(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-16
(45)【発行日】2025-09-25
(54)【発明の名称】コンクリート打設管理方法及び無線通信器
(51)【国際特許分類】
E04G 21/02 20060101AFI20250917BHJP
E04G 9/10 20060101ALI20250917BHJP
G08C 17/00 20060101ALN20250917BHJP
G01N 33/38 20060101ALN20250917BHJP
【FI】
E04G21/02 104
E04G21/02 ESW
E04G9/10 101B
G08C17/00 Z
G01N33/38
(21)【出願番号】P 2024506333
(86)(22)【出願日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 JP2023008487
(87)【国際公開番号】W WO2023171647
(87)【国際公開日】2023-09-14
【審査請求日】2025-06-11
(31)【優先権主張番号】P 2022035337
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508012611
【氏名又は名称】株式会社JUST.WILL
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100097179
【氏名又は名称】平野 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】野口 貴文
(72)【発明者】
【氏名】西島 茂行
(72)【発明者】
【氏名】津久井 寛
(72)【発明者】
【氏名】王 政宏
(72)【発明者】
【氏名】陳 建勇
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242346(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0017229(KR,A)
【文献】特開平9-228639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/02
E04G 9/10
G08C 17/00
G01N 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠を構成する一対のせき板の少なくとも一方に開口部を形成し、且つ、前記開口部に無線通信器のフランジを嵌合させることにより、前記通信器の前記フランジから前記型枠の内側に、先細りの円錐状をなす挿入部を突出させ、且つ、前記フランジから前記型枠の外側に、前記フランジよりも小径のヘッド部を露出させる第1工程と、
前記型枠内へコンクリートを打設する第2工程と、
前記挿入部内に収納される温度センサにより前記型枠内のコンクリートの温度を計測しながら、離型条件を満たすかどうか検討し、前記離型条件が満たされない間、前記型枠を維持する第3工程と、
前記離型条件が満たされ、前記型枠内のコンクリートが硬化・収縮した状態において、前記型枠を取り外すが、硬化・収縮したコンクリートに前記挿入部が把持されたままの状態とする第4工程と、
前記温度センサによる温度計測を継続しながら、前記コンクリートが所定の強度に達したかどうかを検討し、所定の強度に達するまで、硬化・収縮したコンクリートに前記挿入部が把持されたままの状態を維持する第5工程と、
所定の強度に達してから、前記ヘッド部を回動させて前記挿入部をコンクリートから離脱させることにより、前記無線通信器をコンクリートから取り外す第6工程とを備える、コンクリート打設管理方法。
【請求項2】
前記第6工程の後に、前記挿入部が離脱された際に形成された空隙に充填材を充填して封止する第7工程を更に備える、請求項1記載のコンクリート打設管理方法。
【請求項3】
前記所定の強度は、設計基準強度である、請求項1又は2記載のコンクリート打設管理方法。
【請求項4】
接触する型枠内のコンクリートの温度を計測する温度センサを備え、前記温度センサの信号を無線により送信する無線通信器であって、
前記型枠を構成するせき板に形成される開口部に、前記開口部の接触面と面一となる底面を有するフランジと、
前記フランジから前記型枠の内側に突出し、先細りの円錐状をなし、前記温度センサを保持する挿入部と、
