(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-29
(45)【発行日】2025-10-07
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20250930BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20250930BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/08 B
G02B7/04 D
(21)【出願番号】P 2022040175
(22)【出願日】2022-03-15
【審査請求日】2024-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100136261
【氏名又は名称】大竹 俊成
(72)【発明者】
【氏名】朝山 正輝
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-219658(JP,A)
【文献】特開2021-144252(JP,A)
【文献】特開平08-149777(JP,A)
【文献】特開2005-215386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90―23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レンズを保持する第1レンズ保持枠と、
前記第1レンズ保持枠を光軸方向に移動させる第1駆動部と、
前記第1レンズ保持枠に対して前記光軸方向に力を付与する第2駆動部と、
を備え、
前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、異なる種類の駆動部であ
り、
前記第1駆動部による前記第1レンズ保持枠の前記光軸方向の移動と、前記第2駆動部による前記第1レンズ保持枠に対する前記光軸方向の力の付与と、は並行して実行される、
レンズ鏡筒。
【請求項2】
前記第1レンズ保持枠を前記光軸方向に案内するガイドバーを備え、
前記第1駆動部は、前記ガイドバーの近傍に配置される、
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記第2駆動部は、前記第1レンズの光軸と直交する平面において、前記第1駆動部と前記光軸とを結んだ第1直線と垂直に交差し前記光軸を通る第2直線をはさんだ、前記第1駆動部の反対側に配置される、
請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記第2駆動部は、前記第1レンズの光軸と直交する平面において、前記第1駆動部と前記光軸とを結んだ第1直線と垂直に交差し前記光軸を通る第2直線よりも、前記第1駆動部側に配置される、
請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記第2駆動部は、複数設けられ、
前記複数の前記第2駆動部の1つは、前記第1レンズの光軸と直交する平面において、前記第1駆動部と前記光軸とを結んだ第1直線と垂直に交差し前記光軸を通る第2直線をはさんで、前記第1駆動部と反対側に配置され、前記複数の前記第2駆動部の他の1つは、前記第1レンズの光軸と直交する平面において、前記第1駆動部と前記光軸とを結んだ第1直線と垂直に交差し前記光軸を通る第2直線よりも、前記第1駆動部側に配置される、
請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記第1レンズ保持枠の移動量は、前記第1駆動部の駆動量から算出可能である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記第1駆動部は、電流が供給されていない状態であっても、前記第1レンズ保持枠の位置を維持する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記第1駆動部は、ステッピングモータまたは超音波モータである、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記第2駆動部は、固定子と可動子とを備え、
前記固定子に対して前記可動子が非接触で駆動される、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
前記第2駆動部は、ボイスコイルモータである、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項11】
前記第1駆動部と、前記第2駆動部と、を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1駆動部の駆動に関する情報を受け取ると、前記第1駆動部および前記第2駆動部を駆動させる、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1駆動部を駆動していない間は、前記第2駆動部を駆動させない、
請求項11に記載のレンズ鏡筒。
【請求項13】
