般に、1つの実施形態において、ユーザデバイス120、予測サーバ112、サーバマシン170およびサーバマシン180によって実行されると記述された機能が、他の実施形態では、適切な場合に、予測サーバ112上で実行されることもありうる。さらに、特定の構成要素によるものとされる機能が、一緒に動作している異なるまたは複数の構成要素によって実行されることもありうる。例えば、いくつかの実施形態では、予測サーバ112が、予測データ168に基づいて是正処置を決定してもよい。別の例では、ユーザデバイス120が、モデル190からの出力に基づいて予測データ168を決定してもよい。
【0058】
さらに、一緒に動作している異なるまたは複数の構成要素によって、特定の構成要素の機能を実行することができる。適切なアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を通して、他のシステムまたはデバイスに提供されたサービスとして、予測サーバ112、サーバマシン170またはサーバマシン180のうちの1つまたは複数にアクセスしてもよい。
【0059】
実施形態では、「ユーザ」が単一の個人として表現されることがある。しかしながら、本開示の他の実施形態は、「ユーザ」が、複数のユーザおよび/または自動化された源によって制御された実体であることを包含する。例えば、一群の管理者として統合された個々のユーザの集合を「ユーザ」とみなしてもよい。
【0060】
本開示の実施形態を、データの質の評価、特徴の増強、モデルの評価、仮想計測(VM)、予測保守(PdM)、限界最適化または他の同種のものに適用してもよい。
【0061】
本開示の実施形態は、製造設備(例えば半導体製造設備)において是正処置を実行するために予測データ168を生成することに関して論じられているが、実施形態は一般に、さらに、さまざまな段階で検証が実行されることがある段階的プロセスの改良された精度に対して適用されてもよい。
【0062】
図2は、ある種の実施形態による、モデル(例えば図1の機械学習モデル190、物理的現象に基づくモデル190など)のためのデータセットを生成するのに使用される例示的なデータセット生成器272(例えば図1のデータセット生成器172)のブロック図である。データセット生成器272は、図1のサーバマシン170の部分であってもよい。いくつかの実施形態では、図1のシステム100が複数のモデルを含む。このような場合、それぞれのモデルは、別個のデータセット生成器を有していてもよく、またはモデルがデータセット生成器を共有していてもよい。
【0063】
図2を参照すると、データセット生成器272(例えば図1のデータセット生成器172)を含むシステム200は、モデル(例えば図1のモデル190)のためのデータセットを生成する。データセット生成器272は、さまざまなセンシングデバイスから出力として取り出されたデータを使用してデータセットを生成してもよい。いくつかの実施形態では、データセット生成器272が、センシングデバイスからの、ことによると製造機器に関連したセンサ、ユーザデバイスに関連したセンサ、接続された器具に関連したセンサなどを含むセンシングデバイスからの履歴データのサブセットを選択することによって訓練入力を生成する。データセット生成器272は、入力データ(例えば図1の検証データ164)を生成するのに使用したセンサデータに関連した保守段階の成功の指示から、ターゲット出力を生成してもよい。例えば、検証の指示230は、入力として使用されたセンサデータに関連した保守段階が保守プロセスの成功に帰着したか否か、入力データに応答してとられたどのトラブルシューティングまたは是正処置が成功につながったのかなどの分類を含んでいてもよい。
【0064】
ターゲット出力220が異なるさまざまなやり方で表現されることは本開示の範囲に含まれる。検証の指示230は、合格/不合格、グレードまたはスコアなどを含んでいてもよい。検証の指示230は、例えば、次の保守段階に移るよう命じる命令、提案されたトラブルシューティング操作などの、検証に応答してとるべき処置の指示、製品特性の指示、製造機器の動作に対する保守の効果の指示、などを含んでいてもよい。
【0065】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、データセット生成器272が、データセット(例えば訓練セット、確認セット、試験セット)を生成し、このデータセットは、1つまたは複数のデータ入力210(例えば訓練入力、確認入力、試験入力)を含み、データ入力210に対応する1つまたは複数のターゲット出力220を含んでもよい。このデータセットはさらに、データ入力210をターゲット出力220にマップするマッピングデータを含んでいてもよい。データ入力210は、「特徴」、「属性」または「情報」と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、データセット生成器272が、このデータセットを、図1の訓練エンジン182、確認エンジン184または試験エンジン186に提供してもよく、これらのエンジンで、このデータセットは、図1のモデル190を訓練、確認または試験するために使用される。訓練セットを生成するいくつかの実施形態は図4Aに関してさらに説明される。
【0066】
いくつかの実施形態では、データセット生成器272が、第1のモデルを訓練、確認または試験するために、シミュレートされたセンサデータの第1のセット262Aに対応する第1のデータ入力を生成してもよく、データセット生成器272が、第2のモデルを訓練、確認または試験するために、シミュレートされたセンサデータの第2のセット262Bに対応する第2のデータ入力を生成してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、データセット生成器272が、データ入力210およびターゲット出力220のうちの1つまたは複数に対して操作を実行してもよい。データセット生成器272は、データからパターン(傾き、曲率など)を抽出してもよく、データを組み合わせてもよく(平均、特徴生成など)、または、別個のモデルを訓練するために、シミュレートされたセンサをグループ分けしてもよい。
【0068】
モデルを訓練、確認または試験するためのデータ入力210およびターゲット出力220は、特定の製造チャンバ(例えば特定の半導体ウエハ製造チャンバ)のための情報を含んでいてもよい。データ入力210およびターゲット出力220は、特定の製造チャンバ設計のための(例えばその設計の全てのチャンバに対して使用される)情報を含んでいてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、モデルを訓練するのに使用される情報が、製造設備の特定の特性を有する特定のタイプの製造機器(例えば図1の製造機器124)からのものであってもよく、この情報によって、特定のグループの製造機器124に対する結果を、訓練されたモデルが、その特定のグループの特性を共有している1つまたは複数の構成要素に関連したカレントセンサデータ(例えばカレントセンサデータ146)に対する入力に基づいて決定することが可能になってもよい。いくつかの実施形態では、モデルを訓練するのに使用される情報が、2つ以上の製造設備からの構成要素のための情報であってもよく、この情報によって、構成要素に対する結果を、訓練されたモデルが、1つの製造設備からの入力に基づいて決定することが可能になってもよい。いくつかの実施形態では、モデルを訓練するのに使用される情報が、特定の保守プロセス、保守段階などに対する特定の情報であってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、データセットを生成すること、およびそのデータセットを使用してモデルを訓練、確認または試験することに続いて、そのモデルをさらに訓練、確認もしくは試験し、または(例えば新たなセンサデータ、検証データ、計測データ、保守データなどに基づいて)調整してもよい。
