(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】タマネギの収穫情報予測方法及びタマネギの収穫情報予測プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20250611BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20250611BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2021191111
(22)【出願日】2021-11-25
【審査請求日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】P 2021020072
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】室 崇人
(72)【発明者】
【氏名】木下 貴文
(72)【発明者】
【氏名】山内 大輔
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-024703(JP,A)
【文献】特開2019-103528(JP,A)
【文献】特開2020-054289(JP,A)
【文献】中ネギの9~10月まき作型における第1回目収穫日の推定法,[online],2017年,[令和7年2月21日検索], インターネット<URL:https://www.pref.kagoshima.jp/ag11/pop-tech/nenndo/documents/documents/105866_20230418141122-1.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と実測時期の情報の入力を受け付け、
前記実測時期に対応する定植時からの積算気温を、前記実測値に対応する積算気温として特定し、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とを用いて、りん茎が肥大を開始した後の積算気温と前記りん茎の球径との関係を示す第1式を特定し、
前記第1式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温に到達するときのりん茎の球径を特定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項2】
前記予め定められた収穫時の積算気温に到達するときのりん茎の球径から、収穫時のりん茎の重量を特定する、処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項1に記載のタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項3】
前記第1式における、前記積算気温の変化に対する前記りん茎の球径の変化を示す値が、予め定められた値である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項4】
前記実測時期が前記りん茎が肥大開始するまでの時期であった場合、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とに基づいて、りん茎が肥大開始するまでの積算気温と葉鞘基部径との関係を示す第2式を特定するとともに、前記第2式を用いて、前記葉鞘基部径が前記りん茎の肥大開始を示す第1の値になるときの積算気温を特定し、
前記第1の値と、前記葉鞘基部径が前記第1の値になるときの積算気温とを用いて、前記第1式を特定する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項5】
前記第2式における、前記積算気温の変化に対する前記葉鞘基部径の変化を示す値が、予め定められた値である、ことを特徴とする請求項4に記載のタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項6】
前記タマネギの栽培地点における気温の実測データ及び予測データと、前記予め定められた収穫時の積算気温と、に基づいて収穫に適した日を予測する、処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項7】
タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と実測時期の情報の入力を受け付け、
前記実測時期に対応する定植時からの積算気温を、前記実測値に対応する積算気温として特定し、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とを用いて、りん茎が肥大を開始した後の積算気温と前記りん茎の球径との関係を示す第1式を特定し、
前記第1式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温に到達するときのりん茎の球径を特定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするタマネギの収穫情報予測プログラム。
