(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-18
(45)【発行日】2025-09-29
(54)【発明の名称】処理液吐出ノズル、ノズルアーム、基板処理装置、および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20250919BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
H01L21/306 R
H01L21/304 643A
H01L21/304 643C
H01L21/304 646
(21)【出願番号】P 2024110074
(22)【出願日】2024-07-09
(62)【分割の表示】P 2020093773の分割
【原出願日】2020-05-28
【審査請求日】2024-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2019131192
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 嘉文
(72)【発明者】
【氏名】相浦 一博
(72)【発明者】
【氏名】植木 達博
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-92283(JP,A)
【文献】特開2016-72557(JP,A)
【文献】特開2007-214347(JP,A)
【文献】特開2017-176917(JP,A)
【文献】特開平9-10709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理に用いる処理液を吐出する処理液吐出ノズルであって、
処理液供給路に連通する第1流路が形成された第1本体部と、前記第1流路に連通する第2流路が形成され、前記第1本体部に対して屈曲する第2本体部とを有するノズル本体部と、
前記第2流路に連通する吐出流路が形成され、処理液を基板に吐出するノズル吐出部と
を備え、
前記ノズル吐出部は、前記第2本体部の先端に着脱可能であり、
前記ノズル吐出部の内壁面は、前記第1流路、および前記第2流路の内壁面よりも親水性が高い、処理液吐出ノズル。
【請求項2】
前記ノズル吐出部は、前記ノズル本体部よりも親水性が高い材料で構成される
請求項1に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項3】
前記ノズル吐出部は、前記ノズル本体部に螺合される
請求項1または2に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項4】
前記吐出流路の径は、前記第2流路の径よりも小さい
請求項1~3のいずれか一つに記載の処理液吐出ノズル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載の処理液吐出ノズルと、
固定部材と、
前記固定部材が取り付けられるアーム部と、
前記固定部材、または前記アーム部を、水平方向に回動させる回動機構と、
を備えるノズルアーム。
【請求項6】
前記回動機構は、前記アーム部に対し、前記固定部材を回動させる
請求項5に記載のノズルアーム。
【請求項7】
基板に当たって前記基板の上方に飛散した処理液を、前記基板よりも外側に排出するガスを吐出するガス吐出ノズル
を備える請求項5または6に記載のノズルアーム。
【請求項8】
前記ガス吐出ノズルは、前記処理液吐出ノズルよりも内側に配置される
請求項7に記載のノズルアーム。
【請求項9】
前記ガス吐出ノズルは、水平方向における基板接線に対する前記処理液の吐出角度よりも大きい吐出角度によって前記ガスを吐出する
請求項7または8に記載のノズルアーム。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか一つに記載のノズルアームと、
載置された基板を回転させる基板回転部と
を備え、
前記処理液吐出ノズルは、前記基板の周縁に向けて処理液を吐出する
基板処理装置。
【請求項11】
請求項5~9のいずれか一つに記載のノズルアームと、
載置された基板を回転させる基板回転部と、
前記処理液吐出ノズルと前記基板回転部とを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
基板処理に応じて前記回動機構における回動角度を設定し、
設定した前記回動角度によって処理液を基板に向けて吐出させる
基板処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記基板処理中に前記回動角度を変更する
請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
請求項1~4のいずれか一つに記載の処理液吐出ノズルと、
前記処理液吐出ノズルに接触し、前記処理液吐出ノズルと導通するアーム部と
を備える基板処理装置。
【請求項14】
請求項1~4のいずれか一つに記載の処理液吐出ノズルと、
前記処理液吐出ノズルを除電するイオナイザと
を備える基板処理装置。
【請求項15】
前記基板処理が行われる場合に、基板を保持する保持部
を備え、
前記イオナイザは、前記基板が前記保持部に保持されていない場合に、前記処理液吐出ノズルを除電する
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
請求項5~9のいずれか一つに記載のノズルアームを用いて基板に処理液を吐出する基板処理方法であって、
基板処理に応じて前記回動機構における回動角度を設定する工程と、
設定された前記回動角度によって処理液を基板に向けて吐出する工程と
を含む基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理液吐出ノズル、ノズルアーム、基板処理装置、および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板に向けて処理液ノズルから処理液を吐出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、パーティクルの発生を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による処理液吐出ノズルは、基板処理に用いる処理液を吐出する処理液吐出ノズルである。処理液吐出ノズルは、ノズル本体部と、ノズル吐出部とを備える。ノズル本体部は、処理液供給路に連通する第1流路が形成された第1本体部と、第1流路に連通する第2流路が形成され、第1本体部に対して屈曲する第2本体部とを有する。ノズル吐出部は、第2流路に連通する吐出流路が形成され、処理液を基板に吐出する。ノズル吐出部は、第2本体部の先端に着脱可能である。ノズル吐出部の内壁面は、第1流路、および第2流路の内壁面よりも親水性が高い。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、パーティクルの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る処理液供給部の斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る処理液供給部の平面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る処理液吐出ノズルの正面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る処理液吐出ノズルの平面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る吐出角度変更処理を説明するフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る処理液供給部の平面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る処理液吐出ノズルの平面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る処理液吐出ノズルを斜め下方から見た斜視図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る処理液供給部の平面図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態に係る処理液吐出ノズル、およびガス吐出ノズルの配置を説明する模式図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態に係る基板処理装置の一部を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態に係る基板処理装置において、処理液吐出ノズルが待機位置にある状態を示す模式図である。
