(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】トレンチ・ゲートを有する炭化ケイ素デバイス
(51)【国際特許分類】
H10D 30/66 20250101AFI20250617BHJP
H10D 12/00 20250101ALI20250617BHJP
H10D 84/80 20250101ALI20250617BHJP
【FI】
H10D30/66 102G
H10D30/66 101T
H10D12/00 101A
H10D30/66 201A
H10D30/66 101H
H10D30/66 101F
H10D30/66 103S
H10D30/66 101C
H10D84/80 203A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020135517
(22)【出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10 2019 121 859.4
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501209070
【氏名又は名称】インフィネオン テクノロジーズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】INFINEON TECHNOLOGIES AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レーンデルツ, カスパー
(72)【発明者】
【氏名】バスラー, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】エリンガウス, パウル
(72)【発明者】
【氏名】エルペルト, ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘル, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】コンラート, イェンス ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ニウ, シーチン
(72)【発明者】
【氏名】ペーテルス, デトハルト
(72)【発明者】
【氏名】シュラムル, コンラト
(72)【発明者】
【氏名】ジッペリウス, ベルント
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220667(JP,A)
【文献】特開2018-186270(JP,A)
【文献】特開2018-195782(JP,A)
【文献】特開2007-149736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10D 30/66
H10D 12/00
H10D 84/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面(101)から炭化ケイ素体(100)内に延在するストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体(150)であって、前記ゲート構造体(150)が、横方向の第1の方向(291)に沿ってゲート長(L0)を有し、前記ゲート構造体(150)の底面(158)と第1のゲート側壁(151)が、前記ゲート構造体(150)の第1の底縁部(156)を介して接続されているストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体(150)と、
第1の導電型の少なくとも1つのソース領域(110)と、
前記ゲート長(L0)の少なくとも20%にわたって前記ゲート構造体(150)の前記第1の底縁部(156)に接触している、第2の導電型の遮蔽領域(160)と
を備え、
前記ゲート構造体(150)の第2のゲート側壁(152)は前記ソース領域(110)とは接触しない、炭化ケイ素デバイス(500)。
【請求項2】
前記遮蔽領域(160)が、前記ゲート長(L0)の少なくとも30%にわたって前記第1の底縁部(156)に接触している、請求項1に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項3】
前記遮蔽領域(160)が、頂部遮蔽部分(168)及び深部遮蔽部分(169)を含み、前記頂部遮蔽部分(168)が、前記第1の表面(101)と前記深部遮蔽部分(169)との間に存在し、前記頂部遮蔽部分(168)が、前記ゲート構造体(150)の第2の底縁部(157)と接触している、請求項1又は2に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項4】
前記頂部遮蔽部分(168)と前記第1のゲート側壁(151)との間の第1の距離(d1)が、前記深部遮蔽部分(169)と前記第1のゲート側壁(151)との間の第2の距離(d2)よりも短い、請求項3に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項5】
前記頂部遮蔽部分(168)が分離区間(161)を含み、
前記分離区間(161)が、前記第1のゲート側壁(151)と接触しており、
各分離区間(161)が、前記第1の方向(291)に沿って形成されるソース領域(110)を横方向に分離する、請求項3又は4に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項6】
前記頂部遮蔽部分(168)が、前記ソース領域(110)間に配置された分離区間(161)を含み、
前記第1の表面(101)に沿って、前記分離区間(161)及び前記ソース領域(110)が、前記ゲート構造体(150)の前記第1のゲート側壁(151)の連続部分を覆う、請求項3~5のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項7】
前記炭化ケイ素デバイスが、第1のゲート構造体(150)及び隣接する第2のゲート構造体(150)を備え、
前記第1のゲート構造体(150)の前記頂部遮蔽部分(168)及び前記ソース領域(110)が、前記第1のゲート構造体(150)の前記第1のゲート側壁(151)と前記第2のゲート構造体(150)の前記第2のゲート側壁(152)との間に配置され、
前記第1の表面(101)において、前記第1のゲート側壁(151)と前記第2のゲート側壁(152)との間の区域が、前記頂部遮蔽部分(168)及び前記ソース領域(110)で満たされる、請求項3~6のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項8】
前記頂部遮蔽部分(168)が分離区間(161)を含み、
前記第1の方向(291)に沿って、前記分離区間(161)のうちの1つと、前記ソース領域(110)のうちの1つとの間の遷移を通る横方向のドーパント・プロファイルが、プラトー区間を含む、請求項3~7のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項9】
前記炭化ケイ素デバイスが、第1のゲート構造体(150)及び隣接する第2のゲート構造体(150)を備え、
前記深部遮蔽部分(169)が深部区間(163)を含み、
第2の方向(292)に沿って、前記深部区間(163)が、前記第1のゲート構造体(150)の前記第1のゲート側壁(151)から分離され、
前記深部区間(163)が、前記第2のゲート構造体(150)の第2のゲート側壁(152)と前記第2の方向(292)に重複する、請求項3~8のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項10】
前記深部区間(163)が、前記第1の方向(291)に平行な長手軸を有する連続ストライプを形成する、請求項9に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項11】
前記深部区間(163)が複数の深部サブ区間(164)を含み、
前記深部サブ区間(164)が、前記第1の方向(291)に沿って横方向に分離される、請求項9に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項12】