前記第1駆動部を駆動している間において、前記制御部は、前記第2駆動部の駆動力を時間とともに減少させる、
請求項11または請求項12に記載のレンズ鏡筒。
【請求項14】
前記第1駆動部の出力軸の回転位置を検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記第2駆動部を制御する、
請求項11または請求項12に記載のレンズ鏡筒。
【請求項15】
前記第2駆動部が前記第1レンズ保持枠に前記力を付与する方向は、前記第1駆動部が前記第1レンズ保持枠を移動させる方向と同一方向または逆方向である、
請求項1から請求項14のいずれか一項記載のレンズ鏡筒。
【請求項16】
第2レンズを保持する第2レンズ保持枠と、
前記第2レンズ保持枠に対して前記光軸方向の力を付与する第3駆動部と、
を備え、
前記第2駆動部と前記第3駆動部とは、構成要素の一部を共有する、
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項17】
前記第1レンズ保持枠と、前記第2レンズ保持枠と、は前記光軸方向に隣り合って配置される、
請求項16に記載のレンズ鏡筒。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズを光軸方向に移動させる駆動源として、例えば、ステッピングモータやボイスコイルモータを用いることが知られている(例えば、特許文献1)。高重量レンズの駆動や、レンズの高速駆動が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、レンズ鏡筒は、第1レンズを保持する第1レンズ保持枠と、前記第1レンズ保持枠を光軸方向に移動させる第1駆動部と、前記第1レンズ保持枠に対して前記光軸方向に力を付与する第2駆動部と、を備え、前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、異なる種類の駆動部であり、前記第1駆動部による前記第1レンズ保持枠の前記光軸方向の移動と、前記第2駆動部による前記第1レンズ保持枠に対する前記光軸方向の力の付与と、は並行して実行される。
【0005】
第2の態様によれば、撮像装置は、上記レンズ鏡筒を備える。
【0006】
なお、後述の実施形態の構成を適宜改良しても良く、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させても良い。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るレンズ鏡筒と、カメラボディと、を備えるカメラを示す断面図である。
【
図2】
図2(A)及び
図2(B)はそれぞれ、レンズ保持枠と、第1駆動源ユニットと、第2駆動源ユニットと、を示す斜視図及び平面図である。
【
図3】
図3(A)及び
図3(B)は、レンズ保持枠にかかる力と、レンズ保持枠の姿勢と、について説明するための図である。
【
図4】
図4(A)は、ステッピングモータの一般的な制御について説明するためのタイミングチャートであり、
図4(B)は、第1実施形態における制御について説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、第1駆動源ユニット及び第2駆動源ユニットの制御の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(A)及び
図6(B)は、第1駆動源ユニット及び第2駆動源ユニットの制御の一例について説明する図である。
【
図7】
図7(A)及び
図7(B)はそれぞれ、第2実施形態に係るレンズ保持枠と、第1駆動源ユニットと、第2駆動源ユニットと、を示す斜視図及び平面図である。
【
図8】
図8(A)及び
図8(B)はそれぞれ、第3実施形態に係るレンズ保持枠と、第1駆動源ユニットと、第2駆動源ユニットと、を示す斜視図及び平面図である。
【
図9】
図9は、2つのレンズ群をフォーカスレンズ群として備えるレンズ鏡筒について説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
《第1実施形態》
以下、第1実施形態に係るレンズ鏡筒について、図面を参照し、詳細に説明する。なお、実施形態に示す各部の形状や、長さ、厚みなどの縮尺は必ずしも実物と一致するものではなく、また、各図において、理解を容易にするため、一部の要素の図示を省略している場合がある。また、断面図において一部の要素のハッチングを省略している場合がある。
【0009】
図1は、第1実施形態に係るレンズ鏡筒100と、カメラボディ101と、を備えるカメラ1を示す断面図である。
【0010】
カメラ1は、カメラボディ101とレンズ鏡筒100とを備える。レンズ鏡筒100は、後部(基端部)にレンズマウントLMが設けられ、カメラボディ101のボディマウント(不図示)と係合することで、カメラボディ101に着脱可能に装着されている。なお、本実施形態において、レンズ鏡筒100は、カメラボディ101に対して着脱可能であるが、これに限定されず、レンズ鏡筒100とカメラボディ101は一体であってもよい。
