(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-22
(45)【発行日】2025-10-01
(54)【発明の名称】ガラス
(51)【国際特許分類】
C03C 3/19 20060101AFI20250924BHJP
C03C 3/064 20060101ALI20250924BHJP
C03C 3/21 20060101ALI20250924BHJP
【FI】
C03C3/19
C03C3/064
C03C3/21
(21)【出願番号】P 2022550396
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2021027999
(87)【国際公開番号】W WO2022059355
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2020157685
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 明
(72)【発明者】
【氏名】北岡 賢治
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/090051(WO,A1)
【文献】特開2010-195674(JP,A)
【文献】特開2011-230997(JP,A)
【文献】国際公開第2010/126097(WO,A1)
【文献】特開2011-065130(JP,A)
【文献】特開2011-051886(JP,A)
【文献】Kohei Fukumi et al.,Composition dependence of absorption edge energy of borate glasses containing a large amount of Bi2O3,Journal of the Ceramic Society of Japan,2019年08月01日,127, 8,538-544
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00-14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物基準のモル%表示で、
20.0%<Bi
2O
3<45.0%であり、
8.9%≦TeO
2≦19.0%であり、
5.0%<Nb
2O
5<15.0%であり、
TeO
2、TiO
2、WO
3、Nb
2O
5およびBi
2O
3からなる群から選ばれる1種以上を含有し、
12.4≦Nb
2O
5/(TeO
2+TiO
2+WO
3+Nb
2O
5+Bi
2O
3)×100<15.0であり、
21.5%≦B
2
O
3
であり、
8.0%<P
2
O
5
<12.0%であり、
FeとCrとNiとの合計含有量が、質量表示で4ppmより少ない、
ガラス。
【請求項2】
板厚10mmにおける外部透過率70%を示す波長λ
70が、450nm未満である、請求項1に記載のガラス。
【請求項3】
酸化物基準のモル%表示で、9.6%≦P
2
O
5
である、請求項1又は請求項2に記載のガラス。
【請求項4】
酸化物基準のモル%表示で、TeO
2>10.1%である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項5】
屈折率n
dが2.0以上である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス。
【請求項6】
導光板として用いられる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高屈折率かつ高透過率のガラスが求められている。特に、例えばAR(Augumented Reality)、VR(Virtual Reality)、MR(Mixed Reality)などを実現するヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブル機器においては、導光板として、可視光に対する高屈折率性と高透過率性とが求められている。また例えば、特許文献1には、高屈折率かつ高透過率の光学ガラスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の光学ガラスは、透過率性については改善の余地がある。そのため、高屈折率かつ高透過率のガラスが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高屈折率かつ高透過率のガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るガラスは、酸化物基準のモル%表示で、Bi2O3>11.2%であり、TeO2、TiO2、WO3、Nb2O5およびBi2O3からなる群から選ばれる1種以上を含有し、3.78≦Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100≦19.2であり、FeとCrとNiとの合計含有量が、質量表示で4ppmより少ない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高屈折率かつ高透過率のガラスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るガラスの模式図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るガラスをガラス板としたときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、数値については四捨五入の範囲が含まれる。
