(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-30
(45)【発行日】2025-06-09
(54)【発明の名称】ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20250602BHJP
H02P 25/064 20160101ALI20250602BHJP
H02K 41/03 20060101ALI20250602BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H02P25/064
H02K41/03 A
(21)【出願番号】P 2021096125
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2020136096
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三枝 伶
(72)【発明者】
【氏名】望月 政幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓太
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-247791(JP,A)
【文献】特開2007-311597(JP,A)
【文献】特開平11-189332(JP,A)
【文献】特開2001-352746(JP,A)
【文献】特開2007-043203(JP,A)
【文献】米国特許第06262794(US,B1)
【文献】特開2013-179206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0221764(US,A1)
【文献】特開2021-022705(JP,A)
【文献】特開2015-170612(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0053889(US,A1)
【文献】特開平03-230749(JP,A)
【文献】特開2006-120798(JP,A)
【文献】特開平03-145909(JP,A)
【文献】特開2006-141138(JP,A)
【文献】特開2014-085504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/52
H01L21/58
H02K41/00 -41/06
H02P 7/02 - 7/025
H02P25/032-25/034
H02P25/06 -25/066
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動体と、
前記被駆動体を駆動するテーブルと、
を備え、
前記テーブルは、
ベースと、
前記被駆動体を移動させる第一可動子と固定子とを備えるリニアモータと、
前記ベースと前記固定子と間に設けられ、前記固定子を自由に移動させる第一直動ガイドと、
前記ベースと前記第一可動子と間に設けられ、前記第一可動子を自由に移動させる第二直動ガイドと、
前記ベースに固定して設けられる第二可動子と、
前記第一可動子および前記第二可動子を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第一可動子を前記第二直動ガイドに沿って第一方向に移動させると共に、前記第二可動子により
前記第一方向と逆方向である第二方向に前記固定子を前記第一直動ガイドに沿って移動させる
ことで、前記被駆動体の動作時の振動を抑制するように構成されるダイボンディング装置。
【請求項2】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記第一可動子の位置を検出する第一リニアセンサを備え、
前記制御装置は、前記第一リニアセンサの出力に基づいて、前記第一可動子の位置制御又は速度制御又は目的位置への移動制御を行なうよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項3】
請求項
2のダイボンディング装置において、
前記固定子の位置を検出する第二リニアセンサを備え、
前記制御装置は、前記第二リニアセンサの出力に基づいて、前記固定子を位置制御又は速度制御又は目的位置への移動制御を行なうよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項4】
被駆動体と、
前記被駆動体を駆動するテーブルと、
を備え、
前記テーブルは、
ベースと、
前記被駆動体を移動させる第一可動子と固定子とを備えるリニアモータと、
前記ベースと前記固定子と間に設けられ、前記固定子を移動させる第一直動ガイドと、
第二可動子と、
前記ベースと前記第一可動子および前記第二可動子との間に設けられ、前記第一可動子および前記第二可動子を移動させる第二直動ガイドと、
前記固定子の固定および固定解除を行う第一固定部と、
前記第二可動子の固定および固定解除を行う第二固定部と、
前記第一可動子、前記第二可動子、前記第一固定部および前記第二固定部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第一固定部により前記固定子を移動可能にすると共に、前記第二固定部により前記第二可動子を固定し、
前記第一可動子を前記第二直動ガイドに沿って第一方向に移動させると共に、前記第二可動子により前記第一方向と逆方向である第二方向に前記固定子を前記第一直動ガイドに沿って移動させることで、前記被駆動体の動作時の振動を抑制するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項5】
被駆動体と、
前記被駆動体を駆動するテーブルと、
を備え、
前記テーブルは、
ベースと、
前記被駆動体を移動させる第一可動子と固定子とを備えるリニアモータと、
前記ベースと前記固定子と間に設けられ、前記固定子を移動させる第一直動ガイドと、
第二可動子と、
前記ベースと前記第一可動子および前記第二可動子との間に設けられ、前記第一可動子および前記第二可動子を移動させる第二直動ガイドと、
前記固定子の固定および固定解除を行う第一固定部と、
前記第二可動子の固定および固定解除を行う第二固定部と、
前記第一可動子、前記第二可動子、前記第一固定部および前記第二固定部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第一固定部により前記固定子を固定すると共に、前記第二固定部により前記第二可動子を移動可能にし、
前記第一可動子を前記第二直動ガイドに沿って第一方向に移動させると共に、前記第二可動子を前記第一方向と逆方向である第二方向に前記第二直動ガイドに沿って移動させることで、前記被駆動体の動作時の振動を抑制するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項6】
請求項
4のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、
前記第一固定部により前記固定子を固定すると共に、前記第二固定部により前記第二可動子を移動可能にし、
前記第一方向に前記第二直動ガイドに沿って前記第二可動子を所定距離移動させ、
前記第一固定部により前記固定子を移動可能にすると共に、前記第二固定部により前記第二可動子を固定し、前記第二可動子により前記第一方向と逆方向である第二方向に前記固定子を前記第一直動ガイドに沿って移動させることで、前記第一可動子の前記第一方向の可動範囲を広げるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項7】
請求項5のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、
前記第一固定部により前記固定子を固定すると共に、前記第二固定部により前記第二可動子を移動可能にし、前記第一方向に前記第二直動ガイドに沿って前記第二可動子を所定距離移動させ、