【
図18】
図18は、第4実施形態に係る基板処理装置において、処理液吐出ノズルが吐出位置にある状態を示す模式図である。
【
図19】
図19は、第5実施形態に係る基板処理装置において、第1導通部が非接触位置にある状態を示す模式図である。
【
図20】
図20は、第5実施形態に係る基板処理装置において、第1導通部が接触位置にある状態を示す模式図である。
【
図21】
図21は、第6実施形態に係る基板処理装置の一部を示す斜視図である。
【
図22】
図22は、第7実施形態に係る基板処理装置の一部を示す斜視図である。
【
図23】
図23は、変形例に係るアームの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する処理液吐出ノズル、ノズルアーム、基板処理装置、および基板処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により開示される処理液吐出ノズル、ノズルアーム、基板処理装置、および基板処理方法が限定されるものではない。
【0009】
以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。X軸方向、およびY軸方向は、水平方向である。以下では、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として説明する場合がある。
【0010】
(第1実施形態)
<基板処理装置の全体構成>
第1実施形態に係る基板処理装置1の構成について
図1を参照し説明する。
図1は第1実施形態に係る基板処理装置1の構成を示す模式図である。
【0011】
基板処理装置1は、処理容器2と、保持部3と、外方カップ4と、アーム5と、制御装置6とを備える。処理容器2は、保持部3、外方カップ4、およびアーム5を収容する。処理容器2は、後述するアーム5の処理液吐出ノズル21、および移動機構11を収容する。
【0012】
保持部3は、載置された円形の基板Wを保持する。保持部3は、基板処理が行われる場合に、基板Wを保持する。例えば、保持部3は、バキュームチャックによって基板Wの下面側を吸着し、保持する。また、保持部3(基板回転部の一例)は、載置された基板Wを回転させる。具体的には、保持部3は、Z軸方向に沿った軸を中心に回転し、保持した基板Wを回転させる。
【0013】
また、保持部3は、Z軸方向に昇降する。保持部3は、例えば、基板Wを保持した状態で昇降する。保持部3は、受け渡し位置と、処理位置との間で基板Wを昇降させる。受け渡し位置は、外方カップ4よりも上方に設定された位置であり、保持部3と基板搬送装置(不図示)との間で基板Wの受け渡しが行われる位置である。処理位置は、受け渡し位置よりも下方であり、外方カップ4内に設定された位置であり、基板Wに対し基板処理が行われる位置である。
【0014】
外方カップ4(カップ部の一例)は、保持部3、および保持部3に保持された基板Wの外方を囲むように設けられる。外方カップ4は、環状に設けられる。
【0015】
外方カップ4は、基板Wから飛散した処理液を受け止める。外方カップ4は、耐薬品性の高い材料によって形成される。外方カップ4の底部には、排液口(不図示)が設けられる。外方カップ4に受け止められた処理液は、排液口から処理容器2の外部に排出される。
【0016】
処理液は、例えば、薬液やリンス液などである。薬液は、例えば、フッ酸(HF)、希フッ酸(DHF)、フッ硝酸などである。なお、フッ硝酸とは、フッ酸(HF)と硝酸(HNO3)との混合液である。また、リンス液は、例えば、DIW(脱イオン水)である。
【0017】
アーム5は、X軸方向に沿って並ぶように一対配置される。具体的には、アーム5は、X軸方向において、基板Wの両側に配置される。以下では、一対のアーム5のうち、X軸負方向側のアーム5を左アーム5Lとし、X軸正方向側のアーム5を右アーム5Rとして説明することがある。アーム5は、アーム部10と、移動機構11と、処理液供給部12とを備える。なお、アーム5は、1つ配置されてもよい。
【0018】
アーム部10は、基端からZ軸方向に沿って延び、および上方の端から水平方向に延びる。アーム部10は、L字状に設けられる。
【0019】
移動機構11(回動機構の一例)は、アーム部10を回動させる。具体的には、移動機構11は、Z軸方向に延びるアーム部10の軸を中心に、アーム部10を回動させる。また、移動機構11は、アーム部10をX軸方向、およびZ軸方向に沿って移動させる。移動機構11は、複数設けられてもよい。例えば、移動機構11として、アーム部10をZ軸方向の軸を中心に回動させる移動機構、アーム部10をX軸方向に沿って移動させる移動機構、およびアーム部10をZ軸方向に沿って移動させる移動機構が設けられる。
【0020】
処理液供給部12は、基板Wの上面に処理液を供給する。処理液供給部12は、基板Wの上面の周縁に処理液を吐出し、基板Wの周縁にエッチング処理を行う。処理液供給部12は、アーム部10の先端に設けられる。処理液供給部12の詳細については、後述する。
【0021】
周縁は、円形の基板Wの端面から、例えば、幅1~5mm程度、基板Wの径方向内側を含む領域である。周縁は、環状の領域である。
【0022】
なお、基板処理装置1は、基板Wの下面の周縁に処理液を供給する下面供給部(不図示)や、基板Wの下面に向けて加熱された流体を供給する加熱機構(不図示)などを備えてもよい。
【0023】
制御装置6は、例えば、コンピュータであり、記憶部6aと制御部6bとを備える。
【0024】
記憶部6aは、例えば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムを記憶する。
【0025】
制御部6bは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。制御部6bは、記憶部6aに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理装置1の動作を制御する。
【0026】
なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、記憶媒体から制御装置6の記憶部6aにインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0027】
<処理液供給部>
次に、処理液供給部12について
図2、および
図3を参照し説明する。
図2は、第1実施形態に係る処理液供給部12の斜視図である。
図3は、第1実施形態に係る処理液供給部12の平面図である。なお、
図2、および
図3の処理液供給部12は、右アーム5Rに設けられた処理液供給部12である。
【0028】
処理液供給部12は、ノズルブロック20と、処理液吐出ノズル21とを備える。ノズルブロック20は、アーム部10の先端に取り付けられる。すなわち、アーム部10には、ノズルブロック20(固定部材の一例)が取り付けられる。ノズルブロック20には、アーム5に設けられた処理液供給管5aが接続される。ノズルブロック20には、
図4に示すように、処理液供給路20aが形成される。処理液供給路20aには、処理液供給管5aから供給される処理液が流れる。
図4は、
図3のIV-IV断面図である。