【0071】
図3は、いくつかの実施形態による、出力データ(例えば図1の予測データ168および/または検証データ164)を生成するためのシステム300を示すブロック図である。システム300を使用して、製造機器に関連して予め形成される保守プロセスの保守段階の実行の成功の予測を決定してもよい。システム300を使用して、保守段階の実行に応答して実行する命令を決定してもよい。
【0072】
図3を参照すると、ブロック310で、システム300(例えば図1の予測システム110の構成要素)が、(例えば履歴センサデータから特徴を抽出する)センサデータ360および検証データ362(例えば履歴保守の検証の指示、履歴保守に関連した是正処置の指示)のデータ分割を(例えば図1のサーバマシン170のデータセット生成器172を介して)実行して、訓練セット302、確認セット304および試験セット306を生成する。例えば、訓練セットは、センサおよび検証データの60%であってもよく、確認セットは、センサおよび検証データの20%であってもよく、試験セットは、センサおよび検証データの20%であってもよい。
【0073】
ブロック312で、システム300は、訓練セット302を使用してモデル訓練を(例えば図1の訓練エンジン182を介して)実行する。システム300は、訓練セット302の特徴の複数のセット(例えば訓練セット302のセンサのグループを含む特徴の第1のセット、訓練セット302のセンサの異なるグループを含む特徴の第2のセットなど)を使用して複数のモデルを訓練してもよい。例えば、システム300は、訓練セット中の特徴の第1のセットを使用して第1の訓練された機械学習モデルを生成するように、および訓練セット中の特徴の第2のセット(例えば第1の機械学習モデルを訓練するのに使用したデータとは異なるデータ)を使用して第2の訓練された機械学習モデルを生成するように、機械学習モデルを訓練してもよい。いくつかの実施形態では、第1の訓練された機械学習モデルと第2の訓練された機械学習モデルとを結合して、(例えば、単独で、第1または第2の訓練された機械学習モデルよりも優れた予測器であってもよい)第3の訓練された機械学習モデルを生成してもよい。いくつかの実施形態では、モデルを比較する際に使用される特徴のセットが重複していてもよい(例えば、1つのモデルは、シミュレートされたセンサ1~15を用いて訓練されてもよく、第2のモデルは、シミュレートされたセンサ10~20を用いて訓練されてもよい)。いくつかの実施形態では、特徴のさまざまな置換を有するモデルおよびモデルの組合せを含む、数百のモデルが生成されてもよい。
【0074】
ブロック314で、システム300は、確認セット304を使用してモデル確認を(例えば図1の確認エンジン184を介して)実行する。システム300は、訓練されたモデルの各々を、確認セット304の特徴の対応するセットを使用して確認してもよい。例えば、確認セット304は、訓練セット302で使用されているセンサのサブセットと同じサブセットを、異なる保守事象に対して使用してもよい。いくつかの実施形態では、システム300が、ブロック312で生成された数百のモデル(例えば、特徴のさまざまな置換を有するモデル、モデルの組合せなど)を確認してもよい。ブロック314で、システム300は、1つまたは複数の訓練されたモデルの各々の精度を(例えばモデル確認を介して)決定してもよく、訓練されたモデルのうちの1つまたは複数のモデルが、閾値精度を満たす精度を有しているかどうかを判定してもよい。訓練されたモデルはいずれも閾値精度を満たす精度を有していないと判定したことに応答して、フローはブロック312に戻り、ブロック312で、システム300は、訓練セットの特徴の異なるセットを使用してモデル訓練を実行する。訓練されたモデルのうちの1つまたは複数のモデルが閾値精度を満たす精度を有していると判定したことに応答して、フローはブロック316に進む。システム300は、(例えば確認セットに基づいて)閾値精度よりも低い精度を有する訓練されたモデルを捨ててもよい。
【0075】
ブロック316で、システム300は、モデル選択を(例えば図1の選択エンジン185を介して)実行して、閾値精度を満たす1つまたは複数の訓練されたモデルのうちのどのモデルが最も高い精度を有するのか(例えば、ブロック314の確認に基づいて、選択されたモデル308)を決定する。閾値精度を満たす訓練されたモデルのうちの2つ以上のモデルが同じ精度を有すると判定したことに応答して、フローはブロック312に戻ってもよく、ブロック312で、システム300は、モデル訓練を実行して、特徴のさらに改良されたセットに対応するさらに改良された訓練セットを使用して、最も高い精度を有する訓練されたモデルを決定する。
【0076】
ブロック318で、システム300は、試験セット306を使用してモデル試験を(例えば図1の試験エンジン186を介して)実行して、選択されたモデル308を試験する。システム300は、試験セット中の特徴の第1のセット(例えばシミュレートされたセンサ1~15)を使用して第1の訓練されたモデルを試験して、(例えば試験セット306の特徴の第1のセットに基づいて、)第1の訓練されたモデルは閾値精度を満たしていると判定してもよい。選択されたモデル308の精度が閾値精度を満たしていない(例えば、選択されたモデル308は、訓練セット302および/または確認セット304に適合しすぎており、試験セット306などの他のデータセットに適用することができない)ことに応答して、フローはブロック312に進み、ブロック312で、システム30Aは、異なる訓練セット、ことによると特徴の異なるセットに対応する異なる訓練セット、または訓練、確認および試験セットに分割された基板の再編成物を使用して、モデル訓練(例えば再訓練)を実行する。試験セット306に基づいて、選択されたモデル308が閾値精度を満たす精度を有していると判定したことに応答して、フローはブロック320に進む。少なくともブロック312で、このモデルは、予測を実施するためにセンサデータ中のパターンを学習してもよく、ブロック318で、システム300は、予測を試験するために、残りのデータ(例えば試験セット306)にこのモデルを適用してもよい。
【0077】
ブロック320で、システム300は、訓練されたモデル(例えば選択されたモデル308)を使用して、カレントセンサデータ346(例えば図1のカレントセンサデータ146)を受け取り、処置(例えば、図の製造機器124に関連した是正処置を実行する、図1のユーザデバイス120に警報を出す、など)を実行するために、訓練されたモデルの出力から、予測データ366(例えば図1の予測データ168)を決定する(例えば抽出する)。
【0078】
