(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】ヒートスプレッダを備えた高温基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20250704BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20250704BHJP
【FI】
H01L21/68 N
C23C16/46
(21)【出願番号】P 2022549473
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(86)【国際出願番号】 US2021018313
(87)【国際公開番号】W WO2021167939
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2024-01-15
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカーラン・ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】リーサー・カール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ゲイジ・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ニマラ・セシュ
(72)【発明者】
【氏名】リガンパリ・ラムキシャン・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ホリングスワース・ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】バーカート・ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ラファティ・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ベロストトスキー・セルゲイ・ゲオルゲヴィチ
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-258508(JP,A)
【文献】特開2008-085283(JP,A)
【文献】特開2012-043875(JP,A)
【文献】特開2018-026427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0110347(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0047082(US,A1)
【文献】国際公開第2015/048516(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C23C 16/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体用のベースプレートであって、
前記ベースプレートを選択的に加熱するように構成されたヒーター層と、
前記ヒーター層と前記ベースプレートの上面との間に配置されたヒートスプレッダであって、前記ヒーター層によって提供される熱を前記ベースプレート全体に分散させるように構成されるヒートスプレッダと
を備え、
前記ベースプレートは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含み、
前記ヒートスプレッダは、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEと前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含
み、
(i)前記ヒートスプレッダと前記ベースプレートの前記上面との間、および(ii)前記ヒートスプレッダと前記ヒーター層との間のうち少なくとも一方に配置された複数の界面層をさらに含む、ベースプレート。
【請求項2】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ヒーター層は、抵抗性発熱体を含む、ベースプレート。
【請求項3】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記第1の材料は、誘電体である、ベースプレート。
【請求項4】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記第2の材料は、炭素、熱分解グラファイト、モリブデン-グラファイト、およびダイヤモンドのうち少なくとも1つを含む、ベースプレート。
【請求項5】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記第2のCTEは、前記第1のCTEとは異なる、ベースプレート。
【請求項6】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記第2のCTEは、前記第1のCTEよりも大きい、ベースプレート。
【請求項7】
基板支持体用のベースプレートであって、
前記ベースプレートを選択的に加熱するように構成されたヒーター層と、
前記ヒーター層と前記ベースプレートの上面との間に配置されたヒートスプレッダであって、前記ヒーター層によって提供される熱を前記ベースプレート全体に分散させるように構成されるヒートスプレッダと
を備え、
前記ベースプレートは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含み、
前記ヒートスプレッダは、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEと前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含み、