【請求項8】
タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と実測時期の情報の入力を受け付け、
前記実測時期に対応する定植時からの積算気温を、前記実測値に対応する積算気温として特定し、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とを用いて、定植時以降の積算気温と前記りん茎の球径との関係を示す指数関数式を特定し、
前記指数関数式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温に到達するときのりん茎の球径を特定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項9】
タマネギに関する生育指標の実測値と実測時期の情報の入力を受け付け、
前記実測時期に対応する定植時からの積算気温を、前記実測値に対応する積算気温として特定し、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とを用いて、りん茎が肥大を開始した後の積算気温と前記生育指標との関係を示す第1式を特定し、
前記第1式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温に到達するときの前記生育指標を特定する、
処理をコンピュータが実行
し、
前記実測時期が前記りん茎が肥大開始するまでの時期であった場合、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とに基づいて、りん茎が肥大開始するまでの積算気温と生育指標との関係を示す第2式を特定するとともに、前記第2式を用いて、前記生育指標が前記りん茎の肥大開始を示す第1の値になるときの積算気温を特定し、
前記第1の値と、前記生育指標が前記第1の値になるときの積算気温とを用いて、前記第1式を特定する、ことを特徴とするタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項10】
タマネギに関する
乾物重、新鮮重、草丈、葉面積のいずれかである生育指標の実測値と実測時期の情報の入力を受け付け、
前記実測時期に対応する定植時からの積算気温を、前記実測値に対応する積算気温として特定し、
前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とを用いて、定植時以降の積算気温と前記生育指標との関係を示す指数関数式を特定し、
前記指数関数式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温に到達するときの前記生育指標を特定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするタマネギの収穫情報予測方法。
【請求項11】
前記生育指標は、乾物重、新鮮重、草丈、葉面積のいずれかであることを特徴とする請求項
9に記載のタマネギの収穫情報予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タマネギの収穫情報予測方法及びタマネギの収穫情報予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、東北地域においてタマネギ栽培が広まりつつあるが、東北地域は広いため多様な気象条件があり、また、新興産地であるために生産者が経験不足であるなどの理由から、安定生産が難しい。このため、栽培前に予め産地ごとの収穫時期や収穫量を把握して作付計画を策定できることが好ましい。
【0003】
従来、タマネギの収穫日や収穫量は、タマネギ産地近傍の公設試験研究機関やJA等で実施した栽培試験の結果(定植時期、品種、栽植密度、平均収量等)に基づく栽培暦に、産地の気象条件を勘案することで予測していた。
【0004】
一方、最近では、一部の野菜品目ではあるが、過去の気象・生育データ等から生育モデルを用いて収量を予測する取り組みが進められている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した過去の栽培試験の結果に基づく予測方法では、近年の異常気象によるずれや新興産地、新作型への対応が難しく、それぞれについて栽培試験を行い、栽培暦を作成する必要がある。また、栽培試験を行った地点を含む地域における収穫日や収穫量の推定精度は高いものの、土壌や気象条件が異なると推定精度が低くなる。
【0007】
また、生育モデルを用いて収量を予測する方法は、膨大なデータを入力する必要があり、煩雑である。
【0008】