前記第一固定部により前記固定子を移動可能にすると共に、前記第二固定部により前記第二可動子を固定し、前記第二可動子により前記第一方向と逆方向である第二方向に前記固定子を前記第一直動ガイドに沿って移動させることで、前記第一可動子の前記第一方向の可動範囲を広げるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項8】
請求項1から
3の何れかの1項のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記第二可動子により
前記第一方向に前記固定子を前記第一直動ガイドに沿って移動させることで、前記第一可動子の前記第一方向の可動範囲を広げるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項9】
請求項1から
3の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記固定子は複数の永久磁石と隣接する前記永久磁石の磁束を結合するヨークとを備え、
前記第一可動子は、前記固定子の上方に配置され、電磁石を形成する第一コイル部と、前記第二直動ガイドの上に配置され、前記第一コイル部を支持する支持体と、備え、
前記第二可動子は、前記固定子の上方に配置され、電磁石を形成する第二コイル部と、前記ベースの上に配置され、前記第二コイル部を支持する支持体と、備えるダイボンディング装置。
【請求項10】
請求項
4から
7の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記固定子は複数の永久磁石と隣接する前記永久磁石の磁束を結合するヨークとを備え、
前記第一可動子および前記第二可動子は、それぞれ、前記固定子の上方に配置され、電磁石を形成するコイル部と、前記第二直動ガイドの上に配置され、前記コイル部を支持する支持体と、備え、
前記第一固定部は、前記固定子に近接して配置されると共に、電磁石で構成され、
前記第二固定部は、前記第二可動子の前記支持体に設けられる電磁石であるダイボンディング装置。
【請求項11】
請求項
1、
4、
5の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記第一可動子を加減速した際、前記固定子は前記第一可動子における加速度時間波形とは逆位相の波形に基づいて前記第二可動子を制御して前記固定子を移動させるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項12】
請求項
11のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、ネットワークを介して独立に前記第一可動子および前記第二可動子の制御を行い、前記第一可動子の動作と並行して同方向に前記
固定子を移動させるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項13】
請求項
12のダイボンディング装置において、
前記被駆動体は、その先端に加速度センサを備え、
前記制御装置は、前記第一可動子を加減速した際、前記加速度センサにより加速度に伴い発生する揺れ戻しの波形を計測すると共に、前記第二可動子により前記固定子を動作させている標準加速度波形へ反映させるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項14】
請求項
1、
4、
5の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記制御装置は、前記第一可動子と前記固定子とを合わせた重心位置が前記第一可動子の移動に際しても動作開始前の重心と常に同じ位置になるように、前記固定子を前記第二可動子により推力を与えるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項15】
請求項
14のダイボンディング装置において、
さらに、2個以上の重量センサを備え、
前記重量センサは、前記第一直動ガイドまたは前記第二直動ガイドと平行に前記ベースの下に、または、前記第一直動ガイド及び前記第二直動ガイドの両端部の下であって前記ベースの上に設けられ、
前記制御装置は、前記第一可動子の移動前において前記重量センサが検知した重量を記憶すると共に、前記第一可動子の動作時に、前記記憶した重量に基づく重量バランスを維持するように前記第二可動子により前記固定子を移動させるよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項16】
請求項
1、
4、
5の何れか1項のダイボンディング装置において、
さらに、前記テーブルとは異なる他のテーブルと、前記他のテーブルの振動を検知するセンサと、を備え、
前記制御装置は、前記検知した振動に基づいて前記第二可動子により前記固定子を移動するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項17】
請求項1から
7の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記固定子は複数の永久磁石と隣接する前記永久磁石の磁束を結合するヨークとを備え、
上面視において前記第二可動子と重複する前記固定子の部分は、前記永久磁石の配置を前記固定子の他の部分よりも密に構成されているダイボンディング装置。
【請求項18】
請求項
1、
4、
5の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記第一直動ガイドの両端部の下に上下方向の振動を吸収するバランサまたはダンパを設ける
ダイボンディング装置。
【請求項19】
請求項1から
7の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記被駆動体はダイをピックアップし基板にボンディングするボンディングヘッドであるダイボンディング装置。
【請求項20】
請求項1から
7の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記被駆動体は基板にダイ接着剤を塗布するまたは基板をクリーニングするプリフォームヘッドであるダイボンディング装置。
【請求項21】
ボンディングヘッドと、前記ボンディングヘッドを駆動するテーブルと、ベースと、前記ボンディングヘッドを水平方向に移動させる第一可動子と固定子とを備えるリニアモータと、前記ベースと前記固定子と間に設けられ、前記固定子を自由に移動させる第一直動ガイドと、前記ベースと前記第一可動子と間に設けられ、前記第一可動子を自由に移動させる第二直動ガイドと、前記ベースに固定して設けられる第二可動子と、を備えるダイボンディング装置に基板を搬入する基板搬入工程と、
ダイをピックアップし前記基板にボンディングするボンディング工程と、
を備え、
前記ボンディング工程は、前記第一可動子を前記第二直動ガイドに沿って第一方向に移動させると共に、前記第二可動子により前記第一方向と逆方向である第二方向に前記固定子を前記第一直動ガイドに沿って移動させる
ことで、前記ボンディングヘッドの動作時の振動を抑制する半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記第一可動子の前記固定子に対する位置を検出する第一リニアセンサと、
前記固定子の前記ベースに対する位置を検出する第二リニアセンサと、
を備え、
前記制御装置は、前記第一リニアセンサおよび
前記第二リニアセンサの出力に基づいて、前記第一可動子の位置制御又は速度制御又は目的位置への移動制御を行なうよう構成されるダイボンディング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はダイボンディング装置に関し、例えば反動吸収機構を備えるダイボンディング装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の一つにダイと呼ばれる半導体チップを配線基板やリードフレームなどの基板にボンディングするダイボンダ等のダイボンディング装置がある。ダイボンダでは、ボンディングヘッドでダイを真空吸着し、高速で上昇し、水平移動し、下降して基板に実装する。
