IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SUMCOの特許一覧

特許7722350モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法
<>
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図1
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図2
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図3
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図4
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図5
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図6
  • 特許-モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-04
(45)【発行日】2025-08-13
(54)【発明の名称】モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20250805BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20250805BHJP
   C23C 16/24 20060101ALI20250805BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20250805BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/66 L
C23C16/24
C23C16/52
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022206706
(22)【出願日】2022-12-23
(65)【公開番号】P2024090666
(43)【公開日】2024-07-04
【審査請求日】2024-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 正太
(72)【発明者】
【氏名】田村 健雄
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-241582(JP,A)
【文献】特開2007-95728(JP,A)
【文献】特開平7-50289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/66
C23C 16/24
C23C 16/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相成長装置の異常判定に用いられるモニターウェーハの製造方法であって、
前記気相成長装置は、チャンバ、ソースガス流路、ドーパントガス流路、前記ソースガス流路から流入するソースガスおよび前記ドーパントガス流路から流入するドーパントガスを前記チャンバへ供給する成長ガス流路、前記ソースガス流路を開閉するソースガス流路開閉機構、および、前記チャンバへの前記ドーパントガスの供給状態を制御するガス供給制御機構を備え、
前記モニターウェーハの製造方法は、
前記ソースガス流路を開くように前記ソースガス流路開閉機構を制御して、前記チャンバ内のウェーハに第1エピタキシャル層を成長させる第1成長工程と、
前記ソースガス流路を閉じるように前記ソースガス流路開閉機構を制御し、かつ、前記チャンバへの前記ドーパントガスの供給を停止するように前記ガス供給制御機構を制御した状態を所定期間維持する異常確認工程と、
前記ソースガス流路を開くように前記ソースガス流路開閉機構を制御して、前記チャンバ内のウェーハに第2エピタキシャル層を成長させることにより前記モニターウェーハを製造する第2成長工程と、を備える、モニターウェーハの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のモニターウェーハの製造方法において、
前記第2成長工程は、前記第1エピタキシャル層の抵抗率以上の抵抗率を有する前記第2エピタキシャル層を成長させる、モニターウェーハの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のモニターウェーハの製造方法において、
前記気相成長装置は、前記成長ガス流路を流れるガスを排出する成長ガス排出路を備え、
前記ガス供給制御機構は、
前記成長ガス流路に設けられ、ガスの供給先を前記チャンバまたは前記成長ガス排出路に切り替える供給先切替機構を備え、
前記第1成長工程および前記第2成長工程は、前記供給先が前記チャンバになるように前記供給先切替機構を制御し、
前記異常確認工程は、前記供給先が前記成長ガス排出路になるように前記供給先切替機構を制御する、モニターウェーハの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のモニターウェーハの製造方法において、
前記ガス供給制御機構は、
前記ドーパントガス流路を開閉するドーパントガス流路開閉機構を備え、
前記第1成長工程、前記異常確認工程、および、前記第2成長工程のうち少なくとも前記異常確認工程は、前記ドーパントガス流路を開くように前記ドーパントガス流路開閉機構を制御する、モニターウェーハの製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のモニターウェーハの製造方法において、
前記異常確認工程における前記所定期間は、3秒以上である、モニターウェーハの製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモニターウェーハの製造方法によりモニターウェーハを製造するモニターウェーハ製造工程と、
前記モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルまたはドーパント濃度プロファイルに基づいて、前記ガス供給制御機構の異常を判定する異常判定工程と、を備える、気相成長装置の異常判定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の気相成長装置の異常判定方法において、
前記異常判定工程は、
前記厚さ方向の抵抗率プロファイルに、抵抗率が局所的に低くなる抵抗率低下部位が存在する場合、前記ガス供給制御機構に異常があると判定し、前記抵抗率低下部位が存在しない場合、前記ガス供給制御機構に異常がないと判定する、気相成長装置の異常判定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の気相成長装置の異常判定方法において、
前記抵抗率低下部位は、
抵抗率の変化の割合が一定の状態から抵抗率が低くなり始める第1変曲点と、抵抗率が高くなり始める第2変曲点と、抵抗率の変化の割合が一定になり始める第3変曲点と、を備え、前記第1変曲点と前記第3変曲点との間の部位である、気相成長装置の異常判定方法。
【請求項9】
請求項7に記載の気相成長装置の異常判定方法において、
前記モニターウェーハにおける前記抵抗率低下部位に対応する低抵抗領域は、前記第2エピタキシャル層における前記第1エピタキシャル層側に位置し、