【0010】
(ガラス)
図1は、本実施形態に係るガラスの模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係るガラス10は、板状のガラス板であるが、ガラス10の形状は板状に限られず任意であってよい。本実施形態においては、ガラス10は、導光板として用いられる。さらに詳しくは、ガラス10は、ヘッドマウントディスプレイ用の導光板として用いられる。ヘッドマウントディスプレイとは、人の頭に装着されるディスプレイ装置(ウェアラブルデバイス)である。ただし、ガラス10の用途は任意であり、導光板として用いられることに限られず、また、ヘッドマウントディスプレイに用いられることにも限られない。
【0011】
(ガラス組成)
以下で、ガラス10の組成について説明する。
【0012】
(Bi2O3)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Bi2O3の含有量が、11.2%より大きく、15.0%より大きいことが好ましく、20.0%以上より大きいことがさらに好ましく、25.0%以上より大きいことがさらに好ましい。Bi2O3の下限値が11.2%より大きいことで、高屈折率となるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Bi2O3の含有量が、45.0%より小さいことが好ましく、40.0%より小さいことがより好ましく、35.0%より小さいことがさらに好ましく、32.0%より小さいことがさらに好ましい。Bi2O3の上限値が45.0%より小さいことで、高透過率となるため好ましい。このように、Bi2O3の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。なお、ここでの含有量とは、酸化物基準のモル%表示で、ガラス10の全量のモル%を100%とした場合の、酸化物の含有量のモル%を指す。すなわち例えば、「Bi2O3の含有量が11.2%より大きい」とは、酸化物基準のモル%表示で、ガラス10の全量のモル%を100%とした場合に、Bi203が11.2%より多く含まれることを指す。
【0013】
(Nb2O5)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Nb2O5の含有量が、2.0%より大きいことが好ましく、3.0%より大きいことがより好ましく、4.0%より大きいことがさらに好ましく、5.0%より大きいことがさらに好ましい。Nb2O5の下限値が2.0%より大きいことで、高屈折率となるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Nb2O5の含有量が、15.0%より小さいことが好ましく、10.0%より小さいことがより好ましく、9.0%より小さいことがさらに好ましく、8.0%より小さいことがさらに好ましい。Nb2O5の上限値が15.0%より小さいことで、ガラスの安定性を維持できるため好ましい。このように、Nb2O5の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0014】
(TeO2)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、TeO2の含有量が、10.1%より大きいことが好ましく、20.3%より大きいことがより好ましく、23.0%より大きいことがさらに好ましく、25.0%より大きいことがさらに好ましい。TeO2の下限値が10.1%より大きいことで、高屈折率となるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、TeO2の含有量が、33.1%より小さいことが好ましく、30.0%より小さいことがより好ましく、29.0%より小さいことがさらに好ましく、28.0%より小さいことがさらに好ましい。TeO2の上限値が33.1%より小さいことで、高透過率となるため好ましい。このように、TeO2の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0015】
(P2O5)
