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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】環境発電モジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/10 20140101AFI20250611BHJP
【FI】
H02S30/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022538652
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2021023685
(87)【国際公開番号】W WO2022019037
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2020125750
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】中平 忠克
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225502(JP,A)
【文献】特開2000-114570(JP,A)
【文献】特開2005-159179(JP,A)
【文献】特開2013-048532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0259404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10F 10/00-99/00
H10K 30/00-99/00
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主表面と、前記第1主表面の裏側に位置する第2主表面と、両端に角部を形成する第1辺と、を備え、光エネルギー電気エネルギーに変換するように構成される太陽電池素子、又は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される熱電変換素子である板状の環境発電素子と、
前記第1主表面の外周縁を支持するように構成される第1部分フレームと、前記第2主表面の外周縁を支持するように構成される第2部分フレームと、を備えるフレームと、を有し、
前記第1部分フレームが、前記環境発電素子の外周縁に沿って延びるとともに前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて延びる第1外周壁を有し、
前記第2部分フレームが、前記第1外周壁に径方向に重なるように構成される第2外周壁を有し、
前記フレームが、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向外方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁外側構造と、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向内方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁内側構造とが前記環境発電素子の前記外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造を、前記第1辺に対して有する、環境発電モジュール。
【請求項2】
前記第1部分フレームは、前記第1辺において前記第1主表面の外周縁を支持するように構成され、
前記第2部分フレームは、前記第1辺において前記第2主表面の外周縁を支持するように構成される、請求項1に記載の環境発電モジュール。
【請求項3】
前記第1部分フレーム及び前記第2部分フレームは、協働して、前記第1辺において前記環境発電素子を挟持するように構成される、請求項1又は2に記載の環境発電モジュール。
【請求項4】
前記環境発電素子は、前記第1辺の両隣に位置する第2辺及び第3辺、並びに前記第1辺の向かい側に位置する第4辺を有するとともに、矩形板状をなし、
前記フレームは、前記第2辺、前記第3辺及び前記第4辺の各々に対して前記交互配置構造を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の環境発電モジュール。
【請求項5】
環境発電モジュールの製造方法であって、
前記環境発電モジュールが、
第1主表面と、前記第1主表面の裏側に位置する第2主表面と、両端に角部を形成する第1辺と、を備え、光エネルギー電気エネルギーに変換するように構成される太陽電池素子、又は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される熱電変換素子である板状の環境発電素子と、
前記第1主表面の外周縁を支持するように構成される第1部分フレームと、前記第2主表面の外周縁を支持するように構成される第2部分フレームと、を備えるフレームと、を有し、
前記第1部分フレームは、前記環境発電素子の外周縁に沿って延びるとともに前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて延びる第1外周壁を有し、
前記第2部分フレームは、前記第1外周壁に径方向に重なるように構成される第2外周壁を有し、
前記フレームは、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向外方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁外側構造と、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向内方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁内側構造とが前記環境発電素子の前記外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造を、前記第1辺に対して有し、