前記第2成長工程は、前記異常確認工程の実施条件に基づき推定される前記低抵抗領域の厚さを超える厚さを有する前記第2エピタキシャル層を成長させる、気相成長装置の異常判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェーハに含まれるドーパントは、n型半導体またはp型半導体の製造に必要な不純物である。一般に、シリコンウェーハに含まれるドーパント濃度が高いほど、シリコンウェーハの抵抗率が減少する。このようにシリコンウェーハの抵抗率はドーパント濃度に依存するため、半導体デバイスを設計通りに動作させるためには、ドーパントの濃度管理が必須である。
【0003】
ドーパントの濃度管理として、シリコン単結晶育成時におけるドーパントの添加量を管理しても、シリコンウェーハ処理時の周囲の環境などから、意図せずシリコンウェーハにドーパントが混入する、いわゆるドーパント汚染が発生する場合がある。
このようなドーパント汚染の評価方法として、例えば特許文献1,2に開示された方法が知られている。
【0004】
特許文献1の評価方法では、シリコンウェーハのバルク部の抵抗率を渦電流法により測定し、シリコンウェーハの表層の抵抗率を表面光電圧法により測定する。そして、渦電流法により測定したバルク部の抵抗率の値と表面光電圧法により測定した表層の抵抗率の値の差から、シリコンウェーハのドーパント汚染量を求める。
【0005】
特許文献2の評価方法では、熱処理炉内で熱処理されたシリコンウェーハを角度研磨する。そして、シリコンウェーハにおける角度研摩された面の抵抗率を広がり抵抗測定法(SR測定法)で測定し、深さ方向の抵抗率分布を求めることにより、シリコンウェーハのドーパント汚染量を検出する。
【0006】
また、ドーパント汚染の評価方法ではないが、特許文献3には、逆バイアス電圧を印加してC-V特性を測定するシリコンウェーハの抵抗率評価方法が開示されている。
特許文献3の評価方法では、測定対象のシリコンウェーハよりも抵抗率が低い積み増しシリコンエピタキシャル層を、測定対象のシリコンウェーハの主表面に形成する。この際、積み増しシリコンエピタキシャル層の厚さを、初期印加電圧で形成される空乏層幅より厚く、最終印加電圧で形成される空乏層幅より薄くする。そして、積み増しシリコンエピタキシャル層と、測定対象のシリコン単結晶ウェーハのドーパント濃度を測定し、測定対象のシリコンウェーハのドーパント濃度から抵抗率を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-269962号公報
【文献】特開2005-223098号公報
【文献】特開2017-220545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、半導体デバイスの製造に用いるエピタキシャルシリコンウェーハ(以下、「エピウェーハ」という場合がある)の製造工程では、シリコンソースガスとともにドーパントガスをチャンバ内に供給することにより、エピウェーハの抵抗率を調整する。このようなエピウェーハの製造工程において、例えばガスバルブの故障または誤動作により、意図しないタイミングでチャンバ内にドーパントが流入すると、意図しないドーパント層がエピウェーハ表層に形成され、エピウェーハの抵抗率が設計値から外れるおそれがある。
そこで、このような不具合を判定するために、特許文献1~3に開示された方法を用いることが考えられる。
【0009】
しかしながら、特許文献1の評価方法を用いる場合、エピウェーハの抵抗率の測定方法として2つの測定方法(渦電流法および表面光電圧法)を用いる必要があり、上記不具合を容易に判定することができない。
また、特許文献2の評価方法を用いる場合、エピウェーハを熱処理するための熱処理炉が必要であるため、上記不具合を容易に判定することができない。
また、特許文献3の評価方法を用いる場合、積み増しシリコンエピタキシャル層の厚さ管理が必要であり、上記不具合を容易に判定することができない。
【0010】
また、上記不具合を判定するために、従来知られているCV測定法、SR測定法またはSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)測定法を用いることが考えられる。
【0011】
しかしながら、CV測定法を用いる場合、エピウェーハ表層のドーパント濃度を測定するために、ある程度の厚さの空乏層が必要であるため、エピウェーハ表層のドーパント濃度、つまり抵抗率を測定することは困難である。
また、SR測定法を用いる場合、エピウェーハ表層の抵抗率を測定するためには、測定電流の拡がり範囲が不足し、深さ方向の分解能が不十分である。
また、SIMS測定法を用いる場合、長時間の測定時間が必要になる。
【0012】
本発明は、チャンバへのドーパントガスの供給状態を制御するガス供給制御機構の異常判定の容易化を図ることができるモニターウェーハの製造方法、および、モニターウェーハを用いる気相成長装置の異常判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のモニターウェーハの製造方法は、気相成長装置の異常判定に用いられるモニターウェーハの製造方法であって、前記気相成長装置は、チャンバ、ソースガス流路、ドーパントガス流路、前記ソースガス流路から流入するソースガスおよび前記ドーパントガス流路から流入するドーパントガスを前記チャンバへ供給する成長ガス流路、前記ソースガス流路を開閉するソースガス流路開閉機構、および、前記チャンバへの前記ドーパントガスの供給状態を制御するガス供給制御機構を備え、前記モニターウェーハの製造方法は、前記ソースガス流路を開くように前記ソースガス流路開閉機構を制御して、前記チャンバ内のウェーハに第1エピタキシャル層を成長させる第1成長工程と、前記ソースガス流路を閉じるように前記ソースガス流路開閉機構を制御し、かつ、前記チャンバへの前記ドーパントガスの供給を停止するように前記ガス供給制御機構を制御した状態を所定期間維持する異常確認工程と、前記ソースガス流路を開くように前記ソースガス流路開閉機構を制御して、前記チャンバ内のウェーハに第2エピタキシャル層を成長させることにより前記モニターウェーハを製造する第2成長工程と、を備える。
【0014】
本発明のモニターウェーハの製造方法において、前記第2成長工程は、前記第1エピタキシャル層の抵抗率以上の抵抗率を有する前記第2エピタキシャル層を成長させる、ことが好ましい。
【0015】
本発明のモニターウェーハの製造方法において、前記気相成長装置は、前記成長ガス流路を流れるガスを排出する成長ガス排出路を備え、前記ガス供給制御機構は、前記成長ガス流路に設けられ、ガスの供給先を前記チャンバまたは前記成長ガス排出路に切り替える供給先切替機構を備え、前記第1成長工程および前記第2成長工程は、前記供給先が前記チャンバになるように前記供給先切替機構を制御し、前記異常確認工程は、前記供給先が前記成長ガス排出路になるように前記供給先切替機構を制御する、ことが好ましい。
【0016】
本発明のモニターウェーハの製造方法において、前記ガス供給制御機構は、前記ドーパントガス流路を開閉するドーパントガス流路開閉機構を備え、前記第1成長工程、前記異常確認工程、および、前記第2成長工程のうち少なくとも前記異常確認工程は、前記ドーパントガス流路を開くように前記ドーパントガス流路開閉機構を制御する、ことが好ましい。
【0017】
本発明のモニターウェーハの製造方法において、前記異常確認工程における前記所定期間は、3秒以上である、ことが好ましい。
【0018】
本発明の気相成長装置の異常判定方法は、上述の製造方法によりモニターウェーハを製造するモニターウェーハ製造工程と、前記モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルまたはドーパント濃度プロファイルに基づいて、前記ガス供給制御機構の異常を判定する異常判定工程と、を備える。