【0029】
ノズルブロック20には、第1凹部20bと、第2凹部20cと、第3凹部20dが形成される。第1凹部20bは、ノズルブロック20の上面から下方に向けて窪むように形成される。第1凹部20bの底部には、貫通孔20eが形成される。貫通孔20eには、処理液吐出ノズル21をノズルブロック20に固定するボルト22が挿入される。
【0030】
貫通孔20eは、
図3に示すように、1つの処理液吐出ノズル21に対し複数設けられる。例えば、貫通孔20eは、1つの処理液吐出ノズル21に対して2つ設けられる。なお、1つの処理液吐出ノズル21に対する貫通孔20eの数は、2つに限られることはない。例えば、1つの処理液吐出ノズル21に対する貫通孔20eの数は、3以上であってもよい。
【0031】
第2凹部20cは、
図4に示すように、ノズルブロック20の下面から上方に向けて窪むように形成される。第2凹部20cは、貫通孔20eの周囲に形成される。第2凹部20cは、貫通孔20eによって第1凹部20bと連通する。第2凹部20cには、後述する処理液吐出ノズル21の取付部32aが挿入される。
【0032】
第2凹部20c、および貫通孔20eは、ノズルブロック20に対し、水平方向における処理液吐出ノズル21の角度を変更可能とするように設けられる。具体的には、第2凹部20cは、処理液吐出ノズル21の取り付け位置に応じて処理液吐出ノズル21の取付部32aを挿入できるように複数設けられる。例えば、第2凹部20cは、1つの処理液吐出ノズル21に対して2つ設けられる。なお、2つの第2凹部20cの一部が、重なるように設けられてもよい。すなわち、2つの第2凹部20cは、連通して設けられてもよい。
【0033】
また、貫通孔20eは、処理液吐出ノズル21の角度を変更可能とするように設けられる。具体的には、1つの処理液吐出ノズル21に対応する2つの貫通孔20eは、後述する処理液吐出ノズル21の導入部35bの中心軸を中心とした同一の半径上に中心軸が配置され、形成される。
【0034】
第3凹部20dは、ノズルブロック20の下面から上方に向けて窪むように形成される。第3凹部20dには、後述する処理液吐出ノズル21の導入部35bが挿入される。第3凹部20dの内壁面は、円形に形成される。
【0035】
処理液吐出ノズル21は、移動機構11によるアーム部10の移動に伴い、待機位置と、吐出位置との間を移動する。待機位置は、処理液吐出ノズル21の一部が外方カップ4に形成された切欠部4aに収容される位置である。待機位置は、保持部3によって基板Wを受け渡し位置と処理位置との間で昇降可能となる位置である。処理液吐出ノズル21が待機位置にある場合には、基板Wの昇降によって基板Wと処理液吐出ノズル21とは接触しない。
【0036】
吐出位置は、基板Wの径方向において待機位置よりも内側となる位置である。吐出位置は、処理液吐出ノズル21によって基板Wの周縁に処理液を吐出する位置である。
【0037】
次に、処理液吐出ノズル21について、
図5~
図7を参照し説明する。
図5は、第1実施形態に係る処理液吐出ノズル21の正面図である。
図6は、第1実施形態に係る処理液吐出ノズル21の平面図である。
図7は、
図6のVII-VII断面図である。
【0038】
処理液吐出ノズル21は、基板処理に用いる処理液を吐出する。処理液吐出ノズル21は、ノズル本体部30と、ノズル吐出部31と、接続部32とを備える。
【0039】
ノズル本体部30は、第1本体部35と、第2本体部36とを有する。第1本体部35は、Z軸方向に延びる。第1本体部35には、
図7に示すように、第1流路35aが形成される。第1流路35aは、Z軸方向に沿って形成される。第1流路35aは、ノズルブロック20の処理液供給路20a(
図4参照)に連通する。すなわち、第1本体部35には、処理液供給路20aに連通する第1流路35aが形成される。上方の第1本体部35には、ノズルブロック20の第3凹部20d(
図4参照)に挿入される導入部35bが設けられる。導入部35bの外壁面は、円形に形成される。
【0040】
導入部35bとノズルブロック20の第3凹部20dとの間にはOリング38(
図4参照)が設けられる。Oリング38は、第1本体部35とノズルブロック20との間から処理液が漏れることを防止する。
【0041】
第2本体部36は、第1本体部35に対して屈曲して設けられ、第1本体部35の下端から斜め下方に向けて延びる。具体的には、第2本体部36は、基板Wの回転方向に合わせて斜め下方に延びる。
【0042】
なお、左アーム5Lに設けられる処理液吐出ノズル21、および右アーム5Rに設けられる処理液吐出ノズル21では、各第2本体部36は、第1本体部35の下端から基板Wの回転方向に合わせてそれぞれ斜め下方に延びる。そのため、左アーム5Lに設けられる処理液吐出ノズル21、および右アーム5Rに設けられる処理液吐出ノズル21では、各第2本体部36が延びる方向が、例えば、Y軸方向において逆方向となる。
【0043】
第2本体部36には、
図7に示すように、第2流路36aが形成される。第2流路36aは、第1流路35aの下端から斜め下方に向け延びる。第2流路36aは、第1流路35aに連通する。このように、第2本体部36は、第1流路35aに連通する第2流路36aが形成され、第1本体部35に対して屈曲する。
【0044】
また、第2本体部36には、凹部36bが形成される。凹部36bは、第2本体部36の下方側の端から第1本体部35に向けて窪むように形成される。凹部36bには、ノズル吐出部31が挿入される。凹部36bの内壁面の一部には、ネジ溝が形成される。
【0045】
ノズル吐出部31は、基板Wの周縁に向けて処理液を吐出する。ノズル吐出部31は、第2本体部36が延びる方向に沿って延びる。すなわち、ノズル吐出部31は、第2本体部36に沿って斜め下方に向けて延びる。
【0046】
ノズル吐出部31は、第2本体部36の凹部36bに挿入され、ノズル本体部30に取り付けられる。ノズル吐出部31は、第2本体部36の先端に着脱可能である。
【0047】
ノズル吐出部31のうち、第2本体部36の凹部36bに挿入される挿入部31aには、ネジ山が形成される。ネジ山は、凹部36bの内壁面に形成されるネジ溝に応じて形成される。ノズル吐出部31は、ノズル本体部30に螺合される。
【0048】
ノズル吐出部31の挿入部31aと第2本体部36との間には、Oリング39が設けられる。Oリング39は、ノズル吐出部31と第2本体部36との間から処理液が漏れることを防止する。
【0049】
ノズル吐出部31には、第2流路36aに連通する吐出流路31bが形成される。吐出流路31bの径は、第2流路36aの径よりも小さい。具体的には、吐出流路31bの内壁面31cの径は、第2流路36aの内壁面36cの径よりも小さい。なお、吐出流路31bの内壁面31cの径は、第1流路35aの内壁面35cの径よりも小さい。
【0050】
また、ノズル吐出部31の先端には、吐出流路31bに連通し、処理液を基板Wに向けて吐出する吐出口31dが形成される。吐出口31dの径は、吐出流路31bの径よりも小さい。具体的には、吐出口31dの内壁面31eの径は、吐出流路31bの内壁面31cの径よりも小さい。
【0051】
吐出流路31bの径、および吐出口31dの径は、処理の種類や吐出する処理液の種類などに応じて設定されている。すなわち、処理液吐出ノズル21では、処理の種類や吐出する処理液の種類などに応じて、ノズル本体部30に取り付けるノズル吐出部31を交換することができる。
【0052】
このように、ノズル吐出部31には、第2流路36aに連通する吐出流路31bが形成され、処理液を基板Wの周縁に吐出する。すなわち、処理液吐出ノズル21は、基板Wの周縁に向けて処理液を吐出する。
【0053】
接続部32は、
図5、および
図6に示すように、第1本体部35に対し水平方向に延びる。接続部32は、第1本体部35と一体的に設けられる。接続部32には、上方に向けて突出する取付部32aが設けられる。取付部32aには、
図6に示すように、ボルト22(
