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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-30
(45)【発行日】2025-06-09
(54)【発明の名称】バイオマス再生循環システム
(51)【国際特許分類】
   C10L 5/44 20060101AFI20250602BHJP
   C10B 53/02 20060101ALI20250602BHJP
   C05F 5/00 20060101ALI20250602BHJP
【FI】
C10L5/44
C10B53/02
C05F5/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021055330
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152529
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2024-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000195971
【氏名又は名称】西松建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石渡 寛之
(72)【発明者】
【氏名】清水 直人
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-014737(JP,A)
【文献】特表2016-516850(JP,A)
【文献】特開2018-039964(JP,A)
【文献】特開2015-147887(JP,A)
【文献】特開2019-181397(JP,A)
【文献】特開2002-263617(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105001888(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 5/44
C10B 53/02
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマス原料に対する水熱炭化により固体燃料、ガス燃料を含む気体生成物、および液体生成物を生成する工程と、
前記固体燃料、前記気体生成物、および前記液体生成物を回収する工程と、
前記液体生成物および前記気体生成物から嫌気性消化処理により消化液を生成する工程と、
前記消化液を肥料として栽培された植物から前記バイオマス原料を生成する工程と、
を含み、
前記植物は、トウモロコシであり、前記バイオマス原料は、トウモロコシ茎葉であり、
前記生成する工程において、プロセス温度の範囲が250~350℃であり、かつ、滞留時間が0.75~1.5時間である
バイオマス再生循環システム。
【請求項2】
前記嫌気性消化処理において、前記液体生成物を原料とし、前記気体生成物を加温燃料とする
請求項1に記載のバイオマス再生循環システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス燃料の製造方法、およびバイオマス循環システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バイオマス燃料を製造する技術がある。特許文献1には、バイオマスを水熱炭化処理または水蒸気炭化処理する工程、及び得られる処理物を洗浄する工程及び脱水する工程のうち少なくとも一方を含む、バイオマス燃料の製造方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、リグノセルロース系バイオマスを、不活性雰囲気下にて、200~240℃の温度範囲で5~90分間炭化を行い、次いで、240~300℃の温度範囲で5~90分間炭化を行う、2段階炭化工程と、その後、120~200℃の温度範囲まで冷却して、成型を行う成型工程を含む、バイオマス燃料の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-206684号公報
【文献】特開2020-45373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイオマス燃料の製造におけるエネルギー効率を向上させることについて、なお改良の余地がある。例えば、固体燃料を含む複数種類の燃料を回収することができれば、エネルギー効率の最大化を図ることができる。
【0006】