【0019】
本発明の気相成長装置の異常判定方法において、前記異常判定工程は、前記厚さ方向の抵抗率プロファイルに、抵抗率が局所的に低くなる抵抗率低下部位が存在する場合、前記ガス供給制御機構に異常があると判定し、前記抵抗率低下部位が存在しない場合、前記ガス供給制御機構に異常がないと判定する、ことが好ましい。
【0020】
本発明の気相成長装置の異常判定方法において、前記抵抗率低下部位は、抵抗率の変化の割合が一定の状態から抵抗率が低くなり始める第1変曲点と、抵抗率が高くなり始める第2変曲点と、抵抗率の変化の割合が一定になり始める第3変曲点と、を備え、前記第1変曲点と前記第3変曲点との間の部位である、ことが好ましい。
【0021】
本発明の気相成長装置の異常判定方法において、前記モニターウェーハにおける前記抵抗率低下部位に対応する低抵抗領域は、前記第2エピタキシャル層における前記第1エピタキシャル層側に位置し、前記第2成長工程は、前記異常確認工程の実施条件に基づき推定される前記低抵抗領域の厚さを超える厚さを有する前記第2エピタキシャル層を成長させる、ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態における気相成長システムの概略構成を示す模式図である。
図2】実施形態におけるエピウェーハの製造方法のフローチャートである。
図3】実施形態におけるエピウェーハの製造方法の工程説明図である。
図4】実施形態における気相成長装置の異常判定方法のフローチャートである。
図5】実施形態における気相成長装置の異常判定方法の工程説明図である。
図6】実施形態におけるモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルを示す図であり、(A)は第1エピ層表面にドーパント層が形成されている場合の抵抗率プロファイルを示し、(B)は第1エピ層表面にドーパント層が形成されていない場合の抵抗率プロファイルを示す。
図7】実施例の実験2におけるモニターウェーハの厚さ方向の抵抗率プロファイルを示す図であり、(A)は供給先切替機構に異常がない場合を模擬して製造した実験例1の抵抗率プロファイルを示し、(B)は供給先切替機構に異常がある場合を模擬して製造した実験例2の抵抗率プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施形態]
<気相成長システムの構成>
まず、本発明の実施形態における気相成長システムの構成について説明する。
図1は、実施形態における気相成長システムの概略構成を示す模式図である。
【0024】
図1に示す気相成長システム10は、シリコンウェーハWにエピタキシャル層(以下、「エピ層」という場合がある)を成長させて、エピウェーハを製造する。
気相成長システム10は、気相成長装置1と、抵抗率プロファイル測定装置8と、制御装置9と、を備える。
【0025】
気相成長装置1は、チャンバ2と、ガス供給路3と、ガス排出路4と、図示しない加熱部と、を備える。なお、本実施形態のガス供給路3およびガス排出路4は、配管の内部空間により構成されるが、例えばブロック状の部材に形成された孔により構成されても良い。
【0026】
チャンバ2内には、シリコンウェーハWが出し入れ可能に配置される。
【0027】
ガス供給路3は、エピ層の成長に用いられる成長ガス、または、パージガスを、チャンバ2内に供給する。
ガス供給路3は、キャリアガス流路31と、ソースガス流路32と、ドーパントガス流路33と、パージガス流路34と、成長ガス流路35と、を備える。
【0028】
キャリアガス流路31の一端は、水素ガス供給部51に接続されている。キャリアガス流路31の途中には、当該キャリアガス流路31を流れるガスの流量を調整するキャリアガス用MFC(Mass Flow Controller)36Aが設けられている。
【0029】
ソースガス流路32の一端は、ソースガス供給部52に接続されている。ソースガス供給部52から供給されるシリコンを含むソースガスとしては、例えば、トリクロロシランガス(SiHCl)またはジクロロシラン(SiHCl)を用いることができる。
【0030】
ソースガス流路32の途中には、ソースガス流路32を開閉するソースガス流路開閉機構61が設けられている。ソースガス流路開閉機構61は、例えば二方弁により構成されている。ソースガス流路32におけるソースガス流路開閉機構61よりもソースガス供給部52側の部位には、当該ソースガス流路32を流れるガスの流量を調整するソースガス用MFC36Bが設けられている。
【0031】
ドーパントガス流路33の一端は、ドーパントガス供給部53に接続されている。ドーパントガス供給部53から供給されるドーパントガスとしては、例えば、シボラン(B)またはホスフィン(PH)を用いることができる。
【0032】
ドーパントガス流路33の途中には、ドーパントガス流路33を開閉するドーパントガス流路開閉機構62が設けられている。ドーパントガス流路開閉機構62は、例えば二方弁により構成されている。ドーパントガス流路33におけるドーパントガス流路開閉機構62よりもドーパントガス供給部53側の部位には、当該ドーパントガス流路33を流れるガスの流量を調整するドーパントガス用MFC36Cが設けられている。
【0033】
パージガス流路34の一端は、キャリアガス流路31に接続されている。パージガス流路34の他端は、ドーパントガス流路33におけるドーパントガス流路開閉機構62よりも他端側の部位に接続されている。
【0034】
パージガス流路34の途中には、パージガス流路34を開閉するパージガス流路開閉機構63が設けられている。パージガス流路開閉機構63は、例えば二方弁により構成されている。
パージガス流路34におけるパージガス流路開閉機構63よりも他端側には、リストリクタ36Dが設けられている。
キャリアガス流路31を介して水素ガス供給部51からパージガス流路34に流入する水素ガスは、リストリクタ36Dにより流量が制限されて、パージガスとしてドーパントガス流路33内に流入する。
【0035】
成長ガス流路35の一端は、ソースガス流路32の他端およびドーパントガス流路33の他端に接続されている。成長ガス流路35の他端は、チャンバ2に接続されている。成長ガス流路35の途中には、キャリアガス流路31の他端が接続されている。キャリアガス流路31を介して水素ガス供給部51から成長ガス流路35に流入する水素ガスは、キャリアガスとしてチャンバ2内に供給される。
【0036】
成長ガス流路35におけるソースガス流路32およびドーパントガス流路33との接続部位と、キャリアガス流路31との接続部位との間には、供給先切替機構64が設けられている。供給先切替機構64は、ソースガス流路32およびドーパントガス流路33から流入するガスの供給先を、成長ガス流路35の他端側(以下、「ガス供給状態」という場合がある)、または、成長ガス排出路37(以下、「ガス排出状態」という場合がある)に切り替えるように構成されている。供給先切替機構64は、ドーパントガス流路開閉機構62とともに、ドーパントガスが流れる流路に設けられたガス供給制御機構65を構成する。供給先切替機構64は、例えば三方弁により構成されている。
供給先切替機構64がガス供給状態に設定されている場合、供給先切替機構64に流入するガスは、チャンバ2内に供給される。一方、供給先切替機構64がガス停止状態に設定されている場合、供給先切替機構64に流入するガスは、チャンバ2に供給されずに、成長ガス排出路37を介して気相成長装置1の外部に排出される。本実施形態では、供給先切替機構64に流入するガスは、ソースガス、ドーパントガスおよびパージガスのうち少なくともパージガスを含む。
