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特許7687347スラリー状分散体、化粧料及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】スラリー状分散体、化粧料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20250527BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20250527BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20250527BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20250527BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20250527BHJP
【FI】
A61K8/891
A61K8/04
A61K8/37
A61K8/31
A61Q1/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022561911
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 JP2021041010
(87)【国際公開番号】W WO2022102579
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2020189448
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 将幸
(72)【発明者】
【氏名】宮内 大
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-089449(JP,A)
【文献】特開2011-001295(JP,A)
【文献】特開2013-151656(JP,A)
【文献】特開2002-154923(JP,A)
【文献】特開2002-146261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、
(B)疎水化処理された着色顔料、及び
(C)25℃で液状の油剤
を含有し、成分(A)の含有量が0.1~10質量%、成分(B)の含有量が20~89.9質量%、及び(C)成分の含有量が10~35質量%であるスラリー状分散体。
【請求項2】
成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.005~0.05である請求項1記載のスラリー状分散体。
【請求項3】
(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、
(B)疎水化処理された着色顔料、及び
(C)25℃で液状の油剤
のみで構成されるスラリー状分散体。
【請求項4】
(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、
(B)疎水化処理された着色顔料、及び
(C)25℃で液状の油剤
を含有するスラリー状分散体1~30質量%含む化粧料であって、(D)有機変性粘土鉱物を1.5質量%以下含む化粧料。
【請求項5】
スラリー状分散体が、成分(A)の含有量が0.1~10質量%、成分(B)の含有量が20~89.9質量%、及び(C)成分の含有量が10~40質量%である請求項記載の化粧料。
【請求項6】
(C)成分が、炭化水素及びエステルから選ばれる25℃で液状の油剤である請求項又は記載の化粧料。
【請求項7】
成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.005~0.05である請求項のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項8】
成分(D)の含有量が、化粧料全体中0.1~0.8質量%である請求項のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項9】
(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、(B)疎水化処理された着色顔料と、(C)炭化水素及びエステルから選ばれる25℃で液状の油剤とを混合して、スラリー状分散体を調製する工程(I)と、
得られたスラリー状分散体と油相成分を混合し、得られた混合物II-1に、水相成分を混合する工程(II-1)
を有する油中水型乳化化粧料の製造方法。
【請求項10】
(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、(B)疎水化処理された着色顔料と、(C)25℃で液状の油剤とを混合して、スラリー状分散体を調製する工程(I)と、
油相成分と水相成分を混合し、得られた混合物II-2に、スラリー状分散体を混合する工程(II-2)
を有する油中水型乳化化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリメチルシロキシケイ酸を配合する、スラリー状分散体、化粧料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、化粧料において、トリメチルシロキシケイ酸は皮膜形成剤として用いられ、化粧料の化粧持ち向上等の目的で配合される。特許文献1では、ポリエーテル基、ポリグリセリン基、シリコーン等の変性基を有するトリメチルシロキシケイ酸が開示されている。しかしながら、耐油性等の化粧持ち効果については研究されているが、着色顔料の分散性については研究がなされていない。
【0003】
一方、特許文献2では、メイクアップ化粧料において、トリメチルシロキシケイ酸を配合することで塗布後の仕上がりを改善する技術が知られている(特許文献2)。しかしながら、ここで用いられているトリメチルシロキシケイ酸は塗布後の仕上がり向上を目的としており、着色顔料の色別れ改善や分散性について研究がなされていない。なお、ファンデーション等のメイクアップ化粧料では、肌への塗布する際の使用性、塗布性、並びに、密着性が求められる一方で、色別れや色むらがない等の高い審美性も所望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2019/107497号
【文献】特開2018-188411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、化粧料に配合することで、使用感が良く(軽い感触)、塗布性(伸び)が良く、密着感に優れ、顔料の分散性が向上することで、色むらが抑制されるスラリー状分散体、これを配合した化粧料、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
顔料を配合して着色させる化粧料中では、顔料が凝集し、沈降や分離による色別れ現象が発生して、化粧料の経時安定性を悪化させ、審美性を喪失させ、商品価値を低減してしまうことが問題となる場合がある。また、顔料の凝集を防ぎ、分散性を向上させるために界面活性剤等の配合量を増やすと、重くべたついた使用感になる等、使用感の面で問題が発生することがあり、使用感と分散性を同時に満足させることが難しい。このような現象は、特にベースメイクアップであるクリームファンデーションやリキッドファンデーションのような乳化タイプの化粧料で顕著に現れる。加えて、これらベースメイクアップにおいては、ポイントメイクアップに比べ、塗布面積が広くなるため、更に、伸びの良さ等の塗布性や肌への化粧料の密着性も重視される。
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、(B)疎水化処理された着色顔料、及び(C)25℃で液状の油剤を含有するスラリー状分散体を用いることにより、上記課題を解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は下記発明を提供する。
1.(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、
(B)疎水化処理された着色顔料、及び
(C)25℃で液状の油剤
を含有するスラリー状分散体。
2.成分(A)の含有量が0.1~10質量%、成分(B)の含有量が20~89.9質量%、及び(C)成分の含有量が10~40質量%である1記載のスラリー状分散体。
3.(C)成分が、25℃で液状の炭化水素及びエステルから選ばれる油剤である1又は2記載のスラリー状分散体。
4.成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.005~0.05である1~3のいずれかに記載のスラリー状分散体。