【0011】
カメラボディ101は、内部に撮像素子111及び制御部112等を備えている。撮像素子111は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子によって構成され、結像光学系(カメラボディ101に装着されたレンズ鏡筒100)によって結像された被写体像を電気信号に変換する。
【0012】
制御部112は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、カメラボディ101及び装着されたレンズ鏡筒100における合焦駆動、及び手振れなどによる撮像画像のブレ補正を含む撮影に係る当該カメラ1全体の動作を統括制御する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るレンズ鏡筒100は、共通の光軸OAに沿って順次配列された、レンズ群L1を含む複数のレンズ群を備える。レンズ鏡筒100は、焦点距離が変更可能ないわゆるズームレンズであってもよいし、焦点距離が変更できない単焦点のレンズであってもよい。また、複数のレンズ群はそれぞれ、1枚のレンズで構成されていてもよいし、複数のレンズで構成されていてもよい。
【0014】
レンズ群L1は、フォーカシング時に移動するフォーカスレンズ群である。なお、フォーカスレンズ群は複数あってもよい。
【0015】
レンズ群L1は、レンズ保持枠F1に保持されている。レンズ保持枠F1は、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300と、によって駆動される。以下、レンズ保持枠F1、第1駆動源ユニット200、及び第2駆動源ユニット300について詳細に説明する。
【0016】
図2(A)は、レンズ保持枠F1と、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300と、を示す斜視図であり、
図2(B)は、レンズ保持枠F1と、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300と、をカメラボディ101側から見た平面図である。
【0017】
まず、レンズ保持枠F1の構成について説明する。
図2(A)及び
図2(B)に示すように、レンズ保持枠F1は、レンズ群L1を保持する筒部11を有し、筒部11の外周部には、レンズ保持枠F1を光軸OA方向に案内するための第1案内部12と、レンズ保持枠F1の回転方向の動きを抑制するための第2案内部13と、が設けられている。
【0018】
第1案内部12は、光軸OAに平行に固定筒10(
図1参照)に固定されたガイドバー41と係合する。これにより、レンズ保持枠F1は、光軸OA方向に案内される。
【0019】
第2案内部13は、サブガイドバー42と係合する。サブガイドバー42は、固定筒10(
図1参照)に固定され、レンズ保持枠F1の回転方向の動きを抑制する。
【0020】
次に、第1駆動源ユニット200について説明する。第1駆動源ユニット200は、ガイドバー41の近傍に配置されている。
図2(A)に示すように、第1駆動源ユニット200は、ステッピングモータ(STM:Stepping Motor)201と、リードスクリュー202と、ラック203と、取付部材205と、を備える。
【0021】
取付部材205は、STM201に固定され、リードスクリュー202を回転可能に支持する。取付部材205には、複数の穴(不図示)が形成されており、ビスなどによって、取付部材205を固定筒10にビス止めすることによって、第1駆動源ユニット200が固定筒10に固定される。
【0022】
STM201は、レンズ鏡筒100内に設けられた駆動制御装置110(
図1参照)から出力されるパルス信号により駆動されるモータである。駆動制御装置110は、カメラボディ101の制御部112による制御下で、レンズ群L1の合焦駆動を制御する。具体的には、駆動制御装置110は、カメラボディ101の制御部112から入力されたフォーカス駆動量(レンズ保持枠F1を移動させる量)を、STM201のパルス数(STM201の駆動量)に変換し、パルス信号をSTM201に出力する。
【0023】
リードスクリュー202は、STM201の出力軸に直結され、STM201によって回転駆動される。リードスクリュー202は、光軸OA方向に伸びており、リードスクリュー202の外周には、ねじ溝が形成されている。
【0024】
リードスクリュー202には、ラック203が係合している。ラック203のリードスクリュー202と接触する面には、リードスクリュー202のねじ溝に係合する溝が形成されている。また、ラック203は、レンズ保持枠F1と接続されている。これにより、リードスクリュー202の回転に伴ってラック203が光軸OA方向に移動すると、レンズ保持枠F1はガイドバー41に案内され、ラック203と一体となって光軸OA方向に移動する。このように、リードスクリュー202を回転駆動させることによって、レンズ保持枠F1を光軸OA方向に駆動することができる。なお、ラック203に代えて、ナットを用いてもよい。
【0025】
