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特許7717239アプリケーションプログラム、システム、及び管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-24
(45)【発行日】2025-08-01
(54)【発明の名称】アプリケーションプログラム、システム、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20250725BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024125212
(22)【出願日】2024-07-31
【審査請求日】2024-12-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217113
【弁理士】
【氏名又は名称】高坂 晶子
(72)【発明者】
【氏名】岡 幸歩
(72)【発明者】
【氏名】中須賀 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山田 真緒
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特許第7506281(JP,B1)
【文献】特開2007-323125(JP,A)
【文献】特開2005-030992(JP,A)
【文献】特開2010-092440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置に、前記ユーザに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を示すフェーズデータを取得させ、
前記端末装置に、前記ユーザにより操作される入力ボタンを含む初期画面を表示させ、
前記端末装置により、前記ユーザにより行われた前記入力ボタンに対する第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が複数の前記フェーズのいずれに該当するかを判定させ、判定結果に応じて、前記ユーザの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行わせる、アプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記端末装置により、前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置に、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行わせる
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
前記調整処理は、前記入力画面において表示される情報入力用の項目の順番を変更することを含む、
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記端末装置により、前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置に、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行わせ
前記通知処理は、前記入力画面において表示される順番が、前記第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズにおいて表示されていた順番よりも上に移動した項目を前記ユーザに認識させることを含む、
請求項3に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
前記調整処理は、前記入力画面において表示される情報入力用の項目毎の表示サイズを変更することを含む、
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項6】
前記端末装置により、前記ユーザにより行われた前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置に、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行わせ
前記通知処理は、前記入力画面における表示サイズが、前記第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズにおける表示サイズよりも大きくなった項目を前記ユーザに認識させることを含む、
請求項5に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項7】
前記調整処理は、前記入力画面において表示される情報入力用の項目毎の色を変更することを含む、
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記端末装置により、前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置に、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行わせ
前記項目毎の色を変更することは、前記項目を選択的にハイライトすることを含み、
前記通知処理は、前記第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズが変わる前にはハイライトされていなかった項目であって、前記入力画面において新たにハイライトされた項目を前記ユーザに認識させることを含む、
請求項7に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項9】
前記ユーザにより入力された前記情報に基づいて、前記判定結果として示されるフェーズを変更する、
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項10】
前記入力画面における入力項目ごとに各フェーズに対応して重要度が付与されており、
前記調整処理を、前記重要度に応じて行わせる
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項11】
前記端末装置に、前記ユーザにより前記入力画面において行われた操作の、フェーズごとの履歴を参照させ、
前記調整処理を、前記履歴に応じて行わせる
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項12】
前記端末装置に、前記ユーザが前記スケジュールに関して行う行動として予め登録しているアクションを示すアクションデータを更に取得させ、
前記端末装置に、前記アクションデータを参照させ、前記アクションに応じて、前記ユーザに当該アクションの結果を記録させるための設定ボタンを、前記入力画面において表示される情報入力用の項目に優先して表示させる、
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項13】
前記ユーザに情報を入力させるタイミングが予め定められており、
前記タイミングを過ぎても前記入力ボタンに対する操作が検出されない場合に、前記端末装置に、前記ユーザに対して入力を促すためのメッセージを表示させる、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のアプリケーションプログラムが格納された端末装置と、
前記端末装置からのリクエストに応じて、所定の日付に基づいて前記スケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を算出し、算出されたフェーズの時期を示すフェーズデータを生成し、生成されたフェーズデータを前記端末装置に提供する情報処理装置と
を備えるシステム。
【請求項15】
情報処理装置により、ユーザにより入力された所定の日付に基づいて前記ユーザに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を算出することと、
前記情報処理装置により、算出されたフェーズの時期を示すフェーズデータを生成し、生成されたフェーズデータを前記ユーザの端末装置に提供することと、
前記ユーザの端末装置により、前記情報処理装置から前記フェーズデータを取得することと、
前記端末装置により、前記ユーザにより操作される入力ボタンを含む初期画面を表示することと、
前記端末装置により、前記ユーザにより行われた前記入力ボタンに対する第1操作を検出することと、
前記端末装置により、前記フェーズデータを参照して、前記第1操作が検出された日の日付が複数の前記フェーズのいずれに該当するかを判定し、判定された結果に応じて、前記ユーザの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行うことと
を含む管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アプリケーションプログラム、システム、及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者を心身の傾向に応じた複数のタイプのいずれかに分類した結果に基づいて、利用者に対する提案行動を決定し、決定された提案行動に関する情報と、当該提案行動の実行を促す内容の記事を利用者に提供する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-031460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートフォンなどの端末装置にインストールされたアプリケーションを用いてユーザのスケジュールを管理することが行われている。スケジュールは、例えば、ユーザの月経周期、トレーニングの予定、及び勉強の予定などである。このようなアプリケーションでは、ユーザにより入力された情報に基づいて、ユーザに提案を行う。ユーザは、適切な提案を受けるために、ユーザに関する情報の入力忘れ及び/又は登録ミスなどを防止する必要がある。しかしながら、ユーザにとって、情報を登録する際の入力操作が面倒であると、情報の入力忘れ及び/又は登録ミスなどにつながるため、改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、ユーザが情報を入力する際の利便性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、
ユーザの端末装置に、前記ユーザに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を示すフェーズデータを取得させ、
前記端末装置に、前記ユーザにより操作される入力ボタンを含む初期画面を表示させ、