前記ヒートスプレッダは、前記第2のCTEを有する内層と、前記第1のCTEから前記第2のCTEの間にある第3のCTEを有する第3の材料を含む外層とを含む、ベースプレート。
【請求項8】
請求項7に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、前記内層と前記外層との間に配置された中間層を含む、ベースプレート。
【請求項9】
請求項
1に記載のベースプレートであって、
前記複数の界面層は、前記第1のCTEから前記第2のCTEの間にある第3のCTEを有する第3の材料を含む、ベースプレート。
【請求項10】
請求項
1に記載のベースプレートであって、
前記複数の界面層のうちの個々の層は、前記第1の材料の層と交互になっている、ベースプレート。
【請求項11】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、等方性である、ベースプレート。
【請求項12】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、異方性熱伝導率および異方性CTEのうち少なくとも一方を有する、ベースプレート。
【請求項13】
基板支持体用のベースプレートであって、
前記ベースプレートを選択的に加熱するように構成されたヒーター層と、
前記ヒーター層と前記ベースプレートの上面との間に配置されたヒートスプレッダであって、前記ヒーター層によって提供される熱を前記ベースプレート全体に分散させるように構成されるヒートスプレッダと
を備え、
前記ベースプレートは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含み、
前記ヒートスプレッダは、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEと前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含み、
前記ベースプレートは、傾斜機能材料(FGM)をさらに含む、ベースプレート。
【請求項14】
基板処理システムのための基板支持体であって、
傾斜機能材料(FGM)を含むベースプレートであって、前記FGMは、誘電体材料と傾斜フィラー材料とを含むベースプレートと、
前記ベースプレート内に埋め込まれたヒートスプレッダであって、前記ベースプレート全体に熱を分散させるように構成され、かつ第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有するヒートスプレッダと、
を備え、
前記FGMは、第2のCTEと第2の熱伝導率とを有する、基板支持体。
【請求項15】
請求項
14に記載の基板支持体であって、
前記FGMは、傾斜機能セラミックス(FGC)である、基板支持体。
【請求項16】
請求項
15に記載の基板支持体であって、
前記FGCは、セラミックス基複合(CMC)材料である、基板支持体。
【請求項17】
請求項
14に記載の基板支持体であって、
前記FGMの前記第2のCTEは、垂直方向において変化する、基板支持体。
【請求項18】
請求項
15に記載の基板支持体であって、
前記第1のCTEは、前記第2のCTEとは異なる、基板支持体。
【請求項19】
基板処理システムのための基板支持体であって、
第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含むベースプレートと、
前記ベースプレート内に埋め込まれたヒーター層と、
前記ベースプレート上に配置されたヒートスプレッダであって、前記ヒーター層で発生した熱を横方向に広げるように構成され、かつ第2のCTEと前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含むヒートスプレッダと、
前記ヒートスプレッダ上に配置されたキャップ層と
を備える、基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年2月18日付で出願した、米国仮特許出願第62/978,119号の優先権の利益を主張する。上記関連出願は、参照によりその全体の開示が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムの基板支持体において温度均一性を維持することに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術の欄で説明される範囲内において、出願時に先行技術としてみなされ得ない説明の態様と同様に、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するために使用される場合がある。基板処理の例として、エッチング、堆積、フォトレジスト除去などが挙げられる。処理中、基板は、基板を支持するように構成された表面を含む台座または静電チャックなどの基板支持体上に配置される。1つまたは複数のプロセスガスを処理チャンバ内に導入してもよい。
【0005】
1つまたは複数のプロセスガスは、ガス供給システムによって処理チャンバに供給されてもよい。いくつかのシステムでは、ガス供給システムは、1つまたは複数の導管によってプロセスチャンバ内に位置するシャワーヘッドに接続されたマニホールドを含む。いくつかの例では、化学気相堆積(CVD)、プラズマ励起CVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)などの堆積プロセスを用いて、基板上に材料を堆積させる。
【発明の概要】
【0006】
基板支持体用のベースプレートは、ベースプレートを選択的に加熱するように構成されたヒーター層と、ヒーター層とベースプレートの上面との間に配置されたヒートスプレッダとを含む。ヒートスプレッダは、ヒーター層によって提供される熱をベースプレート全体に分散させるように構成される。ベースプレートは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含む。ヒートスプレッダは、第2のCTEと第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含む。