前記深部遮蔽部分(169)の水平断面が、格子開口部(167)を有する格子を備え、
各格子開口部(167)が、前記ソース領域(110)のうちの1つの少なくとも一部分を囲む、請求項3~8のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項13】
前記炭化ケイ素デバイスが、第1のゲート構造体(150)及び隣接する第2のゲート構造体(150)を備え、
前記遮蔽領域(160)が、前記ゲート長(L0)にわたって前記第1のゲート構造体(150)の前記第1の底縁部(156)と接触している、請求項1~8のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項14】
前記ソース領域(110)が、前記第2のゲート構造体(150)の前記ゲート長(L0)に沿って延在する、請求項13に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項15】
前記炭化ケイ素体(100)が、前記第2の導電型のボディ領域(120)及び前記第1の導電型の電流拡散領域(137)を含み、前記ボディ領域(120)が、前記ソース領域(110)と前記電流拡散領域(137)を分離する、請求項1~14のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項16】
前記炭化ケイ素体(100)が、前記ゲート構造体(150)と前記炭化ケイ素体(100)の第2の表面(102)との間にドリフト構造体(130)を備え、前記遮蔽領域(160)と前記ドリフト構造体(130)がpn接合部を形成する、請求項1~15のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項17】
第1の表面(101)から炭化ケイ素体(100)内に延在するストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体(150)であって、前記ゲート構造体(150)が、横方向の第1の方向(291)に沿ったゲート長(L0)、底面(158)、第1のゲート側壁(151)、前記第1のゲート側壁(151)の反対側の第2のゲート側壁(152)、前記第1のゲート側壁(151)と前記底面(158)とを接続する第1の底縁部(156)、及び前記第2のゲート側壁(152)と前記底面(158)とを接続する第2の底縁部(157)を有するストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体(150)と、
前記第1の方向(291)に沿って形成された、前記第1のゲート側壁(151)と接触している第1の導電型のソース領域(110)と、
第2の導電型の頂部遮蔽部分(168)と
を備えた炭化ケイ素デバイスであって、
前記頂部遮蔽部分(168)が、前記第1の方向(291)に沿って前記ソース領域(110)を分離する分離区画(161)を備え、前記分離区画(161)が、前記第1のゲート側壁(151)と接触しており、
前記炭化ケイ素デバイスが、第1のゲート構造体(150)及び隣接する第2のゲート構造体(150)を備え、
前記第1のゲート構造体(150)の前記頂部遮蔽部分(168)及び前記ソース領域(110)が、前記第1のゲート構造体(150)の前記第1のゲート側壁(151)と前記第2のゲート構造体(150)の前記第2のゲート側壁(152)との間に配置され、
前記第1の表面(101)において、前記第1のゲート側壁(151)と前記第2のゲート側壁(152)との間の区域が、前記頂部遮蔽部分(168)及び前記ソース領域(110)で満たされる、炭化ケイ素デバイス(500)。
【請求項18】
前記頂部遮蔽部分(168)の垂直延在部(v2)が、垂直ゲート延在部(v0)より大きい、請求項17に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項19】
前記第2の導電型の深部遮蔽部分(169)をさらに備え、前記頂部遮蔽部分(168)が前記第1の表面(101)と前記深部遮蔽部分(169)との間にある、請求項17又は18に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項20】
前記頂部遮蔽部分(168)と前記深部遮蔽部分(169)とが、互いに直接接続されている、請求項19に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項21】
前記深部遮蔽部分(16
9)が、前記第1のゲート側壁(151)に対して横方向距離(d2)に配置される、請求項19又は20に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項22】
前記深部遮蔽部分(16
9)が、前記ソース領域(110)のうちの少なくとも1つと横方向に重複する、請求項19から21のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【請求項23】
前記深部遮蔽部分(16
9)が、前記ソース領域(110)のうちの少なくとも1つに対して横方向距離に配置される、請求項19から21のいずれか一項に記載の炭化ケイ素デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭化ケイ素デバイスに関し、詳細にはトランジスタ・セルを用いた炭化ケイ素スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、DC/ACコンバータ、AC/ACコンバータ、又はAC/DCコンバータでは、また、たとえばモータ・ドライバ回路など、誘導負荷を駆動する電気回路では、電気エネルギーを変換するための電気回路が、スイッチとしてのパワー半導体デバイスを備えてもよい。重い誘導負荷を切り替えるには、LC発振をトリガしてもよい。一方では、炭化ケイ素(SiC)の絶縁破壊電界強度が、ケイ素と比較して高い。SiCデバイスは、同じ公称阻止電圧能力において、同等のケイ素デバイスより著しく薄くてもよく、その結果、SiCデバイスのオン抵抗は著しく低くなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
炭化ケイ素デバイスにおいて実現可能な用途の範囲を広げる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態は、炭化ケイ素デバイスに関する。この炭化ケイ素デバイスは、第1の表面から炭化ケイ素体内に延在するストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体を備える。ゲート構造体は、横方向の第1の方向に沿ってゲート長を有する。ゲート構造体の底面及び第1のゲート側壁は、ゲート構造体の第1の底縁部を介して接続される。炭化ケイ素デバイスはさらに、第1の導電型の少なくとも1つのソース領域を含む。第2の導電型の遮蔽領域は、ゲート長の少なくとも20%にわたって、ゲート構造体の第1の底縁部と接触している。
【0005】
添付図面は、各実施形態をさらに理解できるように添付されており、本明細書に組み込まれ、また、その一部分をなす。各図面は、炭化ケイ素デバイスの実施形態を示しており、この説明とともに各実施形態の原理を説明するのに役立つものである。