前記端末装置により、前記ユーザにより行われた前記入力ボタンに対する第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が複数の前記フェーズのいずれに該当するかを判定させ、判定結果に応じて、前記ユーザの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行う。
【0007】
(2)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)に記載のアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置により、前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置により、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行う。
【0008】
(3)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)又は(2)に記載のアプリケーションプログラムであって、
前記調整処理は、前記入力画面において表示される情報入力用の項目の順番を変更することを含む。
【0009】
(4)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(3)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置により、前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置により、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行い、
前記通知処理は、前記入力画面において表示される順番が、前記第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズにおいて表示されていた順番よりも上に移動した項目を前記ユーザに認識させることを含む。
【0010】
(5)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(4)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記調整処理は、前記入力画面において表示される項目毎の表示サイズを変更することを含む。
【0011】
(6)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(5)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置により、前記ユーザにより行われた前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置により、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行い、
前記通知処理は、前記入力画面における表示サイズが、前記第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズにおける表示サイズよりも大きくなった項目を前記ユーザに認識させることを含む。
【0012】
(7)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(6)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記調整処理は、前記入力画面において表示される項目毎の色を変更することを含む。
【0013】
(8)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(7)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置により、前記第1操作が検出されると、前記端末装置に、前記フェーズデータを参照させて、前記第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズが、前記第1操作よりも前に行われた第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズと異なるかどうかを判定させ、異なると判定された場合に、前記端末装置により、前記入力画面の表示が調整されたことを前記ユーザに知らせるための通知処理を行い、
前記項目毎の色を変更することは、前記項目を選択的にハイライトすることを含み、
前記通知処理は、前記第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズが変わる前にはハイライトされていなかった項目であって、前記入力画面において新たにハイライトされた項目を前記ユーザに認識させることを含む。
【0014】
(9)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(8)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記ユーザにより入力された前記情報に基づいて、前記判定結果として示されるフェーズを変更する。
【0015】
(10)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(9)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記入力画面における入力項目ごとに各フェーズに対応して重要度が付与されており、
前記調整処理を、前記重要度に応じて行う。
【0016】
(11)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(10)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置に、前記ユーザにより前記入力画面において行われた操作の、フェーズごとの履歴を参照させ、
前記調整処理を、前記履歴に応じて行う。
【0017】
(12)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(11)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置に、前記ユーザが前記スケジュールに関して行う行動として予め登録しているアクションを示すアクションデータを更に取得させ、
前記端末装置に、前記アクションデータを参照させ、前記アクションに応じて、前記ユーザに当該アクションの結果を記録させるための設定ボタンを、前記入力画面において表示される情報入力用の項目に優先して表示させる。
【0018】
(13)本開示の一実施形態に係るアプリケーションプログラムは、(1)から(12)のいずれかに記載のアプリケーションプログラムであって、
前記ユーザに情報を入力させるタイミングが予め定められており、
前記タイミングを過ぎても前記入力ボタンに対する操作が検出されない場合に、前記端末装置に、前記ユーザに対して入力を促すためのメッセージを表示させる。
【0019】
(14)本開示の一実施形態に係るシステムは、
(1)から(13)のいずれか1項に記載のアプリケーションプログラムが格納された端末装置と、
前記端末装置からのリクエストに応じて、所定の日付に基づいて前記スケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を算出し、算出されたフェーズの時期を示すフェーズデータを生成し、生成されたフェーズデータを前記端末装置に提供する情報処理装置と
を備える。
【0020】
(15)本開示の一実施形態に係る管理方法は、
情報処理装置により、ユーザにより入力された所定の日付に基づいて前記ユーザに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を算出することと、
前記情報処理装置により、算出されたフェーズの時期を示すフェーズデータを生成し、生成されたフェーズデータを前記ユーザの端末装置に提供することと、
前記ユーザの端末装置により、前記情報処理装置から前記フェーズデータを取得することと、
前記端末装置により、前記ユーザにより操作される入力ボタンを含む初期画面を表示することと、
前記端末装置により、前記ユーザにより行われた前記入力ボタンに対する第1操作を検出することと、
前記端末装置により、前記フェーズデータを参照して、前記第1操作が検出された日の日付が複数の前記フェーズのいずれに該当するかを判定し、判定された結果に応じて、前記ユーザの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行うことと
を含む。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、ユーザが情報を入力する際の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
図5】本開示の一実施形態に係る端末装置に表示される初期画面の例を示す図である。
図6】本開示の一実施形態に係る端末装置に表示される入力画面の例を示す図である。
図7】本開示の一実施形態に係る端末装置に表示される入力画面の例を示す図である。
図8】本開示の一実施形態に係る端末装置に表示される入力画面の例を示す図である。
図9】本開示の一実施形態に係る端末装置に表示される入力画面の例を示す図である。
図10】本開示の一実施形態に係る端末装置に表示される入力画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一実施形態について、図を参照して説明する。
【0024】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0025】
図1を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0026】
システム10は、少なくとも1台の端末装置20と、少なくとも1台の情報処理装置30とを備える。なお、端末装置20、情報処理装置30は、それぞれ複数台あってもよい。
【0027】
端末装置20は、ネットワーク40を介して情報処理装置30と通信可能である。
【0028】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの任意の組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0029】
端末装置20は、ユーザUによって保持される。端末装置20は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、若しくはウェアラブルデバイス(例えばスマートウォッチ)などのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0030】