図4参照)が挿入されるボルト穴32bが形成される。ボルト穴32bの内壁面には、ボルト22のネジ山に対応するネジ溝が形成される。接続部32には、ボルト22が螺合される。ボルト22が螺合されることで、ノズル本体部30は、ノズルブロック20に固定される。
【0054】
<処理液吐出ノズルによる処理液の吐出角度変更>
処理液吐出ノズル21では、ノズルブロック20の第3凹部20dに挿入される導入部35bを中心に回動させることによって、ノズルブロック20に対し、水平方向に処理液吐出ノズル21を回動させることができる。そして、処理液吐出ノズル21は、接続部32の取付部32aが挿入される第2凹部20cの位置を変更することによって、ノズルブロック20に対する取り付け位置を変更することができる。すなわち、接続部32(角度変更機構の一例)は、ノズルブロック20(固定部材の一例)に対する取り付け位置を変更可能である。換言すると、接続部32は、ノズル本体部30が固定されるノズルブロック20(固定部材の一例)に対し、水平方向におけるノズル本体部30の角度を変更する。
【0055】
ノズルブロック20に対するノズル本体部30の取り付け位置を変更することによって、ノズルブロック20に対する処理液の吐出角度を変更することができる。すなわち、処理液吐出ノズル21は、基板Wに対する処理液の吐出角度を変更することができる。吐出角度は、処理液吐出ノズル21によって吐出された処理液が基板Wに当たる位置における基板Wの接線に対する水平方向の角度である。
【0056】
<アームによる回動角度変更>
アーム5では、移動機構11によってZ軸方向の軸を中心にアーム部10を回動することができる。すなわち、移動機構11(回動機構の一例)は、アーム部10を水平方向に回動させることができる。そのため、例えば、基板Wに対する処理液の吐出中、すなわち基板処理中にアーム部10を回動させて、回動角度を変更することによって、基板Wに対する処理液の吐出角度を変更することができる。なお、基板処理中にアーム部10を回動させずに、基板処理を行ってもよい。
【0057】
ここでアーム5による処理液の吐出角度変更処理について
図8を参照し説明する。
図8は、第1実施形態に係る吐出角度変更処理を説明するフローチャートである。吐出角度変更処理は、制御装置6の制御部6bが、処理液吐出ノズル21と保持部3とを制御することで実行される。
【0058】
制御部6bは、基板Wに対する処理に応じてアーム部10の初期角度を設定する(S100)。すなわち、制御部6bは、基板処理に応じて移動機構11(回動機構の一例)における回動角度を設定する。
【0059】
制御部6bは、設定した初期角度に応じてアーム部10を回動させて(S101)、初期角度によって処理液吐出ノズル21から処理液の吐出を開始する(S102)。すなわち、制御部6bは、設定した回動角度によって処理液を基板Wに向けて吐出させる。
【0060】
制御部6bは、角度変更タイミングになったか否かを判定する(S103)。例えば、制御部6bは、処理液の吐出を開始してから所与の第1時間が経過したか否かを判定する。所与の第1時間は、予め設定された時間である。
【0061】
制御部6bは、角度変更タイミングではない場合には(S103:No)、初期角度による処理液の吐出を継続する(S102)。
【0062】
制御部6bは、角度変更タイミングになった場合には(S103:Yes)、アーム部10の角度を所与の変更角度に設定する(S104)。所与の変更角度は、予め設定された角度である。制御部6bは、設定された所与の変更角度に応じてアーム部10を回動させる(S105)。すなわち、制御部6bは、基板処理中に回動角度を変更する。
【0063】
制御部6bは、処理終了タイミングになったか否かを判定する(S106)。例えば、制御部6bは、アーム部10の角度を所与の変更角度に変更してから、所与の第2時間が経過したか否かを判定する。所与の第2時間は、予め設定された時間である。
【0064】
制御部6bは、処理終了タイミングではない場合には(S106:No)、所与の変更角度による処理を継続する(S105)。制御部6bは、処理終了タイミングになった場合には(S106:Yes)、処理液の吐出を終了する(S107)。
【0065】
<効果>
処理液吐出ノズル21は、ノズル本体部30と、接続部32(角度変更機構の一例)とを備える。ノズル本体部30は、第1本体部35と、第2本体部36とを有する。第1本体部35には、処理液供給路20aに連通する第1流路35aが形成される。第2本体部36には、第2流路36aが形成され、第1本体に対して屈曲する。接続部32は、ノズル本体部30が固定されるノズルブロック20(固定部材の一例)に対し、水平方向におけるノズル本体部30の角度を変更する。具体的には、接続部32は、ノズルブロック20に対する取り付け位置を変更可能である。
【0066】
これにより、処理液吐出ノズル21は、基板Wに対する処理、例えば、基板W上の膜の種類や、基板Wの吐出する処理液の種類に応じて処理液の吐出角度を変更することができる。そのため、処理液吐出ノズル21は、例えば、基板Wの周縁をエッチングするための処理液が、基板Wに当たって飛散することを抑制することができる。従って、エッチングを行わない箇所に、飛散した処理液が付着することを抑制することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0067】
また、処理液吐出ノズル21は、ノズル吐出部31を備える。ノズル吐出部31は、第2流路36aに連通する吐出流路31bが形成され、処理液を基板Wに吐出する。また、ノズル吐出部31は、第2本体部36の先端に着脱可能である。
【0068】
これにより、処理液吐出ノズル21は、基板Wに対する処理に応じてノズル吐出部31を交換することができる。そのため、処理液吐出ノズル21は、例えば、基板Wの周縁を精度よくエッチングすることができる。また、例えば、ノズル吐出部31の吐出口31dに処理液が詰まった場合に、ノズル吐出部31を交換することによって、基板処理を容易に復旧させることができる。
【0069】
また、処理液吐出ノズル21は、第1流路35aから第2流路36aに処理液が流れる際に発生した気泡を、吐出流路31bに処理液を流す間に低減させることができる。そのため、処理液吐出ノズル21は、基板Wに吐出される処理液に気泡が含まれることを抑制することができ、処理液の吐出状態を安定化させることができる。
【0070】
また、吐出流路31bの径は、第2流路36aの径よりも小さい。
【0071】
これにより、処理液吐出ノズル21は、処理液が第2流路36aから吐出流路31bに流入する際に、気泡の発生を抑制することができる。そのため、処理液吐出ノズル21は、基板Wに吐出される処理液に気泡が含まれることを抑制することができ、処理液の吐出状態を安定化させることができる。
【0072】
また、アーム5(ノズルアームの一例)は、処理液吐出ノズル21と、ノズルブロック20(固定部材の一例)と、アーム部10と、移動機構11(回動機構の一例)とを備える。アーム部10には、固定部材が取り付けられる。移動機構11は、アーム部10を水平方向に回動させる。基板処理装置1は、基板処理に応じて移動機構11における回動角度を設定し、設定した回動角度で処理液を基板Wに吐出させる。
【0073】
これによって、基板処理装置1は、基板処理に応じた吐出角度によって処理液吐出することができ、基板Wの周縁を精度よくエッチングすることができる。
【0074】
また、基板処理装置1は、基板処理中に回動角度を変更する。
【0075】
これにより、基板処理装置1は、処理液を基板Wの周縁に均一に吐出することができ、基板Wの周縁を精度よくエッチングすることができる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る基板処理装置1について説明する。第2実施形態に係る基板処理装置1は、第1実施形態に係る基板処理装置1に対し、処理液供給部50が異なっている。そのため、ここでは、第2実施形態に係る処理液供給部50について説明する。なお、第1実施形態に係る処理液供給部12と同じ部位には、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0077】