以下の詳細な説明及び特許請求の範囲に、さらなる実施形態が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】各実施形態による、ソース領域及び遮蔽領域を有する炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図1B】各実施形態による、ソース領域及び遮蔽領域を有する炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図1C】各実施形態による、ソース領域及び遮蔽領域を有する炭化ケイ素デバイスの一部分の概略垂直断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図1D】各実施形態による、ソース領域及び遮蔽領域を有する炭化ケイ素デバイスの一部分の概略垂直断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図2A】行列状に配置された深部サブ区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図2B】行列状に配置された深部サブ区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図2C】行列状に配置された深部サブ区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図2D】行列状に配置された深部サブ区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図3A】ストライプ形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図3B】ストライプ形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図3C】ストライプ形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図3D】ストライプ形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図4A】格子形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図4B】格子形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図4C】格子形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図4D】格子形状の深部区間を含む遮蔽領域を有する、一実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略平面断面図及び概略垂直断面図を示す。
【
図5A】横方向に分離された深部サブ区間を含む遮蔽領域を有する、別の実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略斜視図を示す。
【
図5B】横方向に分離された深部サブ区間を含む遮蔽領域を有する、別の実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略斜視図を示す。
【
図6A】さらなる実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略水平断面図を示す。
【
図6B】さらなる実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略水平断面図を示す。
【
図6C】さらなる実施形態による炭化ケイ素デバイスの一部分の概略水平断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、炭化ケイ素デバイスを実施することのできる具体的な実施形態を例として示す添付図面について述べる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、また、構造的又は論理的な変更を加えてもよいことを理解されたい。たとえば、一実施形態向けに図示され、又は説明されている特徴を、他の実施形態に使用し、又は他の実施形態とともに使用して、さらなる実施形態を生み出すことができる。本開示は、このような修正形態及び変形形態を含むものである。各例は、具体的な文言を使用して説明してあり、添付特許請求の範囲に記載の範囲を限定するものと解釈すべきではない。各図面の縮尺は正確ではなく、例示的な目的のためだけにある。別段の記載がなければ、対応する各要素は、様々な図面において同じ参照符号によって示してある。
【0008】
「having」、「containing」、「including」、「comprising」などの用語は排他的ではなく、所定の構造体、要素、又は特徴の存在を示すが、追加の要素又は特徴の存在を排除するものではない。冠詞「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他の意味を示すのでない限り、単数のみならず複数をも含むものである。
【0009】
「電気的に接続された」という用語は、電気的に接続された要素間の永続的な低抵抗接続、たとえば、当該要素間の直接接触、又は金属及び/若しくは高濃度ドープの半導体材料を介した低抵抗接続を表す。「電気的に結合された」という用語は、信号及び/又は電力の伝送用に適合した1つ又は複数の介在要素が、電気的に結合された要素間、たとえば、第1の状態での低抵抗接続と、第2の状態での高抵抗電気デカップリングとを一時的に実現するように制御可能である要素間に、接続されてもよいことを含む。オーム接点は、線形又はほぼ線形の電流/電圧特性を有する非整流電気接合部である。
【0010】
各図には、ドーピング・タイプ「n」又は「p」の次に「-」又は「+」を示すことによって、相対的なドーピング濃度が示してある。たとえば、「n-」は「n」ドーピング領域のドーピング濃度よりもドーピング濃度が低いことを意味し、「n+」ドーピング領域は、「n」ドーピング領域よりもドーピング濃度が高い。相対ドーピング濃度が同じドーピング領域は、必ずしも絶対ドーピング濃度が同じわけではない。たとえば、2つの異なる「n」ドーピング領域は、絶対ドーピング濃度が同じでもよく、又は異なっていてもよい。
【0011】
導電型が同じでドーパント濃度が異なる、隣接した2つのドーピング領域は、2つのドーピング領域の間の境界面に沿って、単極接合部、たとえばn/n+又はp/p+の接合部を形成する。単極接合部において、この単極接合部に直交するドーパント濃度プロファイルは、ドーパント濃度プロファイルが凹状から凸状に、又はその逆に変化するステップ又は転換点を示す場合がある。
【0012】
物理的寸法に与えられる範囲は境界値を含む。たとえば、a~bのパラメータyの範囲は、a≦y≦bであると解釈する。「多くて」及び「少なくとも」のように境界値が1つの範囲にも、同じことが言える。
【0013】
化合物又は合金からの層又は構造体の主成分は、その原子が化合物又は合金を形成するような元素である。たとえば、ニッケル及びケイ素は、ニッケルシリサイド層の主成分であり、銅及びアルミニウムは、銅アルミニウム合金の主成分である。
【0014】
「上(above)」という用語は、「直接上」を意味するものと解釈すべきではない。むしろ、ある1つの要素が別の要素の「上(above)」に配置される(たとえば、層が別の層の「上(above)」又は基板の「上(above)」にある)場合、さらなる構成要素(たとえば、さらなる層)が、2つの要素間に配置されてもよい(たとえば、層が基板の「上(above)」にある場合、この層と前記基板との間に別の層を配置してもよい)。
【0015】
炭化ケイ素体に形成される構造体及びドープ領域に関しては、第2の領域と、炭化ケイ素体の表側にある第1の表面との間の最小距離が、第1の領域と第1の表面との間の最大距離よりも長い場合、第2の領域は第1の領域の「下方」にある。第1の領域及び第2の領域の、第1の表面への垂直投影が重複するとき、第2の領域は第1の領域の「真下」にある。この垂直投影は、第1の表面に直交する投影である。
【0016】
各領域及び/又は各構造体は、同じ水平層内で互いに横方向に分離されていてもよい。横方向に分離された領域及び/又は構造体はまた、垂直方向に分離されてもよい(すなわち、互いに異なる水平層に配置されてもよい)。後者の場合、分離されたこの領域及び/又は構造体の水平投影面への直交投影が、横方向に分離される。各領域及び/又は各構造体の水平投影面への直交投影が横方向に重複する場合、当該の領域及び/又は構造体が横方向に重複する。
【0017】
「パワー半導体デバイス」という用語は、少なくとも30V、たとえば100V、600V、3.3kV以上の高電圧阻止能力を有し、且つ、少なくとも1A、たとえば10A以上の、公称オン電流又は順方向電流を有する半導体デバイスを指す。
【0018】
一実施形態によれば、炭化ケイ素デバイスは、第1の表面から炭化ケイ素体内に延在するストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体を備えてもよい。
【0019】
炭化ケイ素体は、形状及びサイズが同じの実質的に平行な2つの主表面と、2つの主表面の各縁部を接続する外側面区域とを有してもよい。たとえば、炭化ケイ素体は、丸みを帯びた縁部を有する又は有さない、多角形(たとえば、長方形若しくは六角形)のプリズムでもよく、又は円柱でもよい。炭化ケイ素体は、2つの水平方向に沿って表面延在部を有してもよく、水平方向に垂直な垂直方向に沿って厚さを有してもよい。この水平方向は、以下では横方向とも呼ばれる。