【0007】
他の特徴では、ヒーター層は、抵抗性発熱体を含む。第1の材料は、誘電体である。第1の材料は、セラミックスである。第1の材料は、窒化アルミニウム(AlN)、酸窒化アルミニウム(AlON)、および酸化アルミニウム(Al2O3)のうち少なくとも1つを含む。第2の材料は、炭素を含む。第2の材料は、熱分解グラファイト、モリブデン-グラファイト、およびダイヤモンドのうちの1つを含む。第2のCTEは、第1のCTEと同じである。第2のCTEは、第1のCTEとは異なる。第2のCTEは、第1のCTEよりも大きい。第2の熱伝導率は、少なくとも一方の方向において、第1の熱伝導率よりも大きい。第2の熱伝導率は、少なくともx-y平面において、第1の熱伝導率よりも大きい。
【0008】
他の特徴では、ヒートスプレッダは、第2のCTEを有する内層と、第1のCTEから第2のCTEの間にある第3のCTEを有する第3の材料を含む外層とを含む。第3の材料は、モリブデン(Mo)を含む。ヒートスプレッダは、内層と外層との間に配置された中間層を含む。中間層は、金属製である。中間層は、銅を含む。
【0009】
他の特徴では、ベースプレートは、ヒートスプレッダとベースプレートの上面との間、およびヒートスプレッダとヒーター層との間のうち少なくとも一方に配置された複数の界面層をさらに含む。複数の界面層は、第1のCTEから第2のCTEの間にある第3のCTEを有する第3の材料を含む。複数の界面層のうちの個々の層は、第1の材料の層と交互になっている。ベースプレートは、傾斜機能材料(FGM)をさらに含む。FGMは、第1の材料と、第3のCTEを有する第3の材料とを含む。FGMは、傾斜機能セラミックス(FGC)である。ベースプレートは、ヒートスプレッダ上に配置されたキャップ層をさらに含む。キャップ層は、第1の材料を含む。
【0010】
他の特徴では、基板支持体はベースプレートを含み、ベースプレートを取り囲むスカートリングアセンブリをさらに含む。ヒートスプレッダは、等方性である。ヒートスプレッダは、異方性熱伝導率および異方性CTEのうち少なくとも一方を有する。
【0011】
基板処理システムのための基板支持体は、傾斜機能材料(FGM)を含むベースプレートを含む。FGMは、誘電体材料と傾斜フィラー材料とを含む。ヒートスプレッダは、ベースプレート内に埋め込まれている。ヒートスプレッダは、ベースプレート全体に熱を分散させるように構成され、ヒートスプレッダは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する。FGMは、第2のCTEと第2の熱伝導率とを有する。
【0012】
他の特徴では、第1のCTEは、第2のCTEと同じである。第1のCTEは、第2のCTEとは異なる。FGMは、傾斜機能セラミックス(FGC)である。FGCは、セラミックス基複合(CMC)材料である。FGMの第2のCTEは、垂直方向において変化する。
【0013】
基板処理システムのための基板支持体は、ベースプレートを含む。ベースプレートは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含む。ヒーター層は、ベースプレート内に埋め込まれ、ヒートスプレッダはベースプレート上に配置される。ヒートスプレッダは、ヒーター層で発生した熱を横方向に広げるように構成される。ヒートスプレッダは、第2のCTEと第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含む。キャップ層は、ヒートスプレッダ上に配置される。
【0014】
他の特徴では、キャップ層は、第1の材料を含む。キャップ層は、第2の材料を含む。キャップ層は、第3の材料を含む。スカートリングアセンブリは、ベースプレートを取り囲む。第1のCTEは、第2のCTEと同じである。第1のCTEは、第2のCTEとは異なる。
【0015】
本開示を適用可能なさらなる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0017】
【
図1】
図1は、本開示による基板処理システムの一例の機能ブロック図である。
【0018】
【
図2】
図2は、本開示によるヒートスプレッダを含む例示的な基板支持体である。
【0019】
【
図3】
図3は、本開示によるヒートスプレッダを含む別の例示的な基板支持体である。
【0020】
【
図4】
図4は、本開示によるヒートスプレッダを含む別の例示的な基板支持体である。
【0021】
【
図5】
図5は、本開示によるヒートスプレッダを含む別の例示的な基板支持体である。
【0022】
【
図6A】
図6Aは、本開示による例示的なヒートスプレッダを示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示による例示的なヒートスプレッダを示す。
【0023】
図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を特定するために再度利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0024】
原子層堆積(ALD)などの膜堆積プロセスでは、堆積された膜の様々な特性が空間(すなわち、水平面のx-y座標)分布にわたって変化する。例えば、基板処理ツールは、膜厚不均一性(NU)に対してそれぞれの仕様を有してもよい。膜厚NUは、半導体基板の表面上の所定の位置で取得された測定セットの全範囲、半範囲、標準偏差などとして測定されてもよい。いくつかの例では、NUは、NUの直接的な原因に対処することによって低減される場合がある。他の例では、NUは、既存のNUを補償し、取り消すために、対抗するNUを導入することによって低減される場合がある。他の例では、材料を意図的に不均一に堆積および/または除去して、プロセスにおける他の(例えば前または後の)ステップで既知の不均一性を補償する場合がある。