<処理液供給部>
処理液供給部50のノズルブロック51には、
図9に示すように、1つの処理液吐出ノズル52に対して1つの貫通孔20eが設けられる。
図9は、第2実施形態に係る処理液供給部50の平面図である。なお、
図9の処理液供給部50は、右アーム5Rに設けられた処理液供給部50である。
【0078】
処理液吐出ノズル52は、
図10および
図11に示すように、ノズル本体部53と、接続部54とが別体として設けられる。
図10は、第2実施形態に係る処理液吐出ノズル52の平面図である。
図11は、
図10のXI-XIの断面図である。
【0079】
第1本体部55には、
図11に示すように、係合溝55aが形成される。係合溝55aは、導入部35bよりも下方に形成される。係合溝55aは、第1本体部55の全周にわたり形成される。係合溝55aが形成されることによって、第1本体部55には、導入部35bと係合溝55aとの間に係合部55bが形成される。係合部55bの外壁面の径は、導入部35bの外壁面の径よりも大きい。
【0080】
接続部54は、一対の腕部54aを有する。一対の腕部54aは、係合溝55aに挿入されて第1本体部55を挟持する。第1本体部55は、一対の腕部54aに挟持された状態において、水平方向に回動することができる。すなわち、接続部54(角度変更機構の一例)は、第1本体部55を回動可能に支持する。また、腕部54aの上面は、第1本体部55の係合部55bに当接する。すなわち、一対の腕部54aは、係合部55bに係合する。
【0081】
また、第1本体部55、および接続部54には、
図12に示すように、位置合わせ部60が設けられる。
図12は、第2実施形態に係る処理液吐出ノズル52を斜め下方から見た斜視図である。位置合わせ部60は、第1位置合わせ溝60a、および第2位置合わせ溝60bを含む。
【0082】
第1位置合わせ溝60aは、第1本体部55に形成される。第1位置合わせ溝60aは、係合溝55a(
図11参照)よりも下方の第1本体部55に形成される。第1位置合わせ溝60aは、第1本体部55の外壁面に複数形成される。具体的には、第1位置合わせ溝60aは、第1本体部55の周方向に沿って複数形成される。
【0083】
第2位置合わせ溝60bは、接続部54に形成される。例えば、第2位置合わせ溝60bは、Z軸方向に接続部54を貫通するように形成されてもよい。
【0084】
ボルト22によって接続部54がノズルブロック51に固定されると、ノズル本体部53は、
図13に示すように、第1本体部55の係合部55bがZ軸方向において、接続部54の腕部54aと、ノズルブロック51とによって挟持される。これによって、ノズル本体部53は、ノズルブロック51に対し、固定される。
図13は、
図9のXIII-XIII断面図である。
【0085】
<処理液吐出ノズルによる処理液の吐出角度変更>
ノズル本体部53は、ボルト22によってノズルブロック51に固定されていない状態では、接続部54に対し、第1本体部55を水平方向に回動させることができる。例えば、処理液吐出ノズル52では、第1本体部55の第1位置合わせ溝60aと、接続部54の第2位置合わせ溝60bとが合う位置が変更されることによって、ノズルブロック51に対する処理液の吐出角度を変更することができる。すなわち、ノズル本体部53、および接続部54は、ノズルブロック51(固定部材の一例)に対し、水平方向におけるノズル本体部53の角度を変更する位置合わせ部60を備える。
【0086】
<効果>
処理液吐出ノズル52では、接続部54(角度変更機構の一例)は、第1本体部55を回動可能に支持する。
【0087】
これにより、処理液吐出ノズル52は、基板Wに対する処理、例えば、基板W上の膜の種類や、基板Wの吐出する処理液の種類に応じて処理液の吐出角度を変更することができる。そのため、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0088】
また、第1本体部55、および接続部54は、位置合わせ部60を備える。位置合わせ部60は、ノズルブロック51(固定部材の一例)に対し、水平方向におけるノズル本体部53の角度を変更する。
【0089】
これにより、作業者は、位置合わせ部60に基づいて、ノズルブロック51に固定された接続部54対し、水平方向における第1本体部55の角度を容易に合わせることができる。そのため、作業者は、処理液の吐出角度を容易に設定することができる。
【0090】
<第2実施形態の変形例>
変形例に係る処理液吐出ノズル52は、位置合わせ部60として、第1本体部55、および接続部54の一方に、位置合わせ溝を設け、第1本体部55、および接続部54の他方に、位置合わせ溝に挿入される突出片を設けてもよい。
【0091】
これによって、変形例に係る処理液吐出ノズル52は、接続部54に対し、第1本体部55が回動することを抑制することができる。そのため、変形例に係る処理液吐出ノズル52は、処理液の吐出角度が、設定された吐出角度からずれることを抑制することができる。
【0092】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る基板処理装置1について説明する。第3実施形態に係る基板処理装置1は、第2実施形態に係る基板処理装置1に対し、処理液供給部70が異なっている。そのため、ここでは、第3実施形態に係る処理液供給部70について説明する。なお、第1実施形態に係る処理液供給部12や、第2実施形態に係る処理液供給部50と同じ部位には、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0093】
<処理液供給部>
処理液供給部70は、
図14に示すように、さらにガス吐出ノズル71を備える。
図14は、第3実施形態に係る処理液供給部70の平面図である。なお、
図14の処理液供給部70は、左アーム5Lに設けられた処理液供給部70である。
【0094】
ガス吐出ノズル71は、ノズルブロック51に取り付けられる。ガス吐出ノズル71は、処理液吐出ノズル52よりも内側に配置される。具体的には、ガス吐出ノズル71は、基板Wの径方向において、処理液吐出ノズル52よりも内側に配置される。
【0095】
ガス吐出ノズル71は、外側に向けてガス、例えば、窒素ガスを吐出する。ガス吐出ノズル71は、基板Wに当たって基板Wの上方に飛散した処理液を、基板Wよりも外側に排出するガスを吐出する。
【0096】
ガス吐出ノズル71は、水平方向における処理液の吐出角度よりも大きい吐出角度によってガスを吐出する。具体的には、ガス吐出ノズル71は、
図15に示すように、処理液吐出ノズル52によって吐出された処理液が基板Wに当たる位置Tにおける基板Wの接線Sに対する処理液の吐出角度A1に対し、吐出角度A1よりも大きい吐出角度A2によってガスを吐出する。すなわち、ガス吐出ノズル71は、水平方向における基板接線に対する処理液の吐出角度A1よりも大きい吐出角度A2によってガスを吐出する。
図15は、第3実施形態に係る処理液吐出ノズル52、およびガス吐出ノズル71の配置を説明する模式図である。
【0097】
また、ガス吐出ノズル71は、基板Wよりも上方に向けてガスを吐出する。具体的には、ガス吐出ノズル71は、処理液吐出ノズル52によって吐出された処理液が基板Wに当たる位置の上方に向けてガスを吐出する。なお、ガス吐出ノズル71は、処理液吐出ノズル52によって吐出された処理液が基板Wに当たる位置よりも、基板Wの回転方向においてわずかに下流側の上方に向けてガスを吐出してもよい。
【0098】
<効果>
処理液供給部70、すなわちアーム5は、ガス吐出ノズル71を備える。ガス吐出ノズル71は、基板Wに当たって基板Wの上方に飛散した処理液を、基板Wよりも外側に排出するガスを吐出する。
【0099】
これにより、アーム5は、基板Wに当たって飛散した処理液が、基板Wの径方向内側に付着することを抑制することができる。そのため、アーム5は、エッチングを行わない箇所に、飛散した処理液が付着することを抑制することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0100】