ガラス10は、P2O5を必須成分として含むことが好ましい。P2O5を不含有にしてもガラスが得られないことはないが、ガラスが不安定になり、製造性が悪化するため、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、P2O5の含有量が、2.0%より大きいことが好ましく、4.0%より大きいことがより好ましく、6.0%より大きいことがさらに好ましく、8.0%より大きいことがさらに好ましい。P2O5の下限値が2.0%より大きいことで、ガラスの安定性を維持できるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、P2O5の含有量が、18.0%より小さいことが好ましく、16.0%より小さいことがより好ましく、14.0%より小さいことがさらに好ましく、12.0%より小さいことがさらに好ましい。P2O5の上限値が18.0%より小さいことで、高屈折率となるため好ましい。このように、P2O5の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0016】
(B2O3)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、B2O3の含有量が、12.0%より大きいことが好ましく、14.0%より大きいことがより好ましく、16.0%より大きいことがさらに好ましい。B2O3の下限値が12.0%より大きいことで、ガラスの安定性を維持できるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、B2O3の含有量が、40.0%より小さいことが好ましく、35.0%より小さいことがより好ましく、30.0%より小さいことがさらに好ましい。B2O3の上限値が40.0%より小さいことで、高屈折率となるため好ましい。B2O3の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、ガラスの安定性を維持することができる。
【0017】
(TiO2)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、TiO2の含有量が、1.0%より小さいことが好ましく、0.5%より小さいことがより好ましく、0.1%より小さいことがさらに好ましく任意成分である。TiO2の上限値が1.0%より小さいことで、高透過率となるため好ましい。より詳しくは、TiO2を含有することで高屈折率となるが、透過率が低下するため、TiO2の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0018】
(Ta2O5)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Ta2O5の含有量が、1.0%より小さいことが好ましく、0.5%より小さいことがより好ましく、0.1%より小さいことがさらに好ましい。Ta2O5の上限値が1.0%より小さいことで、ガラスの安定性を維持しつつコスト低減できるため好ましい。より詳しくは、Ta2O5を含有することで高屈折率となるが、ガラスが不安定となり失透性が悪化する。また、高価であるためコストアップにつながる。Ta2O5の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0019】
(WO3)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、WO3の含有量が、1.0%より小さいことが好ましく、0.5%より小さいことがより好ましく、0.1%より小さいことがさらに好ましい。WO3の上限値が1.0%より小さいことで、高透過率となるため好ましい。さらにいえば、WO3を含有することで高屈折率となるが、透過率が低下するため任意成分である。WO3の含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0020】
(ZnO)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、ZnOの含有量が、1.0%より大きいことが好ましく、2.0%より大きいことがより好ましく、3.0%より大きいことがさらに好ましい。ZnOの下限値が1.0%より大きいことで、ガラスの安定性を維持できるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、ZnOの含有量が、15.0%より小さいことが好ましく、12.0%より小さいことがより好ましく、10.0%より小さいことがさらに好ましい。ZnOの上限値が15.0%より小さいことで、高屈折率となるため好ましい。このように、ZnOの含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高屈折率を維持したまま、ガラスの安定性を維持することができる。
【0021】
(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)
ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)が、すなわち、TeO2とTiO2とWO3とNb2O5とBi2O3との合計含有量が、50.0%より大きいことが好ましく、55.0%より大きいことがより好ましく、60.0%より大きいことがさらに好ましい。これらの合計含有量の下限値が50.0%より大きいことで、高屈折率となるため好ましい。また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、TeO2とTiO2とWO3とNb2O5とBi2O3との合計含有量が、75.0%より小さいことが好ましく、70.0%より小さいことがより好ましく、65.0%より小さいことがさらに好ましい。これらの合計含有量の上限値が75.0%より小さいことで、高透過率となるため好ましい。このように、TeO2とTiO2とWO3とNb2O5とBi2O3との合計含有量がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。ただし、TiO2およびWO3は非含有でも良い。