【0037】
ガス排出路4は、チャンバ2内のガスを気相成長装置1の外部に排出するように構成されている。
加熱部は、チャンバ2内を加熱する。
【0038】
抵抗率プロファイル測定装置8は、各種ウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルを測定し、測定結果を制御装置9へ出力する。抵抗率プロファイル測定装置8は、CV測定法またはSR測定法により、抵抗率プロファイルを測定する。
【0039】
制御装置9は、エピウェーハ製造制御部91と、モニターウェーハ製造制御部92と、異常判定部93と、を備える。
【0040】
エピウェーハ製造制御部91は、エピウェーハ製造時における気相成長装置1全体の動作を制御する。
モニターウェーハ製造制御部92は、後述するモニターウェーハ製造時における気相成長装置1全体の動作を制御する。
異常判定部93は、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに基づいて、ガス供給制御機構65を構成する供給先切替機構64の異常を判定する。
モニターウェーハ製造制御部92および異常判定部93は、異常判定装置90を構成する。
【0041】
ここで、異常判定装置90において判定される供給先切替機構64の異常について説明する。
気相成長装置1において、ガス排出状態に設定されるように供給先切替機構64が制御されているにもかかわらず、ドーパントガスがチャンバ2内に供給される異常が発生する場合がある。例えば、供給先切替機構64がガス供給状態からガス排出状態に切り替わらなかったり、供給先切替機構64がガス排出状態に切り替わっているにもかかわらず供給先切替機構64からガスが漏れたりする場合である。このような異常の原因としては、供給先切替機構64を構成する部品または供給先切替機構64の制御系における、初期不良または経年劣化を例示することができる。
このような異常が発生すると、本来、ドーパントガスをチャンバ2内に供給する必要がない例えば後述する降温工程S3において、ドーパントガスがチャンバ2内に供給されてしまう。そして、シリコンウェーハにドーパント層が形成され、エピウェーハの抵抗率が設計値から外れてしまう。
このような不具合の発生を抑制するために、異常判定装置90は、供給先切替機構64の異常を判定する。
【0042】
<気相成長システムの動作>
<エピウェーハの製造方法>
まず、エピウェーハの製造方法について説明する。
図2は、エピウェーハの製造方法のフローチャートである。図3および後述する図5は、エピウェーハの製造方法の工程説明図である。なお、図3において、ガス供給路3およびガス排出路4を表す線のうち、太い線はガスが流れている状態を表し、細い線はガスが流れていない状態を表す。
【0043】
図2に示すように、エピウェーハの製造方法は、昇温工程S1と、成長工程S2と、降温工程S3と、を備える。
【0044】
昇温工程S1において、エピウェーハ製造制御部91は、チャンバ2内にシリコンウェーハWが収容された状態で、図3に示すように、ソースガス流路32およびドーパントガス流路33を閉じ、かつ、パージガス流路34を開くように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62およびパージガス流路開閉機構63を制御する。また、エピウェーハ製造制御部91は、成長ガス流路35がガス排出状態に設定されるように、供給先切替機構64を制御する。そして、エピウェーハ製造制御部91は、加熱部を制御して、チャンバ2内の温度を、エピ層の成長温度まで上昇させる。
このような昇温工程S1により、キャリアガスのみがチャンバ2内に供給された状態で、チャンバ2内の温度が、エピ層の成長温度まで上昇する。エピ層の成長温度は、例えば、1000℃以上1200℃以下である。
【0045】
成長工程S2において、エピウェーハ製造制御部91は、チャンバ2内を成長温度に維持した状態で、ソースガス流路32およびドーパントガス流路33を開くように、ソースガス流路開閉機構61およびドーパントガス流路開閉機構62を制御する。また、エピウェーハ製造制御部91は、成長ガス流路35がガス供給状態に設定されるように、供給先切替機構64を制御する。
このような成長工程S2により、ソースガス、ドーパントガス、パージガスおよびキャリアガスを含む成長ガスがチャンバ2内に新たに供給されて、シリコンウェーハW表面にエピ層が成長したエピウェーハが製造される。
なお、成長工程S2において、ドーパントガスをチャンバ2内に供給しなくても良く、この場合、ドーパントガスをチャンバ2内に供給する場合と比べてエピ層の抵抗率が高くなる。
【0046】
降温工程S3において、エピウェーハ製造制御部91は、ソースガス流路32およびドーパントガス流路33を閉じるように、ソースガス流路開閉機構61およびドーパントガス流路開閉機構62を制御する。また、エピウェーハ製造制御部91は、成長ガス流路35がガス停止状態に設定されるように、供給先切替機構64を制御する。そして、エピウェーハ製造制御部91は、加熱部を制御して、チャンバ2内の温度を、図示しない搬送装置によりチャンバ2からエピウェーハを取り出すことが可能な取出し温度まで下降させる。
このような降温工程S3により、キャリアガスのみがチャンバ2内に供給された状態で、チャンバ2内の温度が、取出し温度まで下降する。
【0047】
降温工程S3の終了後、チャンバ2内からエピウェーハが取り出される。
【0048】
<気相成長装置の異常判定方法>
次に、気相成長装置の異常判定方法について説明する。なお、上述したエピウェーハの製造方法と同じ工程については、同一符号を付し、説明を簡略にする。
図4は、気相成長装置の異常判定方法のフローチャートである。図5は、気相成長装置の異常判定方法の工程説明図である。図6は、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルを示す図であり、(A)は第1エピ層表面にドーパント層が形成されている場合の抵抗率プロファイルを示し、(B)は第1エピ層表面にドーパント層が形成されていない場合の抵抗率プロファイルを示す。
【0049】
図4に示すように、気相成長装置1の異常判定方法は、モニターウェーハ製造工程S11と、異常判定工程S12と、を備える。
【0050】
モニターウェーハ製造工程S11は、本発明のモニターウェーハの製造方法の一例であり、異常判定工程S12で用いられるモニターウェーハを製造する。
モニターウェーハ製造工程S11は、昇温工程S1と、第1成長工程S111と、異常確認工程S112と、第2成長工程S113と、降温工程S3と、を備える。
【0051】
昇温工程S1において、モニターウェーハ製造制御部92は、図5に示すように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62、パージガス流路開閉機構63および供給先切替機構64を制御して、チャンバ2内の温度を第1エピ層の成長温度まで上昇させる。
【0052】
第1成長工程S111において、モニターウェーハ製造制御部92は、チャンバ2内を成長温度に維持した状態で、成長工程S2と同じように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62および供給先切替機構64を制御する。
このような第1成長工程S111により、ソースガス、ドーパントガス、パージガスおよびキャリアガスを含む成長ガスがチャンバ2内に新たに供給されて、シリコンウェーハW表面に第1エピ層が成長する。