本発明の目的は、エネルギー効率を向上させることができるバイオマス燃料の製造方法、およびバイオマス循環システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のバイオマス燃料の製造方法は、トウモロコシ茎葉を原料とする水熱炭化により固体燃料、ガス燃料を含む気体生成物、および液体生成物を生成する工程と、前記固体燃料、前記気体生成物、および前記液体生成物を回収する工程と、を含み、前記生成する工程において、プロセス温度の範囲が250~350℃であり、かつ、滞留時間が0.75~1.5時間である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るバイオマス燃料の製造方法は、トウモロコシ茎葉を原料とする水熱炭化により固体燃料、ガス燃料を含む気体生成物、および液体生成物を生成する工程と、固体燃料、気体生成物、および液体生成物を回収する工程と、を含む。生成する工程において、プロセス温度の範囲が250~350℃であり、かつ、滞留時間が0.75~1.5時間である。本発明に係るバイオマス燃料の製造方法によれば、固体燃料だけでなく、ガス燃料も回収することができ、エネルギー効率を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るバイオマス循環システムの図である。
図2図2は、実施形態の実験結果を示す図である。
図3図3は、実施形態の実験結果を示す図である。
図4図4は、実施形態の実験結果を示す図である。
図5図5は、各プロセス温度に対する滞留時間と高位発熱量との関係を示す図である。
図6図6は、各滞留時間に対するプロセス温度と高位発熱量との関係を示す図である。
図7図7は、各比率に対するプロセス温度と高位発熱量との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係るバイオマス燃料の製造方法、およびバイオマス循環システムにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1から図7を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、バイオマス燃料の製造方法、およびバイオマス循環システムに関する。図1は、実施形態に係るバイオマス循環システムの図、図2から図4は、実施形態の実験結果を示す図、図5は、各プロセス温度に対する滞留時間と高位発熱量との関係を示す図、図6は、各滞留時間に対するプロセス温度と高位発熱量との関係を示す図、図7は、各比率に対するプロセス温度と高位発熱量との関係を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るバイオマス循環システム1は、原料生成部2、水熱炭化装置3、分離部4、嫌気性消化部5、および農場7を含む。原料生成部2は、水熱炭化装置3に投入する原料を生成する装置である。水熱炭化装置3に投入される原料は、バイオマス原料21および水22を含む。原料生成部2は、例えば、植物の茎葉等の材料を粉砕する粉砕機、蒸留水を生成する装置、イオン除去装置等を含む。原料生成部2は、バイオマス原料21を生成する第三の生成工程P3を実行する。
【0013】
本実施形態のバイオマス原料21は、トウモロコシの茎葉である。バイオマス原料21は、トウモロコシ茎葉を粉砕機によって所定の粒度に粉砕し、かつ乾燥させて生成される。バイオマス原料21の粒度は、例えば、500~800[μm]である。
【0014】
水22は、脱イオン水であり、例えば、蒸留水である。水熱炭化装置3に投入される原料において、バイオマス原料21と水22との比率BWが調整される。比率BWは、例えば、バイオマス原料21の質量と水22の質量との比率である。本実施形態では、比率BWを0.073~0.157の範囲で変化させて、水熱炭化における適切な比率BWの値が確認された。
【0015】
水熱炭化装置3は、第一の生成工程P1を実行する。第一の生成工程P1は、バイオマス原料21に対する水熱炭化により固体燃料12、ガス燃料を含む気体生成物11、および液体生成物13を生成する工程である。水熱炭化装置3は、容量が160[mL]から190[mL]のバッチ反応器であり、水熱炭化によりバイオマス原料21からバイオマス燃料10を生成する。本実施形態で用いた水熱炭化装置3は、である。バイオマス原料21および水22は、水熱炭化装置3のヘッドスペースに窒素ガスを加圧して無酸素状態で投入される。本実施形態において用いた水熱炭化装置3の諸元は、例えば、以下の通りである。
(第一の装置例)
設計圧力:25[MPa],設計温度:380[℃],容量:160[mL],材質:SUS316
(第二の装置例)
設計圧力:10[MPa],設計温度:260[℃],容量:190[mL],材質:SUS316
【0016】
水熱炭化装置3は、設定された運転パラメータに基づいて水熱炭化プロセスを実行する。運転パラメータは、プロセス温度Tp[℃]、および滞留時間RT[h]を含む。
【0017】
水熱炭化装置3における水熱炭化プロセスによって生成されるバイオマス燃料10は、気体生成物11、固体燃料12、および液体生成物13を含む。気体生成物11は、例えば、水素H、メタンCH、一酸化炭素CO、または二酸化炭素COの少なくとも一つを含む。すなわち、気体生成物11は、水素、メタン、一酸化炭素等のガス燃料を含む。固体燃料12は、例えば、水炭(水熱炭化物:Hydrochar)である。液体生成物13は、例えば、酢酸、グリコール酸、またはエタノールの少なくとも一つを含む。
【0018】