【0003】
ダイボンダの高精度、高速化の要求が高く、特にボンディングの心臓部であるボンディングヘッドの高速化の要求が高い。一般的に装置を高速化すると、高速移動物体による振動が大きくなり、この振動によって装置が目的とする精度を得るのが困難になる。
【0004】
この振動を低減する反動吸収装置として、例えば、特開2013-179206号公報(特許文献1)に記載のものがある。特許文献1は、ダイボンダのボンディングヘッドの駆動軸としてリニアモータを用い、固定磁石部を含む固定一体部をカウンタウェイトとして固定一体部を自由に移動できるようにし、ボンディングヘッドを含む可動一体部と固定一体部とが互いに同期して動くことにより、振動を低減する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示される技術のように、固定一体部(固定子)を自由に可動一体部(可動子)の反動で動作させる構造では、振動を低減させる細かい動作制御が難しい。
【0007】
本開示の課題は、振動をより低減することが可能なダイボンディング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ダイボンディング装置は、被駆動体と、被駆動体を駆動するテーブルと、を備える。テーブルは、ベースと、被駆動体を移動させる第一可動子と固定子とを備えるリニアモータと、ベースと固定子と間に設けられ、固定子を自由に移動させる第一直動ガイドと、ベースと第一可動子と間に設けられ、第一可動子を自由に移動させる第二直動ガイドと、ベースに固定して設けられる第二可動子と、第一可動子および第二可動子を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、第二可動子により固定子を第一直動ガイドに沿って移動させるよう構成される。
【発明の効果】
【0009】
上記ダイボンディング装置によれば、振動をより低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は実施形態におけるテーブルの上面図である。
【
図5】
図5は実施形態におけるテーブルの斜視図である。
【
図6】
図6は
図5に示されるテーブルの反動吸収動作を説明する斜視図である。
【
図7】
図7は
図6に示されるテーブルにおいて
図5とは逆方向に固定子を移動する場合の斜視図である。
【
図8】
図8は
図7に示されるテーブルにおける第一可動子のストロークを説明する斜視図である。
【
図9】
図9は第一変形例におけるテーブルの斜視図である。
【
図10】
図10は第一可動子の速度と加速度、固定子の加速度の波形を示す図である。
【
図11】
図11は第二変形例におけるテーブルの斜視図である。
【
図12】
図12は第三変形例におけるテーブルの斜視図である。
【
図13】
図13(a)は第五変形例におけるテーブルの
図1のB-B線における断面図に相当する図である。
図13(b)は第五変形例の他の例におけるテーブルの
図1のB-B線における断面図に相当する図である。
【
図14】
図14は第四変形例におけるテーブルの上面図である。
【
図18】
図18は第四変形例におけるテーブルの第一の反動吸収動作を説明する斜視図である。
【
図19】
図19は第四変形例におけるテーブルの第二の反動吸収動作を説明する斜視図である。
【
図20】
図20は第四変形例におけるテーブルの第二可動子を所定位置に移動した状態を示す斜視図である。
【
図21】
図21は第四変形例におけるテーブルの固定子を進行方向に移動した状態を示す斜視図である。
【
図22】
図22は第四変形例におけるテーブルの第一可動子を進行方向に移動した状態を示す斜視図である。
【
図23】
図23は第一実施例におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
【
図24】
図24は
図23において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【
図26】
図26は
図23のダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は第二実施例におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
【
図28】
図28は第六変形例におけるテーブルの斜視図である。
【
図29】
図29は第一可動子および固定子の速度と時間との関係を示す図である。
【
図30】
図30は第七変形例におけるテーブルの上面図である。
【
図34】
図34は第八変形例におけるテーブルの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態、変形例および実施例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。
【0012】
実施形態におけるテーブルの構成について
図1から
図5を用いて説明する。
図1は実施形態におけるテーブルの上面図である。
図2は
図1のテーブルの正面図である。
図3は
図1のA-A線における断面図である。
図4は
図1のB-B線における断面図である。
図5は
図1に示されるテーブルを有するダイボンディング装置において第一可動子が移動前の状態の斜視図である。
【0013】
実施形態におけるテーブル100は駆動源としてリニアモータが使用される。テーブル100は、ベース101と、ベース101上に設置された第一直動ガイド102と、第一直動ガイド102に平行にベース101上に配置された第二直動ガイド103と、第一直動ガイド102の上に設置された固定子104と、を備える。ベース101はダイボンディング装置10の架台(不図示)に固定されている。第一直動ガイド102および第二直動ガイド103はY軸方向に延伸している。第一直動ガイド102は第二直動ガイド103よりも長く構成されている。
【0014】
固定子104は、N極とS極の永久磁石が交互にY方向に多数配列されて構成されている磁石部104aと、隣り合う永久磁石の磁束を結合する平板状のヨーク104bと、第一直動ガイド102上を移動する第一直動スライダ104cと、を備える。磁石部104aはヨーク104bの上面に設けられ、第一直動スライダ104cはヨーク104bの下面に設けられている。
【0015】
テーブル100は、さらに、固定子104の上方に設けられた第一可動子105と第二可動子106とを備える。第一可動子105は、コイル部105aと、コイル部105aを支持する支持体105bと、第二直動ガイド103上を移動する第二直動スライダ105cと、を備える。コイル部105aは、電流により磁束を生成するコイルとコアと隣り合う磁束を結合するヨークと、を備え、電磁石を構成している。支持体105bは第二直動スライダ105cの上に設けられている。第一可動子105は第二直動ガイド103上を自由移動可能である。
【0016】
第二可動子106は、コイル部106aと、コイル部106aを支持する支持体106bと、を備える。コイル部106aはコイル部105aと同様の構成である。支持体106bはベース101の上に設けられている。第二可動子106はベース101に固定されて不動とされる。
【0017】
第一可動子105(コイル部105a)および第二可動子106(コイル部106a)のY軸方向の長さは、固定子104(磁石部104a)のY軸方向の長さよりも短い。第一可動子105(コイル部105a)のY軸方向の長さと第二可動子106(コイル部106a)のY軸方向の長さとを合わせた長さも、固定子104(磁石部104a)のY軸方向の長さよりも短い。
【0018】