【0020】
炭化ケイ素体の材料は、たとえば、15R-SiC(15R-ポリタイプの炭化ケイ素)でもよく、又は、一例として2H-SiC、4H-SiC、6H-SiCのような六角ポリタイプの炭化ケイ素でもよい。炭化ケイ素体は、主成分のケイ素及び炭素に加えて、ドーパント原子、たとえば、窒素(N)、リン(P)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、及び/又はガリウム(Ga)を含んでもよい。さらに、炭化ケイ素体は、たとえば、水素、フッ素、及び/又は酸素など不要な不純物を含むことがある。
【0021】
ストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体は、炭化ケイ素体の表側での第1の表面から炭化ケイ素体内まで延在してもよい。ゲート構造体は、横方向の第1の方向に沿ったゲート長と、この第1の方向と直交する横方向の第2の方向に沿ったゲート幅とを有する。このゲート構造体は、導電性のゲート電極を備えてもよい。ゲート構造体は、このゲート電極と炭化ケイ素体との間に形成されたゲート誘電体をさらに備えてもよい。相対する2つの第1のゲート側壁と第2のゲート側壁は、垂直でもよく、又は垂直方向に対してわずかに傾斜していてもよい。第1のゲート側壁と第2のゲート側壁は、先細でもよく、又は平行でもよい。
【0022】
一般に、少なくとも第1のゲート側壁は、電荷担体移動度が高い炭化ケイ素体の結晶面(たとえば、{11-20}又は{1-100}の結晶面のうちの1つ)に沿って実質的に延在してもよい。第1のゲート側壁は、能動状態の側壁でもよく、すなわち、トランジスタ・チャネルが第1のゲート側壁に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、(たとえば、垂直のトレンチ・ゲート構造体のように、平行な第1のゲート側壁と第2のゲート側壁の場合)、この第2のゲート側壁も、能動状態の側壁でもよい。他の実施形態では(たとえば、先細のトレンチ・ゲート構造体の場合では)、この第2のゲート側壁は、非能動状態の側壁でもよい。炭化ケイ素体の表側から見ると、第1のゲート側壁がゲート構造体の第1の側部に存在し、第2のゲート側壁がゲート構造体の反対側の第2の側部に存在する。
【0023】
ゲート構造体の下端での底面は、第1の底縁部と第2の底縁部を介して、第1のゲート側壁と第2のゲート側壁を接続する。この底面は、水平部分を含んでもよい。第1のゲート側壁は、直線区間を含んでもよい。第1の底縁部は、底面の水平部分と、第1のゲート側壁の直線区間とを接続してもよい。したがって、第2の底縁部は、底面の水平部分と、第2のゲート側壁の直線区間とを接続してもよい。底面と第1のゲート側壁との間の第1の底縁部は鋭角でもよく、又は丸みを帯びていても、且つ/又は(たとえば鈍角で)面取りされていてもよい。底面と第2のゲート側壁との間の第2の底縁部は鋭角でもよく、又は丸みを帯びていても、且つ/又は(たとえば鈍角で)面取りされていてもよい。
【0024】
炭化ケイ素デバイスはさらに、少なくとも1つのソース領域を含んでもよい。この少なくとも1つのソース領域は、第1の導電型のドープ領域でもよい。ソース領域は、ゲート構造体の第1のゲート側壁と接触していてもよく、又は、さらなるゲート構造体の第1のゲート側壁と接触していてもよい。すなわち、ゲート構造体の第1のゲート側壁に沿って、ソース領域が形成されなくてもよく、単一のソース領域又は複数のソース領域が形成されてもよい。ゲート構造体の第1のゲート側壁に沿ってソース領域が形成されない場合、さらなるゲート構造体に沿って、少なくとも1つのソース領域が形成されてもよい。同じゲート構造体に沿って形成されるソース領域は、第1の方向に沿って互いに分離されてもよい。第1の方向に沿った各ソース領域の長さは、少なくとも500nm、たとえば、少なくとも1μmでもよい。
【0025】
炭化ケイ素デバイスはさらに、遮蔽領域を含んでもよい。この遮蔽領域は、第2の導電型のドープ領域でもよい。第1の導電型と第2の導電型は、相補的な導電型である。第1の導電型はn型でもよく、第2の導電型はp型でもよい。或いは、第1の導電型はp型でもよく、第2の導電型はn型でもよい。
【0026】
この遮蔽領域は、ゲート構造体のゲート長の少なくとも20%にわたって、第1の底縁部と接触している。たとえば、遮蔽領域は、ゲート構造体の全長に沿って延在してもよい。遮蔽領域は、第1のゲート側壁に沿って少なくとも部分的に延在してもよい。他の例によれば、遮蔽領域は、第1のゲート側壁の少なくとも20%にわたって延在する。第1の底縁部に沿って、遮蔽領域は、少なくともソース領域の下の垂直方向の区間では存在していなくてもよい。遮蔽領域が第1の底縁部と接触している場合、この遮蔽領域は、第1のゲート側壁に沿って、第1の表面から第1の底縁部まで垂直に延在してもよい。
【0027】
別の例によれば、遮蔽領域は、隣接する各ソース領域間の距離の少なくとも30%にわたって延在してもよい。
【0028】
遮蔽領域はさらに、第2のゲート側壁、第2の底縁部、及び/又はゲート構造体の底面と接触していてもよい。遮蔽領域は、ゲート構造体のゲート全長にわたって、第2のゲート側壁及び第2の底縁部と接触していてもよい。遮蔽領域は、ゲート構造体のゲート全長にわたって第2の底縁部に沿って、底面の完全遮蔽区間と接触していてもよい。遮蔽領域は、隣接する各ソース領域間の各区間での第1の底縁部に沿って、底面の部分遮蔽区間に接触していてもよい。
【0029】
遮蔽領域が第1の底縁部のかなりの区間と接触している状態では、ゲート構造体のかなりの部分が、遮蔽領域内に完全に埋め込まれていてもよい。遮蔽領域は、裏側電位、たとえばドレイン電位に印加される電位に対してゲート構造体を遮蔽してもよいので、第1のゲート側壁に沿った遮蔽領域の増加部分が、ゲート・ドレイン間容量CGDを低減してもよい。遮蔽領域は、表側の電位、たとえばソース電位に電気的に接続されてもよい。この場合、ソース領域に対して遮蔽部分の一部分が増加すると、ゲート・ソース間容量CGSが増加することがある。CGSが増加し、CGDが低減すると、ターンオフ発振傾向が著しく弱まる。
【0030】
第1の表面に沿って遮蔽領域の部分が増大すると、この遮蔽領域と第1の表面上に形成された表側の電極との間の接触域がさらに大きくなることがある。接触域が大きくなると、表側の電極と遮蔽領域との間のオーム接触抵抗値が低減することがある。さらに、第1の表面に沿って遮蔽領域の区域部分が大きくなると、この遮蔽領域と表側の電極との間に信頼性の高い低抵抗値のオーム接点を形成することがさらに簡単になる場合がある。その結果、遮蔽領域がドリフト構造体で形成されるボディ・ダイオードのサージ電流の堅牢性が大幅に改善される場合がある。接触域が大きくなり、表側の電極と遮蔽部分との間の接点のオーム抵抗値が低下すると、また、ターンオン中の電流オーバーシュートの低減、ボディ・ダイオードの損失の低減、及び/又はターンオフ時の発振傾向の低減に寄与することがある。
【0031】
第1のゲート側壁に沿って遮蔽領域を形成して、ソース領域の区域部分を減少させ、その結果、トランジスタ・チャネル全体の幅を減少させてもよい。第1の方向に沿って各ソース領域の間に形成される、遮蔽領域のこうした部分からのトランジスタ・チャネルの改善された遮蔽とともに、トランジスタ・チャネル幅が減少すると、トランジスタの飽和電流の減少に寄与し、したがって短絡頑強性を改善することができる。さらに、底面の完全遮蔽部分を拡大し、底面の非完全遮蔽部分を4つの側部すべてから効果的に遮蔽することができる。こうした効果は両方とも、ゲート誘電体の信頼性の向上にさらに寄与することができる。
【0032】
高電圧デバイス、たとえば、電圧阻止能力が少なくとも600V、たとえば少なくとも3kVのデバイスでは、電圧維持層の抵抗値が、オン状態での損失で支配的なので、場合によってはわずかに増加するトランジスタ・チャネルのオン抵抗を、無視できる可能性がある。一方では、第1のゲート側壁のかなりの部分に沿って遮蔽領域を形成すると、切替え動作が大幅に滑らかになり、ボディ・ダイオードの特性が改善し、且つ/又は短絡の耐久性が向上することがある。特に、電圧阻止能力が少なくとも600V、たとえば少なくとも3kVの高電圧デバイスは、第1のゲート側壁のかなりの部分にわたって延在する遮蔽領域の恩恵を受けることができる。
