(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-20
(45)【発行日】2025-05-28
(54)【発明の名称】着色硬化性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 2/44 20060101AFI20250521BHJP
C08F 16/32 20060101ALI20250521BHJP
C08F 16/14 20060101ALI20250521BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20250521BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20250521BHJP
G03F 7/027 20060101ALI20250521BHJP
【FI】
C08F2/44 Z
C08F16/32
C08F16/14
G02B5/20 101
G03F7/004 505
G03F7/027 502
(21)【出願番号】P 2021024610
(22)【出願日】2021-02-18
【審査請求日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2020053336
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 喜之
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 博嗣
(72)【発明者】
【氏名】寺川 貴清
【審査官】久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-359843(JP,A)
【文献】特開2019-090008(JP,A)
【文献】特開2018-100371(JP,A)
【文献】特開2018-197283(JP,A)
【文献】特開2020-026530(JP,A)
【文献】特開2017-044860(JP,A)
【文献】国際公開第2020/045198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/44
C08F 16/32
C08F 16/14
G02B 5/20
G03F 7/004
G03F 7/027
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び溶剤(E)を含み、
前記樹脂(B)が、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)に由来する構造単位と、前記(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、前記(a)及び(b)とは異なる。)に由来する構造単位とを有する共重合体である樹脂[K2]を含み、
前記重合性化合物(C)が、式(1)で表される第1化合物、及び式(2)で表される第2化合物を含み、
前記第1化合物と前記第2化合物の質量比(第1化合物/第2化合物)が、5/95~90/10である、着色硬化性樹脂組成物。
【化1】
[式(1)中、R
1a~R
3aのいずれか1つは水素原子を表し、残りはそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す。]
【化2】
[式(2)中、R
1b~R
3bは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す。]
【請求項2】
前記重合性化合物(C)が、さらに式(3)で表される第3化合物を有していてもよく、
第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計100質量%中、第1化合物の含有量が5~75質量%であり、第2化合物の含有量が5~95質量%であり、第3化合物の含有量が0~20質量%である請求項1に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【化3】
[式(3)中、R
1c~R
3cのいずれか2つは水素原子を表し、残りは(メタ)アクリロイル基を表す。]
【請求項3】
前記重合性化合物(C)が、さらに式(3)で表される第3化合物を有していてもよく、
第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計100質量%中、第1化合物の含有量が70質量%未満である請求項1に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【化4】
[式(3)中、R
1c~R
3cのいずれか2つは水素原子を表し、残りは(メタ)アクリロイル基を表す。]
【請求項4】
膜厚が2.00μm以下であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.170~0.300、y=0.600~0.800の範囲にある硬化膜を形成可能な、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
膜厚が2.00μm未満であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.640~0.710、y=0.290~0.330の範囲にある硬化膜を形成可能な、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
膜厚が2.00μm未満であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.130~0.160、y=0.035~0.080の範囲にある硬化膜を形成可能な、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
【請求項8】
請求項7に記載のカラーフィルタを含む有機EL表示装置。
【請求項9】
請求項7に記載のカラーフィルタを含むフレキシブルディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色硬化性樹脂組成物、該着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを含む表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置及びプラズマディスプレイ等の表示装置やCCDやCMOSセンサなどの固体撮像素子に使用されるカラーフィルタは、着色硬化性樹脂組成物から製造される。
【0003】
従来、着色硬化性樹脂組成物に使用される重合性化合物として、エチレンオキサイド化グリセリントリアクリレートを使用する例(例えば、特許文献1参照)や、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物を使用する例(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-164886号公報
【文献】特開2019-112494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年、広色域で色再現性が良好な表示装置や固体撮像素子の需要が高まっており、濃色であり薄膜のカラーフィルタが求められている。しかし、従来の着色硬化性樹脂組成物では、濃色のカラーフィルタの作製において、薄膜化の検討の余地が残されている。そこで、本発明は濃色でありながら、薄膜のカラーフィルタを形成できる着色硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び溶剤(E)を含み、
前記重合性化合物(C)が、式(1)で表される第1化合物、及び式(2)で表される第2化合物を含む着色硬化性樹脂組成物。
【化1】
[式(1)中、R
1a~R
3aのいずれか1つは水素原子を表し、残りはそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す。]
【化2】
[式(2)中、R
1b~R
3bは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す。]
[2] 第1化合物と第2化合物の質量比(第1化合物/第2化合物)が、5/95~93/7である[1]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[3] 前記重合性化合物(C)が、さらに式(3)で表される第3化合物を有していてもよく、
第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計100質量%中、第1化合物の含有量が5~75質量%であり、第2化合物の含有量が5~95質量%であり、第3化合物の含有量が0~20質量%である[1]または[2]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
【化3】
[式(3)中、R
1c~R
3cのいずれか2つは水素原子を表し、残りは(メタ)アクリロイル基を表す。]