そこで、本発明は、簡易に、タマネギの収穫情報を予測することが可能なタマネギの収穫情報予測方法及びタマネギの収穫情報予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のタマネギの収穫情報予測方法は、タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と実測時期の情報の入力を受け付け、前記実測時期に対応する定植時からの積算気温を、前記実測値に対応する積算気温として特定し、前記実測値と前記実測値に対応する積算気温とを用いて、りん茎が肥大を開始した後の積算気温と前記りん茎の球径との関係を示す第1式を特定し、前記第1式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温に到達するときのりん茎の球径を特定する、処理をコンピュータが実行するタマネギの収穫情報予測方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のタマネギの収穫情報予測方法及びタマネギの収穫情報予測プログラムは、簡易に、タマネギの収穫情報を予測することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る生育状態予測システムの構成が概略的に示す図である。
【
図2】
図2(a)は、サーバのハードウェア構成を示す図であり、
図2(b)は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係るサーバの機能ブロック図である。
【
図4】ある品種のタマネギを所定条件で栽培したときの、定植時からの積算気温と葉鞘基部径・球径との関係を示すグラフである。
【
図5】第1の実施形態におけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7(a)、
図7(b)は、
図5のステップS20,S22の処理を説明するための図である。
【
図8】
図5のステップS24の処理を説明するための図である。
【
図9】
図9(a)、
図9(b)は、
図5のステップS16の判断が否定されたときの処理を説明するための図である。
【
図10】
図10(a)~
図10(c)は、第1の実施形態の変形例について説明するための図である。
【
図11】第2の実施形態に係るサーバの機能ブロック図である。
【
図13】第2の実施形態におけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係るタマネギの収穫情報予測方法について、詳細に説明する。
【0013】
図1には、第1の実施形態に係る収穫情報予測システムの構成が概略的に示されている。本実施形態の収穫情報予測システム100は、タマネギを栽培する生産者がタマネギの作付け計画や出荷計画を策定する際に、ある栽培地点において、いつ定植すると、いつ収穫日(収穫適期)が到来し、そのときのタマネギのりん茎の球径がどのくらいの大きさで、収量がどの程度になるのかを確認するためのシステムである。
【0014】
収穫情報予測システム100は、
図1に示すように、サーバ10と、利用者端末70と、を備える。サーバ10及び利用者端末70は、インターネットなどのネットワーク80に接続されている。
【0015】
サーバ10は、データセンタ等に設置される情報処理装置であり、タマネギを栽培する地点(栽培地点)の環境情報(平年値や、過去データ、予測データなど)や、利用者端末70から入力される情報を用い、栽培地点におけるタマネギの収穫日や、収穫日におけるタマネギのりん茎の大きさ(球径)、収量を推定し、推定結果を利用者端末70に出力する。
【0016】
図2(a)には、サーバ10のハードウェア構成が示されている。
図2(a)に示すように、サーバ10は、コンピュータとしてのCPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等)96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいは記憶部96に格納されているプログラム(収穫情報予測プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(収穫情報予測プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、
図3に示す各部の機能が実現される。なお、
図3の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、
図3の各部の詳細については、後述する。
【0017】
利用者端末70は、生産者等が利用可能なPC(Personal Computer)等の端末であり、生産者等による作物の生体情報の入力を受け付けてサーバ10に対して送信したり、サーバ10の推定結果を受信して、表示したりする。利用者端末70は、
図2(b)に示すようなハードウェア構成を有する。具体的には、利用者端末70は、
図2(b)に示すように、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD等)196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体191の読み取りが可能な可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら利用者端末70の構成各部は、バス198に接続されている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。