いくつかの実施形態では、モデルをさらに訓練するために、追加のデータを供給することによって機械学習モデルを再訓練する。ブロック312でカレントセンサデータ352を供給してもよい。同様に追加の検証データ361を供給してもよい。これらのデータは、本来の訓練の部分ではない入力パラメータ、本来の訓練がまたぐパラメータ空間の外側の入力パラメータの組合せを含むことで、モデルを訓練するために本来、使用されるデータとは異なっていてもよく、または、これらのデータを、チャンバ特定の知識(例えば製作公差範囲、老化構成要素などに起因する理想的なチャンバとの違い)を反映するように更新してもよい。このデータに基づいて、選択されたモデル308を再訓練してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、操作310~320のうちの1つまたは複数の操作を、さまざまな順序で実行してもよく、かつ/または本明細書に提示および記載されていない他の操作と一緒に実行してもよい。いくつかの実施形態では、操作310~320のうちの1つまたは複数の操作を実行しなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ブロック310のデータ分割、ブロック314のモデル確認、ブロック316のモデル選択、またはブロック318のモデル試験のうちの1つまたは複数を実行しなくてもよい。
【0080】
図4A~Fは、いくつかの実施形態による、是正処置を実行させるため、および/または保守プロセスの保守段階もしくは操作が成功のうちに実行されたかどうかを判定するための、予測データおよび/または検証データの生成に関連した方法400A~Fの流れ図である。方法400A~Fは、処理論理によって実行されてもよく、処理論理は、ハードウェア(例えば回路、専用論理回路、プログラム可能な論理回路、マイクロコード、処理デバイスなど)、ソフトウェア(例えば処理デバイス、汎用コンピュータシステムもしくは専用マシン上で実行される命令)、ファームウェア、マイクロコードまたはこれらの組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、方法400A~Fが、部分的に図1の予測システム110によって実行されてもよい。方法400Aは、部分的に、予測システム110(例えば図1のサーバマシン170およびデータセット生成器172、図2のデータセット生成器272)によって実行されてもよい。予測システム110は、方法400Aを使用して、モデル、例えば物理的現象に基づくモデルおよび/または機械学習モデルの訓練、確認または試験のうちの少なくとも1つを本開示の実施形態に従って実行するためのデータセットを生成してもよい。方法400Bは、サーバマシン180(例えば訓練エンジン182など)によって実行されてもよい。方法400Cは、予測サーバ112(例えば予測構成要素116)によって実行されてもよい。方法400Dは、ユーザデバイス120によって実行されてもよい。方法400Eは、予測システム110(例えばサーバマシン180)によって実行されてもよい。方法400Fは、予測システム110(例えば予測サーバ112)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、非一時的ストレージ媒体が、処理デバイス(例えば予測システム110の処理デバイス、サーバマシン180の処理デバイス、予測サーバ112の処理デバイス、ユーザデバイス120の処理デバイスなど)によって実行されたときに、その処理デバイスに、方法400A~Fのうちの1つまたは複数の方法を実行させる命令を格納している。
【0081】
説明を簡単にするために、方法400A~Fは一連の操作として図示および説明される。しかしながら、本開示による操作は、さまざまな順序でおよび/または同時に実行すること、ならびに本明細書に提示および記載されていない他の操作と一緒に実行することができる。さらに、開示された主題による方法400A~Fを実施するのに、図示された全ての操作が実行されるとは限らない。さらに、方法400A~Fが、状態図または事象によって相互に関係する一連の状態として表現されることもありうることを当業者は理解および認識するであろう。
【0082】
図4Aは、ある種の実施形態による、予測データ(例えば図1の予測データ168)を生成するためのモデルのためのデータセットを生成する方法400Aの流れ図である。
【0083】
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態では、ブロック401で、方法400Aを実施する処理論理が、訓練セットTを初期化して空セットにする。
【0084】
ブロック402で、処理論理は、センサデータ(例えば図2のセンサデータ262)などを含んでいてもよい第1のデータ入力(例えば第1の訓練入力、第1の確認入力)を生成する。いくつかの実施形態では、(例えば図3に関して説明したように、)この第1のデータ入力が、データのタイプのための特徴の第1のセットを含んでいてもよく、第2のデータ入力が、データのタイプのための特徴の第2のセットを含んでいてもよい。
【0085】
ブロック403で、処理論理は、これらのデータ入力のうちの1つまたは複数のデータ入力(例えば第1のデータ入力)に対する第1のターゲット出力を生成する。いくつかの実施形態では、この第1のターゲット出力が、入力センサデータに関連した、保守段階の検証の指示である。いくつかの実施形態では、ターゲット出力が、入力センサデータに関連した製造機器を使用して生産される製品の予測された性能に関連するものであってもよい。
【0086】
ブロック404で、処理論理は、入力/出力マッピングを指示するマッピングデータを生成してもよい。この入力/出力マッピング(またはマッピングデータ)は、データ入力(例えば、本明細書に記載されたデータ入力のうちの1つまたは複数のデータ入力)、データ入力に対するターゲット出力、およびデータ入力とターゲット出力との間の関連に関するものであってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、ブロック405で、処理論理が、ブロック404で生成されたマッピングデータをデータセットTに追加する。
【0088】
ブロック406で、処理論理は、図1のモデル190の訓練、確認および/または試験のうちの少なくとも1つに対してデータセットTが十分かどうかに基づいて枝分かれする。十分な場合、実行はブロック407に進み、十分でない場合、実行はブロック402に戻る。いくつかの実施形態では、データセットTが十分かどうかを、単純に、データセットの中の入力の数に基づいて、いくつかの実施形態では出力にマップされたデータセットの中の入力の数に基づいて判定してもよく、他のいくつかの実施態様では、データセットTが十分かどうかを、入力の数に加えてまたは入力の数の代わりに、1つまたは複数の他の判定基準(例えばデータ例の多様性、精度などの測度)に基づいて判定してもよいことに留意すべきである。
【0089】
ブロック407で、処理論理は、モデル190を訓練、確認および/または試験するためにデータセットTを(例えば図1のサーバマシン180に)提供する。いくつかの実施形態では、データセットTが訓練セットであり、訓練を実行するためにデータセットTをサーバマシン180の訓練エンジン182に提供する。いくつかの実施形態では、データセットTが確認セットであり、確認を実行するためにデータセットTをサーバマシン180の確認エンジン184に提供する。いくつかの実施形態では、データセットTが試験セットであり、試験を実行するためにデータセットTをサーバマシン180の試験エンジン186に提供する。次いで、方法400Aによって生成されたデータセットを使用して、保守段階の実行を指示するセンサからのデータを入力として受け取り、保守段階の実行の結果(例えば保守の質、生産される製品の質など)を指示するデータを出力として生成してもよい。