5.1~4のいずれかに記載のスラリー状分散体を1~30質量%含む化粧料。
6.化粧料が油中水型乳化化粧料であって、(D)有機変性粘土鉱物を1.5質量%以下含む5記載の化粧料。
7.成分(D)の含有量が、化粧料全体中0.1~0.8質量%である6記載の化粧料。
8.(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、(B)疎水化処理された着色顔料と、(C)25℃で液状の油剤とを混合して、スラリー状分散体を調製する工程(I)と、
得られたスラリー状分散体と油相成分を混合し、得られた混合物II-1に、水相成分を混合する工程(II-1)、又は
油相成分と水相成分を混合し、得られた混合物II-2に、スラリー状分散体を混合する工程(II-2)
を有する油中水型乳化化粧料の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、化粧料に配合することで、使用感が良く(軽い感触)、塗布性(伸び)が良く、密着感に優れ、顔料の分散性が向上することで、色むらが抑制されるスラリー状分散体、これを配合した化粧料、及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明において、成分名を化粧品表示名称又はInternational Nomenclature of Cosmetic Ingredient(INCI)で記載する場合がある。
【0011】
I.スラリー状分散体
本発明のスラリー状分散体は、(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、(B)疎水化処理された着色顔料及び(C)25℃で液状の油剤を含有するスラリー状分散体である。
【0012】
[成分(A)]
本発明の成分(A)は、トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。成分(A)は、成分(B)疎水化処理された着色顔料の化粧料中での分散性を向上させ、色別れを抑制することにより、化粧料の経時安定性を悪化させて審美性を損なわせない効果がある。
【0013】
トリメチルシロキシケイ酸(trimethylsiloxysilicate(INCI))は、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、平均組成式[(CH33SiO1/2a[SiO2b(式中、aは1~3、bは0.5~8)で表されるものが好ましい。また、[(CH33SiO1/2aの(CH3)の一部をポリオキシアルキルエーテル、グリセリン、ジメチルポリシロキサンで置換されたトリメチルシロキシケイ酸の誘導体を用いることができる。トリメチルシロキシケイ酸の誘導体を用いた場合、分散性が良好となる場合があるが、使用感が重くなるおそれがある。良好な使用感(軽さ)を求める場合はトリメチルシロキシケイ酸が好ましい。
【0014】
成分(A)の重量平均分子量は、顔料の分散性を向上させる目的から、1,000~20,000のものが好ましく、1,000~10,000のものがより好ましく、1,000~3,000のものがさらに好ましい。なお、本発明において重量平均分子量は、下記条件によるポリスチレンを標準物質としたGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)分析による値である。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolumn SuperH-H
TSKgel SuperHM-N(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2500(6.0mmI.D.×15cm×1)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50μL(濃度0.3質量%のTHF溶液)
【0015】
成分(A)の性状は、25℃で液状、ガム状、ペースト状、固体状等、いずれであってもよいが、色むらの改善効果の点から液状が好ましい。また、成分(A)は、配合時のハンドリングの観点から、溶剤によって希釈された溶液や分散液の状態で使用してもよい。希釈させる溶剤としては、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。市販品としては、KF-7312J(デカメチルシクロペンタシロキサン50質量%+トリメチルシロキシケイ酸50質量%の混合物溶液)、KF-7312K(ジメチコン(6cs)40質量%+トリメチルシロキシケイ酸60質量%の混合物溶液)、KF-9021(デカメチルシクロペンタシロキサン50質量%+トリメチルシロキシケイ酸50質量%の混合物溶液)、X-21-5249(デカメチルシクロペンタシロキサン50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の混合物溶液)、X-21-5595(イソドデカン40質量%+トリメチルシロキシケイ酸60質量%の混合物)等(いずれも信越化学工業(株)製)を使用することができる。液状の具体例としてはX-21-5250(デカメチルシクロペンタシロキサン50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の混合物溶液)、X-21-5250L(ジメチコン(6cs)50質量%+トリメチルシロキシケイ酸50質量%の混合物溶液)、X-21-5616(イソドデカン50質量%+トリメチルシロキシケイ酸50質量%の混合物溶液)等が挙げられる。
【0016】
なお、本発明においては、成分(A)によって、疎水化処理された着色顔料の凝集を回避し、色別れを抑制する効果が発現されるが、成分(A)に加え、一般的に化粧料に使用される分散剤や乳化剤、すなわち、シリコーン変性アクリルポリマーやアルキルポリエーテル変性シリコーン等を単独で使用した場合には、その効果が発現されない場合がある。本発明の成分(A)は乳化への影響が少ないため、油中水型化粧料、水中油型化粧料いずれの場合も好ましく用いられるが、密着感の点で油中水型化粧料が好ましい。
【0017】
成分(A)の含有量は、スラリー状分散体中の0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましく、0.8~2.5質量%がさらに好ましい。0.1質量%未満の場合、十分な分散性が得られないおそれがあり、10質量%を超える場合はスラリー状分散体の粘度が増加するおそれがある。
【0018】
[成分(B)]
本発明の成分(B)は疎水化処理された着色顔料であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明に係る疎水化処理された着色顔料の着色顔料は、通常、化粧料の着色を目的に使用される顔料であれば、特に限定はなく、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、白色酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、コンジョウ、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化鉄ドープ酸化チタン、チタン酸鉄、(チタン/酸化チタン)焼成物、チタン酸(Li/コバルト)、チタン酸コバルト、窒化チタン、水酸化鉄、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料等、いずれのものも使用することができる。
【0019】
また、本発明に係る顔料の形状としては、球状、略球状、棒状、紡錘状、花弁状、短冊状、不定形状等、いずれの形状であってもよく、化粧料に色を付与することが可能であれば、その幾何学的態様には特に限定はない。また、隠蔽力の点から、その粒子径、すなわち、平均粒子径が150~600nmの範囲にある顔料が好ましい。なお、本発明における平均粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)によって撮影した画像を個数基準で解析することで得られる値を指すものである。150nm未満では、隠ぺい力が低いため、化粧料の着色効率が低くなってしまうおそれがあり、また、600nmより大きい場合、使用感が悪化するおそれがある。
【0020】
さらに、本発明に係る顔料は、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカ等の無機化合物によって、部分的又は全部表面処理が施されていてもよい。
【0021】
疎水化処理とは、前記着色顔料を疎水化処理剤で表面処理を施すことをいう。本発明に係る着色顔料の表面疎水化処理剤は、疎水性を付与できるものであれば特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられ、シリコーン処理剤が好ましい。