前記製造方法が、
前記交互配置構造において前記第1外周壁と前記第2外周壁とを互いにスナップ嵌合させることにより、前記第1部分フレーム及び前記第2部分フレームを前記環境発電素子の前記外周縁に取り付けるフレーム取り付け工程を有する、環境発電モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境発電モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池素子などの環境発電素子と、その外周縁に取り付けられるフレームと、を有し、フレームが複数の部分フレームで構成される環境発電モジュールが知られている。例えば特許文献1には、矩形平板状の太陽電池素子の4辺に沿ってそれぞれ取り付けられる部分フレームでフレームを構成した環境発電モジュールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-195483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されるような環境発電モジュールは、隣接する部分フレーム同士をそれぞれねじ等の固定具によって連結する必要があるため、製造工程が煩雑である。
【0005】
したがって、本発明の目的は、製造工程を簡素化することができる環境発電モジュール及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様としての環境発電モジュールは、第1主表面と、前記第1主表面の裏側に位置する第2主表面と、両端に角部を形成する第1辺と、を備える板状の環境発電素子と、前記第1主表面の外周縁を支持するように構成される第1部分フレームと、前記第2主表面の外周縁を支持するように構成される第2部分フレームと、を備えるフレームと、を有し、前記第1部分フレームが、前記環境発電素子の外周縁に沿って延びるとともに前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて延びる第1外周壁を有し、前記第2部分フレームが、前記第1外周壁に径方向に重なるように構成される第2外周壁を有し、前記フレームが、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向外方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁外側構造と、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向内方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁内側構造とが前記環境発電素子の前記外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造を、前記第1辺に対して有する。このような構成によれば、交互配置構造において第1外周壁と第2外周壁とを互いにスナップ嵌合させることにより、第1部分フレーム及び第2部分フレームを環境発電素子の外周縁に取り付けることができる。したがって、環境発電モジュールの製造工程を簡素化することができる。また、第1辺において、第1部分フレームが第2部分フレームに対して相対的に径方向外方に弾性変形することが第2外周壁外側構造によって抑制され、第1部分フレームが第2部分フレームに対して相対的に径方向内方に弾性変形することが第2外周壁内側構造によって抑制されるため、第1辺において第1フレームと第2部分フレームとの良好な嵌合強度を確保することができる。
【0007】
本発明の一実施形態として、前記第1部分フレームは、前記第1辺において前記第1主表面の外周縁を支持するように構成され、前記第2部分フレームは、前記第1辺において前記第2主表面の外周縁を支持するように構成される。このような構成によれば、環境発電素子を第1辺においてフレームによって強固に支持することができる。
【0008】
本発明の一実施形態として、前記第1部分フレーム及び前記第2部分フレームは、協働して、前記第1辺において前記環境発電素子を挟持するように構成される。このような構成によれば、環境発電素子を第1辺においてフレームによってより一層強固に支持することができる。
【0009】
本発明の一実施形態として、前記環境発電素子は、前記第1辺の両隣に位置する第2辺及び第3辺、並びに前記第1辺の向かい側に位置する第4辺を有するとともに、矩形板状をなし、前記フレームは、前記第2辺、前記第3辺及び前記第4辺の各々に対して前記交互配置構造を有する。このような構成によれば、環境発電素子をフレームによって強固に支持することができる。
【0010】
本発明の一態様としての環境発電モジュールの製造方法は、前記環境発電モジュールが、第1主表面と、前記第1主表面の裏側に位置する第2主表面と、両端に角部を形成する第1辺と、を備える板状の環境発電素子と、前記第1主表面の外周縁を支持するように構成される第1部分フレームと、前記第2主表面の外周縁を支持するように構成される第2部分フレームと、を備えるフレームと、を有し、前記第1部分フレームは、前記環境発電素子の外周縁に沿って延びるとともに前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に向けて延びる第1外周壁を有し、前記第2部分フレームは、前記第1外周壁に径方向に重なるように構成される第2外周壁を有し、前記フレームは、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向外方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁外側構造と、前記第2外周壁が前記第1外周壁に径方向内方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁内側構造とが前記環境発電素子の前記外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造を、前記第1辺に対して有し、前記製造方法が、前記交互配置構造において前記第1外周壁と前記第2外周壁とを互いにスナップ嵌合させることにより、前記第1部分フレーム及び前記第2部分フレームを前記環境発電素子の前記外周縁に取り付けるフレーム取り付け工程を有する。