なお、第1成長工程S111において、ドーパントガスをチャンバ2内に供給しなくても良く、この場合、ドーパントガスをチャンバ2内に供給する場合と比べて第1エピ層の抵抗率が高くなる。
【0053】
異常確認工程S112において、モニターウェーハ製造制御部92は、チャンバ2内を成長温度に維持した状態で、ドーパントガス流路33およびパージガス流路34を開いたまま、ソースガス流路32を閉じるように、ソースガス流路開閉機構61を制御する。また、モニターウェーハ製造制御部92は、成長ガス流路35がガス停止状態に設定されるように、供給先切替機構64を制御する。つまり、モニターウェーハ製造制御部92は、チャンバ2へのソースガス、ドーパントガスおよびパージガスの供給が停止されるように、ソースガス流路開閉機構61および供給先切替機構64を制御する。そして、モニターウェーハ製造制御部92は、上述のような制御状態を所定期間維持する。
このときの所定期間は、3秒以上60秒以下であることが好ましい。3秒以上にすることにより、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに後述する抵抗率低下部位を存在させることができる。また、60秒以下にすることにより、表層に形成されたドーパント層の蒸発を抑えることができる。
また、ドーパントガス流路開閉機構62を通過するドーパントガスの流量が50sccm以上300sccm以下となるように、ドーパントガス用MFC36Cが制御されることが好ましい。ドーパントガスの流量が300sccmを超える場合、ドーパントガス流路33が高濃度のドーパントに汚染されるリスクがあり、50sccm未満の場合、ドーパントガスの圧力がパージガスの圧力よりも小さくなりドーパントガスの流れが不安定になるリスク、および、ドーパント層が十分に形成されないリスクがあるからである。
さらに、ドーパントガス流路開閉機構62を通過するドーパントガスの流量は、第1成長工程S111および第2成長工程S113におけるドーパントガスの流量よりも多いことが好ましい。異常確認工程S112におけるドーパントガス流路開閉機構62を通過するドーパントガスの流量が多いほど、供給先切替機構64に異常があった場合にドーパント層が形成されやすく、異常を検知しやすい利点があるからである。
【0054】
このような異常確認工程S112により、供給先切替機構64に異常がある場合、ドーパントガスおよびパージガスの少なくとも一部が、成長ガス排出路37から排出されずに、キャリアガスとともにチャンバ2内に供給される。この場合、チャンバ2内にドーパントガスが所定期間供給されるため、第1エピ層表面にシリコンを含まないドーパント層が形成される。
【0055】
一方、供給先切替機構64に異常がない場合、ドーパントガスおよびパージガスが成長ガス排出路37から排出され、キャリアガスのみがチャンバ2内に供給される。この場合、チャンバ2内にキャリアガスのみが供給されるため、第1エピ層表面にドーパント層が形成されない。
【0056】
第2成長工程S113において、モニターウェーハ製造制御部92は、チャンバ2内を成長温度に維持した状態で、第1成長工程S111と同じように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62および供給先切替機構64を制御する。
このような第2成長工程S113により、ソースガス、ドーパントガス、パージガスおよびキャリアガスを含む成長ガスがチャンバ2内に新たに供給される。
なお、第2成長工程S113において、ドーパントガスをチャンバ2内に供給しなくても良く、この場合、ドーパントガスをチャンバ2内に供給する場合と比べて第2エピ層の抵抗率が高くなる。
【0057】
異常確認工程S112において第1エピ層表面にドーパント層が形成されている場合、新たに供給される成長ガスにより、ドーパント層表面に第2エピ層が成長したモニターウェーハが製造される。
このドーパント層表面における第2エピ層の成長の際、ドーパント層を構成するドーパントが第2エピ層中に拡散する。その結果、第2エピ層における第1エピ層側の部位の抵抗率は、第2エピ層表層側の部位の抵抗率と比べて低くなる。そして、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上か否かに関係なく、抵抗率が局所的に低くなる部位(以下、「抵抗率低下部位」という場合がある)が存在するプロファイルになる。抵抗率低下部位は、抵抗率の変化の割合が一定の状態から抵抗率が低くなり始める第1変曲点、第1変曲点よりもモニターウェーハの表面側に位置し、抵抗率が高くなり始める第2変曲点、および、第2変曲点よりもモニターウェーハの表面側に位置し、抵抗率の変化の割合が一定になり始める第3変曲点を備え、第1変曲点と第3変曲点との間の部位である。
【0058】
例えば、図6(A)に模式的に示すように、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上になるように、異常確認工程S112が行われた場合、第2エピ層の抵抗率プロファイルは、実線で示すように、第1変曲点P11、第2変曲点P12および第3変曲点P13を備える抵抗率低下部位A1が存在するプロファイルになる。一方、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率未満になるように、異常確認工程S112が行われた場合、第2エピ層の抵抗率プロファイルは、破線で示すように、第1変曲点P21、第2変曲点P22および第3変曲点P23を備える抵抗率低下部位A2が存在するプロファイルになる。
【0059】
抵抗率低下部位における第2変曲点の抵抗率と第3変曲点の抵抗率との差(以下、「低下部位抵抗率差」という場合がある)は、例えば図6(A)に示すように、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上の場合の方が、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率未満の場合よりも大きくなる。また、低下部位抵抗率差が大きいほど、詳しくは後述するが、異常判定工程S12において、第2エピ層の第1エピ層側の部位の抵抗率がドーパント層の影響により低くなっているか否かを判別し易くなる。
以上のことから、第2成長工程S113は、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上になるように行われることが好ましい。
【0060】
また、モニターウェーハにおける抵抗率低下部位に対応する低抵抗領域(モニターウェーハにおける第1変曲点に対応する位置から第3変曲点に対応する位置までの領域)の厚さは、異常確認工程S112の実施条件(例えば、供給先切替機構64がガス停止状態に維持される期間(上述の所定期間)、供給先切替機構64に異常があると仮定した場合における当該供給先切替機構64を通過するドーパントガスの流量など)により決定される。このため、異常確認工程S112の実施条件が決定すれば、低抵抗領域の厚さ(例えば、図6(A)に示す抵抗率低下部位A1の幅D1と同じ厚さ)を推定することができる。
このように推定された低抵抗領域の厚さを第2エピ層の厚さが超えるように、第2成長工程S113が行われることが好ましい。
第2エピ層の厚さが低抵抗領域の厚さ未満の場合、異常確認工程S112においてドーパント層が形成された場合、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに第3変曲点が存在しなくなり、異常判定工程S12において、抵抗率低下部位が存在するか否かを判別し難くなるからである。