図1に示すように、水熱炭化装置3において生成された生成物は、回収する工程C1において回収される。例えば、水熱炭化装置3において発生する気体生成物11は、回収する工程C1において密閉容器等に回収される。気体生成物11は、例えば、水熱炭化プロセスにおいて随時回収される。分離部4は、気液分離を行なう装置またはシステムである。本実施形態の分離部4は、バキュームフィルターであり、水熱炭化装置3による生成物を固体燃料12と液体生成物13とに分離する。つまり、分離部4は、回収する工程C1において、水熱炭化装置3内の生成物から固体燃料12および液体生成物13を回収する。
【0019】
気体生成物11および液体生成物13は、嫌気性消化部5に投入される。嫌気性消化部5は、嫌気性消化によって消化液51および消化ガス52を生成する第二の生成工程P2を実行する。消化液51は、タンク等に貯留され、農場7においてバイオ肥料として使用される。消化液51は、例えば、トウモロコシ栽培における施肥に使用される。農場7において栽培されたトウモロコシの茎葉は、バイオマス原料21として用いられる。
【0020】
消化ガス52および固体燃料12は、発電部8に投入され、発電の燃料とされる。固体燃料12は、石炭と同程度のカロリーポテンシャルを有するカーボンニュートラル燃料である。発電部8によって発電された電力は、水熱炭化装置3に供給されてもよく、嫌気性消化部5に供給されてもよく、その他の工程に供給されてもよい。
【0021】
上記のように、本実施形態に係るバイオマス循環システム1は、トウモロコシ茎葉から固体燃料12だけでなく、ガス燃料を含む気体生成物11および液体生成物13を回収する。気体生成物11および液体生成物13からは、消化液51が生成される。液体生成物13は、嫌気性消化処理の原料となる。気体生成物11は、嫌気性消化処理の加温燃料として使用可能である。
【0022】
本実施形態のバイオマス循環システム1によれば、消化液51を肥料としてトウモロコシを再生産することにより、バイオマス資源を有効利用することができる。また、本実施形態のバイオマス循環システム1によれば、液体燃料(液体化学品)、ガス燃料、および固体燃料を嫌気性消化処理の原料とする地域循環型の創エネルギーシステムを実現出来る。
【0023】
図2には、様々な運転条件において実行された水熱炭化プロセスの結果が示されている。図2の各列は、左から順に、実験番号、プロセス温度Tp、滞留時間RT、比率BW、最終圧力[Mpa]、高位発熱量HHV[MJ/kg]、エネルギー収率[%]、および質量収率[%]である。
【0024】
ガス画分中のH、CO及びCHの収率は、亜臨界条件よりも超臨界条件の方が高い。このことから、HやCHなどの可燃ガスを高い収率で得るためには、できるだけプロセス温度が高い方が望ましい。ハイドロチャー(水炭)の高位発熱量HHVは、超臨界条件(21.75MJ/kg)よりも亜臨界条件(26.03MJ/kg)の方が高い。最高のバイオマス収率とエネルギー収率(それぞれ29.91%と42.38%)は、滞留時間45分、バイオマス/水比0.115、処理温度215.91℃、圧力8.85MPaの処理パラメータで得られた。プロセス条件を亜臨界条件から超臨界条件に近づけていくと300℃付近までは、HHVの値やバイオマス収率は、維持されるが、この温度より高くなると、HHV、収率パラメータは、低下する。
【0025】
図3は、運転条件と、その運転条件で回収された液体生成物13の濃度[g/L]と、を示すグラフである。図4は、運転条件と、その運転条件で回収された気体生成物11の濃度[%v]と、を示すグラフである。
【0026】
図2に示すように、実験番号No12において水炭の質量収率の最大値29.91[%]、およびエネルギー収率の最大値42.38[%]が記録された。このときのプロセス温度Tpは215.91[℃]、滞留時間RTは0.75[h]、比率BWは0.115である。
【0027】
実験番号No16において高位発熱量HHVの最大値26.03[MJ/kg]が記録された。このときのプロセス温度Tpは300[℃]、滞留時間RTは1.170[h]、比率BWは0.115である。
【0028】
実験番号No17において酢酸濃度の最大値6.93[g/L]が記録された。このときのプロセス温度Tpは350[℃]、滞留時間RTは1.00[h]、比率BWは0.14である。
【0029】
実験番号No7において水素のガス分率の最大値0.25[%v]が記録された。このときのプロセス温度Tpは384.09[℃]、滞留時間RTは0.75[h]、比率BWは0.115である。
【0030】
図2に示す実験結果に対して応答曲面法(RSM)の中心複合設計(CCD)モジュールを適用し、最大の高位発熱量HHVが得られるようにプロセスを最適化した。図2に示すように、算出された最適(Optimum)プロセスは、プロセス温度Tpが305[℃]、滞留時間RTが1.00[h]、比率BWは0.14であり、高位発熱量HHVは25.42[MJ/kg]である。
【0031】
最適プロセスの検定結果が図2の最下段に示されている。水熱炭化装置3の運転条件を最適プロセスの条件に設定したところ、高位発熱量HHVは24.45[MJ/kg]が得られた。
【0032】