図5に示されるように、第一可動子105には、被駆動体108が接続される。被駆動体108は、例えば、ボンディングヘッドを上下方向に駆動するZ駆動軸等である。被駆動体108にはボンディングヘッドも含まれる。
【0019】
また、テーブル100は、ベース101のY軸方向における略全域に亘って設けられたスケール107を備える。スケール107と、被駆動体108に設けられる、例えば、光学式の検出センサ(不図示)と、によりリニアセンサを構成する。リニアセンサは被駆動体108のY軸方向の位置を検出し、このリニアセンサの出力に基づいて、位置制御又は速度制御などの目的位置への移動制御が行なわれる。これにより、例えば、第一可動子105は特開2015-173551号公報に記載される制御方法により制御することが可能となる。
【0020】
テーブル100の動作は制御装置110によって制御される。すなわち、制御装置110は、例えば、ネットワークに繋がるI/Oやアクチュエータなどを駆動して第一可動子105および第二可動子106のコイルに流す電流を制御することにより、テーブル100の動作を制御する。
【0021】
実施形態におけるテーブルの反動吸収動作について
図6を用いて説明する。
図6は
図5に示されるテーブルの反動吸収動作を説明する斜視図である。
【0022】
制御装置110は、第一可動子105が移動する方向(Y軸方向)と同方向に、第一可動子105の移動と並行して第二可動子106を仮想的に移動させる。なお、第二可動子106はベース101に固定されているので移動できない。第二可動子106が固定されていないとした場合に、第二可動子106が移動するように電流を流すことを、第二可動子106を仮想的に移動させるという。
【0023】
ここで、第一可動子105の質量をm1、固定子104の質量をm2、第一可動子105の加速度をa1、第二可動子106の加速度をa2、固定子104の加速度をa3、第一可動子105に働く推力をF1、第二可動子106に働く推力をF2、固定子104に働く推力をF3とする。それぞれの運動方程式は下記の式で表される。
【0024】
F1=m1×a1 ・・・(1)
F2=m2×a2 ・・・(2)
F3=m2×a3 ・・・(3)
【0025】
反動吸収(カウンタ)機構は、第一可動子105と固定子104の運動方程式が等しいとき効果を発揮する。すなわち、下記の式が成り立つ。
【0026】
F1=F3 ・・・(4)
【0027】
ここで、第一可動子105が移動したときの固定子104への推力をF’、その加速度をa’とする。カウンタウェイトである固定子104の加速度(a3)は、第一可動子105が移動したときの固定子104への推力(F’)の加速度(a’<a1)と、不動である第二可動子106の加速度(a2)を足したものである。すなわち、下記の式が成り立つ。
【0028】
a3=a’+a2 ・・・(5)
F3=F’+F2 ・・・(6)
【0029】
この時の第二可動子106に求められる加速度を上記の式より計算する。すなわち、式(4)に式(1)(3)(5)を代入してする。
【0030】
m1×a1=m2×a3
=m2(a’+a2)
∴ a2=(m1/m2)×a1-a’ ・・・(7)
【0031】
第二可動子106の加速度を上記式(7)に数値を入れて算出したa2にすることにより、カウンタ機構として効果を発揮する。ただし、上述されたように、第二可動子106はベース101に固定されているので、第二可動子106に代わって、固定子104が第一可動子105と逆方向に移動する。これにより、テーブル100の制振を図ることが可能となる。
【0032】
本実施形態では、ベース101に固定した第二可動子106を設けると共に、固定子104を自由移動可能としている。これにより、固定子104をカウンタウェイトとして使用することができるためカウンタ機構を小型化することができる。また、不動である第二可動子106により固定子104の加速度が制御されるため、テーブルごとに適正な制振移動距離を調整することが可能となり、機差に合わせたカウンタ機構が可能となる。
【0033】
実質、第一可動子105の加速度に合わせた固定子104の加減速度の計算は上述した通りである。これを
図29に示すv-t図を用いて説明する。
図29は第一可動子および固定子の速度と時間との関係を示す図である。第一可動子105の加速時間、定速時間および減速時間をそれぞれ、ta、tc、tdとしたとき、第二可動子106により動作する固定子104も第一可動子105と加速時間、定速時間および減速時間を合わせることでカウンタを成立させる。このとき、第二可動子106で動かす固定子104は可動子と同じストロークで運動する必要がある。しかし、固定子104を使用した場合、重量比で加速度を変化させることが可能なため、これにより固定子104の動作速度も自由に調整することが可能となる。よって、ストローク範囲を第一可動子105よりも狭くすることも可能となる。
【0034】
本実施形態におけるテーブルは、自由にカウンタ動作を制御できるので、本テーブルとは別の他のテーブルが同じ装置に搭載されている場合、本テーブルの第二可動子により固定子を移動させて、他テーブルの動作時、その振動を打ち消す振動を出すことが可能である。これにより、他テーブルに制振機構を加えずとも代用できるため、肥大化を防ぎ装置内スペース、コスト共に抑制することができる。
【0035】
実施形態におけるテーブルのストローク伸長動作について
図5から
図8を用いて説明する。
図7は
図5に示されるテーブルにおいて
図6とは逆方向に固定子を移動する場合の斜視図である。
図8は
図7に示されるテーブルにおける第一可動子のストロークを説明する斜視図である。
【0036】
上述したように、テーブル100において反動吸収動作する場合、
図6に示されるように、制御装置110が第一可動子105の移動する方向と同方向に不動である第二可動子106を仮想的に動かすことで、固定子104が第一可動子105と逆方向に移動し、カウンタ動作が行われる。ここで、第一可動子105のストローク(可動範囲)はL1である。また、
図5に示されるように、第一可動子105および固定子104が移動する前においては、第二可動子106の右端は固定子104の右端よりL2の距離で固定されている。
【0037】
図7に示されるように、制御装置110が第一可動子105の移動する方向(Y軸方向)と逆方向に第二可動子106を仮想的に動かすと、固定子104は第一可動子105が移動する方向と同方向に移動する。固定子104は最大L2だけ移動が可能であるため、
図8に示されるように、第一可動子105のストロークをL1から(L1+L2)に伸ばすことが可能となる。このように、ストロークを伸ばす場合は、テーブルの肥大化を最小限に留まらせ、コンパクト設計および組立工数の削減、部品点数減少により、コストを抑制できる。
【0038】
例えば、ダイボンディング装置のボンディングテーブルに本テーブルを設けた場合、ダイボンディングを行うストロークとは別に、延長されたストロークの範囲にダイを取り扱う消耗品、例えばコレットの交換・クリーニングを行うユニットを設けることで、製品の品質、メンテナンス性を向上させることができる。また、ボンディングテーブルの延伸方向(Y軸方向)に基板を搬送するレーンが二つ配置される2レーンの装置等の長ストロークの駆動でも固定子を小型化にして安価で実施することができる。
【0039】
<変形例>
以下、実施形態の代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施形態の一部、および、複数の変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0040】
(第一変形例)
第一変形例におけるテーブルについて
図9および
図10を用いて説明する。
図9は第一変形例におけるテーブルの斜視図である。
図10は第一可動子の速度と加速度、固定子の加速度の波形を示す図である。
【0041】