[4] 膜厚が2.00μm以下であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.170~0.300、y=0.600~0.800の範囲にある硬化膜を形成可能な、[1]~[3]のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[5] 膜厚が2.00μm未満であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.640~0.710、y=0.290~0.330の範囲にある硬化膜を形成可能な、[1]~[3]のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[6] 膜厚が2.00μm未満であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.130~0.160、y=0.035~0.080の範囲にある硬化膜を形成可能な、[1]~[3]のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれか1項に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[8] [7]に記載のカラーフィルタを含む有機EL表示装置。
[9] [7]に記載のカラーフィルタを含むフレキシブルディスプレイ。
【発明の効果】
【0007】
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、濃色でありながら、薄膜のカラーフィルタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<着色硬化性樹脂組成物>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び溶剤(E)を含み、前記重合性化合物(C)が、式(1)で表される第1化合物(以下、グリセリンジ(メタ)アクリレートという場合がある)、及び式(2)で表される第2化合物(以下、グリセリントリ(メタ)アクリレートという場合がある)を含むことを特徴とする。
【0009】
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリル酸」及び「(メタ)アクリロイル」等の表記も、同様の意味を有する。また、本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
【0010】
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、染料及び顔料のいずれでもよいが、顔料を含むことが好ましい。顔料としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
【0011】
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、273等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料等が挙げられる。
【0012】
また、顔料としては、式(x)で表される化合物を使用してもよい。
【0013】
【0014】
赤色の画素を形成する場合C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントレッド177の組み合わせ;C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントレッド254及びC.I.ピグメントオレンジ38の組み合わせ;C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントイエロー138の組み合わせ;C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントイエロー139の組み合わせ;C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントバイオレット19の組み合わせ;等を使用することが好ましい。
【0015】
緑色の画素を形成する場合、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー138、及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー139、及びC.I.ピグメントイエロー185の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントイエロー138、及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントイエロー138の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン59及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン59及びC.I.ピグメントイエロー138の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン58、及びC.I.ピグメントイエロー138の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン58、及びC.I.ピグメントイエロー150の組み合わせ;C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントイエロー150及びC.I.ピグメントイエロー138の組み合わせ;等を使用することが好ましい。
【0016】
青色画素を形成する場合、C.I.ピグメントブルー15:6及び化合物(x)の組み合わせ;C.I.ピグメントブルー15:6及びC.I.ピグメントバイオレット23の組み合わせ;等を使用することが好ましい。
【0017】
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
顔料は、粒径が均一であることが好ましい。また、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
【0018】
前記顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤が挙げられる。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ルーブリゾール社製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)などが挙げられる。
【0019】
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料の総量に対して、好ましくは1質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
【0020】
顔料の含有量は、着色剤(A)中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
【0021】
着色剤(A)は、染料を含有していてもよい。染料としては、特に限定されず公知の染料を使用することができ、溶剤染料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられる。染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0022】
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド45、49、111、125、130、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、77、86;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー4、5、14、18、35、36、37、45、58、59、59:1、63、67、68、69、70、78、79、83、90、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、33、34、35、37、40、42、44、50、51、52、57、66、73、76、80、87、88、91、92、94、95、97、98、103、106、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、155、158、160、172、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、289、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、388、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、15、16、17、19、21、23、24、25、30、34、38、49、72、102;
C.I.アシッドブルー1、3、5、7、9、11、13、15、17、18、22、23、24、25、26、27、29、34、38、40、41、42、43、45、48、51、54、59、60、62、70、72、74、75、78、80、82、83、86、87、88、90、90:1、91、92、93、93:1、96、99、100、102、103、104、108、109、110、112、113、117、119、120、123、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、150、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、210、213、229、234、236、242、243、256、259、267、269、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、7、8、9、11、13、14、15、16、22、25、27、28、41、50、50:1、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、3、6、8、15、22、25、28、29、40、41、42、47、52、55、57、71、76、77、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54,76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60等のC.I.ディスパース染料、