【0061】
一方、異常確認工程S112において第1エピ層表面にドーパント層が形成されていない場合、新たに供給される成長ガスにより、第1エピ層表面に第2エピ層が成長したモニターウェーハが製造される。
この場合、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上か否かに関係なく、抵抗率低下部位が存在しないプロファイルになる。
例えば、図6(B)に模式的に示すように、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上になるように、異常確認工程S112が行われた場合、第2エピ層の抵抗率プロファイルは、実線で示すようなプロファイルになる。一方、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率未満になるように、異常確認工程S112が行われた場合、第2エピ層の抵抗率プロファイルは、破線で示すようなプロファイルになる。
【0062】
降温工程S3において、モニターウェーハ製造制御部92は、図5に示すように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62および供給先切替機構64を制御して、チャンバ2内の温度を取出し温度まで下降させる。
【0063】
降温工程S3の終了後、チャンバ2内からモニターウェーハが取り出される。
次に、抵抗率プロファイル測定装置8は、チャンバ2から取り出されたモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルを測定し、測定結果を制御装置9へ出力する。
【0064】
異常判定工程S12において、異常判定部93は、抵抗率プロファイル測定装置8からモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルの測定結果を取得する。そして、異常判定部93は、取得した厚さ方向の抵抗率プロファイルに基づいて、供給先切替機構64の異常の有無を判定する。
具体的には、異常判定部93は、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに抵抗率低下部位が存在する場合、供給先切替機構64に異常があると判定し、抵抗率低下部位が存在しない場合、供給先切替機構64に異常がないと判定する。
異常判定部93は、異常の有無の判定結果を図示しない表示部に表示させても良い。
【0065】
<実施形態の効果>
モニターウェーハ製造工程S11は、第1成長工程S111と、異常確認工程S112と、第2成長工程S113と、を備える。このようなモニターウェーハ製造工程S11を行うことにより、供給先切替機構64に異常がある場合、異常確認工程S112においてドーパントガスがチャンバ2内に供給されてしまい、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、抵抗率低下部位が存在するプロファイルになる。一方、供給先切替機構64に異常がない場合、異常確認工程S112においてドーパントガスがチャンバ2内に供給されないため、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、抵抗率低下部位が存在しないプロファイルになる。
そして、気相成長装置1の異常判定方法は、モニターウェーハ製造工程S11と、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに基づいて、少なくとも供給先切替機構64に異常があるか否かを判定する異常判定工程S12と、を備える。
このように、モニターウェーハの製造時に、第1エピ層の表面にドーパント層が形成された可能性があるウェーハに、さらに第2エピ層を成長させるため、表層の抵抗率を測定できないCV測定法、および、表層の抵抗率を測定できる十分な分解能を有さないSR測定法のうち1つを用いた測定により、SIMS測定のように長時間を費やすことなく、供給先切替機構64の異常の有無に応じた抵抗率プロファイルを得ることができる。また、特許文献2に記載の方法のように熱処理炉を用いる必要がないし、特許文献3に記載の方法のように第2エピ層の厚さを管理する必要がない。
したがって、ガス供給制御機構65を構成する供給先切替機構64の異常判定の容易化を図ることができる気相成長装置の異常判定方法を提供することができる。また、供給先切替機構64の異常を容易に判定することができる気相成長装置の異常判定方法を提供することができる。
【0066】
第2成長工程S113を、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率以上になるように行うことにより、低下部位抵抗率差をより大きくすることができ、異常判定工程S12において、抵抗率低下部位の有無を容易に判別することができる。
【0067】
異常確認工程S112は、供給先切替機構64にドーパントガスが流れるようにドーパントガス流路開閉機構62を制御する。
このように、異常確認工程S112において、供給先切替機構64に積極的にドーパントガスを流すことにより、供給先切替機構64に異常がある場合におけるチャンバ2内に供給されるドーパントガスの量を多くすることができる。このため、抵抗率低下部位における第2変曲点の抵抗率がより低くなり、第2変曲点の抵抗率と第1変曲点の抵抗率との差をより大きくすることができる。したがって、異常判定工程S12において、抵抗率低下部位の有無をより容易に判別することができる。
【0068】
第2成長工程S113を、第2エピ層の厚さが低抵抗領域の厚さを超えるように行うことにより、供給先切替機構64に異常がある場合、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに第3変曲点を存在させることができ、異常判定工程S12において、抵抗率低下部位の有無をより容易に判別することができる。
【0069】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の改良並びに設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、第2成長工程S113を、第2エピ層の抵抗率が第1エピ層の抵抗率未満になるように行っても良い。
【0071】
成長ガス流路35に供給先切替機構64を設けられていない気相成長装置に、本発明の異常判定方法を適用し、ガス供給制御機構65を構成するドーパントガス流路開閉機構62の異常を判定するようにしても良い。
この場合、第1成長工程S111および第2成長工程S113では、ソースガス流路32およびドーパントガス流路33をそれぞれ開くようにソースガス流路開閉機構61およびドーパントガス流路開閉機構62を制御して、成長ガス流路35を介して成長ガスをチャンバ2内に供給する。また、異常確認工程S112では、ソースガス流路32およびドーパントガス流路33をそれぞれ閉じるようにソースガス流路開閉機構61およびドーパントガス流路開閉機構62を制御して、パージガスおよびキャリアガスをチャンバ2内に供給する。ドーパントガス流路開閉機構62に異常がある場合、ドーパントガス流路開閉機構62を通過したドーパントガスがチャンバ2内に供給され、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは抵抗率低下部位が存在するプロファイルになるので、当該抵抗率プロファイルに基づいて、ドーパントガス流路開閉機構62の異常を判定することができる。