情報処理装置30は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置30は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0031】
なお、図1では、情報処理装置30がネットワーク40により端末装置20と接続されているが、情報処理装置30の機能は、端末装置20に搭載されてもよい。
【0032】
図1を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0033】
本実施形態において、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールを管理するアプリケーションプログラムがインストールされている。アプリケーションプログラムは、ユーザUに関わるスケジュールとして任意のものを管理することができる。例えば、アプリケーションプログラムは、ユーザUの月経周期、トレーニングの予定、又は勉強の予定等を管理するように設計することができる。
【0034】
ユーザに関わるスケジュールのフェーズごとに、ユーザが優先的に入力したいと考える情報の項目の優先順位は異なる可能性がある。例えば、ユーザに関わるスケジュールとして月経周期が管理されている場合、ユーザは、「月経期」には、「経血量」及び「生理痛」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。また、ユーザが妊娠を望んでいるのであれば、「排卵期」において、例えば、「性行為の有無」及び「排卵痛の有無」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。あるいは、ユーザに関わるスケジュールとしてトレーニングの予定が管理されている場合、ユーザは、例えば、「疲労期」には、例えば、「トレーニング内容」及び「負荷の大きさ」等の項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。一方で、「回復期」には、例えば、「睡眠時間」及び「タンパク質摂取量」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。ユーザに関わるスケジュールとして勉強の予定が管理されている場合、ユーザは、「試験期間」の前には、「勉強時間」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。また、「夏季休暇」中には、「宿題リスト」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。しかしながら、スマートフォンなどの端末装置にインストールされたアプリケーションを用いてこれらの項目を記録しようとする場合に、入力画面において表示される項目は多岐にわたる。よって、ユーザは、入力したい項目にたどり着くまで入力画面をスクロールするなどして探さなければならず、手間がかかっていた。
【0035】
本実施形態において、端末装置20は、ユーザUに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズPHの時期を示すフェーズデータD1を取得する。フェーズデータD1は、情報処理装置30により生成される。情報処理装置30は、ユーザUにより入力された所定の日付に基づいてユーザUに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズPHの時期を算出し、算出されたフェーズPHの時期を示すデータをフェーズデータD1として生成する。情報処理装置30は、生成したフェーズデータD1を端末装置20に提供する。端末装置20は、情報処理装置30からフェーズデータD1を取得する。ユーザUがアプリケーションプログラムを起動させると、端末装置20のディスプレイには、初期画面が表示される。初期画面は、ユーザUにより操作される入力ボタンの表示を含む。端末装置20は、ユーザUにより行われた入力ボタンに対する第1操作を検出する。端末装置20は、第1操作を検出すると、フェーズデータD1を参照し、第1操作が検出された日の日付が複数のフェーズPHのいずれに該当するかを判定する。そして、端末装置20は、判定結果に応じて、ユーザUの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行う。
【0036】
本実施形態によれば、ユーザUに関わるスケジュールのフェーズPHに応じて、入力画面の表示が調整される。具体的には、ユーザUにより行われた入力ボタンに対する操作が検出された時期に応じて、入力画面において入力すべき項目の配置が、ユーザUが入力しやすいように変更される。よって、ユーザUは、入力画面をスクロールしなくても、ユーザUが入力したいと考える項目を見つけることができるので、入力したい項目を探す手間を省くことができる。よって、ユーザUが情報を入力する際の利便性が向上する。
【0037】
図2を参照して、本実施形態に係る端末装置20の構成を説明する。
【0038】
端末装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0039】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、端末装置20の各部を制御しながら、端末装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0040】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、端末装置20の動作に用いられるデータと、端末装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態において、記憶部22には、フェーズデータD1が記憶されている。記憶部22には、入力用アイコンの項目ごとに付与された重要度Rを各フェーズと対応付けて示す重要度データD2が記憶されていてもよい。また、記憶部22には、ユーザUが月経周期に関して行う行動として予め登録しているアクションを示すアクションデータD3が記憶されていてもよい。重要度データD2及びアクションデータD3については後述する。さらに、記憶部22には、ユーザUにより入力画面において行われた入力用アイコンを選択する操作の履歴が、フェーズごとに記憶されていてもよい。
【0041】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、端末装置20の動作に用いられるデータを受信し、また端末装置20の動作によって得られるデータを送信する。本実施形態において、通信部23は、情報処理装置30と通信を行う。
【0042】
入力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声センサである。入力部24は、端末装置20の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部24は、端末装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。本実施形態では、入力部24はタッチスクリーンである。
【0043】
出力部25は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、端末装置20の動作によって得られるデータを出力する。出力部25は、端末装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。本実施形態では、出力部25はディスプレイである。
【0044】
端末装置20の機能は、本実施形態に係るアプリケーションプログラムを、制御部21としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。アプリケーションプログラムは、端末装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、アプリケーションプログラムに従って端末装置20の動作を実行することにより端末装置20として機能する。
【0045】
アプリケーションプログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。アプリケーションプログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにアプリケーションプログラムを転送することにより、アプリケーションプログラムを流通させてもよい。アプリケーションプログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0046】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたアプリケーションプログラム又はサーバから転送されたアプリケーションプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったアプリケーションプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体からアプリケーションプログラムを直接読み取り、アプリケーションプログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからアプリケーションプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったアプリケーションプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのアプリケーションプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。アプリケーションプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0047】
端末装置20の一部又は全ての機能が、制御部21としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0048】
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置30の構成を説明する。
【0049】
情報処理装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを備える。
【0050】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部31は、情報処理装置30の各部を制御しながら、情報処理装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0051】