【0022】
シリコーン処理剤としては、カプリリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)、トリメトキシシリルジメチコン等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96Aシリーズ)、メチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P,KF-9901等)、シリコーン分岐型シリコーン処理剤(信越化学工業(株)製:KF-9908,KF-9909等)等のシリコーン、アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製:KP-574、KP-541)等のシリコーン化合物が挙げられる。中でも、特許第3912961号公報記載のシリコーン粉体処理剤が好適に用いられ、トリエトキシシリル基とポリジメチルシロキシエチル基とヘキシル基とを側鎖に有するジメチルポリシロキサンであるトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(信越化学工業(株)製:KF-9909)等が、本発明に係る高疎水化度処理着色顔料を分散させる分散媒がシリコーン及び炭化水素等の混合組成であっても、高い親和性を発現する点から有効に用いられる。さらに、上記の表面疎水化処理剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0023】
本発明において、着色顔料に疎水化処理剤を用いて表面処理を施す方法としては、特に制限はなく、公知の方法で実施できる。表面処理法は、乾式法と湿式法に大別できる。乾式法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ジェットミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、サンドミル、アトライター、リボンブレンダー、ディスパーミキサー、ホモミキサー等の任意の撹拌機、粉砕機、混合機、分散機等を用い、本発明において使用される着色顔料と疎水化処理剤を混合/接触させることによって処理を施すことができる。この際、加熱、メカノケミカル的な機械力、過熱水蒸気等のエネルギーを付与しながら処理してもよい。また、着色顔料と疎水化処理剤を十分に混合又は接触させた後、別途、加熱、メカノケミカル的な機械力、過熱水蒸気等のエネルギーを付与し処理を施してもよい。又は疎水化処理剤を着色顔料に混合又は接触させる際、疎水化処理剤の分散効率を向上させる目的で、疎水化処理剤を任意量の水、溶剤又は超臨界流体に予め溶解、又は分散させ、これを着色顔料に噴霧する等の手段を用いてもよい。湿式法としては、水、溶剤又は超臨界流体に、着色顔料と疎水化処理剤とを分散させ、混合又は接触させてその後溶媒を蒸発させ、さらに、別途、加熱、メカノケミカル的な機械力又は過熱水蒸気等のエネルギーを付与し処理を施すことが可能である。
【0024】
疎水化表面処理を施した着色顔料の具体例としては、KTP-09シリーズ、特に、KTP-09W、09R、09Y、09B等(信越化学工業製)が挙げられる。
【0025】
成分(B)の含有量は、スラリー状分散体中20~89.9質量%が好ましく、30~85質量%がより好ましく、70~85質量%がさらに好ましい。20質量%未満の場合、着色力が不十分となるおそれがあり、90質量%を超える場合、着色顔料同士の凝集が強くなるおそれがある。
【0026】
スラリー状分散体中、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、0.005~0.05が好ましく、0.01~0.03がより好ましい。上記範囲を、0.005~0.05とすることで、成分(A)の成分(B)への分散効果をより得ることができる。
【0027】
[成分(C)]
成分(C)は、25℃で液状の油剤であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。25℃で液状の油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に限定なく、例えば、ホホバ油、オリーブ油等の植物油、液状ラノリン等の動物油、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素、アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等のエステル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン等を使用することができる。
【0028】
これらの中で、低粘度の炭化水素、シリコーン、エステル等が好ましい。より具体的には、炭化水素としては、イソドデカン、ドデカン、流動パラフィン、スクワラン、(C13-15)アルカンが好ましく、エステルとしては、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチル、ラウリン酸へキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、シリコーンとしては、粘度が25℃で50mm2/s以下のジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、メチルトリメチコン等が好ましい。
【0029】
成分(C)の含有量は、スラリー状分散体中の10~40質量%が好ましく、15~35質量%がより好ましく、15~25質量%がさらに好ましい。10質量%未満の場合、成分(B)への濡れが不十分となるおそれがあり、40質量%を超える場合はせんだん力が不十分になるおそれがある。特に、三本ロールにて分散する場合は15~30質量%が好ましく、15~25質量%がさらに好ましい。
【0030】
また、成分(C)として用いられる25℃で液状の油剤は、スラリー状分散体を調製するため、本発明に示すスラリー状分散体の含有量を満たす限り、化粧料に使用感の調整、エモリエント性等を付与する目的で、別途、液状の油性成分として後述するその他の任意成分と同様、化粧料に配合することができる。
【0031】
本発明の成分(C)は化粧料の安定性や使用感に大きく影響を与える。(C)成分を構成する比率としてシリコーンが多い場合、成分(A)との相溶性、成分(B)への濡れ性、後述する成分(D)の膨潤性、その他の成分との相溶性の点で好ましいが、密着感が得られ難い。成分(C)成分のシリコーンの比率を下げることで密着感が得られる一方、前記の相溶性や濡れ性、膨潤性が低下し、色むらが発生しやすくなる。なお、後述する本発明の製造方法であれば良好な分散性を得ることができる。密着感を得たい場合、(C)成分中の非シリコーンの比率は30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。シリコーンの配合量は15質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、配合しない場合が最も好ましく、密着感と色むら抑制を両立することができる。
【0032】
[任意成分]
本発明のスラリー状分散体には後述する皮膜剤、粉体や紫外線散乱剤、紫外線吸収剤や液状ではない油剤、後述する成分(D)を含有してもよい。顔料分散性や、成分(A)の濃度低下を抑制する点から、成分(A)(B)及び成分(C)のみで構成されることが好ましい。
【0033】
[スラリー状分散体の製造方法]
本発明のスラリー状分散体の製造方法は、(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、(B)疎水化処理された着色顔料と、(C)25℃で液状の油剤とを混合して、スラリー状分散体を調製する工程(I)を有する。
【0034】
本発明に係るスラリー状分散体を調製する際、その方法や装置として、特に制限はなく、公知の方法で実施できる。例えば、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、リボンブレンダー、ディスパーミキサー、ホモミキサー、ロールミル等、任意の撹拌機、粉砕機、混合機、分散機等を用いることができる。特に、混合効率の観点から、3本ロールミルを用いて混合撹拌することが好ましい。撹拌混合温度は特に限定されず、20℃~105℃が好ましく、室温が特により好ましい。
【0035】
II.化粧料