C.I.ベーシックレッド1、10;
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、21、22、24、25、26、28、29、40、41、45、47、54、58、59、60、64、65、66、67、68、81、83、88、89;
C.I.ベーシックバイオレット2;
C.I.ベーシックレッド9;
C.I.ベーシックグリーン1等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36等のC.I.リアクティブ染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、27、29、30、32、33、36、37、38、39、41、42、43、45、46、48、52、53、56、62、63、71、74、76、78、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、1:1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、27、28、30、31、32、33、36、37、39、40、41、44、45、47、48、49、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、13、15、19、21、23、26、29、31、33、34、35、41、43、53等のC.I.モーダント染料、
C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料等が挙げられる。
【0023】
染料の含有量は、着色剤(A)中、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下であり、0質量%であってもよい。
【0024】
着色剤(A)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは5~60質量%であり、より好ましくは8~55質量%であり、さらに好ましくは10~50質量%である。着色剤(A)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中に樹脂(B)や重合性化合物(C)を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができる。
【0025】
なお、本明細書における「固形分の総量」とは、着色硬化性樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0026】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K2];(a)に由来する構造単位と(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K3];(a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K4];(a)に由来する構造単位に(b)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K5];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K6];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させ、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体。
【0027】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類;等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0028】
(b)は、例えば、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2~4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
【0029】
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)が挙げられる。
【0030】
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-1)(以下「(b1-1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-2)(以下「(b1-2)」という場合がある)が挙げられる。
【0031】
(b1-1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0032】
(b1-2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
【0033】
【0034】
[式(I)及び式(II)中、Ra及びRbは、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Xa及びXbは、単結合、*-Rc-、*-Rc-O-、*-Rc-S-又は*-Rc-NH-を表す。
Rcは、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0035】
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
Ra及びRbとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
【0036】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等が挙げられる。
Xa及びXbとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*-CH2-O-及び*-CH2CH2-O-が挙げられ、より好ましくは単結合、*-CH2CH2-O-が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
【0037】
式(I)で表される化合物としては、式(I-1)~式(I-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(I-1)、式(I-3)、式(I-5)、式(I-7)、式(I-9)又は式(I-11)~式(I-15)で表される化合物が好ましく、式(I-1)、式(I-7)、式(I-9)又は式(I-15)で表される化合物がより好ましい。
【0038】
【0039】
【0040】
式(II)で表される化合物としては、式(II-1)~式(II-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II-1)、式(II-3)、式(II-5)、式(II-7)、式(II-9)又は式(II-11)~式(II-15)で表される化合物が好ましく、式(II-1)、式(II-7)、式(II-9)又は式(II-15)で表される化合物がより好ましい。
【0041】
【0042】
【0043】
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を併用してもよい。式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物を併用する場合、これらの含有比率〔式(I)で表される化合物:式(II)で表される化合物〕はモル基準で、好ましくは5:95~95:5、より好ましくは20:80~80:20である。
【0044】
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
【0045】
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0046】
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1-2)がより好ましい。
【0047】
(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0048】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(b)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(b)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
【0049】
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0050】
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
【0051】
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0052】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~45モル%
(b)に由来する構造単位;2~95モル%
(c)に由来する構造単位;1~65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5~40モル%
(b)に由来する構造単位;5~80モル%
(c)に由来する構造単位;5~60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
【0053】