記憶部32は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、情報処理装置30の動作に用いられるデータと、情報処理装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。情報処理装置30の動作によって得られたデータには、端末装置20から受信したデータが含まれてよい。本実施形態において、記憶部32には、例えば、ユーザUにより登録された月経開始日及びユーザUの月経周期日数など、ユーザUの月経周期に含まれる複数のフェーズPHの時期を算出するのに必要な情報などが記憶されている。
【0052】
通信部33は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部33は、端末装置20と通信を行う。通信部33は、情報処理装置30の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置30の動作によって得られるデータを送信する。
【0053】
情報処理装置30の機能は、本実施形態に係る情報処理プログラムを、制御部31としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、情報処理装置30の機能はソフトウェアにより実現される。情報処理プログラムは、情報処理装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを情報処理装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、情報処理プログラムに従って情報処理装置30の動作を実行することにより情報処理装置30として機能する。
【0054】
情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。情報処理プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータに情報処理プログラムを転送することにより、情報処理プログラムを流通させてもよい。情報処理プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0055】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶された情報処理プログラム又はサーバから転送された情報処理プログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納された情報処理プログラムをプロセッサで読み取り、読み取った情報処理プログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から情報処理プログラムを直接読み取り、情報処理プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバから情報処理プログラムが転送される度に、逐次、受け取った情報処理プログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへの情報処理プログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。情報処理プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。
【0056】
情報処理装置30の一部又は全ての機能が、制御部31としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0057】
図4図10を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る管理方法に相当する。すなわち、本実施形態に係る管理方法は、図4に示したS1からS7のステップを含む。以下、フローチャートの各ステップをSと数字で特定する。
【0058】
上述の通り、本実施形態において、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールを管理するアプリケーションプログラムがインストールされている。以下、実例として、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールとして、ユーザUの月経周期を管理するためのアプリケーションプログラムがインストールされている場合について説明する。「実例」とは、本開示を限定するためではなく、本実施形態の理解を助けるための例のことである。よって、本実施形態に係るアプリケーションプログラムは、ユーザUの月経周期を管理するものに限定されず、例えば、ユーザUに関わるスケジュールとして、ユーザUのトレーニングの予定、又はユーザUの勉強の予定を管理するものであってよい。
【0059】
ここで、月経周期とは、月経の開始日から次の月経が開始する前日までの日数のことをいう。月経周期は、主にエストロゲン、プロゲステロンなどの女性ホルモンの相互作用によって調節されており、複数の異なるフェーズPHとして、月経期、卵胞期、排卵期、及び黄体期の4つのフェーズを含んで成り立っている。「卵胞期」は、卵巣からのエストロゲンの分泌量が徐々に増え、それに伴って子宮の中で子宮内膜が徐々に増殖していく時期である。エストロゲンの分泌量がピークに達すると脳から指令が出て、卵巣内にある卵胞から卵子が飛び出す排卵が起こる。この期間が「排卵期」である。排卵後から次の月経までの期間は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が多くなる「黄体期」である。この「黄体期」には、プロゲステロンによって子宮内膜が成熟し、妊娠しやすい状態に整えられる。そして、この段階で妊娠が成立すれば、子宮内膜の一部は胎児を育てるための胎盤を支え、妊娠しなかった場合は子宮内膜を体外に排出して子宮内をリセットする。これが「月経」で、この「月経期」の後にまた「卵胞期」が繰り返される。月経周期は月経開始日から起算され、この4つのフェーズを1サイクルとして、一般に、25~38日の月経周期日数で繰り返される。よって、月経開始日とユーザUの月経周期日数とに基づいて、各フェーズの時期及び次の月経開始予定日を算出することができる。
【0060】
月経周期は女性ホルモンの相互作用によって調節されているため、正常な月経周期を保つには、女性ホルモンの分泌バランスを崩さないようにすることが肝要である。しかしながら、女性ホルモンの分泌バランスは、例えば、ストレス、睡眠不足、及び体調不良などによって乱れがちである。一方で、女性ホルモンの変動の影響で体調を崩すこともある。よって、月経周期を管理する上で、月経周期のフェーズごとに、ユーザUの症状、体調、その他の心身の状態を記録することは有用である。また、ストレス及び睡眠不足の直接的又は間接的な原因を探る上で、ユーザUの心身の状態として、例えば、月経周期に関連するユーザUの行動又はイベント等を記録することも有用である。
【0061】
月経周期に関連してユーザUが記録したいと考える情報は、各フェーズに応じて異なる。「月経期」には、ユーザUは、例えば「経血量」及び「生理痛」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。また、ユーザUが妊娠を望んでいるのであれば、「排卵期」において、例えば、「性行為の有無」及び「排卵痛の有無」などの項目を他の項目に優先して記録したい可能性がある。
【0062】
また、月経周期のフェーズごとに特有の起こり易い症状があることが知られている。例えば、「月経期」には、プロゲステロンとエストロゲンの分泌が急激に低下し、身体に様々な変化が生じる。体温が下がることによって、体全体の血行が悪くなり、例えば、冷え、頭痛、胃の痛み、生理痛などを感じることがある。月経の出血によって貧血気味になり身体のだるさをおぼえることもある。よって、ユーザUは、「月経期」には、上述した「経血量」及び「生理痛」のほか、「体調」などを優先的に記録したい可能性がある。また、「卵胞期」には、エストロゲンの分泌量が増えて心も体も安定し、さらに、エストロゲンの働きによって脂肪燃焼が期待できるため、ダイエット(減量)に取り組みやすい時期と言われている。よって、ユーザUは、「卵胞期」において、「ダイエット」に関する行動を優先的に記録したい可能性がある。「ダイエットに関する行動」には、例えば、何を食べたか、あるいは運動をしたかなど、体重減少に繋がる行動又は体重減少の阻害となる行動が含まれる。「黄体期」には、エストロゲンの血中濃度は高いまま、多量のプロゲステロンが分泌され、エストロゲンとプロゲステロンの血中濃度が上昇する。後半にはエストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に減少し、心身に様々な変化が生じる。この時期は、精神的にも憂鬱になりやすい時期であり、例えば、月経前に特有の症状として、イライラ、情緒不安定、頭痛など様々な精神的・身体的な不調が起こる「月経前症候群(PMS)」が知られている。よって、「黄体期」には、「月経前症候群」に含まれる各種の症状を優先的に記録できれば便利である。
【0063】
このように、月経周期のフェーズごとに、ユーザUが優先的に入力したいと考える項目は異なる。しかしながら、スマートフォンなどの端末装置にインストールされたアプリケーションを用いてこれらの項目を記録しようとする場合に、入力画面において表示される項目が多岐にわたる。ユーザUは、入力したい項目にたどり着くまで入力画面をスクロールするなどして探さなければならず、手間がかかっていた。そこで、本実施形態において、システム10は次のように動作する。
【0064】
図4のS1において、端末装置20の制御部21は、フェーズデータD1を取得する。本実施形態において、フェーズデータD1は、ユーザUの月経周期に含まれる複数の異なるフェーズPHの時期であって、ユーザUにより入力された月経開始日に基づいて算出されるフェーズPHの時期を示すデータである。フェーズデータD1は任意の手順で取得されてよいが、本実施形態では、次のような手順で取得される。端末装置20の制御部21は、ユーザUにより行われた月経開始日を登録するための登録操作を受け付ける。端末装置20の制御部21は、登録された月経開始日を示すデータを、通信部23を介して情報処理装置30に送信する。情報処理装置30の制御部31は、端末装置20から送信されたデータで示されるユーザUにより登録された月経開始日に基づいて、ユーザUの月経周期に含まれる複数の異なるフェーズPHの時期をそれぞれ算出する。具体的には、制御部31は、ユーザUの月経周期の始期として、登録された月経開始日を起算日とし、記憶部32に記憶された情報で示されるユーザUの月経周期の日数などに基づいて、月経周期に含まれる複数の複数の異なるフェーズPHの時期を算出する。制御部31は、算出されたフェーズPHの時期を示すデータをフェーズデータD1として生成する。情報処理装置30は、生成されたフェーズデータD1を、通信部33を介して端末装置20に送信する。端末装置20の制御部21は、情報処理装置30から送信されたフェーズデータD1を、通信部23を介して受信する。このようにして、端末装置20の制御部21はフェーズデータD1を取得する。あるいは、端末装置20の記憶部22にフェーズデータD1を記憶しておき、制御部21は、記憶部22からフェーズデータD1を読み出すことにより、フェーズデータD1を取得してもよい。