第1駆動源ユニット200は、STM201に電力を供給していない状態であっても、リードスクリュー202とラック203とが係合しているため、レンズ保持枠F1の位置を維持することが可能である。しかしながら、ステッピングモータのトルクは比較的弱いため、ステッピングモータを用いてレンズ保持枠F1を光軸OA方向に駆動する場合、レンズ保持枠F1が重いと、レンズ保持枠F1を動かしづらい。
【0026】
そこで、本第1実施形態では、第2駆動源ユニット300によってレンズ保持枠F1に光軸OA方向の力を付与することにより、第1駆動源ユニット200によるレンズ保持枠F1の駆動をアシストする。
【0027】
第2駆動源ユニット300は、
図2(A)に示すように、ボイスコイルモータ(VCM:Voice Coil Motor)310を備える。VCM310は、ヨーク301と、マグネット302と、コイル303と、を備えるムービングコイル型のVCMである。
【0028】
ヨーク301は、例えば、固定筒10に固定される。ヨーク301は、光軸OA方向に延在する第1部分301a及び第2部分301bを有する。第1部分301aとコイル303との間には、マグネット302が設けられている。マグネット302は、例えば、第1部分301a側がS極、第2部分301b側がN極となるよう、第1部分301aに固定されている。なお、第2部分301bとコイル303との間に、第1部分301a側がS極、第2部分301bがN極となるようマグネットをさらに設けてもよい。
【0029】
コイル303は、レンズ保持枠F1のコイル保持部14に取り付けられている。コイル303には、駆動制御装置110(
図1参照)から駆動信号(電流)が入力される。コイル303に電流が流れると、マグネット302の磁力によりコイル303は光軸OA方向に移動する。より詳細には、電流が流れているコイル303とマグネット302との間の電磁相互作用によりコイル303は光軸OA方向に移動する。コイル303に流す電流の向きを変更することで、コイル303の移動方向を被写体側とカメラボディ101側(像面側)との間で切り替えることができる。また、コイル303に流す電流の電流値を変更することで、コイル303の駆動力や移動速度を変更することができる。
【0030】
ボイスコイルモータは、コイルに電流が供給されていない状態では、コイルの位置を維持することができない。したがって、ボイスコイルモータのみを用いてレンズ保持枠F1を光軸OA方向に移動する場合、カメラ1の電源がオフされ、ボイスコイルモータに電流が供給されていない状態になると、レンズ保持枠F1が光軸OA方向に自由に移動できてしまう。そのため、ボイスコイルモータのみでレンズ保持枠F1を駆動する場合には、レンズ保持枠F1が他の部材と衝突しないようにするための構造、または、レンズ保持枠F1が他の部材と衝突した場合でもレンズ保持枠F1及び他の部材の破損を防ぐ部材(緩衝材など)が必要となる。
【0031】
本第1実施形態では、レンズ保持枠F1の光軸OA方向の駆動を第1駆動源ユニット200によって行い、第2駆動源ユニット300によって第1駆動源ユニット200によるレンズ保持枠F1の駆動をアシストする。これにより、同じ出力のSTM201を用いる場合、フォーカス速度及び位置制御精度を低下させることなく、第1駆動源ユニット200のみでレンズ保持枠F1を光軸OA方向に移動させる場合(第2駆動源ユニット300を設けていない場合)よりも重いレンズ保持枠F1を移動させることができる。また、同じ出力のSTM201を用いて同重量のレンズ保持枠F1を移動させる場合、第2駆動源ユニット300を併用しない場合よりも、高速にレンズ保持枠F1を移動させることができる。この点については、後述する。また、より重いレンズ保持枠F1を移動させることができる。さらに、第1駆動源ユニット200は、STM201に電力を供給していない状態であっても、レンズ保持枠F1の位置を維持することが可能であるため、カメラ1の電源オフ時にレンズ保持枠F1が他の部材と衝突しないようにするなどの構造が不要である。
【0032】
次に、第1実施形態における第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300と、の配置について説明する。
【0033】
本第1実施形態では、
図2(B)に示すように、第2駆動源ユニット300は、レンズ群L1の光軸OAと直交する平面において、第1駆動源ユニット200(より具体的には、第1駆動源ユニット200が備えるリードスクリュー202の中心軸AX1)と光軸OAとを結んだ第1直線LN1と直交し、光軸OAを通る第2直線LN2をはさんだ、第1駆動源ユニット200と反対側に配置されている。
【0034】
図3(A)及び
図3(B)は、レンズ保持枠F1にかかる力と、レンズ保持枠F1の姿勢と、について説明するための図である。
図3(A)に示すように、第1駆動源ユニット200のみによりレンズ保持枠F1を駆動すると、第1駆動源ユニット200による駆動力DF1によって、レンズ保持枠F1が傾き、レンズ保持枠F1は、レンズ群L1の光軸OA1が他のレンズ群の光軸OAに対して傾いた状態で、光軸OA方向に移動することになる。
【0035】