前記フランジから前記型枠の外側に露出し、前記フランジよりも小径のヘッド部とを備え、
前記型枠が離型されるまでの間、前記ヘッド部が固定具により前記せき板に固定されることにより、前記コンクリートと一体となり、
前記型枠が離型された後は、硬化・収縮したコンクリートが前記挿入部を把持することにより、前記コンクリートと一体となることを特徴とする無線通信器。
【請求項5】
コンクリートが所定の強度に達してから、前記ヘッド部が回動させられ前記挿入部がコンクリートから離脱することにより、コンクリートから取り外される、請求項4記載の無線通信器。
【請求項6】
前記フランジは、円盤状をなす、請求項4に記載の無線通信器。
【請求項7】
前記ヘッド部の高さよりも、前記挿入部の深さが大である、請求項4に記載の無線通信器。
【請求項8】
前記ヘッド部の高さよりも、前記挿入部の深さが小である、請求項4に記載の無線通信器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場において型枠内に打設されるコンクリートの温度を計測する無線通信器、及びそれを用いるコンクリート打設管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出願人は、既に、型枠内に打設されるコンクリートそのものの表面温度を計測し、型枠の離型を客観的データに基づき行うことができるだけでなく、離型後には、コンクリート内に異物が残存しない技術を提案し、実用化してきた(例えば、特許文献1:特許第5734785号公報参照)。
【0003】
また、湿度項を追加し、コンクリートの有効材齢を、より正確に計算する技術も提案している(特許文献2:特開2022-11757号公報参照)。
【0004】
一般に、コンクリート構造物の材齢は、打設後28日とされることが多いが、出願人によるシステムは、センサが、型枠と一体的に支持される点を前提としている。したがって、現状のシステムでは、型枠の離型後にコンクリートの状態量を計測できないという問題点がある。
【0005】
センサ付きのRFIDチップをコンクリートに混入する方法によれば、このような制限は無い。しかしながら、コンクリート内に異物であるRFIDチップが多量に存在する状態は、将来に亘ってひび割れ等の不具合を生ずるおそれがあり、回避すべきである。特に、RFIDチップがコンクリートの表層部付近に存在する場合が問題となる。
【0006】
また、特許文献3(特開2001-13013号公報)のように有線による接続を前提とすると、現場には、多数の型枠が同時並行的に使用される事情に照らすと、使い勝手が悪く、非現実的であり実用性がない。
【文献】特許第5734785号公報
【文献】特開2022-11757号公報
【文献】特開2001-13013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の点に鑑み、本発明は、型枠が組まれている状態だけでなく、型枠の離型後所定の強度に達するまでの間も、同様にコンクリートの状態量を計測でき、取り外した後も、コンクリートの不具合を生じにくい、無線通信器及びそれを用いるコンクリート打設管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る無線通信器は、接触する型枠内のコンクリートの温度を計測する温度センサを備え、温度センサの信号を無線により送信する無線通信器であって、型枠を構成するせき板に形成される開口部に、開口部の接触面と面一となる底面を有するフランジと、フランジから型枠の内側に突出し、先細りの円錐状をなし、温度センサを保持する挿入部と、フランジから型枠の外側に露出し、フランジよりも小径のヘッド部とを備え、型枠が離型されるまでの間、ヘッド部が固定具によりせき板に固定されることにより、コンクリートと一体となり、型枠が離型された後は、硬化・収縮したコンクリートが挿入部を把持することにより、コンクリートと一体となる。
【0009】
この構成において、まずはじめに、型枠を構成する一対のせき板の少なくとも一方に開口部を形成したものを用意し、この開口部に無線通信器のフランジを嵌合させる。
【0010】
これにより、通信器のフランジから型枠の内側に、先細りの円錐状をなす挿入部を突出させ、且つ、フランジから型枠の外側に、フランジよりも小径のヘッド部を露出させる。
【0011】
以上の準備ができたら、型枠内へコンクリートを打設する。
【0012】