【0025】
堆積速度は、部分的に基板温度に依存する場合がある。したがって、温度NU(すなわち、基板全体にわたる温度の差)により、異なる堆積速度および対応する膜厚NUが生じる可能性がある。基板処理システムは、NUを最小限に抑えるために、基板の温度を制御する様々な温度制御方式を実装してもよい。例えば、基板支持体(すなわち、台座など、処理中に基板を支持するように構成された一般的に平坦な上面を有する構造体)は、ヒーター層を含んでもよい。ヒーター層は、基板支持体、および、それに応じて、基板の所望の温度を維持するようにそれぞれ制御される1つまたは複数のゾーンを含んでもよい。
【0026】
いくつかの例では、ヒーター層は、抵抗発熱体または加熱器を含む。一般的には、ヒーター層は、セラミックス(例えば、窒化アルミニウム(AlN))など、高い熱伝導率を有する誘電体材料で構成された基板支持体(例えば、台座)内に埋め込まれる。AlNを含む、一部のセラミックス材料は、(例えば、摂氏500℃を超える)より高い温度では、熱伝導率が減少する。基板支持体全体にわたる熱伝導率の差により、堆積に影響を与える非対称熱NUが生じる可能性がある。より具体的には、温度均一性を提供するために、ヒーター層によって提供される熱が、基板支持体全体に十分に分散されない可能性がある。さらに、AlNなどの材料は、いくつかのプロセス(例えば、洗浄プロセス)に使用され得る温度および化学物質を制限する場合がある。
【0027】
本開示の原理によるシステムおよび方法は、基板支持体に接着されたおよび/または基板支持体内に埋め込まれたヒートスプレッダ(例えば、熱伝導材料で構成されるまたは封止された層)を実装する。ヒートスプレッダは、ヒーター層からの熱を基板支持体全体に均一に(例えば、水平方向に)分散させるように構成される。ヒートスプレッダは、基板支持体(例えば、基板支持体のベースプレート)の材料(例えば、AlN)よりも大きな熱伝導率を有する。ヒートスプレッダは、AlNに結合された、またはAlN内に埋め込まれた/含まれた熱分解グラファイト、AlNに結合された、またはAlN内に埋め込まれた/含まれたモリブデン-グラファイト、ダイヤモンド(例えば、CVDダイヤモンド)などを含むが、これらに限定されない材料で構成されてもよい。いくつかの例では、基板支持体は、アルミニウム酸窒化物(AlON)、Al2O3、それらの混合物などを含むが、これらに限定されない、AlN以外の材料で構成される。材料は、TiOx、Y2Ox、La2Oxなどの二次安定剤を含んでもよい。
【0028】
ヒートスプレッダは、連続するヒートスプレッダ層であってもよい。ヒートスプレッダは、所望の温度分布パターンを提供するために、特定の形状または幾何学的形状を有してもよい。例えば、ヒートスプレッダは、1つまたは複数のリング、方位リング、柱状構造などを備えてもよい。いくつかの例では、ヒートスプレッダは、基板支持体の隣接する層に機械的に取り付けられるプレートなどの層を含んでもよい。他の例では、ヒートスプレッダは、製造後に基板支持体内の空洞またはチャネルを充填するために埋め込まれるか、またはその他の方法で使用される粉末または他の材料(例えば、インジウム)を含んでもよい。
【0029】
ここで
図1を参照すると、本開示による基板支持体(例えば、ALD台座)104を含む基板処理システム100の一例が示されている。基板支持体104は、処理チャンバ108内に配置される。基板112は、処理中に基板支持体104上に配置される。
【0030】
ガス供給システム120は、バルブ124-1、124-2、・・・、および124-N(総称してバルブ124)に接続されているガス源122-1、122-2、・・・、および122-N(総称してガス源122)、ならびにマスフローコントローラ126-1、126-2、・・・、および126-N(総称してMFCs126)を含む。MFCs126は、ガス源122から、ガスが混合するマニホールド128へのガスの流れを制御する。マニホールド128の出力は、任意の圧力調節器132を介してマルチインジェクタシャワーヘッド140などのガス分配装置に供給される。
【0031】
基板支持体104の温度は、抵抗加熱器144など、ヒーター層を用いて制御されてもよい。本開示の原理による基板支持体104は、より詳細に後述するように、ヒートスプレッダ148を含む。基板支持体104は、クーラントチャンネル164を含んでもよい。冷却流体は、流体貯蔵部168およびポンプ170からクーラントチャンネル164に供給される。圧力センサ172は、圧力を測定するためにマニホールド128に配置されてもよい。バルブ178およびポンプ180を用いて、処理チャンバ108から反応物を排出してもよい。バルブ178およびポンプ180を用いて、処理チャンバ108内の圧力を制御してもよい。
【0032】
コントローラ182は、マルチインジェクタシャワーヘッド140によって提供される投与を制御する投与制御装置184を含む。また、コントローラ182は、ガス供給システム120からのガスの供給を制御する。コントローラ182は、バルブ178およびポンプ180を用いて、処理チャンバ内の圧力および/または反応物の排出を制御する。コントローラ182は、温度フィードバックに基づいて、基板支持体104および基板112の温度を制御する。例えば、温度フィードバックは、基板支持体内のセンサ(図示せず)、クーラント温度を測定するセンサ(図示せず)などからのフィードバックに対応してもよい。
【0033】