【0065】
図4のS2において、端末装置20の制御部21は、出力部25に初期画面を表示させる。初期画面は、ユーザUに操作される入力ボタンを含む。入力ボタンは、ユーザUの月経周期に伴うユーザUの情報を入力するための入力画面を表示させるためのボタンである。ユーザUの月経周期に伴うユーザUの情報には、例えば、ユーザUの心身の状態が含まれる。ユーザUの心身の状態には、ユーザUの症状、体調などのほか、ユーザUの行動又はイベントなどが含まれ得る。図5に、端末装置20の出力部25としてのディスプレイに表示された初期画面の例を示す。
【0066】
本実施形態では、ユーザUがアプリケーションを開くと、端末装置20の出力部25としてのディスプレイに初期画面が表示される。図5に示すように、初期画面には、入力部24として入力ボタンが表示される。図5において、初期画面には、更に、「月経開始日」、「月経終了予定日」、「排卵予定日」、「次の月経開始予定日」、及び「月経周期日数」などの、ユーザUの月経周期に関する項目が表示されている。ただし、これらの項目は例示であり、適宜変更及び/又は省略が可能である。また、ユーザUの月経周期に関する情報として、例えば、「妊娠可能性」などが更に表示されてもよい。図5において、「月経開始日:4月08日」という表示は、ユーザUについて登録された月経開始日が4月08日であることを示す。「月経終了予定日:4月13日」、「排卵予定日:4月21日」、「次の月経開始予定日:5月06日」という表示は、月経終了予定日が4月13日であり、排卵予定日が4月21日であり、次の月経開始予定日が5月6日であることを示す。月経終了予定日、排卵予定日、及び次の月経開始予定日は、例えば、登録された月経開始日を起算日とし、記憶部32に記憶された情報で示されるユーザUの月経周期の日数などに基づいて算出することができる。また、月経周期日数として「28日」という日数が表示されている。月経周期日数は、一般的な目安とされる標準の日数である。あるいは、月経周期日数は、ユーザUの前回の月経周期の日数、又は過去複数回の月経周期の平均日数であってもよい。
【0067】
図4のS3において、端末装置20の制御部21は、ユーザUにより行われた入力ボタンに対する第1操作を検出する。ユーザUにより行われた入力ボタンに対する第1操作は、任意の操作であってよいが、例えば、ユーザUが入力ボタンをタッチする操作又は押下する操作である。
【0068】
図4のS4おいて、端末装置20の制御部21は、S3で検出された第1操作が行われた日の日付が、フェーズPHのいずれに該当するかを判定する。具体的には、制御部21は、S1において取得したフェーズデータD1を参照する。そして、制御部21は、ユーザUにより行われた第1操作が検出された日の日付が、フェーズデータD1で示されるフェーズPHのいずれの時期に該当するかを判定する。
【0069】
図4のS5において、端末装置20の制御部21は、S4での判定結果に応じて、入力画面の表示を調整する調整処理を行う。入力画面は、初期画面において入力ボタンが操作されると、端末装置20の出力部25に表示される画面である。本実施形態では、端末装置20の出力部25としてのディスプレイに表示された初期画面における入力ボタンが操作されたことが制御部21により検知されると、出力部25における表示が初期画面から入力画面に遷移する。このとき、制御部21は、S3で判定された結果に応じて、入力画面の表示を調整する。調整処理については後述する。その結果、ユーザUにより行われた入力ボタンに対する第1操作が検出された日の日付が該当する時期のフェーズごとに異なる入力画面が出力部25に表示される。
【0070】
図6図9に、フェーズごとに調整された入力画面の表示の例を示す。図6図9に示すように、入力画面には、情報入力用の項目が表示される。本実施形態では、ユーザUに月経周期に伴う心身の状態を選択させるための複数の入力用アイコンが表示される。入力画面は、ユーザUにより操作される登録ボタンを含む。登録ボタンは、ユーザUが複数の入力用アイコンにより選択した状態を登録するためのボタンである。図6図9に示すように、入力画面には、入力部24として登録ボタンが表示される。例えば、登録ボタンは、入力画面の端部に常に表示される。本実施形態において、ユーザUは、複数の入力用アイコンの中から自身の状態に当てはまるものを選択し、入力部24としての登録ボタンを操作することで、自身の状態を登録できる。登録ボタンの操作は、例えば、ユーザUが登録ボタンをタッチする操作又は押下する操作である。仮に登録ボタンが複数の入力用アイコンの表示領域よりも下(例えば、入力画面の最下部)に配置されている場合、ユーザUは登録ボタンを押すために下にスクロールしなければならないので手間がかかる。これに対して、本実施形態のように入力画面において常に登録ボタンが表示されると、ユーザUは、複数の入力用アイコンのうち必要な入力用アイコンのみを入力した時点で速やかに登録ボタンを押すことが可能となる。なお、登録ボタンは、常に表示されなくてもよく、例えばスクロール中に消える、又は入力画面の最下部までスクロールしたら消えるように設定されていてもよい。
【0071】
図6は、S4において、第1操作が検出された日の日付が該当すると判定されたフェーズPH1が「月経期」である場合に表示される入力画面の例である。図6に示すように、入力画面には、フェーズPH1として、「月経期(生理中)」が表示されている。「4月10日(月)」の表示は、S3で検出された第1操作が行われた日の日付である。なお、当該日付は、ユーザUにより変更することができてもよい。ユーザUは、例えば、表示された日付をタッチするか、または、図6に示すように日付表示欄に設けられた下向き三角のボタンをクリックするなどして、過去数日の日付候補をプルダウン形式で表示させる。そして、ユーザUは、表示された日付候補の中から任意の日付を選択することにより、日付を変更してもよい。あるいは、ユーザU1は、所望の日付をテキストで入力する方法により、日付を変更してもよい。このように日付を変更可能とすることにより、ユーザUは、当日だけでなく、過去の日に遡って自身の状態を登録することもできる。図6の入力画面には、入力用アイコンの項目として、「経血量」、「生理痛」、「体調」、「症状」が表示されている。「経血量」という項目について表示される3つの入力用アイコンは、左から、それぞれ、経血量が「多い」、「普通」、「少ない」ことを示す。「生理痛」という項目について示される3つの入力用アイコンは、左から、それぞれ、生理痛が「激痛」、「痛い」、「少し痛い」ことを示す。「体調」という項目について表示される5つの入力用アイコンは、左から、体調が「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」ことを示す。「症状」という項目について表示される4つの入力用アイコンは、左から、症状として、「眠気」、「めまい」、「頭痛」、「むくみ」を示す。
【0072】
図7は、S4において判定されたフェーズPH1が「卵胞期」である場合に表示される入力画面の例である。図7に示すように、入力画面には、フェーズPH1として、「卵胞期(生理後)」が表示されている。「4月14日(金)」の表示は、S3で検出された第1操作が行われた日の日付である。当該日付は、上述の通り、ユーザUにより変更可能であってもよい。図7の入力画面には、入力用アイコンの項目として、「体調」、「気分(メンタル)」、「ダイエット」、「イベント」が表示されている。「体調」という項目について表示される5つの入力用アイコンは、図6に示すものと同様であるため説明を省略する。「気分(メンタル)」という項目について表示される入力用アイコンは、星が5つ表示されており、ユーザUは星の数を選択することにより、5つの星が選択された状態を満点としてユーザUの気分を5段階評価で入力することができる。「ダイエット」という項目について表示される5つの入力用アイコンは、「タンパク質摂取」、「野菜摂取」、「お菓子摂取」、「飲酒」、「運動」であり、ユーザUはダイエットに関する行動を選択することができる。「イベント」という項目について表示される3つの入力用アイコンは、左から、「不正出血」、「通院」、「旅行」を示す。
【0073】
図8は、S4において判定されたフェーズPH1が「排卵期」である場合に表示される入力画面の例である。図8に示すように、入力画面には、フェーズPH1として、「排卵期(妊娠可能時期)」が表示されている。「4月21日(金)」の表示は、S3で検出された第1操作が行われた日の日付である。当該日付は、上述の通り、ユーザUにより変更可能であってもよい。図8の入力画面には、入力用アイコンの項目として、「性行為」、「排卵検査結果」、「排卵痛」、「体調」、「おりもの量」が表示されている。「性行為」という項目について表示される2つの入力用アイコンは、左から、「避妊なし」又は「避妊あり」であることを示す。「排卵検査結果」についての2つの入力用アイコンは、左から、排卵検査薬による検査結果が「陽性」又は「陰性」であることを示す。「排卵痛」についての2つの入力用アイコンは、左から、排卵痛が「有」又は「無」であることを示す。「体調」という項目について表示される5つの入力用アイコンは、図6に示すものと同様であるため説明を省略する。「おりもの量」という項目について表示される3つの入力用アイコンは、左から、おりものの量が「多い」、「普通」、「少ない」を示す。
【0074】
図9は、S4において判定されたフェーズPH1が「黄体期」である場合に表示される入力画面の例である。図9に示すように、入力画面には、フェーズPH1として、「黄体期(生理前)」が表示されている。「5月4日(木)」の表示は、S3で検出された操作が行われた日の日付である。当該日付は、上述の通り、ユーザUにより変更可能であってもよい。図9の入力画面には、入力用アイコンの項目として、「PMS症状」、「気分(メンタル)」、「体調」、「くすり」が表示されている。「PMS症状」という項目について表示される4つの入力用アイコンは、左から、「イライラ」、「眠気」、「食欲」、「肌荒れ」を示す。「気分(メンタル)」という項目について表示される入力用アイコンは、図7に示すものと同様であるため説明を省略する。「体調」という項目について表示される5つの入力用アイコンは、図6に示すものと同様であるため説明を省略する。「くすり」についての1つの入力用アイコンは、例えば「鎮痛剤」であり、ユーザUが鎮痛剤を服用した場合に選択される。