挿入部内に収納される温度センサにより型枠内のコンクリートの温度を計測しながら、離型条件を満たすかどうか検討し、離型条件が満たされない間、型枠を組み立てたまま維持する。
【0013】
離型条件が満たされ、型枠内のコンクリートが硬化すると、型枠を取り外す。しかしながら、硬化・収縮したコンクリートに無線通信機の挿入部が把持されたままの状態とする。
【0014】
型枠を取り外した後も、温度センサによる温度計測を継続しながら、コンクリートが所定の強度に達したかどうかを検討し、所定の強度に達するまで、硬化・収縮したコンクリートに前記挿入部が把持されたままの状態を維持する。
【0015】
所定の強度に達してから、ヘッド部を回動させ挿入部をコンクリートから離脱させる。これにより、無線通信器をコンクリートから取り外す。
【0016】
第2の発明に係る無線通信器では、フランジは、円盤状をなす。
【0017】
この構成により、ヘッド部の回動位置がどのようであっても、フランジを型枠の開口部と嵌合させることができる。
【0018】
第3の発明に係る無線通信器では、ヘッド部の高さよりも、挿入部の深さが大である。
【0019】
この構成により、挿入部をコンクリートの深層部に到達させ、深層部の温度を計測できる。
【0020】
第4の発明に係る無線通信器では、ヘッド部の高さよりも、挿入部の深さが小である。
【0021】
この構成により、挿入部をコンクリートの表層部に到達させ、表層部の温度を計測できる。
【0022】
また、無線通信器をコンクリートから取り外した後、挿入部が離脱された際に形成された空隙にモルタル等の充填剤を充填して封止するのが好ましい。
【0023】
この構成により、打設コンクリートの見栄えを改善できる。
【0024】
更に、所定の強度は、設計基準強度とするのが好ましい。
【0025】
この構成によれば、実務上の常識に従った運用が可能となる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、型枠が組まれている状態だけでなく、型枠の離型後所定の強度に達するまでの間、硬化・収縮したコンクリートに無線通信機の挿入部が把持されたままの状態となるため、継続してコンクリートの状態量を計測できる。特に、多数の型枠が同じ現場で使用される場合にも、無線により支障なく計測を行うことができる。
【0027】
また、コンクリートから無線通信器を取り外した後、コンクリートの内部には、異物が残存しないため、コンクリートのひび割れ等の不具合を生じにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
図1~
図6は、本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図であり、
図7は、同無線通信器のブロック図、
図8は、本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法を示すフローチャートである。
【0030】
まず、
図7を参照しながら、本形態における無線通信器の概要を説明する。本形態では、13.56MHzの周波数が使用され、RFIDキャリアが送信される。もちろん、この点は周波数帯を上記のものに限定する趣旨ではなく、他の周波数帯を使用しても良い。無線通信器40は、次の要素を有する。
【0031】
アンテナ41は、RFIDキャリアを送受信し、電圧印加回路42は、誘導電圧を発生する。
【0032】
FET43は、電圧印加回路42が誘導電圧を発生するとオンし、レギュレータ44を動作させる。
【0033】
レギュレータ44は、動作すると、電池45の電力をマイクロプロセッサ46に供給する。
【0034】
マイクロプロセッサ46は、電力を受けて、無線通信器40の各要素を制御する。本形態では、マイクロプロセッサ46は、タイマを内蔵しているものとする。
【0035】
本形態では、4つのセンサが設けられる。姿勢センサS1は、型枠の姿勢が水平であるか、あるいは垂直であるかを検出する。姿勢検出センサS1としては、加速度センサが好適に使用できる。
【0036】
加速度センサとしては、機械式、光学式、半導体式のいずれでも良いが、半導体式の加速度センサが安価で取り扱い容易なため、好適である。
【0037】
なお、3軸の加速度センサであることが望ましいが、設置あるいは個数を工夫すれば、1軸あるいは2軸の加速度センサも使用できる。
【0038】
温度センサS2は、コンクリートの温度を計測する。