一方、本第1実施形態では、第2駆動源ユニット300が第2直線LN2をはさんで第1駆動源ユニット200と反対側に配置されている。このため、
図3(B)に示すように、第1駆動源ユニット200による駆動力DF1と、第2駆動源ユニット300による駆動力DF2と、によってレンズ群L1の光軸OA1と他のレンズ群の光軸OAとが略一致した状態で、すなわちレンズ保持枠F1の姿勢が安定した状態で、レンズ保持枠F1を光軸OA方向に駆動することができる。
【0036】
(制御)
次に、第1駆動源ユニット200及び第2駆動源ユニット300の制御について説明する。まず、第1駆動源ユニット200が備えるSTM201の一般的な制御について、
図4(A)を用いて説明する。
図4(A)は、STM201の一般的な制御について説明するためのタイミングチャートである。
【0037】
STM201の一般的な制御では、
図4(A)に示すように、STM201の脱調を回避するため、駆動から所定のパルス速度(定速運転速度)までは、STM201に出力するパルス信号のパルス速度を徐々に増加させる。これにより、STM201の回転速度が徐々に増加する。パルス信号のパルス速度を徐々に増加させる期間(駆動開始から時刻t1までの期間)を加速期間という。その後、一定のパルス速度でSTM201にパルス信号を出力する。これにより、STM201は一定速度で回転する(時刻t1からt2までの定速期間)。そして、STM201を所定のパルス数分駆動させると、STM201の脱調を回避するため、STM201に出力するパルス信号のパルス速度を徐々に減少させる。これにより、STM201の回転速度が徐々に低下する。パルス信号のパルス速度を徐々に減少させる期間(時刻t2から駆動停止までの期間)を減速期間という。加速期間におけるパルス速度の増加割合、及び、減速期間におけるパルス速度の減少割合は、STM201の出力、レンズ保持枠F1の重量等に基づいて、予め決定される。
【0038】
次に、第1駆動源ユニット200及び第2駆動源ユニット300の制御について、
図5のフローチャート及び
図4(B)のタイミングチャートを用いて説明する。なお、
図4(B)において、VCM310に供給する電流の電流値がプラスの場合、コイル303は、レンズ保持枠F1の移動方向と同一方向の力をレンズ保持枠F1に付与し、電流値がマイナスの場合、コイル303は、レンズ保持枠F1の移動方向と逆方向の力をレンズ保持枠F1に付与するものとする。なお、以下の説明では、
図4(A)の説明に用いたステッピングモータと同じ出力のSTM201を用いて同重量のレンズ保持枠F1を同じ量移動させる場合について説明する。
【0039】
図5の処理は、カメラ1の電源がオンされると開始される。
図5の処理では、まず、ステップS11において、駆動制御装置110は、カメラボディ101の制御部112からフォーカス駆動量を受信するまで待機する。
【0040】
駆動制御装置110は、制御部112からフォーカス駆動量を受信すると(ステップS11/YES)、ステップS12に移行し、フォーカス駆動量をSTM201のパルス数に変換する。このとき、駆動制御装置110は、加速期間のパルス数N1、定速期間のパルス数N2、及び減速期間のパルス数N3を予め定められた条件に従って決定する。
【0041】
次に、駆動制御装置110は,ステップS13の処理とステップS14の処理とを並行して実行する。駆動制御装置110は、ステップS13において、STM201にパルス信号を送信する。また、駆動制御装置110は、ステップS14において、VCM310に電流を供給する。このとき、駆動制御装置110は、レンズ保持枠F1が駆動される方向と同一の方向にコイル303が移動するよう、VCM310に電流を供給する。
【0042】
図4(B)に示すように、STM201が駆動されると、VCM310のコイル303に電流が供給され、レンズ保持枠F1の駆動がアシストされる。VCM310によるアシストがあるため、STM201のトルクに余裕ができる。このため、第1実施形態のように第1駆動源ユニット200と第2駆動源ユニット300とを併用する場合、加速期間におけるパルス速度(STM201の回転速度)の増加割合を、第1駆動源ユニット200のみを用いる場合(
図4(A)の場合)よりも大きく設定することができる。これにより、加速期間を第1駆動源ユニット200のみを用いる場合よりも短くできる。
【0043】
図5に戻り、ステップS15において、駆動制御装置110は、第1のパルス数分のパルスを出力したか否かを判断する。ここで、第1のパルス数とは、加速期間のパルス数N1と定速期間のパルス数N2との和である。すなわち、駆動制御装置110は、定速期間が終了したか否かを判断する。
【0044】
第1のパルス数分のパルスを出力すると(ステップS15/YES)、ステップS16に移行し、駆動制御装置110は、VCM310に供給する電流の向きを反転させる。これにより、レンズ保持枠F1には、レンズ保持枠F1の移動方向と逆方向の力が付与される。
【0045】