【0033】
一実施形態によれば、遮蔽領域は、ゲート長の少なくとも30%、たとえば少なくとも50%にわたって、第1の底縁部と接触していてもよい。遮蔽領域の相対的に大きい部分が、CGDをさらに減少させ、CGSをさらに増加させ、且つ/又はデバイスの信頼性をさらに改善することができる。
【0034】
一実施形態によれば、遮蔽領域は、頂部遮蔽部分と深部遮蔽部分を備えてもよい。頂部遮蔽部分は、第1の表面と深部遮蔽部分との間に配置される。頂部遮蔽部分は、第1の表面に隣接してもよい(たとえば、直接に隣接してもよい)。頂部遮蔽部分の垂直延在部は、ゲート構造体の垂直延在部よりも大きくてよい。頂部遮蔽部分は、たとえば、少なくともところどころで第1の底縁部と接触していてもよい。
【0035】
頂部遮蔽部分は、ゲート構造体の全長に沿って、このゲート構造体の第2の底縁部と接触していてもよい。深部遮蔽部分は、ゲート構造体の底縁部と、炭化ケイ素体の裏側での第2の表面との間での、炭化ケイ素体の層内に形成されてもよい。
【0036】
深部遮蔽部分の水平断面区域は、頂部遮蔽部分の水平断面と同じ又は実質的に同じでもよく、同じ注入マスクを使用して、深部遮蔽部分及び頂部遮蔽部分を形成してもよい。或いは、水平断面区域又は頂部遮蔽部分及び深部遮蔽部分はかなり異なっていてもよい。後者の場合、互いに異なる注入マスクが、深部遮蔽部分と頂部遮蔽部分を画定してもよい。
【0037】
頂部遮蔽部分と深部遮蔽部分は、垂直方向に沿って互いに直接接続されていてもよい。深部遮蔽部分を画定する注入部の1つ又は複数の範囲端ピークが、頂部遮蔽部分内に配置されてもよいという意味では、頂部遮蔽部分と深部遮蔽部分が互いに重複していてもよい。深部遮蔽部分は、垂直方向に沿って連続していてもよい。
【0038】
深部遮蔽部分は、トランジスタ・チャネルへの遮蔽効果、及び遮蔽領域に直接埋め込まれていない、ゲート誘電体のこうした部分への遮蔽効果を改善することができる。トランジスタ・チャネルの遮蔽が改善されると、DIBL(ドレイン誘起障壁低下)が低減される場合がある。
【0039】
このように横方向の遮蔽効果が改善されると、遮蔽領域の比較的低い垂直延在部、たとえば深部遮蔽部分においても十分な遮蔽が容易になる場合がある。たとえば、横方向の遮蔽が改善されると、注入エネルギーが1.3MeVよりも高い注入部を省くことにより、深部遮蔽部分の垂直延在部の減少を少なくとも部分的に補償することができる。たとえば、ゲート底面と深部遮蔽部分の下縁部との間の垂直距離を、少なくとも50nm、たとえば少なくとも300nmにまで短くしてもよい。
【0040】
一実施形態によれば、頂部遮蔽部分と第1のゲート側壁との間の第1の距離は、深部遮蔽部分と第1のゲート側壁との間の第2の距離より短くてもよい。たとえば、頂部遮蔽部分の表面区間が、ソース領域に直接隣接してもよい。深部遮蔽部分は、少なくとも1つの横方向に沿って各ソース領域に対して横方向距離を有してもよく、且つ/又は少なくとも1つの横方向に沿ってソース領域と横方向に重複していてもよい。
【0041】
一実施形態によれば、頂部遮蔽部分は、分離区間を含んでもよい。この分離区間は、第1のゲート側壁と接触していてもよい。分離区間は、第1の表面から第1の底縁部まで下方へ延在してもよい。分離区間は、第1の方向に沿って形成されたソース領域を、ゲート構造体に沿って横方向に分離してもよい。この場合、頂部遮蔽部分は、横方向の4つの側部すべてから各トランジスタ・チャネルを遮蔽することができる。
【0042】
一実施形態によれば、頂部遮蔽部分は、分離区間を含んでもよい。各分離区間は、各ソース領域間に配置してもよい。たとえば、この分離区間は、第1のゲート側壁と接触していてもよい。第1の表面に沿って、各分離区間及び各ソース領域は、第1の方向に沿ったゲート構造体の第1のゲート側壁の連続部分を覆ってもよい。各分離区間及び各ソース領域は、第1の表面に沿って第1のゲート側壁を完全に覆ってもよい。
【0043】
各分離区間及び各ソース領域は、第2の方向に沿って幅が同じでもよい。第1の表面に沿って、頂部遮蔽部分の各分離区間及び各ソース領域は、互いに第1の連続区域へ隙間なく補完してもよい。第1のゲート側壁に沿って、又は第1のゲート側壁の近傍にさらなるドープ領域がないと、比較的簡略なフォトマスクを使用することにより、頂部遮蔽部分及びソース領域の形成を容易にすることができる。
【0044】
一実施形態によれば、炭化ケイ素デバイスは、第1のゲート構造体及び隣接する第2のゲート構造体を備えてもよい。第1のゲート構造体及び第2のゲート構造体のそれぞれは、前述のゲート構造体として実施されてもよい。第1のゲート構造体又は第2のゲート構造体は、さらに前述のゲート構造体に対応してもよい。
【0045】
第1のゲート構造体に割り当てられた頂部遮蔽部分及びソース領域は、第1のゲート構造体の第1のゲート側壁と第2のゲート構造体の第2のゲート側壁との間に配置されてもよい。
【0046】
特に、ソース領域の導電型を有し、オーム経路を介して電圧維持層と電気的に接続されている、さらなるドープ領域が、第1のゲート構造体と第2のゲート構造体との間の区域での第1の表面に隣接していないことが可能である。
【0047】
第1の表面において、第1のゲート側壁と第2のゲート側壁との間の区域は、頂部遮蔽部分及びソース領域で満たされてもよい。具体的には、第1のゲート構造体と第2のゲート構造体との間の区域は、遮蔽部分及びソース領域の露出面で完全に満たされてもよい。
【0048】
すなわち、第1のゲート構造体の第1のゲート側壁と第2のゲート構造体の第2のゲート側壁との間で、頂部遮蔽部分とソース領域とが、第1の表面に沿って第2の連続区域へ互いに補完してもよい。第2の連続区域は、第1の連続区域と、第1の表面での頂部遮蔽部分の上面のさらなるストライプ形状部分とを含む。隣接する各ゲート構造体間にさらなるドープ領域が存在しないと、頂部遮蔽部分及びソース領域の形成をさらに容易にすることができる。
【0049】
一実施形態によれば、第1の方向に沿って、分離区間のうちの1つと、ソース領域のうちの1つとの間の遷移を通る横方向のドーパント・プロファイルが、プラトー区間を含んでもよい。このプラトー区間は、第1の方向に沿って、ソース領域注入用の注入マスクでの開口部を、頂部遮蔽部分注入用の注入マスクのマスク列の長さよりも狭くできることを表していてもよい。プラトー区間の長さは、頂部遮蔽部分注入用のマスク列の延在部と、ソース領域注入用のマスク開口部の第1の方向に沿った延在部との差に対応する。各プラトー区間の長さは、少なくとも50nm、200nm、又はさらに500nmでもよい。たとえば、プラトー区間では、50nm、又は200nm、又はさらに500nmの距離にわたって、ドーパント濃度が1桁以下で変化することがある。プラトー区間では、導電型は、分離区間の導電型でもよく、又はソース領域の導電型でもよく、又は固有のものでもよい。プラトー区間は、ソース領域及び/又は分離区間を形成するための注入マスクの位置合せを簡略化してもよい。
【0050】
一実施形態によれば、炭化ケイ素デバイスは、第1のゲート構造体及び隣接する第2のゲート構造体を備えてもよい。第1のゲート構造体及び第2のゲート構造体は、前述のゲート構造体として実施されてもよい。第1のゲート構造体又は第2のゲート構造体は、さらに前述のゲート構造体に対応してもよい。
【0051】
深部遮蔽部分は、深部区間を含んでもよい。第2の方向に沿って、深部区間は、第1のゲート構造体の第1のゲート側壁から横方向に分離されてもよい。さらに、各深部区間は、第2のゲート構造体の第2のゲート側壁と横方向に重複してもよい。
【0052】
たとえば、炭化ケイ素デバイスは、複数のゲート構造体を備えてもよい。深部遮蔽部分は、少なくとも第2の方向に沿って互いから分離した、複数の深部区間を含んでもよい。第2の方向に沿って、各深部区間は、隣接する2つのゲート構造体のうちの第1の構造体の第1のゲート側壁から横方向に分離されてもよく、また、隣接する2つのゲート構造体のうちの第2の構造体の第2のゲート側壁と横方向に重複してもよい。
【0053】
一実施形態によれば、深部区間は、第1の方向に平行な長手軸を有する連続ストライプを形成してもよい。この深部区間は、ゲート長の少なくとも90%にわたって、又はゲート全長にわたって延在してもよい。