図9に示されるように、第一変形例におけるテーブル100は、実施形態におけるテーブルの第一可動子105に接続される被駆動体108の先端に加速度センサ109を設けたものであり、他の構成は実施形態におけるテーブルと同様である。
【0042】
第一可動子105が
図10に示されるような加減速を行った際、固定子104は第一可動子105の加速度時間波形(MAW)とは逆位相の加速度時間波形(FAW)の動作を行うことでカウンタが成立する。上述されたように、実施形態における制御装置110は、第一可動子105および第二可動子106を独立に制御を行って、第一可動子105の移動と並行して同方向に第二可動子106を非同期に移動させて、カウンタ動作を行う。第一変形例では、実施形態と同様のカウンタ動作中に、加速度に伴い発生する揺れ戻しの波形を加速度センサ109により計測し、第二可動子106が固定子104を動作させている標準加速度波形へ反映させるようにする。
【0043】
具体的には、加速度センサ109が計測した波形から制御装置110の計測部および演算部により逆位相にした波形を算出することにより、第二可動子106の加速度をリアルタイムに求めて、カウンタ動作を成立させる。
【0044】
実施形態のカウンタ動作は、事前に実施するボンディング等の動作において加速度等を計測して評価した最適動作に対して行われる。例えば、予め蓄積した計測データから得られた標準の値、または、事前に計算した加速度を振った振動との相関を取って評価した値を用いる。評価結果により得られた最適動作に対して計算で得られた第一可動子105の加速度と第一可動子105の重量から推力を算出して運動エネルギを算出する。この運動エネルギと同じエネルギになるように、固定子104全体の重量から必要な加速度を算出する。この固定子104に必要な加速度を第一可動子105の加速時間と同時間で第二可動子106に入力して実施する。
【0045】
本変形例のように、加速度を加速度センサ109によりリアルタイムで計測した場合、上記計算を行う制御装置110で毎回計算を実施して、リアルタイムで補正することで自動的に適正加速度でのカウンタを実現できる。実施形態のボンディングヘッド等の第一可動子105の加速度は、設定速度から自動的に設定されるが、直動ガイド等の負荷の経時変化で変化する場合があるため本変形例は有効である。
【0046】
(第二変形例)
第二変形例におけるテーブルについて
図11を用いて説明する。
図11は第二変形例におけるテーブルの斜視図である。
【0047】
第二変形例におけるテーブル100は、実施形態における第一直動ガイド102と第二直動ガイド103が搭載される共通のベース101の下に第一直動ガイド102または第二直動ガイド103と平行に2ヶ所以上の重量センサ201を設けたものであり、他の構成は実施形態におけるテーブルと同様である。Y軸動作のカウンタ動作のみであればベース101のY軸方向の両端(2ヶ所)に設置すればよく、X軸の重心も考慮する場合は、
図11に示すように、ベース101の四隅(4ヶ所)に設置する。
【0048】
第二変形例では、実施形態におけるカウンタ動作において、以下の制御を行う。第一可動子105の移動前に、例えば二つの重量センサ201の重量を記憶して、第一可動子105の動作時に、これらの重量センサ201の検知した重量バランスを維持するように第二可動子106により固定子104の移動を制御して動作させる。すなわち、第一可動子105と固定子104の合わせた重心位置が第一可動子105の移動に際しても動作開始前の重心と常に同じ位置になるように、固定子104を第二可動子106により推力を与えることにより、第一可動子105と逆方向に動作制御する。
【0049】
以下を事前に手動動作で実施する。ここで、重量バランスは、例えば、二つの重量センサ201が検知した重量の比率であって絶対重量ではない。また、被駆動体108がボンディングヘッドである例について説明する。
【0050】
(簡易動作)
(1-1)ボンディングヘッドを駆動する第一可動子105をダイのピックアップ位置(スタート位置)に移動させてその位置における重量バランスを測定する。ここで、固定子104はスタート位置のままである。
(1-2)第一可動子105をダイのボンディング位置(停止位置)に移動させてその重量バランスを測定する。ここで、固定子104は移動させないでスタート位置のままである。
(1-3)第一可動子105がボンディング位置に移動した状態で、固定子104をピックアップ位置(スタート位置)の重量バランスになるまで移動させ、その位置を記憶する。
(1-4)第一可動子105のピックアップ位置(スタート位置)~ボンディング位置(停止位置)までの(Y軸)動作と同じ時間で、固定子104をそのスタート位置と(1-3)の位置の間を動作させる。
【0051】
(詳細動作)
ボンディングヘッド動作の加速動作時は、第一変形例で説明した動作を行い、低速運動時は、加速時の移動量を含め、重量バランスを考慮した上記動きをさせるように動作する。
【0052】
なお、第一直動ガイド102及び第二直動ガイド103の両端部の下であってベース101の上に重量センサ201を設置してもよい。
【0053】
(第三変形例)
第三変形例におけるテーブルについて
図12を用いて説明する。
図12は第三変形例におけるテーブルの斜視図である。
【0054】
第三変形例におけるテーブル100は、実施形態における第一直動ガイド102及び第二直動ガイド103の両端部の下であってベース101の上にZ方向の振動を吸収するための制振ダンパあるいはバランサ(振り子カウンタ)等の制振部材202を設けたものであり、他の構成は実施形態におけるテーブルと同様である。なお、ベース101の四隅の下にであって装置の架台の上に制振部材202を設けてもよい。
【0055】
(第四変形例)
第四変形例におけるテーブルの構成について
図14から
図17を用いて説明する。
図14は第四変形例におけるテーブルの上面図である。
図15は
図14のテーブルの正面図である。
図16は
図14のC-C線における断面図である。
図17は
図14のD-D線における断面図である。
【0056】
第四変形例におけるテーブル100は、実施形態におけるテーブルに対して、さらに、固定子104を固定および移動可能とする電磁クラッチ111と、第二可動子106を固定可能とする固定板112と、を備える。また、第二可動子106は、第一可動子105と同様に、第二直動ガイド103上に設けられている。よって、第二直動ガイド103は、Y軸方向に、実施形態よりも長く延伸するよう構成されている。第三変形例における第二可動子106は、コイル部106aを支持する支持体106bと、第二直動ガイド103上を移動する第二直動スライダ106cと、を備える。支持体106bは、支持体105bと同様に、第二直動スライダ105cの上に設けられている。第三変形例におけるテーブル100のその他の構成は、実施形態と同様である。
【0057】
電磁クラッチ111はコイルで構成され、コイルに通電することにより発生する電磁力が固定子104の強磁性体で形成されるヨーク104bを引き付けて固定子104を固定する。コイルへの通電を遮断することにより電磁力が消滅してヨーク104bを引き付ける力がなくなり固定子104が移動可能になる。電磁クラッチ111により、固定子104を任意の位置で固定することが可能である。
【0058】
固定板112は強磁性体で形成され、第二直動ガイド103に沿って延伸して配置されている。支持体106bは電磁クラッチ111と同様にコイルを備え、コイルに通電することにより発生する電磁力が固定板112を引き付けて第二可動子106を固定する。コイルへの通電を遮断することにより電磁力が消滅して固定板112を引き付ける力がなくなり第二可動子106が移動可能になる。支持体106bの電磁クラッチ機能および固定板112により、第二可動子106を任意の位置で固定することが可能である。
【0059】
第四変形例におけるテーブルの反動吸収動作について
図18および
図19を用いて説明する。
図18は第四変形例におけるテーブルの第一の反動吸収動作を説明する斜視図である。