いくつかの例では、基板処理システム100は、同じ処理チャンバ108内で基板112上にエッチングを実行するように構成されてもよい。例えば、基板処理システム100は、より詳細に後述するように、本開示によるトリムステップとスペーサ堆積ステップとの両方を実行するように構成されてもよい。したがって、基板処理システム100は、RF電力を(例えば、電圧源、電流源などとして)発生させ、下部電極(例えば、図示のように、基板支持体104のベースプレート)および上部電極(例えば、シャワーヘッド140)に提供するように構成されたRF発生システム188を含んでもよい。例示目的として、RF発生システム188の出力は、本明細書においてRF電圧として説明される。下部電極および上部電極は、DC接地、AC接地、または浮遊であってもよい。例えば、RF発生システム188は、RF電圧を発生させるように構成されたRF発生器192を含んでもよく、RF電圧は、基板112をエッチングするために処理チャンバ108内にプラズマを発生させる整合および分配ネットワーク196によって供給される。他の例では、プラズマは、誘導的にまたは遠隔的に生成されてもよい。例示目的で示されるように、RF発生システム188は容量結合プラズマ(CCP)システムに対応するが、本開示の原理は、他の適切なシステムでも実施可能である。例えば、本開示の原理は、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、遠隔マイクロ波プラズマ生成および供給システムなどで実施されてもよい。
【0034】
ここで
図2を参照すると、本開示による例示的な基板支持体200は、ヒーター層208と埋め込まれたヒートスプレッダ212とを有するベースプレート204を含む。例えば、ベースプレート204は、AlNまたはAl
2O
3を含むが、これらに限定されない誘電体材料で構成される。いくつかの例では、ベースプレート204は、窒化ホウ素を含んでもよい。いくつかの例では、ベースプレート204は、フッ素(F)および酸素耐性材料(例えば、ジルコニア(ZrO
2))で被覆される。ヒートスプレッダ212は、熱伝導材料(例えば、熱分解グラファイト、ダイヤモンド、またはモリブデン-グラファイトなどの炭素、窒化ホウ素(h-BNまたはBN)など)を含む内(例えば、封止)層216を含む。例えば、ヒートスプレッダ212は、摂氏500~700℃の間の温度でメートルケルビン(W/m-k)あたり100~1500ワットの間の熱伝導率を有してもよい。内層216は、ヒーター層208で発生した熱をベースプレート204全体に横方向(すなわち、水平方向)に分散させるように構成される。例えば、内層216は、ベースプレート204の材料よりも大きな熱伝導率を有する。
【0035】
内層216の材料は、ベースプレート204の材料に対して様々な物理的および/または化学的非適合性を有してもよい。例えば、内層216およびベースプレート204は、異なる熱膨張係数(CTEs)を有してもよい。いくつかの例では、内層216およびベースプレートは、同じCTEを有してもよい。したがって、内層216は、内層216とベースプレート204との間に安定した物理的界面を提供するために、1つまたは複数の追加の層で封止されてもよい。例えば、ヒートスプレッダ212は、内層216を取り囲む銅(Cu)などの金属製材料で構成される中間層220を含んでもよい。外層224は、中間層220を取り囲む。一例として、外層224は、モリブデン(Mo)で構成される。
【0036】
外層224は、内層216よりもベースプレート204のCTEに近いCTEを有してもよい。したがって、内層216は、外層224と同様の非互換性を有してもよい。中間層220は、内層216と外層224との間の界面を提供する。一例では、内層216は、ベースプレート204の第2のCTEよりも大きい(または小さい)第1のCTEを有してもよい。中間層220および/または外層224は(個別にまたは組み合わせて)、第1のCTEから第2のCTEの間にある第3のCTEを有してもよい。このようにして、ヒートスプレッダ212は、ベースプレート204のCTEとより密接に整合するように内層216、中間層220、および外層224のそれぞれの材料のCTEsの遷移を提供する。他の適切な材料を内層216、中間層220、および/または外層224に代用してもよい。材料は、複合材料、傾斜化学および/または傾斜フィラーを有する材料、ならびに低CTEの鉄およびニッケル合金などの合金を含んでもよい。
【0037】
いくつかの例では、ヒートスプレッダ212は、等方性特性を有する。他の例では、ヒートスプレッダ212は、異方性熱伝導率および/または異方性CTEなど、異方性特性を有する。例えば、ヒートスプレッダ212は、水平方向における基板支持体200の温度均一性を改善するために、垂直方向よりも水平方向において大きな熱伝導率を有してもよい。他の例では、ヒートスプレッダ212は、ベースプレート204の異なる半径方向または方位角ゾーンの間の熱分布を制限しながら、ヒーター層208からベースプレート204の上面への熱分布を最大化するために、水平方向よりも垂直方向に大きな熱伝導率を有してもよい。さらに他の例では、ヒートスプレッダ212は、垂直方向または水平方向により大きなCTEを有してもよい。
【0038】
いくつかの例では、ヒートスプレッダは、高温プロセス用に均一な温度分布を提供するために、CTEグラデーションを提供する1つまたは複数の材料として実装されてもよい。材料は、ヒートスプレッダの層と周囲材料との間の減結合および剥離を最小限に抑えるためにCTE整合も提供する。例えば、ヒートスプレッダ層および/または周囲材料は、フィラー(例えば、スピネル)、傾斜機能材料(FGM)などを含むセラミックス基複合体(CMC)として実装されてもよい。
図3は、別の例示的な基板支持体300の一部分を示す。基板支持体300は、ヒーター層308と埋め込まれたヒートスプレッダ312とを有するベースプレート304を含む。例えば、ベースプレート304は、AlNまたはAl
2O
3を含むが、これらに限定されない誘電体材料で構成される。この例では、ベースプレート304は、ヒートスプレッダ312とベースプレート304の材料との間に遷移界面を提供する1つまたは複数の界面層316を含む。
【0039】