【0075】
なお、図6図9における表示は例示であり、更に多くの種類の入力用アイコンが表示されてもよい。例えば、ユーザUは、各入力用画面を上下にスクロールすることにより、更に別の項目の入力用アイコンを表示させることができてもよい。また、ユーザUは、ある項目についての入力用アイコンが表示されている箇所を更に左右にスクロールすることにより、当該項目について更に別の入力用アイコンを表示させることができてもよい。
【0076】
ユーザUは、入力画面に表示された複数の入力用アイコンの中から所望のアイコンをタップするなどして選択することにより、ユーザUの月経周期に伴う心身の状態を入力できる。例えば、図6の表示の例において、ユーザUは、「経血量」として示される3つの入力用アイコンのいずれかを選択することにより、ユーザUの「経血量」を入力することができる。また、図7又は図9の表示の例において、ユーザUは「気分(メンタル)」として示される星の数を選択することにより、ユーザUの気分を5段階評価で入力することができる。あるいは、図7の表示の例において、ユーザUは、「ダイエット」として示される入力用アイコンのいずれかを選択することにより、ユーザUはダイエットに関する行動を入力することができる。なお、端末装置20の制御部21は、このようにユーザUにより入力された情報に基づいて、S4における判定結果として示されたフェーズPH1を変更してもよい。例えば、S4における判定結果として示されるフェーズPH1が「月経期」である場合であっても、ユーザUにより入力された情報で示される「経血量」が少ないか、又は「経血量」の入力がなかったとする。この場合、制御部21は、ユーザUにより入力された情報に基づいて、S4における判定結果としてのフェーズPH1を「月経期」から、次の「卵胞期」に変更してもよい。本構成によれば、「月経期」から「卵胞期」の切り替えのタイミングを本来の時期よりも前倒しできるので、月経周期が乱れた場合であっても、より正確にフェーズPH1を判定することができる。
【0077】
以上述べたように、ユーザUの月経周期を管理するためのシステム10において、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールを管理するアプリケーションプログラムがインストールされている。情報処理装置30は、端末装置20からのリクエストに応じて、所定の日付に基づいてスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズPHの時期を算出する。具体的には、情報処理装置30は、ユーザUにより入力された月経開始日に基づいて月経周期に含まれる複数の異なるフェーズPHの時期を算出する。情報処理装置30は、算出されたフェーズを示すフェーズデータD1を生成し、生成されたフェーズデータD1をユーザUの端末装置20に提供する。端末装置20は、情報処理装置30からフェーズデータD1を取得する。端末装置20は、ユーザUにより操作される入力ボタンを含む初期画面を表示する。端末装置20は、ユーザUにより行われた入力ボタンに対する第1操作を検出すると、フェーズデータD1を参照して、第1操作が検出された日の日付がフェーズPHのいずれに該当するかを判定する。そして、端末装置20は、判定結果に応じて、ユーザUの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行う。
【0078】
本実施形態によれば、ユーザUにより行われた入力ボタンに対する操作を検出した時期に応じて、入力画面の表示が調整される。すなわち、フェーズごとのユーザUのニーズに応じて、ユーザUが入力すべき項目の配置が、ユーザUが入力しやすいように調整される。よって、ユーザUは、入力画面をスクロールしなくても、ユーザUが入力したい項目を見つけやすくなるので、入力したい項目を探す手間を省くことができる。よって、ユーザUが情報を入力する際の利便性が向上する。
【0079】
ここで、S5における調整処理について詳述する。
【0080】
本実施形態において、調整処理は、重要度Rに応じて行われる。重要度Rは、例えば、入力画面における入力項目ごとに、各フェーズに対応して付与される。すなわち、各フェーズにおいて、他の項目に優先して記録させたい項目の順に、高い重要度Rが付与される。重要度Rの付与は、システム10の管理者により行われてもよいし、ユーザUにより行われてもよい。例えば、「月経期」には、ユーザUに、「経血量」、「生理痛」、「体調」などの項目を、順に他の項目に優先して記録させることが望ましい。よって、「月経期」というフェーズに対応して、「経血量」、「生理痛」、「体調」、「症状」の項目の順に高い重要度Rが付与される。同様に、「卵胞期」というフェーズに対応して、「体調」、「気分(メンタル)」、「ダイエット」、「イベント」の項目の順に高い重要度Rが付与される。「排卵期」というフェーズに対応して、「性行為」、「排卵検査結果」、「排卵痛」、「体調」、「おりもの量」の項目の順に高い重要度Rが付与される。「黄体期」というフェーズに対応して、「PMS症状」、「気分(メンタル)」、「体調」、「くすり」の項目の順に高い重要度Rが付与される。本実施形態において、端末装置20の記憶部22には、このようにして入力用アイコンの項目ごとに付与された重要度Rを各フェーズと対応付けて示す重要度データD2が格納されているものとする。重要度データD2は、記憶部22においてデータベースとして構築されていてもよい。あるいは、重要度データD2は、外部サーバ等に格納されていてもよい。なお、重要度Rの順番は例示であり、ユーザUが優先して記録したい項目が他にある場合などには、ユーザU又はシステム10の管理者等により、適宜変更することができる。なお、本実施形態において、入力画面の表示を調整することは、入力画面において表示される情報入力用の項目の順番を変更することを含む。
【0081】
端末装置20の制御部21は、入力用アイコンの項目ごとに、S4において該当すると判定されたフェーズPH1に対応して付与された重要度Rを参照する。具体的には、制御部21は、重要度データD2を取得し、重要度データD2で示される項目ごとの重要度Rであって、S4において該当すると判定されたフェーズPH1に対応して付与された重要度Rを参照する。重要度データD2は、入力用アイコンの項目ごとに付与された重要度Rを各フェーズと対応付けて示すデータである。重要度データD2は任意の手順で取得されてよい。例えば、制御部21は、記憶部22に記憶された重要度データD2を読み出すことにより、重要度データD2を取得する。あるいは、重要度データD2が外部サーバ等に格納されている場合には、制御部21は、通信部23を介して外部サーバ等と通信を行い、当該外部サーバ等から送信される重要度データD2を受信することにより重要度データD2を取得してもよい。
【0082】
一例として、S4において該当すると判定されたフェーズPH1が「月経期」であったとする。この場合、制御部21は、重要度データD2において「月経期」に対応付けて入力用アイコンの項目ごとに付与された各項目の重要度Rを参照する。ここで、重要度データD2によれば、「月経期」というフェーズに対応して、「経血量」、「生理痛」、「体調」、「症状」の項目について順に高い重要度Rが付与されているとする。よって、制御部21は、「経血量」、「生理痛」、「体調」、「症状」の項目の順に入力用アイコンを配列して入力画面に表示させる。その結果、図6に示すような入力画面が、出力部25としてのディスプレイに表示される。S4において該当すると判定されたフェーズPH1が「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」であった場合も同様に、重要度Rを参照して調整処理が行われる。制御部21は、重要度データD2において、「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」のいずれかの該当するフェーズに対応付けて入力用アイコンの項目ごとに付与された各項目の重要度Rを参照する。そして、制御部21は、付与された重要度Rが高い項目の順に入力用アイコンを配列して入力画面に表示させる。その結果、S4において該当すると判定されたフェーズPH1が、「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」であった場合も同様に、フェーズごとに対応して図7図8、又は図9に示すような入力画面が、出力部25としてのディスプレイに表示される。
【0083】
このように、入力画面における入力項目ごとに各フェーズに対応して重要度Rが付与されており、S5の調整処理は、重要度Rに応じて行われる。具体的には、入力画面において表示される情報入力用の項目の重要度Rが高い順に配列されるように、項目の順番が変更される。
【0084】
S5の調整処理は、ユーザUにより入力画面において行われた操作の、フェーズごとの履歴に応じて行われてもよい。この場合、端末装置20の記憶部22には、ユーザUにより入力画面において行われた入力用アイコンを選択する操作の履歴が、フェーズごとに記憶される。端末装置20の制御部21は、重要度データD2を参照する代わりに、ユーザUにより入力画面において行われた操作の、フェーズごとの履歴を参照する。そして、制御部21は、第1操作が検出された日の日付が該当するフェーズPH1と同様のフェーズにおいて過去に選択された頻度Fが高い入力用アイコンの項目の順に入力用アイコンを配列して入力画面に表示させる制御を行う。例えば、記憶部22に記録された操作の履歴によれば、「月経期」というフェーズにおいて、ユーザUにより入力画面において「経血量」、「生理痛」、「体調」、「症状」の項目について順に高い頻度Fで入力用アイコンを選択する操作が行われていたとする。この場合、S4においてフェーズPH1として判定されたフェーズが「月経期」であったとすると、制御部21は、「経血量」、「生理痛」、「体調」、「症状」の項目の順に入力用アイコンを配列して入力画面に表示させる。その結果、図6に示すような入力画面が、出力部25としてのディスプレイに表示される。S4においてフェーズPH1として判定されたフェーズが「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」であった場合も、同様に、「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」のそれぞれのフェーズごとの履歴を参照して調整処理が行われる。制御部21は、「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」のいずれかの該当するフェーズにおいて、ユーザUにより入力画面において行われた入力用アイコンを選択する操作の履歴を参照する。そして、制御部21は、行われた操作の頻度Fが高い項目の順に入力用アイコンを配列して入力画面に表示させる。その結果、S4において該当すると判定されたフェーズPH1が、「卵胞期」、「排卵期」、又は「黄体期」であった場合も同様に、フェーズごとに対応して図7図8、又は図9に示すような入力画面が、出力部25としてのディスプレイに表示される。