図19は第四変形例におけるテーブルの第二の反動吸収動作を説明する斜視図である。
【0060】
第一可動子105が大きな動作を行う場合は、
図18に示されるように、支持体106bの電磁クラッチ機能により第二可動子106を固定板112に固定すると共に、電磁クラッチ111により固定子104を移動可能にして、実施形態と同様に、固定子104によるカウンタ動作を行う。
【0061】
第一可動子105が小さな動作を行う場合は、
図19に示されるように、支持体106bの電磁クラッチ機能により第二可動子106を移動可能にすると共に、電磁クラッチ111により固定子104を固定して、第二可動子106によるカウンタ動作を行う。
【0062】
第四変形例におけるテーブルのストローク伸長動作について
図20から
図22を用いて説明する。
図20は第四変形例におけるテーブルの第二可動子を所定位置に移動した状態を示す斜視図である。
図21は第四変形例におけるテーブルの固定子を進行方向に移動した状態を示す斜視図である。
図22は第四変形例におけるテーブルの第一可動子を進行方向に移動した状態を示す斜視図である。
【0063】
電磁クラッチ111により固定子104を固定すると共に、支持体106bの電磁クラッチ機能により第二可動子106を移動化可能にする。
図20に示されるように、第二可動子106を第一可動子105の移動する進行方向に所定距離を移動させた後、支持体106bの電磁クラッチ機能により第二可動子106を固定する。
図21に示されるように、第一可動子105の移動する方向と逆方向に第二可動子106を仮想的に動かすと、固定子104は第一可動子105が移動する方向と同方向に動作する。これにより、
図22に示されるように、実施形態と同様に、第一可動子105のストロークを伸ばすことが可能となる。
【0064】
(第五変形例)
第五変形例におけるテーブルの構成について
図13(a)および
図13(b)を用いて説明する。
図13(a)は第五変形例におけるテーブルの
図1のB-B線における断面図に相当する図である。
図13(b)は第五変形例の他の例におけるテーブルの
図1のB-B線における断面図に相当する図である。
【0065】
第五変形例におけるテーブルは、実施形態におけるテーブルに対して固定子104の位置を検知するリニアセンサをさらに設けたものである。
【0066】
図13(a)に示すように、固定子104の第二可動子106側の側面に設置されるスケール107aと、第二可動子106の支持体106bに設けられた光学式の検出センサ109aとによりリニアセンサを構成する。これにより、固定子104もリニアセンサの出力に基づいて、位置制御又は速度制御などの目的位置への移動制御が行なわれる。例えば、第二可動子106は特開2015-173551号公報に記載される制御方法により制御することが可能となる。
【0067】
なお、
図13(b)に示すように、固定子104に設けた光学式の検出センサ109bと、ベース101に設けられたスケール107とによりリニアセンサを構成してもよい。
【0068】
(第六変形例)
第六変形例におけるテーブルの構成について
図28を用いて説明する。
図28は第六変形例におけるテーブルの斜視図である。
【0069】
実施形態では、固定子104の磁石部104aの永久磁石のN極とS極との配置は均等である例を説明したが、
図28に示すように、固定子104の磁石部104aのうち第二可動子106と対向して動作する部分の永久磁石のN極とS極との配置を密にしたり、磁石のサイズを変えたりして推力を増やすようにしてもよい。すなわち、第六変形例では、ヨーク104b上に配置される磁石部104aのN極およびS極を配列は変えずにより細分化させることで、第二可動子106のコイル部106aの詳細な動作を可能とするものである。通常、マグネットプレートで構成される固定子の重量が重く移動量は少なくなる。S極、N極の間隔が狭い方が小さいストロークを精度よく動かせる。これにより、第一可動子105と固定子104の重量が大幅に異なったり、これにより移動量が異なったりする(非常に小さくなる)場合でも、同期して同様の精度で動作させることができる。例えば、5対1の重量比では、5倍の密度でSN極を配置すると同期制御が容易となる。
【0070】
(第七変形例)
第七変形例におけるテーブルの構成について
図30から
図33を用いて説明する。
図30は第七変形例におけるテーブルの上面図である。
図31は
図30に示されるテーブルの正面図である。
図32は
図30に示されるテーブルの背面図である。
図33は
図30に示されるテーブルの左側面図である。
【0071】
実施形態では、第一可動子105の位置を検出するリニアセンサのスケール107をベース101に設けているが、第七変形例では、第一可動子105の位置を検出するためのスケール213を固定子104に設けている。また、第七変形例では、固定子104の位置を検出するためのスケール215も固定子104に設ける。さらに、第七変形例では、スケール213,215を固定子104に設けるため、固定子104の構造が実施形態とは異なる。第七変形例におけるテーブル100は、リニアセンサ関連の構成を除いて、実施形態と同様な構成である。以下、第七変形例におけるテーブル100について、実施形態との相違点を中心に説明する。
【0072】
まず、第七変形例における固定子104について説明する。
図33に示すように、ヨーク104bは側面視においてコの字状である。磁石部104aはヨーク104bの上部側水平部の下面および下部側水平部の上面に設けられ、第一直動スライダ104cはヨーク104bの下部側水平部の下面に設けられている。
【0073】
次に第七変形例における第一可動子105について説明する。支持体105bは第二直動スライダ105cの上に立設され、ヨーク104bの上部側水平部の上面よりも上方まで延伸している。コイル部105aはヨーク104bの上部側水平部と下部側水平部との上下方向における中間に位置するよう支持体105bに支持されている。
【0074】
次に第七変形例における第二可動子106について説明する。第二可動子106は実施形態と同様の構造であり、コイル部106aはヨーク104bの上部側水平部と下部側水平部との上下方向における中間に位置するよう支持体106bの上部側において支持されている。
【0075】
次に、第七変形例におけるリニアセンサについて説明する。第一可動子105の支持体105bの上面には、第一可動子105用の走査ヘッド212が接続される。走査ヘッド212には、実施形態に示す被駆動体108同様の被駆動体が接続される。固定子104用の走査ヘッド214は、ベース101の上に固定されている支持体216の上面に支持されている。
【0076】
また、テーブル100は、ヨーク104bの上部側水平部の上面にY軸方向に延伸して設けられた第一可動子105用のスケール213と、ヨーク104bの垂直部の側面にY軸方向における略全域に亘って設けられた固定子104用のスケール215と、を備える。スケール213と、走査ヘッド212に設けられる光学式の検出センサ(不図示)と、により第一のリニアセンサを構成する。スケール215と、走査ヘッド214に設けられる光学式の検出センサ(不図示)と、により第二のリニアセンサを構成する。
【0077】
第一のリニアセンサは第一可動子105の固定子104に対するY軸方向の位置を検出し、第二のリニアセンサは固定子104のベース101に対するY軸方向の位置を検出する。第一および第二のリニアセンサの出力に基づいて、位置制御又は速度制御などの目的位置への移動制御が行なわれる。
【0078】
一般的に、モータではホールセンサが使用される。ホールセンサとは、ホール効果と呼ばれる電流磁気効果を応用したセンサである。用途は、一般的に回転検出、位置検出、開閉検出、電流検知、方位検出などである。リニアモータにおける用途としては、磁界の強さ・向きを電圧に変換した位置検出である。
【0079】