【0018】
図3には、サーバ10の機能ブロック図が示されている。
図3に示すように、サーバ10では、CPU90がプログラムを実行することにより、入力受付部20、実測値取得時期判定部22、肥大開始前関係式特定部24、肥大開始後関係式特定部26、収穫時球径特定部28、収穫時りん茎重特定部30、収量推定部32、収穫日特定部34、出力部36としての機能が実現されている。なお、
図3には、サーバ10の記憶部96等に格納されている定数テーブル42や気温DB40も図示されている。
【0019】
入力受付部20は、利用者端末70を介して生産者等が入力する情報を取得する。生産者等が入力する情報には、圃場の位置情報、栽培しているタマネギの品種情報、定植日の情報、栽植密度の情報などが含まれる。また、生産者等が入力する情報には、生産者等が葉鞘基部径又はりん茎の球径を計測した結果(実測値)と、測定日の情報が含まれる。
【0020】
ここで、定数テーブル42には、圃場の位置やタマネギの品種、定植時期(春まき作か、秋まき作か)に紐づけて各種定数(例えば、
図6に示す定数)が格納されている。入力受付部20は、生産者等が入力した情報に対応する定数を定数テーブル42から取得し、実測値取得時期判定部22、肥大開始前関係式特定部24、肥大開始後関係式特定部26、収穫時りん茎重特定部30、収穫日特定部34に受け渡す。
【0021】
実測値取得時期判定部22は、生産者等が入力した実測値がりん茎肥大の開始前の実測値であるのか、りん茎肥大の開始後の実測値であるのかを判定する。
【0022】
図4は、ある品種のタマネギを所定条件で栽培したときの、定植時からの積算気温(日平均気温の積算値)と葉鞘基部径及びりん茎の球径の大きさ(葉鞘基部径・球径)との関係を示すグラフである。
図4において2直線が交わる点がりん茎の肥大開始時を示している。この肥大開始時の葉鞘基部径(Db)は、品種や栽培時期、土壌などにより定まる定数であると考えられる。
【0023】
したがって、実測値取得時期判定部22は、実測値がDb以下であれば、測定日がりん茎肥大の開始前であると判定し、葉鞘基部径が所定値よりも大きければ、測定日がりん茎肥大の開始後であると判定する。
【0024】
肥大開始前関係式特定部24は、実測値の測定日がりん茎肥大の開始前である場合に、実測値と測定日における定植日からの積算気温とに基づいて、りん茎肥大が起こる前の時期における積算気温と葉鞘基部径の関係を示す第2式(肥大開始前関係式と呼ぶ)を特定する。
【0025】
本発明者らは、定植時からの積算気温の変化に対するタマネギのりん茎径の変化を示す傾きは、肥大開始前と後では大きく異なるものの、それぞれの傾きは、品種や定植場所が同じであれば、定植日が多少ずれてもほとんど変化しないことを見出した。すなわち、
図4において、肥大開始前の期間の直線の傾き(積算気温の変化に対する葉鞘基部径の大きさの変化の割合)a1は、品種や栽培時期、土壌などにより定まるが、切片は定植日によって異なることを意味する。
【0026】
したがって、肥大開始前関係式特定部24は、式y=a1・x+b1の、xに実測値、yに測定日における定植時からの積算気温を代入することでb1を求め、肥大開始前関係式(y=a1・x+b1)を特定する。
【0027】
肥大開始後関係式特定部26は、りん茎肥大の開始後の時期における、積算気温とりん茎の球径との関係を示す第1式(肥大開始後関係式と呼ぶ)を特定する。
【0028】
収穫時球径特定部28は、定植時からの積算気温が所定の値(後述するThv)に到達するときを収穫時(収穫適期)とみなし、肥大開始後関係式特定部26が特定した肥大開始後関係式を用いて、収穫時におけるりん茎の球径を特定する。なお、値Thvは、品種や栽培時期、土壌などに固有の値である。
【0029】
収穫時りん茎重特定部30は、収穫時球径特定部28が特定した収穫時におけるりん茎の球径を用いて、収穫時におけるりん茎重を次式(1)から特定する。
りん茎重=4/3×π×(りん茎の球径/2)3×k …(1)
【0030】
なお、上式(1)の係数kは、事前の栽培試験等において定まる値であるものとする。
【0031】
収量推定部32は、収穫時におけるりん茎重と、生産者等が入力した栽植密度とに基づいて、収量を次式(2)から推定する。
収量=りん茎重×栽植密度×商品球率 …(2)
【0032】
なお、商品球率(収穫したタマネギのうち商品として販売可能なタマネギの割合)は、事前の調査により定められた値であるとする。
【0033】
収穫日特定部34は、気温DB40を参照して、定植時からの積算気温が所定値(Thv)になる日を収穫日として特定する。収穫日特定部34は、定植日からの積算気温が所定値(Thv)になる日を、気温DB40に格納されている気温の過去データや将来の予測データに基づいて特定する。
【0034】
出力部36は、収量推定部32が推定した収量や、収穫日特定部34が特定した収穫日の情報を、利用者端末70に対して出力する。これにより、利用者端末70の表示部193上に、収量や収穫日の推定結果の情報が表示されるようになっている。
【0035】
(サーバ10の処理について)