本発明の化粧料は、上記スラリー状分散体を、化粧料中1~30質量%含むものであり、4~25質量%がより好ましく、10~25質量%がさらに好ましい。化粧料は油中水型乳化化粧料でも、水中油型乳化化粧料でもよいが、密着感の点で油中水型乳化化粧料が好ましく、ミルク状、クリーム状、スティック状、固形状等が挙げられる。具体的な化粧料としては、上記化粧料成分を配合してなるメイクアップ下地、コンシーラー、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、固形ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料、疎水化処理された着色顔料を含む日焼け止め乳液や日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料等が挙げられる。これらの中でも特に、肌への塗布を目的とした複数種の着色顔料を含有するファンデーション、化粧下地、日焼け止めが好ましい。
【0036】
[成分(D)]
本発明の化粧料、特に油中水型乳化化粧料の場合、顔料分散安定性の向上(色別れ抑制)の点から、成分(D)有機変性粘土鉱物を配合することが好ましい。有機変性粘土鉱物は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。有機変性粘土鉱物としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に限定なく、例えば、第四級アンモニウムイオンで置換されたカチオン変性粘土鉱物が挙げられる。具体的には、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム等の層状粘土鉱物を第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理して、層状粘土鉱物の層間のナトリウムイオンが、第四級アンモニウムイオンで置換されたカチオン変性粘土鉱物を使用することができる。
【0037】
さらに具体的には、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト等が好ましく、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトがより好ましい。また、市販品としては、ベントン38、ベントン38VCG、ベントン27(エレメンティス社製)等が挙げられる。
【0038】
成分(D)の含有量は、化粧料全体中の量として1.5質量%以下が好ましい。すなわち、成分(D)は、本発明での効果が発現される範囲において、配合しなくてもよいが、肌への付着性に優れ、肌に均一な薄膜を形成させることを所望する場合、化粧料全体中1.5質量%以下(0~1.5質量%)が好ましく、0.1~0.8質量%がより好ましい。成分(D)による使用感への影響抑制の点からは、0.4質量%以下が好ましい。なお、成分(D)を配合しない場合であっても、本発明のスラリー状分散体の場合は良好な分散性が得られる。1.5質量%を超えて配合した場合、肌への形成される膜質が不均一になったり、品質面での化粧料の経時安定性が悪くなる場合がある。
【0039】
本発明の化粧料には、通常の化粧料に使用される種々の任意成分を配合することができる。
【0040】
その他の任意成分としては、例えば、(1)油剤、(2)アルコール性水酸基を有する化合物、(3)界面活性剤、(4)粉体、(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、(6)皮膜形成剤、(7)制汗剤、(8)抗菌剤、(9)その他の添加剤を含んでよい。これらは一種単独で又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0041】
(1)油性成分
油性成分は、固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル等、本発明の効果発現の為に必須成分となる上記オルガノシロキサン以外のシリコーン、及びフッ素系油剤を使用することができる。
【0042】
・固体状の油性成分
本発明において、化粧料を固化させたい場合には、25℃で固体状のワックス、炭化水素、エステル、高級アルコール、高級脂肪酸を配合することが好ましい。25℃で固体状の油性成分としては、好ましくは40℃以上、より好ましくは60~110℃の融点を有するもので、ワックス、炭化水素、エステル、高級アルコール、高級脂肪酸を挙げることができ、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ等の植物性ワックス、ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス、固体パラフィン、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノール等の高級アルコール、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸、及び、アクリル-シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂等のシリコーンワックス(信越化学工業(株)製:アクリル-シリコーングラフト共重合体:KP-561P,562P等)、あるいは、これらの誘導体が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0043】
・天然動植物油脂類及び半合成油脂
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、スクワラン、スクワレン、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、落花生油等の天然植物油脂類、イボタロウ、セラックロウ、肝油、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、鯨ロウ、タートル油、豚脂、馬脂、ミツロウ、ミンク油、羊脂、ラノリン、卵黄油等の天然動物油脂類(昆虫由来含む)、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、硬化牛脂、硬化油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル等の半合成油脂等が挙げられる。
【0044】
なお、後述する紫外線吸収剤において、25℃で液状の場合、例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、サリチル酸オクチル、オクトクリレン等は、上記非シリコーンとして化粧料に配合することができる。
【0045】
(2)アルコール性水酸基を有する化合物
アルコール性水酸基を有する化合物としては、エタノール、イソプロパノール等、炭素原子数が好ましくは2~5の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等が挙げられる。また、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール等が挙げられる。
【0046】
(3)界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。これらの界面活性剤の中でも、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10~70質量%を占めることが好ましい。また、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを用いる場合には、当該架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。当該液状油剤としては、任意成分の油剤中の液状のシリコーン、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。具体例としては、信越化学工業(株)製:KSG-210,240,310,320,330,340,320Z,350Z,710,810,820,830,840,820Z,850Z等が挙げられる。架橋型オルガノポリシロキサンではない界面活性剤の具体例としては、信越化学工業(株)製:KF-6011,6013,6043,6017,6028,6038,6048,6100,6104,6105,6106等が挙げられる。何れの場合においても界面活性剤の配合量としては、化粧料全体の0.1~20質量%が好ましい。0.1質量%以上であれば、分散や乳化の機能を十分に果たすことができ、20質量%以下であれば化粧料がべたついた使用感になる恐れがないために好ましい。界面活性剤のHLBは、限定されないが化粧料の耐水性を維持するという目的から2~14.5が好ましい。
【0047】
(4)粉体
粉体としては、前記疎水化処理された着色顔料の他に、無機粉体、金属粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体等が挙げられる。具体的には次の通りである。但し、上記成分(B)は除かれる。
【0048】
・無機粉体