【0085】
このように、端末装置20は、ユーザUにより入力画面において行われた操作の、フェーズごとの履歴を参照する。そして、端末装置20は、調整処理を、履歴に応じて行う。具体的には、端末装置20は、操作が検出された日の日付が該当するフェーズにおいて過去に選択された頻度Fが高い入力用アイコンの項目の順に入力用アイコンを配列して入力画面に表示させる。
【0086】
本構成によれば、ユーザUに関わるスケジュールのフェーズに応じて、入力画面の表示が調整される。例えば、入力画面において表示される情報入力用の項目が重要度R又は頻度Fの高い順に配置される。その結果、入力画面の表示が、ユーザUが入力しやすいように変更される。よって、ユーザUは、入力画面をスクロールしなくても、ユーザUが入力したいと考える項目を見つけることができるので、ユーザUは、入力したい項目を探す手間を省くことができる。したがって、ユーザが情報を入力する際の利便性が向上する。
【0087】
なお、S5の調整処理において、入力画面を調整することは、入力画面において表示される情報入力用の項目毎の表示サイズを変更することを含む。上述のように、調整処理を重要度R又は履歴に応じて行う場合、端末装置20の制御部21は、重要度R又は頻度Fの高い順に、項目の表示サイズを大きくしてもよい。あるいは、入力画面を調整することは、入力画面において表示される情報入力用の項目毎の色を変更することを含んでもよい。具体的には、端末装置20の制御部21は、重要度R又は頻度Fが所定の閾値以上である項目を選択的にハイライトしてもよい。
【0088】
本実施形態の変形例として、S3において検出された第1操作よりも前に第2操作が行われている場合に、端末装置20の制御部21は、S4において判定されたフェーズPH1が、第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズPH2と異なるかどうかを判定してもよい。そして、制御部21は、フェーズPH1とフェーズPH2とが異なると判定された場合に、入力画面の表示が調整されたことをユーザUに知らせるための通知処理を行ってもよい。具体的には、図4のS6及びS7の処理を更に行ってもよい。
【0089】
本変形例の前提として、端末装置20の記憶部22には、第1操作よりも前に行われた入力ボタンの操作の履歴が記憶されているものとする。履歴には、各操作が行われた日の日付が含まれる。
【0090】
図4のS6において、端末装置20の制御部21は、記憶部22に記憶された操作の履歴を参照し、第1操作よりも1つ前に行われた操作である第2操作が検出された日の日付を判定する。そして、制御部21は、フェーズデータD1を参照して、第1操作が行われた日の日付が該当するフェーズPH1が、第2操作が検出された日の日付が該当するフェーズPH2と異なるかどうかを判定する。フェーズPH1が、フェーズPH2と異なると判定された場合には、S7の処理が行われる。フェーズPH1とフェーズPH2が同じであると判定された場合には図4の処理が終了する。
【0091】
図4のS7において、端末装置20の制御部21は、入力画面の表示が調整されたことをユーザUに知らせるための通知処理を行う。一例として、フェーズPH1が「卵胞期」であり、フェーズPH2が「月経期」である場合、制御部21は、通知処理として、フェーズが変わったことをユーザUに知らせるための通知を行う。制御部21は、「月経期から卵胞期に変わりました!」というメッセージM1を含む通知Nを作成し、通知Nを、図10に示すように入力画面上にバナーとして表示させる。制御部21は、通知Nを、入力画面において表示される情報入力用の各項目よりも更に上に表示させてもよい。あるいは、制御部21は、初期画面から入力画面に遷移するまでの間に、通知Nを別画面にて表示させることにより、表示させてもよい。制御部21は、通知Nに含まれるメッセージM1を、例えば、出力部25としてのスピーカを介して音声で出力することにより、通知処理を行ってもよい。
【0092】
図4のS7における通知処理は、入力画面において表示される順番が、フェーズPH2において表示されていた順番よりも上に移動した項目をユーザUに認識させることを含む。具体的には、S5の調整処理において、重要度R又は履歴の頻度Fが高い順に項目の順番が変更されたとする。この場合、端末装置20の制御部21は、入力画面において表示される順番が、フェーズPH2において表示されていた順番よりも上になった項目について、入力画面において当該項目が上に移動する様子を示す映像を表示してもよい。フェーズPH1が「卵胞期」であり、フェーズPH2が「月経期」であった場合、入力画面は、図6に示すような「月経期」の画面から、図7に示すような「卵胞期」の画面に変更されることになる。図6図7を比較すると、図6の「月経期」の画面では上から3番目に表示されていた「体調」の項目が、図7の「卵胞期」の画面では一番上に移動していることがわかる。よって、端末装置20の制御部21は、通知処理として、図7の「卵胞期」の画面において、「体調」の項目が下から上に移動する映像を生成し、入力画面に表示させる処理を行う。
【0093】
通知処理の別の例として、入力画面における表示サイズが、フェーズPH2における表示サイズよりも大きくなった項目をユーザUに認識させることを含んでもよい。具体的には、S5の調整処理において、重要度R又は履歴の頻度Fが高い順に表示サイズを大きくしたとする。この場合、端末装置20の制御部21は、入力画面における表示サイズが、フェーズPH2において表示されていたサイズよりも大きい項目について、入力画面において当該項目の表示サイズが大きくなる様子を示す映像を表示してもよい。通知処理の更に別の例として、通知処理は、フェーズが変わる前にはハイライトされていなかった項目であって、入力画面において新たにハイライトされた項目を前記ユーザに認識させることを含んでもよい。具体的には、S5の調整処理において、重要度R又は履歴の頻度Fが所定の閾値以上である項目がハイライトされることにより色が変更されているとする。この場合、端末装置20の制御部21は、フェーズPH2ではハイライトされていなかった項目であって、フェーズPH1ではハイライトされている項目について、入力画面において当該項目がハイライトされる様子を示す映像を生成し、入力画面に表示してもよい。
【0094】
このように通知処理を行うのは、フェーズが変わってから、ユーザUが最初に入力ボタンを押したときに、ユーザUにとってはいつの間にかフェーズが変わり、入力画面の表示が変更されていてユーザUが混乱することを防ぐ意図である。
【0095】
本実施形態の別の変形例として、端末装置20の制御部21は、S5において入力画面の表示を調整するにあたり、ユーザUがスケジュールに関して行う行動として予め登録しているアクションを示すアクションデータD3を更に取得してもよい。そして、制御部21は、アクションデータD3で示されるアクションに応じて、ユーザUに当該アクションの結果を記録させるための設定ボタンを、入力画面において表示される情報入力用の項目に優先して表示させてもよい。例えば、制御部21は、入力画面において、設定ボタンを、入力用アイコンの各項目よりも更に上に表示させることにより、優先して表示させてもよい。あるいは、初期画面から入力画面に遷移するまでの間に、設定ボタンを別画面にて表示させることにより、優先して表示させてもよい。例えば、アプリケーションプログラムにより管理されるスケジュールが「月経周期」である場合、「アクション」には、例えば、経口避妊薬(以下、「ピル」という。)の服用及び基礎体温の計測などを含めることができる。
【0096】
本変形例によれば、ユーザUは、例えば、月経周期に関し、ピルを服用していること及び/又は基礎体温を計測していることをアクションとして登録しておくことで、入力画面において、ユーザUに当該アクションの結果を記録させるための設定ボタンが、入力用アイコンよりも優先して表示される。これは、ピルの服用も、基礎体温の測定も、毎日行うことが必要であり、ユーザUがピルを服用している場合には、ユーザUは、ピル服用の有無を、心身の状態の入力よりも優先して入力したい可能性があるからである。あるいは、ユーザUが基礎体温を計測している場合には、ユーザUは、基礎体温として測定された温度を、心身の状態の入力よりも優先して入力したい可能性があるからである。ユーザUによるアクションの登録は任意のタイミングで行われてよいが、アプリケーションの利用登録時などに行うことができる。
【0097】
設定ボタンは、ユーザUがアクションの結果を入力できるものであれば、任意の態様であってよい。例えば、アクションとして「ピルの服用」が登録されている場合の設定ボタンの例としては、アクションの結果として、ピルの服用の有無を入力できるものであればよい。他の設定ボタンの例としては、図8における「排卵痛」についての2つの入力用アイコンに準ずるもの、又は、図9における「くすり」についての入力用アイコンに準ずるものを採用すればよい。また、アクションとして「基礎体温の計測」が登録されている場合の設定ボタンの例としては、アクションの結果として、基礎体温として測定された体温を入力できるものであればよい。例えば、設定ボタンを押下すると、プルダウンでリスト表示される温度を体温として選択できるもの、又は測定された体温を入力するためのテキストボックスが表示されるもの等、任意の態様を採用すればよい。
【0098】
このように、端末装置20は、ユーザUがスケジュールに関して行う行動として予め登録しているアクションを示すアクションデータD3を更に取得する。そして、端末装置20は、アクションデータD3を参照して、アクションデータD3で示されるアクションに応じて、ユーザUに当該アクションの結果を記録させるための設定ボタンを、入力画面において表示される情報入力用の項目に優先して優先して表示させる。
【0099】
本変形例によれば、入力画面において、ユーザUにアクションの結果を記録させるための設定ボタンが、情報入力用の項目よりも優先して表示される。すなわち、入力画面の表示が、ユーザUが入力しやすいように変更される。よって、ユーザUは、入力画面をスクロールしなくても、ユーザUが入力したいと考える項目を見つけることができるので、ユーザUは、入力したい項目を探す手間を省くことができる。よって、ユーザが情報を入力する際の利便性が向上する。
【0100】