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0054】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(c)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(c)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
【0055】
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0056】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたものと同じ比率であることが好ましい。
【0057】
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60~130℃で、1~10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5~80モルが好ましく、より好ましくは10~75モルである。この範囲にすることにより、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0058】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5~95モル%
(c)に由来する構造単位;5~95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10~90モル%
(c)に由来する構造単位;10~90モル%
であることがより好ましい。
【0059】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5~80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
【0060】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルが好ましい。
【0061】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド/2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/2-エチルヘキシル(メタ)アクリル酸共重合体、3-メチル-3-(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましく、樹脂[K2]が特に好ましい。
【0062】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。分子量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの硬度が向上し、残膜率が高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
【0063】
樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
【0064】
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは50~170mg-KOH/gであり、より好ましくは60~160mg-KOH/gであり、さらに好ましくは70~150mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0065】
樹脂(B)の含有率は、固形分の総量に対して、好ましくは7~65質量%であり、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。樹脂(B)の含有率が、前記の範囲内にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
【0066】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、式(1)で表される第1化合物(グリセリンジ(メタ)アクリレート)を含む。
【0067】
【化10】
[式(1)中、R
1a~R
3aのいずれか1つは水素原子を表し、残りはそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す。]
【0068】
第1化合物としては、式(1)におけるR2aが水素原子を表し、R1a及びR3aがそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す化合物(グリセリン-1,3-ジ(メタ)アクリレート)であることが好ましく、式(1)におけるR2aが水素原子を表し、R1a及びR3aがアクリロイル基を表す化合物(グリセリン-1,3-ジアクリレート)であることがより好ましい。
【0069】
また、グリセリン-1,3-ジ(メタ)アクリレートは、式(1)におけるR3aが水素原子を表し、R1a及びR2aがそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す化合物(グリセリン-1,2-ジ(メタ)アクリレート)との混合物であってもよい。
【0070】
重合性化合物(C)は、前記第1化合物に加えて、式(2)で表される第2化合物(グリセリントリ(メタ)アクリレート)を含む。
【0071】
【化11】
[式(2)中、R
1b~R
3bは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基を表す。]
【0072】
第2化合物としては、R1b~R3bがアクリロイル基を表す化合物(グリセリントリアクリレート)であることが好ましい。
【0073】
第1化合物と第2化合物の質量比(第1化合物/第2化合物)は、5/95~93/7であることが好ましく、より好ましくは20/80~90/10、更に好ましくは40/60~85/15、特に好ましくは50/50~80/20である。換言すれば、第1化合物と第2化合物の合計100質量%中、第1化合物の含有量は、5質量%以上93質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上90質量%以下、更に好ましくは40質量%以上85質量%以下、特に好ましくは50質量%以上80質量%以下であり、また、第2化合物の含有量は、7質量%以上95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上80質量%以下、更に好ましくは15質量%以上60質量%以下、特に好ましくは20質量%以上50質量%以下である。第1化合物と第2化合物の質量比を上記範囲に調整することにより、得られる硬化膜の膜厚を薄くすることが可能となる。
【0074】
重合性化合物(C)は、前記第1化合物及び前記第2化合物に加えて、さらに式(3)で表される第3化合物(以下、グリセリンモノ(メタ)アクリレートという場合がある)を含んでいてもよい。
【0075】
【化12】
[式(3)中、R
1c~R
3cのいずれか2つは水素原子を表し、残りは(メタ)アクリロイル基を表す。]
【0076】
第3化合物としては、式(3)におけるR1cが(メタ)アクリロイル基を表し、R2c及びR3cが水素原子を表す化合物(グリセリン-1-(メタ)アクリレート)であることが好ましく、式(3)におけるR1cがアクリロイル基を表し、R2c及びR3cが水素原子を表す化合物(グリセリン-1-アクリレート)であることがより好ましい。
【0077】
また、グリセリン-1-(メタ)アクリレートは、式(3)におけるR2cが(メタ)アクリロイル基を表し、R1c及びR3cが水素原子を表す化合物(グリセリン-2-(メタ)アクリレート)との混合物であってもよい。
【0078】
第3化合物の含有量は、第1化合物及び第2化合物の合計100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下、特に好ましくは20質量部以下であり、また0質量部であってもよく、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは10質量部以上である。
【0079】
第1化合物の含有量は、第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計100質量%中、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上であり、また、75質量%以下であることが好ましく、より好ましくは73質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、特に好ましくは68質量%以下である。
【0080】
第2化合物の含有量は、第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計100質量%中、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは9質量%以上、更に好ましくは12質量%以上、特に好ましくは17質量%以上であり、また、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは77質量%以下、更に好ましくは57質量%以下、特に好ましくは45質量%以下である。
【0081】
第3化合物の含有量は、第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計100質量%中、0質量%であってもよく、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
【0082】