図4(B)に示すように、VCM310に供給する電流の向きを反転することで、VCM310がレンズ保持枠F1の停止をアシストするため、STM201のトルクに余裕ができる。このため、第1駆動源ユニット200と第2駆動源ユニット300とを併用する場合、減速期間におけるパルス速度(STM201の回転速度)の減少割合を、第1駆動源ユニット200のみを用いる場合(
図4(A)の場合)よりも大きく設定することができる。これにより、減速期間を第1駆動源ユニット200のみを用いる場合よりも短くできる。
【0046】
このように、加速期間と減速期間とを、第1駆動源ユニット200のみを用いる場合よりも短くできるので、第1駆動源ユニット200のみを用いる場合よりも、高速にレンズ保持枠F1を移動させることができる。
【0047】
図5に戻り、ステップS17において、駆動制御装置110は、第2のパルス数分のパルスを出力したか否かを判断する。ここで、第2のパルス数とは、加速期間のパルス数N1と定速期間のパルス数N2と減速期間のパルス数N3との和である。すなわち、駆動制御装置110は、減速期間が終了したか否かを判断する。
【0048】
第2のパルス数分のパルスを出力すると(ステップS17/YES)、ステップS18に移行し、駆動制御装置110は、VCM310への電流供給を停止する。
【0049】
カメラボディ101の制御部112は、レンズ保持枠F1の現在位置とフォーカス位置との差が所定の範囲内であるか否か判断し、レンズ保持枠F1の現在位置とフォーカス位置との差が所定の範囲内にない場合には、再度、フォーカス駆動量を駆動制御装置110に送信する。フォーカス駆動量を受信した駆動制御装置110は、再び、ステップS11からの処理を実行する。
【0050】
このようにして、駆動制御装置110は、STM201の駆動と、VCM310の駆動とを並行して行うため、STM201によるレンズ保持枠F1の駆動を、VCM310によってアシストすることができる。
【0051】
また、駆動制御装置110は、STM201によるレンズ保持枠F1の駆動が開始されるとVCM310への電流供給を開始し、STM201によるレンズ保持枠F1の駆動が終了すると、VCM310への電流供給を停止するため、消費電力を低減できる。
【0052】
以上、詳細に説明したように、本第1実施形態によれば、レンズ鏡筒100は、レンズ群L1を保持するレンズ保持枠F1と、STM201を備え、レンズ保持枠F1を光軸OA方向に移動させる第1駆動源ユニット200と、VCM310を備え、レンズ保持枠F1に対して光軸OA方向に力を付与する第2駆動源ユニット300と、を備え、STM201と、VCM310とは、異なる種類のモータである。これにより、第1駆動源ユニット200のみでレンズ保持枠F1を駆動する場合よりも、レンズ保持枠F1の重量を増加させたり、レンズ保持枠F1の移動を高速化したりすることができる。
【0053】
また、本第1実施形態によれば、レンズ鏡筒100は、光軸OA方向に案内するガイドバー41を備え、第1駆動源ユニット200は、ガイドバー41の近傍に配置される。これにより、第1駆動源ユニット200をガイドバー41から離れた位置に配置する場合と比較して、レンズ保持枠F1をスムーズに光軸OA方向に移動させることができる。
【0054】
また、本第1実施形態によれば、第2駆動源ユニット300は、レンズ群L1の光軸OAと直交する平面において、第1駆動源ユニット200と光軸OAとを結んだ第1直線LN1と直交し光軸OAを通る第2直線LN2をはさんで、第1駆動源ユニット200と反対側に配置される。これにより、
図3(B)を用いて説明したように、レンズ保持枠F1の姿勢を安定させたまま、レンズ保持枠F1を光軸OA方向に移動させることができる。
【0055】
また、本第1実施形態によれば、第1駆動源ユニット200は、STM201に電流が供給されていない状態であっても、レンズ保持枠F1の位置を維持する。これにより、カメラ1の電源オフ時にレンズ保持枠F1が他の部材と衝突しないようにするなどの構造が不要である。
【0056】
また、本第1実施形態によれば、STM201は、レンズ保持枠F1の移動量を、STM201の駆動量から算出可能なモータである。これにより、STM201の回転量を検出するセンサ等を設ける必要がないため、レンズ鏡筒100の部品コストを低減することができる。
【0057】
また、本第1実施形態において、VCM310は、マグネット302とコイル303とを備え、マグネット302に対して、コイル303が非接触で駆動される。これにより、例えば、VCM310に代えてリードスクリューとリードスクリューに接触するラック(またはナット)を使用する場合と比較して、摺動による粉塵の発生などを抑制することができる。
【0058】
なお、上記第1実施形態において、駆動制御装置110は、STM201を駆動させている間、
図6(A)に示すように、VCM310に一定の電力を供給してもよいし、
図6(B)に示すように、VCM310に供給する電力を時間と共に変化させてもよい。
図6(A)の場合、STM201を駆動させている間、VCM310は、レンズ保持枠F1に一定の力を付与する。これにより、STM201のみを使用する場合よりも、重いレンズ保持枠F1を駆動することができる。
【0059】