図5には、各プロセス温度Tpに対する滞留時間RTと高位発熱量HHVとの関係が示されている。図6には、各滞留時間RTに対するプロセス温度Tpと高位発熱量HHVとの関係が示されている。図7には、各比率BWに対するプロセス温度Tpと高位発熱量HHVとの関係が示されている。
【0033】
図5乃至図7から分かるように、プロセス温度Tpについては、250[℃]から350[℃]の範囲で、かつ滞留時間RTについては、0.75[h]以上の運転条件(以下、単に「第一の運転条件」と称する。)で良好な高位発熱量HHVが得られる。図4から分かるように、250[℃]から350[℃]のプロセス温度Tpの範囲では、水素およびメタンの回収量が多い。すなわち、この温度範囲によれば、固体燃料および気体燃料を含むトータルエネルギー効率の最大化を図ることができる。
【0034】
なお、滞留時間RTについては、最適プロセスの時間から大きく乖離しないことが好ましく、例えば、1.50[h]以下であってもよい。滞留時間RTの上限値は、1.17[h]であってもよい。図5から明らかなように、1.17[h]の滞留時間RTにおいて、良好な高位発熱量HHVを得られることが確認されている。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のバイオマス燃料の製造方法は、生成する工程と、回収する工程と、を含む。生成する工程では、トウモロコシ茎葉を原料とする水熱炭化により固体燃料12、ガス燃料を含む気体生成物11、および液体生成物13が生成される。回収する工程では、固体燃料12、気体生成物11、および液体生成物13が回収される。生成する工程において、プロセス温度Tpの範囲が250~350℃であり、かつ、滞留時間RTが0.75~1.5時間である。この運転条件により、固体燃料12およびガス燃料を含む複数種類の燃料を回収することができる。よって、本実施形態のバイオマス燃料の製造方法は、エネルギー効率を向上させることができる。
【0036】
なお、水熱炭化装置3による水熱炭化において、投入されるバイオマス原料21と水22との質量比が0.073~0.157とされてもよい。
【0037】
本実施形態に係るバイオマス循環システム1は、第一の生成工程P1と、第二の生成工程P2と、第三の生成工程P3と、を含む。第一の生成工程P1では、バイオマス原料21に対する水熱炭化により固体燃料12、ガス燃料を含む気体生成物11、および液体生成物13が生成される。第二の生成工程P2では、液体生成物13を原料とし、気体生成物11を加温燃料とした嫌気性消化処理により消化液51が生成される。第三の生成工程P3では、消化液51を肥料として栽培された植物からバイオマス原料21が生成される。本実施形態に係るバイオマス循環システム1によれば、第一の生成工程P1において固体燃料12に加えてガス燃料が生成されることで、バイオマス循環におけるエネルギー効率を向上させることができる。
【0038】
本実施形態では、トウモロコシ茎葉がバイオマス原料21として用いられる。トウモロコシの茎葉は,中国やナイジェリア,日本国内でも耕作放棄地で栽培されており、収穫されずに放置されている。本実施形態は、高含水率のトウモロコシの茎葉からバイオエネルギーを最大限に回収するための適切な水熱処理技術を提供する。本実施形態によれば、水炭、高酢酸、水素ガスを生産し、嫌気性消化プロセス(バイオリファイナリー)と統合して、最大のバイオエネルギーとバイオ肥料を得ることができる。本実施形態に係るバイオマス循環システム1は、適用地域において未収穫のトウモロコシの茎葉をバイオ燃料やバイオ肥料の生産に利用することを容易にする。
【0039】
トウモロコシ茎葉の成分組成の一例は、以下の通りである。なお、合計は100.06[%]になるが、小数点2桁は誤差として取り扱う。
揮発性成分:71.34[%]
固定炭素:17.67[%]
灰分:11.05[%]
【0040】
灰分割合の高い草本系バイオマスを燃料として供給する際に、その燃焼灰中に含まれるアルカリ成分が炉内腐食の原因になっている。本実施形態に係る製造方法の効果として、灰分含量を多く含むトウモロコシ茎葉などの草本系バイオマスを効率的に利用することができることを特徴づけられる。また、ちなみに、バイオ燃料として供給される木質バイオマスの灰分は,1%以下のものが多い。
【0041】
[実施形態の変形例]
最適プロセスの条件を求める際の統計解析の手法は、応答曲面法には限定されない。他の統計手法が用いられてもよい。水熱炭化装置3の容量は、例示された容量には限定されない。水熱炭化装置3は、バイオマス原料21に対する水熱炭化プロセスを適切に実行できるものであればよい。
【0042】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 バイオマス循環システム
2 原料生成部
3 水熱炭化装置
4 分離部
5 嫌気性消化部
7 農場
8 発電部
10 バイオマス燃料
11 気体生成物
12 固体燃料
13 液体生成物
21 バイオマス原料
22 水
51 消化液
52 消化ガス
P1 第一の生成工程
P2 第二の生成工程
P3 第三の生成工程
C1 回収する工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7