例えば、ヒートスプレッダ312は、ベースプレート304の材料の第2のCTEよりも大きい(または小さい)第1のCTEを有してもよい。逆に、界面層316の材料は、第1のCTEから第2のCTEの間にある第3のCTEを有してもよい。ベースプレート304の材料は、界面層316の間、および界面層316とヒートスプレッダ312との間に層状に配置されてもよい。
【0040】
ここで
図4を参照すると、別の例示的な基板支持体400の一部分は、傾斜機能セラミックス(FGC)などのFGMを含むベースプレート404を含む。ベースプレートは、ヒーター層408と埋め込まれたヒートスプレッダ412とを含む。例えば、ベースプレート404は、誘電体材料(例えば、AlNまたはAl
2O
3などのセラミックス)416と傾斜フィラー420(例えば、窒化ホウ素(h-BN))とを含むCMCとしてFGCを実装する。一例として、誘電体材料416および/またはフィラー420は、粉末冶金シート積層、CVD、焼結、および/または他の製造もしくはコーティングプロセスを用いて形成されてもよい。FGMsは、寸法(例えば、垂直距離)に応じて変化する1つまたは複数の物理的特性(例えば、CTE)を有する。物理的特性は、分率(誘電体材料416に対する量)、形状、配向、粒径などを含むが、これらに限定されない、フィラー420の1つまたは複数の特性の変化に基づいて変化してもよい。
【0041】
例えば、ヒートスプレッダ412は、ベースプレート404の第2のCTE誘電体材料416よりも大きい(または小さい)第1のCTEを有してもよい。フィラー420は、第1のCTEから第2のCTEの間にある第3のCTEを有する。したがって、誘電体材料416に対するフィラー420の特性の変化は、所与の垂直領域またはゾーンにおけるベースプレート404の全体的なCTEを変化させる。すなわち、ベースプレート404の全体的なCTEは、ヒートスプレッダ412に隣接する領域において、ヒートスプレッダ412の第1のCTEにより近い可能性がある。逆に、ヒートスプレッダ412からの距離が増加するにつれて、ベースプレート404のCTEは、減少する(または増加する)。ベースプレート404のCTEの傾斜は、線形、指数関数的、階段的などであってもよい。このようにして、傾斜フィラー420は、CTE整合を提供し、ヒートスプレッダ412と誘電体材料416との間のCTEミスマッチにより生じる熱応力を低減する。
【0042】
ここで
図5を参照すると、別の例示的な基板支持体500は、埋め込まれたヒーター層508を有するベースプレート504を含む。ヒートスプレッダ512は、ベースプレート504上に配置される。キャップ層516は、ヒートスプレッダ512上に配置される。キャップ層516は、1.0~3.0mmの間の厚さを有してもよい。例えば、ベースプレート504およびキャップ層516は、AlNまたはAl
2O
3を含むが、これらに限定されない誘電体材料(例えば、セラミックス)で構成される。ベースプレート504およびキャップ層516は、同じ材料または異なる材料を含んでもよい。ヒートスプレッダ512は、熱伝導材料(例えば、熱分解グラファイト、ダイヤモンドなどの炭素)を含む。これは、ヒーター層508で発生した熱をキャップ層516全体に横方向に(すなわち、水平方向に)分散させるように構成される。いくつかの例では、ヒートスプレッダ512は導電性であり、したがって、下部電極として機能してもよい。
【0043】
キャップ層516は、取り外し可能かつ交換可能であってもよい。例えば、キャップ層516は、ヒートスプレッダ512およびベースプレート504をプロセス材料への曝露から保護しながら、プロセス材料に曝露され得る。したがって、キャップ層516は、定期的に交換される消耗部品であってよい。ヒートスプレッダ512も、交換可能であってもよい。キャップ層516およびヒートスプレッダ512は、所望の性能特性に基づいて構成されてもよい。例えば、特定のプロセス、基板の種類などに対する所望のCTE値に基づいて、キャップ層516および/またはヒートスプレッダ512の異なるものを選択的に設置してもよい。いくつかの例では、ベースプレート504、ヒートスプレッダ508、および/またはキャップ層516は、スロット520およびアライメントフィーチャ524のそれぞれの対を用いて整列されてもよい。例えば、スロット520は、キャップ層516および/またはヒートスプレッダ512のそれぞれの下面に設けられてもよい。逆に、アライメントフィーチャ524は、ヒートスプレッダ512およびベースプレート504のそれぞれの上面から上方に延びてもよい。
【0044】
ヒートスプレッダ512は、ベースプレート504およびキャップ層516に固定して取り付けられていない(例えば、接着剤で結合されている)。したがって、ヒートスプレッダ512、ベースプレート504、およびキャップ層516のそれぞれのCTEs間の差により、熱応力が発生し、それに伴い、基板支持体500の機械的故障が生じることはない。
【0045】
スカートリングアセンブリ528は、基板支持体500を取り囲んでもよい。スカートリングアセンブリ528は、ベースプレート504およびヒートスプレッダ512の表面をプロセス材料によって生じる浸食から保護し、寄生プラズマを低減し、プラズマ点火などを低減する。いくつかの例では、パージガスは、ベースプレート504の下方、および/または、ステム532を通って上方の容積内、ならびにスカートリングアセンブリ528と基板支持体500との間の隙間内に提供されてもよい。パージガスは、プロセス材料が処理容積から隙間内に漏れないようにする。したがって、ベースプレート504およびヒートスプレッダ512の表面は、プロセス材料および寄生プラズマからさらに保護される。さらに、隙間内およびベースプレート504の裏面におけるプラズマ点火が低減される。
【0046】
いくつかの例では、ヒートスプレッダは、連続するヒートスプレッダ層であってもよい。ヒートスプレッダは、所望の温度分布パターンを提供するために、特定の形状または幾何学的形状を有してもよい。
図6Aおよび