【0022】
(Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100)
ガラス10は、TeO2、TiO2、WO3、Nb2O5およびBi2O3からなる群から選ばれる1種以上を含有し、TeO2、TiO2、WO3およびBi2O3からなる群から選ばれる1種以上と、Nb2O5とを含有することが好ましい。ガラス10は、Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100が、3.78より大きいことが好ましく、5.0より大きいことがより好ましく、7.0より大きいことがさらに好ましく、10.0より大きいことがさらに好ましい。Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100の下限値が3.78より大きいことで、高屈折率となるため好ましい。また、ガラス10は、Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100が、19.2より小さいことが好ましく、15.0より小さいことがより好ましく、14.0より小さいことがさらに好ましく、12.0より小さいことがさらに好ましい。Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100が19.2より小さいことで、高透過率となるため好ましい。Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100とは、酸化物基準のモル%表示におけるTeO2とTiO2とWO3とNb2O5とBi2O3との合計含有量に対する、酸化物基準のモル%表示におけるNb2O5の含有量の比率に、100を乗じた値を指す。このように、Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100がこの範囲となることで、ガラス10を、可視光に対して高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。ただし、TiO2およびWO3は非含有でも良い。
【0023】
(Bi2O3+Nb2O5+TeO2+P2O5+B2O3+TiO2+Ta2O5+WO3+ZnO)
ガラス10は、(Bi2O3+Nb2O5+TeO2+P2O5+B2O3+TiO2+Ta2O5+WO3+ZnO)が、すなわち、これまでに挙げた酸化物であるBi2O3とNb2O5とTeO2とP2O5とB2O3とTiO2とTa2O5とWO3とZnOとの合計含有量が、100%であることが好ましい。ただし、石英ルツボ、アルミナルツボ等の溶融容器から溶出するSiO2やAl2O3がガラス中に含まれることは許容される。また、製造上回避不能な不純物、すなわち不可避的不純物を含むことは、許容される。この場合、ガラス10は、SiO2とAl2O3の合計含有量が、酸化物基準のモル%表示で、3.0%以下であることが好ましく、2.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。すなわち、ガラス10は、不可避的不純物を除き、Bi2O3とNb2O5とTeO2とP2O5とB2O3とTiO2とTa2O5とWO3とZnO以外を含まないことが好ましいといえる。ガラス10は、このような組成となることで、可視光に対して高屈折率かつ高透過率とすることができる。ただし、TiO2およびWO3は非含有でも良い。
【0024】
(Fe、Cr、Niの含有量)
ガラス10は、Fe、Cr、及びNiの合計含有量が、質量比で、ガラス10の全体に対して、4ppm未満であり、3ppm以下であることが好ましく、2ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることがさらに好ましい。ここでのFe、Cr、及びNiは、ガラス10中に含まれるFe、Cr、及びNiの単体金属のみを指すものでなく、Fe、Cr、及びNiの単体金属及び化合物を含むものであってよい。すなわち、Fe、Cr、及びNiの合計含有量とは、Fe、Cr、及びNiの単体金属の含有量と、化合物中のFe、Cr、及びNiのイオンの含有量とを含んだものであるといえる。着色性の遷移金属であるFe、Cr、及びNiの合計含有量がこの範囲となることで、ガラス10の可視光に対する透過率が低くなることを抑えて、ガラス10を、可視光に対して高透過率とすることができる。Fe、Cr、及びNiの合計含有量は、ICP質量分析法で測定できる。測定器としては、例えば、Agilent Technologies社製Agilent8800を使用できる。
【0025】