また、ガス吐出ノズル71は、処理液吐出ノズル52よりも内側に配置される。
【0101】
これにより、ガス吐出ノズル71は、基板Wに当たって飛散した処理液を基板Wの外側に向けて排出することができる。そのため、アーム5は、エッチングを行わない箇所に、飛散した処理液が付着することを抑制することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0102】
また、ガス吐出ノズル71は、水平方向における処理液の吐出角度よりも大きい吐出角度によってガスを吐出する。
【0103】
これによって、アーム5は、基板Wに当たって飛散した直後の処理液を基板Wの外側に向けて排出することができる。そのため、アーム5は、エッチングを行わない箇所に、飛散した処理液が付着することを抑制することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0104】
また、ガス吐出ノズル71は、基板Wよりも上方に向けてガスを吐出する。
【0105】
これによって、アーム5は、例えば、基板Wの周縁に吐出されて、基板Wの周縁に付着した処理液が基板Wの外側に排出されることを抑制し、基板Wの周縁のエッチング処理を促進させることができる。
【0106】
(第4実施形態)
次に第4実施形態に係る基板処理装置1について
図16~
図18を参照し説明する。ここでは、第1実施形態に係る基板処理装置1とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態に係る基板処理装置1と同じ部位には、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
図16は、第4実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す斜視図である。
図17は、第4実施形態に係る基板処理装置1において、処理液吐出ノズル21が待機位置にある状態を示す模式図である。
図18は、第4実施形態に係る基板処理装置1において、処理液吐出ノズル21が吐出位置にある状態を示す模式図である。なお、ここでは、右アーム5R側を一例として説明するが、左アーム5L側においても同様の構成を有する。
【0107】
基板処理装置1は、第1導通部90と、第2導通部91とをさらに備える。第1導通部90は、処理液吐出ノズル21に接触し、処理液吐出ノズル21と導通する。第1導通部90は、処理液吐出ノズル21に取り付けられる。例えば、第1導通部90は、処理液吐出ノズル21の第1本体部35に取り付けられる。第1導通部90は、導電性部材であり、例えば、カーボン含有の樹脂である。第1導通部90は、処理液吐出ノズル21と共に移動する。処理液吐出ノズル21、および第1導通部90は、移動機構11(
図1参照)によってX方向(
図1参照)に沿って移動する。
【0108】
第1導通部90には、第1本体部35が摺動可能な孔が形成される。すなわち、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21を第1本体部35に接触させた状態で、ノズルブロック20に対し、処理液吐出ノズル21を回動させることができ、ノズルブロック20に対する処理液の吐出角度を変更することができる。第1導通部90は、2つ以上の部材を合わせることによって孔を形成する。すなわち、第1導通部90は、2つ以上の部材を組み合わせることで構成される。なお、第1導通部90は、1つの部材によって構成されてもよい。例えば、第1導通部90は、孔に連通する切欠が形成され、切欠を介して第1本体部35が孔に挿入されてもよい。
【0109】
第2導通部91は、第1導通部90に接触することによって、処理液吐出ノズル21と導通し、処理液吐出ノズル21を除電する。第2導通部91は、導電性部材であり、例えば、カーボン含有のフィルムである。第2導通部91は、外方カップ4(カップ部の一例)に設けられる。第2導通部91は、本体部91aと、変形部91bとを備える。
【0110】
本体部91aは、外方カップ4の上面に沿って設けられる。本体部91aは、一方の端部が、外方カップ4の切欠部4aに隣接するように設けられる。また、本体部91aは、他方の端部が、処理容器2(
図1参照)の外部の導電性部材(例えば、金属部材)に接続される。なお、本体部91aは、中間部材を介して処理容器2の外部の導電性部材に接続されてもよい。中間部材は、導電性部材である。
【0111】
変形部91bは、本体部91aに接続される。変形部91bは、本体部91aの一方の端部から切欠部4a側に斜め上方に延びるように設けられる。変形部91bは、基板Wの径方向において、本体部91aから内側に向けて突出するように設けられる。すなわち、変形部91bは、本体部91aに片持ち状態で支持される。変形部91bは、第1導通部90と接触可能である。変形部91bは、本体部91aに対し弾性変形する。なお、変形部91bは、本体部91aに片持ち状態で支持される形状に限定されず、本体部91aに対し弾性変形すればよい。
【0112】
変形部91bは、第1導通部90が接触位置にある場合に、第1導通部90に接触する。変形部91bは、第1導通部90が非接触位置にある場合に、第1導通部90に接触しない。
【0113】
接触位置は、例えば、待機位置を含む。変形部91bは、処理液吐出ノズル21が待機位置にある場合には、第1導通部90に接触する。処理液吐出ノズル21が待機位置にある場合に、第1導通部90と第2導通部91とが接触し、処理液吐出ノズル21から処理容器2の外部の導電性部材までの導通経路が形成される。処理液吐出ノズル21と、処理容器2の外部の導電性部材とが導通することによって、処理液吐出ノズル21が除電される。
【0114】
非接触位置は、例えば、吐出位置を含む。変形部91bは、処理液吐出ノズル21が吐出位置にある場合には、第1導通部90に接触しない。すなわち、処理液吐出ノズル21が吐出位置にある場合には、第1導通部90と第2導通部91とが接触せず、処理液吐出ノズル21から処理容器2の外部の導電性部材までの導通経路が形成されない。
【0115】
第1導通部90は、移動機構11(
図1参照)によって、処理液吐出ノズル21とともに移動する。すなわち、移動機構11は、処理液吐出ノズル21、および第1導通部90の位置を、第1導通部90と第2導通部91とが接触する接触位置と、第1導通部90と第2導通部91とが接触しない非接触位置とに切り替える。
【0116】
処理液吐出ノズル21が非接触位置(吐出位置)から接触位置(待機位置)に移動すると、第1導通部90と第2導通部91の変形部91bとが接触する。変形部91bは、第1導通部90によって押圧され、本体部91a側を支点として回動し、第1導通部90と接触しない位置(以下、「初期位置」と称する。)から変形する。これにより、第1導通部90と第2導通部91とが接触する際の衝撃が抑制される。また、変形部91bは、本体部91aに対し弾性変形するため、第1導通部90と第2導通部91との接触状態が維持される。
【0117】
処理液吐出ノズル21が接触位置(待機位置)から非接触位置(吐出位置)に移動すると、第1導通部90と第2導通部91の変形部91bとが離間する。第2導通部91の変形部91bは、第1導通部90によって押圧されないため、本体部91a側を支点として回動し、初期位置に戻る。
【0118】
<効果>
処理液吐出ノズル21が帯電することによって、処理液吐出ノズル21から吐出された処理液が処理液吐出ノズル21に付着することがある。処理液吐出ノズル21に付着した処理液が基板Wなどに滴下し、パーティクルが発生するおそれがある。また、処理液吐出ノズル21から吐出された処理液が、処理液吐出ノズル21側に引き寄せられ、基板Wなどに滴下して、パーティクルが発生するおそれがある。
【0119】