【0090】
図4Bは、いくつかの実施形態による、保守プロセスを満足のいくように実行することを容易にする、サーバのための方法400Bである。
【0091】
図4Bを参照すると、方法400Bのブロック410で、サーバの処理論理が保守プロセスを開始する。この保守プロセスは製造機器上で実行される。保守プロセスはいくつかの保守段階または操作を含む。それらの保守段階/操作は、製造機器の1つまたは複数の構成要素に関連している。いくつかの実施形態では、保守プロセスを開始することが、保守プロセスまたは保守段階を開始するようユーザデバイスがユーザに命令することを指示するデータをユーザデバイスに送ることを含む。いくつかの実施形態では、保守プロセスを開始することが、保守プロセスのパラメータを更新する命令を製造機器に送ることを含む。いくつかの実施形態では、製造機器が生産状態にあったある時間数、生産された製品のある数などのトリガに応答して、サーバが保守事象を開始する。いくつかの実施形態では、サーバが、ユーザデバイスからの警報に応答して保守事象を開始する。
【0092】
ブロック412で、サーバの処理論理は、保守プロセスの保守段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供する。いくつかの実施形態では、サーバがさらに、ユーザデバイスからユーザに出力する保守段階に関連した命令を提供してもよい。それらの命令は、ステップバイステップ保守命令、ピクチャ、ビデオ、音声など、保守段階の実行に関する情報を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、一部または全部の保守段階(例えばチャンバをガスでフラッシュする段階、加熱要素を制御する段階など)がユーザの入力なしで実行されてもよい。いくつかの実施形態では、その代わりに、ユーザの入力を受けて実行されるのではない保守プロセスの段階の間、サーバが製造機器に直接に命令を提供してもよい。いくつかの実施形態では、命令を提供することが、接続された器具に対する設定を提供すること、例えばスマートレンチのトルクを設定することを含んでいてもよい。
【0093】
ブロック414で、サーバの処理論理は、保守段階の実行に由来するデータを受け取る。いくつかの実施形態では、受け取ったデータが、製造機器に関連したセンサからのセンサデータを含む。いくつかの実施形態では、受け取ったデータが、ユーザデバイスを介してユーザによって提供されたものである。いくつかの実施形態では、受け取ったデータが、ユーザデバイスによって提供された画像またはビデオデータを含む。例えば、ユーザデバイスはカメラを含んでいてもよい。ユーザは、ユーザデバイスのカメラを、製造機器の1つまたは複数の領域に向けてもよく、それらの領域の画像および/またはビデオを生成してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザデバイスが、どの領域の画像を撮影するのかに関する命令をユーザに提供する。いくつかの実施形態では、受け取ったデータが、接続された器具(例えば接続されたスマートトルクレンチ。このツールは、このツールによって達成されるトルクの測度を提供する)によって提供されたデータを含む。いくつかの実施形態では、サーバが、指定されたパラメータに従って保守操作を接続された器具に実行させる命令を、接続された器具に送る。例えば、サーバは、加える最大トルクを指示する命令を送ってもよく、トルクレンチは、指示された最大トルクよりも大きなトルクを加えなくてもよい。
【0094】
ブロック416で、サーバの処理論理は操作を実行し、その保守段階の実行は満足のいくものであったかどうかを判定する。この判定を下すのに使用する特定のメトリック、モデル、閾値などは、保守プロセス、保守事象および保守段階間で異なる。いくつかの実施形態では、サーバの処理論理が、保守段階の実行を指示するデータ値を閾値と比較してもよく、(例えば)そのデータ値が閾値よりも大きい場合には、その保守段階は満足のいくようには実行されなかったと判定してもよい(例えば、保守段階が、製造チャンバをポンプ減圧して真空にすることを含んでいてもよく、圧力センサの測定値を閾値と比較して、チャンバが適切なレベルの真空を達成するかどうかを判定してもよい)。
【0095】
いくつかの実施形態では、サーバの処理論理が、保守段階の実行を指示するデータ(ことによると、ユーザデバイス、サーバなどによって前処理されたデータ)を、検証のために物理的現象に基づくモデルに提供してもよい。一例として、製造チャンバ内のガス流量を記述する、物理的現象に基づくデジタルツインモデルを構築してもよい。製造チャンバが大気圧までベントされたときに圧力センサデータを収集してもよい。次いで、センサデータを、製造チャンバを同じように(例えば同じバルブを使用して)ベントすることをモデル化した物理的現象に基づくモデルからのシミュレートされた圧力データと比較してもよい。測定されたセンサデータとシミュレートされたセンサデータとの差は、構成要素のドリフト、老化または故障、センサのドリフトまたは故障などを指示していることがある。いくつかの実施形態では、統計データ(例えば、シミュレートされたいくつかの圧力データの平均、その平均から測定されたセンサデータのデータ点までの標準偏差がどれくらいかなど)を使用してもよい。いくつかの実施形態では、物理的現象に基づくモデルが、どの構成要素、故障などが、シミュレートされたセンサデータと測定されたセンサデータとの間の差に寄与しているのかを予測してもよい。本開示の範囲内において、多くのタイプのセンサ、多くの異なる保守操作、物理的現象に基づく多くのタイプのモデルなどが可能である。
【0096】
いくつかの実施形態では、サーバの処理論理が、検証のために、保守段階の実行を指示するデータを、訓練された機械学習モデルに提供してもよい。訓練された機械学習モデルは、入力として、保守段階の実行を指示するデータを受け取ってもよく、出力として、保守段階の実行は満足のいくものであるか否かを指示する検証を生成してもよい。一例として、ユーザは、保守操作に関連した構成要素の画像を、例えばユーザデバイス(例えば図1のユーザデバイス120)のカメラを使用して提供してもよい。いくつかの実施形態では、製造機器の構成要素の画像、ビデオなどを撮影、録画するように、(例えばユーザデバイス120のディスプレイを介して)ユーザに命令してもよい。いくつかの実施形態では、保守の前後に構成要素のピクチャを撮影してもよい。その1つまたは複数の画像を、訓練された機械学習モデルに入力として提供してもよく、この訓練された機械学習モデルは、ピクチャを撮影した構成要素に関連した1つまたは複数の保守操作の実行の質を指示するデータ(例えば検証データ)を出力するように構成されている。
【0097】
満足のいく実行の検証は、保守された構成要素が、保守後に正しく動作する可能性が高いと評価されたことを指示していてもよい。満足のいく実行の検証は、ユーザが保守操作を適正に実行したことを指示していてもよい。満足のいく実行の検証は、センサデータが、成功した保守プロセス中に達成されたセンサデータと同様であることを指示していてもよい。