リニアモータを用いてカウンタ機構を実行するには、固定子104の磁石部104aが移動した際に第一可動子105のコイル部105aが移動する方向を正確に検知し指示した距離を移動可能とすることが必要である。仮に第一可動子105と固定子104の位相が異なる場合、トルク不足や逆動作も考えられる。
【0080】
リニアセンサを用いて第一可動子105のベース101に対する位置(絶対位置)を検出する場合は、カウンタ動作においては固定子104が移動するため、第一可動子105と固定子104との相対位置を把握することができない。そのため、第一可動子105のコイル部105aに設けるホールセンサを用いて、第一可動子105の固定子104に対する位置を検出し、第一可動子105と固定子104の位相が異ならない(同じになる)ように制御を行う必要がある。
【0081】
第七変形例では、固定子104側に第一可動子105用のスケール215を取り付けることにより、第一可動子105と固定子104との相対位置を把握するようにしている。これにより、固定子104の動作におけるスケール215の位置を磁石部104aの磁極の並びと追従させることができる。よって、制御を施さずとも第一可動子105と固定子104の相対位置関係を把握でき正しい位相(θ)に電流を流すことが可能となるため、リニアモータで推力を正しく発生させることができる。このとき、第一可動子105を目的位置へ移動させるには、カウンタ動作制御における固定子104の移動量を考慮する必要がある。カウンタ動作制御における固定子104の移動量は、第一可動子105と固定子104の重量比に基づいた固定子104の時間-速度変化によって求められる。
【0082】
(第八変形例)
第八変形例におけるテーブルの構成について
図34および
図35を用いて説明する。
図34は第八変形例におけるテーブルの上面図である。
図35は
図34に示されるテーブルの背面図である。
【0083】
第七変形例では、第一可動子105用のスケール213と固定子104用のスケール215は、別々のスケールを用いている。第八変形例では、固定子104の全域をカバーするスケール213を1つ設け、第一可動子105の第一のリニアセンサとベース101に固定された第二可動子106に設けられた第二のリニアセンサでそれぞれ同じスケール213の別の位置を検出する。
【0084】
以下、実施形態または変形例におけるテーブルをダイボンディング装置の一例であるダイボンダに適用した実施例について説明する。
【実施例1】
【0085】
図23は第一実施例におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
図24は
図23において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0086】
ダイボンダ10は、大別して、基板Sに実装するダイDを供給するダイ供給部1と、ピックアップ部2、中間ステージ部3と、ボンディング部4と、搬送部5、基板供給部6と、基板搬出部7と、各部の動作を監視し制御する制御装置8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、ボンディング部4が奥側に配置される。ここで、基板Sには最終1パッケージとなる、一つ又は複数の製品エリア(以下、パッケージエリアPという。)がプリントされている。
【0087】
まず、ダイ供給部1は基板SのパッケージエリアPに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12と、ウェハ11からダイDを剥離する点線で示す剥離ユニット13と、を有する。ダイ供給部1は図示しない駆動手段によってXY軸方向に移動し、ピックアップするダイDを剥離ユニット13の位置に移動させる。
【0088】
ピックアップ部2は、ダイDをピックアップするピックアップヘッド21と、ピックアップヘッド21をY軸方向に移動させるピックアップヘッドのY駆動部23と、コレット22を昇降、回転及びX軸方向移動させる図示しない各駆動部と、を有する。ピックアップヘッド21は、剥離されたダイDを先端に吸着保持するコレット22(
図24も参照)を有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。ピックアップヘッド21は、コレット22を昇降、回転及びX軸方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0089】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32を有する。
【0090】
ボンディング部4は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板SのパッケージエリアP上にボンディングし、又は既に基板SのパッケージエリアPの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする。ボンディング部4は、ピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42(
図24も参照)を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY軸方向に移動させるY駆動部43と、基板SのパッケージエリアPの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。Y軸駆動部43は実施形態および第一変形例から第四変形例の何れか一つまたはそれらを組み合わせたテーブルで構成されている。ボンディングヘッド41は実施形態における被駆動体108である。このような構成によって、ボンディングヘッド41は、ステージ認識カメラ32の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板にダイDをボンディングする。
【0091】
搬送部5は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51と、基板Sが移動する搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた基板搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。このような構成によって、基板Sは、基板供給部6から搬送レーン52に沿ってボンディング位置まで移動し、ボンディング後、基板搬出部7まで移動して、基板搬出部7に基板Sを渡す。
【0092】
制御装置8は実施形態における制御装置110に対応し、ダイボンダ10の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。
【0093】
次に、ダイ供給部1の構成について
図25を用いて説明する。
図25は
図23のダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0094】
ダイ供給部1は、水平方向(XY軸方向)に移動するウェハ保持台12と、上下方向に移動する剥離ユニット13と、を備える。ウェハ保持台12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持され複数のダイDが接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を有する。剥離ユニット13は支持リング17の内側に配置される。
【0095】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイDの間隔が広がり、剥離ユニット13によりダイシングテープ16からダイDを剥離し、ダイDのピックアップ性を向上させている。なお、ダイを基板に接着する接着剤は、液状からフィルム状となり、ウェハ11とダイシングテープ16との間にダイアタッチフィルム(DAF)18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ11では、ダイシングは、ウェハ11とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウェハ11とダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離する。