無機粉体としては、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、フュームドシリカ、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等からなる微粒子が挙げられる。また、無機着色パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料が挙げられる。
【0049】
・金属粉体
金属粉体としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、銀等からなる金属微粒子が挙げられる。
【0050】
・有機粉体
有機粉体としては、例えば、シリコーン、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等からなる粉体が挙げられる。特に、シリコーンとしては、シリコーン樹脂粒子(具体例としては、信越化学工業(株)製:KMP-590,591,592等)やシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末(具体例としては、信越化学工業(株)製:KSP-100、101、102、105、300、411、441等)が挙げられる。また、金属石鹸等も挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等からなる粉体も挙げられる。さらに、有機系色素等も挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
【0051】
・無機・有機複合粉体
無機・有機複合粉体としては、例えば、無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体が挙げられる。
【0052】
なお、上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。また、その表面処理剤は、化粧料の耐水性の観点から疎水性を付与できるものが好ましく、この疎水性を付与する処理剤としては特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。より好ましくはシリコーン処理剤で、カプリリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)、又は、トリメトキシシリルジメチコン等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96Aシリーズ)、メチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P,KF-9901等)、シリコーン分岐型シリコーン処理剤(信越化学工業(株)製:KF-9908,KF-9909等)等のシリコーン、アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製:KP-574、KP-541)等が挙げられる。さらに、上記の表面疎水化処理剤は、単独、あるいは、2種以上を組合せ使用しても良い。
【0053】
(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤から成る組成物
架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。任意成分の油剤中の液状のシリコーン、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。(5)成分は、本発明に係る(3)成分とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、具体例としては、信越化学工業(株)製:KSGシリーズ(商品名)、特に、KSG-15,16,016F,19,41,42,43,44,042Z,045Z等が挙げられる。
【0054】
(6)皮膜形成剤
皮膜形成剤は、主に化粧料の効果持続性をさらに維持させる目的で配合される。特に限定は無いが、撥水性付与の観点からシリコーン系組成物であることが好ましい。具体的には、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル-シリコーン皮膜剤、シリコーン変性ノルボルネン、シリコーン変性プルラン等を使用することができる。当該皮膜形成剤は、事前に室温で液状の油剤で溶解させてから化粧料に配合されてもよい。当該液状油剤としては、任意成分の油剤中の液状のシリコーン、炭化水素、エステル、天然動植物油、半合成油、フッ素系油等を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。また、それらの具体例としては、信越化学工業(株)製:トリメチルシロキシケイ酸のシリコーン溶解品であるKF-7312J、アクリル-シリコーン皮膜剤のシリコーン溶解品であるKP-545、KP-549、シリコーン変性ノルボルネンのイソドデカン溶解品であるNBN-30-ID、シリコーン変性プルランのイソドデカン溶解品であるTSPL-30-ID,シリコーン溶解品であるTSPL-30-D5等が挙げられる。
【0055】
(7)制汗剤
本発明に係る化粧料がデオドラント剤である場合には、制汗剤を任意に配合することができる。制汗剤は皮膚を収斂させることに依って、汗の発生を抑える成分であれば、特に限定はなく、汎用の成分を広く利用できる。例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインアルミニウム塩、タンニン酸、硫酸アルミニウムカリウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、焼きミョウバン、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム)等が挙げられる。特に、高い効果を発現する成分として、好ましくは、ハロゲン化アルミニウム、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、ならびにそれらとオキシハロゲン化ジルコニル及びヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体又は混合物からなる群より選択される制汗活性分である。これらの制汗剤は、水に溶解して配合したり、また、粉末をそのまま製剤に配合して使用することができる。制汗剤は、市販品を用いることもできる。用いる市販品は、他の成分との混合原料の形態であってもよい。制汗剤の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することができる。制汗効果に優れたデオドラント剤を得る目的、並びに、肌への刺激が低減されたデオドラント剤を得る目的から、その含有量は、デオドラント剤全体に対して、好ましくは0.001~30質量%の範囲であり、より好ましくは0.01~20質量%の範囲である。
【0056】
(8)抗菌剤
抗菌剤は体臭の原因物質を作り出す皮膚の常在菌の増殖を抑制させることに依って、防臭効果が得られる成分であれば、特に限定はない。例えば、トリクロサン、塩化ベンザエルコニウム、塩化ベンゾトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ハロカルバン、イソメチルフェノール等の抗菌薬剤が一般に利用される。また、緑茶乾留エキス等、生薬由来の精油や抽出物等で抗菌性を有するものを配合しても良い。生薬由来の精油や抽出物等の防臭効果を有する抗菌剤としては、例えば、緑茶エキス、ラベンダーエキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オオバクエキス、カワラヨモギエキス、キダチアロエエキス、クララ根エキス、クマザサ葉エキス、ニンニクエキス、ハマメリスエキス、紅茶エキス、セージ葉エキス、サンショウエキス、ショウガ根エキス、ショウブ根エキス、セイヨウキズタエキス、ドクダミエキス、モモ果実エキス、モモ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、センキュウエキス、ユーカリ葉エキス、ラッカセイ種皮エキス、レイシエキス、ワレモコウエキス等を用いることができる。植物抽出物は、1種又は、2種以上を混合しても良い。
【0057】
(9)その他の添加剤
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等が挙げられる。
【0058】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体等が挙げられる。
【0059】
・紫外線吸収散乱剤
本発明において、化粧料に紫外線遮蔽効果を所望する場合には、紫外線吸収剤を配合することが好ましい。
【0060】