ガラス10は、Fe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVの合計含有量が、質量比で、ガラス10の全体に対して、4ppm未満であることが好ましく、3ppm以下であることがより好ましく、2ppm以下であることがさらに好ましく、1ppm以下であることがさらに好ましい。ここでのFe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVは、上述のFe、Cr、及びNiと同様に、ガラス10中に含まれるFe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVの単体金属のみを指すものでなく、Fe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVの単体金属及び化合物を含むものであってよい。すなわち、Fe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVの合計含有量とは、Fe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVの単体金属の含有量と、化合物中のFe、Cr、Ni、Cu、Mn、Co、及びVのイオンの含有量とを含んだものであるといえる。着色性の遷移金属である上記成分の合計含有量がこの範囲となることで、ガラス10の可視光に対する透過率が低くなることを抑えて、ガラス10を、可視光に対して高透過率とすることができる。上記成分の合計含有量は、ICP質量分析法で測定できる。
【0026】
(Pbの含有量)
ガラス10は、Pbの合計含有量が、質量比で、ガラス10の全体に対して、1000ppm未満であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることがさらに好ましい。すなわち、ガラス10は、Pbを、実質、含有しないことが好ましい。ここでのPbは、上述のFe、Cr、及びNiと同様に、ガラス10中に含まれるPbの単体金属のみを指すものでなく、Pbの単体金属及び化合物を含むものであってよい。すなわち、Pbの含有量とは、Pbの単体金属の含有量と、化合物中のPbのイオンの含有量とを含んだものであるといえる。Pbの含有量は、ICP質量分析法で測定できる。
【0027】
(屈折率nd)
以上のような組成のガラス10は、屈折率ndが、2.00以上であることが好ましく、2.05以上であることがより好ましく、2.10以上であることがさらに好ましい。屈折率ndがこの範囲となることで、可視光に対する高屈折率を実現できる。なお、屈折率ndは、ヘリウムのd線(波長587.6nm)における屈折率を指す。屈折率ndは、Vブロック法で測定できる。
【0028】
(波長λ70)
ここで、板厚(厚み)10mmにおける外部透過率70%を示す波長を、波長λ70とする。すなわち、波長λ70とは、10mmの厚みのサンプルに対して、外部透過率が70%となる光の波長を指す。板厚(厚み)10mmにおけるガラス10の波長λ70は、450nm未満であることが好ましく、445nm以下であることがより好ましく、440nmであることがさらに好ましく、435nm以下であることがさらに好ましい。波長λ70がこの範囲となることで、可視光に対する高透過率を実現できる。なお、波長λ70を算出するための外部透過率は、板厚10mmに両面鏡面研磨したサンプルに対して分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製:U-4100)を用いて測定できる。
【0029】
(光の透過率)
また、ガラス10は、板厚(厚み)10mmにおける、波長450nmの光の内部透過率が、91.5%以上であることが好ましく、93.0%以上であることが好ましく、95.0%以上であることが更に好ましい。波長450nmの光の内部透過率がこの範囲となることで、可視光に対する高透過率を実現できる。厚さ10mmのガラスの内部透過率は、板厚の異なる2種類の外部透過率の測定値と、以下の式(1)から求めることができる。なお、外部透過率とは表面反射損失を含む透過率を意味する。式(1)において、Xは、厚さ10mmのガラスの内部透過率であり、T1およびT2は、外部透過率であり、Δdは、試料の厚さの差である。
【0030】
【0031】
(ガラスの形態)
本実施形態に係るガラス10は、光学ガラスであることが好ましく、厚さが0.01mm以上2.0mm以下のガラス板が好ましい。厚さが0.01mm以上であれば、ガラス10の取り扱い時や加工時の破損を抑制できる。また、ガラス10の自重によるたわみを抑えられる。この厚さは、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.2mm以上であり、よりさらに好ましくは0.3mm以上である。一方で厚さが2.0mm以下であれば、ガラス10を用いた光学素子を軽量にできる。この厚さは、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下であり、よりさらに好ましくは0.8mm以下である。
【0032】