図6(B)の場合、STM201が駆動している間、VCM310がレンズ保持枠F1に付与する力は時間と共に減少する。これにより、レンズ保持枠F1の動き出し時には、大きな力でレンズ保持枠F1の駆動をサポートし、レンズ保持枠F1の停止位置が近づきアシストが不要になるにつれて、VCM310の駆動力を小さくすることができる。
【0060】
また、低温下では、モータトルクが減少したり、モータの内部抵抗が増加するため、入力されたパルス数にモータの回転が追従できず、脱調が生じるおそれがある。そこで、脱調が生じない速度でモータを回転させることが必要となるが、モータの回転数を減少させると、レンズ保持枠F1の移動速度が低下してしまう。そこで、VCM310により、STM201によるレンズ保持枠F1の駆動をサポートすることで、低温下において脱調が生じない速度を増加させることができる。このため、幅広い温度範囲で、レンズ保持枠F1をスムーズに駆動させることができる。
【0061】
なお、
図6(A)及び
図6(B)では、STM201の駆動力を一定としているが、STM201の駆動力は変化してもよい。例えば、レンズ保持枠F1の動き出し時にはモータの回転速度を低くし、徐々にモータの回転速度を上げていく場合に、レンズ保持枠F1の動き出し時にSTM201の駆動力を高くし、徐々にSTM201の駆動力を低下させていってもよい。
【0062】
また、上記第1実施形態において、定速期間中にVCM310に供給する電流の電流値を、加速期間中にVCM310に供給する電流の電流値よりも低くしてもよい。また、加速期間中において、時間ともにVCM310に供給する電流の電流値を低減させてもよい。
【0063】
また、上記第1実施形態において、STM201の実際の回転速度を検出するセンサを設け、STM201の実際の回転速度に応じて、コイル303に供給する電流を変化させてもよい。例えば、STM201の回転速度が低いときには、コイル303に供給する電流の電流値を大きくし、STM201の回転速度が高くなるにつれて、コイル303に供給する電流の電流値を小さくするようにしてもよい。
【0064】
また、上記第1実施形態では、
図5のステップS13及びS14が並行して実行される、すなわち、STM201とVCM310とを並行して駆動していたが、これに限られるものではない。例えば、STM201の駆動を開始してからVCM310の駆動を開始してもよい。すなわち、ステップS13の実行後、ステップS14を実行してもよい。また、VCM310の駆動を開始してから、STM201の駆動を開始するようにしてもよい。すなわち、ステップS14の実行後、ステップS13を実行してもよい。
【0065】
《第2実施形態》
第2実施形態では、第1駆動源ユニット200と第2駆動源ユニット300Aとの配置を、第1実施形態とは異ならせる。
図7(A)は、第2実施形態に係るレンズ保持枠F1Aと、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300Aと、を示す斜視図であり、
図7(B)は、レンズ保持枠F1Aと、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300Aと、をカメラボディ101側から見た平面図である。
【0066】
第2駆動源ユニット300Aは、第2駆動源ユニット300と同一の構造を有する。第2駆動源ユニット300Aのコイル303は、レンズ保持枠F1のコイル保持部14Aに保持されている。
【0067】
第2実施形態では、
図7(B)に示すように、第2駆動源ユニット300Aは、レンズ群L1の光軸OAと直交する平面において、第1駆動源ユニット200(より具体的には、第1駆動源ユニット200が備えるリードスクリュー202の中心軸AX1)と光軸OAとを結んだ第1直線LN1と直交し、光軸OAを通る第2直線LN2よりも、第1駆動源ユニット200側に配置されている。より具体的には、
図7(B)に示すように、レンズ群L1の光軸OAと直交する平面において、第1駆動源ユニット200と第2駆動源ユニット300Aとは、ガイドバー41をはさんで、光軸OAを中心とする円の周方向において対向している。
【0068】
第2実施形態では、第2駆動源ユニット300Aがレンズ保持枠F1に力を付与する位置と、第1駆動源ユニット200がレンズ保持枠F1を駆動させる位置とが近いため、第1駆動源ユニット200と第2駆動源ユニット300Aとを第2直線LN2をはさんで反対側に配置する場合と比較して、レンズ保持枠F1の推進力を大きくすることができる。
【0069】
なお、上記第2実施形態において、第1駆動源ユニット200と第2駆動源ユニット300Aとは、ガイドバー41をはさんで、光軸OAを中心とする円の周方向において対向していたが、これに限られるものではない。第2駆動源ユニット300Aは、レンズ群L1の光軸OAと直交する平面において、第2直線LN2よりも、第1駆動源ユニット200側に配置されていれば、どの位置にあってもよい。例えば、第2駆動源ユニット300Aは、第1駆動源ユニット200をはさんでガイドバー41と対向する位置に配置されていてもよい。
【0070】
《第3実施形態》
第3実施形態は、第2駆動源ユニットを複数設ける。