紫外線吸収剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、サリチル酸ホモメンチル、オクトクリレン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン-6、オキシベンゾン-9、オキシベンゾン-1、ポリシリコーン-15、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、オキシベンゾン-2、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、ドロメトリゾールトリシロキサン、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オキシベンゾン-3、オキシベンゾン-4、オキシベンゾン-5、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。
【0061】
この中でも、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、サリチル酸オクチル、ポリシリコーン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びオクトクリレンから選択される1種又は2種以上の有機紫外線吸収剤であれば、特に、油剤との相溶性の観点から好ましい。
【0062】
紫外線散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。当該油剤としては、任意成分の油剤中の液状のシリコーン、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物の具体例としては、信越化学工業(株)製:SPDシリーズ(商品名)、特に、SPD-T5,Z5,T6,Z6,T7等が挙げられる。
【0063】
・保湿剤
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0064】
・防腐剤
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0065】
・香料
香料としては、天然香料及び合成香料がある。天然香料としては花、葉、材、果皮等から分離した植物性香料;ムスク、シベット等の動物性香料がある。合成香料としてはモノテルペン等の炭化水素類、脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類;脂環式ケトン等のケトン類;テルペン系エステル等のエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類等が挙げられる。
【0066】
・塩類
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧料処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0067】
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸アスコルビル、酢酸トコフェロール、トコフェロール、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、フェルラ酸、チオタウリン、ヒポタウリン、亜硫酸塩、エリソルビン酸及びその塩、クロロゲン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、カンフェロール、ミリセチン、ケルセチン等が挙げられる。酸化防止剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0068】
・pH調整剤
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0069】
・キレート剤
キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等挙げられる。
【0070】
・清涼剤
清涼剤としては、L-メントール、カンフル等が挙げられる。
【0071】
・抗炎症剤
抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0072】
・美肌用成分
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0073】
・ビタミン類
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0074】
・アミノ酸類
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0075】
・核酸
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0076】
・ホルモン
ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0077】
・包接化合物
包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0078】
[化粧料の製造方法]
本発明の化粧料の製造方法としては、下記工程を有するものが挙げられる。
(A)トリメチルシロキシケイ酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、(B)疎水化処理された着色顔料と、(C)25℃で液状の油剤とを混合して、スラリー状分散体を調製する工程(I)と、
得られたスラリー状分散体と油相成分を混合し、得られた混合物II-1に、水相成分を混合する工程(II-1)、又は
油相成分と水相成分を混合し、得られた混合物II-2に、スラリー状分散体を混合する工程(II-2)
を有する油中水型乳化化粧料の製造方法。
【0079】
上記のように、予めスラリー状分散体を調製する工程(I)を有することで、成分(B)の分散性を向上し、II-1又はII-2の工程後の色別れをより抑制することができる。
【0080】
なお、本発明における油相成分とは、得られる油中水型乳化化粧料において、乳化粒子が分散している媒質(外相)となる連続相を構成する成分であって、スラリー状分散体を除く成分を示す。また、乳化を目的に配合され、かつ油性成分に溶解又は分散する乳化剤も油相成分とする。一方、水相成分とは、乳化粒子(内相)となる分散相を構成する成分を示す。
【0081】
上記(II-1)及び(II-2)の工程において、混合装置等は上記スラリー状分散体を調製する工程(I)に加え、パドルやプロペラ、ミキサー等の攪拌機が挙げられ、混合温度は特に限定されず、20~105℃が好ましく、室温がより好ましい。上記(II-1)、(II-2)工程としては、油相成分が5~50質量%の場合は水相の移送のし易さの点より(II-1)が好ましく、油相成分が10~80質量%の場合は乳化時の粘度の点から、(II-2)が好ましい。化粧料の成分によるスラリー状分散体への影響を少なくしたい場合は(II-2)が好ましい。
【実施例
【0082】
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示し、含有量は、記載の配合製品の配合量であり、(C)成分中の25℃で液状の非シリコーンの割合、スラリー状分散体中の(A)~(C)成分の含有量、(A)/(B)は純分量の比である。
【0083】
・成分(A)のトリメチルシロキシケイ酸誘導体の製造例
以下のようにして、本発明の化粧料に用いられるトリメチルシロキシケイ酸誘導体(製造例1,2)を製造した。
【0084】
[製造例1]
グリセリン変性トリメチルシロキシケイ酸/イソドデカン:固形分60%溶液の製造方法
平均組成式(A1)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量4,480,水素ガス発生量:8.0mL/g)の50%イソドデカン溶液1,300g、式(A2)で表されるグリセリンモノアリルエーテル30.7g、2-プロパノール1,300g、塩化白金酸0.5%の2-プロパノール溶液0.7gを反応器に仕込み、100℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、減圧下で加熱することで溶剤を留去した。さらに、エタノールを325g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液6.5gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.8gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を195g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重曹水3.3gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(A3)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂のイソドデカン溶液を得た。