第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の含有量を上記範囲に調整することにより、得られる硬化膜の膜厚を薄くすることが可能となる。
【0083】
重合性化合物(C)は、本発明の効果を損なわない限り、上記第1化合物、第2化合物、及び第3化合物以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」と言う)を含んでいてもよい。
【0084】
その他の重合性化合物としては、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、且つ上記第1化合物、第2化合物、及び第3化合物以外の化合物であればよい。例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0085】
その他の重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、こはく酸モノ(2-アクリロイルオキシエチル)、N-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]フタルイミド、N-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]テトラヒドロフタルイミド、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートモノマー;
1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレ-ト、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるジオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるジオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるトリオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるジオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレートモノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートモノマー;等が挙げられる。中でも、重合性のエチレン性不飽和結合を3つ以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、重合性のエチレン性不飽和結合を3~6つ有する多官能(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。
【0086】
第1化合物、第2化合物、及び第3化合物の合計量は、重合性化合物(C)100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。言い換えれば、その他の重合性化合物の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、特に好ましくは5質量%以下であり、0質量%であってもよい。
【0087】
重合性化合物(C)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量に対して、7~65質量%であることが好ましく、より好ましくは10~60質量%であり、さらに好ましくは10~55質量%、特に好ましくは10~40質量%である。重合性化合物(C)の含有率が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
【0088】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物が挙げられる。
【0089】
前記O-アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される部分構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
【0090】
【0091】
前記O-アシルオキシム化合物としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンが挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N-1919、NCI-730(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O-アシルオキシム化合物は、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、及びNCI-730からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらのO-アシルオキシム化合物であると、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
【0092】
前記アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
【0093】
【0094】
式(d2)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オンが挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタールが挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
【0095】
前記トリアジン化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
【0096】
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
【0097】
前記ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6-75372号公報、特開平6-75373号公報等参照。)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照。)、4,4’,5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているビイミダゾール化合物(例えば、特開平7-10913号公報等参照)が挙げられる。
【0098】
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、アミン類等の重合開始助剤と組み合わせて用いることが好ましい。
【0099】
酸発生剤としては、例えば、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート等が挙げられる。
【0100】
重合開始剤(D)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O-アシルオキシム化合物を含む重合開始剤がより好ましい。
【0101】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~20質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
【0102】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0103】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0104】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソールなどが挙げられる。
【0105】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0106】
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロンなどが挙げられる。
【0107】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンなどが挙げられる。
【0108】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンなどが挙げられる。
【0109】
アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドンなどが挙げられる。
【0110】
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン及びN,N-ジメチルホルムアミドが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル及び3-エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
【0111】
溶剤(E)の含有率は、本発明の着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70~95質量%であり、より好ましくは75~92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総含有率は、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%である。溶剤(E)の含有率が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0112】