以下、サーバ10の処理について、
図5のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
【0036】
図5の処理においては、まずステップS10において、入力受付部20が、利用者端末70から入力があるまで待機する。利用者端末70において、生産者等が情報を入力すると、ステップS12に移行する。なお、生産者等が入力する情報には、前述のように、圃場の位置情報、栽培しているタマネギの品種の情報、定植日の情報、栽植密度の情報、葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値、測定日の情報が含まれる。
【0037】
ステップS12に移行すると、入力受付部20は、利用者端末70から入力された情報を取得し、取得した情報に対応する定数を取得する。例えば、入力受付部20は、定数テーブル42を参照して、取得した圃場の位置情報や、品種の情報、定植日の情報に対応する定数として、
図6に示すような定数a1,a2,Db,Thvを取得したものとする。なお、入力受付部20は、取得した定数を実測値取得時期判定部22、肥大開始前関係式特定部24、肥大開始後関係式特定部26、収穫時りん茎重特定部30、収穫日特定部34に受け渡す。
【0038】
次いで、ステップS14では、実測値取得時期判定部22が、実測値を取得した時期が肥大開始前か後かを判定する。ここでは、実測値取得時期判定部22は、ステップS12で取得したDbよりも取得した実測値が大きいか小さいかにより、実測値を取得した時期が肥大開始前か後かを判定する。
【0039】
次いで、ステップS16では、実測値取得時期判定部22が、肥大開始前か否かを判断する。例えば、実測値がDb(=17mm)よりも小さい場合には、ステップS16の判断は肯定され、ステップS18に移行する。
【0040】
ステップS18に移行すると、肥大開始前関係式特定部24は、実測値から肥大開始前関係式を特定する。具体的には、肥大開始前関係式特定部24は、気温DB40の過去データに基づいて、測定日における定植日からの積算気温を算出する。そして、肥大開始前関係式特定部24は、
図7(a)に示すように、実測値と算出した積算気温とを、式y=a1・x+b1に代入することで、切片b1を求め、肥大開始前関係式を特定する。例えば、肥大開始前関係式として、次式(3)が特定されたとする。
y=0.014×x+4.95 …(3)
【0041】
次いで、ステップS20では、肥大開始後関係式特定部26が、肥大開始前関係式(上式(3))から肥大開始時の積算気温を求め、肥大開始後関係式を特定する。具体的には、肥大開始後関係式特定部26は、上式(3)のyにDb=17を代入することで、肥大開始時の積算気温x≒860を求める。そして、肥大開始後関係式特定部26は、
図7(b)に示すように、(x,y)=(860,17)を肥大開始後関係式y=a2・x+b2に代入することで、切片b2を求め、肥大開始後関係式を特定する。例えば、肥大開始後関係式として、次式(4)が特定されたとする。
y=0.085×x-53.61 …(4)
【0042】
次いで、ステップS24では、収穫時球径特定部28が、肥大開始後関係式(上式(4))を用いて、収穫時球径を特定する。この場合、収穫時球径特定部28は、定植時からの積算気温が
図6のThvに到達するときを収穫時(収穫適期)とみなし、肥大開始後関係式(上式(4))にx=Thvを代入することで、収穫時におけるりん茎の球径を特定する。
図8に示すように、Thv=1700℃の場合には、この値を上式(4)のxに代入することで、収穫時におけるりん茎の球径(y≒91mm)を得る。
【0043】
次いで、ステップS26では、収穫時りん茎重特定部30が、収穫時球径を用いて、収穫時りん茎重を特定する。この場合、収穫時りん茎重特定部30は、上式(1)に、収穫時におけるりん茎の球径(y≒91mm)を代入することで、収穫時りん茎重を特定する。
【0044】
次いで、ステップS28では、収量推定部32が、ステップS26で特定された収穫時りん茎重を用いて、上式(2)より、収量を推定する。
【0045】
次いで、ステップS30では、収穫日特定部34が、収穫日を特定する。収穫日特定部34は、気温DB40の過去データや将来データを参照して、定植日からの積算気温がThv=1700℃になる日が2019年7月24であった場合には、その日を収穫適期(収穫日)と特定する。
【0046】
次いで、ステップS32では、出力部36が、利用者端末70に対して、ステップS28で推定された収量の情報やステップS30で特定された収穫日の情報を表示する画面を出力する。これにより、生産者等は、いつ、どのくらいの収量が得られるかを確認することができる。以上により、
図5の処理が終了する。
【0047】
一方、ステップS16の判断が否定された場合、すなわち、実測値の測定日が肥大開始後であった場合には、ステップS22に移行する。
【0048】
この場合、ステップS22に移行すると、肥大開始後関係式特定部26は、実測値から肥大開始後関係式を特定する。具体的には、肥大開始後関係式特定部26は、気温DB40の過去データに基づいて、測定日における定植日からの積算気温を算出する。そして、肥大開始後関係式特定部26は、算出した積算気温と実測値とを、肥大開始後関係式y=a2・x+b2に代入することで、