このような構成によれば、スナップ嵌合を利用するフレーム取り付け工程により、環境発電モジュールの製造工程を簡素化することができる。また、交互配置構造により、第1辺において第1フレームと第2部分フレームとの良好な嵌合強度を確保することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、製造工程を簡素化することができる環境発電モジュール及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る環境発電モジュールを組み立て前の状態で示す斜視図である。
図2図1に示す環境発電モジュールを組み立て後の状態で示す斜視図である。
図3図1に示す環境発電モジュールの交互配置構造を組み立て前の状態で示す上面図である。
図4図1に示す環境発電モジュールの交互配置構造を組み立て後の状態で示す上面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6図4のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る環境発電モジュール1及びその製造方法について詳細に例示説明する。
【0014】
図1図2に示す本実施形態の環境発電モジュール1は、環境発電素子2、端子部材3及びフレーム4を有している。フレーム4は、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6を有している。環境発電素子2は、太陽光、室内光などの光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される太陽電池素子である。なお、環境発電素子2は太陽電池素子に限らず、例えば、地熱等の熱エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される熱電変換素子であってもよい。
【0015】
環境発電素子2は、矩形平板状をなしており、環境発電素子2の外周縁は、第1辺2a、第2辺2b、第3辺2c及び第4辺2dを有している。第1辺2aと第2辺2bとで第1角部2eが形成され、第1辺2aと第3辺2cとで第2角部2fが形成され、第2辺2bと第4辺2dとで第3角部2gが形成され、第3辺2cと第4辺2dとで第4角部2h
が形成されている。第1辺2aの両隣に第2辺2b及び第3辺2cが位置しており、第4辺2dは第1辺2aの向かい側に位置している。第4辺2dには、径方向外方に突出する端子用凸部2iが設けられている。第1辺2a、第2辺2b及び第3辺2cは直線状をなしている。
【0016】
また、環境発電素子2は、第1主表面2jと、第1主表面2jの裏側に位置する第2主表面2kと、を有している。なお、本実施形態において、説明の便宜のため、環境発電素子2に垂直な方向、つまり環境発電素子2の厚み方向を上下方向と称し、第2主表面2kの側から第1主表面2jの側に向かう方向を上方と称し、第1主表面2jの側から第2主表面2kの側に向かう方向を下方と称し、上下方向に垂直な平面内で環境発電素子2の内側から外側に向かう方向を径方向外方と称し、上下方向に垂直な平面内で環境発電素子2の外側から内側に向かう方向を径方向内方と称し、上下方向に垂直な平面内で環境発電素子2を周回する方向を周方向と称する。
【0017】
端子部材3は、環境発電素子2が発電した電力を外部に取り出すための端子3aを有している。端子部材3は、端子用凸部2i上に配置され、フレーム4が環境発電素子2の外周縁に取り付けられた状態で、フレーム4によって保持されるように構成されている。
【0018】
環境発電素子2の外周縁は、全周に亘ってフレーム4に覆われ、それにより保護されている。フレーム4は、上下方向に互いにスナップ嵌合、つまり、段差形状部同士が弾性変形によって上下方向に乗り越え、嵌合するように構成された2つの部分フレームである第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6で構成されている。
【0019】
第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6は、それぞれ、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製である。なお、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6は、合成樹脂製に限らない。また、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6は、それぞれ、射出成形によって一体に形成されている。なお、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6は、それぞれ、複数の部材を、ねじ等の固定具を用いて或いは接着又は嵌合等により組み立てて構成してもよい。また、組み立て状態でのフレーム4の上下方向の厚みは、例えば、3mm程度とすることができる。
【0020】