【0039】
コンクリート検出センサS3は、打設されたコンクリートが無線通信器40の設置位置まで到達したかどうかを検出する。
【0040】
水分センサS4は、コンクリート内の水分に関する状態量を求める。
【0041】
次に、
図8及び
図1~
図6を参照しながら、本形態の無線通信器40を使用するコンクリート打設管理方法の各工程を説明する。
【0042】
まず、
図8のステップ1、2に示すように、部材の用意を行い、無線通信器40を取り付け、型枠を組み立てる。通常、型枠内には、鉄筋が組み込まれる。
【0043】
より具体的には、
図1に示すように、型枠を構成する一対のせき板1、2の少なくとも一方(せき板1)に、その厚さ方向に貫通する開口部1aを形成する。なお、構築するコンクリート構造物の寸法Wに合わせ、一対のせき板1、2の間隔が設定される。
【0044】
以下図示の都合上、水平なスラブを構築するように、せき板1が上で、せき板2が下の上下関係となる場合を説明する。
【0045】
しかしながら、本発明は、柱や垂直な壁を構築するような場合(つまり、せき板1が左右の一方で、せき板2が左右の他方となる場合)に、無線通信器40が横向きになるときであっても、同様に適用可能であり、このような場合も本発明の保護範囲に属する点が理解されねばならない。
【0046】
無線通信器40は、
図2に示すような外観を呈し、次の要素を備える。
【0047】
フランジ3は、好ましくは円盤状をなし、せき板1に形成される開口部1aに、開口部1aの底面1bと面一となる底面を有する。但し、せき板1の開口部1aへの嵌合乃至取り外しに支障がないのであれば、フランジ3を矩形や多角形としても良い。
【0048】
先細りの円錐状をなす挿入部5が、フランジ3から型枠の内側に突出する。
【0049】
フランジ3よりも小径のヘッド部4が、フランジ3から型枠の外側に露出する。ここで、ヘッド部4を小径とするのは、せき板1の開口部1aへの着脱を容易にするためである。なお、ヘッド部4の外側面は、操作時に作業者の手が滑らないように粗面とするか、図示しているように、突条4a等を設けるのが好ましい。
【0050】
図1~
図2に示すように、フランジ3を開口部1aに嵌合した後、ヘッド部4の頂部に固定される固定具6の両端部に、ビス7を取り付け、せき板1にねじ込むことにより、無線通信器40を型枠に固定する。
【0051】
この固定状態は、型枠が離型されるまで(つまり打設されたコンクリートが柔らかい状態から十分に硬化・収縮するまでの間)継続される。この間、ヘッド部4が固定具6によりせき板1に固定されることにより、無線通信器40は、コンクリートと一体となる。
【0052】
図2の状態となったら、
図8のステップ3に示すように、計測を開始することができる。
【0053】
より具体的には、
図7のアンテナ41から外部の受信器(図示せず、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等)に、各センサS1~S4の計測値等を送信可能となる。受信器は、その内部にデータを保存しても良いし、所定のサイトにあるサーバにデータを送信する等、当業者にとって自明の通信が可能となる。
【0054】
また、
図8のステップ4に示すように、コンクリートの打設を開始する。なお、ステップ3、4の順番は同時でも良いし、入れ替えても良い。なお、バイブレータを用いてコンクリートCに振動を付与しても良いし、付与しなくても良い。コンクリートCの種類に関する制限は、特になく、適宜選択できる。
【0055】
コンクリートが無線通信器40の周囲に至ると、
図3に示すような状態となる。コンクリートは、打設直後はどろどろの状態にあるが、水和反応が進行するにつれ、温度が上昇し、順次硬化・収縮してゆく。
【0056】
この間、
図8のステップ5に示すように、MPU46は、所定の離型条件を満たすかどうかチェックし、離型条件が満たされない場合、型枠が維持され計測が継続される(ステップ6)。
【0057】
ステップ5にて、離型条件が満たされたら、固定具6のビス7を緩めて、固定具6をせき板1から取り外す。さらに、せき板1、2も取り外して、型枠を解体する。或いは逆に、せき板1、2を取り外してから、固定具6のビス7を緩めて、固定具6をせき板1から取り外しても良い。
【0058】
この際、無線通信器40は、
図4に示す状態となる。コンクリートCは、硬化すると収縮して、無線通信器40の挿入部5を強く把持する。その結果、せき板1、2を取り外し、型枠を解体した後も、挿入部5は、コンクリートCと連結したままの状態となる。