図6Bに示すように、例示的なヒートスプレッダ600は、1つまたは複数のリング604を備えてもよい。リング604は、同じ材料または異なる材料で構成されてもよい。例えば、リング604は、それぞれ基板支持体の特定のゾーンに対して所望のCTEsを有する材料で構成されてもよい。
図6Bに示すように、ヒートスプレッダ600は、リング604と接続する放射状スポーク608をさらに含む。このように、ヒートスプレッダ600は、特定のゾーンベースの(例えば、半径方向または方位角の)NUを補償するように構成されてもよい。
【0047】
前述の説明は、本質的に単なる例示的であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図は全くない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施可能である。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更が明白となるので、本開示の真の範囲は、そのような例に限定されるべきではない。方法内の1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のうちいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが、たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていなくても可能である。すなわち、説明した実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲内に留まる。
【0048】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」を含む、様々な用語を使用して説明される。上記開示において、第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るだけでなく、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用する場合、A、B、およびCのうち少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用する、論理(AまたはBまたはC)を意味するものと解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味するものと解釈されるべきではない。
【0049】
いくつかの実施態様では、コントローラは、システムの一部であり、上述した例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれる場合があり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブパーツを制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示のプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールへのウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出が挙げられる。
【0050】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であって、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハのダイの製造中に1つまたは複数の処理ステップを達成してもよい。
【0051】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合しているか、結合しているか、そうでない場合はシステムにネットワーク接続されているか、またはそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であっても結合していてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよく、ファブホストコンピュータシステムのすべてまたは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にし、製造動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定する、あるいは新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供できる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実行される処理ステップの各々に対するパラメータを特定する。パラメータは、実行されるプロセスの種類およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、互いにネットワーク接続され、本明細書に記載のプロセスおよび制御など、共通の目的に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことなどによって、分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの一例としては、(プラットフォームレベルでまたはリモートコンピュータの一部としてなど)遠隔配置され、チャンバ上のプロセスを制御するように結合する1つまたは複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられるであろう。
【0052】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか、または使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0053】