図9(a)に示すように、肥大開始後関係式を特定する(この場合、肥大開始前関係式は特定しない)。ここでは、肥大開始後関係式として、次式(5)が特定できたとする。
y=0.085×x-57.64 …(5)
【0049】
次いで、ステップS24では、収穫時球径特定部28が、肥大開始後関係式(上式(5))を用いて、収穫時球径を特定する。この場合、収穫時球径特定部28は、定植時からの積算気温が
図6のThvに到達するときを収穫時(収穫適期)とみなし、肥大開始後関係式(上式(5))にx=Thvを代入することで、収穫時におけるりん茎の球径を特定する。
図9(b)に示すように、Thv=1700℃の場合には、この値を上式(5)のxに代入することで、収穫時におけるりん茎の球径(y≒87mm)を得る。
【0050】
その後の、ステップS26、S28,S30,S32の処理については、上述したのと同様の処理となっている。
【0051】
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、入力受付部20が、タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と測定日(実測時期)の情報を取得し(S12)、肥大開始前関係式特定部24又は肥大開始後関係式特定部26が、測定日の定植時からの積算気温(実測値に対応する積算気温)を特定する(S18、S22)。そして、肥大開始後関係式特定部26は、実測値と実測値に対応する積算気温とを用いて、肥大開始後関係式を特定し(S18及びS20、又はS22)、収穫時球径特定部28は、肥大開始後関係式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温(Thv)になるときのりん茎の球径を特定する(S24)。このように、本第1の実施形態では、少なくとも1回の葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値を用いることで、簡易に、収穫時りん茎重を精度よく推定することができる。また、
図6に示すような定数を、様々な品種のタマネギを各種条件下で栽培したときに求め、定数テーブル42に格納しておくことで、様々な品種のタマネギを様々な条件下で栽培した場合でも、収穫時の球径や重量、収量や収穫日を簡易に算出することができる。
【0052】
また、本第1の実施形態では、収穫時りん茎重特定部30は、定植時からの積算気温が予め定めた値(Thv)になるときのりん茎の球径から、上式(1)に基づいて、収穫時のりん茎の重量を特定する。これにより、収穫時のりん茎の重量を精度よく特定することができる。
【0053】
また、本第1の実施形態では、肥大開始後関係式の傾きa2が、品種や栽培時期、土壌などに応じた定数とされている。このように、品種や栽培時期、土壌などの組み合わせごとに傾きを事前に用意しておくことで、肥大開始後に複数回実測しなくても肥大開始後関係式を特定することが可能となる。
【0054】
また、本第1の実施形態では、入力された実測値がりん茎の肥大開始前に得られた値であった場合には、肥大開始前関係式特定部24は、実測値から肥大開始前関係式を特定する(S18)。そして、肥大開始後関係式特定部26が、肥大開始前関係式から肥大開始時の積算気温を求め、求めた肥大開始時の積算気温を用いて肥大開始後関係式を特定する(S20)。これにより、りん茎が肥大する前の葉鞘基部径の実測値が入力された場合でも、肥大開始後関係式を特定することができる。
【0055】
また、本第1の実施形態では、肥大開始前関係式の傾きa1が、品種や栽培時期、土壌などに応じた定数とされている。このように、品種や栽培時期、土壌などの組み合わせごとに傾きa1を事前に用意しておくことで、肥大開始前に複数回実測しなくても肥大開始前関係式を特定することが可能となる。
【0056】
また、本第1の実施形態では、生産者等が入力する実測値は、りん茎の肥大開始前の実測値であっても肥大開始後の実測値であってもよい。このため、生産者等が葉鞘基部径又はりん茎の球径を実測するタイミングに自由度を持たせることができる。
【0057】
(変形例)
なお、上記第1の実施形態では、サーバ10は、タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と、実測値の測定日における定植時からの積算気温の情報と、に基づいて、収穫時のりん茎の球径を特定(推定)する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、サーバ10は、タマネギに関する生育指標(例えば、乾物重、新鮮重、草丈、葉面積など)の実測値と、実測値の測定日における定植時からの積算気温の情報と、に基づいて、収穫時の生育指標(例えば、乾物重、新鮮重、草丈、葉面積など)を特定することも可能である。
【0058】
以下、タマネギに関する生育指標が、乾物重である場合について説明する。
【0059】