【0059】
この点は、せき板1が上で、せき板2が下の上下関係となり、挿入部5の長手方向が重力の方向と平行になる場合だけでなく、せき板1が左右の一方で、せき板2が左右の他方となり、挿入部5の長手方向が、重力の方向と、直交するか、或いは、交差する場合であっても、同様に成立する。
【0060】
実際、本願の発明者らが行った実験により、コンクリートCが硬化・収縮すると、挿入部5がコンクリートCと強く連結し、せき板2が左右の他方となる場合であっても、容易には離脱しない点が明らかとなっていることを指摘しておく。
【0061】
この後、
図8のステップ8~9に示すように、コンクリートCの強度が、設計基準強度となるまで、無線通信器40による計測及び通信を継続する。
【0062】
このように、本発明によれば、型枠を解体した後、強度が、設計基準強度となるまでの間も、温度履歴を中心とする、計測及び通信が可能となるものである。
【0063】
所定強度となった後、
図5に示すように、作業員がヘッド部4を手で掴み、例えば、矢印N方向にヘッド部4を回動させることにより、挿入部5がコンクリートCから分離する。所定強度となるのは、現場の状況に依存するので、コンクリート打設後28日となることもあるし、その前後となることもある。なお、分離を容易にするために、挿入部5の表面に潤滑剤を塗布したり、剥離層を設ける等しても良い。
【0064】
その結果、もとは挿入部5が存在していた箇所が空隙tとなる。
図6に示すように、打設コンクリートCの見栄えを向上させるため、空隙tに充填材(例えば、モルタルm等)を充填し、空隙tを封止するのが望ましい。
【0065】
以上の説明により、無線通信器40を取り外した後に、コンクリートC内に異物が残存することがない点が理解されよう。
【0066】
以下、挿入部5の長さに関する2つの実施例を説明する。
【0067】
(実施例1)
実施例1の無線通信器40では、
図9に示すように、ヘッド部4の高さよりも、挿入部5のフランジ3からの深さが大である。なお、ヘッド部4内には、
図7に示す回路が実装される基板8と、基板8をヘッド部4内で支持する支柱9とが、設けられている。
【0068】
実施例1の関係は、コンクリートCの深層部の計測に適する。深層部では、水分センサS4を省略しても良い。
【0069】
(実施例2)
実施例2の無線通信器40’では、
図10に示すように、ヘッド部4の高さよりも、挿入部5のフランジ3からの深さが小である。この場合には、温度センサS2とほぼ同じ位置に水分センサS4を設けるのが、望ましい。これは、表層部では、乾燥が進みやすいからである。なお、型枠を取り外した後は、水分センサS4による計測を行うのが好ましい。
【0070】
実施例2の関係は、コンクリートCの表層部の計測に適する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図
【
図2】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図
【
図3】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図
【
図4】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図
【
図5】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図
【
図6】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法の工程説明図
【
図7】本発明の一実施の形態における無線通信器のブロック図
【
図8】本発明の一実施の形態における無線通信器を使用するコンクリート打設管理方法を示すフローチャート
【
図10】本発明の実施例2に係る挿入部を示す断面図
【符号の説明】
【0072】
1、2 せき板
1a 開口部
1b 接触面
1c 非接触面
3 フランジ
3a 底面
4 ヘッド部
4a 突条
5 挿入部
5a 先端部
6 固定具
7 ビス
8 基板
9 支柱
40、40’ 無線通信器
41 アンテナ
42 電圧印加回路
43 FET
44 レギュレータ
45 電池
46 マイクロプロセッサ
m モルタル
t 空隙
S1 姿勢センサ
S2 温度センサ
S3 コンクリート検出センサ
S4 水分センサ