【0072】
異常確認工程S112において、供給先切替機構64にドーパントガスが流れないようにドーパントガス流路開閉機構62を制御しても良い。この場合、供給先切替機構64がガス停止状態に切り替えられた時点で、ドーパントガス流路33におけるドーパントガス流路開閉機構62よりも下流側の部位、および、成長ガス流路35における供給先切替機構64よりも上流側の部位に残留していたドーパントガスが、異常がある供給先切替機構64を通過して、チャンバ2内に供給される。このため、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、供給先切替機構64に異常がある場合、抵抗率低下部位が存在するプロファイルになる。したがって、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに基づいて、供給先切替機構64の異常を判定することができる。
【0073】
異常判定工程S12を異常判定部93が行う構成を例示したが、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルを作業者に提示して、作業者が供給先切替機構64に異常があるか否かを判定しても良い。
【0074】
異常判定工程S12において、モニターウェーハにおける厚さ方向のドーパント濃度プロファイルに基づいて、供給先切替機構64の異常の有無を判定しても良い。
このような構成にしても、ドーパント濃度プロファイルは抵抗率プロファイルに対応するプロファイルであるため、上記実施形態と同様の方法により、供給先切替機構64の異常の有無を判定することができる。
【0075】
本発明のモニターウェーハの製造方法を、クリーンルームなどの所定空間の汚染判定に用いられるモニターウェーハの製造方法に応用しても良い。
このようなモニターウェーハの製造方法は、ソースガス流路32を開くようにソースガス流路開閉機構61を制御して、チャンバ2内のシリコンウェーハWに第1エピタキシャル層を成長させる第1成長工程と、シリコンウェーハWを気相成長装置1から取り出して所定空間に所定期間放置する異常確認工程と、シリコンウェーハWをチャンバ2内に配置した後、ソースガス流路32を開くようにソースガス流路開閉機構61を制御して、チャンバ2内のシリコンウェーハに第2エピタキシャル層を成長させることによりモニターウェーハを製造する第2成長工程と、を備える。
このように製造されたモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、所定空間がドーパントガスにより汚染されている場合、異常確認工程において、第1エピ層表面にドーパントガスが付着するため、抵抗率低下部位を有するプロファイルになる。一方、所定空間がドーパントガスにより汚染されていない場合、異常確認工程において、第1エピ層表面にドーパントガスが付着しないため、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルは、抵抗率低下部位を有さないプロファイルになる。
そして、モニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに抵抗率低下部位が存在する場合、所定空間がドーパントガスで汚染されていると判定し、抵抗率低下部位が存在しない場合、所定空間がドーパントガスで汚染されていないと判定することができる。
【実施例
【0076】
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0077】
[実験1]
本発明の気相成長装置の異常判定方法に用いることができる測定法を検討する実験1を行った。
【0078】
<比較例1>
まず、上記実施形態の気相成長装置1と同様の構成を有する気相成長システムを準備した。また、直径が200mm、抵抗率が10mΩcm以上20mΩcm以下になるようにボロンが添加されたp+シリコンウェーハWを準備した。
そして、上記実施形態の第1成長工程S111を行い、シリコンウェーハWに第1エピ層を成長させることにより、水準1のモニターウェーハを製造した。
水準1は、異常がない供給先切替機構64を用いて、第2エピ層を有さないモニターウェーハを製造した場合を模擬した条件である。
第1エピ層の成長条件は以下の通りである。
成長温度:1130℃
ドーパントガス:ジボラン(B
第1エピ層の抵抗率:10Ωcm
第1エピ層の層厚:4.0μm
【0079】
また、水準1と同じ条件でシリコンウェーハWに第1エピ層を成長させた後、成長温度を維持したまま、ソースガスのチャンバ2内への供給を停止するとともに、ドーパントガス、パージガスおよびキャリアガスをチャンバ2内に3秒間供給するように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62、パージガス流路開閉機構63および供給先切替機構64を制御して、第1エピ層の表面にドーパント層が形成された水準2のモニターウェーハを製造した。ドーパント層形成のためにチャンバ2内に供給されるドーパントガスの流量を、150sccmにした。
また、第1エピ層を成長させた後に、ドーパントガス、パージガスおよびキャリアガスをチャンバ2内に供給する時間を10秒間にしたこと以外は水準2と同じ条件で、第1エピ層の表面にドーパント層が形成された水準3のモニターウェーハを製造した。
水準2,3は、異常がある供給先切替機構64を用いて、第2エピ層を有さないモニターウェーハを製造した場合を模擬した条件である。
【0080】
そして、水準1,2,3のモニターウェーハにおける厚さ方向のドーパント濃度プロファイルおよび抵抗率プロファイルを、CV測定法を用いて測定した。ドーパント濃度の最高値および抵抗率の最低値を表1に示す。
表1に示すように、水準1,2,3のモニターウェーハにおけるドーパント濃度の最高値はほぼ同じであり、抵抗率の最低値もほぼ同じであった。つまり、比較例1では、モニターウェーハの表層に存在するドーパント層を測定できていないことが確認できた。
このことから、表層の抵抗率を測定できないCV測定法では、第2エピ層を有さずに第1エピ層のみを有するモニターウェーハを用いて、供給先切替機構64の異常を判定できない(表1の判定可否の欄に「不可」と示す)ことを確認できた。
【0081】
【表1】
【0082】
<比較例2>
比較例1の水準1,2,3のそれぞれと同じ条件で水準1,2,3のモニターウェーハを製造し、当該水準1,2,3のモニターウェーハにおける厚さ方向のドーパント濃度プロファイルおよび抵抗率プロファイルを、SR測定法を用いて測定した。ドーパント濃度の最高値および抵抗率の最低値を表1に示す。
表1に示すように、比較例1と同様に、水準1,2,3のモニターウェーハにおけるドーパント濃度の最高値はほぼ同じであり、抵抗率の最低値もほぼ同じであった。
このことから、表層の抵抗率を測定できる十分な分解能を有さないSR測定法では、第2エピ層を有さずに第1エピ層のみを有するモニターウェーハを用いて、供給先切替機構64の異常を判定できないことを確認できた。
【0083】
<比較例3>
比較例1の水準1,2,3のそれぞれと同じ条件で水準1,2,3のモニターウェーハを製造し、当該水準1,2,3のモニターウェーハにおける深さ0.5μmまでの位置のドーパント濃度を、SIMS測定法を用いて測定した。この測定結果では、深さ0.036μmの位置で、各水準のドーパント濃度の差を確認することができた。深さ0.036μmの位置におけるドーパント濃度の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、ドーパント濃度は、水準1が最も低く、水準3が最も高かった。つまり、比較例3では、モニターウェーハの表層に存在するドーパント層を測定できていることが確認できた。