図3図6に示すように、第1部分フレーム5は、第1辺2aにおいて第1主表面2jの外周縁を支持するように構成された第1支持面5aを有している。また、第1部分フレーム5は、第1辺2aに沿って延びるとともに第1主表面2jの側から第2主表面2kの側に向けて上下方向に沿って延びる第1外周壁5bを有している。つまり、第1外周壁5bは、径方向に垂直な壁として構成されている。第1部分フレーム5は、第1支持面5aを下面に備える第1主壁5cを有しており、第1外周壁5bは、第1主壁5cから下方に上下方向に沿って延びている。
【0021】
第2部分フレーム6は、第1辺2aにおいて第2主表面2kの外周縁を支持するように構成された第2支持面6aを有している。また、第2部分フレーム6は、第1辺2aに沿って延びるとともに第2主表面2kの側から第1主表面2jの側に向けて上下方向に沿って延びる第2外周壁6bを有している。つまり、第2外周壁6bは、径方向に垂直な壁として構成されている。第2外周壁6bは、第1外周壁5bに径方向に重なるように構成されている。第2部分フレーム6は、第2支持面6aを上面に備える第2主壁6cを有しており、第2外周壁6bは、第2主壁6cから上方に上下方向に沿って延びている。
【0022】
第1部分フレーム5の第1支持面5aと第2部分フレーム6の第2支持面6aとは、協働して、第1辺2aにおいて環境発電素子2を挟持するように構成されていることが、環境発電素子2を第1辺2aにおいてフレーム4によって強固に支持する上で好ましい。
【0023】
また、フレーム4は、第2外周壁6bが第1外周壁5bに径方向外方から重なり且つ上下方向にスナップ嵌合するように構成された第2外周壁外側構造7aと、第2外周壁6bが第1外周壁5bに径方向内方から重なり且つ上下方向にスナップ嵌合するように構成された第2外周壁内側構造7bとが環境発電素子2の外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造7を、第1辺2aに対して有している。なお、図3図4には、1つの第2外周壁外側構造7aと1つの第2外周壁内側構造7bのみを示しているが、交互配置構造7に含まれる第2外周壁外側構造7a及び第2外周壁内側構造7bの数は適宜設定可能である。
【0024】
1辺2aにおいて、第1外周壁5bにおける第2外周壁外側構造7aを構成する部分と第2外周壁6bにおける第2外周壁内側構造7bを構成する部分とは周方向に整列し、第2外周壁6bにおける第2外周壁外側構造7aを構成する部分と第1外周壁5bにおける第2外周壁内側構造7bを構成する部分とは周方向に整列している。
【0025】
なお、第2外周壁外側構造7aにおいては、第2外周壁6bが段差形状部として凸部8を有し、第1外周壁5bが段差形状部として凹部9を有しているが、凸部8と凹部9を入れ替えた構成としてもよい。つまり、第2外周壁6bが段差形状部として凹部9を有し、第1外周壁5bが段差形状部として凸部8を有していてもよい。
【0026】
また、第2外周壁内側構造7bにおいては、第2外周壁6bが段差形状部として凹部9を有し、第1外周壁5bが段差形状部として凸部8を有しているが、凹部9と凸部8とを入れ替えた構成としてもよい。つまり、第2外周壁6bが段差形状部として凸部8を有し、第1外周壁5bが段差形状部として凹部9を有していてもよい。
【0027】
第2外周壁外側構造7aにおいて、第1外周壁5bの外周面と第2外周壁6bの内周面とは、互いに接していることが嵌合強度を確保する上で好ましい。また、第2外周壁内側構造7bにおいて、第1外周壁5bの内周面と第2外周壁6bの外周面とは、互いに接していることが嵌合強度を確保する上で好ましい。
【0028】
なお、第2外周壁外側構造7a及び第2外周壁内側構造7bの各々において、第1外周壁5bの下面と第2主壁6cの上面との間に隙間がなくてもあってもよいし、第2外周壁6bの上面と第1主壁5cの下面との間に隙間がなくてもあってもよい。第2外周壁外側構造7aにおいて第1主壁5cの外周面と第2外周壁6bの外周面とが面一であってもよいし、面一でなくてもよい。第2外周壁内側構造7bにおいて、第2主壁6cの外周面と第1外周壁5bの外周面とが面一であってもよいし、面一でなくてもよい。
【0029】
また、第2外周壁外側構造7aにおいて、第2外周壁6bの上方に第1主壁5cがなく、第2外周壁6bの上面と第1主壁5cの上面とが面一となるように第2外周壁6bを上方に延ばした構成としてもよい。第2外周壁内側構造7bにおいて、第1外周壁5bの下方に第2主壁6cがなく、第1外周壁5bの下面と第2主壁6cの下面とが面一となるように第1外周壁5bを下方に延ばした構成としてもよい。
【0030】
なお、第2外周壁外側構造7aにおいて、スナップ嵌合を容易にするために、凸部8の上面と先端面との間の角部を面取りした構成としたり、第1外周壁5bの下面と外周面との間の角部を面取りした構成としたりしてもよい。また、第2外周壁内側構造7bにおいて、スナップ嵌合を容易にするために、凸部8の下面と先端面との間の角部を面取りした構成としたり、第2外周壁6bの上面と外周面との間の角部を面取りした構成としたりしてもよい。
【0031】
フレーム4は、第1辺2aに対してだけでなく、第2辺2b、第3辺2c及び第4辺2dの各々に対しても、上記構成を備える交互配置構造7を有している。また、第1部分フレーム5の第1支持面5aは、第1辺2aにおいてだけでなく、第2辺2b、第3辺2c及び第4辺2dの各々においても、第1主表面2jの外周縁を支持するように構成されている。また、第2部分フレーム6の第2支持面6aは、第1辺2aにおいてだけでなく、第2辺2b、第3辺2c及び第4辺2dの各々においても、第2主表面2kの外周縁を支持するように構成されている。
【0032】
本実施形態の環境発電モジュール1は、交互配置構造7において第1外周壁5bと第2外周壁6bとを上下方向に互いにスナップ嵌合させることにより、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6を環境発電素子2の外周縁に取り付けるフレーム取り付け工程を経ることにより、容易に製造することができる。