【0098】
保守段階の実行は満足のいくものであったと判定された場合には、保守段階の実行の成功を指示する検証データを生成してもよく(図示せず)、この方法は終了となる。保守段階の実行は満足のいくものではなかったと判定された場合、フローはブロック418に進む。ブロック418で、サーバの処理論理は是正処置を実行させる。いくつかの実施形態では、この是正処置が、ユーザに警報を出すことを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、この警報が、ユーザデバイスを介してユーザに対して表示する命令を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、この警報が、ユーザが保守プロセスを支援するための命令を含む。いくつかの実施形態では、それらの命令が、保守段階または保守段階の一部分を繰り返すよう命じる命令を含む。いくつかの実施形態では、それら命令が、トラブルシューティング操作を提案する。いくつかの実施形態では、命令が、文書形式の保守命令、ピクチャ、ビデオ、音声などを含んでいてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、この是正処置が、プロセスレシピを更新することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、例えばチャンバのドリフト、構成要素の老化などを考慮に入れるように、処理論理が、保守段階の操作の実行を更新してもよい。
【0100】
図4Cは、いくつかの実施形態による、保守プロセスを満足のいくように実行することを容易にする、サーバのための拡張された方法400Cを示している。方法400Cの多くの操作が、方法400Bの操作と同様の特徴を有し、例えば、図4Bのブロック410、412、414および416は、図4Cのブロック420、421、422および423と同様の特徴を含んでいてもよく、図4Bの保守段階および保守段階に由来するデータは、図4Cの第1の保守段階および第1の保守段階に由来する第1のデータにマップする。
【0101】
ブロック424で、サーバの処理論理が、第1の保守段階を繰り返すことの指示をユーザに対して表示することをユーザデバイスに実行させる。これは、是正処置を実行させる図4Bに示した全体的な操作の特別なケースであることがある。
【0102】
ブロック425で、サーバの処理論理は、第1の保守段階の第2の実行に由来する第2のデータを受け取る。図4Bのブロック414に関して論じたとおり、このデータは多くの形態をとってもよい。ブロック426で、サーバの処理論理は、第1の保守段階の第2の実行は満足のいくものであったと判定する。これは、例えば、センサデータを閾値と比較し、そのセンサデータが少なくとも1つの閾値基準を満たしていることを見出したことによって、または(製造機器に関連したセンサ、ユーザデバイスに関連したセンサ、接続された器具に関連したセンサなどを含む)センサデータを訓練されたモデル(例えば物理的現象に基づくモデル、機械学習モデルなど)に提供し、その保守段階が満足のいくように実行されたことを検証する出力を受け取ったことによって、判定されてもよい。
【0103】
ブロック427で、サーバの処理論理は、保守プロセスの第2の保守段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供する。この命令は、第1の保守段階が満足のいくように実行されたことを指示する検証データをサーバが受け取ったことを考慮して提供してもよい。
【0104】
ブロック428で、サーバの処理論理は、保守プロセスの第2の保守段階の第1の実行に由来する第3のデータを受け取る。このデータは多くの形態をとってもよく、ブロック425で受け取るデータと同様であってもよい。ブロック429で、サーバの処理論理は、第2の保守段階の第1の実行は満足のいくものであったと判定する。ブロック430で、サーバの処理論理は、保守プロセスの第3の保守段階を実行することを指示する命令をユーザデバイスに提供する。
【0105】
方法400Cは代表的な例であること、および、本開示は、検証操作のこの配置に限定されず、または検証操作の特定のいずれの配置にも限定されないことが理解されよう。例えば、第1の保守段階の第1の実行は検証に合格であってもよく、第2の保守段階の第1の実行は検証に不合格であってもよく、サーバが是正処置の指示を提供してもよい。さらに、いくつかの操作では、サーバが、ユーザデバイスとは異なるデバイス、例えば製造機器、接続された器具などを制御するデバイスに命令を提供してもよく、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0106】
図4Dは、いくつかの実施形態による、保守段階の実行を容易にする、ユーザデバイスのための方法400Dを示す流れ図である。ユーザデバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、ウェアラブルコンピューティングデバイスなどを含んでいてもよい。ユーザデバイスは、汎用コンピューティングデバイス上で実行される、専用マシン、プログラムまたはアプリケーションなどであってもよい。ユーザデバイスは、製造機器およびサーバと通信するように構成されていてもよい。ユーザデバイスはネットワークを介して通信してもよい。
【0107】
ブロック440で、ユーザデバイスの処理論理が、製造機器に関連して、保守プロセスの保守段階を実行することを指示する命令を受け取る。この命令は、ユーザデバイスがユーザに対して表示する資料を伴っていてもよい。この資料は、保守段階の記述、保守段階の実行を記述したピクチャまたはビデオなどを含んでいてもよい。
【0108】
ブロック441で、ユーザデバイスの処理論理は、保守段階の実行に由来するデータをサーバに提供する。いくつかの実施形態では、このデータが、製造機器に関連したセンサのセンサ読みを示していてもよい。いくつかの実施形態では、このデータが、画像もしくはビデオデータ、またはユーザによって提供された、保守段階の実行の確認、保守段階の実行の文書形式の記述などの他のデータであってもよい。いくつかの実施形態では、このデータが、接続された器具のセンサからの読みを示していてもよい。いくつかの実施形態では、これらのデータの一部が、ユーザデバイスによって処理されることなくネットワークを介してサーバに提供されてもよい。
【0109】
ブロック442で、ユーザデバイスの処理論理は、保守段階の実行が満足のいくものではなかったことを指示する検証データをサーバから受け取る。この検証データは、合格/不合格、グレードもしくはレーティング、または他の同種のものなどの形態をとってもよい。ブロック443で、ユーザデバイスは、検証データを考慮して是正処置を実行させる。いくつかの実施形態では、この是正処置が、ユーザに警報を出すことを含む。いくつかの実施形態では、この警報が、実行する追加の保守タスクの指示を含む。いくつかの実施形態では、この是正処置が、製造機器に関連した温度、圧力、流量などを調整すること、または接続された器具に関連した設定を調整することなど、保守プロセスレシピを更新することを含む。
【0110】