基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21と、第1導通部90と、第2導通部91と、移動機構11とを備える。第1導通部90は、処理液吐出ノズル21に接触し、処理液吐出ノズル21と導通する。第2導通部91は、第1導通部90に接触することによって処理液吐出ノズル21と導通し、処理液吐出ノズル21を除電する。移動機構11は、処理液吐出ノズル21、および第1導通部90の位置を、第1導通部90と第2導通部91とが接触する接触位置と、第1導通部90と第2導通部91とが接触しない非接触位置とに切り替える。
【0120】
これにより、基板処理装置1は、接触位置において第1導通部90と第2導通部91とを接触させることによって、処理液吐出ノズル21の帯電を抑制することができる。そのため、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21への処理液の付着を抑制することができる。また、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21から吐出された処理液が処理液吐出ノズル21に引き寄せられることを抑制することができる。従って、基板処理装置1は、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0121】
第2導通部91は、変形部91bを備える。変形部91bは、第1導通部90と接触する場合に変形する。
【0122】
これにより、基板処理装置1は、第1導通部90と第2導通部91とが接触する際の衝撃を抑制することができる。そのため、基板処理装置1は、第1導通部90および第2導通部91が劣化することを抑制することができる。また、基板処理装置1は、変形部91bを変形させることによって、接触位置において第1導通部90と第2導通部91とを接触状態に維持することができる。
【0123】
基板処理装置1は、保持部3と、外方カップ4(カップ部の一例)とを備える。保持部3は、基板処理が行われる場合に、基板Wを保持する。外方カップ4は、保持部3に保持された基板Wの外方を囲むように設けられる。第2導通部91は、外方カップ4に設けられる。
【0124】
これにより、基板処理装置1では、第2導通部91の配置が容易となる。
【0125】
<第4実施形態の変形例>
変形例に係る基板処理装置1は、第1導通部90に変形部を備えてよく、第1導通部90、および第2導通部91に変形部を備えてもよい。すなわち、第1導通部90、および第2導通部91の少なくとも一方の導通部は、他方の導通部と接触する場合に変形する変形部を備える。
【0126】
これにより、変形例に係る基板処理装置1は、第1導通部90と第2導通部91とが接触する際の衝撃を抑制することができる。そのため、変形例に係る基板処理装置1は、第1導通部90および第2導通部91が劣化することを抑制することができる。また、変形例に係る基板処理装置1は、変形部を変形させることによって、接触位置において第1導通部90と第2導通部91とを接触状態に維持することができる。
【0127】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る基板処理装置1について
図19、および
図20を参照し説明する。第5実施形態に係る基板処理装置1は、第4実施形態に係る基板処理装置1に対し、第1導通部95、および第2導通部96が異なっている。ここでは、第4実施形態に係る基板処理装置1とは異なる箇所を中心に説明する。
図19は、第5実施形態に係る基板処理装置1において、第1導通部95が非接触位置にある状態を示す模式図である。
図20は、第5実施形態に係る基板処理装置1において、第1導通部95が接触位置にある状態を示す模式図である。
【0128】
第1導通部95は、本体部95aと、腕部95bとを備える。本体部95aは、処理液吐出ノズル21に取り付けられ、処理液吐出ノズル21に接触する。例えば、本体部95aは、処理液吐出ノズル21の第1本体部35に接触する。本体部95aには、第1本体部35が摺動可能な孔が形成される。
【0129】
腕部95bは、本体部95aから上方に向けて延設される。腕部95bは、腕部95bの上端が、ノズルブロック20の上端、およびアーム部10の上端よりも上方となるように設けられる。
【0130】
第2導通部96は、処理容器2に設けられる。具体的には、第2導通部96の少なくとも一部は、処理容器2の天井に設けられる。第2導通部96は、本体部96aと、変形部96bとを備える。本体部96aの一方の端部は、処理液吐出ノズル21の待機位置の上方付近に設けられる。
【0131】
変形部96bは、本体部96aの一方の端部から斜め下方に向けて延びるように設けられる。変形部96bは、本体部96aに対し、片持ち状態で支持される。変形部96bは、本体部96aに対し上下方向に回動可能である。
【0132】
変形部96bは、第1導通部95が接触位置にある場合に、第1導通部95に接触する。接触位置は、処理液吐出ノズル21が待機位置から上方に移動した位置である。
【0133】
変形部96bは、第1導通部95が非接触位置にある場合に、第1導通部95に接触しない。非接触位置は、例えば、吐出位置、および待機位置を含む。
【0134】
移動機構11(
図1参照)は、処理液吐出ノズル21、および第1導通部95を昇降させることによって、処理液吐出ノズル21、および第1導通部95の位置を接触位置と非接触位置とに切り替える。
【0135】
処理液吐出ノズル21が、待機位置から上方に移動すると、第1導通部95の腕部95bと第2導通部96の変形部96bとが接触する。変形部96bは、腕部95bによって押し上げられ、本体部96a側を支点として初期位置から上方に回動し、変形する。
【0136】
処理液吐出ノズル21が、接触位置から下方に移動すると、第1導通部95の腕部95bが、第2導通部96の変形部96bから離間する。第2導通部96の変形部96bは、本体部96a側を支点として下方に向けて回動し、初期位置に戻る。
【0137】
<効果>
基板処理装置1は、処理容器2を備える。処理容器2は、処理液吐出ノズル21、および移動機構11を収容する。第2導通部96は、処理容器2に設けられる。移動機構11は、処理液吐出ノズル21、および第1導通部95を昇降させることによって、処理液吐出ノズル21、および第1導通部95の位置を接触位置と非接触位置とに切り替える。
【0138】
これにより、基板処理装置1では、処理容器2に設けた第2導通部96と処理容器2の外部の導電性部材との接続が容易となる。
【0139】
<第5実施形態の変形例>
変形例に係る基板処理装置1は、第1導通部95の腕部95bを変形可能としてもよい。
【0140】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る基板処理装置1について
図21を参照し説明する。ここでは、第1実施形態に係る基板処理装置1とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態に係る基板処理装置1と同じ部位には、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
図21は、第6実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す斜視図である。なお、ここでは、右アーム5Rを一例として説明するが、左アーム5Lにおいても同様の構成を有する。
【0141】
基板処理装置1のアーム部100は、導電性部材であり、例えば、カーボン含有の樹脂である。アーム部100は、処理液吐出ノズル21に接触し、処理液吐出ノズル21と導通する。具体的には、アーム部100は、接触部100aを備える。接触部100aは、処理液吐出ノズル21に接触し、処理液吐出ノズル21と導通する。接触部100aには、処理液吐出ノズル21が摺動可能な孔が形成される。
【0142】
アーム部100は、処理容器2(
図1参照)の外部の導電性部材(例えば、金属部材)に接続される。アーム部100は、処理液吐出ノズル21から処理容器2の外部の導電性部材までの導通経路を形成する。導通経路は、処理液吐出ノズル21の位置にかかわらず形成される。すなわち、処理液吐出ノズル21は、導通経路を介して常時除電される。