本実施形態の更に別の変形例として、ユーザUにスケジュールに伴う情報を入力させるタイミングT1を予め定めておき、端末装置20の制御部21は、タイミングT1を過ぎても入力ボタンに対する操作が検出されない場合に、制御部21は、ユーザUに対して情報の入力を促すためのメッセージM2を表示させてもよい。具体的には、スケジュールとしてユーザUの月経周期が管理されている場合に、制御部21は、ユーザUに対して月経周期に伴う心身の状態の入力を促してもよい。タイミングT1は任意に設定されてよい。例えば、ユーザU1が、1日のうちで月経周期に伴う心身の状態を振り返るタイミングとして、寝る前又は寝起きなどに相当する時刻を自身の生活のリズムに合わせて任意に設定してもよい。あるいは、システム10の管理者により、デフォルト値が予め設定されていてもよい。そして、制御部21は、タイミングT1を過ぎても入力ボタンに対する操作が検出されなかった場合に、ユーザUに対して情報の入力を促すためのメッセージM2を表示してもよい。例えば、タイミングT1として「寝る前」を設定した場合、制御部21は、メッセージM2として、「今日一日を振り返ろう!」というメッセージを生成する。あるいは、タイミングT1として「寝起き」を設定した場合、制御部21は、メッセージM2として、「昨日一日を振り返ろう!」というメッセージを生成してもよい。制御部21は、生成されたメッセージM2を、出力部25としてのディスプレイに表示させる。あるいは、制御部21は、メッセージM2を、例えば、出力部25としてのスピーカを介して音声で出力させてもよい。
【0101】
このように、ユーザUにスケジュールに伴う情報を入力させるタイミングとして予め定められたタイミングを過ぎても入力ボタンに対する操作が検出されない場合に、端末装置20に、ユーザUに対して情報の入力を促すためのメッセージM2を表示させる。
【0102】
本変形例によれば、ユーザUにスケジュールに関する情報を入力させるタイミングを過ぎても情報の入力がされなかった場合に、ユーザUに対し、情報の入力が促される。よって、ユーザUに関する情報の入力忘れ及び/又は登録ミスなどが起こりにくくなり、ユーザが情報を入力する際の利便性が向上する。また、ユーザUは、スケジュールに関する情報の入力を習慣化することができる。さらに、ユーザUに関する情報の入力忘れ及び/又は登録ミスなどが起こりにくくなるので、ユーザUに対し、スケジュールに関する適切な提案を提供しやすくなる。
【0103】
上述した実施形態においては、実例として、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールとして、ユーザUの月経周期を管理するためのアプリケーションプログラムがインストールされている場合について説明した。しかしながら、本実施形態の変形例として、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールとして、ユーザUのトレーニングの予定を管理するためのアプリケーションプログラムがインストールされていてもよい。この場合の端末装置20の動作について、上述した実施形態との相違点について主に説明する。
【0104】
トレーニングにおける身体適応は、一般に、疲労、回復、超回復、現状の4段階に分けることができる。トレーニングという刺激によって筋肉が損傷して疲労する「疲労期」には、一時的に筋肉がダメージを受けるが、「回復期」においてダメージが回復し、元の水準に戻る。さらに時間が経過すると、同じような刺激によって筋肉が壊されてしまわないように、元のレベル以上に大きく強くなる。これが、筋肉が発達するメカニズムである。よって、トレーニングの効果をより大きなものにしようとすれば、特に、負荷のかかる「疲労期」と、ダメージを回復するための「回復期」とのバランスを取ることが、パフォーマンス向上のために重要であると考えられている。よって、トレーニングの予定を管理する上で、「疲労期」と「回復期」とでは、ユーザUが記録したいと考える情報は異なる可能性がある。例えば、ユーザUは、「疲労期」には、「トレーニング内容」及び「負荷の大きさ」等を他の項目に優先して記録したい可能性がある。「回復期」には、例えば、「睡眠時間」及び「タンパク質摂取量」等を他の項目に優先して記録したい可能性がある。
【0105】
図4のS1において、端末装置20の制御部21は、フェーズデータD1として、ユーザUの月経周期に含まれる複数の異なるフェーズPHの時期を示すデータの代わりに、ユーザUのトレーニングの予定に含まれるフェーズPH’の時期を示すデータを取得する。具体的には、制御部21は、フェーズデータD1として、「疲労期」と「回復期」の時期を示すデータを取得する。端末装置20の制御部21は、ユーザUにより行われたトレーニング開始日を登録するための登録操作を受け付ける。端末装置20の制御部21は、登録されたトレーニング開始日を示すデータを、通信部23を介して情報処理装置30に送信する。情報処理装置30の制御部31は、端末装置20から送信されたデータで示されるユーザUにより登録されたトレーニング開始日に基づいて、ユーザUのトレーニングの予定に含まれる複数の異なるフェーズPH’の時期を算出する。具体的には、制御部21は、「疲労期」及び「回復期」の時期をそれぞれ算出する。「疲労期」及び「回復期」の時期は任意に算出されてよいが、例えば、「期分け(ピリオダイゼーション)」(トレーニングの目標に応じて所定期間を複数の期間に区分すること)によって区分された期間等に基づいて算出することができる。
【0106】
図4のS2において、表示される初期画面には、入力部24としての入力ボタンのほか、「疲労期」及び「回復期」の始期及び終期など、ユーザUのトレーニングの予定に関する項目が表示される。入力ボタンは、ユーザUのトレーニングの予定に伴うユーザUの情報を入力するための入力画面を表示させるためのボタンである。ユーザUの情報としては、ユーザUの体調などのほか、ユーザUの行動又はイベントなどが含まれ得る。ユーザUの情報は、例えば、「トレーニング内容」、「負荷の大きさ」、「睡眠時間」、又は「タンパク質摂取量」等である。ただし、これらの項目は例示であり、適宜変更及び/又は省略が可能である。例えば、「トレーニング時間」、「トレーニングした部位」等の項目が更に含まれてもよい。
【0107】
図4のS4において、端末装置20の制御部21は、フェーズPH1が「疲労期」であるか「回復期」であるかを判定する。本変形例において、「疲労期」のフェーズには、例えば「トレーニング内容」および「負荷の大きさ」等の項目に高い重要度Rが付与されており、「回復期」のフェーズには、例えば「睡眠時間」および「タンパク質摂取量」等に高い重要度Rが付与されているとする。S4で判定されたフェーズPH1が「疲労期」である場合において、S5における調整処理を重要度Rに基づいて行う場合、制御部21は、重要度Rに従って、「トレーニング内容」および「負荷の大きさ」の項目の順番、表示サイズ、及び/又は色を変更することにより、「トレーニング内容」および「負荷の大きさ」が他の項目に優先して表示する処理を行う。一方、S4で判定されたフェーズPH1が「回復期」である場合、制御部21は、制御部21は、S5における調整処理として、重要度Rに従って、「睡眠時間」および「タンパク質摂取量」の項目の順番、表示サイズ、及び/又は色を変更する処理を行う。その結果、「睡眠時間」および「タンパク質摂取量」が他の項目に優先して表示される。さらに、制御部21は、S7における通知処理として、「月経期から卵胞期に変わりました!」というメッセージM1の代わりに、「疲労期から回復期に変わりました!」というメッセージM1’を含む通知Nを表示させる処理を行う。これらS1,S2,S4,S5,S7以外の処理は、既に説明したものと概ね同様であるため説明を省略する。また、ユーザUがスケジュールに関して行う行動として予め登録しているアクションを示すアクションデータD3を取得する場合、当該「アクション」としては、例えば、「プロテインを飲んだ」、「ストレッチを行った」という行動などを含めることができる。
【0108】
以上述べたように、本実施形態の変形例として、端末装置20には、ユーザUに関わるスケジュールとして、ユーザUのトレーニングの予定を管理するためのアプリケーションプログラムをインストールすることができる。この場合、スケジュールはユーザUのトレーニングに関する予定であり、フェーズデータD1で示されるフェーズには、「疲労期」と「回復期」が含まれる。端末装置20の制御部21は、第1操作を検出すると、第1操作が行われた日の日付が該当するフェーズPH1が「疲労期」及び「回復期」のいずれであるかを判定する。そして、制御部21は、調整処理において、フェーズPH1が「疲労期」であると判定された場合には、入力画面において、例えば「トレーニング内容」、「負荷の大きさ」等の項目を他の項目に優先して表示する処理を行う。また、制御部21は、フェーズPH1が「回復期」であると判定された場合には、入力画面において、「睡眠時間」、「タンパク質摂取量」等の項目を他の項目に優先して表示する処理を行う。本変形例によれば、ユーザUに関わるスケジュールに関する情報を入力する際の利便性が向上する。
【0109】
なお、本実施形態では、端末装置20と情報処理装置30とがネットワーク40によりフェーズデータD1、重要度データD2、アクションデータD3などの各種データの送受信をしつつ入力画面の表示を調整する処理を行うものとして説明した。しかしながら、情報処理装置30の一部又は全部の機能が端末装置20に搭載されてもよい。そして、図4の処理は、情報処理装置30を介さずに、本開示に係るアプリケーションプログラムを搭載した端末装置20のみにより行われてもよい。
【0110】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
10 システム
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 情報処理装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
40 ネットワーク
U ユーザ
【要約】
【課題】ユーザが情報を入力する際の利便性を向上する。
【解決手段】アプリケーションプログラムは、ユーザの端末装置に、ユーザに関わるスケジュールに含まれる複数の異なるフェーズの時期を示すフェーズデータを取得させ、端末装置に、ユーザにより操作される入力ボタンを含む初期画面を表示させる。端末装置により、ユーザにより行われた入力ボタンに対する第1操作が検出されると、端末装置に、フェーズデータを参照させて、第1操作が検出された日の日付が複数のフェーズのいずれに該当するかを判定させ、判定結果に応じて、ユーザの情報を入力するための入力画面の表示を調整する調整処理を行う。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10