上述したように、ツールによって実行される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュールのうちの1つまたは複数、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体生産工場内のツール場所および/またはロードポートへウエハの容器を搬入出する材料移送に使用されるツールと通信してもよい。本開示は、以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
基板支持体用のベースプレートであって、
前記ベースプレートを選択的に加熱するように構成されたヒーター層と、
前記ヒーター層と前記ベースプレートの上面との間に配置されたヒートスプレッダであって、前記ヒーター層によって提供される熱を前記ベースプレート全体に分散させるように構成されるヒートスプレッダと
を備え、
前記ベースプレートは、第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含み、
前記ヒートスプレッダは、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEと前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含む、ベースプレート。
[形態2]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記ヒーター層は、抵抗性発熱体を含む、ベースプレート。
[形態3]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記第1の材料は、誘電体である、ベースプレート。
[形態4]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記第2の材料は、炭素、熱分解グラファイト、モリブデン-グラファイト、およびダイヤモンドのうち少なくとも1つを含む、ベースプレート。
[形態5]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記第2のCTEは、前記第1のCTEとは異なる、ベースプレート。
[形態6]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記第2のCTEは、前記第1のCTEよりも大きい、ベースプレート。
[形態7]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、前記第2のCTEを有する内層と、前記第1のCTEから前記第2のCTEの間にある第3のCTEを有する第3の材料を含む外層とを含む、ベースプレート。
[形態8]
形態7に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、前記内層と前記外層との間に配置された中間層を含む、ベースプレート。
[形態9]
形態1に記載のベースプレートであって、
(i)前記ヒートスプレッダと前記ベースプレートの前記上面との間、および(ii)前記ヒートスプレッダと前記ヒーター層との間のうち少なくとも一方に配置された複数の界面層をさらに含む、ベースプレート。
[形態10]
形態9に記載のベースプレートであって、
前記複数の界面層は、前記第1のCTEから前記第2のCTEの間にある第3のCTEを有する第3の材料を含む、ベースプレート。
[形態11]
形態9に記載のベースプレートであって、
前記複数の界面層のうちの個々の層は、前記第1の材料の層と交互になっている、ベースプレート。
[形態12]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、等方性である、ベースプレート。
[形態13]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記ヒートスプレッダは、異方性熱伝導率および異方性CTEのうち少なくとも一方を有する、ベースプレート。
[形態14]
形態1に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートは、傾斜機能材料(FGM)をさらに含む、ベースプレート。
[形態15]
基板処理システムのための基板支持体であって、
傾斜機能材料(FGM)を含むベースプレートであって、前記FGMは、誘電体材料と傾斜フィラー材料とを含むベースプレートと、
前記ベースプレート内に埋め込まれたヒートスプレッダであって、前記ベースプレート全体に熱を分散させるように構成され、かつ第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有するヒートスプレッダと、
を備え、
前記FGMは、第2のCTEと第2の熱伝導率とを有する、基板支持体。
[形態16]
形態15に記載の基板支持体であって、
前記FGMは、傾斜機能セラミックス(FGC)である、基板支持体。
[形態17]
形態16に記載の基板支持体であって、
前記FGCは、セラミックス基複合(CMC)材料である、基板支持体。
[形態18]
形態15に記載の基板支持体であって、
前記FGMの前記第2のCTEは、垂直方向において変化する、基板支持体。
[形態19]
形態16に記載の基板支持体であって、
前記第1のCTEは、前記第2のCTEとは異なる、基板支持体。
[形態20]
基板処理システムのための基板支持体であって、
第1の熱膨張係数(CTE)と第1の熱伝導率とを有する第1の材料を含むベースプレートと、
前記ベースプレート内に埋め込まれたヒーター層と、
前記ベースプレート上に配置されたヒートスプレッダであって、前記ヒーター層で発生した熱を横方向に広げるように構成され、かつ第2のCTEと前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率とを有する第2の材料を含むヒートスプレッダと、
前記ヒートスプレッダ上に配置されたキャップ層と
を備える、基板支持体。