【0054】
たとえば、炭化ケイ素デバイスは、複数のゲート構造体、及び複数の深部区間を含んでもよい。この深部区間は、第2の方向に沿って横方向に分離されてもよい。深部区間は、第1の方向に平行な長手軸を有する連続ストライプを形成してもよい。たとえば、各深部区間は、ゲート長の少なくとも90%にわたって、又はゲート全長にわたって延在してもよい。ストライプ形状の深部区間では、第1の方向に沿ったフォトマスクの微調整なしに、深部区間の形成がうまくいく可能性もある。ストライプ形状の各深部区間は、このストライプ形状の深部区間の長手方向の逆側に形成される遮蔽トランジスタ・チャネルに寄与してもよい。
【0055】
別の例によれば、深部区間は、複数の深部サブ区間を含んでもよい。この深部サブ区間は、第1の方向に沿って横方向に分離されてもよい。深部サブ区間は、行と列で行列状に配置されてもよく、各行は各列と直交するように延在してもよい。この深部サブ区間のうち2つが、第2の方向に沿って各ソース領域の両側に形成される。このようにして、各トランジスタ・チャネルは、横方向の両側に形成された少なくとも2つの深部サブ区間によって遮蔽されてもよい。
【0056】
隣接するゲート構造体に割り当てられる各ソース領域が、互いに、たとえば隣接するソース領域間の中心間距離の半分の距離だけずれている場合、各トランジスタ・チャネルは、対向する4つの側部に形成される4つの深部サブ区間によって遮蔽されてもよい。遮蔽領域の遮蔽効果がほんのわずかであるか、又は無視できる領域には、深部サブ区間が存在しないことがある。行列状に配置された深部区間では、オン電流の横方向への高い拡散を維持することが可能になる場合がある。行列状に配置された深部サブ区間は、炭化ケイ素デバイスの他の電気特性、たとえばオン抵抗に対する、深部サブ区間の考え得る悪影響を小さく維持することができる。
【0057】
別の実施形態によれば、深部遮蔽部分の水平断面は、格子開口部を有する格子を備えてもよい。各格子開口部は、1つのソース領域の少なくとも一部分を横方向から囲んでもよい。たとえば、各格子開口部は、1つの完全なソース領域を横方向から囲んでもよい。別の例によれば、各格子開口部は、チャネル側壁区間を囲んでもよい。たとえば、深部遮蔽部分の水平断面は、複数のゲート・トレンチの下方の頂部遮蔽部分の水平断面と多かれ少なかれ同一でもよく、同じ注入マスクを使用して形成されてもよい。格子形状の深部遮蔽部分は、高い遮蔽効果を容易にすることができる。
【0058】
別の実施形態によれば、炭化ケイ素デバイスは、第1のゲート構造体及び隣接する第2のゲート構造体を備えてもよい。第1のゲート構造体及び第2のゲート構造体は、前述のゲート構造体として実施されてもよい。第1のゲート構造体又は第2のゲート構造体は、さらに前述のゲート構造体に対応してもよい。
【0059】
遮蔽領域は、第1のゲート構造体のゲート長にわたって、第1の底縁部と接触していてもよい。第1の方向に沿った遮蔽領域の位置合せが不要となる可能性がある。したがって、製造プロセスが非常に有効になり得る。
【0060】
一実施形態によれば、ソース領域は、第2のゲート構造体のゲート長に沿って延在してもよい。第1の方向に沿ったソース領域の位置合せが不要となる可能性がある。したがって、製造プロセスが非常に有効になり得る。
【0061】
別の実施形態によれば、炭化ケイ素デバイスは、第2の導電型のボディ領域及び第1の導電型の電流拡散領域を含んでもよい。ボディ領域及び電流拡散領域は、炭化ケイ素体において形成されてもよい。ボディ領域は、ソース領域と電流拡散領域を分離してもよい。
【0062】
炭化ケイ素デバイスのオン状態では、トランジスタ・チャネルが、ボディ領域において形成されてもよい。このトランジスタ・チャネルは、ゲート構造体に沿って形成された反転層でもよい。この反転層は、オン状態でのソース領域と電流拡散領域との間の単極電荷担体の流れを促進する。
【0063】
別の実施形態によれば、炭化ケイ素デバイスは、ゲート構造体と炭化ケイ素体の第2の表面との間にドリフト構造体を備えてもよい。このドリフト構造体は、電圧維持構造体を備えてもよい。この電圧維持構造体は、少なくとも4μm、12μm、20μm、又はさらに少なくとも100μmの垂直延在部を有する、低濃度ドープのドリフト領域を含んでもよい。最小の垂直延在部は、炭化ケイ素デバイスの所望の阻止能力に依存する場合がある。たとえば、650V(又は1.2kV、若しくは1.7V、若しくは3.3kV、若しくは6.5kV)の所望の阻止能力において、ドリフト領域の垂直延在部は、少なくとも4μm(又はそれぞれ、少なくとも8μm、若しくは少なくとも12μm、若しくは少なくとも20μm、若しくは少なくとも40μm)でもよい。或いは、又はさらに、電圧維持構造体は、補償構造体、たとえばスーパージャンクション構造体を備えてもよい。
【0064】
遮蔽領域及びドリフト構造体は、pn接合を形成することができる。pn接合は、ボディ・ダイオードとして、又はボディ・ダイオードの一部分として有効となる場合があり、これは、炭化ケイ素デバイスが逆バイアスされているときに順方向導通モードになる。第1の表面に沿った遮蔽領域での大きな接触域により、この遮蔽領域と表側電極との間の低オーム接触を容易にし、ボディ・ダイオードの電気的特性を改善することができる。
【0065】
図1A~1Dには、炭化ケイ素体100を有する炭化ケイ素デバイス500の一部分が示してある。炭化ケイ素デバイス500は、一例として、IGFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)、たとえば、MOSFET(金属酸化膜半導体FET)、又はMCD(MOS制御ダイオード)、又はIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)でもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0066】
炭化ケイ素体100は、単結晶炭化ケイ素、たとえば、主成分のケイ素と炭素を含む炭化ケイ素結晶を含んでもよく、又はそれらから構成されてもよい。炭化ケイ素結晶は、水素及び/若しくは酸素のような不要な不純物、並びに/又は意図された不純物、たとえばドーパント原子を含んでもよい。炭化ケイ素結晶のポリタイプは、15Rでもよく、又は六角形、たとえば2H、6H、若しくは4Hでもよい。炭化ケイ素体100は、エピタキシーによって成長した炭化ケイ素層を含んでもよく、又はそれから構成されてもよい。
【0067】
炭化ケイ素体100の表側の第1の表面101は、平面でもよく、又はリブ状でもよい。第1の表面101の平均平面は、水平方向に沿って延在する。平面状の第1の表面101の平均平面は、平面状の第1の表面101と同一である。非平面状の第1の表面101の場合、たとえばリブ状の第1の表面101の場合、平均平面は、平面状の最小2乗平面でもよい。平面状の最小2乗平面からの、リブ状の第1の表面101の各表面点のずれの2乗の和が最小値をもつように、平面状の最小2乗平面の位置及び向きが規定される。垂直方向104は、水平方向と直交しており、たとえば、平均平面への面法線に平行である。この水平方向は、以下では横方向とも呼ばれる。
【0068】
垂直方向104は、主格子方向と一致していてもよく、又は主格子方向に対して軸外角度だけ傾斜していてもよく、この軸外角度は、2°~8°の範囲でもよく、具体的には4°でもよい。炭化ケイ素体100の裏側では、第2の表面が、平坦な第1の表面101に平行に、又はリブ状の第1の表面101の最小2乗平面に平行に延在してもよい。
【0069】
トランジスタ・セルTCは、炭化ケイ素体100の表側に形成される。ドリフト構造体130は、トランジスタ・セルTCと第2の表面との間で炭化ケイ素体100を介して横方向に延在する。このドリフト構造体130は、電圧持続構造体、たとえば低濃度ドープのドリフト領域、及び/又は補償構造体、たとえばスーパージャンクション構造体を備えてもよい。
【0070】
各トランジスタ・セルTCは、第1の導電型のソース領域110と、第2の導電型のボディ領域120とを含む。ボディ領域120及びドリフト構造体130は、第1のpn接合部pn1を形成する。ボディ領域120及びソース領域110は、第2のpn接合部pn2を形成する。ボディ領域120の垂直方向の延在寸法は、トランジスタ・セルTCのチャネルの長さに対応し、0.2μm~1.5μmの範囲でもよい。