本実施形態に係るガラス10がガラス板である場合においては、主表面の面積は8cm2以上が好ましい。この面積が8cm2以上であれば、多数の光学素子を配置でき生産性が向上する。この面積はより好ましくは30cm2以上であり、さらに好ましくは170cm2以上であり、よりさらに好ましくは300cm2以上であり、特に好ましくは1000cm2以上である。一方で面積が6500cm2以下であればガラス板の取り扱いが容易になり、ガラス板の取り扱い時や加工時の破損を抑制できる。この面積はより好ましくは4500cm2以下であり、さらに好ましくは4000cm2以下であり、よりさらに好ましくは3000cm2以下であり、特に好ましくは2000cm2以下である。
【0033】
本実施形態に係るガラス10がガラス板である場合においては、主表面の25cm2におけるLTV(Local Thickness Variation)は2μm以下が好ましい。この範囲の平坦度を有することで、主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性を得ることができる。特に、導光体では光路長の差異によるゴースト現象や歪みを防止できる。このLTVは、より好ましくは1.5μm以下であり、さらに好ましくは1.0μm以下であり、特に好ましくは0.5μm以下である。
【0034】
本実施形態に係るガラス10を直径8インチの円形のガラス板としたとき、反りは50μm以下が好ましい。このガラス10の反りが50μm以下であれば、主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性が得られる。複数の導光体を得ようとするとき、品質の安定したものが得られる。このガラス10の反りはより好ましくは40μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下であり、特に好ましくは20μm以下である。
【0035】
また、本実施形態に係るガラス10を直径6インチの円形のガラス板としたとき、反りは30μm以下が好ましい。このガラス10の反りは30μm以下であれば、主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性が得られる。複数の導光体を得ようとするとき、品質の安定したものが得られる。このガラス10の反りはより好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下であり、特に好ましくは10μm以下である。
【0036】
また、本実施形態に係るガラス10を各辺が6インチの正方形のガラス板としたとき、反りは100μm以下が好ましい。このガラス10の反りは100μm以下であれば、主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性が得られる。複数の導光体を得ようとするとき、品質の安定したものが得られる。このガラス10の反りはより好ましくは70μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは35μm以下であり、特に好ましくは20μm以下である。
【0037】
図2は、本実施形態に係るガラスをガラス板としたときの断面図である。「反り」とは、本実施形態に係るガラス10をガラス板G1としたときのガラス板G1の主表面G1Fの中心を通り、ガラス板G1の主表面G1Fに対して直交する任意の断面において、ガラス板G1の基準線G1Dとガラス板G1の中心線G1Cとの垂直方向の距離の最大値Bと最小値Aとの差Cである。
【0038】
前記直交する任意の断面とガラス板G1の主表面G1Fとの交線を、底線G1Aとする。前記直交する任意の断面とガラス板G1の他の主表面G1Gとの交線を、上線G1Bとする。ここで、中心線G1Cは、ガラス板G1の板厚方向の中心を結んだ線である。中心線G1Cは、底線G1Aと上線G1Bとの後述するレーザ照射の方向に対しての中点を求めることにより算出される。
【0039】
基準線G1Dは、以下のように求められる。まず、自重の影響をキャンセルする測定方法のもとに、底線G1Aを算出する。該底線G1Aから、最小自乗法により直線を求める。求められた直線が、基準線G1Dである。自重による影響をキャンセルする測定方法としては公知の方法が用いられる。
【0040】
例えば、ガラス板G1の主表面G1Fを3点支持し、レーザ変位計によりガラス板G1にレーザを照射し、任意の基準面からの、ガラス板G1の主表面G1Fおよび他の主表面G1Gの高さを測定する。
【0041】
次に、ガラス板G1を反転させ、一の主表面G1Fを支持した3点に対向する他の主表面G1Gの3点を支持し、任意の基準面からの、ガラス基板G1の主表面G1Fおよび他の主表面G1Gの高さを測定する。
反転前後における各測定点の高さの平均を求めることで自重による影響がキャンセルされる。例えば、反転前に、上述のとおり、主表面G1Fの高さを測定する。ガラス板G1を反転後、主表面G1Fの測定点に対応する位置で、他の主表面G1Gの高さを測定する。同様に、反転前に、他の一の主表面G1Gの高さを測定する。ガラス板G1を反転後、他の主表面G1Gの測定点に対応する位置で、主表面G1Fの高さを測定する。
反りは、例えば、レーザ変位計により測定される。
【0042】