破線のボックスによって指示されたブロック444~449の操作は、保守段階を繰り返すことをデータ処理が指示している場合に実行してもよい。ブロック444で、ユーザデバイスの処理論理は、第1の保守段階の第2の実行に由来する第2のデータをサーバに提供する。このデータは、第1の保守段階の第1の実行に由来する第1のデータと同じタイプ/同じ形態のデータであってもよい。ブロック445で、ユーザデバイスの処理論理は、保守段階の第2の実行が満足のいくものであったことを指示する第2の検証データをサーバから受け取る。この検証データは、ブロック442の検証データと同じ特徴の多くを有していてもよい。
【0111】
ブロック446で、ユーザデバイスの処理論理は、保守プロセスの第2の保守段階を実行することを指示する第2の命令をサーバから受け取る。保守プロセスの第2の段階は第1の段階とは異なっており、例えば、異なる操作を含んでいてもよく、製造機器の異なる構成要素が関わっていてもよい。ブロック447で、ユーザデバイスの処理論理は、保守プロセスの第2の保守段階の実行に由来するデータをサーバに提供する。このデータは、ブロック441のデータと多くの特徴を共有していてもよい。
【0112】
ブロック448で、ユーザデバイスは、第2の保守段階の実行に関連した検証データをサーバから受け取る。この検証データは、第2の保守段階の実行が満足のいくものであったことを指示しているとする。ブロック449で、ユーザデバイスは、保守プロセスの第3の保守段階を実行することを指示する命令を受け取る。
【0113】
図4Cに関する説明と同様に、方法400Dは、本開示の一組の操作の例である。
例えば、本開示の方法は、検証の合格および失敗の特定の順序に限定されず、示された操作と操作の間に他の操作を含んでいてもよい。
【0114】
図4E~Fは、いくつかの実施形態による、機械学習モデルに関する方法400Eおよび400Fを示す流れ図である。方法400Eおよび400Fのいくつかの操作は、物理的現象に基づくモデルにも適宜、適用可能であることがある。
【0115】
図4Eは、機械学習モデルを訓練する方法400Eの流れ図を示している。ブロック450で、処理論理が、保守プロセスの保守段階の実行を指示するセンサデータを受け取る。この処理論理は、予測データを生成するためのシステム、例えば図1の予測システム110の一部分であってもよい。このデータは、訓練データセットとして、例えば図1のデータセット生成器172から受け取ってもよい。ブロック452で、処理論理は、保守プロセスの保守段階の実行の質を指示するデータを受け取る。受け取るデータは、実行を指示するデータ(例えばセンサデータ)を実行の質を指示するデータと相互に関連付けるデータ(例えば、完成した製品の計測値、グレードまたはスコアなどの質の指示など)を含んでいてもよい。
【0116】
ブロック454で、処理論理は、機械学習モデルの訓練を実行させる。この訓練は、保守段階の実行を指示するセンサデータを訓練入力として提供することを含んでいてもよい。この訓練はさらに、保守段階の実行の質を指示するデータをターゲット出力として提供することを含んでいてもよい。その場合、この訓練された機械学習モデルは、保守段階の実行を指示するデータ(例えば、製造機器に関連したセンサ、ユーザデバイスに関連したセンサ、接続されたツールに関連したセンサなどからのセンサデータ)を入力として受け入れるように構成されていてもよい。機械学習モデルの訓練は、訓練エンジン、例えば図1のサーバ180の訓練エンジン182によって実行されてもよい。
【0117】
図4Fは、いくつかの実施形態による、訓練された機械学習モデルを使用する方法400Fの流れ図である。ブロック460で、処理論理が、保守プロセスの保守段階の実行を指示するセンサデータを受け取る。ブロック462で、処理論理は、このセンサデータを、訓練された機械学習モデルに提供する。いくつかの実施形態では、センサデータのある処理が実行されていてもよく、センサデータを指示するデータが処理論理によって受け取られており、かつ/または処理論理によって訓練されたモデルに提供されてもよい。
【0118】
ブロック464で、処理論理は、訓練された機械学習モデルから、保守段階の実行の質を指示する検証データを受け取る。この検証は、合格/不合格(例えば、保守段階の実行は満足のいくものであった/満足のいくものではなかった)、グレードまたはレーティングなどの形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、処理論理が、保守段階の実行に関連した追加の情報を受け取ってもよい。訓練された機械学習モデルは、追加情報を例えばセンサデータに基づいて生成するように訓練されてもよく、このモデルは、是正処置、保守する特定の構成要素などを提案してもよい。破線のボックスによって表されたブロック466の操作は、訓練された機械学習モデルが、保守段階の実行が満足のいくものではなかったことの指示を提供する場合に実行してもよい。ブロック466で、処理論理は、是正処置を実行させる。ブロック466の操作は、図3Bのブロック418の操作と多くの特徴を共有してもよい。
【0119】
図5は、いくつかの実施形態による、保守プロセスを改良するシステム500の操作を示す図である。システム500は、関連したさまざまな保守操作が流れ図として示された保守デバイス502、ネットワーク530(例えば図1のネットワーク130)、および検証モジュール550(例えば図1の予測システム110の部分である1つまたは複数のモデル)を含む。保守デバイス502は、製造機器、ユーザデバイス、接続されたツールなどを含んでいてもよい。保守デバイス502に関連して示された操作は、予防保守操作などの保守操作の一般化された抽象概念であり、これらの操作は、保守プロセスを実行する例示的な方法を概説するために含まれている。図5に示されたそれぞれの操作は、例えば、多くの別個の操作を含んでいてもよく、この順序で出現しなくてもよく、バラバラにされ、間に他のブロックの操作が挟まっていてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、保守プロセスが、保守準備504のいくつかの操作から始まる。これらの操作は、製造機器を分解するための準備をすること、例えば、内部構成要素へのアクセスを可能にするために製造チャンバを開く準備をすることを対象としていてもよい。保守準備504の操作は、洗浄手順を実行すること、製造チャンバの内部をパージすること、加熱装置および冷却装置をオフにすること、チャンバをベントすることなどを含んでいてもよい。製造機器に関連したセンサから、これらの操作の実行を指示するデータを収集してもよい。これらのセンサは例えば、圧力センサ、温度センサ、流量センサなどのオンボードセンサであってもよい。いくつかの実施形態では、保守プロセスの1つの段階の実行後に(例えば保守プロセスの操作のあるサブセットの実行後に)、その段階の実行を指示するデータを、ネットワーク530を介して検証モジュール550に提供する。検証モジュール550は、その保守段階の実行の質を決定してもよい。実行の質は、保守段階の実行を指示するデータを1つまたは複数の閾値と比較し、保守段階の実行を指示するデータを物理的現象に基づくモデルに提供し、物理的現象に基づくモデルから出力を受け取り(さらに、任意選択で、物理的現象に基づくモデルの出力を、閾値などの1つまたは複数の判定基準と比較し)、保守段階の実行を指示するデータを訓練された機械学習モデルに提供し、訓練された機械学習モデルから出力を受け取ることによって、または他の同種のことによって決定してもよい。