<レベリング剤(F)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらにレベリング剤(F)を含んでいてもよい。レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
【0113】
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0114】
前記のフッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(AGC(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0115】
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0116】
レベリング剤(F)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、より好ましくは0.003質量%以上0.2質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以上0.2質量%以下である。尚、この含有率に、前記分散剤の含有率は含まれない。レベリング剤(F)の含有率が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0117】
<チオール化合物(G)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらにチオール化合物(G)を含んでいてもよい。チオール化合物(G)としては、分子内に少なくとも1つのスルファニル基を有する化合物であれば特に限定されないが、分子内に2つ以上のスルファニル基を有する化合物であることが好ましい。分子内に2つ以上のスルファニル基を有する化合物としては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ビス(メチルスルファニル)ベンゼン、ブタンジオールビス(3-スルファニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3-スルファニルアセテート)、エチレングリコールビス(3-スルファニルアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルアセテート)、ブタンジオールビス(3-スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-スルファニルアセテート)、トリスヒドロキシエチルトリス(3-スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-スルファニルブチレート)及び1,4-ビス(3-スルファニルブチルオキシ)ブタン等が挙げられる。
【0118】
チオール化合物(G)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.5~4質量%であり、さらに好ましくは1~3質量%である。チオール化合物(G)の含有量が前記の範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0119】
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、重合開始助剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0120】
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物を調製する方法としては、例えば、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、溶剤(E)、並びに必要に応じて用いられるレベリング剤(F)、チオール化合物(G)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
【0121】
着色剤(A)として顔料を用いる場合、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合しておくことが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。このようにして得られた顔料分散液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
【0122】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化膜である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
【0123】
作製するカラーフィルタ(硬化膜)の膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、0.1~30μm、好ましくは0.1~20μm、さらに好ましくは0.5~6μmである。なおカラーフィルタが同色度の場合には、膜厚が薄い方が軽量、薄型且つ色再現性の高い表示装置を製造するにあたり有利である。薄膜化の観点から、作製するカラーフィルタ(硬化膜)の膜厚は、3.00μm以下であることが好ましく、より好ましくは2.50μm以下、更に好ましくは2.00μm以下、特に好ましくは1.98μm以下である。
【0124】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
【0125】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、減圧乾燥及び/又は加熱乾燥(プリベーク)することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
減圧乾燥を行う場合は、50~150Paの圧力下、20~25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30~120℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間~60分間であることが好ましく、30秒間~30分間であることがより好ましい。
着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0126】
次に、着色組成物層は、着色塗膜を形成するために露光される。また、着色パターンを形成する際には、着色組成物層は、フォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。
露光に用いられる光源としては、250~450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
【0127】
着色パターンを形成する際には、露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.03~5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
【0128】
さらに、得られた着色塗膜又は着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、80~250℃が好ましく、90~235℃がより好ましい。また、本発明の着色硬化性樹脂組成物は、ポストベークの温度が低い場合であっても、性能が良好なカラーフィルタを作製することが可能である。従って、ポストベーク温度は、200℃以下であってもよく、150℃以下であってもよく、130℃以下であってもよい。ポストベークの温度が低いことにより、基板や素子などへのダメージを考慮する必要がないため、有機EL表示装置やフレキシブルディスプレイ等に好適に用いることができる。ポストベーク時間は、1~120分間が好ましく、10~60分間がより好ましい。
【0129】
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、特に膜厚が2.00μm以下(好ましくは1.98μm以下)であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.170~0.300、y=0.600~0.800の範囲にある緑色カラーフィルタ(硬化膜);
膜厚が2.00μm未満(好ましくは1.98μm以下)であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.640~0.710、y=0.290~0.330の範囲にある赤色カラーフィルタ(硬化膜);並びに
膜厚が2.00μm未満(好ましくは1.98μm以下)であり、かつC光源を使用して測色した際のCIEのXYZ表色系における色度座標が、x=0.130~0.160、y=0.035~0.080の範囲にある青色カラーフィルタ(硬化膜)を作製することができる。該カラーフィルタは、濃色でありながらも薄膜であるため、液晶表示装置、有機EL表示装置、電子ペーパー及び固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタとして有用であり、中でもフレキシブルディスプレイ(特に有機EL型のフレキシブルディスプレイ)に用いられるカラーフィルタとして特に有用である。
【実施例】
【0130】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
【0131】
[樹脂(B1)の合成]