また、本実施形態に係るガラス10において、主表面の表面粗さRaは2nm以下が好ましい。この範囲のRaを有することで、主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性が得られる。特に、導光体では界面での乱反射が抑制されてゴースト現象や歪を防止できる。このRaは、より好ましくは1.7nm以下であり、さらに好ましくは1.4nm以下、さらにより好ましくは1.2nm以下、特に好ましくは1nm以下である。ここで、表面粗さRaは、JIS B0601(2001年)で定義された算術平均粗さである。本明細書では、10μm×10μmのエリアを、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した値である。
【0043】
(ガラスの製造方法)
本実施形態に係るガラス10の製造方法は特に限定されず、既存の板ガラス製造方法を使用することができる。例えばフロート法、フュージョン法及びロールアウト法等、公知の手法を用いることができる。ただし、ガラス10は、不純物の混入による透過率の悪化を抑えるために、原料を溶解させる際に原料を入れる容器(るつぼ)の材料を、AuおよびAu合金とすることが好ましい。
【0044】
さらに本実施形態のガラス10には、ガラス原料を溶融容器内で加熱、溶融し、溶融ガラスを得る溶融工程において、溶融ガラス中の水分量を高める操作を行うことが好ましい。ガラス中の水分量を高める操作は限定されないが、たとえば溶融雰囲気に水蒸気を付加する処理および溶融物内に水蒸気を含むガスをバブリングする処理が考えられる。水分量を高める操作は必須ではないが、透過率の向上、清澄性向上などの目的で行うことができる。
また、本実施形態のガラス10でLi2OやNa2Oのアルカリ金属酸化物を含有するものは、LiイオンをNaイオンまたはKイオンに、NaイオンをKイオンに置換することで、化学的に強化できる。すなわち、化学強化処理すれば、光学ガラスの強度を向上させることができる。
【0045】
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係るガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Bi2O3>11.2%、すなわち、Bi2O3の含有量が11.2%より大きい。また、ガラス10は、TeO2、TiO2、WO3、Nb2O5およびBi2O3からなる群から選ばれる1種以上を含有し、3.78≦Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100≦19.2、すなわち、Nb2O5/(TeO2+TiO2+WO3+Nb2O5+Bi2O3)×100が、3.78以上19.2以下である。また、ガラス10は、FeとCrとNiとの合計含有量が、質量表示で4ppmより少ない。ガラス10は、このような組成となることで、可視光に対して、高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0046】
また、ガラス10は、板厚10mmにおける外部透過率70%を示す波長λ70が、450nm未満であることが好ましい。ガラス10は、波長λ70がこの範囲となることで、可視光に対して高透過率となる。
【0047】
また、ガラス10は、P2O5を必須成分として含むことが好ましい。ガラス10は、P2O5を含むことで、可視光に対して、高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができるとともに、ガラスを安定化できる。
【0048】
また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、TeO2>10.1%、すなわちTeO2の含有量が10.1%より大きいことが好ましい。ガラス10は、TeO2の含有量がこの範囲となることで、可視光に対して、高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0049】
また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Bi2O3>15.0%、すなわちBi2O3の含有量が15.0%より大きいことが好ましい。ガラス10は、Bi2O3の含有量がこの範囲となることで、可視光に対して、高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0050】
また、ガラス10は、酸化物基準のモル%表示で、Nb2O5>15.0%、すなわちNb2O5の含有量が15.0%より大きいことが好ましい。ガラス10は、Nb2O5の含有量がこの範囲となることで、可視光に対して、高透過率を維持したまま、高屈折率にすることができる。
【0051】
また、ガラス10は、屈折率ndが2.0以上であることが好ましい。ガラス10は、屈折率ndがこの範囲となることで、可視光に対して高屈折率となる。
【0052】
また、ガラス10は、導光板として用いられることが好ましい。このような組成のガラス10は、高屈折率かつ高透過率となるため、導光板として適切に用いられる。
【0053】