保守段階の成功の信頼性の高い予測を提供するように、その段階の検証方法を選択および調節してもよい。その段階が満足のいくように実行されたことを検証が指示している場合、検証モジュール550は、その保守プロセスが次の段階に進んでもよいことを、ネットワーク530を介して指示してもよい。いくつかの実施形態では、保守準備504のいくつかの段階または全ての部分に対して検証を逐次的に実行してもよい。保守段階が満足のいくようには実行されなかったことを検証が指示している場合、検証モジュール550は、例えばトラブルシューティング操作、保守段階を繰り返す命令などの是正処置の指示を提供してもよい。一実施形態では、保守準備504の段階が、乾式洗浄手順、酸素プラズマパージ手順、プロセスチャンバ分離手順(この手順でプロセスチャンバはオフラインにされる)、パージプロセス、リッド加熱装置非活動化手順、ならびに冷却装置および熱交換器非活動化手順、ならびにチャンバベント手順を含む。これらの保守段階の各々の後、固有の試験を実行して、その保守段階が成功のうちに実行されたかどうかを、その段階の前および/またはその段階の最中に収集したセンサデータに基づいて評価してもよい。
【0121】
全ての保守準備段階が成功のうちに完了した後、保守操作は次いで、分解506のフェーズに入ってもよい。分解506は、製造チャンバリッドを取り外すこと、部品(例えば石英および/またはSiCリング)を取り外すこと、構成要素(例えばチャンバライナ、プロセスキット、リフトピン、シングルリングなど)を取り外すこと、スクリーン(例えばプラズマスクリーン)を取り外すことなどを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、利用可能なセンサデータがない場合に、また、検証プロセスが煩雑になりすぎることを防ぐために、いくつかの操作が検証を受けなくてもよい。分解506のプロセスを検証する場合には、保守準備504に関して説明したのと同様に、それらの段階の実行を指示するデータをネットワーク530を介して検証モジュール550に提供してもよく、検証モジュール550がネットワーク530を介して検証データを提供してもよい。
【0122】
保守プロセスは次いで保守508のフェーズに入ってもよい。保守508は、構成要素を洗浄すること(例えば静電チャックを洗浄すること)、構成要素(例えばフローバルブ)を取り外しかつ/または分解すること、構成要素を交換および/または設置すること(例えば、マノメータツリーを設置すること、絶縁リングを設置すること、IED窓を設置すること、ビューポートを設置すること、スリットバルブドアを設置することなど)、部品もしくは構成要素を組み立てることまたは再組み立てすること(例えばリッドおよび/またはリッドアセンブリを組み立てることなどを含んでいてもよい。このフェーズの操作は、検証のためのデータを、接続された器具から、例えば、その使用に関連した特性、例えばトルク、を測定するためのセンサを装備したスマートツールから提供してもよい。再組み立ておよび認定510に含まれる保守段階はさらに、上の説明と同様に、ユーザデバイスからデータを提供してもよく、ネットワーク530を介して検証データを受け取ってもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、ユーザが、保守508の操作の検証のための情報を提供してもよい。ユーザは、ユーザデバイスを介して、保守段階の実行を指示する画像またはビデオデータを提供してもよい。例えば、ユーザは、ユーザデバイスを介してピクチャを生成してもよく、そのピクチャ(例えば洗浄手順の前および/または後の静電チャックアセンブリのピクチャ)を、ネットワーク530を介して検証モジュール550に提供してもよい。検証モジュール550は、それらの画像を、保守段階の実行の質の指示を出力するように構成された訓練された機械学習モデルに提供してもよい。次いで、上の説明と同様に、検証モジュール550が、実行の質の指示に基づく検証データをネットワーク530を介して提供してもよい。いくつかの保守段階(例えば洗浄段階)に関しては、その保守段階が成功のうちに実行されたかどうかを評価するために画像データが生成および使用される。例えば、訓練された機械学習モデルが、洗浄操作後にチャンバまたは部分が清浄であるか否かを識別してもよい。他の保守段階に関しては、その保守段階が成功のうちに実行されたかどうかを評価するために、接続された器具からのセンサデータ(例えばレンチ、ねじ回しおよび/または他のツールからの器具の読み)が使用される。例えば、器具の読みを閾値と比較して、それらの読みが、ターゲット器具の読みの許容差の範囲内にあるかどうかを判定してもよい。いくつかの保守段階に関しては、保守段階が成功のうちに実行されたかどうかを判定するために、画像とツールからの器具の読みとの組合せが使用される。
【0124】
保守プロセスは次いで、認定510のフェーズに入ってもよい。このフェーズの操作も、上の説明と同様に、検証のためのデータを製造機器センサから検証モジュール550に提供してもよく、ネットワーク530を介して検証データを受け取ってもよい。実施形態において複数の異なる認定段階を実行してもよい。1つの認定段階では、チャンバを、ターゲット圧力(例えば真空)までポンプ減圧する。センサデータは、ターゲット圧力までチャンバをポンプ減圧するのにどのくらいの時間がかかるのかを指示する圧力の読み、および/または経時的な圧力プロファイルを含んでいてもよい。別の認定段階では、冷却装置、熱交換器および/または加熱装置を活動化し、ターゲット温度設定点まで加熱および/または冷却する。センサデータは、(例えば、例えば、ターゲット温度に達するのにどのくらいの時間がかかるのかを指示する)温度の読み、加熱要素の電圧および/または電流の読みなどを含んでいてもよい。別の認定段階では、チャンバ漏れ試験を実行してもよい。この試験は、プロセスチャンバをターゲット圧力までポンプ減圧し、次いで圧力が経時的に上昇している(これは例えば漏れを指示する)かどうかを測定することを含んでいてもよい。別の認定段階では、チャンバシーズニングを実行してもよい。チャンバシーズニングは、プロセスチャンバ内で1つまたは複数のプロセスを実行してチャンバの状態を変化させることを含んでいてもよい。このようなシーズニングプロセスは、例えばチャンバ部品上にコーティングを形成させることがある。全ての認定段階が成功のうちに実行された後、そのプロセスチャンバを製品に対して使用してもよい。
【0125】
図6は、ある種の実施形態によるコンピュータシステム600を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム600が、(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネットまたはインターネットなどのネットワークを介して)他のコンピュータシステムに接続されていてもよい。コンピュータシステム600は、クライアント-サーバ環境のサーバもしくはクライアントコンピュータの資格で、またはピアツーピアもしくは分散型ネットワーク環境のピアコンピュータとして動作してもよい。コンピュータシステム600は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウエブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、ウェアラブルコンピューティングデバイス、拡張現実または仮想現実デバイス、またはそのデバイスがとるべき処置を指定する一組の(逐次もしくはそれ以外の)命令を実行することができるデバイスによって提供されたものであってもよい。さらに、用語「コンピュータ」は、一組の(または数組の)命令を個別にまたは共同で実行して、本明細書に記載された方法のうちの1つまたは複数の任意の方法を実行するコンピュータの集合体を含むものとする。