このことから、SIMS測定法では、第2エピ層を有さずに第1エピ層のみを有するモニターウェーハを用いて、供給先切替機構64の異常を判定できることを確認できた。
【0084】
<実施例1>
比較例1の水準1と同じ条件でシリコンウェーハWに第1エピ層を成長させたモニターウェーハを製造し、当該モニターウェーハをチャンバ2から一旦取り出した。その後、当該モニターウェーハを再度チャンバ2内に投入し、上記実施形態の第2成長工程S113を行い、第1エピ層表面に第2エピ層を成長させることにより、水準1のモニターウェーハを得た。
水準1は、異常がない供給先切替機構64を用いて、第1エピ層および第2エピ層を有するモニターウェーハを製造した場合を模擬した条件である。
第2エピ層の成長条件は以下の通りである。
成長温度:1130℃
ドーパントガス:ジボラン(B
第2エピ層の抵抗率:10Ωcm
第2エピ層の層厚:2.5μm
【0085】
また、比較例1の水準2と同じ条件で第1エピ層の表面にドーパント層が形成されたモニターウェーハを製造し、当該モニターウェーハをチャンバ2から一旦取り出した。その後、実施例1の水準1と同じ条件で、ドーパント層表面に第2エピ層を成長させることにより、水準2のモニターウェーハを得た。
また、比較例1の水準3と同じ条件で第1エピ層の表面にドーパント層を形成したこと以外は、実施例2の水準2と同じ条件で、水準3のモニターウェーハを製造した。
水準2,3は、異常がある供給先切替機構64を用いて、第1エピ層および第2エピ層を有するモニターウェーハを製造した場合を模擬した条件である。
【0086】
そして、水準1,2,3のモニターウェーハにおける厚さ方向のドーパント濃度プロファイルおよび抵抗率プロファイルを、CV測定法を用いて測定した。ドーパント濃度の最高値および抵抗率の最低値を表1に示す。
表1に示すように、ドーパント濃度の最高値は、水準1が最も低く、水準3が最も高かった。また、抵抗率の最低値は、水準1が最も高く、水準3が最も低かった。つまり、実施例1では、第1エピ層と第2エビ層との間のドーパント層を測定できていることが確認できた。
このことから、表層の抵抗率を測定できないCV測定法であっても、第1エピ層および第2エピ層を有するモニターウェーハを用いれば、供給先切替機構64の異常を判定できることを確認できた。
【0087】
<実施例2>
実施例1の水準1,2,3のそれぞれと同じ条件で水準1,2,3のモニターウェーハを製造し、当該水準1,2,3のモニターウェーハにおける厚さ方向のドーパント濃度プロファイルおよび抵抗率プロファイルを、SR測定法を用いて測定した。ドーパント濃度の最高値および抵抗率の最低値を表1に示す。
表1に示すように、実施例1と同様に、ドーパント濃度の最高値は、水準1が最も低く、水準3が最も高かった。また、抵抗率の最低値は、水準1が最も高く、水準3が最も低かった。つまり、実施例2では、第1エピ層と第2エビ層との間のドーパント層を測定できていることが確認できた。
このことから、表層の抵抗率を測定できる十分な分解能を有さないSR測定法であっても、第1エピ層および第2エピ層を有するモニターウェーハを用いれば、供給先切替機構64の異常を判定できることを確認できた。
【0088】
<まとめ>
以上のことから、本発明のモニターウェーハ製造方法で製造されたモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルをCV測定法またはSR測定法を用いて測定することにより、供給先切替機構64の異常を容易に判定することができることが確認できた。
【0089】
[実験2]
本発明のモニターウェーハの製造方法により製造されたモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルを確認する実験1を行った。
図7は、実施例の実験2におけるモニターウェーハの厚さ方向の抵抗率プロファイルを示す図であり、(A)は供給先切替機構に異常がない場合を模擬して製造した実験例1の抵抗率プロファイルを示し、(B)は供給先切替機構に異常がある場合を模擬して製造した実験例2の抵抗率プロファイルを示す。
【0090】
<実施例3>
まず、上記実施形態の気相成長装置1と同様の構成を有する気相成長システムを準備した。また、直径が200mm、抵抗率が10mΩcm以上20mΩcm以下になるようにヒ素が添加されたn+シリコンウェーハWを準備した。
そして、上記実施形態の第1成長工程S111を行い、シリコンウェーハWに第1エピ層を成長させた。
第1エピ層の成長条件は以下の通りである。
成長温度:1100℃
ドーパントガス:ホスフィン(Ph
第1エピ層の抵抗率:10Ωcm
第1エピ層の層厚:5.0μm
【0091】
次に、上記実施形態の第2成長工程S113を行い、第1エピ層表面に第2エピ層を成長させて、実施例3のモニターウェーハを得た。
第2エピ層の成長条件は以下の通りである。
成長温度:1100℃
ドーパントガス:ホスフィン(Ph
第2エピ層の抵抗率:10Ωcm
第2エピ層の層厚:5.0μm
実施例3は、異常がない供給先切替機構64を用いてモニターウェーハを製造した場合を模擬した条件である。
【0092】
そして、実施例3のモニターウェーハの厚さ方向の抵抗率プロファイルを、SR測定法を用いて測定した。測定結果を図7(A)に示す。
図7(A)に示すように、実施例3のモニターウェーハの厚さ方向の抵抗率プロファイルは、抵抗率低下部位を有さないプロファイルになった。
【0093】
<実施例4>
実施例3と同じ条件でシリコンウェーハWに第1エピ層を成長させた後、成長温度を維持したまま、ソースガスのチャンバ2内への供給を停止するとともに、ドーパントガス、パージガスおよびキャリアガスをチャンバ2内に3秒間供給するように、ソースガス流路開閉機構61、ドーパントガス流路開閉機構62、パージガス流路開閉機構63および供給先切替機構64を制御して、第1エピ層の表面にドーパント層を形成した。ドーパント層形成のためにチャンバ2内に供給されるドーパントガスの流量を、150sccmにした。
その後、実施例3と同じ条件で第1エピ層表面に第2エピ層を成長させて、実施例4のモニターウェーハを得た。
実施例4は、異常がある供給先切替機構64を用いてモニターウェーハを製造した場合を模擬した条件である。
【0094】
そして、実施例4のモニターウェーハの厚さ方向の抵抗率プロファイルを、SR測定法を用いて測定した。測定結果を図7(B)に示す。
図7(B)に示すように、実施例4のモニターウェーハの厚さ方向の抵抗率プロファイルは、抵抗率低下部位A4を有するプロファイルになった。
【0095】
<まとめ>
以上のことから、本発明のモニターウェーハ製造方法で製造されたモニターウェーハにおける厚さ方向の抵抗率プロファイルに基づいて、供給先切替機構64の異常を容易に判定することができることが確認できた。
【符号の説明】
【0096】
1…気相成長装置、2…チャンバ、32…ソースガス流路、33…ドーパントガス流路、35…成長ガス流路、37…成長ガス排出路、61…ソースガス流路開閉機構、62…ドーパントガス流路開閉機構、64…供給先切替機構、65…ガス供給制御機構、S11…モニターウェーハ製造工程、S111…第1成長工程、S112…異常確認工程、S113…第2成長工程、S12…異常判定工程、W…シリコンウェーハ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7