このようにして作製されるガラス10は、様々な光学素子に有用であるが、その中でも特に、(1)ウェアラブル機器、例えばプロジェクター付きメガネ、眼鏡型やゴーグル型ディスプレイ、仮想現実拡張現実表示装置、虚像表示装置などに使われる導光体、フィルターやレンズ等、(2)車載用カメラ、ロボット用視覚センサーに使われるレンズやカバーガラス等、に好適に用いられる。車載用カメラのような過酷な環境に曝される用途であっても好適に用いられる。また、有機EL用ガラス基板,ウエハーレベルレンズアレイ用基板、レンズユニット用基板、エッチング法によるレンズ形成基板、光導波路といった用途にも好適に用いられる。
以上説明した本実施形態のガラス10は高屈折率かつ高い透過率を有するとともに、製造特性が良好であり、ウェアラブル機器、車載用、ロボット搭載用、の光学ガラスとして好適である。また、このガラス10の主表面にSiO2などの低屈折率膜と、TiO2などの高屈折率膜とを交互に積層した4層以上10層以下の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した光学部品もウェアラブル機器、車載用、ロボット搭載用に好適である。
【0054】
(実施例)
次に、実施例について説明する。なお、発明の効果を奏する限りにおいて実施態様を変更しても構わない。
実施例においては、組成が異なるガラスを作製した。そして、それぞれのガラスについて、屈折率と透過率の評価を行った。以下、より詳細に説明する。
【0055】
表1及び表2は、実施例におけるガラスに用いた材料を示す表である。表1及び表2は、例1から例47についての、ガラスの作製に用いた材料の、酸化物基準のモル%表示での含有量を示している。表1及び表2の原料の不純物量とは、表1及び表2に示した材料の成分以外の成分の、原料として含まれていた量を指し、「少」が原料全体の3ppm未満であったことを指し、「多」が原料全体の3ppm以上であったことを指す。表1及び表2の「Te+Ti+W+Nb+Bi」とは、それぞれのガラスの、酸化物基準のモル%表示での、TeO2とTiO2とWO3とNb2O5とBi2O3との合計含有量を指す。また、表1及び表2の「Nb/(Te+Ti+W+Nb+Bi)×100」とは、酸化物基準のモル%表示におけるTeO2とTiO2とWO3とNb2O5とBi2O3との合計含有量に対する、酸化物基準のモル%表示におけるNb2O5の含有量の比率に、100を乗じた値を指す。また、表1及び表2の「Fe、Cr、Ni量」とは、それぞれのガラスの、Fe、Cr、及びNiの合計含有量を指す。Fe、Cr、及びNiの合計含有量は、ICP質量分析法で測定した。
【0056】
【0057】
【0058】
実施例においては、表1及び表2の各例に記載の組成で、厚さが10mmと1mmのガラスを製造した。そして、このように製造したガラスをサンプルとして、評価を行った。具体的には、表1及び表2に示す組成の原料を均一に混合して、950℃の金坩堝内で2時間溶解させ、均一な溶融ガラスとした。次に、溶融ガラスを縦×横×高さ=縦60mm×横50mm×高さ30mmのカーボン製モールドに流し込んだ。その後、430℃で1時間保持した後、約1℃/分の降温速度で室温まで冷却し、ガラスブロックを得た。次にガラスブロックを、切断機(マルトー社製小型切断機)を用いて縦×横=30mm×30mmに切断し研削機(秀和工業社製SGM-6301)及び片面研磨機(日本エンギス社製EJ-380IN)を用いて板厚の調整と表面研磨を行い、縦×横=30mm×30mm、板厚10mm、及び1mmのガラス板を製造した。
【0059】
(評価)
各例のガラスについて、可視光に対する屈折率と透過率との評価を行った。屈折率の評価では、それぞれのガラスについて、ヘリウムのd線(波長587.6nm)における屈折率ndを測定した。屈折率ndの測定には、Kalnew社製、KPR-2000を用いた。屈折率の評価においては、屈折率ndが2.0以上を合格とし、2.0未満を不合格とした。
透過率の評価では、それぞれのガラスについて、板厚10mmにおける外部透過率70%を示す波長λ70を、測定した。波長λ70の測定には、日立ハイテクノロジーズ社製、U-4100)を用いた。透過率の評価においては、波長λ70が450nm未満を合格とし、450nm以上を不合格とした。
【0060】
(評価結果)
表1及び表2に示すように、実施例である例1~例4、例11~例47については、屈折率ndと波長λ70との両方が合格となり、高屈折率かつ高透過率となることが分かる。比較例である例5~10については、波長λ70が不合格となり、高透過率を実現できないことが分かる。
【0061】
また、透過率に対するオプションの評価として、板厚10mmにおける、波長450nmの光の内部透過率も測定した。内部透過率の測定には、日立ハイテクノロジーズ社製、U-4100を用いた。オプションの評価においては、波長450nmの光の内部透過率が91.5%以上となるものを好ましいものとした。表1及び表2に示すように、例1~4、例11~47で、好ましい評価結果となり、可視光の透過率をより好適に実現できることが分かる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
10 ガラス