【0126】
追加の態様では、コンピュータシステム600が、処理デバイス602、揮発性メモリ604(例えばランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ606(例えばリードオンリーメモリ(ROM)または電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM))、およびデータストレージデバイス618を含んでいてもよく、これらはバス608を介して互いに通信してもよい。
【0127】
処理デバイス602は、汎用プロセッサ(例えば複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他のタイプの命令セットを実施するマイクロプロセッサ、もしくは命令セットのタイプの組合せを実施するマイクロプロセッサ)、または専門プロセッサ(例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理プロセッサ(DSP)、もしくはネットワークプロセッサ)などの1つまたは複数のプロセッサによって提供されたものであってもよい。
【0128】
コンピュータシステム600はさらに、(例えばネットワーク674に結合された)ネットワークインターフェースデバイス622を含んでいてもよい。コンピュータシステム600はさらに、ビデオディスプレイユニット610(例えばLCD)、文字数字入力デバイス612(例えばキーボード)、カーソル制御デバイス614(例えばマウス)、および信号生成デバイス620を含んでいてもよい。
【0129】
いくつかの実施態様では、データストレージデバイス618が、図1の構成要素(例えば予測構成要素114、モデル190など)をコード化した命令および本明細書に記載された方法を実施するための命令を含む、本明細書に記載された方法または機能のうちの1つまたは複数の方法または機能をコード化した命令626を格納した非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体624(例えば非一時的機械可読ストレージ媒体)を含んでいてもよい。
【0130】
命令626はさらに、コンピュータシステム600によって命令626が実行されている間、揮発性メモリ604内および/または処理デバイス602内に完全にまたは部分的に存在してもよく、したがって、揮発性メモリ604および処理デバイス602も機械可読ストレージ媒体を構成することがある。
【0131】
例示のための例では、コンピュータ可読ストレージ媒体624が単一の媒体として示されているが、用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、1組または数組の実行可能命令を格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば集中型もしくは分散型データベースならびに/または関連キャッシュおよびサーバ)を含むものとする。用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」はさらに、コンピュータが実行するための一組の命令であって、本明細書に記載された方法のうちの1つまたは複数の方法をそのコンピュータに実行させる一組の命令を格納またはコード化することができる任意の有形媒体を含むものとする。用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、限定はされないが、固体メモリ、光学媒体および磁気媒体を含むものとする。
【0132】
本明細書に記載された方法、構成要素および特徴は、個別ハードウェア構成要素によって実施されてもよく、またはASIC、FPGA、DSPもしくは同種のデバイスなどの他のハードウェア構成要素の機能に統合されていてもよい。さらに、本明細書に記載された方法、構成要素および特徴は、ファームウェアモジュールによってまたはハードウェアデバイス内の機能回路によって実施されてもよい。さらに、本明細書に記載された方法、構成要素および特徴は、ハードウェアデバイスおよびコンピュータプログラム構成要素の任意の組合せで、またはコンピュータプログラムで実施されてもよい。
【0133】
特段の記載がない限り、「受け取る」、「実行する」、「提供する」、「取得する」、「実行させる」、「アクセスする」、「決定する」、「追加する」、「使用する」、「訓練する」、「開始する」、「実行させる」、「更新する」または他の同種の用語などの用語は、コンピュータシステムによって実行または実施される動作およびプロセスであって、物理的な(電子的な)量として表されたコンピュータシステムレジスタおよびメモリ内のデータを操作し、同様に物理的な量として表された、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタ内、または他のそのような情報ストレージ、送信もしくは表示デバイス内の他のデータに変換する動作およびプロセスに関する。さらに、本明細書で使用されている「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、異なる要素間で区別するための標識としての意味を有し、それらの用語の数的呼称に基づく序数の意味は持たないことがある。
【0134】
本明細書に記載された例はさらに、本明細書に記載された方法を実行するための装置に関する。この装置は、本明細書に記載された方法を実行するために特に構築されたものであってもよく、またはコンピュータシステムに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされる汎用コンピュータシステムを含んでいてもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読の有形のストレージ媒体に格納されていてもよい。
【0135】
本明細書に記載された方法および例示のための例は本来的に、特定のコンピュータまたは他の装置に関係していない。本明細書に記載された教示に従ってさまざまな汎用システムを使用してもよく、または、本明細書に記載された方法および/もしくはそれらの方法の個々の機能、ルーチン、サブルーチンもしくは操作の各々を実行するのには、より専門化された装置を構築することが都合がよいこともある。以上の説明には、これらのさまざまなシステムのための構造の例が示されている。
【0136】
上記の説明は例示のためであることが意図されており、限定するものであることは意図されていない。特定の例示のための例および実施態様に関して本開示を説明してきたが、本開示は、説明された例および実施態様に限定されないことが認識されよう。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6