【0033】
また、第1辺2aにおいて、第1部分フレーム5が第2部分フレーム6に対して相対的に径方向外方に弾性変形することが第2外周壁外側構造7aによって抑制され、第1部分フレーム5が第2部分フレーム6に対して相対的に径方向内方に弾性変形することが第2外周壁内側構造7bによって抑制されるため、第1辺2aにおいて第1部分フレーム5と第2部分フレーム6との良好な嵌合強度を確保することができる。
【0034】
また、本実施形態の環境発電モジュール1は、第1辺2aと同様に、第2辺2b、第3辺2c及び第4辺2dの各々においても、交互配置構造7により、第1部分フレーム5と第2部分フレーム6との良好な嵌合強度を確保することができるので、環境発電素子2をフレーム4によって強固に支持することができる。
【0035】
前述した実施形態は本発明の実施形態の一例にすぎず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0036】
したがって、前記の実施形態の環境発電モジュール1及びその製造方法は、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0037】
環境発電モジュール1は、第1主表面2jと、第1主表面2jの裏側に位置する第2主表面2kと、両端に角部(第1角部2e、第2角部2f)を形成する第1辺2aと、を備える板状の環境発電素子2と、第1主表面2jの外周縁を支持するように構成される第1部分フレーム5と、第2主表面2kの外周縁を支持するように構成される第2部分フレーム6と、を備えるフレーム4と、を有し、第1部分フレーム5が、環境発電素子2の外周縁に沿って延びるとともに第1主表面2jの側から第2主表面2kの側に向けて延びる第1外周壁5bを有し、第2部分フレーム6が、第1外周壁5bに径方向に重なるように構成される第2外周壁6bを有し、フレーム4が、第2外周壁6bが第1外周壁5bに径方向外方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁外側構造7aと、第2外周壁6bが第1外周壁5bに径方向内方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁内側構造7bとが環境発電素子2の外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造7を、第1辺2aに対して有する限り、種々変更可能である。
【0038】
しかし、環境発電モジュール1は、第1部分フレーム5が、第1辺2aにおいて第1主表面2jの外周縁を支持するように構成され、第2部分フレーム6が、第1辺2aにおいて第2主表面2kの外周縁を支持するように構成されるのが好ましい。
【0039】
また、環境発電モジュール1は、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6が、協働して、第1辺2aにおいて環境発電素子2を挟持するように構成されるのが好ましい。
【0040】
また、環境発電モジュール1は、環境発電素子2が、第1辺2aの両隣に位置する第2辺2b及び第3辺2c、並びに第1辺2aの向かい側に位置する第4辺2dを有するとともに、矩形板状をなし、フレーム4が、第2辺2b、第3辺2c及び第4辺2dの各々に対して交互配置構造7を有するのが好ましい。
【0041】
環境発電モジュール1の製造方法は、環境発電モジュール1が、第1主表面2jと、第1主表面2jの裏側に位置する第2主表面2kと、両端に角部(第1角部2e、第2角部2f)を形成する第1辺2aと、を備える板状の環境発電素子2と、第1主表面2jの外周縁を支持するように構成される第1部分フレーム5と、第2主表面2kの外周縁を支持するように構成される第2部分フレーム6と、を備えるフレーム4と、を有し、第1部分フレーム5が、環境発電素子2の外周縁に沿って延びるとともに第1主表面2jの側から第2主表面2kの側に向けて延びる第1外周壁5bを有し、第2部分フレーム6が、第1外周壁5bに径方向に重なるように構成される第2外周壁6bを有し、フレーム4が、第2外周壁6bが第1外周壁5bに径方向外方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁外側構造7aと、第2外周壁6bが第1外周壁5bに径方向内方から重なり且つスナップ嵌合するように構成される第2外周壁内側構造7bとが環境発電素子2の外周縁に沿って交互に配置される交互配置構造7を、第1辺2aに対して有し、前記製造方法が、交互配置構造7において第1外周壁5bと第2外周壁6bとを互いにスナップ嵌合させることにより、第1部分フレーム5及び第2部分フレーム6を環境発電素子2の外周縁に取り付けるフレーム取り付け工程を有する限り、種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、製造工程を簡素化することができる環境発電モジュール及びその製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 環境発電モジュール
2 環境発電素子
2a 第1辺
2b 第2辺
2c 第3辺
2d 第4辺
2e 第1角部
2f 第2角部
2g 第3角部
2h 第4角部
2i 端子用凸部
2j 第1主表面
2k 第2主表面
3 端子部材
4 フレーム
5 第1部分フレーム
5a 第1支持面
5b 第1外周壁
5c 第1主壁
6 第2部分フレーム
6a 第2支持面
6b 第2外周壁
6c 第2主壁
7 交互配置構造
7a 第2外周壁外側構造
7b 第2外周壁内側構造
8 凸部
9 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6