【0143】
<効果>
基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21と、アーム部100とを備える。アーム部100は、処理液吐出ノズル21に接触し、処理液吐出ノズル21と導通する。
【0144】
これにより、基板処理装置1は、アーム部100によって処理液吐出ノズル21を除電し、処理液吐出ノズル21の帯電を抑制することができる。そのため、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21の帯電に起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
【0145】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る基板処理装置1について
図22を参照し説明する。ここでは、第1実施形態に係る基板処理装置1とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態に係る基板処理装置1と同じ部位には、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
図22は、第7実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す斜視図である。なお、ここでは、右アーム5Rを一例として説明するが、左アーム5Lにおいても同様の構成を有する。
【0146】
基板処理装置1は、イオナイザ101を備える。イオナイザ101は、アーム部10に取り付けられる。イオナイザ101は、処理液吐出ノズル21の上方に設けられる。イオナイザ101は、処理液吐出ノズル21を除電する。イオナイザ101は、X線を処理液吐出ノズル21に向けて照射し、処理液吐出ノズル21の周囲にイオンを発生させる。帯電した処理液吐出ノズル21の電荷が、イオンによって中和されることによって、処理液吐出ノズル21が除電される。例えば、イオナイザ101の下面は、透明の樹脂プレートが設けられ、樹脂プレートを介してX線が照射される。
【0147】
イオナイザ101は、基板Wが保持部3に保持されていない場合に、X線を処理液吐出ノズル21に向けて照射し、処理液吐出ノズル21を除電する。すなわち、イオナイザ101は、処理容器2に基板Wがない場合に、X線を処理液吐出ノズル21に向けて照射し、処理液吐出ノズル21を除電する。
【0148】
<効果>
基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21と、イオナイザ101とを備える。イオナイザ101は、処理液吐出ノズル21を除電する。
【0149】
これにより、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21の帯電を抑制することができる。そのため、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21の帯電に起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
【0150】
イオナイザ101は、保持部3に基板Wが保持されていない場合に、処理液吐出ノズル21を除電する。
【0151】
これにより、基板処理装置1は、処理液吐出ノズル21を除電する際に、処理液が基板Wに付着することを防止することができる。
【0152】
<第7実施形態の変形例>
変形例に係る基板処理装置1のイオナイザ101は、内部でイオンを発生させ、発生させたイオンを処理液吐出ノズル21に供給し、処理液吐出ノズル21を除電してもよい。イオナイザ101は、発生させたイオンを、下面に設けた複数の送風孔から処理液吐出ノズル21に向けて供給する。
【0153】
(変形例)
変形例に係る基板処理装置1は、移動機構11の一部を、ノズルブロック20、51、またはアーム部10に配置してもよい。例えば、変形例に係る基板処理装置1は、移動機構11(回動機構の一例)によって、アーム部10に対し、ノズルブロック51(固定部材の一例)を回動させる。これによって、変形例に係る基板処理装置1は、基板処理中に、処理液の吐出角度を変更することができる。そのため、変形例に係る基板処理装置1は、処理液を基板Wの周縁に均一に吐出することができ、基板Wの周縁を精度よくエッチングすることができる。
【0154】
また、変形例に係る基板処理装置1は、ノズルブロック20、51に処理液供給路20aを設けずに、
図23に示すように、処理液吐出ノズル80に処理液供給管5aを直接接続してもよい。
図23は、変形例に係るアーム5の一部を示す断面図である。処理液供給管5aの先端には、例えば、樹脂ナット81が設けられる。また、処理液吐出ノズル80の第1本体部82には、樹脂ナット81が螺合可能なネジ山が形成される。
【0155】
これによって、ノズルブロック20、51に処理液供給路20aを設けずに、ノズルブロック20、51を簡易な構成にすることができる。そのため、コストを削減することができる。
【0156】
また、変形例に係る処理液吐出ノズル52では、ノズル吐出部31の内壁面31c、31eは、第1流路35aの内壁面35c、および第2流路36aの内壁面36cよりも親水性を高くしてもよい。例えば、変形例に係る処理液吐出ノズル52では、吐出口31dの内壁面31eを含む吐出流路31bの内壁面31c、31eの一部に、親水化処理が行われてもよい。また、変形例に係る処理液吐出ノズル52では、ノズル本体部30を耐薬性が高く、疎水性の高い樹脂で構成し、ノズル吐出部31をノズル本体部30よりも親水性が高い材料で構成してもよい。
【0157】
これにより、吐出口31dに気泡が付着しにくくなり、処理液が吐出される際に、処理液とともに気泡が排出されにくくなる。そのため、処理液の吐出状態を安定化させることができる。
【0158】
また、変形例に係る基板処理装置1は、アーム5に基板位置合わせ機構を設けてもよい。基板位置合わせ機構は、左アーム5L、および右アーム5Rにそれぞれ設けられる。基板位置合わせ機構は、水平方向において基板Wを挟み、保持部3に載置される基板Wの位置を合わせる。具体的には、基板位置合わせ機構は、基板Wの中心と、保持部3の回転軸とが一致するように、基板Wの位置を調整する。変形例に係る基板処理装置1は、基板位置合わせ機構によって位置が調整された基板Wを保持部3に保持させる。
【0159】
これにより、変形例に係る基板処理装置1は、基板Wの周縁を精度よくエッチングすることができる。
【0160】
また、各実施形態に係る基板処理装置1、および変形例に係る基板処理装置1を組み合わせてもよい。例えば、ガス吐出ノズル71は、第1実施形態に係る基板処理装置1に設けられてもよい。例えば、第4実施形態~第7実施形態に係る基板処理装置1において、第2実施形態の処理液供給部50が用いられてもよい。なお、各実施形態に係る処理液吐出ノズル21、52、80が、基板Wの周縁部をエッチングする一例を開示したが、基板Wの周縁部だけでなく、基板W全面をエッチングまたは洗浄する処理液吐出ノズルとして用いられてもよい。
【0161】
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 基板処理装置
2 処理容器
3 保持部(基板回転部の一例)
4 外方カップ(カップ部の一例)
5 アーム(ノズルアームの一例)
6 制御装置
6b 制御部
10、100 アーム部
11 移動機構(回動機構の一例)
12、50、70 処理液供給部
20、51 ノズルブロック(固定部材の一例)
21、52、80 処理液吐出ノズル
30、53 ノズル本体部
31 ノズル吐出部
31b 吐出流路
31c 内壁面
31e 内壁面
32、54 接続部(角度変更機構の一例)
35、55、82 第1本体部
35a 第1流路
36 第2本体部
36a 第2流路
36c 内壁面
60 位置合わせ部
71 ガス吐出ノズル
90、95 第1導通部
91、96 第2導通部
91b、96b 変形部
100a 接触部
101 イオナイザ
W 基板