本発明者らは、定植時からの積算気温の変化に対するタマネギの乾物重の変化を示す傾きは、りん茎の肥大開始前と後では大きく異なるものの、それぞれの傾きは、品種や定植場所が同じであれば、定植日が多少ずれてもほとんど変化しないことを見出した。すなわち、
図10(a)において、りん茎の肥大開始前の期間の直線の傾き(積算気温の変化に対する乾物重の変化の割合)α1は、品種や栽培時期、土壌などにより定まるが、切片β1は定植日によって異なることを意味する。したがって、式y=α1・x+β1の、xに乾物重の実測値、yに実測値の測定日における定植時からの積算気温を代入することでβ1を求めれば、肥大開始前関係式(y=α1・x+β1)を特定することができる。また、
図10(a)において、肥大開始後の期間の直線の傾き(積算気温の変化に対する乾物重の変化の割合)α2は、品種や栽培時期、土壌などにより定まるが、切片は定植日によって異なる。したがって、式y=α2・x+β2のx,yに値を代入することで、切片β2を求めれば、肥大開始後関係式(y=α2・x+β2)を特定することができる。なお、肥大開始後関係式のx,yに代入する値は、生産者等が肥大開始後の実測値を入力した場合には、測定日の定植日からの積算気温と乾物重の実測値であり、生産者等が肥大開始前の実測値を入力した場合には、肥大開始前関係式から得られる肥大開始時の積算気温とδb(肥大開始時の乾物重)の値である。
【0060】
例えば、取得した圃場の位置情報や、品種の情報、定植日の情報に対応する定数として、
図10(b)示すような定数α1,α2,δb,Thv(Thvは、予め定められた収穫時の積算気温)が定数テーブル42に格納されていたとする。そして、生産者等が入力した情報に基づいて、
図10(c)に示すような乾物重と定植時からの積算気温との関係式が得られたとする。この場合、肥大開始後関係式にx=Thv=1700を代入することで、収穫時における乾物重yをy=0.0342×1700-24.746≒33.4(g)と特定(推定)することができる。
【0061】
以上のように、本変形例では、少なくとも1回の乾物重の実測値を用いることで、簡易に、収穫時の乾物重を精度よく推定することができる。また、
図10(b)に示すような定数を、様々な品種のタマネギを各種条件下で栽培したときに求めておくことで、様々な品種のタマネギを様々な条件下で栽培した場合でも、収穫時の乾物重を簡易に推定することができる。
【0062】
なお、タマネギに関するその他の生育指標(新鮮重、草丈、葉面積など)についても、乾物重の場合と同様である。各生育指標の積算気温に対する変化は、
図10(a)と同様に変化するため、定数α1,α2,δb,Thvを定めておくことで、収穫時の生育指標を簡易に精度よく推定することができる。
【0063】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態においては、肥大開始前関係式(一次式)と肥大開始後関係式(一次式)の2つの式を用いて、収穫時のりん茎の球径を特定(推定)することとしたが、本第2の実施形態では、1つの指数関数式を用いて収穫時のりん茎の球径を特定する点が第1の実施形態と異なる。なお、本第2の実施形態のサーバ10は、
図11に示すように、
図3の実測値取得時期判定部22、肥大開始前関係式特定部24及び肥大開始後関係式特定部26に代えて、肥大関係式特定部25を有している点以外は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
本発明者らは、
図12(a)に示すように、タマネギの葉鞘基部径及びりん茎の球径の変化(y)を、横軸(x)を積算気温とする片対数グラフにプロットした。その結果、直線状に近似できること、すなわち、次式(6)のような指数関数式で表現できることを見出した。
y=b1・exp(c1・x) …(6)
【0065】
また、本発明者らは、それぞれの傾きは、品種や定植場所が同じであれば、定植日が多少ずれてもほとんど変化しないことを見出した。すなわち、
図12(b)において、c1は、品種や栽培時期、土壌などにより定まるが、切片b1は実測値によって異なることとなる。
【0066】
以下、本第2の実施形態においてサーバ10が実行する処理について、
図13のフローチャートに沿って説明する。なお、
図13の太実線で記載したステップS13、S25以外は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略又は簡略化するものとする。
【0067】
図13の処理においては、まずステップS10において、入力受付部20が、利用者端末70から入力があるまで待機する。利用者端末70から入力があり、ステップS12に移行すると、入力受付部20は、利用者端末70から入力された情報を取得し、取得した情報に対応する定数を取得する。例えば、入力受付部20は、
図12(c)の定数テーブル42を参照して、取得した圃場の位置情報や、品種の情報、定植日の情報に対応する定数c1、Thvを取得する。
図12(c)の定数c1は、上式(6)の傾きc1であり、Thvは、予め定められた収穫時の積算気温である。
【0068】