【0071】
ストライプ形状のトレンチ・ゲート構造体150は、横方向の第1の方向291に沿って延在する。少なくとも1つのゲート構造体150は、トランジスタ・セルTCのソース領域110及びボディ領域120と接触している。ゲート構造体150は、高濃度ドープの多結晶ケイ素層、及び/又は金属含有層を含んでもよく、又はこれらの層から構成されてもよい、導電性ゲート電極155を備える。ゲート誘電体159が、ゲート構造体150の少なくとも片側に沿って、炭化ケイ素体100からゲート電極155を分離する。ゲート誘電体159は、熱成長若しくは堆積された酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、堆積された別の誘電性材料、又はその任意の組合せを含んでもよく、又はそれから構成されてもよい。閾値電圧が1.0V~8Vの範囲内であるトランジスタ・セルTCを得るように、ゲート誘電体159の厚さが選択されてもよい。ゲート構造体150は、ゲート電極155とゲート誘電体159のみを備えてもよく、又はゲート電極155とゲート誘電体159に加えて、導電性及び/若しくは誘電性のさらなる構造体を備えてもよい。
【0072】
ゲート構造体150は、等間隔に配置されてもよく、且つ/又は均一なゲート幅w0を有してもよい。隣接するゲート構造体150間の中心間距離は、0.5μm~10μmの範囲内、たとえば1μm~5μmでもよい。ゲート構造体150のゲート長L0は、数ミリメートルまででもよい。ゲート構造体150の垂直ゲート延在部v0は、0.3μm~5μmの範囲内、たとえば0.5μm~2μmの範囲内でもよい。
【0073】
各ゲート構造体150の相対する第1のゲート側壁151と第2のゲート側壁152は、実質的に垂直方向104に沿って延在してもよく、又は垂直方向104に対してある傾斜角だけ傾斜してもよい。後者の場合、ゲート構造体150は、平行な第1のゲート側壁151及び第2のゲート側壁152を有してもよく、又はゲート構造体150は、第1の表面101との距離が増加するとともに先細になってもよい。結晶軸の配列に従って、且つ/又は軸外角度に従って、ゲート側壁151、152と垂直方向104がなす傾斜角が選択されてもよい。
【0074】
たとえば、第1のゲート側壁151と垂直方向104がなす傾斜角の絶対値は、±1°以下の角度だけ軸外角度の絶対値と異なっていてもよい(たとえば、4H-SiCの場合、傾斜角は少なくとも3°~多くて5°に及び得る)。しかし、傾斜角は、配向が軸外角度と異なってもよい。第1のゲート側壁151の反対側の第2のゲート側壁152と垂直方向104とがなす傾斜角は、第1のゲート側壁151の傾斜角と同じ方向に向いていてもよく、又は反対方向に向いていてもよい。傾斜角が大きくなると、先細ゲート構造体150が、第1の表面101から狭くなる。
【0075】
一般に、少なくとも第1のゲート側壁151は、電荷担体移動度が高い炭化ケイ素体100の結晶面(たとえば、{11-20}又は{1-100}の結晶面のうちの1つ)に沿って実質的に延在してもよい。第1のゲート側壁151は、能動状態の側壁でもよく、すなわち、トランジスタ・チャネルが第1のゲート側壁151に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、(たとえば、垂直方向のトレンチ・ゲート構造体150の場合)、第2のゲート側壁152も、能動状態の側壁でもよい。他の実施形態では(たとえば、先細のトレンチ・ゲート構造体150の場合では)、この第2のゲート側壁152は、非能動状態の側壁でもよい。
【0076】
ゲート構造体150の下端での底面158は、第1のゲート側壁151と第2のゲート側壁152とを接続するか、又は第1のゲート側壁151と第2のゲート側壁152との間の接続の少なくとも一部分を形成する。この底面158は、水平部分を含んでもよい。各ゲート構造体150の底面158と第1のゲート側壁151とは、第1の底縁部156を介して接続されてもよい。各ゲート構造体150の底面158と第2のゲート側壁152とは、第2の底縁部157を介して接続されてもよい。第1の底縁部156は、鋭角でもよく、又は丸みを帯びていても、且つ/若しくは面取りされていてもよい。第2の底縁部157は、鋭角でもよく、又は丸みを帯びていても、且つ/若しくは面取りされていてもよい。
【0077】
図1Aでは、複数の分離された(ドイツ語ではvoneinander separierten)ソース領域110が、隣接する2つのゲート構造体150の間の炭化ケイ素体100の一部分に形成される。第1の方向291に沿ったソース領域110の横方向の長さL1は、少なくとも500nm、たとえば少なくとも1μmでもよい。
【0078】
遮蔽領域160の分離区間161は、第1の方向291に沿って第1の表面101において隣接するソース領域110を横方向に分離してもよい。分離区間161の横幅w2と、ソース領域110の横幅w1とは等しくてもよい。分離区間161、及び2つの同じゲート構造体150の間に形成されるソース領域110は、第1の表面101の平面内で第1の連続区域410へ互いに補完してもよい。第1の連続区域410は、隙間を含まない。
【0079】
図1Bには、隣接する2つのゲート構造体150の間に形成される単一のソース領域110が示してある。このソース領域110は、ゲート長L0全体に沿って途切れることなく延在してもよい。すなわち、ソース領域110は、ゲート構造体150の一方の長手方向端部から、反対側の長手方向端部まで延在してもよい。ソース領域110の存在しない別のゲート構造体150に沿って、遮蔽領域160が、ゲート長L0全体に沿って途切れることなく延在してもよい。
【0080】
遮蔽領域160は、当該ゲート構造体150の1つの長手方向端部から、反対側の長手方向端部まで、1つ又は複数のさらなるゲート構造体150に沿って延在してもよい。
【0081】
第1のゲート側壁151のチャネル側壁区間153は、ソース領域110から第1の底縁部156まで下方へ延在する。
【0082】
図1C及び
図1Dに示すように、遮蔽領域160は、第1の表面101から炭化ケイ素体100内に延在する。遮蔽領域160は、ゲート長L0にわたって、且つ垂直のゲート延在部v0にわたって、非能動状態の第2のゲート側壁152と直接接触していてもよい。第2のゲート側壁152に沿って、遮蔽領域160は、第1の表面101から、ゲート構造体150の下方まで延在する。遮蔽領域160の第1の垂直の延在部v1は、垂直のゲート延在部v0よりも大きい。たとえば、ゲート底面158と遮蔽領域160の下縁部との間の垂直距離v3は、少なくとも50nm、たとえば少なくとも300nmでもよい。
【0083】
遮蔽領域160は、ボディ領域120と非能動状態の第2のゲート側壁152との間の区間を含む。ボディ領域120及び遮蔽領域160は、単極の接合部を形成してもよい。遮蔽領域160は、第1の方向291に沿って、隣接する各ソース領域110を分離する分離区間161を含んでもよい。この分離区間161は、チャネル側壁区間153の外側で第1のゲート側壁151と直接接触している。
【0084】
遮蔽領域160での最大ドーパント濃度は、ボディ領域120での最大ドーパント濃度よりも高くてもよい。遮蔽領域160での垂直方向のドーパント濃度プロファイルは、ゲート構造体150の下方の位置で極大値を有してもよい。第2のゲート側壁152に沿って、遮蔽領域160でのドーパント濃度は、相対的に高くてもよく、すなわち、第1のゲート側壁151に沿って、ボディ領域120でのドーパント濃度の少なくとも10倍の高さでもよい。
【0085】
図2A~2Dでは、遮蔽領域160は、頂部遮蔽部分168及び深部遮蔽部分169を備える。深部遮蔽部分169と頂部遮蔽部分168は、垂直方向104に沿って互いに接続されている。
【0086】
頂部遮蔽部分168の垂直延在部v2は、垂直のゲート延在部v0よりも大きい。深部遮蔽部分169は、平行な列及び平行な行に沿って配置された複数の深部サブ区間164を含み、この各行は、各列に直交して延在する。水平の第2の方向292に沿って、隣接する2つのソース領域110の間に、各深部サブ区間164が形成される。深部サブ区間164は、ソース領域110から横方向に分離されてもよい。水平の第1の方向291に沿って、同じ行の隣接する深部サブ区間164が横方向に分離される。第1の方向291に沿った深部サブ区間164の水平の長さは、第1の方向291に沿ったソース領域110の長さと等しくてもよく、それより短くてもよく、又はそれよりも長くてもよい。