図8(A)は、第3実施形態に係るレンズ保持枠F1Bと、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300B1及び300B2と、を示す斜視図であり、
図8(B)は、レンズ保持枠F1Bと、第1駆動源ユニット200と、第2駆動源ユニット300B1及び300B2と、をカメラボディ101側から見た平面図である。
【0071】
第2駆動源ユニット300B1は、第2駆動源ユニット300と同一の構成を有し、第2駆動源ユニット300B2は、第2駆動源ユニット300Aと同一の構成を有する。第2駆動源ユニット300B1のコイル303は、レンズ保持枠F1Bのコイル保持部14B1に取り付けられ、第2駆動源ユニット300B2のコイル303は、コイル保持部14B2に取り付けられている。
【0072】
図8(A)及び
図8(B)に示すように、第3実施形態において、レンズ鏡筒100は、2つの第2駆動源ユニット300B1及び300B2を備える。第2駆動源ユニット300B1は、レンズ群L1の光軸OAと直交する平面において、第1駆動源ユニット200(より具体的には、第1駆動源ユニット200が備えるリードスクリュー202の中心軸AX1)と光軸OAとを結んだ第1直線LN1と直交し、光軸OAを通る第2直線LN2をはさんで、第1駆動源ユニット200と反対側に配置されている。第2駆動源ユニット300B2は、第2直線LN2よりも、第1駆動源ユニット200側に配置されている。
【0073】
これにより、第1駆動源ユニット200の近傍に配置された第2駆動源ユニット300B2によって、レンズ保持枠F1の推進力を増加させるとともに、第2駆動源ユニット300B1によって、レンズ保持枠F1の姿勢を安定させながらレンズ保持枠F1を光軸OA方向に移動させることができる。
【0074】
なお、上記第1~第3実施形態において、レンズ群L1はフォーカスレンズ群であるとしたが、レンズ群L1はズームレンズ群であってもよい。
【0075】
また、上記第1~第3実施形態において、STM201に代えて、リニア型超音波モータ又はロッド型超音波モータを用いてもよい。リニア型超音波モータ又はロッド型超音波モータを用いる場合には、位置検出センサを設ければよい。
【0076】
また、上記第1~第3実施形態において、VCM310,310A,310B1,310B2は、マグネット302をレンズ保持枠F1に取り付け、コイル303を固定筒10に取り付けたムービングマグネット型のVCMであってもよい。
【0077】
また、レンズ鏡筒100は、複数のフォーカスレンズ群を備えていてもよい。
図9は、レンズ群L1と、レンズ群L2と、をフォーカスレンズ群として備えるレンズ鏡筒100Aについて説明する断面図である。
【0078】
図9において、レンズ群L1はレンズ保持枠F1に保持され、レンズ群L2はレンズ保持枠F2に保持され、レンズ保持枠F1とレンズ保持枠F2とは、光軸OA方向に隣り合っている。
【0079】
レンズ鏡筒100Aは、レンズ保持枠F1に光軸OA方向の力を付与する第2駆動源ユニット300Dと、レンズ保持枠F2に光軸OA方向の力を付与する第3駆動源ユニット400と、を備えている。第2駆動源ユニット300Dは、ヨーク501と、マグネット502と、コイル303と、を含むVCM310Dを備える。一方、第3駆動源ユニット400は、ヨーク501と、マグネット502と、コイル403と、を含むVCM410を備える。第2駆動源ユニット300DのVCM310Dと、第3駆動源ユニット400のVCM410と、は、ヨーク501と、マグネット502とを共有する。これにより、レンズ保持枠F1に光軸OA方向の力を付与する第2駆動源ユニット300Dと、レンズ保持枠F2に光軸OA方向の力を付与する第3駆動源ユニット400と、の部品点数を削減することができる。そのため、レンズ鏡筒が備える複数のフォーカスレンズ群の駆動をアシストする駆動源ユニットを各フォーカスレンズ群に対して設ける場合において、ヨーク501とマグネット502とを共有しない場合よりも、レンズ鏡筒100Aの重量を低減することができる。
【0080】
なお、上記第1~第3実施形態において、レンズ保持枠F1の位置を検出する位置検出センサを設けてもよい。位置検出センサとしては、例えば、光学式エンコーダ、磁気エンコーダ、ポテンショメータ等を用いることができる。光学式エンコーダを用いる場合には、例えば、フォトインタラプタを用いてもよいし、フォトリフレクタを用いてもよい。
【0081】
上述した実施形態は好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能であり、任意の構成要件を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 カメラ
41 ガイドバー
100、100A レンズ鏡筒
101 カメラボディ
110 駆動制御装置
200 第1駆動源ユニット
201 ステッピングモータ
300、300A、300B1、300B2、300D 第2駆動源ユニット
310 ボイスコイルモータ
400 第3駆動源ユニット
L1、L2 レンズ群
F1、F2 レンズ保持枠
LN1 第1直線
LN2 第2直線