次いで、ステップS13では、肥大関係式特定部25が、上式(6)のxに測定日における定植時からの積算気温、yに実測値(葉鞘基部径又はりん茎の球径)を代入することで切片b1を求め、肥大関係式を特定する。
【0069】
例えば、ある測定日における実測値alyがa1y=31.76であり、気温DB40の過去データに基づいて算出される測定日における定植日からの積算気温alxが、aly=1049.7であったとする。この場合、肥大関係式特定部25は、上式(6)のyにaly、xにalxを代入し(1049.7=b1・exp(0.0016398251×31.76))、切片b1を求め(b1=5.68021)、肥大関係式として次式(6)’を特定する。
y=5.68021・exp(0.001639825x) …(6)’
【0070】
次いで、ステップS25では、収穫時球径特定部28が、肥大関係式(上式(6)’)を用いて収穫時のりん茎の球径を特定(推定)する。この場合、収穫時球径特定部28は、定植時からの積算気温が
図11(c)のThv=1700に到達するときを収穫時(収穫適期)とみなし、肥大関係式(上式(6)’)にx=Thv=1700を代入することで、収穫時におけるりん茎の球径(y≒92mm)を特定(推定)する。
【0071】
その後の処理(S26、S28,S30,S32)は、上記第1の実施形態と同様である。
【0072】
以上説明したように、本第2の実施形態によると、入力受付部20が、タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と測定日(実測時期)の情報を取得し(S12)、肥大関係式特定部25が、測定日の定植時からの積算気温(実測値に対応する積算気温)を特定し、実測値と実測値に対応する積算気温とを用いて、肥大関係式(指数関数式)を特定する(S13)。そして、収穫時球径特定部28は、肥大関係式を用いて、予め定められた収穫時の積算気温(Thv)になるときのりん茎の球径を特定する(S25)。このように、本第2の実施形態では、少なくとも1回の葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値を用いることで、簡易に、収穫時のりん茎重を精度よく推定することができる。また、
図12(c)に示すような定数を、様々な品種のタマネギを各種条件下で栽培したときに求め、定数テーブル42に格納しておくことで、様々な品種のタマネギを様々な条件下で栽培した場合でも、収穫時の球径や重量、収量や収穫日を簡易に算出することができる。
【0073】
なお、サーバ10が、上記第1の実施形態の処理と第2の実施形態の処理のいずれを実行するかは、生産者等が選択できるようにしてもよい。
【0074】
(変形例)
なお、上記第2の実施形態では、サーバ10は、タマネギの葉鞘基部径又はりん茎の球径の実測値と、測定日における定植時からの積算気温の情報と、に基づいて、収穫時のりん茎の球径を特定(推定)する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第1の実施形態の変形例と同様、収穫時におけるタマネギに関する生育指標(例えば、乾物重、新鮮重、草丈、葉面積など)を特定(推定)することも可能である。
【0075】
例えば、
図14に示すように、タマネギの乾物重の変化(y)は、横軸(x)を積算気温とする片対数グラフにプロットすると、直線状に近似することができる。
【0076】
したがって、収穫時の乾物重についても、上記第2の実施形態と同様に、乾物重の実測値と、実測値の測定日における定植時からの積算気温とに基づいて、肥大関係式を求め、求めた肥大関係式から収穫時(積算気温がThvのとき)の乾物重を特定(推定)することができる。これにより、収穫時の乾物重を簡易かつ精度よく推定することができる。
【0077】
なお、タマネギに関するその他の生育指標(新鮮重、草丈、葉面積など)についても、乾物重の場合と同様である。各生育指標の積算気温に対する変化は、
図14と同様に変化するため、定数c1、Thvを定めておくことで、収穫時の生育指標を簡易かつ精度よく推定することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、サーバ10が
図3の各部の機能を有する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者端末70が
図3の各部の機能を有していてもよい。この場合、利用者端末70は、ネットワーク80に接続されていなくてもよい。また、利用者端末70は、ネットワーク80を介してサーバ10に格納されている各種データを取得して、
図5の処理を実行するようにしてもよい。
【0079】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 サーバ
20 入力受付部
22 実測値取得時期判定部
24 肥大開始前関係式特定部
25 肥大関係式特定部
26 肥大開始後関係式特定部
28 収穫時球径特定部
30 収穫時りん茎重特定部
32 収量推定部
34 収穫日特定部
36 出力部
90 CPU(コンピュータ)
100 収穫情報予測システム