【0096】
次に、第一実施例におけるダイボンダを用いた半導体装置の製造方法について
図26を用いて説明する。
図26は
図23のダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0097】
(ウェハ・基板搬入工程:ステップS11)
ウェハ11から分割されたダイDが貼付されたダイシングテープ16を保持したウェハリング14をウェハカセット(不図示)に格納し、ダイボンダ10に搬入する。制御装置8はウェハリング14が充填されたウェハカセットからウェハリング14をダイ供給部1に供給する。また、基板Sを準備し、ダイボンダ10に搬入する。制御装置8は基板供給部6で基板Sを基板搬送爪51に取り付ける。
【0098】
(ピックアップ工程:ステップS12)
制御装置8は上述したようにダイDを剥離し、剥離したダイDをウェハ11からピックアップする。このようにして、ダイアタッチフィルム18と共にダイシングテープ16から剥離されたダイDは、コレット22に吸着、保持されて次工程(ステップS13)に搬送される。そして、ダイDを次工程に搬送したコレット22がダイ供給部1に戻ってくると、上記した手順に従って、次のダイDがダイシングテープ16から剥離され、以後同様の手順に従ってダイシングテープ16から1個ずつダイDが剥離される。
【0099】
(ボンディング工程:ステップS13)
制御装置8はピックアップしたダイを基板S上に搭載又は既にボンディングしたダイの上に積層する。制御装置8はウェハ11からピックアップしたダイDを中間ステージ31に載置し、ボンディングヘッド41で中間ステージ31から再度ダイDをピックアップし、搬送されてきた基板Sにボンディングする。
【0100】
(基板搬出工程:ステップS14)
制御装置8は基板搬出部7で基板搬送爪51からダイDがボンディングされた基板Sを取り出す。ダイボンダ10から基板Sを搬出する。
【0101】
上述したように、ダイDは、ダイアタッチフィルム18を介して基板S上に実装され、ダイボンダから搬出される。その後、ワイヤボンディング工程でAuワイヤを介して基板Sの電極と電気的に接続される。続いて、ダイDが実装された基板Sがダイボンダに搬入されて基板S上に実装されたダイDの上にダイアタッチフィルム18を介して第2のダイDが積層され、ダイボンダから搬出された後、ワイヤボンディング工程でAuワイヤを介して基板Sの電極と電気的に接続される。第2のダイDは、前述した方法でダイシングテープ16から剥離された後、ペレット付け工程に搬送されてダイDの上に積層される。上記工程が所定回数繰り返された後、基板Sをモールド工程に搬送し、複数個のダイDとAuワイヤとをモールド樹脂(図示せず)で封止することによって、積層パッケージが完成する。
【実施例2】
【0102】
図27は第二実施例におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
【0103】
第二実施例におけるダイボンダ10は、大別して、ウェハ供給部301と、ワーク供給・搬送部305と、プリフォーム部302と、ダイボンディング部304と、各部の動作を監視し制御する制御装置308と、で構成される。
【0104】
ウェハ供給部301はウエハカセットリフタ311とウエハリングホルダ312とを備える。ワーク供給・搬送部305はフレームプッシャ353とローダリフタ354とフレームフィーダ355とローダ356とアンローダ357とを備える。ダイボンディング部304はボンディングヘッド341とボンディングテーブル343とを備える。プリフォーム部302はプリフォームヘッド321とプリフォームテーブル323とを備える。
【0105】
ウエハカセットリフタ311に、ウェハリング14が充填されたウェハカセットをセットし、ウエハリングホルダ312にウェハリング14を供給する。これと並行して、ローダ356のフレームプッシャ353またはローダリフタ354より供給されたワークは、プリフォーム部302により、ダイ接着剤の塗布またはクリーニングされ、ボンディングポイントまでフレームフィーダ355上を搬送される。
【0106】
ウエハリングホルダ312では、第一実施例と同様に、ダイシングテープ(不図示)を下に引き伸ばし(エキスパンド)、ダイ(不図示)の間隔を広げダイピックアップ性を向上させる。その後,突上げ部313によりダイの下方よりダイシングテープを介してダイを突き上げ、ボンディングヘッド341によってピックアップし,更にリードフレーム等のワーク(不図示)へダイボンディングを行う。ウエハリングホルダ312はXY直動テーブル上に配置され、ピックアップ後は次ダイ位置まで直動移動し、ダイボンディング動作を繰り返す。
【0107】
ボンディングヘッド341はボンディングテーブル343に設置される。ボンディングテーブル343は実施形態および第一変形例から第四変形例のうちの何れか一つまたはそれらを組み合わせたものである。プリフォームヘッド321を駆動するプリフォームテーブル323、ウエハリングホルダ312を駆動するXYテーブル、突上げ部313を駆動するXYテーブルは、実施形態および第一変形例から第四変形例のうちの何れか一つまたはそれらを組み合わせたものであってもよい。
【0108】
以上、本開示者らによってなされた開示を実施形態、変形例および実施例に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態、変形例および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0109】
例えば、実施形態では、駆動体を水平方向に移動させるテーブルの例を説明したが、駆動体を上下方向に移動するテーブルに適用してもよい。
【0110】
実施形態では、被駆動体としてボンディングヘッドの例を説明したが、第一実施例における基板認識カメラ等のダイボンディング機構に使用する光学系ユニットであってもよい。
【0111】
第一変形例は、加速度を計測して振動抑制する例を説明したが、振動を感知するセンサにより、別ユニットのテーブル等の振動を拾いフィードバックさせることで装置内の振動抑制を行うようにしてもよい。すなわち、振動を感知するセンサを用いて、別ユニットが動作しているときの振動を拾い、そのまま逆位相に変換し、カウンタである固定子104を動かす第二可動子106に指令を送ることで、振動を抑制させる。例えば、XYZの3軸とも同様の構造を設け、3次元加速度センサやリニアセンサから算出した加速度の合成波形を打ち消すように、実際には動作させない軸の固定子を動作させて振動を抑制する。ここで、動作させない軸の第一可動子は元の位置を維持させるように動作させる。
【0112】
また、第一実施例におけるY軸駆動部23は実施形態および第一変形例から第六変形例の何れか一つまたはそれらを組み合わせたテーブルで構成してもよい。
【0113】
また、第一実施例では、ダイ供給部からダイをピックアップヘッドでピックアップして中間ステージに載置し、中間ステージに載置されたダイをボンディングヘッドで基板にボンディングするダイボンダについて説明したが、ダイ供給部からダイをピックアップしダイピックアップヘッドを上に回転してダイをトランスファヘッドまたはボンディングヘッドに受け渡しボンディングヘッドで基板にボンディングするフリップチップボンダに適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
10・・・ダイボンダ(ダイボンディング装置)
101・・・ベース
102・・・第一直動ガイド
103・・・第二直動ガイド
104・・・固定子
105・・・第一可動子
106・・・第二可動子
108・・・被駆動体
110・・・制御装置