平均組成式(A1):(Me3SiO1/227.8(HMe2SiO1/21.6(SiO235.3
式(A2):CH2=CH-CH2-O-(CH2CH(OH)CH2O)-H
平均組成式(A3):(Me3SiO1/227.8(R2Me2SiO1/21.6(SiO4/235.3
2=-CH2-CH2-CH2-O-(CH2CH(OH)CH2O)-H
【0085】
[製造例2]
ポリエーテル変性トリメチルシロキシケイ酸/イソドデカン:固形分60%溶液の製造方法
平均組成式(A4)で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量4,210,水素ガス発生量:6.9mL/g)の50%イソドデカン溶液1,000g、式(A5)で表されるポリオキシアルキレン69.1g、2-プロパノール1,000g、塩化白金酸0.5%の2-プロパノール溶液0.5gを反応器に仕込み、80℃で6時間加熱することで反応を行った。その後、減圧下で加熱することで溶剤を留去した。さらに、エタノールを250g添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液5.0gを添加することで、未反応のヒドロシリル基を加水分解し、さらに濃塩酸0.6gを添加し中和を行った。中和後、0.01N塩酸水溶液を150g添加して未反応ポリオキシアルキレンのアリルエーテル基を加水分解し、5%重曹水2.6gで中和した。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去し、濾過を行うことで、平均組成式(A6)で表される有機基変性有機ケイ素樹脂の60%イソドデカン溶液を得た。
得られた有機基変性有機ケイ素樹脂のイソドデカン溶液を減圧下で120~130℃に加熱し、イソドデカンを除去して得られた生成物は固形状の粉末であった。また生成物のHLB値は1.1であった。
平均組成式(A4):(Me3SiO1/225.4(HMe2SiO1/21.3(SiO234.3
式(A5):CH2=CH-CH2-O-(C24O)3-CH3
平均組成式(A6):(Me3SiO1/225.4(R2Me2SiO1/21.3(SiO234.3
2=-CH2-CH2-CH2-O-(C24O)3-CH3
【0086】
以下、化粧料に係る実施例及び比較例の処方例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0087】
[実施例1~9、比較例1~10]油中水型(W/O型)ファンデーション
実施例5~9については、製造例1,2で得られたトリメチルシロキシケイ酸誘導体を使用して、下記の製造方法に従いW/O型ファンデーションを作製した。実施例1~9及び比較例1~10の組成を表1~4に示す。
【0088】
【表1】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-210
(ジメチルポリシロキサン70-80%+架橋型ポリエーテル変性シリコーン20~30%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-15
(デカメチルシクロペンタシロキサン90~96%+架橋型ジメチルポリシロキサン4-10%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6048
(注4)信越化学工業(株)製:KSP-101
(注5)信越化学工業(株)製:KF-7312K
(ジメチルポリシロキサン(6cs)40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注6)信越化学工業(株)製:KP-578
(注7)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
【0089】
(製造方法)
成分1~7を均一になるよう混合した(油相成分の調製)。これに、成分15~18を均一混合後(水相成分の調製)に穏やかに加え、撹拌して乳化物とした。別に、成分8~14をローラー処理(スラリー状分散体の調製)し、前述の乳化物に加えて混合した。これを所定の容器に充填し、ファンデーションを得た。
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
表2,3の注については以下の通りである。
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-310
(ミネラルオイル65~75%+架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン25-35%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-41A
(ミネラルオイル70-80%+架橋型アルキル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6048
(注4)信越化学工業(株)製:KSP-101
(注5)信越化学工業(株)製:X-21-5595
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注6)信越化学工業(株)製:X-21-5616
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注7)信越化学工業(株)製:KP-578
(注8)信越化学工業(株)製:KF-6038
(注9)信越化学工業(株)製:KF-6105
(注10)信越化学工業(株)製:KF-6106
(注11)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
【0093】
(製造方法)
成分1~8を均一になるよう混合した(油相成分の調製)。これに、成分23~26を均一混合後(水相成分の調製)に穏やかに加え、撹拌して乳化物とした。別に、成分9~22をローラー処理し(スラリー状分散体の調製)、前述の乳化物に加えて混合した。これを所定の容器に充填し、ファンデーションを得た。
【0094】
【表4】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-310
(ミネラルオイル65-75%+架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン25-35%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-41A
(ミネラルオイル70-80%+架橋型アルキル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6048
(注4)信越化学工業(株)製:KSP-101
(注5)信越化学工業(株)製:KP-578
(注6)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
【0095】
(製造方法)
成分1~6を均一になるよう混合した(油相成分の調製)。別途、成分7~13をローラー処理(スラリー状分散体の調製)した。このスラリー状分散体を先の油相成分に添加、均一混合した。更に、そこへ別途調製された成分14~17(水相成分の調製)を穏やかに加え、撹拌して乳化物とした。前述の乳化物に加えて混合した。これを所定の容器に充填し、ファンデーションを得た。
【0096】
得られた油中水型(W/O型)ファンデーションについて、(1)使用感(感触の良さ;軽い感触)、(2)塗布性(伸びの良さ)、(3)密着感、(4)顔料分散性について、女性10名の専門パネルにより使用テストを行ない、下記の評価基準にて評価した。実施例1~9及び比較例1~10の評価結果を表中に併記する。
【0097】
(評価基準)
5点:非常に良好(1)、(2)、(3)、色別れがない(4)
4点:良好(1)、(2)、(3)、色別れがほとんどない(4)
3点:普通(1)、(2)、(3)、色別れがややある(4)
2点:やや不良(1)、(2)、(3)、色別れがある(4)
1点:不良(1)、(2)、(3)、色別れが非常にある(4)
とし、得られた平均点について、下記の基準に従って○×で判定した。
(平均点の判定)
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
◎、○、△以上を合格とする。
【0098】