【0087】
たとえば、図に示すように、頂部遮蔽部分168は、ソース領域110の各縁部を基準にして、第1の方向291に沿って深部サブ区間164を対称に引き出すことが可能になるように、ゲート誘電体及びトランジスタ・チャネルの横方向の遮蔽をある程度改善してもよい。この場合、深部サブ区間164の水平の長さは、ソース領域110の長さよりも短い。
【0088】
頂部遮蔽部分と第1のゲート側壁151との間の第1の距離d1は、深部遮蔽部分169と第1のゲート側壁151との間の第2の距離d2より短くてもよい。
【0089】
ドリフト構造体130は、第1の導電型のドリフト領域131を含んでもよい。ドリフト領域131は、電圧持続構造体を形成し、ここで、炭化ケイ素デバイス500のオフ状態において炭化ケイ素デバイス500が公称阻止電圧能力を実現するように、このドリフト領域131内の垂直の延在部及びドーパント濃度が選択されてもよい。ドリフト領域131は、エピタキシーによって成長した層に形成されてもよい。ドリフト領域131での平均正味ドーパント濃度は、たとえば、1E15cm-3~5E16cm-3の範囲でもよい。別の例によれば、ドリフト構造体130は、補償構造体、たとえばスーパージャンクション構造体を含んでもよい。
【0090】
ドリフト構造体130と、炭化ケイ素体100の第2の表面102に直接隣接する裏側電極との間には、高濃度ドープの接触部分139が形成されてもよい。高濃度ドープの接触部分139及び裏側電極は、低抵抗のオーム接点を形成する。接触部分139は、ドリフト領域131と同じ導電型、その逆の導電型を有してもよく、又は両方の導電型の領域を含んでもよい。
【0091】
ドリフト構造体130は、電流拡散領域137を含んでもよい。この電流拡散領域137は、ボディ領域120と電圧持続構造体、たとえばドリフト領域131との間に形成されてもよい。電流拡散領域137は、ボディ領域120と接触していてもよい。電流拡散領域137は、隣接する深部サブ区間164を横方向に分離してもよい。電流拡散領域137の各部分は、深部遮蔽部分169の真下に形成されてもよい。電流拡散領域137は、ドリフト領域131よりも平均ドーパント濃度が高く、オン電流の相対的に良好な横方向への拡散を容易にすることができる。
【0092】
深部サブ区間164及び/又はソース領域110を画定する注入マスクは、丸みを帯びた開口、たとえば楕円形又は円形の開口を有してもよい。したがって、深部サブ区間164及び/又はソース領域110の水平断面区域は、円形区分、楕円形区分、円形及び/又は楕円形を含んでもよい。頂部遮蔽部分168を画定する注入マスクは、丸みを帯びた柱、たとえば楕円形又は円形の柱を含んでもよい。したがって、頂部遮蔽部分168での開口部の水平断面区域は、円形区分、楕円形区分、円形及び/又は楕円形でもよい。
【0093】
炭化ケイ素体100の表側での第1の負荷電極310は、ソース領域110、ボディ領域120、及び遮蔽領域160に電気的に接続されている。ゲート電極155は、炭化ケイ素体100の表側のゲート・メタライゼーションに電気的に接続されてもよい。このゲート・メタライゼーションは、ゲート端子を形成するか、又はゲート端子に電気的に接続若しくは結合される。
【0094】
層間絶縁膜210の各部分は、ゲート構造体150での第1の負荷電極310とゲート電極155を分離する。第1の負荷電極310は、第1の負荷端子を形成してもよく、又はこれに電気的に接続若しくは結合されてもよく、この端子は、MCDのアノード端子、又はMOSFETのソース端子でもよい。
【0095】
第2の負荷電極320は、接触部分139と低抵抗オーム接点を形成する。第2の負荷電極320は、第2の負荷端子を形成してもよく、又はこれに電気的に接続若しくは結合されてもよく、この端子は、MCDのカソード端子、又はMOSFETのドレイン端子でもよい。
【0096】
図に示した炭化ケイ素デバイス500は、nチャネルのSiC-TMOSFETであり、第1の負荷電極310は、ソース端子Sを形成し、又はこれに電気的に接続若しくは結合され、第2の負荷電極320は、ドレイン端子Dを形成し、又はこれに電気的に接続若しくは結合される。炭化ケイ素デバイス500は、複数のトランジスタ・セルTC、及び複数のゲート構造体150を備える。トランジスタ・セルTCは、電気的に並列に接続されてもよい。
【0097】
図3A~3Dでは、深部遮蔽部分169の深部区間163が、水平の第1の方向291に平行な長手軸を有する、連続したストライプを形成する。
【0098】
図4A~4Dでは、深部遮蔽部分169の水平断面区域は、格子開口部167を有する格子を形成する。各格子開口部167は、ソース領域110の周りに形成される。
【0099】
図5A~5Bには、第1のゲート側壁151のチャネル側壁区間153に沿って形成されたソース領域110を有する、炭化ケイ素デバイス500の斜視図が示してある。深部遮蔽部分169は、ドット形状の深部サブ区間164を含む。遮蔽領域160は、第1の表面101に沿って形成された高濃度ドープの接触区間162を含む。
【0100】
図6A及び6Bは、複数のゲート構造体150を有する炭化ケイ素デバイス500を示す。複数のソース領域110は、ゲート構造体150の第1のゲート側壁151に沿って形成される。第1の表面101に沿って、遮蔽領域の頂部遮蔽部分168及びソース領域110は、隣接する2つのゲート構造体150の間の第2の連続区域400に互いに補完する。
【0101】
図6Aでは、ソース領域110は、列と行が行列状に配置されており、各行は各列に直交して延在している。すなわち、ソース領域110は、チェッカー盤の黒い部分及び白い部分に形成される。
【0102】
図6Bでは、隣接するゲート構造体150のソース領域110は、第1の方向291に沿って、隣接する各ソース領域110間の中心間距離の半分だけ互いにずれている。すなわち、ソース領域110は、チェッカー盤の「白」の部分のみに形成されてもよい。
【0103】
図6Cでは、各ソース領域110は、第1のタイプのゲート構造体150のゲート全長に沿って延在し、第2のタイプのゲート構造体150の第1のゲート側壁151に沿っては完全に存在しない。第1のタイプのゲート構造体150及び第2のタイプのゲート構造体150は、規則正しいパターンを形成してもよい。たとえば、(ソース領域110と接触している)第1のタイプの1つ、2つ、3つ以上のゲート構造体150が、(ソース領域110と接触していない)第2のタイプのゲート構造体150の各対の間に形成されてもよい。
【0104】
説明するために、炭化ケイ素デバイスに関して様々な状況を説明してきた。同様の技法は、半導体本体用の他の種類及びタイプの化合物半導体材料、たとえば窒化ガリウム(GaN)又はガリウムヒ素(GaAs)などを基にした半導体デバイスにおいて実施されてもよい。
【0105】
説明するために、ショットキー・ダイオードを一体化していない炭化ケイ素デバイスに関して、様々な状況を説明してきた。実施形態によっては、第1の導電型の表側電極とダイオード領域との間のショットキー接触部と組み合わせてもよい。このダイオード領域は、第1の表面からドリフト構造体まで、隣接するゲート構造間に延在してもよい。或いは、又はさらに、各分離区間は、ショットキー接触部をソース領域から横方向に分離してもよい。たとえば、pドープ分離区間は、nドープ・ダイオード領域をnドープ・ソース領域から横方向に分離してもよい。
【符号の説明】
【0106】
100 炭化ケイ素体
101 第1の表面
102 第2の表面
104 垂直方向
110 ソース領域
120 ボディ領域
130 ドリフト構造体
131 ドリフト領域
137 電流拡散領域
139 接触部分
150 ゲート構造体
151 第1のゲート側壁
152 第2のゲート側壁
153 チャネル側壁区間
155 ゲート電極
156 第1の底縁部
157 第2の底縁部
158 底面
159 ゲート誘電体
160 遮蔽領域
161 分離区間
162 高濃度ドープの接触区間
163 深部区間
164 深部サブ区間
167 格子開口部
168 頂部遮蔽部分
169 深部遮蔽部分
210 層間絶縁膜
291 第1の方向
292 第2の方向
310 第1の負荷電極
320 第2の負荷電極
400 第2の連続区域
410 第1の連続区域
500 炭化ケイ素デバイス