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート350部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸70部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で1:1)202部、ビニルトルエン(異性体混合物)78部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部の混合溶液を4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート167部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、B型粘度計(23℃)で測定した粘度431mPas、固形分38.1%の共重合体(樹脂B1)溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは1.04×104、分散度は2.03、固形分換算の酸価は139mg-KOH/gであった。樹脂B1は、以下の構造単位を有する。
【0132】
【0133】
[樹脂(B2)の合成]
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート362部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、アクリル酸58部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で1:1)167部、2-エチルヘキシルアクリレート65部、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート111部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)27部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート210部に溶解した溶液を5.5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、80℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)43mPas、固形分29.8%の共重合体(樹脂B2)溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは1.09×104、分散度は2.25、固形分換算の酸価は148mg-KOH/gであった。樹脂B2は、以下の構造単位を有する。
【0134】
【0135】
[着色剤分散液(A1)の調製]
C.I.ピグメントグリーン59 10部
アクリル系顔料分散剤 1.4部
アクリル系顔料分散樹脂 樹脂(B1) 4.6部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A1)を得た。
【0136】
[着色剤分散液(A2)の調製]
C.I.ピグメントイエロー150 10部
アクリル系顔料分散剤 4.5部
アクリル系顔料分散樹脂 樹脂(B2) 3.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 66部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A2)を得た。
【0137】
[着色剤分散液(A3)の調製]
C.I.ピグメントイエロー138 10部
アクリル系顔料分散剤 3.2部
アクリル系顔料分散樹脂 樹脂(B2) 4.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 66部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A3)を得た。
【0138】
[着色剤分散液(A4)の調製]
C.I.ピグメントレッド269 10部
アクリル系顔料分散剤 2.5部
アクリル系顔料分散樹脂(B3) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 56部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A4)を得た。
【0139】
[着色剤分散液(A5)の調製]
C.I.ピグメントイエロー139 10部
アクリル系顔料分散剤 3.5部
アクリル系顔料分散樹脂(B3) 2.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A5)を得た。
【0140】
[着色剤分散液(A6)の調製]
C.I.ピグメントバイオレット19 10部
アクリル系顔料分散剤 2.8部
アクリル系顔料分散樹脂(B3) 3.3部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 61部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A6)を得た。
【0141】
[着色剤分散液(A7)の調製]
C.I.ピグメントブルー15:6 10部
アクリル系顔料分散剤 2.5部
アクリル系顔料分散樹脂(B3) 2.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 68部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A7)を得た。
【0142】
[着色剤分散液(A8)の調製]
式(X)で表される化合物(太陽ファインケミカル製) 10部
アクリル系顔料分散剤 4.0部
アクリル系顔料分散樹脂(B3) 4.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 107部
上記成分を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、分散液(A8)を得た。
【0143】
【0144】
[実施例1~11、比較例1~5]
[着色硬化性樹脂組成物の調製]
表1に示す組成となるように、着色剤分散液、樹脂、重合性化合物、重合開始剤、レベリング剤、チオール化合物、及び溶剤を混合して、各々の着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0145】
【0146】
表1中、各成分は以下の通りである。
・着色剤(A1):C.I.ピグメントグリーン59
・着色剤(A2):C.I.ピグメントイエロー150
・着色剤(A3):C.I.ピグメントイエロー138
・着色剤(A4):C.I.ピグメントレッド269
・着色剤(A5):C.I.ピグメントイエロー139
・着色剤(A6):C.I.ピグメントバイオレット19
・着色剤(A7):C.I.ピグメントブルー15:6
・着色剤(A8):式(X)で表される化合物
・樹脂(B1):樹脂B1(固形分換算)
・樹脂(B2):樹脂B2(固形分換算)
・樹脂(B3):アクリル系顔料分散樹脂(B3)
・重合性化合物(C1):アロニックス(登録商標)M-930(東亞合成株式会社製;グリセリン-1,3-ジアクリレート9%、グリセリントリアクリレート91%)
・重合性化合物(C2):アロニックス(登録商標)M-920(東亞合成株式会社製;グリセリン-1,3-ジアクリレート60%、グリセリントリアクリレート33%、グリセリン-1-アクリレート7%)
・重合性化合物(C3):グリセリンモノアクリレート、グリセリンジアクリレートおよびグリセリントリアクリレートの混合物(東亞合成株式会社製;グリセリン-1,3-ジアクリレート64%、グリセリントリアクリレート22%、グリセリン-1-アクリレート14%)
・重合性化合物(C4):エチレンオキサイド化グリセリントリアクリレート(EO9mol)(A-GLY-9E;新中村化学工業株式会社製)
・重合性化合物(C5):ジペンタエリスリトールポリアクリレート(A-9550;新中村化学工業株式会社製)
・重合性化合物(C6):トリメチロールプロパントリアクリレート(A-TMPT;新中村化学工業株式会社製)
・重合性化合物(C7):ペンタエリスリトールトリおよびテトラアクリレート(A-TMM-3LM-N;新中村化学工業株式会社製)
・重合性化合物(C8):エトキシ化ジペンタエリスリトールポリアクリレート(A-DPH-12E;新中村化学工業株式会社製)
・重合開始剤(D1):NCI-730(株式会社ADEKA製;O-アシルオキシム化合物)
・溶剤(E1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・レベリング剤(F1):含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(メガファック(登録商標)F554;DIC株式会社製)
・チオール化合物(G1):トリメチロールプロパントリス(3-スルファニルプロピオネート)(TMMP-20P;SC有機化学株式会社製)
【0147】
[着色塗膜の作製]
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、得られた着色硬化性樹脂組成物を、スピンコート法で塗布したのち、100Paの圧力下で減圧乾燥を行った。その後、70℃で2分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cm2の露光量(365nm基準)で着色組成物層に光照射を行った。その後、オーブン中100℃で30分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。
【0148】
[膜厚の測定]
得られた着色塗膜について、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0149】
[色度評価]
得られた着色塗膜について、測色機(OSP-SP-200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)とYとを測定した。結果を表2に示す。
【0150】