上記結果から明らかなように、実施例1~9のファンデーションは比較例1~10と比べ、使用感や塗布性を良好なまま、色別れを抑えることが実証された。密着感を得たい場合、極性油により色別れが発生しやすくなるが、本発明により色別れ発生を抑えることが確認できた。さらに、成分(B)が成分(A)、及び成分(C)であらかじめ分散された分散体である場合は効果的であった。また、成分(D)の配合により色別れ発生の抑制に効果的であるが、本発明により成分(D)の配合量を低減し使用感を良好にできることが分かった。
【0099】
[実施例10]ファンデーション(油中水型乳化化粧料)
表5に示す処方で、ファンデーションを調製した。
【0100】
【表5】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-320
(イソドデカン70~80%+架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン20-30%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-42A
(イソドデカン75~85%+架橋型アルキル変性シリコーン15-25%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6048
(注4)信越化学工業(株)製:KF-56A
(注5)信越化学工業(株)製:X-21-5595
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注6)信越化学工業(株)製:TMF-1.5
(注7)信越化学工業(株)製:X-21-5616
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注8)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
(製造方法)
A:成分1~9を均一に混合した(油相成分の調製)。
B:成分16~21を均一に混合した(水相成分の調製)。
C:成分10~15を均一に混合し、ロール処理した(スラリー状分散体の調製)。
D:BをAに徐添して乳化した後、Cを加えてファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、顔料分散性にも優れていることが分かった。
【0101】
[実施例11]化粧下地(油中水型乳化化粧料)
表6に示す処方で、化粧下地を調製した。
【0102】
【表6】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-830
(イソドデカン75-85%+架橋型アルキルポリグリセリン変性シリコーン15~25%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-42A
(イソドデカン75-85%+架橋型アルキル変性シリコーン15~25%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6105
(注4)信越化学工業(株)製:SPD-T7
(注5)信越化学工業(株)製:SPD-Z5
(注6)信越化学工業(株)製:X-21-5595
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注7)信越化学工業(株)製:AES-3083処理
(製造方法)
A:成分1~8を均一に混合した(油相成分の調製)。
B:成分15~20を均一に混合した(水相成分の調製)。
C:成分9~14を均一に混合し、ロール処理した(スラリー状分散体の調製)。
D:BをAに徐添して乳化した後、Cを加えて化粧下地を得た。
以上のようにして得られた化粧下地は、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、顔料分散性に優れていることが分かった。
【0103】
[実施例12]ファンデーション(油中水型乳化化粧料)
表7に示す処方で、ファンデーションを調製した。
【0104】
【表7】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-18A
(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80-90%+架橋型フェニル変性シリコーン10~20%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KF-6038
(注3)信越化学工業(株)製:KSP-300
(注4)信越化学工業(株)製:KP-561P
(注5)信越化学工業(株)製:信越化学工業(株)製:KP-550
(イソドデカン60%+アクリルシリコーン系グラフト共重合体40%の溶解品)
(注6)信越化学工業(株)製:X-21-5595
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注7)信越化学工業(株)製:AES-3083処理
(製造方法)
A:成分1~8を90℃にて均一に混合した(油相成分の調製)。
B:成分18~23を85℃にて均一に混合した(水相成分の調製)。
C:成分9~17を均一に混合し、ホモミキサー処理した(スラリー状分散体の調製)。
D:85℃にてBをAに徐添して乳化した後、Cを加えて固形ファンデーションを得た。
【0105】
以上のようにして得られた固形ファンデーションは、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、顔料分散性にも優れていることが分かった。
【0106】
[実施例13]油中水型マスカラ
表8に示す処方で、油中水型マスカラを調製した。
【0107】
【表8】
(注1)信越化学工業(株)製:TSPL-30-ID
(イソドデカン70%+シリコーン変性プルラン30%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KMP-590
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6028
(注4)信越化学工業(株)製:X-21-5595
(イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注5)信越化学工業(株)製:KTP-09B(KF-9909処理着色無機顔料)
(注6)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
(製造方法)
A:成分1~9を90℃にて均一に混合した(油相成分の調製)。
B:成分14~18を85℃にて均一に混合した(水相成分の調製)。
C:成分10~13を均一に混合し、ディスパー処理した(スラリー状分散体の調製)。
D:85℃にてBをAに徐添して乳化した後、Cを加えて油中水型マスカラを得た。
【0108】
以上のようにして得られた油中水型マスカラは、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、顔料分散性にも優れていることが分かった。
【0109】
[実施例14]油中水型ファンデーション
表9に示す処方で、油中水型ファンデーションを調製した。
【0110】
【表9】
(注1)信越化学工業(株)製:KSG-320Z
(イソドデカン70-80%+架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン20~30%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:KSG-042Z
(イソドデカン75-85%+架橋型アルキル変性シリコーン15~25%の混合物)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-6048
(注4)信越化学工業(株)製:KF-6038
(注5)信越化学工業(株)製:KF-7312K
(ジメチルポリシロキサン(6cs)40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の混合物)
(注6)信越化学工業(株)製:KTP-09W,R,Y,B(KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒)
(製造方法)
A:成分1~10を均一に混合した(油相成分の調製)。
B:成分17~22を均一に混合した(水相成分の調製)。
C:成分11~16を均一に混合し、ロール処理した(スラリー状分散体の調製)。
D:AにCを加えて均一混合後、Bを徐添して乳化し、ファンデーションを得た。
【0111】
以上のようにして得られたファンデーションは、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、顔料分散性にも優れていることが分かった。
【0112】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。